JP2023049080A - 採血システム及び採血方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】採血効率を向上させて十分な量の血液を採取できるようにし得る採血システム及び方法を提案する。【解決手段】かかる課題を解決するため、本発明においては、被験者の血液を採取するために利用される採血システム及びその採血システムにおいて実行される採血方法であって、かかる採血システムが、被験者の指に穿刺針を穿刺し、その後、被験者の指に捲回するように装着されたカフを膨張させて被験者の指に所定圧力を与えるように、カフに加圧エアーを供給するようにした。【選択図】 図1

Description

本発明は採血システム及び方法に関し、被験者の認証及び採血を同時に行う認証採血システムに適用して好適なものである。
近年、生活習慣病及びその予備軍の増加が社会問題化しつつある。これに伴い、血液を採取して糖尿病や高脂血症及び肝機能障害などの生活習慣病の有無を診断する機会も増えてきている。例えば、人間ドックや健康診断では、ほとんどの場合に血液検査が実施されている。
また近年では、ショッピングモールやスポーツクラブ、遊興施設又は企業オフィスなどにブースを設け、血液検査を含めた健康チェックを低価格で行う民間の生活習慣病の総合診断サービスも提供されるようになってきた(非特許文献1参照)。
ここで、血液検査に関する技術として、特許文献1には、カメラを実装した試験デバイスによって、手の静脈パターンを利用して被験者認証や血液採取及び測定を行う技術が開示されている。
特表2020-510812号公報
"予防医療事業"、[online]、ケアプロ株式会社、[令和3年9月14日検索]、インターネット<https://carepro.co.jp/preventive/>
ところで、例えば非特許文献1では、採血検査に際しては被験者自身が採血を行うこととしているが、医者や看護師などの専門家でない被験者自身が行う採血では、十分な量の血液を採取し得ない場合があった。
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、採血効率を向上させて、十分な量の血液を採取できるようにする採血システム及び方法を提案しようとするものである。
かかる課題を解決するため本発明においては、被験者の血液を採取するために利用される採血システムにおいて、前記被験者の指に穿刺針を穿刺する穿刺採血機構と、前記被験者の指に捲回されて装着されるカフと、前記カフを膨張させて前記被験者の指に所定圧力を与えるように、前記カフに加圧エアーを供給するカフ制御部とを設けるようにした。
また本発明においては、被験者の血液を採取するために利用される採血システムにおいて実行される採血方法であって、前記採血システムが、前記被験者の指に穿刺針を穿刺する第1のステップと、前記採血システムが、被験者の指に捲回するように装着されたカフを膨張させて前記被験者の指に所定圧力を与えるように、前記カフに加圧エアーを供給する第2のステップとを設けるようにした。
本発明によれば、採血効率を向上させて十分な量の血液を採取できるようにする採血システム及び方法を実現できる。
本実施の形態による採血システムの全体構成を示すブロック図である。 (A)及び(B)は、採血装置の穿刺採血機構の説明に供する上面図及び側面図である。 被験者認証採血制御処理の処理手順を示すフローチャートである。 明るさ調整処理の処理手順を示すフローチャートである。 指先画像の画像例を示す図である。 処理領域の平均輝度と調光量との関係を示すグラフである。 被験者認証処理の処理手順を示すフローチャートである。 (A)は穿刺針軌跡の説明に供する図であり、(B)は穿刺針軌跡座標データを示す図表である。 穿刺針軌跡の求め方の説明に供する図である。 穿刺位置決定処理の処理手順を示すフローチャートである。 (A)は穿刺位置候補の抽出手法の説明に供する図及びグラフであり、(B)はグラフの谷部の検出手法の説明に供する図である。 カフ制御部の構成を示す図である。 (A)はカフ制御部のポンプに対する制御電圧の波形を示すグラフ、(B)はカフ圧力の変動を表すグラフ、(C)は赤外線LEDに印加する制御電圧の波形を表すグラフ、(D)は赤外線LEDが発光する近赤外線光の明るさを表すグラフである。 (A)及び(B)は、被験者の指を圧迫することにより得られる静脈強調効果の説明に供する図である。
以下図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
(1)本実施の形態による採血システムの構成
図1において、1は全体として本実施の形態による採血システムを示す。この採血システム1は、被験者の認証及び採血を同時に行う採血システムであり、被験者認証採血制御装置2及び採血装置3を備えて構成される。
被験者認証採血制御装置2は、被験者認証採血制御装置本体10、操作者用表示装置11及び被験者用表示装置12から構成される。また被験者認証採血制御装置本体10は、CPU(Central Processing Unit)13、メモリ14及び記憶装置15を備えた汎用のコンピュータ装置から構成される。
CPU13は、被験者認証採血制御装置2全体の動作制御を司るプロセッサである。またメモリ14は、例えば揮発性の半導体メモリから構成され、CPU13のワークメモリとして利用される。さらに記憶装置15は、ハードディスク装置やSSD(Solid State Drive)などの不揮発性の大容量の記憶装置から構成され、各種ソフトウェアや長期間保存が必要な各種データが予め格納される。
記憶装置15に格納された各種ソフトウェアが被験者認証採血制御装置2の起動時や必要時にメモリ14にロードされ、メモリ14にロードされたプログラムをCPU13が実行することにより、後述のような被験者認証採血制御装置2全体としての各種処理が実行される。
操作者用表示装置11は、被験者認証採血制御装置2を操作する操作者向けの情報を表示するために利用される表示装置であり、液晶パネルや有機EL(Electro-Luminescence)又はタッチパネルなどから構成される。また被験者用表示装置12は、被験者向けの情報を表示するために利用される表示装置であり、例えばタッチパネルなどから構成される。
なお、被験者認証採血制御装置本体10の記憶装置15には、被験者向けアプリケーションソフトウェア(以下、これを被検者向けアプリと呼ぶ)16、採血アプリケーションソフトウェア(以下、これを採血アプリと呼ぶ)17及び認証データベース18が格納される。
被験者向アプリ16は、採血アプリ17と情報通信を行うことができるソフトウェアであり、採血アプリ17からの指示に応じて、採血開始の合図や、採血修了の合図を被験者用表示装置12に表示したり、被験者用表示装置12に対する被験者の操作入力に応じて使い方ガイドなどの各種情報を被験者用表示装置12に表示する。
また採血アプリ17は、後述する採血装置3の赤外線LED(Light Emitting Diode)26から放射される近赤外線光の明るさ調整や、被験者の認証、及び、被験者の指における穿刺針を穿刺する位置(以下、これを穿刺位置と呼ぶ)を決定する処理などを行う。
認証データベース18は、予め登録された各被験者の指静脈の特徴画像が、それぞれ対応する被験者の識別子(以下、これを被験者IDと呼ぶ)と対応付けて格納されたデータベースである。「指静脈の特徴画像」の詳細については後述する。
採血装置3は、被験者から血液を採取する装置であり、カフ20、カフ制御部21、採血部22及び制御部23を備えて構成される。
カフ20は、帯状に形成された風船体であり、被験者の指24に捲回するように装着されて使用される。またカフ制御部21は、カフ20に加圧エアーを注入することでカフ20の内部圧力を上昇させてカフ20を膨張させたり、カフ20への加圧エアーの供給を停止することでカフ20の内部圧力を低下させてカフ20を収縮させる、カフ20の駆動装置である。カフ20を膨張又は収縮させることによって、カフ20が捲回された指24に対して圧力を加えたり、その圧力を解放することができる。
採血部22は、被験者の指24に穿刺針を穿刺して採血を行う機構部分であり、穿刺採血機構25、赤外線LED26及び赤外線暗視カメラ27を備えて構成される。
穿刺採血機構25は、図2(A)に示すように、円柱形の凹部からなるホルダ30Aが複数備設けられた回転台30を備えて構成される。なお各ホルダ30Aは、回転台30の中心位置から等距離にそれぞれ形成されている。
回転台30の中心部には、当該回転台30と同軸に軸体31が固定されている。また軸体31は、図示しないモータ等のアクチュエータと係合しており、このアクチュエータを駆動することによって、軸体31及び回転台30を一体にこれら軸体31及び回転台30の中心軸の周りに回転駆動させることができるようになされている。
また回転台30の上方には指置台32が配設されている。この指置台32は、図2に示すように、先端に行くほど下方向に傾斜する傾斜部32Aと、傾斜部32Aの先端側に傾斜部32Aと連続して設けられた指先支持部32Bとを備えて構成される。また指置台32には、当該指置台32に所定状態に載せられた指24における第一関節よりも先端側の指腹部と対向する位置に開口部32Cが設けられている。
これにより被験者が、図2(A)のように指24の先端部を開口部32Cの先端面に突き当てた所定状態に指24を指置台32に載せたときに、その指24の第一関節よりも先端側の指腹部が開口部32Cを介して回転台30側に露出するようになされている。
赤外線LED26は、波長が940nm程度の近赤外線光を被験者の指24に照射する光源である。赤外線LED26は、図2(A)のように、放射した近赤外線光が、上述のように指置台32上に載せられた被験者の指24の第一関節よりも先の部分を斜めに(その指24に対して斜めに)透過した後、指置台32の開口部32Cを介して下方に出射するように指置台32の上方に配置される。
また赤外線暗視カメラ27は、上述のように被験者の指24を透過して指置台32の開口部32Cを介して下方に出射した近赤外線光を撮影するため、その撮影光軸が赤外線LED26の光軸と重なるように穿刺採血機構25の回転台30に固定される。赤外線暗視カメラ27は、USB(Universal Serial Bus)ケーブル33(図1)を介して被験者認証採血制御装置本体10と接続されており、かかる撮影により得られた撮影映像の映像データがUSBケーブル33を介してリアルタイムで被験者認証採血制御装置本体10に送信される。
制御部23は、図示しないCPU及びメモリ等の情報処理資源を備えたコンピュータ装置である。制御部23は、LAN(Local Area Network)ケーブル34(図1)を介して被験者認証採血制御装置本体10と接続されており、このLANケーブル34を介して被験者認証採血制御装置本体10から与えられた指示に従って穿刺採血機構25を制御する。
また制御部23には、モータドライバ28及びGPIO(General Purpose Input/Output)インタフェース29が設けられている。そして制御部23は、被験者認証採血制御装置本体10から与えられた指示に従って、図12について後述するカフ制御部21のポンプ60をモータドライバ28により駆動制御したり、GPIOインタフェース29に接続された赤外線LED26の明るさを制御する。
図2(A)との対応部分に同一符号を付した図2(B)は、採血部22の他の構成例を示す。この構成例は、指置台32に載せられた被験者の指24の第1関節よりも先の部分を垂直に(その指24に対して垂直)に透過するように赤外線LED26が配置されている点が図2(A)と相違する。
また、これに伴って赤外線暗視カメラ27が、その撮影光軸が赤外線LED26の光軸と重なるように、回転台30から切り離されて配設されている。このため回転台30には、回転時に赤外線暗視カメラ27と干渉するのを避けるための窪み30Bが設けられている。
本実施の形態の場合、採血部22の構成として図2(A)及び図2(B)の双方とも採用することができるが、図2(A)の構成の方が画像のコントラストが低下しやすいため、一般的には図2(B)の構成が採用されるケースが多い。しかしながら、本実施の形態においては、図2(B)の構成よりも採血部22の機構を単純化及びコンパクト化し易い図2(A)の構成を優先選択肢とする。
(2)被験者認証及び採血に関する被験者認証採血制御装置の処理
次に、採血システム1において被験者の認証及び採血を行うために被験者認証採血制御装置2において実行される一連の処理(以下、これを被検者認証採血処理と呼ぶ)の流れについて説明する。なお以下の説明においては、被検者認証採血処理の処理主体を採血アプリ17(図1)として説明するが、実際上は、採血アプリ17に基づいて被験者認証採血制御装置本体10(図1)のCPU13(図1)がその処理を実行することは言うまでもない。
(2-1)被験者認証採血制御処理
図3は、かかる被験者認証採血制御処理の一連の流れを示す。採血アプリ17は、被験者が指24を指置台32(図2(A))に所定状態に載せた後に、被験者認証採血制御装置2の操作者により所定操作が行われるとこの被験者認証採血制御処理を開始する。そして採血アプリ17は、まず、採血装置3(図1)の赤外線暗視カメラ27(図1)から送信される撮影映像の映像データに基づいて採血装置3の赤外線LED26(図1)から放射される近赤外線光の明るさを調整する(S1)。
続いて、採血アプリ17は、かかる映像データに基づいて被験者の認証を行う(S2)。そして採血アプリ17は、この認証が失敗した場合にはこの被験者認証採血制御処理を終了する(S3;NO)。
これに対して、採血アプリ17は、ステップS2において被験者の認証が成功した場合には(S3;YES)、指置台32の開口部32C(図2(A))を介して回転台30側に露出した被験者の指24の先端側の指腹部における穿刺針を穿刺する位置(以下、これを穿刺位置と呼ぶ)を決定する(S4)。
次いで、採血アプリ17は、ステップS4で決定した穿刺位置の座標データ(以下、これを穿刺位置座標データと呼ぶ)を、その穿刺位置に穿刺針を穿刺すべき旨の穿刺指示と共に採血装置3の制御部23(図1)に送信する(S5)。
かくして、この穿刺指示を受信した採血装置3の制御部23は、このとき与えられた穿刺位置座標データに基づいて穿刺採血機構25を制御することにより、回転台30のいずれかのホルダ30A(図2(A))に嵌め込むようにしてセットされた図示しないランセットの穿刺針が指定された穿刺位置の真下に位置するように回転台30を必要に応じて回転させる。
また制御部23は、この後、かかるランセットの穿刺針を、指置台32に載せられた被験者の指24の先端側の指腹部における穿刺位置に深さ2mm程度穿刺させるように回転台30を上昇させる。これによりランセットの穿刺針が採血アプリ17が決定した穿刺位置に穿刺されて採血が行われる。
この後、穿刺が完了すると、その旨が採血装置3の制御部23から被験者認証採血制御装置2に通知される(S6)。そして、この通知を受信した被験者認証採血制御装置2の採血アプリ17は、この一連の被験者認証採血制御処理を終了する。
(2-2)明るさ調整処理
図4は、図3について上述した被験者認証採血制御処理のステップS1において採血アプリ17により実行される明るさ調整処理の具体的な処理内容を示す。採血アプリ17は、この図4に示す処理手順に従って採血装置3の赤外線LED26が放射する近赤外線光の明るさを調整する。
実際上、採血アプリ17は、被験者認証採血制御処理のステップS2に進むとこの明るさ調整処理を開始し、まず、赤外線暗視カメラ27から送信されてきた撮影映像の映像データに基づく被験者の指先の画像(以下、これを指先画像と呼ぶ)をキャプチャする(S10)。
図5は、このときキャプチャされた指先画像50の画像例を示す。この指先画像50には、指置台32(図2(A))の開口部32C(図2(A))から赤外線暗視カメラ27側に露出した被験者の指24の先端部と、その先端部内に存在する指静脈51の陰影とが映し出されている。
この場合において、本実施の形態においては赤外線LED26として波長が940nm程度の近赤外線光を放射するものが用いられているため、被験者の指24の先端部における指腹部の表面から2mm程度の深さ、つまり本実施の形態においてランセットの穿刺針が被験者の指24に穿刺される深さと同じ位置に存在する指静脈51の陰影のみが指先画像50内に映し出されることになる。
続いて、採血アプリ17は、キャプチャした指先画像50のうち、被験者の指24の先端部近傍に対応する予め設定された領域を、ステップS12以降の処理を行う処理領域52として指先画像50から切り出し(S11)、切り出した処理領域52内の平均輝度を算出する(S12)。
次いで、採血アプリ17は、算出した処理領域52内の平均輝度に応じた調光量を算出する(S13)。このときの調光量の算出手法については、後述する。そして採血アプリ17は、赤外線LED26が放射する近赤外線光の明るさを調整すべき旨の指示(以下、これを調光指示と呼ぶ)を、ステップS13で算出したこのときの調光量と共に採血装置3の制御部23に送信する(S14)。かくして、この通知を受信した採血装置3の制御部23は、通知された調光量分だけ明るさを変更するよう赤外線LED26を制御する。
この後、採血アプリ17は、赤外線LED26が放射する近赤外線光の明るさ調整が完了したか否かを判断する(S15)。具体的に、採血アプリ17は、ステップS10~ステップS13と同様にして、新たに指先画像50をキャプチャし、キャプチャした指先画像50から切り出した処理領域52内の平均輝度を算出し、算出した平均輝度が予め設定された目標輝度から所定範囲内となったか否かを判断する。
そして採血アプリ17は、この判断で否定結果を得るとステップS10に戻り、この後、ステップS15で肯定結果を得るまでステップS10~ステップS15の処理を繰り返す。そして採血アプリ17は、やがて指先画像50の処理領域52の平均輝度が目標輝度から所定範囲内になることによりステップS15で肯定結果を得ると、この明るさ調整処理を終了する。
ここで、かかる明るさ調整処理のステップS13における採血アプリ17の具体的な処理内容について説明する。図6は、本実施の形態において、採血アプリ17に予め設定された、かかる処理領域52内の平均輝度と、当該平均輝度に対する赤外線LED26が放射する近赤外線光の調光量との関係を示す。
本実施の形態においては、処理領域52内の平均輝度を高輝度非線形領域、線形領域及び低輝度非線形領域の3つの領域に分けて、これら高輝度非線形領域、線形領域及び低輝度非線形領域ごとにそれぞれ異なる調光量の算出手法を適用する。ただし、この領域分類は、標準的なケースを想定した目安である。
図6において、曲線K1は標準よりも小さい指、曲線K2は標準の大きさの指(以下、これを標準指と呼ぶ)、曲線K3は標準よりも大きい指を想定した処理領域52内の平均輝度と、当該平均輝度に対する赤外線LED26の調光量との関係を示す。ここでは、指の大きさに関わらず、曲線K1~K3の傾きはほぼ等しいと想定する。
採血アプリ17は、明るさ調整処理(図4)のステップS12で算出した平均輝度が、高輝度非線形領域内にある場合であって、予め設定された最大輝度B1(図6)を超えていたときには、調光量をそのときの平均輝度の1/2として算出する。
また採血アプリ17は、ステップS12で算出した平均輝度が、低輝度非線形領域内にある場合には、線形領域及び低輝度非線形領域の境である初期輝度B3(図3)と、上述の最大輝度B1との比で調整可能な最大の調光量(以下、これを最大調光量と呼ぶ)を按分し、按分後の最大調光量のうちの最大輝度B1に対応する方を調光量とする。
さらに採血アプリ17は、平均輝度が線形領域にある場合には、赤外線LED26が放射する近赤外線光の明るさを徐々に目標輝度B2(図6)に近づけるように、ステップS12で算出した平均輝度が予め設定された目標輝度B2に到達するまで段階的に調光量を増加させる。具体的に、採血アプリ17は、図6の曲線K1~K3の線形領域における傾きをaとして、次式
Figure 2023049080000002
により、処理領域52内の平均輝度Δyを算出し、算出したΔyを利用して次式
Figure 2023049080000003
により、今回の調光量Δxを算出する。
(2-3)被験者認証処理
図7は、図3について上述した被験者認証採血制御処理のステップS2において採血アプリ17により実行される被験者認証処理の具体的な処理内容を示す。採血アプリ17は、この図7に示す処理手順に従って、そのとき指置台32に指24を載せている被験者を認証する。
実際上、採血アプリ17は、被験者認証採血制御処理のステップS2に進むとこの被験者認証処理を開始し、まず、赤外線暗視カメラ27から送信されてきた映像データに基づくフレーム画像(つまり指先画像50(図5))から、被験者の指静脈の特徴を抽出した特徴画像を作成する(S20)。
具体的に、採血アプリ17は、被験者の指先画像50に対して複数フレーム間で同じ位置のピクセルの輝度をそれぞれ平均化するフレーム間平均化処理と、指先画像50からノイズを除去するガウシアンフィルタ処理と、指先画像50を縮小化する画像縮小処理とを順次施し、かくして得られた指先画像50の縮小画像から特徴量を抽出することにより特徴画像を作成する。
次いで、採血アプリ17は、作成した特徴画像を、認証データベース18(図1)に格納されている各被験者の特徴画像とそれぞれ照合し(S21)、ステップS20で作成した特徴画像が認証データベース18に登録されているいずれかの特徴画像と一致したか否かを判断する(S22)。
そして採血アプリ17は、この判断で肯定結果を得ると、現在の被験者が、ステップS20で作成した特徴画像とステップS21の照合で一致した認証データベース18上の特徴画像に対応する被験者であるか否かを確認するためのメッセージを被験者用表示装置12(図1)に表示するよう被験者向けアプリ16(図1)に指示を与え(S23)、この後、この被験者認証処理を終了する。
かくして、この場合、被験者用表示装置12には、例えば「○○さんですね」といったメッセージが被験者向けアプリ16により表示される。なお「○○」は、ステップS20で作成した特徴画像とステップS21の照合で一致した認証データベース18上の特徴画像に対応する被験者の名前である。
これに対して、採血アプリ17は、ステップS22の判断で否定結果を得ると、係員の呼出しを行い(S24)、この後、この被験者認証処理を終了する。
(2-4)穿刺位置決定処理
次に、図3について上述した被験者認証採血制御処理のステップS4において採血アプリ17により実行される穿刺位置決定処理について説明する。これに際して、まず、穿刺針軌跡について説明する。
上述のように本実施の形態の採血システム1では、図2(A)について上述した回転台30のホルダ30Aにランセット(図示せず)を差し込むようにしてセットし、その後、回転台30を上昇させるようにして指置台32(図2(A))の開口部32C(図2(A))から露出する被験者の指先の指腹部にランセットの穿刺針を穿刺する。
従って、かかる穿刺針は、回転台30を回転させることにより回転台30の中心軸を中心とする円周上を移動するため、回転台30を回転させたときの指先画像50(図5)内における穿刺針は、図8(A)に示すような円弧状の軌跡(以下、これを穿刺針軌跡と呼ぶ)L1を描いて移動することになる。よって穿刺針軌跡L1は、回転台30のホルダ30Aにセットされたランセットの穿刺針が穿刺可能な位置の集合体ということができる。
この場合において、この穿刺針軌跡L1は、回転台30に対する赤外線暗視カメラ27の位置が固定されている場合には、指先画像50内において常に同じ位置となる。このため、指先画像50内における穿刺針軌跡L1は、以下の手法により求めることができる。
まず、回転台30のホルダ30A内にセットされたランセットの穿刺針と同じ位置にペン先が位置するように、回転台30のホルダ30A内にフェルトペンを固定した状態にセットする。次に、指置台32に指24を所定状態に載せ、指置台32の開口部32Cから露出する指24の指腹部にフェルトペンのペン先を接触させた状態で回転台30を回転させる。このようにして、図9に示すように、その指24の指腹部に円弧状のマーカ(以下、これを軌跡マーカと呼ぶ)L2を描画する。
なお、図9では、理解の容易化のため、軌跡マーカL2と穿刺針軌跡L1とを離して表記しているが、実際上は、軌跡マーカL2は穿刺針軌跡L1の一部であるため、軌跡マーカL2は穿刺針軌跡L1と完全に重なる。よって、この軌跡マーカL2に基づいて指先画像50内における穿刺針軌跡L1を求めることができる。
そして本実施の形態の場合、このようにして求めた穿刺針軌跡L1を、例えば図8(B)に示すような穿刺針軌跡L1上の各点の座標データ(以下、これらを纏めて穿刺針軌跡座標データと呼ぶ)として採血装置3の制御部23が予め記憶している。なお、この図8(B)に示す穿刺針軌跡座標データは、図8(A)のように指先画像50の画像サイズを640×480ピクセル、処理領域のサイズを320×220ピクセルとして、穿刺針軌跡L1上の各位置(横方向の0ピクセル目、1ピクセル目、2ピクセル目、……の各位置)の座標を求めたものである。
ここで、図10は、図3について上述した被験者認証採血制御処理のステップS4において採血アプリ17により実行される穿刺位置決定処理の具体的な処理内容を示す。採血アプリ17は、この図10に示す処理手順に従って指置台32に載せられた指24の穿刺位置を決定する。
実際上、採血アプリ17は、被験者認証採血制御処理のステップS4に進むとこの穿刺位置決定処理を開始し、まず、採血装置3の赤外線暗視カメラ27から送信されてくる映像データに基づく指先画像に対して上述のフレーム間平均化処理及びガウシアンフィルタ処理を順次実行する(S30,S31)。
また採血アプリ17は、採血装置3の制御部23にアクセスして図8(B)について上述した穿刺針軌跡座標データを取得し(S32)、取得した穿刺針軌跡座標データに対して、周辺画素値の大小比較を行って最も小さい値の画素に変換する最小値フィルタ処理と、画像の濃淡を変換するトーンカーブ変換処理とを順次施す(S33,S34)。
続いて、採血アプリ17は、上述のように最小値フィルタ処理及びトーンカーブ変換処理を施した穿刺針軌跡座標データに基づく穿刺針軌跡L1上で、指先画像50の処理領域52内において被験者の指静脈51(図5)の陰影と交差する位置であって、より太い指静脈51の陰影が穿刺針軌跡L1とそれぞれ交差する位置を幾つか検出し、検出したこれら位置の座標の中から1つの位置を穿刺位置に決定する(S35)。
このように被験者の指静脈51の陰影が穿刺針軌跡L1と交差する位置を穿刺位置とすることにより、結果的に被験者の指静脈51に穿刺して採血を行うことができるため、指静脈51以外の箇所に穿刺して採血する場合と比べてより多くの血液を採取することができる。
そして採血アプリ17は、ステップS35で決定した穿刺位置の座標を採血装置3の制御部23に通知し(S36)、この後、この穿刺位置決定処理を終了する。
かくして、この通知を受信した採血装置3の制御部23は、回転台30にセットされたランセットの穿刺針を採血アプリ17から通知された位置に位置させるように採血部22の穿刺採血機構25を制御すると共に、回転台30を上昇させるようにしてその穿刺針をその位置に穿刺させるようにして採血を実行する。
なお、かかる穿刺位置決定処理のステップS35における採血アプリ17の具体的な処理内容について説明する。図11(A)の下段のグラフK10に示すように、処理領域52内の穿刺針軌跡L1の輝度は、指静脈51の陰影と交差する位置が周囲の輝度と比べて低く、交差する指静脈51が太ければ太いほど輝度が低くなる。
また図11(B)に示すように、図11(A)のグラフK10におけるグラフ形状が下に凸の部分(以下、これを谷部と呼ぶ)の最下点の位置をP、点Pから指先画像50の右側に所定距離w/2だけ離れた位置に対応するグラフK10上の点をQ、点Pから指先画像50の左側に所定距離w/2だけ離れた位置に対応するグラフK10上の点をRとすると、∠QPRの大きさは対応する谷部の深さが大きいほど(つまり指先画像50内のかかる最下点に対応する箇所の輝度が小さいほど)より小さくなる。
そこで、採血アプリ17は、これらの原理を利用して、穿刺針軌跡L1における指先画像50の処理領域52内を通過する部分のうち、周囲に比べて輝度が所定以上小さい谷部をすべて抽出すると共に、抽出した谷部の中からより輝度が小さい(図11(B)の∠QPRがより小さい)谷部を穿刺位置候補として幾つか(例えば3つ)抽出する。
そして採血アプリ17は、このようにして抽出した穿刺位置候補のうち、少なくとも前回の採血時に穿刺針を穿刺した位置とは異なる穿刺位置候補を今回の穿刺位置に決定する。
このための手段として、採血アプリ17は、前回の採血時の穿刺位置を、登録された被験者ごとにそれぞれ記憶している。具体的には、採血アプリ17は、前回の採血時において、最も輝度が低い穿刺位置候補から数えて何番目に輝度が低い穿刺位置候補を穿刺位置として決定したか(そのとき決定した穿刺位置のそのときの穿刺位置候補内での輝度順位)を、その被験者と対応付けて認証データベース18(図1)に登録して管理している。
そして採血アプリ17は、上述のようにして穿刺位置候補を抽出後、認証データベース18を参照して、今回抽出した幾つかの穿刺位置候補のうち、前回の穿刺位置の輝度順位と異なる輝度順位の穿刺位置候補をラウンドロビン法などにより1つ選択し、選択した穿刺位置候補を今回の穿刺位置に決定する。
このように本実施の形態の採血システム1では、穿刺針の穿刺位置として、少なくとも前回の穿刺位置とは異なる位置を選択するようになされ、これにより採血の際に何度も同じ位置に穿刺されることによる被験者の苦痛を低減させ得るようになされている。
(3)採血装置の制御部によるカフの圧力制御及び赤外線LEDの明るさ制御
次に、採血装置3の制御部23により行われるカフ20(図1)の圧力制御及び赤外線LEDの明るさ制御につて説明する。これに際して、まず、カフ制御部21(図1)の構成について説明する。
図12は、採血装置3のカフ制御部21の構成を示す。この図12に示すように、カフ制御部21は、ポンプ60、チェックバルブ61、エアーバッファ62及び圧力調整バルブ63を備えて構成される。
ポンプ60は、加圧エアーを発生させるエアー回路要素であり、チェックバルブ61は、エアー回路内の圧力変動によるエアーの逆流を防ぐためのエアー回路要素である。またエアーバッファ62は、カフ20の急激な圧力変動による被験者の苦痛を緩和するためのエアー回路要素であり、圧力調整バルブ63は、過剰な圧力を抜くことによりカフ20の破裂を防止するために用いられるエアー回路要素である。
さらにポンプ60及びチェックバルブ61間と、チェックバルブ61及びエアーバッファ62間と、エアーバッファ62及び圧力調整バルブ63間とは、それぞれφ3-5mmのPP(Polypropylene)チューブ64A,64B,64Cで連結されると共に、エアーバッファ62及び圧力調整バルブ63間は分岐されてφ3-5mmのPPチューブ64Dを介してカフ20と接続されている。
加えて、ポンプ60は、ジャンパー線65Aを介して制御部23のモータドライバ28と接続される。そしてポンプ60は、ジャンパー線65Aを介してモータドライバ28から与えられる制御電圧に基づいて加圧エアーを発生させ、発生させた加圧エアーをPPチューブ64Aを介してチェックバルブ61に出力する。そしてこの加圧エアーが、この後、チェックバルブ61、エアーバッファ62を介してカフ20に注入される。
また赤外線LED26もジャンパー線65Bを介して制御部23のGPIOインタフェース29と接続されている。そして赤外線LED26は、ジャンパー線65Bを介して制御部23のGPIOインタフェース29から与えられる制御電圧に基づいて駆動し、当該制御電圧に応じた明るさの近赤外線光を放射する。
図13(A)は、制御部23のモータドライバ28がジャンパー線65Aを介してポンプ60に印加する制御電圧の電圧波形を示し、図13(B)は、このときのカフ20の内部圧力を示す。図13(A)に示すように、モータドライバ28は、例えば10秒を1周期とする矩形波状の制御電圧をポンプ60に印加する。
この場合、ポンプ60は、制御電圧が論理「1」レベル(例えば、12V)に立ち上がっている期間は駆動して加圧エアーを出力する。そして、この加圧エアーが、ポンプ60及びチェックバルブ61を接続するPPチューブ64Aと、チェックバルブ61及びエアーバッファ62間を接続するPPチューブ64Bと、エアーバッファ62及びカフ20間を接続するPPチューブ64Dとを順次介してカフ20に供給される。この結果、カフ20の内部圧力が上昇してカフ20が膨張し、捲回先の指24に対して適度な圧力を与える。
またポンプ60は、制御電圧が論理「0」レベル(例えば、0V)に立ち下がっている期間は動作を停止する。この結果、ポンプ60及びチェックバルブ61を接続するPPチューブ64Aと、チェックバルブ61及びエアーバッファ62間を接続するPPチューブ64Bと、エアーバッファ62及びカフ20間を接続するPPチューブ64Dとの内部圧力が低下する。この結果、カフ20の内部圧力も低下してカフ20が収縮し、カフ20が捲回先の指24に与えていた圧力が低下する。
そして本実施の形態の採血装置3では、制御部23のモータドライバ28が矩形波状の制御電圧をポンプ60に印加することで、このようにカフ20が捲回先の指24に対して加圧及び減圧を繰り返し、これによりカフ20の捲回先の指24に対して人がマッサージするのと同様の効果を与えることができる。そして本実施の形態の採血装置3では、このようにすることによって、カフ20の捲回先の指24の出血量を増加させることができ、何もしない場合と比べてより多くの血液を採取することができる。
またカフ20によって被験者の指24を圧迫することによって指先画像50における静脈強調効果を得ることもできる。すなわち、被験者の指24を圧迫した場合、図14(B)に示すように、その圧力により被験者の指静脈51が膨張し、図14(A)に示す圧迫しない場合と比べて、指先画像50における指静脈51の陰影のコントラストが高くなる。この結果、穿刺位置候補を抽出する際に、穿刺針軌跡L1と被験者の指静脈51の陰影とが交差する位置をより精度良く検出することができるようになる。
一方、図13(C)は、制御部23がGPIOインタフェース29及びジャンパー線65Bを介して赤外線LED26に印加する制御電圧の電圧波形を示し、図13(D)は、このとき赤外線LED26から放射される近赤外線光の明るさを示す。図13(C)に示すように、制御部23は、例えば10秒を1周期とする矩形波状の制御電圧を赤外線LED26に印加する。
この場合、赤外線LED26は、PWM(Pulse Width Modulation)制御により、制御電圧が論理「1」レベル(例えば、12V)に立ち上がっている期間と、制御電圧が論理「0」レベル(例えば、0V)に立ち下がっている期間のデューティ比に応じた一定の明るさの近赤外線光を放射する。このデューティ比が「1」のときが最も明るい明るさとなり、デューティ比が「0」のときが消灯状態となる。
(4)本実施の形態の効果
以上のように本実施の形態の採血システム1によれば、採血装置3のカフ20が捲回先の指24に対して加圧及び減圧を繰り返すことにより、カフ20が捲回された被験者の指24に対して人がマッサージするのと同様の効果を与えることができ、当該指24からの出血量を増加させることができる。
また、このようにカフ20によって被験者の指24に圧力を加えることによって指先画像50における指静脈51の陰影のコントラストが高くすることができ、穿刺針軌跡L1と被験者の指静脈51の陰影とが交差する位置をより精度良く検出することができる。この結果として、精度良く被検者の指静脈51に穿刺針を穿刺することができ、出血量をより増加させることができる。
従って、本採血システム1によれば、採血効率を向上させて十分な量の血液を採取できるようにする採血システムを実現できる。
また本採血システム1では、被験者の指24の第一関節よりも先端部の指静脈51を利用して明るさ調整や、被験者の認証、及び、穿刺針の穿刺位置の決定を行うようにしているため、装置を簡単化及びコンパクト化することができる。
(5)他の実施の形態
なお上述の実施の形態においては、被験者認証採血制御装置2及び採血装置3により採血システム1を構築するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、被験者認証採血制御装置2の機能をすべて採血装置3に搭載し、採血システム1をその採血装置のみで構築するようにしてもよい。
また上述の実施の形態においては、被験者を認証する機能を採血システム1に搭載するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、被験者から採血する採血機能のみを採血システム1に搭載するようにしてもよい。
さらに上述の実施の形態においては、カフ20の内部圧力を図13(B)のように変動させ得るように、カフ制御部21のポンプ60に対して図13(A)のような10秒を1周期とする矩形波状の制御電圧を印加するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、要は、カフ20により一定周期で加圧及び減圧を繰り返すように被験者の指24に圧力を加えることができるのであれば、カフ20の内部圧力の変動パターンは図13(B)以外の変動パターンであってもよい。
さらに上述の実施の形態においては、被験者の指24に近赤外線光を照射するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、近赤外線光以外の光を利用するようにしてもよい。
さらに上述の実施の形態においては、図10について上述した穿刺位置決定処理のステップS35において複数(例えば3つ)の穿刺位置候補を抽出し、これらの輝度順位に応じてラウンドロビン法などにより1つの穿刺位置候補を穿刺位置に決定するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、複数の穿刺位置候補の中から少なくとも前回と異なる輝度順位の穿刺位置候補を今回の穿刺位置として決定するようにしてもよい。
本発明は、被験者の血液を採取するために利用される採血システムに適用することができる。
1……採血システム、2……被験者認証採血制御装置、3……採血装置、13……CPU、16……被験者向けアプリ、17……採血アプリ、18……認証データベース、20……カフ、21……カフ制御部、22……採血部、23……制御部、24……指、25……穿刺採血機構、26……赤外線LED、27……赤外線暗視カメラ、30……回転台、30A……ホルダ、32……指置台、32C……開口部、50……指先画像、51……指静脈、52……処理領域、L1……穿刺針軌跡、L2……軌跡マーカ、60……ポンプ。

Claims (14)

  1. 被験者の血液を採取するために利用される採血システムにおいて、
    前記被験者の指に穿刺針を穿刺する穿刺採血機構と、
    前記被験者の指に捲回されて装着されるカフと、
    前記カフを膨張させて前記被験者の指に所定圧力を与えるように、前記カフに加圧エアーを供給するカフ制御部と
    を備えることを特徴とする採血システム。
  2. 前記カフ制御部は、
    前記カフの内部圧力が上昇及び低下を繰り返すように、前記カフに前記加圧エアーを所定パターンで供給する
    ことを特徴とする請求項1に記載の採血システム。
  3. 前記被験者の指に光を照射する光源と、
    前記被験者の指を透過した前記光を撮影するカメラと、
    前記カメラの撮影映像に基づいて前記穿刺採血機構による前記穿刺針の穿刺位置を決定する採血制御部と
    を備え、
    前記採血制御部は、
    前記カメラの撮影映像に基づいて、前記被験者の指静脈に前記穿刺針を穿刺するように前記穿刺位置を決定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の採血システム。
  4. 前記採血制御部は、
    前記被験者の指における少なくとも前回と異なる位置を今回の穿刺位置として決定する
    ことを特徴とする請求項3に記載の採血システム。
  5. 前記光源は、前記光として近赤外線光を前記被験者の指に照射し、
    前記カメラは、赤外線暗視カメラである
    ことを特徴とする請求項3に記載の採血システム。
  6. 前記採血制御部は、
    前記カメラにより撮影された前記被験者の指静脈を用いて前記被験者の認証を行う
    ことを特徴とする請求項3に記載の採血システム。
  7. 前記採血制御部は、
    前記被験者の指における第一関節よりも指先端側の前記指静脈を用いて前記被験者の認証と、前記穿刺位置の決定とを行う
    ことを特徴とする請求項6に記載の採血システム。
  8. 被験者の血液を採取するために利用さえる採血システムにおいて実行される採血方法であって、
    前記採血システムが、前記被験者の指に穿刺針を穿刺する第1のステップと、
    前記採血システムが、被験者の指に捲回するように装着されたカフを膨張させて前記被験者の指に所定圧力を与えるように、前記カフに加圧エアーを供給する第2のステップと
    を備えることを特徴とする採血方法。
  9. 前記第2のステップでは、
    前記カフの内部圧力が上昇及び低下を繰り返すように、前記カフに前記加圧エアーを所定パターンで供給する
    ことを特徴とする請求項8に記載の採血方法。
  10. 前記採血システムは、
    前記被験者の指に光を照射する光源と、
    前記被験者の指を透過した前記光を撮影するカメラと
    を有し、
    前記第1のステップにおいて、前記採血システムは、
    前記カメラの撮影映像に基づいて、前記被験者の指静脈に前記穿刺針を穿刺するように前記穿刺位置を決定し、
    決定した前記穿刺位置に前記穿刺針を穿刺する
    ことを特徴とする請求項8に記載の採血方法。
  11. 前記第1のステップにおいて、前記採血システムは、
    前記被験者の指における少なくとも前回と異なる位置を今回の穿刺位置として決定する
    ことを特徴とする請求項10に記載の採血方法。
  12. 前記光源は、前記光として近赤外線光を前記被験者の指に照射し、
    前記カメラは、赤外線暗視カメラである
    ことを特徴とする請求項10に記載の採血方法。
  13. 前記第1のステップにおいて、前記採血システムは、
    前記カメラにより撮影された前記被験者の指静脈を用いて前記被験者の認証を行う
    ことを特徴とする請求項10に記載の採血方法。
  14. 前記第1のステップにおいて、前記採血システムは、
    前記被験者の指における第一関節よりも指先端側の前記指静脈を用いて前記被験者の認証と、前記穿刺位置の決定とを行う
    ことを特徴とする請求項13に記載の採血方法。
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