JP5295848B2 - 個人認証装置 - Google Patents

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Description

本発明は指静脈による個人認証装置に係わり、利便性を維持しながら認証精度を向上するための技術に関するものである。
様々な生体認証技術の中でも、指静脈は高精度な認証を実現できるものとして知られている。指静脈認証は、身体内部の指静脈パターンを使用するために優れた認証精度を実現し、かつ指紋認証に比べて偽造・改ざんが困難であることにより高度なセキュリティを実現できる。
近年では、携帯電話やノート型PC(Personal Computer)、PDA(Personal Digital Assistant)などの携帯端末や、ロッカー、金庫、プリンターなどの機器に生体認証装置を搭載し、各機器のセキュリティを確保する事例が増加している。
この種の指静脈認証の従来例として、例えば、特許文献1に記載の生体認証装置が知られている。この装置は、携帯電話などの小型端末に指静脈認証装置を搭載するために、光源を携帯電話のアンテナ部や折り畳み式携帯電話の上蓋などに設置し、光源と撮像部とを結ぶ直線上に指を配置する構造とすることで、透過光による静脈パターンの撮影を行う装置が示されている。
特許公開2009−3492号公報
携帯電話やPDAなどの可搬型小型端末は、一般的に指先を用いて操作することが多い。そのため、これらの端末は指先で操作しやすくなるように設計されている。このような端末に指静脈認証装置を搭載する場合は、キー操作と同様に認証時の操作も指先で実施できるように設計することで操作性が高められる。また、携帯電話は片手でも容易に操作できるように設計されているため、同様に認証操作も片手で実施できることが望まれる。以上より、携帯端末に指静脈認証装置を搭載する場合は、指先により認証できること、そして携帯電話の場合は片手でも認証できることが要件となる。特に片手操作の場合は親指の指先による認証ができることで利便性が高まる。両手で持ちながら操作するPDAなどにおいても、指先を用いた認証操作は装置の小型化と利便性向上とに繋がる。
特許文献1にて開示されている装置は、主に指の第一関節付近の静脈パターンを利用した、携帯電話に搭載可能な小型の指静脈認証装置について記載されている。しかしながら、片手での操作に適した認証方法や、親指による認証、指先に特化した指の載置方法に関する技術開示や示唆を含んでいない。更に、晴天下のように非常に強い外光の存在する環境の下で高精度な指認証を行うことについて検討がなされていない。
そこで本発明では、携帯電話やノート型PCなどの小型機器に搭載できる指静脈認証装置において、小型で操作性の高い認証操作を実現するために、親指を含む指先の静脈を利用した高精度な個人認証装置を提供することを目的とする。
この目的を達成するために、本発明は、指の静脈により認証を行う個人認証装置として、指を載置させる指置き台と指置き台に載置される指を撮影するための開口部を有する筐体と、指に向けて光を照射する光源と、指からの透過光を開口部を介して撮像する撮像装置と、撮像装置により撮像された画像を処理する画像処理部を備え、光源は指置き台に載置される指の前方に設置され、光源の光の照射方向を指の甲側に向ける構成を提供する。
好適には、光源を、筐体の表面、或いはその表面より下方に設置し、光源の光の照射方向を筐体表面より上方に向けることにより指置き台に載置された指の甲側、爪側に光を照射する構成とする。
また、上記の目的を達成するため、本発明においては、指の静脈により認証を行う個人認証装置を、指が載置される指置き台と指置き台に載置される指を撮影するための開口部を有する筐体と、指に向けて光を放射する光源と、指からの透過光を開口部を介して撮像する撮像装置と、撮像装置から入力される画像を処理する画像処理部と、光源を支持し、光源を指の指先の上方に移動可能な支持部と、この支持部を筐体に結合する結合部とを備え、支持部は指の長軸方向に沿って移動することにより、光源が前記指先の上方に移動する構成とする。
更に、上記の目的を達成するため、本発明においては、指の静脈により認証を行う個人認証装置として、指を載置させる指置き台と指置き台に置かれた指を撮影するための開口部と指に向けて光を放射する光源と指からの透過光を撮像する撮像素子とを有する入力装置と、入力装置により取得された画像を処理する画像処理部を備え、この画像処理部は、撮像素子により撮像した画像に対し外光が照射されている部分を検知し、検知した外光が照射されている部分が適正な輝度値になるように撮像素子の露光時間を制御し、異なる露光条件で得られた複数の前記画像中、適正な輝度値を有する部分を合成して、指の静脈画像を再構成する構成を提供する。
本発明によれば、携帯電話やノート型PCなどの小型携帯機器に搭載可能な指静脈認証装置において、認証装置の形状を小型化、平面化すると共に、利便性が高く高精度な個人認証装置を提供することができる。
第1の実施例に係わる、指静脈認証システムの一例を示す機能ブロック図である。 第1の実施例の指静脈認証装置の概略図である。 第1の実施例に係わる指先認証装置を携帯電話へ適用した場合の使用時の図である。 第1の実施例に係わる、蓋をスライドすることで指先の静脈を撮影する静脈認証装置の概略図である。 第2の実施例に係わる、指先の下方前方に光源が具備されている指認証装置の概略図である。 第3の実施例に係わる、指先の輪郭を含めて撮影する指静脈認証装置とその撮影画像を示す図である。 第3の実施例の変形に係わる、上部に遮光部材を具備し、指先の輪郭を撮影する指静脈認証装置とその撮影画像を示す図である。 第4の実施例に係わる、指先を載置する指置き台の概略図である。 第5の実施例に係わる、指の関節部の静脈を撮影する指静脈認証装置の概略図である。 第6の実施例に係わる、指先の前方に位置する指静脈を撮影する指静脈認証装置と撮影画像を示す図である。 第7の実施例に係わる、指先の指紋を用いて指の回転補正を行う認証処理の説明図である。 第7の実施例に係わる、指の腹側に反射光を照射することで指の回転補正を行う認証処理の説明図である。 第8の実施例に係わる、複数波長の光源の光強度を合成する光量調整方法の説明図である。 第9の実施例に係わる、部分的に外光環境にある指の静脈パターンを鮮明に撮影する処理方式の説明図である。 第10の実施例に係わる、指先が下方に傾斜する指置き台を具備する静脈認証装置の概略図である。 第9の実施例に係わる、指の静脈パターンを鮮明に撮影する処理方式の処理フローの一例を示す図である。 第9の実施例に係わる、指の静脈パターンを鮮明に撮影する処理方式を模式的に説明するための図である。
以下、図面を用いて、本発明の実施形態について説明する。
第1図は、第1の実施例の指静脈認証システムの全体構成図である。認証システムは、入力装置2、認証処理部10、記憶装置14、表示部15、入力部16、スピーカ17及び画像入力部18を含む。入力装置2は、その筐体に設置された光源23及び筐体内部に挿入された撮像装置9を含む。なお、認証処理部10の画像処理機能部分、或いはそれに画像入力部18を含めて画像処理部と呼ぶ場合がある。いずれにしても、認証処理部18は画像処理機能を有する。
光源23は、例えば、赤外線LED(Light Emitting Diode)などの発光素子であり、入力装置2の上に提示された指1に赤外光を照射する。撮像装置9は、入力装置2に提示された指1を撮像する。
画像入力部18は、入力装置2の撮像装置9で撮像された画像を、認証処理部10へ入力する。
認証処理部10は、中央処理部(Central Processing Unit、CPU)11及びメモリ12及び種々のインターフェイス(IF)13を含む。
CPU11は、メモリ12に記憶されているプログラムを実行することによって各種処理を行う。メモリ12は、CPUが実行するプログラムを記憶する。また、メモリ12は、画像入力部18から入力された画像を一時的に記憶する。
インターフェイス13は、認証処理部10と外部の装置とを接続する。具体的には、インターフェイス13は、入力装置2、記憶装置14、表示部15、入力部16、スピーカ17又は画像入力部18等と接続する。
記憶装置14は、利用者の登録データを予め記憶している。登録データは、利用者を照合するための情報であり、例えば、指静脈パターンの画像等である。通常、指静脈パターンの画像は、指の掌側の皮下に分布する血管(指静脈)を暗い影のパターンとして撮像した画像である。
表示部15は、例えば、液晶ディスプレイ等であり、認証処理部10から受信した情報を表示する出力装置である。
入力部16は、例えば、キーボード等であり、利用者から入力された情報を認証処理部10に送信する。スピーカ17は、認証処理部10から受信した情報を、音声で発信する出力装置である。
図2は、本実施例における入力装置2、即ち指先の静脈パターンを撮影する指静脈認証装置の認証データの入力部分の一例である。図2の(a)は装置上面図、同(b)は(a)の点線部の断面図、同(c)は(a)の左側面図である。
入力装置2の中央には静脈を撮影する開口部201があり、内部には図示を省略したカメラなどの撮像素子(図1の撮像装置9)が存在し、開口幅の範囲を撮影する。また開口部201は、ガラスやアクリル板など赤外光に対して透明な部材で構成され、主に装置内部への異物の侵入や装置内部の破損を防ぐために設置される。また図2(b)に示されるとおり開口部201は入力装置2の表面よりやや窪んだ位置に設置されており、直接指が触れることで血管が圧迫されることを防ぐ。開口部201の前方には指先設置台202がある。指先設置台202は好適には指先の載置に適した曲率を有する窪みである。
本実施例の光源支持部203には光源23が具備されており、図2(c)で示されるように通常は入力装置2の表面と同一平面上に位置する。また光源支持部203は、ヒンジ204によって入力装置2の本体と結合されており、光源支持部203はヒンジ204を中心に一定の範囲で可動することができる。またラッチ205は、光源支持部203と入力装置2の本体とを固定するためのものであり、電気的な制御により固定状態を解除できる。ヒンジ204はその内部にばねなどの弾性部材を有し、それによってヒンジ204を中心に光源支持部203を上方に持ち上げる作用を及ぼす。一方、ラッチ205は、その作用に対して光源支持部203が持ち上がらないように固定する。また、指先設置台202の付近と、開口部201を挟んで反対側の装置表面とに、タッチセンサ206が具備されている。これらは利用者の指が触れるとその状態を検知するためのものである。
図2(d)と(e)は、それぞれ指を置いた状態の利用時における上面図と側面図である。利用者は指先設置台202に指先を置き、さらに指の腹側が入力装置2の表面に触れるように置く。開口部201は指幅より狭く、指1によって完全に覆われるため、不要な外光が直接撮像装置9に入ることが無く、高画質な撮影ができる。指1が置かれると、2箇所に設置されたタッチセンサ206がそれを検知する。
このとき、CPU11の制御によってラッチ205を外す。するとヒンジ204の内部にある弾性部材の作用により光源支持部203は図2(e)で示されるように上方に持ち上がる。光源支持部203の移動する軌跡は指1と交わることが無いため、指1を置いた状態で動作することができ、認証操作が容易となる。光源支持部203が最大可動範囲まで持ち上がると、光源支持部203はその位置で停止する。このとき光源23はその方向が開口部201の中心の上方付近を照射する方向に向く。
この状態で光源23が赤外光を発光すると、赤外線は指1の上部、およそ爪の根元付近を照らす。そして光は指1の内部で散乱し、指1の腹側の皮膚付近に存在する静脈に遮られながら指1を透過し、開口部201に到達する。そして、開口部201の内部に具備されたカメラ等の受光手段により撮影される。撮影された画像内には、指先付近の指静脈が映し出される。本実施例の構成では、光源23は指1の甲側より高いところに位置するため、静脈を撮影する部分とは反対側、即ち指1の甲側から光を照射することになる。これにより静脈の情報を持たない不要な光成分が入りにくい透過光撮影が実現でき、高画質な静脈パターンが得られる。
なお、本実施例では開口部201は指幅より狭くしているが、指の輪郭が撮影できるように横幅を広くしても良い。これにより、指輪郭が獲得でき、指の位置や回転の補正が可能となる。その場合、外光が直接カメラに入り込まないように周囲に遮光壁を設けても良い。
上述の構成で得られた画像を用いて、図1の認証処理部10は指静脈を用いた認証処理を実施する。認証処理の一具体例は以下の通りである。
まず光量調整処理を行う。光量調整は、撮影された画像の指領域の輝度値に基づき、例えば平均輝度を一定値に近づける方法や、画像の輝度プロファイルに含まれる静脈のコントラストが最も高くする方法により、光量値の微調整と画像の撮影を繰り返す。次に、撮影素子の電気的ノイズあるいは指表面のしわや汚れなどに起因するノイズを、平滑化フィルタや特定の周期の情報をカットするバンドパスフィルタなどにより取り除く。次に、もし指輪郭が画像内に撮影されている場合は、指の輪郭抽出処理を行う。輪郭抽出は一般的な線追跡手法が利用できる。これにより、指の位置ずれ、回転ずれ、拡大ずれを補正できる。次に静脈パターンを抽出する。例えば輝度プロファイルの窪み領域の中心を血管中心として取り出す方法などが利用できる。そして最後に、以上の画像処理機能で得られた静脈パターンと、登録された静脈パターンとの比較照合によって認証処理を行う。
この認証処理の手法としては、テンプレートマッチングや特徴点マッチングなどが利用できる。また、データ間の位置ずれ、回転ずれ、拡大ずれなどを逐次補正しながら比較照合することで、指位置のばらつきに強い認証が実現できる。これらの処理手順は何れも本実施例の認証処理に適用可能であり、またこの処理例に限定されるものではない。
そして、認証が完了すると、その結果はスピーカ17などの出力装置、即ちガイドランプや音声などによって利用者に知らされる。それに合わせて利用者は持ち上げられた光源支持部203を指で押し下げることにより元の位置に収める。このときラッチ205の作用で再び図2(c)で示す通り平面的な形状に収まる。
以上により、指を指置き台に乗せるだけの簡便な操作で鮮明な静脈の撮影が可能となり、便利で高精度な認証装置が実現できる。また、使用前の装置形状は平面的な構造であるため、通常では凹凸の存在が許容されない携帯電話やノートPCなどへの組込みが可能となる。
なお、光源支持部203は手動にて上方に持ち上げる構造としてもよい。この場合、図2(f)に示すとおり、光源支持部203にはそれ自身を持ち上げるための突起207を取り付け、それを指でつまむ、あるいは引っ掛けながら上方に持ち上げるとラッチ205が外れ、最大可動範囲まで持ち上がるとヒンジ204はそこで光源支持部203が停止する。このときヒンジ204はバネなどの弾性部材は不要であり、またタッチセンサ206も不要となり、またラッチ205を電気的に自動で外す機構も不要となるため、低コスト化が可能となる。
また、突起207を搭載しない形状においても、図2(c)の状態から光源支持部203を下に押し下げることでラッチ205が外れて光源支持部203が持ち上がり、認証後は指で光源支持部203を元の状態に戻し、さらに下方に押し下げるとラッチ205が掛かって図2(c)の状態に収まるように、光源支持部203を下方に押し下げることでラッチ205が外れたり掛けられたりする機構としても良い。これにより突起207が不要となると共に機械的な構造だけで光源の持ち上げが片手操作で実現でき、低コスト化が実現できると共に操作性が高められる。
また上述の実施例の構成においては、光源支持部203を戻す際に手動としたが、これを自動化してもよい。この場合、ヒンジ204には電気的に制御が可能なモータなどの回転制御機構を具備し、指の検知時には光源支持部203を持ち上げる方向に回転制御を行い、認証完了時には元に戻す制御を実施する。これにより、利用者は光源支持部203の上げ下げの操作が不要となり、利便性が向上する。
また、指先設置台202を機械式の押しボタンとし、その押下に連動して機械的にラッチ205が外れる構造としても良い。これにより、指先設置台202に指1を乗せると同時に、ヒンジ204の弾性部材の作用で自動的に光源支持部203が持ち上がる。また光源支持部203を戻す場合は指先で押し下げる。この構成により、電気的な制御機構が不要となるため、低コスト化に寄与する。
図3は、図2により説明した本実施例の小型指静脈認証装置を携帯電話に搭載した一例を示す図である。入力装置2は携帯電話301の表面に取り付けられている。利用者は、携帯電話301を片手で持ち、親指によって認証処理を実施する。ここでは、光源支持部203を手動で操作する例について示す。光源支持部203を持ち上げる際は、上述のように光源支持部203を下に押し下げることでラッチ205を外し、ばねの作用で上方に持ち上げられた後で親指を開口部の上に乗せる。すると上述の通り、親指の甲側から光が照射され、親指の静脈が撮影され、その画像の認証処理が実施される。このように、図2にて示した認証装置を携帯電話に搭載することで、利用者が携帯電話を片手で持ちながら親指によって認証操作が可能となる。すなわち、携帯電話の操作と認証操作とが共に片手で実施でき、利便性の高い認証装置が実現できる。
図4は、上述した本実施例の変形例であり、装置表面に具備された蓋をスライドすることで、光源を指上方からの透過光による静脈撮影を実現する指静脈認証装置の一構成例である。図4(a)は、上段が装置断面図、下段が装置上面図である。装置表面に具備される蓋は、蓋401−aと蓋401−bとの2枚で構成される。蓋401−bには光源23、爪逃し用の穴403が、蓋401−aには指先設置台202が具備され、それらが結合部であるヒンジ402によって結合している。また蓋は入力装置2の本体と他の結合部であるバネ405によって結合している。指先設置台202は、蓋401−bに対する窪みとして構成されており、指先の曲率に合った曲面として形成される。また2枚の蓋はヒンジ402を中心に可動する。また蓋の支持部材404が蓋401−bより右側に設置されており、また蓋の支持部材404には傾斜が設けられている。さらに、蓋が完全に開いたことを検知するスイッチ406が取り付けられている。
図4(b)は図4(a)に示した装置の利用時の構造を示している。利用者は指先を指先設置台202に合わせて置く。そして、指先の前方方向に蓋401−aをスライドする。すると、バネ405が徐々に伸ばされると共に、蓋の支持部材404の傾斜に合わせて蓋401−bが斜め上方向に持ち上げられる。また蓋401−aは装置表面と同じ水平方向の角度が保たれる。つまりヒンジ402を軸とした蓋401−aと401−bとの結合角が徐々に小さくなる。それと同時に、蓋によって覆われていた開口部201が装置表面に現れる。また、蓋と入力装置2の本体とは、図面の左右方向に滑らかに移動できるよう、レールなどのガイド構造を有し、蓋が引っかかって開きにくくなったり、蓋そのものが入力装置2の筐体から外れてしまったりすることが無いように構成されている。蓋が完全に開かれると、光源23は指1の爪の根元付近を照射する角度に合わせられると同時に、スイッチ406は蓋が開かれたことを検知する。これにより、光源23より指1の甲側に向けて赤外光が照射され、透過光を撮像装置9が受光することで、鮮明な静脈パターンの撮影と、高精度な認証処理が実施される。認証が完了すると、利用者は指1を指置き台201から離す。このとき、バネ405の力により蓋が自動的に閉じ、図4(a)で示した状態に戻る。
もし利用者の指1の爪が長い場合、蓋401−bが上方にせりあがる際に爪が当たってしまう可能性がある。そこで、蓋401−bには爪逃がしの穴403が開けられている。指1と蓋401−bとの距離が十分に離れるように蓋401−aの長さを確保すれば、爪が蓋401−bに接触することは防げるが、より装置をコンパクトに設計したい場合には、爪逃がしの穴403を形成することで指と蓋との距離を短くしながらも爪の接触を防ぎ、小型化と使い勝手向上とが共に実現できる。
また、本変形実施例では光源23を2つ設置しているが、光源は一つでも良く、また複数個を設置しても良い。複数の光源を設置する場合は、それぞれの照射角度を僅かに変えておくことで、太さや形状の異なる様々な指の甲側に対して安定して均一に赤外線を照射することができる。
この手法の一例について図4(b)を用いて示す。まず、2つの光源23のうち一方が指先端に近い領域を、もう一方が指先端から遠い領域を狙うよう、お互いに異なる角度に設置し、さらにこれらの光源はそれぞれ独立に点灯制御が可能となるように電気的な配線を行う。蓋が開かれた直後に照射する光量の初期値は事前に定められた一定値とするが、ここで得られた指の透過画像について、その輝度値や静脈のコントラスト、S/Nなどを、画像の部分領域に分けて測定する。もし指先に近い領域の光量が不足していると判定された場合は指先に近い領域を照らしている光源の光量を増加し、光量が過剰となる場合は光量を減少させる。同様に、指先から離れている領域についても、該当する光源の光量を調整する。このような制御により、指によって平均的な厚みが異なり、また場所に応じて厚みが大きく変化するといった、指先の撮影に特有な問題を解決する最適光量制御が実現できる。
以上より、本実施例の構成においては、未使用時は完全に平面の状態でありながら、利用する際は指を置いて前方にスライドするだけという簡単な操作により指の甲側の上方から光を照射でき、鮮明な指静脈の透過画像が得られ、高精度で利便性の高い認証装置を実現することができる。当然ながら、図3で示した携帯電話への適用例と同様、本変形例の装置を携帯電話に搭載した場合においても親指による片手操作が実現できる。また本実施例の装置は、未使用時は蓋が開口部201あるいは撮像装置9を保護し、ほこりなどによる汚れや物理的な破損を防ぐ効果がある。そして、入力装置2の表面にはほとんど凹凸が存在せず、デザインや装置サイズに制約が多い携帯電話などに容易に組込むことができる。
図5は、第2の実施例の指静脈認証装置の構成図である。本実施例の特徴は、光源が設置される指の前方であって、ほぼ指の設置面か、或いはその下方に設置され、光源の照射方向が上方を向けることにより、認証対象の指の上側、即ち甲側に光を当てる構成を有する点にある。
図5の左上が装置断面図、左下が上面図、右上が装置断面図を左側から見た側面図である。装置には、指先設置台501、指中央設置台502、遮光壁503、撮像装置9、複数の赤外線LEDからなる光源23、が具備されている。指先設置台501と指中央設置台502は開口部201を挟むように設置される。指先設置台501は指先の曲率に合わせた窪みとなっており、また指中央設置台502は指先から開口部201の幅だけ離れた指の中央付近を支える設置台であり、その断面は指の断面の曲線に合った窪みがあり、この窪みに指1を置く。これらにより、指先あるいは指全体の横方向の位置ずれを防ぐことができる。
また、光源23は入力装置2の表面の高さに設置され、指1の甲側に向けて設置される。本実施例では、指先の輪郭の曲線に合わせて3つのLED光源23が円弧状に並べられており、それぞれが指先の甲側の異なる場所を狙うように設置されている。また好適には光源23と指1との間には、光源からの光が指1の甲側にのみ当たり、腹側に直接当たらないように設置された遮光壁503が存在する。また開口部201は指1が置かれた際に指表面が接触しないように、入力装置2の筐体表面から僅かに窪んだ位置に設置される。
以上の構成において、利用者は指1を指先設置台501と指中央設置台502に合わせて設置すると入力装置2は指を検知する。その後、撮像装置9が起動すると共に、光源23は指1に光を照射する。光は指1を透過し、その透過光を撮像装置9が撮影する。光源23は指先前方の下側から爪の付け根付近を照射する。光源23の設置されている高さと遮光壁503の高さとの関係により、指1の甲側にのみ光が照射される。
これにより、撮像装置9により開口部201を介して、指の腹側を撮影すると、不要な反射光を含まずに静脈を透過した光成分のみを撮影することができ、指先付近の静脈パターンが鮮明に撮影される。よってこの画像を用いて高精度な指静脈認証が実現できる。なお、指の検知方法としては、上記の実施例と同様に指先設置台501あるいは指中央設置台にタッチセンサなどの接触検知手段を搭載しても良く、また撮像装置9の起動をキー入力などの別手段で実施し、画像を撮影しながら指の有無を判定しても良い。
本実施例における装置は、光源である発光素子が3つ並べられており、それぞれが僅かに異なる部分を照射するように光軸がずらされている。この例においては、爪の中心、爪の根元側の左右、の3領域を照射するように設置されている。上述の実施例において言及したとおり、各光源を独立制御し、各部分を最適制御することによって、様々な厚み、様々な形の指に適応した光量調整が可能となる。また、光源をさらに増やし、指の側面方向まで同様の構造を延長しても良い。これにより光量が均一に照射され画質を高められる。さらに、光源を1つずつ、あるいは幾つかの纏まりごとに順番に点灯させ、静脈が鮮明に見える部分領域を複数枚撮影し、それらを合成することで1枚の静脈画像を生成してもよい。これにより、不要な反射光成分に対する透過光成分が増加し、画質を高められる。また、指先設置台501は遮光壁503と兼ねることもできる。これにより構造が単純化し製造コストが下がる。
以上説明した実施例2の構成により、装置表面を平面的な構造とすると共に指先のみを撮影することで装置の小型が実現でき、また透過光による高画質撮影が可能となるため安定した高精度認証が実現できる。
図6は、第3の実施例に係わる、指先の輪郭を含めた指静脈画像を撮影する指静脈認証装置の一構成例を示す図である。図6の(a)の上側は装置の断面図、下側は上面図である。装置は、光源23、撮像装置9、指中央設置台502、光源支持部607、遮光用側壁602、指先設置台付開口部601によって構成される。指先設置台付開口部601は赤外光に対して透明な部材によって構成される。また図面右側が突起状に隆起しており、この突起部605が指先設置台となる。この突起部605には指先の曲率に合わせて窪みが形成され、指先がずれないように置くことができる。さらに、指先のみを接触させることになるため、指の腹側が押し付けられ指の腹側の血流が止まり静脈パターンが観察できなくなることを防ぐ。また遮光用側壁602は指の両側面に隆起し、装置の横から入り込む不要な外光が指1の表面に当たらないようにする役割を果たす。
利用者は指1を、指中央設置台502と指先設置台付開口部601の突起605に合わせて載置する。指先の前方に設置された光源23は指先の甲側に向けて赤外光を照射し、その透過光を撮像装置9が撮影する。指先の静脈パターンを利用して認証する処理の流れはこれまでに示した実施例と基本的に同様であるが、本実施例では指先の輪郭情報を用いてより高精度な処理が実施できる利点を有する。
図6(b)は、図2、図4、図5で示した先の実施例における指静脈画像の模式図である。この場合、指先には指置き台、或いは指先置き台が具備されており、さらに指の幅よりも狭い開口部を有するため、指先は撮影されず、また指の側面の輪郭はほとんど撮影できない。従って、画像には、指輪郭603の一部と静脈604とが映し出されているに過ぎない。もし、前述した各実施例において開口部の幅を指幅より広く確保した場合においては、図6(b)に示される指輪郭603はより明確に確認できることになる。その場合の認証処理においては、撮影された指静脈画像の位置ずれや回転ずれを有効に補正するために、指輪郭を線追跡処理などの画像処理によって抽出し、指輪郭の走行する位置に応じた図面上下方向の位置補正、指輪郭の幅に応じた拡大縮小補正、指輪郭の近似直線の角度に応じた回転補正処理が実施できる。しかしながら、依然として指先が撮影されないため、図6(b)の図面左右方向、すなわち指の長手方向の位置は指輪郭から把握することはできず、従ってこの位置ずれを一意に補正することができなかった。
図6(c)は、図6(a)の本実施例の装置によって撮影された指静脈画像を示す。画像には、指先を含めた指輪郭603、静脈604、指先設置台付開口部の突起部605、爪606が映り込む。突起部605によって指先の静脈パターンは圧迫され観測できないが、その他の領域では指静脈604が確認できる。また、指先の輪郭部分も鮮明に確認できる。指輪郭検出処理においては、撮影された指静脈画像を用いて、認証処理部10によって、指先を含めた線追跡処理などの画像処理によって指輪郭を抽出する。例えば、認証処理部10のCPU11のソフトウェア処理によって、画像の左側の縦方向のラスタの中で最もエッジの強い点を指輪郭の追跡の始点と定義してそこから追跡を開始し、現在追跡している点の周辺のエッジを求め、最もエッジの強い座標に追跡点を順次移動する方法により、指の周囲の輪郭を得ることができる。
ただし、爪606の輪郭を指先の輪郭と誤検知する可能性がある。そこで、認証処理部10のCPU11による認識処理の際、好適には指先の輪郭と爪の輪郭とが交わる位置周辺において、曲率が指先の輪郭のものと符号が反転する特性を利用し、指先付近の輪郭を辿る際に、符合の異なる方向に一定の距離以上輪郭追跡が進んだ場合は誤って爪の輪郭を辿っている可能性があるものとし、曲率の符号が反転した位置に戻って、曲率の符号が反転しない方向に制限して周囲のエッジを検出するように辿る。このように画像上を辿ることで、指の根元側を除く周囲の指輪郭の曲線が精度良く得られ、指先の位置を決定することができる。
なお、単純に画像で最も右側に位置する輪郭が指の先端であると判定する方法とすれば計算コストを抑えられるが、指が大きく回転して撮影された場合は、必ずしも指の先端が最も右側に位置するとは限らない。従って、より正確な位置を安定して求めるためには、指の両側面の輪郭線の中点を通る近似直線の延長線と、指先の曲線部分の輪郭とが交わる点を指先と決定する。この指先位置が一定の場所になるように位置補正を掛けることで、指の長手方向の位置補正も可能となる。従来では、得られた静脈パターンにはある程度の位置ずれが含まれていることを想定し、比較照合する際にはパターン同士が最もマッチするようにパターンの位置をずらしながら探索を行っていた。これにより多くの計算量が必要となると共に、過剰に位置ずれを許容するため異なる静脈パターン同士の類似度が近づく問題があった。しかし上述した手法では、その許容範囲を小さくすることができ、CPU11による処理の高速化や高精度化に寄与する。
以上説明した、指先の位置を含む指の輪郭情報より指の位置や回転を一意に補正する手法は、大規模の登録データの中から利用者を同定する1:N認証の高速化技術に応用できる。高速化の主な方法として、指静脈の特徴に基づいてあらゆる静脈パターンをいくつかのクラスに分類し、同一クラス内に限定して照合することで高速化を図るものがある。クラスに分類する方法としては、静脈の本数、分岐数、静脈が全体に占める面積、などに基づくものがある。これらの特徴は、同じ指であっても撮影する位置が異なると変化する。例えば、指を通常より奥に入れすぎた場合は、通常映らない根元側の静脈が観測される。よって静脈の見かけ上の本数は変化する。従って、従来技術においては、指の置き方に依存してクラスの分類結果が異なり、利用者が正しく認証されない可能性が高まる。一方、本実施例においては、指先の位置が撮影できるため、指の左右方向に加え長手方向の位置ずれ量が把握でき、常に同じ位置の静脈について分析することができる。これにより、指の位置ずれに依存しない分類が可能となる。
続いて、認証処理部10のCPU11により、正規化された静脈パターンを利用してクラス分類により高速に照合する処理の一例について説明する。まず、一般的な指輪郭検出処理により、指先の曲線部分の輪郭を含めた指輪郭の座標列を獲得する。この情報に基づき、指の回転補正処理を実施する。それから静脈パターンの抽出処理を実施し、2値あるいは多値の画素列として獲得する。次に、上述の方法で指先の座標を獲得する。そして、指先の位置を基準に、認証に利用する静脈の領域を決定する。たとえば、指先の座標を領域の右端とし、指の両側面の輪郭の幅で最も離れた座標を領域の上端と下端と決める。左端については、上端と下端との比率によって一意に決める。このようにして決定した領域について、上下端の距離が特定の値となるように拡大補正を行う。これにより、指の置く位置が僅かに変化しても、指の側面方向と長手方向の2方向についての位置と、指の回転ずれと、指の拡大率とが同時に正規化されるため、常に安定して同じ場所の静脈を利用することが可能となる。
次に、認証処理部10は、登録された静脈パターンの特徴量に該当する特徴量を抽出する。特徴量としては、静脈パターンの本数、総面積、各静脈が走行する線方向の平均方向成分、静脈の分岐点数、平均長さなどがある。静脈パターンは多値の画素列で獲得できるため、例えば静脈を構成する画素数の数え上げによって静脈の総面積が得られ、また静脈パターンの細線化と追跡処理により静脈の分岐点検出を行うことで静脈の分岐点数や本数、平均長さ、平均方向成分などを得ることができる。
認証処理部10は、得られた静脈の特徴量をベクトル情報として記憶装置14に保持しクラス分類に利用する。まず、すべての登録データの特徴量を計算し、ベクトルの距離計算によってお互いの類似度を求める。次に、これらの情報に対し、たとえばSOM(Self-organizing maps)の技術を用いることで、ベクトルの距離と空間的な座標とを対応付けるマップを自動生成しておく。そして、空間的に近い距離にあるデータが同一クラスになるようにクラスを分類する。どの程度の距離のものを同一クラスに分類するかは、分類したいクラスの個数に従って決定する。またクラス間の距離を示すデータも保持しておく。
入力装置2を用いて、静脈パターンが入力として与えられると、認証処理部10は、上述と同様に静脈の特徴量をベクトル化する。そして、保持したクラス内の代表的なベクトルデータとの距離計算を行い、入力されたパターンがどのクラスに最も近いかを調べる。そこで得られたクラスが入力されたデータのクラスである。その後、そのクラスに分類されている全ての登録データとの照合を実施する。これにより、登録された全てのデータとの照合を行うことなく、高速に照合処理が実施できる。なお、クラスの決定に誤りがある可能性を考慮し、分類されたクラスから距離的に近い別のクラスについても照合処理を実施しても良い。これにより認証精度の劣化を低減することができる。
以上の通り、本実施例によれば、指先を含めた指輪郭を撮影することで静脈パターンの絶対的位置が決定でき、いかなる位置ずれの影響を排除したパターン作成や特徴量の計算ができる。これにより、照合時の位置ずらし量を少なくできると共に、クラス分類が安定化され、高速化、高精度化に寄与できる。
なお、上述の輪郭検出処理によって得られた輪郭の座標が画像の右端に接していることを検出することで、指先が画像に映らないような例外状態も検知できる。この場合は、強制的に認証処理を実施するか、指が奥に行き過ぎている旨の警告を出力することもできる。認証を実施する場合は、照合時の位置ずれ探索範囲を広くとって実施することで、利用者に置き直しを促すことなく認証精度を維持することができる。
以上、入力装置2としては、図6に示した構成を用いて説明したが、指先を含めた指輪郭を撮影することができれば、装置構成は図6に示したものに限定されず、例えば光源23の位置は、図5に示した位置にするなど種々の変形が可能である。
図7は、本実施例の別の形態として、外光の影響を受けずに指先の静脈を撮影する指静脈認証装置、入力装置の一変形例を示している。図7(a)には、図面左上に装置の断面図、左下に装置の上面図、右上に装置の側面図が示されている。指1の上方には丸みを帯びた遮光部材701が具備されており、その内側の上部に光源23が設置され、指1の上部、甲側より透過光を照射する。また、遮光部材701の指先側には、爪逃がし403が開けられている。その他の構成は、上述の第6図にて示したものと同一である。遮光部材701は、撮像装置9に周囲の外光が映り込むことや、指の側面に不要な外光が照射されることを防止する。さらにその内壁は赤外光が反射しない塗料あるいは材質とすることで、静脈の透過画像の画質劣化を防ぐことができる。
利用者はこの中に指先を挿入し指を置く。このとき、指先だけを挿入するため挿入の距離は短く、操作性を損なうことがない。また利用者は内部を容易に目視できるため、従来技術のように装置内部に指を挿入するという心理的抵抗感を感じない利点がある。また指先の延長方向には爪逃がしの穴403が開いており、爪の長い指や付け爪を付けた指なども指を置くことが可能となる。もし指先位置と遮光部材701との距離が十分に取れる場合は、爪逃がし403は開ける必要は無く、これにより不要な外光が進入することを防止できる。
図7(b)は、同(a)に示す装置によって撮影された画像の一例である。指先から遠い画像左側には外部背景702が僅かに見えているものの、ほとんどは遮光部材701により外光が遮断されるため、不要な外光の進入がなく鮮明な静脈の撮影が可能であると共に、指先の指輪郭が鮮明に映し出されている様子が分かる。これにより、画像処理における輪郭抽出の精度が高められ、認証精度を安定して向上させることが可能となる。なお、遮光部材701の形状と撮像装置9の位置、画角などの関係より、外部背景702が映り込まない状況も容易に実現可能である。たとえば遮光部材701を大きくする、撮像装置9をより指先に近づける、画角を狭めるなどの方法がある。また、この装置を用いた認証処理は、図6にて例示したものが適用できる。
図8は、第4の実施例として、指置き台の形態のいくつかの他の構成例を示す図である。同図(a)には、左上に指置き台の側面図、左下に上面図、右上に断面図が示されている。指先を装置に乗せて撮影する方式の装置においては、指先の腹側が圧迫されないような指置き台を構成する必要がある。指先設置台501の形状は、指の先端の形に合わせた曲線で構成されており、また指の指中央設置台502は指が置き易いように指の形状に合わせた曲率、即ち、指断面の曲線に合った曲率を有する。さらに、指側面設置台801は、指1が密着するように凸状となっており、指と指置き台との隙間から不要な外光が進入することを防いでいる。またその断面は、図8(a)の右上の断面図に示されるように、開口部201に遠い部分から開口部の中心に向けて下方に傾斜が設けられている。これは指1と指側面設置台801との接触部を開口部201から遠ざけるためのものである。これにより、指が指側面設置台801に押し付けられた際、その圧迫により血管が潰されて観測できなくなる部分が開口部から遠ざかる。従って、撮影できない血管が減少し認証精度の低下を防止する利点がある。また、この指置き台の構造は、指の先端位置と指の根元側の位置とが定まり易く、指の位置ずれが少なくなるため認証精度を高められる。
なお、図8(a)の左下に示される上面図について、開口部201や指側面設置台801の形状は、図8(b)に示されるように指先の腹側の丸み形状に合わせた楕円状としてもよい。楕円の部分となる指周囲設置台802には特に指先設置台等は構成されず、これが無くても利用者は指先の丸みに合わせて指を置くため、大きな位置ずれは発生しない。また、指先の腹側は丸みがあり、この丸みが楕円状の指置き台と全体的に接触するため、外光が遮断され易く、外光環境下で認証が実施できる。また、指先が指置き台に一様の圧力で接するため、部分的に偏った強い圧迫が生じにくくなると共に、指先のフィット感が高いため利用者が感じる違和感を減らす効果がある。
また、開口部に適用する部材そのものを指置き台としてもよい。第8図(c)は指先の曲率に合わせて窪みが付けられた曲面開口部を有する指置き構造を示す。指先を指置き台に載せると、指の腹側の丸みが曲面開口部803の窪みに落ち込むが、接触する場所は指の輪郭に近い周囲付近のみとなり、指の腹側領域には隙間ができる。これにより、圧迫される部分が指1の側面付近や指の先端付近に逃げ、中央の領域の圧迫を防ぐことができる。また、この構造では指先が撮影できるため、上述のように指先の座標を用いた高速・高精度な認証が可能となる。
図9は、第5の実施例に係わり、指先の関節周辺の静脈を拡大撮影することで指静脈認証を実現する装置構造を示す図である。図9(a)の上側が上面図、下側が側面図である。入力装置2には、光源23、開口部201、そして関節部設置台901が指置き台として設けられている。関節部設置台901は装置表面より僅かに突出しており、利用者が指を置く際にその接触を感じることができる。
利用者は関節部設置台901に指先の関節を合わせて置く。一般的に指の関節部には窪みがあり、この窪みを関節部設置台901に合わせることは容易であり、また関節部を接触させる際に得られる感触は独特であることから、構造的にも感覚的にも位置合わせが容易となり、操作性が高く位置ずれも発生しにくい。また、関節部設置台901の断面は、開口部201から遠い部分の縁が突出した構造となっている。この様子は図9(b)に示された関節部設置台901の断面図から明らかである。この構成は、指1との接触部を開口部201から遠ざけ、撮影する領域の静脈が消えてしまうことを防ぐものである。
この状態で、光源23を指1に向けて点灯する。本実施例では指の側面の下方から、指1の上方に向けて光を照射することで透過光による撮影を行う方法としているが、光源23の配置は上述した各実施例のように、指上方、指先の前方に配置する方法、更には指の腹側などに配置する方法でも同様である。開口部201は関節部周辺を撮影する位置に存在するため、関節周辺の指先の静脈を撮影することになる。特に関節部は皮膚が薄いため、他の部位よりも鮮明な静脈の撮影が可能となる。また撮像装置9は、狭い領域からより多くの静脈パターンを撮影するため、高解像度撮影を行うことで、細い血管が鮮明に撮影でき、認証精度が高まる。先の実施例においても、開口部の大きさ、位置の調整等により、関節周辺の指先の静脈を撮影することは可能であるが、本実施例の装置構成とすることにより、装置が小型かつ平面的な構造となり、位置合わせが容易で使い勝手が良く、高画質の静脈撮影によって認証精度が安定化する認証装置が実現できる。
図10は、指先の先端に分布する静脈を撮影する指静脈認証装置の装置構造の一実施例である。図10(a)は装置構成例を示す。指1の指先側には、撮像素子支持部1001が存在し、その内部には開口部201と撮像装置9が具備されている。また指1の根元側には指中央設置台502があり、そこに光源23が設置されている。利用者はここに指の第一関節付近を置く。光源23は指1の第一関節付近より指内部に向けて光を照射する。そして撮像装置9は指1の指先付近より透過してきた光を受光する。静脈を鮮明に撮影するためには可能な限り反射光の成分が含まれないように光を照射することが重要であるが、これは光を照射する場所と撮影する場所とが指に対して対向するように設置することで実現できる。当構成においては、第一関節部より光を投入し、指先に向けて光を透過させているため、指先側からの撮影は透過光撮影となる。これにより、鮮明な静脈パターンを含む画像が獲得できる。
図10(b)は指先の静脈パターンを撮影した画像の一例である。爪606の下側に静脈パターン604が分布している様子が分かる。また、この撮影原理においては、利用者が指の腹側を装置に強く押し付けた場合でも、実際に撮影される指の先端付近は接触が無いため圧迫されることがない。従って、安定して指先部分の静脈が観測できる。また、認証処理部10のCPU11のプログラム処理における、より安定した認証処理のために、指1の輪郭や爪606の輪郭を前述の手法などにより抽出することで指の先端領域を切り出し、これらの輪郭情報を用いて指1の転がり方向の回転補正や拡大率補正を実施する。例えば指1の輪郭は横に長い楕円形であるが、指が転がることで指輪郭の楕円や爪輪郭の楕円の長軸が画像の水平方向に対して傾く。この傾きを一意に正規化することで回転補正が可能となる。
なお、周囲の外光が指先に当たることを防ぐために、指先の外周に遮光壁を設けても良い。これにより外光による精度劣化を防止できる。また、指先の腹側が設置される入力装置表面に、指先の腹の形状に合った曲率を有する窪みを設けても良い。これにより位置ずれを防止できる。また、本実施例では光源23は指の下側に設置されているが、側面や上方に設置されていても指先の部分の静脈の撮影は適用可能である。他の位置に設置する場合は指の甲側の爪の根元付近に光が当たるように設置すると画質を高められる。
図11は、第7の実施例に係わり、指先の指紋を撮影することで、認証処理部10で指の回転を補正する一実施例の構成を示す。装置を小型化するためには、撮影のための開口部をできるだけ小さくする必要がある。それに伴って指輪郭が撮影できなくなり、先に説明した従来技術で示される通り指輪郭に基づく回転補正ができない状況が想定される。そこで本実施例では指紋検出部で検出する指紋情報により、撮影された画像の指の回転や拡大率を補正する。
一般的に指先の指紋は渦状、蹄状、弓状に大別される。これらは全体的な構造は異なるものの、指の先端に近い領域においては指先の丸みの形状に合わせて曲線を描くという共通点がある。またこの曲線は楕円の一部と見なすことができる。従って、指先の領域のうち指の先端に近い領域の指紋の線情報から楕円を推定し、その長軸の角度を調べることで、一律に回転角を補正できる。また、指紋の線間隔を調べ、それが一律になるように拡大補正を行うことで、指の浮きに対する位置補正が可能となる。
図11(a)は本実施例を実現する基本装置構成の一例である。入力装置2には開口部201、撮像装置9、反射光源1107が具備されている。撮像装置9と共に指紋検出部を構成する反射光源1107は開口部201より装置内側に位置し、指1の指先に対し反射光を照射する。指先の反射画像を撮像装置9で撮影すると、指先に分布する指紋が観測できる。このとき反射光の強度は指紋が最も鮮明に映し出されるように調整される。また、反射画像の撮影は透過静脈画像の撮影とは異なるタイミングにて実施する。なお、指紋撮影のための反射光源1107は先の指の静脈を撮影する際に用いる光源とは別に設置しても良いし、同一のものを利用しても良い。
図11(b)は指が若干回転して置かれている状態の指紋画像と回転補正方法を示している。認証処理部10のCPU11は、画像処理プログラムの実行により、指1の指先を、指の先端に近い指先領域1101と指の先端から離れた指先領域1102とに分割する。分割の方法は、固定位置により決定する方法、あらゆる位置で指紋の曲線の法線方向を求めその法線の延長線が最も密集する位置を調べることで指紋の中心位置を求め、その位置により分割する方法、などの手法による。反射光により指紋が撮影され、そして指の先端に近い指先領域1101が決定されると、指の先端に近い指先領域の指紋1103が得られる。この領域の指紋を楕円の一部と見なし、これに最もフィットする楕円を計算する。
CPU11における計算の一例としては、指先端に近い領域の指紋1103の線を構成する画素の座標を用いてHuff変換を実施し、楕円のパラメータである長辺と短辺とを推定する。指紋は同心円状の構造であるため、長辺と短辺の絶対値は一意に定まらないが、例えば画像の水平方向の直線を基準とした場合、この基準線が長辺と成す角は共通であると考えられる。よって指紋の形状に合った楕円の長軸1105と短軸1106とが得られる。なお、図11(b)には代表的な長辺と短辺による推定楕円1104が示されている。この状態において、たとえば長軸1105の向きが画像の水平方向と一致するように回転補正を掛けることで、常に同じ向きとなるように指の回転を補正できる。図11(c)は回転補正後の推定楕円を示している。この回転角に合わせて、指静脈画像を回転させることで向きが正規化され、回転にロバストな認証が実現できる。
また、CPU11は、指紋の線間隔が一定値になるように拡大補正を掛けることで指の浮きに強い認証ができる。たとえば、指の先端側の指先領域の指紋1103の線情報と長軸1105との交点の間隔を一定とするように拡大補正を行うことで、常に同じ位置を基準に補正を掛けることができ、安定した拡大補正処理が実現できる。なお、本実施例は本明細書に記載されているいずれの認証装置においても適用可能である。
図12は、指先に反射光を照射し、認証処理部10のCPU11により、その形状を分析することで指の回転を補正する一実施例である。本実施例を実施するための装置構成は図11(a)に示されるものと同様であり、反射光源1107を具備したものとなる。
利用者が指1を提示すると、反射光源1107によって指1の表面に光が照射される。指は立体的に丸みを帯びているため、最も膨らみの大きい箇所に反射光が当たりやすい。また、指は円筒状であり、最も膨らみの大きい箇所は指の長手方向に沿って分布する。従って、反射光が最も当たる部分は、指の長手方向に沿うことになる。従って、画像上の輝度値が高い部分の方向を調べることで、指の回転方向を推定することができる。
図12(a)は指が回転した際の反射画像を示している。反射画像1201の中には反射光による飽和領域1202が白い領域として観測でき、図にはその方向1203が示される。図で示す通り指1の指先が右上を向いた状態では、反射光よる輝度値の飽和領域1202の方向1203が指と同じ右上に傾いて分布している。飽和領域の分布の方向1203の計算は、飽和領域の各画素を2次元に分布するデータ群と見なし、これに対し主成分分析を実施して主軸を求める方法などによって行うことができる。同様に、図12(b)は指先が右下を向いている状態を示すが、飽和領域1202の方向1203は指の向きと同一方向を向いている。この方向が、例えば画像の水平方向などのように特定の方向となるように回転補正を行うことで、指の回転ずれにロバストな照合が実現できる。
本実施例は、図11にて示した実施例とは異なり、指紋を撮影するために必要な解像度を持たない安価な撮像素子においても適用可能であり、指輪郭情報を利用せずに指の回転補正を実施することが可能となる。また本実施例は本明細書に記載されているいずれの認証装置においても適用可能である。
図13は、第8の実施例として、複数の波長を含む光源の一構成例を示す図である。赤外光が生体を透過する際、細胞組織の中で散乱を起こす。透過する組織の厚みがあり、透過するまでの距離が長いほど、散乱によって光の進行方向の成分が減少し、その分の光が広がっていく。この拡散の影響が大きいほど、静脈パターンの像がぼやけて見えにくくなる。例えば2本の静脈が平行に近接して存在する場合、拡散の影響により1本のぼやけた静脈に見える場合がある。また細い血管は太い血管より相対的に拡散の影響を受け易く、結果的に観測しにくくなる。このように、拡散が生じると精細な静脈パターンの撮影が困難となる。
一方、赤外光には波長が長いほど散乱が生じにくいという特性がある。そこで、長波長の赤外光を発光できる光源を利用すると、詳細な静脈が観測できるため画質が向上する。しかしその反面、一般的な光源の出力特性や撮像装置の受光特性により光量が不十分となりやすい。
細い指を撮影する場合は、指の細さに伴って血管も細い傾向にあり、光の拡散に伴うぼやけの影響によって観測しにくくなるが、指が細いため弱い光量でも静脈を観測することができる。逆に、指が太い場合は血管も太くぼやけにくい傾向にあるが、その観測のためには強い光を当てる必要がある。
そこで、微弱な光量で十分に撮影できる細い指については、受光量は小さいが散乱しにくい長波長の赤外光を照射し、また太い指については、散乱しやすいが受光量を高められる短波長の赤外光を照射することで、いずれのケースにおいても鮮明な静脈撮影が実現できる。
図13(a)に示すように、光源23には格子状に異なる波長の光を照射できる光源を並べる。ここでは2通りの波長を組み合わせる一例を示す。なお、2通りに限定されるものではない。赤外線のうち長波長の光源1301と短波長の光源1302が並べられている。また図13(b)には本実施例における光量の制御方法を説明するためのグラフが示されている。最終的に、静脈撮影のために照射される光量は、同時に発光する長波長の光源と短波長の光源からの光量を合成したものとなる。合成光量が弱い領域については長波長の光量が優勢となり、合成光量を強めていくにつれて短波長の光源が優勢となる。また合成光量が不連続とならないように両波長の光量の強度が調整されている。
最適光量を照射するためには、指の太さあるいは指の透過率を知る必要がある。そのためには、まず任意の初期光量を照射して画像を撮影し、そのときの画像の平均輝度値により指の透過率を調べる。もし、異なる複数の領域を独立して照射できる光源が具備されている場合は、それぞれ異なる初期光量を与え、どの領域が最適光量に近いかを判定することで、指の透過率が即座に判定できる。このように、指の透過率により調整された最適光量を指に照射すると、一般的に静脈が細くて観測しにくい細い指は調光値が微弱となるよう調整されるが、このときの合成光量は長波長光源が優勢のとなるため、散乱によるぼやけの影響が小さくなり高精細な撮影が可能となる。
ここで、両波長を合成せずに指の透過率に応じて使用する波長を単純に切り替える手法と、本手法とを比較する。合成しない手法では、波長を切り替えるべき指の透過率の閾値を事前評価により決定しておき、透過率の測定結果と閾値とを照らし合わせて波長を切り替えるが、この閾値に近い透過率の指は、測定誤差によって閾値を跨ぐ場合と跨がない場合とが不安定に出現し、使用される波長が撮影ごとに異なる可能性が生じる。異なる波長で撮影された画質は異なるため、認証が安定しない。これに対して本実施例の手法では連続的に波長が合成されているため、透過率の判定値のばらつきにロバストな認証が可能となる。
本実施例は本明細書に記載されているすべての認証装置構成において適用可能であることは言うまでもない。
図14は、外光の存在する環境の下で撮像装置、撮像素子の光量調整を行う第9の実施例を説明するための図である。
例えば図2に示される指先の静脈認証装置においては、指先が装置の開口部で覆われるため、撮影する指の表面に光源以外の外光が直接当たることはほとんどない。しかしながら、晴天時の屋外のように、外光が数万ルクスに達する状況においては、外光そのものが指を透過してカメラに到達する。本来は光源によって指に適切な強度の光が均一に照射されるように制御されるが、このような状況では想定した透過画像が得られなくなる。露光時間が調整できる撮像素子の場合は、強力な外光が照射されるとその露光時間を短くすることで受光量を低減することが可能となる。しかしながら、特定の方向から外光が強く照射された場合は、撮影された画像の一部分は依然として明るい状態となるか、過剰に暗くなりすぎて血管が観測できない領域が現れる。この点に関し図14を用いて具体的に説明する。
図14(a)は、強力な外光が一部の方向より照射された場合の指静脈画像の模式図の一例である。外光による飽和領域1401により指静脈604が観測できない領域が存在することが分かる。もし撮像素子の各画素で露光時間が個別調整できる場合は、明るくなった部分についてのみ露光時間を短くすることで対処できる。しかし、そのような撮像素子は高価であり、全画素の露光時間を一律に可変するものが一般的である。
このとき、図14(b)に示すように、飽和領域1401を暗くするように露光時間を制御すると、飽和領域1401であった場所に静脈604が観測できるようになるが、従来静脈604が観測できていた部分が暗くなり、影領域1402となってしまう。このとき、装置に具備されている光源が外光と同じレベルの光強度を照射できれば、外光を含めて均一な明るさになるように光量調整した後に露光時間を短くすることで全体の明るさを一様に調整できる。しかし、外光と同等の明るさを照射できる光源を具備することは、消費電力が大きくなる、あるいは光源の個数が数多く必要となる、といった面で低コスト化や小型化を実現することが難しくなる。
そこで、本実施例においては、光量が最適に調整された領域と外光により輝度値が飽和した領域とを含む図14(a)の撮影の直後に、飽和領域1401の輝度値が最適となるように露光時間を短くして撮影した同(b)を撮影し、同(c)で示されるように、両画像において共に静脈604が観測できる領域を合成することにより再構成することで、全体の静脈パターンの画像データを獲得する。
本実施例における認識処理部10のCPU11による露光時間の制御方法の一例を以下に示す。まず、装置に具備された光源を消灯したまま画像を撮影する。このとき飽和領域がない場合は通常の光量調整処理を実施する。一方、このとき既に飽和領域が存在する場合は外光があると判断し、CPU11が本実施例による露光制御と画像合成処理を行う。
まず、飽和していない領域の静脈が鮮明に撮影できるように、装置に具備された光源により光量調整を行う。これで図14(a)と同等の画像が得られる。
次に、飽和領域が暗くなるように露光時間の制御を行う。その手法として、後で一例を詳述するように、飽和領域の平均輝度を一定値に制御する方法、飽和領域の面積を調べ、この領域がなくなるように制御する方法などがある。この処理は光量調整と同様の手法で画像を繰り返し撮影しながらフィードバック制御を行うが、飽和領域1401の面積と最適な露光時間との関係を事前に評価しておき、このデータに基づいて最適な露光時間を推定することで、最適な輝度値が得られるまでの撮影回数を減らすことができ、認証処理の高速化に寄与する。これにより図14(b)と同等の画像が得られる。そして、同(a)で飽和領域となっている部分について、同(b)における同じ領域のパターンを重ね合わせ、同(c)のように全体が鮮明な静脈パターンとなる画像を生成する。もし、2枚の画像だけでは飽和領域をなくすことができない場合は、さらに露光時間を調整し、3枚目以降の画像を撮影する。
このような露光制御と撮影を繰り返すことで、各画素について最適な輝度値に制御された画像が少なくとも1枚以上は存在することになる。つまり、露光時間を変化させる前に最適であった領域と、露光時間の制御によって最適となった領域とを合成することで、全領域の最適な輝度値の画像を再構成することが可能となる。
本実施例により、安価な撮像素子を利用しながら、偏りのある強力な外光の下でも均一で適切な光量制御がなされた静脈画像が得られ、装置の利便性を高め、適用範囲を広げることが可能となる。
図16に、本実施例の画像合成による外光環境下での光量調整をCPU11で実行するソフトウエア処理フローの一例を示す。このソフトウエアプログラムは、通常、図1の記憶装置14に格納されており、CPU11の指示によってインターフェイス13を介して認証処理部10内のメモリ12に展開され、CPU11によって実行される。
まず、図16のS1601において、撮影に必要となるパラメータとして、カメラ、即ち撮像装置9の露光時間と光源23の光源強度とを初期化する。露光時間の初期値はフレームレートで規定される最大時間Siとし、例えばカメラのフレームレートが30fps(frame per second)である場合は約33msとなる。ただし、この値はカメラの特性や赤外透過フィルタの有無などによって、これよりも短い値に任意に設定できる。また光量を0として光源23を消灯状態とする。
次に、S1602において、利用者の指の提示を検知する。指の検知は上述した実施例で示した認証装置のようにタッチセンサによる方法のほか、光源を点滅させ、画像に映り込む被写体が光源の照射に応じて明暗を繰り返すことを検知する方法としても良い。
次に、S1603において、外光の照射状況を検知するために、光源を消灯した状態で撮影を行う。外光のない状況では、被写体が明るく照らされることはなく、通常は一様に輝度値の低い画像がカメラ、即ち撮像装置9によって得られる。一方、外光が照射されている場合は、画像の一部あるいは全体の輝度値が高くなる。このような画像が得られた場合は、指静脈の情報が欠落するため、本実施例のCPU11で実行される画像合成手法によって全体的な指静脈パターンを獲得する。
特に、画像全体を一定範囲内の平均輝度値に収めることが、安定した静脈パターンの撮影には重要となる。まず、S1604において、CPU11は画像の中に高輝度領域が存在しているかどうかを判定する。高輝度領域とは、画像が飽和している、あるいは飽和に近い輝度値となる画像領域である。これは、先の撮像装置9であるカメラの出力信号を解析することによって高輝度領域の有無を判定できることは言うまでもない。もし高輝度領域が存在しない場合は通常の光量調整処理を実施することで均一な輝度値に調整でき、全体的な指静脈パターンを獲得することができるため、S1620で示される従来の光量調整処理を実施して本処理を終了する。高輝度領域が部分的あるいは全体的に存在する場合は、強い外光が照射されているものとして次の処理に進む。
一方、高輝度領域が存在した場合、S1605において、露光時間を初期値Siよりも短い時間Smに設定し、前回の画像よりも暗い映像が撮影されるように制御する。露光時間Smは、外光の無い環境で、想定される最大の減衰率を有する指が置かれた場合に、装置が備えている光源の最大光量を照射したときの画像の平均輝度値が、概ね光量調整の目標範囲に入る露光時間とする。この撮影では、画像を暗くしすぎると輝度分解能の低下により血管の情報が欠落しやすく、また画像を明るくしすぎると外光の影響を受け易くなり合成処理の時間が大きくなる。従って、Smという値を設定すると、装置の光源で画像を明るく調整し得る範囲のうちで最も暗い画像を撮影できるため、外光の影響を受けにくく、かつ合成処理の手順を少なくする効果が得られる。この露光時間Smは、基準露光時間として以降の処理において利用される。続いてS1606において画像を撮影する。
そしてS1607において、この画像内に高輝度領域が存在するかどうかを判定する。もしこの画像に高輝度領域がない場合は、装置の光源により全体的に均一な指静脈パターンを撮影できる。すなわち、装置の光源を追加照射して全体的な輝度値を平滑化できるならば、画像の合成処理は不要となる。その場合はS1620で示される通常の光量調整処理を実施し、処理を終了する。そうでない場合は、次の処理に進む。なお、露光時間の初期値としてSmを与えることもできるが、その場合は外光のない環境においても常に強い光量を装置の光源から照射する必要があり、消費電力が高くなる。従って初期値としてはSiを設定し、その後必要に応じてSmに切り替える本実施例の方法により消費電力を低く抑えることができる。
次に、S1608において、画像の低輝度領域となる部分について、通常の光量調整処理に基づき装置の光源を用いて輝度値を調整する。低輝度領域とは、高輝度領域ではない領域を指す。複数の光源を具備している装置においては、低輝度領域の生じる場所に対応した光源を制御し、できるだけ輝度値が均一になるように光量調整を行う。その後、S1609において、光量調整が完了した際の画像を獲得する。この画像は画像の合成の際に利用される。
次に、S1610において、画像合成のための画像を複数枚撮影するためのループで利用される変数iを0に初期化する。また後ほど画像合成のために利用される、拡張画像と呼ばれる情報を格納するメモリ領域を、S1609において撮影した画像の代入により初期化しておく。
ここからの処理は、露光時間の制御と画像の合成によって、画像の平均輝度値が所定範囲内に保たれた1枚の指静脈画像を生成する、静脈画像の再構成処理に入る。ここでは光源の光量値は変化させず、露光時間の制御のみによって画像を撮影するものとする。これは、利用者の指に向けて強い外光が照射されている状況において、指と開口部とが密着して隙間がない状態であれば、外光は指や指の静脈に対して透過光となっている。従って、装置の光源の光を照射する代わりに外光を利用して指静脈パターンを撮影することができる。このとき、画像の輝度値が所定の平均値を有するように外光強度に応じて露光時間を変更する。
まず、S1611において、基準露光時間Smに対して1/Rs(i)の大きさの露光時間を設定する。ここで、Rs(i)は1より大きい値であり、ループのたびに異なる値が設定される。本実施例においてはRs(i)=2+iと設定する。この場合、S1609で撮影した画像に対し、撮影するたびに露光時間が1/2、1/3、1/4、と変化し、徐々に暗い画像を撮影することができる。そして、S1612において、この露光時間での画像が撮影される。
次に、S1613において、S1609で撮影した画像とS1612で撮影した画像とを合成する。最後に撮影された画像と、その1つ前に撮影された画像とを比較し、一つ前の画像では高輝度領域であり、かつ最後に撮影された画像では低輝度領域となる領域、すなわち新規低輝度領域を検出し、その領域内についてのみ、最後に撮影された画像の輝度値をRs(i)倍する。そして、その部分のみを拡張画像のメモリ領域に上書きする。拡張画像とは、元の撮影画像の最大輝度値を超えた輝度値を格納することができる画像である。つまり、元画像の輝度値をRs(i)倍した値を格納しても、メモリ上の値がオーバフローせずに保持することができる。例えば元画像が8ビット階調であれば0から255までの輝度値を格納できるが、拡張画像を16ビット階調として用意した場合は、0から65535までの輝度値を格納できる。また、ループのための変数iを1つ加算する。
次に、S1614において、最後に撮影された画像内に、高輝度領域が存在するかを判定する。もし依然として高輝度領域が存在する場合は処理をループさせ、S1611から同様の処理を実施する。もし高輝度領域が存在しない場合は、これまで撮影した画像を用いて平均輝度値が所定範囲内となる指静脈画像を構成することができるため、ループを抜けて次の処理へ進む。露光時間は最小で0とできる場合、このループは有限回数で完了する。ただし、S1614において、ループ回数に上限を設け、僅かな高輝度領域を含んだまま合成処理を実施しても良く、これにより処理時間が長く掛かることを防止できる。画像の合成処理は次の通りに実施される。
まず、S1615において、獲得した拡張画像の各画素に対してM×Nの周辺画素を平滑化した画像を生成する。平滑化の方法は、平均輝度値あるいは中央値を算出する方法が適用できる。次に、S1616において、元の拡張画像と平滑画像との差分を取る。ただし、値が負にならないように、元の画像の輝度階調の半値程度の値を加算しておく。また、元の画像の輝度階調を越える場合は、差分画像内の最大輝度値・最小輝度値が元の画像の輝度階調に収まる値になるように階調補正を実施しておく。この処理によって、拡張画像の輝度の変化分が、元の画像の輝度階調に収められた状態で得られる。このとき、M×Nの大きさは、画像の平滑化によって静脈パターンの情報を十分に取り除くことができる大きさとしておくと、静脈パターンの有無に応じた輝度値の変化分だけが獲得できる。
この段階で、様々な露光時間において獲得された各画像が合成され、強くて大きな偏りのある外光下においても、従来と同程度の輝度値分解能で、飽和領域がなく一様な平均輝度値を有する1枚の指静脈画像を得ることができる。
図17は、上述の処理フローによって複数の画像を1枚の画像に合成する処理手順の一例を示す模式図である。複数の画像として三つの画像を例示して説明するがこれに限定されるものでないこと言うまでもない。
図17(a)は、上述のフローS1609で撮影したときの指画像の一例である。指画像にはx軸が縦方向に示されており、指画像の下にはx軸を横方向としたときの、画像x軸上の断面プロファイルが示されている。断面プロファイルの縦軸は光量である。また本実施例においては画像の輝度値の分解能を256段階とし、プロファイル上に画像の輝度が飽和する境界線を示した。
図17(a)は、断面プロファイルの右側のみが元画像の飽和輝度値を下回り、視覚的に静脈パターンが確認できる。しかしプロファイルの左側においては光量が画像の飽和境界を越え、視覚的には全く静脈パターンが適切に撮影できない状況である。飽和境界を下回る領域を低輝度領域とみなし、この領域をAとする。またこの画像そのものを、拡張画像の初期状態として保持しておく。
同(b)は、露光時間を標準の1/2に短くしたときの、S1612において撮影された画像とその輝度プロファイルである。一般的な受光素子である撮像素子においては、露光時間と光の受光量とは比例するため、露光時間を1/2にするとプロファイル曲線の縦軸である光量の縮尺もこれに合わせて1/2となる。これにより、図17(a)では飽和していた画像中央付近の静脈パターンが新たに撮影できるようになる。この領域をBとする。また、領域Aのプロファイルも1/2に圧縮されてしまうことより、領域Aについては図17(a)で観測した状態よりもパターンが観測しにくくなる。そこで、この画像からは領域Bで得られるプロファイルのみを取り出し、1/2の縮尺を元に戻すように輝度値を2倍して、拡張画像の領域に格納する。
同様に、同(c)は、露光時間を標準の1/3に短くしたときの画像である。新たに領域Cが低輝度領域となる。よって領域Cの輝度値について値を3倍し、拡張画像に格納する。また、この画像を撮影した時点で全ての領域について飽和領域が観測されなくなった。よって、S1614の判定により撮影のループを終了する。
同(d)は、上述のx軸における拡張画像の輝度値である。領域Aについては図17(a)のプロファイルが格納され、領域Bは図17(b)で獲得した、輝度値を2倍としたプロファイルが格納される。ただし、領域Aとの境界が同じ輝度値になるように、値を一様に高くした状態で格納されている。同様に、領域Cには図17(c)で獲得した、輝度値を3倍としたプロファイルを、領域Bとの連続性を考慮して格納している。各領域のプロファイルは異なる画像から得たものであるが、光量を示す縦軸の縮尺を露光時間の短縮率に応じて拡大変換しているため、各領域の境界における曲線の傾きの連続性は保たれる。また境界の輝度値を一致するように値を高くしているため、各境界での絶対値の連続性も保たれる。
例えば、領域Bの場合、露光時間が1/2に短縮されたことにより、輝度値も1/2になるため、領域Aと領域Bの境界において、曲線の傾きと絶対値に不連続性がもたらされるが、露光時間に基づく光量、すなわち領域Bの輝度値を、その境界の輝度値が領域Aの境界の輝度値と等しくなるよう補正することにより領域Aとの連続性を維持することができる。領域Cと領域Bとの境界についても同様である。
よって、拡張画像の輝度プロファイルは全体的に連続性が保たれる。ただし厳密には、繰り返し撮影する際に外光や指の位置に変動が含まれることから、ずれを生じる場合もある。このときは、境界付近が滑らかに接続できるよう、境界付近に対して画像の平滑化処理を実施しても良い。
同(e)は、S1615で実施される、拡張画像に対するM×N画素の平滑処理の結果であり、そのプロファイルが点線で示されている。また同(f)は、S1616で実施される、図17(d)から図17(e)を差し引き、元の画像の階調の半値である128を加算したときの処理結果を示している。各露光時間における画像で得られた静脈パターンの凹凸の情報を含みながら、元画像の256階調に収められた飽和領域のない画像が得られることが分かる。よって、この画像をそのまま後段の認証処理手順である静脈パターン抽出処理に渡すことで、認証処理を継続できる。なお、図17(f)については、後段の静脈抽出処理そのものを変更し、本手順で示した拡張画像の入力を受け付けるようにすれば、S1615とS1616とを省略できる。
以上詳述した本実施例により、強度が強く、空間的に大きな偏りのある外光が存在した場合でも、安定した認証処理が実現できる。
図15は、第10の実施例の認証システムの構成図である。図15の左上が装置断面図、左下が上面図、右上が装置断面図を左側から見た側面図である。装置には、指先設置台501、指中央設置台502、光源支持部607、撮像装置9、光源23、が具備されている。指先設置台501と指中央設置台502は開口部201を挟むように設置される。指先設置台501は指先の曲率に合わせた窪みとなっており、また指中央設置台502は指先から開口部201の幅だけ離れた指の根元側を支える凸状の設置台であり、その断面は指の断面の曲線に合った窪みがあり、この窪みに指1を置く。
これらにより、指先あるいは指全体の横方向の位置ずれを防ぐことができる。また、指を置いたときに指先側が下がるように、指先設置台501と指中央設置台502との高さに差を設けている。言い換えるなら、指先設置台501は指中央設置台502より、開口部201に近い位置に形成される。また、光源23は光源支持部607によって支持されているが、光源23が入力装置2の表面より僅かに高い位置に設置されるように、光源支持部607は上方に突出している。また開口部201は指1が置かれた際に指表面が接触しないように、入力装置2の筐体の表面から僅かに窪んだ位置に設置される。
利用者は指1を指先設置台501と指中央設置台502に合わせて設置、載置する。指1が乗せられると、撮像装置9が起動すると共に、光源23は指1に光を照射する。光は指1を透過し、その透過光を撮像装置9が撮影する。光源23は指先前方の下側から爪の付け根付近を照射する。指1が設置されている角度と、光源23の設置されている高さとの関係より、指の甲側に光を照射し指の腹側を撮影するという、透過光による静脈撮影が実現できる。従って、指先付近の静脈パターンが鮮明に撮影でき、この画像を用いて高精度な指静脈認証が実現できる。なお、指の検知方法としては、指先設置台501あるいは指中央設置台にタッチセンサなどの接触検知手段を搭載しても良く、また撮像装置9の起動をキー入力などの別手段で実施し、画像を撮影しながら指の有無を判定しても良い。
本実施例における装置は、装置断面図及び上面図より明らかなように、光源が3つ並べられており、それぞれが僅かに異なる部分を照射するように光軸がずらされている。この例においては、爪の根元側、爪の中心、爪の先側、の3領域を照射するように設置されている。上述の実施例において言及したとおり、各光源を独立制御し、各部分を最適制御することによって、様々な厚み、様々な形の指に適応した光量調整が可能となる。
本実施例の構成において、装置表面には僅かに凹凸が存在する。しかし、指先を照射するための光は、爪や爪の根元付近にまで光量が届けば十分であり、指の第一関節より根元側には光を照射する必要は無い。従って光源23の高さは、従来技術のように指全体を撮影する指静脈認証装置と比べて低くすることができる。これにより、装置表面を平面的な構造に近づけることが可能となり、搭載できる装置の自由度が高まる。また、本実施例において光源23は入力装置2の表面より僅かに突出しているが、例えば指中央設置台502を高くする、あるいは指先設置台501をより窪ませることで、光源23は入力装置2の表面と同一平面に設置できる。すなわち、指1の置かれる角度と光源23により照射される光の角度との関係を一定に保つことができる配置であれば、認証装置を組み込む機器に合わせて光源を任意の高さとすることができ、図示の高さに限定されるものでないことは言うまでもない。
本発明は指静脈認証装置において、利便性を維持しながら認証精度を向上することを可能にでき、個人認証装置として極めて有用である。
1…指、2…入力装置、9…撮像装置、10…認証処理部、12…メモリ、13…インターフェイス、14…記憶装置、15…表示部、16…入力装置、17…スピーカ、18…画像入力部、23…光源、201…開口部、202…指先設置台、203…光源支持部、204…ヒンジ、205…ラッチ、206…タッチセンサ、207…突起、301…携帯電話、401−a…蓋、401−b…蓋、402…ヒンジ、403…爪逃がし用穴、404…蓋の支持部材、405…バネ、406…蓋開口検知スイッチ、501…指先設置台、502…指中央設置台、503…遮光壁、601…指先設置台付開口部、602…遮光用側壁、603…指輪郭、604…静脈、605…指先設置台付開口部の突起部、606…爪、607…光源支持部、701…遮光部材、702…外部背景、801…指側面設置台、802…指周囲設置台、803…曲面開口部、901…関節部設置台、1001…撮像素子支持部、1101…指の先端に近い指先領域、1102…指の先端から離れた指先領域、1103…指紋、1104…推定楕円、1105…長軸、1106…短軸、1107…反射光源、1201…反射画像、1202…反射光による飽和領域、1203…反射光による飽和領域の方向、1301…長波長の光源、1302…短波長の光源、1401…外光による飽和領域、1402…影領域。

Claims (15)

  1. 指の静脈により認証を行う個人認証装置であって、
    前記指を載置させる指置き台と前記指置き台に載置される前記指を撮影するための開口部を有する筐体と、前記指に向けて光を照射する光源と、前記指からの透過光を前記開口部を介して撮像する撮像装置と、前記撮像装置により撮像された画像を処理する画像処理部と、前記筐体の前記指置き台と前記光源との間に設置された遮光部材と、前記指の指紋を検出する指紋検出部を備え、
    前記光源は前記指置き台に載置される前記指の前方且つ、前記筐体の表面又は当該表面より下方に、当該光源の光の照射方向を前記筐体表面より上方に向けて設置され、
    前記画像処理部は、前記指紋検出部で検出した指紋に基づき、前記画像の前記指の置かれる角度あるいは拡大率を補正する、ことを特徴とする個人認証装置。
  2. 前記開口部は、前記光源の光に対して透明な部材で形成され、前記筐体表面より下方位置にあり、且つ指先側に指先設置台となる突起部を備える、ことを特徴とする請求項1記載の個人認証装置。
  3. 前記筐体は前記開口部の両側に遮光用側壁を備える、ことを特徴とする請求項2記載の個人認証装置。
  4. 前記指置き台は、前記指の指先を設置する指先設置台と前記指の中央部を設置する指中央設置台とからなり、前記指先設置台が前記指中央設置台より前記開口部に近い位置に設置される、ことを特徴とする請求項1記載の個人認証装置。
  5. 前記光源は複数の発光素子からなり、複数の前記発光素子各々は前記指置き台に載置される前記指の甲側の異なる位置を照射する、ことを特徴とする請求項記載の個人認証装置。
  6. 指の静脈により認証を行う個人認証装置であって、
    前記指が載置される指置き台と前記指置き台に載置される前記指を撮影するための開口部を有する筐体と、前記指に向けて光を放射する光源と、前記指からの透過光を前記開口部を介して撮像する撮像装置と、前記撮像装置により撮像された静脈を含む画像を処理する画像処理部と、前記筐体の前記開口部と前記光源との間に形成された遮光部材と、前記指の指紋を検出する指紋検出部を備え、
    前記光源は、前記指の長手方向における前記開口部の前方且つ、前記筐体の表面又は当該表面より下方に、当該光源の光の照射方向を前記筐体表面より上方に向けて設置され、
    前記画像処理部は、前記指紋検出部で検出した指紋に基づいて、前記静脈を含む画像の回転角及び拡大率の少なくとも一方を補正する、ことを特徴とする個人認証装置。
  7. 前記撮像装置は前記画像に前記指の指先の輪郭を含めて撮影し、前記画像処理部は撮像した前記画像に基づき、前記指先の輪郭を抽出する、ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項記載の個人認証装置。
  8. 前記指置き台は窪みを有する、ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項記載の個人認証装置。
  9. 前記静脈は、前記指の関節部分の静脈である、ことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項記載の個人認証装置。
  10. 前記静脈は、前記指の先端部分の静脈である、ことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項記載の個人認証装置。
  11. 前記光源は複数の波長を発光する複数の発光素子で構成され、複数の前記発光素子を同時に発光する、ことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項記載の個人認証装置。
  12. 前記指置き台を前記開口部の周囲に備え、前記指置き台は前記指の形状に合わせた曲率を有する、ことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項記載の個人認証装置。
  13. 前記指置き台は、その断面が前記開口部へ近づくにつれて前記開口部側に傾斜している、ことを特徴とする請求項12項記載の個人認証装置。
  14. 前記光源を支持し、前記光源を前記指の指先の上方に移動可能な支持部と、前記支持部を前記筐体に結合する結合部とを更に備え、
    前記支持部は前記指の長軸方向に沿って移動することにより、前記光源が前記指先の上方に移動する、ことを特徴とする請求項記載の個人認証装置。
  15. 前記画像処理部は、前記撮像装置により撮像した前記画像に対し外光が照射されている部分を検知し、検知した前記外光が照射されている部分が適正な輝度値になるように前記撮像装置の露光時間を制御し、異なる露光条件で得られた複数の前記画像中、適正な輝度値を有する部分を合成して前記指の静脈画像を再構成する、ことを特徴とする請求項項記載の個人認証装置。
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