JP2023048728A - 液体用ポンプ - Google Patents

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竜 濱口
Tatsu Hamaguchi
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Abstract

【課題】軸受への潤滑油の塗布を実現できる液体用ポンプを提供すること。【解決手段】液体用ポンプ10は、回転軸20と、回転軸20に設けられたインペラ40と、インペラ40を収容するポンプ室Sを有するボディ30と、ポンプ室Sに液体を導入するための第1流路52と、ポンプ室Sから液体を吐出するための第2流路54と、回転軸20をボディ30に回転可能に支持する軸受80と、回転軸20の軸線mが延びる方向において軸受80とインペラ40との間に設けられ、ボディ30と回転軸20との間をシールするメカニカルシール90とを備えている。軸受80は、当該軸受80の内部に潤滑油を含んでいる。液体用ポンプ10は、回転軸20の軸線mが延びる方向において軸受80とメカニカルシール90との間に設けられ、ボディ30と回転軸20との間をシールするリップシール100を更に備える。【選択図】図1

Description

本発明は、液体用ポンプに関する。
特許文献1には、ウォータポンプが記載されている。
ウォータポンプは、回転軸と、回転軸に設けられたインペラと、インペラを収容するポンプ室を有するボディと、第1流路と、第2流路とを備えている。インペラは、回転軸とともに回転することにより、第1流路からポンプ室に冷却水を導入し、ポンプ室の冷却水を第2流路に吐出する。ウォータポンプは、回転軸をボディに対して回転可能に支持する軸受と、回転軸の軸線が延びる方向において軸受とインペラとの間に設けられたメカニカルシールとを備えている。メカニカルシールは、シール端面の摩耗に従い,ばねなどによって軸方向に動くことができるシールリング及び動かないメイティングリングからなり,軸にほぼ垂直な相対的に回転するシール端面において流体の漏れを制限する働きをするものである。メカニカルシールは、回転軸と一体回転する回転環と、ボディに固定された固定環とを有している。固定環には、ばね及びシールリングが含まれる。回転環には、メイティングリングが含まれる。回転軸の軸線が延びる方向において固定環のシール端面が回転環のシール端面に押し付けられることにより、メカニカルシールは、ボディと回転軸との間をシールしている。
特開2020-148187号公報
発明者は、軸受の潤滑性の向上を目的として軸受へのグリスの塗布を検討したところ、回転環と固定環との接触部の温度が上昇すると、当該接触部に存在する液体が気化することを見出した。そして、発明者は、軸受がメカニカルシールから発生した蒸気に長時間さらされると、軸受に塗布したグリスの粘度が低下することにより軸受からグリスが洗い流されることを見出した。なお、グリスに限られず、他の潤滑油、特に比較的粘度の高い潤滑油を軸受に塗布する場合においても、上述したような軸受からの潤滑油の流出が懸念される。
上記課題を解決する液体用ポンプは、回転軸と、前記回転軸に設けられたインペラと、前記インペラを収容するポンプ室を有するボディと、前記ポンプ室に液体を導入するための第1流路と、前記ポンプ室から液体を吐出するための第2流路と、前記回転軸を前記ボディに回転可能に支持する軸受と、前記回転軸の軸線が延びる方向において前記軸受と前記インペラとの間に設けられ、前記ボディと前記回転軸との間をシールするメカニカルシールとを備え、前記軸受は、当該軸受の内部に潤滑油を含み、前記回転軸の軸線が延びる方向において前記軸受と前記メカニカルシールとの間に設けられ、前記ボディと前記回転軸との間をシールするリップシールを更に備える。
上記構成によれば、メカニカルシールから蒸気が発生した場合でも、メカニカルシールと軸受との間にリップシールが存在するため、蒸気が軸受にまで到達しにくい。したがって、軸受への潤滑油の塗布を実現できる。
液体用ポンプの断面図である。
以下、液体用ポンプを具体化した一実施形態を図1にしたがって説明する。
<液体用ポンプの構成>
図1に示すように、液体用ポンプ10は、内燃機関に設けられた循環路CR内で冷却水を循環させるウォータポンプである。液体用ポンプ10は、回転軸20と、ボディ30と、インペラ40とを備えている。液体用ポンプ10は、回転軸20をボディ30に回転可能に支持する軸受80と、2つのメカニカルシール90と、リップシール100とを備えている。以下の説明において、回転軸20の軸線mが延びる方向を回転軸20の軸方向とし、回転軸20の軸線mに直交する方向を回転軸20の径方向とする。回転軸20の軸線mを中心として描く円が延びる方向を回転軸20の周方向とする。
<ボディの構成>
ボディ30は、第1ボディ50と、第2ボディ60と、第3ボディ70とを有している。
第1ボディ50は、例えば内燃機関のシリンダブロックである。第1ボディ50は、第1収容部51と、第1流路52と、第2収容部53と、第2流路54とを有している。
第1収容部51は、回転軸20の一部を収容している。第1収容部51は、筒状である。第1収容部51の内径は、回転軸20の直径よりも大きい。なお、回転軸20は、第1収容部51の内部において軸受80とは別の軸受85により第1ボディ50に回転可能に支持されている。軸受85は、回転軸20をボディ30に回転可能に支持している。
第1流路52は、回転軸20の軸方向において第1収容部51と隣り合うように配置されている。第1流路52は、図1の二点鎖線で示すように回転軸20の径方向の外側に向けて延びている。第1流路52は、回転軸20の径方向において第1収容部51よりも外側に位置する吸入口52aを有している。第1流路52の吸入口52aは、循環路CRの第1端CR1に連続している。
第2収容部53は、回転軸20の軸方向において第1流路52と隣り合うように配置されている。第2収容部53は、第1流路52と連通している。第2収容部53は、筒状である。第2収容部53の内径は、第1収容部51の直径よりも大きい。第2収容部53は、回転軸20の軸方向において第1流路52とは反対側に開口部53aを有している。なお、回転軸20は、第1収容部51から第1流路52を通過して第2収容部53の開口部53aに至るまで延びている。
第2流路54は、回転軸20の径方向において第2収容部53と隣り合うように配置されている。第2流路54は、第2収容部53と連通している。第2流路54は、回転軸20の軸方向において開口部53aと第1流路52との間に設けられている。第2流路54は、回転軸20の径方向において第2収容部53よりも外側に位置する吐出口54aを有している。第2流路54の吐出口54aは、循環路CRの第2端CR2に連続している。
第2ボディ60は、端壁61と、端壁61の外周部から延びる筒状の周壁62とを有している。第2ボディ60は、端壁61に設けられた環状のフランジ部63と、端壁61から延びるボス部64とを有している。
ボス部64は、周壁62よりも内側に位置している。ボス部64は、端壁61から周壁62と同じ方向に延びている。ボス部64は、回転軸20が挿通される筒状の挿通部65を有している。挿通部65の内径は、回転軸20の直径よりも大きい。
挿通部65は、端壁61を貫通している。挿通部65の内周には、環状の板部66が設けられている。板部66は、挿通部65の軸線が延びる方向に厚さを有している。板部66の先端66aがなす貫通孔67の直径は、回転軸20の直径よりも大きい。
第2ボディ60は、第1ボディ50の開口部53aに設けられている。周壁62の先端62aが第2収容部53の内側に位置している。端壁61の一部、及び周壁62は、第1ボディ50の開口部53aに嵌合されている。周壁62の外周面62bは、回転軸20の径方向において第2収容部53の内周面53bに接触している。フランジ部63は、回転軸20の軸方向において第2収容部53の先端53cと対向する状態で当該先端53cに接触している。周壁62の先端62aは、第2流路54に達していない。挿通部65には、回転軸20が挿通されている。回転軸20は、貫通孔67を貫通している。なお、周壁62の外周面62bと第2収容部53の内周面53bとの間には、Oリング等のパッキンが設けられている。これにより、第1ボディ50と第2ボディ60との間がシールされる。
第3ボディ70は、第2ボディ60の端壁61に設けられている。第3ボディ70は、挿通部65を閉塞する蓋である。第3ボディ70は、端壁71と、端壁71から延びる筒部72とを有している。筒部72は、挿通部65の内部に嵌合されている。筒部72の外周面72aは、挿通部65の内周面65aに接触している。筒部72の先端72bは、板部66に接触していない。端壁71は、第2ボディ60の端壁61に接触している。
第3ボディ70は、挿通部65を閉塞した状態で図示しないボルト等の固定部材により第2ボディ60に固定される。回転軸20は、第3ボディ70に接触していない。なお、第3ボディ70の端壁71と第2ボディ60の端壁61との間には図示しないOリング等のパッキンが設けられている。これにより、第2ボディ60と第3ボディ70との間がシールされる。
ボディ30は、インペラ40を収容するポンプ室Sを有している。ポンプ室Sは、第1ボディ50の開口部53aに第2ボディ60を嵌合することによりボディ30の内部に区画されている。すなわち、ボディ30は、インペラ40を収容するポンプ室Sを有している。ポンプ室Sには、第1流路52及び第2流路54が連通している。
<インペラの配置及び構成>
インペラ40は、回転軸20に設けられている。インペラ40は、クローズドインペラである。インペラ40は、回転軸20の径方向において第2流路54が隣り合うように配置されている。
インペラ40は、円板状の基板41と、複数の羽根42と、シュラウド43とを有している。基板41は、回転軸20に設けられている。複数の羽根42は、回転軸20の周方向において基板41に所定の間隔を空けて配置される。シュラウド43は、回転軸20の軸方向において基板41との間で複数の羽根42を挟むように設けられている。シュラウド43は、回転軸20が挿通される挿通部43aを有している。挿通部43aは、第1流路52に対向している。インペラ40は、基板41の外周部とシュラウド43の外周部との間に設けられた連通孔44を複数有している。連通孔44は、回転軸20の周方向において所定の間隔を空けて設けられる。連通孔44は、回転軸20の周方向において隣り合う羽根42の間の空間と連通している。連通孔44は、回転軸20の径方向において第2流路54に対向している。
<軸受の配置及び構成>
軸受80は、挿通部65の内部に収容されている。軸受80は、板部66と第3ボディ70との間に設けられている。軸受80は、当該軸受80の内部に潤滑油としてグリスを含む。軸受80は、外輪81と、回転軸20と一体回転する内輪82と、外輪81と内輪82との間に挟み込まれた複数の玉83とを有している。外輪81は、挿通部65の内周面65aに接触している。外輪81は、回転軸20の軸方向において筒部72と板部66との間に挟まれている。外輪81は、第2ボディ60に固定されている。軸受80は、第2ボディ60に回転軸20を回転可能に支持している。なお、軸受85は、軸受80と同じ構成を有している。
<メカニカルシールの配置及び構成>
2つのメカニカルシール90のうち一方は、第1メカニカルシール91であり、他方は第2メカニカルシール92である。第1メカニカルシール91は、回転軸20の軸方向においてインペラ40と軸受80との間に設けられている。第1メカニカルシール91は、シール端面の摩耗に従い,ばねなどによって回転軸20の軸方向に動くことができるシールリング及び動かないメイティングリングからなり,回転軸20にほぼ垂直な相対的に回転するシール端面において流体の漏れを制限する働きをするものである。第1メカニカルシール91は、回転環91aと、固定環91bとを有している。
回転環91aには、シール端面を有するメイティングリングが含まれている。回転環91aは、回転軸20の軸方向においてインペラ40とボス部64との間に設けられている。回転環91aは、回転軸20と一体回転するように回転軸20に固定されている。
固定環91bには、シール端面を有するシールリング及びばねが含まれている。固定環91bは、挿通部65の内周面65aに固定されている。固定環91bは、板部66と回転環91aとの間に配置されている。固定環91bは、回転軸20の軸方向において回転環91aと隣り合うように配置されている。固定環91bのばねの弾性力により、固定環91bのシール端面は回転環91aのシール端面に接触している。第1メカニカルシール91は、回転環91aのシール端面と固定環91bのシール端面との接触部C1において挿通部65と回転軸20との間をシールする。
第2メカニカルシール92は、回転軸20の軸方向においてインペラ40と軸受85との間に設けられている。第2メカニカルシール92は、シール端面の摩耗に従い,ばねなどによって回転軸20の軸方向に動くことができるシールリング及び動かないメイティングリングからなり,回転軸20にほぼ垂直な相対的に回転するシール端面において流体の漏れを制限する働きをするものである。第2メカニカルシール92は、第1収容部51に収容されている。第2メカニカルシール92は、回転環92aと、固定環92bとを有している。
回転環92aには、シール端面を有するメイティングリングが含まれている。回転環92aは、回転軸20の軸方向においてインペラ40と軸受85との間に設けられている。回転環92aは、回転軸20と一体回転するように回転軸20に固定されている。
固定環92bには、シール端面を有するシールリング及びばねが含まれている。固定環92bは、第1収容部51の内周面に固定されている。固定環92bは、回転軸20の軸方向において回転環91aと隣り合うように配置されている。固定環92bのばねの弾性力により、固定環92bのシール端面は回転環92aのシール端面に接触している。第2メカニカルシール92は、回転環92aのシール端面と固定環92bのシール端面との接触部C2において第1収容部51と回転軸20との間をシールする。
よって、メカニカルシール90は、回転軸20の軸方向において軸受80,85とインペラ40との間に設けられ、ボディ30と回転軸20との間をシールする。
<リップシール100の配置及び構成>
リップシール100は、回転軸20の軸方向において軸受80と第1メカニカルシール91との間に設けられている。リップシール100は、挿通部65の内側に設けられている。リップシール100は、環状の固定部101と、リップ部102と、固定部101とリップ部102とを接続する接続部103とを有している。リップシール100は、例えばエラストマー等のゴム部材で構成されている。
固定部101は、挿通部65の内周面65aに固定されている。固定部101は、回転軸20の軸方向において板部66と第1メカニカルシール91の固定環91bとの間に設けられている。リップシール100は、第2ボディ60に固定されている。リップシール100は、ボディ30に固定されている。
接続部103は、固定部101の1つの端部の全周に設けられている。本実施形態では、接続部103は、固定部101のうち第1メカニカルシール91に対向する端部に設けられている。接続部103は、固定部101の厚さ方向に延びる円板状をなしている。接続部103は、固定部101の1つの端部から回転軸20に向けて延びている。接続部103は、回転軸20に接触していない。接続部103を固定部101の1つの端部に設けた状態において、固定部101の軸線を通過する仮想面で切断したときの固定部101及び接続部103の形状は、L字形状である。
リップ部102は、接続部103における固定部101とは反対側の端部から延びている。リップ部102は、回転軸20の軸方向において固定部101における接続部103とは反対側の端部に向けて延びつつ、回転軸20の径方向において回転軸20に向けて延びている。リップ部102は、接続部103から固定部101における接続部103とは反対側の端部に向かうにつれて内径が徐々に小さくなるように延びる筒状である。リップ部102は、固定部101の内側に配置されている。リップ部102の内側には、回転軸20が挿通されている。
リップ部102の先端部は、リップ部102のうちで最も肉厚が厚くなっている。リップ部102において、リップ部102の先端部の内側のみが回転軸20の外周面20aに接触している。回転軸20がリップ部102の内側に挿通される前の状態において、リップ部102の先端部の内径は、回転軸20の直径よりも小さい。すなわち、リップ部102は、内側に回転軸20が挿通された状態でばね構造をなしている。リップ部102は、内側に回転軸20が挿通された状態において、自身の復元力により回転軸20の外周面20aに所定の力で押し付けられる。リップシール100は、リップ部102が回転軸20の外周面20aに押し付けられることにより挿通部65と回転軸20との間をシールしている。リップシール100は、第2ボディ60と回転軸20との間をシールしている。本実施形態においてリップシール100とは、リップ部102の復元力により回転軸20の外周面20aにリップ部102を押し付けることによりボディ30と回転軸20との間をシールするものである。
<本実施形態の作用>
本実施形態の作用を説明する。
回転軸20のうち回転軸20の軸方向においてポンプ室Sとは反対側に位置する端部には、内燃機関のクランクシャフトの回転が動力伝達機構を介して伝達される。これにより、回転軸20が回転する。回転軸20の回転に伴い、インペラ40が回転する。
インペラ40が回転すると、挿通部43aには、第1流路52から冷却水が引き込まれる。インペラ40が回転すると、インペラ40と第1ボディ50との隙間Gにも第1流路52から冷却水が引き込まれる。隙間Gに引き込まれた冷却水は、インペラ40と第2ボディ60との間に導入される。すなわち、インペラ40が回転することにより第1流路52からポンプ室Sに冷却水が導入される。
挿通部43aに引き込まれた冷却水は、回転軸20の周方向において隣り合う羽根42の間を流動して、連通孔44から吐出される。連通孔44から吐出された冷却水は、第2流路54に吐出される。液体用ポンプ10では、インペラ40が回転することによりポンプ室Sから第2流路54に冷却水が吐出される。第2流路54に吐出された冷却水は、循環路CRの第2端CR2から循環路CRの第1端CR1に戻される。よって、液体用ポンプ10は、内燃機関のクランクシャフトが回転することにより、循環路CR内で冷却水を循環させる。
回転軸20が回転し続けると、第1メカニカルシール91において、回転環91aと固定環91bとの摩擦により第1メカニカルシール91の接触部C1において温度が上昇する。発明者は、軸受80の潤滑性の向上を目的として軸受80へのグリスの塗布を検討したところ、第1メカニカルシール91の接触部C1の温度が上昇すると、当該接触部C1に存在する冷却水が気化することを見出した。そして、発明者は、軸受80が第1メカニカルシール91から発生した蒸気に長時間さらされると、軸受80に塗布したグリスの粘度が低下することにより軸受80からグリスが洗い流されることを見出した。
本実施形態では、回転軸20の軸方向において軸受80と第1メカニカルシール91との間にリップシール100が設けられている。リップシール100は、軸受80と第1メカニカルシール91との間において挿通部65と回転軸20との間をシールしている。このため、第1メカニカルシール91の接触部C1から蒸気が発生した場合でも、第1メカニカルシール91と軸受80との間にリップシール100が存在するため、蒸気が軸受80に到達しにくい。
<本実施形態の効果>
本実施形態の効果を説明する。
(1)リップシール100を第1メカニカルシール91と軸受80との間に設けるようにしたため、第1メカニカルシール91の接触部C1から蒸気が発生した場合でも、蒸気が軸受80に到達しにくい。したがって、軸受80へのグリスの塗布を実現できる。
(2)リップシール100により軸受80に塗布したグリスが洗い流されにくい。このため、外輪81と複数の玉83との間の潤滑性、及び内輪82と複数の玉83との間の潤滑性が向上した状態を維持しやすい。よって、外輪81と玉83との固着や、内輪82と玉83との固着が生じにくいため、軸受80の寿命を長くできる。
(3)軸受80の潤滑性を向上させる手法として、軸受80を潤滑するためのオイルを供給する油路をボディ30に設けることが考えられる。しかし、油路を設ける場合、ボディ30の構造を変更する必要があるため、手間がかかる。その点、本実施形態では、軸受80に一度グリスを塗布すれば、リップシール100により軸受80の潤滑性を維持できる。よって、軸受80へのグリスの塗布を簡易的な手法により実現できる。
なお、本実施形態は、以下のように変更して実施できる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施できる。
・軸受85は、当該軸受85の内部に潤滑油としてのグリスを含んでいてもよい。この場合、回転軸20の軸方向において軸受85と第2メカニカルシール92との間にリップシール100を設ける。このように変更しても、第2メカニカルシール92の接触部C2から蒸気が発生した場合でも、蒸気が軸受85に到達しにくい。よって、軸受85へのグリスの塗布も実現できる。
・リップシール100の接続部103は、固定部101のうち板部66に対向する端部に設けられていてもよい。換言すると、第1メカニカルシール91から発生した蒸気がリップシール100に向けて流動したとき、蒸気の圧力によりリップ部102が回転軸20の外周面20aに押し付けられるように変更してもよい。このように変更する場合、リップ部102によるシール性と、リップ部102の耐摩耗性を両立できるように、リップ部102の先端部の肉厚とリップ部102の先端部の内径を適宜変更する。
・リップシール100は、例えば、固定部101及び接続部103の内部に金属製の芯材を備えるものに変更してもよい。
・リップシール100において、例えば、固定部101及び接続部103を金属で構成し、リップ部102のみをエラストマー等のゴム部材で構成してもよい。
・リップシール100において、リップ部102の先端部の外側にリップ部102を回転軸20の外周面に押し付けるための押圧部材を追加してもよい。押圧部材は、例えばリング状のばね部材である。
・接続部103から延びるリップ部102をもう一つ追加することにより、リップシール100を、固定部101と、2つのリップ部102と、接続部103とにより構成してもよい。2つのリップ部102は、例えば接続部103から延びる方向が異なるように構成されていてもよい。
・リップシール100において、リップ部102の先端部は、リップ部102のうちで最も肉厚が厚くなっていたが、例えば接続部103から延びるにつれて肉厚が薄くなるように構成してもよい。
・軸受80は、内輪82を割愛してもよい。このように変更する場合、軸受80は、外輪81と、玉83と、回転軸20とにより構成される。具体的には、回転軸20に玉83が転動する溝を形成し、且つ当該溝と外輪81との間に玉83を介在させることにより軸受80を構成する。
・インペラ40は、クローズドインペラでなくてもよい。インペラ40は、シュラウド43を割愛し、基板41と、複数の羽根42とにより構成されていればよい。
・第1流路52及び第2流路54は、第1ボディ50に設けられていたが、これに限らない。第1流路52及び第2流路54は、ボディ30と別の構成としてもよい。
・内燃機関のクランクシャフトの回転により回転軸20が回転していたが、例えば電動モータにより回転軸20を回転させてもよい。
・第1ボディ50は、内燃機関のシリンダブロックであったが、シリンダブロックとは別体の構成としてもよい。すなわち、液体用ポンプ10をシリンダブロックと分離して構成してもよい。
・液体用ポンプ10を内燃機関の冷却のために使用していたが、例えば液体を第1流路52からポンプ室Sに導入しつつ第2流路54から吐出するポンプであれば適用先は適宜変更してもよい。
・本実施形態では、軸受80にグリスを塗布するようにしていたが、他の潤滑油、特に比較的粘度の高い潤滑油を塗布するようにしてもよい。この場合であっても、軸受80に第1メカニカルシール91により発生した蒸気が到達し難いため、軸受80から潤滑油が流流出しにくい。
10…液体用ポンプ
20…回転軸
30…ボディ
40…インペラ
52…第1流路
54…第2流路
80…軸受
90…メカニカルシール
100…リップシール
S…ポンプ室
m…軸線

Claims (1)

  1. 回転軸と、
    前記回転軸に設けられたインペラと、
    前記インペラを収容するポンプ室を有するボディと、
    前記ポンプ室に液体を導入するための第1流路と、
    前記ポンプ室から液体を吐出するための第2流路と、
    前記回転軸を前記ボディに回転可能に支持する軸受と、
    前記回転軸の軸線が延びる方向において前記軸受と前記インペラとの間に設けられ、前記ボディと前記回転軸との間をシールするメカニカルシールとを備え、
    前記軸受は、当該軸受の内部に潤滑油を含み、
    前記回転軸の軸線が延びる方向において前記軸受と前記メカニカルシールとの間に設けられ、前記ボディと前記回転軸との間をシールするリップシールを更に備える
    液体用ポンプ。
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