JP2023048365A - 金属缶塗装膜の評価方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】金属缶に収容された液体成分の内面塗装膜への浸透性を評価する金属缶塗装膜の評価方法を提供する。【解決手段】液体が充填された後の金属缶の任意の箇所から、内面塗装膜が形成された金属試料片を採取する採取工程と、採取した前記金属試料片の前記内面塗装膜の膜厚を非接触で測定する膜厚測定工程と、前記金属試料片を飛行時間型二次イオン質量分析法によって前記内面塗装膜の膜厚方向に向けて質量分離を行い、前記液体に含まれる成分に由来する元素イオンおよび分子イオンのデプスプロファイルを得る質量分析工程と、前記内面塗装膜の膜厚値、および前記デプスプロファイルに基づいて、前記内面塗装膜に対する前記元素イオンおよび前記分子イオンの拡散係数を算出する拡散係数算出工程と、を有する。【選択図】図1
Description
本発明は、金属缶に収容された液体成分の内面塗装膜への浸透性を評価する金属缶塗装膜の評価方法に関する。
金属缶は、金属で形成された缶体に収容される液体による缶体の腐食を防止するために、缶体の内面に樹脂などからなる内面塗装膜を形成することが一般的である。こうした内面塗装膜は、ピンホールやクラックなどが存在すると、その部分から液体が内面塗装膜に浸入し、缶体を腐食させる虞がある。このため、主に内面塗装膜の形成工程や、その後の金属缶の加工工程において内面塗装膜に生じるピンホールや傷等の欠陥を検査することが行われている。
従来、内面塗装膜の欠陥を検査する方法として、樹脂等の絶縁性の内面塗装膜が形成された金属缶の缶体(金属部分)を一方の電極とし、金属缶内に配置した導電性部材を他方の極性として、純水にガスを溶解させて所定の比抵抗値に調整した検査水を金属缶内に充填した後、両方の電極間に任意の電圧を印加し、電圧印加時に生じる電流を検出することによって、検出された電流値に基づいて内面塗装膜の欠陥の有無を検査する方法が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
しかしながら、近年、特許文献1に示されたような検査方法によって内面塗装膜に欠陥が無いとされた金属缶においても、内面塗装膜の内部に液体の成分が浸透するといった事例があり、金属缶に収容した液体の内面塗装膜への浸透性を評価する方法が求められている。
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、金属缶に収容された液体成分の内面塗装膜への浸透性を評価する金属缶塗装膜の評価方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提案している。
本発明の金属缶塗装膜の評価方法は、金属缶に充填された液体成分の内面塗装膜への浸透性を評価する金属缶塗装膜の評価方法であって、液体が充填された後の前記金属缶の任意の箇所から、前記内面塗装膜が形成された金属試料片を採取する採取工程と、採取した前記金属試料片の前記内面塗装膜の膜厚を非接触で測定する膜厚測定工程と、前記金属試料片を飛行時間型二次イオン質量分析法によって前記内面塗装膜の膜厚方向に向けて質量分離を行い、前記液体に含まれる成分に由来する元素イオンおよび分子イオンのデプスプロファイルを得る質量分析工程と、前記内面塗装膜の膜厚値、および前記デプスプロファイルに基づいて、前記内面塗装膜に対する前記元素イオンおよび前記分子イオンの拡散係数を算出する拡散係数算出工程と、を有することを特徴とする。
本発明の金属缶塗装膜の評価方法は、金属缶に充填された液体成分の内面塗装膜への浸透性を評価する金属缶塗装膜の評価方法であって、液体が充填された後の前記金属缶の任意の箇所から、前記内面塗装膜が形成された金属試料片を採取する採取工程と、採取した前記金属試料片の前記内面塗装膜の膜厚を非接触で測定する膜厚測定工程と、前記金属試料片を飛行時間型二次イオン質量分析法によって前記内面塗装膜の膜厚方向に向けて質量分離を行い、前記液体に含まれる成分に由来する元素イオンおよび分子イオンのデプスプロファイルを得る質量分析工程と、前記内面塗装膜の膜厚値、および前記デプスプロファイルに基づいて、前記内面塗装膜に対する前記元素イオンおよび前記分子イオンの拡散係数を算出する拡散係数算出工程と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、外観からは識別が不可能な金属缶の内面塗装膜の不具合(硬化不良等)の判別が可能になる。また、得られた成分ごとの拡散係数から、内面塗装膜の経時変化を予測することが可能となるため、長期間、試料を保管して内面塗装膜の経時変化を観察する必要が無く、内面塗装膜の経時変化(液体成分の浸透変化)の測定期間の短縮が可能となる。
また、本発明では、前記膜厚測定工程は、レーザー顕微鏡または白色干渉顕微鏡を用いて行ってもよい。
また、本発明では、前記拡散係数を算出する前記元素イオンは、Na+,K+,Mg+,Ca+のうち、いずれか一種類以上であってもよい。
また、本発明では、前記拡散係数を算出する前記分子イオンは、C3H7
+,C4H7
+,C5H9
+のうち、いずれか一種類以上であってもよい。
また、本発明では、前記液体は飲料であってもよい。
本発明によれば、金属缶に収容された液体成分の内面塗装膜への浸透性を評価する金属缶塗装膜の評価方法を提供することができる。
以下、本発明の一実施形態の金属缶塗装膜の評価方法について説明する。なお、以下に示す実施形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
図1は、本発明の一実施形態の金属缶塗装膜の評価方法を段階的に示したフローチャートである。
本発明の金属缶塗装膜の評価方法によって浸透性が評価される内面塗装膜は、金属缶、例えばアルミニウム缶の缶体の内面に形成された内面塗装膜、例えばエポキシ系樹脂膜であり、こうしたアルミニウム缶に収容される液体、例えば飲料の成分のエポキシ系樹脂膜への浸透、拡散状態を評価する。
本発明の金属缶塗装膜の評価方法によって浸透性が評価される内面塗装膜は、金属缶、例えばアルミニウム缶の缶体の内面に形成された内面塗装膜、例えばエポキシ系樹脂膜であり、こうしたアルミニウム缶に収容される液体、例えば飲料の成分のエポキシ系樹脂膜への浸透、拡散状態を評価する。
本実施形態の金属缶塗装膜の評価方法は、金属試料片を採取する採取工程S1と、内面塗装膜の膜厚を非接触で測定する膜厚測定工程S2と、飛行時間型二次イオン質量分析法によって内面塗装膜の膜厚方向における元素イオンおよび分子イオンのデプスプロファイルを得る質量分析工程S3と、元素イオンおよび分子イオンの拡散係数を算出する拡散係数算出工程S4と、を有する。
(採取工程S1)
採取工程S1では、例えば、液体が所定の期間収容されていた金属缶の任意の箇所から、缶体に内面塗装膜が形成された金属試料片を採取する。金属試料片の採取は、例えば、レーザー切断装置、金属切断ナイフ、金属切断ハサミなどを用いればよい。金属試料片の形状は、矩形や円形など、測定装置に適合する各種形状に切り出せばよい。
採取工程S1では、例えば、液体が所定の期間収容されていた金属缶の任意の箇所から、缶体に内面塗装膜が形成された金属試料片を採取する。金属試料片の採取は、例えば、レーザー切断装置、金属切断ナイフ、金属切断ハサミなどを用いればよい。金属試料片の形状は、矩形や円形など、測定装置に適合する各種形状に切り出せばよい。
(膜厚測定工程S2)
膜厚測定工程S2では、採取工程S1で採取された金属試料片の内面塗装膜の膜厚を非接触の測定手段で測定する。具体的には、例えば、レーザー顕微鏡や白色干渉顕微鏡などを用いて内面塗装膜の膜厚を測定して、内面塗装膜の膜厚値を得る。
膜厚測定工程S2では、採取工程S1で採取された金属試料片の内面塗装膜の膜厚を非接触の測定手段で測定する。具体的には、例えば、レーザー顕微鏡や白色干渉顕微鏡などを用いて内面塗装膜の膜厚を測定して、内面塗装膜の膜厚値を得る。
例えば、レーザー顕微鏡では、照射されたレーザー光が内面塗装膜で反射し、その反射光の輝度が最大になる点の情報をもとに表面形状を測定する。そして、反射光の最大値と焦点位置を検出することにより、非接触で内面塗装膜の膜厚測定をすることができる。
また、例えば、白色干渉顕微鏡では、内面塗装膜に向けて白色光を照射し、連続して走査した際に得られる干渉縞像に基づいて、非接触で内面塗装膜の膜厚測定をすることができる。
また、例えば、白色干渉顕微鏡では、内面塗装膜に向けて白色光を照射し、連続して走査した際に得られる干渉縞像に基づいて、非接触で内面塗装膜の膜厚測定をすることができる。
このように、レーザー顕微鏡や白色干渉顕微鏡などを用いて非接触で内面塗装膜の膜厚を測定することによって、膜厚測定時に内面塗装膜に物理的に接触するものが無いので、内面塗装膜の汚染や変形を防止することができる。
(質量分析工程S3)
質量分析工程S3では、内面塗装膜の膜厚測定後の金属試料片を用いて、内面塗装膜の膜厚方向における元素イオンおよび分子イオンの(イオン)カウントのプロファイル(デプスプロファイル)を得る。質量分析にあたっては、飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF-SIMS:Time-of-Flight Secondary Ion Mass Spectrometry)を用いる。
質量分析工程S3では、内面塗装膜の膜厚測定後の金属試料片を用いて、内面塗装膜の膜厚方向における元素イオンおよび分子イオンの(イオン)カウントのプロファイル(デプスプロファイル)を得る。質量分析にあたっては、飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF-SIMS:Time-of-Flight Secondary Ion Mass Spectrometry)を用いる。
TOF-SIMSは、測定試料にガリウム(Ga)、金(Au)やビスマス(Bi)等のイオンビーム(一次イオン)を照射し、試料表面から放出されるイオン(二次イオン)を、その飛行時間差(飛行時間は重さの平方根に比例するため、検出器に到達するまでの時間が質量によって異なること)を利用して質量分離を行う。こうしたTOF-SIMSでは、試料表面に照射する一次イオンの単位面積当たりの個数は、一般的に1012ions/cm2個以下であり、殆ど非破壊で内面塗装膜の表面から1nm以下の深さに存在する元素イオンおよび分子イオンの面内における分布等に関する情報を、非常に高い検出感度で得ることができる。
更に、TOF-SIMSの情報深さは1nm以下であるため、内面塗装膜の膜厚方向について分析する場合は、イオンによるスパッタリングを利用した表面エッチングにより、スパッタと測定を交互に繰り返すことで、膜厚方向のプロファイル(デプスプロファイル)を得ることができる。表面エッチングには、一次イオンとは別にスパッタイオン銃を用い、内面塗装膜等の有機材料の場合には、フラーレンやアルゴンガスクラスターイオン等を用いればよい。
図2、図3に、TOF-SIMSによって得られた内面塗装膜のデプスプロファイル(図2は正イオン、図3は負イオン)の一例を示す。図2(a),図3(a)は、液体(飲料)に浸漬される前の内面塗装膜のデプスプロファイル、図2(b),図3(b)は、液体(飲料)に1ヵ月間、室温環境で浸漬した後の内面塗装膜のデプスプロファイルである。
こうしたデプスプロファイルによれば、正イオン、負イオン共に、液体に浸漬した後の内面塗装膜は、浸漬前の内面塗装膜と比較して、膜表面から膜厚方向に向かって漸減するように、液体の成分イオンの(イオン)カウントが増加しており、内面塗装膜に液体の成分が拡散していることが分かる。
質量分析工程S3において、内面塗装膜に浸透した検出対象としての元素イオンおよび分子イオンの具体例としては、金属缶に収容されていた液体が例えば、炭酸飲料、清涼飲料水、果汁飲料などの飲料である場合、元素イオンとしてはNa+,K+,Mg+,Ca+のうち、いずれか一種類以上であればよい。また、分子イオンとしては、C3H7
+,C4H7
+,C5H9
+のうち、いずれか一種類以上であればよい。
(拡散係数算出工程S4)
拡散係数算出工程S4では、膜厚測定工程S2で得られた内面塗装膜の膜厚値、および質量分析工程S3で得られた内面塗装膜の膜厚方向のデプスプロファイルに基づいて、内面塗装膜に対する元素イオンおよび分子イオンの拡散係数を算出する。
拡散係数算出工程S4では、膜厚測定工程S2で得られた内面塗装膜の膜厚値、および質量分析工程S3で得られた内面塗装膜の膜厚方向のデプスプロファイルに基づいて、内面塗装膜に対する元素イオンおよび分子イオンの拡散係数を算出する。
それぞれのイオンの拡散係数Dは、例えば、フィックの第2法則(非定常状態拡散)に基づく微分方程式を解くことによって算出することができる。
まず、図4に示すような境界条件、初期条件を仮定する。次に、ある時間tの保管期間、収容されていた液体に浸漬された金属缶より採取されたサンプルの内面塗装膜について、膜厚測定工程S2で得られた膜厚と質量分析工程S3で得られたイオンのデプスプロファイルより、内面塗装膜の膜厚内の位置xにおけるイオンの濃度C(x,t)及び内面塗装膜の最表面のイオンの濃度C0を得る。ここでの濃度とは、質量分析工程S3で得られた各イオンの(イオン)カウントをトータル(イオン)カウント(全てのイオンのカウントを合計した値)で除した値とする。
まず、図4に示すような境界条件、初期条件を仮定する。次に、ある時間tの保管期間、収容されていた液体に浸漬された金属缶より採取されたサンプルの内面塗装膜について、膜厚測定工程S2で得られた膜厚と質量分析工程S3で得られたイオンのデプスプロファイルより、内面塗装膜の膜厚内の位置xにおけるイオンの濃度C(x,t)及び内面塗装膜の最表面のイオンの濃度C0を得る。ここでの濃度とは、質量分析工程S3で得られた各イオンの(イオン)カウントをトータル(イオン)カウント(全てのイオンのカウントを合計した値)で除した値とする。
そして、誤差関数(ERF:Error Function)を用いて得られたフィックの第2法則の微分方程式の解(式1)を基に、式中の膜厚内の位置xにおけるC(x,t)及びC0の値は上記のように既に得られているので、式1の等式を満足するyの値を求める。なお、誤差関数の逆関数を利用して式を変形し、C(x,t)及びC0を代入して、yの値を求める方法を用いてもよい。
C(x,t)=C0×[1-ERF(y)]・・・(1)
C(x,t)=C0×[1-ERF(y)]・・・(1)
そして、図5に示すように、上記より得られたyの値と対応する膜厚内位置xの値の交点をプロットしたグラフを作成する。xとyの関係は、式2で表わされるため、このグラフの傾きと保管期間の時間tに基づいて、内面塗装膜の膜厚方向におけるイオンの拡散係数Dを算出することができる。
y=x/2√(D×t)・・・(2)
以上のような手法によって、金属缶に収容した液体、例えば飲料の任意の構成成分の内面塗装膜に対する拡散係数Dを算出することができる。
このようにして得られた、液体を構成する成分それぞれの拡散係数Dに基づいて、内面塗装膜への浸透性を評価することができる。
y=x/2√(D×t)・・・(2)
以上のような手法によって、金属缶に収容した液体、例えば飲料の任意の構成成分の内面塗装膜に対する拡散係数Dを算出することができる。
このようにして得られた、液体を構成する成分それぞれの拡散係数Dに基づいて、内面塗装膜への浸透性を評価することができる。
以上のような金属缶塗装膜の評価方法によれば、外観からは識別が不可能な金属缶の内面塗装膜の不具合(硬化不良等)の判別が可能になる。また、得られた成分ごとの拡散係数Dから、内面塗装膜の経時変化を予測することが可能となるため、長期間、試料を保管して内面塗装膜の経時変化を観察する必要が無く、内面塗装膜の経時変化(液体成分の浸透変化)の測定期間の短縮が可能となる。
以上、本発明の一実施形態を説明したが、この実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
本発明の金属缶塗装膜の評価方法による内面塗装膜の浸透性を示す拡散係数Dを実際に評価した実施例を以下に示す。
表1に示すアルミニウム缶入り飲料を用意して、それぞれのアルミニウム缶から内面塗装膜が形成されたアルミニウム片を切り出して、試料1~13を得た。そして、それぞれの試料について、TOF-SIMSを用いて、膜表面から膜厚方向に向かうデプスプロファイルを測定した。検出する液体の成分イオンはNa+,K+,Mg+,Ca+とした。そして、それぞれのイオンデプスプロファイルに基づいて、拡散係数算出工程S4で示した手順に従って、それぞれの成分イオンの拡散係数を算出した。
これらの結果を表1に示す。
表1に示すアルミニウム缶入り飲料を用意して、それぞれのアルミニウム缶から内面塗装膜が形成されたアルミニウム片を切り出して、試料1~13を得た。そして、それぞれの試料について、TOF-SIMSを用いて、膜表面から膜厚方向に向かうデプスプロファイルを測定した。検出する液体の成分イオンはNa+,K+,Mg+,Ca+とした。そして、それぞれのイオンデプスプロファイルに基づいて、拡散係数算出工程S4で示した手順に従って、それぞれの成分イオンの拡散係数を算出した。
これらの結果を表1に示す。
表1に示す結果によれば、それぞれの内面塗装膜の構成、保管期間、保管温度、飲料の成分などに応じて、それぞれの成分イオンの内面塗装膜に対する拡散係数を得られることが確認できた。こうした拡散係数の算出によって、長期間の経時変化試験を行うことなく、飲料の成分に応じた適切な内面塗装膜の組成や厚みを選択することができる。
Claims (5)
- 金属缶に充填された液体成分の内面塗装膜への浸透性を評価する金属缶塗装膜の評価方法であって、
液体が充填された後の前記金属缶の任意の箇所から、前記内面塗装膜が形成された金属試料片を採取する採取工程と、
採取した前記金属試料片の前記内面塗装膜の膜厚を非接触で測定する膜厚測定工程と、
前記金属試料片を飛行時間型二次イオン質量分析法によって前記内面塗装膜の膜厚方向に向けて質量分離を行い、前記液体に含まれる成分に由来する元素イオンおよび分子イオンのデプスプロファイルを得る質量分析工程と、
前記内面塗装膜の膜厚値、および前記デプスプロファイルに基づいて、前記内面塗装膜に対する前記元素イオンおよび前記分子イオンの拡散係数を算出する拡散係数算出工程と、を有することを特徴とする金属缶塗装膜の評価方法。 - 前記膜厚測定工程は、レーザー顕微鏡または白色干渉顕微鏡を用いて行うことを特徴とする請求項1記載の金属缶塗装膜の評価方法。
- 前記拡散係数を算出する前記元素イオンは、Na+,K+,Mg+,Ca+のうち、いずれか一種類以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の金属缶塗装膜の評価方法。
- 前記拡散係数を算出する前記分子イオンは、C3H7 +,C4H7 +,C5H9 +のうち、いずれか一種類以上であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の金属缶塗装膜の評価方法。
- 前記液体は飲料であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の金属缶塗装膜の評価方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021157635A JP2023048365A (ja) | 2021-09-28 | 2021-09-28 | 金属缶塗装膜の評価方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2023242658A1 (en) | 2022-06-15 | 2023-12-21 | Ricoh Company, Ltd. | Information management apparatus, information management method, and recording medium |
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2021
- 2021-09-28 JP JP2021157635A patent/JP2023048365A/ja active Pending
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