JP2023048036A - 口腔器具 - Google Patents

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Abstract

Figure 2023048036000001

【課題】 乳歯列期から混合歯列期、永久歯列期のいずれにおいても、顎及び口周りの筋機能訓練が可能な口腔器具を提供する。
【解決手段】 弾性材料で一体的に形成される口腔器具1は、人の上顎及び下顎の歯列に沿う平面視U字状のベース部11と、ベース部11の外周縁に沿って、上側に突設した上外周壁21と下側に突設した下外周壁22とを有する外周壁20と、ベース部10の内周縁に沿って、上側に突設した上内周壁31と下側に突設した下内周壁32とを有する内周壁30と、を備え、ベース部10は、その上面側に複数の凸条部11を有し、上内周壁31は、その中央部に内方側に向けて水平または水平より斜め下方に傾斜させて突設されたタブ部24を有し、下内周壁32は、ベース部10の内周縁に沿って下方に延びる壁部分と、壁部分からさらに内方側に向けて水平に湾曲させて延設され、所定の位置に左右一対の凸部が設けられた舌キャッチ部34とを有する。
【選択図】図6

Description

本発明は、マウスピース型の口腔器具に関し、特に顎及び口周りの筋機能訓練用の口腔器具に関する。
従来、口腔内に装着する器具・装置としてマウスピースが知られている。マウスピースは、歯列の矯正用として使用されるほか、顎関節症、咬合障害の治療用(スプリントと呼ばれる)として使用されている。
人の顎は、上歯列弓が形成された上顎と、下歯列弓が形成された下顎で形成されている。下顎骨は顎関節により頭蓋に連結しており、人は食物を咀しゃくしたり会話をするとき等に下顎を動かす。上下歯列の咬合状態がずれた不正咬合は、顎関節の位置ずれを生じさせ、首筋の緊張や肩こりを引き起こすことがある。このため、歯の上下の噛み合わせを正常な咬合状態に保持して、顎関節の位置ずれを正常に戻す、所謂マウスピース型の装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、人が食物を咀しゃくするときに下顎の運動には咀しゃく筋と呼ばれる筋肉が主に働き、食べ物を口唇でとらえて咀しゃくしているときに食塊を喉に向けて押し込む表情筋の一部が働く。さらに、発話動作には、唇の周りを囲む口輪筋と口輪筋から放射状に延びる複数の表情筋が働く。このように顎及び顔面の筋肉は、咀しゃく、嚥下、発話などの機能の実行において重要な役割を果たしている。
不正咬合等の口腔形態の問題は、その多くが口腔周囲の筋肉の機能障害である口腔筋機能障害(OMD:Oral Myofunctional Disorders)により引き起こされていると考えられている。すなわち、口呼吸等で口が開いている、及び/または、舌が弛緩していると、歯列に及ぶ筋圧のバランスが崩れ、歯列形態に影響が及ぶことになる。骨格成長期の子供が、舌突出癖、口呼吸等の習癖を有する場合、口腔筋機能障害が疑われ、不正咬合や混雑歯の問題が生じやすい傾向にある。
このため、歯科矯正及びOMD治療法の分野において、舌と唇を訓練するためのマウスピース型の口腔訓練器具が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開平5-317335号公報 特表2020-533130号公報
顎関節の位置ずれを矯正する装置のような矯正を目的とした器具は、長時間、口腔内に置かれるものであるため、人によっては異物感を強く感じ、気分が悪くなることがある。特許文献1の装置は、平面視U字状のベース部分を有し、外側端縁部に沿って外方フランジ部分と内側端縁部分に沿って内方フランジ部分が設けられており、内方フランジ部分と舌との接触が、使用者にとって使用感が良いものではなかった。
また、特許文献2の口腔訓練器具は、内壁及び外壁を備えるU字型の本体と、内壁から延びる舌訓練部材と、外壁から延びる口唇訓練部材とを備え、舌と唇を訓練することで、指吸引、舌突出癖、口呼吸等の習癖を改善するものである。この器具は、口唇訓練部材が口から突出するもので、使用者は唇でものを咥えた状態となり、完全に口を閉じる訓練には不向きであるとともに見た目が悪い。
不正咬合を低減する目的で使用される口腔器具は、乳歯が永久歯に生え変わる時期を含む顎の成長発育が活発な時期に一日あたり所定の時間、複数年に亘って使用することが推奨されている。このように、使用者が途中で口腔器具の使用を断念することなく長期間に亘って使用を継続するために、従来よりも使用感の良いものが求められている。
本発明は、乳歯列期から混合歯列期、永久歯列期のいずれにおいても、顎及び口周りの筋機能訓練が可能な口腔器具を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために成された本発明は、弾性材料で一体的に形成される口腔器具であって、人の上顎及び下顎の歯列に沿う平面視U字状のベース部と、前記ベース部の外周縁に沿って、上側に突設した上外周壁と下側に突設した下外周壁とを有する外周壁と、前記ベース部の内周縁に沿って、上側に突設した上内周壁と下側に突設した下内周壁とを有する内周壁と、を備え、前記ベース部は、その上面側に複数の凸条部を有し、前記上内周壁は、その中央部に内方側に向けて水平または水平より斜め下方に傾斜させて突設されたタブ部を有し、前記下内周壁は、前記ベース部の内周縁に沿って下方に延びる壁部分と、前記壁部分からさらに内方側に向けて水平に湾曲させて延設され、そ所定の位置に左右一対の凸部が設けられた舌キャッチ部とを有する、ことを特徴とするものである。
本発明の一実施形態に係る口腔器具は、前記外周壁は、上顎及び/または下顎の歯列の唇側を覆う部分の外周側に複数の突起部を有するものである。
本発明の一実施形態に係る口腔器具は、前記外周壁、前記ベース部及び前記内周壁を貫通する孔部をさらに備えるものである。
本発明に係る口腔器具によれば、ベース部に凸条部を設けたことから、ベース部を噛む歯の滑りが防止され、口腔器具を安定的に装着することが可能となる。また、上内周壁はタブ部を有し、下内周壁は舌キャッチ部を有することから、タブ部により使用者の舌の先端を上方から押さえ、舌キャッチ部により下側から使用者の舌を支えることにより、舌を下顎から上げ、舌の先端を適切な位置に位置決めすることが可能となる。また、舌キャッチ部の表面には、一対の凸部を設けたことから、舌の下側が舌キャッチ部に密着することによる装着時の違和感を低減する。以上のことから、本発明に係る口腔器具の長時間の装着の困難性を低減し、顎及び口周りの筋機能の訓練を行うことができる。
本発明に係る口腔器具によれば、外周壁の外側面に複数の突起部を設けたことにより、特に唇の内側を刺激し、口周りの筋肉のトレーニングを効果的に行うことが可能となる。
本発明に係る口腔器具によれば、外周壁からベース部及び内周壁を貫通する孔部をさらに備えることから、使用者が口腔器具を装着したときの通気口が確保され、装着時の息苦しさが低減される。
本発明の一実施形態に係る口腔器具の正面図。 本発明の一実施形態に係る口腔器具の右側面図。 本発明の一実施形態に係る口腔器具の背面図。 本発明の一実施形態に係る口腔器具の平面図。 本発明の一実施形態に係る口腔器具の底面図。 本発明の一実施形態に係る口腔器具の斜視図。 本発明の一実施形態に係る口腔器具の斜視図。 本発明の一実施形態に係る口腔器具における凸条部を説明する図。 本発明の一実施形態に係る口腔器具の装着状態を説明する図。 本発明の変形例に係る口腔器具の平面図。 本発明の変形例に係る口腔器具の斜視図。
以下、添付の図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
本発明の一実施形態に係る口腔器具1について、図面を参照しながら説明する。本実施形態に係る口腔器具1は、マウスピースとも呼称されるものであり、使用者が口腔内に装着して使用するものである。以下、本明細書において、「前歯」は、永久歯の場合、左右の中切歯、側切歯、犬歯を意味し、乳歯の場合、左右の乳中切歯、乳側切歯、乳犬歯を意味する。「奥歯」は、永久歯の場合、左右第一小臼歯、第二小臼歯、第一大臼歯、第二大臼歯を意味し、乳歯の場合、第一乳臼歯、第二乳臼歯を意味する。
[1.口腔器具の作製]
口腔器具1は、図1に示すように、ベース部10、上外周壁21、下外周壁22、上内周壁31、下内周壁32、及び舌キャッチ部34を備える。このような構成の口腔器具は、熱硬化性樹脂である液状シリコーンゴムを金型内に射出注入し、液状シリコーンゴムを所定の金型温度で硬化させることにより各構成が一体的に形成される。金型温度は、好ましくは150~280℃であり、より好ましくは250~270℃であることが好ましい。なお、液状シリコーンゴムに含まれる架橋剤や添加剤の種類及び量に応じて、金型温度は変更される。
口腔器具1の硬さは、硬すぎると口腔器具1の長時間の装着で痛くなり、口が閉じにくい。一方で、口腔器具1の硬さが柔らかすぎると、使用者が歯を食いしばったときに噛み切られてしまう。このため、口腔器具1を形成するシリコーンゴムは、使用者が容易に口を閉じられ可撓性を持った中程度よりもやや柔らかい硬度のものが好ましい。
本実施形態では、弾性樹脂としてシリコーンゴムを使用しているが、エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)、ポリウレタン(PU)系樹脂を使用してもよい。すなわち、本実施形態で使用するシリコーンゴムと同等の弾性、可撓性を有するものであればよい。例えば、一般的なゴムの硬さ測定に適したデュロメータによる測定値が、大凡35~45の硬度のものが好ましい。本実施形態に係る口腔器具1をこのような硬さの弾性樹脂で形成することにより、従来のこの種の口腔器具よりも口腔内での当たりが穏やかになり、違和感が低減され、長時間の装着が可能なものとなる。なお、口腔器具であることから、食品接触素材安全試験(例えば、ドイツ食品及び日用品規制)に適合している弾性樹脂を使用する。また、清潔さを保つ観点から、洗浄による汚れの除去を視覚により認識しやすい透明度のある樹脂、あるいは、薄い色の樹脂が好ましい。
[2.口腔器具の構成]
口腔器具1の構成について、さらに説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る口腔器具1の正面図である。図2は、口腔器具1の右側面図である。なお、左側面図は右側面図と対称に表れるため、図示を省略している。図3は、口腔器具1の背面図である。図4は、口腔器具1の平面図である。図5は、口腔器具1の底面図である。図6及び図7は、口腔器具1の斜視図である。
口腔器具1は、図1~図7に示すように、人(使用者)の上顎及び下顎の歯列に沿う平面視U字状のベース部10と、ベース部10の外周縁に沿って上下に突設した外周壁20と、ベース部の内周縁に沿って上下に突設した内周壁30と、を備える。
ベース部10は、使用者が口腔器具1を口腔内に装着したときに、上顎及び下顎の上下の歯列間に位置し、咬合圧を受けるものである。ベース部10の幅は、平面視において略U字状のU字の両端が最も広く、U字の底となる中央部に向かって狭くなるように形成されている。すなわち、奥歯が当接する部分の幅の方が、前歯が当接する部分よりも広くなっている。また、ベース部10の厚みは、例えば、1.5~3.5mmとし、より好ましくは2~3mmとしている。ベース部10のU字の両端部は、外周壁20および内周壁30よりも、わずかに突出させている。
ベース部10の上面には複数の凸条部11が設けられている。凸条部11のそれぞれは、図8に拡大して示すように、断面が凸形状であり、また、平面視において、ベース部10の内側端から外側端に亘って線状に複数設けられている。凸条部11の凸高さは、0.1~1mm程度としている。凸条部11は、その先端で上側歯列の咬合面に当接、もしくは、凸条部11の先端が歯間に嵌り込むことで、滑り止めとして機能する。例えば、凸条部11の先端が上側歯列の臼歯に作用すると、主に前後方向のズレが防止され、凸条部11の先端が上側歯列の前歯に作用すると、主に左右方向のズレが防止される。これにより、口腔器具1による歯列矯正効果を向上させることができる。複数の凸条部11間の間隔は、一定の間隔であってもよく、例えば、前歯が当接する領域では、奥歯が当接する領域よりも間隔を狭くするなど、異なる間隔であってもよい。また、凸条部11は、ベース部10の内側端より外側端の方が凸条部11間の間隔が広くなるように略放射状に形成してもよい。凸条部11は歯が当接する領域に形成されていればよく、ベース部10の内側端から外側端を必ずしも横断する長さのものでなくてもよい。
外周壁20は、ベース部10の外側縁に沿って形成され、ベース部よりも上側に突設した上外周壁21とベース部10よりも下側に突設した下外周壁22とから構成されている。
上外周壁21の縁は、中央部付近の高さが高く、ベース部の端の方が低くなるように緩やかな曲線を描くように形成されている。上外周壁21の中央の上端には切欠き部23が設けられ、上唇小帯を避けて上外周壁21により前歯とその歯茎を覆うようにしている。上外周壁21の前歯に対応する領域は、前歯を整列させる整列壁として機能し、その内側面が前歯表面に当接する。
下外周壁22は、上外周壁21と略上下対称に中央部付近の深さが深く、ベース部10の端の方が浅くなるように形成され、全体として、上外周壁21よりも上下方向の長さを短く形成している。下外周壁22の唇側は、下歯列の前歯とその歯茎を覆うように内向きに傾斜しており、その下端中央には切欠き部28が設けられている。切欠き部28を設けることで、下唇小帯を避けて前歯とその歯茎が下外周壁22により覆うことが可能となっている。下外周壁22の前歯に対応する領域は、前歯を整列させる整列壁として機能し、その内側面が前歯表面に当接する。
下外周壁22の中央部付近の外側面には、複数の柱状の突起部25が形成されている。この突起部25は、主に口腔側から唇の下のオトガイ筋を刺激することにより、口を閉じるための筋肉の鍛錬に寄与し、口呼吸を防止する作用効果を有する。なお、突起部25は、例えば、高さが0.5~1mm程度、直径が0.5~1.5mm円柱状のものであってもよく、断面がハート型や星形の柱状のものであってもよい。また、全てが同じ形状ではなく、異なる形状のものを組み合わせて設けてもよい。また、柱状の突起部25に代えて半球状の突起部を複数設けてもよく、線状の突起部を下外周壁22の中央部付近の外側面において縦方向もしくは横方向に複数設けてもよい。さらに、下外周壁22の外側面だけでなく、上外周面21に亘って突起部を形成してもよい。
上外周壁21及び下外周壁22は、適切な硬さのシリコーンゴムによって適切な厚みに形成されているので、顎の成長を阻害せず、歯に適度な圧を与えることが可能となっている。また、使用者は、上外周壁21の切り欠き部23と下外周壁22の切り欠き部28により、装着する前においては視覚で、装着時においては触覚で、口腔器具1の中央位置を正確に把握することが可能である。
内周壁30は、ベース部10の内側縁に沿って形成され、ベース部10よりも上側に突設した上内周壁31と、ベース部10よりも下側に突設した下内周壁32とから構成されている。
上内周壁31は、中央部付近において前歯の裏面及び上顎の曲面に沿うように上方向に湾曲し、ベース部10のU字の端部に向かうほど壁面が垂直となる形状を有する。上内周壁31の中央部の上端には、左右の上内周壁31を部分的に分断するように、内側(舌側)に向けて略水平にタブ部24が設けられている。
タブ部24は、口腔器具1を口腔内に装着した状態において、使用者に対して舌先の位置を示すとともに、舌の先端を下側に押さえる作用を有するものである。なお、タブ部24の先端位置は、左右の上内周壁31の上端位置よりも下となる位置となるように、タブ部24の傾きを調整している。また、タブ部24の傾きは水平よりも下となる角度であってもよい。
下内周壁32は、ベース部10の内周縁から下方に延び、その内側から下顎の歯列に当接することにより、歯列を整列させる壁部分33と、さらにその先に内側(舌側)に向けて略水平に湾曲させて延設した舌キャッチ部34を有する。
舌キャッチ部34は、壁部分33から水平方向に湾曲させて形成されており、その中央部には舌小帯との接触を避けるための切欠き部38が設けられている。舌キャッチ部34は、舌が下顎につかないように舌を下から支持する舌置きとして機能するものである。また、舌キャッチ部34の所定の位置には左右一対の凸部35が設けられている。所定の位置とは、下内周壁32の中央であって舌キャッチ部34の中央から左右に一定の長さ離隔した位置である。凸部35は、舌キャッチ部34の側端の左右対称な位置に、内側に突出するように対を成して設けられている。この凸部35は、装着時に左右の頬側の舌の位置を使用者に認識させるとともに、舌の位置決めを補助する。舌を正しい位置におくことで、舌によりU字状の口腔器具1の形状が外側に押し広げられ、より歯列に密着するようになる。
また、舌キャッチ部34は、舌を下側から包み込むように湾曲した形状により舌の収納空間を形成することから、タブ部24とともに舌の先端を位置決めし、口腔での舌の動きを拘束する。これにより、例えば、舌先より前歯を押して歯列が乱れる状態(舌突出癖による不正咬合)を解消する。
口腔器具1は、外周壁20からベース部10及び内周壁30を貫通する孔部37をさらに備える。孔部37は、口腔器具1の前側中央付近の左右対称な位置に、2個設けられている。この孔部37は、使用者が口腔器具1を口腔内に装着したときに、空気を吸引、吐出する通気口として機能する。孔部37の縦方向の寸法は、ベース部10の厚みに対して、50~70%となるようにしている。このような孔部37により、口腔器具1の装着時においても呼吸が妨げられることがない。
[3.使用]
本実施形態に係る口腔器具1は、図9に示すように、使用者の口腔内に装着される。このとき、使用者は、上顎及び下顎の歯列(上歯列45、下歯列46)によりベース部10を噛む状態となる。使用者が上唇41と下唇42を互いにつけた口を閉じた状態を所定の時間だけ維持することにより、口の周りの口輪筋、その下に下方に延びるオトガイ筋などの筋肉が鍛えられる。
また、使用者が口腔器具1を装着したときに、舌先をタブ部24に接触させることで、器具の位置を安定させることができる。タブ部24と舌キャッチ部34とにより舌43の先端が位置決めされるため、舌を上げる舌の筋肉を鍛え、舌の位置をふさわしい位置に置くためのトレーニングにもなる。また、舌の筋肉は、歯列の内側(舌側)から歯列の形をサポートする働きがあり、頭蓋顔面の発育期において、このような舌の位置決め作用により、舌の筋肉と外側(頬側または唇側)からの筋肉との力のバランスが改善されると、正しい咬合が誘導される。本実施形態に係る口腔器具1を、頭蓋顔面の発育期における筋肉トレーニング用の器具として使用する場合には、頭蓋骨の発育に応じて、顎の大きさにあった大きさの異なる口腔器具1を使用する。
また、上顎及び下顎の歯はベース部10を噛んでいることとから、就寝中の歯軋り防止用としても使用することができる。歯軋りによる歯の摩耗を防止することができる。
さらに、タブ部24と舌キャッチ部34とにより舌の先端が位置決めできることから、いびき防止用として使用することも可能である。
また、本実施形態に係る口腔器具1は、中程度よりもやや柔らかい硬度のシリコーンゴムにより形成している。一方、従来のマウスピースでは、硬さにより口の中の頬や歯茎への当たりが痛く、口が閉じにくいという問題があった。本実施形態に係る口腔器具1は、口を閉じることが出来ずに、口を半開きのままマウスピースを入れているだけでは、口を閉じる訓練にはならず、筋肉のトレーニング効果が十分に得られなかったという従来の課題を解決するものである。
[4.変形例]
図10及び図11は、口腔器具の変形例を説明する図である。図10は、ベース部の変形例を説明する平面図である。図11は、舌キャッチ部の変形例を説明する斜視図である。
上述した実施形態では、ベース部10のU字の両端部が、外周壁20および内周壁30の両端部よりも、わずかに突出しているが、図10に示す変形例に係る口腔器具100では、ベース部110のU字の両端部が外周壁20および内周壁30の両端部の位置から突出しない大きさとしている。使用者には、乳歯列期、混合歯列期、乳永久歯列期のそれぞれの時期において、顎の大きさに適合するサイズのものを装着することが推奨されるが、口腔内のスペースには個人差がある。使用者が、ベース部10の端部が外周壁20および内周壁30の端部より突出していることで、息苦しさを感じたりする場合には、この変形例のように、ベース部110のU字の端部と外周壁20および内周壁30の端部の位置を揃えて、口腔器具の口腔内における奥行方向の寸法を短くするようにしてもよい。
また、上述した実施形態では、舌キャッチ部34における一対の凸部35は、舌キャッチ部34の内縁からさらに一部分が内側に向けて突出するように設けられているが、図11に示す変形例に係る口腔器具200のように、凸部135を舌キャッチ部34の上面から上方に突出するように設けてもよい。すなわち、舌キャッチ部34における凸部35,135は、使用者が舌の左右両側の接触を確認できる位置及び形状であればよい。
上述した実施形態の説明は本発明の一例であり、本発明に係る口腔器具は上述の実施形態に限定されることはない。このため、上述した実施形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論である。また、本開示に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものでは無く、また他の効果があってもよい。
1 口腔器具
10 ベース部
11 凸条部
20 外周壁
21 上外周壁
22 下外周壁
23 切欠き部
24 タブ部
28 切欠き部
25 突起部
30 内周壁
31 上内周壁
32 下内周壁
33 壁部分
34 舌キャッチ部
35 凸部
37 孔部
38 切欠き部

Claims (3)

  1. 弾性材料で一体的に形成される口腔器具であって、
    人の上顎及び下顎の歯列に沿う平面視U字状のベース部と、
    前記ベース部の外周縁に沿って、上側に突設した上外周壁と下側に突設した下外周壁とを有する外周壁と、
    前記ベース部の内周縁に沿って、上側に突設した上内周壁と下側に突設した下内周壁とを有する内周壁と、
    を備え、
    前記ベース部は、その上面側に複数の凸条部を有し、
    前記上内周壁は、その中央部に内方側に向けて水平または水平より斜め下方に傾斜させて突設されたタブ部を有し、
    前記下内周壁は、前記ベース部の内周縁に沿って下方に延びる壁部分と、前記壁部分からさらに内方側に向けて水平に湾曲させて延設され、所定の位置に左右一対の凸部が設けられた舌キャッチ部とを有する、
    ことを特徴とする口腔器具。
  2. 請求項1に記載の口腔器具において、
    前記外周壁は、上顎及び/または下顎の歯列の唇側を覆う部分の外周側に複数の突起部を有する、口腔器具。
  3. 請求項1または請求項2に記載の口腔器具において、
    前記外周壁、前記ベース部及び前記内周壁を貫通する孔部をさらに備える、口腔器具。
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