JP2023047813A - 太陽電池、太陽電池モジュール、および太陽電池の製造方法 - Google Patents

太陽電池、太陽電池モジュール、および太陽電池の製造方法 Download PDF

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秀徳 染井
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岳行 福島
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【課題】発電性能を向上させることができる太陽電池、太陽電池モジュール、および太陽電池の製造方法を提供する。【解決手段】 太陽電池は、ガラス基板と、前記ガラス基板の一方の主面に設けられた導電性酸化物層と、前記導電性酸化物層上に設けられ、酸化物半導体粒子と電解質粒子とを備える発電層と、前記発電層上に設けられ、固体またはゲル状の電解質層と、前記電解質層上に設けられた対向電極層とを有し、前記対向電極層側に凸の積層体と、前記ガラス基板の側面から前記対向電極層の側面にわたり形成された封止部と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、太陽電池、太陽電池モジュール、および太陽電池の製造方法に関する。
近年、IoTを活用した通信機器の需要が伸長している。例えば、温度や湿度をセンシングして、データを無線通信で送信し、クラウド上にビッグデータを蓄積するサービスなどが新たな産業として活性化している。いわゆるIoT機器の動作には電力が必要となるため、ボタン電池等の一次電池が使用されていることが多いが、電池交換の頻度が問題となりつつある。
電池交換の頻度を低くするための手段の一つとして、太陽電池と二次電池とを組み合わせたエネルギーハーベスティング電源の提案が最近多くなってきている。太陽電池として最も普及しているのは結晶性シリコン太陽電池である。結晶性シリコン太陽電池は、家庭の屋根に取り付ける売電用のものや、メガソーラーのような大規模発電用、など、主に太陽光を利用した大電力発電用途に使用されている。結晶性シリコン太陽電池は、太陽光を照射した場合には光電変換効率が高いため、屋外で使用されることが多い。したがって、屋外用のIoT機器に対しては結晶性シリコン太陽電池が利用される例もあるものの、屋内用のIoT機器に対しては屋内光照射時の発電能力の高い、アモルファスシリコン太陽電池や有機系太陽電池を使用する例が増加している。特に最近では、従来のアモルファスシリコン太陽電池と比較して、単位面積当たりの発電量が二倍となる有機系太陽電池も開発され、市場開拓に向けた動きが加速している。
有機系太陽電池の中でも、色素増感太陽電池の作製プロセスにおいては、電解液の封止安定性の観点から、発電層を形成するガラス基板の反りを軽減するための工夫が施されている。例えば、透明導電層が形成されたガラス基板上に、半導体微粒子ペーストを塗布した後、酸処理や水蒸気処理を行うことにより、ガラス基板の反りを防止するといった例が報告されている(例えば、特許文献1参照)。
また、太陽電池の薄型化を目的として、ガラス基板を薄くしようとすると、発電性能にバラツキが発生し易くなるが、このバラツキが透明導電層付きガラス基板の反り変形に起因することが分かっている。この発電性能のバラツキが発生しにくくかつ封止材による封止性に優れた透明導電層付きガラス基板を提供するために、反りを一定範囲に制限するといった文献が報告されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2007-35591号公報 特開2011-44426号公報
特許文献1に記載の太陽電池の半導体層の処理方法においては、ガラス基板の反りを防止しつつ、水蒸気や酸処理を施すことで、半導体層中のバインダ残渣が低減される効果が得られ、ガラス基板の加熱処理を低温化することが可能となる。しかしながら、水蒸気処理ではその効果は限定的であり、バインダ残渣が完全に分解されるメカニズムは今のところ知られてはいない。酸処理については効果が高く、水蒸気処理と比較してバインダ残渣の分解が進行することが知られているが、その一方で、酸は透明導電層であるITOやFTOを腐食させるため、そもそも透明電極基板の抵抗値を増大させてしまうという問題があった。
特許文献2においては、発電のバラツキが、導電膜付ガラス基板の反り変形に原因があるとしている。そこで、導電膜付ガラス基板の反り変形を一定範囲に制限することを目的として説明している。透明導電層付きガラス基板の反り変形量Wを規定して、500℃で30分間の加熱処理後のガラス基板の反り変形量Wが、0.5μm/cm以下、特に0.3μm/cm以下となることが好ましいとしている。ガラス基板がこの値を満たすために、ガラスの熱膨張係数を規定して制御を行っているが、このような手法では太陽電池に適用できるガラスの種類に制限が生じることになる。また、ガラスの組成としては特注のものになる可能性が高くなり、これによりコストが大幅に高くなることが懸念される。また、色素増感太陽電池の場合、加熱処理温度が高いほど発電層中のバインダ残渣が低減し、半導体微粒子のネッキングが進行するため発電性能が高くなる傾向にある。したがって、反り変形量を低減するために加熱処理温度を550℃以下にしてしまうと、発電性能向上が抑制される、という問題があった。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、発電性能を向上させることができる太陽電池、太陽電池モジュール、および太陽電池の製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る太陽電池は、ガラス基板と、前記ガラス基板の一方の主面に設けられた導電性酸化物層と、前記導電性酸化物層上に設けられ、酸化物半導体粒子と電解質粒子とを備える発電層と、前記発電層上に設けられ、固体またはゲル状の電解質層と、前記電解質層上に設けられた対向電極層とを有し、前記対向電極層側に凸の積層体と、前記ガラス基板の側面から前記対向電極層の側面にわたり形成された封止部と、を備える。
上記太陽電池において、前記酸化物半導体粒子の密度は、前記ガラス基板側は密となり、積層方向に向かって疎になっていてもよい。
上記太陽電池において、前記ガラス基板が有する、平面視で略矩形状の主面において、長辺の長さをLcmとし、反りによって形成された凹部における最大深さをDμmとした場合に、前記ガラス基板の反り量W=D/Lは、4.16μm/cm以上、17.63μm/cm以下であってもよい。
上記太陽電池において、前記封止部は、前記導電性酸化物層の側面と、前記発電層の側面と、前記電解質層の側面と、前記対向電極層の側面とに接触していてもよい。
上記太陽電池において、前記ガラス基板から前記対向電極層までの厚みは、2mm以下であってもよい。
上記太陽電池において、前記対向電極層は、前記ガラス基板の前記主面に沿うように金属箔を備えていてもよい。
上記太陽電池において、前記封止部は、樹脂であってもよい。
上記太陽電池において、前記発電層の前記酸化物半導体粒子の表面に色素が担持されていてもよい。
本発明に係る太陽電池モジュールは、一方の主面側に凸になるように反りを有するガラス基板と、前記ガラス基板の前記一方の主面上に設けられた導電性酸化物層と、前記導電性酸化物層上に設けられ、酸化物半導体粒子と電解質粒子とを備える発電層と、前記発電層上に設けられ、固体またはゲル状の電解質層と、前記電解質層上に設けられた対向電極層とを備える第1および第2の太陽電池が隣接して配置され、前記第1の太陽電池と前記第2の太陽電池との間に、前記第1の太陽電池における前記導電性酸化物層の側面から前記対向電極層の側面にわたって形成されるとともに、前記第2の太陽電池における前記導電性酸化物層の側面から前記対向電極層の側面にわたって形成され、前記第1の太陽電池における前記電解質層の側面および前記第2の太陽電池における前記電解質層の側面を封止する封止材を備える。
本発明に係る太陽電池の製造方法は、一方の主面上に導電性酸化物層が設けられたガラス基板を準備し、前記導電性酸化物層上に酸化物半導体粒子を配置して焼成することにより、前記酸化物半導体粒子の発電層を形成するとともに、前記ガラス基板を前記一方の主面側に凸になるように反らせ、前記発電層に電解質粒子を浸漬することで、前記発電層に前記電解質粒子を含ませるとともに前記発電層上に、固体またはゲル状の電解質層を形成し、前記電解質層上に対向電極層を形成し、前記導電性酸化物層の側面から前記対向電極層の側面にわたって封止材を形成し、前記電解質層の側面を封止する。
上記太陽電池の製造方法において、前記焼成の際の温度を、550℃以上、650℃以下としてもよい。
上記太陽電池の製造方法において、前記発電層の焼成後かつ前記対向電極層を形成する前に、前記発電層に色素を浸漬することで、前記発電層に前記色素を含ませてもよい。
本発明によれば、発電性能を向上させることができる太陽電池、太陽電池モジュール、および太陽電池の製造方法を提供することができる。
実施形態に係る色素増感太陽電池の積層構造を例示する模式的な断面図である。 (a)~(c)は発電層への浸漬を例示する図である。 (a)~(c)は長さLおよび最大反りDを例示する図である。 (a)は太陽電池モジュールの平面図であり、(b)は太陽電池モジュールの側面図である。 色素増感太陽電池の製造方法を例示するフロー図である。 (a)および(b)は発電層への浸漬を例示する図である。
(実施形態)
図1に、実施形態に係る色素増感太陽電池100の積層構造を例示する。色素増感太陽電池100は、平面視で矩形状を有し、ガラス基板10の一方の主面上に、光透過性電極層20、逆電子移動防止層30、発電層40、電解質層50、および対向電極層60が、順に積層された構造を有している。光透過性電極層20上に発電層40を形成して、逆電子移動防止層30が無い構造であってもよい。ここで採用するガラス基板の厚みは、0.1mm~3mmが好ましい。
光透過性電極層20は、光透過性を有する導電性酸化物層である。この光透過性電極層20の厚みは、例えば、0.1μm~0.5μm程度で、ITO層(Indium Tin Oxide)である。ITO層に代えて、FTO(Fluorine doped Tin Oxide)層、酸化亜鉛層、インジウム-錫複合酸化物層と銀層との積層膜、アンチモンがドープされた酸化錫層、などを光透過性電極層20として用いてもよい。
逆電子移動防止層30は、例えば、酸化物半導体粒子が層状に形成されている。逆電子移動防止層30は、例えば、1nm~50nm程度の厚さを有する。
発電層40は、酸化物半導体粒子が層状に形成された層である。酸化物半導体粒子の表面にある基に増感色素が担持されている。酸化物半導体粒子は、例えば、酸化チタン粒子である。酸化物半導体粒子として、Cd、Zn、In、Pb、Mo、W、Sb、Bi、Cu、Hg、Ti、Ag、Mn、Fe、V、Sn、Zr、Sr、Ga、Si、Cr、およびNbのいずれかの酸化物の粒子を用いることもできる。または、SrTiOやCaTiO等のペロブスカイト型酸化物の粒子を用いることでもできる。
増感色素は、例えば、CYC-B11(K)などである。この他にも、金属錯体色素、有機色素などを用いることもできる。このうち、金属錯体色素としては、例えば、ルテニウム-シス-ジアクア-ビピリジル錯体、ルテニウム-トリス錯体、ルテニウム-ビス錯体、オスミウム-トリス錯体、オスミウム-ビス錯体等の遷移金属錯体がある。また、亜鉛-テトラ(4-カルボキシフェニル)ポルフィリン、鉄-ヘキサシアニド錯体も金属錯体色素の一例である。また、有機色素としては、例えば、9-フェニルキサンテン系色素、クマリン系色素、アクリジン系色素、トリフェニルメタン系色素、テトラフェニルメタン系色素、キノン系色素、アゾ系色素、インジゴ系色素、シアニン系色素、メロシアニン系色素、キサンテン系色素、カルバゾール化合物系色素等がある。
電解質層50は、電解質と、固体またはゲル状ポリマーとで構成される。電解質層50は、固体状層またはゲル状層である。電解質として、例えば、1,3-ジメチルイミダゾリウムヨージド(DMII)を用いることができる。DMII以外にも、例えば、ピリジニウム塩、イミダゾリウム塩、トリアゾリウム塩等のヨウ素塩であって、室温付近で固体状態にある塩や溶融状態にある常温溶融塩をイオン液体として使用し得る。そのような常温溶融塩としては、例えば、1-メチル-3-プロピルイミダゾリウムヨージド、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムヨージド(BMII)、1-エチル-ピリジニウムヨージド等のヨウ化4級アンモニウム塩化合物等を用いることができる。または、酸化還元対を含有する溶融塩、オキサジアゾール化合物、及びピラゾリン化合物等の有機半導体材料を用いることもできる。また、ヨウ化銅や臭化銅等の金属ハロゲン化物材料を用いることもできる。固体またはゲル状電解質に使用するポリマーとしては、電解液と共にゲルを構成しうるポリマーであれば特に制限は無く、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリウレタン、ポリウレア、ポリメタクリル酸メチル、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、エチルセルロース等が挙げられる。好ましいポリマーとしては、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデンが挙げられる。クレイとしては、二酸化ケイ素の粒子、酸化ジルコニウムの粒子、酸化チタンの粒子、モンモリロナイト鉱物の粒子等が挙げられる。ゲル状電解質中のポリマーの含有量は、1質量%以上50質量%以下である。1質量%以上とすることにより、良好に電解液を保持することができ、液漏れを防止することができる。50質量%以下であることにより、良好なイオン伝導度を維持することができる。ポリマーの重量平均分子量は、2000以上1000万以下であることが好ましい。2000以上であることにより、電解質がゲル化して液状ではなくなるため、後述の封止層を容易に形成することができる。1000万以下であることにより、イオン伝導性を良好に維持することができる。電解質層50に含まれる固体電解質は、発電層40にも含まれている。
図1では、発電層40の下層に電解質層50が積層されているが、発電層40は、酸化物半導体粒子が層状にあり、その隙間に電解質層50が浸み込んでいる。よって、実際は、完全に浸み込んで層状に存在しない場合、あるいは、浸み込んで残った電解質層50がうっすらと残る場合がある。発電層40および電解質層50の合計の厚みは、例えば、5μm~100μm程度である。
対向電極層60は、例えば、電解質層50側から、触媒層61と金属箔62が順に設けられている。金属箔62は例えばチタン箔であり、厚みは50μm~200μmである。触媒層61は例えば白金の層であり、厚みは0.01μm~1μmである。触媒層61は、白金の他に、パラジウム、ロジウム、及びインジウム等の触媒機能を有する金属を用いることもできる。また、グラファイトで触媒層を形成してもよい。更に、触媒層61は、白金を担持したカーボン、インジウム-錫複合酸化物、アンチモンがドープされた酸化錫、及びフッ素がドープされた酸化錫のいずれかで形成されていてもよい。その他の材料としては、ポリ(3、4-エチレンジオキシチオフエン)(PEDOT)、及びポリチオフェン等の有機半導体がある。対向電極層60は、例えば、50μm~200μm程度の厚みを有している。
色素増感太陽電池100の側面には、発電層40と電解質層50が大気に曝されるのを防止するため、樹脂からなる封止材70(封止部)が設けられる。封止材70は、ガラス基板10の側面から光透過性電極層20の側面を介して対向電極層60の側面にわたって設けられている。封止材70は、樹脂からなることによって、形成時の基材追従性と、硬化後の耐衝撃性を有する。封止材70は、光透過性電極層20の側面の少なくとも一部と、逆電子移動防止層30の側面の少なくとも一部と、発電層40の側面の少なくとも一部と、電解質層50の側面の少なくとも一部と、対向電極層60の側面の少なくとも一部に接触している。封止材70は、ガラス基板10の、光透過性電極層20とは反対側の面の一部まで延在していてもよい。封止材70は、対向電極層60の、電解質層50とは反対側の面の一部まで延在していてもよい。
このような色素増感太陽電池100においては、ガラス基板10から発電層40内の増感色素に光が入射すると、発電層40内の増感色素が励起状態となり、増感色素から発電層40内の酸化物半導体粒子に電子が移動する。発電層40および電解質層50においては、電解質がイオンに解離し、対向電極層60と光透過性電極層20との間に電流が流れる。例えば、電解質がDMIIであれば、DMIIは、DMI+とヨウ化物イオン(I)とに解離する。ヨウ化物イオン(I)とヨウ素分子(I)が結合して三ヨウ化物イオン(I )も生成される。なお、ヨウ化物イオン(I)はハロゲン化物イオンの一例であり、三ヨウ化物イオン(I )は三ハロゲン化物イオンの一例である。三ヨウ化物イオン(I )が対向電極層60から電子を受け取ってヨウ化物イオン(I)となり、そのヨウ化物イオン(I)が増感色素に電子を渡す。なお、光透過性電極層20と対向電極層60との電位差は、ヨウ化物イオン(I)と三ヨウ化物イオン(I )からなるレドックス対の酸化還元電位と、酸化物半導体粒子のフェルミ準位との差となる。以上の作用により、色素増感太陽電池100は、光入射によって発電を行なうことになる。
このような色素増感太陽電池100は、ガラス基板10上に光透過性電極層20および逆電子移動防止層30を形成し、逆電子移動防止層30上で発電層40を焼成している。この後に、発電層40に増感色素を含浸させ、その後に発電層40に固体電解質を含浸させることで、発電層40に増感色素および固体電解質を含ませて、電解質層50を形成する。こうして、色素増感太陽電池100を得ることができる。十分な発電量を得るためには、発電層40に増感色素および固体電解質を含浸させる工程が重要な工程である。
発電層40の焼成温度が高くなると、発電層40の骨格をなしている酸化物半導体粒子同士のネッキングが進行する。このネッキングとは、隣り合う粒子との接合部が成長していくことをいう。よって、粒子と粒子の間の空間は、ネッキングによりその空間が狭くなる。つまり、発電層40の空隙率が小さくなる。発電層40の空隙率が小さくなると、酸化物半導体粒子同士の電子電導性が向上する一方で、増感色素の吸着や固体電解質の充填において、発電層40の深部までの浸漬が起こりにくくなる。発電層40の深部に増感色素や固体電解質が存在しないと、発電量が低下する課題が発生する。
ところで、本実施形態に係る色素増感太陽電池100では、電解質層50が固体状またはゲル状で、電解液などの様に液体ではないので、液漏れの心配が無い。また、図1の封止材70に着目すると、ガラス基板10の側面から対向電極層60の側面、または対向電極の側面から対向電極の下側の表面周囲まで、封止材が設けられるが、電解質層50が液体ではないので、接着面の隙間から液漏れが発生しない。そのため、電解液を採用するセルと比べて、封止安定性が向上している。
また、ガラス基板10の反りに着目した。図1で例示するように、ガラス基板10は、対向電極層60が予め形成されたものを用意し、その後の発電層40以降の焼結によって、対向電極層に向かって凸になるように、反りが発生してくる。ここは、ガラス基板10の上に発電層40などを積層するにあたり、高温処理がなされるため、反ると推察される。焼結し冷やすと、両者の熱膨張係数と焼結後の元に戻る収縮率の違いから、ガラス基板10全体が、対向電極層60側に向かって凸となる。ガラス基板10の厚みは、このガラス基板に積層される各層にくらべ非常に厚いので、発電層40焼結後の膜形成でも、ガラス基板10の反りに追随するように反ったまま形成され、凸になる。よって太陽電池全体が反りを有するようになる。
ここで着目する点は、酸化物半導体粒子41の分布である。例えば平らなガラス基板10に酸化物半導体粒子41が並んで積層された場合、粒子の形状を仮想的に円とみなせば規則的に層状に並ぶ。その後で、熱処理によりガラス基板10が反れば、表面ほど隙間が発生する。つまり、反る前に、酸化物半導体粒子41が並び、その後に、基板の反りに依って発電層40が反ると、図2(a)のように、ガラス基板10(ITO)側は、密となり、ガラス基板10(ITO)から積層方向(図では上方向)に向かい、酸化物半導体粒子41の間隔が広がり、密度が疎になる。したがって、図2(b)で例示するように、発電層40に増感色素42を浸漬する際に、発電層40の表面の粒子間隔が広がっていることから、深部まで増感色素42を浸透させることが可能となる。また、間隔が広がるため、両者の隙間が広がり、発電層40における増感色素42の吸着量が多くなる。また、図2(c)で例示するように、発電層40に電解質粒子43を浸漬する際に、発電層40の深部まで電解質粒子43も浸透させることが可能となり、発電層40における電解質粒子43の充填量が多くなる。したがって、発電層40における発電量が多くなる。
ここで、ガラス基板10の反り量Wについて説明する。ガラス基板10は、図3(a)で例示するように、平面視で略正方形状を有している。または、ガラス基板10は、図3(b)で例示するように、平面視で略長方形状を有している。このように、ガラス基板10は、平面視で略矩形状を有している。この略矩形状において、矩形の長辺の長さをL(cm)とする。反りによって形成された凹部における最大深さを最大反り深さD(μm)とする。反り量Wは、D/L(μm/cm)と定義することができる。言い換えると、ガラス基板10が正方形か長方形かに関わらず、ガラス基板10の形状を平面視で略正方形状とみなして、反り量Wを定義する。Lは面積なので、反り量Wは面積当たりでどれだけガラス基板10が変形したかを示している。
発電層40に十分な量の増感色素42および電解質粒子43を浸透させる観点から、ガラス基板10の反り量Wは大きいことが好ましい。例えば、ガラス基板10の反り量Wは、1.38μm/cm以上20.18μm/cm以下の範囲であることが好ましく、3.45μm/cm以上19.62μm/cm以下の範囲であることがより好ましく、4.16μm/cm以上17.63μm/cm以下の範囲であることがさらに好ましい。なお、ガラス基板10の側面から対向電極層60の側面にわたって形成されて電解質層50の側面を封止する封止材70が設けられているため、ガラス基板10の反り量Wを1.38μm/cm以上、3.45μm/cm以上、4.16μm/cm以上としても封止材70の剥離を抑制することができる。
一方、ガラス基板10の反り量Wが大きすぎると、対向電極層60側から外力が加わった際、或いは、雰囲気の温度の上下動により、ガラス基板が厚いことから、封止材70に剥離が生じるおそれがある。そこで、ガラス基板10の反り量Wは、1.38μm/cm以上20.18μm/cm以下の範囲であることが好ましく、3.45μm/cm以上19.62μm/cm以下の範囲であることがより好ましく、4.16μm/cm以上17.63μm/cm以下の範囲であることがさらに好ましい。
なお、本実施形態に係る色素増感太陽電池100では、反りが発生するガラス基板10を積極的に利用しているため、熱処理によって反りの生じない高価なガラス基板を用いる必要がない。したがって、例えば一般的なソーダガラスなどを用いることができ、材料の低コスト化を図ることができる。
電解質層50には、ポリマーを含有した固体電解質を用いることが好ましい。液体電解質では、流動性があるのに対して、ポリマーを含有した固体電解質では、原理的にそれ自体が構造材を兼ねることができる。電解液漏洩の心配がないという理由により、ガラス基板10の反りに起因する封止の不安定性が改善し、信頼性が向上する。
また、対向電極層60の触媒層61および金属箔62がガラス基板10の反りに追従するように反っていると、パラボラ効果が得られる。このパラボラ効果により、金属箔62で反射し、色々な角度で入射してくる光をガラス基板10の中心に集光する効果が得られ、これにより発電性能が向上する。対向電極層60の金属箔62が、ガラス基板10の反りに追従して湾曲する。または、パラボラ構造になることは、発電量の増大に寄与する。
なお、本実施形態の構造と異なり、電解液を用いる太陽電池では、電解液の液漏れを抑制する観点から、ガラス基板は、所定の剛性(安定性)が求められ、所定の厚みが求められる。例えば、2mmを上回る厚みが求められる。ガラス基板10から対向電極層60までの厚みとは、本実施形態においては、ガラス基板10と、光透過性電極層20と、逆電子移動防止層30と、発電層40と、対向電極層60の総厚みであるが、例えば、逆電子移動防止層30無しで色素増感太陽電池100を作製した場合は、ガラス基板10と、光透過性電極層20と、発電層40と、対向電極層60の総厚みのことをいう。これに対して、本実施形態に係る色素増感太陽電池100では、電解液の液漏れを考慮しなくてもよく、ガラス基板10から対向電極層60までの厚みを2mm以下とすることができる。
図4(a)は、複数枚の色素増感太陽電池100をマトリックス状に互いに隣接させながら配置した太陽電池モジュール200の平面図である。図4(b)は、太陽電池モジュール200の側面図である。図示しないが、複数の色素増感太陽電池100は、プリント基板上の配線にハンダで実装されて、例えば、それぞれの色素増感太陽電池100を電気的に直列接続することで、電気出力を得ることができる。太陽電池モジュール200では、複数の色素増感太陽電池100の電気出力を得ることができるため、発電量を多くすることができる。
図4(b)で例示するように、それぞれが反った色素増感太陽電池100を並べている。ここは、封止材70で、全体の平坦性を保持している。一方、図4(a)のサイズ、ここでは4×2枚の面積を一枚のガラス基板で実現しようとすると、この1枚の太陽電池は、大きく反ることになり、太陽電池としては、厚みが大きくなる。一方、4×2枚で実現すると、封止材の固着の際に、全体として平坦に形成が可能で、複数枚でできた一つの太陽電池の反りは抑制できる。また、隣接する色素増感太陽電池100同士で、封止材70を共有できる。封止材70を共有するとは、例えば、隣り合う色素増感太陽電池100のそれぞれの封止材70が一体となり、同一材料の樹脂で封止されていることをいう。それぞれの太陽電池に封止材を形成してから組み立てると、隣り合う太陽電池の間の封止材は、2倍の量を必要とする。しかし、電解質の液漏れがないので、封止材が設けられていないセルを並べることができ、並べてからセルの間に樹脂を充填する事が出来る。よって全体の太陽電池サイズは、同じ発電量に対して小さくでき、製造コストを低減できる。
続いて、色素増感太陽電池100の製造方法について説明する。図5は、色素増感太陽電池100の製造方法を例示するフロー図である。
(ガラス基板の用意と光透過性電極層の形成工程)
まず、相対する第1主面と第2主面とを備えたガラス基板10を用意する。これらの面のうち、第1主面は、光が入射する入射面となる。ガラス基板10は平面視で概略矩形(ここでは正方形)のガラス基板であって、その一辺の長さは5mm~40mm程度で、本実施形態では一例として一辺が15mmである。また、ガラス基板10の厚さは、0.1mm~3mm程度で、本実施形態では1.1mmである。このガラス基板10の上に光透過性電極層20を形成する。なお、入射面と反対の面、積層する側の面には、光透過性電極層20が予め積層されている。
(逆電子移動防止層の形成工程)
前述したように、反りは、これ以降の高温の処理により反りが発生する。本工程では、目的の酸化物を構成する金属を含むアルコキシド(例えば、チタンアルコキシド)は、アルコール溶液で調整される。その酸化物を含んだアルコール溶液を光透過性電極層20の取り出し電極部以外の部分に塗布した後、そのアルコール溶液を加熱して乾燥させることにより、逆電子移動防止層30を形成する。取り出し電極部は1つの角部の縦3mm×横3mmの直角三角形である。本工程における乾燥温度は、450℃~650℃の範囲で行なわれる。
(発電層・電解質層の形成工程)
次に、粒径が5nm~50nm程度(一例として40nm)の酸化物半導体粒子を含むペーストを逆電子移動防止層30の上にスクリーン印刷法で塗布し、それを加熱焼成して有機物成分を除去することにより発電層40を形成する。加熱温度は450℃~650℃程度で、その乾燥時間は10分~120分である。加熱温度は、550℃~650℃であることが好ましく、580℃~640℃であることがより好ましく、600℃~630℃であることがさらに好ましい。なお、ペーストは特に限定されないが、例えば、日揮触媒化成製の酸化チタンペーストであるPST-30NRDを使用する。または、Cd、Zn、In、Pb、Mo、W、Sb、Bi、Cu、Hg、Ti、Ag、Mn、Fe、V、Sn、Zr、Sr、Ga、Si、Cr、およびNbのいずれかの酸化物半導体粒子を用いてもよい。
焼成の後、図6(a)のようにある程度平らであったガラス基板10が図6(b)のように反るようになる。その後に、増感色素42を含有する有機溶液にガラス基板10を浸漬し、発電層40を構成する酸化物半導体粒子41の表面に増感色素42を吸着させる。アセトニトリルとt-ブタノールとを1:1の体積比率で混合した有機溶媒に増感色素42を添加してなる有機溶液を用意する。なお、有機溶液の増感色素の濃度は、0.1mM~1mM、例えば0.2mMである。そして、その有機溶液を0℃~80℃(一例として50℃)に保温しつつ、有機溶液内にガラス基板10を1時間~12時間の間、静置することで、酸化物半導体粒子41に増感色素42を吸着させる。
次に、固体電解質前駆体として、ヨウ素、電解質、アセトニトリル、及び分子量が100万のポリエチレンオキシドの各々を均一になるように混合する。次いで、この固体電解質前駆体を発電層40の上に0.1μL~50μLだけ滴下し、発電層40に固体電解質前駆体を含浸させる。そして、発電層40を50℃~150℃に加熱し、1分~60分維持することにより、固体電解質前駆体に含まれる余剰のアセトニトリルを揮発させ、発電層40の上の固体電解質前駆体を電解質層50とする。その後に、発電層40を室温に戻す。
(対向電極層の形成工程)
次に、対向電極層60を電解質層50の上方に配する。電解質層50と対向電極層60との間から気泡を排除しつつ、電解質層50に対向電極層60を密着させる。なお、本工程を減圧雰囲気中や真空中で行うことで、電解質層50と対向電極層60との間に気泡が残留し難くなる。
(封止材の形成工程)
次に、光透過性電極層20が形成されたガラス基板10の側面から対向電極層60の側面または表面の周囲にわたって封止材70を形成し、電解質層50の側面を封止する。
本実施形態に係る製造方法によれば、発電層40においてガラス基板10の積層面(入射面と反対の面)から対向電極層側に向かうほど、酸化物半導体粒子41の間隔が広がり、その密度も対向電極層60に向かって徐々に疎の程度が大きくなるため、発電層40の深部まで増感色素42を浸透させることが可能となる。発電層40の深部まで電解質粒子43を浸透させることが可能となり、発電層40における電解質粒子43の充填量が多くなる。したがって、発電層40における発電量が多くなる。
(実施例1~9および比較例1)
15mm×15mm×1.1mmのガラスには、前もってITOが形成されている。このITO表面に、チタンアルコキシドから調製したアルコール溶液を塗布し、550℃で加熱することにより逆電子移動防止層を形成した。逆電子移動防止層を形成したFTO表面に、日揮触媒化成製の酸化チタンペースト(PST-30NRD)をスクリーン印刷法により1cmの面積で印刷を行った。塗布した酸化チタンペーストを30分程度加熱し、酸化チタンペースト中に含まれる有機物成分を消失させた。このようにして得られた発電層を、アセトニトリルとt-ブタノールを体積比率が1:1で混合した有機溶媒に溶解させた色素溶液(色素はCYC-B11(K)で濃度が0.2mM)に浸漬し、50℃で4時間静置することで色素吸着を行い、負極とした。
なお、発電層を形成する際の加熱温度は、実施例1では630℃とし、比較例1では450℃とし、実施例2では550℃とし、実施例3では580℃とし、実施例4では600℃とし、実施例5では620℃とし、実施例6では630℃とし、実施例7では640℃とし、実施例8では650℃とし、実施例9では670℃とした。
正極側は、別途、15mm×15mm×0.1mmのチタン箔基板を用意し、このとき1つの角に対して、縦3mm×横3mmの直角三角形の面積を切り落としたものとした。このチタン箔の表面に白金をスパッタし、正極を作製した。その後、固体電解質を浸漬させた発電層を形成した負極を室温に戻し、正極の白金側と対向させ、重ね合わせた。この時、減圧あるいは真空状態で正負極を加熱圧着させた。圧着を保持したまま、ディスペンサを用いて側面に封止樹脂を塗布形成し、封止材に対して、UVを照射することにより側面を封止し、小型の色素増感太陽電池を作製した。
実施例1では、使用したガラス基板の厚みは、3mmであった。得られた色素増感太陽電池の厚みは、4mmであった。実施例2~9および比較例1では、使用したガラス基板の厚みは、1mmであった。得られた色素増感太陽電池の厚みは、2mmであった。
実施例1~実施例9および比較例1のそれぞれの色素増感太陽電池について、膜厚計(DEKTAC)を用いてガラス基板の反り量Wを測定した。実施例1では、反り量Wは、4.21μm/cmであった。比較例1では、反り量Wは、0μm/cmであった。実施例2では、反り量Wは、1.38μm/cmであった。実施例3では、反り量Wは、3.45μm/cmであった。実施例4では、反り量Wは、4.16μm/cmであった。実施例5では、反り量Wは、10.24μm/cmであった。実施例6では、反り量Wは、17.63μm/cmであった。実施例7では、反り量Wは、19.62μm/cmであった。実施例8では、反り量Wは、20.18μm/cmであった。実施例9では、反り量Wは、22.43μm/cmであった。
実施例1~実施例9および比較例のそれぞれの色素増感太陽電池に対して、IV測定器を使用した。また、LEDライトで作った200Luxの標準白色光を室温で照射し、初期の発電量を測定した。得られた発電量が5μW以上のものを非常に良好「〇」、4.7以上5μmW未満のものをやや良好「△」、4.7μW未満のものを不良「×」と判定した。結果を表1に示す。
Figure 2023047813000002
実施例1~9では、発電量が良好「△」または非常に良好「〇」と判定された。これは、ガラス基板を反らせたことで、発電層の十分な深さまで固体電解質を含ませることができたからであるものと考えられる。さらに、発電層の十分な深さまで増感式を含ませることができたことも要因であるものと考えられる。比較例1では、発電量が不良「×」と判定された。これは、ガラス基板を反らせなかったからであると考えられる。
また、実施例2では発電量についてやや良好との判定結果が得られているため、発電層を形成する際の加熱温度は550℃以上であることが好ましいことがわかる。実施例2よりも実施例3~9の発電量の方が多くなっていることから、発電層を形成する際の加熱温度は580℃以上であることがより好ましいことがわかる。実施例2,3よりも実施例4~9の発電量の方が多くなっていることから、発電層を形成する際の加熱温度は600℃以上であることがさらに好ましいことがわかる。
続いて、封止性について評価した。実施例1~実施例9および比較例1のそれぞれの色素増感太陽電池に対して、目視にて色素増感太陽電池の封止材の接着部分をチェックし未接着の箇所が無ければ、「剥離無し」と判定し、部分的に未接着の箇所が有れば「剥離有り」と判定した。結果を表1に示す。表1に示すように、実施例1~7では「剥離無し」と判定され、実施例8および実施例9では「剥離有り」と判定された。したがって、反り量Wが17.63μm/cm以下であれば封止性も良好になることがわかった。
続いて、サイクル試験時の劣化評価を行なった。実施例1~実施例8のそれぞれの色素増感太陽電池に対して、20サンプル中、温度(80℃)サイクル試験後の素子故障数が何個あるかを調べた。実施例1~6では、素子故障数はゼロであった。これに対して、実施例7~9では素子故障が生じたものもあった。したがって、反り量Wが17.63μm/cm以下であればサイクル特性も良好になることがわかった。
また、実施例9よりも実施例1~8の方がサイクル試験後の素子故障数が少ないことから、発電層を形成する際の加熱温度は650℃以下であることが好ましいことがわかる。また、実施例8,9よりも実施例1~7の方がサイクル試験後の素子故障数が少なく剥離有りの個数が少ないことから、発電層を形成する際の加熱温度は640℃以下であることがより好ましいことがわかる。また、実施例7~9よりも実施例1~6の方がサイクル試験後の素子故障数が少ないことから、発電層を形成する際の加熱温度は630℃以下であることがさらに好ましいことがわかる。
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。例えば、上記では色素増感太陽電池100に着目したが、各実施形態は他の有機系太陽電池にも適用可能である。
10 ガラス基板
20 光透過性電極層
30 逆電子移動防止層
40 発電層
41 酸化物半導体粒子
42 増感色素
43 電解質粒子
50 電解質層
60 対向電極層
70 封止材
100 色素増感太陽電池

Claims (12)

  1. ガラス基板と、前記ガラス基板の一方の主面に設けられた導電性酸化物層と、前記導電性酸化物層上に設けられ、酸化物半導体粒子と電解質粒子とを備える発電層と、前記発電層上に設けられ、固体またはゲル状の電解質層と、前記電解質層上に設けられた対向電極層とを有し、前記対向電極層側に凸の積層体と、
    前記ガラス基板の側面から前記対向電極層の側面にわたり形成された封止部と、を備える太陽電池。
  2. 前記酸化物半導体粒子の密度は、前記ガラス基板側は密となり、積層方向に向かって疎になる、請求項1に記載の太陽電池。
  3. 前記ガラス基板が有する、平面視で略矩形状の主面において、長辺の長さをLcmとし、反りによって形成された凹部における最大深さをDμmとした場合に、前記ガラス基板の反り量W=D/Lは、4.16μm/cm以上、17.63μm/cm以下である、請求項1または請求項2に記載の太陽電池。
  4. 前記封止部は、前記導電性酸化物層の側面と、前記発電層の側面と、前記電解質層の側面と、前記対向電極層の側面とに接触している、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の太陽電池。
  5. 前記ガラス基板から前記対向電極層までの厚みは、2mm以下である、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の太陽電池。
  6. 前記対向電極層は、前記ガラス基板の前記主面に沿うように金属箔を備える、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の太陽電池。
  7. 前記封止部は、樹脂である、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の太陽電池。
  8. 前記発電層の前記酸化物半導体粒子の表面に色素が担持されている、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の太陽電池。
  9. 一方の主面側に凸になるように反りを有するガラス基板と、前記ガラス基板の前記一方の主面上に設けられた導電性酸化物層と、前記導電性酸化物層上に設けられ、酸化物半導体粒子と電解質粒子とを備える発電層と、前記発電層上に設けられ、固体またはゲル状の電解質層と、前記電解質層上に設けられた対向電極層とを備える第1および第2の太陽電池が隣接して配置され、
    前記第1の太陽電池と前記第2の太陽電池との間に、前記第1の太陽電池における前記導電性酸化物層の側面から前記対向電極層の側面にわたって形成されるとともに、前記第2の太陽電池における前記導電性酸化物層の側面から前記対向電極層の側面にわたって形成され、前記第1の太陽電池における前記電解質層の側面および前記第2の太陽電池における前記電解質層の側面を封止する封止材を備える太陽電池モジュール。
  10. 一方の主面上に導電性酸化物層が設けられたガラス基板を準備し、
    前記導電性酸化物層上に酸化物半導体粒子を配置して焼成することにより、前記酸化物半導体粒子の発電層を形成するとともに、前記ガラス基板を前記一方の主面側に凸になるように反らせ、
    前記発電層に電解質粒子を浸漬することで、前記発電層に前記電解質粒子を含ませるとともに前記発電層上に、固体またはゲル状の電解質層を形成し、
    前記電解質層上に対向電極層を形成し、
    前記ガラス基板の側面から前記対向電極層の側面にわたって封止材を形成し、前記電解質層の側面を封止する、太陽電池の製造方法。
  11. 前記焼成の際の温度を、550℃以上、650℃以下とする、請求項10に記載の太陽電池の製造方法。
  12. 前記発電層の焼成後かつ前記対向電極層を形成する前に、前記発電層に色素を浸漬することで、前記発電層に前記色素を含ませることを特徴とする請求項10または請求項11に記載の太陽電池の製造方法。
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