JP2023047583A - 放電管診断装置および放電管診断システム - Google Patents
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Abstract
Description
本発明の実施形態は、放電管診断装置および放電管診断システムに関する。
オゾン発生装置は、例えば、誘電体と誘電体に重ねられた金属膜を有する放電部を含む放電管に電力を供給することでオゾンを発生させる。この放電管では、放電時間の経過に応じて金属膜が次第に消失するという劣化が起きる。この劣化状態とオゾンの生成効率には強い相関があるので、放電管の劣化状態を正確に知ることは重要である。従来技術として、例えば、施設に設置された放電管診断装置で放電管を診断するという手法がある。
しかしながら、上述の従来技術では、現地で放電管の診断を行うことができないという問題がある。
そこで、本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、現地で放電管の診断を行うことができる放電管診断装置および放電管診断システムを提供することを課題とする。
実施形態の放電管診断装置は、誘電体と前記誘電体に重ねられた金属膜とを有する放電部を含む放電管の内部に挿入された発光部から照射され前記放電部を透過した光を受光する受光部と、前記受光部による受光によって得られるデータに基づいて、所定の指標値を算出する制御部と、前記所定の指標値を表示する表示部と、少なくとも前記制御部、および、前記表示部に電力を供給する電源と、前記受光部、前記制御部、前記表示部、および、前記電源のそれぞれを収容または保持する携帯型の筐体と、を備える。
以下、図面を参照して、実施形態について説明する。以下に示される実施形態の構成(技術的特徴)、ならびに当該構成によってもたらされる作用および効果は、あくまで例である。本発明は、以下の実施形態に開示される構成以外によっても実現可能であるとともに、基本的な構成によって得られる種々の効果のうち少なくとも一つを得ることが可能である。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態の放電管診断システムSを模式的に示す全体構成図である。図2は、第1実施形態の放電管診断装置1の機能構成等を示す図である。なお、図2において、放電管100と遮光部11については図1のA-A断面図であり、放電管診断装置1については機能構成図である。放電管診断システムSは、放電管診断装置1と、遮光部11と、発光部21と、円盤22と、を備える。
図1は、第1実施形態の放電管診断システムSを模式的に示す全体構成図である。図2は、第1実施形態の放電管診断装置1の機能構成等を示す図である。なお、図2において、放電管100と遮光部11については図1のA-A断面図であり、放電管診断装置1については機能構成図である。放電管診断システムSは、放電管診断装置1と、遮光部11と、発光部21と、円盤22と、を備える。
診断対象は、オゾン発生装置に設けられる放電管100である。放電管100は、一端部が閉じられ他端部が開放された略円筒状(筒状)で、ガラス材101(誘電体)と、ガラス材101に重ねられた金属材102(金属膜)とを有する放電部を含む。なお、図1では、図示を簡略化するために金属材102が放電管100の左側端部まで設けられているが、実際には、金属材102は放電管100の左側端部付近には設けられていなくてもよい。
ガラス材101は、具体的には、例えば、石英ガラス、ホウケイ酸ガラス、高ケイ酸ガラス、アルミノケイ酸ガラス等の誘電体材料であり、電気的な絶縁性を有する。金属材102は、ガラス材101の内面に重ねられている。金属材102は、具体的には、例えば、ステンレス、ニッケル、カーボン、アルミニウム等の導電性材料であり、導電性を有する。金属材102は、導電性材料をスパッタリング、溶射、蒸着、無電解メッキ、電解メッキ、塗料塗布等することによりガラス材101の内面に密着されている。金属材102は、高圧電極として機能する。
発光部21は、放電管100の内部に挿入され、放電管100の内面に向かって一定の強さの光を照射する。発光部21は、例えば、複数の青色LED(Light Emitting Diode)を並べたLEDテープランプである。なお、発光部21は、これに限定されず、他の色のLEDや,白熱球、蛍光灯、水銀灯、紫外線ランプ、赤外線ランプ等であってもよい。
また、中心部に穴を有する2つの円盤22(直径は放電管100の内径よりも少し短い。)が、棒状の発光部21の2か所に取り付けられている。これにより、発光部21を放電管100の内部に挿入したときに、発光部21が放電管100内において円形の断面における中心に位置し、発光部21から受光部5までの距離を一定に維持できる。なお、円盤22は、放電管100の内面を傷つけないように、例えば、ゴム材やプラスチック材などで作られる。なお、円盤22の個数は2つに限定されず、3つ以上であってもよい。また、円盤22の取り付け位置は、図1に示す位置に限定されず、放電管100内に挿入した発光部21を放電管100内の円形の断面における中心に位置させることができるのであれば、任意の位置でよい。
放電管診断装置1は、光強度測定器であり、筐体2と、スイッチ3と、表示部4(表示器)と、受光部5と、ポテンショメータ6と、制御部7と、電源8と、を備える。
筐体2は、スイッチ3、表示部4、受光部5、ポテンショメータ6、制御部7、電源8のそれぞれを収容または保持する携帯型の筐体である。
スイッチ3は、放電管診断装置1のオン/オフを切り替えるための操作部である。
表示部4は、各種情報を表示する。表示部4は、例えば、制御部7からの指示信号に基づいて表示を行うLEDやLCD(Liquid Crystal Display)などであり、文字や数字を表示する。表示部4は、例えば、所定の指標値(詳細は後述)を表示する。
受光部5は、放電管診断装置1の底部に配置され、放電管100に近接または接した状態で、放電管100の内部に挿入された発光部21から照射され放電部を透過した光を受光する。受光部5は、例えば、1以上の受光素子を有する。受光素子は、例えば、フォトダイオードである。なお、受光素子は、フォトダイオードに限定されない。受光素子は、光の種類に応じた素子が用いられてよい。
また、受光部5が発光部21から照射される光以外の光を受光しないように、遮光部11が配置(形成)される。遮光部11は、受光部5に対応する部分が穴になっていて、発光部21から照射される光以外の光(外部の光)が受光部5に届かないように遮光する役割を果たす。遮光部11は、例えば、遮光機能を有する布(スカート)である。遮光部11は、例えば、筐体2に対して固定されているが、これに限定されず、固定されていなくてもよい。
ポテンショメータ6は、作業者が放電管診断装置1を放電管100の軸方向や周方向に移動させたときの移動量を検出する。
制御部7は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などの制御装置である。制御部7は、受光部5による受光によって得られるデータに基づいて、所定の指標値を算出する。制御部7は、所定の指標値として、例えば、受光部5による受光量に応じた電流値を測定する。また、制御部7は、信号の増幅機能を有していてもよい。
放電管100における金属材102は、放電時間の経過に伴い薄くなっていき最終的には消失することから、上述の電流値によってその消失度合いを評価することができる。
電源8は、表示部4、ポテンショメータ6、制御部7等に電力を供給する。
次に、放電管診断システムSを用いた放電管100の診断の作業工程について説明する。まず、作業者は、オゾン発生装置から診断対象の放電管100を取り外す。次に、作業者は、放電管100の内面および外面の汚れや付着物の有無を確認する。放電管100の汚れや付着物が有る場合には、作業者がそれらを拭き取る。
次に、作業者は、2つの円盤22を取り付けてある発光部21を放電管100の内部に挿入してから発光させる。また、作業者は、放電管100の診断部分に放電管診断装置1を配置する。その場合に、受光部5に外部からの不要な光が侵入しないように、例えば、放電管診断装置1を放電管100に接触させる。
そして、作業者は、放電管診断装置1を用いて上述の電流値の測定を行う。具体的には、作業者は、放電管診断装置1を用いて放電管100のある位置で電流値を測定し、その後、放電管診断装置1を所定方向に所定距離だけ移動して、再度、放電管診断装置1を用いて電流値の測定を行う。これを繰り返す。
放電部の金属材102が損傷(劣化)していない場合、発光部21からの光は放電部を通過しないので、受光部5は受光せず、電流値は0アンペアと測定されて表示部4に表示される。一方、金属材102が完全に損傷した場合、発光部21からの光はガラス材101を通過してそのまま受光部5に届き、そのときの光量に対応する電流値が測定されて表示部4に表示される。このときの電流値が光透過率100%に対応し、金属材102が一部損傷している場合にはその損傷の程度に応じて電流値が変化するので、作業者は表示部4に表示された電流値を見ることで、金属材102の損傷の度合いを認識できる。
このように、第1実施形態の放電管診断システムSによれば、作業者が携帯可能な放電管診断装置1や発光部21を用いることで、現地で放電管100の診断を行うことができる。そして、放電管100の劣化状態を、受光部5の受光により得られるデータ、すなわち客観的な情報に基づいて診断することができる。これにより、放電管100の交換の最適な時期を判断することができ、オゾン発生装置の適切な保守管理の実現が可能となる。よって、例えば、寿命に達していない健全な放電管100を交換したり、逆に寿命に到達している放電管100を交換せずにそのまま使用したりすることを抑制することができる。したがって、例えば、まだ使用可能な放電管100を一定周期で交換する事態を回避できるので、無駄な出費の発生を抑制することができる。
(第1実施形態の変形例1)
受光部5は、発光部21から照射される光の波長の光だけを通過させるバンドパスフィルタを備えてもよい。例えば、広い範囲の波長の光を含む太陽光の届かない屋内であれば、このバンドパスフィルタを用いることで、遮光部11を省略することができる。また、診断精度を向上させることができる。
受光部5は、発光部21から照射される光の波長の光だけを通過させるバンドパスフィルタを備えてもよい。例えば、広い範囲の波長の光を含む太陽光の届かない屋内であれば、このバンドパスフィルタを用いることで、遮光部11を省略することができる。また、診断精度を向上させることができる。
(第1実施形態の変形例2)
電流値を測定、表示する代わりに、光透過率を測定、表示するようにしてもよい。例えば、金属材102が一部損傷している場合にはその損傷の程度に応じて光透過率が変化するので、光透過率100%を基準に0~100%の範囲で光透過率を表示部4に表示する。
電流値を測定、表示する代わりに、光透過率を測定、表示するようにしてもよい。例えば、金属材102が一部損傷している場合にはその損傷の程度に応じて光透過率が変化するので、光透過率100%を基準に0~100%の範囲で光透過率を表示部4に表示する。
その場合、制御部7は、所定の指標値として、受光部5による受光量に応じた透過率を算出する。また、受光部5は、発光部21による発光量と受光部5による受光量との関係を校正する構成機能を有する。
作業者は、放電管診断装置1の校正作業を行う。具体的には、発光部21の発光量に応じて光の透過率が変動するため、ある一定の環境下で発光部21による発光量と受光部5による受光量との関係を測定し、これらの関係が所定の関係になるように校正する。これにより、診断精度を向上させることができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。第1実施形態と同様の事項については、説明を適宜省略する。図3は、第2実施形態の放電管診断システムSを模式的に示す全体構成図である。
次に、第2実施形態について説明する。第1実施形態と同様の事項については、説明を適宜省略する。図3は、第2実施形態の放電管診断システムSを模式的に示す全体構成図である。
図3に示すように、放電管診断装置1に対して遮光部12が設けられる。遮光部12は、例えば、内部に穴を有する薄い四角形の形状で、ゴム材やプラスチック材で作られることで柔軟性があり、放電管100の表面の湾曲面に密着することができる。これにより、受光部5に対する外部からの不要な光の侵入をより防ぐことができる。
なお、図3では遮光部11を図示していないが、外部からの不要な光が放電管100の劣化部分から放電管100の内部に侵入し、その反射光が受光部5に入ることも考えられるので、図2に示す遮光部11を併せて用いてもよい。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について説明する。第1実施形態と同様の事項については、説明を適宜省略する。図4は、第3実施形態の放電管診断装置1の機能構成等を示す図である。図4に示すように、受光部としてカメラ9を用いる。この場合、制御部7は、カメラ9による撮影によって得られる画像データに基づいて、所定の指標値を算出する。以下、具体的に説明する。
次に、第3実施形態について説明する。第1実施形態と同様の事項については、説明を適宜省略する。図4は、第3実施形態の放電管診断装置1の機能構成等を示す図である。図4に示すように、受光部としてカメラ9を用いる。この場合、制御部7は、カメラ9による撮影によって得られる画像データに基づいて、所定の指標値を算出する。以下、具体的に説明する。
カメラ9は、発光部21から照射させた光を画像として捕らえる手段であり、例えば、CCD(Charge Coupled Device)カメラやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)カメラなどである。金属材102に損傷が無い場合には、光が放電部を通過しないことから、カメラ9による撮影画像は黒い画像となる。このときの黒い画像を光透過率0%とする。また、金属材102がない状態でのカメラ9による撮影画像は白い画像となる。このときの白い画像を光透過率100%とする。金属材102が一部損傷している場合には、白と黒が混在している画像が撮影される。例えば、このときの白と黒の画像の面積比率を計算することで、光透過率を算出することができる。このようにして、画像データに基づいて放電管100を診断することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均などの範囲に含まれる。
1…放電管診断装置、2…筐体、3…スイッチ、4…表示部、5…受光部、6…ポテンショメータ、7…制御部、8…電源、9…カメラ、11…遮光部、12…遮光部、21…発光部、22…円盤、100…放電管、101…ガラス材、102…金属材、S…放電管診断システム
Claims (7)
- 誘電体と前記誘電体に重ねられた金属膜とを有する放電部を含む放電管の内部に挿入された発光部から照射され前記放電部を透過した光を受光する受光部と、
前記受光部による受光によって得られるデータに基づいて、所定の指標値を算出する制御部と、
前記所定の指標値を表示する表示部と、
少なくとも前記制御部、および、前記表示部に電力を供給する電源と、
前記受光部、前記制御部、前記表示部、および、前記電源のそれぞれを収容または保持する携帯型の筐体と、
を備える放電管診断装置。 - 前記制御部は、前記所定の指標値として、前記受光部による受光量に応じた電流値を測定する、請求項1に記載の放電管診断装置。
- 前記受光部は、カメラであり、
前記制御部は、前記カメラによる撮影によって得られる画像データに基づいて、前記所定の指標値を算出する、請求項1に記載の放電管診断装置。 - 前記受光部は、前記発光部から照射される光の波長の光だけを通過させるバンドパスフィルタを備える、請求項1に記載の放電管診断装置。
- 前記制御部は、前記所定の指標値として、前記受光部による受光量に応じた透過率を算出し、
前記受光部は、前記発光部による発光量と前記受光部による受光量との関係を校正する構成機能を有する、請求項1に記載の放電管診断装置。 - 前記受光部の周囲に形成され、外部の光が前記受光部に入るのを防ぐための遮光部をさらに備える、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の放電管診断装置。
- 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の放電管診断装置と、前記発光部と、を備える放電管診断システム。
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