JP2023046334A - 車両走行の遠隔制御システム - Google Patents

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Abstract

【課題】車両走行の遠隔制御システムにおいて、自車の走行を適切に制御できなくなる可能性を減らす。【解決手段】複数の車両2と遠隔制御装置4とが通信して遠隔制御する遠隔制御システム1において、遠隔制御装置4は、各車両2から受信する車両情報に含まれる検出情報検出情報に基づいて遠隔制御値を繰り返しに生成する遠隔制御値生成部6、を有する。各車両2は、遠隔制御装置4から受信する遠隔制御値により走行制御を実行する自車走行制御部、を有する。遠隔制御値生成部6は、各車両2から受信する車両情報の通信の遅れに応じて異なる処理により遠隔制御値を生成する。【選択図】図1

Description

本発明は、車両走行の遠隔制御システムに関する。
自動車といった車両では、車両の走行を遠隔制御することが考えられる(特許文献1~3)。
特開2018-180771号公報 特開2018-142921号公報 特開2020-188407号公報
このように車両の走行を遠隔制御する場合、車両は、たとえば、自車に設けられる車外センサの撮像画像などの自車センサの検出情報を遠隔制御装置としてのサーバ装置へ繰り返しに送信し、サーバ装置から車両の走行を制御するための遠隔制御値を繰り返しに受信できるようにする、ことが望ましい。これにより、サーバ装置により遠隔制御される各車両は、サーバ装置から遠隔制御値を受信し続けることができ、自車の走行を制御することが可能になる。
しかしながら、複数の車両とサーバ装置とが通信することにより、サーバ装置から複数の車両の各々へ遠隔制御値を送信する場合、制御には通信が必須となる。通信の遅れは、通信環境やサーバ装置の処理負荷に応じて動的に変動し易い。そして、通信が遅れてしまうと、車両は、サーバ装置から遠隔制御値を受信して走行制御を実行し得たとしても、実際の走行環境において適切な走行が実現されるとは限らない。
このように車両走行の遠隔制御システムでは、自車の走行を適切に制御できなくなる可能性を減らすことが求められる。
本発明の一形態に係る車両走行の遠隔制御システムは、複数の車両と複数の前記車両とは別体の遠隔制御装置とが通信することにより前記遠隔制御装置から複数の前記車両の各々へ前記車両の走行を制御するための遠隔制御値を繰り返し送信可能な車両走行の遠隔制御システムであって、前記遠隔制御装置は、複数の前記車両の各々において検出される検出情報を含む車両情報を受信し、通信により取得する各前記車両の前記検出情報に基づいて、各前記車両の走行制御に使用することができる前記遠隔制御値を繰り返しに生成する遠隔制御値生成部、を有し、各前記車両は、各前記車両が前記遠隔制御装置から繰り返しに受信する前記遠隔制御値により走行制御を実行する自車走行制御部、を有し、前記遠隔制御値生成部は、各前記車両から前記遠隔制御装置が受信する検出情報を含む車両情報の通信の遅れに応じて異なる処理により遠隔制御値を生成する。
本発明では、複数の車両の各々において検出される検出情報を含む車両情報を受信する遠隔制御装置において、通信により取得する各車両の検出情報に基づいて、各車両の走行制御に使用することができる遠隔制御値を繰り返しに生成する遠隔制御値生成部は、各車両から遠隔制御装置が受信する検出情報を含む車両情報の通信遅れに応じて異なる処理により遠隔制御値を生成する。
これにより、各車両が遠隔制御装置から繰り返しに受信する遠隔制御値により走行制御を実行する自車走行制御部により走行が制御される車両は、遠隔制御装置との通信に遅れが生じたとしても、それ応じて異なる処理により生成された遠隔制御値を取得して、通信の遅れの影響を抑制した走行制御を実行できる。
その結果、車両走行の遠隔制御システムにおいて走行が制御されている車両は、自車の走行を適切に制御できなくなる可能性を減らすことができる。
図1は、本発明の第一実施形態に係る自動車の走行の遠隔制御システムの構成図である。 図2は、図1の遠隔制御装置のサーバ装置に用いることができるコンピュータ装置のハードウェア構成図である。 図3は、図1の自動車の走行を制御する制御系の構成図である。 図4は、図1の遠隔制御システムでの基本的な遠隔制御の流れを説明するタイミングチャートである。 図5は、図1の自動車の制御系による自車走行制御のフローチャートである。 図6は、図1の遠隔制御装置のサーバ装置による受信制御のフローチャートである。 図7は、図6の受信制御などにより、図1の遠隔制御装置のサーバ装置のメモリに記録可能な未処理リストの説明図である。 図8は、図1の遠隔制御装置のサーバ装置による遠隔制御のフローチャートである。 図9は、図1の遠隔制御装置のサーバ装置による、通信環境に応じた操舵量の遠隔制御値の生成制御のフローチャートである。 図10は、自動車と遠隔制御装置との通信の遅れと、それに応じた通信の周期との関係性の説明図である。 図11は、通信の周期の増加量に対応する遅延量と、対応可能な車速との関係性の説明図である。 図12は、操舵量の遠隔制御値を得るための設定例の説明図である。 図13は、図1の遠隔制御装置のサーバ装置による、通信環境に応じた加減速の遠隔制御値の生成制御のフローチャートである。 図14は、本発明の第二実施形態において、自動車の走行の遠隔制御システムの遠隔制御装置のサーバ装置による走行制御周期の切替要求制御のフローチャートである。 図15は、自動車の制御系による走行制御周期の切替制御のフローチャートである。 図16は、本発明の第三実施形態において、自動車の走行の遠隔制御システムの遠隔制御装置のサーバ装置による生成の切替制御のフローチャートである。 図17は、遠隔制御装置のサーバ装置による走行制御情報の生成制御のフローチャートである。 図18は、本発明の第三実施形態における、自動車の制御系による自車走行制御のフローチャートである。
以下、本発明の実施形態を、図面に基づいて説明する。
[第一実施形態]
図1は、本発明の第一実施形態に係る自動車2の走行の遠隔制御システム1の構成図である。
図1の遠隔制御システム1は、自動車2の走行を遠隔制御可能にするためのものであり、複数の自動車2に設けられる制御系3と、サーバ装置5および遠隔制御値を生成するための遠隔制御値生成装置6を有する遠隔制御装置4と、を有する。複数の自動車2と遠隔制御装置4のサーバ装置5とは、自動車2が走行する道路100などに沿って配列される複数の基地局9および通信網8を有する通信システム7により無線通信可能に接続される。複数の自動車2と、複数の自動車2とは別体の遠隔制御装置4とが通信することにより、遠隔制御装置4から複数の自動車2の各々へ自動車2の走行を制御するための遠隔制御値を繰り返し送信することが可能となる。
また、図1には、複数の自動車2やサーバ装置5により受信可能なGNSS(Global Navigation Satellite System)電波を出力するGNSS衛星110が示されている。自動車2またはサーバ装置5は、複数のGNSS衛星110の電波を受信することにより、共通の測位系での各々の位置および時刻を得ることができる。
自動車2は、自動車2の一例である。自動車2には、この他にもたとえば、モータサイクル、カート、パーソナルモビリティ、がある。自動車2は、自車に設けられる制御系3の走行制御の下で、動力源であるエンジンやモータの駆動力により道路100などを走行でき、制動装置の作動により減速停止でき、操舵装置の作動により進行方向を左右へ変化させることができる。そして、自動車2の制御系3は、基本的に、自車の乗員の操作に基づいて手動運転にしたがった走行制御をしたり、自車での検出結果に基づいて手動運転による走行を支援する制御をしたり、自車での検出結果とともに高精度地図データなどを用いて自動運転による走行制御をしたり、できるものでよい。
なお、図1には、自動車2の前を走行する先行車101があわせて示されている。
複数の基地局9には、たとえば、携帯端末などのためのキャリア通信網の基地局9、自動車2へのITSサービスまたはADASサービスのための基地局9であってもよい。キャリア通信網の基地局9は、たとえは第五世代の基地局9であるとよい。基地局9は、たとえば路肩、路面、ビルに固定して設置されても、自動車2、船舶、ドローン、飛行機、などの移動体に設けられてもよい。
基地局9は、電波到達範囲内に存在する自動車2の制御系3のAP(アクセスポイント)通信装置との間に、情報を送受するための無線通信路を確立する。自動車2が道路100を走行して電波到達範囲外へ移動すると、複数の基地局9の間で、無線通信路を確立する基地局9が切り替わる。これにより、自動車2は、たとえば道路100に沿って並んでいる複数の基地局9により、走行中に無線通信路を常態的に確立し続けることができる。第五世代の基地局9との間に確立される無線通信路では、第四世代の基地局9との間に確立されるものと比べて、格段に多い情報量を高速に送受することができる。また、第五世代の基地局9は、高度な情報処理能力を備えて、基地局9の間で情報を送受する機能などを備えることができる。自動車2のV2V通信では、自動車2同士が直接に情報を送受してもよいが、第五世代の基地局9を介して自動車2同士が情報を送受してもよい。
第五世代の基地局9を用いることにより、遠隔制御装置4と各自動車2とは、上りまたは下りの一方向の通信において最大で100ミリ秒程度の遅延時間での高速な通信が可能になると考えられる。ただし、複数の自動車2が遠隔制御装置4との間で通信する場合、複数の自動車2に対して同等に最大の通信速度による通信を実現することは容易ではない。
自動車2が走行している場合、自動車2が通信路を確立する基地局9は、自動車2の位置の変化に応じて切り替わる。基地局9の切り替えのハンズオーバ処理には、時間がかかることがある。
通信網8は、たとえば、キャリア通信網のための通信網8、ITSサービスまたはADASサービスのための通信網8、オープンな広域通信網であるインターネット、などにより構成されてよい。通信網8は、遠隔制御システム1のために新たに設けられた専用の通信網8を含んでよい。キャリア通信網に専用の通信網8やインターネットは、ベストエフォート方式による通信を実現する。ベストエフォート方式の通信網8では、各装置が利用可能な通信帯域や通信の伝送遅延は、固定的ではなく通信環境に応じて動的に変化する。特に、TCP/IPプロトコルなどに準拠した通信のための通信網8では、非同期通信によるコリジョンが発生し、フレーム再送などによる伝送遅延が生じることがある。ハンズオーバ処理に時間がかかる場合、フレーム再送による伝送遅延が生じ易い。
図2は、図1の遠隔制御装置4のサーバ装置5に用いることができるコンピュータ装置10のハードウェア構成図である。
図2のコンピュータ装置10は、サーバ通信デバイス11、サーバGNSS受信機12、サーバタイマ13、サーバメモリ14、サーバCPU15、および、これらが接続されるサーババス16、を有する。
サーバ通信デバイス11は、通信網8に接続される。サーバ通信デバイス11は、通信網8に接続されている他の装置、たとえば基地局9、自動車2の制御系3との間で、情報を送受できる。
サーバGNSS受信機12は、GNSS衛星110の電波を受信して、現在時刻を得る。
サーバタイマ13は、時刻、時間を計測する。サーバタイマ13の時刻は、サーバGNSS受信機12の現在時刻により校正されてよい。
サーバメモリ14は、サーバCPU15が実行するプログラムおよびデータを記録する。
サーバCPU15は、サーバメモリ14からプログラムを読み込んで実行する。これにより、サーバ装置5には、サーバ制御部が実現される。
サーバ制御部としてのサーバCPU15は、サーバ装置5の全体的な動作と、遠隔制御システム1の全体的な制御とを管理する。サーバCPU15は、遠隔制御システム1を使用する複数の自動車2、複数の自動車2の走行、などを管理する。
サーバCPU15は、たとえば、複数の自動車2の各々から受信した情報を管理し、情報を受信した自動車2のための遠隔制御値の生成を制御し、情報を受信した自動車2について生成した遠隔制御値の送信を制御する。この場合、サーバメモリ14には、複数の自動車2から受信した情報、遠隔制御値を生成するためのたとえば高精度地図データ、などが記録される。また、サーバCPU15は、各自動車2から最新の情報を繰返し受信することにより、各自動車2についての遠隔制御値の生成および送信を繰り返す。これにより、各自動車2は、遠隔制御装置4により繰返しに生成される遠隔制御値にしたがった走行を継続することができる。
遠隔制御値生成装置6は、基本的に後述する自動車2の制御系3の走行制御ECU24と同等の機能を実現できるものであればよいが、ハードウェアとして図2のコンピュータ装置10を用いてよい。
なお、本実施形態では、各自動車の遠隔制御値を生成するための遠隔制御値生成装置6が、遠隔制御装置4の通信を管理するサーバ装置5とは別体であるとして説明しているが、これらは1つのコンピュータ装置10において実現することも可能である。
そして、遠隔制御値生成装置6は、複数の自動車2の各々の走行制御に使用することができる遠隔制御値を、自動車2ごとに繰り返しに生成する。
このため、遠隔制御装置4の通信を管理するサーバ装置5に対して、1対多の関係により、複数の遠隔制御値生成装置6が接続されてもよい。ここで、遠隔制御値生成装置6は、基本的に、遠隔制御装置4において管理する複数の自動車2に対して1対1の対応により設けられてよい。ただし、1つの遠隔制御値生成装置6が、複数の自動車2の遠隔制御値を生成してもよい。たとえば、遠隔制御値生成装置6は自動車の走行制御のための遠隔制御値を生成するものであるため、複数の遠隔制御値生成装置6は、自動車2の種類ごとに設けてもよい。自動車2の走行特性および走行の制御特性は、基本的に自動車2の種類ごとに異なると考えられる。
図3は、図1の自動車2の走行を制御する制御系3の構成図である。
図3の自動車2に設けられる制御系3は、複数の制御装置が、それぞれに組み込まれる制御ECU(Electronic Control Unit)により代表して示されている。制御装置は、図2のサーバ装置5と同様に、制御ECUの他に、不図示のたとえば制御プログラムおよびデータを記録するメモリ、入出力ポート、時間や時刻を計測するタイマ、およびこれらが接続される内部バス、を有してよい。
図3には、自動車2の制御系3についての複数の制御ECUとして、たとえば、駆動装置の駆動ECU21、操舵装置の操舵ECU22、制動装置の制動ECU23、走行制御ECU24、運転操作ECU25、検出ECU26、AP通信ECU27、V2V通信ECU28、が示されている。自動車2の制御系3は、図示しない他の制御ECUを備えてよい。
複数の制御ECUは、自動車2で採用されるたとえばCAN(Controller Area Network)やLIN(Local Interconnect Network)といった車ネットワーク30に接続される。車ネットワーク30は、複数の制御ECUを接続可能な複数のバスケーブル31と、複数のバスケーブル31が接続される中継装置としてのセントラルゲートウェイ(CGW)32と、で構成されてよい。複数の制御ECUには、互いに異なる識別情報としてのIDが割り当てられる。制御ECUは、基本的に周期的に、他の制御ECUへデータを出力する。データには、出力元の制御ECUのIDと、出力先の制御ECUのIDとが付加される。他の制御ECUは、バスケーブル31を監視し、出力先のIDがたとえば自らのものである場合、データを取得し、データに基づく処理を実行する。セントラルゲートウェイ32は、接続されている複数のバスケーブル31それぞれを監視し、出力元の制御ECUとは異なるバスケーブル31に接続されている制御ECUを検出すると、そのバスケーブル31へデータを出力する。このようなセントラルゲートウェイ32の中継処理により、複数の制御ECUは、それぞれが接続されているバスケーブル31とは異なるバスケーブル31に接続されている他の制御ECUとの間でデータを入出力できる。
運転操作ECU25には、ユーザが自動車2の走行を制御するために操作部材として、たとえばステアリング51、ブレーキペダル52、アクセルペダル53、シフトレバー54、などが接続される。操作部材が操作されると、運転操作ECU25は、操作の有無、操作量などを含むデータを、車ネットワーク30へ出力する。また、運転操作ECU25は、操作部材に対する操作についての処理を実行し、その処理結果をデータに含めてよい。
検出ECU26には、自動車2の走行環境を検出するための自車センサとして、たとえば自動車2の速度を検出する速度センサ61、自動車2の加速度を検出する加速度センサ62、自動車2の外を撮像する車外カメラ63、自動車2の外に存在する物体をレーザ照射により検出するLIDAR64、自動車2の内を撮像する車内カメラ65、自動車2の位置を検出するGNSS受信機66、などが接続される。車外カメラ63は、たとえばステレオカメラ、単眼カメラ、360度カメラ、でよい。GNSS受信機66は、サーバGNSS受信機12と同様の複数のGNSS衛星110からの電波を受信し、自車の現在位置である緯度、経度、高度、および現在時刻を得る。これにより、自動車2の現在時刻は、サーバ装置5のサーバGNSS受信機12による現在時刻と高い精度で一致することが期待できる。検出ECU26は、自車センサから取得する検出情報、検出情報に基づく処理結果などを、車ネットワーク30へ出力してよい。たとえば検出ECU26は、車外カメラ63の撮像画像に含まれる車外の歩行者、信号機、他の自動車、道路形状などについての認識処理を実行し、それらの認識結果を車ネットワーク30へ出力してよい。
なお、検出ECU26には、車内カメラ65以外の、たとえば車内ミリ波センサ、着座センサ、ステアリング51センサといった乗員センサが接続されてよい。
AP通信ECU27は、AP通信装置としてのAP通信デバイスとして、自動車2において基地局9と無線通信回線を確立する。AP通信ECU27は、遠隔制御の際には、基地局9と確立した無線通信回線を用いて、遠隔制御装置4のサーバ装置5との間でデータを送受することを繰り返す。
V2V通信ECU28は、V2V通信装置としてのV2V通信デバイスとして、自動車2において他の自動車との間でV2V通信を実行する。V2V通信ECU28が、基地局9と無線通信回線を確立している他の自動車と通信することにより、V2V通信ECU28は、他の自動車を通じて、遠隔制御のために遠隔制御装置4のサーバ装置5との間でデータを送受することを繰り返すことが可能である。
走行制御ECU24には、タイマ42、メモリ41が接続される。メモリ41は、コンピュータ読取可能な記録媒体であり、走行制御ECU24が実行するプログラム、データなどが記録される。メモリ41には、レーンキープや車間制御といった運転支援のためのデータ、自動運転のための高精度地図データなどが記録されてよい。走行制御ECU24は、メモリ41からプログラムを読み込んで実行する。これにより、走行制御ECU24は、自動車2の走行を制御するための制御部として機能し得る。
自動車2の走行を制御する制御部としての走行制御ECU24は、自車の走行を制御するために、自動車2の制御系3の各部から情報を取得する。
走行制御ECU24は、たとえば運転操作ECU25から乗員の手動操作の情報を取得すると、乗員の手動操作そのままによる自車制御値を生成したり、乗員の手動操作を支援するように微調整した自車制御値を生成したり、する。
走行制御ECU24は、たとえば自動運転の際には、検出ECU26などから情報を取得し、高精度地図データにおける自車位置や他の自動車との衝突の可能性などを判断し、自動運転のための自車制御値を生成する。自動運転は、たとえば、自動車2の横方向の位置を車線の中央付近に維持するためのレーンキープのための操舵などの自車制御値と、自動車2の前後方向の位置を車間距離を確保するため加減速などの自車制御値と、により実現可能である。
そして、走行制御ECU24は、生成したこれらの自車制御値を、車ネットワーク30を通じて、駆動ECU21、操舵ECU22、制動ECU23へ出力する。
これにより、走行制御ECU24は、自車制御値生成部として、自車の乗員操作または自動運転に基づいて自動車2の走行制御に使用する自車制御値を生成できる。
また、自動車2の走行を制御する制御部としての走行制御ECU24は、自車の走行を遠隔制御する際にはAP通信ECU27またはV2V通信ECU28を用いて遠隔制御装置4のサーバ装置5と通信し、サーバ装置5から遠隔制御値を取得してよい。
遠隔制御装置4の遠隔制御値生成装置6は、上述した走行制御ECU24が生成する自車制御値と等価な遠隔制御値を、走行制御ECU24による自動運転のための生成処理と同様の処理により、生成してよい。
走行制御ECU24は、取得したこれらの遠隔制御値を、車ネットワーク30を通じて、駆動ECU21、操舵ECU22、制動ECU23へ出力する。
これにより、走行制御ECU24は、自車走行制御部として、遠隔制御装置4から繰り返しに受信する遠隔制御値による走行制御を実行することができる。
駆動ECU21は、走行コントローラとして、走行制御ECU24より生成または取得された制御値が入力されることにより自動車2のエンジンやモータといった駆動力の動力源の動作を制御して、自動車2の加速を制御値にしたがって制御する。
操舵ECU22は、走行コントローラとして、走行制御ECU24より生成または取得された制御値が入力されることにより自動車2のステアリング51モータといった操舵力の生成部の動作を制御して、自動車2の走行方向を制御値にしたがって制御する。
制動ECU23は、走行コントローラとして、走行制御ECU24より生成または取得された制御値が入力されることにより自動車2のブレーキポンプといった制動力の生成部の動作を制御して、自動車2の減速を制御値にしたがって制御する。
図4は、図1の遠隔制御システム1での基本的な遠隔制御の流れを説明するタイミングチャートである。
図4は、1つの自動車2が、通信網8などを含む通信システム7を通じて遠隔制御装置4と繰返しに通信する例である。図において、時間は上から下へ流れる。
図4では、まず、自動車2が、ステップST2において自車の情報を取得して、ステップST3において車両情報を、通信システム7を通じて遠隔制御装置4へ送信する。自動車2は、少なくとも、自車に設けられる車外センサの撮像画像を含む自車センサの検出情報、自車の位置および時刻を、遠隔制御装置4へ送信するとよい。
遠隔制御装置4は、自動車2からのこの上りデータを受信した後、ステップST33において自動車2についての最新の車両情報を取得し、ステップST33およびステップST34において各自動車2から受信する車両情報を用いて遠隔制御値を生成して取得し、ステップST38において取得した遠隔制御値を、通信システム7を通じて自動車2へ送信する。
自動車2は、遠隔制御装置4からの下りデータを受信した後、ステップST5において遠隔制御値による走行制御を実行する。自動車2は、遠隔制御装置4から、自車で生成する自車制御値と同様に走行コントローラへ入力可能な遠隔制御値を取得して、走行制御を実行する。
自動車2と遠隔制御装置4とは、上述した一連の処理を繰り返す。これにより、自動車2は、遠隔制御装置4から繰り返し送信される複数の遠隔制御値を受信して、遠隔制御値による走行制御を継続して実行することができる。自動車2は、遠隔制御装置4から送信される複数の遠隔制御値の受信周期に対応する走行制御周期により自動車2の走行制御を実行して、遠隔制御による走行を実現することができる。
ところで、このような遠隔制御では、遠隔制御される自動車2の走行の安全性や確からしさは、遠隔制御装置4が送信した遠隔制御値が、適切な周期またはタイミングで自動車2に受信されることが大切である。遠隔制御には通信が必須である。そして、自動車2の走行制御では、走行環境によっては、好ましくは100ミリ秒ごとの周期、少なくとも200ミリ秒程度の走行制御周期で制御を実行しないと、遠隔制御によるたとえばレーンキープ制御や車間確保制御が、十分に確からしいものとはならないと予想される可能性がある。すなわち、遠隔制御される各自動車2は、遠隔制御値を継続的に受信し続け得たとしても、自車の走行制御に必要な遠隔制御値を適切なタイミングで受信することができない場合には、自車の走行を実際の走行環境に合わせて適切に制御できなくなる可能性がある。たとえば、先行車101が急ブレーキにより減速する場合、自車がカーブへ進入する場合には、遠隔制御値の受信の遅れは、自車の走行制御の質に影響を与えてしまう可能性がある。
その一方で、遠隔制御装置4において複数のすべての自動車2について常に100ミリ秒の送信周期または受信周期を実現するようにすることは、処理負荷の観点などから実現性が高いとは言えない。特に、通信網8の一部に携帯端末などのためのキャリア通信網の通信網8を使用する場合、他の目的のための通信などにより、通信網8が第五世代のものであっても、通信の遅れが生じえる。また、このような通信の遅れは、通信環境やサーバ装置の処理負荷に応じて動的に変動し易い。
このように自動車2の走行の遠隔制御システム1では、自車の走行を適切に遠隔制御できなくなる可能性を減らすことが求められる。
なお、自動車2は、ステップST3において車両情報を上りデータとして遠隔制御装置4へ送信してから、遠隔制御装置4から下りデータを受信するまでの遠隔制御装置4の応答周期では、遠隔制御装置4からの下りデータの受信待ち状態となる。走行環境に応じて応答周期を短くすることができれば、走行制御周期も短くすることができる。
また、図4に示すように、遠隔制御でのステップST5の走行制御の実行タイミングは、基本的に、後述する自車制御値によるステップST12の走行制御の実行タイミングと比べて、遅れている。
また、上りデータの受信周期が遅れたり、下りデータの送信周期が遅れたりすると、自動車でのステップST5の実行タイミングも遅れることになる。
また、
図5は、図1の自動車2の制御系3による自車走行制御のフローチャートである。
図5の自車走行制御は、ステップST2からST5の遠隔制御の処理と、ステップST7からST12の自車制御の処理と、を切り替えて自車の走行を制御するものである。
自動車2の制御系3のたとえば走行制御ECU24は、自車の走行を制御するために図5の自車走行制御を繰り返し実行する。
なお、自動車2の制御系3の走行制御ECU24以外の制御ECU、たとえば図3において破線で示す遠隔制御ECU29が、図5の自車走行制御の一部の処理(たとえば図5のステップST2からST6の処理)を繰り返し実行してもよい。以下の各フローチャートの制御も同様である。
ステップST1において、自動車2の制御系3の走行制御ECU24は、自車の走行制御として、遠隔制御を選択するか否かを判断する。走行制御ECU24は、たとえば自車の乗員の操作などに基づいて、遠隔制御を選択するか否かを判断してよい。遠隔制御を選択する場合、走行制御ECU24は、処理をステップST2へ進める。遠隔制御を選択しない場合、走行制御ECU24は、処理をステップST7へ進める。
ステップST2から、走行制御ECU24は、遠隔制御を開始する。走行制御ECU24は、自車において検出している自車の車両情報を取得する。車両情報には、少なくとも、自車に設けられる車外センサの撮像画像を含む自車センサの検出情報、GNSS受信機66による自車の位置および時刻、速度、加速度、操舵角、などが含まれるとよい。
ステップST3において、走行制御ECU24は、ステップST2で取得した自車の車両情報を、遠隔制御装置4へ送信する。走行制御ECU24は、AP通信ECU27が確立している通信路、またはV2V通信ECU28が確立している通信路を用いて、自車の車両情報を、遠隔制御装置4へ送信する。自動車2から送信された自車の車両情報は、たとえば基地局9、キャリア通信網、インターネットを通じて、遠隔制御装置4のサーバ装置5のサーバ通信デバイス11により受信される。遠隔制御装置4は、各自動車2から受信した車両情報を用いて、その自動車2の遠隔制御値を生成し、送信元の自動車2へ送信する。
ステップST4において、走行制御ECU24は、遠隔制御装置4からの遠隔制御値の受信を待つ。走行制御ECU24は、遠隔制御装置4から遠隔制御値を受信するまで、本処理を繰り返す。AP通信ECU27またはV2V通信ECU28が、遠隔制御装置4から自車へ送信された遠隔制御値の下りデータを受信すると、走行制御ECU24は、処理をステップST5へ進める。
ステップST5において、走行制御ECU24は、受信により遠隔制御装置4から取得した遠隔制御値による走行制御を実行する。走行制御ECU24は、遠隔制御値を、駆動ECU21、操舵ECU22、および制動ECU23へ出力する。駆動ECU21、操舵ECU22、および制動ECU23は、入力される遠隔制御値により、各々の走行制御を実行する。これにより、自動車2の走行は、遠隔制御装置4にて生成された遠隔制御値により制御される。
ステップST6において、走行制御ECU24は、走行制御を終了するか否かを判断する。たとえば乗員が不図示のイグニションスイッチを操作した場合、走行制御を終了すると判断し、本制御を終了する。走行制御を終了しない場合、走行制御ECU24は、処理をステップST1へ戻す。走行制御ECU24は、ステップST6において走行制御を終了すると判断するまで、たとえば上述した遠隔走行制御を繰り返し実行する。これにより、自動車2の走行は、遠隔制御装置4にて繰り返しに生成される複数の遠隔制御値により制御され続ける。
ステップST7は、ステップST1において走行制御ECU24が遠隔制御ではないと判断した場合に開始される自車制御の処理である。走行制御ECU24は、自車において検出している自車の車両情報を取得する。ステップST7で取得する自車の車両情報は、ステップST2で取得する自車の車両情報と同じでよい。
ステップST8において、走行制御ECU24は、ステップST7で取得した自車の車両情報を、遠隔制御装置4へ送信する。走行制御ECU24は、AP通信ECU27が確立している通信路、またはV2V通信ECU28が確立している通信路を用いて、自車の車両情報を、遠隔制御装置4へ送信する。自動車2から送信された自車の車両情報は、たとえば基地局9、キャリア通信網、インターネットを通じて、遠隔制御装置4のサーバ装置5のサーバ通信デバイス11により受信される。遠隔制御装置4は、高精度地図データによる仮想空間に複数の自動車2の位置をマッピングし、マッピングに基づいて各自動車2が走行可能な範囲、走行可能な方向などを生成する。遠隔制御装置4は、生成した走行可能な範囲や方向による走行制御情報を、送信元の自動車2へ送信する。遠隔制御装置4は、速度の制限情報や走行可能な車線や進路などを併せて生成して、送信元の自動車2へ送信してもよい。
ステップST9において、走行制御ECU24は、AP通信ECU27またはV2V通信ECU28が、遠隔制御装置4から新たな走行制御情報を受信しているか否かを判断する。新たな走行制御情報を受信している場合、走行制御ECU24は、処理をステップST10へ進める。新たな走行制御情報を受信していない場合、走行制御ECU24は、処理をステップST11へ進める。
ステップST10において、走行制御ECU24は、新たな走行制御情報を取得する。
ステップST11において、走行制御ECU24は、ステップST7において自車の各部から取得した車両情報に基づいて、自車において自律的に自車制御値を生成する。ステップST10において新たな走行制御情報を取得している場合、走行制御ECU24は、その範囲内で走行する自車制御値を生成してよい。
ステップST12において、走行制御ECU24は、自車で生成した自車制御値による走行制御を実行する。走行制御ECU24は、自車制御値を、駆動ECU21、操舵ECU22、および制動ECU23へ出力する。駆動ECU21、操舵ECU22、および制動ECU23は、入力される自車制御値により、各々の走行制御を実行する。これにより、自動車2の走行は、自車において自律的に制御される。その後、走行制御ECU24は、処理をステップST6へ進める。走行制御ECU24は、ステップST6において走行制御を終了すると判断するまで、たとえば上述した自車の自律的な走行制御を繰り返し実行する。これにより、自動車2の走行は、自車において自律的に繰り返しに生成される複数の遠隔制御値により制御され続ける。
図6は、図1の遠隔制御装置4のサーバ装置5による受信制御のフローチャートである。
遠隔制御装置4のサーバ装置5のサーバCPU15は、図6の受信制御を繰返し実行する。
ステップST21において、遠隔制御装置4のサーバ装置5のサーバCPU15は、自動車2から新たな車両情報を受信したか否かを判断する。自動車2から新たな車両情報を受信していない場合、サーバCPU15は、本処理を繰り返す。サーバ通信デバイス11が新たな車両情報を受信すると、サーバCPU15は、処理をステップST22へ進める。
ステップST22において、サーバCPU15は、受信した自動車2の車両情報を、サーバメモリ14の未処理リスト70に登録する。
その後、サーバCPU15は、処理をステップST21へ戻し、ステップST21からステップST22までの処理を繰り返す。これにより、サーバ装置5は、1つの自動車2から新たな車両情報を受信したり、それとは別の他の自動車から車両情報を受信したりすると、それら新たな車両情報を、サーバメモリ14の未処理リスト70に追加または更新して一時記録できる。
図7は、図6の受信制御などにより、図1の遠隔制御装置4のサーバ装置5のサーバメモリ14に記録可能な未処理リスト70の説明図である。
図7の未処理リスト70は、遠隔制御装置4が車両情報を受信したことがある自動車2ごとの複数のレコードを有する。
図7において上から1番目のレコード71には、識別情報(ID)001の自動車2についてのものであり、その自動車2から車両情報を受信した複数の時刻と、その自動車2の最新の車両情報と、が記録されている。
上から2番目のレコード72には、識別情報002の自動車2についてのものであり、その自動車2から車両情報を受信した複数の時刻と、その自動車2の最新の車両情報と、が記録されている。
上から3番目のレコード73には、識別情報003の自動車2についてのものであり、その自動車2から車両情報を受信した複数の時刻と、その自動車2の最新の車両情報と、が記録されている。
図7の未処理リスト70では、複数の時刻として、最新の受信時刻と、その1つ前の前回の受信時刻と、が記録されている。最新の受信時刻から、前回の受信時刻を減算すると、その自動車2についての受信周期を得ることができる。受信周期は、図4に示すように、送信周期、生成周期、ひいては自動車2での走行制御周期に基本的に良好に対応し得るものである。
そして、図7の未処理リスト70において、複数のレコード73は、受信した順番で記録されている。
また、1番目のレコード71では、自動車2からの車両情報が最新のものを含めて処理済みであるため、未処理の車両情報が記録されていない。
図8は、図1の遠隔制御装置4のサーバ装置5による遠隔制御のフローチャートである。
遠隔制御装置4のサーバ装置5のサーバCPU15は、図8の遠隔制御を繰り返す。
ステップST31において、遠隔制御装置4のサーバ装置5のサーバCPU15は、サーバメモリ14に記録されている未処理リスト70に、未処理の受信した車両情報があるか否を判断する。未処理の車両情報がない場合、サーバCPU15は、本処理を繰り返す。未処理の車両情報がある場合、それを処理するためにサーバCPU15は、処理をステップST32へ進める。
ステップST32において、サーバCPU15は、未処理リスト70において最も期限が迫っている直近期限の自動車2の車両情報を選択する。
ステップST33において、サーバCPU15は、ステップST32において選択した自動車2の車両情報を、取得する。
ステップST34において、サーバCPU15は、通信環境に応じた遠隔制御値の生成条件を、遠隔制御値生成装置6に設定する。
遠隔制御値生成装置6は、設定された車両情報を用いて遠隔制御値を生成する。ここで、遠隔制御値生成装置6は、各自動車2から遠隔制御装置4が受信する検出情報を含む車両情報の通信の遅れの大きさに応じて異なる処理により遠隔制御値を生成してよい。
遠隔制御値生成装置6は、車両情報を送信した自動車2の走行制御ECU24と同等の処理により、その送信元の自動車2においてそのまま使用可能な遠隔制御値として、たとえばレーンキープ制御のための操舵の遠隔制御値や、車間制御のための加減速の遠隔制御値を、生成する。遠隔制御値生成装置6は、生成した遠隔制御値を、サーバ装置5へ出力する。
ステップST35において、サーバCPU15は、遠隔制御値生成装置6から、遠隔制御値生成装置6により生成された遠隔制御値を取得する。
ステップST36において、サーバCPU15は、上述した処理により生成した遠隔制御値を、処理に係る送信元の自動車2へ送信する。送信元の自動車2の制御系3は、図5のステップST3で車両情報を送信した後、ステップST4において遠隔制御値の受信待ち状態にある。送信元の自動車2の制御系3は、ステップST5においてサーバ装置5から受信した遠隔制御値を用いて、遠隔による走行制御を実行する。
その後、サーバCPU15は、処理をステップST31へ戻す。このように遠隔制御装置4のサーバ装置5のサーバCPU15は、図8の遠隔制御を繰り返すことにより、複数の自動車2の各々について、最新の走行環境に応じた遠隔制御値を繰り返し生成して送信し続けることができる。サーバCPU15は、たとえば、レーンキープ制御のための操舵量の遠隔制御値や、車間制御または車速制御のための加減速量の遠隔制御値を、生成し続けることができる。
サーバCPU15は、たとえば図7の状態の未処理リスト70であれば、上から1番目のレコード71には未処理の車両情報が含まれないため、上から2番目のレコード72と3番目のレコード73とについて、図8の制御を順番に実行する。
また、サーバCPU15は、上から2番目のレコード72と3番目のレコード73とを、受信した順番で処理してよい。
図9は、図1の遠隔制御装置4のサーバ装置5による、通信環境に応じた操舵量の遠隔制御値の生成制御のフローチャートである。
遠隔制御装置4のサーバ装置5のサーバCPU15は、図8の遠隔制御のステップST34、ステップST35において、図9の生成制御を実行してよい。
そして、サーバCPU15は、図9の生成制御により、基本的に、検出情報を含む車両情報の通信の遅れが大きくなるほど遠くなる道路上の操舵の制御目標点へ向かうための操舵の遠隔制御値、を生成する。
ステップST41において、遠隔制御装置4のサーバ装置5のサーバCPU15は、図7の未処理リスト70において、選択している自動車2のレコードの複数の受信時刻から、通信の現周期を演算する。サーバCPU15は、たとえば、最新の受信時刻から、前回の受信時刻を減算して、その自動車2についての受信についての現周期を得ることができる。受信についての現周期は、図4に示す送信周期、生成周期、自動車2の走行制御周期などと、良好に対応し得る。また、これらの周期には、通信の遅れが含まれている。
ステップST42において、サーバCPU15は、検出情報を含む車両情報の受信に基づく通信の現周期が、遠隔制御装置4が遠隔制御値を繰り返しに生成する生成周期に対応する基準走行制御周期以下であるか否かを判断する。基準走行制御周期とは、自動車2が繰り返しに取得する遠隔制御値により良好に走行を制御し得る最長の走行制御周期でよい。基準走行制御周期は、自動車2ごとに一定の周期であってもよいが、走行環境などに応じて変更されてもよい。基準走行制御周期が数百ミリ秒以内であれば、自動車2は基本的に良好に走行を制御し得ると考えられる。
そして、通信の現周期が基準走行制御周期以下である場合、サーバCPU15は、処理をステップST43へ進める。
通信の現周期が基準走行制御周期以下でない場合、サーバCPU15は、処理をステップST45へ進める。
ステップST43において、サーバCPU15は、操舵などについての走行制御目標時間での標準的な制御目標点、曲率目標点などを、遠隔制御値生成装置6に出力して設定する。この場合、遠隔制御値生成装置6は、設定に基づいて、走行制御目標時間にて操舵の制御目標点へ向かうための操舵量(舵角)の遠隔制御値を生成する。
ステップST44において、サーバCPU15は、遠隔制御値生成装置6にて生成された操舵量の遠隔制御値を、遠隔制御値生成装置6から取得する。
このように通信の現周期が基準走行制御周期以下である場合、サーバCPU15は、基準走行制御周期の時間での標準的な制御目標点へ向かうための操舵量の遠隔制御値を、遠隔制御値生成装置6を用いて生成することができる。
その後、サーバCPU15は、図8の遠隔制御へ処理を戻す。
ステップST45は、通信の現周期が基準走行制御周期以下でない場合に実行される処理である。サーバCPU15は、選択した自動車2の現車速が、遠隔制御値生成装置6が対応可能な車速以下であるか否かを判断する。サーバCPU15は、基本的に、遠隔制御値生成装置6がその車速の下で遠隔制御値を生成することができるか否かに基づいて、選択した自動車2の現車速が、遠隔制御値生成装置6が対応可能な車速以下であるか否かを判断してよい。
そして、現車速が対応可能な車速以下である場合、サーバCPU15は、処理をステップST46へ進める。
現車速が対応可能な車速以下でない場合、サーバCPU15は、処理をステップST47へ進める。
ステップST46において、サーバCPU15は、車両情報の通信の現周期と基準走行制御周期との周期時間差の大きさに応じて遠くなる操舵の制御目標点と曲率目標点とを生成して、遠隔制御値生成装置6に設定する。この場合、遠隔制御値生成装置6は、設定に基づいて、遠隔制御値生成装置6が対応可能な車速にて、周期時間差の大きさに応じて遠くなる操舵の制御目標点へ向かうための操舵量の遠隔制御値を生成する。
その後、サーバCPU15は、処理をステップST44へ進めて、遠隔制御値生成装置6にて生成された操舵量の遠隔制御値を、遠隔制御値生成装置6から取得する。
このように通信の現周期が基準走行制御周期以下でなく、かつ、現車速が対応可能な車速以下である場合、サーバCPU15は、周期時間差の大きさに応じて遠くなる操舵の制御目標点へ向かうための操舵量の遠隔制御値を、遠隔制御値生成装置6を用いて生成することができる。
その後、サーバCPU15は、図8の遠隔制御へ処理を戻す。
ステップST47において、サーバCPU15は、選択した自動車2の現車速が対応可能な車速ではないため、選択した自動車2の車速を、遠隔制御値生成装置6が対応可能な制限車速以下の速度へ変更する。制限車速は、基本的に、車両情報の通信の周期が長くなって増加するほど、低くなる。
その後、サーバCPU15は、処理をステップST46へ進めて、車両情報の通信の現周期と基準走行制御周期との周期時間差の大きさに応じて遠くなる操舵の制御目標点と曲率目標点とを遠隔制御値生成装置6に設定する。この場合、遠隔制御値生成装置6は、設定に基づいて、制限車速以下の速度にて、周期時間差の大きさに応じて遠くなる操舵の制御目標点へ向かうための操舵量の遠隔制御値を生成する。
さらに、サーバCPU15は、処理をステップST44へ進めて、遠隔制御値生成装置6にて生成された操舵量の遠隔制御値を、遠隔制御値生成装置6から取得する。
このように通信の現周期が基準走行制御周期以下でなく、かつ、現車速が対応可能な車速以下でない場合、サーバCPU15は、対応可能な制限車速以下の速度にて、周期時間差の大きさに応じて遠くなる操舵の制御目標点へ向かうための操舵量の遠隔制御値を、遠隔制御値生成装置6を用いて生成することができる。
その後、サーバCPU15は、処理を図8の遠隔制御へ戻してよい。
図10は、自動車2と遠隔制御装置4との通信の遅れと、それに応じた通信の周期との関係性の説明図である。
図10の横軸は、通信の遅れである。縦軸は、通信の周期である。通信の周期は走行制御周期と良好に対応するものである。
図10に斜めの実線で示すように、通信の周期は、通信の遅れが大きくなるほど、通信の遅れに比例するように増加する。
図10の横方向の破線は、標準的な走行制御目標時間である。標準的な走行制御目標時間は、たとえば基準制御周期の数倍から数十倍としてよい。また、標準的な走行制御目標時間は、基準制御周期と一致させてよい。図10に示す標準的な走行制御目標時間は、基準制御周期と一致していると考えてよい。
そして、通信の周期が標準的な走行制御目標時間以下となる通信の遅れ範囲では、標準的な走行制御目標時間の時間での標準的な操舵の制御目標点と、曲率目標点とを用いてよい。
これに対し、通信の周期が標準的な走行制御目標時間より長くなる通信の遅れ範囲では、通信の周期と基準制御周期との時間差の大きさに応じて遠くなる操舵の制御目標点と、曲率目標点とを用いるとよい。
図11は、通信の周期の増加量に対応する遅延量と、対応可能な車速との関係性の説明図である。
図11の横軸は、車速である。縦軸は、増加量に対応する遅延量である。
図11に右下がりの破線は、対応可能な車速と、対応不可能な車速との境界線である。境界線より下側の車速には、対応可能である。このように境界線は、制限車速を示すことになる。
そして、図11に示すように、増加量に対応する遅延量が大きくなると、標準的な走行制御目標時間の時間の多くが通信に占められてしまうことになり、対応可能な車速は小さくなる。
サーバCPU15は、図11の制限車速の境界線以下の任意の速度を、ステップST47において選択してよい。ただし、減速度からの減速量を抑えるためには、境界線上の制限車速そのものを選択するとよい。
このようにサーバCPU15は、車両情報の通信の周期の増加量と、増加量ごとに遠隔制御値生成装置6が対応可能な車速との関係に基づいて、増加量が大きくなるほど小さくなる制限車速を取得してよい。
図12は、操舵量の遠隔制御値を得るための設定例の説明図である。
図12には、3つのケースが示されている。
ケース1は、現周期が標準的な走行制御目標時間以下である場合の設定例である。ここでは、自動車2は、直線状の道路100を車線に沿って走行している。
この場合、サーバCPU15は、自動車2の現在位置から、標準的な走行制御目標時間での移動距離となる道路100上に、操舵の制御目標点を設定する。操舵の制御目標点は、高精度地図データなどを用いて、道路100において自動車2が走行している車線の中央に設定する。
遠隔制御値生成装置6は、このような設定に基づいて、自動車2の操舵量の遠隔制御値を生成する。遠隔制御値生成装置6は、自動車2の現在位置から、制御偏差を抑制するように微小な操舵をして、制御目標点へ向かう操舵量の遠隔制御値を生成することができる。これにより、自動車2は、遠隔のレーンキープ制御により、道路100の車線中央に沿って走行することが可能となる。
ケース2は、現周期が標準的な走行制御目標時間以下である場合の設定例である。ここでは、自動車2は、道路100の直線部分からコーナへ進入するように走行している。
この場合、サーバCPU15は、自動車2の現在位置から、標準的な走行制御目標時間での移動距離となる道路100上に、操舵の制御目標点を設定する。操舵の制御目標点は、高精度地図データなどを用いて、道路100においてコーナの入口付近において、自動車2が走行している車線の中央に設定する。この場合、移動距離は、曲がっている車線中央での距離とすればよい。
また、サーバCPU15は、自動車2の現在位置と、操舵の制御目標点との間の車線の中央に、曲率目標点を設定する。曲率目標点は、たとえば操舵の制御目標点において遠隔制御値の操舵量で走行できるようにするための中間目標点とすればよい。自動車2は、たとえば曲率目標点から遠隔制御値の操舵量で走行を開始することで、制御目標点において遠隔制御値の操舵量で走行することが可能となる。
遠隔制御値生成装置6は、このような設定に基づいて、自動車2の操舵量の遠隔制御値を生成する。遠隔制御値生成装置6は、自動車2の現在位置から、曲率目標点を通過して、比較的大きな操舵により制御目標点へ向かう操舵量の遠隔制御値を生成することができる。これにより、自動車2は、遠隔のレーンキープ制御により、道路100の直線部分からコーナへ進入する走行において、道路100の車線中央に沿って走行することが可能となる。
ケース3は、現周期が標準的な走行制御目標時間より長い場合の設定例である。ここでは、自動車2は、ケース2と同様に、道路100の直線部分からコーナへ進入するように走行している。
この場合、サーバCPU15は、自動車2の現在位置を基準として、検出情報を含む車両情報の通信の遅れが大きくなるほど遠くなる操舵の制御目標点を、操舵の制御目標点を設定する。操舵の制御目標点は、高精度地図データなどを用いて、道路100においてコーナの入口付近において、自動車2が走行している車線の中央に設定する。この場合の操舵の制御目標点は、ケース2と比べて、自動車2の現在位置から離れている。制御偏差も大きくなる。
また、サーバCPU15は、自動車2の現在位置と、操舵の制御目標点との間の車線の中央に、曲率目標点を設定する。曲率目標点は、たとえば操舵の制御目標点において遠隔制御値の操舵量で走行できるようにするための中間目標点とすればよい。自動車2は、たとえば曲率目標点から遠隔制御値の操舵量で走行を開始することで、制御目標点において遠隔制御値の操舵量で走行することが可能となる。この場合の曲率目標点は、制御目標点と同様に、検出情報を含む車両情報の通信の遅れが大きくなるほど遠くなるように設定されればよく、ケース2と比べて自動車2の現在位置から離れていればよい。
遠隔制御値生成装置6は、このような設定に基づいて、自動車2の操舵量の遠隔制御値を生成する。遠隔制御値生成装置6は、自動車2の現在位置から、曲率目標点を通過して、比較的大きな操舵により制御目標点へ向かう操舵量の遠隔制御値を生成することができる。これにより、自動車2は、現周期が標準的な走行制御目標時間より長い場合であっても、遠隔のレーンキープ制御により、道路100の直線部分からコーナへ進入する走行において、道路100の車線中央に沿って走行することが可能となる。
なお、サーバCPU15は、上述した操舵の制御目標点、曲率目標点の他にも、制御上の速度(現車速または制限車速)、高精度地図データによる道路形状、などの情報を、遠隔制御値生成装置6に対して設定してよい。
図13は、図1の遠隔制御装置4のサーバ装置5による、通信環境に応じた加減速の遠隔制御値の生成制御のフローチャートである。
遠隔制御装置4のサーバ装置5のサーバCPU15は、図8の遠隔制御のステップST34、ステップST35において、図9の操舵量の生成制御の後に、図13の加減速の生成制御を実行してよい。
そして、サーバCPU15は、図13の生成制御により、基本的に、検出情報を含む車両情報の通信の遅れが大きくなるほど遠くなる通信の周期の時間における車間距離を確保可能な加減速の遠隔制御値を、生成する。
ステップST51において、遠隔制御装置4のサーバ装置5のサーバCPU15は、操舵のために速度が制限車速へ変更されたか否かを判断する。図9の操舵量の生成制御では、ステップST47において速度を変更する。ステップST47の処理を実行している場合、サーバCPU15は、操舵のために速度が制限車速へ変更されたと判断し、処理をステップST52へ進める。操舵のために速度が制限車速へ変更されていない場合、サーバCPU15は、ステップST52の処理を飛ばして、処理をステップST53へ進める。
ステップST52において、サーバCPU15は、現車速から制限車速へ加減速するための加減速量を演算する。
ステップST53において、サーバCPU15は、事前に設定された加減速のための車速制御目標時間での先行車101との車間距離を演算する。ここで、車速制御目標時間は、走行制御目標時間の1つである。車速制御目標時間は、上述した操舵のための標準的な走行制御目標時間と一致するものでもよいが、異なるものでもよい。たとえばレーンキープ制御と車間制御とが互いに独立した制御として実装されている場合、操舵の走行制御目標時間と加減速の走行制御目標時間とは、互いに異なるものでよい。
ステップST54において、サーバCPU15は、車速制御目標時間での制御目標点での先行車101との車間距離が、現車速または制限車速での速度に適した車間距離以上であるか否かを判断する。この判断で使用する、速度に適した車間距離は、たとえば単に車速に応じた車間距離とするのではなく、それに対して実周期で生じ得る制御遅れによる予見時間と相対速度(先行車101との速度差)とに応じた走行距離を加算したものとするとよい。ここでの実周期で生じ得る制御遅れによる予見時間は、現車速または制限車速での速度で走行して、操舵の遠隔制御値のために設定した操舵の制御目標点へ到達するまでの時間としてよい。また、その他の要因で得られる時間を含んでよい。
そして、演算した操舵の制御目標点での先行車101との車間距離が、速度に適した車間距離以上でない場合、サーバCPU15は、処理をステップST55へ進める。
演算した操舵の制御目標点での先行車101との車間距離が、速度に適した車間距離以上である場合、サーバCPU15は、ステップST55の処理を飛ばして、処理をステップST56へ進める。
ステップST55において、サーバCPU15は、車速制御目標時間での制御目標点での先行車101との車間距離を確保可能な速度を取得し、取得した速度へ加減速するための加減速量を再演算する。
ステップST56において、サーバCPU15は、ステップST55またはステップST52で最終的に生成した加減速量の制御指示値を生成する。
ここで、サーバCPU15は、たとえばステップST55にて生成した加減速量と、ステップST52で生成した加減速量の制御指示値とが共に減速のための加減速量である場合、加減速量の大きさが大きい方を選択するようにしてもよい。
その後、サーバCPU15は、処理を図8の遠隔制御へ戻してよい。
このようにサーバCPU15が、図9の操舵量の生成制御と、図13の加減速の生成制御とを実行することにより、遠隔制御装置4は、遠隔レーンキープ制御のための操舵量の遠隔制御値と、遠隔車間制御のための加減速の遠隔制御値とを生成して取得することができる。
以上のように、本実施形態では、複数の自動車2の各々において検出される検出情報を含む車両情報を受信する遠隔制御装置4において、通信により取得する各自動車2の検出情報に基づいて、各自動車2の走行制御に使用することができる遠隔制御値を自動車2ごとに繰り返しに生成する遠隔制御値生成装置6は、各自動車2から遠隔制御装置4が受信する検出情報を含む車両情報の通信の遅れの大小に応じて異なる処理により遠隔制御値を生成する。
これにより、遠隔制御装置4から繰り返しに受信する遠隔制御値により走行制御を実行する自車走行制御部としての走行制御ECU24は、遠隔制御装置4との通信に遅れが生じたとしても、それ応じて異なる処理により生成された遠隔制御値を取得して、通信の遅れの影響を抑制することが可能な走行制御を実行できる。
その結果、自動車2の走行の遠隔制御システム1において走行が制御されている自動車2は、遠隔制御において自車の走行を適切に制御できなくなる可能性を減らすことができる。
[第二実施形態]
次に、本発明の第二実施形態に係る自動車2の走行の遠隔制御システム1を説明する。本実施形態の遠隔制御システム1では、遠隔制御装置4のサーバ装置5が、各自動車2に対して遠隔制御下での走行制御の周期についての切替えを要求するものである。以下では、主に、上述した実施形態との相違点について説明する。
図14は、本発明の第二実施形態において、自動車2の走行の遠隔制御システム1の遠隔制御装置4のサーバ装置5による走行制御周期の切替要求制御のフローチャートである。
遠隔制御装置4のサーバ装置5のサーバCPU15は、図14の走行制御周期の切替要求制御を、繰返し実行する。
ステップST91において、サーバCPU15は、図8のステップST34における通信環境に応じた遠隔制御値の生成条件において、操舵の制御目標点の位置が、標準的な走行制御目標時間に対応している標準的な位置ではなく、それよりも遠くの位置にしているか否かを判断する。サーバCPU15は、たとえば図9のステップST46では、通信の遅れを含む通信の現周期についての標準的な走行制御目標時間との周期時間差の大きさに応じて遠くした位置に、操舵の制御目標点と曲率目標点とを設定する。
そして、操舵の制御目標点を標準的な位置より遠くにしている場合、サーバCPU15は、処理をステップST92へ進める。
操舵の制御目標点を標準的な位置より遠くにしていない場合、すなわち標準的な位置にしている場合、サーバCPU15は、本制御を終了する。
ステップST92において、サーバCPU15は、遠くした操舵の制御目標点への到達時間を演算する。図12のケース3は、操舵の制御目標点を遠くした例である。サーバCPU15は、たとえばこのケース3において、走行する自動車2が操舵の制御目標点まで走行するためにかかる時間を、到達時間として演算してよい。演算に使用する自動車2の速度には、たとえば現速度を用いてよい。
ステップST93において、サーバCPU15は、ステップST92において演算した到達時間を、自動車2へ送信して要求する走行制御周期とする。
なお、サーバCPU15は、ステップST92において演算した到達時間に対してマージンを加えたものを、要求する走行制御周期としてもよい。
ステップST94において、サーバCPU15は、生成した走行制御周期への変更要求を自動車2へ送信する。その後、サーバCPU15は、本制御を終了する。
このように、遠隔制御装置4のサーバ装置5は、検出情報を含む車両情報の通信の周期が、生成周期に対応する標準的な走行制御目標時間より長くなって、遠隔制御値生成装置6に設定する操舵の制御目標点を、周期の時間差の大きさに応じて遠くなるようにした場合には、遠くした操舵の制御目標点に対応する周期での走行制御を、各自動車2へ要求する。
図15は、自動車2の制御系3による走行制御周期の切替制御のフローチャートである。
自動車2の制御系3の走行制御ECU24は、図15の走行制御周期の切替制御を、繰返し実行する。
ステップST101において、走行制御ECU24は、遠隔制御装置4のサーバ装置5から、走行制御周期への変更要求を受信しているか否かを判断する。
走行制御周期への変更要求を受信していない場合、走行制御ECU24は、処理をステップST102へ進める。
走行制御周期への変更要求を受信している場合、走行制御ECU24は、処理をステップST103へ進める。
ステップST102において、走行制御ECU24は、通常通りに、標準的な走行制御目標時間での走行制御を開始する。走行制御ECU24は、標準的な走行制御目標時間ごとに、車両情報を取得して遠隔制御装置4のサーバ装置5へ送信し、サーバ装置5から受信した遠隔制御値により自車の走行を制御する、ことを繰り返す。その後、走行制御ECU24は、本制御を終了する。
ステップST103において、走行制御ECU24は、遠隔制御装置4のサーバ装置5から受信している走行制御周期への変更要求を取得する。
ステップST104において、走行制御ECU24は、遠隔制御装置4のサーバ装置5から要求された走行制御周期での走行制御を開始する。走行制御ECU24は、サーバ装置5から要求された走行制御周期ごとに、車両情報を取得して遠隔制御装置4のサーバ装置5へ送信し、サーバ装置5から受信した遠隔制御値により自車の走行を制御する、ことを繰り返す。その後、走行制御ECU24は、本制御を終了する。
このように本実施形態の遠隔制御装置4のサーバ装置5は、通信の遅れがある場合には、各自動車2に対して、通信の遅れに対応するように遠くにした操舵の制御目標点と対応するように、標準的な走行制御目標時間を通信の遅れ分以上で延長した周期での走行制御を要求する。
また、自動車2は、遠隔制御装置4のサーバ装置5から要求された周期で走行制御を実行するとしても、標準的な走行制御目標時間で走行制御をしている場合と同様に、遠隔制御装置4から繰返しに受信する遠隔制御値により、走行制御を繰り返すことができる。
しかも、遠隔制御装置4と自動車2とは、それらが標準的な走行制御目標時間で動作している場合と同様に、良好に対応するように延長された周期にて同期的に遠隔制御値の生成と遠隔制御値による走行制御を実行することができる。
[第三実施形態]
次に、本発明の第三実施形態に係る自動車2の走行の遠隔制御システム1を説明する。本実施形態の遠隔制御システム1は、自動車2に対して、遠隔制御に用いる遠隔制御値と、自車制御のために使用可能な走行制御情報とを切り替えて提供可能なものである。以下では、主に、上述した実施形態との相違点について説明する。
図16は、本発明の第三実施形態において、自動車2の走行の遠隔制御システム1の遠隔制御装置4のサーバ装置5による生成の切替制御のフローチャートである。
遠隔制御装置4のサーバ装置5のサーバCPU15は、複数の自動車2の各々に対して遠隔制御値または走行制御情報を提供するために、図16の切替制御を継続的に実行する。
ステップST61において、サーバCPU15は、たとえばサーバメモリ14に記録されている未処理リスト70から未処理の車両情報を取得する。ここで、サーバCPU15は、ステップST32と同様に、未処理リスト70において最も期限が迫っている直近期限の自動車2の車両情報を選択してよい。
ステップST62において、サーバCPU15は、まず、車両情報を取得した自動車2が、走行の不能状態にあるか否かを判断する。
自動車2では、たとえば自車制御値生成部としての走行制御ECU24に不具合が生じると、自車において高負荷な処理と考えられる自動運転のための制御値を適切な周期で生成することが難しくなる可能性がある。
また、手動運転中の自動車2であっても、ドライバなどの乗員に不具合が発生すると、走行制御ECU24が、手動操作に基づいて自車制御値を生成することが難しくなる可能性がある。
走行制御ECU24は、これらの走行不能状態が生じると、それを車両情報に含めて、遠隔制御装置4のサーバ装置5へ送信してよい。
また、サーバCPU15は、自動車2から取得する車両情報に含まれる車内カメラ65の撮像画像などに基づいて、これらの不能状態を独自に判断してよい。
また、サーバCPU15は、ステップST62において、さらに、車両情報を取得した自動車2が走行の不能状態にあることのみを判断するのではなく、その他の状態をも判断する。
ここでは、サーバCPU15は、たとえば、車両情報を取得した自動車2が走行しているエリアが、たとえば遠隔制御を優先させるように設定されている特定エリアであるか否かを判断してよい。
ここで、特定エリアは、たとえば、自律的な走行制御より遠隔による走行制御のほうが事故リスクを下げられ得る場所について設定すればよく、具体的にはたとえば、見通しの悪い交差点、自動駐車エリア、インフラ情報をサーバ側のみが得られる場所、などについて設定することが想定できる。
なお、サーバCPU15は、ステップST62において、走行の不能状態と、特定エリアとの中の、一方のみを判断してもよい。
また、サーバCPU15は、上述した特定エリア以外の自動車2の走行状況を判断するようにしてもよい。特定エリア以外の自動車2の走行状況には、たとえば、走行前に信号機がある場合、カーブの入口または出口を走行しようとする場合、合流区間を走行する場合、交差点を走行しようとする場合、などがある。また、サーバCPU15は、動的に変化する自動車2の走行状況を判断するようにしてもよい。動的に変化する自動車2の走行状況には、たとえば先行車が減速する場合、横風がある場合、などがある。
そして、車両情報を取得した自動車2が走行不能状態にある場合、または、特定エリアを走行している場合、サーバCPU15は、遠隔制御のために処理をステップST63へ進める。
これに対し、車両情報を取得した自動車2が、走行の不能状態ではなく、且つ、特定エリアを走行していない場合には、自車の自律制御を支援するために処理をステップST64へ進めるとよい。
ステップST63において、サーバCPU15は、遠隔制御を実行する。サーバCPU15は、図8のたとえばステップST34からステップST36の処理を実行して、生成した遠隔制御値を、送信元の自動車2へ送信する。サーバCPU15は、図8のサーバ遠隔制御を、図16の切替制御の一部として、実行する。遠隔制御値生成装置6は、不能が判断された自動車2について、自動車2の走行制御に使用するための遠隔制御値を生成する。その後、サーバCPU15は、処理をステップST61へ戻す。
また、ここでの遠隔制御は、自動車2が走行不能状態にあるためにサーバCPU15が実行するものである。サーバCPU15は、走行不能状態にある自動車2を、走行中の道路100に停止したり、路肩に寄せて停止したり、病院などの救護施設まで誘導したり、するように誘導する遠隔制御値を生成してよい。
ステップST64において、サーバCPU15は、自動車2の走行制御ECU24が自車制御値を生成する際に使用可能な走行制御情報についての生成制御を実行する。その後、サーバCPU15は、処理をステップST61へ戻す。
このように遠隔制御装置4のサーバ装置5のサーバCPU15は、切替制御部として、各自動車2のための生成処理を、自動車2の走行不能状態に応じて、遠隔制御値の生成制御と、走行制御情報の生成制御とを切替えて実行する。サーバCPU15は、各自動車2についての不能が判断されると、その自動車2のための生成処理を、走行制御情報の生成制御から遠隔制御値の生成制御へ切り替える。
図17は、遠隔制御装置4のサーバ装置5による走行制御情報の生成制御のフローチャートである。
遠隔制御装置4のサーバ装置5のサーバCPU15は、遠隔制御装置4において走行制御情報を生成する複数の自動車2のために、図17の走行制御情報の生成制御を繰り返しに実行してよい。
図16のステップST64の処理に係る自動車2は、遠隔制御装置4において走行制御情報を生成する自動車2である。
ステップST71において、サーバCPU15は、走行制御情報を生成するための周期的なタイミングであるか否かを判断する。走行制御情報は、たとえば所定の時間内において自動車2が移動することが可能と推定される走行可能範囲の情報でよい。この場合、サーバCPU15は、自動車2がその走行可能範囲の境界に到達すると予想される時間より短い周期タイミングであるか否かを判断すればよい。走行制御情報を生成する周期タイミングでない場合、サーバCPU15は、本制御を終了する。走行制御情報を生成する周期タイミングである場合、サーバCPU15は、処理をステップST72へ進める。
ステップST72において、サーバCPU15は、最新のフィールド情報を取得する。フィールド情報には、走行中の複数の自動車2の車両情報に含まれる移動の速度や方向、遠隔制御装置4が管理する地域における交通情報、などが含まれる。
ステップST73において、サーバCPU15は、高精度地図データによる仮想空間に複数の自動車2の位置などをマッピングし、マッピングされた複数の自動車2の各々が走行可能な範囲、走行可能な方向などを生成する。
ステップST74において各自動車2について生成した走行可能範囲、走行可能方向の情報を含む各自動車2の走行制御情報を生成する。走行制御情報には、優先度の情報などが含まれてもよい。
ステップST75において、サーバCPU15は、ステップST74において複数の自動車2の各々について生成した走行制御情報を、各自動車2へ送信する。これにより、複数の自動車2は、ステップST10において各々の走行制御情報として、各々が走行可能な範囲や、各々が走行可能な方向などについての蛇走行制御に有用な情報を得ることができる。
図18は、本発明の第三実施形態における、自動車2の制御系3による自車走行制御のフローチャートである。
自動車2の制御系3の走行制御ECU24は、自車の走行を制御するために図18の自車走行制御を繰り返し実行する。
なお、自動車2の制御系3の走行制御ECU24以外の制御ECU、たとえば図3において破線で示す遠隔制御ECU29が、図18の自車走行制御の一部の処理(たとえば図18のステップST2からST5までの処理)を繰り返し実行してもよい。
ステップST1からステップST12は、図5のものと同様でよい。
ステップST9において遠隔制御装置4から新たな走行制御情報を受信していないと判断した場合、走行制御ECU24は、処理をステップST81へ進める。
ステップST81において、走行制御ECU24は、遠隔制御装置4から、走行制御情報ではなく、遠隔制御値を受信しているか否かを判断する。遠隔制御装置4のサーバ装置5は、図16の切替制御のステップST62において自動車2に走行不能状態が生じたと判断すると、ステップST64の走行制御情報の生成制御ではなく、ステップST63の遠隔制御を実行する。この場合、遠隔制御装置4のサーバ装置5は、前回までは走行制御情報を送信していた自動車2に対して、今回は遠隔制御値を送信することがある。また、遠隔制御装置4の遠隔制御値生成装置6は、不能が判断された自動車2が、走行制御情報生成処理のために送信していた車両情報の通信の遅れの大小に応じて異なる処理により遠隔制御値を生成する。
そして、サーバ装置5からの新たな情報として遠隔制御値を受信している場合、走行制御ECU24は、処理をステップST5へ進めて、遠隔制御値による走行制御を実行する。
これに対し、サーバ装置5からの新たな情報として走行制御情報を受信している場合、走行制御ECU24は、処理をステップST11へ進めて、自車制御値を生成し、自車制御値による走行制御を実行する。
このように各自動車2の走行制御部としての走行制御ECU24は、遠隔制御装置4から遠隔制御値を受信した場合には、自車で生成する自車制御値より遠隔制御値を優先して、自動車2の走行制御に使用できる。
以上の実施形態は、本発明の好適な実施形態の例であるが、本発明は、これに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変形または変更が可能である。
たとえば、上述した実施形態では、優先度や生成切替の判断は、遠隔制御装置4のサーバ装置5で最終的に判断している。
この他にもたとえば、優先度や生成切替の最終的な判断は、各自動車2において実行してもよい。
上述した実施形態では、遠隔制御装置4は、1つのサーバ装置5と1つの遠隔制御値生成装置6とで構成されている。
この他にもたとえば、遠隔制御装置4のサーバ装置5または遠隔制御値生成装置6は、地域や車両数についての所定単位ごとに分けるなどして、複数の装置で構成されてよい。また、サーバ装置5または遠隔制御値生成装置6は、機能や処理負荷ごとに複数に分けてもよい。そして、複数のサーバ装置5または複数の遠隔制御値生成装置6は、たとえば第五世代の通信網8の基地局9に組み込まれて、分散して設けられてよい。
1…遠隔制御システム、2…自動車(車両)、3…制御系、4…遠隔制御装置、5…サーバ装置、6…遠隔制御値生成装置、7…通信システム、8…通信網、9…基地局、10…コンピュータ装置、11…サーバ通信デバイス、12…サーバGNSS受信機、13…サーバタイマ、14…サーバメモリ、15…サーバCPU、16…サーババス、21…駆動ECU、22…操舵ECU、23…制動ECU、24…走行制御ECU(自車走行制御部)、25…運転操作ECU、26…検出ECU、27…AP通信ECU、28…V2V通信ECU、29…遠隔制御ECU、30…車ネットワーク、31…バスケーブル、32…セントラルゲートウェイ、41…メモリ、42…タイマ、51…ステアリング、52…ブレーキペダル、53…アクセルペダル、54…シフトレバー、61…速度センサ、62…加速度センサ、63…車外カメラ、64…LIDAR、65…車内カメラ、66…GNSS受信機、70…未処理リスト、100…道路、101…先行車、110…GNSS衛星


Claims (7)

  1. 複数の車両と複数の前記車両とは別体の遠隔制御装置とが通信することにより前記遠隔制御装置から複数の前記車両の各々へ前記車両の走行を制御するための遠隔制御値を繰り返し送信可能な車両走行の遠隔制御システムであって、
    前記遠隔制御装置は、
    複数の前記車両の各々において検出される検出情報を含む車両情報を受信し、
    通信により取得する各前記車両の前記検出情報に基づいて、各前記車両の走行制御に使用することができる前記遠隔制御値を繰り返しに生成する遠隔制御値生成部、を有し、
    各前記車両は、
    各前記車両が前記遠隔制御装置から繰り返しに受信する前記遠隔制御値により走行制御を実行する自車走行制御部、を有し、
    前記遠隔制御値生成部は、
    各前記車両から前記遠隔制御装置が受信する検出情報を含む車両情報の通信の遅れに応じて異なる処理により遠隔制御値を生成する、
    車両走行の遠隔制御システム。
  2. 前記遠隔制御装置は、前記遠隔制御値生成部により、
    検出情報を含む車両情報の通信の遅れに応じて遠くなる道路上の操舵の制御目標点へ向かうための操舵の遠隔制御値、を生成する、
    請求項1記載の、車両走行の遠隔制御システム。
  3. 前記遠隔制御装置は、
    検出情報を含む車両情報の通信の周期が、前記遠隔制御装置が前記遠隔制御値を繰り返しに生成する生成周期に対応する基準走行制御周期以下である場合には、
    前記基準走行制御周期に対応する標準的な走行制御目標時間にて操舵の制御目標点へ向かうための操舵量の遠隔制御値を、前記遠隔制御値生成部により生成し、
    検出情報を含む車両情報の通信の周期が、前記生成周期に対応する基準走行制御周期より長い場合には、
    前記車両情報の通信の周期と前記標準的な走行制御目標時間との時間差の大きさに応じて遠くなる操舵の制御目標点を用いて、前記操舵の制御目標点へ向かうための操舵量の遠隔制御値を、前記遠隔制御値生成部により生成する、
    請求項1または2記載の、車両走行の遠隔制御システム。
  4. 前記遠隔制御装置は、
    前記遠隔制御値生成部に対して、少なくとも、道路上の操舵の制御目標点とともに、遠隔制御値での操舵のための道路上の曲率目標点を与えて、
    前記遠隔制御値生成部に、曲率目標点を通過して操舵の制御目標点へ向かうための操舵量の遠隔制御値を生成させる、
    請求項3記載の、車両走行の遠隔制御システム。
  5. 前記遠隔制御装置は、
    検出情報を含む車両情報の通信の周期が、前記生成周期に対応する基準走行制御周期より長くなって、前記遠隔制御値生成部に与える操舵の制御目標点を、周期の時間差の大きさに応じて遠くなるようにした場合、
    遠くした前記操舵の制御目標点に対応する周期での走行制御を、各前記車両へ要求する、
    請求項3または4記載の、車両走行の遠隔制御システム。
  6. 前記遠隔制御値生成部は、
    操舵量の遠隔制御値を生成した後の加減速の遠隔制御値において、
    検出情報を含む車両情報の通信の遅れに応じて長くなる通信の周期の時間における車間距離を確保可能な加減速の遠隔制御値を、生成し得る、
    請求項1から5のいずれか一項記載の、車両走行の遠隔制御システム。
  7. 前記遠隔制御装置は、
    複数の前記車両から受信する車両情報を含むフィールド情報を用いて、前記車両の前記自車制御値生成部が自車制御値を生成する際に使用可能な走行制御情報を生成する走行制御情報生成部と、
    各前記車両のための生成処理を、前記走行制御情報生成部と前記遠隔制御値生成部との間で切り替える切替制御部と、を有し、
    前記切替制御部は、
    各前記車両についての不能を判断した場合に、または、特定エリアの走行が判断された場合に、各前記車両のための生成処理を、前記走行制御情報生成部から前記遠隔制御値生成部へ切り替え、
    前記遠隔制御値生成部は、
    不能が判断された前記車両が、前記走行制御情報生成部の処理のために送信していた車両情報の通信の遅れに応じて異なる処理により遠隔制御値を生成する、
    請求項1から6のいずれか一項記載の、車両走行の遠隔制御システム。




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