JP2023046205A - 基板処理方法及び基板処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】アルカリ性処理液によって基板を効果的に処理できる基板処理方法を提供する。【解決手段】基板処理方法は基板処理装置100によって実行される。基板処理装置100は、処理槽110と、処理槽110の内部に配置される気泡供給管21とを備える。基板処理方法では、基板保持部120は、処理槽110に貯留されたアルカリ性処理液LQに基板Wを浸漬する。気泡供給部200は、基板Wがアルカリ性処理液LQに浸漬された状態において、基板Wの下方からアルカリ性処理液LQに対して、気泡供給管21に設けられる複数の気泡孔Gの各々から気泡BBを供給する。【選択図】図1

Description

本発明は、基板処理方法及び基板処理装置に関する。
特許文献1に記載されている基板処理装置は、処理槽と、基板保持部と、流体供給部と、制御部とを備える。処理槽は、基板を処理するための処理液を貯留する。基板保持部は、処理槽の処理液内で基板を保持する。流体供給部は、処理槽に流体を供給する。流体は気体である。制御部は、流体供給部を制御する。制御部は、基板を浸漬させた処理液を貯留した処理槽に対して流体の供給を開始してから基板を浸漬させた処理液を貯留した処理槽に対する流体の供給を終了するまでの間に流体供給部が流体の供給を変更するように流体供給部を制御する。
特開2020-47885号公報
しかしながら、特許文献1に記載されている基板処理装置では、処理液は燐酸である。つまり、処理液は酸性である。
一方、本願の発明者は、処理液がアルカリ性である場合に、処理液における溶存酸素濃度が基板の処理に影響を及ぼす可能性について新たな知見を得た。そこで、本願の発明者は、アルカリ性処理液による基板の処理に着目した。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、アルカリ性処理液によって基板を効果的に処理できる基板処理方法及び基板処理装置を提供することにある。
本発明の一局面によれば、基板処理方法は、基板処理装置によって実行される。基板処理装置は、処理槽と、前記処理槽の内部に配置される気泡供給管とを備える。基板処理方法は、浸漬工程と、気泡供給工程とを含む。浸漬工程では、前記処理槽に貯留されたアルカリ性処理液に基板を浸漬する。気泡供給工程では、前記基板が前記アルカリ性処理液に浸漬された状態において、前記基板の下方から前記アルカリ性処理液に対して、前記気泡供給管に設けられる複数の気泡孔の各々から気泡を供給する。
本発明の一態様においては、前記基板処理装置は、前記処理槽の内部において前記気泡供給管の下方に配置されるプレートを更に備えることが好ましい。前記アルカリ性処理液が前記処理槽に貯留された状態において、前記プレートに設けられる複数の処理液孔から上方に向けて、前記処理槽にアルカリ性処理液を導入する処理液導入工程を更に含むことが好ましい。
本発明の一態様においては、前記基板処理装置は、複数の前記気泡供給管を備えることが好ましい。前記気泡供給管ごとに前記気泡を調節する気泡調節工程を更に含むことが好ましい。
本発明の一態様においては、前記気泡供給工程では、前記気泡供給管ごとに前記気泡供給管に気体を供給することで、前記アルカリ性処理液に対して前記気泡孔から前記気泡を供給することが好ましい。前記気泡調節工程では、前記気泡を調節するための制御対象を前記気泡供給管ごとに制御することで、前記気泡供給管ごとに前記気泡を調節することが好ましい。前記制御対象は、前記気体の流量、前記気体の供給タイミング、及び、前記気体の供給期間のうちの少なくとも1つを含むことが好ましい。
本発明の一態様においては、前記気泡調節工程では、前記基板を前記アルカリ性処理液に浸漬する前の前記基板の処理量を示す物理量に基づいて、前記制御対象を前記気泡供給管ごとに制御することが好ましい。
本発明の一態様においては、前記気泡供給工程では、前記気泡供給管ごとに前記気泡供給管に気体を供給することで、前記アルカリ性処理液に対して前記気泡孔から前記気泡を供給することが好ましい。前記気泡調節工程では、学習データを学習することで構築された学習済みモデルを用いて、前記気泡供給管ごとに前記気泡を調節することが好ましい。前記学習データは、浸漬前処理情報と、浸漬後処理情報とを含むことが好ましい。前記浸漬前処理情報は、前記アルカリ性処理液に浸漬する前の学習対象基板の処理量を示す物理量の情報であることが好ましい。前記浸漬後処理情報は、前記アルカリ性処理液に浸漬して前記アルカリ性処理液から引き上げられた後の前記学習対象基板の処理量を示す物理量の情報であることが好ましい。前記学習データは、前記学習対象基板を前記アルカリ性処理液に浸漬させた場合において、前記気体の流量を示す流量情報と、前記気体の供給タイミングを示すタイミング情報と、前記気体の供給期間を示す期間情報とのうちの少なくとも1つの情報を更に含むことが好ましい。前記気泡調節工程では、入力情報を前記学習済みモデルに入力して、出力情報を前記学習済みモデルから取得することが好ましい。前記入力情報は、前記アルカリ性処理液に浸漬する前の前記基板の処理量を示す物理量の情報を含むことが好ましい。前記出力情報は、制御対象を示す情報を含むことが好ましい。前記制御対象は、前記基板を前記アルカリ性処理液に浸漬する場合において、前記気体の流量、前記気体の供給タイミング、及び、前記気体の供給期間のうちの少なくとも1つを含むことが好ましい。前記気泡調節工程では、前記出力情報に基づいて前記気泡を調節することが好ましい。
本発明の一態様においては、前記気泡供給工程では、前記気泡供給管ごとに前記気泡供給管に気体を供給することで、前記アルカリ性処理液に対して前記気泡孔から前記気泡を供給することが好ましい。前記気泡調節工程では、学習データを学習することで構築された学習済みモデルを用いて、前記気泡供給管ごとに前記気泡を調節することが好ましい。前記学習データは、浸漬前処理情報と、浸漬後処理情報とを含むことが好ましい。前記浸漬前処理情報は、前記アルカリ性処理液に浸漬する前の学習対象基板の処理量を示す物理量の情報であることが好ましい。前記浸漬後処理情報は、前記アルカリ性処理液に浸漬して前記アルカリ性処理液から引き上げられた後の前記学習対象基板の処理量を示す物理量の情報であることが好ましい。前記学習データは、前記学習対象基板を前記アルカリ性処理液に浸漬させた場合において、前記気体の流量を示す流量情報と、前記気体の供給タイミングを示すタイミング情報と、前記気体の供給期間を示す期間情報とのうちの少なくとも1つの情報を更に含むことが好ましい。前記気泡調節工程では、入力情報を前記学習済みモデルに入力して、出力情報を前記学習済みモデルから取得することが好ましい。前記入力情報は、前記アルカリ性処理液に浸漬する前の前記基板の処理量を示す物理量の情報と、制御対象を示す情報とを含むことが好ましい。前記制御対象は、前記基板を前記アルカリ性処理液に浸漬する場合において、前記気体の流量、前記気体の供給タイミング、及び、前記気体の供給期間のうちの少なくとも1つを含むことが好ましい。前記出力情報は、前記入力情報のクラスタリングの結果を示す情報を含むことが好ましい。前記気泡調節工程では、前記出力情報に基づいて前記制御対象を制御することが好ましい。
本発明の一態様においては、前記気泡供給管は、親水性を有することが好ましい。
本発明の一態様においては、前記気泡供給管の素材は、石英又はポリエーテルエーテルケトンであることが好ましい。
本発明の他の局面によれば、基板処理装置は、処理槽と、基板保持部と、気泡供給部とを備える。処理槽は、アルカリ性処理液を貯留する。基板保持部は、基板を保持し、前記処理槽に貯留された前記アルカリ性処理液に前記基板を浸漬する。気泡供給部は、複数の気泡孔を有するとともに前記処理槽の内部に配置され、前記基板が前記アルカリ性処理液に浸漬された状態において、前記基板の下方から前記アルカリ性処理液に対して、前記複数の気泡孔の各々から気泡を供給する。
本発明の一態様においては、基板処理装置は、処理液導入部を更に備えることが好ましい。処理液導入部は、前記処理槽の内部において前記気泡供給管の下方に配置されることが好ましい。前記処理液導入部は、複数の処理液孔を有するプレートを含むことが好ましい。前記処理液導入部は、前記アルカリ性処理液が前記処理槽に貯留された状態において、前記複数の処理液孔から上方に向けて、前記処理槽にアルカリ性処理液を導入することが好ましい。
本発明の一態様においては、複数の前記気泡供給管が、前記処理槽の内部に配置されることが好ましい。前記気泡供給管ごとに前記気泡を調節する気泡調節部を更に備えることが好ましい。
本発明の一態様においては、制御部を更に備えることが好ましい。前記気泡調節部は、前記気泡供給管ごとに前記気泡供給管に気体を供給することで、前記アルカリ性処理液に対して前記気泡孔から前記気泡を供給することが好ましい。前記制御部は、前記気泡調節部を制御することで、前記気泡を調節するための制御対象を前記気泡供給管ごとに制御することが好ましい。前記制御対象は、前記気体の流量、前記気体の供給タイミング、及び、前記気体の供給期間のうちの少なくとも1つを含むことが好ましい。
本発明の一態様においては、前記制御部は、前記基板を前記アルカリ性処理液に浸漬する前の前記基板の処理量を示す物理量に基づいて、前記制御対象を前記気泡供給管ごとに制御することが好ましい。
本発明の一態様においては、基板処理装置は、記憶部と、制御部とを更に備えることが好ましい。記憶部は、学習データを学習することで構築された学習済みモデルを記憶することが好ましい。制御部は、前記記憶部を制御することが好ましい。前記気泡調節部は、前記気泡供給管ごとに前記気泡供給管に気体を供給することで、前記アルカリ性処理液に対して前記気泡孔から前記気泡を供給することが好ましい。前記学習データは、浸漬前処理情報と、浸漬後処理情報とを含むことが好ましい。前記浸漬前処理情報は、前記アルカリ性処理液に浸漬する前の学習対象基板の処理量を示す物量の情報であることが好ましい。前記浸漬後処理情報は、前記アルカリ性処理液に浸漬して前記アルカリ性処理液から引き上げられた後の前記学習対象基板の処理量を示す物理量の情報であることが好ましい。前記学習データは、前記学習対象基板を前記アルカリ性処理液に浸漬させた場合において、前記気体の流量を示す流量情報と、前記気体の供給タイミングを示すタイミング情報と、前記気体の供給期間を示す期間情報とのうちの少なくとも1つの情報を更に含むことが好ましい。前記制御部は、入力情報を前記学習済みモデルに入力して、出力情報を前記学習済みモデルから取得することが好ましい。前記入力情報は、前記アルカリ性処理液に浸漬する前の前記基板の処理量を示す物理量の情報を含むことが好ましい。前記出力情報は、制御対象を示す情報を含むことが好ましい。前記制御対象は、前記基板を前記アルカリ性処理液に浸漬する場合において、前記気体の流量、前記気体の供給タイミング、及び、前記気体の供給期間のうちの少なくとも1つを含むことが好ましい。前記制御部は、前記出力情報に基づいて前記気泡を調節することが好ましい。
本発明の一態様においては、基板処理装置は、記憶部と、制御部とを更に備えることが好ましい。記憶部は、学習データを学習することで構築された学習済みモデルを記憶することが好ましい。制御部は、前記記憶部を制御することが好ましい。前記気泡調節部は、前記気泡供給管ごとに前記気泡供給管に気体を供給することで、前記アルカリ性処理液に対して前記気泡孔から前記気泡を供給することが好ましい。前記学習データは、浸漬前処理情報と、浸漬後処理情報とを含むことが好ましい。前記浸漬前処理情報は、前記アルカリ性処理液に浸漬する前の学習対象基板の処理量を示す物理量の情報であることが好ましい。前記浸漬後処理情報は、前記アルカリ性処理液に浸漬して前記アルカリ性処理液から引き上げられた後の前記学習対象基板の処理量を示す物理量の情報であることが好ましい。前記学習データは、前記学習対象基板を前記アルカリ性処理液に浸漬させた場合において、前記気体の流量を示す流量情報と、前記気体の供給タイミングを示すタイミング情報と、前記気体の供給期間を示す期間情報とのうちの少なくとも1つの情報を更に含むことが好ましい。前記制御部は、入力情報を前記学習済みモデルに入力して、出力情報を前記学習済みモデルから取得することが好ましい。前記入力情報は、前記アルカリ性処理液に浸漬する前の前記基板の処理量を示す物理量の情報と、制御対象を示す情報とを含むことが好ましい。前記制御対象は、前記基板を前記アルカリ性処理液に浸漬する場合において、前記気体の流量、前記気体の供給タイミング、及び、前記気体の供給期間のうちの少なくとも1つを含むことが好ましい。前記出力情報は、前記入力情報のクラスタリングの結果を示す情報を含むことが好ましい。前記制御部は、前記出力情報に基づいて前記制御対象を制御することが好ましい。
本発明の一態様においては、前記基板保持部は、所定方向に間隔をあけて複数の前記基板を保持することが好ましい。前記気泡供給管は、前記所定方向に沿って延びることが好ましい。前記気泡供給管において、前記複数の気泡孔は、前記所定方向に間隔をあけて配置されることが好ましい。前記複数の基板の配列には、複数の隙間空間が存在することが好ましい。前記複数の隙間空間の各々は、前記所定方向に互いに隣り合う前記基板と前記基板との隙間の空間を示すことが好ましい。前記複数の気泡孔は、第1気泡孔と、第2気泡孔と、第3気泡孔とを含むことが好ましい。第1気泡孔は、前記複数の基板のうち前記所定方向の一方端に配置される基板よりも前記所定方向の外方に配置されることが好ましい。第2気泡孔は、前記複数の基板のうち前記所定方向の他方端に配置される基板よりも前記所定方向の外方に配置されることが好ましい。第3気泡孔は、前記複数の隙間空間にそれぞれ対応して配置されることが好ましい。前記第1気泡孔は、前記複数の第3気泡孔のうち、1つの前記隙間空間に対応して配置される第3気泡孔よりも多いことが好ましい。前記第2気泡孔は、前記1つの隙間空間に対応して配置される前記第3気泡孔よりも多いことが好ましい。
本発明の一態様においては、前記気泡供給管は、親水性を有することが好ましい。
本発明の一態様においては、前記気泡供給管の素材は、石英又はポリエーテルエーテルケトンであることが好ましい。
本発明によれば、アルカリ性処理液によって基板を効果的に処理できる基板処理方法及び基板処理装置を提供できる。
本発明の実施形態1に係る基板処理装置を示す模式的断面図である。 実施形態1に係るアルカリ性処理液中の溶存酸素濃度とエッチング量との関係を示すグラフである。 実施形態1に係る気泡の供給時間とアルカリ性処理液中の溶存酸素濃度との関係を示すグラフである。 (a)は、実施形態1に係る基板がアルカリ性処理液に浸漬される前の状態を示す図である。(b)は、実施形態1に係る基板がアルカリ性処理液に浸漬された状態を示す図である。 実施形態1に係る基板処理装置の気体供給部を示す模式的平面図である。 実施形態1に係る基板処理装置の処理液導入部を示す模式的裏面図である。 (a)は、実施形態1に係る基板がアルカリ性処理液に浸漬される前の状態を示す模式図である。(b)は、実施形態1に係る基板がアルカリ性処理液に浸漬され、全ての気泡供給管から気泡が供給されている状態を示す模式図である。(c)は、実施形態1に係る基板がアルカリ性処理液に浸漬され、基板中央部に対応する2本の気泡供給管から気泡が供給されている状態を示す模式図である。(d)は、実施形態1に係る基板がアルカリ性処理液から引き上げられた状態を示す模式図である。 (a)は、実施形態1に係る基板がアルカリ性処理液に浸漬される前の状態を示す模式図である。(b)は、実施形態1に係る基板がアルカリ性処理液に浸漬され、全ての気泡供給管から気泡が供給されている状態を示す模式図である。(c)は、実施形態1に係る基板がアルカリ性処理液に浸漬され、基板中間部に対応する2本の気泡供給管から気泡が供給されている状態を示す模式図である。(d)は、実施形態1に係る基板がアルカリ性処理液から引き上げられた状態を示す模式図である。 (a)は、実施形態1に係る基板がアルカリ性処理液に浸漬される前の状態を示す模式図である。(b)は、実施形態1に係る基板がアルカリ性処理液に浸漬され、全ての気泡供給管から気泡が供給されている状態を示す模式図である。(c)は、実施形態1に係る基板がアルカリ性処理液に浸漬され、基板端部に対応する2本の気泡供給管から気泡が供給されている状態を示す模式図である。(d)は、実施形態1に係る基板がアルカリ性処理液から引き上げられた状態を示す模式図である。 実施形態1に係る基板処理方法を示すフローチャートである。 (a)(b)は、実施形態1に係る気泡供給管の接触角(親水性)の一例を示す図である。 (a)(b)は、実施形態1に係る気泡供給管の接触角(疎水性)の一例を示す図である。 本発明の実施形態2に係る基板処理装置の制御装置を示すブロック図である。 実施形態2に係る基板処理方法を示すフローチャートである。 実施形態2に係る学習装置を示すブロック図である。 実施形態2に係る学習方法を示すフローチャートである。 本発明の実施形態3に係る基板処理方法を示すフローチャートである。 本発明の実施例に係る基板処理装置を示す模式的断面図である。 本発明の実施例1に係る基板の処理結果を示す図である。 本発明の実施例2に係る基板の処理結果を示す図である。 (a)は、本発明の実施例3~5に係るシミュレーションモデルを示す斜視図である。(b)は、本発明の実施例3~5に係るシミュレーションモデルを示す正面図である。 (a)は、本発明の実施例3に係るシミュレーション結果を示す図である。(b)は、本発明の実施例4に係るシミュレーション結果を示す図である。(c)は、本発明の実施例5に係るシミュレーション結果を示す図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一または相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。また、図中、理解を容易にするために、X軸、Y軸、及び、Z軸を適宜図示している。X軸、Y軸、及びZ軸は互いに直交し、X軸及びY軸は水平方向に平行であり、Z軸は鉛直方向に平行である。なお、「平面視」は、鉛直上方から対象を見ることを示す。「裏面視」は、鉛直下方から対象を見ることを示す。
(実施形態1)
図1~図10を参照して、本発明の実施形態1に係る基板処理装置100を説明する。まず、図1を参照して、基板処理装置100を説明する。図1は、基板処理装置100を示す模式的断面図である。図1に示す基板処理装置100は、バッチ式であり、アルカリ性の処理液LQ(以下、「アルカリ性処理液LQ」)によって複数の基板Wを一括して処理する。なお、基板処理装置100は、1枚の基板Wを処理することもできる。
基板処理装置100は、処理槽110と、基板保持部120と、処理液導入部130と、循環部140と、処理液供給部150と、希釈液供給部160と、排液部170と、気泡調節部180と、排気配管部190と、気泡供給部200と、厚み測定部210と、通信部215と、制御装置220とを備える。
処理槽110は、アルカリ性処理液LQを貯留する。そして、処理槽110は、アルカリ性処理液LQに複数の基板Wを浸漬して、複数の基板Wを処理する。
アルカリ性処理液LQは、例えば、テトラメチルアンモニアハイドロオキサイド(TMAH)を含む水溶液、トリメチル-2ヒドロキシエチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMY)を含む水溶液、水酸化アンモニウム(アンモニア水)、又は、アンモニア過酸化水素水混合液(SC1)である。アルカリ性処理液LQは、例えば、アルカリ性のエッチング液(以下、「アルカリ性エッチング液」)である。
基板保持部120は、複数の基板Wを保持する。基板保持部120は1枚の基板Wを保持することもできる。基板保持部120は、リフターを含む。基板保持部120は、処理槽110に貯留されたアルカリ性処理液LQに、間隔をあけて整列した複数の基板Wを浸漬する。処理液導入部130は、処理槽110にアルカリ性処理液LQを供給する。循環部140は、処理槽110に貯留されているアルカリ性処理液LQを循環させて、アルカリ性処理液LQを処理液導入部130に供給する。処理液供給部150は、アルカリ性処理液LQを処理槽110に供給する。希釈液供給部160は、希釈液を処理槽110に供給する。排液部170は、処理槽110のアルカリ性処理液LQを排出する。希釈液は、例えば、DIW(Deionzied Water:脱イオン水)である。
気泡供給部200は、処理槽110の内部に配置される。気泡供給部200は、処理槽110のアルカリ性処理液LQ中に、気泡調節部180から供給される気体GAを供給する。具体的には、気泡供給部200は、処理槽110のアルカリ性処理液LQ中に気体GAの気泡BBを供給する(例えば、図7~図9)。気体GAは、例えば、不活性ガスである。不活性ガスは、例えば、窒素又はアルゴンである。
気泡供給部200は、少なくとも1つの気泡供給管21を含む。実施形態1では、気泡供給部200は、複数の気泡供給管21を含む。例えば、気泡供給部200は、偶数本の気泡供給管21を含む。図1の例では、気泡供給部200は、6本の気泡供給管21を含む。なお、気泡供給管21の数は、特に限定されず、例えば、奇数であってもよい。また、複数の気泡供給管21の鉛直方向Dの位置は、揃っていてもよいし、揃っていなくてもよい。気泡供給管21は、例えば、バブラー管である。
複数の気泡供給管21の各々は、気泡孔Gを有する。図1の例では、気泡孔Gは鉛直上方を向いている。また、図1には、表れていないが、複数の気泡供給管21の各々は、複数の気泡孔G(図5)を有する。気泡供給管21は、気泡調節部180から供給される気体GAを気泡孔Gから吐出することで、アルカリ性処理液LQ中に気泡BBを供給する。つまり、気体GAによって気泡BBが生成される。気泡供給部200の詳細は後述する。
以上、図1を参照して説明したように、実施形態1によれば、アルカリ性処理液LQに気泡BBを供給することで、気泡BBを供給しない場合と比較して、アルカリ性処理液LQ中の溶存酸素濃度を低下させることができる。その結果、アルカリ性処理液LQに浸漬された基板Wを、アルカリ性処理液LQによって効果的に処理できる。つまり、気泡BBを供給することで、気泡BBを供給しない場合と比較して、アルカリ性処理液LQによる基板Wの処理量を多くできる。実施形態1では、一例として、アルカリ性処理液LQによる基板Wの処理は、基板Wのエッチングである。この場合、アルカリ性処理液LQによる基板Wの処理量は、基板Wのエッチング量である。従って、気泡BBの供給によって、アルカリ性処理液LQによる基板Wのエッチング量を多くできる。
また、実施形態1によれば、アルカリ性処理液LQに気泡BBを供給することで、基板Wの表面に接触するアルカリ性処理液LQを新鮮なアルカリ性処理液LQに効果的に置換できる。その結果、基板Wの表面に、凹部を含む表面パターンが形成されている場合に、拡散現象によって凹部内のアルカリ性処理液LQを新鮮なアルカリ性処理液LQに効果的に置換できる。よって、表面パターンの凹部内の壁面を、浅い位置から深い位置までアルカリ性処理液LQによって効果的に処理(エッチング)できる。本明細書において、基板Wの表面は基板Wの主面を示す。
次に、図2を参照して、溶存酸素濃度とエッチング量との関係を説明する。図2は、アルカリ性処理液LQ中の溶存酸素濃度とエッチング量との関係を示すグラフである。横軸は、アルカリ性処理液LQ中の溶存酸素濃度(ppm)を示し、縦軸は、基板Wのエッチング量を示す。
図2は、アルカリ性処理液LQとしてTMAHを使用した場合の実施例を示している。TMAHの濃度は、0.31%であった。気体GAは窒素であった。従って、気泡BBは、窒素の気泡だった。基板Wには、ポリシリコン膜(ポリシリコン層)が形成されていた。図2は、TMAHに基板Wを浸漬した場合のポリシリコン膜のエッチング量を示している。エッチング量は、TMAHへの浸漬前のポリシリコン膜の厚みから浸漬後のポリシリコン膜の厚みを差し引いた値である。エッチング量を「基板Wのエッチング量」と記載する場合がある。本明細書において、「基板Wの浸漬後」は、「基板Wが浸漬されて処理が完了し、アルカリ性処理液LQから引き上げられた後」を示す。
図2に示すように、溶存酸素濃度が低い程、基板Wのエッチング量(処理量)が多くなった。エッチング量(処理量)は、溶存酸素濃度に略正比例した。比例定数は「負」であった。
次に、図3を参照して、気泡BBの供給時間と溶存酸素濃度との関係を説明する。図3は、気泡BBの供給時間とアルカリ性処理液LQ中の溶存酸素濃度との関係を示すグラフである。横軸は、気泡BBの供給時間(hour)を示し、縦軸は、アルカリ性処理液LQ中の溶存酸素濃度(ppm)を示す。
図3は、アルカリ性処理液LQとしてTMAHを使用した場合の実施例を示している。TMAHの濃度は、0.31%であった。気泡BBを生成するための気体GAは窒素であった。従って、気泡BBは、窒素の気泡だった。プロットg1は、気体GAの流量が10L/minの場合の溶存酸素濃度を示す。プロットg2は、気体GAの流量が20L/minの場合の溶存酸素濃度を示す。プロットg3は、気体GAの流量が30L/minの場合の溶存酸素濃度を示す。この場合、気体GAの流量は、1本の気泡供給管21に供給される気体GAの流量を示す。
プロットg1~g3から理解できるように、約1時間で、アルカリ性処理液LQ中の溶存酸素濃度が略一定になった。また、溶存酸素濃度が略一定になった状態において、気体GAの流量が多い程、アルカリ性処理液LQ中の溶存酸素濃度が低下した。換言すれば、溶存酸素濃度が略一定になった状態において、アルカリ性処理液LQに供給する気泡BBが多い程、アルカリ性処理液LQ中の溶存酸素濃度が低下した。なぜなら、気体GAの流量が多い程、アルカリ性処理液LQ中に供給される気泡BBが多くなるからである。
プロットg1~g3から次のことが推測できた。すなわち、処理槽110においてアルカリ性処理液LQ中に気泡BBの分布が存在する場合は、アルカリ性処理液LQにおいて気泡BBが多い領域ほど、溶存酸素濃度が低く、アルカリ性処理液LQにおいて気泡BBが少ない領域ほど、溶存酸素濃度が高くなることが推測できた。このような推測が正しいことを、本願の発明者は、実験によって確認済みである。
以上、図2及び図3を参照して説明したように、アルカリ性処理液LQに供給する気泡BBが多い程、アルカリ性処理液LQ中の溶存酸素濃度が低下する。そして、アルカリ性処理液LQ中の溶存酸素濃度が低い程、基板Wのエッチング量(処理量)が多くなった。
すなわち、アルカリ性処理液LQに供給する気泡BBが多い程、基板Wのエッチング量(処理量)が多くなった。換言すれば、気泡BBを生成するための気体GAの流量が多い程、基板Wのエッチング量(処理量)が多くなった。一方、アルカリ性処理液LQに供給する気泡BBが少ない程、基板Wのエッチング量(処理量)が少なくなった。換言すれば、気泡BBを生成するための気体GAの流量が少ない程、基板Wのエッチング量(処理量)が少なくなった。
また、図2及び図3のグラフから、処理槽110においてアルカリ性処理液LQ中に気泡BBの分布が存在する場合は、アルカリ性処理液LQにおいて気泡BBが多い領域ほど、基板Wのエッチング量(処理量)が多く、アルカリ性処理液LQにおいて気泡BBが少ない領域ほど、基板Wのエッチング量(処理量)が少なくなることが推測できた。このような推測が正しいことを、本願の発明者は、実験によって確認済みである。
再び図1を参照して、基板処理装置100の説明を続ける。気泡調節部180は、気体GAを気泡供給部200に供給する。また、気泡調節部180は、気泡供給部200に供給する気体GAを調節することで、気泡供給部200が供給する気泡BBを調節する。排気配管部190は、処理槽110から水蒸気及び気体GAを排気する。
厚み測定部210は、基板Wを構成する対象物(以下、「対象物TG」)の厚みを非接触方式で測定して、対象物TGの厚みを示す厚み検出信号を生成する。厚み検出信号は、制御装置220に入力される。対象物TGは、アルカリ性処理液LQによる処理の対象である。対象物TGは、例えば、基板Wそのもの、基板本体(例えば、シリコンからなる基板本体)、又は、基板本体の表面に形成された物質である。基板本体の表面に形成された物質は、例えば、基板本体と同じ材料の物質(例えば、ポリシリコン膜)、又は、基板本体と異なる材料の物質(例えば、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、又はレジスト)である。「物質」は膜又は層を構成していてもよい。
厚み測定部210は、例えば、分光干渉法によって対象物TGの厚みを測定する。具体的には、厚み測定部210は、光学プローブと、信号線と、厚み測定器とを含む。光学プローブはレンズを有する。信号線は、光学プローブと厚み測定器とを接続する。信号線は、例えば光ファイバーを含む。厚み測定器は、光源と受光素子とを有する。厚み測定器の光源が出射した光は、信号線及び光学プローブを介して、対象物TGに出射される。対象物TGによって反射された光は、光学プローブ及び信号線を介して、厚み測定器の受光素子で受光される。厚み測定器は、受光素子が受光した光を解析して、対象物TGの厚みを算出する。厚み測定器は、算出した対象物TGの厚みを示す厚み検出信号を生成する。
通信部215は、ネットワークに接続され、外部装置と通信する。ネットワークは、例えば、インターネット、LAN(Local Area Network)、公衆電話網、及び、近距離無線ネットワークを含む。通信部215は、通信機であり、例えば、ネットワークインターフェースコントローラーである。通信部215は、有線通信モジュール又は無線通信モジュールを有していてもよい。
制御装置220は、基板処理装置100の各構成を制御する。例えば、制御装置220は、基板保持部120、循環部140、処理液供給部150、希釈液供給部160、排液部170、気泡調節部180、及び、厚み測定部210を制御する。
制御装置220は、制御部221と、記憶部223とを含む。制御部221は、CPU(Central Processing Unit)及びGPU(Graphics Processing Unit)等のプロセッサーを備える。記憶部223は、記憶装置を含み、データ及びコンピュータープログラムを記憶する。制御部221のプロセッサーは、記憶部223の記憶装置が記憶しているコンピュータープログラムを実行して、基板処理装置100の各構成を制御する。例えば、記憶部223は、半導体メモリー等の主記憶装置と、半導体メモリー及びハードディスクドライブ等の補助記憶装置とを備える。記憶部223は、光ディスク等のリムーバブルメディアを備えていてもよい。記憶部223は、例えば、非一時的コンピューター読取可能記憶媒体である。制御装置220は、入力装置及び表示装置を備えていてもよい。
引き続き図1を参照して基板処理装置100の詳細を説明する。処理槽110は、内槽112及び外槽114を含む二重槽構造を有している。内槽112及び外槽114はそれぞれ上向きに開いた上部開口を有する。内槽112は、アルカリ性処理液LQを貯留し、複数の基板Wを収容可能に構成される。外槽114は、内槽112の上部開口の外側面に設けられる。外槽114の上縁の高さは、内槽112の上縁の高さよりも高い。
処理槽110は、蓋116をさらに有する。蓋116は、内槽112の上部開口に対して開閉可能である。蓋116が閉じることにより、蓋116は、内槽112の上部開口を塞ぐことができる。
蓋116は、開戸部116aと、開戸部116bとを有する。開戸部116aは、内槽112の上部開口のうちの一方側に位置する。開戸部116aは、内槽112の上縁近傍に配置されており、内槽112の上部開口に対して開閉可能である。開戸部116bは、内槽112の上部開口のうちの他方側に位置する。開戸部116bは、内槽112の上縁近傍に配置されており、内槽112の上部開口に対して開閉可能である。開戸部116a及び開戸部116bが閉じて内槽112の上部開口を覆うことにより、内槽112を塞ぐことができる。
基板保持部120は、複数の基板Wを保持した状態で鉛直上方又は鉛直下方に移動する。基板保持部120が鉛直下方に移動することにより、基板保持部120によって保持されている複数の基板Wは、内槽112に貯留されているアルカリ性処理液LQに浸漬される。
基板保持部120は、本体板122と、保持棒124とを含む。本体板122は、鉛直方向D(Z方向)に延びる板である。保持棒124は、本体板122の一方の主面から水平方向(Y方向)に延びる。図1の例では、3つの保持棒124が本体板122の一方の主面から水平方向に延びる。複数の基板Wは、間隔をあけて整列した状態で、複数の保持棒124によって各基板Wの下縁が当接されて起立姿勢(鉛直姿勢)で保持される。
基板保持部120は、昇降ユニット126をさらに含んでもよい。昇降ユニット126は、基板保持部120に保持されている複数の基板Wが内槽112内に位置する処理位置(図2(b)に示す位置)と、基板保持部120に保持されている複数の基板Wが内槽112の上方に位置する退避位置(図2(a)に示す位置)との間で本体板122を昇降させる。したがって、昇降ユニット126によって本体板122が処理位置に移動させられることにより、保持棒124に保持されている複数の基板Wがアルカリ性処理液LQに浸漬される。これにより、複数の基板Wに対して処理が施される。
処理液導入部130は、処理槽110(具体的には内槽112)の内部において気泡供給部200(具体的には気泡供給管21)の下方に配置される。
以下、特に明示しない限りは、処理槽110は内槽112を示す。
処理液導入部130はプレート31を含む。プレート31は略平板形状を有する。プレート31は、処理槽110の内部を分割して、処理室113と導入室115とを形成する。つまり、処理槽110は、処理室113と、導入室115とを有する。処理室113は、処理槽110の内部において、プレート31よりも上方の室である。処理室113に、気泡供給部200が配置される。また、処理室113に基板Wが配置される。導入室115は、処理槽110の内部において、プレート31よりも下方の室である。
プレート31は、気泡供給部200の下方に配置される。プレート31は、処理槽110の底面を覆う。プレート31は、鉛直方向Dに対して略垂直である。プレート31は複数の処理液孔Pを有する。処理液孔Pはプレート31を貫通する。処理液孔Pはプレート31の全面に配置される。処理液孔Pは鉛直上方を向いている。
処理液導入部130は、アルカリ性処理液LQが処理槽110に貯留された状態において、複数の処理液孔Pから上方に向けて、処理槽110にアルカリ性処理液LQを導入する。従って、処理液導入部130は、循環部140から供給されるアルカリ性処理液LQの層流を発生できる。つまり、処理液導入部130は、アルカリ性処理液LQの層流を発生させることで、処理槽110にアルカリ性処理液LQを導入する。アルカリ性処理液LQの層流は、複数の処理液孔Pから略鉛直方向Dに沿って上方に流れる。
実施形態1によれば、アルカリ性処理液LQの層流によりアルカリ性処理液LQを処理槽110に導入するため、気泡供給部200がアルカリ性処理液LQに供給する気泡BBの流れが乱されることを抑制できる。従って、気泡BBによって、アルカリ性処理液LQ中の溶存酸素濃度を効果的に低下させることができる。その結果、アルカリ性処理液LQによって基板Wを効果的に処理(エッチング)できる。
具体的には、処理液導入部130は、少なくとも1つの吐出部131と、少なくとも1つの分散板132とを含む。吐出部131は、例えば、ノズル又は管である。分散板132は、例えば、略平板状である。分散板132は、鉛直方向Dに対して略垂直である。吐出部131及び分散板132は導入室115に配置される。
吐出部131は、分散板132の下方に位置する。吐出部131は、分散板132と鉛直方向Dに対向する。吐出部131は、循環部140から供給されたアルカリ性処理液LQを分散板132に向けて吐出する。従って、アルカリ性処理液LQは分散板132に突き当たる。その結果、アルカリ性処理液LQの圧力が分散板132によって分散される。つまり、分散板132は、吐出部131が吐出したアルカリ性処理液LQの圧力を分散する。そして、分散板132によって圧力の分散されたアルカリ性処理液LQは、導入室115において略水平方向に拡がる。更に、アルカリ性処理液LQは、プレート31の各処理液孔Pから鉛直方向Dに沿って上方に向かって層流として処理室113に供給される。このように、処理液導入部130は、鉛直方向Dに沿ったアルカリ性処理液LQの層流を発生させる点で、アルカリ性処理液LQの整流機能を有する。
循環部140は、配管141、ポンプ142、ヒーター143、フィルター144、調整バルブ145、及び、バルブ146を含む。ポンプ142、ヒーター143、フィルター144、調整バルブ145及びバルブ146は、この順番に配管141の上流から下流に向かって配置される。
配管141は、処理槽110から送出されたアルカリ性処理液LQを再び処理槽110に導く。具体的には、配管141の上流端が外槽114に接続されている。従って、配管141は、外槽114から処理液導入部130にアルカリ性処理液LQを導く。配管141の下流端に、処理液導入部130が接続される。具体的には、配管141の下流端に吐出部131が接続される。
ポンプ142は、配管141から吐出部131にアルカリ性処理液LQを送る。従って、吐出部131は、配管141から供給されたアルカリ性処理液LQを吐出する。フィルター144は、配管141を流れるアルカリ性処理液LQをろ過する。
ヒーター143は、配管141を流れるアルカリ性処理液LQの温度を加熱する。つまり、ヒーター143は、アルカリ性処理液LQの温度を調節する。調整バルブ145は、配管141の開度を調節して、吐出部131に供給されるアルカリ性処理液LQの流量を調整する。バルブ146は配管141を開閉する。
処理液供給部150は、ノズル152と、配管154と、バルブ156とを含む。ノズル152はアルカリ性処理液LQを外槽114に吐出する。なお、ノズル152は、アルカリ性処理液LQを内槽112に供給してもよい。
ノズル152は、配管154に接続される。配管154には、処理液供給源TKAからのアルカリ性処理液LQが供給される。配管154には、バルブ156が配置される。バルブ156が開かれると、ノズル152から吐出されたアルカリ性処理液LQが、外槽114内に供給される。そして、アルカリ性処理液LQは、外槽114から、配管141を通って、処理液導入部130から、内槽112に供給される。
希釈液供給部160は、ノズル162と、配管164と、バルブ166とを含む。ノズル162は、希釈液を外槽114に吐出する。ノズル162は、配管164に接続される。配管164には、希釈液供給源TKBからの希釈液が供給される。配管164には、バルブ166が配置される。バルブ166が開かれると、ノズル162から吐出された希釈液が、外槽114内に供給される。
排液部170は、排液配管170aと、バルブ170bとを含む。そして、処理槽110の内槽112の底壁には、排液配管170aが接続される。排液配管170aにはバルブ170bが配置される。バルブ170bが開くことにより、内槽112内に貯留されているアルカリ性処理液LQは排液配管170aを通って外部に排出される。排出されたアルカリ性処理液LQは排液処理装置(図示しない)へと送られ、処理される。
気泡供給部200は、処理槽110の内部(処理室113)に配置される。具体的には、複数の気泡供給管21は、処理槽110の内部(処理室113)に配置される。更に具体的には、複数の気泡供給管21は、処理槽110の内部において、プレート31の上方、かつ、基板Wの下方に配置される。気泡供給管21の材質は、例えば、石英、又は、樹脂である。
複数の気泡供給管21の各々は、処理槽110に貯留されたアルカリ性処理液LQに気体GAを供給する。具体的には、気泡供給管21は、上方に向けて、つまり、アルカリ性処理液LQの液面に向けて、気体GAをアルカリ性処理液LQに供給する。この場合、気泡供給管21は、気体GAを気泡BBとしてアルカリ性処理液LQに供給する。
詳細には、複数の気泡供給管21の各々は、基板Wがアルカリ性処理液LQに浸漬された状態において、基板Wの下方からアルカリ性処理液LQに対して、複数の気泡孔Gの各々から気泡BBを供給する。従って、気泡BBを供給しない場合と比較して、アルカリ性処理液LQ中の溶存酸素濃度を低下させることができる。その結果、アルカリ性処理液LQに浸漬された基板Wを、アルカリ性処理液LQによって効果的に処理できる。つまり、気泡BBを供給することで、気泡BBを供給しない場合と比較して、アルカリ性処理液LQによる基板Wの処理量を多くできる。この点の詳細は後述する。また、気泡BBを供給することで、基板Wの表面に接触するアルカリ性処理液LQを新鮮なアルカリ性処理液LQに効果的に置換できる。
気泡調節部180は、気体供給源TKCから供給される気体GAを、複数の気泡供給管21に供給する。具体的には、基板処理装置100は複数の配管181を更に備える。複数の配管181は、それぞれ、複数の気泡供給管21に接続される。そして、気泡調節部180は、気体供給源TKCから供給される気体GAを、複数の配管181から、それぞれ、複数の気泡供給管21に供給する。具体的には、気泡調節部180は、複数の気泡調節機構182を含む。複数の気泡調節機構182は、それぞれ、複数の配管181に接続される。つまり、配管181の一端が気泡供給管21に接続され、配管181の他端が気泡調節機構182に接続される。複数の気泡調節機構182は、それぞれ、複数の気泡供給管21に対応して設けられる。気泡調節機構182は、気体供給源TKCから供給される気体GAを、対応する配管181を介して、対応する気泡供給管21に供給する。
また、気泡調節部180は、気泡供給管21ごとに気泡BBを調節する。従って、実施形態1によれば、各基板Wに対する処理の面内均一性を向上できる。具体的には、気泡調節部180は、気泡供給管21ごとに、気泡BBの量及び/又は数を調節する。
すなわち、図2及び図3を参照して説明したように、気泡BBが多い程、基板Wの処理量が多くなり、気泡BBが少ない程、基板Wの処理量が少なくなる。従って、アルカリ性処理液LQへの浸漬前の基板Wに厚みの分布が存在する場合には、基板Wの表面における気泡BBの分布を調節することで、基板Wの表面における各領域で処理量を調節できる。その結果、例えば、基板Wの表面において厚みの大きい領域では、気泡BBを増加させる。又は、例えば、基板Wの表面において厚みの小さい領域では、気泡BBを減少させる。よって、基板Wに対する処理の面内均一性を向上できる。
詳細には、気泡調節部180において、各気泡調節機構182は、対応する気泡供給管21に供給する気体GAの流量を調節する。気体GAの流量の調節は、気体GAの流量を一定にすること、気体GAの流量を増加させること、気体GAの流量を減少させること、及び、気体GAの流量をゼロにすることを含む。
制御部221は、昇降ユニット126、バルブ146、調整バルブ145、ヒーター143、ポンプ142、バルブ156、バルブ166、バルブ170b、及び、気泡調節部180(複数の気泡調節機構182)を制御する。
次に、図4を参照して、基板Wを処理槽110に浸漬する前及び後の基板処理装置100を説明する。図4(a)及び図4(b)は、基板Wを処理槽110に投入する前及び後の基板処理装置100の模式的斜視図である。なお、図4では、図面が過度に複雑になることを避けるために、図1に示した蓋116及び処理槽110内のアルカリ性処理液LQを省略して示している。また、図4(a)及び図4(b)では、1ロット(例えば25枚)の基板Wが処理槽110で処理される例が示される。
図4(a)に示すように、基板保持部120は、第1方向D10(Y方向)に間隔をあけて複数の基板W(1ロットの基板W)を保持する。複数の基板Wは、第1方向D10に沿って一列に配列される。換言すれば、第1方向D10は、複数の基板Wの配列方向を示す。第1方向D10は、水平方向に略平行であり、鉛直方向Dに略垂直である。また、複数の基板Wの各々は、第2方向D20に略平行である。第2方向D20は、第1方向D10及び鉛直方向Dに略直交し、水平方向に略平行である。
第1方向D10は、本発明の「所定方向」の一例に相当する。
図4(a)では、基板保持部120は、内槽112の上方に位置する。基板保持部120は、複数の基板Wを保持したまま鉛直下方(Z方向)に下降する。これにより、複数の基板Wが内槽112に投入される。図4(b)に示すように、基板保持部120が内槽112にまで下降すると、複数の基板Wは、内槽112内のアルカリ性処理液LQに浸漬する。
次に、図5を参照して、気泡供給部200を説明する。図5は、気泡供給部200を示す模式的平面図である。図5に示すように、複数の気泡供給管21を互いに区別して説明する場合には、図5において右から、気泡供給管21a、気泡供給管21b、気泡供給管21c、気泡供給管21d、気泡供給管21e、気泡供給管21fと記載する。
複数の気泡供給管21は、平面視において、互いに略平行に、かつ、間隔をあけて配置される。図5の例では、複数の気泡供給管21は、仮想中心線CLに対して対称に配置される。仮想中心線CLは、各基板Wの中心を通り、第1方向D10に沿って延びる。
具体的には、複数の気泡供給管21は、処理槽110において、互いに略平行に、かつ、第2方向D20に間隔をあけて配置される。気泡供給管21は、は、第1方向D10に沿って延びている。複数の気泡供給管21の各々において、複数の気泡孔Gは、第1方向D10に間隔をあけて略一直線上に配置される。図5の例では、複数の気泡供給管21の各々において、複数の気泡孔Gは、第1方向D10において、等間隔、かつ、略一直線上に配置される。複数の気泡供給管21の各々において、各気泡孔Gは、気泡供給管21の上面部に設けられる。
複数の気泡供給管21の各々は、第1管部T1と、第2管部T2と、第3管部T3とを有する。第1管部T1は、複数の基板Wのうち第1方向D10の一方端に配置される基板W1に対して、第1方向D10の外方に延びる。第2管部T2は、複数の基板Wのうち第1方向D10の他方端に配置される基板W2に対して、第1方向D10の外方に延びる。第3管部T3は、気泡供給管21のうち、第1管部T1と第2管部T2との間の部分である。
複数の気泡供給管21の各々において、複数の気泡孔Gは、複数の第1気泡孔G1と、複数の第2気泡孔G2と、複数の第3気泡孔G3とを含む。
第1管部T1には、複数の気泡孔Gのうち、第1気泡孔G1が配置される。図5の例では、第1管部T1には、5個の第1気泡孔G1が配置される。第2管部T2には、複数の気泡孔Gのうち、第2気泡孔G2が配置される。図5の例では、第2管部T2には、5個の第2気泡孔G2が配置される。第1管部T1と第2管部T2との間の第3管部T3には、複数の第3気泡孔G3が配置される。
詳細には、複数の基板Wの配列には、複数の隙間空間GPが存在する。複数の隙間空間GPの各々は、第1方向D10に互いに隣り合う基板Wと基板Wとの隙間の空間を示す。複数の隙間空間GPは、各基板Wに仕切られて、第1方向D10に沿って並んだ空間である。
各気泡供給管21において、第1気泡孔G1は、基板W1よりも第1方向D10の外方に配置される。各気泡供給管21において、第2気泡孔G2は、基板Wよりも第1方向D10の外方に配置される。各気泡供給管21において、複数の第3気泡孔G3は、複数の隙間空間GPにそれぞれ対応して配置される。図5の例では、気泡供給管21b~21eの各々において、複数の第3気泡孔G3は、それぞれ、複数の隙間空間GPに対して、鉛直方向Dに対向する。また、気泡供給管21a、21fの各々において、複数の第3気泡孔G3は、それぞれ、複数の隙間空間GPに対して、鉛直方向Dに交差する方向に対向する。
各気泡供給管21において、第1気泡孔G1は、複数の第3気泡孔G3のうち、1つの隙間空間GPに対応して配置される第3気泡孔G3よりも多いことが好ましい。加えて、各気泡供給管21において、第2気泡孔G2は、1つの隙間空間GPに対応して配置される第3気泡孔G3よりも多いことが好ましい。この好ましい例によれば、複数の基板Wの第1方向D10の両端近傍においても、円滑に気泡BBが上昇する。従って、第1方向D10の両端近傍の基板W(例えば、基板W1、W2)の表面に対しても効果的に気泡BBを供給できる。その結果、第1方向D10の両端近傍の基板Wの表面に接触するアルカリ性処理液LQを新鮮なアルカリ性処理液LQに効果的に置換できる。例えば、基板W1の隣の基板Wと基板W1との隙間空間GP、及び、基板W2の隣の基板Wと基板W2との隙間空間GPに対しても、多数の気泡BBを効果的に供給できて、新鮮なアルカリ性処理液LQへの置換を効果的に行うことができる。
なお、例えば、第1気泡孔G1及び第2気泡孔G2が存在しない場合、複数の基板Wの第1方向D10の両端近傍では、アルカリ性処理液LQの下降流の影響によって、気泡BBの上昇が抑制される可能性がある。その結果、複数の基板Wの第1方向D10の両端近傍では、気泡BBが隙間空間GPに進入し難くなる可能性がある。そこで、第3気泡孔G3よりも多い第1気泡孔G1及び第2気泡孔G2を設けることで、気泡BBを円滑に上昇させ、アルカリ性処理液LQの下降流の影響を抑制する。なお、アルカリ性処理液LQの下降流は、例えば、隙間空間GPを上昇するアルカリ性処理液LQが液表面に到達することで、液表面によって生成され得る。
なお、図1の例では、複数の気泡孔Gは、5個の第1気泡孔G1と、5個の第2気泡孔G2とを含む。また、各気泡供給管21において、1つの隙間空間GPに対応して1個の第3気泡孔G3が配置される。つまり、各気泡供給管21において、1つの隙間空間GPに対向して1個の第3気泡孔G3が配置される。この場合、例えば、基板保持部120がK枚の基板Wを保持する場合、(K-1)個の第3気泡孔G3が設けられる。Kは、例えば、2以上の整数を示す。Kは、例えば、50である。
ここで、図5の例では、気泡供給管21a及び気泡供給管21fは、平面視において、基板Wよりも第2方向D20の外側に位置する。なお、気泡供給管21a及び気泡供給管21fは、平面視において、基板Wと重なっていてもよい。また、気泡供給管21a及び気泡供給管21fは、気泡供給管21a~21fのうち、第2方向D20において最も外側に配置される。気泡供給管21c及び気泡供給管21dは、気泡供給管21a~21fのうち、第2方向D20において最も内側に配置される。気泡供給管21bは、気泡供給管21aと気泡供給管21cとの間に配置される。気泡供給管21eは、気泡供給管21dと気泡供給管21fとの間に配置される。
引き続き図5を参照して、気泡調節部180及び配管181を説明する。気泡調節部180は、気泡供給管21ごとに気泡供給管21に気体GAを供給することで、処理槽110のアルカリ性処理液LQ(図1)に対して気泡孔Gから気泡BBを供給する。気泡供給管21に供給する気体GAの流量が多い程、気泡供給管21から供給される気泡BBが多くなる。
詳細には、各配管181の一端は、対応する気泡供給管21の第1方向D10の一端部に接続される。一方、各配管181の他端は、対応する気泡調節機構182に接続される。そして、各気泡調節機構182は、対応する配管181を介して、対応する気泡供給管21に気体GAを供給する。また、各気泡調節機構182は、対応する気泡供給管21に供給する気体GAの流量を個別に調節することで、対応する気泡供給管21に供給する気体GAの流量を個別に調節する。
具体的には、気泡調節機構182は、バルブ41と、フィルター42と、流量計43と、調節バルブ44とを含む。バルブ41、フィルター42、流量計43、及び、調節バルブ44は、この順番に配管181の下流から上流に向かって、配管181に配置される。
調節バルブ44は、配管181の開度を調節することで、配管181に供給する気体GAの流量を調節して、気泡供給管21に供給される気体GAの流量を調節する。流量計43は、配管181を流れる気体GAの流量を計測する。調節バルブ44は、流量計43の計測結果に基づいて気体GAの流量を調節する。なお、例えば、調節バルブ44及び流量計43に代えて、マスフローコントローラーを設けてもよい。
フィルター42は、配管181を流れる気体GAから異物を除去する。バルブ41は、配管181を開閉する。つまり、バルブ41は、配管181からの気泡供給管21に対する気体GAの供給と供給停止とを切り替える。
なお、複数の気泡調節機構182を区別して説明する場合には、図5において上から、気泡調節機構182a、気泡調節機構182b、気泡調節機構182c、気泡調節機構182d、気泡調節機構182e、及び、気泡調節機構182fと記載する。気泡調節機構182a~182fは、それぞれ、気泡供給管21a~21fに供給する気体GAの流量を調節する。
次に、図6を参照して、処理液導入部130を説明する。図6は、処理液導入部130を示す模式的裏面図である。図6に示すように、処理液導入部130は、複数の吐出部131と、複数の分散板132とを含む。図6の例では、処理液導入部130は、2個の吐出部131と、2個の分散板132とを含む。複数の吐出部131は、第1方向D10に間隔をあけて配置される。複数の分散板132は、第1方向D10に間隔をあけて配置される。複数の分散板132は、それぞれ、複数の吐出部131に対応する。複数の分散板132は、プレート31の下方に配置される。図6の例では、分散板132は、略円板形状を有する。複数の吐出部131は、それぞれ、複数の分散板132の下方に配置される。
吐出部131及び分散板132は、裏面視において、第2方向D20におけるプレート31の中央領域31aに対応して配置される。中央領域31aは第1方向D10に沿って延びる。
循環部140(図1)が配置される配管141は、配管133を含む。配管133は、プレート31の第1方向D10の一方端側から他方端側に向かって延びる。配管133は第1方向D10に沿って延びる。配管133は、プレート31の裏面に対向する。つまり、配管133は、プレート31の下方に配置される。具体的には、配管133は、分散板132よりも下方に配置される。
吐出部131は、配管133の上面に接続される。吐出部131と配管133とは連通している。そして、吐出部131は、分散板132に向かって、配管133から鉛直上方に突出する。配管133には、循環部140からアルカリ性処理液LQが供給される。その結果、吐出部131は、アルカリ性処理液LQを分散板132に向かって吐出する。よって、アルカリ性処理液LQの圧力が分散され、アルカリ性処理液LQが水平方向に拡がる。そして、アルカリ性処理液LQは、複数の処理液孔Pから上昇して層流を形成する。複数の処理液孔Pは、プレート31の全面に形成されている。
次に、図7を参照して、気泡BBの調節による基板Wの処理の一例を説明する。図7(a)~図7(d)は、基板Wの処理の流れの一例を示す模式図である。
図7(a)に示すように、状態ST1は、基板Wがアルカリ性処理液LQに浸漬される前の状態を示す。基板Wに対しては、浸漬前に、別の処理が実行されている。
以下、処理槽110のアルカリ性処理液LQに浸漬する前に基板Wに対して実行される別の処理を、「前段処理」と記載する。
基板Wは、基板中央部A1と、2つの基板中間部A2と、2つの基板端部A3とを含む。基板中央部A1は、基板Wの中心CTを含み、鉛直方向Dに沿って延びる。基板中央部A1は、第2方向D20における基板Wの中央領域を示す。基板端部A3は、第2方向D20における基板Wの端領域を示す。基板端部A3は、鉛直方向Dに沿って延びる。2つの基板端部A3の一方は、基板WのエッジE1を含む。2つの基板端部A3の他方は、基板WのエッジE2を含む。エッジE1、E1は、第2方向D20における基板Wの頂点を示す。基板中間部A2は、基板中央部A1と基板端部A3との間の領域である。2つの基板中間部A2は基板中央部A1を挟む。
基板WはノッチNを有する。基板保持部120(図1)は、ノッチNが鉛直方向Dの頂点に位置する状態で基板Wを保持する。従って、基板Wは、ノッチNが鉛直方向Dの頂点に位置する状態で、アルカリ性処理液LQに浸漬される。
また、ノッチNが鉛直方向Dの頂点に位置する状態において、第2方向D20における基板Wの厚みが示されている。
状態ST1では、基板中央部A1の厚みが、基板中間部A2及び基板端部A3の厚みよりも大きい。従って、前段処理での基板中央部A1に対する処理量(エッチング量)は、前段処理での基板中間部A2及び基板端部A3に対する処理量(エッチング量)よりも少ない。
また、状態ST1では、全ての気泡供給管21a~21fが、アルカリ性処理液LQに気泡BBを供給している。例えば、気泡BBの供給を開始してから第1所定時間後に、基板Wをアルカリ性処理液LQに浸漬する。第1所定時間は、アルカリ性処理液LQ中の溶存酸素濃度が略一定になるまでの時間を示す。第1所定時間は、例えば、2時間である。つまり、アルカリ性処理液LQ中の溶存酸素濃度が略一定になった後に(図3)、アルカリ性処理液LQに基板Wを浸漬する。
図7(b)に示すように、状態ST2は、基板Wがアルカリ性処理液LQに浸漬され、全ての気泡供給管21a~21fから気泡BBが供給されている状態を示す。状態ST2での処理が第2所定時間だけ実行される。その結果、基板Wが全体的に処理され、基板Wの厚みが全体的に減少する。第2所定時間は、処理量の目標値に基づいて決定される。状態ST2での処理の後、状態ST3での処理が実行される。
図7(c)に示すように、状態ST3は、基板Wがアルカリ性処理液LQに浸漬され、基板中央部A1に対応する2本の気泡供給管21c、21dから気泡BBが供給されている状態を示す。状態ST3での処理が第3所定時間だけ実行される。第3所定時間は、浸漬前の基板Wの厚み(図7(a))に基づいて決定される。つまり、第3所定時間は、浸漬前の基板Wの処理量(図7(a))に基づいて決定される。
浸漬前の基板Wでは、前段処理における基板中央部A1の処理量が、基板中間部A2及び基板端部A3の処理量よりも少ない(図7(a))。つまり、浸漬前では、基板中央部A1の厚みが、基板中間部A2及び基板端部A3の厚みよりも大きい。従って、基板Wの厚みの面内均一性を向上するためには、基板中央部A1の処理量を、基板中間部A2及び基板端部A3の処理量よりも多くすることが要求される。
そこで、状態ST3では、基板中央部A1に対応する2本の気泡供給管21c、21dだけが気泡BBを供給し、基板中間部A2に対応する2本の気泡供給管21b、21eと、基板端部A3に対応する2本の気泡供給管21a、21fとが、気泡BBの供給を停止している。従って、基板中間部A2及び基板端部A3の近傍の溶存酸素濃度は、基板中央部A1の近傍の溶存酸素濃度よりも高い。つまり、基板中央部A1の近傍の溶存酸素濃度が、基板中間部A2及び基板端部A3の近傍の溶存酸素濃度に対して相対的に低い。従って、アルカリ性処理液LQによる基板中央部A1の処理量が、アルカリ性処理液LQによる基板中間部A2及び基板端部A3の処理量よりも多くなる。その結果、基板中央部A1と基板中間部A2と基板端部A3との厚みが略一定になる。つまり、基板Wの処理量の面内均一性が向上する。状態ST3での処理の後、状態ST4での処理が実行される。
なお、気泡調節部180から気泡供給管21c、21dの各々に供給する気体GAの流量を、気泡調節部180から気泡供給管21a、21b、21e、21fの各々に供給する気体GAの流量よりも多くしてもよい。この場合も上記と同様に、基板中央部A1の近傍の溶存酸素濃度を、基板中間部A2及び基板端部A3の近傍の溶存酸素濃度に対して相対的に低くすることができる。その結果、上記と同様に、基板Wの処理量の面内均一性が向上する。
図7(d)に示すように、状態ST4は、基板Wがアルカリ性処理液LQから引き上げられた状態を示す。状態ST4では、全ての気泡供給管21a~21fが、アルカリ性処理液LQに気泡BBを供給している。状態ST4が、第4所定時間以上、待機される。第4所定時間は、アルカリ性処理液LQ中の溶存酸素濃度が略一定になるまでの時間を示す。第4所定時間は、例えば、2時間である。
次に、図8を参照して、気泡BBの調節による基板Wの処理の他の例を説明する。図8(a)~図8(d)は、基板Wの処理の流れの一例を示す模式図である。以下、図8に示す状態が図7に示す状態と異なる点を主に説明する。
図8(a)に示すように、状態ST11は、基板Wがアルカリ性処理液LQに浸漬される前の状態を示す。基板Wに対しては、浸漬前に、別の処理が実行されている。つまり、基板Wに対して前段処理が実行されている。
状態ST11では、基板中間部A2の厚みが、基板中央部A1及び基板端部A3の厚みよりも大きい。従って、前段処理での基板中間部A2に対する処理量(エッチング量)は、前段処理での基板中央部A1及び基板端部A3に対する処理量(エッチング量)よりも少ない。
また、状態ST11では、全ての気泡供給管21a~21fが、アルカリ性処理液LQに気泡BBを供給している。
図8(b)に示すように、状態ST12は、基板Wがアルカリ性処理液LQに浸漬され、全ての気泡供給管21a~21fから気泡BBが供給されている状態を示す。
図8(c)に示すように、状態ST13は、基板Wがアルカリ性処理液LQに浸漬され、基板中間部A2に対応する2本の気泡供給管21b、21eから気泡BBが供給されている状態を示す。状態ST13での処理が第3所定時間だけ実行される。第3所定時間は、浸漬前の基板Wの厚み(図8(a))に基づいて決定される。つまり、第3所定時間は、浸漬前の基板Wの処理量(図8(a))に基づいて決定される。
浸漬前の基板Wでは、前段処理における基板中間部A2の処理量が、基板中央部A1及び基板端部A3の処理量よりも少ない(図8(a))。つまり、浸漬前では、基板中間部A2の厚みが、基板中央部A1及び基板端部A3の厚みよりも大きい。従って、基板Wの厚みの面内均一性を向上するためには、基板中間部A2の処理量を、基板中央部A1及び基板端部A3の処理量よりも多くすることが要求される。
そこで、状態ST13では、基板中間部A2に対応する2本の気泡供給管21b、21eだけが気泡BBを供給し、基板中央部A1に対応する2本の気泡供給管21c、21dと、基板端部A3に対応する2本の気泡供給管21a、21fとが、気泡BBの供給を停止している。従って、基板中央部A1及び基板端部A3の近傍の溶存酸素濃度は、基板中間部A2の近傍の溶存酸素濃度よりも高い。つまり、基板中間部A2の近傍の溶存酸素濃度が、基板中央部A1及び基板端部A3の近傍の溶存酸素濃度に対して相対的に低い。従って、アルカリ性処理液LQによる基板中間部A2の処理量が、アルカリ性処理液LQによる基板中央部A1及び基板端部A3の処理量よりも多くなる。その結果、基板中央部A1と基板中間部A2と基板端部A3との厚みが略一定になる。つまり、基板Wの処理量の面内均一性が向上する。状態ST13での処理の後、状態ST14での処理が実行される。
なお、気泡調節部180から気泡供給管21b、21eの各々に供給する気体GAの流量を、気泡調節部180から気泡供給管21a、21c、21d、21fの各々に供給する気体GAの流量よりも多くしてもよい。この場合も上記と同様に、基板中間部A2の近傍の溶存酸素濃度を、基板中央部A1及び基板端部A3の近傍の溶存酸素濃度に対して相対的に低くすることができる。その結果、上記と同様に、基板Wの処理量の面内均一性が向上する。
図8(d)に示すように、状態ST14は、基板Wがアルカリ性処理液LQから引き上げられた状態を示す。
次に、図9を参照して、気泡BBの調節による基板Wの処理の更に他の例を説明する。図9(a)~図9(d)は、基板Wの処理の流れの一例を示す模式図である。以下、図9に示す状態が図7に示す状態と異なる点を主に説明する。
図9(a)に示すように、状態ST21は、基板Wがアルカリ性処理液LQに浸漬される前の状態を示す。基板Wに対しては、浸漬前に、別の処理が実行されている。つまり、基板Wに対して前段処理が実行されている。
状態ST21では、基板端部A3の厚みが、基板中央部A1及び基板中間部A2の厚みよりも大きい。従って、前段処理での基板端部A3に対する処理量(エッチング量)は、前段処理での基板中央部A1及び基板中間部A2に対する処理量(エッチング量)よりも少ない。
また、状態ST21では、全ての気泡供給管21a~21fが、アルカリ性処理液LQに気泡BBを供給している。
図9(b)に示すように、状態ST22は、基板Wがアルカリ性処理液LQに浸漬され、全ての気泡供給管21a~21fから気泡BBが供給されている状態を示す。
図9(c)に示すように、状態ST23は、基板Wがアルカリ性処理液LQに浸漬され、基板端部A3に対応する2本の気泡供給管21a、21fから気泡BBが供給されている状態を示す。状態ST23での処理が第3所定時間だけ実行される。第3所定時間は、浸漬前の基板Wの厚み(図9(a))に基づいて決定される。つまり、第3所定時間は、浸漬前の基板Wの処理量(図9(a))に基づいて決定される。
浸漬前の基板Wでは、前段処理における基板端部A3の処理量が、基板中央部A1及び基板中間部A2の処理量よりも少ない(図9(a))。つまり、浸漬前では、基板端部A3の厚みが、基板中央部A1及び基板中間部A2の厚みよりも大きい。従って、基板Wの厚みの面内均一性を向上するためには、基板端部A3の処理量を、基板中央部A1及び基板中間部A2の処理量よりも多くすることが要求される。
そこで、状態ST23では、基板端部A3に対応する2本の気泡供給管21a、21fだけが気泡BBを供給し、基板中央部A1に対応する2本の気泡供給管21c、21dと、基板中間部A2に対応する2本の気泡供給管21b、21eとが、気泡BBの供給を停止している。従って、基板中央部A1及び基板中間部A2の近傍の溶存酸素濃度は、基板端部A3の近傍の溶存酸素濃度よりも高い。つまり、基板端部A3の近傍の溶存酸素濃度が、基板中央部A1及び基板中間部A2の近傍の溶存酸素濃度に対して相対的に低い。従って、アルカリ性処理液LQによる基板端部A3の処理量が、アルカリ性処理液LQによる基板中央部A1及び基板中間部A2の処理量よりも多くなる。その結果、基板中央部A1と基板中間部A2と基板端部A3との厚みが略一定になる。つまり、基板Wの処理量の面内均一性が向上する。状態ST23での処理の後、状態ST24での処理が実行される。
なお、気泡調節部180から気泡供給管21a、21fの各々に供給する気体GAの流量を、気泡調節部180から、気泡供給管21b~21eの各々に供給する気体GAの流量よりも多くしてもよい。この場合も上記と同様に、基板端部A3の近傍の溶存酸素濃度を、基板中央部A1及び基板中間部A2の近傍の溶存酸素濃度に対して相対的に低くすることができる。その結果、上記と同様に、基板Wの処理量の面内均一性が向上する。
図9(d)に示すように、状態ST14は、基板Wがアルカリ性処理液LQから引き上げられた状態を示す。
以上、図7~図9を参照して、気泡BBの調節による基板Wの処理を説明した。ただし、気泡供給管21a~21fのうち、気泡BBの供給を停止する気泡供給管21については、浸漬前の基板Wの厚み、つまり、浸漬前の基板Wの処理量の分布に基づいて決定される。つまり、気泡供給管21a~21fのうち、気泡BBの供給を継続する気泡供給管21については、浸漬前の基板Wの厚み、つまり、浸漬前の基板Wの処理量の分布に基づいて決定される。
例えば、浸漬前の基板中間部A2及び基板端部A3の処理量が、浸漬前の基板中央部A1の処理量よりも少ない場合は、気泡供給管21a、21b、21e、21fから気泡BBを供給し、気泡供給管21c、21dからの気泡BBの供給を停止する。
例えば、浸漬前の基板中央部A1の処理量が、浸漬前の基板中間部A2及び基板端部A3の処理量よりも多い場合は、気泡供給管21c、21dからの気泡BBの供給を停止し、気泡供給管21a、21b、21e、21fから気泡BBを供給する。
例えば、浸漬前の基板中間部A2の処理量が、浸漬前の基板中央部A1及び基板端部A3の処理量よりも多い場合は、気泡供給管21b、21eからの気泡BBの供給を停止し、気泡供給管21a、21c、21d、21fから気泡BBを供給する。
例えば、浸漬前の基板端部A3の処理量が、浸漬前の基板中央部A1及び基板中間部A2の処理量よりも多い場合は、気泡供給管21a、21fからの気泡BBの供給を停止し、気泡供給管21b~21eから気泡BBを供給する。その他、気泡供給管21a~21fの各々における気泡BBの供給及び停止については、任意の組み合わせが可能である。
また、浸漬前の基板Wの厚み、つまり、浸漬前の基板Wの処理量の分布に基づいて、気泡供給管21a~21fごとに、気泡BBを生成するための気体GAの流量を調節することで、基板中央部A1の近傍、基板中間部A2の近傍、及び、基板端部A3の近傍の各々での溶存酸素濃度を調節してもよい。つまり、浸漬前の基板Wの厚み、つまり、浸漬前の基板Wの処理量の分布に基づいて、気泡供給管21a~21fごとに、気泡BBの量及び/又は数を調節することで、基板中央部A1の近傍、基板中間部A2の近傍、及び、基板端部A3の近傍の各々での溶存酸素濃度を調節してもよい。
例えば、浸漬前の基板中央部A1の処理量が、浸漬前の基板中間部A2及び基板端部A3の処理量よりも少ない場合は、気泡供給管21c、21dの各々に供給する気体GAの流量を、気泡供給管21a、21b、21e、21fの各々に供給する気体GAの流量に対して相対的に多くする。その結果、気泡供給管21c、21dの各々からの気泡BBが相対的に多くなり、基板中央部A1の近傍の溶存酸素濃度も相対的に低くなる。その結果、基板中央部A1の処理量が相対的に多くなって、基板Wの処理量の面内均一性を向上できる。
例えば、浸漬前の基板中間部A2の処理量が、浸漬前の基板中央部A1及び基板端部A3の処理量よりも少ない場合は、気泡供給管21b、21eの各々に供給する気体GAの流量を、気泡供給管21a、21c、21d、21fの各々に供給する気体GAの流量に対して相対的に多くする。その結果、気泡供給管21b、21eの各々からの気泡BBが相対的に多くなり、基板中間部A2の近傍の溶存酸素濃度も相対的に低くなる。その結果、基板中間部A2の処理量が相対的に多くなって、基板Wの処理量の面内均一性を向上できる。
例えば、浸漬前の基板端部A3の処理量が、浸漬前の基板中央部A1及び基板中間部A2の処理量よりも少ない場合は、気泡供給管21a、21fの各々に供給する気体GAの流量を、気泡供給管21b~21eの各々に供給する気体GAの流量に対して相対的に多くする。その結果、気泡供給管21a、21fの各々からの気泡BBが相対的に多くなり、基板端部A3の近傍の溶存酸素濃度も相対的に低くなる。その結果、基板端部A3の処理量が相対的に多くなって、基板Wの処理量の面内均一性を向上できる。
例えば、浸漬前の基板中間部A2及び基板端部A3の処理量が、浸漬前の基板中央部A1の処理量よりも少ない場合は、気泡供給管21a、21b、21e、21fの各々に供給する気体GAの流量を、気泡供給管21c、21dの各々に供給する気体GAの流量に対して相対的に多くする。その他、気泡供給管21a~21fの各々に供給する気体GAの流量の任意の組み合わせが可能である。
例えば、浸漬前の基板中央部A1の処理量が、浸漬前の基板中間部A2及び基板端部A3の処理量よりも多い場合は、気泡供給管21c、21dの各々に供給する気体GAの流量を、気泡供給管21a、21b、21e、21fの各々に供給する気体GAの流量に対して相対的に少なくする。
例えば、浸漬前の基板中間部A2の処理量が、浸漬前の基板中央部A1及び基板端部A3の処理量よりも多い場合は、気泡供給管21b、21eの各々に供給する気体GAの流量を、気泡供給管21a、21c、21d、21fの各々に供給する気体GAの流量に対して相対的に少なくする。
例えば、浸漬前の基板端部A3の処理量が、浸漬前の基板中央部A1及び基板中間部A2の処理量よりも多い場合は、気泡供給管21a、21fの各々に供給する気体GAの流量を、気泡供給管21b~21eの各々に供給する気体GAの流量に対して相対的に少なくする。
なお、気泡供給管21a~21fへの気体GAの供給が、上述のように左右対称に調節されてもよいし(例えば、状態ST3、ST13、ST23)、左右非対称に調節されてもよい。換言すれば、気泡供給管21a~21fへの気体GAの供給が、気泡供給管21a~21fごとに個別に調節されてもよい。更に換言すれば、気泡供給管21a~21fからの気泡BBが、上述のように左右対称に調節されてもよいし、左右非対称に調節されてもよい。更に換言すれば、気泡供給管21a~21fからの気泡BBが、気泡供給管21a~21fごとに個別に調節されてもよい。
すなわち、基板Wをアルカリ性処理液LQに浸漬している状態で気泡供給管21a~21fからの気泡BBを調節する場合(例えば、状態ST3、ST13、ST23)、気泡供給管21a~21fごとに気体GAの流量(気泡BBの量及び/又は数)が異なっていてもよいし、気泡供給管21a~21fに対する気体GAの流量(気泡BBの量及び/又は数)が同じでもよい。
また、基板Wをアルカリ性処理液LQに浸漬している状態で気泡供給管21a~21fからの気泡BBを調節する場合(例えば、状態ST3、ST13、ST23)、浸漬前の基板Wの厚みの分布、つまり、浸漬前の基板Wの処理量の分布に応じて、浸漬中の気体GAの合計流量SM1は、浸漬前の気体GAの合計流量SM0と同じであってもよいし、異なっていてもよい。気体GAの合計流量SM1は、気体GAの合計流量SM0よりも多くてもよいし、気体GAの合計流量SM0よりも少なくてもよい。気体GAの合計流量SM1は、基板Wをアルカリ性処理液LQに浸漬している状態(例えば、状態ST3、ST13、ST23)において、気泡供給管21a~21fに供給する気体GAの合計流量を示す。気体GAの合計流量SM0は、基板Wをアルカリ性処理液LQに浸漬していない状態(例えば、状態ST1、ST11、ST21)において、気泡供給管21a~21fに供給する気体GAの合計流量を示す。
更に、図7~図8では、気泡BBの調節による基板Wの処理(例えば、状態ST3、ST13、ST23)を、全ての気泡供給管21a~21fから気泡BBを供給した状態での処理(例えば、状態ST2、ST12、ST22)の後に実行した。ただし、気泡BBの調節による基板Wの処理のタイミングは特に限定されない。
例えば、気泡BBの調節による基板Wの処理を、全ての気泡供給管21a~21fから気泡BBを供給した状態での処理の前に実行してもよい。又は、例えば、気泡BBの調節による基板Wの処理を、全ての気泡供給管21a~21fから気泡BBを供給した状態での処理を実行することなく単独で実行してもよい。
更に、気泡BBの調節による基板Wの処理(例えば、状態ST3、ST13、ST23)の実行時間(第3所定時間)は、浸漬前の基板Wの処理量に応じて任意に設定できる。また、気泡BBの調節による基板Wの処理において、気泡供給管21a~21fごとに、気泡BBの供給時間及び/又は供給タイミングを異ならせてもよい。
以上、図1~図9を参照して説明したように、各気泡供給管21からの気泡BBの調節によって、基板Wの表面の領域(基板中央部A1、基板中間部A2、基板端部A3)ごとに選択的に処理量を調節した。この点を図1の制御部221の処理として説明する。
すなわち、制御部221は、気泡調節部180を制御することで、気泡BBを調節するための制御対象(以下、「制御対象CN」)を気泡供給管21ごとに制御する。この場合、制御対象CNは、気泡供給管21に供給する気体GAの流量、気泡供給管21への気体GAの供給タイミング、及び、気泡供給管21への気体GAの供給期間のうちの少なくとも1つを含む。
実施形態1によれば、気泡供給管21ごとに、気体GAの流量、気体GAの供給タイミング、及び、気体GAの供給期間のうちの少なくとも1つを制御することで、気泡供給管21ごとに気泡BBの量/及び又は数を調節できる。つまり、気泡供給管21ごとに、気体GAの流量、気体GAの供給タイミング、及び、気体GAの供給期間のうちの少なくとも1つを制御することで、処理槽110のアルカリ性処理液LQ中の溶存酸素濃度の分布を制御できる。その結果、浸漬前の基板Wの処理量(つまり、前段処理による基板Wの処理量)の分布に応じて、浸漬中の基板Wの処理量の分布を制御できる。よって、基板Wの処理量の面内均一性を向上できる。例えば、実施形態1では、アルカリ性処理液LQへの浸漬による基板Wの処理後において、基板Wを構成する膜(例えば、ポリシリコン膜)の厚みを、基板Wの表面全体にわたって略一定にできる。
具体的には、制御部221は、複数の気泡調節機構182を個別に制御することで、気泡BBを調節するための制御対象CNを気泡供給管21ごとに制御する。この場合、制御部221は、複数の気泡調節機構182を個別に制御することで、気泡供給管21ごとに、気体GAの流量、気体GAの供給タイミング、及び/又は、気体GAの供給期間を異ならせてもよい。
更に具体的には、制御部221は、基板Wをアルカリ性処理液LQに浸漬する前の基板Wの処理量を示す物理量に基づいて制御対象CNを気泡供給管21ごとに制御する。アルカリ性処理液LQへの浸漬前の基板Wの処理量は、前段処理での基板Wの処理量を示す。この場合、基板Wの処理量は、例えば、基板Wを構成する対象物TG(例えば、基板Wそのもの、基板本体、膜、又は、層)のエッチング量又はエッチングレートを示す。また、基板Wの処理量を示す物理量は、基板Wの処理量そのものであってもよいし、基板Wを構成する対象物TGの処理量であってもよいし、基板Wの厚みそのものであってもよいし、基板Wを構成する対象物TGの厚みであってもよい。
実施形態1によれば、アルカリ性処理液LQへの浸漬前の基板Wの処理量を示す物理量に基づいて制御対象CNを気泡供給管21ごとに制御するので、浸漬前の基板Wの処理量に応じた基板Wの処理を、アルカリ性処理液LQへの浸漬によって実行できる。その結果、基板Wの処理量の面内均一性を更に効果的に向上できる。
更に具体的には、制御部221は、基板Wをアルカリ性処理液LQに浸漬する前の基板Wの処理量を示す物理量の分布に基づいて制御対象CNを気泡供給管21ごとに制御する。この場合、アルカリ性処理液LQへの浸漬前の基板Wの処理量を示す物理量の分布は、基板Wの面内における「処理量を示す物理量」の分布である。
次に、図1及び図10を参照して、実施形態1に係る基板処理方法を説明する。基板処理方法は、基板処理装置100によって実行される。図10は、実施形態1に係る基板処理方法を示すフローチャートである。図10に示すように、基板処理方法は、工程S1~工程S10を含む。工程S1~工程S10は、制御部221の制御の下で実行される。
まず、工程S1において、処理槽110のアルカリ性処理液LQが交換される。例えば、制御部221は、基板保持部120、処理液導入部130、循環部140、処理液供給部150、希釈液供給部160、及び、排液部170を制御することで、処理槽110のアルカリ性処理液LQを交換する。
次に、工程S2において、処理液導入部130は、アルカリ性処理液LQの層流を生成し、処理槽110へのアルカリ性処理液LQの導入を開始する。その結果、処理槽110において、アルカリ性処理液LQの循環が開始される。工程S2は、本発明の「処理液導入工程」の一例に相当する。
次に、工程S3において、気泡供給部200は、アルカリ性処理液LQが処理槽110に貯留された状態において、全ての気泡供給管21からの気泡BBの供給を開始する。つまり、気泡調節部180が全ての気泡供給管21に対して気体GAを供給することで、全ての気泡供給管21からアルカリ性処理液LQに対して気泡BBが供給される。工程S3は、本発明の「気泡供給工程」の一例に相当する。工程S3は、工程S6まで継続しているためである。
次に、工程S4において、厚み測定部210は、アルカリ性処理液LQに基板Wを浸漬する前に、基板Wの厚みを測定する。具体的には、厚み測定部210は、基板Wの浸漬前に、基板Wの厚みの分布(面内分布)を測定する。記憶部223は、浸漬前の基板Wの厚みの分布を示す情報を記憶する。詳細には、基板Wの厚みは、基板Wを構成する対象物TGの厚みである。基板Wの浸漬前には、基板Wに対して前段処理が実行されているため、工程S4では、前段処理後の基板Wの厚みが測定される。以下、浸漬前の基板Wの厚みは、前段処理後であって、浸漬前の基板Wの厚みを示す。浸漬前の基板Wの厚みの分布を示す情報は、機会学習のための学習データとして使用することが可能である。
次に、工程S5において、制御部221は、厚み測定部210の測定結果に基づいて、アルカリ性処理液LQへの浸漬前の基板Wの処理量を取得する。具体的には、制御部221は、前段処理の実行前の基板Wの厚みと、浸漬前(前段処理後)の基板Wの厚みとの差分を算出することで、前段処理による基板Wの処理量を取得する。その結果、前段処理による基板Wの処理量の分布が得られる。記憶部223は、前段処理による基板W(浸漬前の基板W)の処理量の分布を示す情報を記憶する。基板Wの処理量は、例えば、基板Wのエッチング量を示す。前段処理による基板W(浸漬前の基板W)の処理量の分布を示す情報は、機械学習のための学習データとして使用される。
次に、工程S6において、基板保持部120は、処理槽110に貯留されたアルカリ性処理液LQに複数の基板Wを浸漬する。この場合、気泡供給部200は、基板Wがアルカリ性処理液LQに浸漬された状態において、基板Wの下方からアルカリ性処理液LQに対して、気泡供給管21に設けられる複数の気泡孔Gの各々から気泡BBを供給している。工程S6では、全ての気泡供給管21から気泡BBが供給されている。工程S6が第2所定時間だけ実行されると、処理は工程S7に進む。工程S6は、本発明の「浸漬工程」の一例に相当する。
次に、工程S7において、気泡調節部180は、アルカリ性処理液LQへの浸漬前の基板Wの処理量の分布に基づいて、各気泡供給管21から供給する気泡BBを調節する。具体的には、気泡調節部180は、気泡供給管21ごとに気泡BBを調節する。更に具体的には、気泡調節部180は、気泡BBを調節するための制御対象CNを気泡供給管21ごとに制御することで、気泡供給管21ごとに気泡BBを調節する。制御対象CNは、気体GAの流量、気体GAの供給タイミング、及び、気体GAの供給期間のうちの少なくとも1つを含む。工程S7において気泡BBの調節が確定した後、第3所定時間の浸漬が完了すると、処理は工程S8に進む。「気泡BBの調節が確定」は、気泡調節部180の各気泡調節機構182の設定が完了したことを示す。工程S7は、本発明の「気泡調節工程」の一例に相当する。
次に、工程S8において、基板保持部120は、処理槽110に貯留されたアルカリ性処理液LQから、複数の基板Wを引き上げる。
次に、工程S9において、厚み測定部210は、アルカリ性処理液LQへの浸漬後の基板Wの厚みを測定する。「基板Wの浸漬後」は、「基板Wが浸漬されて処理が完了し、アルカリ性処理液LQから引き上げられた後」を示す。具体的には、厚み測定部210は、基板Wが引き上げられた後に、基板Wの厚みの分布(面内分布)を測定する。記憶部223は、浸漬後の基板Wの厚みの分布を示す情報を記憶する。詳細には、基板Wの厚みは、基板Wを構成する対象物TGの厚みである。浸漬後の基板Wの厚みの分布を示す情報は、機会学習のための学習データとして使用することが可能である。また、記憶部223は、気泡供給管21ごとに(気泡調節機構182ごとに)、制御対象CN(気体GAの流量、気体GAの供給タイミング、及び、気体GAの供給期間)の情報を記憶する。制御対象CNの情報は、機械学習のための学習データとして利用される。
次に、工程S10において、制御部221は、厚み測定部210の測定結果に基づいて、アルカリ性処理液LQへの浸漬後の基板Wの処理量を取得する。「基板Wの浸漬後」は、「基板Wが浸漬されて処理が完了し、アルカリ性処理液LQから引き上げられた後」を示す。具体的には、制御部221は、浸漬前の基板Wの厚みと、浸漬後の基板Wの厚みとの差分を算出することで、浸漬による基板Wの処理量を取得する。その結果、浸漬による基板Wの処理量の分布が得られる。基板Wの処理量は、例えば、基板Wのエッチング量を示す。記憶部223は、浸漬後の基板Wの処理量の分布を示す情報を記憶する。浸漬後の基板Wの処理量の分布を示す情報は、機械学習のための学習データとして利用される。工程S10の後、処理は工程S3に進む。
以上、図10を参照して説明したように、実施形態1に係る基板処理方法よれば、気泡BBを供給しつつ、アルカリ性処理液LQによって基板Wが処理される。従って、アルカリ性処理液LQ中の溶存酸素濃度を低下させることができる。その結果、アルカリ性処理液LQによって、基板Wを効果的に処理できる。
また、実施形態1に係る基板処理方法では、気泡供給管21ごとに気泡BBを調節する。従って、浸漬前の基板Wの処理量の分布に応じて気泡供給管21ごとに気泡BBの量及び/又は数を調節できる。その結果、浸漬前の基板Wの処理量の分布に応じて、アルカリ性処理液LQ中の溶存酸素濃度の分布を制御できる。よって、浸漬前の基板Wの処理量の分布に応じてアルカリ性処理液LQによる処理量を調節できて、基板Wの処理量の面内均一性を向上できる。
次に、図11を参照して、親水性を示す気泡供給管21の接触角θa1、θa2を説明する。図11(a)は、気体GS中における気泡供給管21の素材SL1の接触角θa1(親水性)の一例を示す図である。
図11(a)に示すように、気泡供給管21の素材SL1は、親水性を有することが好ましい。つまり、気泡供給管21は親水性を有することが好ましい。親水性を有することは、接触角θa1が90度未満であることを示す。接触角θa1は、アルカリ性処理液LQに対する気泡供給管21の素材SL1の接触角である。つまり、接触角θa1は、アルカリ性処理液LQに対する気泡供給管21の接触角である。具体的には、接触角θa1は、気体GSとアルカリ性処理液LQと素材SL1(気泡供給管21)との接触点における接触角である。気体GSは、例えば、空気又は不活性ガスである。不活性ガスは、例えば、窒素又はアルゴンである。
なお、例えば、気泡供給管21の素材SL1の接触角θa1を、水に対する気泡供給管21の接触角として定義してもよい。水は、例えば、純水である。接触角θa1を、水に対する気泡供給管21の接触角として定義した場合であっても、接触角θa1が90度未満であることが好ましい。
次に、アルカリ性処理液LQ中での接触角θa2を説明する。図11(b)は、アルカリ性処理液LQ中における気泡供給管21の接触角θa2(親水性)を示す図である。
図11(b)に示すように、実施形態1では、気泡供給管21の気泡孔Gからは、アルカリ性処理液LQに対して気泡BBが供給される。従って、気泡BBとアルカリ性処理液LQとの界面、気泡BBと気泡供給管21との界面、及び、気泡供給管21とアルカリ性処理液LQとの界面が存在する。その結果、アルカリ性処理液LQ中において、アルカリ性処理液LQに対する気泡供給管21の接触角θa2が存在する。つまり、アルカリ性処理液LQ中において、アルカリ性処理液LQに対する気泡供給管21の素材SL1の接触角θa2が存在する。具体的には、接触角θa2は、気泡BBとアルカリ性処理液LQと気泡供給管21との接触点における接触角である。
アルカリ性処理液LQ中の接触角θa2(図11(b))は、気体GS中の接触角θa1(図11(a))として示される。つまり、接触角θa2は接触角θa1に等しい。従って、接触角θa1と接触角θa2とを区別して説明する必要のないときは、接触角θa1及び接触角θa2を、個別に又は総称して、「接触角θa」と記載する場合がある。
以上、図11(a)及び図11(b)に示すように、気泡供給管21が親水性を有すると、例えば、第1方向D10(図5)に隣り合う2つの気泡孔G(図5)のうち、一方の気泡孔Gから供給される気泡BBと他方の気泡孔Gから供給される気泡BBとが、気泡供給管21の表面において結合することを抑制できる。その結果、体積(サイズ)の比較的な大きな気泡BBの発生を抑制できる。よって、アルカリ性処理液LQに対して、体積の比較的な大きな気泡BBが供給されることを抑制できる。つまり、アルカリ性処理液LQに対して、複数の気泡孔Gの各々から体積の比較的小さな気泡BBを供給できる。従って、アルカリ性処理液LQ中の溶存酸素濃度をより効果的に低下させることができる。その結果、アルカリ性処理液LQに浸漬された基板Wを、アルカリ性処理液LQによってより効果的に処理(例えば、エッチング)できる。つまり、アルカリ性処理液LQによる基板Wの処理量(例えば、エッチング量)をより多くできる。
また、アルカリ性処理液LQに対して、複数の気泡孔G(図5)の各々から体積(サイズ)の比較的小さな気泡BBを供給することで、基板Wの表面に接触するアルカリ性処理液LQを新鮮なアルカリ性処理液LQにより効果的に置換できる。その結果、基板Wの表面に、凹部を含む表面パターンが形成されている場合に、拡散現象によって凹部内のアルカリ性処理液LQを新鮮なアルカリ性処理液LQにより効果的に置換できる。よって、表面パターンの凹部内の壁面を、浅い位置から深い位置までアルカリ性処理液LQによってより効果的に処理(例えば、エッチング)できる。
更に、アルカリ性処理液LQに対して、複数の気泡孔G(図5)の各々から体積(サイズ)の比較的小さな気泡BBを供給することで、基板Wの面内において処理量にバラツキが発生することを効果的に抑制できるとともに、ロット間においても基板Wの処理量にバラツキが発生することを効果的に抑制できる。
特に、気泡供給管21の親水性は高いほど好ましい。つまり、気泡供給管21の接触角θaは小さいほど好ましい。この好ましい例によれば、例えば、第1方向D10(図5)に隣り合う2つの気泡孔G(図5)のうち、一方の気泡孔Gから供給される気泡BBと他方の気泡孔Gから供給される気泡BBとが、気泡供給管21の表面において結合することを更に効果的に抑制できる。その結果、アルカリ性処理液LQに対して、複数の気泡孔Gの各々から、より体積(サイズ)の小さな気泡BBを供給できる。よって、基板Wのより効果的な処理、基板Wの浅い位置から深い位置までのより効果的な処理、基板Wの面内における処理量のバラツキのより効果的な抑制、及び、ロット間における基板Wの処理量のバラツキのより効果的な抑制を実現できる。
具体的には、気泡供給管21の接触角θaは、85度以下であることが更に好ましく、80度以下であることが更に好ましく、75度以下であることが更に好ましく、70度以下であることが更に好ましく、65度以下であることが更に好ましく、60度以下であることが更に好ましく、55度以下であることが更に好ましく、50度以下であることが更に好ましく、45度以下であることが更に好ましく、40度以下であることが更に好ましく、35度以下であることが更に好ましく、30度以下であることが更に好ましく、25度以下であることが更に好ましく、20度以下であることが更に好ましく、15度以下であることが更に好ましく、10度以下であることが更に好ましく、5度以下であることが更に好ましい。
例えば、気泡供給管21の素材SL1は、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)であることが好ましい。PEEKの接触角θaは、約80度である。このように、気泡供給管21の素材SL1をPEEKにすることで、気泡供給管21に対して容易に親水性を付与できる。
例えば、気泡供給管21の素材SL1は、石英であることが更に好ましい。石英の接触角θaは、約10度である。このように、気泡供給管21の素材SL1を石英にすることで、気泡供給管21に対して高い親水性を付与できる。
なお、気泡供給管21は親水性を有することが好ましいが、気泡供給管21が疎水性を有していてもよい。
次に、図12を参照して、疎水性を示す気泡供給管21の接触角θb1、θb2を説明する。図12(a)は、気体GS中における気泡供給管21の素材SL2の接触角θb1(疎水性)の一例を示す図である。
図12(a)に示すように、気泡供給管21の素材SL2は、疎水性を有していてもよい。つまり、気泡供給管21は疎水性を有していてもよい。疎水性を有することは、接触角θb1が90度以上であることを示す。接触角θb1は、アルカリ性処理液LQに対する気泡供給管21の素材SL2の接触角である。つまり、接触角θb1は、アルカリ性処理液LQに対する気泡供給管21の接触角である。具体的には、接触角θb1は、気体GSとアルカリ性処理液LQと素材SL2(気泡供給管21)との接触点における接触角である。
なお、例えば、気泡供給管21の素材SL2の接触角θb1を、水に対する気泡供給管21の接触角として定義してもよい。水は、例えば、純水である。接触角θb1を、水に対する気泡供給管21の接触角として定義した場合であっても、接触角θb1が90度以上であってもよい。
次に、アルカリ性処理液LQ中での接触角θb2を説明する。図12(b)は、アルカリ性処理液LQ中における気泡供給管21の接触角θb2(疎水性)を示す図である。
図12(b)に示すように、実施形態1では、気泡供給管21の気泡孔Gからは、アルカリ性処理液LQに対して気泡BBが供給される。従って、気泡BBとアルカリ性処理液LQとの界面、気泡BBと気泡供給管21との界面、及び、気泡供給管21とアルカリ性処理液LQとの界面が存在する。その結果、アルカリ性処理液LQ中において、アルカリ性処理液LQに対する気泡供給管21の接触角θb2が存在する。つまり、アルカリ性処理液LQ中において、アルカリ性処理液LQに対する気泡供給管21の素材SL2の接触角θb2が存在する。具体的には、接触角θb2は、気泡BBとアルカリ性処理液LQと気泡供給管21との接触点における接触角である。
アルカリ性処理液LQ中の接触角θb2(図12(b))は、気体GS中の接触角θb1(図12(a))として示される。つまり、接触角θb2は接触角θb1に等しい。従って、接触角θb1と接触角θb2とを区別して説明する必要のないときは、接触角θb1及び接触角θb2を、個別に又は総称して、「接触角θb」と記載する場合がある。
例えば、気泡供給管21の素材SL2は、PFA(テトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)であってもよい。PFAの接触角θbは、約110度である。
(実施形態2)
図1及び図13~図16を参照して、本発明の実施形態2に係る基板処理装置100を説明する。実施形態2では、学習済みモデルLMを用いて各気泡供給管21からの気泡BBを調節する点で、実施形態1は実施形態2と主に異なる。以下、実施形態2が実施形態1と異なる点を主に説明する。
図13は、実施形態2に係る基板処理装置100の制御装置220を示すブロック図である。制御装置220は、例えば、コンピューターである。図13に示すように、制御装置220は、制御部221と、記憶部223と、通信部225と、入力部227と、表示部229とを備える。通信部225は、ネットワークに接続され、外部装置と通信する。ネットワークは、例えば、インターネット、LAN、公衆電話網、及び、近距離無線ネットワークを含む。通信部225は、通信機であり、例えば、ネットワークインターフェースコントローラーである。通信部225は、有線通信モジュール又は無線通信モジュールを有していてもよい。入力部227は、制御部221に対して各種情報を入力するための入力機器である。例えば、入力部227は、キーボード及びポインティングデバイス、又は、タッチパネルである。表示部229は画像を表示する。表示部229は、例えば、液晶ディスプレイ、又は、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイである。
記憶部223は、制御プログラムPG1と、レシピ情報RCと、学習済みモデルLMとを記憶している。制御部221は、制御プログラムPG1を実行することで、レシピ情報RCに従って、基板Wをアルカリ性処理液LQによって処理する。レシピ情報RPは、基板Wの処理内容及び処理手順を規定する。具体的には、制御部221は、制御プログラムPG1を実行することで、記憶部223、通信部225、入力部227、表示部229、図1に示す基板保持部120、処理液導入部130、循環部140、処理液供給部150、希釈液供給部160、排液部170、気泡調節部180、排気配管部190、気泡供給部200、及び、厚み測定部210を制御する。また、制御部221は、制御プログラムPG1を実行することで、学習済みモデルLMを起動する。
学習済みモデルLMは、学習データ(以下、「学習データDT」)を学習することで構築される。
学習データDTは、浸漬前処理情報K1と、浸漬後処理情報K2とを含む。浸漬前処理情報K1は、アルカリ性処理液LQに浸漬する前の学習対象基板Waの処理量を示す物量の情報である。学習対象基板Waの構成は基板Wの構成と同じである。アルカリ性処理液LQに浸漬する前の学習対象基板Waの処理量を示す物量の情報は、アルカリ性処理液LQに浸漬する前の基板Wの処理量を示す物量の情報と同様である。浸漬後処理情報K2は、アルカリ性処理液LQに浸漬してアルカリ性処理液LQから引き上げられた後の学習対象基板Waの処理量を示す物理量の情報である。アルカリ性処理液LQに浸漬してアルカリ性処理液LQから引き上げられた後の学習対象基板Waの処理量を示す物理量の情報は、アルカリ性処理液LQに浸漬してアルカリ性処理液LQから引き上げられた後の基板Wの処理量を示す物理量の情報と同様である。
学習データDTは、学習対象基板Waをアルカリ性処理液LQに浸漬させた場合において、気泡供給管21に供給する気体GAの流量を示す流量情報M1と、気泡供給管21への気体GAの供給タイミングを示すタイミング情報M2と、気泡供給管21への気体GAの供給期間を示す期間情報M3とのうちの少なくとも1つの情報を更に含む。
浸漬前処理情報K1は説明変数である。つまり、浸漬前処理情報K1は特徴量である。浸漬後処理情報K2、流量情報M1、タイミング情報M2、及び、期間情報M3は、目的変数である。目的変数には、例えば、「正常ラベル」が付加される。つまり、目的変数において、流量情報M1、タイミング情報M2、及び、期間情報M3は、浸漬後処理情報K2によって示される「基板Wの処理量を示す物理量」が「正常」と認定された場合の情報である。実施形態2における学習済みモデルLMは、「教師あり」の学習によって生成される。
制御部221は、入力情報IF1を学習済みモデルLMに入力して、出力情報IF2を学習済みモデルLMから取得する。入力情報IF1は、アルカリ性処理液LQに浸漬する前の基板Wの処理量を示す物理量の情報を含む。出力情報IF2は、制御対象CNを示す情報を含む。制御対象CNは、基板Wをアルカリ性処理液LQに浸漬する場合において、気泡供給管21に供給する気体GAの流量、気泡供給管21への気体GAの供給タイミング、及び、気泡供給管21への気体GAの供給期間のうちの少なくとも1つを含む。
制御部221は、出力情報IF2に基づいて、気泡供給管21ごとに気泡BBを調節する。具体的には、制御部221は、出力情報IF2によって示される設定になるように、気泡調節部180に含まれる各気泡調節機構182を制御することで、気泡調節機構182ごとに制御対象CNを制御する。その結果、浸漬前の基板Wの処理量を示す物理量の分布に応じて、気泡供給管21ごとに気泡BBが調節されるため、アルカリ性処理液LQ中で溶存酸素濃度の分布を好適に調整できる。よって、実施形態2によれば、アルカリ性処理液LQへの浸漬による基板Wの処理量の面内均一性を向上できる。
また、学習済みモデルLMからの出力情報IF2を使用するため、気泡供給管21ごとに精度良く制御対象CN(気体GAの流量、気体GAの供給タイミング、及び、気体GAの供給期間)を設定できる。つまり、制御部221は、各気泡調節機構182を精度良く設定して、処理槽110のアルカリ性処理液LQにおいて、基板Wの処理量を示す物理量の分布に応じた溶存酸素濃度の分布を設定できる。
次に、図13及び図14を参照して、実施形態2に係る基板処理方法を説明する。図14は、実施形態2に係る基板処理方法を示すフローチャートである。基板処理方法は、基板処理装置100によって実行される。図14に示すように、基板処理方法は、工程S21~工程S32を含む。
工程S21~工程S25は、それぞれ、図10に示す工程S1~工程S5と同様であり、説明を省略する。工程S25の後、処理は工程S26に進む。
次に、工程S26において、制御部221は、入力情報IF1を学習済みモデルLMに入力する。入力情報IF1は、アルカリ性処理液LQに浸漬する前の基板Wの処理量の分布を示す情報である。具体的には、基板Wの処理量の分布を示す情報は、基板Wの処理量の分布を示す物理量の情報である。記憶部223は入力情報IF1を記憶する。入力情報IF1は、機械学習のための学習データとして使用することができる。工程S26は、本発明の「気泡調節工程」の一部を構成する。
次に、工程S27において、制御部221は、学習済みモデルLMから出力情報IF2を取得する。出力情報IF2は、制御対象CNを示す情報を含む。制御対象CNは、基板Wをアルカリ性処理液LQに浸漬する場合において、気体GAの流量、気体GAの供給タイミング、及び、気体GAの供給期間のうちの少なくとも1つを含む。記憶部223は出力情報IF2を記憶する。出力情報IF2は、機械学習のための学習データとして使用することができる。工程S27は、本発明の「気泡調節工程」の一部を構成する。
次に、工程S28において、基板保持部120は、処理槽110に貯留されたアルカリ性処理液LQに複数の基板Wを浸漬する。工程S28は、本発明の「浸漬工程」の一例に相当する。その他、工程S28は、図10の工程S6と同様である。
次に、工程S29において、制御部221は、学習済みモデルLMから取得した出力情報IF2(制御対象CNを示す情報)に基づいて、各気泡調節部180を個別に制御することで、各気泡供給管21からの気泡BBを個別に調節する。工程S29において気泡BBの調節が確定した後、第3所定時間の浸漬が完了すると、処理は工程S30に進む。「気泡BBの調節が確定」は、気泡調節部180の各気泡調節機構182の設定が完了したことを示す。工程S29は、本発明の「気泡調節工程」の一部を構成する。
次に、工程S30~工程S32が実行される。工程S30~工程S32は、それぞれ、図10の工程S8~工程S10と同様であり、説明を省略する。工程S10の後は、処理が工程S23に進む。
次に、図15を参照して、実施形態2に係る学習装置320を説明する。学習装置320は、例えば、コンピューターである。図15は、学習装置320を示すブロック図である。図15に示すように、学習装置320は、処理部321と、記憶部323と、通信部325と、入力部327と、表示部329とを備える。
処理部321は、CPU及びGPU等のプロセッサーを備える。記憶部323は、記憶装置を含み、データ及びコンピュータープログラムを記憶する。処理部321のプロセッサーは、記憶部323の記憶装置が記憶しているコンピュータープログラムを実行して、各種処理を実行する。例えば、記憶部323は、記憶部223(図13)と同様に、主記憶装置と、補助記憶装置とを備え、リムーバブルメディアを備えていてもよい。記憶部323は、例えば、非一時的コンピューター読取可能記憶媒体である。
通信部325は、ネットワークに接続され、外部装置と通信する。通信部325は、通信機であり、例えば、ネットワークインターフェースコントローラーである。通信部325は、有線通信モジュール又は無線通信モジュールを有していてもよい。入力部327は、処理部321に対して各種情報を入力するための入力機器である。例えば、入力部327は、キーボード及びポインティングデバイス、又は、タッチパネルである。表示部329は画像を表示する。表示部329は、例えば、液晶ディスプレイ、又は、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイである。
引き続き図15を参照して、処理部321を説明する。処理部321は、外部から複数の学習データDTを取得する。例えば、処理部321は、ネットワーク及び通信部325を介して、実施形態1若しくは実施形態2に係る基板処理装置100又は学習データ作成装置から複数の学習データDTを取得する。学習データ作成装置は、基板処理装置100から取得したデータに基づいて学習データDTを生成する。
処理部321は、各学習データDTを記憶するように、記憶部323を制御する。その結果、記憶部323は、各学習データDTを記憶する。
記憶部323は学習プログラムPG2を記憶している。学習プログラムPG2は、複数の学習データDTの中から一定の規則を見出し、見出した規則を表現する学習済みモデルLMを生成するための機械学習アルゴリズムを実行するためのプログラムである。
機械学習アルゴリズムは、教師あり学習であれば、特に限定されず、例えば、決定木、最近傍法、単純ベイズ分類器、サポートベクターマシン、又は、ニューラルネットワークである。従って、学習済みモデルLMは、決定木、最近傍法、単純ベイズ分類器、サポートベクターマシン、又は、ニューラルネットワークを含む。学習済みモデルLMを生成する機械学習において、誤差逆伝搬法を利用してもよい。
例えば、ニューラルネットワークは、入力層、単数又は複数の中間層、及び、出力層を含む。具体的には、ニューラルネットワークは、ディープニューラルネットワーク(DNN:Deep Neural Network)、再帰型ニューラルネットワーク(RNN:Recurrent Neural Network)、又は、畳み込みニューラルネットワーク(CNN:Convolutional Neural Network)であり、ディープラーニングを行う。例えば、ディープニューラルネットワークは、入力層、複数の中間層、及び、出力層を含む。
処理部321は、学習プログラムPG2に基づいて複数の学習データDTを機械学習する。その結果、複数の学習データDTの中から一定の規則が見出されて、学習済みモデルLMが生成される。つまり、学習済みモデルLMは、学習データDTを機械学習することで構築される。記憶部323は、学習済みモデルLMを記憶する。
具体的には、制御部221は、学習プログラムPG2を実行することで、学習データDTに含まれる説明変数と目的変数との間における一定の規則を見出して、学習済みモデルLMを生成する。
更に具体的には、処理部321は、学習プログラムPG2に基づいて複数の学習データDTを機械学習することによって、複数の学習済みパラメータを算出し、複数の学習済みパラメータが適用された1以上の関数を含む学習済みモデルLMを生成する。学習済みパラメータは、複数の学習データDTを用いた機械学習の結果に基づいて取得されるパラメータ(係数)である。
学習済みモデルLMは、入力情報IF1を入力して、出力情報IF2を出力するように、コンピューターを機能させる。換言すれば、学習済みモデルLMは、入力情報IF1を入力して、出力情報IF2を出力する。具体的には、学習済みモデルLMは、浸漬後の基板Wの処理量の面内均一性が一定基準を満足するときの制御対象CNの情報を推定する。
次に、図15及び図16を参照して、実施形態2に係る学習方法を説明する。図16は、実施形態2に係る学習方法を示すフローチャートである。図16に示すように、学習方法は、工程S41~工程S44を含む。学習方法は、学習装置320によって実行される。
図15及び図16に示すように、工程S41において、学習装置320の処理部321は、基板処理装置100又は学習データ作成装置から複数の学習データDTを取得する。
次に、工程S42において、処理部321は、学習プログラムPG2に基づいて複数の学習データDTを機械学習する。
次に、工程S43において、処理部321は、学習終了条件を満たすか否かを判定する。学習終了条件は、機械学習を終了するために予め定められた条件である。学習終了条件は、例えば、反復回数が規定回数に到達したことである。
工程S43で否定判定された場合は、処理は工程S41に進む。その結果、機械学習が繰り返される。
一方、工程S43で肯定判定された場合は、処理は工程S44に進む。
工程S44において、処理部321は、最新の複数のパラメータ(係数)つまり、複数の学習済みパラメータ(係数)を適用したモデル(1以上の関数)を、学習済みモデルLMとして出力する。そして、記憶部323は学習済みモデルLMを記憶する。
以上、学習装置320が工程S41~工程S44を実行することで、学習済みモデルLMが生成される。
すなわち、実施形態2によれば、学習装置320は、機械学習を行う。従って、非常に複雑かつ解析対象が膨大な学習データDTから規則性を見出して、精度の高い学習済みモデルLMを作成できる。そして、図13に示す制御装置220の制御部221は、学習済みモデルLMに対して、浸漬前の基板Wの処理量の分布を含む入力情報IF1を入力して、学習済みモデルLMから、制御対象CNの情報を含む出力情報IF2を出力させる。従って、各気泡調節機構182の設定を高速に実行できて、気泡供給管21ごとの気泡BBの調節を高速に実行できる。
なお、図1及び図13の制御装置220が、図15の学習装置320として動作してもよい。
(実施形態3)
図1、図13、及び、図17を参照して、本発明の実施形態3に係る基板処理装置100を説明する。実施形態3では、教師なし学習を実行する点で、実施形態3は実施形態2と主に異なる。以下、実施形態3が実施形態2と異なる点を主に説明する。
まず、図1及び図13を参照して説明する。制御部221は、制御プログラムPG1を実行することで、学習済みモデルLMを起動する。学習済みモデルLMは、学習データDTを学習することで構築される。学習データDTは、実施形態1に係る学習データDTと同様であり、説明を省略する。
制御部221は、入力情報IF3を学習済みモデルLMに入力して、出力情報IF4を学習済みモデルLMから取得する。学習済みモデルLMは、入力情報IF3をクラスタリングし、入力情報IF3のクラスタリングの結果を示す出力情報IF4を出力する。具体的には、出力情報IF4は、入力情報IF3が分類されたクラスタを示す。クラスタリングとは、類似性又は相関のある情報を見つけ出し、類似性又は相関のある情報をグループ分けすることである。従って、クラスタリングによって、類似性又は相関のある情報は、1つのクラスタに分類される。
入力情報IF3は、アルカリ性処理液LQに浸漬する前の基板Wの処理量を示す物理量の情報と、制御対象CNを示す情報とを含む。制御対象CNは、基板Wをアルカリ性処理液LQに浸漬する場合において、各気泡供給管21に供給する気体GAの流量、各気泡供給管21への気体GAの供給タイミング、及び、各気泡供給管21への気体GAの供給期間のうちの少なくとも1つを含む。実施形態3では、入力情報IF3に含める制御対象CNの情報は、過去において浸漬による基板Wの処理時に使用した過去の制御対象CNの情報である。例えば、入力情報IF3に含める制御対象CNの情報は、前回の浸漬による基板Wの処理時に使用した前回の制御対象CNの情報である。
制御部221は、出力情報IF4に基づいて制御対象CNを制御する。具体的には、出力情報IF4によって示される入力情報IF3のクラスタリングの結果が、「正常な処理」を示すクラスタに分類されている場合には、制御部221は、入力情報IF3によって示される過去の制御対象CN(例えば、前回の処理時に使用した前回の制御対象CN)の情報を使用して、各気泡調節機構182を制御することで、各気泡供給管21からの気泡BBを制御する。
すなわち、制御部221は、入力情報IF3によって示される過去の設定(例えば、前回の設定)になるように、各気泡調節機構182を制御することで、気泡供給管21ごとに気泡BBを調節する。その結果、浸漬前の基板Wの処理量を示す物理量の分布に応じて、気泡供給管21ごとに気泡BBが調節されるため、アルカリ性処理液LQ中で溶存酸素濃度の分布を好適に調整できる。よって、実施形態3によれば、アルカリ性処理液LQへの浸漬による基板Wの処理量の面内均一性を向上できる。
また、出力情報IF4によって示される入力情報IF3のクラスタリングの結果が、「正常な処理」を示すクラスタに分類されている場合には、各気泡調節機構182の再設定が不要であるため、基板Wの処理のスループットを向上できる。
次に、図13及び図17を参照して、実施形態3に係る基板処理方法を説明する。図17は、実施形態3に係る基板処理方法を示すフローチャートである。基板処理方法は、基板処理装置100によって実行される。図17に示すように、基板処理方法は、工程S51~工程S62を含む。
工程S51~工程S55は、それぞれ、図10に示す工程S1~工程S5と同様であり、説明を省略する。工程S55の後、処理は工程S56に進む。
次に、工程S56において、制御部221は、入力情報IF1を学習済みモデルLMに入力する。入力情報IF3は、アルカリ性処理液LQに浸漬する前の基板Wの処理量の分布を示す情報と、制御対象CNを示す情報とを含む。具体的には、基板Wの処理量の分布を示す情報は、基板Wの処理量の分布を示す物理量の情報である。制御対象CNは、基板Wをアルカリ性処理液LQに浸漬する場合において、気体GAの流量、気体GAの供給タイミング、及び、気体GAの供給期間のうちの少なくとも1つを含む。記憶部223は入力情報IF3を記憶する。入力情報IF3は、機械学習のための学習データとして使用することができる。工程S56は、本発明の「気泡調節工程」の一部を構成する。
次に、工程S57において、制御部221は、学習済みモデルLMから出力情報IF4を取得する。出力情報IF4は、入力情報IF3のクラスタリングの結果を示す情報を含む。記憶部223は出力情報IF4を記憶する。出力情報IF4は、機械学習のための学習データとして使用することができる。工程S57は、本発明の「気泡調節工程」の一部を構成する。
次に、工程S58において、基板保持部120は、処理槽110に貯留されたアルカリ性処理液LQに複数の基板Wを浸漬する。工程S58は、本発明の「浸漬工程」の一例に相当する。その他、工程S58は、図10の工程S6と同様である。
次に、工程S59において、制御部221は、学習済みモデルLMから取得した出力情報IF2(クラスタリングの結果を示す情報)に基づいて、各気泡調節部180を個別に制御することで、気泡供給管21ごとに制御対象CNを制御する。気泡供給管21ごとに制御対象CNを個別に制御することで、各気泡供給管21からの気泡BBを個別に調節する。第3所定時間の浸漬が完了すると、処理は工程S60に進む。工程S59は、本発明の「気泡調節工程」の一部を構成する。
次に、工程S60~工程S62が実行される。工程S60~工程S62は、それぞれ、図10の工程S8~工程S10と同様であり、説明を省略する。工程S62の後は、処理が工程S53に進む。
ここで、図15を参照して、実施形態3に係る学習装置320を説明する。図15に示す学習プログラムPG2は、複数の学習データDTから一定の規則を見出し、見出した規則を表現する学習済みモデルLMを生成するための機械学習アルゴリズムを実行するためのプログラムである。
実施形態3において、機械学習アルゴリズムは、教師なし学習であり、例えば、k平均法、kメドイド法、階層クラスタリング、自己組織化マップ、ファジィc平均法、混合ガウスモデル、又は、ニューラルネットワークである。
処理部321は、学習プログラムPG2に基づいて複数の学習データDTを機械学習する。その結果、複数の学習データDTから一定の規則が見出されて、学習済みモデルLMが生成される。
具体的には、処理部321は、学習プログラムPG2に基づいて複数の学習データDTを機械学習することによって、複数の学習済みパラメータを算出し、複数の学習済みパラメータが適用された1以上の関数を含む学習済みモデルLMを生成する。学習済みパラメータは、複数の学習データDTを用いた機械学習の結果に基づいて取得されるパラメータ(係数)である。
なお、実施形態3に係る学習方法の処理の流れは、図16に示す実施形態2に係る学習方法の流れと同様である。
次に、本発明が実施例に基づき具体的に説明されるが、本発明は以下の実施例によって限定されない。
(実施例1、実施例2)
図18~図20を参照して、本発明の実施例1、2を説明する。本発明の実施例1、2では、図1及び図4~図6を参照して説明した基板処理装置100を使用した。ただし、実施例1、2では、気泡供給管21の数、配管181の数、及び、気泡調節機構182の数が、図1及び図4~図6を参照して説明した基板処理装置100と異なっていた。
図18は、本発明の実施例1、2に係る基板処理装置100Aを示す模式的断面図である。図18に示すように、基板処理装置100Aにおいて、気泡供給部200Aは、8本の気泡供給管21を含んでいた。また、気泡調節部180Aは、8個の気泡調節機構182を含んでいた。更に、基板処理装置100Aは、8本の配管181を備えていた。また、アルカリ性処理液LQは、TMAHであった。TMAHの濃度は、0.31%であった。配管181から気泡供給管21に供給する気体GAは窒素であった。窒素の流量は、8本の配管181(8本の気泡供給管21)のトータルで30L/minであった。
アルカリ性処理液LQへの基板Wの浸漬前に、厚み測定部210によって、基板Wのポリシリコン膜の厚みを測定した。そして、アルカリ性処理液LQへの気泡BBの供給開始から1時間後に、1ロット(25枚)の基板Wをアルカリ性処理液LQに浸漬した。浸漬時間は140秒であった。浸漬時間の経過後に、基板Wをアルカリ性処理液LQから引き上げた。そして、厚み測定部210によって、基板Wのポリシリコン膜の厚みを測定した。更に、制御部221は、浸漬前の基板Wのポリシリコン膜の厚みから、アルカリ性処理液LQから引き上げられた後の基板Wの厚みを差し引くことで、基板Wのエッチング量を取得した。そして、制御部221は、基板Wのエッチング量の分布を示すマップ画像MP1、MP2を作成した。
本発明の実施例1では、8本の気泡供給管21a~21hのうち、気泡供給管21b、21d、21e、21gからの気泡BBの供給を停止し、気泡供給管21a、21c、21f、21hから気泡BBを供給した。つまり、実施例1では、4本の気泡供給管21を使用した。
図19は、本発明の実施例1に係る基板Wの処理結果を示す図である。図19には、基板Wにおけるエッチング量のマップ画像MP1が示されている。マップ画像MP1において、ドットが疎であるほど、エッチング量が大きいことを示している。なお、実際には、マップ画像MP1には、エッチング量を示すグラデーションが存在するが、簡略化して5段階でエッチング量を示した。
マップ画像MP1から理解できるように、エッチング量のバラツキは、19.854オングストローム以上22.672オングストローム以下の範囲に収まった。つまり、4本の気泡供給管21からの気泡BBの供給によって、アルカリ性処理液LQ中の溶存酸素濃度が低下したことで、効果的にエッチングを実行できた。
実施例1では、最大エッチング量(22.672オングストローム)と最小エッチング量(19.854オングストローム)との差は、2.818オングストロームであった。
一方、本発明の実施例2では、8本の気泡供給管21a~21hの全てから気泡BBを供給した。つまり、実施例2では、8本の気泡供給管21を使用した。
図20は、本発明の実施例2に係る基板Wの処理結果を示す図である。図20には、基板Wにおけるエッチング量のマップ画像MP2が示されている。マップ画像MP2において、ドットが疎であるほど、エッチング量が大きいことを示している。なお、実際には、マップ画像MP2には、エッチング量を示すグラデーションが存在するが、簡略化して5段階でエッチング量を示した。
マップ画像MP2から理解できるように、エッチング量のバラツキは、21.729オングストローム以上22.61オングストローム以下の範囲に収まった。つまり、8本の気泡供給管21からの気泡BBの供給によって、アルカリ性処理液LQ中の溶存酸素濃度が更に低下したことで、更に効果的にエッチングを実行できた。
実施例2では、最大エッチング量(22.61オングストローム)と最小エッチング量(21.729オングストローム)との差は、0.881オングストロームであった。
実施例1と実施例2との比較結果から理解できるように、実施例2の最大エッチング量と最小エッチング量との差(0.881オングストローム)は、実施例1の最大エッチング量と最小エッチング量との差(2.818オングストローム)よりも小さかった。つまり、実施例2の基板Wのエッチング量の面内均一性は、実施例1の基板Wのエッチング量の面内均一性よりも良好であった。
すなわち、気泡BBを供給する気泡供給管21の数が多い程、基板Wのエッチング量の面内均一性が高かった。理由は、気泡BBを供給する気泡供給管21の数が多い程、多数の気泡BBがアルカリ性処理液LQ中を上昇し、溶存酸素濃度を低下させることができたためと推測した。
(実施例3、実施例4、実施例5)
図21及び図22を参照して、本発明の実施例3~5を説明する。実施例3~5では、気泡供給管21の近似モデルを作成して、VOF(Volume of Fluid)法によって気泡BBの生成挙動をシミュレーションした。VOF法は、自由表面流れの解析手法である。
図21(a)は、本発明の実施例3~5に係るシミュレーションモデルMDを示す斜視図である。図21(b)は、本発明の実施例3~5に係るシミュレーションモデルMDを示す正面図である。
図21(a)に示すように、シミュレーションモデルMDは、気泡供給管モデル21mと、アルカリ性処理液モデルLQmとを含んでいた。気泡供給管モデル21mは、気泡供給管21の外壁面の近似モデルであった。気泡供給管モデル21mは、気泡供給管21の厚みの要素を含んでいなかった。気泡供給管モデル21mは、円環形状を有した。気泡供給管モデル21mの直径は、6mmであった。気泡供給管モデル21mは、2個の気泡孔モデルGm1、Gm2を有していた。気泡孔モデルGm1、Gm2の各々は、円形であり、気泡孔Gの近似モデルであった。気泡孔モデルGm1、Gm2の各々直径は、0.2mmであった。
図21(b)に示すように、気泡孔モデルGm1と気泡孔モデルGm2とを結ぶ円弧ACの中心角θxは、105度であった。
アルカリ性処理液モデルLQmは、アルカリ性処理液LQの近似モデルであった。具体的には、アルカリ性処理液モデルLQmは、TMAHの近似モデルであった。気泡供給管モデル21mはアルカリ性処理液モデルLQm中に配置された。
実施例1~3では、気泡孔モデルGm1、Gm2から、気泡モデルBBmを発生させることで、気泡BBの生成挙動をシミュレーションした。気泡モデルBBmは、窒素からなる気泡BBの近似モデルであった。気泡BBを示す気泡モデルBBmを生成するための窒素の流量として、17m/sを設定した。
図22(a)は、実施例3に係るシミュレーション結果を示す図である。図22(a)は、気泡モデルBBmの生成開始時から0.95秒経過時の状態を示す。
図22(a)に示すように、実施例3では、気泡供給管モデル21mは疎水性を有していた。具体的には、アルカリ性処理液モデルLQmに対する気泡供給管モデル21mの接触角θb2(図12(b))を110度に設定した。つまり、気泡供給管21の接触角θb2を110度に設定して、気泡BBの生成挙動をシミュレーションした。
実施例3では、気泡孔モデルGm1から供給される気泡モデルBBmと気泡孔モデルGm2から供給される気泡モデルBBmとが、気泡供給管モデル21mの表面で結合し、1つの気泡モデルBBmが生成された。実施例3では、気泡供給管モデル21mの周方向に並んだ気泡孔モデルGm1、Gm2を使用したシミュレーションであったが、気泡孔Gが第1方向D10(図5)に並んでいる気泡供給管21についても同様の気泡BBの生成挙動になることが推測できる。従って、実施例3から、気泡供給管21が疎水性を有すると、隣り合う気泡孔G(図5)からそれぞれ供給される気泡BBが、アルカリ性処理液LQ中の気泡供給管21の外壁面において結合し易いことが推測できた。
図22(b)は、実施例4に係るシミュレーション結果を示す図である。図22(b)は、気泡モデルBBmの生成開始時から0.95秒経過時の状態を示す。
図22(b)に示すように、実施例4では、気泡供給管モデル21mは親水性を有していた。具体的には、アルカリ性処理液モデルLQmに対する気泡供給管モデル21mの接触角θa2を80度(図11(b))に設定した。つまり、気泡供給管21の接触角θa2を80度に設定して、気泡BBの生成挙動をシミュレーションした。
実施例4では、気泡孔モデルGm1から供給される気泡モデルBBmと気泡孔モデルGm2から供給される気泡モデルBBmとが、気泡供給管モデル21mの表面において分離していた。実施例4では、気泡供給管モデル21mの周方向に並んだ気泡孔モデルGm1、Gm2を使用したシミュレーションであったが、気泡孔Gが第1方向D10(図5)に並んでいる気泡供給管21についても同様の気泡BBの生成挙動になることが推測できる。従って、実施例4から、気泡供給管21が親水性を有すると、隣り合う気泡孔G(図5)からそれぞれ供給される気泡BBが、アルカリ性処理液LQ中の気泡供給管21の外壁面において分離し易いことが推測できた。つまり、気泡供給管21が親水性を有すると、気泡供給管21が疎水性を有する場合と比較して、気泡BBが、アルカリ性処理液LQ中の気泡供給管21の外壁面において分離し易いことが推測できた。従って、気泡供給管21が親水性を有すると、気泡供給管21が疎水性を有する場合と比較して、複数の気泡孔Gから供給される多数の気泡BBの平均体積(サイズ)が小さくなることが推測できた。
図22(c)は、実施例5に係るシミュレーション結果を示す図である。図22(c)は、気泡モデルBBmの生成開始時から0.95秒経過時の状態を示す。
図22(c)に示すように、実施例5では、気泡供給管モデル21mは親水性を有していた。具体的には、アルカリ性処理液モデルLQmに対する気泡供給管モデル21mの接触角θa2を10度(図11(b))に設定した。つまり、気泡供給管21の接触角θa2を10度に設定して、気泡BBの生成挙動をシミュレーションした。
実施例5では、気泡孔モデルGm1から供給される気泡モデルBBmと気泡孔モデルGm2から供給される気泡モデルBBmとが、気泡供給管モデル21mの表面において分離していた。実施例5では、実施例4と比較して、気泡孔モデルGm1から供給される気泡モデルBBmと気泡孔モデルGm2から供給される気泡モデルBBmとの距離が離れていた。加えて、実施例5では、実施例4と比較して、気泡モデルBBmの体積(サイズ)が小さかった。実施例5では、気泡供給管モデル21mの周方向に並んだ気泡孔モデルGm1、Gm2を使用したシミュレーションであったが、気泡孔Gが第1方向D10(図5)に並んでいる気泡供給管21についても同様の気泡BBの生成挙動になることが推測できる。従って、実施例5から、親水性を有する気泡供給管21の接触角θa2が小さいほど、隣り合う気泡孔G(図5)からそれぞれ供給される気泡BBが、アルカリ性処理液LQ中の気泡供給管21の外壁面において分離し易いことが推測できた。その結果、実施例5から、親水性を有する気泡供給管21の接触角θa2が小さいほど、複数の気泡孔Gから供給される多数の気泡BBの平均体積(サイズ)が小さくなることが推測できた。
以上、図面を参照して本発明の実施形態について説明した。ただし、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施できる。また、上記の実施形態に開示される複数の構成要素は適宜改変可能である。例えば、ある実施形態に示される全構成要素のうちのある構成要素を別の実施形態の構成要素に追加してもよく、または、ある実施形態に示される全構成要素のうちのいくつかの構成要素を実施形態から削除してもよい。
また、図面は、発明の理解を容易にするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚さ、長さ、個数、間隔等は、図面作成の都合上から実際とは異なる場合もある。また、上記の実施形態で示す各構成要素の構成は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能であることは言うまでもない。
本発明は、基板処理方法及び基板処理装置に関するものであり、産業上の利用可能性を有する。
21、21a~21h 気泡供給管
31 プレート
100、100A 基板処理装置
110 処理槽
120 基板保持部
130 処理液導入部
180 気泡調節部
221 制御部
223 記憶部
G、G1~G3 気泡孔
P 処理液孔
W、W1~W3 基板

Claims (19)

  1. 処理槽と、前記処理槽の内部に配置される気泡供給管とを備える基板処理装置によって実行される基板処理方法であって、
    前記処理槽に貯留されたアルカリ性処理液に基板を浸漬する浸漬工程と、
    前記基板が前記アルカリ性処理液に浸漬された状態において、前記基板の下方から前記アルカリ性処理液に対して、前記気泡供給管に設けられる複数の気泡孔の各々から気泡を供給する気泡供給工程と
    を含む、基板処理方法。
  2. 前記基板処理装置は、前記処理槽の内部において前記気泡供給管の下方に配置されるプレートを更に備え、
    前記アルカリ性処理液が前記処理槽に貯留された状態において、前記プレートに設けられる複数の処理液孔から上方に向けて、前記処理槽にアルカリ性処理液を導入する処理液導入工程を更に含む、請求項1に記載の基板処理方法。
  3. 前記基板処理装置は、複数の前記気泡供給管を備え、
    前記気泡供給管ごとに前記気泡を調節する気泡調節工程を更に含む、請求項1又は請求項2に記載の基板処理方法。
  4. 前記気泡供給工程では、前記気泡供給管ごとに前記気泡供給管に気体を供給することで、前記アルカリ性処理液に対して前記気泡孔から前記気泡を供給し、
    前記気泡調節工程では、前記気泡を調節するための制御対象を前記気泡供給管ごとに制御することで、前記気泡供給管ごとに前記気泡を調節し、
    前記制御対象は、前記気体の流量、前記気体の供給タイミング、及び、前記気体の供給期間のうちの少なくとも1つを含む、請求項3に記載の基板処理方法。
  5. 前記気泡調節工程では、前記基板を前記アルカリ性処理液に浸漬する前の前記基板の処理量を示す物理量に基づいて、前記制御対象を前記気泡供給管ごとに制御する、請求項4に記載の基板処理方法。
  6. 前記気泡供給工程では、前記気泡供給管ごとに前記気泡供給管に気体を供給することで、前記アルカリ性処理液に対して前記気泡孔から前記気泡を供給し、
    前記気泡調節工程では、学習データを学習することで構築された学習済みモデルを用いて、前記気泡供給管ごとに前記気泡を調節し、
    前記学習データは、浸漬前処理情報と、浸漬後処理情報とを含み、
    前記浸漬前処理情報は、前記アルカリ性処理液に浸漬する前の学習対象基板の処理量を示す物理量の情報であり、
    前記浸漬後処理情報は、前記アルカリ性処理液に浸漬して前記アルカリ性処理液から引き上げられた後の前記学習対象基板の処理量を示す物理量の情報であり、
    前記学習データは、前記学習対象基板を前記アルカリ性処理液に浸漬させた場合において、前記気体の流量を示す流量情報と、前記気体の供給タイミングを示すタイミング情報と、前記気体の供給期間を示す期間情報とのうちの少なくとも1つの情報を更に含み、
    前記気泡調節工程では、入力情報を前記学習済みモデルに入力して、出力情報を前記学習済みモデルから取得し、
    前記入力情報は、前記アルカリ性処理液に浸漬する前の前記基板の処理量を示す物理量の情報を含み、
    前記出力情報は、制御対象を示す情報を含み、
    前記制御対象は、前記基板を前記アルカリ性処理液に浸漬する場合において、前記気体の流量、前記気体の供給タイミング、及び、前記気体の供給期間のうちの少なくとも1つを含み、
    前記気泡調節工程では、前記出力情報に基づいて前記気泡を調節する、請求項3に記載の基板処理方法。
  7. 前記気泡供給工程では、前記気泡供給管ごとに前記気泡供給管に気体を供給することで、前記アルカリ性処理液に対して前記気泡孔から前記気泡を供給し、
    前記気泡調節工程では、学習データを学習することで構築された学習済みモデルを用いて、前記気泡供給管ごとに前記気泡を調節し、
    前記学習データは、浸漬前処理情報と、浸漬後処理情報とを含み、
    前記浸漬前処理情報は、前記アルカリ性処理液に浸漬する前の学習対象基板の処理量を示す物理量の情報であり、
    前記浸漬後処理情報は、前記アルカリ性処理液に浸漬して前記アルカリ性処理液から引き上げられた後の前記学習対象基板の処理量を示す物理量の情報であり、
    前記学習データは、前記学習対象基板を前記アルカリ性処理液に浸漬させた場合において、前記気体の流量を示す流量情報と、前記気体の供給タイミングを示すタイミング情報と、前記気体の供給期間を示す期間情報とのうちの少なくとも1つの情報を更に含み、
    前記気泡調節工程では、入力情報を前記学習済みモデルに入力して、出力情報を前記学習済みモデルから取得し、
    前記入力情報は、前記アルカリ性処理液に浸漬する前の前記基板の処理量を示す物理量の情報と、制御対象を示す情報とを含み、
    前記制御対象は、前記基板を前記アルカリ性処理液に浸漬する場合において、前記気体の流量、前記気体の供給タイミング、及び、前記気体の供給期間のうちの少なくとも1つを含み、
    前記出力情報は、前記入力情報のクラスタリングの結果を示す情報を含み、
    前記気泡調節工程では、前記出力情報に基づいて前記制御対象を制御する、請求項3に記載の基板処理方法。
  8. 前記気泡供給管は、親水性を有する、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の基板処理方法。
  9. 前記気泡供給管の素材は、石英又はポリエーテルエーテルケトンである、請求項8に記載の基板処理方法。
  10. アルカリ性処理液を貯留する処理槽と、
    基板を保持し、前記処理槽に貯留された前記アルカリ性処理液に前記基板を浸漬する基板保持部と、
    複数の気泡孔を有するとともに前記処理槽の内部に配置され、前記基板が前記アルカリ性処理液に浸漬された状態において、前記基板の下方から前記アルカリ性処理液に対して、前記複数の気泡孔の各々から気泡を供給する気泡供給管と
    を備える、基板処理装置。
  11. 前記処理槽の内部において前記気泡供給管の下方に配置される処理液導入部を更に備え、
    前記処理液導入部は、複数の処理液孔を有するプレートを含み、
    前記処理液導入部は、前記アルカリ性処理液が前記処理槽に貯留された状態において、前記複数の処理液孔から上方に向けて、前記処理槽にアルカリ性処理液を導入する、請求項10に記載の基板処理装置。
  12. 複数の前記気泡供給管が、前記処理槽の内部に配置され、
    前記気泡供給管ごとに前記気泡を調節する気泡調節部を更に備える、請求項10又は請求項11に記載の基板処理装置。
  13. 制御部を更に備え、
    前記気泡調節部は、前記気泡供給管ごとに前記気泡供給管に気体を供給することで、前記アルカリ性処理液に対して前記気泡孔から前記気泡を供給し、
    前記制御部は、前記気泡調節部を制御することで、前記気泡を調節するための制御対象を前記気泡供給管ごとに制御し、
    前記制御対象は、前記気体の流量、前記気体の供給タイミング、及び、前記気体の供給期間のうちの少なくとも1つを含む、請求項12に記載の基板処理装置。
  14. 前記制御部は、前記基板を前記アルカリ性処理液に浸漬する前の前記基板の処理量を示す物理量に基づいて、前記制御対象を前記気泡供給管ごとに制御する、請求項13に記載の基板処理装置。
  15. 学習データを学習することで構築された学習済みモデルを記憶する記憶部と、
    前記記憶部を制御する制御部と
    を更に備え、
    前記気泡調節部は、前記気泡供給管ごとに前記気泡供給管に気体を供給することで、前記アルカリ性処理液に対して前記気泡孔から前記気泡を供給し、
    前記学習データは、浸漬前処理情報と、浸漬後処理情報とを含み、
    前記浸漬前処理情報は、前記アルカリ性処理液に浸漬する前の学習対象基板の処理量を示す物量の情報であり、
    前記浸漬後処理情報は、前記アルカリ性処理液に浸漬して前記アルカリ性処理液から引き上げられた後の前記学習対象基板の処理量を示す物理量の情報であり、
    前記学習データは、前記学習対象基板を前記アルカリ性処理液に浸漬させた場合において、前記気体の流量を示す流量情報と、前記気体の供給タイミングを示すタイミング情報と、前記気体の供給期間を示す期間情報とのうちの少なくとも1つの情報を更に含み、
    前記制御部は、入力情報を前記学習済みモデルに入力して、出力情報を前記学習済みモデルから取得し、
    前記入力情報は、前記アルカリ性処理液に浸漬する前の前記基板の処理量を示す物理量の情報を含み、
    前記出力情報は、制御対象を示す情報を含み、
    前記制御対象は、前記基板を前記アルカリ性処理液に浸漬する場合において、前記気体の流量、前記気体の供給タイミング、及び、前記気体の供給期間のうちの少なくとも1つを含み、
    前記制御部は、前記出力情報に基づいて前記気泡を調節する、請求項12に記載の基板処理装置。
  16. 学習データを学習することで構築された学習済みモデルを記憶する記憶部と、
    前記記憶部を制御する制御部と
    を更に備え、
    前記気泡調節部は、前記気泡供給管ごとに前記気泡供給管に気体を供給することで、前記アルカリ性処理液に対して前記気泡孔から前記気泡を供給し、
    前記学習データは、浸漬前処理情報と、浸漬後処理情報とを含み、
    前記浸漬前処理情報は、前記アルカリ性処理液に浸漬する前の学習対象基板の処理量を示す物理量の情報であり、
    前記浸漬後処理情報は、前記アルカリ性処理液に浸漬して前記アルカリ性処理液から引き上げられた後の前記学習対象基板の処理量を示す物理量の情報であり、
    前記学習データは、前記学習対象基板を前記アルカリ性処理液に浸漬させた場合において、前記気体の流量を示す流量情報と、前記気体の供給タイミングを示すタイミング情報と、前記気体の供給期間を示す期間情報とのうちの少なくとも1つの情報を更に含み、
    前記制御部は、入力情報を前記学習済みモデルに入力して、出力情報を前記学習済みモデルから取得し、
    前記入力情報は、前記アルカリ性処理液に浸漬する前の前記基板の処理量を示す物理量の情報と、制御対象を示す情報とを含み、
    前記制御対象は、前記基板を前記アルカリ性処理液に浸漬する場合において、前記気体の流量、前記気体の供給タイミング、及び、前記気体の供給期間のうちの少なくとも1つを含み、
    前記出力情報は、前記入力情報のクラスタリングの結果を示す情報を含み、
    前記制御部は、前記出力情報に基づいて前記制御対象を制御する、請求項12に記載の基板処理装置。
  17. 前記基板保持部は、所定方向に間隔をあけて複数の前記基板を保持し、
    前記気泡供給管は、前記所定方向に沿って延び、
    前記気泡供給管において、前記複数の気泡孔は、前記所定方向に間隔をあけて配置され、
    前記複数の基板の配列には、複数の隙間空間が存在し、
    前記複数の隙間空間の各々は、前記所定方向に互いに隣り合う前記基板と前記基板との隙間の空間を示し、
    前記複数の気泡孔は、
    前記複数の基板のうち前記所定方向の一方端に配置される基板よりも前記所定方向の外方に配置される第1気泡孔と、
    前記複数の基板のうち前記所定方向の他方端に配置される基板よりも前記所定方向の外方に配置される第2気泡孔と、
    前記複数の隙間空間にそれぞれ対応して配置される複数の第3気泡孔と
    を含み、
    前記第1気泡孔は、前記複数の第3気泡孔のうち、1つの前記隙間空間に対応して配置される第3気泡孔よりも多く、
    前記第2気泡孔は、前記1つの隙間空間に対応して配置される前記第3気泡孔よりも多い、請求項10から請求項16のいずれか1項に記載の基板処理装置。
  18. 前記気泡供給管は、親水性を有する、請求項10から請求項17のいずれか1項に記載の基板処理装置。
  19. 前記気泡供給管の素材は、石英又はポリエーテルエーテルケトンである、請求項18に記載の基板処理装置。
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