JP2023045948A - マルチプレクサ - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、複数の弾性波フィルタ回路を共通端子に接続した構成を備えるマルチプレクサに関する。
特許文献1、2には、マルチプレクサが記載されている。特許文献1のマルチプレクサは、複数のフィルタを備える。複数のフィルタは、それぞれに共振器を用いて構成されている。
複数のフィルタは、第1フィルタと第2フィルタとを備える。第1フィルタは、共通端子と第1端子との間に接続され、第2フィルタは、共通端子と第2端子との間に接続される。すなわち、第1フィルタと第2フィルタとは、それぞれの共通端子側が互いに接続している(束ねられている)。
昨今の高周波フロントエンド回路は、処理可能な通信バンド数が増えたこと等の理由により、マルチプレクサで処理する通過帯域外の減衰特性の向上が要求されることがある。
しかしながら、従来のマルチプレクサでは、通過帯域外の減衰特性を所望なレベルに向上させることは難しい。
したがって、本発明の目的は、通過帯域外の減衰特性を所望なレベルに向上させることが可能なマルチプレクサを提供することにある。
この発明のマルチプレクサは、それぞれがIDT電極を有する複数の共振器を含む第1フィルタおよび第2フィルタと、第1フィルタおよび第2フィルタが接続される共通端子と、を備える。第1フィルタは、共通端子に直接接続される第1共振器と、第1共振器に並列接続され、IDT電極によって容量を発生するキャパシタと、を備える。第1フィルタを構成する複数の共振器のIDT電極の延びる方向とキャパシタのIDT電極の延びる方向とは平行である。
この構成では、キャパシタのIDT電極によって、共振点と反共振点とが形成される。この共振点および反共振点がマルチプレクサの通過帯域外に設定されることで、マルチプレクサの減衰特性が調整される。
この発明によれば、マルチプレクサで処理する通過帯域外の減衰特性を向上できる。
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態に係るマルチプレクサについて、図を参照して説明する。本実施形態では、4個のフィルタによって構成されるマルチプレクサを例に説明するが、マルチプレクサを構成するフィルタ数は、複数(2個以上)であれば、本発明の構成を適用でき、本発明の作用効果を奏することができる。
本発明の第1の実施形態に係るマルチプレクサについて、図を参照して説明する。本実施形態では、4個のフィルタによって構成されるマルチプレクサを例に説明するが、マルチプレクサを構成するフィルタ数は、複数(2個以上)であれば、本発明の構成を適用でき、本発明の作用効果を奏することができる。
(マルチプレクサの回路構成)
図1は、第1の実施形態に係るマルチプレクサの等価回路図である。図1に示すように、マルチプレクサ1は、複数のフィルタ10-40(フィルタ10、フィルタ20、フィルタ30、フィルタ40)、および、整合素子Mantを備える。また、マルチプレクサ1は、アンテナ接続端子Pant、第1個別端子P1、第2個別端子P2、第3個別端子P3、および、第4個別端子P4を備える。アンテナ接続端子Pantが、本発明の「共通端子」に対応する。
図1は、第1の実施形態に係るマルチプレクサの等価回路図である。図1に示すように、マルチプレクサ1は、複数のフィルタ10-40(フィルタ10、フィルタ20、フィルタ30、フィルタ40)、および、整合素子Mantを備える。また、マルチプレクサ1は、アンテナ接続端子Pant、第1個別端子P1、第2個別端子P2、第3個別端子P3、および、第4個別端子P4を備える。アンテナ接続端子Pantが、本発明の「共通端子」に対応する。
フィルタ10は、アンテナ接続端子Pantと第1個別端子P1との間に接続される。フィルタ20は、アンテナ接続端子Pantと第2個別端子P2との間に接続される。フィルタ30は、アンテナ接続端子Pantと第3個別端子P3との間に接続される。フィルタ40は、アンテナ接続端子Pantと第4個別端子P4との間に接続される。すなわち、複数のフィルタ10-40は、アンテナ接続端子Pant側の端部によって接続され、アンテナ接続端子Pantに接続される。言い換えれば、複数のフィルタ10-40は、アンテナ接続端子Pant側が束ねられて、アンテナ接続端子Pantに接続される。
整合素子Mantは、例えば、インダクタによって構成される。整合素子Mantは、複数のフィルタ10-40のノードとアンテナ接続端子Pantとを接続する伝送ラインとグランドとの間に接続される。整合素子Mantは、マルチプレクサ1のアンテナへの接続側のインピーダンスマッチングを行う。
複数のフィルタ10-40は、それぞれに異なる通信バンドの周波数を通過帯域とするように構成される。例えば、フィルタ10は、通信バンド25の送信周波数帯域を通過帯域とし、他の周波数帯域を減衰域とするように構成される。フィルタ20は、通信バンド25の受信周波数帯域を通過帯域とし、他の周波数帯域を減衰域とするように構成される。
フィルタ30は、通信バンド66の送信周波数帯域を通過帯域とし、他の周波数帯域を減衰域とするように構成される。フィルタ40は、通信バンド66の受信周波数帯域を通過帯域とし、他の周波数帯域を減衰域とするように構成される。
このような構成によって、マルチプレクサ1は、4種類の周波数帯域の高周波信号を分波できる。
(複数のフィルタ10-40の具体的な構成)
複数のフィルタ10-40は、それぞれに複数の弾性波共振器を備える。弾性波共振器は、弾性体基板にIDT電極を形成した表面波共振器である。なお、以下に示す、複数のフィルタ10-40の回路構成は、一例であり、フィルタ10のアンテナ接続端子Pant側の構成を除き、上述の複数のフィルタ10-40の通過帯域および減衰域を実現できれば、他の回路構成であってもよい。
複数のフィルタ10-40は、それぞれに複数の弾性波共振器を備える。弾性波共振器は、弾性体基板にIDT電極を形成した表面波共振器である。なお、以下に示す、複数のフィルタ10-40の回路構成は、一例であり、フィルタ10のアンテナ接続端子Pant側の構成を除き、上述の複数のフィルタ10-40の通過帯域および減衰域を実現できれば、他の回路構成であってもよい。
フィルタ10は、複数の直列腕共振器111-116、複数の並列腕共振器121-124、および、キャパシタ111Cを備える。複数の直列腕共振器111-116は、アンテナ接続端子Pant側から第1個別端子P1に向けて、直列腕共振器111、直列腕共振器112、直列腕共振器113、直列腕共振器114、直列腕共振器115、直列腕共振器116の順に接続される。
並列腕共振器121は、直列腕共振器111と直列腕共振器112とのノードと、グランドとの間に接続される。並列腕共振器122は、直列腕共振器112と直列腕共振器113とのノードと、グランドとの間に接続される。並列腕共振器123は、直列腕共振器114と直列腕共振器115とのノードと、グランドとの間に接続される。並列腕共振器124は、直列腕共振器115と直列腕共振器116とのノードと、グランドとの間に接続される。複数の並列腕共振器122、123、124は、グランド側に端子が互いに接続されて、グランドに接続される。
キャパシタ111Cは、直列腕共振器111に並列接続される。
これらの構成によって、フィルタ10は、上述の通過帯域および減衰域を形成する。そして、キャパシタ111Cを備えることによって、フィルタ10は、通過帯域の急峻性を向上できる。これにより、マルチプレクサ1を構成する他のフィルタの通過帯域とフィルタ10の通過帯域とが近接していても、他のフィルタの通過帯域の高周波信号がフィルタ10を通過することを抑制できる。
フィルタ20は、複数の直列腕共振器211-214、複数の並列腕共振器221、222を備える。複数の直列腕共振器211-214は、アンテナ接続端子Pant側から第2個別端子P2に向けて、直列腕共振器211、直列腕共振器212、直列腕共振器213、直列腕共振器2146の順に接続される。なお、直列腕共振器213は、縦結合側の共振器である。
並列腕共振器221は、直列腕共振器211と直列腕共振器212とのノードと、グランドとの間に接続される。並列腕共振器222は、直列腕共振器213と直列腕共振器214とのノードと、グランドとの間に接続される。
これらの構成によって、フィルタ20は、上述の通過帯域および減衰域を形成する。
フィルタ30は、複数の直列腕共振器311-315、複数の並列腕共振器321-324を備える。複数の直列腕共振器311-315は、アンテナ接続端子Pant側から第3個別端子P3に向けて、直列腕共振器311、直列腕共振器312、直列腕共振器313、直列腕共振器314、直列腕共振器315の順に接続される。
並列腕共振器321は、直列腕共振器311と直列腕共振器312とのノードと、グランドとの間に接続される。並列腕共振器322は、直列腕共振器312と直列腕共振器313とのノードと、グランドとの間に接続される。並列腕共振器323は、直列腕共振器313と直列腕共振器314とのノードと、グランドとの間に接続される。並列腕共振器324は、直列腕共振器314と直列腕共振器315とのノードと、グランドとの間に接続される。複数の並列腕共振器322、323、324は、グランド側に端子が互いに接続されて、グランドに接続される。
これらの構成によって、フィルタ30は、上述の通過帯域および減衰域を形成する。
フィルタ40は、複数の直列腕共振器411-413、複数の並列腕共振器421、422を備える。複数の直列腕共振器411-413は、アンテナ接続端子Pant側から第4個別端子P4に向けて、直列腕共振器411、直列腕共振器412、直列腕共振器413の順に接続される。なお、直列腕共振器412は、縦結合側の共振器である。
並列腕共振器421は、直列腕共振器411と直列腕共振器412とのノードと、グランドとの間に接続される。並列腕共振器422は、直列腕共振器413と第4個別端子P4とのノードと、グランドとの間に接続される。
これらの構成によって、フィルタ40は、上述の通過帯域および減衰域を形成する。
(マルチプレクサ1の特徴)
フィルタ10とフィルタ30は、次のような特性を有する。図2(A)、図2(B)は、フィルタのアンテナ接続端子Pant側(複数のフィルタが束ねられている側)の反射特性を示すスミスチャートである。図2(A)は、フィルタ10のアンテナ接続端子Pant側の反射特性を示し、図2(B)は、フィルタ30のアンテナ接続端子Pant側の反射特性を示す。本実施形態では、フィルタ10が「第1フィルタ」に対応し、フィルタ30が「第2フィルタ」に対応する。
フィルタ10とフィルタ30は、次のような特性を有する。図2(A)、図2(B)は、フィルタのアンテナ接続端子Pant側(複数のフィルタが束ねられている側)の反射特性を示すスミスチャートである。図2(A)は、フィルタ10のアンテナ接続端子Pant側の反射特性を示し、図2(B)は、フィルタ30のアンテナ接続端子Pant側の反射特性を示す。本実施形態では、フィルタ10が「第1フィルタ」に対応し、フィルタ30が「第2フィルタ」に対応する。
図2(A)に示すように、フィルタ10は、フィルタ10の通過帯域Bf10においては、インピーダンスが所望値(約50Ω)に設定される。一方、ターゲット帯域Btgでは、インピーダンスは無限大よりも小さく設定される。なお、ターゲット帯域Btgは、フィルタ10の通過帯域から外れた減衰域、フィルタ30の通過帯域から外れた減衰域、さらに、マルチプレクサ1を構成する複数のフィルタ10-40の通過帯域から外れた減衰域に設定される。
図2(B)に示すように、フィルタ30は、フィルタ30の通過帯域Bf30においては、インピーダンスが所望値(約50Ω)に設定される。一方、ターゲット帯域Btgでは、インピーダンスは無限大よりも小さく設定される。
このような構成によって、フィルタ10とフィルタ30とは、ターゲット帯域Btgにおいて互いの特性に影響を及ぼしあうように設定できる。
この構成において、キャパシタ111Cは、共振周波数および反共振周波数を有するように形成される。より具体的には、キャパシタ111Cは、IDT電極を用いて形成される。すなわち、キャパシタ111Cは、対となるIDT電極間の結合容量によって、所望のキャパシタンスを実現する。
さらに、キャパシタ111CのIDT電極の複数の電極指の延びる方向は、フィルタ10を構成する複数の共振器、フィルタ30を構成する複数の共振器、さらには、マルチプレクサ1を構成する複数の共振器のIDT電極の複数の電極指と平行である。
このような構成によって、キャパシタ111Cは、マルチプレクサ1を構成する他の共振器と同様に、所定の周波数において、共振現象および反共振現象を生じる。
したがって、キャパシタ111Cは、上述の通過帯域の急峻性を実現するためのキャパシタとして機能するだけでなく、所定の共振周波数frと反共振周波数faとを有する。
ここで、キャパシタ111Cの共振周波数frを、ターゲット帯域Btgの近傍で、かつ、ターゲット帯域Btgの高周波数側に設定する。
図3(A)は、フィルタ特性を示す図であり、図3(B)は、図3(A)に示すフィルタ特性のターゲット帯域Btg近傍の特性を示す図である。図3(A)、図3(B)は、フィルタ30の特性を示し、点線はフィルタ30の単体特性を示し、実線は、マルチプレクサ1に構成された状態でのフィルタ30の特性を示す。
図3(A)、図3(B)に示すように、キャパシタ111Cを備えることによって、フィルタ30の減衰域におけるターゲット帯域Btgでの減衰量は、大きくなる。これにより、マルチプレクサ1は、フィルタ30の減衰域におけるターゲット帯域Btgでの減衰特性を向上できる。
また、この構成では、キャパシタ111Cの共振周波数frがターゲット帯域Btgの高周波数側に設定されている。マルチプレクサ1の構成では、フィルタ30のフィルタ特性に現れる共振周波数frの影響は、反共振周波数faの影響よりも低周波数側に現れる。したがって、キャパシタ111Cの共振周波数frがターゲット帯域Btgの高周波数側に設定されることで、ターゲット帯域Btgは、キャパシタ111Cの共振周波数frよりも低周波数側となる。
これにより、ターゲット帯域Btgは、共振周波数frを基準に反共振周波数faと反対側になる。この結果、マルチプレクサ1は、共振周波数frによるターゲット帯域Btgの減衰量の向上効果を、より確実に実現できる。
なお、本実施形態では、キャパシタ111Cの共振周波数frがターゲット帯域Btgに重ならないように設定されているが、キャパシタ111Cの共振周波数frがターゲット帯域Btgに重なるように設定してもよい。この際、キャパシタ111Cの反共振周波数faがターゲット帯域Btgに重ならないように設定する。
(マルチプレクサ1の物理的構成の一例)
図4(A)は、マルチプレクサ1の物理的な構成の一例を示す部分的な平面図であり、図4(B)は、IDT電極の一部を拡大した平面図である。図4(A)に示すように、マルチプレクサ1は、基板900を備える。基板900は、弾性波を発生可能な弾性体からなる。基板900は、所定方向(図4では、図の横方向(太線矢印の方向))に弾性波を伝搬する構造を有する。
図4(A)は、マルチプレクサ1の物理的な構成の一例を示す部分的な平面図であり、図4(B)は、IDT電極の一部を拡大した平面図である。図4(A)に示すように、マルチプレクサ1は、基板900を備える。基板900は、弾性波を発生可能な弾性体からなる。基板900は、所定方向(図4では、図の横方向(太線矢印の方向))に弾性波を伝搬する構造を有する。
基板900の一面には、直列腕共振器111、直列腕共振器112、並列腕共振器121、直列腕共振器311、並列腕共振器321、キャパシタ111C、複数の配線電極911-914、931-934が形成されている。また、基板900には、複数の配線電極901-903、アンテナ接続端子Pant、グランド接続端子Pgが形成されている。
直列腕共振器111、直列腕共振器112、並列腕共振器121、直列腕共振器311、並列腕共振器321、キャパシタ111Cは、IDT電極を備える。
図4(B)に示すように、IDT電極は、1対の櫛形電極970、980を備える。櫛形電極970は、第1方向に延びる複数の電極指971と、第1方向に直交する第2方向に延びるバスバー電極972とを備える。バスバー電極972は、複数の電極指971のそれぞれの延びる方向の一端に接続する。櫛形電極980は、第1方向に延びる複数の電極指981と、第1方向に直交する第2方向に延びるバスバー電極982とを備える。バスバー電極982は、複数の電極指981のそれぞれの延びる方向の一端に接続する。
複数の電極指971と複数の電極指981は、第2方向において交互に周期的に配置される。バスバー電極972とバスバー電極982とは、第1方向において複数の電極指971と複数の電極指981とを挟む位置に配置される。
例えば、バスバー電極972を通じて複数の櫛形電極970の所定周波数の高周波信号が入力されると、弾性波が第2方向に励振されて伝搬される。この弾性波は、複数の櫛形電極980によって電気信号として取り出され、バスバー電極982から出力される。
なお、後述するように、複数の直列腕共振器および並列腕共振器では、第2方向の両端、すなわち、複数の電極指971および複数の電極指981を挟む位置に、反射器電極が形成されている。
このような構成において、直列腕共振器111、直列腕共振器112、並列腕共振器121、直列腕共振器311、並列腕共振器321、キャパシタ111Cは、それぞれを構成するIDT電極の複数の電極指の延びる方向が平行である。例えば、図4の場合、直列腕共振器111、直列腕共振器112、並列腕共振器121、直列腕共振器311、並列腕共振器321、キャパシタ111Cのそれぞれを構成するIDT電極の複数の電極指は、図4に示す基板900の縦方向に延びる形状である。なお、図示を省略しているが、マルチプレクサ1を構成する直列腕共振器111-116の各電極指、並列腕共振器121-124の各電極指、および、キャパシタ111Cの電極指は、それぞれの延びる方向が平行である。
これにより、直列腕共振器111、直列腕共振器112、並列腕共振器121、直列腕共振器311、並列腕共振器321は、弾性波共振器として機能する。また、キャパシタ111Cは、所望のキャパシタンスを実現するとともに、所望の共振周波数frおよび反共振周波数faを実現する。
さらに、直列腕共振器111、直列腕共振器112、並列腕共振器121、直列腕共振器311、並列腕共振器321は、反射器電極を備える。これにより、直列腕共振器111、直列腕共振器112、並列腕共振器121、直列腕共振器311、並列腕共振器321は、弾性波の閉じ込め効果を向上でき、より優れた共振器特性を実現できる。
キャパシタ111Cは、反射器電極を備えない。言い換えれば、キャパシタ111Cは、対となるIDT電極のみによって形成される。この構成による具体的な効果は後述する。
直列腕共振器111とキャパシタ111Cとは、配線電極911によって接続し、配線電極911は、配線電極901によって、アンテナ接続端子Pantを実現する端子電極に接続する。
直列腕共振器112は、配線電極912によって、直列腕共振器111、キャパシタ111C、および、並列腕共振器121に接続する。直列腕共振器112は、配線電極913によって、図示していない直列腕共振器113等に接続する。
並列腕共振器121は、配線電極914、配線電極902によって、グランド電位用のグランド接続端子Pgに接続する。
直列腕共振器311は、配線電極931、配線電極901によって、アンテナ接続端子Pantを実現する端子電極に接続する。直列腕共振器311は、配線電極932によって、図示していない直列腕共振器312等に接続する。直列腕共振器311は、配線電極933によって並列腕共振器321に接続する。
並列腕共振器321は、配線電極934、配線電極903によって、グランド電位用のグランド接続端子Pgに接続する。
このような構成によって、マルチプレクサ1は、上述の回路構成を実現できる。
(キャパシタ111Cに反射器を備えないことに対する説明)
図5(A)は、反射器の有無によるインピーダンスの違いを示す図であり、図5(B)は、反射器の有無によるQ値の違いを示す図である。
図5(A)は、反射器の有無によるインピーダンスの違いを示す図であり、図5(B)は、反射器の有無によるQ値の違いを示す図である。
図5(A)に示すように、反射器を用いないことによって、反射器を用いる場合よりも、共振周波数frの急峻性および反共振周波数faの急峻性を鈍化させることができる。すなわち、図5(A)に示すように、共振周波数frにおけるインピーダンスの変化量を小さくでき、共振周波数frに近づくにつれて変化するインピーダンスの変化率を小さくできる。同様に、反共振周波数faにおけるインピーダンスの変化量を小さくでき、反共振周波数faに近づくにつれて変化するインピーダンスの変化率を小さくできる。
これをQ値で示すと、図5(B)に示すように、反射器を用いないことによって、共振周波数frに対するQ値を小さくできる。
図6(A)は、減衰域の特性向上対象のフィルタのフィルタ特性を示す図であり、図6(B)は、キャパシタの共振周波数および反共振周波数付近を拡大したフィルタ特性を示す図である。
図6(A)、図6(B)に示すように、キャパシタ111Cに反射器を用いないことによって、共振周波数frでの減衰量は小さくなるものの、反共振周波数faでの減衰量の跳ね返り(減衰量が悪化する現象)を抑制できる。
そして、上述のように、共振周波数frがターゲット帯域Btgの近傍で高周波数側に設定されていることで、マルチプレクサ1は、ターゲット帯域Btgでの減衰特性の向上を実現しながら、反共振周波数faでの減衰量の跳ね返りの影響を抑制できる。これにより、マルチプレクサ1は、通過帯域外の減衰特性、すなわち、ターゲット帯域Btgでの減衰特性の向上を、より確実に実現できる。
なお、この際、キャパシタ111Cの共振周波数frおよび反共振周波数faは、フィルタ10の減衰域で、フィルタ10の通過帯域から大きく離れた位置であるので、フィルタ10の特性劣化を生じない。
図7(A)は、キャパシタを含むフィルタのフィルタ特性を示す図であり、図7(B)は、キャパシタの共振周波数および反共振周波数付近を拡大したフィルタ特性を示す図である。図7(A)、図7(B)に示すように、キャパシタ111Cの反射器の有無によることなく、フィルタ10は、所望の通過特性を実現できる。
[第2の実施形態]
本発明の第2の実施形態に係るマルチプレクサについて、図を参照して説明する。図8は、第2の実施形態に係るマルチプレクサの等価回路図である。
本発明の第2の実施形態に係るマルチプレクサについて、図を参照して説明する。図8は、第2の実施形態に係るマルチプレクサの等価回路図である。
図8に示すように、第2の実施形態に係るマルチプレクサ1Aは、第1の実施形態に係るマルチプレクサ1に対して、フィルタ10をフィルタ10Aに置き換える点で異なる。マルチプレクサ1Aの他の構成は、マルチプレクサ1と同様であり、同様の箇所の説明は省略する。
マルチプレクサ1Aは、フィルタ10Aを備える。フィルタ10Aは、フィルタ10に対して、並列腕共振器120を備える点で異なる。なお、より詳細には、フィルタ10Aは、並列腕共振器120を備えることによって、フィルタ10と同様の通過特性を得られるように、他の直列腕共振器および並列腕共振器の少なくとも1個の特性は調整されている。
並列腕共振器120は、直列腕共振器111とキャパシタ111Cとのアンテナ接続端子Pant側のノードと、グランド電位との間に接続される。
このような構成によって、マルチプレクサ1Aは、アンテナ接続端子Pantに直接接続する(他の共振器を通じることなく接続する)直列腕共振器111とキャパシタ111Cとの並列回路を実現できる。
これにより、マルチプレクサ1Aは、マルチプレクサ1と同様に、フィルタ30の減衰域の減衰特性を向上できる。
[第3の実施形態]
本発明の第3の実施形態に係るマルチプレクサについて、図を参照して説明する。図9は、第3の実施形態に係るマルチプレクサの等価回路図である。
本発明の第3の実施形態に係るマルチプレクサについて、図を参照して説明する。図9は、第3の実施形態に係るマルチプレクサの等価回路図である。
図9に示すように、第3の実施形態に係るマルチプレクサ1Bは、第1の実施形態に係るマルチプレクサ1に対して、フィルタ10をフィルタ10Bに置き換える点で異なる。マルチプレクサ1Bの他の構成は、マルチプレクサ1と同様であり、同様の箇所の説明は省略する。
マルチプレクサ1Bは、フィルタ10Bを備える。フィルタ10Bは、フィルタ10に対して、並列腕共振器120を備える点、および、キャパシタ111Cの接続において異なる。なお、より詳細には、フィルタ10Bは、並列腕共振器120を備えること、および、キャパシタ111Cの接続を異ならせることによって、フィルタ10と同様の通過特性を得られるように、他の直列腕共振器および並列腕共振器の少なくとも1個の特性は調整されている。
並列腕共振器120は、直列腕共振器111のアンテナ接続端子Pant側と、グランド電位との間に接続される。キャパシタ111Cは、並列腕共振器120に並列接続される。
このような構成によって、マルチプレクサ1Bは、アンテナ接続端子Pantに直接接続する(他の共振器を通じることなく接続する)並列腕共振器120とキャパシタ111Cとの並列回路を実現できる。
これにより、マルチプレクサ1Bは、マルチプレクサ1と同様に、フィルタ30の減衰域の減衰特性を向上できる。
この際、マルチプレクサ1Bは、キャパシタ111Cによる共振周波数frよりも高周波数側にターゲット帯域Btgを設定する。これにより、マルチプレクサ1Bは、フィルタ30の減衰域のターゲット帯域Btgにおける減衰特性を向上できる。
(各実施形態に共通の追加項目)
上述の各実施形態では、マルチプレクサの通過帯域の高周波数側に、ターゲット帯域Btg、および、キャパシタ111Cによる共振周波数fr、反共振周波数faを設定する態様を示した。しかしながら、ターゲット帯域Btg、および、キャパシタ111Cによる共振周波数fr、反共振周波数faは、マルチプレクサの通過帯域の低周波数側に設定することも可能である。この場合も、ターゲット帯域Btgは、共振周波数frを基準として反共振周波数fa側と反対側に設定するとよい。
上述の各実施形態では、マルチプレクサの通過帯域の高周波数側に、ターゲット帯域Btg、および、キャパシタ111Cによる共振周波数fr、反共振周波数faを設定する態様を示した。しかしながら、ターゲット帯域Btg、および、キャパシタ111Cによる共振周波数fr、反共振周波数faは、マルチプレクサの通過帯域の低周波数側に設定することも可能である。この場合も、ターゲット帯域Btgは、共振周波数frを基準として反共振周波数fa側と反対側に設定するとよい。
また、上述の各実施形態の構成は、適宜組み合わせることが可能であり、それぞれの組み合わせに応じた作用効果を奏することができる。
1、1A、1B:マルチプレクサ
10、10A、10B、20,30、40:フィルタ
111-116、211-214、311-315、411-413:直列腕共振器
120-124、221、222、321-324、421、422:並列腕共振器
111C:キャパシタ
900:基板
901-903、911-914、931-934:配線電極
Mant:整合素子
Pant:アンテナ接続端子
P1:第1個別端子
P2:第2個別端子
P3:第3個別端子
P4:第4個別端子
Pg:グランド接続端子
10、10A、10B、20,30、40:フィルタ
111-116、211-214、311-315、411-413:直列腕共振器
120-124、221、222、321-324、421、422:並列腕共振器
111C:キャパシタ
900:基板
901-903、911-914、931-934:配線電極
Mant:整合素子
Pant:アンテナ接続端子
P1:第1個別端子
P2:第2個別端子
P3:第3個別端子
P4:第4個別端子
Pg:グランド接続端子
Claims (7)
- それぞれがIDT電極を有する複数の共振器を含む第1フィルタおよび第2フィルタと、
前記第1フィルタおよび前記第2フィルタが接続される共通端子と、を備え、
前記第1フィルタは、
前記共通端子に直接接続される第1共振器と、
前記第1共振器に並列接続され、IDT電極によって容量を発生するキャパシタと、
を備え、
前記第1フィルタを構成する複数の共振器の前記IDT電極の電極指が延びる方向と前記キャパシタのIDT電極の電極指が延びる方向とは平行である、
マルチプレクサ。 - 前記第1共振器は、直列腕共振器である、
請求項1に記載のマルチプレクサ。 - 前記第1共振器は、並列腕共振器である、
請求項1に記載のマルチプレクサ。 - 前記キャパシタによって形成される共振周波数および反共振周波数は、
前記第1フィルタおよび前記第2フィルタの通過帯域外である、
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のマルチプレクサ。 - 前記キャパシタによって形成される共振周波数および反共振周波数は、
前記第1フィルタおよび前記第2フィルタの通過帯域よりも高周波数である、
請求項4に記載のマルチプレクサ。 - 前記キャパシタによって形成される共振周波数および反共振周波数は、
前記第1フィルタおよび前記第2フィルタの通過帯域よりも低周波数である、
請求項4に記載のマルチプレクサ。 - 前記キャパシタは、対となるIDT電極のみによって形成される、
請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のマルチプレクサ。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021154574A JP2023045948A (ja) | 2021-09-22 | 2021-09-22 | マルチプレクサ |
CN202222479060.9U CN218514362U (zh) | 2021-09-22 | 2022-09-19 | 多工器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021154574A JP2023045948A (ja) | 2021-09-22 | 2021-09-22 | マルチプレクサ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2023045948A true JP2023045948A (ja) | 2023-04-03 |
Family
ID=85215030
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2021154574A Pending JP2023045948A (ja) | 2021-09-22 | 2021-09-22 | マルチプレクサ |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2023045948A (ja) |
CN (1) | CN218514362U (ja) |
-
2021
- 2021-09-22 JP JP2021154574A patent/JP2023045948A/ja active Pending
-
2022
- 2022-09-19 CN CN202222479060.9U patent/CN218514362U/zh active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
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CN218514362U (zh) | 2023-02-21 |
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