JP2023045620A - 燃料電池システム - Google Patents

燃料電池システム Download PDF

Info

Publication number
JP2023045620A
JP2023045620A JP2021154147A JP2021154147A JP2023045620A JP 2023045620 A JP2023045620 A JP 2023045620A JP 2021154147 A JP2021154147 A JP 2021154147A JP 2021154147 A JP2021154147 A JP 2021154147A JP 2023045620 A JP2023045620 A JP 2023045620A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fuel cell
anode
time
exhaust
partial pressure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2021154147A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7498689B2 (ja
Inventor
克之 立川
Katsuyuki Tachikawa
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Industries Corp
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Industries Corp
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Industries Corp, Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Industries Corp
Priority to JP2021154147A priority Critical patent/JP7498689B2/ja
Publication of JP2023045620A publication Critical patent/JP2023045620A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7498689B2 publication Critical patent/JP7498689B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Landscapes

  • Fuel Cell (AREA)

Abstract

【課題】使用環境によらず、燃料電池スタック内のアノード側ガス流路の水素分圧を適正に保てる燃料電池システムを提供する。【解決手段】燃料電池スタック110と、アノード側ガス流路の排出経路に設けられた排気排水弁131と、制御部101とを含み、制御部101は、燃料電池システムの運転終了時におけるアノード側ガス流路の窒素分圧を記憶し、燃料電池システムの運転終了時から運転開始時までの停止状態の経過時間を計測し、窒素分圧と経過時間とに基づく指標に従って決定した時間に応じて排気排水弁を開く第1起動制御と、第1起動制御に代えてアノード側ガス流路の窒素分圧が一定値に収束している場合の指標に従って排気排水弁を開く時間を決定し、決定した時間に応じて排気排水弁を開く第2起動制御とを運転開始時に実行することができ、停止状態においてバッテリ電源の欠落を生じた場合、または経過時間が閾値以上の場合に第2起動制御を実行する。【選択図】図1

Description

この開示は、燃料電池スタックを搭載する燃料電池システムに関する。
燃料電池システムは、アノード側ガス流路に水素を含む燃料ガスを、カソード側ガス流路に酸素を含む空気を供給された燃料電池スタックにおいて、水素と酸素とを結合させることにより発電を行うものである。
このような燃料電池において、運転停止中に、カソード側ガス流路に存在する窒素が電解質膜を通過してアノード側ガス流路へ移動(以下、クロスリーク)することが知られている。このようなクロスリークにより、アノード側ガス流路において、窒素の分圧が上昇する一方、水素の分圧が低下して、発電能力が低下する可能性がある。
このため、単位時間当たりにクロスリークする窒素量と、運転終了時からの運転開始時までの経過時間とに応じて、アノード側ガス流路にクロスリークする窒素の総量を求めることにより、運転開始時におけるアノード側ガス流路における窒素と水素の分圧を推定し、水素分圧が所定値以下の場合にアノード側ガス流路においてパージを実行することが、特許文献1に提案されている。
特開2004-293824号公報
しかしながら、メンテナンス等によりバッテリを取り外したため経過時間を得ることができずクロスリークする窒素の量を求めることができない場合、特許文献1の手法によってアノード側ガス流路における窒素と水素の分圧を正確に推定できず、運転開始時におけるアノード側ガス流路の水素分圧を適正な状態に保つことができない恐れがある。また、燃料電池が運転停止状態で長期放置されている場合、クロスリークとは別に、外部から流入する微量な窒素が蓄積されるため、特許文献1の手法を採用してもアノード側ガス流路における窒素と水素の分圧を正確に推定できず、運転開始時におけるアノード側ガス流路の水素分圧を適正な状態に保つことができない恐れがある。
このように窒素と水素の分圧を正確に推定できない状況において、運転開始時にパージを毎回実行することで、燃料電池スタック内部のアノード側ガス流路の水素分圧を適正な状態に保つことも考えられる。しかし、運転開始時にパージを毎回実行すると、運転開始時に必要な起動時間が毎回長くなると共に、パージが必要ない場合には燃料ガスを無駄に捨ててしまうことになる。
本開示は、上記課題を解決するためになされたもので、その目的は、使用環境にかかわらず、燃料電池スタック内部のアノード側ガス流路の水素分圧を適正な状態に保ち、運転開始時に必要な起動時間を従来よりも短縮することができる燃料電池システムを提供することにある。
本開示に係る燃料電池システムは、燃料電池スタックと、アノードガス系に設けられた排気排水弁と、制御部とを備え、制御部は、燃料電池スタック内部のアノード側ガス流路における運転終了時の窒素分圧を記憶し、運転終了時から運転開始時までの停止状態の経過時間を計測し、窒素分圧と経過時間とに基づく指標に従って排気排水弁を開く時間を決定し、決定した時間に応じて排気排水弁を開く第1起動制御と、第1起動制御に代えてアノード側ガス流路の窒素分圧が一定値に収束している場合の指標に従って排気排水弁を開く時間を決定し、決定した時間に応じて排気排水弁を開く第2起動制御と、を運転開始時に実行することができ、停止状態においてバッテリ電源の欠落を生じた場合、または経過時間が閾値以上の場合に第2起動制御を実行する。
本開示に係る燃料電池システムは、大気圧を検知する圧力センサを更に備え、圧力センサで検知される大気圧から算出されるアノード側ガス流路における運転開始時の窒素分圧に基づいて、第2起動制御において排気排水弁を開く時間を決定してもよい。
本開示の燃料電池システムによれば、使用環境にかかわらず、燃料電池スタック内部のアノード側ガス流路の水素分圧を適正な状態に保ち、運転開始時に必要な起動時間を従来よりも短縮することができる。
実施の形態1に係る燃料電池システムの概略構成を示すブロック図である。 実施の形態1に係る燃料電池システムの起動制御の手順を示すフローチャートである。 実施の形態1に係る燃料電池システムの燃料電池スタック内部のアノード側ガス流路の短期の窒素分圧特性を示す特性図である。 実施の形態1に係る燃料電池システムの燃料電池スタック内部のアノード側ガス流路の長期の窒素分圧特性を示す特性図である。 実施の形態1に係る燃料電池システムの第2起動制御の様子を示すタイムチャートである。
以下、燃料電池システムの実施の形態につき、図面を用いて説明する。
実施の形態1.
はじめに、実施の形態1における燃料電池システム100の構成について、図1を参照して説明する。図1は、実施の形態1に係る燃料電池システム100の概略構成を示すブロック図である。図1において、各部の間の実線はガスまたは冷却媒体の流れを示し、各部の間の破線は検知結果または制御信号を示している。
[燃料電池システムの構成]
図1に示される燃料電池システム100は、主に、燃料電池スタック110と、制御系Aと、アノードガス系Bと、カソードガス系Cと、排出系Dと、冷却系Eとを備えている。
制御系Aには、制御部101と、バッテリ102と、圧力センサ103と、記憶部104とが設けられている。
制御部101は、CPU、RAM、ROM、インタフェース回路などを備えたコンピュータによって構成され、バッテリ102から電力の供給を受ける。制御部101は、後述するように、運転開始時に排気排水弁131の開閉制御を行い、燃料電池システム100における燃料電池スタック110の発電に関連する各種制御を行う。制御部101は、燃料電池システム100の運転終了時のアノード側ガス流路の窒素分圧(以下、「終了時窒素分圧」と言う)を不揮発性の記憶部104に記憶し、燃料電池システム100の運転終了時から運転開始時までの停止状態の時間を経過時間として計測する。
制御部101は、運転開始時の起動制御として、以下の第1起動制御または第2起動制御のいずれかを実行する。
第1起動制御は、終了時窒素分圧と経過時間とに基づく指標に従って、排気排水弁131を開く時間を決定し、決定した時間に応じて排気排水弁131を開く。
第2起動制御は、第1起動制御に代えて、窒素分圧が一定値に収束している場合の指標に従って、排気排水弁131を開く時間を決定し、決定した時間に応じて排気排水弁131を開く。
ここで、燃料電池システム100の運転終了時から運転開始時までの間においてバッテリ102の電源供給に欠落を生じず、経過時間が予め定めた閾値未満の場合、制御部101は、第1起動制御を実行する。そして、燃料電池システム100の運転終了時から運転開始時までの間においてバッテリ102の電源供給に欠落を生じた場合、または経過時間が閾値以上の場合、制御部101は、第2起動制御を実行する。バッテリ102の電源供給の欠落とは、メンテナンス等によるバッテリ102の取り外しに伴う、制御部101等の各部への一時的な電源供給の喪失を意味する。
バッテリ102は、燃料電池スタック110で発電された電力により充電され、制御部101、及び後述する各種ポンプまたはバルブ等に電力を供給する補機用のバッテリである。圧力センサ103は、大気圧を検知するための大気圧センサであり、検知された大気圧Paを制御部101に通知する。
燃料電池スタック110は、燃料電池スタック110内部のアノード側ガス流路に水素ガスを含む燃料ガスを供給され、燃料電池スタック110内部のカソード側ガス流路に酸化ガスとして酸素を含む空気を供給され、供給された水素と酸素とを結合させることにより発電を行う複数の燃料電池セルが積層されたスタック構造により構成されている。燃料電池セルのそれぞれは、図示はしないが、電解質膜の両面を2つのセパレータで挟んだ構造になっている。電解質膜の一方の面にはカソード電極が配置され、電解質膜の他方の面にはアノード電極が配置される。燃料電池スタック110により発電された電力は、図示されない外部の負荷に供給される。
アノードガス系Bには、水素ガス供給装置120と、第1温度センサ121と、アノードガス系供給経路122と、第1圧力センサ123と、インジェクタ124と、第2圧力センサ125と、第3圧力センサ126と、アノードガス系排出経路127と、気液分離器128と、アノードガス系循環経路129と、水素循環ポンプ130と、排気排水弁131とが設けられている。
水素ガス供給装置120は、水素ガスを貯蔵する水素タンクと、水素ガスを調圧するレギュレータと、水素ガスの供給を調整または阻止する主止弁などを備えて構成される。第1温度センサ121は水素タンク内の温度を検知し、検知結果T1を制御部101に通知する。水素ガス供給装置120からの水素ガスはアノードガス系供給経路122を通り、燃料電池スタック110の内部のアノード側ガス流路に供給される。第1圧力センサ123は、水素ガス供給装置120からアノードガス系供給経路122に供給される水素ガスの圧力を検知し、検知結果P1を制御部101に通知する。
インジェクタ124は、制御部101に制御され、アノードガス系供給経路122を通して所定の圧力及びタイミングで、一定量の水素ガスを燃料電池スタック110の内部のアノード側ガス流路に供給する。第2圧力センサ125は、アノードガス系供給経路122においてインジェクタ124直前の水素ガスの圧力を検知し、検知結果P2を制御部101に通知する。第3圧力センサ126は、アノードガス系供給経路122においてインジェクタ124から吐出される水素ガスの圧力を検知し、検知結果P3を制御部101に通知する。
アノードガス系排出経路127は、燃料電池スタック110内部のアノード側ガス流路から排出されるアノードオフガスを気液分離器128に導く。気液分離器128は、アノードガス系排出経路127に排出されるアノードオフガスを供給され、水を分離したアノードオフガスをアノードガス系循環経路129に送ると共に、分離した水をアノードオフガスの一部とともに排気排水弁131に送る。
アノードガス系循環経路129は、気液分離器128で水が分離されたアノードオフガスを水素循環ポンプ130に導く。なお、水が分離されたアノードオフガスには、未消費の水素ガスと不純物としての窒素ガスとが含まれている。
水素循環ポンプ130は、気液分離器128により分離されてアノードガス系循環経路129を通って導かれたアノードオフガスを、水素ガス供給装置120からのアノードガス系供給経路122に合流させ、燃料電池スタック110内部のアノード側ガス流路に供給する。
排気排水弁131は、制御部101により開閉制御がなされ、弁を開くことにより、燃料電池スタック110から排出される水とアノードオフガスとを希釈器152に送る。なお、アノードオフガスには、未消費の水素ガスと不純物としての窒素ガスと水とが含まれている。排気排水弁131は、制御部101からの開閉制御により、極微小な流量の排気である「通常排気」、開度を大きくしてアノード側ガス流路内のガスを即座に排気する「パージ」、閉状態としてアノード側ガス流路の下流側を閉塞する「閉塞」の3動作が可能である。
この実施の形態1において、運転開始時の第1起動制御と第2起動制御とにおいて排気排水弁131を開くことは、開度を大きくしてアノード側ガス流路内のガスを即座に排気するパージに該当する。
カソードガス系Cには、エアコンプレッサ140と、第1エアフローセンサ141と、第2温度センサ142と、カソードガス系供給経路143と、インタークーラー144と、エアシャットバルブ145と、カソードガス系排出経路146と、エア調圧バルブ147とが設けられている。
エアコンプレッサ140は、制御部101に制御され、カソードガス系供給経路143を通る酸化ガスとしての酸素を含む空気を、所定の圧力で燃料電池スタック110に到達するように圧縮する。
第1エアフローセンサ141は、エアコンプレッサ140に流入する空気の流量を検知し、検知結果F1を制御部101に通知する。第2温度センサ142はエアコンプレッサ140に流入する空気の温度を検知し、検知結果T2を制御部101に通知する。インタークーラー144は、カソードガス系供給経路143の途中に設けられ、エアコンプレッサ140における断熱圧縮によって上昇した空気の温度を冷却して低下させる。
エアシャットバルブ145は、カソードガス系供給経路143においてインタークーラー144の下流側に設けられ、制御部101により開閉制御され、カソードガス系供給経路143を通る空気を所定のタイミングで燃料電池スタック110に到達するように通過と遮断とを調節する。
カソードガス系排出経路146は、燃料電池スタック110で酸素が使用された残りの空気であるカソードオフガスと水の排出経路である。エア調圧バルブ147は、カソードガス系排出経路146の途中に設けられ、制御部101により開閉制御されて、カソードオフガスと水とを所定のタイミングで貯水タンク151に導く。
排出系Dには、貯水タンク151と、希釈器152とが設けられている。貯水タンク151は、カソードガス系排出経路146からの水を蓄えると共に、カソードオフガスを希釈器152に送る。希釈器152は、貯水タンク151からのカソードオフガスと、排気排水弁131からのアノードオフガスとを混合し、アノードオフガス中の水素濃度を低下させてから大気中に排出する。
冷却系Eには、ラジエータ160と、冷却ファン161と、ウォーターポンプ162と、第3温度センサ163とが設けられている。ラジエータ160は、燃料電池スタック110内の冷却媒体循環系を循環する冷却媒体により、燃料電池スタック110で発生する熱を回収する。ラジエータ160は、冷却ファン161の送風により、回収した熱を燃料電池スタック110の外部に放出する。ウォーターポンプ162は、燃料電池スタック110内の冷却媒体循環系とラジエータ160の間で冷却媒体を循環させる。第3温度センサ163は、ラジエータ160で冷却される前の冷却媒体の温度を検知し、検知結果T3を制御部101に通知する。
図1には示されていないが、燃料電池スタック110で発電された電力は、電発変換部により所定の電圧に変換されて外部に出力され、また、電発変換部により所定の電圧に変換されてバッテリ102に充電される。
[燃料電池システムの制御]
以下、実施の形態1における、燃料電池システム100の制御について説明する。まず、実施の形態1における燃料電池システム100の運転開始時の起動制御の前提となる制御を先に説明する。
制御部101は、図2のフローチャートの前提として、以下の処理を行う。制御部101は、燃料電池システム100の運転終了時に、燃料電池スタック110内部のアノード側ガス流路の終了時窒素分圧を、不揮発性の記憶部104に記憶する。燃料電池システム100の運転終了時における燃料電池スタック110内部のアノード側ガス流路中の窒素分圧については、各種の手法により推定あるいは測定する。例えば、燃料電池システム100の運転中に燃料ガスとして供給された水素ガス量、発電量から算出される発電により消費された水素ガス量、供給された燃料ガス中の窒素濃度等を参照して、制御部101が終了時窒素分圧を推定し、記憶部104に記憶することができる。
制御部101は、運転終了後の停止状態において、燃料電池システム100の運転終了時からの経過時間を計測しており、次の運転開始時に、燃料電池システム100の運転終了時から運転開始時までの停止状態の経過時間を確定する。制御部101は、運転開始時に、運転終了時から運転開始時までの停止状態の経過時間を、後述する予め定められた閾値と比較し、経過時間が閾値以上であれば長期放置に該当するとして、長期放置に該当するフラグを立てる。このフラグは、制御部101内のステータスレジスタあるいは記憶部104に格納される。
燃料電池システム100の停止状態において、バッテリ102を取り外してメンテナンスを実行することがある。バッテリ102が取り外されると、燃料電池システム100の運転終了時からの経過時間の計測が中断あるいはリセットされ、制御部101は正確な経過時間を計測することができない状態になる。このため、制御部101は、運転終了後の停止状態において、バッテリ102の接続状態を監視しており、バッテリ102の取り外しがあった場合、すなわち、バッテリ102からの電源供給の欠落を生じた場合、バッテリ取り外しのフラグを立てる。このフラグは、制御部101内のステータスレジスタあるいは記憶部104に格納される。
以下、実施の形態1における、燃料電池システム100の運転開始時における第1起動制御と第2起動制御とについて、図2を参照して説明する。図2は、実施の形態1に係る燃料電池システム100の起動制御の手順を示すフローチャートである。
燃料電池システム100の制御部101は、図示されない操作部においてキーオン操作が行われることにより、停止状態から運転状態に移行し、制御モードとして起動制御を開始する。
ステップS101において、制御部101は、燃料電池スタック110の各部を初期化すると共に、燃料電池スタック110各部の状態を確認する。ステップS101の状態確認において、制御部101は、燃料電池システム100の運転終了時から今回の運転開始時までの経過時間を記憶部104から読み出すと共に、運転終了後の停止状態におけるバッテリ102の取り外しを示すフラグを制御部101内のステータスレジスタあるいは記憶部104から読み出す。この後、処理はステップS102へと進む。
ステップS102において、制御部101は、バッテリ102の取り外しを示すフラグ参照し、運転終了後の停止状態においてバッテリ102の取り外しが検出されたか否かを判定する。ステップS102において、バッテリ102の取り外しがなかったと制御部101により判定されれば、処理はステップS103へと進む。一方、ステップS102において、バッテリ102の取り外しがあったと制御部101により判定されれば、処理は第2起動制御のステップS108へと進む。
ステップS103において、制御部101は、燃料電池システム100の運転終了時から今回の運転開始時までの経過時間が長期放置に該当するか否かを、制御部101内のステータスレジスタあるいは記憶部104に格納された長期放置のフラグにより判定する。
ここで、通常放置と長期放置との違いについて、燃料電池スタック110内部のアノード側ガス流路の窒素分圧に関連して、図3及び図4を参照して説明する。図3は、実施の形態1に係る燃料電池システム100の燃料電池スタック110内部のアノード側ガス流路の短期の窒素分圧特性を示す特性図である。図4は、実施の形態1に係る燃料電池システム100の燃料電池スタック110内部のアノード側ガス流路の長期の窒素分圧特性を示す特性図である。なお、短期とは外部から微量に流入する空気の蓄積の影響を無視できる期間、長期とは外部から微量に流入する空気の蓄積の影響を無視できない期間である。
燃料電池スタック110において、カソード側ガス流路において空気中の酸素が消費されて残った窒素が存在しており、運転終了時から運転開始時までの停止状態の経過時間においてカソード側ガス流路の窒素が電解質膜を透過してアノード側ガス流路に達するクロスリークと呼ばれる現象が発生する。この結果、アノード側ガス流路では、運転終了時から運転開始時までの経過時間に応じて、クロスリークによって窒素の分圧が増加することが知られている。
図3は、燃料電池スタック110のクロスリークに関連して、燃料電池システム100の運転終了時から運転開始時までの経過時間(横軸)と、燃料電池スタック110内部のアノード側ガス流路の窒素分圧(縦軸)との関係を示している。
ここで、終了時窒素分圧0,10,20,30,40,50,60[kPa]の7種について、運転終了時から運転開始時までの経過時間0~1200[sec]の短期における、アノード側ガス流路の窒素分圧の変化を実験により測定したものを、図3に示している。
図3に示される7種の特性のいずれにおいても運転終了時から運転開始時までの経過時間に応じて燃料電池スタック110内部のアノード側ガス流路の窒素分圧が増加する傾向にある。従って、制御部101は、予め測定した特性に基づいて生成しておいた計算式を用い、終了時窒素分圧と運転終了時から運転開始時までの経過時間とから、燃料電池システム100の運転開始時における燃料電池スタック110内部のアノード側ガス流路の窒素分圧を推定することが可能である。なお、図3では1200[sec]までしか示していないが、後述する閾値の時間までは窒素分圧を推定することが可能である。
図4は、外部から燃料電池スタック110への流入に関連して、燃料電池システム100の運転終了時から運転開始時までの経過時間(横軸)と、燃料電池スタック110内部のアノード側ガス流路の窒素分圧(縦軸)との関係を示している。
ここで、終了時窒素分圧0,10,20,30,40,50,60[kPa]の7種について、運転終了時から運転開始時までの経過時間として図3の場合よりも長期である0~12[hour]における、アノード側ガス流路の窒素分圧の変化を実験により測定したものを、図4に示している。
図4に示される7種の特性のいずれにおいても、始めから一定時間までは図3と同様に、運転終了時から運転開始時までの経過時間に応じて燃料電池スタック110内部のアノード側ガス流路の窒素分圧が増加する傾向にある。ところが、5[hour]を過ぎると、7種の特性全てが70[kPa]を超えて徐々に80[kPa]付近に収束し始める。この80[kPa]は、大気圧100[kPa]のうち約80%を占める窒素の分圧に相当する。言い換えると、運転終了時から運転開始時までの経過時間として図3の場合よりも一定以上長い時間では、終了時窒素分圧(0,10,20,30,40,50,60[kPa])にかかわらず、アノード側ガス流路の窒素分圧は大気圧での窒素分圧80[kPa]に近づいてくる。
図4のような燃料電池スタック110内部のアノード側ガス流路の窒素分圧の上昇特性は、燃料電池スタック110に対して、燃料電池スタック110及び排気排水弁131等に存在する微細な隙間を通して外部から微量に流入してくる空気の蓄積による影響と考えることができる。
そこで、図3のように運転終了時から運転開始時までの経過時間と終了時窒素分圧とから運転開始時の燃料電池スタック110内部のアノード側ガス流路の窒素分圧を推定できるか、あるいは、図4の一定以上の経過時間のように運転終了時から運転開始時までの経過時間と終了時窒素分圧とにかかわらずアノード側ガス流路の窒素分圧が一定値に収束しているかを識別するための時間の閾値を定める。
図3及び図4の場合、運転終了時から運転開始時までの経過時間について、例えば、5[hour]を閾値として定めることができ、定めた閾値を記憶部104に記憶する。そして、閾値未満の経過時間を通常放置に該当し、閾値以上の経過時間を長期放置に該当すると定める。なお、閾値は、燃料電池スタック110及び排気排水弁131等の各部の構造などにより変化するものであり、燃料電池システム100の各機種ごとに定めることが望ましい。
ここで再び図2のフローチャートのステップS103の説明に戻る。
制御部101は、燃料電池システム100の運転終了時から今回の運転開始時までの経過時間が長期放置に該当するか否かを、制御部101内のステータスレジスタあるいは記憶部104に格納された長期放置のフラグにより判定する。ステップS103において経過時間が閾値未満と制御部101により判定されれば、処理は第1起動制御のステップS104へと進む。一方、ステップS103において、経過時間が閾値以上と制御部101により判定されれば、処理は第2起動制御のステップS108へと進む。
[第1起動制御]
以下、第1起動制御としてのステップS104以降の処理について説明する。
ステップS104において、制御部101は、予め測定した図3のような特性に基づいて生成しておいた計算式を用い、運転終了時から運転開始時までの経過時間と終了時窒素分圧とから、燃料電池システム100の運転開始時における燃料電池スタック110内部のアノード側ガス流路の窒素分圧を推定する。この後、処理はステップS105へと進む。
ステップS105において、制御部101は、推定したアノード側ガス流路の窒素分圧に基づいて、パージ処理として排気排水弁131を開くか否か、及び、パージ処理として排気排水弁131を開く際の時間を決定する。なお、制御部101は、パージ処理として排気排水弁131を開くか否かの決定を省略し、パージ処理として排気排水弁131を開く時間(但し、開く時間は0を含む)を決定してもよい。
ステップS105の決定を行うため、パージ処理として排気排水弁131を開く基準となるアノード側ガス流路の基準窒素分圧Pthを予め定めておく。ステップS105において、制御部101は、ステップS104において推定したアノード側ガス流路の窒素分圧推定値P0と、基準窒素分圧Pthとを比較し、P0≧Pthを満たせばパージ処理として排気排水弁131を開くと決定し、P0<Pthであれば排気排水弁131を開放しないか、または開時間=0と決定する。
また、ステップS105において、制御部101は、ステップS104において推定したアノード側ガス流路の窒素分圧推定値P0を参照し、P0が大きくなるに従って排気排水弁131を開く時間を長くするように、排気排水弁131を開く際の時間を決定する。
このとき、排気排水弁131を開く時間は、大気圧P0と排気排水弁131の上流圧(以下、「排気排水弁上流圧」と言う)との差圧や温度に応じて、アノードガスの流量を推定して補正されてもよい。排気排水弁上流圧は、検出結果P3から、予め実験的に求められるアノード圧損から推定される。基準となる排気排水弁131を開く時間に対して、差圧が大きいほど開く時間を長くするよう補正し、温度が高いほど開く時間を短くするよう補正する。
ステップS105において、制御部101は、パージ処理として排気排水弁131を開くか否かの決定を省略する場合、ステップS104において推定したアノード側ガス流路の窒素分圧推定値P0が基準窒素分圧Pthより小さい場合、排気排水弁131を開く時間を0と決定する。すなわち、制御部101は、運転終了時から運転開始時までの経過時間と終了時窒素分圧とに基づく指標に従って、排気排水弁131を開く時間を決定している。この後、処理はステップS106へと進む。
ステップS106において、制御部101により排気排水弁131を開くと決定している場合、あるいは排気排水弁131を開く時間が0でない場合、処理がステップS107へと進む。一方、ステップS106において、制御部101により排気排水弁131を開かないと決定している場合、あるいは排気排水弁131を開く時間=0と決定している場合、処理を終了する。
ステップS107において、制御部101は、ステップS105で決定した時間に基づいて、排気排水弁131を開いてパージ処理を実行し、アノード側ガス流路内のアノードオフガスを排出する。制御部101は、排気排水弁131を開くと共に、アノードガス系Bからアノード側ガス流路に燃料ガスを供給する。これにより、アノード側ガス流路内の窒素濃度が低下する。
以上の第1起動制御において、排気排水弁131を開くか開放しないか、及び推定したアノード側ガス流路の窒素分圧推定値P0に応じた排気排水弁131を開く時間を、制御部101により適切に決定しているため、運転開始時に必要な第1起動制御の時間を従来よりも短縮することが可能になる。
この後、燃料電池システム100において、制御部101は、第1起動制御の処理を終了し、発電を行う発電制御に移行する。また、制御部101は、排気排水弁131を開かない決定している場合も、第1起動制御の処理を終了し、発電を行う発電制御に移行する。すなわち、燃料電池システム100において、制御部101の制御に基づいて燃料電池スタック110は発電を開始する。
[第2起動制御]
バッテリ取り外しのフラグにより運転終了後の停止状態でのバッテリ102の取り外しが検出された場合、及び、運転終了時から運転開始時までの停止状態の経過時間が閾値以上の長期放置と判定された場合、制御部101は、第1起動制御に代えて、処理を第2起動制御のステップS108へと進める。
以下、第2起動制御としてのステップS108の処理について説明する。
ステップS108において、制御部101は、運転終了後の停止状態でのバッテリ102の取り外しが検出された場合、及び、運転終了時から運転開始時までの停止状態の経過時間が閾値以上の長期放置と判定された場合、アノード側ガス流路の窒素分圧が一定値に収束している場合の指標に従って排気排水弁を開く時間を決定する。具体的には、アノード側ガス流路の窒素分圧が大気圧での窒素分圧80[kPa]に近づいていると仮定して、パージ処理として排気排水弁131を開く際の時間を決定する。この後、処理はステップS109へと進む。
ステップS109において、制御部101は、アノード側ガス流路の窒素分圧が一定値に収束している場合の指標に従って決定した時間に基づいて排気排水弁131を開いてパージ処理を実行し、燃料電池スタック110内部のアノード側ガス流路からアノードオフガスを積極的に排出する。制御部101は、排気排水弁131を開くと共に、アノードガス系Bから燃料電池スタック110内部のアノード側ガス流路に燃料ガスを供給する。これにより、アノード側ガス流路内の窒素濃度が低下する。
以下、第2起動制御において、排気排水弁131を開く時間について説明する。
燃料電池システム100の停止状態においてメンテナンス等によりバッテリ102が取り外されると、燃料電池システム100の運転終了時からの経過時間についての制御部101による計測が中断あるいはリセットされる。このため、制御部101は、燃料電池システム100の運転終了時からの正確な経過時間を計測できておらず、燃料電池システム100の運転開始時におけるアノード側ガス流路の窒素分圧を推定することができない。ここで、正確な経過時間を計測できていないが、図4に示したように、アノード側ガス流路の窒素分圧が大気圧での窒素分圧80[kPa]に近づいている可能性がある。
燃料電池システム100の運転終了時から今回の運転開始時までの経過時間が、予め定められた閾値以上の長期放置に該当する場合、微細な隙間を通して外部から燃料電池スタック110に微量に流入する空気の影響により、終了時窒素分圧にかかわらず、図4に示したようにアノード側ガス流路の窒素分圧が大気圧での窒素分圧80[kPa]に徐々に近づいてくる。
以上のバッテリ102の取り外しと長期放置とのいずれかに該当する場合、燃料電池スタック110内部のアノード側ガス流路の窒素分圧を実際より低く予想し、燃料電池スタック110で発電を開始すると、水素欠乏状態により燃料電池スタック110を劣化させる恐れがある。
そこで、燃料電池システム100の停止状態においてバッテリ102の取り外しがあった場合、及び、経過時間が閾値以上である場合、アノード側ガス流路の窒素分圧が大気圧での窒素分圧80[kPa]に近づいていると仮定して、第2起動制御としてパージ処理に必要な排気排水弁131を開く時間を決定する。なお、第2起動制御としてパージ処理に必要な排気排水弁131を開く時間を、一定時間に予め定めておいてもよい。その場合、一定時間は、アノード側ガス流路の窒素分圧が一定値に収束している場合において燃料電池スタック110内部のアノード側ガス流路の水素分圧を適正な状態に保つのに十分な時間として決められる。
ここで、第2起動制御において排気排水弁131を開く様子を図5のタイムチャートを用いて説明する。図5は、実施の形態1に係る燃料電池システム100の第2起動制御の様子を示すタイムチャートである。ここで、図5の(a)は制御部101の制御モードを示し、図5の(b)は排気排水弁131の開閉状態を示しており、図5の(c)は燃料電池スタック110内部のアノード側ガス流路における窒素分圧推定値を示している。
時刻t0において、図示されない操作部においてキーオン操作が行われることにより、図5の(a)に示すように、制御部101は起動制御を開始する。ここでは、起動制御が第2起動制御である場合について説明を続ける。
排気排水弁131は、時刻t0において図5の(b)に示すように閉鎖状態である。
燃料電池スタック110内部のアノード側ガス流路における窒素分圧推定値は、図5の(c)に示すようにP0である。この窒素分圧推定値P0は、第2起動制御を行う場合は、大気圧100[kPa]での窒素分圧80[kPa]に近い値である。
制御部101は、第2起動制御における時刻t1において排気排水弁131を開くよう制御し、時刻t1から所定時間後の時刻t2において排気排水弁131を閉鎖するよう制御する。ここで時刻t1からt2まで排気排水弁131を開く時間を、排気時間t_openとする。制御部101は、排気時間t_openを予め定めておいた一定時間としてもよいが、第2起動制御の開始時点における圧力センサ103で検知される大気圧Paから算出されるアノード側ガス流路における運転開始時の窒素分圧に基づいて、第2起動制御の開始時に排気時間t_openを決定または補正してもよい。
例えば、燃料電池システム100の存在する標高、あるいは気象条件において大気圧Paは変化する。このため、検知された大気圧Paから算出されるアノード側ガス流路における運転開始時の窒素分圧に基づいて排気時間t_openを決定または補正することで、排気時間t_openを、環境に合致したより適正な時間にすることができる。
燃料電池スタック110内部のアノード側ガス流路から排気排水弁131を通して窒素だけでなく水素も含んだ状態のアノードオフガスが排気されることがあるため、希釈器152においてアノードオフガス中の水素を希釈可能な範囲に収まるよう、排気時間t_openを定めることも望ましい。
制御部101は、希釈器152におけるアノードオフガス中の水素希釈を助けるため、第2起動制御における排気排水弁131を、連続した1回の開放ではなく複数回に分けて開くようにしてもよい。この場合、排気排水弁131の複数回の開放の合計時間が排気時間t_openになるように調整する。
制御部101は、時刻t1からt_open経過後の時刻t2において、排気排水弁131を閉鎖するよう制御する。この後、制御部101は、第2起動制御の処理を終了し、燃料電池システム100の各部を発電制御のモードで制御する。これ以後、燃料電池システム100において、制御部101の制御に基づいて燃料電池スタック110は発電を開始する。
以上のように、バッテリ102の取り外しと長期放置とのいずれかに該当する場合、第1起動制御に代えて、アノード側ガス流路の窒素分圧が一定値に収束している場合の指標に従って排気排水弁131を開く時間を決定し、決定した時間に応じて排気排水弁131を開く第2起動制御を制御部101が実行することで、クロスリークとは別に外部から流入する空気の影響により上昇したアノード側ガス流路内の窒素濃度を確実に低下させる。従って、アノード側ガス流路の窒素分圧を実際より低く予想して水素欠乏状態により燃料電池スタック110を劣化させる事態を予防できる。
[実施の形態により得られる効果]
本開示の燃料電池システム100において、制御部101は、燃料電池システム100の運転終了時から運転開始時までの停止状態の経過時間を計測し、燃料電池システム100の運転終了時におけるアノード側ガス流路の終了時窒素分圧を記憶し、終了時窒素分圧と経過時間とに基づく指標に従って決定した時間に応じて排気排水弁131を開く第1起動制御と、第1起動制御に代えてアノード側ガス流路の窒素分圧が一定値に収束している場合の指標に従って排気排水弁131を開く時間を決定し、決定した時間に応じて排気排水弁131を開く第2起動制御とを運転開始時に実行することができ、停止状態においてバッテリ電源の欠落を生じた場合、または経過時間が閾値以上の場合に第2起動制御を実行する。
これにより、第1起動制御と第2起動制御のいずれかにより、運転開始時に排気排水弁131を適切に開くことができ、使用環境にかかわらず、燃料電池スタック110内部のアノード側ガス流路の水素分圧を適正な状態に保つことができる。また、燃料電池システム100の状態に応じて排気排水弁131を開く時間を決定しているため、運転開始時に毎回パージ処理を実行する場合と比較して、運転開始時に必要な起動時間を従来よりも短縮することができる。
すなわち、燃料電池システム100の運転終了時から運転開始時までの間においてバッテリ電源の欠落を生じず、経過時間が予め定めた閾値以上の場合には、第1起動制御を実行として、終了時窒素分圧と経過時間とに基づく指標に従って決定した時間に応じて運転開始時に排気排水弁131を開くことにより、燃料電池スタック110内部のアノード側ガス流路の窒素分圧を低下させ、水素分圧を適正な状態に保つことができる。また、排気排水弁131を開く時間を、適切に決定しているため、運転開始時に必要な第1起動制御の時間を従来よりも短縮することが可能になる。
燃料電池システム100の運転終了時から運転開始時まで停止状態においてバッテリ102の取り外しがあった場合、運転終了時から運転開始時までの停止状態の経過時間の計測ができていないため、アノード側ガス流路の窒素分圧の推定が困難であるが、第2起動制御を実行することにより、燃料電池スタック110内部のアノード側ガス流路の窒素分圧を低下させ、水素分圧を適正な状態に保つことができる。
燃料電池システム100の運転終了時から運転開始時までの停止状態の時間が長期放置に該当する場合、クロスリークとは別に外部から流入する空気の影響により上昇したアノード側ガス流路内の窒素濃度を第2起動制御により低下させ、燃料電池スタック110内部のアノード側ガス流路の水素分圧を適正な状態に保つことができる。
そして、本開示に係る燃料電池システムでは、第1起動制御と第2起動制御とを使い分けるため、起動制御において排気排水弁131を無駄なく適切に開くことができ、パージが必要ない場合に燃料ガスを無駄に捨ててしまうことを抑止し、運転開始時に必要な起動時間を従来よりも短縮することが可能になる。
本開示に係る燃料電池システムは、大気圧を検知する圧力センサ103を更に備え、制御部101は、圧力センサ103で検知される大気圧から窒素分圧を算出し、算出した運転開始時の窒素分圧に基づいて、第2起動制御において排気排水弁131を開く排気時間t_openを決定することで、排気時間t_openを適正な時間にすることができる。
本開示は、燃料電池システム100を搭載し、運転終了時から運転開始時まで長期放置される環境で使用される各種装置、あるいは、燃料電池システム100を搭載し、運転終了時から運転開始時まで間にバッテリ102を取り外す必要のあるメンテナンスを実行する環境で使用される各種装置において、使用環境にかかわらず、燃料電池スタック110内部のアノード側ガス流路の水素分圧を適正な状態に保ち、燃料ガスを無駄に捨てることなく、水素欠乏状態による燃料電池スタック110の劣化を防ぎ、運転開始時に必要な起動時間を従来よりも短縮することが可能になる。
100 燃料電池システム、101 制御部、102 バッテリ、103 圧力センサ、104 記憶部、110 燃料電池スタック、120 水素ガス供給装置、121 第1温度センサ、122 アノードガス系供給経路、123 第1圧力センサ、124 インジェクタ、125 第2圧力センサ、126 第3圧力センサ、127 アノードガス系排出経路、128 気液分離器、129 アノードガス系循環経路、130 水素循環ポンプ、131 排気排水弁、140 エアコンプレッサ、141 第1エアフローセンサ、142 第2温度センサ、143 カソードガス系供給経路、144 インタークーラー、145 エアシャットバルブ、146 カソードガス系排出経路、147 エア調圧バルブ、151 貯水タンク、152 希釈器、160 ラジエータ、161 冷却ファン、162 ウォーターポンプ、163 第3温度センサ、A 制御系、B アノードガス系、C カソードガス系、D 排出系、E 冷却系。

Claims (2)

  1. 燃料電池スタックと、
    アノードガス系に設けられた排気排水弁と、
    制御部と、
    を備える燃料電池システムであって、
    前記制御部は、
    前記燃料電池スタック内部のアノード側ガス流路における運転終了時の窒素分圧を記憶し、前記運転終了時から運転開始時までの停止状態の経過時間を計測し、前記窒素分圧と前記経過時間とに基づく指標に従って前記排気排水弁を開く時間を決定し、決定した前記時間に応じて前記排気排水弁を開く第1起動制御と、
    前記第1起動制御に代えて前記アノード側ガス流路の前記窒素分圧が一定値に収束している場合の指標に従って前記排気排水弁を開く時間を決定し、決定した前記時間に応じて前記排気排水弁を開く第2起動制御と、
    を前記運転開始時に実行することができ、
    前記停止状態においてバッテリ電源の欠落を生じた場合、または前記経過時間が閾値以上の場合に前記第2起動制御を実行する、
    燃料電池システム。
  2. 大気圧を検知する圧力センサを更に備え、
    前記制御部は、前記圧力センサで検知される前記大気圧から算出される前記アノード側ガス流路における前記運転開始時の窒素分圧に基づいて、前記第2起動制御において前記排気排水弁を開く時間を決定する、
    請求項1に記載の燃料電池システム。
JP2021154147A 2021-09-22 2021-09-22 燃料電池システム Active JP7498689B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021154147A JP7498689B2 (ja) 2021-09-22 2021-09-22 燃料電池システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021154147A JP7498689B2 (ja) 2021-09-22 2021-09-22 燃料電池システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2023045620A true JP2023045620A (ja) 2023-04-03
JP7498689B2 JP7498689B2 (ja) 2024-06-12

Family

ID=85776530

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021154147A Active JP7498689B2 (ja) 2021-09-22 2021-09-22 燃料電池システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7498689B2 (ja)

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005243491A (ja) 2004-02-27 2005-09-08 Toyota Motor Corp 燃料電池システム
JP5196209B2 (ja) 2005-08-09 2013-05-15 トヨタ自動車株式会社 燃料電池システム、および燃料電池システムにおける燃料ガス漏れ判定方法
JP2007165103A (ja) 2005-12-13 2007-06-28 Toyota Motor Corp 燃料電池システム及びその運転方法並びに移動体
JP7131463B2 (ja) 2019-04-02 2022-09-06 トヨタ自動車株式会社 燃料電池システム

Also Published As

Publication number Publication date
JP7498689B2 (ja) 2024-06-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4852917B2 (ja) 燃料電池システム
JP4831417B2 (ja) 燃料電池システム
KR101054140B1 (ko) 연료 전지 시스템
US8815459B2 (en) Fuel cell stack with stoichiometry determination in individual cells
JP2007109615A (ja) 燃料電池システム及びその停止方法
CA2597570C (en) Fuel cell system with voltage detection device
US11962048B2 (en) Fuel cell system with improved low temperature operation
US11476478B2 (en) Fuel cell system
JP5050342B2 (ja) 燃料電池システム及びその起動方法
KR20190053102A (ko) 연료 전지 시스템 및 그 제어 방법
EP2132819B1 (en) Fuel cell system
JP2020077457A (ja) 燃料電池システム
JP5186794B2 (ja) 燃料電池システムおよび燃料電池システムにおけるガス圧力調節方法
JP2009117066A (ja) 燃料電池システムおよび燃料電池システムの制御方法
JP5239201B2 (ja) 燃料電池システムおよび燃料電池システムにおける不純物排出方法
JP2018195374A (ja) 燃料電池システム
JP5880618B2 (ja) 燃料電池システムおよびその制御方法
JPWO2010143254A1 (ja) 水素濃度測定装置、および燃料電池システム
JP2005310435A (ja) 燃料電池システム
JP2023045620A (ja) 燃料電池システム
JP2006092801A (ja) 燃料電池システム
JP2006310236A (ja) 燃料ガス供給装置
JP2005228709A (ja) 燃料電池システム
KR20220077628A (ko) 연료전지 운전 방법 및 연료전지 시스템
JP2015201406A (ja) 燃料電池システム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20231018

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20240327

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20240507

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20240531

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7498689

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150