JP2023045499A - 口腔用組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】ジンジパインのプロテアーゼ活性を阻害する。【解決手段】ジンジパインのプロテアーゼ活性阻害用である口腔用組成物は、酵母エキスを含有している。口腔用組成物は、クエン酸塩及びポリソルベート類から選ばれる少なくとも一種をさらに含有している。【選択図】なし
Description
本発明は、口腔用組成物に関する。
特許文献1に開示されているように、歯周病に関連する細菌として、Porphyromonas gingivalis(以下、「ジンジバリス」という。)が知られている。ジンジバリスは、プロテアーゼの一種であるジンジパインを産生する。ジンジパインには、ペプチド切断部位特異性の異なるArg-ジンジパイン(Rgp)と、Lys-ジンジパイン(Kgp)と、が存在する。ジンジパインのプロテアーゼ活性によって、歯周病の発症、及び歯周病の進行が引き起こされることが分かっている。
ジンジパインのプロテアーゼ活性を阻害することが、歯周病の予防、及び歯周病の進行抑制につながると考えられる。ジンジパインのプロテアーゼ活性を阻害する効果が得られる口腔用組成物が求められている。
上記課題を解決するための口腔用組成物は、酵母エキスを含有し、クエン酸塩及びポリソルベート類から選ばれる少なくとも一種をさらに含有し、ジンジパインのプロテアーゼ活性阻害用であることを要旨とする。
上記口腔用組成物について、前記クエン酸塩は、クエン酸ナトリウム又はクエン酸アンモニウムであることが好ましい。
上記口腔用組成物について、前記クエン酸塩から選ばれる少なくとも一種、及び前記ポリソルベート類から選ばれる少なくとも一種を含有することが好ましい。
上記口腔用組成物について、前記クエン酸塩から選ばれる少なくとも一種、及び前記ポリソルベート類から選ばれる少なくとも一種を含有することが好ましい。
本発明の口腔用組成物によれば、ジンジパインのプロテアーゼ活性を阻害することができる。
以下、口腔用組成物の一実施形態について説明する。
本実施形態の口腔用組成物は、酵母エキスを含有している。口腔用組成物は、特定のクエン酸塩及び特定の乳化剤から選ばれる少なくとも一種をさらに含有している。口腔用組成物は、ジンジパインのプロテアーゼ活性阻害用である。以下では、ジンジパインのプロテアーゼ活性のことをジンジパイン活性ということもある。
本実施形態の口腔用組成物は、酵母エキスを含有している。口腔用組成物は、特定のクエン酸塩及び特定の乳化剤から選ばれる少なくとも一種をさらに含有している。口腔用組成物は、ジンジパインのプロテアーゼ活性阻害用である。以下では、ジンジパインのプロテアーゼ活性のことをジンジパイン活性ということもある。
〈酵母エキス〉
酵母エキスの原料は、特に限定されず、公知の酵母を採用することができる。酵母エキスは、公知の製造方法によって製造されたものを用いることができる。酵母エキスは、たとえば、酵母の自己消化によって得られる抽出液である。酵母エキスとしては、たとえば、パン酵母(Saccharomyces cerevisiae)の菌体を分解して得られる抽出液を用いることが好ましい。
酵母エキスの原料は、特に限定されず、公知の酵母を採用することができる。酵母エキスは、公知の製造方法によって製造されたものを用いることができる。酵母エキスは、たとえば、酵母の自己消化によって得られる抽出液である。酵母エキスとしては、たとえば、パン酵母(Saccharomyces cerevisiae)の菌体を分解して得られる抽出液を用いることが好ましい。
口腔用組成物における酵母エキスの含有量は、特に制限されないが、0.1質量%以上1.0質量%以下であることが好ましい。酵母エキスの含有量の下限値は、0.3質量%以上であることがより好ましく、0.5質量%以上であることがさらに好ましい。酵母エキスの含有量の上限値は、0.8質量%以下であることがより好ましく、0.6質量%以下であることがさらに好ましい。
〈クエン酸塩〉
クエン酸塩としては、たとえば、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、クエン酸カルシウム、クエン酸アンモニウム等が挙げられる。口腔用組成物としては、クエン酸ナトリウム又はクエン酸アンモニウムを含有することが特に好ましい。クエン酸塩は、一種を単独で使用してもよいし、二種以上を組み合わせて使用してもよい。
クエン酸塩としては、たとえば、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、クエン酸カルシウム、クエン酸アンモニウム等が挙げられる。口腔用組成物としては、クエン酸ナトリウム又はクエン酸アンモニウムを含有することが特に好ましい。クエン酸塩は、一種を単独で使用してもよいし、二種以上を組み合わせて使用してもよい。
口腔用組成物におけるクエン酸塩の含有量は、特に制限されないが、0.1質量%以上0.5質量%以下であることが好ましい。クエン酸塩の含有量の下限値は、0.15質量%以上であることがより好ましく、0.2質量%以上であることがさらに好ましい。クエン酸塩の含有量の上限値は、0.4質量%以下であることがより好ましく、0.3質量%以下であることがさらに好ましい。
クエン酸塩に対する酵母エキスの質量比(酵母エキス/クエン酸塩)は、特に制限されないが、1以上10以下であることが好ましい。当該質量比の下限値は、2以上であることがより好ましく、2.5以上であることがさらに好ましい。当該質量比の上限値は、5以下であることがより好ましく、3以下であることがさらに好ましい。
〈乳化剤〉
乳化剤としては、たとえば、アニオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤等が挙げられる。乳化剤は、非イオン界面活性剤を用いることが好ましい。非イオン界面活性剤としては、ポリソルベート類が好ましい。ポリソルベート類としては、ポリソルベート80、ポリソルベート60、ポリソルベート20等が挙げられる。口腔用組成物としては、ポリソルベート80を含有することが特に好ましい。乳化剤は、一種を単独で使用してもよいし、二種以上を組み合わせて使用してもよい。たとえば、ポリソルベート80と、他のポリソルベート類と、を組み合わせることもできる。
乳化剤としては、たとえば、アニオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤等が挙げられる。乳化剤は、非イオン界面活性剤を用いることが好ましい。非イオン界面活性剤としては、ポリソルベート類が好ましい。ポリソルベート類としては、ポリソルベート80、ポリソルベート60、ポリソルベート20等が挙げられる。口腔用組成物としては、ポリソルベート80を含有することが特に好ましい。乳化剤は、一種を単独で使用してもよいし、二種以上を組み合わせて使用してもよい。たとえば、ポリソルベート80と、他のポリソルベート類と、を組み合わせることもできる。
口腔用組成物における乳化剤の含有量は、特に制限されないが、0.05質量%以上0.2質量%以下であることが好ましい。乳化剤の含有量の下限値は、0.08質量%以上であることがより好ましく、0.1質量%以上であることがさらに好ましい。乳化剤の含有量の上限値は、0.18質量%以下であることがより好ましく、は0.15質量%以下であることがさらに好ましい。
乳化剤に対する酵母エキスの質量比(酵母エキス/乳化剤)は、特に制限されないが、1以上20以下であることが好ましい。当該質量比の下限値は、3以上であることがより好ましく、5以上であることがさらに好ましい。当該質量比の上限値は、10以下であることがより好ましく、7以下であることがさらに好ましい。
〈適用形態、用途、及び剤形〉
口腔用組成物の適用形態は、特に限定されず、たとえば、医薬品、医薬部外品、化粧品として使用することができる。口腔用組成物の用途としては、公知のものを適宜採用することができる。たとえば、咀嚼剤、口腔内溶解剤、口腔内崩壊剤、舌ケア剤、口中清涼剤、練歯磨剤、洗口剤、含漱剤、液体歯磨剤、バイオフィルム分散剤、口臭予防剤、歯茎マッサージ剤、口腔用湿潤付与剤、舌苔除去剤、口腔内塗布剤、口腔殺菌剤、咽喉殺菌剤、口腔咽喉剤、歯周病治療剤、義歯装着剤、義歯コーティング剤、義歯安定化剤、義歯保存剤、義歯洗浄剤、インプラントケア剤等が用途として挙げられる。
口腔用組成物の適用形態は、特に限定されず、たとえば、医薬品、医薬部外品、化粧品として使用することができる。口腔用組成物の用途としては、公知のものを適宜採用することができる。たとえば、咀嚼剤、口腔内溶解剤、口腔内崩壊剤、舌ケア剤、口中清涼剤、練歯磨剤、洗口剤、含漱剤、液体歯磨剤、バイオフィルム分散剤、口臭予防剤、歯茎マッサージ剤、口腔用湿潤付与剤、舌苔除去剤、口腔内塗布剤、口腔殺菌剤、咽喉殺菌剤、口腔咽喉剤、歯周病治療剤、義歯装着剤、義歯コーティング剤、義歯安定化剤、義歯保存剤、義歯洗浄剤、インプラントケア剤等が用途として挙げられる。
口腔用組成物の剤形は、特に限定されず、たとえば、水、アルコール等の溶媒を含有することにより、軟膏剤、ペースト剤、パスタ剤、スプレー剤、ジェル剤、液剤、懸濁剤、ガム剤等に適用することができる。
溶媒として用いられる水の種類は特に限定されず、たとえば蒸留水、純水、超純水、精製水、水道水等を用いることができる。溶媒として用いられるアルコールの種類は特に限定されず、たとえばエタノールを用いることができる。水とアルコールを混合して用いることもできる。
口腔用組成物が液状に構成されている場合において、水等の溶媒の含有量は、特に制限されないが、60質量%以上99.8質量%以下であることが好ましく、70質量%以上90質量%以下であることがより好ましい。
〈その他成分〉
口腔用組成物は、適用目的、形態、用途等に応じて、前述した成分以外のその他成分を含有してもよい。その他成分としては、たとえば、抗菌剤、抗炎症剤、香料、湿潤剤、研磨剤、アルコール類、増粘剤、甘味成分、薬用成分、着色剤、安定化剤、pH調整剤が挙げられる。その他成分は、口腔用組成物に配合される公知のものを使用することができる。口腔用組成物は、上記のその他成分のそれぞれについて、一種のみを単独で含有するものであってもよいし、二種以上を組み合わせて含有するものであってもよい。
口腔用組成物は、適用目的、形態、用途等に応じて、前述した成分以外のその他成分を含有してもよい。その他成分としては、たとえば、抗菌剤、抗炎症剤、香料、湿潤剤、研磨剤、アルコール類、増粘剤、甘味成分、薬用成分、着色剤、安定化剤、pH調整剤が挙げられる。その他成分は、口腔用組成物に配合される公知のものを使用することができる。口腔用組成物は、上記のその他成分のそれぞれについて、一種のみを単独で含有するものであってもよいし、二種以上を組み合わせて含有するものであってもよい。
抗菌剤としては、たとえば、塩化セチルピリジニウム、パラベン、安息香酸ナトリウム、トリクロサン、塩酸クロルヘキシジン、イソプロピルメチルフェノール、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ヒノキチオールが挙げられる。
抗炎症剤としては、たとえば、グリチルリチン酸塩、トラネキサム酸、ε-アミノカプロン酸、オウバクエキスが挙げられる。
香料としては、たとえば、アネトール、オイゲノール、カルボン、ウインターグリーン、サリチル酸メチル、チモール、丁字油、セージ油、オシメン油、シトロネロールが挙げられる。
香料としては、たとえば、アネトール、オイゲノール、カルボン、ウインターグリーン、サリチル酸メチル、チモール、丁字油、セージ油、オシメン油、シトロネロールが挙げられる。
研磨剤としては、たとえば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、第二リン酸カルシウム、第三リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、シリカ、ゼオライト、メタリン酸ナトリウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ピロリン酸カルシウム、ベンガラ、硫酸カルシウム、無水ケイ酸が挙げられる。
アルコール類としては、たとえば、エチルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール等が挙げられる。
増粘剤としては、たとえば、ポリアクリル酸ナトリウム、カラギーナン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、アルギン酸プロピレングリコールエステルが挙げられる。
増粘剤としては、たとえば、ポリアクリル酸ナトリウム、カラギーナン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、アルギン酸プロピレングリコールエステルが挙げられる。
薬用成分としては、たとえば、モノフルオロリン酸ナトリウム、フッ化ナトリウム、フッ化第1スズ、フッ化ストロンチウム等のフッ化物、ピロリン酸ナトリウムやポリリン酸ナトリウム等の縮合リン酸塩、リン酸一水素ナトリウム、リン酸三ナトリウム等のリン酸塩、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、塩酸ピリドキシン、トコフェロール酢酸エステル等のビタミン剤、デキストラナーゼ、ムタナーゼ等のグルカナーゼ酵素、プロテアーゼ、リゾチーム等の分解酵素、塩化亜鉛、クエン酸亜鉛、塩化ストロンチウム、硝酸カリウム等の無機塩類、クロロフィル、グリセロホスフェート等のキレート性化合物、脂を溶解するポリエチレングリコール等、塩化ナトリウム、乳酸アルミニウム、塩化ストロンチウムが挙げられる。
着色剤としては、たとえば、緑色1号、青色1号、黄色4号等の法定色素、酸化チタン等が挙げられる。
安定化剤としては、たとえば、エデト酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、乳酸カルシウム、ラノリン、トリアセチン、ヒマシ油、硫酸マグネシウム等が挙げられる。
安定化剤としては、たとえば、エデト酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、乳酸カルシウム、ラノリン、トリアセチン、ヒマシ油、硫酸マグネシウム等が挙げられる。
pH調整剤としては、たとえば、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、酒石酸、酢酸、リン酸、ピロリン酸、グリセロリン酸、並びにこれらのカリウム塩、ナトリウム塩及びアンモニウム塩等の各種塩、水酸化ナトリウム等が挙げられる。口腔用組成物は、pH調整剤を配合することにより、pHが4以上9以下、特に5以上7以下の範囲になるように調整されていることが好ましい。
〈作用および効果〉
本実施形態の作用について説明する。
口腔常在菌の一種として、Streptococcus oralis(以下、「S.オラリス」という。)がある。S.オラリスの菌体とジンジバリスの培養液との混合液に本実施形態の口腔用組成物を添加することによって、ジンジバリスが産生したジンジパインのプロテアーゼ活性が阻害されることが見出された。これは、口腔用組成物によってS.オラリスが活性化されることで、ジンジパイン活性を阻害する効果を得ることができたと考えられる。すなわち、本実施形態の口腔用組成物を口に含むことによって、口腔内のS.オラリスと口腔用組成物が含有する特定の成分とが作用してジンジパイン活性を阻害することを期待できる。
本実施形態の作用について説明する。
口腔常在菌の一種として、Streptococcus oralis(以下、「S.オラリス」という。)がある。S.オラリスの菌体とジンジバリスの培養液との混合液に本実施形態の口腔用組成物を添加することによって、ジンジバリスが産生したジンジパインのプロテアーゼ活性が阻害されることが見出された。これは、口腔用組成物によってS.オラリスが活性化されることで、ジンジパイン活性を阻害する効果を得ることができたと考えられる。すなわち、本実施形態の口腔用組成物を口に含むことによって、口腔内のS.オラリスと口腔用組成物が含有する特定の成分とが作用してジンジパイン活性を阻害することを期待できる。
本実施形態の効果について説明する。
(1)口腔用組成物は、酵母エキスと、特定のクエン酸塩又は特定の乳化剤、又は特定のクエン酸塩及び特定の乳化剤と、を含有する。口腔用組成物によれば、ジンジパイン活性を阻害することができる。これによって、歯周病の予防、及び歯周病の進行を抑制することができる。
(1)口腔用組成物は、酵母エキスと、特定のクエン酸塩又は特定の乳化剤、又は特定のクエン酸塩及び特定の乳化剤と、を含有する。口腔用組成物によれば、ジンジパイン活性を阻害することができる。これによって、歯周病の予防、及び歯周病の進行を抑制することができる。
(2)特定のクエン酸塩は、クエン酸ナトリウム又はクエン酸アンモニウムである。特定のクエン酸塩としてクエン酸ナトリウム又はクエン酸アンモニウムを含有している口腔用組成物によれば、ジンジパイン活性を阻害する効果が得られる。
(3)特定のクエン酸塩及び特定の乳化剤を含有している口腔用組成物によれば、ジンジパイン活性を阻害する効果が得られる。
〈変更例〉
上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
〈変更例〉
上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
上記実施形態では、口腔常在菌のS.オラリスの菌体とジンジバリスの培養液との混合液に上記実施形態の口腔用組成物を添加することによって、ジンジバリスが産生したジンジパインのプロテアーゼ活性が阻害されることを見出したが、この態様に限定されない。口腔用組成物には、S.オラリスの生菌が添加されていてもよい。すなわち、口腔内のS.オラリスと口腔用組成物が含有する特定の成分とが作用してジンジパイン活性を阻害することに加えて、口腔用組成物が含有するS.オラリスと口腔用組成物が含有する特定の成分とが作用してジンジパイン活性を阻害してもよい。
口腔用組成物について、以下の実施例に基づいてさらに詳細に説明する。なお、口腔用組成物は、実施例欄に記載の構成に限定されるものではない。
〈試験1〉
ジンジパイン活性の測定を以下の方法によって行った。
〈試験1〉
ジンジパイン活性の測定を以下の方法によって行った。
ジンジバリスを変法GAM培地にて培養した。波長660nmにおける培養液の濁度が1.0になるように変法GAM培地にて希釈して、これをジンジバリス培養液とした。S.オラリスをTSB培地にて培養した。波長660nmにおける培養液の濁度が1.0になるようにTSB培地にて希釈して、これをS.オラリス培養液とした。
S.オラリス培養液について、遠心分離をして上清を除去することによって、S.オラリスの菌体のみを分離した。各実施例1~4及び各比較例1~7のサンプル溶液100μLをS.オラリス菌体に添加して成分添加菌体をそれぞれ調製した。各実施例1~4及び各比較例1~7が含有する成分の種類は、表1に示すとおりである。
96穴プレートのウェルにジンジバリス培養液100μL及び成分添加菌体100μLを添加して、37℃嫌気下で2時間インキュベートした。インキュベート後、ウェルから採取した混合液50μLと蛍光基質50μLとを別のウェルにて混ぜ合わせて、37℃で30分間反応させた。蛍光基質は、Z-His-Glu-Lys-MCA(株式会社ペプチド研究所製)を用いた。Z-His-Glu-Lys-MCAは、Benzyloxycarbonyl-L-histidyl-L-glutamyl-L-lysine 4-methylcoumaryl-7-amide(Hydrochloride Form)であり、Lys-ジンジパイン(Kgp)のプロテアーゼ活性によって切断されて蛍光を発する試薬である。ジンジバリス培養液は、ジンジバリスが産生したジンジパインを含有している。
反応後、蛍光プレートリーダー(Gemini XPS、Molecular Devices社製)を用いて、励起波長380nm、蛍光波長440nmにて蛍光強度を測定した。ネガティブコントロールにおけるジンジパイン活性を100%とした。ネガティブコントロールの蛍光強度に対する相対値に基づいて、各実施例1~4及び各比較例1~7のジンジパイン活性を算出した。結果を表1に示す。なお、ポジティブコントロールのジンジパイン活性は、12%であった。
本試験に用いた試薬の詳細は、以下のとおりである。
変法GAM培地:日水製薬株式会社製、変法GAMブイヨン「ニッスイ」
TSB培地:Becton, Dickinson and Company製、トリプティックソイブロス
MRS培地:Becton, Dickinson and Company製、ラクトバシラスMRSブロス
酵母エキス:Becton, Dickinson and Company製、BBL Yeast Extract
ポリソルベート80:Sigma-Aldrich社製
クエン酸ナトリウム:富士フイルム和光純薬株式会社製
クエン酸アンモニウム:富士フイルム和光純薬株式会社製
〈評価〉
ジンジパイン活性の数値が小さいほど、ジンジパインのプロテアーゼ活性が強く阻害されていると考えられる。算出したジンジパイン活性について、以下の評価基準に基づいて評価を行った。
変法GAM培地:日水製薬株式会社製、変法GAMブイヨン「ニッスイ」
TSB培地:Becton, Dickinson and Company製、トリプティックソイブロス
MRS培地:Becton, Dickinson and Company製、ラクトバシラスMRSブロス
酵母エキス:Becton, Dickinson and Company製、BBL Yeast Extract
ポリソルベート80:Sigma-Aldrich社製
クエン酸ナトリウム:富士フイルム和光純薬株式会社製
クエン酸アンモニウム:富士フイルム和光純薬株式会社製
〈評価〉
ジンジパイン活性の数値が小さいほど、ジンジパインのプロテアーゼ活性が強く阻害されていると考えられる。算出したジンジパイン活性について、以下の評価基準に基づいて評価を行った。
・ジンジパイン活性の評価基準
○(可):50%以下である。
×(不可):50%より大きい。
○(可):50%以下である。
×(不可):50%より大きい。
表1に示すように、酵母エキスと、クエン酸塩であるクエン酸ナトリウムと、を組み合わせて用いた実施例1を添加した場合には、ジンジパイン活性を阻害する効果が得られた。酵母エキスと、乳化剤であるポリソルベート80と、を組み合わせて用いた実施例2を添加した場合にも、ジンジパイン活性を阻害する効果が得られた。
酵母エキスと、クエン酸塩であるクエン酸アンモニウムと、を組み合わせて用いた実施例3を添加した場合には、ジンジパイン活性を阻害する効果が得られた。酵母エキスと、クエン酸アンモニウムと、ポリソルベート80と、を組み合わせて用いた実施例4を添加した場合にも、ジンジパイン活性を阻害する効果が得られた。
比較例2~5を添加した場合には、ジンジパイン活性を阻害する効果が得られなかった。すなわち、酵母エキス、クエン酸塩及びポリソルベート類について、それぞれを単独で用いた場合には、ジンジパイン活性を阻害する効果が得られなかった。
また、酵母エキスと無水クエン酸とを組み合わせて用いた比較例6を添加した場合には、ジンジパイン活性を阻害する効果が得られなかった。クエン酸アンモニウムとポリソルベート80とを組み合わせて用いた比較例7を添加した場合にも、ジンジパイン活性を阻害する効果が得られなかった。
上記試験1の結果から、ジンジパイン活性を阻害する効果は、酵母エキスと、特定のクエン酸塩又は特定の乳化剤と、を組み合わせた場合に限定的に得られる効果であることが分かる。また、酵母エキスと特定のクエン酸塩との組み合わせに、特定の乳化剤をさらに組み合わせることによってもジンジパイン活性を阻害する効果が得られることがわかる。
〈試験2〉
上記試験1では、サンプル溶液をS.オラリス菌体に添加することによって成分添加菌体を調製した。そして、ジンジバリス培養液と成分添加菌体とを混合した。試験2では、この工程に替えて、ジンジバリス培養液100μL及びサンプル溶液100μLをウェルに添加して37℃嫌気下で2時間インキュベートした。すなわち、S.オラリス菌体を添加しなかった。その後の工程は、試験1と共通である。
上記試験1では、サンプル溶液をS.オラリス菌体に添加することによって成分添加菌体を調製した。そして、ジンジバリス培養液と成分添加菌体とを混合した。試験2では、この工程に替えて、ジンジバリス培養液100μL及びサンプル溶液100μLをウェルに添加して37℃嫌気下で2時間インキュベートした。すなわち、S.オラリス菌体を添加しなかった。その後の工程は、試験1と共通である。
試験2の結果について説明する。酵母エキスと、クエン酸ナトリウムと、を組み合わせたサンプル溶液を用いた例では、ジンジパイン活性が100%であった。また、酵母エキスと、ポリソルベート80と、を組み合わせたサンプル溶液を用いた例では、ジンジパイン活性が106%であった。すなわち、いずれの例でもジンジパイン活性を阻害する効果が得られなかった。試験1及び試験2の結果から、ジンジパイン活性を阻害する効果は、酵母エキスと、特定のクエン酸塩又は特定の乳化剤、又は特定のクエン酸塩及び特定の乳化剤と、を組み合わせた組成物によってS.オラリスが活性化されることで得られると考えられる。
Claims (3)
- 酵母エキスを含有し、クエン酸塩及びポリソルベート類から選ばれる少なくとも一種をさらに含有し、ジンジパインのプロテアーゼ活性阻害用であることを特徴とする口腔用組成物。
- 前記クエン酸塩は、クエン酸ナトリウム又はクエン酸アンモニウムである
請求項1に記載の口腔用組成物。 - 前記クエン酸塩から選ばれる少なくとも一種、及び前記ポリソルベート類から選ばれる少なくとも一種を含有する
請求項1又は2に記載の口腔用組成物。
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