JP2023045477A - 液体材料気化装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】液体材料気化装置において、加熱機構を設けることなく液体材料供給管を加熱する。【解決手段】液体材料と気体とを混合して気液混合体を生成する気液混合部2と、気液混合部2に液体材料を供給する液体材料供給管4と、気液混合体を加熱し、液体材料を気化する気化部3と、気液混合部2、気化部3及び液体材料供給管4を収容する筐体7とを備え、筐体7の内部において、気化部3からの熱対流を液体材料供給管4に導く流路Rが形成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、液体材料気化装置に関するものである。
従来の液体材料気化装置としては、特許文献1に示すように、液体材料とキャリアガスとを気液混合部により混合して気液混合体を生成し、この気液混合体を気化部に導入して、液体材料を気化するものが考えられている。
特開2017-104815号公報
この液体材料気化装置には、図4に示すように、気化部を加熱するための気化部用加熱機構の他に、気液混合部に液体材料を供給する液体材料供給管を加熱する供給管用加熱機構が設けられている。この供給管用加熱機構は、液体材料供給管の周囲に加熱用ブロックを設け、当該加熱用ブロックに内蔵された例えばカートリッジヒータを用いて液体材料供給管を加熱するものである。
この供給管用加熱機構により液体材料供給管を所定の温度(例えば60℃程度)に加熱して、液体材料供給管内の圧力が液体材料の蒸気圧であるか否かを検出することにより、液体材料供給管内の液体材料の有無を確認することが行われる。また、液体材料供給管を加熱することにより、粘性の高い液体材料の温度を上げて粘性を下げて、気液混合部に導入しやすくしている。
しかしながら、液体材料供給管用加熱機構を設けると、部品点数が増えることに加えて、消費電力も増えてしまう。また、液体材料供給管用加熱機構を設けることによって、液体材料気化装置のフットプリントも大きくなってしまう。
そこで、本発明は、上述したような問題に鑑みてなされたものであり、液体材料気化装置において、加熱機構を設けることなく液体材料供給管を加熱することをその主たる課題とするものである。
すなわち、本発明に係る液体材料気化装置は、液体材料と気体とを混合して気液混合体を生成する気液混合部と、前記気液混合部に前記液体材料を供給する液体材料供給管と、前記気液混合体を加熱し、前記液体材料を気化する気化部と、前記気液混合部、前記気化部及び前記液体材料供給管を収容する筐体とを備え、前記筐体の内部において、前記気化部からの熱対流を前記液体材料供給管に導く流路が形成されていることを特徴とする。
このような液体材料気化装置であれば、筐体の内部において気化部からの熱対流を液体材料供給管に導く流路が形成されているので、気化部からの熱対流により液体材料供給管を加熱することができる。これにより、液体材料供給管を加熱するための供給管用加熱機構を不要にすることができる。その結果、部品点数を削減して環境負荷を低減することができるとともに、消費電力を低減することができる。また、液体材料気化装置のフットプリントも削減することができる。
気化部からの熱対流を気液混合部に接続された液体材料供給管に導きやすくするためには、前記筐体の内部において、前記気液混合部が前記気化部の上方に設けられていることが望ましい。
具体的には、前記筐体の内部において、前記液体材料供給管が前記気化部の上方に設けられていることが望ましい。
従来の液体材料気化装置では、気液混合部が気化部からの伝熱(熱対流)により加熱されてしまい、液体材料の種類によっては、液体材料が熱分解したり、劣化したりしてしまう。このため、従来では、気液混合部にガスを吹きかける等により冷却する冷却機構を設けている。この冷却機構を不要にしつつ、気液混合部が気化部からの熱対流により加熱されて高温にならないようにするためには、気液混合部と気化部との間を仕切る仕切り部を設けることが望ましい。具体的には、前記筐体の内部が2つの収容空間に区画されており、一方の前記収容空間に前記気液混合部が収容されており、他方の前記収容空間に前記気化部及び液体材料供給管が収容されていることが望ましい。
気液混合部が気化部の上方に設けられた構成において、気液混合部が気化部からの熱対流により加熱され難くしつつ、液体材料供給管に気化部からの熱対流を導きやすくするためには、前記気液混合部及び前記気化部の間に仕切り壁が設けられており、前記仕切り壁が前記液体材料供給管に向かって上り勾配の傾斜面を有していることが望ましい。
気化部からの熱対流を液体材料供給管に効率良く導くためには、前記気化部から前記液体材料供給管に向けて流れを形成する送風ファンをさらに備えていることが望ましい。
以上に述べた本発明によれば、液体材料気化装置において、加熱機構を設けることなく液体材料供給管を加熱することができる。
本発明の一実施形態に係る液体材料気化装置の構成を模式的に示す断面図である。 同実施形態の気液混合部の構成を模式的に示す断面図である。 変形実施形態の液体材料気化装置の構成を模式的に示す断面図である。 従来の液体材料気化装置の各加熱機構を示す模式図である。
以下に、本発明の一実施形態に係る液体材料気化装置について、図面を参照して説明する。なお、以下に示すいずれの図についても、わかりやすくするために、適宜省略し又は誇張して模式的に描かれている。同一の構成要素については、同一の符号を付して説明を適宜省略する。
<装置構成>
本実施形態の液体材料気化装置100は、例えば光ファイバ製造装置に組み込まれて光ファイバ製造プロセスに用いられるものである。その他、例えば半導体製造装置に組み込まれて半導体製造プロセスに用いられるものとしても良い。
具体的に液体材料気化装置100は、図1に示すように、液体材料と気体であるキャリアガスとを混合して気液混合体を生成する気液混合部2と、気液混合体を加熱して液体材料が気化した材料ガスをキャリアガスによって導出する気化部3とを備えている。
なお、液体材料としては、OMCTS(オクタメチルシクロテトラシロキサン、沸点175℃)や、TEOS(テトラエトキシシラン、沸点169℃)等である。なお、液体材料としては、例えば従来の光ファイバ製造に用いられているSiCl等のハロゲン系液体材料や、半導体プロセスに用いられる材料であっても良い。
<気液混合部2>
気液混合部2は、図2に示すように、液体材料及びキャリアガスを混合する混合部21xを有する本体ブロック21と、当該本体ブロック21に設けられて液体材料の流量を調整するバルブユニット22とを備えている。
本体ブロック21には、図2に示すように、液体材料が流れる液体材料流路21aと、キャリアガスが流れるキャリアガス流路21bと、気液混合体が流れる気液混合体流路21cとが形成されている。そして、液体材料流路21aと気液混合体流路21cとの合流部分が、液体材料とキャリアガスとの混合部21xとなる。この混合部21xには気液混合体流路21cが接続されている。
本実施形態では、液体材料流路21aが、バルブユニット22により上流側部分21a1と下流側部分21a2とに分断されるように構成されている。上流側部分21a1の下流側開口は、本体ブロック21の上面に形成された円環状の凹部211の底面に形成されている。また、円環状の凹部211の中央部分には、下流側部分21a2の上流側開口が形成されており、下流側部分21a2が混合部21xに接続されている。ここで、円環状の凹部211の中央部分における上流側開口の周縁部212は、バルブユニット22が接離するバルブシート(以下、バルブシート212という。)となる。
バルブユニット22は、流量制御バルブとして機能するものであり、図2に示すように、本体ブロック21の上面にシール部材(不図示)を介して設けられている。バルブユニット22は、本体ブロック21の上面に形成されたバルブシート212に当接又は離間する弁体部であるダイアフラム221と、当該ダイアフラム221を押圧して変形させるアクチュエータ222とを備えている。なお、アクチュエータは、例えばピエゾスタックを用いたものである。
また、本体ブロック21には、図1及び図2等に示すように、液体材料流路21aに液体材料を供給するための液体材料供給管4、キャリアガス流路21bにキャリアガスを供給するためのキャリアガス供給管5、及び、気液混合体流路21cからの気液混合体を導出するための気液混合体導出管6が接続されている。
流体材料供給管4の上流側には、流体材料供給管4を流れる液体材料の流量を測定するマスフローメータ(不図示)が設けられている。そして、このマスフローメータの測定値に基づいて混合部21xに供給される液体材料が所定流量となるようにバルブユニット22がフィードバック制御される。また、キャリアガス供給管5の上流側には、キャリアガス供給管5を流れるキャリアガスの流量を調整するマスフローコントローラが設けられている。
<気化部3>
気化部3は、図1に示すように、気液混合部2により生成された気液混合体を加熱する加熱流路HSを有する加熱ブロック31を備えている。
具体的に気化部3は、加熱流路HSを形成する加熱用配管32と、加熱用配管32を加熱するヒータ33とを備えており、加熱用配管32及びヒータ33を熱伝導用の金属(例えばアルミニウム)により覆うことで加熱ブロック31内に加熱用配管32及びヒータ33が内蔵された構成とされている。
そして、この気化部3において、加熱用配管32の一端部32a及び他端部32bが、加熱ブロック31の表面(上面及び下面)から外部に延出するように構成されている。そして、この加熱用配管32の一端部32aが、気液混合体導出管6に接続され、加熱用配管32の他端部32bが、液体材料が気化した気化ガスを導出する導出ポートとなる。
本実施形態の加熱用配管32は、図1に示すように、その一端部32aは加熱ブロック31の上端側に設けられており、その他端部32bは加熱ブロック31の下端側に設けられている。また、加熱用配管32の内部には、気液混合体との熱交換面積を増大するための熱交換素子321が設けられている。さらに、加熱用配管32の内部において、熱交換素子321の上流側に気液混合体を噴射するノズル322を設けてもよい。
<気化部3からの熱対流を利用する構成>
そして、本実施形態の気液混合部2、気化部3、液体材料供給管4、キャリアガス供給管5及び気液混合体導出管6は、概略直方体形状の筐体7に収容されている。具体的には、筐体7を起立させた状態で、筐体7の内部において、気液混合部2が気化部3の上方に位置するように設けられている。また、気液混合部2に接続される液体材料供給管4も気化部3の上方に位置しており、液体材料供給管4の導入ポート41は、筐体7の上面に設けられている。なお、キャリアガス供給管5も気化部3の上方に位置しており、キャリアガス供給管5の導入ポート51は、筐体7の上面に設けられている。なお、本実施形態において上方とは、直上のみならず、斜め上方も含む概念である。
また、筐体7の内部には、気化部3からの熱対流を液体材料供給管4に導く流路Rが形成されている。なお、気化部3からの熱対流は、気化部3からの放熱により気化部3の周囲の空気が暖められることにより生じる。具体的に筐体7の内部は2つの収容空間S1、S2に区画されており、一方の収容空間S1(以下、第1収容空間S1)に気液混合部2が収容されており、他方の収容空間S2(以下、第2収容空間S2)に気化部3及び液体材料供給管4が収容されている。そして、第2収容空間S2が、気化部3からの熱対流を液体材料供給管4に導く流路Rとなる。第2収容空間S2を形成する筐体7の右側壁部の上部には、排気口7Hが形成されており、気化部3からの熱対流は排気口7Hから外部に排出される。
さらに、筐体7の内部を2つの収容空間S1、S2に区画する仕切り壁8は、気液混合部2及び気化部3の間に設けられる第1仕切り壁部81と、気液混合部2及び液体材料供給管4の間に設けられる第2仕切り壁部82とを有している。本実施形態の仕切り壁8は、気液混合部2及び気化部3の間を仕切り、気化部3からの熱が気液混合部2に到達しないようにするものである。本実施形態の仕切り壁8は、図1に示すように、断面形状が概略L字形状をなすものである。そして、仕切り壁8と筐体7の前壁部、後壁部、上壁部及び左壁部とにより第1収容空間S1が形成され、残りの空間が第2収容空間S2となる。また、第1仕切り壁部81には、気液混合体導出管6が貫通しており、第2仕切り壁部82には、液体材料供給管4及びキャリアガス供給管5が貫通している。
その他、筐体7には、気化部3から液体材料供給管4に向けて流れを形成する送風ファン9が設けられている。具体的に送風ファン9は、第2収容空間S2に設けられており、図1においては、気化部3の左側に設けた例を示しているが、送風ファン9の位置はこれに限られず、どこに設けられていても良い。
<本実施形態の効果>
このように構成した本実施形態の液体材料気化装置100であれば、筐体7の内部において気化部3からの熱対流を液体材料供給管4に導く流路が形成されているので、気化部3からの熱対流により液体材料供給管4を加熱することができる。これにより、液体材料供給管4を加熱するための液体材料供給管用加熱機構を不要にすることができる。その結果、部品点数を削減して環境負荷を低減することができるとともに、消費電力を低減することができる。また、液体材料気化装置100のフットプリントも削減することができる。
また、本実施形態では、気液混合部2と気化部3との間を仕切る仕切り部(仕切り壁8)を設けるので、気液混合部2が気化部3からの熱対流により加熱されて高温にならないようにすることができる。その結果、気液混合部2が気化部3からの熱対流により加熱されて、液体材料が熱分解したり、劣化したりすることを防止することができる。
<その他の実施形態>
例えば、図3に示すように、気液混合部及び気化部の間にある仕切り壁8(第1仕切り壁部81)が、液体材料供給管4に向かって上り勾配の傾斜面8xを有する構成としてもよい。この構成により、液体材料供給管4に気化部3からの熱対流を導きやすくすることができる。
前記実施形態の液体材料気化装置を光ファイバ製造プロセスや半導体製造プロセスのみならず、それら以外の液体材料を気化するような用途全般に用いることができるのは勿論である。
気液混合部の方式としては、気体中に液体材料をノズル等を用いて噴霧する方式や、超音波振動子等を用いて超音波で液体を振動させる方式であっても良い。
前記実施形態では、気液混合体導入管6は直管形状であったが、気液混合部2及び気化部3の配置によっては、湾曲又は屈曲したものであっても良い。
前記実施形態の気液混合体導入管6は本体ブロック21と一体に形成しても良い。この場合、本体ブロック21の気液混合体流路21cは、気液混合体導入管6の一部を構成する。つまり、気液混合部2における混合部21xの下流側を気液混合体導入管6としても良い。
前記実施形態の液体材料は、前記実施形態の他、固体を溶媒に溶解させたものや、固体を分散媒に分散させたものであっても良い。
その他、本発明の趣旨に反しない限りにおいて様々な実施形態の変形や組み合わせを行っても構わない。
100・・・液体材料気化装置
2・・・気液混合部
3・・・気化部
4・・・液体材料供給管
5・・・キャリアガス供給管
6・・・気液混合体導出管
7・・・筐体
R・・・流路
S1・・・第1収容空間
S2・・・第2収容空間
8・・・仕切り壁
8x・・・傾斜面
9・・・送風ファン

Claims (6)

  1. 液体材料と気体とを混合して気液混合体を生成する気液混合部と、
    前記気液混合部に前記液体材料を供給する液体材料供給管と、
    前記気液混合体を加熱し、前記液体材料を気化する気化部と、
    前記気液混合部、前記気化部及び前記液体材料供給管を収容する筐体とを備え、
    前記筐体の内部において、前記気化部からの熱対流を前記液体材料供給管に導く流路が形成されている、液体材料気化装置。
  2. 前記筐体の内部において、前記気液混合部が前記気化部の上方に設けられている、請求項1に記載の液体材料気化装置。
  3. 前記筐体の内部において、前記液体材料供給管が前記気化部の上方に設けられている、請求項1又は2に記載の液体材料気化装置。
  4. 前記筐体の内部が2つの収容空間に区画されており、
    一方の前記収容空間に前記気液混合部が収容されており、
    他方の前記収容空間に前記気化部及び液体材料供給管が収容されている、請求項1乃至3の何れか一項に記載の液体材料気化装置。
  5. 前記気液混合部及び前記気化部の間に仕切り壁が設けられており、
    前記仕切り壁が前記液体材料供給管に向かって上り勾配の傾斜面を有している、請求項1乃至4の何れか一項に記載の液体材料気化装置。
  6. 送風ファンをさらに備えている、請求項1乃至5の何れか一項に記載の液体材料気化装置。
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