JP2023045049A - 車両制御装置 - Google Patents

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一樹 石田
Kazuki Ishida
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Abstract

【課題】2重系で行った演算結果の一方に誤りが生じた際に、演算結果が正しい方を選択できる車両制御装置を提供する。【解決手段】2つのECU3(1)及び3(2)が同じ演算を並行して実行し、ECU4は、これらのECU3が行った演算の結果を判定する(S1)。ECU3は、前記演算の結果にパリティ符号を付してECU4に出力し、ECU4は、2つの演算の結果を比較すると共に(S3)各結果についてパリティチェックを行う(S4,S5,S7,S10)。【選択図】図1

Description

本発明は、演算結果の誤りを検出する車両制御装置に関する。
従来、車両に搭載された制御装置において、ECU(Electronic Control Unit)が行った演算の結果について誤りを検出するには、同じ演算を行う3重系以上の構成を採用して、それらの演算結果の多数決を取るなどしていた。
特開2005-229405号公報
3重系以上の構成は、コストが増加する。また、構成を2重系にすると、誤りを検出することはできるが、どちらの演算結果か正しいかを判断できなくなってしまう。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は2重系で行った演算結果の一方に誤りが生じた際に、演算結果が正しい方を選択できる車両制御装置を提供することにある。
請求項1記載の車両制御装置によれば、2つの車両制御装置が同じ演算を並行して実行し、これらの車両制御装置が行った演算の結果を判定する。そして、2つの車両制御装置が前記演算の結果にパリティ符号を付して出力すると、2つの演算の結果を比較すると共に、各結果についてパリティチェックを行う。このように車両制御装置が、2つの車両制御装置の演算結果と、それらの演算結果に付されたパリティ符号とをチェックすることで、一方の車両制御装置の演算結果が誤っている場合にはその誤りを検出し、他方の車両制御装置の正しい演算結果を選択できるようになる。
請求項2記載の車両制御装置によれば、先に2つの演算の結果が一致しているか否かの判断を行い、その後、それぞれのパリティチェック結果を判断するので、2つの演算結果の一致、不一致を確認してからパリティチェック結果を判断することで処理効率を向上させることができる。
請求項3記載の車両制御装置によれば、2つの演算の結果が一致すれば、一方の車両制御装置のパリティチェック結果を判断し、その結果が正しければ前記車両制御装置の演算結果を出力するので、一致した演算結果の一方についてパリティチェック結果を判断することで、その演算結果に誤りがないことを確認でき、正しい演算結果を出力できる。
請求項7記載の車両制御装置によれば、請求項1と同様に、2つの車両制御装置が同じ演算を並行して実行し、これらの車両制御装置が行った演算の結果を判定する。そして、2つの車両制御装置が前記演算の結果にパリティ符号を付して出力すると、2つの演算結果についてパリティチェックを行い、チェック結果が正しい方の車両制御装置の演算の結果を出力する。このように、2つの車両制御装置の演算結果に付されたパリティ符号をチェックすることで、一方の車両制御装置の演算結果が誤っている場合にはその誤りを検出し、他方の車両制御装置の正しい演算結果を選択できるようになる。
請求項8記載の車両制御装置によれば、双方のパリティチェック結果が正しければ、2つの車両制御装置の演算結果を比較し、双方の結果が一致すれば、一方の車両制御装置の演算の結果を出力する。このように、双方のパリティチェック結果が正しいことを確認してから双方の演算結果を比較し、その結果の一致を以て一方の車両制御装置の演算の結果を出力することで、正しさを確認した演算結果を出力できる。
第1実施形態であり、判定機能を有するECUが行う処理内容を示すフローチャート 車両制御装置であるECUが行う処理内容を示すフローチャート 車両制御装置の構成を示す機能ブロック図 第2実施形態であり、判定機能を有するECUが行う処理内容を示すフローチャート
(第1実施形態)
図3に示すように、本実施形態の車両制御システム1は、センサ2、車両制御装置に相当するECU3(1)及び3(2)、ECU4並びにアクチュエータ5を備えている。センサ2は、例えば車両に搭載されているバッテリの温度や電圧をセンシングする。ECU3(1)及び3(2)は、システムクロックに従い同期して、同一の演算内容を含む制御プログラムを並行して実行する。そして、演算の結果に対してパリティ符号を付すと、演算結果と共にECU4に出力する。尚、パリティ符号は、偶数、奇数何れのパリティでも良い。
ECU4は、ECU3(1)及び3(2)より入力されるそれぞれの演算結果が正しいか否かを判定し、正しい演算結果が得られた場合には、その演算結果に基づいてアクチュエータ5を駆動制御する。アクチュエータ5は、例えば前記バッテリの電源電圧を降圧して制御用電源等を生成するDCDCコンバータ等である。尚、センサ2-ECU3間の通信は、例えばLIN(Local Interconnect Network)を用いて行われ、ECU3-ECU4間及びECU4-アクチュエータ5間の通信は、例えばCAN(Controller Area Network;登録商標)を用いて行われる。
次に、本実施形態の作用について説明する。図2に示すように、ECU3は、センサ2からバッテリの温度及び電圧のセンシング結果を取得すると(S21)、それらの温度及び電圧から、DCDCコンバータへの電圧指示値を算出する(S22)。そして、前記電圧指示値についてパリティ符号を生成すると(S23)、電圧指示値にパリティ符号を付与して(S24)これらをECU4に出力する。
図1に示すように、ECU4は、先ずECU3(1)及び3(2)より受信したパリティ符号をそれぞれチェックしてから(S1、S2)、ECU3(1)、3(2)それぞれの演算結果が一致するか否かを判断する(S3)。両者の演算結果が一致すれば(YES)、ECU3(1)についてのパリティチェック結果が正しいか否かを判断する(S7)。その結果が正しければ(YES)、ECU3(1)の演算結果をアクチュエータ5に出力する(S8)。ECU3(1)についてのパリティチェック結果が正しくなければ(S7;NO)、演算結果の誤りを検出する(S9)。
ステップS3において、両者の演算結果が一致しなければ(NO)、ECU3(1)、3(2)それぞれについてのパリティチェック結果が正しいか否かを判断する(S4、S5)。ECU3(1)についてのパリティチェック結果が正しければ(S4;YES)、ECU3(2)についてのパリティチェック結果が正しいか否かを判断する(S10)。その結果が正しければ(YES)、両者の演算結果が不一致であるにもかかわらず、両者のパリティチェック結果が正しい、という矛盾した結果が得られたことになる。したがって、演算結果の誤りを検出する(S11)。ECU3(2)についてのパリティチェック結果が正しくなければ(S10;NO)、ECU3(1)の演算結果が正しいといえるので、ECU3(1)の演算結果を出力する(S8)。
逆に、ECU3(1)についてのパリティチェック結果が正しくなく、ECU3(2)についてのパリティチェック結果が正しければ(S5;YES)、ECU3(2)の演算結果が正しいといえるので、ECU3(2)の演算結果を出力する(S6)。
以上のように本実施形態によれば、ECU3(1)及び3(2)が同じ演算を並行して実行し、ECU4は、これらのECU3が行った演算の結果を判定する。ECU3は、前記演算の結果にパリティ符号を付してECU4に出力し、ECU4は、2つの演算の結果を比較すると共に、各結果についてパリティチェックを行う。このようにECU4が、2つのECU3の演算結果と、それらの演算結果に付されたパリティ符号をチェックすることで、一方のECU3の演算結果が誤っている場合にはその誤りを検出し、他方のECU3の正しい演算結果を選択できるようになる。
また、ECU4は、先に2つの演算の結果が一致しているか否かの判断を行い、その後それぞれのパリティチェック結果を判断するので、2つの演算結果の一致、不一致を確認してからパリティチェック結果を判断することで処理効率を向上させることができる。
さらに、ECU4は、2つの演算の結果が一致すれば、一方のECU3のパリティチェック結果を判断し、その結果が正しければ前記ECU3の演算結果を出力し、前記パリティチェック結果が誤りであれば誤りを検出する。このように、一致した演算結果の一方についてパリティチェック結果を判断することで、その演算結果に誤りがないことを確認でき、正しい演算結果を出力できる。
加えて、ECU4は、2つの演算の結果が不一致であれば、双方のECU3のパリティチェック結果を判断し、チェック結果が正しい方の演算の結果を出力し、双方のパリティチェック結果が誤りであれば誤りを検出するので、2つの演算結果が不一致であっても、正しい方の演算結果を選択できる。
(第2実施形態)
以下、第1実施形態と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、異なる部分について説明する。第2実施形態の構成は第1実施形態と同様であり、ECU3が行う演算の内容も同一である。そして、ECU4が行う処理の実行順序の一部が、第1実施形態と相違している。図4に示すように、第1実施形態におけるステップS1~S6より、ステップS3が除かれている。そして、ステップS10で「YES」と判断した際にステップS3を実行する。ここで「YES」と判断するとステップS8を実行し、「NO」と判断するとステップS11を実行する。
以上のように第2実施形態によれば、第1実施形態と同様に、ECU3(1)及び3(2)が同じ演算を並行して実行し、ECU4は、これらのECU3が行った演算の結果を判定する。ECU3は、前記演算の結果にパリティ符号を付してECU4に出力し、ECU4は、双方のECU3の演算の結果についてパリティチェックを行い、チェック結果が正しい方のECU3の演算の結果を出力する。
具体的には、双方のパリティチェック結果が正しければ、2つのECU3の演算結果を比較し、双方の結果が一致すれば一方のECU3の演算の結果を出力し、双方の演算結果が不一致であれば誤りを検出する。また、双方のパリティチェック結果が誤りであれば誤りを検出する。したがって、第1実施形態と同様の効果が得られる。
(その他の実施形態)
センサ2は、温度センサや電圧センサに限らない。
アクチュエータ5は、DCDCコンバータに限らない。
車両制御システムを構成するECUの数は「4」以上でも良い。また、同システムを構成するECUの数を「2」として、一方のECUに2つの演算の結果を比較し、各演算の結果についてパリティチェックを行う機能を備えても良い。
本開示は、実施例に準拠して記述されたが、本開示は当該実施例や構造に限定されるものではないと理解される。本開示は、様々な変形例や均等範囲内の変形をも包含する。加えて、様々な組み合わせや形態、さらには、それらに一要素のみ、それ以上、あるいはそれ以下、を含む他の組み合わせや形態をも、本開示の範疇や思想範囲に入るものである。
図面中、1は車両制御装置、2はセンサ、3及び4はECU、5はアクチュエータを示す。

Claims (10)

  1. 同じ演算を並行して行う2つの車両制御装置(3(1)、3(2))が行った演算の結果を判定し、
    前記2つの車両制御装置が前記演算の結果にパリティ符号を付して出力した2つの演算の結果を比較すると共に、各演算の結果についてパリティチェックを行う車両制御装置。
  2. 先に2つの演算の結果が一致しているか否かの判断を行い、その後に、それぞれのパリティチェック結果を判断する請求項1記載の車両制御装置。
  3. 前記2つの演算の結果が一致すれば、一方の車両制御装置のパリティチェック結果を判断し、その結果が正しければ前記車両制御装置の演算の結果を出力する請求項2記載の車両制御装置。
  4. 前記パリティチェック結果が誤りであれば、誤りを検出する請求項3記載の車両制御装置。
  5. 前記2つの演算の結果が不一致であれば、双方の車両制御装置のパリティチェック結果を判断し、チェック結果が正しい方の演算の結果を出力する請求項3又は4記載の車両制御装置。
  6. 双方のパリティチェック結果が誤りであれば、誤りを検出する請求項5記載の車両制御装置。
  7. 同じ演算を並行して行う2つの車両制御装置(3(1)、3(2))が行った演算の結果を判定し、
    前記2つの車両制御装置が前記演算の結果にパリティ符号を付して出力すると、双方の車両制御装置の演算の結果についてパリティチェックを行い、チェック結果が正しい方の車両制御装置の演算の結果を出力する車両制御装置。
  8. 双方のパリティチェック結果が正しければ、前記2つの車両制御装置の演算の結果を比較し、双方の結果が一致すれば、一方の車両制御装置の演算の結果を出力する請求項7記載の車両制御装置。
  9. 前記2つの車両制御装置の演算の結果が不一致であれば、誤りを検出する請求項8記載の車両制御装置。
  10. 双方のパリティチェック結果が誤りであれば、誤りを検出する請求項7から9の何れか一項に記載の車両制御装置。
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