JP2023044619A - 転倒防止装置および収納装置 - Google Patents

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聡史 小笠原
Satoshi Ogasawara
章宏 宮原
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Abstract

【課題】開閉蓋の開閉動作に連動して筐体に対して回動することで突出する足部(接触部)により筐体の転倒を防ぐことができる転倒防止装置およびそれを備えた収納装置を提供する。【解決手段】金銭収納装置における保持機構は、一部が筐体に接触又は収納される第1位置と、筐体から離間した第2位置との間で移動するように動作可能な可動体である開閉蓋8が設けられた筐体の下部に回動可能に設けられ、足部17aを有し、筐体の下部に対する回動により、足部17aが第1位置と第2位置の並び方向に回動移動して筐体の下部から出没可能な倒れ防止部材17と、開閉蓋8の動作を倒れ防止部材に伝達することにより倒れ防止部材17を筐体の下部に対して回動させて、足部を筐体の下部から出没させる連動機構18と、を備え、開閉蓋8の開閉動作に連動して筐体に対して回動することで出没する足部17aにより筐体の転倒を防ぐ。【選択図】図12

Description

新規性喪失の例外適用申請有り
この発明は、電子レジスタなどの電子機器やキャビネットなどに用いられる転倒防止装置およびそれを備えた収納装置に関する。
例えば、電子機器の転倒防止装置においては、特許文献1に記載されているように、開閉蓋が開閉可能に設けられた筐体の下部に、ローラ足を備えた倒れ防止部材を筐体の前後方向にスライド可能に設け、この倒れ防止部材を連動機構によって開閉蓋の開閉動作に連動させてスライドさせるようにした構造のものが知られている。
特開平7-336056号公報
この種の転倒防止装置は、開閉蓋が閉じているときに、倒れ防止部材が筐体の下部に収納され、開閉蓋を開いたときに、倒れ防止部材が筐体の下部から前側にスライドして突出するように構成されている。この場合、連動機構は、リンク機構または歯車機構によって構成されている。
しかしながら、このような転倒防止装置では、倒れ防止部材が筐体の前後方向にスライドする構造であるから、倒れ防止部材のスライド長さが短いと、筐体が転倒する恐れがあるため、倒れ防止部材のスライド長さを十分に長く確保する必要がある。このため、この転倒防止装置では、開閉蓋の開閉動作に連動する転倒防止部材のスライド長さを連動機構によって増幅させなければ、倒れ防止部材のスライド長さを確保することができないという問題がある。
この発明が解決しようとする課題は、開閉蓋の開閉動作に連動して筐体に対して回動することで突出する足部(接触部)により筐体の転倒を防ぐことができる転倒防止装置およびそれを備えた収納装置を提供することである。
この発明は、一部が筐体に接触または収納される第1位置と前記筐体から離間した第2位置との間で移動するように動作可能な可動体が設けられた前記筐体の下部に回動可能に設けられ、足部を有し、前記筐体の前記下部に対する回動により、前記足部が前記第1位置と前記第2位置の並び方向に回動移動して前記筐体の前記下部から出没可能な倒れ防止部材と、前記可動体の動作を前記倒れ防止部材に伝達することにより前記倒れ防止部材を前記筐体の前記下部に対して回動させて、前記足部を前記筐体の前記下部から出没させる連動機構と、を備えていることを特徴とする転倒防止装置である。
また、この発明は、筐体と、前記筐体に対し鉛直面内において第1位置と第2位置との間で回動可能で、前記第2位置にある場合に、前記第1位置にある場合と比較して、自装置の重心が前記筐体の水平面内における外側に位置するように前記筐体に設けられた可動体と、前記筐体が載置された載置面に接触可能な接触部を有し、前記筐体に対して水平面内で回動することにより、前記可動体が前記第1位置から前記第2位置に回動するのに伴って前記自装置の重心が水平面内において変位する方向と同じ方向に前記接触部が前記筐体よりも突出可能に前記筐体に設けられた倒れ防止部材と、前記可動体の鉛直面内での回動による回動動力を水平面内での回動動力に変換した状態で前記倒れ防止部材に伝達することで、前記倒れ防止部材を前記筐体に対して水平面内で回動させることによって、前記可動体が前記第2位置にあるときに前記接触部を前記同じ方向に前記筐体よりも突出させる連動機構と、を備えることを特徴とする転倒防止装置である。
この発明によれば、開閉蓋の開閉動作に連動して筐体に対して回動することで突出する足部(接触部)により筐体の転倒を防ぐことができる。
この発明を適用した電子レジスタの一実施形態を示した斜視図である。 図1に示された電子レジスタを示した側面図である。 図1に示された電子レジスタを背面側から見た斜視図である。 図1に示された電子レジスタにおける金銭収納装置のA-A矢視における断面図である。 図1に示された電子レジスタにおける金銭収納装置の開閉蓋を開いた状態を示した斜視図である。 図5に示された金銭収納装置おいて、紙幣収納部と硬貨収納部とを筐体から取り出した状態を示した分解斜視図である。 図5に示された金銭収納装置において、開閉蓋内に紙幣収納部が収納された状態を示した斜視図である。 図5に示された金銭収納装置の硬貨収納部を示し、(a)はその斜視図、(b)はその側面図である。 図5に示された金銭収納装置のB-B矢視における断面図である。 図4に示された金銭収納装置における転倒防止装置を示した要部の斜視図である。 図9に示された金銭収納装置において、開閉蓋が開いた状態における転倒防止装置を示した斜視図である。 図9に示された金銭収納装置における保持機構の要部を示した斜視図である。 図12に示された金銭収納装置における保持機構の要部を分解して示した斜視図である。 図12に示された金銭収納装置における保持機構のC-C矢視において破断して示した要部の斜視図である。 図14に示された金銭収納装置の保持機構において、保持部による硬貨収納部の保持を解除した状態を示した要部の斜視図である。 図12に示された金銭収納装置における保持機構のD-D矢視において破断して示した要部の斜視図である。 図16に示された金銭収納装置の保持機構において、保持部による硬貨収納部の保持を解除した状態を示した要部の斜視図である。 図9に示された金銭収納装置の保持機構において、紙幣収納部がほぼ水平な状態の下限位置から更に前下りに傾いた状態を示した要部の断面図である。 図9に示された金銭収納装置の位置合わせ部の要部を示した斜視図である。 図19に示された金銭収納装置の位置合わせ部において、ラック部と歯車部との噛み合い位置を示した要部の拡大図である。
以下、図1~図20を参照して、この発明を適用した電子レジスタの一実施形態について説明する。なお、以下の説明では、電子レジスタを操作するユーザから見て手前側を「前」、奥側を「後」、左側を「左」、右側を「右」、上側を「上」、下側を「下」として説明し、両方向の回転を回動という。
この電子レジスタは、図1~図3に示すように、金銭収納装置1を兼ね備えたものであり、筐体2を備えている。この筐体2は、上下方向の長さが前後方向の長さよりも大きい縦長のほぼ箱状に形成されている。この筐体2は、上面が前下がりに傾斜した傾斜面に形成されている。
この筐体2の傾斜した上面には、図1に示すように、キー入力部3と主表示部4とが右側に設けられていると共に、プリンタカバー5と記録紙排出口6とスライドスイッチ7とが左側に設けられている。この場合、主表示部4は、筐体2の上面の右上側に配置されている。キー入力部3は、主表示部4を除いて、筐体2の上面における右側の2/3程度の領域に配置されている。
また、プリンタカバー5は、図1に示すように、プリンタ(図示せず)を覆うものであり、筐体2の上面における左側に、その下辺部側を除いて、配置されている。記録紙排出口6は、筐体2の上面におけるプリンタカバー5の下辺部に設けられている。スライドスイッチ7は、電源、精算、設定、登録などの各種のモードを切り替えるものであり、筐体2の上面における記録紙排出口6と上面の下辺部との間の狭い範囲に配置されている。
この筐体2の前面における傾斜面よりも下側には、図1~図6などに示すように、筐体2内を外部に連通させる開口2dが形成されており、この開口2dを開閉可能に可動体である開閉蓋8が設けられている。開閉蓋8は、左右方向に延びる軸線(後述する第1支持軸12)を中心として、この開口2dを閉鎖する第1位置である閉鎖位置(図2など参照)と、開口2dを開放する第2位置である開放位置(図5など参照)と、解除位置(図18など参照)との間で、上下方向に回転(回動)可能に、筐体2に取り付けられている。
開閉蓋8は、開放位置にあるときには、筐体2から前方にほぼ水平に延びており、開閉蓋8の回動に伴う開閉蓋8の自由端の水平方向における移動方向は、前後方向(自由端移動方向)である。この開閉蓋8は、第2位置である開放位置にある場合に、第1位置である閉鎖位置にある場合と比較して、自装置である金銭収納装置1の重心が筐体2の水平面内における外側に位置するように筐体2に設けられている。
この場合、金銭収納装置1の重心が筐体2の水平面内における外側に位置するということは、筐体2の中の外側の場合もあれば、筐体2よりも外側の場合もある。また、開閉蓋8は、解除位置にあるときには、開口2dを開放するとともに開閉蓋8の自由端部が開放位置よりも下方に位置し、筐体2から前下がりに延びている。
また、筐体2の背面には、図2および図3に示すように、背面部である背面板9が取り付けられている。この背面板9は、上部が裏面下がりに傾斜する傾斜面9aに形成されており、この傾斜面9aには、顧客用の補助表示部9bが設けられている。また、この背面板9の下部には、電池蓋9cが設けられている。
この筐体2は、図1~図3に示すように、左右の両側面における前後方向の長さ(厚さ・奥行き)が比較的小さく形成されており、筐体2の前面に設けられた開閉蓋8の左右の両側部と、筐体2の裏面に設けられた背面板9の左右の両側部とには、傾斜部2aが設けられている。これにより、金銭収納装置1の全体は、その左右の両側部における前後部が内側に引き込んで形成されていることにより、筐体2の左右の両側部の前後方向の寸法が、筐体2の左右の中央部の前後方向の寸法に比べて小さく、全体的に両側部の厚みが薄く見えるように形成されている。
また、この筐体2の内部には、図4および図5に示すように、第1収納部である紙幣収納部10と、第2収納部である硬貨収納部11と、が収納されている。紙幣収納部10は、図7に示すように、紙幣や金券を金種ごとに収納するものであって、左右方向に並んだ複数の収納部に区画されており、紙幣収納部10の各収納部には、紙幣押え10aが設けられている。この紙幣収納部10は、開閉蓋8とは別体に構成されており、開閉蓋8の内面に配置されて、図5に示すように、その一部が筐体2内の下段に配置されるように構成されている。硬貨収納部11は、図8に示すように、硬貨を金種ごとに収納するものであって、左右方向に並んだ複数の収納部に区画されており、筐体2内の上段に配置されるように構成されている。
すなわち、紙幣収納部10は、図4に示すように、開閉蓋8が閉鎖位置に位置して閉じた状態のときに、開閉蓋8の内面に配置された状態で、筐体2内に起立して配置され、収納位置に位置するように構成されている。また、この紙幣収納部10は、図5~図7に示すように、開閉蓋8が閉鎖位置から下側に回転して開いた状態(開放位置に位置した状態)のときに、開閉蓋8内に配置された状態で、筐体2内の下段に開閉蓋8と共にほぼ水平な状態で配置され、露出位置に位置するように構成されている。紙幣収納部10は、開閉蓋8の左右の側面の前端部の各々に設けられたフックにより、開閉蓋8に係止されている。紙幣収納部10は、開閉蓋8が開放位置にある場合に、これらのフックをユーザが外すことにより、開閉蓋8から取り外すことができる。
硬貨収納部11は、図4に示すように、開閉蓋8が閉じた状態のときに、筐体2内の上段における後側の収納位置に配置されるように構成されている。また、この硬貨収納部11は、図5、図6および図9に示すように、開閉蓋8が開いた状態のときに、筐体2よりも前側で、且つ紙幣収納部10よりも上側の露出位置に配置され、筐体2の外部に露出するように構成されている。
この場合、開閉蓋8は、図1および図4に示すように、閉じた状態のときに、筐体2の前側に突出する形状に形成され、この突出した箇所の内部に紙幣収納部10が収納されるように構成されている。この開閉蓋8の左右の端部の各々の下端部には、図6および図7に示すように、第1回動体13が上方に突出して設けられている。この第1回動体13は、筐体2内に設けられた第1支持軸12を中心に開閉蓋8と共に回動するように構成されている。第1支持軸12は左右方向に延びている。
これにより、開閉蓋8は、図4~図7、および図9に示すように、第1回動体13の中心部が第1支持軸12によって回動可能に支持され、この第1支持軸12を中心に第1回動体13と共に、前述した開放位置と閉鎖位置との間で上下方向に回動し、それに伴って開閉蓋8の自由端が上下方向且つ前後方向に移動するように構成されている。また、図7や図11に示すように、第1支持軸12および第1回動体13には、トーションばね8aが設けられており、開閉蓋8は、トーションばね8aのばね力によって開放位置側(解除位置側)に、すなわち、図4における反時計回りに回転するように付勢されている。なお、トーションばね8aは省略してもよく、その場合には、開閉蓋8はユーザにより開けられる。また、開閉蓋8の左右の側壁部の各々には、切欠き部31が形成されている。各切欠き部31は、開閉蓋8が開放位置に位置しているときに、開閉蓋8の側壁の後端部の上端部に位置し、かつ、下方に凸形状となるように、形成されている。
第1回動体13は、図4、図6、図7、図9に示すように、半円形状に形成されて、開閉蓋8に設けられている。この第1回動体13は、開閉蓋8の開閉動作に伴う回動動作を、後述するカム溝13aと歯車部13bとによって2つの系統に分岐させて伝達させるように構成されている。すなわち、この第1回動体13は、図10に示すように、カム溝13aによって分岐されて筐体2の転倒を防止する第1系統と、歯車部13bによって分岐されて硬貨収納部11を前述した収納位置と露出位置との間でスライドさせる第2系統との2つの系統に分岐させて、第1回動体13の回動動作を2つの系統に伝達させるように構成されている。
硬貨収納部11の左右の端部には、図8に示すように、支持部材14がそれぞれ固定されている。これらの左右の支持部材14、14は、図5、図6、図9に示すように、筐体2内における左右の両側に筐体2の前後方向に沿って設けられたガイド溝15、15内にスライド可能にそれぞれ配置されている。この場合、各支持部材14の後部には、図8に示すように、ガイド溝15内を転動する2つのローラ14bが回動自在に設けられている。
また、支持部材14の下部の前端部と後端部以外の部分には、図8、図10および図11に示すように、前後方向に互いに並んだ複数の歯を有するラック部14aが設けられている。この支持部材14のラック部14aは、その複数の歯が開閉蓋8の第1回動体13の歯車部13bに噛み合うように構成されている。
これにより、この硬貨収納部11は、開閉蓋8の開閉動作に伴って第1回動体13が回動した際に、第1回動体13の歯車部13bに噛み合った支持部材14のラック部14aが第1回動体13の回動動作に連動して、支持部材14が筐体2のガイド溝15に沿ってガイドされて移動することにより、筐体2の前後方向にスライドするように構成されている。また、歯車部13bは、ラック部14aの複数の歯と噛み合った噛み合い状態と、複数の歯との噛み合いが解除された解除状態とに、ユーザの操作に応じて選択的に移行可能に構成されている。
また、金銭収納装置1は、図9~図13に示すように、転倒防止装置16を備えている。この転倒防止装置16は、筐体2の下端部の左右の端部にそれぞれ設けられており、各転倒防止装置16は、筐体2の下端部の前端部に回動可能に設けられた倒れ防止部材17と、開閉蓋8の開閉動作に伴う回動運動を直線運動に変換して倒れ防止部材17に伝達することで倒れ防止部材17を回動させる連動機構18と、を備えている。なお、転倒防止装置16の数は、本実施形態では2つであるが、任意である。
倒れ防止部材17は、図11~図13に示すように、ほぼ扇形状に形成された平板であり、その扇状の要が、筐体2の下面に設けられた第3支持軸19に取り付けられており、第3支持軸19は上下方向に延びている。倒れ防止部材17は、第3支持軸19を中心として、図4や図10などに示す収納位置と、図9や図12などに示す突出位置との間で前後方向に回動可能に構成されている。
また、この倒れ防止部材17は、扇状の先端の円弧部における筐体2の前側に位置する一端部の下面に接触部である足部17aが設けられている。この足部17aは、筐体2が載置する載置面に接触するものであり、下側に向けて突出する突起形状に形成されている。この倒れ防止部材17は、筐体2に対して水平面内で回動することにより、開閉蓋8が閉鎖位置から開放位置に回動するのに伴って自装置の重心が水平面内において変位する方向と同じ方向に足部17aが筐体2よりも突出可能に筐体2に設けられている。これにより、倒れ防止部材17は、第3支持軸19を中心に回転した際に、足部17aを筐体2の下端部から前後方向に移動させて出没させるように構成されている。
連動機構18は、開閉蓋8の鉛直面内での回動による回動動力を水平面内での回動動力に変換した状態で倒れ防止部材17に伝達することで、倒れ防止部材17を筐体2に対して水平面内で回動させることによって、開閉蓋8が開放位置にあるときに足部17aを同じ方向に筐体2よりも突出させるように構成されている。
すなわち、連動機構18は、図10~図13に示すように、開閉蓋8の開閉動作に連動して回動する第1回動体13と、この第1回動体13の回動に応じて回動する第2回動体20と、この第2回動体20に連動して筐体2の前後方向に向けて直線移動して倒れ防止部材17を回動させるスライド体21と、を備えている。
第1回動体13は、図6、図10~図12に示すように、開閉蓋8の左右の端部に設けられており、各第1回動体13は、筐体2に設けられた第1支持軸12に回動可能に支持されている。この第1回動体13には、開閉蓋8の回動動作を2つの系統のうちの筐体2の転倒を防止する第1系統に分岐させるためのカム溝13aが設けられている。このカム溝13aは、第1支持軸12に近接した箇所と第1支持軸12から離れた箇所とに亘って、渦巻き状に湾曲して設けられている。
第2回動体20は、図10~図13に示すように、ほぼ扇形状に形成された平板であって、第1回動体13の下部側に配置されており、その扇の要が、筐体2に設けられた第2支持軸22に回動可能に支持されている。第2支持軸22は、第1支持軸12と平行に左右方向に延びている。また、第2回動体20の扇状の円弧部における両端部のうちの一方である上端部には、第1回動体13のカム溝13a内を移動可能な第1ピン23が設けられており、他方である下端部には、スライド体21に回転可能に連結された第2ピン24が設けられている。
この場合、第1ピン23は、図10および図11に示すように、開閉蓋8の開閉動作に応じて回動する第1回動体13のカム溝13aに沿って上下方向に回動移動するように構成されている。これにより、第2回動体20は、第1回動体13におけるカム溝13aの回動移動に伴って第1ピン23が上下方向に回動移動することにより、第2支持軸22を中心に回動するように構成されている。
すなわち、第1ピン23は、図10に示すように、開閉蓋8が閉鎖位置にあるときに、第1回動体13のカム溝13aにおける第1支持軸12に近接する箇所に位置して、第2支持軸22の若干上方に位置するように構成されている。また、この第1ピン23は、図11に示すように、開閉蓋8が開く際に、第1回動体13のカム溝13aに沿って第1支持軸12から離れるように下方に回転移動して、第2支持軸22とほぼ同じ高さ位置になるように構成されている。
この場合、第1ピン23は、上下方向の移動量が第1回動体13の回動量よりも小さくなるように、第1回動体13のカム溝13aが形成されている。開閉蓋8が閉じる際には、第1ピン23は、カム溝13aに沿って上記とは逆に上方に回転移動するように構成されている。また、図18に示すように、開閉蓋8が解除位置にあるときに、第1ピン23はカム溝13aの縁部に接触し、それにより、開閉蓋8が解除位置からさらに下方に回転するのが阻止される。
第2ピン24は、図10~図13に示すように、前後方向に延びるスライド体21のほぼ中間部に回動自在に取り付けられている。この第2ピン24は、第1ピン23が上下方向に回動移動することにより、第2支持軸22を中心に第2回動体20が回動した際に、筐体2の前後方向に回動移動して、スライド体21を前後方向に直線移動させるように構成されている。
この場合、第2ピン24は、図10~図13に示すように、前後方向の移動量が第1ピン23の上下方向の移動量と同じで、第1回動体13の回動量よりも小さくなるように構成されている。このため、第2回動体20は、その回転力(回転トルク)が第1回動体13の回転力(回転トルク)よりも、大きくなるように構成されている。
スライド体21は、図10~図13に示すように、前端部21aが、倒れ防止部材17における第3支持軸19の近傍に位置する箇所に回転可能に連結されている。第3支持軸19は上下方向に延びている。また、スライド体21は、筐体2に設けられたガイド(図示せず)により、前後方向に移動可能(スライド可能)に支持されており、筐体2に設けられたストッパ(図示せず)により、スライド体21の前後方向への移動範囲は、予め定められた或る範囲に規定されている。このスライド体21は、第2回動体20が回動して第2ピン24が前後方向に移動した際に、第2ピン24と連動して前後方向に移動し、スライド体21の前端部21aが第3支持軸19を中心に倒れ防止部材17を前記収納位置と前記突出位置との間で前後方向に回動させるように、構成されている。
また、倒れ防止部材17は、図10~図13に示すように、スライド体21の前端部21aが第3支持軸19の近傍に位置する倒れ防止部材17の箇所に連結されていることにより、スライド体21のスライド長さが短くても、倒れ防止部材17の回転量が多くなるように構成されている。このため、倒れ防止部材17は、外周部に設けられた足部17aの前後方向の回動移動量が大きくなり、筐体2の前側下部から足部17aを筐体2の前側に大きく突出させるように構成されている。
この場合、倒れ防止部材17は、図11および図13に示すように、スライド体21の前端部21aが第3支持軸19の近傍に位置する倒れ防止部材17の箇所に連結されているので、倒れ防止部材17を回転させるのに要する力(回転トルク)は比較的大きい。これに対して、第2回動体20の回転トルクは第1回動体13の回転トルクよりも大きく、そのような第2回動体20の大きな回転トルクによってスライド体21をスライドさせるので、このスライド体21のスライドにより、倒れ防止部材17は、第3支持軸19を中心に確実に回動する。
また、この金銭収納装置1は、図6、図12および図13に示すように、一対の保持機構25を備えている。各保持機構25は、開閉蓋8が前記開放位置よりも下方に回転するのを阻止し、それにより、硬貨収納部11が露出位置に位置しているときに、歯車部13bとラック部14aとが互いに噛合った噛合い状態を維持することで、硬貨収納部11を筐体2から分離不能に保持し、ユーザによる解除操作に応じて、開閉蓋8の開放位置よりも下方への回転を許容することによって、歯車部13bとラック部14aとの噛合いを解除し、それにより、硬貨収納部11を筐体2から分離可能にするように構成されている。なお、保持機構25および切欠き部31の数は任意である。
すなわち、この保持機構25は、図12および図13に示すように、開放位置よりも下方への開閉蓋8の回転を阻止する保持部27と、この保持部27による開閉蓋8の回転の阻止を解除する解除釦部28と、が一体に設けられた保持解除部材26を備えている。この保持解除部材26は、筐体2の側面から見て、全体がほぼZ字形状に形成され、筐体2の側面部の内側に筐体2の前後方向に沿って配置されている。
この保持解除部材26の前側上部には、図12および図13に示すように、解除釦部28が設けられており、後側下部には、保持部27が設けられている。また、この保持解除部材26は、図14および図15に示すように、筐体2に回動可能に取り付けられ、上下方向に延びる軸部29と、解除釦部28を筐体2の外部に向けて付勢すると共に保持部27を開閉蓋8の側壁部に向けて付勢する付勢部材であるばね部材30と、を備えている。軸部29は、保持解除部材26の前後方向の中央の上下の部位の各々に設けられ、筐体2の側面部の内面に設けられた軸受部29aに回動可能に取り付けられている。軸受部29aには、軸部29が回動可能に嵌合している。
ばね部材30は、図13に示すように、板ばねであり、保持解除部材26の前後方向に細長い帯状に形成されている。この場合、ばね部材30は、前端部が解除釦部28側の内面に当接し、後端部が保持部27側に位置する保持解除部材26の内面に設けられた係止部に当接するように構成されている。これにより、ばね部材30は、軸部29を中心に、前端部が解除釦部28を筐体2の外部に向けて付勢し、後端部が保持部27を開閉蓋8の側壁部に向けて付勢するように構成されている。
このため、解除釦部28は、図12~図15に示すように、ばね部材30のばね力によって筐体2内から外部に向けて付勢されて、筐体2の側面に設けられた釦孔2b(図2参照)内に外部に向けて押し出されるように構成されている。保持部27は、開閉蓋8が開放位置にあるときに、ばね部材30のばね力によって開閉蓋8の側壁部に設けられた切欠き部31内に押し込まれるように構成されている。
これにより、保持部27は、図16に示すように、切欠き部31内に押し込まれて係合した際に、保持位置に位置し、開閉蓋8がほぼ水平な状態の前記開放位置よりも下側に回転しないように、開閉蓋8の回動位置を規制するように構成されている。
なお、開閉蓋8の開放位置よりも上方への回転は保持部27及び切欠き部31によっては規制(制限)されない。以上のように、保持部27を含む保持機構25は、開閉蓋8の第1回動体13の歯車部13bとラック部14aの複数の歯とが互いに噛合った噛合い状態を維持するように、開閉蓋8の回動量、すなわち、歯車部13bの回動量を規制するように、構成されている。
また、保持解除部材26は、図15および図17に示すように、解除釦部28がばね部材30のばね力に抗して押されて筐体2の釦孔2b(図2参照)から筐体2内に押し込まれたときに、ばね部材30のばね力に抗して軸部29を中心に回動して保持解除位置に位置し、保持部27を開閉蓋8の側壁部に設けられた切欠き部31内から離脱させて、開放位置よりも下方への開閉蓋8の回転の阻止を解除するように構成されている。
この場合、開閉蓋8は、図16および図17に示すように、保持解除部材26の保持部27が開閉蓋8の切欠き部31内から離脱して、開閉蓋8の係止が解除されるので、図18に示すように、第1支持軸12を中心に開放位置から更に前下がりに回動するように構成されている。
また、図18に示す解除位置にある開閉蓋8がユーザ操作により引き上げるように回動させられて開放位置に位置する際に、図17に示すように、保持部27の傾斜部(図示せず)が開閉蓋8の側壁部に乗り上げてスライドして、一旦、保持解除位置に位置した後に、図16に示すように、ばね部材30のばね力により保持部27が切欠き部31に押し込まれて、開閉蓋8の開放位置から下方への回転が自動的に規制されるように構成されている。
一方、硬貨収納部11は、図5および図9に示すように、開閉蓋8が開いた状態のときに、紙幣収納部10の上方に配置されて筐体2から前方に露出した露出位置に位置するように構成されている。また、この硬貨収納部11は、保持解除部材26の保持部27による開放位置から下方への開閉蓋8の回転の阻止が解除されて、図18に示すように、開閉蓋8が開放位置よりも下方に回転し、解除位置に位置した際に、図19および図20に示す状態から、支持部材14のラック部14aの複数の歯のうちの最も後ろ側の歯が第1回動体13の歯車部13bから外れることで、ラック部14aの歯と歯車部13bの歯との噛み合いが外れるように構成されている。
すなわち、硬貨収納部11は、保持解除部材26の保持部27による開放位置よりも下方への開閉蓋8の回転の阻止が解除された際に、図18に示すように、開放位置から開閉蓋8がトーションばね8aのばね力によって下方に回転し、この開閉蓋8の回転に連動して第1回動体13の歯車部13bが回転してラック部14aを前方に引き出すので、図19および図20に示す状態から、ラック部14aと歯車部13bとの噛み合いが外れて、筐体2から取り外せる(分離可能になる)ように構成されている。
以上のように、筐体2に対する開閉蓋8の回動量が開閉蓋8の開放位置に相当するある回動量に達したときに、保持部27が開閉蓋8の切欠き部31に係合するによって、開閉蓋8の回動量は、ある回動量を超えないように(開放位置からさらに下方に回転しないように)規制され、それにより、歯車部13bとラック部14aとの噛合いが維持される。また、保持部27による開放位置よりも下方への開閉蓋8の回転の阻止の解除に伴い、開閉蓋8への保持部27の係合による開閉蓋8の回動量の規制が解除されることにより、歯車部13bがラック部14aとの噛合いを外せるように回動可能になることで、硬貨収納部11が筐体2から分離可能になる。
ところで、この金銭収納装置1は、取り外された硬貨収納部11が筐体2内に再度、開閉蓋8と連動可能に取り付けられて収納されるように構成されている。すなわち、この金銭収納装置1は、硬貨収納部11を筐体2内に再度、収納し、ユーザの操作に応じて歯車部13bが前記解除状態から前記噛み合い状態に移行するときに、硬貨収納部11の収納位置を予め定められた適正収納位置に合わせるべく、支持部材14のラック部14aの複数の歯と第1回動体13の歯車部13bの歯との噛み合い位置を予め定められた適正噛み合い位置に合わせるための位置合わせ部33を備えている。
硬貨収納部11は、開閉蓋8の回動に伴って第1回動体13の歯車部13bが回転してラック部14aが引き出された際に、ラック部14aと歯車部13bとの噛み合いが外れるため、筐体2内に再度、収納するときに、位置合わせ部33によってラック部14aと歯車部13bとの噛み合い位置を適正噛み合い位置に合わせる必要がある。ラック部14aと歯車部13bとの噛合い位置が適正噛合い位置に合っていないと、硬貨収納部11が筐体2内の適正収納位置に位置せずに開閉蓋8や筐体2に接触することによって、開閉蓋8が閉まらなくなるためである。
この位置合わせ部33は、図18および図19に示すように、第1回動体13に一体に設けられて、開閉蓋8の開閉動作に伴って回動する第1回動体13の回動動作に応じて回転移動するように構成されている。また、位置合わせ部33は、硬貨収納部11を筐体2内に収納する際に、硬貨収納部11の後端部に当接して、支持部材14のラック部14aと第1回動体13の歯車部13bとの噛み合い位置を適正位置に合わせるように構成されている。
また、位置合わせ部33は、図18および図19に示すように、ラック部14aと歯車部13bとの噛み合い位置を適正噛み合い位置に合わせた状態で、硬貨収納部11が筐体2内に押し込まれた際に、支持部材14のラック部14aの複数の歯が後側に移動して歯車部13bの歯に噛み合って噛み合い状態になり、この歯車部13bを第1回動体13と共に回動させることにより、この第1回動体13の回動に伴って支持部材14の後端部から徐々に離れるように構成されている。
また、この位置合わせ部33は、図18および図19に示すように、支持部材14のラック部14aの移動によって歯車部13bが第1回動体13と共に回動した際に、第1回動体13の回動に伴って、前下がりに傾いた解除位置にある状態の開閉蓋8を引き上げる方向に回動させて、紙幣収納部10をほぼ水平な状態の開放位置に配置させるように構成されている。
次に、このような電子レジスタの金銭収納装置1を使用する場合について説明する。
この金銭収納装置1は、開閉蓋8が閉じている状態のときに、縦長の箱状をなしている。この場合には、開閉蓋8の両側部と背面板9の両側部とにそれぞれ傾斜部2aが形成されていることにより、筐体2の両側面における前後方向の長さが小さく形成され、厚みが薄く見える。
また、この状態では、筐体2内に紙幣収納部10と硬貨収納部11とが収納されている。すなわち、紙幣収納部10は、開閉蓋8内に配置され、且つ開閉蓋8と共に起立した状態で筐体2内に収納されている。硬貨収納部11は、筐体2内における上段に配置された状態で、筐体2内の後部に収納されている。
この状態で、開閉蓋8を開くと、開閉蓋8が、第1支持軸12を中心に回動して筐体2内の下段に配置され、開放位置に位置する。このときには、開閉蓋8内に紙幣収納部10がほぼ水平な状態に配置されると共に、硬貨収納部11が筐体2内の上段において前側に引き出されて配置される。すなわち、紙幣収納部10は、開閉蓋8と共に回動して筐体2から前側に突出して配置される。硬貨収納部11は、筐体2における紙幣収納部10の上方に位置する上段において、筐体2から前側に引き出されて露出位置に位置する。
また、開閉蓋8が開く際には、開閉蓋8に設けられた第1回動体13が、筐体2に設けられた第1支持軸12を中心に回動する。これに伴って、紙幣収納部10が開閉蓋8と共に第1支持軸12を中心に回動する。このときには、第1回動体13の回動動作が、筐体2の転倒を防止する第1系統と、硬貨収納部11をスライドさせる第2系統との2つの系統に分岐される。
この場合、第1回動体13の回動動作が第2系統に分岐されて伝達される際には、第1回動体13の歯車部13bに噛み合ったラック部14aが第1回動体13の回動動作に応じて筐体2内の前側にスライド移動する。すなわち、ラック部14aは支持部材14に設けられており、支持部材14は筐体2のガイド溝15にほぼ水平な状態でガイドされて筐体2の前側に向けてスライドする。
これにより、紙幣収納部10と硬貨収納部11とが筐体2内から外部に露出して配置される。このときには、紙幣収納部10と硬貨収納部11とによって、筐体2全体の重心が前側に移動し、筐体2が不安定な状態になる。このため、このように紙幣収納部10および硬貨収納部11が筐体2内から外部に露出する際には、第1回動体13の回動動作が第1系統に分岐されて伝達される。この場合には、開閉蓋8の開閉動作に連動して転倒防止装置16の倒れ防止部材17が回動して、倒れ防止部材17の足部17aが筐体2の前側下部に突出する。このため、不安定な状態の筐体2の転倒が防げる。
すなわち、開閉蓋8が開いて第1回動体13が第1支持軸12を中心に回動する際には、第1回動体13のカム溝13aによって転倒防止装置16の第1系統に分岐される。この場合、第1回動体13が第1支持軸12を中心に回動する際には、第1回動体13の回動動作に連動して連動機構18が回転運動を直線運動に変換して倒れ防止部材17を回動させる。
すなわち、連動機構18は、開閉蓋8の開閉動作と共に回動する第1回動体13と、この第1回動体13の回動に連動して回動する第2回動体20と、この第2回動体20に連動して筐体2の前後方向に向けて直線移動して倒れ防止部材17を回動させるスライド体21と、を備えている。従って、開閉蓋8が開く際には、第1回動体13が第1支持軸12を中心に回動し、この第1回動体13の回動に伴って第2回動体20が第2支持軸22を中心に回動する。
このときには、第2回動体20の第1ピン23が第1回動体13のカム溝13aに沿って第1支持軸12から下側に移動し、この第1ピン23の下側への移動に連動して、第2回動体20が第2支持軸22を中心に回動する。この第2回動体20の回動に伴って第2ピン24が筐体2の前方に向けて移動する。これにより、第2回動体20の第2ピン24によってスライド体21が筐体2の前方に向けて直線移動する。
このスライド体21の直線移動によって倒れ防止部材17が第3支持軸19を中心に回動して、足部17aが筐体2の下部から前側に突出する。このときには、スライド体21の前端部21aが倒れ防止部材17の第3支持軸19の近傍に連結されているので、スライド体21のスライド長さが短くても、倒れ防止部材17の足部17aの回転移動長さが長くなる。このため、倒れ防止部材17の足部17aが筐体2の前側に十分な長さで突出し、筐体2の前側への転倒が防げる。
すなわち、倒れ防止部材17は、スライド体21の前端部21aが第3支持軸19の近傍に位置する倒れ防止部材17の箇所に連結されているので、倒れ防止部材17の回転力(回転トルク)が大きくなっても、第2回動体20の回転トルクが第1回動体13の回転トルクよりも大きい。このため、この大きい第2回動体20の回転トルクによってスライド体21をスライドさせ、このスライド体21のスライドによって倒れ防止部材17を確実に回動させて、倒れ防止部材17の足部17aを筐体2の前側に十分な長さで突出させる。
次に、紙幣収納部10および硬貨収納部11を開閉蓋8および筐体2からそれぞれ取り外して、紙幣収納部10および硬貨収納部11の各内部の金銭を集計する場合について説明する。
この場合には、筐体2内の下段にほぼ水平な状態の開放位置に配置された開閉蓋8内に紙幣収納部10が配置され、この状態で開閉蓋8の左右の側面の前端部に設けられたフックをユーザが外すことによって、紙幣収納部10を開閉蓋8から取り外すことができる。
また、開閉蓋8が開放位置にあるときには、保持機構25の保持部27がばね部材30のばね力によって開閉蓋8の側壁部に設けられた切欠き部31内に押し込まれている。このときには、保持部27は、開閉蓋8の切欠き部31内に押し込まれ係合した際に、開閉蓋8が開放位置よりも下方に回転するのを阻止し、開閉蓋8の回動量を規制する。
この状態で、硬貨収納部11を筐体2から取り外す場合には、ユーザは、筐体2の釦孔2bから外部に露出した保持解除部材26の解除釦部28をばね部材30のばね力に抗して押す。すると、保持解除部材26が軸部29を中心にばね部材30のばね力に抗して回動し、保持部27が開閉蓋8の切欠き部31内から離脱して、保持部27による開放位置よりも下方への開閉蓋8の回転の阻止が解除される。
このときには、保持部27による開閉蓋8の回転の阻止が解除されるので、開閉蓋8がトーションばね8aのばね力で第1支持軸12を中心に開放位置からさらに下方に回動し、解除位置に位置する。なお、トーションばね8aを省略した場合には、ユーザ操作によって開閉蓋8は解除位置に回転させられる。また、開閉蓋8が解除位置にある場合には、開閉蓋8が開放位置にある場合よりも前下りに傾斜するため、紙幣収納部10を開閉蓋8から取外しやすい状態にすることができる。
このときには、硬貨収納部11もほぼ同時に取り出せる。すなわち、保持部27による開閉蓋8の回転の阻止が解除されて、開閉蓋8が解除位置に位置した際には、支持部材14のラック部14aの複数の歯と第1回動体13の歯車部13bの歯との噛み合いが外れる。
すなわち、開閉蓋8が開放位置から下方に回動する際には、開閉蓋8の回動に伴って第1回動体13の歯車部13bが回転してラック部14aが筐体2の前側に引き出される。これにより、ラック部14aの歯と歯車部13bの歯との噛み合いが外れて、ユーザは、筐体2から硬貨収納部11を取り外すことができる。以上により、ユーザは、紙幣収納部10および硬貨収納部11の各内部の金銭を集計することができる。
次に、紙幣収納部10と硬貨収納部11とを筐体2内に取り付ける場合について説明する。
この場合には、ユーザは、解除位置に位置した開閉蓋8内に紙幣収納部10を配置し、フックにより紙幣収納部10を開閉蓋8に係止する。この状態で、ユーザは、硬貨収納部11に設けられた支持部材14を筐体2内のガイド溝15内に挿入させて、硬貨収納部11を筐体2内の上段に配置する。
そして、ユーザは、支持部材14のラック部14aを開閉蓋8に設けられた第1回動体13の歯車部13bに接近させる。このときには、ユーザは、硬貨収納部11の後端部を第1回動体13に設けられた位置合わせ部33に接近させて当接させる。すると、支持部材14のラック部14aの歯と第1回動体13の歯車部13bの歯との噛み合い位置が適正位置に合わされる。
この状態で、ユーザが硬貨収納部11を支持部材14と共に筐体2内の後部に押し込むと、硬貨収納部11の後端部が位置合わせ部33に押し当てられて、支持部材14のラック部14aの歯が第1回動体13の歯車部13bの歯に噛み合う。これにより、硬貨収納部11の押し込み動作に伴うラック部14aの移動によって第1回動体13が、トーションばね8aのばね力に抗して歯車部13bと共に回動する。すなわち、ラック部14aが筐体2内の後部に移動して、このラック部14aに噛み合って歯車部13bが回動する。
このときには、位置合わせ部33が第1回動体13の回動に伴って硬貨収納部11の後端部から徐々に離れて、硬貨収納部11が筐体2内の上段に配置される。また、このときには、歯車部13bの回動に連動して第1回動体13が回動するので、解除位置に位置していた開閉蓋8が引き上げられて開放位置に配置される。すなわち、ラック部14aの移動によって歯車部13bが回動する際には、第1回動体13が第1支持軸12を中心に開閉蓋8と共に回動して、開閉蓋8を開放位置に回転させる。
このときには、開閉蓋8の側壁部に向けて突出した保持部27の傾斜部(図示せず)が開閉蓋8の後端部の側壁部に押し当てられて、保持部27の傾斜部が開閉蓋8の側壁部に乗り上げてスライドした上、保持部27が開閉蓋8の側壁部の切欠き部31に押し込まれる。これにより、開放位置よりも下方への開閉蓋8の回転が保持部27によって阻止される。
この状態で、ユーザが開閉蓋8を上方に回動させて閉じると、開閉蓋8が第1支持軸12を中心に第1回動体13と共に回動して筐体2の前面の開口2dを塞いで、筐体2内の上部のフック部2cに係止される。このときには、開閉蓋8内に配置された紙幣収納部10が開閉蓋8と共に回動して筐体2内に起立する。また、このときには、開閉蓋8と共に第1回動体13が回動し、この第1回動体13の回動に連動して回動する歯車部13bによってラック部14aが筐体2の後部に移動して、硬貨収納部11が筐体2の上段における後部に配置される。
また、このときには、開閉蓋8と共に回動する第1回動体13の回動に伴って、連動機構18が回転運動を直線運動に変換して倒れ防止部材17を前述とは逆方向に回動させる。すなわち、開閉蓋8が閉じる際には、第1回動体13が第1支持軸12を中心に前述とは逆方向に回動し、この第1回動体13の回動に連動して第2回動体20が第2支持軸22を中心に前述とは逆方向に回動する。
このときには、第2回動体20の第1ピン23が第1回動体13のカム溝13aに沿って第1支持軸12から上側に第1支持軸12に接近する方向に移動する。このため、第2回動体20が第2支持軸22を中心に回動し、この第2回動体20の回動に伴って第2ピン24が筐体2の後方に移動する。
すると、第2回動体20の第2ピン24によってスライド体21が筐体2の後方に直線移動し、このスライド体21によって倒れ防止部材17が第3支持軸19を中心に前述とは逆方向に回動して、足部17aが筐体2の前側から下部に引き込まれる。このときにも、スライド体21のスライド長さが短くても、倒れ防止部材17の足部17aの移動長さが長くなる。このため、倒れ防止部材17の足部17aが筐体2の前側に十分な長さで突出していても、筐体2の下部に収納される。
この場合にも、倒れ防止部材17は、スライド体21の前端部21aが第3支持軸19の近傍に位置する倒れ防止部材17の箇所に連結されているので、倒れ防止部材17の回転力(回転トルク)が大きくなっても、第2回動体20の回転トルクが第1回動体13の回転トルクよりも大きい。このため、この大きい第2回動体20の回転トルクによってスライド体21をスライドさせるので、このスライド体21のスライドによって確実に回動し、倒れ防止部材17の足部17aを筐体2の前側から下部に良好に収納される。
このように、この金銭収納装置1の転倒防止装置16によれば、自由端部が筐体2に接触する第1位置と筐体2から離間した第2位置との間で移動するように動作可能な可動体である開閉蓋8が設けられた筐体2の下部に回動可能に設けられ、足部17aを有し、筐体2の下部に対する回動により、足部17aが第1位置と第2位置の並び方向に回動移動して筐体2の下部から出没可能な倒れ防止部材17と、開閉蓋8の開閉動作を倒れ防止部材17に伝達することにより倒れ防止部材17を筐体2の下部に対して回動させて、足部17aを筐体2の下部から出没させる連動機構18と、を備えていることにより、開閉蓋8の開閉動作に連動して筐体2に対して回動することで出没する足部17aにより筐体2の転倒を防ぐことができる。
また、この金銭収納装置1の転倒防止装置16によれば、筐体2と、この筐体2に対し鉛直面内において第1位置と第2位置との間で回動可能で、前記第2位置にある場合に、前記第1位置にある場合と比較して、自装置の重心が筐体2の水平面内における外側に位置するように筐体2に設けられた可動体である開閉蓋8と、筐体2が載置された載置面Tに接触可能な接触部である足部17aを有し、筐体2に対して水平面内で回動することにより、開閉蓋8が前記第1位置から前記第2位置に回動するのに伴って前記自装置の重心が水平面内において変位する方向と同じ方向に足部17aが筐体2よりも突出可能に筐体2に設けられた倒れ防止部材17と、開閉蓋8の鉛直面内での回動による回動動力を水平面内での回動動力に変換した状態で倒れ防止部材17に伝達することで、倒れ防止部材17を筐体2に対して水平面内で回動させることによって、開閉蓋8が前記第2位置にあるときに足部17aを前記同じ方向に筐体2よりも突出させる連動機構18と、を備えることにより、開閉蓋8の開閉動作に連動して筐体2に対して回動することで出没する足部17aにより筐体2の転倒を防ぐことができる。
この場合、この金銭収納装置1の転倒防止装置16では、連動機構18が、可動体である開閉蓋8の開閉動作と共に回動可能な第1回動体13と、この第1回動体13の回動に連動して回動可能な第2回動体20と、この第2回動体20の回動動作に連動して前記並び方向に移動して倒れ防止部材17を筐体2の下部に対して回動させるスライド体21と、を備えていることにより、開閉蓋8の開閉動作を連動機構18によって倒れ防止部材17に伝達させることができ、これにより倒れ防止部材17を確実に且つ良好に回動させることができるので、倒れ防止部材17の足部17aを筐体2の前側に十分な長さで突出させることができる。
また、この金銭収納装置1の転倒防止装置16では、第1回動体13が、カム溝13aを有し、第1支持軸12を中心に回動可能であり、第2回動体20は、第1回動体13のカム溝13aに沿って回動移動可能な第1ピン23と、スライド体21に連結された第2ピン24と、を備え、カム溝13aに沿った第1ピン23の回動移動に連動して回動し、スライド体21は、当該スライド体21の一部が倒れ防止部材17に連結され、第2回動体20の回動に連動して前記並び方向に移動可能であることにより、開閉蓋8の開閉動作を連動機構18によって倒れ防止部材17に確実に且つ良好に伝達させることができる。
すなわち、この転倒防止装置16では、開閉蓋8の開閉動作に応じて第1回動体13が回動した際に、第1回動体13と共にカム溝13aが回転移動して第1ピン23を回転移動させて第2回動体20を回動させることができ、この第2回動体20の回動動作によって第2ピン24がスライド体21を直線方向にスライドさせることができる。このため、このスライド体21によって倒れ防止部材17を確実に且つ良好に回動させることができるので、倒れ防止部材17の足部17aを筐体2の前側に突出させることができる。
この場合、この転倒防止装置16では、スライド体21の前端部21aが倒れ防止部材17の第3支持軸19の近傍に連結されているので、スライド体21のスライド長さが短くても、倒れ防止部材17の足部17aの回転移動長さを長くすることができる。このため、倒れ防止部材17の足部17aを筐体2の前側に十分な長さで突出させることができ、これにより筐体2の前側への転倒を確実に防ぐことができる。
また、この転倒防止装置16では、カム溝13aが第1支持軸12に接近する箇所と第1支持軸12から離れる箇所とに亘って渦巻き状に湾曲して設けられているので、開閉蓋8の開閉動作に応じて第1回動体13が回動し、この第1回動体13と共にカム溝13aが回転移動する際に、カム溝13aが第1ピン23を上下方向に回転移動させて第2回動体20を回動させることができ、この第2回動体20によって第2ピン24を筐体2の前後方向に回転移動させることができるので、スライド体21を筐体2の前後方向にスライドさせることができる。
このため、この転倒防止装置16では、スライド体21の前端部21aが第3支持軸19の近傍に位置する倒れ防止部材17の箇所に連結されているので、倒れ防止部材17の回転力(回転トルク)が大きくなっても、第2回動体20の回転トルクを第1回動体13の回転トルクよりも大きくすることができる。このため、この大きい第2回動体20の回転トルクによってスライド体21をスライドさせることができるので、このスライド体21のスライドによって倒れ防止部材17を確実に回動させて、倒れ防止部材17の足部17aを筐体2の前側に十分な長さで突出させることができる。
また、この金銭収納装置1の転倒防止装置16では、筐体2が縦長の箱状に形成されており、開閉蓋8が筐体2の前面に上下方向に回動して開閉することにより、筐体2が縦長の不安定な形状であっても、筐体2の前面に設けられた開閉蓋8が上下方向に開閉する際に、倒れ防止部材17を回動させて、倒れ防止部材17の足部17aを筐体2の前側に十分な長さで突出させることができるので、筐体2の転倒を確実に防ぐことができる。
この場合、この転倒防止装置16では、第1回動体13が開閉蓋8の回転中心に対応して筐体2に設けられた第1支持軸12に取り付けられて開閉蓋8と共に垂直方向に回動し、第2回動体20が筐体2に設けられた第2支持軸22に取り付けられて垂直方向に回動し、スライド体21が第2回動体20の第2ピン24に連結されると共にスライド体21の前端部21aを倒れ防止部材17に連結させて保持され、筐体2の前後方向に直線移動し、倒れ防止部材17が筐体2に設けられた第3支持軸19に取り付けられて水平方向に回動するので、筐体2が縦長であっても、倒れ防止部材17の足部17aを筐体2の前側に突出させて筐体2の転倒を確実に且つ良好に防ぐことができる。
また、この転倒防止装置16では、筐体2が、縦長の箱状に形成されており、第1支持軸12は、筐体2の下部に位置し、筐体2の上下方向に略直交する方向に延びており、可動体である開閉蓋8は、第1支持軸12を中心として、筐体2の上下方向に回動可能であることにより、筐体2が縦長で、開閉蓋8の回動中心が高い位置にあっても、垂直方向に回動する第1回動体13と第2回動体20とによって開閉蓋8の開閉動作に伴う回転動作を筐体2の下部に位置するスライド体21に伝達させて直線移動させることができ、これにより筐体2の下部に設けられて水平方向に回動する倒れ防止部材17を回動させて、倒れ防止部材17の足部17aを筐体2の前側に確実に且つ良好に突出させることができる。
さらに、この転倒防止装置16では、筐体2にその筐体2内を外部に連通させるための開口2dが設けられ、可動体が開口2dを開閉可能な開閉蓋8であって、開閉蓋8の自由端部は開口2dの縁部に接触し、筐体2には、開閉蓋8に連動して、開閉蓋8が開いた状態のときに筐体2から前記並び方向に露出し、開閉蓋8が閉じた状態のときに筐体2内に収納される収納部である紙幣収納部10と硬貨収納部11とが設けられていることにより、筐体2が縦長に形成されていても、紙幣収納部10と硬貨収納部11とを筐体2内にコンパクトに収納することができると共に、開閉蓋8を開いたときに、紙幣収納部10と硬貨収納部11とを上下に配置させて筐体2内から外部に良好に露出させることができる。
すなわち、この転倒防止装置16では、開閉蓋8を開いて紙幣収納部10と硬貨収納部11とを上下に配置させて筐体2内から露出させた際に、縦長の筐体2の重心が高くなり、不安定な状態になっても、開閉蓋8の開動作によって倒れ防止部材17の足部17aを筐体2の前側に突出させることができるので、この突出した足部17aによって筐体2の転倒を確実に且つ良好に防ぐことができる。
また、この金銭収納装置1によれば、転倒防止装置16、筐体2、開閉蓋8、および収納部である紙幣収納部10と硬貨収納部11とを備えていることにより、開閉蓋8を開いて、紙幣収納部10と硬貨収納部11とを筐体2の外部に突出させても、転倒防止装置16によって筐体2の転倒を防ぐことができる。
また、この金銭収納装置1によれば、開口2dが筐体2の前面に設けられており、開閉蓋8と、筐体2の裏面に設けられた背面部とにおける各両側部に、傾斜部2aがそれぞれ設けられていることにより、金銭収納装置1全体における両側面の前後部を傾斜部2aによって一段引き込んで形成することができる。これにより、筐体2の両側面を前後面に比べて狭くすることができるので、全体的に両側部の厚みを薄くしてスリム化を図ることができ、これによりデザインを高めることができる。
この場合、この金銭収納装置1では、開閉蓋8が、閉じた状態のときに、筐体2の前側に突出する形状に形成され、突出した開閉蓋8の内部に収納部である紙幣収納部10が配置されて収納され、紙幣収納部10は金銭を収納可能であることにより、筐体2の前側に突出する開閉蓋8の内部に紙幣収納部10を配置させることができ、これにより筐体2のスリム化を図ることができると共に、紙幣収納部10を筐体2内にコンパクトに収納することができる。
なお、上述した実施形態では、開閉蓋8が筐体2の前面において上下方向に回動して開閉する場合について述べたが、この発明は、これに限らず、例えば筐体2の前面において左右方向に回動して開閉するようにしても良い。この場合には、片側のみに開閉する片開きでも良く、両側に開閉する両開きでも良い。また、実施形態では、可動体は開閉蓋8であるが、一部が筐体2に接触または収納される第1位置と筐体2から離間した第2位置との間で移動可能な可動体であれば、他の適当な可動体でもよい。
また、上述した実施形態では、倒れ防止部材17の足部17aが下側に向け突出する突起形状に形成されている場合について述べたが、この発明は、これに限らず、筐体2から突出した倒れ防止部材17の下面の少なくとも一部または全部が足部17aであっても良い。
また、上述した実施形態では、連動機構18が回転運動を直線運動に変換するように構成した場合について述べたが、この発明は、これに限らず、例えば傘歯車などの歯車を用いた歯車機構を用いた構造であっても良い。
また、上述した実施形態では、位置合わせ部33が筐体2内に硬貨収納部11を収納する際に、位置合わせ部33は、硬貨収納部11の後面に当接しているが、硬貨収納部11の後面に代えて、または硬貨収納部11の後面と共に、ラック部14aを含む支持部材14(ある部材)の後端に当接しても良い。
また、上述した実施形態では、開閉蓋8の回動で重心が変位する場合について述べたが、この発明は、これに限らず、開閉蓋8が無く、例えば硬貨収納部11のようなものが筐体2の前後方向に移動することで重心が変位するような装置にも適用することができる。
さらに、実施形態では、ラック部14aの複数の歯と歯車部13bとの噛合いの解除を、ラック部14aの後端の歯を歯車部13bから外すことで行っているが、例えば次のようにして行っても良い。すなわち、(a)歯車部13bを第1支持軸12に、スプライン結合により第1支持軸12の軸線方向に移動可能かつ回動不能に設け、歯車部13bを、ばねなどの付勢部で第1支持軸12の軸線方向の一方側に付勢し、この付勢部とストッパとの協働によって、歯車部13bとラック部14aの複数の歯とが互いに噛合った噛合い状態を維持する。また、ユーザによる解除操作で操作される解除操作部の操作力を歯車部13bに作用させることにより、付勢部の付勢力に抗して歯車部13bを第1支持軸12上において軸線方向の他方側に移動させることで、ラック部14aの複数の歯と歯車部13bとの噛合いが解除される。この状態で、ユーザは、露出位置に位置している硬貨収納部11をラック部14aとともに、筐体2から手前に引き抜いて分離させることができる。また、この場合には、保持部としての付勢部およびストッパと、解除操作部とが、保持機構として機能し、硬貨収納部11が露出位置に位置している場合に、硬貨収納部11を筐体2に分離不能に保持し、ユーザによる解除操作に応じて硬貨収納部11の保持を解除して硬貨収納部11を筐体2から分離可能にするように機能する。
あるいは、ラック部14aの複数の歯と歯車部13bとの噛合いの解除を、例えば次のようにして行っても良い。すなわち、(b)ラック部14aを前後方向に移動可能にガイドするガイド部の上部を、筐体2に対して、ラック部14aの複数の歯が歯車部13bに噛合う第1位置と、複数の歯が歯車部13bから外れることが可能な第2位置(第1位置よりも上側)との間で上下方向に移動可能に設けるとともに、ばねなどの付勢部でこのガイド部の上部を第1位置側に付勢し、この付勢部とガイド部との協働によって、ラック部14aの複数の歯と歯車部13bとが互いに噛合った噛合い状態を維持する。また、ユーザによる解除操作で操作される解除操作部の操作力をガイド部の上部に作用させることにより、付勢部の付勢力に抗してガイド部の上部を第2位置に移動させることで、ラック部14aの複数の歯と歯車部13bとの噛合いが解除可能になる。この状態で、ユーザは、露出位置に位置している硬貨収納部11をラック部14aとともに上方に動かしながら手前に引き抜けば、複数の歯と歯車部13bとの噛合いを解除状態に移行させて、筐体2から硬貨収納部11を分離することができる。また、この場合、保持部としての付勢部およびガイド部と、解除操作部とが、保持機構として機能し、硬貨収納部11が露出位置に位置している場合に、硬貨収納部11を筐体2に分離不能に保持し、ユーザによる解除操作に応じて硬貨収納部11の保持を解除して硬貨収納部11を筐体から分離可能にするように機能する。以上のように、保持部が、歯車部とラック部の複数の歯との噛合い状態を維持するように歯車部及びラック部の一方を保持することにより、収納部が筐体から分離不能になり、ユーザによる解除操作に応じて、保持部による歯車部と複数の歯との噛合い状態の維持が解除されることで、収納部が筐体から分離可能になるように、収納装置は構成されていればよく、この点において、他の適当な構成を採用しても良いことは、もちろんである。
上記の(a)および(b)の各々の場合であって、開閉蓋8が開放位置に位置し、かつ、歯車部13bとラック部14aの複数の歯とが互いに噛合った噛合い状態にあるとき、および、歯車部13bとラック部14aの複数の歯との互いの噛合いが外れた解除状態にあるときのいずれにおいても、位置合わせ部33は、開閉蓋8が開放位置にあるときに、ラック部14aを含むある部材と硬貨収納部11との少なくとも一方に当接可能に設けられる。
さらに、上述した実施形態では、硬貨収納部11に支持部材14を固定しているが、硬貨収納部11を支持部材14に着脱自在に設けるとともに、硬貨収納部11を支持部材14にロックするロック部と、このロック部による硬貨収納部11のロックを、ユーザによる解除操作に応じて解除するための解除操作部とを設けても良い。この場合、保持部としてのロック部と、解除操作部とが、保持機構として機能し、硬貨収納部11が露出位置に位置している場合に、硬貨収納部11を筐体2に分離不能に保持し、ユーザによる解除操作に応じて硬貨収納部11の保持を解除して硬貨収納部11を筐体2から分離可能にするように機能する。また、この場合、例えば、ロック部は、フックなどで構成され、かつ、硬貨収納部11と支持部材14の一方に設けられ、硬貨収納部11と支持部材14の他方に係合する係合状態と、ユーザによる解除操作に応じて硬貨収納部11と支持部材14の他方への係合が解除される解除状態とに、移行可能に構成される。
さらに、上述した実施形態では、切欠き部31を開閉蓋8の側壁部に形成しているが、開閉蓋8及び紙幣収納部10の両方に互いに連続するように形成してもよい。これにより、開閉蓋8が開放位置に位置しているときに、保持部27を開閉蓋8の切欠き部31及び紙幣収納部10の切欠き部の両方に係合させることによって、収納部としての紙幣収納部10を開閉蓋8から分離不能に保持し、ユーザによる解除操作(解除釦部28の押し操作)に応じて紙幣収納部10の保持を解除して紙幣収納部10を筐体2から分離可能にしても良い。
さらに、上述した実施形態では、電子レジスタの金銭収納装置1に適用した場合について述べたが、この発明は必ずしも金銭収納装置1である必要はなく、収納部である引出しを多段に重ねた電子機器やキャビネットなどにも適用することができる。これなでに述べた実施形態のバリエーションは適宜、組み合わせても良い。
以上、この発明の一実施形態について説明したが、この発明は、これに限られるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲を含むものである。
以下に、本願の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
(付記)
請求項1に記載の発明は、一部が筐体に接触または収納される第1位置と前記筐体から離間した第2位置との間で移動するように動作可能な可動体が設けられた前記筐体の下部に回動可能に設けられ、足部を有し、前記筐体の前記下部に対する回動により、前記足部が前記第1位置と前記第2位置の並び方向に回動移動して前記筐体の前記下部から出没可能な倒れ防止部材と、前記可動体の動作を前記倒れ防止部材に伝達することにより前記倒れ防止部材を前記筐体の前記下部に対して回動させて、前記足部を前記筐体の前記下部から出没させる連動機構と、を備えていることを特徴とする転倒防止装置である。
請求項2に記載の発明は、筐体と、前記筐体に対し鉛直面内において第1位置と第2位置との間で回動可能で、前記第2位置にある場合に、前記第1位置にある場合と比較して、自装置の重心が前記筐体の水平面内における外側に位置するように前記筐体に設けられた可動体と、前記筐体が載置された載置面に接触可能な接触部を有し、前記筐体に対して水平面内で回動することにより、前記可動体が前記第1位置から前記第2位置に回動するのに伴って前記自装置の重心が水平面内において変位する方向と同じ方向に前記接触部が前記筐体よりも突出可能に前記筐体に設けられた倒れ防止部材と、前記可動体の鉛直面内での回動による回動動力を水平面内での回動動力に変換した状態で前記倒れ防止部材に伝達することで、前記倒れ防止部材を前記筐体に対して水平面内で回動させることによって、前記可動体が前記第2位置にあるときに前記接触部を前記同じ方向に前記筐体よりも突出させる連動機構と、を備えることを特徴とする転倒防止装置である。
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の転倒防止装置において、前記可動体は、前記筐体に第1支持軸を中心に回動可能に設けられ、前記可動体の一部としての自由端部が、前記第1位置にあるときに前記筐体のある部分に接触することを特徴とする転倒防止装置である。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の転倒防止装置において、前記連動機構は、前記可動体と共に回動可能な第1回動体と、前記第1回動体の回動に連動して回動可能な第2回動体と、前記第2回動体の回動動作に連動して前記並び方向に移動して前記倒れ防止部材を前記筐体の下部に対して回動させるスライド体と、を備えていることを特徴とする転倒防止装置である。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の転倒防止装置において、前記第1回動体は、カム溝を有し、前記第1支持軸を中心に回動可能であり、前記第2回動体は、前記第1回動体の前記カム溝に沿って回動移動可能な第1ピンと、前記スライド体に連結された第2ピンと、を備え、前記カム溝に沿った前記第1ピンの回動移動に連動して回動し、前記スライド体は、当該スライド体の一部が前記倒れ防止部材に連結され、前記第2回動体の回動に連動して前記並び方向に移動可能であることを特徴とする転倒防止装置である。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の転倒防止装置において、前記第1回動体は、前記可動体と一体に回動可能であり、前記第2回動体は、前記第1支持軸と略平行に延びる第2支持軸を中心として回動可能であることを特徴とする転倒防止装置である。
請求項7に記載の発明は、請求項3に記載の転倒防止装置において、前記筐体は、縦長の箱状に形成されており、前記第1支持軸は、前記筐体の下部に位置し、前記筐体の上下方向に略直交する方向に延びており、前記可動体は、前記第1支持軸を中心として、前記筐体の上下方向に回動可能であることを特徴とする転倒防止装置である。
請求項8に記載の発明は、請求項3に記載の転倒防止装置において、前記筐体には、前記筐体内を外部に連通させるための開口が設けられ、前記可動体は前記開口を開閉可能な開閉蓋であって、前記可動体の前記自由端部は前記開口の縁部に接触し、前記筐体には、前記開閉蓋に連動して、前記開閉蓋が開いた状態のときに前記筐体から前記並び方向に露出し、前記開閉蓋が閉じた状態のときに前記筐体内に収納される収納部が設けられていることを特徴とする転倒防止装置である。
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載された前記転倒防止装置、前記筐体、前記開閉蓋、および、前記収納部を備えていることを特徴とする収納装置である。
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の収納装置において、前記開口は前記筐体の前面に設けられており、前記開閉蓋と、前記筺体の裏面に設けられた背面部とにおける各両側部に、傾斜部がそれぞれ設けられていることを特徴とする収納装置である。
請求項11に記載の発明は、請求項9に記載の収納装置において、前記開閉蓋は、閉じた状態のときに、前記筐体の前側に突出する形状に形成され、前記突出した前記開閉蓋の内部に前記収納部が配置されて収納され、前記収納部は金銭を収納可能であることを特徴とする収納装置である。
1 金銭収納装置
2 筐体
2a 傾斜部
2b 釦孔
2d 開口
3 キー入力部
4 主表示部
5 プリンタカバー
6 記録紙排出口
7 スライドスイッチ
8 開閉蓋
9 背面板
10 紙幣収納部
10a 紙幣押え
10b 側壁部
11 硬貨収納部
12 第1支持軸
13 第1回動体
13a カム溝
13b 歯車部
14 支持部材
14a ラック部
15 ガイド溝
16 転倒防止装置
17 倒れ防止部材
17a 足部
18 連動機構
19 第3支持軸
20 第2回動体
21 スライド体
22 第2支持軸
23 第1ピン
24 第2ピン
25 保持機構
26 保持解除部材
27 保持部
28 解除釦部
29 軸部
29a 軸受部
30 ばね部材
31 切欠き部
33 位置合わせ部

Claims (11)

  1. 一部が筐体に接触または収納される第1位置と前記筐体から離間した第2位置との間で移動するように動作可能な可動体が設けられた前記筐体の下部に回動可能に設けられ、足部を有し、前記筐体の前記下部に対する回動により、前記足部が前記第1位置と前記第2位置の並び方向に回動移動して前記筐体の前記下部から出没可能な倒れ防止部材と、
    前記可動体の動作を前記倒れ防止部材に伝達することにより前記倒れ防止部材を前記筐体の前記下部に対して回動させて、前記足部を前記筐体の前記下部から出没させる連動機構と、
    を備えていることを特徴とする転倒防止装置。
  2. 筐体と、
    前記筐体に対し鉛直面内において第1位置と第2位置との間で回動可能で、前記第2位置にある場合に、前記第1位置にある場合と比較して、自装置の重心が前記筐体の水平面内における外側に位置するように前記筐体に設けられた可動体と、
    前記筐体が載置された載置面に接触可能な接触部を有し、前記筐体に対して水平面内で回動することにより、前記可動体が前記第1位置から前記第2位置に回動するのに伴って前記自装置の重心が水平面内において変位する方向と同じ方向に前記接触部が前記筐体よりも突出可能に前記筐体に設けられた倒れ防止部材と、
    前記可動体の鉛直面内での回動による回動動力を水平面内での回動動力に変換した状態で前記倒れ防止部材に伝達することで、前記倒れ防止部材を前記筐体に対して水平面内で回動させることによって、前記可動体が前記第2位置にあるときに前記接触部を前記同じ方向に前記筐体よりも突出させる連動機構と、
    を備えることを特徴とする転倒防止装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の転倒防止装置において、
    前記可動体は、前記筐体に第1支持軸を中心に回動可能に設けられ、前記可動体の一部としての自由端部が、前記第1位置にあるときに前記筐体のある部分に接触する
    ことを特徴とする転倒防止装置。
  4. 請求項3に記載の転倒防止装置において、
    前記連動機構は、
    前記可動体と共に回動可能な第1回動体と、
    前記第1回動体の回動に連動して回動可能な第2回動体と、
    前記第2回動体の回動動作に連動して前記並び方向に移動して前記倒れ防止部材を前記筐体の下部に対して回動させるスライド体と、を備えている
    ことを特徴とする転倒防止装置。
  5. 請求項4に記載の転倒防止装置において、
    前記第1回動体は、カム溝を有し、前記第1支持軸を中心に回動可能であり、
    前記第2回動体は、前記第1回動体の前記カム溝に沿って回動移動可能な第1ピンと、前記スライド体に連結された第2ピンと、を備え、前記カム溝に沿った前記第1ピンの回動移動に連動して回動し、
    前記スライド体は、当該スライド体の一部が前記倒れ防止部材に連結され、前記第2回動体の回動に連動して前記並び方向に移動可能である
    ことを特徴とする転倒防止装置。
  6. 請求項5に記載の転倒防止装置において、
    前記第1回動体は、前記可動体と一体に回動可能であり、
    前記第2回動体は、前記第1支持軸と略平行に延びる第2支持軸を中心として回動可能である
    ことを特徴とする転倒防止装置。
  7. 請求項3に記載の転倒防止装置において、
    前記筐体は、縦長の箱状に形成されており、
    前記第1支持軸は、前記筐体の下部に位置し、前記筐体の上下方向に略直交する方向に延びており、
    前記可動体は、前記第1支持軸を中心として、前記筐体の上下方向に回動可能である
    ことを特徴とする転倒防止装置。
  8. 請求項3に記載の転倒防止装置において、
    前記筐体には、前記筐体内を外部に連通させるための開口が設けられ、
    前記可動体は前記開口を開閉可能な開閉蓋であって、前記可動体の前記自由端部は前記開口の縁部に接触し、
    前記筐体には、前記開閉蓋に連動して、前記開閉蓋が開いた状態のときに前記筐体から前記並び方向に露出し、前記開閉蓋が閉じた状態のときに前記筐体内に収納される収納部が設けられている
    ことを特徴とする転倒防止装置。
  9. 請求項8に記載された前記転倒防止装置、前記筐体、前記開閉蓋、および、前記収納部を備えていることを特徴とする収納装置。
  10. 請求項9に記載の収納装置において、
    前記開口は前記筐体の前面に設けられており、
    前記開閉蓋と、前記筺体の裏面に設けられた背面部とにおける各両側部に、傾斜部がそれぞれ設けられている
    ことを特徴とする収納装置。
  11. 請求項9に記載の収納装置において、
    前記開閉蓋は、閉じた状態のときに、前記筐体の前側に突出する形状に形成され、前記突出した前記開閉蓋の内部に前記収納部が配置されて収納され、
    前記収納部は金銭を収納可能である
    ことを特徴とする収納装置。

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