JP2023044406A - 圧電素子 - Google Patents

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Tomoya Joya
愛美 鈴木
Yoshimi Suzuki
英雄 山田
Hideo Yamada
崇治 片上
Takaharu Kataue
孝英 臼井
Takahide Usui
尚 掛札
Takashi Kakefuda
尚己 桝本
Naomi Masumoto
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Abstract

【課題】検出帯域が狭くなることを抑制できる圧電素子を提供する。【解決手段】支持体10と、支持体10上に配置され、圧電膜40および圧電膜40と接続される電極膜50を含み、支持体10に支持される支持領域21aと、支持領域21aと繋がっていると共に支持体10から浮遊している浮遊領域21bとを有する振動部20と、を備える。そして、浮遊領域21bは、スリット30によって区画された複数の振動領域22a~22dを有し、隣合う振動領域22a~22aは、支持領域21a側の部分で繋がるようにする。【選択図】図1

Description

本発明は、振動部を有する圧電素子に関するものである。
従来より、振動部を有する圧電素子が提案されている(例えば、特許文献1参照)。具体的には、この圧電素子は、支持体上に、圧電膜および圧電膜と電気的に接続される電極膜を有する振動部が積層された構成とされている。そして、圧電素子は、支持体に凹部が形成されており、振動部の一部が支持体から浮遊した浮遊領域となっている。また、この圧電素子では、浮遊領域にスリットが形成されることにより、浮遊領域が複数の領域に分割されて振動領域が構成されている。なお、この圧電素子は、浮遊領域を完全に4つの領域に分割するようにスリットが形成されている。
このような圧電素子は、振動領域に音圧等の圧力が印加されることで振動領域が振動し、圧電膜に発生する電荷を検出信号として出力する。
特許第5936154号公報
しかしながら、上記の圧電素子では、スリットを介して圧力が抜け出るため、検出帯域が狭くなる可能性がある。
本発明は上記点に鑑み、検出帯域が狭くなることを抑制できる圧電素子を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための請求項1では、支持体(10)上に振動部(20)が配置された圧電素子であって、支持体と、支持体上に配置され、圧電膜(40)および圧電膜と接続される電極膜(50)を含み、支持体に支持される支持領域(21a)と、支持領域と繋がっていると共に支持体から浮遊している浮遊領域(21b)とを有する振動部と、を備え、浮遊領域は、スリット(30)によって区画された複数の振動領域(22a~22d)を有し、隣合う振動領域は、支持領域側の部分で繋がっている。
これによれば、隣合う各振動領域が支持領域側の部分にて繋がった状態となっている。このため、隣合う各振動領域が完全に分離されている場合と比較して、スリットの開口面積を小さくできる。したがって、低周波ロールオフ周波数を小さくすることで検出帯域が狭くなることを抑制できる。また、隣合う各振動領域が支持領域側と反対側の部分にて繋がった状態となっている場合と比較して、各振動領域を繋げることによる各振動領域の振動への影響が小さくなり易く、検出感度が低下することを抑制できる。
なお、各構成要素等に付された括弧付きの参照符号は、その構成要素等と後述する実施形態に記載の具体的な構成要素等との対応関係の一例を示すものである。
第1実施形態における圧電素子の平面図である。 図1中のII-II線に沿った断面図である。 図1中のIII-III線に沿った断面図である。 付加薄膜のスリットの被覆率と、ロールオフ周波数および感度低下との関係を示す図である。 第2実施形態における圧電素子の平面図である。 図5中のVI-VI線に沿った振動部および付加薄膜の断面模式図である。 図5中のVII-VII線に沿った振動部および付加薄膜の断面模式図である。 第3実施形態における圧電素子の平面図である。 第3実施形態の変形例における圧電素子の平面図である。 第4実施形態における圧電素子の平面図である。 第5実施形態における圧電素子の平面図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付して説明を行う。
(第1実施形態)
第1実施形態の圧電素子について、図1~図3を参照しつつ説明する。なお、本実施形態の圧電素子は、スマートフォンやAI(artificial intelligenceの略)スピーカ等に搭載される圧電マイク等に用いられると好適である。また、本実施形態の圧電素子は、超音波センサ等に用いられると好適である。
圧電素子は、図1~図3に示されるように、支持体10と、支持体10上に配置された振動部20とを備え、平面形状が矩形状とされている。支持体10は、一面11aを有する支持基板11と、支持基板11の一面11a上に形成された絶縁膜12とを有している。なお、支持基板11は、例えば、シリコン基板等で構成され、絶縁膜12は、酸化膜等で構成されている。
支持体10には、振動部20における内縁側を浮遊させるための凹部10aが形成されている。このため、振動部20は、支持体10上に配置された支持領域21aと、支持領域21aと繋がっていると共に凹部10a上で浮遊する浮遊領域21bとを有する構成となっている。本実施形態の凹部10aは、振動部20側の開口端の形状が平面矩形状とされている。したがって、浮遊領域21bの全体は、平面矩形状とされている。
また、本実施形態の振動部20には、外縁部分に絶縁膜12の外縁部分を露出させる開口部20aが形成されている。絶縁膜12には、外縁部分に支持基板11の外縁部分を露出させる開口部12aが形成されている。このため、支持基板11の外縁部分は、絶縁膜12および振動部20から露出した状態となっている。なお、絶縁膜12に形成された開口部12aおよび振動部20に形成された開口部20aは、圧電素子を製造する際のダイシング工程を容易にするものであり、必ずしも形成されていなくてもよい。
浮遊領域21bには、当該浮遊領域21bを厚さ方向に貫通するスリット30が形成されている。本実施形態のスリット30は、浮遊領域21bを4分割するように形成されている。詳しくは、スリット30は、浮遊領域21bの中心部Cを通り、浮遊領域21bの相対する角部に向かって延設されるように、2本形成されている。言い換えると、スリット30は、平面矩形状とされた浮遊領域21bの各角部から中心部Cに向かって延設されると共に、中心部Cにて各スリット30が交差するように形成されている。これにより、浮遊領域21bは、略平面三角形状とされた第1~第4振動領域22a~22dに分離されている。特に限定されるものではないが、本実施形態では、各振動領域22a~22d同士の間隔(すなわち、スリット30の幅)が1μm程度とされている。また、本実施形態では、スリット30は、支持領域21aまで延設されているが、浮遊領域21bと支持領域21aとの境界部で終端するように形成されていてもよい。
そして、第1~第4振動領域22a~22dは、上記の構成とされることにより、支持領域21a側の端部が固定端とされ、支持領域21aと反対側の先端部(以下では、単に先端部ともいう)が自由端とされたカンチレバーとされている。
振動部20は、圧電膜40および圧電膜40と接続される電極膜50を有する構成とされている。具体的には、圧電膜40は、下層圧電膜41と、下層圧電膜41上に積層される上層圧電膜42とを有している。なお、下層圧電膜41および上層圧電膜42は、窒化スカンジウムアルミニウム(ScAlN)や、窒化アルミニウム(AlN)等の鉛フリーの圧電セラミックス等を用いて構成されている。また、下層圧電膜41および上層圧電膜42は、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等を用いて構成される。
電極膜50は、圧電膜40と接続されるように各振動領域22a~22dに形成されており、モリブデン(Mo)を用いて構成されている。但し、電極膜50は、モリブデンの他に、チタン(Ti)、プラチナ(Pt)、アルミニウム(Al)、ルテニウム(Ru)等の金属材料を用いて構成されていてもよい。
そして、本実施形態では、電極膜50として、下層圧電膜41の下方に形成された下層電極膜51と、下層圧電膜41と上層圧電膜42との間に形成された中間電極膜52と、上層圧電膜42の上方に形成された上層電極膜53とが形成されている。なお、下層電極膜51と中間電極膜52とは、下層圧電膜41を挟んで対向するように配置されている。中間電極膜52と上層電極膜53とは、上層圧電膜42を挟んで対向するように配置されている。
ここで、本実施形態の圧電素子は、後述するように、各振動領域22a~22dが振動することで変化する電荷を検出信号として出力する。そして、本実施形態の圧電素子は、第1~第4振動領域22a~22dにおける電荷の変化を1つの圧力検出信号として出力するように構成されている。具体的には、第1~第4振動領域22a~22dの電極膜50は、図示しない配線部を介して電気的に直列に接続されている。より詳しくは、第1振動領域22a~22dは、いわゆるバイモルフ構造とされており、各振動領域22a~22dに形成される各下層電極膜51、各中間電極膜52、各上層電極膜53がそれぞれ並列に接続されつつ、各振動領域22a~22d間が直列に接続されている。
そして、圧電素子には、第1~第4振動領域22a~22dの電極膜50が直列に接続されたものの端部となる部分と接続されるように、第1電極部61および第2電極部62が形成されている。具体的には、第1電極部61は、第1貫通電極61bおよび第1パッド部61cを有する構成とされており、支持領域21aにて、第1振動領域22aに形成された下層電極膜51および上層電極膜53と接続されるように形成されている。第2電極部62は、第2貫通電極62bおよび第2パッド部62cを有する構成とされており、支持領域21aにて、第4振動領域22dに形成された中間電極膜52と電気的に接続されるように形成されている。
より詳しくは、図2に示されるように、第1振動領域22aに形成された下層電極膜51および上層電極膜53は、支持領域21aまで延設されている。そして、上層圧電膜42、下層圧電膜41を貫通して下層電極膜51を露出させるように第1孔部61aが形成され、第1貫通電極61bは、下層電極膜51と電気的に接続されるように第1孔部61aに配置されている。第1パッド部61cは、第1貫通電極61bおよび上層電極膜53と電気的に接続されるように、上層圧電膜42上に配置されている。
また、図3に示されるように、第4振動領域22dに形成された中間電極膜52は、支持領域21aまで延設されている。そして、上層圧電膜42を貫通して中間電極膜52を露出させるように第2孔部62aが形成され、第2貫通電極62bは、中間電極膜52と電気的に接続されるように第2孔部62aに配置されている。第2パッド部62cは、第2貫通電極62bと電気的に接続されるように、上層圧電膜42上に配置されている。
さらに、本実施形態の振動部20は、支持体10側に、下層圧電膜41および下層電極膜51が配置されるバッファ層70を有している。なお、バッファ層70は、例えば、窒化アルミニウム(AlN)等で構成される。
そして、本実施形態の圧電素子では、浮遊領域21bに形成されたスリット30の一部を被覆するように付加薄膜81が備えられている。具体的には、付加薄膜81は、スリット30のうちの支持領域21a側に位置する部分に配置されている。また、付加薄膜81は、スリット30を介して隣合う振動領域22a~22dを繋ぐように形成されている。このため、各振動領域22a~22dは、支持領域21a側の部分で繋がった状態となっている。
本実施形態では、付加薄膜81は、支持領域21a側から浮遊領域21bに渡って形成されている。但し、付加薄膜81は、浮遊領域21bのみに形成されていてもよく、スリット30における支持領域21a側の端部が付加薄膜81から露出するように配置されていてもよい。
なお、この付加薄膜81は、スリット30から圧力を抜け難くするためのものである。このため、付加薄膜81は、スリット30内にも配置されるようにしてもよいし、スリット30内に配置されないようにしてもよい。また、付加薄膜81は、各振動領域22a~22dの振動に影響し難くなるように、ヤング率が低い材料で構成されることが好ましく、例えば、ウレタンを含有する有機材料を用いて構成される。
以上が本実施形態における圧電素子の構造である。このような圧電素子は、各振動領域22a~22dに音圧等の圧力が印加されると、各振動領域22a~22dが振動する。そして、例えば、各振動領域22a~22dの先端部側(すなわち、自由端側)が上方に変位した場合、下層圧電膜41には引張応力が発生し、上層圧電膜42には圧縮応力が発生する。したがって、第1電極部61および第2電極部62から当該電荷を取り出すことにより、音圧等の圧力が検出される。
この際、本実施形態では、付加薄膜81によってスリット面積が小さくされている。このため、圧力がスリット30から抜け難くなり、図4に示されるように、ロールオフ周波数を小さくすることで検出帯域を広くすることができる。なお、図4中の感度低下は、音圧を1KHzとした際のシミュレーション結果を示している。また、ここでのスリット面積とは、支持体10と振動部20との積層方向から視た際のスリット30の面積のことであり、スリット30の開口面積のことである。
この場合、付加薄膜81が被覆するスリット30が大きくなるほどロールオフ周波数を小さくできるが、付加薄膜81が被覆するスリット30が大きくなるほど各振動領域22a~22dの振動が阻害されるために感度が低下する。したがって、付加薄膜81が被覆するスリット30の面積は、要求される性能に応じて調整されることが好ましい。
例えば、図1に示されるように、スリット30の長手方向に沿った長さを長さL1とし、付加薄膜81におけるスリット30の長手方向に沿った長さを長さL2とする。この場合、本発明者らの検討によれば、スリット30の長さL1を477μmにした場合には、付加薄膜81の長さL2を250μmにすることにより、ロールオフ周波数を20Hz程度にすることができることが確認された。なお、ロールオフ周波数を20Hzにするとは、可聴域における低周波数側の周波数にロールオフ周波数を合わせることである。
また、付加薄膜81は、図1に示されるように、スリット30の長手方向と交差する方向の長さを幅dとすると、幅dが狭いほど各振動領域22a~22dの振動に影響し難くなる。ここで、本実施形態の付加薄膜81は、上記のように有機材料を用いて構成される。そして、この付加薄膜81は、例えば、有機材料が塗布されてパターニングされることで構成される。このため、付加薄膜81は、製造限界や製造工程の簡略化を加味すると、幅dがスリット30の幅と15μmとの和より少なくなるように形成されることが好ましい。
以上説明した本実施形態によれば、スリット30のうちの支持領域21a側の部分を被覆するように付加薄膜81が備えられており、隣合う各振動領域22a~22dが支持領域21a側の部分にて繋がった状態となっている。このため、スリット30の開口面積を小さくでき、低周波ロールオフ周波数を小さくすることで検出帯域が狭くなることを抑制できる。
また、付加薄膜81は、スリット30のうちの支持領域21a側の部分を被覆するように備えられている。このため、付加薄膜81がスリット30のうちの支持領域21aと反対側の部分に備えられている場合と比較して、付加薄膜81が各振動領域22a~22dの振動に影響し難くなり、検出感度が低下することを抑制できる。
(1)本実施形態では、スリット30のうちの支持領域21a側の部分を被覆するように付加薄膜81を備えている。このため、容易にスリット30の開口面積を調整できる。
(第2実施形態)
第2実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態に対し、付加薄膜を追加したものである。その他に関しては、第1実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
本実施形態の圧電素子では、図5~図7に示されるように、浮遊領域21bに形成されたスリット30のうちの支持領域21a側と反対側の部分を被覆する付加薄膜82が配置されている。言い換えると、圧電素子は、スリット30のうちの第1~第4振動領域22a~22dの自由端側を区画する部分にも付加薄膜82が配置されている。このため、各振動領域22a~22dは、自由端側の部分も繋がった状態となっている。以下、本実施形態では、スリット30のうちの支持領域21a側を被覆する付加薄膜81を固定端側付加薄膜81とし、スリット30のうちの支持領域21a側と反対側の部分を被覆する付加薄膜82を自由端側付加薄膜82とする。
なお、図6および図7は、振動部20の形状を簡略化して示しているが、実際には、図2および図3のように振動部20が形成されている。また、図6では、自由端側付加薄膜82がスリット30を埋め込むように配置されている図が示されているが、自由端側付加薄膜82は、スリット30を埋め込むように配置されていなくてもよい。同様に、図7では、固定端側付加薄膜81がスリット30を埋め込むように配置されている図が示されているが、固定端側付加薄膜81は、スリット30を埋め込むように配置されていなくてもよい。
そして、自由端側付加薄膜82は、固定端側付加薄膜81よりも厚さが厚くされている。また、自由端側付加薄膜82は、固定端側付加薄膜81よりもヤング率が大きくされている。例えば、自由端側付加薄膜82は、ヤング率が4GPa程度であるポリイミド等で構成され、厚さが3μm程度とされる。一方、固定端側付加薄膜81は、ヤング率が0.1GPa程度であるウレタン等で構成され、厚さが1μm程度とされる。
以上説明した本実施形態によれば、スリット30のうちの支持領域21a側の部分を被覆するように付加薄膜81が備えられているため、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(1)本実施形態では、スリット30のうちの支持領域21a側と反対側の部分に自由端側付加薄膜82が配置されている。このため、圧電素子を製造した際に発生する各振動領域22a~22dの残留応力により、振動領域22a~22dの自由端側が反ることを抑制できる。したがって、スリット面積が大きくなることを抑制でき、検出帯域が低下することを抑制できる。
(2)本実施形態では、自由端側付加薄膜82は、固定端側付加薄膜81よりも、厚さが厚くされていると共にヤング率が大きくされている。このため、自由端側付加薄膜82が、固定端側付加薄膜81よりも厚さが薄くされていると共にヤング率が小さくされている場合と比較して、残留応力による反りをさらに低減できる。
(第2実施形態の変形例)
上記第2実施形態の変形例について説明する。上記第2実施形態において、自由端側付加薄膜82は、固定端側付加薄膜81よりも、厚さが薄くされていると共にヤング率が小さくされていてもよい。これによれば、自由端側付加薄膜82が固定端側付加薄膜81よりも厚さが厚くされていると共にヤング率が大きくされている場合と比較して、自由端側付加薄膜82が各振動領域22a~22dの振動に影響することを抑制でき、検出感度が低下することを抑制できる。
(第3実施形態)
第3実施形態について説明する。本実施形態は、第2実施形態に対し、各振動領域22a~22dにおける先端部側の形状を変更したものである。その他に関しては、第2実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
本実施形態の圧電素子は、図8に示されるように、各振動領域22a~22dは、積層方向において、自由端側付加薄膜82と重なる部分が少なくなるように、先端部側が丸みを帯びた形状とされている。言い換えると、各振動領域22a~22dは、先端部が面取りされた形状とされている。
以上説明した本実施形態によれば、スリット30のうちの支持領域21a側の部分を被覆するように付加薄膜81が備えられているため、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(1)本実施形態では、各振動領域22a~22dは、積層方向において、自由端側付加薄膜82と重なる部分が少なくなるように、先端部側が丸みを帯びた形状とされている。このため、自由端側付加薄膜82が各振動領域22a~22dの振動にさらに影響し難くなり、検出感度が低下することをさらに抑制できる。
(第3実施形態の変形例)
上記第3実施形態の変形例について説明する。上記第3実施形態において、各振動領域22a~22dは、先端部側が面取りされた平面台形状とされていてもよい。このような圧電素子としても、自由端側付加薄膜82が各振動領域22a~22dの振動に影響し難くなるため、上記第3実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第4実施形態)
第4実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態に対し、付加薄膜81の形状を変更したものである。その他に関しては、第1実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
本実施形態の圧電素子では、図10に示されるように、付加薄膜81は、積層方向において、平面楕円形状とされている。言い換えると、付加薄膜81は、角部が面取りされた平面形状とされている。
以上説明した本実施形態によれば、スリット30のうちの支持領域21a側の部分を被覆するように付加薄膜81が備えられているため、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(1)本実施形態では、付加薄膜81は、積層方向において、角部が面取りされた平面形状とされている。このため、付加薄膜81の所定箇所に応力が集中することを抑制でき、付加薄膜81が剥がれることを抑制できる。なお、特に図示しないが、上記第2実施形態や上記第3実施形態の自由端側付加薄膜82においても、角部が面取りされた平面形状とされることにより、自由端側付加薄膜82が剥がれることを抑制できる。
(第5実施形態)
第5実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態に対し、スリット30の形状を変更したものである。その他に関しては、第1実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
本実施形態の圧電素子では、図11に示されるように、スリット30は、平面矩形状とされた浮遊領域21bの各角部に達するようには形成されておらず、浮遊領域21b内で終端する形状とされている。このため、各振動領域22a~22dは、支持領域21a側の部分で繋がった状態となっている。
以上説明した本実施形態によれば、各振動領域22a~22dが支持領域21a側の部分で繋がるようにスリット30を形成しているため、スリット30の開口面積を少なくできる。したがって、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(他の実施形態)
本開示は、実施形態に準拠して記述されたが、本開示は当該実施形態や構造に限定されるものではないと理解される。本開示は、様々な変形例や均等範囲内の変形をも包含する。加えて、様々な組み合わせや形態、さらには、それらに一要素のみ、それ以上、あるいはそれ以下、を含む他の組み合わせや形態をも、本開示の範疇や思想範囲に入るものである。
例えば、上記各実施形態において、浮遊領域21bは、平面形状が矩形状ではなく、五角形状、六角形状、八角形状等の多角形状とされていてもよい。また、浮遊領域21bに形成される振動領域22a~22dの数は適宜変更可能である。さらに、圧電素子は、平面形状が矩形状ではなく、五角形状や六角形状等の多角形状とされていてもよい。
また、上記各実施形態において、振動部20は、少なくとも1層の圧電膜40と、1層の電極膜50とを有する構成とされていればよい。
そして、上記各実施形態において、圧電素子には、振動部20に形成される開口部20aや絶縁膜12に形成される開口部12aが形成されていなくてもよい。
さらに、上記各実施形態において、各振動領域22a~22dは、それぞれの電荷を検出信号として出力するようにしてもよい。この場合には、各振動領域22a~22dの下層電極膜51および上層電極膜53に第1電極部61が接続され、各振動領域22a~22dの中間電極膜52に第2電極部62が接続される。
そして、上記各実施形態を組み合わせることもできる。例えば、上記第2、第3実施形態を上記第4実施形態に組み合わせ、自由端側付加薄膜82の平面形状を角部が面取りされた形状とするようにしてもよい。
10 支持体
20 振動部
21a 支持領域
21b 浮遊領域
22a~22d 振動領域
30 スリット
40 圧電膜
50 電極膜

Claims (7)

  1. 支持体(10)上に振動部(20)が配置された圧電素子であって、
    前記支持体と、
    前記支持体上に配置され、圧電膜(40)および前記圧電膜と接続される電極膜(50)を含み、前記支持体に支持される支持領域(21a)と、前記支持領域と繋がっていると共に前記支持体から浮遊している浮遊領域(21b)とを有する前記振動部と、を備え、
    前記浮遊領域は、スリット(30)によって区画された複数の振動領域(22a~22d)を有し、
    隣合う前記振動領域は、前記支持領域側の部分で繋がっている圧電素子。
  2. 前記スリットは、前記浮遊領域から前記支持領域に達するように形成されており、
    隣合う前記振動領域は、前記スリットのうちの前記支持領域側の部分を被覆する付加薄膜(81)が配置されることにより、前記支持領域側の部分が繋がっている請求項1に記載の圧電素子。
  3. 隣合う前記振動領域は、前記スリットのうちの前記支持領域側と反対側の部分を被覆する付加薄膜(82)が配置されることより、前記支持領域側と反対側の部分が繋がっている請求項2に記載の圧電素子。
  4. 前記支持領域側と反対側に配置される付加薄膜は、前記支持領域側に配置される付加薄膜より、厚さが厚くされていると共にヤング率が大きくされている請求項3に記載の圧電素子。
  5. 前記支持領域側と反対側に配置される付加薄膜は、前記支持領域側に配置される付加薄膜より、厚さが薄くされていると共にヤング率が小さくされている請求項3に記載の圧電素子。
  6. 前記付加薄膜は、角部が面取りされた平面形状とされている請求項2ないし5のいずれか1つに記載の圧電素子。
  7. 隣合う前記振動領域は、前記スリットが前記浮遊領域内で終端することにより、前記支持領域側の部分で繋がっている請求項1に記載の圧電素子。
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