JP2023043966A - 電気剥離性粘着シート - Google Patents

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慎弥 高岡
Shinya Takaoka
幹広 樫尾
Mikihiro Kashio
智史 川田
Tomohito Kawada
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Abstract

【課題】例えば、電圧印加によって、短絡が生じ難く、粘着力を容易に低下させることができる新規な電気剥離性粘着シートが求められている。【解決手段】導電性基材(Y)、及び当該導電性基材(Y)の片面又は両面の少なくとも一部の表面に積層した層(X)を有し、層(X)が、電圧を印加することで粘着性が低下し得る電気剥離性粘着剤組成物から形成され、導電性基材(Y)と接触する表面(β)及び導電性被着体と貼付し得る粘着表面(α)とを有する電気剥離性粘着剤層(X1)と、絶縁層(X2)とを含み、粘着表面(α)側から層(X)を平面視した際に、粘着表面(α)は絶縁層(X2)に囲まれた位置に存在する、電気剥離性粘着シート。【選択図】図1

Description

本発明は、電気剥離性粘着シート、及び導電性被着体の剥離方法に関する。
粘着シートの特性の一つとして、例えば、仮固定用テープ、表面保護フィルム、塗装用又は装飾用マスキングテープ、再剥離可能なメモ等の用途において、再剥離性が求められる場合がある。
再剥離性粘着シートは、被着体に貼付された際に、運搬時、貯蔵時、加工時等においては被着体から剥離しない程度の粘着力が求められる一方、機能を果たし終えた後には、容易に除去し得る再剥離性が求められる。
ところで、このような再剥離性粘着シートに用いられる粘着剤として、電圧を印加することにより粘着力が低下することができる電気剥離性粘着シートが様々提案されている。
例えば、特許文献1には、導電層と基材層とを備える通電用基材と、導電層側に形成された電気剥離性の第1の粘着剤層と、基材層側に形成された第2の粘着剤層とを有する粘着シートであって、通電用基材が、当該粘着シートの面広がり方向において、第1の粘着剤層及び第2の粘着剤層よりも伸びて延出する延出部を有する、電気剥離性粘着シートが開示されている。
特開2019-156914号公報
特許文献1に記載された電気剥離性粘着シートは、通電用基材が面方向に延出した延出部を有しているため、例えば、電子部品の仮固定用途に用いた場合、通電用基材の延出部が他の部材と接触してしまい、電子機器の誤作動及び不具合の原因ともなりかねない。また、導電性被着体から貼付していた電気剥離性粘着シートを剥離するために、導電性被着体と通電用基材にそれぞれ電極を接続して電圧印加している際に、通電用基材が導電性被着体に接触して短絡(ショート)してしまう可能性もある。
このような状況下、例えば、電圧印加によって、短絡が生じ難く、粘着力を容易に低下させることができる新規な電気剥離性粘着シートが求められている。
本発明は、導電性基材、当該導電性被着体の片面又は表面の少なくとも一部の表面に積層した層を有し、当該層が電気剥離性粘着剤層と絶縁層とを含み、前記粘着表面側から前記層を平面視した際に、前記粘着表面(α)は絶縁層(X2)に囲まれた位置に存在する電気剥離性粘着シートを提供する。
具体的には、本発明は下記態様を提供する。
[1]導電性基材(Y)、及び当該導電性基材(Y)の片面又は両面の少なくとも一部の表面に積層した層(X)を有し、
層(X)が、電圧を印加することで粘着性が低下し得る電気剥離性粘着剤組成物から形成され、導電性基材(Y)と接触する表面(β)及び導電性被着体と貼付し得る粘着表面(α)とを有する電気剥離性粘着剤層(X1)と、絶縁層(X2)とを含み、
粘着表面(α)側から層(X)を平面視した際に、粘着表面(α)は絶縁層(X2)に囲まれた位置に存在する、
電気剥離性粘着シート。
[2]絶縁層(X2)の少なくとも一部の表面が、導電性基材(Y)と接触する、上記[1]に記載の電気剥離性粘着シート。
[3]粘着表面(α)側から層(X)を平面視した際に、粘着表面(α)の外周端部及び絶縁層(X2)の内周端部の少なくとも一方が、粘着表面(α)と絶縁層(X2)との境界となる、上記[1]又は[2]に記載の電気剥離性粘着シート。
[4]粘着表面(α)側から層(X)を平面視した際に、粘着表面(α)の少なくとも一部の外周端部と空隙部(X3)を隔てて、当該外周端部と略平行となるように絶縁層(X2)が位置する、上記[1]~[3]のいずれか一項に記載の電気剥離性粘着シート。
[5]電気剥離性粘着剤層(X1)と絶縁層(X2)とが面方向で隣接してなる、上記[1]~[4]のいずれか一項に記載の電気剥離性粘着シート。
[6]絶縁層(X2)の少なくとも一部が、電気剥離性粘着剤層(X1)上に積層してなる、上記[1]~[5]のいずれか一項に記載の電気剥離性粘着シート。
[7]絶縁層(X2)が、導電性基材(Y)と接触せずに、電気剥離性粘着剤層(X1)上に積層してなる、上記[6]に記載の電気剥離性粘着シート。
[8]絶縁層(X2)が、樹脂を含む樹脂層を含む、上記[1]~[7]のいずれか一項に記載の電気剥離性粘着シート。
[9]絶縁層(X2)が、剥離材である、上記[1]~[8]のいずれか一項に記載の電気剥離性粘着シート。
[10]電圧を印加することで粘着性が低下し得る電気剥離性粘着剤組成物から形成され、第1導電性被着体と貼付し得る粘着表面(α)、及び、粘着表面(α)とは反対側の第2導電性被着体と貼付し得る粘着表面(β)を有する電気剥離性粘着剤層(X1)と、絶縁層(X2)と、を含む層(X)を有し、
粘着表面(α)及び(β)の少なくとも一方側から層(X)を平面視した際に、粘着表面(α)又は(β)は絶縁層(X2)に囲まれた位置に存在する、
電気剥離性粘着シート。
[11]上記[1]~[9]のいずれか一項に記載の電気剥離性粘着シートの粘着表面(α)に貼付した導電性被着体を剥離する方法であって、
下記工程(1a)~(3a)を有する、剥離方法。
・工程(1a):前記電気剥離性粘着シートの導電性基材(Y)と電極(I)を電気的に接続し、前記導電性被着体の表面と電極(II)を電気的に接続する工程。
・工程(2a):電極(I)及び(II)の間に電圧を印加する工程。
・工程(3a):粘着表面(α)から前記導電性被着体を剥離する工程。
[12]上記[10]に記載の電気剥離性粘着シートの粘着表面(α)に貼付した第1導電性被着体もしくは粘着表面(β)に貼付した第2導電性被着体を剥離する方法であって、
下記工程(1b)~(3b)を有する、剥離方法。
・工程(1b):前記第1導電性被着体と電極(I)を電気的に接続し、前記第2導電性被着体の表面と電極(II)を電気的に接続する工程。
・工程(2b):電極(I)及び(II)の間に電圧を印加する工程。
・工程(3b):粘着表面(α)もしくは粘着表面(β)から前記第1導電性被着体もしくは前記第2導電性被着体を剥離する工程。
本発明の好適な一態様の電気剥離性粘着シートは、電圧印加によって、短絡が生じ難く、粘着力を容易に低下させることができる。
本発明の第1の態様の電気剥離性粘着シートの構成の一例を示した、(a)粘着シート1Aの模式斜視図、(b)粘着シート1Aが有する層(X)を平面視した際の模式平面図、(c)粘着シート1Aを方向xに伸びる直線Z1-Z2で厚さ方向zにて切断した際の模式断面図である。 本発明の第2の態様の電気剥離性粘着シートの構成の一例を示した、(a)粘着シート2Aの模式斜視図、(b)粘着シート2Aが有する層(X)を平面視した際の模式平面図、(c)粘着シート2Aを方向xに伸びる直線Z1-Z2で厚さ方向zにて切断した際の模式断面図である。 本発明の第3の態様の電気剥離性粘着シートの構成の一例を示した、(a)粘着シート3Aの模式斜視図、(b)粘着シート3Aが有する層(X)を平面視した際の模式平面図、(c)粘着シート3Aを方向xに伸びる直線Z1-Z2で厚さ方向zにて切断した際の模式断面図である。 本発明の第4の態様の電気剥離性粘着シートの構成の一例を示した、(a)粘着シート4Aの模式斜視図、(b)粘着シート4Aが有する層(X)を平面視した際の模式平面図、(c)粘着シート4Aを方向xに伸びる直線Z1-Z2で厚さ方向zにて切断した際の模式断面図である。 本発明の第5の態様の電気剥離性粘着シートの構成の一例を示した、(a)粘着シート1Bを厚さ方向zにて切断した際の模式断面図、(b)粘着シート1Bの剥離材21を除去した際に表出した層(X)を平面視した際の模式平面図である。 本発明の第6の態様の電気剥離性粘着シートの構成の一例を示した、(a)粘着シート2Bを厚さ方向zにて切断した際の模式断面図、(b)粘着シート2Bの剥離材21を除去した際に表出した層(X)を平面視した際の模式平面図である。 本発明の第7の態様の電気剥離性粘着シートの構成の一例を示した、(a)粘着シート3Bを厚さ方向zにて切断した際の模式断面図、(b)粘着シート3Bの剥離材21を除去した際に表出した層(X)を平面視した際の模式平面図である。 本発明の第8の態様の電気剥離性粘着シートの構成の一例を示した、(a)粘着シート4Bを厚さ方向zにて切断した際の模式断面図、(b)粘着シート4Bの剥離材21の一部を除去した際の模式断面図、(c)粘着シート4Bの(b)の状態で、粘着表面(α)側から平面視した際の模式平面図である。
本明細書に記載された数値範囲は、上限値及び下限値を任意に組み合わせることができる。例えば、数値範囲として「好ましくは20~120、より好ましくは40~90」と記載されている場合、「20~90」との範囲や「40~120」との範囲も、本明細書に記載された数値範囲に含まれる。また、例えば、数値範囲として「好ましくは20以上、より好ましくは40以上であり、また、好ましくは120以下、より好ましくは90以下である」と記載されている場合、「20~90」との範囲1や「40~120」との範囲も、本明細書に記載された数値範囲に含まれる。
加えて、本明細書に記載された数値範囲として、例えば「60~100」との記載は、「60以上、100以下」という範囲であることを意味する。
本明細書において、例えば「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート」及び「メタクリレート」の双方を示す語として用いており、他の類似用語についても同様である。
また、電気剥離性粘着剤組成物の「有効成分」とは、電気剥離性粘着剤組成物に含まれる成分のうち、水や有機溶媒の希釈溶媒を除いた成分を意味する。
本明細書において、電気剥離性粘着シートを構成する各層の厚さは、JIS K6783、Z1702、Z1709に準拠して測定された値を意味し、例えば、定圧厚さ測定器(株式会社テクロック製、製品名「PG-02J」)を用いて測定できる。
本明細書において、質量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法で測定されるポリスチレン換算の値であり、具体的には実施例に記載の方法に基づいて測定された値である。
本明細書において、対象物が「導電性」であるか、もしくは「絶縁性」であるかの判断は、以下の試験方法に基づいて行うことができる。
(導電性もしくは絶縁性を判断する試験方法)
直流電源装置及び豆電球を直列につないだ電気回路の途中に、対象物をリード線を介して接続して電気回路を作成する。なお、リード線は、その先端を対象物の表面に接触させて被着体と接続させる。直流電源装置で2.5Vの電圧を印加して、作成した電気回路に通電した際の豆電球の点灯の有無を目視で観察する。豆電球の点灯を確認した場合は、対象物を「導電性」と判断する。一方で、豆電球の点灯が確認できなかった場合は、対象物を「絶縁性(非導電性)」と判断する。
本明細書において、対象となる粘着剤層が「電気剥離性」を有するか否かの判断は、以下の試験方法に基づいて行うことができる。
(電気剥離性か否かを判断する試験方法)
対象となる粘着剤層の一方の粘着面上にアルミニウム箔(例えば、日本金属箔工業社製、製品名「アルミタンタイSツヤ50フクオカ」、厚さ:50μm)を積層して試験シートを作製する。試験シートが有する粘着剤層の他方の粘着面を、被着体であるステンレス板(SUS304、360番研磨)に貼付し、重さ2kgのローラーを用い、1往復させて、試験シートを被着体に圧着させた後、23℃、50%RH(相対湿度)の環境下で、貼付後30分間静置したものを、測定用サンプルとする。
なお、上記測定用サンプルは2つ用意し、一方の測定用サンプルに対して、23℃、50%RH(相対湿度)の環境下で、引張試験機(例えば、オリエンテック社製、製品名「テンシロン」)を用いて、剥離速度300mm/分、剥離角度180°の条件で、測定用サンプルの試験シートを被着体から剥離した際に測定される値(単位:N/25mm)を電圧印加前の粘着力とする。
次に、他方の粘着力測定用サンプルに対して、電圧印加装置(例えば、株式会社高砂製作所製、製品名「KH-100H」)を用いて、陽極端子を試験シートのアルミニウム箔に接続し、陰極端子を被着体であるステンレス板に接続し、10Vの電圧を60秒間印加する。そして、電圧印加後、1分間放置した後、23℃、50%RH(相対湿度)の環境下で、引張試験機を用いて、剥離速度300mm/分、剥離角度180°の条件で、測定用サンプルの試験シートを剥離した際に測定される値(単位:N/25mm)を電圧印加後の粘着力とした。
電圧印加前後の粘着力の値から、下記式(f1)により、粘着力減少率を算出する。
・式(f1):〔粘着力減少率(%)〕=100-〔電圧印加後の粘着力〕/〔電圧印加前の粘着力〕×100
ここで、上記の粘着力減少率が50%以上であれば、測定対象の粘着剤層は「電気剥離性粘着剤層」と判断する。一方で、粘着力減少率が50%未満であれば、測定対象の粘着剤層を「非電気剥離性粘着剤層」と判断する。
〔電気剥離性粘着シートの構成〕
本発明の一態様の電気剥離性粘着シート(以下、単に「粘着シート」ともいう)は、導電性基材(Y)、及び当該導電性基材(Y)の片面又は両面の少なくとも一部の表面に積層した層(X)を有する。
本発明の一態様の粘着シートが有する層(X)は、電気剥離性粘着剤層(X1)と、絶縁層(X2)とを含む。電気剥離性粘着剤層(X1)は、電圧を印加することで粘着性が低下し得る電気剥離性粘着剤組成物から形成された層であって、導電性基材(Y)と接触する表面(β)及び導電性被着体と貼付し得る粘着表面(α)とを有する。
そして、本発明の一態様の粘着シートにおいて、粘着表面(α)側から層(X)を平面視した際に、粘着表面(α)は絶縁層(X2)に囲まれた位置に存在する。
図1~4は、本発明の第1~第4の態様の導電性基材(Y)付きの電気剥離性粘着シートの構成の一例を示したものであり、各図の(a)は、粘着シートの模式斜視図、各図の(b)は、粘着表面(α)側から層(X)を平面視した際の模式平面図、各図の(c)は、粘着シートを方向xに伸びる直線Z1-Z2で厚さ方向zにて切断した際の模式断面図である。
図1~4に示された粘着シートのように、本発明の一態様の粘着シートが有する電気剥離性粘着剤層(X1)の表面(β)は導電性基材(Y)と接触して貼付され、粘着表面(α)は、導電性被着体(図1~4では図示せず)と貼付される。
なお、図1~4に示された粘着シートでは、粘着表面(α)は表出しているが、粘着表面(α)を保護するために、本発明の一態様の粘着シートは、粘着表面(α)上にさらに剥離材を積層した構成としてもよい。
本発明の一態様の粘着シートが有する電気剥離性粘着剤層(X1)の粘着表面(α)に導電性被着体を貼付した後、当該導電性被着体を粘着表面(α)から剥離する際には、導電性基材(Y)及び導電性被着体にそれぞれ電極を電気的に接続し、電圧を印加する。そうすると、導電性基材(Y)及び導電性被着体を介して電気剥離性粘着剤層(X1)の内部に電流が流れ、電気剥離性粘着剤層(X1)の粘着力が低下する。これにより、導電性被着体を粘着表面(α)から容易に剥離することができる。
ここで、導電性基材(Y)と導電性被着体にそれぞれ電極を電気的に接続して電圧を印加している過程で、導電性基材(Y)と導電性被着体とが接触してしまうと、短絡(ショート)を引き起こすことが懸念される。
また、電圧を印加している過程で、何かしらの要因により、例えば、導電性被着体に接続していた電極が外れて、当該電極が導電性基材(Y)と接触してしまう事態も生じ得、このような場合にも短絡は生じ得る。
このような短絡の発生を回避するため、例えば、図1(b)に示す平面図のように、本発明の一態様の粘着シートでは、粘着表面(α)側から層(X)を平面視した際に、電気剥離性粘着剤層(X1)の粘着表面(α)は、絶縁層(X2)に囲まれた位置に存在するように設けられている。
ここで、粘着表面(α)が絶縁層(X2)に囲まれた位置に存在するため、粘着表面(α)に貼付された導電性被着体に電極を電気的に接続して電圧を印加する際に、絶縁層(X2)が存在することによって、当該電極が導電性基材(Y)と接触し難い構成となる。その結果、本発明の一態様の粘着シートは、短絡の発生を効果的に防止することができる。
なお、本明細書において、「粘着表面(α)側から層(X)を平面視する」とは、例えば、図1(a)の粘着シート1Aにおいて、厚さ方向zに沿って、粘着表面(α)側から、x-y平面上に存在する層(X)を観察することを意味する。例えば、図1(a)の粘着シート1Aに対して、粘着表面(α)側から層(X)を平面視した際には、当該粘着シート1Aは、図1(b)のように観察される。
また、粘着表面(α)上に剥離材等の別の層が積層して、粘着表面(α)を直接観察できない場合は、粘着表面(α)上に積層した別の層を除去した後に、平面視して観察する。
本発明の一態様の粘着シートにおいて、粘着表面(α)側から層(X)を平面視した際の電気剥離性粘着剤層(X1)の粘着表面(α)と絶縁層(X2)との面積比〔(α)/(X2)〕は、導電性被着体の種類及び大きさにより適宜設定されるが、導電性被着体へ貼付するのに十分な粘着表面(α)を確保する観点から、10/90以上、15/85以上、20/80以上、25/75以上、30/70以上、35/65以上、40/60以上、45/55以上、50/50以上、55/45以上、60/40以上、65/35以上、70/30以上、75/25以上、又は80/20以上としてもよく、また、短絡の発生を効果的に防止し得る粘着シートとする観点から、95/5以下、90/10以下、85/15以下、80/20以下、75/25以下、70/30以下、65/35以下、60/40以下、55/45以下、50/50以下、45/55以下、40/60以下、35/65以下、30/70以下、25/75以下、又は20/80以下としてもよい。
また、絶縁層(X2)の設けられる位置は、粘着表面(α)側から層(X)を平面視した際に、粘着表面(α)は絶縁層(X2)に囲まれた位置に存在するような配置であれば、特に制限されない。
本明細書において、「粘着表面(α)は絶縁層(X2)に囲まれた位置に存在する」とは、図1(b)、図3(b)、及び図4(b)に示すように、粘着表面(α)側から層(X)を平面視した際に、粘着表面(α)の外周端部及び絶縁層(X2)の内周端部の少なくとも一方が、粘着表面(α)と絶縁層(X2)との境界となるように粘着表面(α)及び絶縁層(X2)が位置する態様が含まれる。
また、別の態様として、図2(b)に示すように、粘着表面(α)側から層(X)を平面視した際に、電気剥離性粘着剤層(X1)の粘着表面(α)の少なくとも一部の外周端部(x11)と空隙部(X3)を隔てて、当該外周端部(x11)と略平行となるように絶縁層(X2)の内周端部(x21)が位置する態様も含まれる。
なお、本明細書において、略平行とは、平面視した際の粘着表面(α)の外周端部(x11)の直線と、外周端部(x11)と向かい合う絶縁層(X2)の内周端部(x21)の直線とのなす角度が0度となる場合はもちろんのこと、当該なす角度が実質的に平行と見なせる程度の僅かな傾きを有する場合(例えば、当該なす角度が5度以下、好ましくは2度以下の場合)も含まれる。
また、空隙部(X3)も、層(X)の構成の一つとして含まれる。
図2に示す粘着シート2Aのような態様において、空隙部(X3)の間隔dの平均値は、短絡の発生を効果的に防止し得る粘着シートとする観点から、好ましくは10.0mm以下、より好ましくは8.0mm以下、より好ましくは6.0mm以下、更に好ましくは5.0mm以下、更に好ましくは4.0mm以下、より更に好ましくは3.0mm以下、特に好ましくは2.0mm以下であり、また、0.1mm以上、0.5mm以上、0.7mm以上、又は1.0mm以上としてもよい。
なお、「空隙部(X3)の間隔d」とは、例えば、図2(c)では間隔dで表され、電気剥離性粘着剤層(X1)の外周端部(x11)と絶縁層(X2)の電気剥離性粘着剤層(X1)側の内周端部(x21)との距離を意味する。
また、「空隙部(X3)の間隔dの平均値」は、空隙部(X3)のうち任意に選択した5つの箇所の間隔dの平均値から算出できる。
本発明の一態様の粘着シートにおいて、電気剥離性粘着剤層(X1)の厚さと絶縁層(X2)の厚さとが、図1及び2に示す粘着シート1A、2Aのように、略同一であってもよく、図3に示す粘着シート3Aのように、互いに異なるように調整されていてもよい。
「電気剥離性粘着剤層(X1)の厚さと絶縁層(X2)の厚さとが略同一」とは、電気剥離性粘着剤層(X1)の厚さと絶縁層(X2)の厚さとの比〔(X1)/(X2)〕が、45/55~55/45の範囲であることを意味するが、当該比〔(X1)/(X2)〕は、46/54~54/46、47/53~53/47、48/52~52/48、49/51~51/49、又は49.5/50.5~50.5/49.5であってもよい。
また、本発明の一態様の粘着シートにおいて、電気剥離性粘着剤層(X1)の厚さと絶縁層(X2)の厚さとの比〔(X1)/(X2)〕は、被着体の種類や大きさ等により適宜調整され、5/95以上、10/90以上、15/85以上、20/80以上、25/75以上、30/70以上、35/65以上、40/60以上、又は45/55以上としてもよく、また、95/5以下、90/10以下、85/15以下、80/20以下、75/25以下、70/30以下、65/35以下、60/40以下、又は55/45以下としてもよい。
本発明の一態様において、図1~3に示す粘着シート1A、2A、3Aのように、電気剥離性粘着剤層(X1)と絶縁層(X2)とが面方向(図1(b)、図2(b)及び図3(b)のx-y平面)で隣接してなる構成としてもよい。
なお、「電気剥離性粘着剤層(X1)と絶縁層(X2)とが面方向で隣接してなる構成」には、図1の粘着シート1Aの構成に限定されず、図2の粘着シート2Aのように、電気剥離性粘着剤層(X1)と絶縁層(X2)との境界の少なくとも一部が空隙部(X3)を介して隣接してなる構成も含まれる。また、図3の粘着シート3Aのように、電気剥離性粘着剤層(X1)及び絶縁層(X2)の厚さは異なるが、面方向では隣接してなる構成も含まれる。
また、本発明の一態様の粘着シートにおいて、図1~3に示す粘着シート1A、2A、3Aのように、絶縁層(X2)の少なくとも一部の表面が、導電性基材(Y)と接触する構成であってもよい。
当該構成において、導電性基材(Y)と接触している、電気剥離性粘着剤層(X1)と絶縁層(X2)との面積比〔(X1)/(X2)〕は、導電性被着体の種類及び大きさにより適宜設定されるが、導電性被着体へ貼付するのに十分な粘着表面(α)を確保する観点から、10/90以上、15/85以上、20/80以上、25/75以上、30/70以上、35/65以上、40/60以上、45/55以上、50/50以上、55/45以上、60/40以上、65/35以上、70/30以上、75/25以上、又は80/20以上としてもよく、また、短絡の発生を効果的に防止し得る粘着シートとする観点から、95/5以下、90/10以下、85/15以下、80/20以下、75/25以下、70/30以下、65/35以下、60/40以下、55/45以下、50/50以下、45/55以下、40/60以下、35/65以下、30/70以下、25/75以下、又は20/80以下としてもよい。
本発明の一態様の粘着シートは、絶縁層(X2)の少なくとも一部が、電気剥離性粘着剤層(X1)上に積層してなる構成であってもよい。
当該態様においては、図4に示す粘着シート4Aのように、絶縁層(X2)が、導電性基材(Y)と接触せずに、電気剥離性粘着剤層(X1)上に積層してなる構成であってもよい。
図4に示す粘着シート4Aは、導電性基材(Y)上に電気剥離性粘着剤(X1)が積層し、さらに電気剥離性粘着剤(X1)の表面の一部に絶縁層(X2)が積層した構成を有する。図4に示す粘着シート1Aにおいて、絶縁層(X2)が積層していない電気剥離性粘着剤(X1)の表面が粘着表面(α)となり、導電性被着体と貼付される。
なお、絶縁層(X2)の形成が容易なために生産性が良好な粘着シートとする観点から、図4に示す粘着シート4Aにおいて、絶縁層(X2)は、剥離材から構成されていることが好ましい。絶縁層(X2)として用いる剥離材は、その一部を除去することで電気剥離性粘着剤(X1)の粘着表面(α)が表出されるように、予め打ち抜き加工により切り込みを入れた剥離材であることが好ましい。剥離材の詳細は後述のとおりである。
本発明の一態様の粘着シートは、図1~4に示す粘着シートのように、導電性基材(Y)の片面に層(X)を設けた構成であってもよく、導電性基材(Y)の両面にそれぞれ層(X)を設けた構成であってもよい。
さらに、本発明の一態様の粘着シートは、図1~4に示す粘着シートのように、導電性基材(Y)の片面又は両面のすべての表面上に層(X)が積層された構成であってもよく、導電性基材(Y)の片面又は両面の一部の表面上に層(X)が積層され、残りの表面は、層(X)が積層されずに表出した構成であってもよい。
ただし、短絡の発生を効果的に抑制し得る粘着シートとする観点から、層(X)が積層した側の導電性基材(Y)の表面において、層(X)が積層されずに表出した表面の面積割合は少ないほど好ましい。
本発明の一態様の粘着シートにおいて、上記観点から、層(X)が積層した側の導電性基材(Y)の表面の全面積100に対して、層(X)が積層した表面が占める面積割合は、好ましくは50~100、より好ましくは60~100、より好ましくは70~100、更に好ましくは80~100、より更に好ましくは90~100、特に好ましくは95~100である。
〔基材無し電気剥離性粘着シートの構成〕
本発明の一態様は、基材無し電気剥離性粘着シート(以下、「基材無し粘着シート」ともいう)も提供する。
本発明の一態様の基材無し粘着シートは、電圧を印加することで粘着性が低下し得る電気剥離性粘着剤組成物から形成され、第1導電性被着体と貼付し得る粘着表面(α)、及び、粘着表面(α)とは反対側の第2導電性被着体と貼付し得る粘着表面(β)を有する電気剥離性粘着剤層(X1)と、絶縁層(X2)と、を含む層(X)を有する。
そして、本発明の一態様の基材無し粘着シートは、粘着表面(α)及び(β)の少なくとも一方側から層(X)を平面視した際に、粘着表面(α)又は(β)は絶縁層(X2)に囲まれた位置に存在する。
なお、粘着表面(α)及び(β)上に、図5~8の(a)のように、剥離材等の別の層が積層して、粘着表面(α)を直接観察できない場合は、粘着表面(α)及び(β)上に積層した別の層を除去した後に平面視して観察する。
図5~7は、本発明の一態様の基材無し粘着シートの構成の一例を示した、(a)各粘着シートを厚さ方向zにて切断した際の模式断面図、(b)各粘着シートの剥離材21を除去した際に表出した層(X)を平面視した際の模式平面図である。
本発明の一態様の基材無し粘着シートは、図5~7に示す粘着シートのように、層(X)の粘着表面(α)側、及び、粘着表面(β)側に、それぞれ剥離材21、22を積層した構成としてもよい。剥離材21、22により、電気剥離性粘着剤層(X1)の粘着表面(α)及び(β)、並びに、絶縁層(X2)の表面を保護することができる。
例えば、図5(b)は、(a)の粘着シート1Bが有する剥離材21を除去して、表出した層(X)の粘着表面(α)側を平面視した際の模式平面図である。図5(b)に示すとおり、粘着表面(α)側から層(X)を平面視した際に、粘着表面(α)は絶縁層(X2)に囲まれた位置に存在している。
このような位置に絶縁層(X2)を有するため、電圧印加の際に、短絡の発生を効果的に抑制し得る粘着シートとすることができる。つまり、本発明の一態様の基材無し粘着シートが有する層(X)の粘着表面(α)及び(β)にそれぞれ第1導電性被着体及び第2導電性被着体を貼付後に、第1導電性被着体及び第2導電性被着体のいずれか一方を粘着表面から剥離するために、第1導電性被着体及び第2導電性被着体にそれぞれ電極を電気的に接続して、電圧を印加する際に、例えば、第1導電性被着体に接続している電極が何らかの要因で外れてしまっても、粘着表面(α)は絶縁層(X2)に囲まれた位置に存在しているため、当該電極が第2導電性被着体に接触することを防ぐことができ、短絡の発生を効果的に抑制し得る。
なお、本明細書において、「粘着表面(α)又は(β)は絶縁層(X2)に囲まれた位置に存在する」とは、図5(b)及び図7(b)に示すように、粘着表面(α)又は(β)側から層(X)を平面視した際に、粘着表面(α)又は(β)の外周端部及び絶縁層(X2)の内周端部の少なくとも一方が、粘着表面(α)又は(β)と絶縁層(X2)との境界となるように粘着表面(α)又は(β)と絶縁層(X2)とが位置する態様が含まれる。
また、別の態様として、図6(b)に示すように、粘着表面(α)又は(β)側から層(X)を平面視した際に、電気剥離性粘着剤層(X1)の粘着表面(α)又は(β)の少なくとも一部の外周端部(x11)と空隙部(X3)を隔てて、当該外周端部(x11)と略平行となるように、絶縁層(X2)の内周端部(x21)が位置する態様も含まれる。
なお、本明細書において、略平行とは、平面視した際の粘着表面(α)又は(β)の外周端部(x11)の直線と、外周端部(x11)と向かい合う絶縁層(X2)の内周端部(x21)の直線とのなす角度が、0度となる場合はもちろんのこと、当該なす角度が実質的に平行と見なせる程度の僅かな傾きを有する場合(例えば、当該なす角度が5度以下、好ましくは2度以下の場合)も含まれる。
また、空隙部(X3)も、層(X)の構成の一つとして含まれる。
なお、図6に示す粘着シート2Bのような態様において、空隙部(X3)の間隔dの平均値の好適範囲は、上述の図2に示す粘着シート2Aのような、基材付き粘着シートで規定の上記範囲と同じである。
また、本発明の一態様の基材無し粘着シートは、電気剥離性粘着剤層(X1)の厚さと絶縁層(X2)の厚さとが、図5及び6に示す粘着シート1B、2Bのように、略同一であってもよく、図7に示す粘着シート3Bのように、互いに異なるように調整されていてもよい。
なお、「電気剥離性粘着剤層(X1)の厚さと絶縁層(X2)の厚さとが略同一」とは、上述の基材付き粘着シートでの説明と同様である。
また、本発明の一態様の基材無し粘着シートにおける、電気剥離性粘着剤層(X1)の厚さと絶縁層(X2)の厚さとの比〔(X1)/(X2)〕の範囲についても、上述の基材付き粘着シートの規定された上記範囲と同じである。
本発明の一態様において、図5~7に示す粘着シート1B、2B、3Bのように、電気剥離性粘着剤層(X1)と絶縁層(X2)とが面方向(図5(b)、図6(b)及び図7(b)のx-y平面)で隣接してなる構成としてもよい。
なお、「電気剥離性粘着剤層(X1)と絶縁層(X2)とが面方向で隣接してなる構成」には、図5の粘着シート1Bの構成に限定されず、図6の粘着シート2Bのように、電気剥離性粘着剤層(X1)と絶縁層(X2)との境界の少なくとも一部が空隙部(X3)を介して隣接してなる構成も含まれる。また、図7の粘着シート3Bのように、電気剥離性粘着剤層(X1)及び絶縁層(X2)の厚さは異なるが、面方向では隣接してなる構成も含まれる。
また、本発明の一態様の基材無し粘着シートは、電気剥離性粘着剤層(X1)の片面及び両面の一部に絶縁層(X2)を積層してなる構成としてもよい。
具体的には、本発明の一態様の基材無し粘着シートは、図8に示す粘着シート4Bのように、電気剥離性粘着剤層(X1)が2枚の剥離材21、22で挟持された構成を有し、2枚の剥離材21、22は、それぞれ、剥離材21、22の一部を除去可能となるように、厚さ方向に切り込み21a、22aが形成されており、切り込み21a、22aに沿って剥離材21、22の一部を除去することで、電気剥離性粘着剤層(X1)の粘着表面(α)及び(β)を表出可能とする構成を有する粘着シートであってもよい。
図8に示す粘着シート4Bにおいて、剥離材21、22は、絶縁層(X2)となる。つまり、粘着シート4Bにおいて、層(X)は、電気剥離性粘着剤層(X1)及び剥離材21、22である絶縁層(X2)から構成される。
図8(a)に示すように、粘着シート4Bが有する剥離材21、22には、それぞれ、厚さ方向に切り込み21a、22aが形成されている。切り込み21a、22aは、剥離材21、22の一部を手で容易に除去であるような態様であればよく、例えば、ミシン目等であればよい。なお、切り込み21a、22aは、剥離材21、22の剥離材用基材に対して打ち抜き加工を施すことにより形成できる。
図8(b)は、切り込み21a、22aに沿って剥離材21、22を一部を除去し、電気剥離性粘着剤層(X1)の粘着表面(α)及び(β)を表出させた際の粘着シート4Bの模式断面図であり、図8(c)は、その際の粘着表面(α)側から平面視した際の模式平面図である。
図8(c)の粘着シート4Bの模式平面図では、切り込み21a、22aが、残存している剥離材21の内周端部(x21)となり、電気剥離性粘着剤層(X1)の粘着表面(α)と剥離材21である絶縁層(X2)との境界となる。
なお、図8(b)において、電気剥離性粘着剤層(X1)の粘着表面(α)及び(β)は、厚さ方向で互いに対抗するように、同一形状及び同一位置で存在しているが、粘着表面(α)及び(β)は、互いに異なる形状であってもよく、また、互いに異なる位置に存在していてもよい。
〔本発明の一態様の粘着シートの各構成について〕
以下、本発明の一態様の粘着シート(図1~4の基材付き粘着シート及び図5~8の基材無し粘着シートの双方を含む)を構成する、導電性基材(Y)、電気剥離性粘着剤層(X1)、絶縁層(X2)、及び剥離材、並びに、被着対象となる導電性被着体について説明する。
<導電性基材(Y)>
本発明の一態様の粘着シートが有する導電性基材(Y)は、上述の試験方法によって導電性を有すると判断される基材であればよい。
本発明の一態様で用いる導電性基材(Y)の厚さは、用途に応じて適宜設定され、1.0μm以上、5.0μm以上、10μm以上、15μm以上、20μm以上、25μm以上、30μm以上、35μm以上、40μm以上、又は45μm以上としてもよく、また、1000μm以下、800μm以下、700μm以下、600μm以下、500μm以下、400μm以下、300μm以下、200μm以下、150μm以下、100μm以下、又は90μm以下としてもよい。
本発明の一態様で用いる導電性基材(Y)としては、上述の「導電性もしくは絶縁性を判断する試験方法」にて導電性と判断される材料を含む基材であればよく、例えば、各種金属を含む金属基材、導電性ポリマーを含む導電性ポリマー基材、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂フィルムに金属蒸着膜を形成してなる金属蒸着基材等が挙げられる。
本発明の一態様で用いる導電性基材(Y)は、単層から構成された基材であってもよく、2層以上が積層してなる複層から構成された基材であってもよい。
なお、金属基材を構成する金属、及び、金属蒸着基材の金属蒸着膜を構成する金属としては、例えば、アルミニウム、銅、タングステン、鉄、モリブデン、ニッケル、チタン、銀、金等の単体金属;ステンレス鋼、炭素鋼等の鋼鉄、真鍮、リン青銅、ジルコニウム銅合金、ベリリウム銅、鉄ニッケル、ニクロム、ニッケルチタン、カンタル、ハステロイ、レニウムタングステン等の合金;スズドープ酸化インジウム等の金属基材、アルミニウム、スズドープ酸化インジウム、銅、鉄、銀、白金、金等の金属及びこれら金属の合金等が挙げられる。
<電気剥離性粘着剤層(X1)>
本発明の一態様の粘着シートが有する電気剥離性粘着剤層(X1)は、上述の試験方法によって電気剥離性を有すると判断される粘着剤層であればよい。
本発明の一態様において、電気剥離性粘着剤層(X1)の上記式(f1)から算出される粘着力減少率は、50%以上であるが、好ましくは55%以上、より好ましくは60%以上、より好ましくは65%以上、更に好ましくは70%以上、更に好ましくは75%以上、より更に好ましくは80%以上、特に好ましくは85%以上である。
電気剥離性粘着剤層(X1)の厚さは、用途等に応じて適宜設定され、0.5μm以上、1.0μm以上、3.0μm以上、5.0μm以上、7.0μm以上、10μm以上、15μm以上、20μm以上、25μm以上、30μm以上、35μm以上、40μm以上、45μm以上、又は50μm以上としてもよく、また、150μm以下、120μm以下、100μm以下、90μm以下、80μm以下、70μm以下、又は60μm以下としてもよい。
本発明の一態様の粘着シートにおいて、電気剥離性粘着剤層(X1)の厚さと導電性基材(Y)の厚さとの比〔(X1)/(Y)〕は、1/99以上、5/95以上、10/90以上、15/85以上、20/80以上、25/75以上、30/70以上、35/65以上、40/60以上、又は45/55以上としてもよく、また、90/10以下、85/15以下、80/20以下、75/25以下、70/30以下、65/35以下、60/40以下、又は55/45以下としてもよい。
導電性被着体に対する、電気剥離性粘着剤層(X1)の粘着表面(α)又は(β)の粘着力は、好ましくは1.0N/25mm以上、より好ましくは2.0N/25mm以上、更に好ましくは3.0N/25mm以上、より更に好ましくは5.0N/25mm以上、特に好ましくは7.0N/25mm以上である。
なお、本明細書において、粘着剤層の粘着力は、23℃、50%RH(相対湿度)の環境下で、引張試験機(例えば、オリエンテック社製、製品名「テンシロン」)を用いて、剥離速度300mm/分、剥離角度180°の条件で測定した値を意味する。
本発明の一態様の粘着シートが有する電気剥離性粘着剤層(X1)の形成材料としては、上述の試験方法によって電気剥離性を有する粘着剤層を形成し得るものであれば特に制限されないが、以下に示す電気剥離性粘着剤組成物(x)(以下、「粘着剤組成物(x)」ともいう)が好ましい。
(電気剥離性粘着剤組成物(x))
粘着剤組成物(x)は、粘着性樹脂に、後述するイオン性化合物(B)(以下、「成分(B)」ともいう)を配合することで調整できる。
粘着性樹脂としては、例えば、アクリル系ポリマー、ウレタン系ポリマー、ゴム系ポリマー、ポリエステル系ポリマー、オレフィン系ポリマー、シリコーン系ポリマー、及びこれらのポリマーに重合性官能基を有する硬化型ポリマー等が挙げられる。
これらの粘着性樹脂は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、粘着性樹脂は、エマルション型ポリマーであってもよく、非エマルション型ポリマーであってもよい。
本発明の一態様で用いる粘着性樹脂の質量平均分子量(Mw)は、形成される粘着剤層の粘着力を良好とする観点から、好ましくは1万~200万、より好ましくは2万~180万、更に好ましくは3万~150万、より更に好ましくは4万~120万、特に好ましくは5万~100万である。
これらの粘着性樹脂の中でも、アクリル系ポリマーを含有することが好ましい。
すなわち、本発明の一態様で用いる粘着剤組成物(x)は、イオン性化合物(B)と共に、粘着性樹脂として、アクリル系ポリマー(A)(以下、「成分(A)」ともいう)を配合してなる組成物であることが好ましい。
なお、本明細書において、例えば、「成分(A)及び成分(B)を配合してなる組成物」とは、当該組成物の原料として、成分(A)及び成分(B)を用いている旨を意味する。そのため、例えば、成分(B)がアルカリ金属塩である場合には、当該アルカリ金属塩が粘着剤組成物中にてカチオンとアニオンに電離した態様等も含まれる。
本発明の一態様で用いる粘着剤組成物(x)において、電圧印加前は高粘着性を有すると共に、電圧印加によって容易に粘着性を低下させ得る粘着剤組成物とする観点から、成分(A)及び成分(B)の合計配合量は、当該粘着剤組成物(x)の有効成分の全量(100質量%)に対して、好ましくは60~100質量%、より好ましくは70~100質量%、更に好ましくは80~100質量%、より更に好ましくは90~100質量%、特に好ましくは95~100質量%である。
本発明の一態様で用いる粘着剤組成物(x)は、さらに粘着付与剤(C)、架橋剤(D)、及びポリオキシアルキレン鎖を有する化合物(E)から選ばれる少なくとも1種を配合又は含有することが好ましい。
また、本発明の一態様で用いる粘着剤組成物(x)は、各種添加剤を配合又は含有してもよく、また、さらに水や有機溶媒で希釈して、溶液の形態としてもよい。
(A)成分:アクリル系ポリマー
本発明の一態様で用いるアクリル系ポリマー(A)は、アルキル(メタ)アクリレート(以下、「モノマー(a1’)」ともいう)に由来する構成単位(a1)を有する粘着性樹脂であればよいが、電圧印加前は高粘着性を有すると共に、電圧印加によって容易に粘着性を低下させ得る粘着剤組成物とする観点から、構成単位(a1)と共に、官能基含有モノマー(以下、「モノマー(a2’)」ともいう)に由来する構成単位(a2)を有する共重合体であることが好ましい。
アクリル系ポリマー(A)が共重合体である場合、共重合の形態については、特に制限はなく、ランダム共重合体、ブロック共重合体、及びグラフト共重合体のいずれであってもよい。
本発明の一態様で用いるアクリル系ポリマー(A)は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
アクリル系ポリマー(A)の質量平均分子量(Mw)は、電圧印加前において高粘着性を有する粘着剤組成物とする観点から、好ましくは5万~200万、より好ましくは10万~150万、更に好ましくは20万~120万、より更に好ましくは30万~100万、特に好ましくは40万~90万である。
本発明の一態様で用いるアクリル系ポリマー(A)は、モノマー(a1’)及び(a2’)以外の他のモノマー(以下、「モノマー(a3’)」ともいう)に由来する構成単位(a3)を有する共重合体であってもよい。
なお、本発明の一態様で用いるアクリル系ポリマー(A)において、構成単位(a1)及び(a2)の含有割合としては、アクリル系ポリマー(A)の構成単位の全量(100質量%)に対して、55質量%以上、60質量%以上、65質量%以上、70質量%以上、75質量%以上、80質量%以上、85質量%以上、90質量%以上、又は95質量%以上としてもよく、また、100質量%以下、99質量%以下、95質量%以下、90質量%以下、又は85質量%以下としてもよい。
[モノマー(a1’)、構成単位(a1)]
モノマー(a1’)が有するアルキル基の炭素数としては、好ましくは1~30、より好ましくは1~20、更に好ましくは1~16、より更に好ましくは1~12、特に好ましくは4~8である。
なお、モノマー(a1’)が有するアルキル基は、直鎖アルキル基であってもよく、分岐鎖アルキル基であってもよい。
具体的なモノマー(a1’)としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート(n-プロピル(メタ)アクリレート、i-プロピル(メタ)アクリレート)、ブチル(メタ)アクリレート(n-ブチル(メタ)アクリレート、i-ブチル(メタ)アクリレート、s-ブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート)、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらのモノマー(a1’)は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、モノマー(a1’)としては、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、及び2-エチルヘキシル(メタ)アクリレートから選ばれる少なくとも1種が好ましく、ブチル(メタ)アクリレート又は2-エチルヘキシル(メタ)アクリレートがより好ましく、ブチル(メタ)アクリレートが更に好ましい。
本発明の一態様で用いるアクリル系ポリマー(A)において、構成単位(a1)の含有割合としては、アクリル系ポリマー(A)の構成単位の全量(100質量%)に対して、電圧印加前の粘着性をより良好とし、上述の構成単位(a2)の含有割合を確保し、凝集力をより向上させ得る粘着剤組成物とする観点から、好ましくは30質量%以上、より好ましくは40質量%以上、更に好ましくは50質量%以上、より更に好ましくは60質量%以上、特に好ましくは70質量%以上であり、また、好ましくは99.99質量%以下、より好ましくは99.90質量%以下、更に好ましくは99.0質量%以下、より更に好ましくは97.0質量%以下、特に好ましくは95.0質量%以下であり、さらに、90.0質量%以下、又は85質量%以下としてもよい。
[モノマー(a2’)、構成単位(a2)]
モノマー(a2’)としては、例えば、ヒドロキシ基含有モノマー、カルボキシ基含有モノマー、エポキシ基含有モノマー等が挙げられる。
これらのモノマー(a2’)は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ヒドロキシ含有モノマーとしては、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類;ビニルアルコール、アリルアルコール等の不飽和アルコール類等が挙げられる。
なお、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類が有するアルキル基の炭素数としては、好ましくは1~10、より好ましくは1~8、更に好ましくは1~6、より更に好ましくは2~4であり、当該アルキル基は、直鎖アルキル基であってもよく、分岐鎖アルキル基であってもよい。
カルボキシ基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸等のエチレン性不飽和モノカルボン酸;フマル酸、イタコン酸、マレイン酸、シトラコン酸等のエチレン性不飽和ジカルボン酸;2-カルボキシルエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
エポキシ含有モノマーとしては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、β-メチルグリシジル(メタ)アクリレート、(3,4-エポキシシクロヘキシル)メチル(メタ)アクリレート、3-エポキシシクロ-2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル;グリシジルクロトネート、アリルグリシジルエーテル等が挙げられる。
これらの中でも、本発明の一態様で用いるアクリル系ポリマー(A)は、構成単位(a2)として、ヒドロキシ基含有モノマーに由来する構成単位(a2-1)を有する共重合体であることが好ましい。ヒドロキシ基含有モノマーとしては、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートが好ましい。
上記観点から、本発明の一態様で用いるアクリル系ポリマー(A)において、構成単位(a2-1)の含有割合としては、アクリル系ポリマー(A)が有する構成単位(a2)の全量(100質量%)に対して、好ましくは50~100質量%、より好ましくは60~100質量%、より好ましくは70~100質量%、更に好ましくは80~100質量%、より更に好ましくは90~100質量%、特に好ましくは95~100質量%である。
本発明の一態様で用いるアクリル系ポリマー(A)において、構成単位(a2)の含有割合としては、アクリル系ポリマー(A)の構成単位の全量(100質量%)に対して、凝集力をより向上させつつ、構成単位(a1)の含有量を確保し、電圧印加前の粘着性をより良好とした粘着剤組成物とする観点から、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.10質量%以上、更に好ましくは1.0質量%以上、より更に好ましくは3.0質量%以上、特に好ましくは5.0質量%以上であり、さらに、10.0質量%以上、又は15質量%以上としてもよく、また、好ましくは60質量%以下、より好ましくは50質量%以下、更に好ましくは40質量%以下、より更に好ましくは30質量%以下、特に好ましくは20質量%以下である。
[モノマー(a3’)、構成単位(a3)]
モノマー(a1’)及び(a2’)以外のモノマー(a3’)としては、特に制限は無いが、例えば、エチレン、プロピレン、イソブチレン等のオレフィン類、塩化ビニル、ビニリデンクロリド等のハロゲン化オレフィン類、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等のジエン系モノマー類、スチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエン、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリロイルモルホリン、N-ビニルピロリドン等が挙げられる。
これらのモノマー(a3’)は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の一態様で用いるアクリル系ポリマー(A)において、構成単位(a3)の含有割合としては、アクリル系ポリマー(A)の構成単位の全量(100質量%)に対して、0質量%以上、1質量%以上、又は5質量%以上としてもよく、また、45質量%以下、40質量%以下、35質量%以下、30質量%以下、25質量%以下、20質量%以下、15質量%以下、又は10質量%以下としてもよい。
本発明の一態様で用いる粘着剤組成物(x)において、電圧印加前は高粘着性を有すると共に、電圧印加によって容易に粘着性を低下させ得る粘着剤組成物とする観点から、成分(A)の配合量(含有量)は、当該粘着剤組成物(x)の有効成分の全量(100質量%)に対して、好ましくは25~97質量%、より好ましくは30~95質量%、更に好ましくは40~93質量%、より更に好ましくは50~90質量%、特に好ましくは60~87質量%である。
成分(B):イオン性化合物
本発明の一態様で用いるイオン性化合物(B)としては、例えば、アルカリ金属塩(B1)、有機第四級アンモニウム塩(B2)、及びイオン液体(B3)から選ばれる1種以上が挙げられる。
これらの中でも、本発明の一態様で用いる成分(B)は、アルカリ金属塩(B1)及びイオン液体(B3)から選ばれる1種以上を含むことが好ましい。
また、本発明の一態様で用いる成分(B)は、主成分としてアルカリ金属塩(B1)又はイオン液体(B3)を用いることが好ましい。
なお、本明細書において、上記「主成分」とは、成分(B)を構成する成分のうち、最も含有量が多い成分を意味する。
成分(B)の主成分がアルカリ金属塩(B1)である場合、アルカリ金属塩(B1)以外の成分(B)の含有量は、アルカリ金属塩(B1)の全量100質量部に対して、100質量部未満、0~90質量部、0~50質量部、0~30質量部、0~20質量部、0~10質量部、0~5質量部、0~1質量部、0~0.1質量部、0~0.01質量部、0~0.001質量部、又は0~0.0001質量部であってもよい。
成分(B)の主成分がイオン液体(B3)である場合、イオン液体(B3)以外の成分(B)の含有量は、イオン液体(B3)の全量100質量部に対して、100質量部未満、0~90質量部、0~50質量部、0~30質量部、0~20質量部、0~10質量部、0~5質量部、0~1質量部、0~0.1質量部、0~0.01質量部、0~0.001質量部、又は0~0.0001質量部であってもよい。
本発明で用いる粘着剤組成物(x)において、粘着性樹脂(成分(A))の全量100質量部に対する、成分(B)の配合割合は、電圧印加によって容易に粘着性を低下させ得る粘着剤組成物とする観点から、好ましくは3質量部以上、より好ましくは5質量部以上、更に好ましくは10質量部以上、より更に好ましくは13質量部以上、特に好ましくは15質量部超であり、また、電圧印加前において高粘着性を有する粘着剤組成物とする観点から、好ましくは200質量部以下、より好ましくは180質量部以下、更に好ましくは160質量部以下、更に好ましくは150質量部以下、より更に好ましくは130量部以下、特に好ましくは120質量部以下であり、さらに、100質量部以下、90質量部以下、80質量部以下、70質量部以下、60質量部以下、50質量部以下、45質量部以下、40質量部以下、35質量部以下、又は30質量部以下としてもよい。
≪成分(B1):アルカリ金属塩≫
本発明の一態様で用いるアルカリ金属塩(B1)としては、常温(25℃)では固体であるが、液体中でカチオン(アルカリ金属イオン)とアニオンとに電離する化合物であればよい。
具体的なアルカリ金属塩(B1)としては、例えば、MCl、MBr、MI、MAlCl、MAlCl、MBF、MPF、MSCN、MClO、MNO、CHCOOM、C19COOM、CFCOOM、CCOOM、MCHSO、MCFSO、MCSO、MCOSO、MC13OSO、MC17OSO、M(CFSON、M(CSON、M(CSON、M(CSON、M(CFSOC、MAsF、MSbF、MNbF、MTaF、M(CN)N、M(CFSO)(CFCO)N、M(CHPO、M(CPO、MCH(OCOSO、MC(CH)SO、M(CPF、CHCH(OH)COOM、M(FSON等(ただし、Mは、アルカリ金属原子である)が挙げられる。Mは、Li、Na、又はKが好ましく、Na又はKがより好ましく、Naが更に好ましい。
これらのアルカリ金属塩(B1)は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、本発明の一態様で成分(B)として用いるアルカリ金属塩(B1)は、下記一般式(b-1)で表されるアルカリ金属塩(B11)を含有することが好ましい。
Figure 2023043966000002
上記式(b-1)中、Rは、それぞれ独立に、フッ素原子、又はフッ素化アルキル基である。フッ素化アルキル基の炭素数としては、好ましくは1~10、より好ましくは1~8、更に好ましくは1~4、より更に好ましくは1~3、特に好ましくは1~2である。本明細書において、「フッ素化アルキル基」とは、アルキル基が有する少なくとも一つの水素原子が、フッ素原子に置換された基を意味し、直鎖であってもよく、分岐鎖であってもよい。
フッ素化アルキル基の中でも、アルキル基が有するすべての水素原子がフッ素原子に置換された、パーフルオロアルキル基が好ましい。パーフルオロアルキル基の炭素数の好適な範囲は、上記のフッ素化アルキル基の炭素数の好適範囲と同じである。
本発明の一態様においては、Rは、フッ素原子、又はパーフルオロアルキル基であることが好ましく、フッ素原子、-CF、-C、-C、又は-Cであることがより好ましく、フッ素原子又は-CFであることが更に好ましい。
Mは、アルカリ金属原子(リチウム原子(Li)、ナトリウム原子(Na)、カリウム原子(K)、ルビジウム原子(Rb)、セシウム原子(Cs)、フランシウム原子(Fr))であるが、Li、Na又はKであることが好ましく、Na又はKであることがより好ましく、Naであることが更に好ましい。
≪成分(B2):有機第四級アンモニウム塩≫
本発明の一態様で用いる有機第四級アンモニウム塩(B2)としては、常温(25℃)では固体であり、下記一般式(b-2)で表される化合物であればよい。
なお、有機第四級アンモニウム塩(B2)は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
Figure 2023043966000003
上記一般式(b-2)中、R11~R14は、それぞれ独立して、炭素数1~4のアルキル基である。Xは、F、Cl、Br、I、ClO、BF、PF、又は[(R15N]SO(R15は、それぞれ独立して、炭素数1~4のアルキル基)ある。
具体的な有機第四級アンモニウム塩(B2)としては、例えば、テトラブチル、テトラプロピル、テトラエチル、テトラメチル、トリエチルブチル、トリエチルプロピル、トリエチルメチル等のアンモニウムブロミド又はアンモニウムクロリド;テトラブチル、テトラプロピル、テトラエチル、テトラメチル、トリエチルブチル、トリエチルプロピル、トリエチルメチル等のアンモニウムテトラフルオロボレート;テトラブチル、テトラプロピル、テトラエチル、テトラメチル、トリエチルブチル、トリエチルプロピル、トリエチルメチル等のアンモニウムヘキサフルオロフォスフェート;テトラブチル、テトラプロピル、テトラエチル、テトラメチル、トリエチルブチル、トリエチルプロピル、トリエチルメチル等のアンモニウムパークロレート;テトラブチル、テトラプロピル、テトラエチル、テトラメチル、トリエチルブチル、トリエチルプロピル、トリエチルメチル等のアンモニウムサルフェート;等が挙げられる。
≪成分(B3):イオン液体≫
本発明の一態様で用いるイオン液体(B3)としては、常温(25℃)で液体である溶融塩であって、有機カチオンとその対イオンであるアニオンとから構成される化合物であればよい。
イオン液体(B3)を構成する有機カチオンとしては、例えば、下記一般式(b-3-i)~(b-3-viii)のいずれかで表されるカチオンが挙げられる。これらの中でも、イオン液体(B3)を構成する有機カチオンは、下記一般式(b-3-ii)で表されるカチオンが好ましい。
Figure 2023043966000004
上記式(b-3-i)~(b-3-iv)中、Rは、それぞれ独立して、炭素数1~20のアルキル基、又は炭素数1~20のアルケニル基である。
また、上記式(b-3-v)~(b-3-viii)中、Rは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1~20のアルキル基、-(CO)-Rで表される基(nは1~20の整数、Rは炭素数1~20のアルキル基)、又はアミノ基である。
、R及びRして選択し得る、前記アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基(n-プロピル基、i-プロピル基)、ブチル基(n-ブチル基、i-ブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基)、ペンチル基(n-ペンチル基、i-ペンチル基、ネオペンチル基)、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2-エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基等が挙げられる。
当該アルキル基は、直鎖アルキル基であってもよく、分岐鎖アルキル基であってもよい。
及びRとして選択し得る、前記アルケニル基としては、例えば、エテニル基(ビニル基)、プロぺニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ドデセニル基、トリデセニル基、テトラデセニル基、ペンタデセニル基、ヘキサデセニル基、オクタデセニル基等が挙げられる。
当該アルケニル基は、直鎖アルキル基であってもよく、分岐鎖アルキル基であってもよい。
なお、前記一般式(b-3-i)~(b-3-ii)のいずれかで表されるカチオンの炭素原子と結合している少なくとも一つの水素原子は、炭素数1~20のアルキル基に置換されていてもよい。具体的な当該アルキル基としては、上述のとおりである。
前記一般式(b-3-i)で表されるカチオン、及び、当該カチオンの少なくとも一つの水素原子が前記アルキル基で置換されたカチオンとしては、例えば、下記式(b-3-i-1)~(b-3-i-11)のいずれかで表されるカチオンが挙げられる。
Figure 2023043966000005
前記一般式(b-3-ii)で表されるカチオン、及び、当該カチオンの少なくとも一つの水素原子が前記アルキル基で置換されたカチオンとしては、例えば、下記式(b-3-ii-1)~(b-3-ii-26)のいずれかで表されるカチオンが挙げられ、下記式(b-3-ii-1)~(b-3-ii-15)のいずれかで表されるカチオンが好ましく、下記式(b-3-ii-1)~(b-3-ii-3)及び(b-3-ii-9)~(b-3-ii-10)のいずれかで表されるカチオンがより好ましく、下記式(b-3-ii-1)~(b-3-ii-3)のいずれかで表されるカチオンが更に好ましく、下記式(b-3-ii-2)で表されるカチオンがより更に好ましい。
Figure 2023043966000006
前記一般式(b-3-iii)で表されるカチオンとしては、例えば、下記式(b-3-iii-1)~(b-3-iii-6)のいずれかで表されるカチオンが挙げられる。
Figure 2023043966000007
前記一般式(b-3-iv)で表されるカチオンとしては、例えば、下記式(b-3-iv-1)~(b-3-iv-6)のいずれかで表されるカチオンが挙げられる。
Figure 2023043966000008
前記一般式(b-3-v)~(b-3-viii)のいずれかで表されるカチオンとしては、例えば、下記式のいずれかで表されるカチオンが挙げられる。
Figure 2023043966000009
イオン液体(B3)を構成するアニオンとしては、例えば、Cl、Br、I、AlCl 、AlCl 、BF 、PF 、SCN、ClO 、NO 、CHCOO、CFCOO、CHSO 、CFSO 、CSO 、(CFSO、(CSO、(CSO、(CSO、(CFSO、AsF 、SbF 、NbF 、TaF 、(CN)、CSO 、(CSO、CCOO、(CFSO)(CFCO)N、C19COO、(CHPO 、(CPO 、CHOSO 、COSO 、COSO 、C13OSO 、C17OSO 、CH(OCOSO 、C(CH)SO 、(CPF 、CHCH(OH)COO、(FSO、B(CN) 、C(CN) 、N(CN) 、p-トルエンスルホネートアニオン、2-(2-メトキシエチル)エチルサルフェートアニオン等が挙げられる。
これらの中でも、本発明の一態様で用いるイオン液体(B3)を構成するアニオンとしては、(CFSO又は(FSOが好ましい。
成分(C):粘着付与剤
本発明の一態様で用いる粘着剤組成物(x)は、さらに粘着付与剤(C)を配合してなる組成物であることが好ましい。粘着付与剤(C)を配合することで、電圧印加前に高粘着性を有する粘着剤組成物とすることができる。
なお、粘着付与剤(C)は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の一態様で用いる粘着付与剤(C)としては、例えば、ロジン含有ジオール等のロジン系樹脂;ロジン系樹脂を水素化した水素化ロジン系樹脂;テルペン系樹脂、テルペンフェノール系樹脂、芳香族変性テルペン系樹脂等のテルペン系樹脂;これらテルペン系樹脂を水素化した水素化テルペン系樹脂;石油ナフサの熱分解で生成するペンテン、イソプレン、ピペリン、1.3-ペンタジエン等のC5留分を共重合して得られるC5系石油樹脂及びこのC5系石油樹脂の水素化石油樹脂;石油ナフサの熱分解で生成するインデン、ビニルトルエン、α-メチルスチレン、β-メチルスチレン等のC9留分を共重合して得られるC9系石油樹脂及びこのC9系石油樹脂の水素化石油樹脂;等が挙げられる。
これらの中でも、電圧印加前は高粘着性を有する一方で、電圧印加によって容易に粘着性を低下させ得る粘着剤組成物とする観点から、本発明の一態様で用いる粘着付与剤(C)は、ロジン含有ジオール(C1)を含むことが好ましい。
ロジン含有ジオール(C1)の含有割合は、粘着剤組成物(x)に含まれる成分(C)の全量(100質量%)に対して、好ましくは30~100質量%、より好ましくは50~100質量%、より好ましくは70~100質量%、更に好ましくは80~100質量%、より更に好ましくは90~100質量%、特に好ましくは95~100質量%である。
本発明の一態様で用いるロジン含有ジオール(C1)としては、ロジン由来の骨格を有するジオールであればよく、例えば、ロジンとエポキシ化合物との反応物が挙げられる。
ロジン含有ジオール(C1)を構成するロジンとは、マツ科植物から得られる樹脂油を原料とし、精油などの揮発性物質を留去した後の残留樹脂のことを意味し、当該残留樹脂は、通常、アビエチン酸及びその類縁体を主成分とする樹脂酸と少量の中性成分とを含有する混合物である。上記樹脂酸としては、アビエチン酸、デヒドロアビエチン酸、ジヒドロアビエチン酸、テトラヒドロアビエチン酸、ジアビエチン酸、ネオアビエチン酸、レボピマル酸、これらを水素添加した水添ロジン、これらを不均化した不均化ロジン等が挙げられる。
ロジン含有ジオール(C1)を構成するエポキシ化合物としては、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、トリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ジプロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル等の非環状脂肪族ジグリシジルエーテル類;2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパンジグリシジルエーテル、ビス(4-ヒドロキシフェニル)メタンジグリシジルエーテル、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)エタンジグリシジルエーテル、2,2-ビス(4-ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンジグリシジルエーテル、3,3’,5,5’-テトラメチル-4,4’-ジヒドロキシビフェニルジグリシジルエーテル、2,2’-ビス(4-(β-ヒドロキシプロポキシ)フェニル)プロパンジグリシジルエーテル等の芳香族ジグリシジルエーテル類又は環状脂肪族ジグリシジルエーテル類;3,4-エポキシシクロヘキシルメチル、3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビニルシクロヘキセンジオキシド等の環状脂肪族環状オキシラン類;等が挙げられる。
これらの中でも、本発明の一態様で用いるロジン含有ジオール(C1)は、分子内に2個のロジン由来の骨格と2個の水酸基とを有する化合物であることが好ましい。
本発明の一態様で用いるロジン含有ジオール(C1)の軟化点は、成分(A)及び(B)との相溶性を良好とし、電圧印加前は高粘着性を有する一方で、電圧印加によって容易に粘着性を低下させ得る粘着剤組成物とする観点から、好ましくは60℃以上、より好ましくは65℃以上、更に好ましくは70℃以上、より更に好ましくは75℃以上、特に好ましくは80℃以上であり、また、好ましくは160℃以下、より好ましくは150℃以下、より好ましくは140℃以下、更に好ましくは130℃以下、更に好ましくは120℃以下、より更に好ましくは110℃以下、特に好ましくは104℃以下である。
なお、本明細書において、軟化点は、JIS K5902で規定の環球法に準拠して測定した値を意味する。
本発明の一態様で用いるロジン含有ジオール(C1)の酸価は、成分(A)及び(B)との相溶性を良好とし、電圧印加前は高粘着性を有する一方で、電圧印加によって容易に粘着性を低下させ得る粘着剤組成物とする観点から、好ましくは0~10.0mgKOH/g、より好ましくは0~4.9mgKOH/g、更に好ましくは0~1.9mgKOH/g、より更に好ましくは0~1.4mgKOH/g、特に好ましくは0~1.1mgKOH/gである。
また、本発明の一態様で用いるロジン含有ジオール(C1)の水酸基価は、成分(A)及び(B)との相溶性を良好とし、電圧印加前は高粘着性を有する一方で、電圧印加によって容易に粘着性を低下させ得る粘着剤組成物とする観点から、好ましくは30mgKOH/g以上、より好ましくは50mgKOH/g以上、更に好ましくは70mgKOH/g以上、より更に好ましくは80mgKOH/g以上、特に好ましくは90mgKOH/g以上であり、また、好ましくは300mgKOH/g以下、より好ましくは250mgKOH/g以下、更に好ましくは200mgKOH/g以下、より更に好ましくは180mgKOH/g以下、特に好ましくは150mgKOH/g以下である。
なお、本明細書において、酸価及び水酸基価は、JIS K0070で規定の電位差滴定法に準拠して測定した値を意味する。
本発明の一態様で用いる粘着剤組成物(x)において、電圧印加前は高粘着性を有する一方で、電圧印加によって容易に粘着性を低下させ得る粘着剤組成物とする観点から、粘着剤組成物(x)に含まれる成分(A)の全量100質量部に対する、成分(C)の配合割合は、好ましくは2.0質量部以上、より好ましくは5.0質量部以上、より好ましくは8.0質量部以上、更に好ましくは12.0質量部以上、より更に好ましくは18.0質量部以上、特に好ましくは22.0質量部以上であり、さらに、25.0質量部以上、又は30.0質量部以上としてもよく、また、好ましくは300質量部以下、より好ましくは200質量部以下、より好ましくは150質量部以下、更に好ましくは130質量部以下、より更に好ましくは120量部以下、特に好ましくは110質量部以下であり、さらに、100質量部以下、90質量部以下、80質量部以下、70質量部以下、60質量部以下、又は50質量部以下としてもよい。
成分(D):架橋剤
本発明の一態様で用いる粘着剤組成物(x)は、さらに架橋剤(D)を配合してなる組成物であることが好ましい。架橋剤(D)を配合することで、電圧印加前は高粘着性を有すると共に、電圧印加によって容易に粘着性を低下させ得る粘着剤組成物により調製し易くなる。
なお、架橋剤(D)は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の一態様で用いる架橋剤(D)としては、例えば、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、イミン系架橋剤、金属キレート系架橋剤等が挙げられる。
本発明の一態様で用いる粘着剤組成物(x)において、電圧印加前は高粘着性を有すると共に、電圧印加によって容易に粘着性を低下させ得る粘着剤組成物により調製し易くする観点から、成分(D)の配合量は、粘着性樹脂(成分(A))の全量100質量部に対して、好ましくは0.001~10.0質量部、より好ましくは0.005~7.0質量部、更に好ましくは0.010~5.0質量部、より更に好ましくは0.015~2.0質量部、特に好ましくは0.020~1.0質量部である。
成分(E):ポリオキシアルキレン鎖を有する化合物
本発明の一態様で用いる粘着剤組成物(x)は、さらにポリオキシアルキレン鎖を有する化合物(E)を配合してなる組成物であることが好ましい。化合物(E)を配合することで、電圧印加によって容易に粘着性を低下させ得る粘着剤組成物により調製し易くなる。
なお、化合物(E)は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の一態様で用いる化合物(E)は、下記一般式(e-1)で表される化合物が好ましい。
Figure 2023043966000010
上記一般式(e-1)中、Rは、炭素数1~8(好ましくは1~6、より好ましくは1~4、更に好ましくは2又は3)のアルキレン基である。
は、水素原子、炭素数1~12(好ましくは1~8、より好ましくは1~6、更に好ましくは1~3)のアルキル基、又はヒドロキシ基である。
は、水素原子又は炭素数1~12(好ましくは1~8、より好ましくは1~6、更に好ましくは1~3)のアルキル基である。
nは1以上の整数である。
として選択し得る、前記アルキレン基としては、例えば、メチレン基(-CH-)、エチレン基(-CHCH-)、エチリデン基(-CH(CH)-)、トリメチレン基(-CHCHCH-)、プロピレン基(-CH(CH)CH-)、プロピリデン基(-CHCH(CH)-)、イソプロピリデン基(-C(CH-)、テトラメチレン基(-CHCHCHCH-)、1-メチルトリメチレン基(-CH(CH)CHCH-)、2-メチルトリメチレン基(-CHCH(CH)CH-)、ブチレン基(-C(CHCH-)、及び-(CH-(mは1~8の整数)で表される基等が挙げられる。
これらの中でも、Rは、エチレン基又はプロピレン基が好ましく、エチレン基がより好ましい。
及びRとして選択し得る、前記アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基(n-プロピル基、i-プロピル基)、ブチル基(n-ブチル基、i-ブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基)、ペンチル基(n-ペンチル基、i-ペンチル基、ネオペンチル基)、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2-エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基等が挙げられる。
本発明の一態様で用いる化合物(E)は、前記一般式(e-1)中のRがヒドロキシ基で、Rが水素原子であるポリアルキレングリコールが好ましく、ポリエチレングリコール又はポリプロピレングリコールがより好ましく、ポリエチレングリコールが更に好ましい。
本発明の一態様で用いる化合物(E)の数平均分子量(Mn)は、好ましくは50~2,000、より好ましくは90~1,000、更に好ましくは130~500、より更に好ましくは170~300である。
本発明の一態様で用いる粘着剤組成物(x)において、電圧印加によって容易に粘着性を低下させ得る粘着剤組成物により調製し易くする観点から、成分(E)の配合量(含有量)は、成分(A)の全量100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上、更に好ましくは1.0質量部以上、より更に好ましくは2.5質量部以上、特に好ましくは4.0質量部以上であり、また、好ましくは30質量部以下、より好ましくは25質量部以下、更に好ましくは20質量部以下、より更に好ましくは16質量部以下、特に好ましくは12.0質量部以下である。
他の添加剤
本発明の一態様で用いる粘着剤組成物(x)は、本発明の効果を損なわない範囲で、成分(A)~(D)以外にも、一般的な粘着剤組成物に含まれる各種添加剤を含有してもよい。
そのような各種添加剤としては、例えば、相溶化剤、濡れ剤、増粘剤、消泡剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、軟化剤(可塑剤)、充填剤、防錆剤、顔料、染料等が挙げられる。
これらの各種添加剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
各種添加剤のそれぞれの配合量は、添加剤の種類に応じて適宜設定されるが、粘着剤組成物(x)に含まれる成分(A)の全量100質量部に対して、好ましくは0.01~50質量部、より好ましくは0.05~40質量部、更に好ましくは0.1~30質量部である。
また、電気剥離性粘着剤層(X1)は、導電性基材もしくは剥離材の剥離処理面上に、粘着剤組成物(x)を塗布して塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥させることで形成させることができる。
ここで、塗布性を向上させる観点から、粘着剤組成物(x)は、さらに水や有機溶媒で希釈して、溶液の形態としてもよい。
有機溶媒としては、例えば、メチルエチルケトン、アセトン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、シクロヘキサン、n-ヘキサン、トルエン、キシレン、n-プロパノール、イソプロパノール等が挙げられる。
なお、これらの有機溶媒は、粘着性樹脂の合成時に使用された有機溶媒をそのまま用いてもよいし、成分(A)の合成時に使用された有機溶媒以外の1種以上の有機溶媒を加えてもよい。
<絶縁層(X2)>
本発明の一態様の粘着シートが有する絶縁層(X2)は、上述の「導電性もしくは絶縁性を判断する試験方法」にて絶縁性と判断される層であればよい。
本発明の一態様で用いる絶縁層(X2)の厚さは、用途等に応じて適宜設定され、0.5μm以上、1.0μm以上、3.0μm以上、5.0μm以上、7.0μm以上、10μm以上、15μm以上、20μm以上、25μm以上、又は30μm以上としてもよく、また、150μm以下、120μm以下、100μm以下、90μm以下、80μm以下、70μm以下、又は60μm以下としてもよい。
本発明の一態様の粘着シートにおいて、絶縁層(X2)の厚さと導電性基材の厚さ(Y)との比〔(X2)/(Y)〕は、1/99以上、5/95以上、10/90以上、15/85以上、20/80以上、25/75以上、又は30/70以上としてもよく、また、60/40以下、55/45以下、50/50以下、48/52以下、45/55以下、42/58以下、又は40/60以下としてもよい。
本発明の一態様で用いる絶縁層(X2)の形成材料としては、「導電性もしくは絶縁性を判断する試験方法」にて絶縁性と判断される材料が挙げられ、具体的には、樹脂、紙、木、ガラス、セラミックス、炭素繊維強化プラスチック等が挙げられる。
これらの形成材料は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、絶縁層(X2)は、単層から構成されていてもよく、2層以上が積層してなる複層から構成されていてもよい。
本発明の一態様で用いる絶縁層(X2)は、絶縁層(X2)の形成のし易さ及び厚さの調整のし易さの観点から、樹脂を含む樹脂層を含むことが好ましい。
絶縁層(X2)が樹脂層を含む場合、絶縁層(X2)は、単層の1層の樹脂層からなる単層であってもよく、2層以上の樹脂層が積層してなる複層であってもよく、樹脂層以外の絶縁材料からなる層と、1層以上の樹脂層とが積層してなる積層体であってもよい。
絶縁層(X2)を構成する樹脂層に含まれる樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ゴム系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、オレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、シリコーン系樹脂、及びこれらの樹脂に重合性官能基を導入した硬化性樹脂等が挙げられる。
これらの樹脂は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、絶縁層(X2)を構成する樹脂層には、相溶化剤、濡れ剤、増粘剤、消泡剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、軟化剤(可塑剤)、充填剤、防錆剤、顔料、染料等の各種添加剤を含有していてもよい。
本発明の一態様の粘着シートにおいて、絶縁層(X2)を構成する樹脂層は、粘着性樹脂を含む粘着剤層であってもよい。
当該粘着剤層に含まれる粘着性樹脂としては、粘着性を有する樹脂であれば特に制限はされず、例えば、アクリル系ポリマー、ウレタン系ポリマー、ゴム系ポリマー、ポリエステル系ポリマー、オレフィン系ポリマー、シリコーン系ポリマー、及びこれらのポリマーに重合性官能基を有する硬化型ポリマー等が挙げられる。
これらの粘着性樹脂は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、粘着性樹脂は、エマルション型ポリマーであってもよく、非エマルション型ポリマーであってもよい。
なお、前記粘着剤層は、上述の粘着剤組成物(x)から形成された層であってもよく、層(X1)と同じ粘着剤組成物(x)から形成された層であってもよい。この場合、層(X1)は、導電性被着体と貼付される粘着表面(α)又は(β)を含む層であり、絶縁層(X2)は、粘着表面(α)又は(β)以外の粘着表面を含む層であって、区分けされる。
本発明の一態様の粘着シートにおいて、絶縁層(X2)として、剥離材を用いてもよい。なお、一般的に剥離材は、剥離材用基材の片面又は両面に、剥離剤用樹脂を含む剥離剤から形成された剥離剤層を有する。当該剥離剤層は樹脂層に該当するため、剥離材用基材として絶縁性基材を用いた剥離材は、絶縁層(X2)として使用し得る。
以下、剥離材の詳細について説明する。
<剥離材>
本発明の一態様の粘着シートが有する剥離材は、剥離材用基材の片面又は両面に、剥離剤用樹脂を含む剥離剤から形成された剥離剤層を有する。
本発明の一態様の粘着シートにおいて、剥離材は、層(X)の表面を保護する目的で層(X)上に積層して使用してもよく、絶縁層(X2)として使用してもよい。
剥離材を絶縁層(X2)として用いる場合、剥離材用基材としては、絶縁性基材であればよく、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリブタジエン、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体、ポリウレタン、エチレン-酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン(メタ)アクリル酸共重合体、ポリスチレン、ポリカーボネート、フッ素樹脂、低密度ポリエチレン、直鎖低密度ポリエチレン、トリアセチルセルロース等の樹脂フィルムや、上質紙、コート紙、グラシン紙等の紙基材、これらの紙基材にポリエチレン等の熱可塑性樹脂をラミネートしたラミネート紙等が挙げられる。
また、剥離材を絶縁層(X2)としては用いず、層(X)の表面を保護する目的で用いる場合、剥離材用基材としては、上述の絶縁性基材の他に、上述の導電性基材(Y)と同様の導電性基材を用いることもできる。
剥離剤層を形成する剥離剤に含まれる剥離材用樹脂としては、例えば、シリコーン系樹脂、オレフィン系樹脂、長鎖アルキル系樹脂、アルキド系樹脂、フッ素系樹脂、イソプレン系樹脂やブタジエン系樹脂等のゴム系エラストマー等が挙げられる。
これらの樹脂は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
剥離材を絶縁層(X2)として用いる場合、剥離材の厚さは、上述の絶縁層(X2)の厚さの好適範囲と同じである。
また、剥離材を縁層(X2)としては用いず、層(X)の表面を保護する目的で用いる場合、剥離材の厚さは、特に制限は無いが、好ましくは5~300μm、より好ましくは10~200μmであり、剥離材用基材として樹脂フィルムを用いる場合は、好ましくは10~100μmである。
<導電性被着体>
本発明の一態様の粘着シートが貼付対象とする導電性被着体としては、特に制限はされない。
導電性被着体を構成する導電性材料としては、上述の「導電性もしくは絶縁性を判断する試験方法」にて導電性と判断される材料が挙げられ、具体的には、アルミニウム、スズドープ酸化インジウム、銅、鉄、銀、白金、金等の金属やそれら金属の合金、導電性ポリマー等が挙げられる。
本発明の一態様で用いる導電性被着体は、これらの導電性材料の1種のみから構成された被着体であってもよく、2種以上を組み合わせて構成された被着体であってもよい。
〔電気剥離性粘着シートの剥離方法〕
本発明の一態様の電気剥離性粘着シートに貼付した導電性被着体を剥離する方法としては、以下に示す剥離方法が挙げられる。
以下、図1~4に示す粘着シートのような基材付き粘着シート、及び、図5~8に示す粘着シートのような基材無し粘着シートに貼付した導電性被着体を剥離する方法について、それぞれ説明する。
<基材付き粘着シートの剥離方法>
図1~4に示す粘着シートのような、基材付き粘着シートが有する電気剥離性粘着剤層(X1)の粘着表面(α)に貼付した導電性被着体を剥離する方法としては、下記工程(1a)~(3a)を有する剥離方法が挙げられる。
・工程(1a):前記基材付き粘着シートの導電性基材(Y)と電極(I)を電気的に接続し、前記導電性被着体の表面と電極(II)を電気的に接続する工程。
・工程(2a):電極(I)及び(II)の間に電圧を印加する工程。
・工程(3a):粘着表面(α)から前記導電性被着体を剥離する工程。
(工程(1a))
工程(1a)では、電圧印加装置から接続している電極(I)及び(II)を、導電性基材(Y)及び導電性被着体と電気的に接続する工程である。
電極(I)及び(II)を、それぞれ電圧印加装置の陽極及び陰極のどちらと接続するかは、電気剥離性粘着剤層(X1)の特性を考慮の上、工程(3a)にて、導電性被着体を粘着表面(α)から剥離できるように選択される。
(工程(2a))
工程(2a)では、電極(I)及び(II)の間に電圧を印加する工程である。印加する電圧の大きさは、電極(I)及び(II)が接続している電圧印加装置により行うことができる。
本工程において印加する電圧(印加電圧)は、好ましくは1~200V、より好ましくは3~140V、更に好ましくは6~120Vであり、当該範囲の電圧を印加する時間(印加時間)は、好ましくは1~180秒、より好ましくは5~120秒、更に好ましくは10~90秒である。
本工程によって、電極(I)と接続された導電性基材(Y)と、電極(II)と接続された導電性被着体との間に位置する電気剥離性粘着剤層(X1)に電圧を印加し、粘着力を低下させることができる。
この際、本発明の一態様の粘着シートは、絶縁層(X2)を有するため、仮に電極(I)及び(II)の一方が外れても、外れた電極が、導電性被着体もしくは導電性基材(Y)と接触することを防止できるため、短絡の発生を効果的に抑制することができる。
(工程(3a))
工程(3a)では、粘着表面(α)から前記導電性被着体を剥離する工程である。
工程(2a)で電気剥離性粘着剤層(X1)に電圧が印加され粘着力は低下している。そのため、導電性被着体を粘着表面(α)から、わずかな力で剥離することができる。
<基材無し粘着シートの剥離方法>
図5~8に示す粘着シートのような、基材無し粘着シートが有する電気剥離性粘着剤層(X1)の粘着表面(α)に貼付した第1導電性被着体。もしくは、粘着表面(β)に貼付した第2導電性被着体を剥離する方法としては、下記工程(1b)~(3b)を有する剥離方法が挙げられる。
・工程(1b):前記第1導電性被着体と電極(I)を電気的に接続し、前記第2導電性被着体の表面と電極(II)を電気的に接続する工程。
・工程(2b):電極(I)及び(II)の間に電圧を印加する工程。
・工程(3b):粘着表面(α)もしくは粘着表面(β)から第1導電性被着体もしくは第2導電性被着体を剥離する工程。
<工程(1b)>
工程(1b)では、電圧印加装置から接続している電極(I)及び(II)を、第1導電性被着体及び第2導電性被着体と電気的に接続する工程である。
電極(I)及び(II)を、それぞれ電圧印加装置の陽極及び陰極のどちらと接続するかは、電気剥離性粘着剤層(X1)の特性を考慮の上、工程(3a)にて、第1導電性被着体もしくは第2導電性被着体のどちらを粘着表面から剥離できるようにするかにより選択される。
<工程(2b)>
工程(2b)では、電極(I)及び(II)の間に電圧を印加する工程である。印加する電圧の大きさは、電極(I)及び(II)が接続している電圧印加装置により行うことができる。
本工程において印加する電圧(印加電圧)の好適範囲は、好ましくは1~200V、より好ましくは3~140V、更に好ましくは6~120Vであり、当該範囲の電圧を印加する時間(印加時間)は、好ましくは1~180秒、より好ましくは5~120秒、更に好ましくは10~90秒である。
本工程によって、電極(I)と接続された第1導電性被着体と、電極(II)と接続された第2導電性被着体との間に位置する電気剥離性粘着剤層(X1)に電圧を印加し、粘着力を低下させることができる。
この際、本発明の一態様の粘着シートは、絶縁層(X2)を有するため、仮に電極(I)及び(II)の一方が外れても、外れた電極が、他方の導電性被着体と接触することを防止できるため、短絡の発生を効果的に抑制することができる。
<工程(3b)>
工程(3b)では、粘着表面(α)もしくは粘着表面(β)から第1導電性被着体もしくは第2導電性被着体を剥離する工程である。
工程(2b)で電気剥離性粘着剤層(X1)に電圧が印加され粘着力は低下している。そのため、第1導電性被着体もしくは第2導電性被着体を粘着表面から、わずかな力で剥離することができる。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。但し、本発明は、以下の実施例になんら限定されるものではない。なお、質量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、以下に記載の方法により測定した。
<質量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)>
ゲル浸透クロマトグラフ装置(東ソー株式会社製、製品名「HLC-8220GPC」)を用いて、下記の条件下で測定し、標準ポリスチレン換算にて測定した値を用いた。
(測定条件)
・カラム:「TSK guard column SuperH-H」「TSK gel SuperHM-H」「TSK gel SuperHM-H」「TSK gel SuperH2000」(いずれも東ソー株式会社製)を順次連結したもの
・カラム温度:40℃
・展開溶媒:テトラヒドロフラン
・流速:1.0mL/min
実施例1
[粘着シートの作製]
以下の手順で、図1(b)に示された粘着シート1と同様の構成を有する粘着シートを作製した。
(1)電気剥離性粘着剤組成物(x)の調製
電気剥離性粘着剤組成物(x)の調製に用いた各成分は以下のとおりである。
・「アクリル系ポリマー」:n-ブチルアクリレート(BA)、メチルアクリレート(MA)、2-ヒドロキシエチルアクリレート(2-HEA)に由来する構成単位を有する共重合体(構成単位比:BA/MA/2-HEA=60/20/20(質量比))、粘着性樹脂、Mw=60万。
・「イオン液体」:第一工業製薬株式会社製、製品名「AS-210」、1-エチル-3-メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、常温(25℃)で液体であるイオン液体。
・「ロジン含有ジオール」:荒川化学工業株式会社製、製品名「パインクリスタルD-6011」、ロジン含有ジオール、軟化点=84~99℃、酸価=1mgKOH/g以下、水酸基価=110~125mgKOH/g。
・「イソシアネート系架橋剤」:東ソー株式会社製、製品名「コロネートL」、イソシアネート系架橋剤。
・「PEG」:Mn=200のポリエチレングリコール、常温(25℃)で液体。
上記アクリル系ポリマー100質量部(有効成分比)、上記イオン液体16.0質量部(有効成分比)、上記ロジン含有ジオール40.0質量部(有効成分比)、上記イソシアネート系架橋剤0.20質量部(有効成分比)、及び上記PEG9.0質量部(有効成分比)を添加し、希釈溶媒である酢酸エチルで希釈して、電気剥離性粘着剤組成物(x)を調製した。
(2)電気剥離性粘着シートの作製
重剥離フィルム(リンテック株式会社製、商品名「SP-PET382150」、厚さ:38μm)の中央部分に、打ち抜き加工により一辺50mmの正方形の切り込みを入れて、少なくとも正方形の四隅は、当該正方形の領域外の部分とつながるようにし、その切り込みに沿って、剥離フィルムの一部を除去できるように加工した。
軽剥離フィルム(リンテック株式会社製、商品名「SP-PET381031」、厚さ:38μm)の剥離処理面上に、乾燥後の厚さが50μmとなるように、上記(1)で調製した電気剥離性粘着剤組成物(x)を塗布し、100℃で2分間乾燥させて、剥離フィルム上に、電気剥離性粘着剤層を形成し、前述の重剥離フィルムを貼り合わせた。
次に軽剥離フィルムを剥がし、形成した電気剥離性粘着剤層の表出している表面と、導電性基材である、厚さ50μmのアルミニウム箔(日本金属箔工業株式会社製、製品名「アルミタンタイSツヤ50フクオカ」)とを貼り合わせた。そして、剥離フィルムに形成した正方形の切り込み部分が中央に位置するように、縦150mm×横70mmの大きさに切断し、重剥離フィルムに形成した切り込みに沿って、一辺50mmの正方形の大きさの剥離フィルムを除去して電気剥離性粘着剤層を表出させて、図4の粘着シート4Aと同じ構成を有する電気剥離性粘着シートを作製した。
[電気剥離性試験]
上記(2)で作製した電気剥離性粘着シートを用いて、以下の方法に基づいて、電圧印加によって導電性被着体が剥離できるか否かの電気剥離性試験を行った。
作製した電気剥離性粘着シートの表出している電気剥離性粘着剤層(X1)の粘着表面(α)に、導電性被着体である、一辺が60mmの正方形の大きさのステンレス板を貼付した。
そして、電気剥離性粘着シートの導電性基材であるアルミニウム箔と電極(I)とを電気的に接続し、導電性被着体であるステンレス板と電極(II)とを電気的に接続した。次に、電圧印加装置(株式会社高砂製作所社製、製品名「直流電源装置(KX-100H)」の陽極側の端子を電極(I)と接続し、また、陰極側の端子を電極(II)と接続して回路を形成した。
そして、10Vの電圧を60秒間印加し、電圧印加後に1分間静置した。
静置後、23℃、50%RH(相対湿度)の環境下で、導電性被着体50を粘着表面(α)から手で剥離したところ、わずかな力で容易に剥離できることが確認された。
また、別のサンプルを用意した上で、上記と同様の条件で電圧印加を行っている途中で、電極(II)と端子をつなぐ導線を引っ張り、電極(II)を導電性被着体からの接続を外した。この際、電極(II)は、電気剥離性粘着剤層(X1)には接触することなく、絶縁層(X2)である剥離フィルムの表面と接触し、短絡が生じることは無かった。
1A、2A、3A、4A、1B、2B、3B 粘着シート
Y 導電性基材
X 層
X1 電気剥離性粘着剤層
x11 外周端部
X2 絶縁層
x21 内周端部
X3 空隙部
21、22 剥離材
21a、22a 切り込み

Claims (12)

  1. 導電性基材(Y)、及び当該導電性基材(Y)の片面又は両面の少なくとも一部の表面に積層した層(X)を有し、
    層(X)が、電圧を印加することで粘着性が低下し得る電気剥離性粘着剤組成物から形成され、導電性基材(Y)と接触する表面(β)及び導電性被着体と貼付し得る粘着表面(α)とを有する電気剥離性粘着剤層(X1)と、絶縁層(X2)とを含み、
    粘着表面(α)側から層(X)を平面視した際に、粘着表面(α)は絶縁層(X2)に囲まれた位置に存在する、
    電気剥離性粘着シート。
  2. 絶縁層(X2)の少なくとも一部の表面が、導電性基材(Y)と接触する、請求項1に記載の電気剥離性粘着シート。
  3. 粘着表面(α)側から層(X)を平面視した際に、粘着表面(α)の外周端部及び絶縁層(X2)の内周端部の少なくとも一方が、粘着表面(α)と絶縁層(X2)との境界となる、請求項1又は2に記載の電気剥離性粘着シート。
  4. 粘着表面(α)側から層(X)を平面視した際に、粘着表面(α)の少なくとも一部の外周端部と空隙部(X3)を隔てて、当該外周端部と略平行となるように絶縁層(X2)が位置する、請求項1~3のいずれか一項に記載の電気剥離性粘着シート。
  5. 電気剥離性粘着剤層(X1)と絶縁層(X2)とが面方向で隣接してなる、請求項1~4のいずれか一項に記載の電気剥離性粘着シート。
  6. 絶縁層(X2)の少なくとも一部が、電気剥離性粘着剤層(X1)上に積層してなる、請求項1~5のいずれか一項に記載の電気剥離性粘着シート。
  7. 絶縁層(X2)が、導電性基材(Y)と接触せずに、電気剥離性粘着剤層(X1)上に積層してなる、請求項6に記載の電気剥離性粘着シート。
  8. 絶縁層(X2)が、樹脂を含む樹脂層を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の電気剥離性粘着シート。
  9. 絶縁層(X2)が、剥離材である、請求項1~8のいずれか一項に記載の電気剥離性粘着シート。
  10. 電圧を印加することで粘着性が低下し得る電気剥離性粘着剤組成物から形成され、第1導電性被着体と貼付し得る粘着表面(α)、及び、粘着表面(α)とは反対側の第2導電性被着体と貼付し得る粘着表面(β)を有する電気剥離性粘着剤層(X1)と、絶縁層(X2)と、を含む層(X)を有し、
    粘着表面(α)及び(β)の少なくとも一方側から層(X)を平面視した際に、粘着表面(α)又は(β)は絶縁層(X2)に囲まれた位置に存在する、
    電気剥離性粘着シート。
  11. 請求項1~9のいずれか一項に記載の電気剥離性粘着シートの粘着表面(α)に貼付した導電性被着体を剥離する方法であって、
    下記工程(1a)~(3a)を有する、剥離方法。
    ・工程(1a):前記電気剥離性粘着シートの導電性基材(Y)と電極(I)を電気的に接続し、前記導電性被着体の表面と電極(II)を電気的に接続する工程。
    ・工程(2a):電極(I)及び(II)の間に電圧を印加する工程。
    ・工程(3a):粘着表面(α)から前記導電性被着体を剥離する工程。
  12. 請求項10に記載の電気剥離性粘着シートの粘着表面(α)に貼付した第1導電性被着体もしくは粘着表面(β)に貼付した第2導電性被着体を剥離する方法であって、
    下記工程(1b)~(3b)を有する、剥離方法。
    ・工程(1b):前記第1導電性被着体と電極(I)を電気的に接続し、前記第2導電性被着体の表面と電極(II)を電気的に接続する工程。
    ・工程(2b):電極(I)及び(II)の間に電圧を印加する工程。
    ・工程(3b):粘着表面(α)もしくは粘着表面(β)から前記第1導電性被着体もしくは前記第2導電性被着体を剥離する工程。
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