JP2023041500A - レール締結装置及びレール締結方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】螺締式のレール締結装置から無螺締式のレール締結装置に容易に変更することができるレール締結装置を提供する。【解決手段】レール締結装置1は、支承体2に固定された軸部材4と、支承体2と軸部材4の頭部4bとの間に配置されたばね部材5と、軸部材4の軸部4aを囲むようにばね部材5と頭部4bとの間に挿入された枠部材6と、を有する。軸部材4aは球面部17を含む。枠部材6は、枠部14の上面に形成された球面部18と、枠部14の両端部の各々にそれぞれ接続された2つのテーパ部19と、を含む。レール締結装置1は、球面部18が球面部17と嵌合されるように、ばね部材5と頭部4bとの間に枠部材6が挿入され、ばね部材5によりレール底部3bが押圧されることにより、支承体2にレール3を締結する。【選択図】図2

Description

本発明は、支承体にレールを締結するレール締結装置及びレール締結方法に関する。
例えばまくらぎ等の支承体にレールを締結するレール締結装置として、ばね部材である板ばねと、軸部材に含まれる雄ねじと支承体の上面に形成された雌ねじよりなるボルト・ナット締結体と、を用いて支承体にレールを締結する螺締式のレール締結装置が用いられている。
実開平3-89701号公報(特許文献1)には、コンクリートまくらぎ支承体に使用されるレール弾性締結用のPC締結装置用板ばねにおいて、レール底部上面及び同側面に直接密着する部分の板ばねの板幅中央の一部が、締結ボルト用の穴の長径側と連続して穿孔されている技術が開示されている。
特開2004-300691号公報(特許文献2)には、レールを支持体に締結するレール締結装置において、レールを押さえ付けて締結する締結ばねと、締結ばねを締め付ける締結部材とを備え、締結ばねと締結部材との間に第1の球面部とこの第1の球面部と接触する第2の球面部とを備える技術が開示されている。
実開平3-89701号公報 特開2004-300691号公報
近年、上記した螺締式のレール締結装置に代えて、無螺締式のレール締結装置が用いられるようになってきている。無螺締式のレール締結装置を用いる場合、支承体にレールを締結した後、ボルト・ナット締結体が緩まないように維持管理する必要がないので、ボルト・ナット締結体が緩まないように維持管理する必要がある螺締式のレール締結装置を用いる場合に比べ、所定の性能を発揮しつつ、保守作業を省力化・低コスト化することができる。
ところが、螺締式のレール締結装置から無螺締式のレール締結装置に変更する場合、既存の支承体(レール支承体)を、専用の締結機構が設けられたPC(Prestressed Concrete)まくらぎ等の支承体に交換する必要があるか、又は、既存の支承体に専用のインサートを埋め込む必要がある。そのため、螺締式のレール締結装置から無螺締式のレール締結装置に容易に変更することができなかった。
本発明は、上述のような従来技術の問題点を解決すべくなされたものであって、レールを締結するレール締結装置において、既存の支承体を交換する必要がなく、既存の支承体に専用のインサートを埋め込む必要がなく、螺締式のレール締結装置から無螺締式のレール締結装置に容易に変更することができるレール締結装置を提供することを目的とする。
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
本発明の一態様としてのレール締結装置は、支承体にレールを締結するレール締結装置である。当該レール締結装置は、軸部と、頭部と、を含み、頭部が軸部よりも上方に配置された状態で、レールの側方で支承体に固定された軸部材と、支承体と頭部との間に配置され、且つ、上下方向に弾性変形するばね部材と、第1上面及び第1下面を有し且つ上面視においてC字形状、コ字形状又はU字形状を有する枠部を含み、上面視において枠部が軸部を囲むように、ばね部材と頭部との間に挿入された枠部材と、を有する。軸部材は、軸部と頭部との間に形成された第1球面部を含み、ばね部材は、レールの底部を押圧する押圧部を含む。枠部材は、枠部の第1上面に形成され、且つ、第1球面部と嵌合可能な第2球面部と、枠部の両端部の各々にそれぞれ接続され、枠部の中心から離れるにつれて上下方向における第1厚さがそれぞれ薄くなる2つのテーパ部と、を含む。また、当該レール締結装置は、第2球面部が第1球面部と嵌合されるように、ばね部材と頭部との間に枠部材が挿入され、押圧部により底部が押圧されることにより、支承体にレールを締結する。
また、他の一態様として、ばね部材は、ばね部材を上下方向に貫通する貫通孔を含み、貫通孔の内径の最小径は、頭部及び第1球面部のいずれの外径の最大径よりも大きく、枠部材は、ばね部材のうち貫通孔の周縁部に係止されていてもよい。
また、他の一態様として、2つのテーパ部の各々の第2下面は、第1下面と同一面であり、2つのテーパ部の各々の第2上面は、枠部の中心から離れるにつれて第1厚さが薄くなるように、第1上面に対して傾斜していてもよい。
また、他の一態様として、2つのテーパ部の各々は、第2球面部から離れていてもよい。
また、他の一態様として、2つのテーパ部の各々の先端部は、上面視において枠部の中央部を中心とした円弧形状を有してもよい。
また、他の一態様として、枠部は、上面視において枠部の中央部を挟んで2つのテーパ部と反対側に配置された第1側面を有し、第1側面は、平面であってもよい。
また、他の一態様として、第2球面部は、両端部の一方の第1端部から、両端部の他方の第2端部にかけて、一体的に形成されていてもよい。
また、他の一態様として、支承体のうちレールの側方に配置された部分の上面に穴部が形成され、穴部の内周面に螺旋溝が形成され、軸部材は、頭部が軸部よりも上方に配置された状態で、軸部が穴部に挿入され、穴部に挿入されている軸部が穴部に接着されて埋め込まれたことにより、レールの側方で支承体に固定されていてもよい。
また、他の一態様として、軸部は、穴部の内周面に形成された螺旋溝に螺合可能なねじ部であり、軸部材は、頭部がねじ部よりも上方に配置された状態で、ねじ部が螺旋溝に螺合され、螺旋溝に螺合されているねじ部が穴部に接着されて埋め込まれたことにより、レールの側方で支承体に固定されていてもよい。
本発明の一態様としてのレール締結方法は、支承体に第1レールを締結するレール締結方法である。当該レール締結方法は、軸部と、第1頭部と、を含む第1軸部材を、第1頭部が軸部よりも上方に配置された状態で、第1レールの側方で支承体に固定する(a)工程と、上下方向に弾性変形する第1ばね部材を、支承体と第1頭部との間に配置する(b)工程と、第1上面及び第1下面を有し且つ上面視においてC字形状、コ字形状又はU字形状を有する枠部を含む枠部材を、上面視において枠部が軸部を囲むように、第1ばね部材と第1頭部との間に挿入する(c)工程と、を有する。第1軸部材は、軸部と第1頭部との間に形成された第1球面部を含み、第1ばね部材は、第1レールの第1底部を押圧する第1押圧部を含む。枠部材は、枠部の第1上面に形成され、且つ、第1球面部と嵌合可能な第2球面部と、枠部の両端部の各々にそれぞれ接続され、枠部の中心から離れるにつれて上下方向における第1厚さがそれぞれ薄くなる2つのテーパ部と、を含む。(c)工程では、第2球面部が第1球面部と嵌合されるように、第1ばね部材と第1頭部との間に枠部材を挿入し、第1押圧部により第1底部を押圧することにより、支承体に第1レールを締結する。
また、他の一態様として、(c)工程では、上面視において2つのテーパ部が軸部を挟んだ状態で、第1ばね部材と第1頭部との間に2つのテーパ部を挿入し、第1ばね部材と第1頭部との間に2つのテーパ部が挿入された状態から、第1ばね部材と第1頭部との間に枠部が挿入され且つ第2球面部が第1球面部と嵌合された状態まで、第1ばね部材と第1頭部との間に枠部材を押し込んで移動させ、第2球面部が第1球面部と嵌合された状態で、第1押圧部により第1底部を押圧することにより、支承体に第1レールを締結してもよい。
また、他の一態様として、支承体のうち第1レールの側方に配置された部分の上面に穴部が形成され、穴部の内周面に螺旋溝が形成されていてもよい。当該レール締結方法は、更に、(a)工程の前に、ねじ部と、第2頭部と、を含む第2軸部材であって、第2頭部がねじ部よりも上方に配置され、第2レールの第2底部を押圧する第2押圧部を含む第2ばね部材が支承体と第2頭部との間に配置された状態で、ねじ部が螺旋溝に螺合され、ねじ部が螺旋溝に螺合された第2軸部材に含まれる第2頭部により第2押圧部を押圧し、第2頭部により押圧された第2押圧部により第2底部を押圧することにより、第2レールが支承体に締結されている、第2軸部材を、撤去する(d)工程と、(d)工程の後、(a)工程の前に、第2ばね部材を撤去する(e)工程と、を有してもよい。(a)工程では、第1頭部が軸部よりも上方に配置された状態で、軸部を穴部に挿入し、穴部に挿入されている軸部を穴部に接着して埋め込むことにより、第1レールの側方で第1軸部材を支承体に固定してもよい。
また、他の一態様として、(b)工程にて支承体と第1頭部との間に配置された第1ばね部材は、第1レールの幅方向に延在する第1弾性板部と、第1弾性板部よりも上方に配置され、且つ、第1レールの幅方向に延在する第2弾性板部と、第1弾性板部のうち第1レールの幅方向における第1レールの中心側と反対側と、第2弾性板部のうち第1レールの幅方向における第1レールの中心側と反対側と、を接続する第3弾性板部と、を含んでもよい。(b)工程にて支承体と第1頭部との間に配置された第1ばね部材に含まれる第1押圧部は、第2弾性板部のうち第1レールの幅方向における第1レールの中心側の先端部であってもよい。(b)工程にて支承体と第1頭部との間に配置された第1ばね部材に含まれる第2弾性板部は、第1レールの幅方向において第1レールの中心から離れるにつれて高さ位置が低くなるように傾斜した板状部を含んでもよい。(b)工程にて支承体と第1頭部との間に配置された第1ばね部材に含まれる第1押圧部は、第1底部から離れていてもよい。(c)工程では、(b)工程の後、第2弾性板部に含まれる板状部が、第1レールの幅方向において第1レールの中心から離れるにつれて高さ位置が低くなるように傾斜し、第1押圧部が第1底部から離れている状態で、第2弾性板部と第1頭部との間に枠部材を挿入し、第2弾性板部と第1頭部との間に挿入された枠部材により、第1押圧部を下方に押し下げ、下方に押し下げられた第1押圧部により第1底部を押圧することにより、支承体に第1レールを締結してもよい。2つのテーパ部の各々の先端部の上下方向の第2厚さは、(c)工程にて枠部材を挿入する前の第2弾性板部の第1部分であって、第1球面部のうち第1レールの幅方向における第1レールの中心側と反対側の周縁部である第2部分、の直下に配置された第1部分と、第2部分との間の上下方向の第1間隔よりも薄くてもよい。
本発明の一態様を適用することで、レールを締結するレール締結装置において、既存の支承体を交換する必要がなく、既存の支承体に専用のインサートを埋め込む必要がなく、螺締式のレール締結装置から無螺締式のレール締結装置に容易に変更することができる。
実施の形態1のレール締結装置を示す上面図である。 実施の形態1のレール締結装置を示す断面図である。 実施の形態1のレール締結装置の軸部材を示す側面図である。 実施の形態1のレール締結装置のばね部材を示す上面図及び断面図である。 実施の形態1のレール締結装置の枠部材を示す上面図及び断面図である。 比較例のレール締結装置を示す上面図である。 比較例のレール締結装置を示す断面図である。 実施の形態2のレール締結工程の一部を示すフロー図である。 実施の形態2のレール締結工程を示す断面図である。 実施の形態2のレール締結工程を示す断面図である。 実施の形態2のレール締結工程を示す断面図である。 実施の形態2のレール締結工程を示す断面図である。 実施の形態2のレール締結工程を示す断面図である。 実施の形態2のレール締結工程を示す断面図である。
以下に、本発明の各実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実施の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。
また本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
更に、実施の形態で用いる図面においては、断面図であっても図面を見やすくするためにハッチング(網掛け)を省略する場合もある。また、平面図であっても図面を見やすくするためにハッチングを付す場合もある。
なお、以下の実施の形態においてA~Bとして範囲を示す場合には、特に明示した場合を除き、A以上B以下を示すものとする。
(実施の形態1)
<レール締結装置>
本発明の一実施形態である実施の形態1のレール締結装置について、比較例のレール締結装置と比較しながら説明する。
図1は、実施の形態1のレール締結装置を示す上面図である。図2は、実施の形態1のレール締結装置を示す断面図である。図3は、実施の形態1のレール締結装置の軸部材を示す側面図である。図4は、実施の形態1のレール締結装置のばね部材を示す上面図及び断面図である。図4(a)は上面図を示し、図4(b)は断面図を示す。図5は、実施の形態1のレール締結装置の枠部材を示す上面図及び断面図である。図5(a)は上面図を示し、図5(b)は側面図を示す。なお、図2に示す断面図では、レールを中心とした左側において、ばね部材及び埋込栓について側面図を示し、レールを中心とした右側において、ばね部材及び埋込栓について断面図を示している。
図6は、比較例のレール締結装置を示す上面図である。図7は、比較例のレール締結装置を示す断面図である。なお、図7に示す断面図では、レールを中心として左側では、ばね部材及び埋込栓について側面図を示し、レールを中心として右側では、ばね部材及び埋込栓について断面図を示している。
図1乃至図5に示すように、本実施の形態1のレール締結装置1は、レールを支承する支承体2にレール3を締結するレール締結装置である。本実施の形態1のレール締結装置1は、後述する実施の形態2のレール締結方法により支承体2にレール3が締結されたものである。また、本実施の形態1のレール締結装置1は、支承体2にレール3を直接締結する直結型レール締結装置であり、列車が通過する際に発生する振動を吸収する緩衝機能を有する。
レール3は、鉄道車両の車輪を支持し案内してこの鉄道車両を走行させる部材である。レール3は、鉄道車両の車輪と接触するレール頭部3aと、支承体2に取り付けられる、底部としてのレール底部3bと、レール頭部3aとレール底部3bとを繋ぐレール腹部3cと、を含む。支承体2は、レール3を支持する部材である。支承体2として、例えばプレストレスコンクリート(Prestressed Concrete:PC)まくらぎ等の既存のまくらぎを用いることができる。
本実施の形態1のレール締結装置1は、軸部材4と、締結ばねとも称されるばね部材5と、座金の一種である枠部材6と、を有する。軸部材4、ばね部材5及び枠部材6の詳細については、後述する。
支承体2とレール3との間には、軌道パッド7が挿入されている。軌道パッド7は、加硫ゴム又はウレタンよりなり、板状形状を有する弾性体である。軌道パッド7は、列車が通過する際に発生する衝撃荷重を緩和する機能、又は、レール3が長手方向に移動するふく進に対する抵抗力を確保する機能を有する。また、軌道パッド7は、支承体2の表面を保護し、レール底部3bと支承体2とを電気的に絶縁する機能を有する。
支承体2とばね部材5との間には、受栓8が挿入されている。受栓8は、ばね部材5を支持するために、支承体2の表面に埋め込まれた、プラスチック等の樹脂よりなる部材であり、支承体2とばね部材5とを電気的に絶縁する機能を有する。
支承体2が、例えばPCまくらぎ等の既存のまくらぎよりなる場合、支承体2の上面に形成された埋込穴2aには、埋込栓9が埋め込まれている。このような場合、支承体2は、例えばPCまくらぎ等の既存のまくらぎの上面に形成された埋込穴2aに埋込栓9が埋め込まれたものである。埋込栓9は、不飽和ポリエステル樹脂又はナイロンよりなる。埋込栓9の上面には穴部9aが形成され、穴部9aの内周面には螺旋溝9bが形成されている。詳細は後述するものの、穴部9aには、軸部材4が埋め込まれている。なお、埋込栓9の周囲にはスパイラル鉄線9cが設けられ、埋込栓9の下部には、水抜きカラー9dが接続されている。また、埋込栓9は、支承体2と軸部材4とを電気的に絶縁する機能を有する。
次に、本実施の形態1のレール締結装置1が有する、軸部材4、ばね部材5及び枠部材6の詳細について説明する。
軸部材4は、軸部4aと、軸部4aに接続された頭部4bと、を含む。軸部材4は、頭部4bが軸部4aよりも上方に配置され且つ頭部4bが支承体2よりも上方に配置された(突出した)状態で、軸部4aが支承体2のうちレール3の側方に配置された部分に埋め込まれて固定されたことにより、支承体2に支承されているレール3の側方で支承体2に固定されている。
前述したように、支承体2として、例えばPCまくらぎ等の既存のまくらぎの上面に形成された埋込穴2aに埋込栓9が埋め込まれたものを用いることができる。このような場合、埋込栓9の上面には穴部9aが形成され、穴部9aの内周面には螺旋溝9bが形成されている。従って、支承体2として、支承体2のうちレール3の側方に配置された部分の上面に穴部9aが形成され、穴部9aの内周面に螺旋溝9b即ち雌ねじが形成されたものを用いることになる。このような場合、軸部材4は、頭部4bが軸部4aよりも上方に配置され且つ頭部4bが支承体2よりも上方に配置された状態で、軸部4aが穴部9aに挿入され、穴部9aに挿入されている軸部4aが穴部9aに接着剤GL1により接着され、埋め込まれて支承体2に固定されたことにより、支承体2に固定されている。図2では、接着剤GL1の一部のみを図示しているが、接着剤GL1は、穴部9a全体に亘って、軸部4aと螺旋溝9bとの間に介在していてもよい。
なお、前述したように、軸部4aが支承体2に埋め込まれたことにより、軸部材4が支承体2に固定されていればよく、軸部材4が支承体2に固定される方法は、接着による方法でなくてもよく、特に限定されない。従って、軸部4aは、穴部9aの内周面に形成された螺旋溝9bに螺合可能なねじ部即ち雄ねじであってもよいが、ねじ部でなくてもよい。但し、軸部4aがねじ部である場合には、軸部材4は、頭部4bがねじ部よりも上方に配置され且つ頭部4bが支承体2よりも上方に配置された状態で、ねじ部が螺旋溝9bに螺合され、螺旋溝9bに螺合されているねじ部が穴部9aに接着され、埋め込まれて支承体2に固定されたことにより、支承体2に支承されているレール3の側方で支承体2に固定されている。このような場合、軸部4aがねじ部でない場合に比べて、接着面積を増加させることができるので、軸部4aを更に強固に接着して埋め込み、軸部4aを更に強固に固定することができる。
ばね部材5は、支承体2と頭部4bとの間に配置され、且つ、上下方向に弾性変形する。また、ばね部材5は、レール3のレール底部3bを押圧する押圧部5aを含む。ばね部材5は、締結ばねとも称される。
ばね部材5は、レール3を押さえ付けて締結するばねである。ばね部材5は、板状のばね鋼を略U字状に折り曲げて形成した板ばねであり、押さえ金即ちスプリングクリップとして機能する。ばね部材5は、先端部5b及び5cと、板状部5d及び5eと、屈曲部5fと、を含む。先端部5b及び5cは、レール底部3bの上面を板ばねの弾性力によって押さえ付ける部分である。先端部5bは、先端部がフック状に形成されておりレール底部3bの上面及び側面を押さえ付ける。先端部5cは、先端部5bを上部側から押さえ付け、レール底部3bの上面を押さえ付ける。板状部5d及び5eは、板状に形成された平坦な部分である。板状部5d及び5eには、レール3の幅方向における孔径がレール3の長さ方向における孔径よりも長い貫通孔(長孔)5g及び5hが形成されている。屈曲部5fは、ばね鋼を略U字状に折り曲げて形成した端部である。
言い換えれば、ばね部材5として、弾性板部11と、弾性板部12と、弾性板部13と、を含むものを用いることができる。弾性板部11は、先端部5b及び板状部5dよりなり、レール3の幅方向に延在する。弾性板部12は、先端部5c及び板状部5eよりなり、弾性板部11よりも上方に配置され、且つ、レール3の幅方向に延在する。弾性板部13は、屈曲部5fよりなり、弾性板部11のレール3の幅方向におけるレール3の中心側と反対側の端部と、弾性板部12のレール3の幅方向におけるレール3の中心側と反対側の端部と、を接続する。このような場合、押圧部5aは、弾性板部12のレール3の幅方向におけるレール3の中心側の先端部即ち先端部5cであるか、又は、弾性板部11のレール3の幅方向におけるレール3の中心側の先端部即ち先端部5bである。
なお、ばね部材5は、支承体2と頭部4bとの間に配置され、且つ、上下方向に弾性変形し、押圧部5aを含むものであればよく、上記した例には限定されない。
枠部材6は、枠部14を含む。枠部14は、上面14a及び下面14bを有し、且つ、上面視において周方向の一部が切り欠かれたC字形状、コ字形状又はU字形状を有する。枠部材6は、上面視において枠部14が軸部4aを囲むように、ばね部材5と頭部4bとの間に挿入されている。
言い換えれば、枠部14は、上面視でレール3の長さ方向において軸部4aの外径DM1よりも広い間隔IN1を空けて配置され且つレール3の幅方向にそれぞれ延在する2つの延在部15と、2つの延在部15の各々のそれぞれレール3の幅方向におけるレール3の中心側と反対側の端部である2つの端部EP1を接続する接続部16と、を含む。
軸部材4は、球面部17を含み、枠部材6は、球面部18と、2つのテーパ部19と、を含む。球面部17は、軸部4aと頭部4bとの間に形成され、球面形状を有する。球面部18は、枠部14の上面14aに形成され、且つ、球面部17と嵌合可能な球面形状を有する。2つのテーパ部19は、枠部14の両端部である2つの端部EP2の各々にそれぞれ接続され、枠部14の中心から離れるにつれて上下方向における厚さがそれぞれ薄くなる。また、2つのテーパ部19は、上面視でレール3の長さ方向において軸部4aの外径DM1よりも広い間隔IN2を空けて配置されている。
軸部4aと2つの延在部15のいずれかとの間には隙間GP1があり、2つの隙間GP1の平均値を一定の下限値以上一定の上限値以下とすることができる。また、軸部4aと2つのテーパ部19のいずれかとの間には隙間GP2があり、2つの隙間GP2の平均値を、隙間GP1の平均値と等しい一定の下限値以上一定の上限値以下とすることができる。隙間GP1の平均値及び隙間GP2の平均値が一定の下限値以上の場合、隙間GP1の平均値及び隙間GP2の平均値が一定の下限値未満の場合に比べ、ばね部材5と頭部4bとの間に、2つのテーパ部19が軸部4aを挟んだ状態で、枠部材6を容易に挿入し、挿入された枠部材6を軸部4aが接続部16に近づくまで容易に押し込むことができる。隙間GP1の平均値及び隙間GP2の平均値が一定の上限値以下の場合、隙間GP1の平均値及び隙間GP2の平均値が一定の上限値を超える場合に比べ、ばね部材5と頭部4bとの間に挿入された枠部材6の上面視における軸部材4に対する相対位置をずれにくくすることができる。
本実施の形態1のレール締結装置1は、球面部18が球面部17と嵌合されるように、ばね部材5と頭部4bとの間に枠部材6が挿入され、枠部材6が挿入されることにより押圧部5aが押し下げられ、押し下げられた押圧部5aによりレール底部3bが押圧されることにより、支承体2にレール3を締結する。言い換えれば、本実施の形態1のレール締結装置1は、球面部18が球面部17と嵌合された状態で、ばね部材5と頭部4bとの間に枠部材6が挿入され、押圧部5aによりレール底部3bが押圧されることにより、支承体2にレール3を締結する。
本実施の形態1では、球面部17が下に凸の球面形状を有する凸部であり、球面部18が下に凸の球面形状を有する凹部である例を例示する。しかし、球面部17が上に凸の球面形状を有する凹部であり、球面部18が上に凸の球面形状を有する凸部であってもよい。
一方、図6及び図7に示すように、比較例のレール締結装置1aは、実施の形態1のレール締結装置1と同様に、支承体2にレール3dを締結するレール締結装置であり、軸部材4cと、ばね部材5iと、を有し、支承体2とレール3dとの間には、軌道パッド7が挿入され、支承体2とばね部材5との間には、受栓8が挿入され、支承体2の上面に形成された埋込穴2aには、埋込栓9が埋め込まれている。一方、比較例のレール締結装置1aは、実施の形態1のレール締結装置1と異なり、枠部材6(図2参照)を有しない。また、比較例では、ばね部材5iがばね部材5と異なる場合がある。
比較例でも、実施の形態1と同様に、軸部材4cは、軸部4aと、軸部4aに接続された頭部4bと、を含む。一方、比較例では、実施の形態1と異なり、軸部4aは、ねじ部4d即ち雄ねじである。
比較例でも、実施の形態1と同様に、支承体2として、例えばPCまくらぎ等の既存のまくらぎの上面に形成された埋込穴2aに埋込栓9が埋め込まれたものが用いられる。埋込栓9の上面には穴部9aが形成され、穴部9aの内周面には螺旋溝9bが形成されている。従って、支承体2として、支承体2の上面に穴部9aが形成され、穴部9aの内周面に螺旋溝9b即ち雌ねじが形成されたものが用いられる。このような場合、軸部材4は、頭部4bがねじ部4dよりも上方に配置された状態で、ねじ部4dが螺旋溝9bに螺合され、ねじ部4dが螺旋溝9bに螺合されたことにより、支承体2に固定されている。
比較例でも、実施の形態1と同様に、ばね部材5iは、支承体2と頭部4bとの間に配置され、且つ、上下方向に弾性変形する。また、比較例でも、実施の形態1と同様に、ばね部材5iは、レール3dのレール底部3bを押圧する押圧部5aを含む。
比較例でも、実施の形態1と同様に、具体的には、ばね部材5iとして、弾性板部21と、弾性板部22と、弾性板部23と、を含むものを用いることができる。弾性板部21は、先端部5b及び板状部5dよりなり、レール3dの幅方向に延在する。弾性板部22は、先端部5c及び板状部5eよりなり、弾性板部21よりも上方に配置され、且つ、レール3dの幅方向に延在する。弾性板部23は、屈曲部5fよりなり、弾性板部21のレール3dの幅方向におけるレール3d側と反対側の端部と、弾性板部22のレール3dの幅方向におけるレール3d側と反対側の端部と、を接続する。このような場合、押圧部5aは、弾性板部22のレール3dの幅方向におけるレール3dの中心側の先端部即ち先端部5cであるか、又は、弾性板部21のレール3dの幅方向におけるレール3dの中心側の先端部即ち先端部5bである。なお、板状部5d及び5eには、貫通孔5j及び5kが形成されているものの、実施の形態1における貫通孔(長孔)5g及び5h(図2参照)と異なり、レール3dの幅方向における孔径がレール3dの長さ方向における孔径と等しい。
一方、比較例では、実施の形態1と異なり、軸部材4cは、球面部17(図2参照)を有しない。また、比較例では、実施の形態1と異なり、頭部4bがねじ部4dよりも上方に配置され、レール3dのレール底部3bを押圧する押圧部5aを含むばね部材5iが支承体2と頭部4bとの間に配置された状態で、ねじ部4dが螺旋溝9bに螺合され、ねじ部4dが螺旋溝9bに螺合された軸部材4cに含まれる頭部4bにより押圧部5aを押圧し、頭部4bにより押圧された押圧部5aによりレール底部3bを押圧することにより、レール3dが支承体2に締結されている。
即ち、比較例のレール締結装置1aは、ばね部材5iである板ばねと、軸部材4cに含まれる雄ねじと支承体2の上面に形成された雌ねじよりなるボルト・ナット締結体と、を用いてレール3dを支承体2に締結する螺締式のレール締結装置である。なお、ばね部材5iと頭部4bとの間には、座金4eが挿入されている。
ここで、支承体(レール支承体)にレールを締結するレール締結装置及びレール締結方法の問題点を説明する。
従来、日本では、レール締結装置として、比較例のレール締結装置のように、板ばねとボルト・ナット締結体とを用いて、支承体にレールを締結する螺締式のレール締結装置が用いられてきた。一方、近年になり、ボルト・ナット締結体を用いる螺締式のレール締結装置に代えて、ボルト・ナット締結体を用いない無螺締式のレール締結装置が用いられるようになってきている。無螺締式のレール締結装置を用いる場合、支承体にレールを締結した後、ボルト・ナット締結体が緩まないように維持管理する必要がないので、ボルト・ナット締結体が緩まないように維持管理する必要がある螺締式のレール締結装置を用いる場合に比べ、所定の性能を発揮しつつ、保守作業を省力化・低コスト化することができる。
ところが、螺締式のレール締結装置から無螺締式のレール締結装置に変更する場合、既存の支承体(レール支承体)を、専用の締結機構が設けられたPCまくらぎ等の支承体に交換する必要があり、導入コストが高い。このように、導入コストが高いことが、無螺締式のレール締結装置の普及を阻害する要因となっている。即ち、既存の支承体を交換する必要があるために、螺締式のレール締結装置から無螺締式のレール締結装置に容易に変更することができなかった。
無螺締式のレール締結装置として、板ばねに代えて例えば線ばねを用いるものが用いられている。しかし、線ばねを用いる無螺締式のレール締結装置を用いる場合、既存の支承体(レール支承体)に専用のインサートを埋め込む必要がある。このように、既存の支承体に専用のインサートを埋め込む必要があることが、無螺締式のレール締結装置の普及を阻害する要因となっている。そのため、螺締式のレール締結装置から無螺締式のレール締結装置に容易に変更することができなかった。
一方、本実施の形態1のレール締結装置は、軸部材4と、ばね部材5と、に加えて、枠部材6を有する。枠部材6は、上面視においてC字形状、コ字形状又はU字形状を有する枠部14を含み、上面視において枠部14が軸部4aを囲むように、ばね部材5と頭部4bとの間に挿入されている。
本実施の形態1では、比較例と異なり、軸部材4は、頭部4bが軸部4aよりも上方に配置された状態で、軸部4aが支承体2のうちレール3の側方に配置された部分に埋め込まれて固定されたことにより、支承体2に支承されているレール3の側方で支承体2に固定されている。また、軸部材4は、球面部17を含み、枠部材6は、球面部17と嵌合可能な球面部18と、2つのテーパ部19と、を含み、球面部18が球面部17と嵌合されるように、ばね部材5と頭部4bとの間に枠部材6が挿入され、押圧部5aによりレール底部3bが押圧されることにより、支承体2にレール3を締結する。
これにより、既存のレール支承体を活用し、疲労耐久性及び耐力に優れる既存のレール締結装置と同様のばね部材である板ばねを使用する無螺締のレール締結装置を実現することができる。また、締結ボルト部に形状変更を施し、レール締結装置の締結方式を、ボルト・ナット締結体を用いた螺締式の締結方式から、ばね部材と軸部材の頭部との間に楔状の部材である枠部材を挿入(インストール)する無螺締式の締結方式に変更することで、螺締式のレール締結装置から無螺締式のレール締結装置への変更を容易に実現することができる。
即ち、本実施の形態1によれば、レールを締結するレール締結装置において、既存の支承体を交換する必要がなく、既存の支承体に専用のインサートを埋め込む必要もなく、螺締式のレール締結装置から無螺締式のレール締結装置に容易に変更することができる。
また、既存ストックである支承体(レール支承体)を交換することなくそのまま利用することができるので、保守コストを削減することができる。また、無螺締化に伴って、ボルト・ナット締結体において避けられない緩みや締め直しといった締結状態管理が不要となり、保守作業の省力化を実現することができる。
枠部材6の先端を薄くしておかないと、ばね部材5と軸部材4の頭部4bとの間に枠部材6を挿入(インストール)するときに、枠部材6を押し込むきっかけになりにくい。一方、枠部材6が2つのテーパ部19を有することにより、横から視たときに、枠部材6が楔形状を有する。そのため、ばね部材5と軸部材4の頭部4bとの間に枠部材6を挿入(インストール)するときに、枠部材6を押し込むきっかけになりやすい。
軸部材4が球面部17を含まず、枠部材6が球面部18を含まない場合、上面視における軸部材4に対する枠部材6の相対位置がずれやすいので、支承体2にレール3を締結した後、枠部材6が上面視において所定の位置からずれるか、又は、ばね部材5が上面視において所定の位置からずれるおそれがある。一方、軸部材4が球面部17を含み、枠部材6が球面部18を含む場合、球面部18が球面部17と嵌合することにより上面視における軸部材4に対する枠部材6の相対位置がずれることが防止され、支承体2にレール3を締結した後、枠部材6が上面視において所定の位置からずれることが防止され、且つ、ばね部材5が上面視において所定の位置からずれることが防止される。
上記特許文献2に記載された技術では、締結ばねと締結部材との間に第1の球面部とこの第1の球面部と接触する第2の球面部とを備える。しかし、上記特許文献2に記載された技術では、第1の球面部と第2の球面部とは、レールの高さを調整して締結ばね及び座金の姿勢が変化しても、球面部において締結ボルトと座金とを略均一に接触させるためのものである。また、上記特許文献2に記載された技術では、第1の球面部と第2の球面部とは、略均一な締付力によって締結ボルトが締結ばねを締め付けるため、適正な押し付け力によってレールを支持体に締結するためのものである。
一方、本実施の形態1における球面部17と球面部18とは、球面部18が球面部17と嵌合することにより上面視における軸部材4に対する枠部材6の位置がずれることを防止するものであり、上記特許文献2における第1の球面部と第2の球面部とは、目的が異なる。
好適には、ばね部材5は、ばね部材5を上下方向に貫通する貫通孔5hを含み、貫通孔5hの内径DM2の最小径は、頭部4b及び球面部17のいずれの外径DM3の最大径よりも大きく、枠部材6は、ばね部材5のうち貫通孔5hの周縁部に係止されている。また、貫通孔5hと同様に、ばね部材5を上下方向に貫通する貫通孔5gの内径の最小径も、頭部4b及び球面部17のいずれの外径DM3の最大径よりも大きい。即ち、頭部4b及び球面部17は、貫通孔5h及び5gを挿通可能である。なお、外径DM3が軸部4aの外径DM1よりも大きく、軸部4aが貫通孔5h及び5gを挿通可能であることは言うまでもない。
軸部材4を螺入する(ねじ込む)ことによりばね部材5を押圧して締結するものでない場合であって、例えば、先にばね部材5を配置した後、軸部4aが貫通孔5h及び5gを挿通した状態で、軸部4aが支承体2のうちレール3の側方に配置された部分の上面に形成された穴部9aに挿入され、穴部9aに挿入されている軸部4aが接着されて埋め込まれることにより、支承体2に固定される場合を考える。このような場合には、軸部4aが接着されて支承体2に固定される間、軸部材4を押圧して支承体2に押し付ける必要がある。
また、鉄道車両がレール3を走行するのに伴って、レール頭部3aは、摩耗する。そのため、本実施の形態1のレール締結装置1が施工された後も、レール3を定期的に交換する必要があり、本実施の形態1のレール締結装置1が施工された後も、ばね部材5を着脱可能にすることが望ましい。
一方、貫通孔5h及び5gの内径DM2の最小径が、頭部4b及び球面部17のいずれの外径DM3の最大径よりも大きい場合、後述する図12及び図13を用いて説明するように、実施の形態2のレール締結方法において、支承体2に軸部4aを固定した後、支承体2と軸部材4の頭部4bとの間にばね部材5を配置することができる。これにより、軸部材4を螺入する(ねじ込む)ことによりばね部材5を押圧して締結するものでない場合であっても、軸部4aが支承体2に固定される前に、ばね部材5を配置する必要がないので、軸部4aが接着されて支承体2に固定される間、軸部材4を押圧して支承体2に押し付ける必要がない。
また、貫通孔5h及び5gの内径DM2の最小径が、頭部4b及び球面部17のいずれの外径DM3の最大径よりも大きい場合、本実施の形態1のレール締結装置1が施工された後も、ばね部材5を着脱可能にすることができ、本実施の形態1のレール締結装置1が施工された後も、レール3を容易に交換することができる。
好適には、2つのテーパ部19の各々の上面19a及び下面19bは、下面19bが、下面14bと同一面であり、上面19aが、枠部14の中心から離れるにつれて厚さが薄くなるように、上面14aに対して傾斜している。
このような場合、枠部材6の下面が平坦になるので、枠部材6をばね部材5上即ち板状部5eを含む弾性板部12上でスライドさせやすくなり、ばね部材5と軸部材4の頭部4bとの間に枠部材6を挿入即ちインストールしやすくなる。そのため、レール3を敷設する現場における施工作業を更に容易に行うことができる。
好適には、2つのテーパ部19の各々は、球面部18から離れている。このような場合、鉄道車両がレール3を走行する際にレール締結装置1に振動が加えられた場合でも、球面部17と嵌合されている球面部18の平面位置が、テーパ部19から球面部18に向かう方向(レール3の幅方向においてレール3の中心から離れる方向)にずれて、球面部17が球面部18から外れることを、確実に防止又は抑制することができる。
なお、球面部17を容易に形成しつつ、球面部18の平面位置が、テーパ部19から球面部18に向かう方向にずれることを防止する観点からは、2つのテーパ部19の各々の下面19bが下面14bと同一面である場合には、球面部17が下に凸の球面形状を有する凸部であり、球面部18が下に凸の球面形状を有する凹部であることが好ましい。また、球面部17が球面部18から外れることを防止する観点からは、球面部17の球面中心が、上面視において軸部4aと重なること、即ち球面部17が軸部4aを中心として略対称な形状を有することが好ましい。
好適には、2つのテーパ部19の各々の枠部14側と反対側(レール3の幅方向におけるレール3の中心側)の先端部は、上面視において枠部14の中央部を中心とした円弧形状を有する。このような場合、一方のテーパ部19の先端部のうち、他方のテーパ部19側が、他方のテーパ部19側と反対側よりも、枠部14側と反対側に突出することになるので、一方のテーパ部19の先端部のうち、他方のテーパ部19側と反対側が、他方のテーパ部19側よりも、枠部14側と反対側に突出する場合に比べて、ばね部材5と軸部材4の頭部4bとの間に枠部材6を挿入即ちインストールしやすくなる。
好適には、枠部14は、上面視においてレール3の幅方向におけるレール3の中心側と反対側に枠部14の中央部を挟んで2つのテーパ部19と反対側に配置された側面14cを有し、側面14cは、レール3の幅方向と交差好適には直交する平面である。このとき、枠部14は、上面視においてレール3の幅方向におけるレール3の中心側が開放されたコ字形状を有する。
このような場合、側面14cが平面であるから、枠部14の側面14cをハンマー等で叩くことにより、ばね部材5と軸部材4の頭部4bとの間に枠部材6を容易に挿入即ちインサートすることができる。
好適には、球面部18は、両端部の一方の端部EP2から、両端部の他方の端部EP2にかけて、一体的に形成されている。このとき、枠部14及び球面部18は、上面視においてレール3の幅方向におけるレール3の中心側で周方向の一部が切り欠かれたC字形状又はU字形状を有する。
このような場合、球面部18の面積を増加させることができるので、球面部18に嵌合されている球面部17の平面位置がずれて、球面部17が球面部18から外れることを、確実に防止又は抑制することができる。
(実施の形態2)
<レール締結方法>
次に、実施の形態2のレール締結方法について説明する。本実施の形態2のレール締結方法は、レールを支承する支承体にレールを締結するレール締結方法である。また、前述したように、本実施の形態2のレール締結方法により支承体にレールが締結されたレール締結装置は、実施の形態1のレール締結装置である。
図8は、実施の形態2のレール締結工程の一部を示すフロー図である。図9乃至図14は、実施の形態2のレール締結工程を示す断面図である。なお、図9乃至図14に示す断面図では、図2に示した断面図と同様に、レールを中心とした左側において、ばね部材及び埋込栓について側面図を示し、レールを中心とした右側において、ばね部材及び埋込栓について断面図を示している。
本実施の形態2のレール締結方法が行われる前は、前述した図7を用いて説明した、比較例のレール締結装置1aが用いられているものとする。即ち、ねじ部4dと、ねじ部4dに接続された頭部4bと、を含む軸部材4cの頭部4bがねじ部4dよりも上方に配置され、頭部4bが支承体2よりも上方に配置され、且つ、レール3dのレール底部3bを押圧する押圧部5aを含むばね部材5iが支承体2と頭部4bとの間に配置された状態で、ねじ部4dが螺旋溝9bに螺合され、ねじ部4dが螺旋溝9bに螺合された軸部材4cに含まれる頭部4bにより押圧部5aを押圧し、頭部4bにより押圧された押圧部5aによりレール底部3bを押圧することにより、レール3dが支承体2に締結されている。
なお、レール3dはレール3と同一のレールであってもよいが、レール3dがレール3と異なるレールであってもよい。レール3dがレール3と異なるレールである場合には、後述するステップS2とステップS3との間でレールが交換されることになる。
前述したように、ばね部材5iとして、弾性板部21と、弾性板部22と、弾性板部23と、を含むものを用いることができる。弾性板部21は、レール3dの幅方向に延在する。弾性板部22は、弾性板部21よりも上方に配置され、且つ、レール3dの幅方向に延在する。弾性板部23は、弾性板部21のうちレール3dの幅方向におけるレール3dの中心側と反対側の端部と、弾性板部22のうちレール3dの幅方向におけるレール3dの中心側と反対側の端部と、を接続する。このような場合、押圧部5aは、弾性板部22のうちレール3dの幅方向におけるレール3dの中心側の先端部即ち先端部5cであるか、又は、弾性板部21のレール3dの幅方向におけるレール3dの中心側の先端部即ち先端部5bである。
本実施の形態2のレール締結方法では、まず、既設の軸部材4c(図7参照)を、撤去する(図8のステップS1)。
このステップS1では、まず、図9に示すように、軸部材4cを回転させ、螺旋溝9bに螺合されたねじ部4dを回転させることにより、軸部材4cを上昇させる。軸部材4cが上昇し、押圧部5aを押し下げていた頭部4bが上昇するのに伴って、押圧部5a即ち先端部5cが上昇してレール3dのレール底部3bから離れる。更に軸部材4cが上昇し、頭部4bが更に上昇するのに伴って、頭部4bがばね部材5iに含まれる弾性板部22から離れ、座金4eからも離れる。
このステップS1では、次に、図10に示すように、軸部材4c(図9参照)を更に回転させ、埋込穴2aから、即ち穴部9aから、軸部材4c(図9参照)を撤去する。
次に、図11に示すように、ばね部材5i(図10参照)を撤去する(図8のステップS2)。
次に、図12に示すように、軸部4aと、軸部4aに接続された頭部4bと、を含む軸部材4を、頭部4bが軸部4aよりも上方に配置され且つ頭部4bが支承体2よりも上方に配置された状態で、軸部4aを支承体2のうちレール3の側方に配置された部分に埋め込んで固定することにより、支承体2に支承されているレール3の側方で支承体2に固定する(図8のステップS3)。
このステップS3では、支承体2は交換しないので、前述したように、具体的には、支承体2として、例えばPCまくらぎ等、既存のまくらぎの上面に形成された埋込穴に埋込栓9が埋め込まれたものを用いることができる。埋込栓9の上面には穴部9aが形成され、穴部9aの内周面には螺旋溝9bが形成されている。従って、支承体2として、支承体2のうちレール3の側方に配置された部分の上面に穴部9aが形成され、穴部9aの内周面に螺旋溝9b即ち雌ねじが形成されたものを用いることになる。このような場合、ステップS3では、頭部4bが軸部4aよりも上方に配置され且つ頭部4bが支承体2よりも上方に配置された状態で、軸部4aを穴部9aに挿入し、穴部9aに挿入されている軸部4aを穴部9aに接着剤GL1により接着して埋め込んで支承体2に固定することにより、支承体2に支承されているレール3の側方で軸部材4を支承体2に固定する。
なお、前述したように、軸部4aを支承体2に埋め込むことにより、軸部材4を支承体2に固定すればよく、軸部材4を支承体2に固定される方法は、接着による方法でなくてもよく、特に限定されない。従って、軸部4aは、ねじ部4d(図7参照)即ち雄ねじであってもよいが、ねじ部4dでなくてもよい。
また、レール締結装置を新設する場合には、本実施の形態2のレール締結方法として、ステップS1及びステップS2を省略し、ステップS3から始めることができる。
また、図13に示すように、上下方向に弾性変形するばね部材5を、支承体2と頭部4bとの間に配置する(図8のステップS4)。
このステップS4では、前述したように、具体的には、ばね部材5として、弾性板部11と、弾性板部12と、弾性板部13と、を含むものを用いることができる。ステップS4にて支承体2と頭部4bとの間に配置されたばね部材5に含まれる弾性板部11は、レール3の幅方向に延在する。ステップS4にて支承体2と頭部4bとの間に配置されたばね部材5に含まれる弾性板部12は、弾性板部11よりも上方に配置され、且つ、レール3の幅方向に延在する。ステップS4にて支承体2と頭部4bとの間に配置されたばね部材5に含まれる弾性板部13は、弾性板部11のうちレール3の幅方向におけるレール3の中心側と反対側の端部と、弾性板部12のうちレール3の幅方向におけるレール3の中心側と反対側の端部と、を接続する。このような場合、ステップS4にて支承体2と頭部4bとの間に配置されたばね部材5に含まれる押圧部5aは、弾性板部12のうちレール3の幅方向におけるレール3の中心側の先端部即ち先端部5cであるか、又は、弾性板部11のレール3の幅方向におけるレール3の中心側の先端部即ち先端部5bである。
なお、前述したように、ばね部材5は、支承体2と頭部4bとの間に配置され、且つ、上下方向に弾性変形し、レール3のレール底部3bを押圧する押圧部5aを含むものであればよく、上記した例には限定されない。
次に、図14に示すように、上面14a及び下面14bを有し且つ上面視において周方向の一部が切り欠かれたC字形状、コ字形状又はU字形状を有する枠部14を含む枠部材6を、上面視において枠部14が軸部4aを囲むように、ばね部材5と頭部4bとの間に挿入する(図8のステップS5)。
軸部材4は、球面部17を含み、枠部材6は、球面部18と、2つのテーパ部19と、を含む。球面部17は、軸部4aと頭部4bとの間に形成され、球面形状を有する。球面部18は、枠部14の上面14aに形成され、且つ、球面部17と嵌合可能な球面形状を有する。2つのテーパ部19は、枠部14の両端部である2つの端部EP2(図5(a)参照)の各々にそれぞれ接続され、枠部14の中心から離れるにつれて上下方向における厚さがそれぞれ薄くなる。
そのため、図2に示したように、ステップS5では、球面部18が球面部17と嵌合されるように、ばね部材5と頭部4bとの間に枠部材6を挿入し、押圧部5aによりレール底部3bを押圧することにより、支承体2にレール3を締結する。
本実施の形態2のレール締結方法では、ステップS5にて、上面視においてC字形状、コ字形状又はU字形状を有する枠部14を含む枠部材6を、上面視において枠部14が軸部4aを囲むように、ばね部材5と頭部4bとの間に挿入する。
本実施の形態2のレール締結方法でも、実施の形態1のレール締結装置と同様に、頭部4bが軸部4aよりも上方に配置され且つ頭部4bが支承体2よりも上方に配置された状態で、軸部4aを支承体2のうちレール3の側方に配置された部分に埋め込んで固定することにより、支承体2に支承されているレール3の側方で軸部材4を支承体2に固定する。また、軸部材4は、球面部17を含み、枠部材6は、球面部17と嵌合可能な球面部18と、2つのテーパ部19と、を含み、球面部18が球面部17と嵌合されるように、ばね部材5と頭部4bとの間に枠部材6を挿入し、枠部材6を挿入することにより押圧部5aを押し下げ、押し下げられた押圧部5aによりレール底部3bを押圧することにより、支承体2にレール3を締結する。
これにより、実施の形態1のレール締結装置と同様に、既存の支承体を交換する必要がなく、既存の支承体に専用のインサートを埋め込む必要がなく、螺締式のレール締結装置から無螺締式のレール締結装置に容易に変更することができる。
また、実施の形態1と同様に、既存ストックである支承体(レール支承体)を交換することなくそのまま利用することができるので、保守コストを削減することができる。また、無螺締化に伴って、ボルト・ナット締結体において避けられない緩みや締め直しといった締結状態管理が不要となり、保守作業の省力化を実現することができる。
また、実施の形態1と同様に、枠部材6が2つのテーパ部19を含むことにより、横から視たときに、枠部材6が楔形状を有する。そのため、ばね部材5と軸部材4の頭部4bとの間に枠部材6を挿入(インストール)するときに、枠部材6を押し込むきっかけになりやすい。
また、実施の形態1と同様に、軸部材4が球面部17を含み、枠部材6が球面部18を含む場合、球面部18が球面部17と嵌合することにより上面視において軸部材4に対する枠部材6の相対位置がずれることが防止され、支承体2にレール3を締結した後、枠部材6が上面視において所定の位置からずれることが防止され、且つ、ばね部材5が上面視において所定の位置からずれることが防止される。
なお、ステップS5では、具体的には、上面視において2つのテーパ部19が軸部4aを挟んだ状態で、ばね部材5と頭部4bとの間に2つのテーパ部19を挿入し、ばね部材5と頭部4bとの間に2つのテーパ部19が挿入された状態から、ばね部材5と頭部4bとの間に枠部14が挿入され且つ球面部18が球面部17と嵌合された状態まで、ばね部材5と頭部4bとの間に枠部材6を押し込んで移動させ、球面部18が球面部17と嵌合された状態で、押圧部5aによりレール底部3bを押圧することにより、支承体2にレール3を締結することができる。
好適には、ばね部材5は、ばね部材5を上下方向に貫通する貫通孔5hを含み、貫通孔5hの内径DM2(図4(a)参照)の最小径は、頭部4b及び球面部17のいずれの外径DM3(図4(a)参照)の最大径よりも大きく、枠部材6は、ばね部材5のうち貫通孔5hの周縁部に係止されている。また、貫通孔5hと同様に、ばね部材5を上下方向に貫通する貫通孔5gの内径の最小径も、頭部4b及び球面部17のいずれの外径DM3の最大径よりも大きい。
このような場合、図12に示すように、支承体2に軸部材4を固定した後(図8のステップS3)、図13に示すように、支承体2と軸部材4の頭部4bとの間にばね部材5を配置することができる(図8のステップS4)。即ち、ステップS4では、頭部4b及び球面部17が貫通孔5h及び5gを挿通している状態で、ばね部材5が支承体2と頭部4bとの間に配置されるまで、ばね部材5を下降させることができる。また、軸部4aを螺入する(ねじ込む)ことによりばね部材5を押圧して締結するものでない場合であっても、軸部4aが支承体2に固定される前に、ばね部材5を配置する必要がないので、軸部4aが接着されて支承体2に固定される間、軸部材4を押圧して支承体2に押し付ける必要がない。
また、貫通孔5h及び5gの内径DM2(図4(a)参照)の最小径が、頭部4b及び球面部17のいずれの外径DM3(図4(a)参照)の最大径よりも大きい場合、本実施の形態2のレール締結方法により実施の形態1のレール締結装置が施工された後も、ばね部材5を着脱可能にすることができ、本実施の形態2のレール締結方法により実施の形態1のレール締結装置が施工された後も、ばね部材5を容易に交換することができる。
なお、ばね部材5は、ばね部材5iと異なるものであることが好ましいが、例えばステップS3の前にステップS4を行う場合には、ばね部材5に代えて、貫通孔5h及び5gの内径DM2(図4(a)参照)の最小径が頭部4b及び球面部17のいずれかの外径DM3(図4(a)参照)の最大径よりも小さいばね部材、例えばばね部材5iを用いることもできる。
好適には、2つのテーパ部19の各々の上面19a及び下面19b(図5(b)参照)は、下面19bが、下面14b(図5(b)参照)と同一面であり、上面19aが、枠部14の中心から離れるにつれて上下方向における厚さが薄くなるように、上面14a(図5(b)参照)に対して傾斜している。
このような場合、枠部材6の下面が平坦になるので、枠部材6をばね部材5上即ち板状部5eを含む弾性板部12上でスライドさせやすくなり、ばね部材5と軸部材4の頭部4bとの間に枠部材6を挿入即ちインストールしやすくなる。そのため、レール3を敷設する現場における施工作業を更に容易に行うことができる。
好適には、2つのテーパ部19の各々は、球面部18から離れている。このような場合、鉄道車両がレール3を走行する際にレール締結装置に振動が加えられた場合でも、球面部17と嵌合されている球面部18の平面位置が、テーパ部19から球面部18に向かう方向(レール3の幅方向においてレール3の中心から離れる方向)にずれて、球面部17が球面部18から外れることを、確実に防止又は抑制することができる。
なお、球面部17を容易に形成しつつ、球面部18の平面位置が、テーパ部19から球面部18に向かう方向にずれることを防止する観点からは、2つのテーパ部19の各々の下面19b(図5(b)参照)が下面14b(図5(b)参照)と同一面である場合には、球面部17が下に凸の球面形状を有する凸部であり、球面部18が下に凸の球面形状を有する凹部であることが好ましい。
好適には、2つのテーパ部19の各々の枠部14側と反対側(レール3の幅方向におけるレール3の中心側)の先端部は、上面視において枠部14の中央部を中心とした円弧形状を有する。このような場合、前述したように、ばね部材5と軸部材4の頭部4bとの間に枠部材6を挿入即ちインストールしやすくなる。
好適には、枠部14は、上面視においてレール3の幅方向におけるレール3の中心側と反対側に枠部14の中央部を挟んで2つのテーパ部19と反対側に配置された側面14c(図5(a)参照)を有し、側面14cは、レール3の幅方向と交差好適には直交する平面である。このとき、枠部14は、上面視においてレール3の幅方向におけるレール3の中心側が開放されたコ字形状を有する。
このような場合、側面14cが平面であるから、枠部14の側面14cをハンマー等で叩くことにより、ばね部材5と軸部材4の頭部4bとの間に枠部材6を容易に挿入即ちインサートすることができる。
好適には、球面部18は、両端部の一方の端部EP2(図5(a)参照)から、両端部の他方の端部EP2にかけて、一体的に形成されている。このとき、枠部14及び球面部18は、上面視においてレール3の幅方向におけるレール3の中心側で周方向の一部が切り欠かれたC字形状又はU字形状を有する。
このような場合、球面部18の面積を増加させることができるので、球面部18に嵌合されている球面部17の平面位置がずれて、球面部17が球面部18から外れることを、確実に防止又は抑制することができる。
また、ステップS4にて支承体2と頭部4bとの間に配置されたばね部材5に含まれる弾性板部12が、レール3の幅方向においてレール3の中心から離れるにつれて高さ位置が低くなるように傾斜した上面を有する板状部5eを含み、ステップS4にてにて支承体2と頭部4bとの間に配置されたばね部材5に含まれる押圧部5aが、レール3のレール底部3bから離れている場合を考える。また、ステップS5では、ステップS4の後、弾性板部12に含まれる板状部5eの上面が、レール3の幅方向においてレール3の中心から離れるにつれて高さ位置が低くなるように傾斜し、押圧部5aがレール3のレール底部3bから離れている状態で、弾性板部12と頭部4bとの間に枠部材6を挿入し、弾性板部12と頭部4bとの間に挿入された枠部材6により、押圧部5aを下方に押し下げ、下方に押し下げられた押圧部5aによりレール底部3bを押圧することにより、支承体2にレール3を締結する場合を考える。
このような場合、好適には、2つのテーパ部19の各々の枠部14側と反対側(レール3の幅方向におけるレール3の中心側)の先端部の上下方向の厚さTH1(図5(b)参照)は、ステップS5にて枠部材6を挿入する前の弾性板部12の第1部分であって、球面部17のうちレール3の幅方向におけるレール3の中心側と反対側の周縁部である第2部分、の直下に配置された第1部分と、第2部分との間の上下方向の間隔IN3(図13参照)よりも薄い。
このように、厚さTH1が間隔IN3よりも薄いことにより、ばね部材5と軸部材4の頭部4bとの間に枠部材6を更に容易に挿入(インストール)することができる。
以上、本発明者によってなされた発明をその実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
例えば、前述の各実施の形態に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除若しくは設計変更を行ったもの、又は、工程の追加、省略若しくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
本発明は、支承体にレールを締結するレール締結装置及びレール締結方法に適用して有効である。
1、1a レール締結装置
2 支承体
2a 埋込穴
3、3d レール
3a レール頭部
3b レール底部
3c レール腹部
4、4c 軸部材
4a 軸部
4b 頭部
4d ねじ部
4e 座金
5、5i ばね部材
5a 押圧部
5b、5c 先端部
5d、5e 板状部
5f 屈曲部
5g、5h、5j、5k 貫通孔
6 枠部材
7 軌道パッド
8 受栓
9 埋込栓
9a 穴部
9b 螺旋溝
9c スパイラル鉄線
9d 水抜きカラー
11~13、21~23 弾性板部
14 枠部
14a、19a 上面
14b、19b 下面
14c 側面
15 延在部
16 接続部
17、18 球面部
19 テーパ部
DM1、DM3 外径
DM2 内径
EP1、EP2 端部
GL1 接着剤
GP1、GP2 隙間
IN1~IN3 間隔
TH1 厚さ

Claims (13)

  1. 支承体にレールを締結するレール締結装置において、
    軸部と、頭部と、を含み、前記頭部が前記軸部よりも上方に配置された状態で、前記レールの側方で前記支承体に固定された軸部材と、
    前記支承体と前記頭部との間に配置され、且つ、上下方向に弾性変形するばね部材と、
    第1上面及び第1下面を有し且つ上面視においてC字形状、コ字形状又はU字形状を有する枠部を含み、上面視において前記枠部が前記軸部を囲むように、前記ばね部材と前記頭部との間に挿入された枠部材と、
    を有し、
    前記軸部材は、前記軸部と前記頭部との間に形成された第1球面部を含み、
    前記ばね部材は、前記レールの底部を押圧する押圧部を含み、
    前記枠部材は、
    前記枠部の前記第1上面に形成され、且つ、前記第1球面部と嵌合可能な第2球面部と、
    前記枠部の両端部の各々にそれぞれ接続され、前記枠部の中心から離れるにつれて上下方向における第1厚さがそれぞれ薄くなる2つのテーパ部と、
    を含み、
    前記第2球面部が前記第1球面部と嵌合されるように、前記ばね部材と前記頭部との間に前記枠部材が挿入され、前記押圧部により前記底部が押圧されることにより、前記支承体に前記レールを締結する、レール締結装置。
  2. 請求項1に記載のレール締結装置において、
    前記ばね部材は、前記ばね部材を上下方向に貫通する貫通孔を含み、
    前記貫通孔の内径の最小径は、前記頭部及び前記第1球面部のいずれの外径の最大径よりも大きく、
    前記枠部材は、前記ばね部材のうち前記貫通孔の周縁部に係止されている、レール締結装置。
  3. 請求項1又は2に記載のレール締結装置において、
    前記2つのテーパ部の各々の第2下面は、前記第1下面と同一面であり、
    前記2つのテーパ部の各々の第2上面は、前記枠部の中心から離れるにつれて前記第1厚さが薄くなるように、前記第1上面に対して傾斜している、レール締結装置。
  4. 請求項3に記載のレール締結装置において、
    前記2つのテーパ部の各々は、前記第2球面部から離れている、レール締結装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載のレール締結装置において、
    前記2つのテーパ部の各々の先端部は、上面視において前記枠部の中央部を中心とした円弧形状を有する、レール締結装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一項に記載のレール締結装置において、
    前記枠部は、上面視において前記枠部の中央部を挟んで前記2つのテーパ部と反対側に配置された第1側面を有し、
    前記第1側面は、平面である、レール締結装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載のレール締結装置において、
    前記第2球面部は、前記両端部の一方の第1端部から、前記両端部の他方の第2端部にかけて、一体的に形成されている、レール締結装置。
  8. 請求項1乃至7のいずれか一項に記載のレール締結装置において、
    前記支承体のうち前記レールの側方に配置された部分の上面に穴部が形成され、
    前記穴部の内周面に螺旋溝が形成され、
    前記軸部材は、前記頭部が前記軸部よりも上方に配置された状態で、前記軸部が前記穴部に挿入され、前記穴部に挿入されている前記軸部が前記穴部に接着されて埋め込まれたことにより、前記レールの側方で前記支承体に固定されている、レール締結装置。
  9. 請求項8に記載のレール締結装置において、
    前記軸部は、前記穴部の内周面に形成された前記螺旋溝に螺合可能なねじ部であり、
    前記軸部材は、前記頭部が前記ねじ部よりも上方に配置された状態で、前記ねじ部が前記螺旋溝に螺合され、前記螺旋溝に螺合されている前記ねじ部が前記穴部に接着されて埋め込まれたことにより、前記レールの側方で前記支承体に固定されている、レール締結装置。
  10. 支承体に第1レールを締結するレール締結方法において、
    (a)軸部と、第1頭部と、を含む第1軸部材を、前記第1頭部が前記軸部よりも上方に配置された状態で、前記第1レールの側方で前記支承体に固定する工程、
    (b)上下方向に弾性変形する第1ばね部材を、前記支承体と前記第1頭部との間に配置する工程、
    (c)第1上面及び第1下面を有し且つ上面視においてC字形状、コ字形状又はU字形状を有する枠部を含む枠部材を、上面視において前記枠部が前記軸部を囲むように、前記第1ばね部材と前記第1頭部との間に挿入する工程、
    を有し、
    前記第1軸部材は、前記軸部と前記第1頭部との間に形成された第1球面部を含み、
    前記第1ばね部材は、前記第1レールの第1底部を押圧する第1押圧部を含み、
    前記枠部材は、
    前記枠部の前記第1上面に形成され、且つ、前記第1球面部と嵌合可能な第2球面部と、
    前記枠部の両端部の各々にそれぞれ接続され、前記枠部の中心から離れるにつれて上下方向における第1厚さがそれぞれ薄くなる2つのテーパ部と、
    を含み、
    前記(c)工程では、前記第2球面部が前記第1球面部と嵌合されるように、前記第1ばね部材と前記第1頭部との間に前記枠部材を挿入し、前記第1押圧部により前記第1底部を押圧することにより、前記支承体に前記第1レールを締結する、レール締結方法。
  11. 請求項10に記載のレール締結方法において、
    前記(c)工程では、
    上面視において前記2つのテーパ部が前記軸部を挟んだ状態で、前記第1ばね部材と前記第1頭部との間に前記2つのテーパ部を挿入し、
    前記第1ばね部材と前記第1頭部との間に前記2つのテーパ部が挿入された状態から、前記第1ばね部材と前記第1頭部との間に前記枠部が挿入され且つ前記第2球面部が前記第1球面部と嵌合された状態まで、前記第1ばね部材と前記第1頭部との間に前記枠部材を押し込んで移動させ、
    前記第2球面部が前記第1球面部と嵌合された状態で、前記第1押圧部により前記第1底部を押圧することにより、前記支承体に前記第1レールを締結する、レール締結方法。
  12. 請求項10又は11に記載のレール締結方法において、
    前記支承体のうち前記第1レールの側方に配置された部分の上面に穴部が形成され、
    前記穴部の内周面に螺旋溝が形成され、
    前記レール締結方法は、更に、
    (d)前記(a)工程の前に、ねじ部と、第2頭部と、を含む第2軸部材であって、前記第2頭部が前記ねじ部よりも上方に配置され、第2レールの第2底部を押圧する第2押圧部を含む第2ばね部材が前記支承体と前記第2頭部との間に配置された状態で、前記ねじ部が前記螺旋溝に螺合され、前記ねじ部が前記螺旋溝に螺合された前記第2軸部材に含まれる前記第2頭部により前記第2押圧部を押圧し、前記第2頭部により押圧された前記第2押圧部により前記第2底部を押圧することにより、前記第2レールが前記支承体に締結されている、前記第2軸部材を、撤去する工程、
    (e)前記(d)工程の後、前記(a)工程の前に、前記第2ばね部材を撤去する工程、
    を有し、
    前記(a)工程では、前記第1頭部が前記軸部よりも上方に配置された状態で、前記軸部を前記穴部に挿入し、前記穴部に挿入されている前記軸部を前記穴部に接着して埋め込むことにより、前記第1レールの側方で前記第1軸部材を前記支承体に固定する、レール締結方法。
  13. 請求項10乃至12のいずれか一項に記載のレール締結方法において、
    前記(b)工程にて前記支承体と前記第1頭部との間に配置された前記第1ばね部材は、
    前記第1レールの幅方向に延在する第1弾性板部と、
    前記第1弾性板部よりも上方に配置され、且つ、前記第1レールの幅方向に延在する第2弾性板部と、
    前記第1弾性板部のうち前記第1レールの幅方向における前記第1レールの中心側と反対側と、前記第2弾性板部のうち前記第1レールの幅方向における前記第1レールの中心側と反対側と、を接続する第3弾性板部と、
    を含み、
    前記(b)工程にて前記支承体と前記第1頭部との間に配置された前記第1ばね部材に含まれる前記第1押圧部は、前記第2弾性板部のうち前記第1レールの幅方向における前記第1レールの中心側の先端部であり、
    前記(b)工程にて前記支承体と前記第1頭部との間に配置された前記第1ばね部材に含まれる前記第2弾性板部は、前記第1レールの幅方向において前記第1レールの中心から離れるにつれて高さ位置が低くなるように傾斜した板状部を含み、
    前記(b)工程にて前記支承体と前記第1頭部との間に配置された前記第1ばね部材に含まれる前記第1押圧部は、前記第1底部から離れており、
    前記(c)工程では、前記(b)工程の後、前記第2弾性板部に含まれる前記板状部が、前記第1レールの幅方向において前記第1レールの中心から離れるにつれて高さ位置が低くなるように傾斜し、前記第1押圧部が前記第1底部から離れている状態で、前記第2弾性板部と前記第1頭部との間に前記枠部材を挿入し、前記第2弾性板部と前記第1頭部との間に挿入された前記枠部材により、前記第1押圧部を下方に押し下げ、下方に押し下げられた前記第1押圧部により前記第1底部を押圧することにより、前記支承体に前記第1レールを締結し、
    前記2つのテーパ部の各々の先端部の上下方向の第2厚さは、前記(c)工程にて前記枠部材を挿入する前の前記第2弾性板部の第1部分であって、前記第1球面部のうち前記第1レールの幅方向における前記第1レールの中心側と反対側の周縁部である第2部分、の直下に配置された前記第1部分と、前記第2部分との間の上下方向の第1間隔よりも薄い、レール締結方法。

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