JP2023040946A - 車両の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】前輪の車軸と後輪の車軸とのうち一方を内燃機関により、他方を電動機により回転駆動する車両において、必要最小限度で電動機を併用した4WD走行を実行し、蓄電装置の蓄電量の欠乏を回避しながら、車両の走破性またはドライバビリティを高く保つ。【解決手段】前輪の車軸と後輪の車軸とのうち一方を燃料を燃焼させてトルクを発生させる内燃機関により回転駆動し、他方を蓄電装置から電力供給を受けてトルクを発生させる電動機により回転駆動する車両を制御するものであり、現在の車速VSP及び前輪と後輪との回転数差(NFr-NRr)に応じて、内燃機関が対応する車軸に入力する駆動トルクと、電動機が対応する車軸に入力する駆動トルクとの比率を可変調整する車両の制御装置を構成した。【選択図】図4
Description
本発明は、前輪の車軸と後輪の車軸とのうち一方を内燃機関により回転駆動し、他方を電動機により回転駆動する態様の車両を制御する制御装置に関する。
近時、内燃機関及び電動機の二種の動力源を備えるハイブリッド車両が一定の普及を見ている。シリーズ方式のハイブリッド車両(例えば、下記特許文献を参照)では、内燃機関が発電機を駆動して発電を行い、発電した電力を蓄電装置、即ちリチウムイオン二次電池やニッケル水素二次電池等のバッテリ及び/またはキャパシタに蓄えるとともに、走行用モータジェネレータに給電する。そして、走行用モータジェネレータが、車軸ひいては駆動輪を回転駆動して車両を走行させる。
走行用モータジェネレータは、車両の制動時に、車軸の惰性回転トルクを利用して発電する回生制動を行い、その発電した電力を蓄電装置に回収し蓄えることができる。
シリーズ方式のハイブリッド車両では、内燃機関は専ら発電のために働く。内燃機関は車軸から機械的に切り離されており、内燃機関から車軸に走行のための駆動トルクを入力することはない。
シリーズ方式とは異なる方式として、主として内燃機関が車軸に対して走行のための駆動トルクを入力しつつ、電動機により適宜これをアシストするという、パラレル方式のハイブリッド車両が存在する。
パラレル方式を具現する手法として、内燃機関により前輪の車軸を回転駆動し、モータジェネレータにより後輪の車軸を回転駆動する構造とすることが考えられる。ちょうど、前輪駆動車(特に、FF(Front-engine Ftont-drive)車の後輪側にモータジェネレータを付設したような構成である。
内燃機関をファイアリング運転し、かつモータジェネレータを電動機として作動させることにより、(擬似的な)四輪駆動(4-Wheel Drive)走行が可能となる。モータジェネレータを電動機として作動させなければ、二輪駆動(2-Wheel Drive)走行となる。また、モータジェネレータを発電機として作動させ、回生制動を実施することもできる。
電動機として動作するモータジェネレータは蓄電装置から給電を受けるが、現在蓄電装置に蓄えている電荷の量が顕著に減少していると、車軸を回転駆動するのに十分な電力を蓄電装置からモータジェネレータに供給できなくなる。
シリーズハイブリッド車両であれば、内燃機関を始動して発電を行い、その発電電力をモータジェネレータに供給すればよい。しかしながら、上述のようなパラレルハイブリッド車両では、内燃機関が出力するエンジントルクを既に車両の走行に用いており、内燃機関により即時に大電力を発電してモータジェネレータに供給することが難しい。そもそも、パラレルハイブリッド車両では、大電力を発電可能な発電機が内燃機関に付随しているとは限らない。
従って、降雪時や路面凍結時、ぬかるみ等の悪路走行時に、蓄電装置の蓄電量の欠乏によって肝心なときに4WD走行ができず、車輪のスリップを招くおそれがある。
以上の問題に着目してなされた本発明は、必要最小限度で4WD走行を実行し、蓄電装置の蓄電量の欠乏を回避しながら、車両の走破性またはドライバビリティを高く保つことを所期の目的としている。
本発明では、前輪の車軸と後輪の車軸とのうち一方を燃料を燃焼させてトルクを発生させる内燃機関により回転駆動し、他方を蓄電装置から電力供給を受けてトルクを発生させる電動機により回転駆動する車両を制御するものであり、現在の車速及び前輪と後輪との回転数差に応じて、内燃機関が対応する車軸に入力する駆動トルクと、電動機が対応する車軸に入力する駆動トルクとの比率を可変調整する車両の制御装置を構成した。
より具体的には、車速がより高い場合、車速がより低い場合と比較して、電動機が対応する車軸に入力する駆動トルクの、内燃機関が対応する車軸に入力する駆動トルクに対する比をより小さくする。
また、前輪の回転数から後輪の回転数を減算した回転数差がより大きい場合、回転数差がより小さい場合と比較して、電動機が対応する車軸に入力する駆動トルクの、内燃機関が対応する車軸に入力する駆動トルクに対する比をより大きくする。
本発明によれば、前輪の車軸と後輪の車軸とのうち一方を内燃機関により、他方を電動機により回転駆動する車両において、必要最小限度で電動機を併用した4WD走行を実行し、蓄電装置の蓄電量の欠乏を回避しながら、車両の走破性またはドライバビリティを高く保つことができる。
本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。図1に、本実施形態における車両の概要を示す。本実施形態の車両は、前輪52の車軸51を内燃機関1により回転駆動し、後輪62の車軸61を電動機たるモータジェネレータ2により回転駆動する、パラレル方式のハイブリッド車両である。ちょうど、いわゆるエンジン横置きのFF車の後輪62側にモータジェネレータ2を付設したような構成となっている。
既存のFF車と同様、内燃機関1の出力軸(クランクシャフト)と前輪52の車軸51との間には、駆動系のトランスミッション3、例えばトルクコンバータやクラッチ、手動変速機または自動変速機(無段変速機(Continuously Variable Transmission)であることがある)、デファレンシャルギア等が介在している。内燃機関1をファイアリング、即ち燃料を気筒11に供給して燃焼させることで発生するエンジントルクは、トランスミッション3を介して車軸51に伝達され、前輪52を回転させる。内燃機関1をファイアリングせずとも(典型的には、気筒11への燃料供給を一時休止する燃料カットを実行するとき)、前輪52及び車軸51が惰性で回転を続けていると、トランスミッション3のクラッチを切断しない限りその回転トルクが内燃機関1の出力軸に伝達されて、内燃機関1の回転が維持される。
モータジェネレータ2の出力軸と後輪62の車軸61との間には、デファレンシャルギア4が介在している。蓄電装置71からモータジェネレータ2に電力を供給し、モータジェネレータ2を電動機として作動させることで発生するモータトルクは、デファレンシャルギア4を介して車軸61に伝達され、後輪62を回転させる。モータジェネレータ2を電動機として作動させずとも、後輪62及び車軸61が惰性で回転を続けていると、その回転トルクがモータジェネレータ2の出力軸に伝達されて、モータジェネレータ2の回転が維持される。
前輪52の車軸51と、後輪62の車軸61とは、機械的に切り離されている。即ち、前輪52の車軸51は後輪62の車軸61から独立して回転可能であり、後輪62の車軸61もまた前輪52の車軸51から独立して回転可能である。内燃機関1の出力するエンジントルクは後輪62の車軸61には伝達されず、モータジェネレータ2の出力するモータトルクは前輪52の車軸51には伝達されない。
内燃機関1をファイアリング運転し、かつモータジェネレータ2を電動機として作動させることにより、前輪52及び後輪62をともに駆動輪とする4WD走行が可能となる。モータジェネレータ2を電動機として作動させなければ、前輪52のみを駆動輪とする2WD走行となる。また、モータジェネレータ2を発電機として作動させて、回生制動を実施することもできる。
モータジェネレータ2に対する電力の供給源となる蓄電装置71は、バッテリ及び/またはキャパシタからなる。本実施形態では、蓄電装置71として、リチウムイオン二次電池やニッケル水素二次電池等を想定している。この蓄電装置71は、容量が比較的大きく、多くの電力量を蓄えることができる。そして、後輪62を駆動するモータジェネレータ2に必要な大きさの電圧及び電流を印加することが可能である。
上記の蓄電装置71とは別に、本実施形態の車両では、内燃機関1の点火プラグ112、インジェクタ111、スロットルモータ等や、車体に実装されている照明灯その他の電装系の電気負荷9に対して電力を供給するための副蓄電装置72を配設している。副蓄電装置72もまた、バッテリ及び/またはキャパシタからなる。本実施形態では、副蓄電装置72として、鉛二次電池等を想定している。蓄電装置71と比較すると、副蓄電装置72はその容量が小さく、出力電圧及び出力電流も小さい。
内燃機関1には、発電機であるオルタネータ17が付随している。オルタネータ17は、内燃機関1の出力軸と機械的に接続し、エンジントルクの供給を受けて稼働する補機の一つである。オルタネータ17は、内燃機関1のファイアリング運転中に発電を行うことができ、その発電した電力を以て副蓄電装置72を充電することができる。
だが、オルタネータ17はモータジェネレータ2に比して小形であり、その発電出力もまたモータジェネレータ2の出力よりも小さい。オルタネータ17が発電した電力を、蓄電装置71に充電することはできない。
蓄電装置71の充電は、基本的には回生制動による。車両の運転者がアクセルペダルから足を離して車両の減速を要求した暁には、内燃機関1の気筒11への燃料噴射を一時休止する燃料カットを実行し、または燃料カットを実行せずに気筒11に対する吸入空気量及び燃料噴射量を減量してファイアリングを続行する。その状態で、モータジェネレータ2を発電機として作動させ、後輪62の車軸61からモータジェネレータ2の出力軸に伝達される惰性回転トルクを利用して、モータジェネレータ2を回転駆動する。後輪62に連れ回されて回転するモータジェネレータ2は発電を行い、発電した電力を蓄電装置71に蓄える。このような回生制動により、車両の運動エネルギを電気エネルギとして回収し、後に再利用することができる。
モータジェネレータ2と蓄電装置71とは、VCU(Voltage Control Unit)81及びインバータ82を介して電気的に接続しており、これらがモータジェネレータ2と蓄電装置71との間で授受される電力の電圧調整や交直変換、交流の周波数制御等を担う。
なお、モータジェネレータ2と後輪62の車軸61とは機械的に接続されたままであり、両者は切り離されない(モータジェネレータ2と車軸61との間に断接切換可能なクラッチ等が存在しない)。それ故、モータジェネレータ2を電動機として作動させず、車両が走行して後輪62が回転している間は常に、これに引き摺られたモータジェネレータ2において起電力が発生し得ることになる。蓄電装置71に蓄えている電荷の量が著しく減少し、これを可及的速やかに回復したい場合には、気筒11に対する吸入空気量及び燃料噴射量を増量して、つまりはエンジントルクを増大補正して内燃機関1をファイアリング運転し、車両を2WD走行させながら、モータジェネレータ2を発電機として作動させて発電を行い、蓄電装置71を充電すればよい。
別の見方をすれば、車両の2WD走行中、モータジェネレータ2が発電機として動作し負荷になり得るということでもある。そこで、2WD走行中は、蓄電装置71を充電する必要のない限り、VCU81またはインバータ82においてモータジェネレータ2と蓄電装置71との間の電気的な接続を遮断し、後輪62に連れ回されるモータジェネレータ2を無負荷運転状態とすることが好適である。
因みに、蓄電装置71と副蓄電装置72とは、DC/DCコンバータ83を介して電気的に接続しており、副蓄電装置72から蓄電装置71に向けて電荷を供与することは不可能であるが、蓄電装置71から副蓄電装置72に向けて電荷を供与することは可能である。蓄電装置71に蓄えている電荷の量が上限に達しており、それ以上の充電が困難であるならば、モータジェネレータ2が発電する電力、または蓄電装置71が放電する電力を、DC/DCコンバータ83より降圧して副蓄電装置72に充電することができる。
図2に、本実施形態の車両に搭載される内燃機関1の概要を示す。この内燃機関1は、例えば火花点火式の4ストロークレシプロエンジンであり、複数の気筒11(例えば、三気筒。図2には、そのうち一つを図示する)を包有している。各気筒11の吸気ポート近傍には、吸気ポートに向けて燃料を噴射するインジェクタ111を設けている。また、各気筒11の燃焼室の天井部に、点火プラグ112を取り付けてある。点火プラグ112は、点火コイルにて発生した誘導電圧の印加を受けて、中心電極と接地電極との間で火花放電を惹起するものである。
吸気を供給するための吸気通路13は、外部から空気を取り入れて各気筒11の吸気ポートへと導く。吸気通路13上には、エアクリーナ131、電子スロットルバルブ132、サージタンク133、吸気マニホルド134を、上流からこの順序に配置している。エアクリーナ131は、吸気通路13における最上流の、空気を取り入れる吸気口に所在する。吸気口は、冷たい空気を取り入れて内燃機関の充填効率を上げるために、車両の前方に開口している。
排気を排出するための排気通路14は、気筒11内で燃料を燃焼させた結果発生した排気を各気筒11の排気ポートから外部へと導く。この排気通路14上には、排気マニホルド142及び排気浄化用の三元触媒141を配置している。
EGR装置12は、排気通路14と吸気通路13とを連通する外部EGR通路121と、EGR通路121上に設けたEGRクーラ122と、EGR通路121を開閉し当該EGR通路121を流れるEGRガスの流量を制御するEGRバルブ123とを要素とする。EGR通路121の入口は、排気通路14における触媒141の下流の箇所に接続している。EGR通路121の出口は、吸気通路13におけるスロットルバルブ132の下流の箇所(特に、サージタンク133または吸気マニホルド134)に接続している。
内燃機関1には、車両の制動時に必要となる操作力、即ちブレーキペダルの踏力を軽減するためのブレーキブースタ15が付帯している。ブレーキブースタ15は、吸気通路13におけるスロットルバルブ132の下流の箇所(特に、サージタンク133または吸気マニホルド134)から吸気負圧を導き入れ、その負圧を用いてブレーキペダルの踏力を倍力する、この分野では広く知られているものである。
内燃機関1及びモータジェネレータ2の運転制御を司る、車両の制御装置たるECU(Electronic Control Unit)0は、プロセッサ、メモリ、入力インタフェース、出力インタフェース等を有したマイクロコンピュータシステムである。ECU0は、複数基のECUまたはコントローラがCAN(Controller Area Network)等の電気通信回線を介して相互に通信可能に接続されてなるものであることがある。
ECU0の入力インタフェースには、車両の実車速VSPを検出する車速センサから出力される車速信号a、内燃機関1の出力軸であるクランクシャフトの回転角度及びエンジン回転数を検出するクランク角センサから出力されるクランク角信号b、運転者によるアクセルペダルの踏込量を検出するセンサから出力されるアクセル開度信号c、内燃機関1の気筒11に連なる吸気通路13(特に、サージタンク133または吸気マニホルド134)内の吸気温及び吸気圧を検出する温度・圧力センサから出力される吸気温・吸気圧信号d、蓄電装置71に蓄えている電荷量を検出するセンサ(特に、バッテリ電流及び/またはバッテリ電圧センサ)から出力されるバッテリSOC(State Of Charge)信号e、内燃機関1の冷却水の温度を検出する水温センサから出力される冷却水温信号f、車両の前輪52の回転数NFrを検出する車輪速センサから出力される車輪速信号g、車両の後輪62の回転数NRrを検出する車輪速センサから出力される車輪速信号h、積極的に4WD走行を行うか否かを運転者が選択するためのスイッチからもたされる信号s、外気温を検出する気温センサから出力される外気温信号t等が入力される。
但し、車輪速センサが車速センサを兼ねていることがある。その場合には、車輪速センサから独立した車速センサが設けられない。ECU0は、車輪速信号f、gの何れかを参照して、またはこれらを総合して、車両の実車速VSPを演算することになる。
ECU0の出力インタフェースからは、内燃機関1の各気筒11の点火プラグ112に付随するイグナイタに対して点火信号i、インジェクタ111に対して燃料噴射信号j、スロットルバルブ132に対して開度操作信号k、EGRバルブ123に対して開度操作信号l、モータジェネレータ2(または、VCU81)に対してその出力するモータトルクの大きさを制御する信号o等が出力される。
ECU0のプロセッサは、メモリに格納されているプログラムを解釈、実行し、運転パラメータを演算して内燃機関1の運転を制御する。ECU0は、制御に必要な各種情報a、b、c、d、e、f、g、h、s、tを入力インタフェースを介して取得し、エンジン回転数を知得するとともに気筒1に吸入される空気(新気)量を推算する。そして、吸入空気量に見合った(理論空燃比またはその近傍の目標空燃比を達成できるような)要求燃料噴射量、燃料噴射タイミング(一度の燃焼に対する燃料噴射の回数を含む)、燃料噴射圧、点火タイミング(一度の燃焼に対する点火の回数を含む)、要求EGR率(または、EGRガス量、EGRガス分圧)、モータジェネレータ2の出力トルク等といった各種運転パラメータを決定する。ECU0は、運転パラメータに対応した各種制御信号i、j、k、l、oを出力インタフェースを介して印加する。
本実施形態のECU0は、運転者が操作するアクセル開度に基づき、車両の駆動輪に与えるべき駆動トルクの大きさを決定する。要求される駆動トルクは、アクセル開度が大きいほど大きくなる。
その上で、ECU0は、アクセル開度に基づく要求駆動トルクのうちのどれくらいを内燃機関1から前輪52の車軸51に入力し、どれくらいをモータジェネレータ2から後輪62の車軸61に入力するか、その比率を決定する。
図3に示すように、ECU0は、まず、4WDスイッチがONとなっているかOFFとなっているかを確認する(ステップS1)。運転者が4WDスイッチをONに操作していることは、運転者が積極的に4WD走行を行うことを希望している旨を意味する。運転者が同スイッチをOFFに操作していることは、運転者が積極的に4WD走行を行うことを希望していない、寧ろ2WD走行を行うことを希望している旨を意味する。
4WDスイッチがONとなっている場合には、下記ステップS2及びステップS3の条件を満たす限りにおいて、4WD走行を行う。ECU0は、現在蓄電装置71に蓄えている電荷の量が閾値よりも大きいかどうか、換言すれば現在のSOCが閾値SOCminを上回っているかどうかを確認する(ステップS2)。
現在の蓄電装置71の蓄電量が閾値以下に減少している、またはSOCが閾値SOCmin以下であるならば、モータジェネレータ2を電動機として作動させない。即ち、モータジェネレータ2から後輪62の車軸61にモータトルクを入力しない。そして、アクセル開度に基づく要求駆動トルクの100%を、内燃機関1が出力するエンジントルクにより賄い、そのエンジントルクを前輪52の車軸51に入力する(ステップS9)。要するに、車両を2WD走行させる。これは、蓄電装置71に蓄えている電荷が消費されてその欠乏を招くことを予防する意図である。
現在の蓄電装置71の蓄電量が閾値よりも大きい、またはSOCが閾値SOCminを上回っているならば、現在の車速VSPが閾値VSPmax以下であるかどうかを確認する(ステップS3)。
現在の車速VSPが閾値VSPmaxを超えて高いならば、駆動輪である前輪52がスリップして車両の走行に支障が生じる懸念は小さいと言える。よって、モータジェネレータ2を電動機として作動させず、モータジェネレータ2から後輪62の車軸61にモータトルクを入力しない。そして、アクセル開度に基づく要求駆動トルクの100%を、内燃機関1が出力するエンジントルクにより賄い、そのエンジントルクを前輪52の車軸51に入力する(ステップS9)。
現在の車速VSPが閾値VSPmax以下に低いならば、モータジェネレータ2を電動機として作動させ、モータジェネレータ2が出力するモータトルクを後輪62の車軸61に入力することを許可する(ステップS4)。要するに、車両を4WD走行させる。このとき、ECU0は、現在の車速VSP、及び、現在の前輪52の回転数NFrと後輪62の回転数NRrとの差(NFr-NRr)に応じて、前輪52の車軸51に入力するエンジントルクと、後輪62の車軸61に入力するモータトルクとの比率を可変調整する。
図4に、アクセル開度に基づく要求駆動トルクに対する、モータジェネレータ2が後輪62の車軸61に入力するモータトルクが占める割合を示している。なお、図中の数値は、あくまでも一例に過ぎない。図示例に則して述べると、現在の車速VSPが20km/hであり、現在の前輪52と後輪62との回転数差(NFr-NRr)が10rpmである場合、要求駆動トルクのうちの28%分をモータジェネレータ2が出力して後輪62の車軸61に与え、残りの72%分を内燃機関1が出力して前輪52の車軸51に与える。つまり、モータトルクで賄う28%分だけ、内燃機関1の出力するエンジントルクが削減される。
ECU0のメモリには予め、車速VSP及び前輪52と後輪62との回転数差(NFr-NRr)と、要求駆動トルクのうちモータトルクが占める割合との関係を規定したマップデータが格納されている。ECU0は、現在の車速VSP及び回転数差(NFr-NRr)をキーとして当該マップを検索し、要求駆動トルクのうちのモータトルクが占めるべき割合を知得する。
マップデータの傾向として、前輪52と後輪62との回転数差(NFr-NRr)が同等であれば、車速VSPが低いほど、後輪62の車軸61に入力するモータトルクを増大し、前輪52の車軸51に入力するエンジントルクを低減する。逆に言えば、車速VSPが高いほど、前輪52の車軸51に入力するエンジントルクを増大し、後輪62の車軸61に入力するモータトルクを低減する。
車速VSPが0ないし低速の状況から、車両を発進または加速しようとすると、駆動輪である前輪52がスリップを起こす可能性が高まる。そこで、前輪52のみならず後輪62をも駆動輪として、確実に車両を発進または加速できるようにする。
翻って、車速VSPが高まるほど、前輪52がスリップを起こしにくく、仮にスリップしたとしても車両の走行への影響が小さくなる。そこで、モータジェネレータ2が出力するモータトルクを削減し、モータジェネレータ2による電力消費を抑える。これにより、蓄電装置71の蓄電量の減少、SOCの低下が抑制される。
また、車速VSPが同等であれば、前輪52と後輪62との回転数差(NFr-NRr)が大きいほど、後輪62の車軸61に入力するモータトルクを増大し、前輪52の車軸51に入力するエンジントルクを低減する。逆に言えば、回転数差(NFr-NRr)が大きいほど、前輪52の車軸51に入力するエンジントルクを増大し、後輪62の車軸61に入力するモータトルクを低減する。
回転数差(NFr-NRr)が大きくなるのは、駆動輪である前輪52が現にスリップを起こし、前輪52の回転数が後輪62の回転数よりも高くなるからであるからである。そこで、前輪52の車軸51に入力するエンジントルクを削減すると同時に、後輪62をも駆動輪としてその車軸61に入力するモータトルクを増強し、確実に車両を発進または加速できるようにする。
翻って、回転数差(NFr-NRr)が小さい正値または0近傍であるならば、前輪52はスリップを起こしていないと言える。そこで、モータジェネレータ2が出力するモータトルクを削減し、モータジェネレータ2による電力消費を抑える。これにより、蓄電装置71の蓄電量の減少、SOCの低下が抑制される。
なお、回転数差(NFr-NRr)が負値をとるとき、これは後輪62がスリップを起こしているということになる。従って、回転数差(NFr-NRr)が負でその絶対値が所定値を超えたならば、モータジェネレータ2を電動機として作動させることを停止し、後輪62の車軸61に入力するモータトルクを0とする。そして、アクセル開度に基づく要求駆動トルクの100%を、内燃機関1が出力するエンジントルクにより賄い、そのエンジントルクを前輪52の車軸51に入力する。図示例では、回転数差(NFr-NRr)が-20rpm以下となったことを条件として、モータトルクを0%、エンジントルクを100%とする。
しかして、ECU0は、アクセル開度に基づく要求駆動トルクが達成されるようなエンジントルク及びモータトルクを各々算定する。ECU0は、そのエンジントルクを内燃機関1において出力できるよう、スロットルバルブ132の開度を操作して所要量の吸気を気筒11に導入し、かつ所要量の燃料を気筒11に対して噴射してこれを燃焼させる。並びに、そのモータトルクを電動機たるモータジェネレータ2において出力できるよう、当該モータジェネレータ2に対して印加する電圧及び/または電流の大きさを制御する。
図3のステップS1に話を戻すと、4WDスイッチがOFFとなっている場合には、原則として2WD走行を行う。だが、下記ステップS5ないしS8の条件をおしなべて満たしたならば、駆動輪である前輪52のスリップを押さえ込む目的で、自動で一時的な4WD走行へと移行する。ECU0は、現在の外気温Tが閾値Tmin以下であるかどうかを確認する(ステップS5)。閾値Tminは、例えば0℃またはその近傍の値に設定する。
現在の外気温Tが閾値Tminよりも高いならば、モータジェネレータ2を電動機として作動させない。即ち、モータジェネレータ2から後輪62の車軸61にモータトルクを入力しない。そして、アクセル開度に基づく要求駆動トルクの100%を、内燃機関1が出力するエンジントルクにより賄い、そのエンジントルクを前輪52の車軸51に入力する(ステップS9)。要するに、車両を2WD走行させる。これは、外気温が零下のような低温ではなく、降雪や路面の凍結に起因して駆動輪である前輪52がスリップするおそれが乏しいことによる。
現在の外気温Tが閾値Tmin以下の低温であるならば、次に、現在の前輪52の回転数NFrと後輪62の回転数NRrとの差(NFr-NRr)が閾値Nminを上回っているかどうかを確認する(ステップS6)。
現在の前輪52と後輪62との回転数差(NFr-NRr)が閾値Nmin以下であるならば、特段スリップは生じていないと推測される。よって、モータジェネレータ2を電動機として作動させず、モータジェネレータ2から後輪62の車軸61にモータトルクを入力しない。そして、アクセル開度に基づく要求駆動トルクの100%を、内燃機関1が出力するエンジントルクにより賄い、そのエンジントルクを前輪52の車軸51に入力する(ステップS9)。
現在の前輪52と後輪62との回転数差(NFr-NRr)が閾値Nminを上回っているならば、スリップが発生していると推測され、これを鎮圧する必要があると言える。ECU0は、現在蓄電装置71に蓄えている電荷の量が閾値よりも大きいかどうか、換言すれば現在のSOCが閾値SOCminを上回っているかどうかを確認する(ステップS7)。
現在の蓄電装置71の蓄電量が閾値以下に減少している、またはSOCが閾値SOCmin以下であるならば、スリップが生じているにもかかわらず、モータジェネレータ2を電動機として作動させず、モータジェネレータ2から後輪62の車軸61にモータトルクを入力しない。そして、アクセル開度に基づく要求駆動トルクの100%を、内燃機関1が出力するエンジントルクにより賄い、そのエンジントルクを前輪52の車軸51に入力する(ステップS9)。これは、蓄電装置71に蓄えている電荷が消費されてその欠乏を招くことを予防する意図である。
現在の蓄電装置71の蓄電量が閾値よりも大きい、またはSOCが閾値SOCminを上回っているならば、現在の車速VSPが閾値VSPmax以下であるかどうかを確認する(ステップS8)。
現在の車速VSPが閾値VSPmaxを超えて高いならば、スリップが発生していても、車両の走行に支障が生じる懸念は小さいと言える。よって、モータジェネレータ2を電動機として作動させず、モータジェネレータ2から後輪62の車軸61にモータトルクを入力しない。そして、アクセル開度に基づく要求駆動トルクの100%を、内燃機関1が出力するエンジントルクにより賄い、そのエンジントルクを前輪52の車軸51に入力する(ステップS9)。
現在の車速VSPが閾値VSPmax以下に低いならば、モータジェネレータ2を電動機として作動させ、モータジェネレータ2が出力するモータトルクを後輪62の車軸61に入力することを許可する(ステップS4)。要するに、車両を4WD走行させる。このとき、ECU0は、既に詳述した通り、現在の車速VSP、及び、現在の前輪52の回転数NFrと後輪62の回転数NRrとの差(NFr-NRr)に応じて、前輪52の車軸51に入力するエンジントルクと、後輪62の車軸61に入力するモータトルクとの比率を可変調整する。
本実施形態では、前輪52の車軸51を燃料を燃焼させてトルクを発生させる内燃機関1により回転駆動し、後輪62の車軸61を蓄電装置71から電力供給を受けてトルクを発生させる電動機たるモータジェネレータ2により回転駆動する車両を制御するものであり、現在の車速VSP及び前輪52と後輪62との回転数差(NFr-NRr)に応じて、内燃機関1が前輪52の車軸51に入力する駆動トルクと、モータジェネレータ2が後輪62の車軸61に入力する駆動トルクとの比率を可変調整する車両の制御装置0を構成した。
詳細には、車速VSPがより高い場合、車速VSPがより低い場合と比較して、モータジェネレータ2が後輪62の車軸61に入力する駆動トルクの、内燃機関1が前輪52の車軸51に入力する駆動トルクに対する比をより小さくする。
また、前輪52の回転数NFrから後輪62の回転数NRrを減算した回転数差(NFr-NRr)がより大きい場合、回転数差(NFr-NRr)がより小さい場合と比較して、モータジェネレータ2が後輪62の車軸61に入力する駆動トルクの、内燃機関1が前輪52の車軸51に入力する駆動トルクに対する比をより大きくする。
本実施形態によれば、車輪52、62のスリップが起こりやすい降雪時、路面凍結時、雨天時や、ぬかるみ等の悪路走行時において、4WD走行を行ってスリップを効果的に抑止し、車両の走破性またはドライバビリティを担保することができる。しかも、必要なときに限り4WD走行に移行し、多くの期間は2WD走行する、即ちモータジェネレータ2により後輪62を駆動する期間を最小限としているので、蓄電装置71に蓄えている電荷が過度に消費されず、常にSOCをある程度以上のレベルに維持しておくことが可能となる。
内燃機関1により駆動される補機として、既存のオルタネータ17よりも大形で大出力の発電機を付設する必要はない。従って、限られたエンジンルーム(エンジンコンパートメント)の容積を圧迫せず、コストの騰貴も招かずに済む。大形の発電機を付設することによる重量の肥大化、それに伴う燃費性能の悪化も避けられる。
なお、本発明は以上に詳述した実施形態に限られるものではない。例えば、上記実施形態の車両では、内燃機関1により前輪52の車軸51を回転駆動し、電動機たるモータジェネレータ2により後輪62の車軸61を回転駆動していたが、内燃機関により後輪の車軸を回転駆動し、電動機たるモータジェネレータにより前輪の車軸を回転駆動する構成の車両についても、本発明の制御を適用できることは言うまでもない。
その他、各部の具体的な構成や処理の内容等は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
0…制御装置(ECU)
1…内燃機関
2…電動機(モータジェネレータ)
51…前輪の車軸
52…前輪
61…後輪の車軸
62…後輪
1…内燃機関
2…電動機(モータジェネレータ)
51…前輪の車軸
52…前輪
61…後輪の車軸
62…後輪
Claims (3)
- 前輪の車軸と後輪の車軸とのうち一方を燃料を燃焼させてトルクを発生させる内燃機関により回転駆動し、他方を蓄電装置から電力供給を受けてトルクを発生させる電動機により回転駆動する車両を制御するものであり、
現在の車速及び前輪と後輪との回転数差に応じて、内燃機関が対応する車軸に入力する駆動トルクと、電動機が対応する車軸に入力する駆動トルクとの比率を可変調整する車両の制御装置。 - 車速がより高い場合、車速がより低い場合と比較して、電動機が対応する車軸に入力する駆動トルクの、内燃機関が対応する車軸に入力する駆動トルクに対する比をより小さくする請求項1記載の車両の制御装置。
- 前輪の回転数から後輪の回転数を減算した回転数差がより大きい場合、回転数差がより小さい場合と比較して、電動機が対応する車軸に入力する駆動トルクの、内燃機関が対応する車軸に入力する駆動トルクに対する比をより大きくする請求項1または2記載の車両の制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021148174A JP2023040946A (ja) | 2021-09-10 | 2021-09-10 | 車両の制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021148174A JP2023040946A (ja) | 2021-09-10 | 2021-09-10 | 車両の制御装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2023040946A true JP2023040946A (ja) | 2023-03-23 |
Family
ID=85632388
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2021148174A Pending JP2023040946A (ja) | 2021-09-10 | 2021-09-10 | 車両の制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2023040946A (ja) |
-
2021
- 2021-09-10 JP JP2021148174A patent/JP2023040946A/ja active Pending
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