JP2023039861A - 半導体発光デバイス、半導体発光デバイスを作製する方法、コンタクト構造 - Google Patents

半導体発光デバイス、半導体発光デバイスを作製する方法、コンタクト構造 Download PDF

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Abstract

【課題】広いAl組成範囲で良好な電気的特性を提供できるn側コンタクト構造を有する発光デバイスを提供する。【解決手段】発光デバイスは、III族構成元素としてAlを含むIII族窒化物を備えるn型半導体層、III族窒化物を含み深紫外光を発生可能な活性層、III族構成元素としてGaを含むIII族窒化物のn型コンタクト層、III族構成元素としてGa及びAlを含むIII族窒化物のn型中間領域、並びに金属を含むn-電極を備え、n型中間領域はn型コンタクト層とn型半導体層との間に設けられ、n型コンタクト層はn型中間領域とn-電極との間に設けられ、n型中間領域はn型半導体層からn型コンタクト層への方向に単調に変化するAl組成Xを有し、n型中間領域のAl組成Xはn型コンタクト層のAl組成Y以上であり、n型コンタクト層のAl組成Yは、ゼロ以上であり、n型中間領域のAl組成Xはn型半導体層のAl組成Z以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、半導体発光デバイス、半導体発光デバイスを作製する方法、及びコンタクト構造に関する。
特許文献1は、光半導体素子を開示する。この光半導体素子は、エッチングにより露出された組成傾斜層と、該組成傾斜層に直接に接触を成すn側電極とを備える。
特許文献2は、窒化物半導体発光素子を開示する。この窒化物半導体発光素子は、n-コンタクト層と、該n-コンタクト層上に設けられたAlGa1-yN材料層(0≦y≦0.5、固定のAl組成)と、AlGa1-yN材料層に直接に接触を成すn側電極とを備える。
特許文献3は、窒化物半導体紫外線発光素子を開示する。この窒化物半導体紫外線発光素子は、n型クラッド層より小さいAlNモル分率を有しn型クラッド層とn電極の間に設けられたn型コンタクト層を有する。
特許文献4は、電子ブロック層からp型コンタクト層に向かって漸減するAl組成を有するp型クラッド層を開示する。
特許文献5は、窒化物半導体発光素子を開示する。この窒化物半導体発光素子は、キャリア防壁層に接する面から第二III族窒化物半導体層に接する面に向けて減少するAl組成yを有する組成傾斜層を備える。
特開2019-110168号公報 特開2010-161311号公報 特開2012-089754号公報 特開2016-171127号公報 特開2019-110195号公報
III族窒化物を用いる半導体発光デバイスは、青色の波長及びこれより長い波長領域では、GaN(窒化ガリウム)バリア層及びInGaN井戸層を含む活性層を有し、またサファイア基板上のGaNテンプレート層又はGaN基板上に作製される。これに対して、紫外線の波長領域では、半導体発光デバイスは、例えばAlGaNバリア層及びAlGaN井戸層を含む活性層を有し、またサファイア基板上のAlN(窒化アルミニウム)テンプレート層又はAlN基板上に作製される。
例えば青色半導体レーザを電気的な側面から検討すると、n型半導体には、シリコンを添加したGaNによる低抵抗が提供される。一方で、p型半導体には、マグネシウムドーパント及びAlGaNを用いることに起因して、n型半導体に比べて高い電気抵抗が提供される。
紫外線、例えば深紫外波長領域の発光を提供する半導体発光デバイスを電気的な側面から検討すると、p型半導体には、青色半導体レーザのAlGaNに比べて大きなAl組成のAlGaNにマグネシウムを添加する。n型半導体には、ドーパントとしてシリコンを引き続き利用できるけれども、AlNテンプレート層又はAlN基板を用いることに起因して、ベースとなる半導体は、高いAl組成のAlGaN又はAlNにGaNから変更される。
n型半導体の観点で青色発光デバイス及び紫外線発光デバイスを比較すると、青色発光デバイス、特に半導体レーザでは、キャリア閉じ込めを達成するために、基板のGaN半導体から活性層に向けてAl組成を高めている。一方、紫外線発光デバイス、例えば深紫外発光ダイオードでは、活性層の発光波長を可能にするAl組成のために、基板のAlN半導体から活性層に向けてAl組成を下げていく。
このように、深紫外波長の半導体発光デバイスは、長波長の青色発光デバイスとは異なる材料環境において開発されている。
特許文献1は、組成傾斜層に直接に接触を成すn側金属電極を形成することを開示する。特許文献1の光半導体素子では、n側電極が接触を成す組成傾斜層表面は、エッチングにより形成される。エッチング量の製造ばらつきは、n側金属電極が接触を成す組成傾斜層表面のAl組成を面内及びロット毎に変化させる。
特許文献2は、n-コンタクト層上に設けられた固定Al組成のAlGaN材料層に直接に接触を成すようにn側電極を形成することを開示する。特許文献3は、n型クラッド層上に設けられn型クラッド層より小さいAlNモル分率を有するn型コンタクト層に直接に接触を成すようにn側電極を形成することを開示する。特許文献4は、素子寿命の改善のために、p型クラッド層のAl組成を漸減することを教示する。特許文献2から特許文献4のいずれも、n側の組成傾斜層を教示しない。
本発明は、上述した課題に鑑み、広いAl組成の範囲において良好な電気的特性を提供できるn側コンタクト構造を有する半導体発光デバイス、半導体発光デバイスを作製する方法、コンタクト構造を提供することを目的とする。
本発明の第一側面は、半導体発光デバイスであって、該半導体発光デバイスは、III族構成元素としてアルミニウムを含むIII族窒化物半導体を備えるn型半導体層と、前記n型半導体層の上に設けられたp型半導体層と、前記n型半導体層の上に設けられたIII族窒化物半導体を含み深紫外光を発生可能な活性層と、前記n型半導体層の上に設けられIII族構成元素としてガリウムを含むIII族窒化物半導体のn型コンタクト層と、前記n型半導体層の上に設けられIII族構成元素としてガリウム及びアルミニウムを含むIII族窒化物半導体のn型中間領域と、金属を含むn-電極と、を備え、前記n型中間領域は、前記n型コンタクト層と前記n型半導体層との間に設けられ、前記n型コンタクト層は、前記n型中間領域と前記n-電極との間に設けられ、前記n型中間領域は、前記n型半導体層から前記n型コンタクト層への方向に単調に変化する(階段状に同じ方向に変化することも含む)Al組成Xを有し、前記n型中間領域の前記Al組成Xは、前記n型コンタクト層の前記III族窒化物半導体のAl組成Yに等しい又はYより大きく、前記n型コンタクト層の前記Al組成Yは、ゼロに等しい又はゼロより大きく、前記n型中間領域の前記Al組成Xは、前記n型半導体層のAl組成Zに等しい又はZより小さく、前記n型半導体層、前記活性層、前記p型半導体層は、前記n型中間領域から前記n-電極へ向かう軸の方向に順に配列される。
本発明に係る第二側面は、半導体発光デバイスを作製する方法であって、前記半導体発光デバイスは、n型半導体層、活性層、及びp型半導体層を含み、前記活性層は、深紫外光を発生可能なIII族窒化物半導体を含み、前記方法は、基板の上に、III族構成元素としてガリウム及びアルミニウムを含みn型中間領域のための第1III族窒化物半導体層を成長することと、前記第1III族窒化物半導体層を成長した後に、前記基板の上に、III族構成元素としてガリウムを含みn型コンタクト層のための第2III族窒化物半導体層を成長することと、前記第2III族窒化物半導体層を成長した後に、前記基板の上に、金属を含むn-電極を形成することと、を備え、前記n型半導体層は、III族構成元素としてアルミニウムを含み、前記n型中間領域は、前記n型コンタクト層と前記n型半導体層との間に設けられ、前記n型コンタクト層は、前記n型中間領域と前記n-電極との間に設けられ、前記n型中間領域は、前記n型半導体層から前記n型コンタクト層への方向に単調に変化するAl組成Xを有し、前記n型中間領域の前記Al組成Xは、前記n型コンタクト層の前記III族窒化物半導体のAl組成Yに等しい又はYより大きく、前記n型コンタクト層の前記Al組成Yは、ゼロに等しい又はゼロより大きく、前記n型中間領域の前記Al組成Xは、前記n型半導体層のAl組成Zに等しい又はZより小さく、前記n型半導体層、前記活性層、前記p型半導体層は、前記n型中間領域から前記n-電極へ向かう軸の方向に前記基板の上において順に配列される。
本発明に係る第三側面は、III族窒化物半導体デバイスのためのコンタクト構造であって、該コンタクト構造は、III族構成元素としてアルミニウムを含むIII族窒化物主面を提供する基板と、前記III族窒化物主面に接触を成し一又は複数のIII族窒化物半導体層を含む半導体領域と、前記半導体領域に接触を成すIII族窒化物半導体のn型半導体層と、前記n型半導体層の上に設けられIII族構成元素としてガリウムを含むIII族窒化物半導体のn型コンタクト層と、前記n型半導体層の上に設けられIII族構成元素としてガリウム及びアルミニウムを含むIII族窒化物半導体のn型中間領域と、金属を含むn-電極と、を備え、前記n型半導体層の前記III族窒化物半導体は、III族構成元素としてアルミニウムを含み、前記n型半導体層は、前記基板と前記n型中間領域との間に設けられ、前記n型中間領域は、前記n型コンタクト層と前記n型半導体層との間に設けられ、前記n型コンタクト層は、前記n型中間領域と前記n-電極との間に設けられ、前記n型中間領域の前記III族窒化物半導体は、前記n型半導体層から前記n-電極への方向に単調に変化するAl組成Xを有し、前記n型中間領域の前記Al組成Xは、前記n型コンタクト層の前記III族窒化物半導体のAl組成Yに等しい又はYより大きく、前記n型コンタクト層の前記Al組成Yは、ゼロ以上であり、前記n型中間領域の前記Al組成Xは、前記n型半導体層のAl組成Zに等しい又はZより小さい。
本発明の上記の側面によれば、広いAl組成の範囲において良好な電気的特性を提供できるn側コンタクト構造を有する半導体発光デバイス、半導体発光デバイスを作製する方法、コンタクト構造を提供できる。
図1は、本発明の一実施の形態に係る窒化物デバイスを模式的に示す図面である。 図2は、本実施の形態に係る窒化物デバイスの一実施例を示す図面である。 図3は、本実施の形態に係るコンタクト構造を示す図面である。 図4は、本実施の形態に係る窒化物デバイスを作製する方法の主要な工程を示す図面である。 図5は、本実施の形態に係る窒化物デバイスを作製する方法の主要な工程を示す図面である。 図6は、本実施の形態に係る窒化物デバイスを作製する方法の主要な工程を示す図面である。 図7は、本実施の形態に係る窒化物デバイスを作製する方法の主要な工程を示す図面である。 図8(a)は、直接接触構造のコンタクト構造を有する素子構造(基準構造)を模式的に示す図面である。図8(b)は、実験例に係るシミュレーションモデルを模式的に示す図面である。 図9(a)及び図9(b)は、実験例に係るシミュレーションモデルを模式的に示す図面である。 図10(a)及び図10(b)は、図9(a)のシミュレーションモデル(n型半導体層のAl組成:75%)を用いた計算結果を示すグラフである。 図11(a)及び図11(b)は、図8(b)のシミュレーションモデル(n型半導体層のAl組成:75%)を用いた計算結果を示すグラフである。 図12(a)及び図12(b)は、それぞれ、図10(a)及び図10(b)のシミュレーションにおいて、膜厚50nmの中間層における電圧上昇を示す図面である。 図13(a)及び図13(b)は、それぞれ、図11(a)及び図11(b)のシミュレーションにおいて、膜厚50nmの中間層における電圧上昇を示す図面である。 図14(a)は、厚さ10nmの傾斜Al組成の中間層を含むコンタクト構造における電子濃度を示す図面である。図14(b)は、厚さ20nmの傾斜Al組成の中間層を含むコンタクト構造における電子濃度を示す図面である。図14(c)は、厚さ30nmの傾斜Al組成の中間層を含むコンタクト構造における電子濃度を示す図面である。図14(d)は、厚さ50nmの傾斜Al組成の中間層を含むコンタクト構造における電子濃度を示す図面である。 図15(a)及び図15(b)は、図9(b)のシミュレーションモデル(n型半導体層のAl組成:90%)を用いた計算結果を示すグラフである。 図16(a)及び図16(b)は、図8(b)のシミュレーションモデル(n型半導体層のAl組成:90%)を用いた計算結果を示すグラフである。 図17(a)及び図17(b)は、それぞれ、図15(a)及び図15(b)のシミュレーションにおいて、膜厚50nmの中間層における電圧上昇を示す図面である。図17(c)及び図17(c)は、それぞれ、図16(a)及び図16(b)のシミュレーションにおいて、膜厚50nmの中間層における電圧上昇を示す図面である。 図18は、図9(b)のシミュレーションモデルを用いた計算結果を示すグラフである。 図19(a)及び図19(b)は、共に、コンタクト構造のエピ構造及び電気的測定のためのコンタクト構造を示す図面である。図19(c)及び図19(d)は、電気的測定のためのコンタクト構造を示す図面である。 図20(a)及び図20(b)は、図19(b)に示されたコンタクト構造(中間層無し)の電気的測定の結果を示す図面である。 図21(a)及び図21(b)は、図19(d)に示されたコンタクト構造(溝有り)の電気的測定の結果を示す図面である。 図22(a)及び図22(b)は、図19(a)に示されたコンタクト構造(中間層有り)の電気的測定の結果を示す図面である。 図23(a)及び図23(b)は、図19(c)に示されたコンタクト構造(溝有り)の電気的測定の結果を示す図面である。 図24は、傾斜Al組成中間層のAl組成に対する特性接触抵抗の依存性をいくつかの中間層膜厚について示すグラフである。 図25は、図19(a)に示されたエピ構造(電極を含まず)のX線回折逆格子空間マッピング(XRD-RSM)の測定結果を示す図面である。 図26(a)~図26(f)は、図19(a)に示されたエピ構造の微分干渉顕微鏡像を示す図面である。 図27は、深紫外発光ダイオードの電流-電圧特性を示す図面である。
以下、図面を参照して本発明を実施するための各実施の形態について説明する。同一及類似のものは、同一又は類似の符号を付して、重複的な記述を省略する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る窒化物デバイスを模式的に示す図面である。図2は、本発明の一実施の形態に係る窒化物デバイスの一実施例を示す図面である。図2には、図1のデバイス断面を示す断面線I-Iが描かれている。図3は、本発明の一実施の形態に係るコンタクト構造を模式的に示す図面である。
窒化物デバイスは、例えば発光ダイオード(LED)、レーザダイオード(LD)、電子線励起による光源といった、発光のための活性層がIII族窒化物を備える発光デバイスであって、n型半導体層がIII族窒化物を備えることができ、更には、必要な場合にはp型半導体層がIII族窒化物を備えることができる。しかしながら、窒化物デバイスは、発光デバイスに限定されることなく、例えば高電子移動度トランジスタ(HEMT)、フォトディテクタ(PD)、表面弾性波素子、圧電素子といった、発光に関連しない電子デバイスを含むことができる。III族構成元素は、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、及びインジウム(In)を包含する。III族窒化物は、一又は複数のIII族構成元素(Al、Ga、及びInの少なくとも1つ)と窒素(N)との化合物である。
引き続く説明では、窒化物デバイス110は、限定ではなく例示として発光ダイオードの構造を有し、発光ダイオードは、半導体発光デバイスとして動作する。
窒化物デバイス110は、コンタクト構造111を有しており、コンタクト構造111は、n型半導体層125、n型コンタクト層127、n型中間領域129、及びn-電極131を備える。
n型半導体層125は、III族窒化物半導体を含む。n型半導体層125のIII族窒化物半導体は、III族構成元素としてアルミニウムを含む。n型コンタクト層127は、n型半導体層125上に設けられ、またIII族構成元素としてガリウムを含むIII族窒化物半導体を備える。n型中間領域129は、n型半導体層125上に設けられ、またIII族構成元素としてガリウム及びアルミニウムを含むIII族窒化物半導体を備える。n-電極131は、n型半導体層125、n型中間領域129、及びn型コンタクト層127上に設けられた金属を含む。
n型中間領域129は、n型コンタクト層127とn型半導体層125との間に設けられる。n型コンタクト層127は、n型中間領域129とn-電極131との間に設けられる。
n型中間領域129のIII族窒化物半導体は、n型半導体層125からn-電極131への方向への軸Ax1の方向に単調に変化するAl組成Xを有することができる。単調に変化するAl組成は、n型半導体層125からn型コンタクト層127への方向に増加しない。n型中間領域129のAl組成Xは、n型コンタクト層127のIII族窒化物半導体のAl組成Y以上であり、n型コンタクト層127のAl組成Yは、ゼロ以上である。n型中間領域129のAl組成Xはn型半導体層125のAl組成Z以下である。
窒化物デバイス110によれば、n型半導体層125からn-電極131への方向に単調に変化するAl組成Xを有するn型中間領域129が、n型半導体層125にキャリアを提供するためのコンタクト構造111に良好な電気的特性を与える。コンタクト構造111では、n型中間領域129、n型コンタクト層127及びn-電極131の順に配列される。n型コンタクト層127のAl組成Yは、n型中間領域129のいずれのエリアのAl組成X以下である。また、n型半導体層125のAl組成Zは、n型中間領域129のいずれのエリアのAl組成X以上である。
n型中間領域129は、図1のAl組成プロファイルAl-Pに示されるように、傾斜組成GR及び階段組成STの少なくともいずれか一方を有することができる。n型中間領域129は、傾斜組成GR及び階段組成STを組み合わせたAl組成プロファイルを有していてもよい。傾斜組成GR及び階段組成STでは、n型中間領域129のAl組成Xがn型中間領域129の少なくとも一部分において、n型半導体層125からn型コンタクト層127への方向に減少する。窒化物デバイス110によれば、n型中間領域129において単調に変化するAl組成Xが、傾斜組成GR及び階段組成STによって提供される。
限定ではなく例示として、n型中間領域129のAl組成Xは、n型中間領域129の全体にわたって、n型半導体層125からn-電極131への方向に単調に減少することができる。
具体的には、n型中間領域129は、例えばAlGa1-XNを含むことができ、更に、III族構成元素としてインジウムを含むことができる。n型中間領域129のAl組成Xは、n型中間領域129の全体にわたってn型半導体層125からn型コンタクト層127への方向に減少する。窒化物デバイス110によれば、n型中間領域129は、n型半導体層125に関連する界面及びn型コンタクト層127に関連する界面を有しており、これらの界面のうち一方の界面から他方の界面に向けてAl組成Xが減少する。
n型中間領域129のAl組成Xは、n型コンタクト層127に関連する界面において終端Al組成を有する。終端Al組成は、n型コンタクト層127のAl組成(Al組成がゼロを含む)に等しい又はより大きくすることができる。限定ではなく例示として、この界面におけるAl組成差、例えば30%以下の組成差は、該界面における電圧上昇がほぼ0に抑えられるとい点で許容可能である。また、n型中間領域129の終端Al組成は、例えば20%以上であることができる。
n型中間領域129のAl組成Xは、n型半導体層125に関連する界面において、出発Al組成を有する。出発Al組成は、n型半導体層125のAl組成に等しい又はより小さくすることができる。限定ではなく例示として、n型中間領域129の出発Al組成は、n型半導体層125の上面のAl組成に等しいことがよく、これにより、n型半導体層125に関連する界面付近における電子濃度の変化を小さくできる。限定ではなく例示として、この界面におけるAl組成差、例えば30%以下の組成差は、該界面における電圧上昇がほぼ0に抑えられるとい点で許容可能である。以下「限定ではなく例示として」と記載しない場合も数値は通常一定の範囲を許容するものであり、限定ではなく例示として示すものである。
n型コンタクト層127は、n型GaN、n型AlGaN、及びn型InAlGaNの少なくとも1つを含むことができる。窒化物デバイス110によれば、n型コンタクト層127には、n型GaN、n型AlGaN、又はn型InAlGaNといった窒化ガリウム系半導体が提供されることができる。本実施例では、n型コンタクト層127は、n型GaN及び/又はn型AlGaNであることができ、そのAl組成は0%~40%であることができる。限定ではなく例示として、n型コンタクト層127は、例えば10~1000nmの厚さを有することができる。
n型半導体層125のIII族窒化物半導体は、AlN、AlGaN及びInAlGaNの少なくともいずれか一つを含むことができる。窒化物デバイス110によれば、n型コンタクト層127及びn型中間領域129の下地として、AlN、AlGaN又はInAlGaNを用いることができる。本実施例は、n型半導体層125はn型AlGaNを含み、そのAl組成は60%~90%の範囲であることができる。また、n型半導体層125の上面のAl組成は60%~90%の範囲であることができる。n型半導体層125は、例えば100~5000nmの厚さを有することができる。
限定ではなく例示として、窒化物デバイス110は、活性層114及びp型半導体層121を更に備えることができる。活性層114及びp型半導体層121は、n型半導体層125及び基板133上に設けられる。
活性層114は、深紫外光を発生可能であって、基板133上に設けられたIII族窒化物半導体を含む。深紫外光の波長は285nm以下の範囲にあることができ、例えば200nm以上であることができる。
具体的には、活性層114は、単一層のAlGaNからなることができ、或いは単一又は多重の量子井戸構造114aを有することができる。具体的には、井戸層114bは、アンドープAlGaNを含むことができバリア層114cは、アンドープAlGaNを含むことができる。井戸層114bとバリア層114cのいずれか一方または両方にSiがドーピングされていてもよい。バリア層114cのAlGaNは、井戸層114bのAlGaNより大きなバンドギャップを有する。バリア層114cは、必要な場合には、AlNを含むことができる。
窒化物デバイス110によれば、285nm以下の波長の深紫外光では、高いAl組成の活性層114が必要であり、活性層114への電流経路も高いAl組成のIII族窒化物により形成される。高いAl組成のIII族窒化物への良好なn型のコンタクト構造111は、n型中間領域129、n型コンタクト層127及びn-電極131の組み合わせにより提供される。
また、n型半導体層125から活性層114への方向に単調に変化するAl組成Xを有するn型中間領域129が、n型半導体層125を介して活性層114にキャリアを提供するためのコンタクト構造111に良好な電気的特性を与える。n型コンタクト層127のAl組成Yは、n型中間領域129のいずれのエリアのAl組成X以下である。また、n型半導体層125のAl組成Zは、n型中間領域129のいずれのエリアのAl組成X以上である。
必要な場合には、窒化物デバイス110は、さらに、基板133を備え,基板133は、III族構成元素としてアルミニウムを含むIII族窒化物主面133aを提供する。n型半導体層125は、基板133とn型中間領域129との間に設けられる。
n型半導体層125は、基板133からn型コンタクト層127への方向(又はn型コンタクト層127からn-電極131への方向)に単調に変化する傾斜組成(GRと同一又は類似の構造)及び階段組成(STと同一又は類似の構造)の層の少なくともいずれか一方を有することができる。コンタクト構造111によれば、n型半導体層125は、単調に変化するAl組成を有することができ、単調に変化するAl組成は、基板133からn型コンタクト層127への方向に増加しない。また、単調に変化するAl組成は、n型半導体層125において、Al組成Xの最大値以上のAl組成を有する傾斜組成及び階段組成によって提供される。限定ではなく例示として、n型半導体層125は、基板133からn型コンタクト層127への方向(又はn型コンタクト層127からn-電極131への方向)に単調に減少するAl組成を有することができる。
限定ではなく例示として、コンタクト構造111によれば、n型半導体層125が単一Al組成を有すことができる。本件において「単一Al組成」の技術的意味は、Al組成の測定のばらつきを考慮して決定されるべきであって、Al組成の測定のばらつきは、例えばオージェ電子分光法において5%以下であることができる。或いは、窒化物デバイス110は、一又は複数のIII族窒化物半導体層を含む半導体領域135を含み、半導体領域135は、III族窒化物主面133aに接触を成す。n型半導体層125のIII族窒化物半導体は、半導体領域135の主面135aに接触を成す。
窒化物デバイス110によれば、上記のような基板133上に活性層114が提供される。n型半導体層125、活性層114、及びp型半導体層121は、n型中間領域129からn-電極131へ向かう軸の方向に順に配列される。
基板133、n型半導体層125、活性層114及びp型半導体層121は、n型コンタクト層127からn-電極131への方向に延在する軸Ax1の方向に順に配列される。コンタクト構造111では、n型中間領域129、n型コンタクト層127及びn-電極131の順に配列される。コンタクト構造111によれば、p型半導体層121より基板133に近いn型半導体層125を有する窒化物デバイス110に良好な電気的特性を与える。
基板133は、n型半導体層125、活性層114、p型半導体層121、n型コンタクト層127、n型中間領域129を搭載する。
窒化物デバイス110では、n型コンタクト層127は、n型中間領域129の面内方向の格子定数に等しい又はn型中間領域129の面内方向の格子定数よりも大きい面内方向の格子定数を有することができる。この窒化物デバイス110によれば、n型コンタクト層127には、n型中間領域129に対して格子緩和しているIII族窒化物が提供される。また、n型中間領域129に対して格子緩和しているn型コンタクト層127は、該n型コンタクト層127とn型中間領域129との界面における電気抵抗を低下させることができる。
n型コンタクト層127の面内方向の格子定数がn型中間領域129の面内方向の格子定数より大きいと、n型コンタクト層127とn型中間領域129との界面におけるキャリア濃度が変化する。より厳格には、n型中間領域129からn-電極131へ向かう軸と垂直な面内方向において、n型コンタクト層127の格子定数は、n型中間領域129の格子定数よりも大きい。
n型コンタクト層127は、n型半導体層125に対して0.5以上(50%以上)の格子緩和率を有することができる。窒化物デバイス110によれば、n型コンタクト層127には、n型半導体層125に対して0.5以上の格子緩和率を有するIII族窒化物が提供されることができる。n型コンタクト層127の格子緩和率の大きさは、n型コンタクト層127とn型中間領域129との界面におけるキャリア濃度を変化させることができる。また、n型半導体層125に対するn型コンタクト層127の格子緩和率は、n型半導体層125に対するn型中間領域129の格子緩和率より大きくてもよい。
基板133は、III族構成元素としてアルミニウムを含むIII族窒化物を含む基板であることができ、この基板は、例えば単結晶の窒化アルミニウム基板であることができる。或いは、基板133は、支持体118、及びテンプレート層120を含む。支持体118は、III族窒化物と異なる材料からなる主面118aを有する。テンプレート層120は、III族窒化物からなり、該支持体118の主面118a上に設けられる。テンプレート層120は、例えばAlNテンプレート層又はAlGaNテンプレート層であることができる。テンプレート層120は、支持体118の主面118aを覆って、圧縮歪を内包することができる。この圧縮歪は、コンタクト構造111に加わる歪みの源になることがある。テンプレート層120は、例えば2000nm以下であることができ、例えば500nmである。
限定ではなく例示として、支持体118は、シリコン、炭素、窒化ホウ素(BN)、酸化アルミニウム(サファイア)、セラミック、炭化ケイ素、高融点金属、ジルコニア、炭化タンタル(TaC)、ScAlMgOの少なくとも一つの材料を含むことができる。例えば、支持体118は、六方晶系の結晶構造を有することができる。
活性層114は、285nm以下の深紫外波長領域にピーク波長を有する光を発生するように基板133上に設けられ、また圧縮歪を内包するAlGaNを含むことができる。
窒化物デバイス110は、更に、窒化物半導体領域116を含むことができる。窒化物半導体領域116は、基板133と活性層114との間に設けられ、またIII族構成元素としてAlを含む。窒化物半導体領域116は、一又は複数のn型III族窒化物半導体層を備えることができ、具体的にはn型半導体層125を含む。
本実施例では、窒化物半導体領域116は、第1n型半導体層122及び第2n型半導体層124を含むことができる。第1n型半導体層122は、基板133と活性層114との間に設けられ、第2n型半導体層124は、第1n型半導体層122と活性層114との間に設けられる。n型半導体層125は、第1n型半導体層122若しくは第2n型半導体層124のいずれか一方、又は第1n型半導体層122及び第2n型半導体層124の両方であることができる。例えば、第1n型半導体層122は、基板133とn型コンタクト層127との間に設けられることができ、第1n型半導体層122は、基板133とn型中間領域129との間に設けられることができる。
限定ではなく例示として、第1n型半導体層122は、AlGaN又はInAlGaNといったIII族窒化物を含むことができ、第2n型半導体層124は、AlGaN又はInAlGaNといったIII族窒化物を含むことができる。
限定ではなく例示として、第1n型半導体層122は、第2n型半導体層124の第2Al組成に実質的に等しい第1Al組成を有することができる。或いは、第1n型半導体層122は、第2n型半導体層124の第2Al組成より大きな第1Al組成を有することができる。
限定ではなく例示として、第1n型半導体層122の厚さは、第2n型半導体層124の厚さより大きくてもよい。窒化物半導体領域116の厚さは、例えば200~3000nmであることができる。第2n型半導体層124の膜厚は、10~200nmであることができ、よく好ましくは50~150nmであることができる。
窒化物デバイス110は、活性層114と基板133との間に位置する下側III族窒化物積層体113と、活性層114の上に位置する上側III族窒化物積層体115とを有する。
本実施例では、下側III族窒化物積層体113は、基板133に接合119aを成し、基板133のIII族窒化物が内包する圧縮歪みと、基板133のIII族窒化物と下側III族窒化物積層体113の格子定数差の、両方又は少なくとも一方に起因する圧縮歪みを内包することができる。また、下側III族窒化物積層体113は、活性層114に接合119bを成す。活性層114は、基板133のIII族窒化物が内包する圧縮歪みと、基板133のIII族窒化物と活性層114の格子定数差の、両方又は少なくとも一方に起因する圧縮歪を内包することができる。一方、上側III族窒化物積層体115の一部又は全部は、格子緩和していてもよい。上側III族窒化物積層体115は、活性層114上に設けられ、活性層114にキャリアを供給する。
下側III族窒化物積層体113は、窒化物半導体領域116に加えて、一又は複数のIII族窒化物半導体層を含むことができる。具体的には、下側III族窒化物積層体113は、半導体領域135を含むことができる。半導体領域135は、下地層、具体的にはAlGa1-UN層130(Uは、ゼロより大きくX以上であり、1以下)を含むことができる。AlGa1-UN層130は、例えばアンドープであることができ、基板133を覆うように設けることができる。
下側III族窒化物積層体113(及び半導体領域135)は、別の下地層、具体的には別のAlGa1-VN層132(Vは1より小さく、0.8より大きい。Vは、Uより小さい)を含むことができる。AlGa1-VN層132は、例えばアンドープであることができ、具体的には、AlGa1-UN層130上に設けられることができる。
本実施例では、窒化物半導体領域116は、AlGa1-VN層132(半導体領域135の主面135a)に接合119cを成す。AlGa1-VN層132は、AlGa1-UN層130に接合119dを成す。下側III族窒化物積層体113には、窒化物半導体領域116に加えて、AlGa1-UN層130及びAlGa1-VN層132が提供される。窒化物半導体領域116は、AlGa1-VN層132のAl組成より小さいAl組成を有し、また井戸層114bのAl組成より大きなAl組成を有する。
下側III族窒化物積層体113は、基板133からn-電極131への方向に単調に変化するAl組成プロファイルAl-Pを有する。単調に変化するAl組成プロファイルAl-Pは、基板133の主面のAl組成が井戸層114bのAl組成より大きい場合において、下側III族窒化物積層体113のAl組成が基板133から活性層114へ増加しない、ことを意味する。
引き続き、上側III族窒化物積層体115を説明する。上側III族窒化物積層体115は、例えば、電子ブロック層134、p型傾斜組成層136、及びp型コンタクト層138を含むことができる。電子ブロック層134、p型傾斜組成層136、及びp型コンタクト層138(138a、138b)が、活性層114上に順に設けられることができる。電子ブロック層134がアンドープである場合、p型傾斜組成層136及びp型コンタクト層138がp型半導体層121として働く。
限定ではなく例示として、上側III族窒化物積層体115は、以下の構成を有することができる。
電子ブロック層134:アンドープ又はMgドープのAlN、厚さ7nm。
p型傾斜組成層136:アンドープ又はMgドープの傾斜組成AlGaN(Al組成:0.9から0.4)、厚さ15nm。
p型コンタクト層138a(第1層):MgドープのGaN、厚さ120nm。
p型コンタクト層138b(第2層):高濃度MgドープのGaN、厚さ30nm。
窒化物デバイス110は、エッチングによる加工領域142を有する。エッチングによる加工領域142は、上側III族窒化物積層体115、活性層114、及び窒化物半導体領域116の上側(具体的には、第2n型半導体層124の上側又は第2n型半導体層124及び第1n型半導体層122の上側)を含むことができる。本実施例では、図2に示されるように、エッチングによる加工領域142の上面は、櫛形を有することができる。
窒化物デバイス110は、パッシベーション膜144を更に含むことができ、パッシベーション膜144は、エッチングによる加工領域142及び窒化物半導体領域116を覆う。パッシベーション膜144は、エッチングによる加工領域142の上面に位置する第1開口144a、及びn型コンタクト層127の上面に位置する第2開口144bを有する。パッシベーション膜144は、例えば酸化アルミニウム(Al)、AlSiO、又はシリコン系無機絶縁体を含む。シリコン系無機絶縁体は、例えばシリコン酸化物(例えばSiO)、シリコン窒化物(例えばSi)、又はシリコン酸窒化物(例えばSiON)を含むことができる。
窒化物デバイス110は、p-電極146を有することができる。p-電極146は、第1開口144a内に設けられると共に、n-電極131は第2開口144b内に設けられる。p-電極146は、p型コンタクト層138の上面に接触を成す。n-電極131は、n型コンタクト層127の上面に接触を成す。限定ではなく例示として、n-電極131はTi/Al/Ni/Au(Ti、Al、Ni、Auをこの順に積層することを意味する)を含み、p-電極146はNi/Au(Niの上にAuを積層することを意味する)を含むことができる。本実施例では、図2に示されるように、n-電極131の上面は、櫛形を有することができ、p-電極146の上面は、櫛形を有することができる。
n型半導体層125は、第1領域125a及び第2領域125bを含む。第1領域125a及び第2領域125bは、n型中間領域129からn型コンタクト層127へ向かう軸Ax1に交差する基準面Refに沿って配置される。活性層114、及びp型半導体層121は、第1領域125a上に設けられることなく、第2領域125b上に設けられる。n-電極131、n型コンタクト層127、及びn型中間領域129は、第2領域125b上に設けられることなく、第1領域125a上の一部に設けられる。窒化物デバイス110によれば、n型コンタクト層127及びn型中間領域129が、選択的に第1領域125a上に設けられて、n-電極131へのコンタクトのために、n型コンタクト層127及びn型中間領域129が利用される。
図4(a)、図4(b)、図5(a)、図5(b)、図6(a)、図6(b)、図7(a)、及び図7(b)は、本実施の形態に係る窒化物デバイス110を作製する方法の主要な工程を示す図面である。引き続く作製方法の説明では、窒化物デバイス110として発光ダイオード構造が作製される。窒化物デバイス110の発光ダイオード構造は、n型半導体層125、活性層114、及びp型半導体層121を含み、活性層114は、深紫外光を発生可能なIII族窒化物半導体を含む。n型半導体層125、活性層114、及びp型半導体層121は、n型中間領域129からn-電極131へ向かう軸Axの方向に基板133上において順に配列される。
図4(a)の工程に示されるように、エピタキシャルウエハ162を準備する。エピタキシャルウエハ162を準備することは、例えば、エピタキシャルウエハ162を作製すること、又は作製以外の方法によりエピタキシャルウエハ162を入手することを含む。
エピタキシャルウエハ162を作製することは、以下の工程を有することができる。
図4(a)の工程では、エピタキシャルウエハ162を作製する。エピタキシャルウエハ162を作製するための基板150を準備する。基板150は、例えば2インチのサファイア基板を含むAlNテンプレートであることができる。エピタキシャルウエハ162を作製するために、複数のIII族窒化物膜を含むIII族窒化物積層体164を基板150上に成長する。この成長は、例えば有機金属気相成長(Metalorganic Vapor Phase Epitaxy:MOVPE)法、又は分子線エピタキシー(Molecular Beam Epitaxy:MBE)法によって実行されることができる。引き続く説明では、MOVPE反応炉155aが採用され、ガリウム前駆体及びアルミニウム前駆体として、それぞれ、トリメチルガリウム(TMGa)及びトリメチルアルミニウム(TMAl)が用いられる。窒素源としてNHが用いられる。
III族窒化物積層体164は、下側III族窒化物積層体113及び活性層114のための半導体膜を含む。具体的には、III族窒化物積層体164は、窒化物半導体領域166と、活性層168とを有する。
窒化物半導体領域166が、基板150上に成長される。窒化物半導体領域166は、圧縮歪を内包するIII族窒化物半導体を含む。具体的には、第1n型半導体層165が、基板150上に成長され、また第2n型半導体層167が、第1n型半導体層165上に成長される。第1n型半導体層165及び第2n型半導体層167の各々は、本実施例ではn型ドーパント(例えば、シリコン)を含む。本実施例では、第1n型半導体層165が、n型半導体層125のための半導体膜として準備される。
窒化物半導体領域166の成長の後に、活性層168が成長される。具体的には、活性層168は、AlGaNを含むことができる。活性層168は、285nm以下の深紫外波長領域にピーク波長を有する光を発生するように構成されることができる。限定ではなく例示として、活性層168は、例えば深紫外光の波長領域200nm程度まで光を生成できる。限定ではなく例示として、活性層168は、深紫外波長の光を発生できるInAlGaNを含むことができる。
窒化物半導体領域166及び活性層168が以下の構造を形成するように基板150上に成長される。窒化物半導体領域166は第1n型半導体層165及び第2n型半導体層167を含む。第1n型半導体層165は基板150と活性層168との間に設けられ、第2n型半導体層167は第1n型半導体層165と活性層168との間に設けられる。限定ではなく例示として、第2n型半導体層167は、第1n型半導体層165の厚さより小さい厚さを有することができる。
活性層168は、既に説明されたように、量子井戸構造168aを有することができる。活性層168の量子井戸構造168aは、1又は複数の井戸層168b及び1又は複数のバリア層168cを含む。
活性層168が、窒化物半導体領域166上に成長される。具体的には、活性層168は、交互に積層されたAlGaN井戸層168bとAlGaNバリア層168cを有する構造を備える。AlGaN井戸層168b及びAlGaNバリア層168cは、それぞれのAl組成を持つAlGaNを含む。具体的には、AlGaN井戸層168bのAl組成は、AlGaNバリア層168cのAl組成より小さい。AlGaN井戸層168bの膜厚は0.5~3.0nmであってもよく、より好ましくは1.0~2.5nmであってもよい。AlGaN井戸層168bの層数は、例えば3層であってもよい。活性層168の最上層が、AlGaN井戸層168bであってもよく、従って活性層168上には電子ブロック層174が接していてもよい。また、複数のAlGaN井戸層168bは、互いに等しい膜厚及びAl組成を有することができ、又は互いに異なる膜厚及びAl組成を有することもできる。例えば、活性層168の最上層のAlGaN井戸層168bは電子ブロック層174に接しており、このAlGaN井戸層168bが他のAlGaN井戸層168bに比べて薄い膜厚を有することができる。活性層168の発光波長は200~285nmであってもよく、より好ましくは255~285nmであってもよい。AlGaN井戸層168bの膜厚は2nmであってもよく、Al組成は0.42であってもよく、Siドーパント濃度は3×1017cm-3であってもよい。また、AlGaNバリア層168cの膜厚は3nmであってもよく、Al組成は0.66であってもよく、Siドーパント濃度は5×1017cm-3であってもよい。
活性層168のAlGaNの成長条件の例示:
成長圧力:40kPa
基板温度:摂氏1050度
限定ではなく例示として、第1n型半導体層165の膜厚は、800nm以上であることができ、第2n型半導体層167の膜厚は、200nm未満であることができる。窒化物半導体領域166が、活性層168の成長に、基板150に由来する低転位密度及び良好な平坦性を提供する。
本実施例では、窒化物半導体領域166及び活性層168の成長に先立って、一又は複数のIII族窒化物半導体層を成長することができる。III族窒化物積層体164では、具体的には、下側III族窒化物積層体113のための半導体領域171は、窒化物半導体領域166に加えて、以下の半導体層を含むことができる。
具体的には、基板150を覆うように、AlGa1-UN層170(Uは、ゼロより大きくX以上であり、1以下)を成長することができる。AlGa1-UN層170は、窒化物半導体領域166のAl組成より大きなAl組成を有する。限定ではなく例示として、AlGa1-UN層170は、アンドープであることができる。また、AlGa1-UN層170は、圧縮歪みを内包することができる。
具体的には、AlGa1-UN層170上に別のAlGa1-VN層172(Vは1より小さく、0.8より大きい。VはUより小さい)を成長することができる。AlGa1-VN層172は、窒化物半導体領域166のAl組成より大きなAl組成を有する。AlGa1-VN層172は、圧縮歪みを内包することができる。
III族窒化物積層体164は、窒化物半導体領域166及び活性層168に加えて、アンドープAlGa1-UN層170及びアンドープAlGa1-VN層172を有することができる。
引き続き、上側III族窒化物積層体115のための複数のIII族窒化物半導体層163を活性層168上に成長する。具体的には、電子ブロック層174、p型傾斜組成層176、及びp型コンタクト層178が、順に、活性層168上に成長されることができる。III族窒化物積層体164は、電子ブロック層174、p型傾斜組成層176、及びp型コンタクト層178を含むことができる。
この成長によって、エピタキシャルウエハ162が作製された。
図4(b)の工程では、必要な場合には、当該発光デバイスの素子の外縁を規定する溝180aをフォトリソグラフィ及びエッチングによりエピタキシャルウエハ162に形成する。エッチングは、III族窒化物積層体164の上面から基板150に到達するように行われて、溝180aが形成される。
図5(a)の工程では、エッチングによる加工領域182をフォトリソグラフィ及びエッチングによりエピタキシャルウエハ162に形成して、基板生産物SP1を作製する。エッチングは、活性層168を分離するようにIII族窒化物積層体164の上面から窒化物半導体領域166(n型半導体層125、又は第1n型半導体層165、又は第2n型半導体層167)に到達するように行われる。エッチングによる加工領域182は、溝180bによって規定される。溝180bは、上側III族窒化物積層体115のための複数のIII族窒化物半導体層163及び活性層168を分離する。限定ではなく例示として、溝180bの底には、第1n型半導体層165が現れていてもよい。溝180bの底に、第1n型半導体層165に替えて、第2n型半導体層167が現れていてもよい。
本実施例では、第1n型半導体層165又は第2n型半導体層167上にn型中間領域169及びn型コンタクト層171のためのIII族窒化物半導体膜を成長する。具体的には、n型中間領域169及びn型コンタクト層171のIII族窒化物半導体膜は、選択成長により形成される。引き続く説明では、MOVPE反応炉155bを用いる結晶成長が採用される。
図5(b)の工程では、選択成長のためのハードマスク173を基板生産物SP1上に形成する。ハードマスク173は、誘電体膜を含み、誘電体膜は、プラズマCVD、熱CVD、又はスパッタリングといった堆積法により形成される。誘電体膜は、酸化アルミニウム(Al)、AlSiO、又はシリコン系無機絶縁体を含む。シリコン系無機絶縁体は、例えばシリコン酸化物(例えばSiO)、シリコン窒化物(例えばSi)、又はシリコン酸窒化物(例えばSiON)を含むことができる。ハードマスク173は、溝180bの底に位置する開口173aを有する。例えば、ハードマスク173は、無機膜の堆積、並びにフォトリソグラフィ及びエッチングによる無機膜の加工、により作製される。
図5(b)の工程では、ハードマスク173を形成した後に、MOVPE反応炉155b内に基板生産物SP1を配置して、傾斜Al組成のn型中間領域169のための成長を行う。n型中間領域169が、ハードマスク173の開口173aにおけるIII族窒化物表面上に堆積する。この堆積により、n型中間領域169は、下地の第1n型半導体層165又は第2n型半導体層167に接合を成す。この成長では、ガリウム前駆体及びアルミニウム前駆体の供給量が変更される。具体的には、ガリウム前駆体、例えばトリメチルガリウムを徐々に増加させる;アルミニウム前駆体、例えばトリメチルアルミニウムを徐々に減少させる;又はその両方。n型中間領域169のAl組成は、窒化物半導体領域166から活性層168への方向(図1に示される軸Ax1の方向)に減少する。成長に際してn型ドーパントが添加される。
図6(a)の工程では、ハードマスク173を形成した後に、本実施例ではn型中間領域169の成長に連続して、n型コンタクト層171のための成長を行う。n型コンタクト層171が、ハードマスク173の開口173aにおけるn型中間領域169上に堆積する。この堆積により、n型コンタクト層171は、n型中間領域169に接合を成す。n型コンタクト層171は、典型的には、n型GaN又はn型AlGaNである。n型コンタクト層171のAl組成はゼロ以上であり、n型中間領域169の最小Al組成以下である。成長に際してn型ドーパントが添加される。
図6(b)の工程では、n型中間領域169及びn型コンタクト層171の選択成長が完了した後にMOVPE反応炉155bから取り出される。ウエットエッチングによりハードマスク173は除去される。溝180bの底には、n型中間領域169及びn型コンタクト層171の積層175が残される。この積層175は、エッチングによる加工領域182から離れており、第1n型半導体層165又は第2n型半導体層167に接合J1を成している。積層175内では、n型コンタクト層171がn型中間領域169に接合J2を成している。
図7(a)の工程では、必要な場合には、パッシベーション膜184が、プラズマCVD、熱CVD、又はスパッタリングといった堆積法により形成される。パッシベーション膜184は、無機膜の堆積、並びにフォトリソグラフィ及びエッチングによる無機膜の加工、により作製される。パッシベーション膜184は、エッチングによる加工領域182の上面に位置する第1開口184a、及びn型中間領域169及びn型コンタクト層171の積層175の上面、つまりn型コンタクト層171の上面に位置する第2開口184bを有する。パッシベーション膜184は、例えばシリコン系無機絶縁体を含むことができる。
図7(b)の工程では、選択成長の後に、電極、具体的にはp-電極186及びn-電極188を形成する。p-電極186を第1開口184a内に形成し、形成後に熱処理を行う。n-電極188を第2開口184b内に形成し、形成後に熱処理を行う。p-電極186の作製に引き続きn-電極188が作製されることができ、或いはn-電極188の作製に引き続きp-電極186が作製されることができる。n-電極188は、n型中間領域169及びn型コンタクト層171の積層175の上面、つまりn型コンタクト層171に接触を成す。n-電極188は、Ti/Au、Ti/Al/Ti/Au、Ti/Al/Ni/Au、V/Al/V/Au、又はV/Al/Ni/Auといった積層構造を含むことができる。p-電極は、例えばNi/Au、ITOといった材料を含むことができる。
これらの工程により、窒化物デバイス110の一例が作製される。
この作製方法によれば、単調に変化するAl組成Xを有するn型中間領域169が、n型半導体層125のための窒化物半導体領域166を介して活性層168にキャリアを提供するためのコンタクト構造に良好な電気的特性を与える。
n型コンタクト層171のAl組成Yは、n型中間領域169のいずれのエリアのAl組成X以下である。また、n型半導体層125のための窒化物半導体領域166のAl組成Zは、n型中間領域169のいずれのエリアのAl組成X以上である。
(実施例1)
コンタクト構造111に係るシミュレーションを説明する。
図8(a)は、直接接触構造のコンタクト構造を有する素子構造(基準構造)を模式的に示す図面である。図8(b)は、実験例に係るシミュレーションモデルを模式的示す図面である。図9(a)は、実験例に係るシミュレーションモデルを模式的示す図面である。図9(a)に示した実験例に係るシミュレーションモデルは、n型コンタクト層がGaNである点で、図9(b)のシミュレーションモデルと異なる。
図9(a)のシミュレーションモデルの素子構造は、n-電極と下地n型AlGaN(Al組成:75%又は90%)との間にコンタクト層(n-GaN)及び傾斜Al組成の中間層(n型AlGaN、Al組成:0%~75%又は0%~90%)を配置している点で、図8(a)に示された素子構造と異なる。図8(b)のシミュレーションモデルの素子構造は、傾斜Al組成の中間層(n型AlGaN、Al組成:0%~75%又は0%~90%)に替えて一定Al組成の中間層(n型AlGaN、Al組成:0%~70%又は0%~80%)を配置している点で、図9(a)に示された素子構造と異なる。傾斜Al組成の中間層は、下地n型AlGaNの界面において出発Al組成値と、コンタクト層の界面において終端Al組成値とを有する。この中間層の傾斜Al組成は、出発Al組成値から終端Al組成値に線形に低くなる。図9(a)のシミュレーションモデルの素子構造において、n-電極はコンタクト層(n-GaN)に接触を成す。このコンタクト層は、傾斜Al組成の中間層(n型AlGaN、Al組成:0%~75%又は0%~90%)に接触を成す。この中間層は、下地n型AlGaN(Al組成:75%又は90%)に接触を成す。
引き続き示される結果は、図8(b)、図9(a)、および図9(b)に示した各シミュレーションモデルの素子構造のn-電極とp-電極の間に100A/cm2の電流を流すために必要な電圧と、図8(a)に示した直接接触構造のコンタクト構造を有する素子構造(基準構造)のn-電極とp-電極の間に100A/cm2の電流を流すために必要な電圧と、の電圧差分である。図8(a)に示した直接接触構造のコンタクト構造を有する素子構造(基準構造)では、電流はp-電極から注入され、p型層、活性層、下地n型AlGaNを介してn-電極へ流入する。図8(b)、図9(a)、および図9(b)に示した各シミュレーションモデルの素子構造では、電流はp-電極から注入され、p型層、活性層、下地n型AlGaNを介し、さらに、傾斜Al組成あるいは一定Al組成の中間層とコンタクト層を介してn-電極へ流入する。従って、図8(b)、図9(a)、および図9(b)に示した各シミュレーションモデルの素子構造では、下地n型AlGaNと傾斜Al組成あるいは一定Al組成の中間層との界面における接触抵抗、傾斜Al組成あるいは一定Al組成の中間層における抵抗、傾斜Al組成あるいは一定Al組成の中間層とコンタクト層との界面における接触抵抗、コンタクト層における抵抗の存在により、図8(a)に示した直接接触構造のコンタクト構造を有する素子構造(基準構造)よりも、n-電極とp-電極の間に100A/cmの電流を流すために必要な電圧が上昇する。この電圧の上昇が、すなわちシミュレーションモデルの計算結果として示す電圧差分である。基準構造とシミュレーションモデルの素子構造のいずれにおいても、n-電極と下地n型AlGaNとの接触抵抗、n-電極とコンタクト層との接触抵抗、及びp-電極とp型層との接触抵抗はゼロと置く。
図10(a)及び図10(b)は、図9(a)のシミュレーションモデルの計算結果を示すグラフである。下地のn型AlGaNのAl組成は75%である。図11(a)及び図11(b)は、図8(b)のシミュレーションモデルの計算結果を示すグラフである。下地のn型AlGaNのAl組成は75%である。図10(a)及び図11(a)のシミュレーションは、中間層が下地n型AlGaNに対してコヒーレントに成長されているモデルを用いる。図10(b)及び図11(b)のシミュレーションは、中間層が下地n型AlGaNに対して完全緩和(格子緩和率100%)で成長されているモデルを用いる。図10(a)及び図10(b)において、グラフの縦軸は、中間層の終端Al組成値を示し、横軸は中間層の膜厚を示す。シミュレーションモデルにおいて、出発Al組成値は75%である。図11(a)及び図11(b)において、グラフの縦軸は、中間層の一定Al組成を示し、横軸は中間層の膜厚を示す。図10(a)~図11(b)のグラフには、複数の実線が、数字と共に描かれている。数字は、電圧差分を表す。
図10(a)及び図10(b)をそれぞれ図11(a)及び図11(b)と比較すると、中間層が傾斜Al組成を有する実施例に係るコンタクト構造は、傾斜Al組成中間層の終端Al組成がゼロから広いAl組成範囲において、低い電圧上昇を示す。具体的には、図11(a)の結果では、電圧0.5ボルト以下のエリアは生じない。図11(b)の結果では、電圧0.5ボルト以下のエリアは、一定Al組成の中間層が薄い膜厚であって狭いAl組成範囲においてのみ生じる。
傾斜Al組成の中間層が下地n型AlGaNに対してコヒーレントに成長している構造を示す図10(a)によれば、コンタクト層がn-GaNである構造では、実施例に係るコンタクト構造は、傾斜Al組成中間層の終端Al組成がゼロから広いAl組成範囲において、低い電圧上昇を示す。限定ではなく例示として、電圧上昇3.0ボルト以下の範囲は、中間層の膜厚に関して15nm以上である。また、中間層のAl組成の終端値は、ゼロ以上60%までの範囲である。電圧上昇0.5ボルト以下の範囲は、中間層の膜厚に関して30nm以上である。また、中間層のAl組成の終端値は、ゼロ以上40%までの範囲である。
傾斜Al組成の中間層が下地n型AlGaNに対して完全緩和で成長している構造を示す図10(b)によれば、同様に、コンタクト層がn-GaNである構造では、実施例に係るコンタクト構造は、傾斜Al組成中間層の終端Al組成がゼロから広いAl組成範囲において、低い電圧上昇を示す。限定ではなく例示として、電圧上昇3.0ボルト以下の範囲は、中間層の膜厚に関して5nm以上である。また、中間層のAl組成の終端値は、ゼロ以上45%までの範囲である。電圧上昇0.5ボルト以下の範囲は、中間層の膜厚に関して20nm以上である。また、中間層のAl組成の終端値は、ゼロ以上20%までの範囲である。
図12(a)及び図12(b)は、それぞれ、図10(a)及び図10(b)のシミュレーションにおいて、膜厚50nmの中間層における電圧上昇を示す。図13(a)及び図13(b)は、それぞれ、図11(a)及び図11(b)のシミュレーションにおいて、膜厚50nmの中間層における電圧上昇を示す。図12(a)及び図12(b)において、グラフの縦軸は、電圧上昇の値を示し、横軸は傾斜Al組成中間層の終端Al組成値を示す。図13(a)及び図13(b)において、グラフの縦軸は、電圧上昇の値を示し、横軸は中間層の一定Al組成を示す。
図12(a)及び図12(b)において、電圧上昇の最小値は、それぞれ、0.014ボルト及び0.015ボルトであり、低い終端Al組成値の範囲(図12(a)における40%以下及び図12(b)における20%以下)において、ほぼ一定値である。一方、図13(a)及び図13(b)において、電圧上昇の最小値は、それぞれ、0.788ボルト及び0.767ボルトである。一定Al組成の中間層では、電圧上昇のグラフは、下に凸形状を有する。
図14(a)、図14(b)、図14(c)及び図14(d)は、それぞれ、図10(a)のモデルにおいて厚さ10nm、20nm、30nm及び50nmの傾斜Al組成の中間層を含むコンタクト構造におけるキャリア(電子)濃度を示す図面である。外部印加電圧はゼロであり、従って、n-電極とp-電極の間に流れる電流は0A/cmである。いずれのグラフにおいても、Al組成の終端値は、ゼロである。図14(a)では、傾斜Al組成の中間層の領域において、エネルギー換算で1.3eV程度に対応する電子空乏化が生じている。図14(b)では、傾斜Al組成の中間層の領域において、エネルギー換算で0.8eV程度に対応する電子空乏化が生じている。図14(c)では、傾斜Al組成の中間層の領域において、わずかな電子空乏化が生じている。図14(d)では、傾斜Al組成の中間層の領域において、電子空乏化が実質的に生じていない。
図15(a)及び図15(b)は、図9(a)のシミュレーションモデルの計算結果を示すグラフである。下地のn型AlGaNのAl組成は90%である。図16(a)及び図16(b)は、図8(b)のシミュレーションモデルの計算結果を示すグラフである。下地のn型AlGaNのAl組成は90%である。図15(a)及び図16(a)のシミュレーションは、中間層が下地n型AlGaNに対してコヒーレントに成長されているモデルを用いる。図15(b)及び図16(b)のシミュレーションは、中間層が下地n型AlGaNに対して完全緩和(格子緩和率100%)で成長されているモデルを用いる。図15(a)及び図15(b)において、グラフの縦軸は、中間層の終端Al組成値を示し、横軸は中間層の膜厚を示す。シミュレーションモデルにおいて、出発Al組成値は90%である。図16(a)及び図16(b)において、グラフの縦軸は、中間層の一定Al組成を示し、横軸は中間層の膜厚を示す。図15(a)~図16(b)のグラフには、複数の実線が、数字と共に描かれている。数字は、電圧差分を表す。
図15(a)及び図15(b)をそれぞれ図16(a)及び図16(b)と比較すると、実施例に係るコンタクト構造は、Al組成ゼロから広いAl組成範囲において、低い電圧上昇を示す。具体的には、図16(a)の結果では、電圧上昇2.5ボルト以下のエリアは生じない。図16(b)の結果では、電圧2.5ボルト以下のエリアは、一定Al組成の中間層が薄い膜厚であって狭いAl組成範囲においてのみ生じる。
傾斜Al組成の中間層が下地n型AlGaNに対してコヒーレントに成長している構造を示す図15(a)によれば、コンタクト層がn-GaNである構造では、実施例に係るコンタクト構造は、傾斜Al組成中間層の終端Al組成がゼロから広いAl組成範囲において、低い電圧上昇を示す。限定ではなく例示として、電圧上昇3.0ボルト以下の範囲は、中間層の膜厚に関して30nm以上である、また中間層のAl組成の終端値は、ゼロ%以上55%までの範囲である。電圧上昇1.0ボルト以下の範囲は、中間層の膜厚に関して35nm以上である。また、中間層のAl組成の終端値は、ゼロ以上45%までの範囲である。
傾斜Al組成の中間層が下地n型AlGaNに対して完全緩和して成長している構造を示す図15(b)によれば、同様に、コンタクト層がn-GaNである構造では、実施例に係るコンタクト構造は、傾斜Al組成中間層の終端Al組成がゼロから広いAl組成範囲において、低い電圧上昇を示す。限定ではなく例示として、電圧上昇3.0ボルト以下の範囲は、中間層の膜厚に関して10nm以上である。また中間層のAl組成の終端値は、ゼロ%以上30%までの範囲である。電圧上昇1.0ボルト以下の範囲は、中間層の膜厚に関して25nm以上である。また、中間層のAl組成の終端値は、ゼロ以上20%までの範囲である。
図10(a)に示されたグラフ上のいくつかの膜厚におけるコンタクト構造(コヒーレント成長)のキャリア濃度(図示されていない)を調べた。厚さ20nm及び終端Al組成0%の傾斜Al組成の中間層を含むコンタクト構造では、傾斜Al組成の中間層の領域において、エネルギー換算で0.8eVを超える値に対応する電子濃度の低下が生じている。厚さ20nm及び終端Al組成20%の傾斜Al組成の中間層を含むコンタクト構造では、傾斜Al組成の中間層の領域において、エネルギー換算で0.4eV程度に対応するわずかな電子濃度の低下が生じている。
図10(b)に示されたグラフ上のいくつかの膜厚におけるコンタクト構造(完全緩和成長)のキャリア濃度(図示されていない)を調べた。厚さ20nm及び終端Al組成0%の傾斜Al組成の中間層を含むコンタクト構造では、傾斜Al組成の中間層の領域において、エネルギー換算で0.2eV程度に対応する電子濃度の変化であって、電子濃度の減少が実質的に生じていない(電子空乏化がほとんど生じていない)。厚さ20nm及び終端Al組成20%の傾斜Al組成の中間層を含むコンタクト構造では、傾斜Al組成の中間層の領域において、エネルギー換算で0.4eV程度に対応するわずかな電子空乏化が生じている。
図17(a)及び図17(b)は、それぞれ、図15(a)及び図15(b)のシミュレーションにおいて、膜厚50nmの中間層における電圧上昇を示す。図17(c)及び図17(d)は、それぞれ、図16(a)及び図16(b)のシミュレーションにおいて、膜厚50nmの中間層における電圧上昇を示す。図17(a)及び図17(b)において、グラフの縦軸は、電圧上昇の値を示し、横軸は傾斜Al組成中間層の終端Al組成値を示す。図17(c)及び図17(d)において、グラフの縦軸は、電圧上昇の値を示し、横軸は中間層の一定Al組成を示す。
図17(a)及び図17(b)において、電圧上昇の最小値は、共に、それぞれ、0ボルトであり、低い終端Al組成値の範囲(図17(a)における40%以下及び図17(b)における20%以下)において、ほぼ一定値である。一方、図17(c)及び図17(d)において、電圧上昇の最小値は、それぞれ、2.70ボルト及び2.52ボルトである。一定Al組成の中間層では、電圧上昇のグラフは、下に凸形状を有する。
図9(b)は、実験例に係るシミュレーションモデルを模式的示す図面である。図9(b)のシミュレーションモデルの素子構造は、コンタクト層がAlGaNである点で、図9(a)に示された素子構造と異なる。この入れ替えに応じて、傾斜Al組成の中間層(n型AlGaN)は40%~75%のAl組成範囲を有する。この中間層の傾斜Al組成は、出発Al組成値から終端Al組成値に線形に低くなる。コンタクト層のAl組成は、40%である。図9(b)のシミュレーションモデルの素子構造において、n-電極はコンタクト層(n-AlGaN)に接触を成す。このコンタクト層は傾斜Al組成の中間層に接触を成す。この中間層は下地n型AlGaN(Al組成:75%)に接触を成す。
図18は、図9(b)のシミュレーションモデルの計算結果を示すグラフである。図18のシミュレーションは、中間層及びコンタクト層が下地n型AlGaNに対してコヒーレントに成長されているモデルを用いる。図18において、グラフの縦軸は、中間層のAl組成の終端値を示し、横軸は中間層の膜厚を示す。図18のグラフには、複数の実線が、数字と共に描かれている。数字は、電圧差分を表す。シミュレーションモデルにおいて、出発Al組成値は75%である。下地のn型AlGaNのAl組成は75%である。
傾斜Al組成の中間層が下地n型AlGaNに対してコヒーレントに成長している構造を示す図18のグラフによれば、コンタクト層がn-AlGaNである構造では、実施例に係るコンタクト構造は、Al組成40%から広いAl組成範囲において、低い電圧上昇を示す。限定ではなく例示として、電圧上昇1ボルト以下の範囲は、中間層の膜厚に関して3nm以上である。また、中間層のAl組成の終端値は、40%以上60%までの範囲である。傾斜組成の中間層の厚さが15nm以上であると、電圧上層はほぼゼロである。参考のための値として、Al組成40%のAlGaNコンタクト層がAl組成75%の下地n型AlGaNにコヒーレントに成長して直接に接合を成す構造では、1.3ボルト程度の電圧上昇が生じる。限定ではなく例示として、コンタクト層がn型AlGaNである構造では、中間層のAl組成の終端値は、コンタクト層のAl組成値と同じ値であることができ、コンタクト層のAl組成値より大きな値であることができる。また、中間層のAl組成の出発値は、下地n型AlGaNのAl組成値と同じ値であることができ、又は下地n型AlGaNのAl組成値より小さなAl組成値であることができる。
図9(b)のシミュレーションモデルの構造では、活性層の発光波長が、例えば280nmである。n-電極は、深紫外光に対して高い反射率を示すAlがコンタクト層に直接触する構造を用いる。コンタクト層のAl組成が40%であるので、コンタクト層は波長280nmの光に対して透明である。活性層から出た深紫外光の一部は、コンタクト層を透過して、n-電極で反射される。この反射光は、デバイスの外部に取り出される。この構造は、高い外部量子効率を示す。
図10、図12、図14,図15,図17(a)、図17(b)、図18に示した結果は、図9(a)および図9(b)に示したシミュレーションモデル中の傾斜Al組成中間層のAl組成が線形ではなく階段状に変化した場合であっても、中間層内におけるAl組成の不連続性が十分に小さければ実質的に同様の結果となる。
(実施例2)
コンタクト構造に関する測定結果を説明する。図19は、コンタクト構造に係る実験のためのデバイス構造を示す図面である。
図19(a)及び図19(b)は、共に、コンタクト構造のエピ構造及び電気的測定のためのコンタクト構造を示す。エピ構造は、以下の手順で作製される。MOVPE法により、AlNテンプレート(図では省略)上に、下地n型AlGaN、傾斜Al組成中間層(n型AlGaN)、n-GaNコンタクト層を順に連続して成長する。下地n型AlGaNのAl組成は75%であり、膜厚は500nmである。傾斜Al組成の中間層の出発Al組成は75%(固定)であり、終端Al組成は、0%、20%、及び40%を用いて3種類のエピ構造を作製した。また、傾斜Al組成の中間層の膜厚は、20nm及び50nmを用いて2種類のエピ構造を作製した。いずれのエピ構造においても、コンタクト層の膜厚は200nmである。参照のためのエピ構造は、図19(b)に示されるように、傾斜Al組成中間層を含まず、下地n型AlGaN上に直接に成長されたn-GaNコンタクト層を含む。
図19(a)及び図19(b)に示されるように、エピ構造の表面に真空蒸着法を用いて電極を形成する。エピ構造物上に、Ti/Al/Ni/Au(厚さ:30/100/70/150nm)の電極のための金属膜を堆積する。これらの金属膜を堆積した後に、N雰囲気において、摂氏800度、2分間の熱処理を施した。
電極とコンタクト層との接触抵抗を評価するために、電極は、円形の電極(内側電極)と、それを取り囲む円環状の電極(外側電極)を含む。内側電極及び外側電極は、これらの間の距離が2~48μmの範囲においていくつかの値にあるように形成される。cTLM(circular transfer length method:cTLM)法を用いて、電気的測定が行われた。
図19(c)及び図19(d)は、電気的測定のためのコンタクト構造を示す。内側電極及び外側電極を備える電極エピ構造物に、内側電極と外側電極の間のエリアにドライエッチングを用いて下地n型AlGaNに到達する溝を形成する。
図20(a)及び図20(b)は、図19(b)に示されたコンタクト構造の電気的測定の結果を示す。図20(a)は、図19(b)に示されたコンタクト構造の内側電極と外側電極の2端子間の電流電圧(I-V)特性である。I-V曲線が直線に近いので、電極とコンタクト層とは良好なオーミック接触を成すことがわかる。図20(b)は、図20(a)から求めた2端子間の抵抗値を、電極間隔に対してプロットしたグラフである。グラフ中の黒点(Experiment)は測定値を示し、破線(Fitting)は、以下の式(1)を用いて実験値から最小二乗近似により求められたフィッティング曲線を示す。
式(1):R=Rsh/2π{ln(r1/r2)+Lt(1/r1+1/r2)}
R:2端子間の抵抗値
r1:内側電極の半径
r2:外側電極の半径
Rsh:半導体層のシート抵抗
Lt:伝送長
ln:自然対数
Rsh及びLtがフィッティングパラメータである。
電極とコンタクト層の特性接触抵抗ρcは以下の式(2)で求められる。
式(2):ρc=Rsh×Lt
フィッティングにより導出した特性接触抵抗ρcはρc=2.2×10-4Ω・cmであり、この実験により、電極とコンタクト層の接触抵抗が低いことが示される。
図21(a)及び図21(b)は、図19(d)に示されたコンタクト構造の電気的測定の結果を示す。図21(a)は、図19(d)に示されたコンタクト構造の内側電極と外側電極の2端子間のI-V特性である。図21(b)は、図21(a)から求めた2端子間の抵抗値を、電極間隔に対してプロットしたグラフである。図21(a)のI-V特性は整流性を示している。これを図20(a)に示された直線的なI-V特性と比較すると、この整流特性はコンタクト層と下地n型AlGaNとの界面で生じていると推測される。図21(b)に示された破線は、式(1)を用いて計算された。図21(b)に示された抵抗値(縦軸)は、10mAの2端子間電流における抵抗値である。このグラフから式(2)を用いて導出されたコンタクト抵抗は、ρc=6.9×10-2Ω・cmである。この特性接触抵抗ρcは電極-コンタクト層の界面の接触抵抗と、コンタクト層の抵抗と、コンタクト層-下地n型AlGaNの界面の接触抵抗との和であると推測される。
既に説明したように、電極-コンタクト層の界面の接触抵抗は小さい。また、コンタクト層の抵抗も小さい。従って、特性接触抵抗ρcの大きさは、コンタクト層-下地n型AlGaN界面の接触抵抗が大きいことを示す。コンタクト層-下地n型AlGaNの界面の接触抵抗が大きいことは、コンタクト層-下地n型AlGaNの界面における電圧上昇が大きいことを意味する。
図22(a)及び図22(b)は、図19(a)に示されたコンタクト構造の電気的測定の結果を示す。このコンタクト構造では、傾斜Al組成中間層の膜厚は50nmであり、終端Al組成は0%である。図22(a)は、図19(a)に示されたコンタクト構造の内側電極と外側電極の2端子間のI-V特性である。I-V曲線が直線的であるので、図22(a)のI-V特性は良好なオーミック接触を示している。図21(b)は、図22(a)から求めた2端子間の抵抗値を、電極間隔に対してプロットしたグラフである。破線は、フィッティングにより導出された。フィッティングによる特性接触抵抗ρcは、ρc=2.6×10-4Ω・cmであり、この値は、電極とコンタクト層との接触抵抗が低いことを示す。
図23(a)及び図23(b)は、図19(c)に示されたコンタクト構造の電気的測定の結果を示す。このコンタクト構造では、傾斜Al組成中間層の膜厚は50nmであり、終端Al組成は0%である。図23(a)は、図19(c)に示されたコンタクト構造の内側電極と外側電極の2端子間のI-V特性である。I-V曲線が直線的であるので、図23(a)のI-V特性は整流性を示さない。図23(b)は、図23(a)から求めた2端子間の抵抗値を、電極間隔に対してプロットしたグラフである。破線は、フィッティングにより導出された。フィッティングによる特性接触抵抗ρcは、ρc=2.9×10-4Ω・cmである。この特性接触抵抗ρcは、電極-コンタクト層の界面における接触抵抗と、コンタクト層の抵抗と、コンタクト層と傾斜Al組成の中間層の界面における接触抵抗と、傾斜Al組成の中間層の抵抗と、傾斜Al組成の中間層と下地n型AlGaNの界面における接触抵抗との和であると推測される。図22(b)に示された電極-コンタクト層の界面の接触抵抗と、図23(b)に示された電極-コンタクト層の界面の接触抵抗およびコンタクト層-下地n型AlGaNの各層および各界面の接触抵抗の和が非常に近いので、コンタクト層-下地n型AlGaNの各層および各界面の接触抵抗は小さい。すなわち、この傾斜Al組成の中間層を導入すると、コンタクト層から下地n型AlGaNに電流が流れる際に生じる電圧上昇が非常に小さい。
図24は、傾斜Al組成の中間層のAl組成に対する特性接触抵抗の依存性をいくつかの膜厚について示すグラフである。縦軸は、特性接触抵抗を示し、横軸は傾斜Al組成の中間層のAl組成を示す。特性接触抵抗は、電極-コンタクトの層界面の接触抵抗およびコンタクト層-下地n型AlGaNの各層および各界面の接触抵抗の和を指す。グラフに示された特性を有するいずれのコンタクト構造も、実質的に同じ電極-コンタクト層の界面の接触抵抗と、コンタクト層の抵抗と、傾斜Al組成中間層の抵抗を有するので、グラフにおける特性接触抵抗の違いは、コンタクト層-傾斜Al組成中間層の界面の接触抵抗と、傾斜Al組成中間層-下地n型AlGaNの界面の接触抵抗の和の違いを反映していると考えられる。これらの界面の接触抵抗が小さいことは、コンタクト層から下地n型AlGaNに電流が流れる際に生じる電圧上昇が小さいことを意味する。
図24の結果によれば、以下のことが示される。まず、傾斜Al組成の中間層の薄い膜厚(20nm)よりも厚い膜厚(50nm)が、特性接触抵抗の低減に寄与できる。つぎに、膜厚が薄い場合(20nm)に、特性接触抵抗のAl組成依存性が大きくなって、傾斜Al組成の中間層の終端Al組成が20%の時に最小値となる。また、膜厚が厚い場合(50nm)に、特性接触抵抗のAl組成依存性が小さくなって、傾斜Al組成の中間層の終端Al組成が20%の時に最小値になる。これらの傾向は、図10(a)に示した、傾斜Al組成の中間層が下地n型AlGaNに対してコヒーレントに成長する構造においてシミュレーションによって導出した結果も同様である。
実施例2の実験によれば、実施例1におけるシミュレーションの結果が支持される。
(実施例3)
図25は、図19(a)に示されたエピ構造(電極を含まず)のX線回折逆格子空間マッピング(XRD-RSM)の測定結果を示す図面である。エピ構造は、出発Al組成75%、終端Al組成20%、及び膜厚50nmの傾斜Al組成の中間層を含む。XRD-RSM測定は、(10-15)回折で行なわれた。このマッピング測定から、エピ構造内の個々の半導体層の面内方向の格子定数及び面内方向に垂直方向の格子定数が導出される。個々の半導体層に対応するピークqc及びピークqmが、それぞれ、c軸方向の格子定数の逆数及びm軸方向の格子定数の逆数に対応する。例えば、AlN及びAlGaN緩衝層が、図19(a)では省略されており、エピ構造では下地n型AlGaNはこれらを下地として成長される。AlN及びAlGaN緩衝層のピークqc値が、下地n型AlGaNのピークqc値より大きいので、AlNホモエピ層及びAlGaN緩衝層のc軸方向の格子定数が下地n型AlGaNのc軸方向の格子定数小さい。一方で、AlN、AlGaN緩衝層、下地n-AlGaNのいずれも、ほぼ等しいピークqm値を有するので、これらの層の面内方向の格子定数はほぼ等しい。これは、AlN、AlGaN緩衝層、及び下地n型AlGaNが、コヒーレントに成長していることを示す。
図25において、傾斜Al組成の中間層に対応するピークのqmはほぼ一定の値を保っており、かつ、下地n型AlGaNに対応するピークのqmとほぼ同じ値である。これは、傾斜Al組成の中間層が下地n型AlGaNにコヒーレントに成長していることを示す。一方で、傾斜Al組成の中間層に対応するピークは、下地n型AlGaNのピークqm値と同じ位置に、qc方向に広がった測定値として示されている。これは、傾斜Al組成の中間層のAl組成が75%から20%まで連続的に変化することに応じて、c軸方向の格子定数が連続的に変化していることを反映している。
コンタクト層(n-GaN)に対応するピークのqmの絶対値は、AlN、AlGaN緩衝層、下地n型AlGaN、傾斜Al組成の中間層のqmの絶対値よりも小さい。これは、コンタクト層(n-GaN)の面内方向の格子定数が他の半導体層の面内方向の格子定数よりも大きく、コンタクト層(n-GaN)は格子緩和していることを示す。図25において、格子緩和率は約80%と見積もられる。
(実施例4)
図26(a)~図26(f)は、図19(a)に示されたエピ構造の表面の微分干渉顕微鏡像を示す図面である。具体的には、図26(a)から図26(c)は、厚さ20nmの傾斜Al組成中間層を有するコンタクト構造の表面モフォロジを示し、図26(d)から図26(f)は、厚さ50nmの傾斜Al組成中間層を有するコンタクト構造の表面モフォロジを示す。図26(a)及び図26(d)は、出発Al組成及び終端Al組成がそれぞれ75%及び0%の傾斜Al組成中間層を有するコンタクト構造の表面モフォロジを示す。図26(b)及び図26(e)は、出発Al組成及び終端Al組成がそれぞれ75%及び20%の傾斜Al組成中間層を有するコンタクト構造の表面モフォロジを示す。図26(c)及び図26(f)は、出発Al組成及び終端Al組成がそれぞれ75%及び40%の傾斜Al組成中間層を有するコンタクト構造の表面モフォロジを示す。
図26(b)、図26(c)、図26(e)及び図26(f)の表面モフォロジは、図26(a)及び図26(d)の表面モフォロジより平坦である。これによれば、Al組成が20%以上のAlGaNの成長では、傾斜Al組成中間層の格子緩和が抑制されていると推測される。コンタクト層の良好な表面平坦性は、その上への電極形成、及びその他のプロセスに対して好ましい。これ故に、傾斜Al組成中間層の終端Al組成値は、良好な表面平坦性を提供できる20%以上であることが望ましい。
図27は、深紫外発光ダイオードのI-V特性を示す図面である。破線の「Reference」は、図8(a)に示された構造の特性を示し、実線の「Novel」は、図9(a)に示された構造、つまり図8(a)の構造において、n-電極と下地n型AlGaNとの間に傾斜Al組成のn型AlGaN中間層、及びn型GaNコンタクト層を含む選択成長の積層を設けた構造の特性を示す。傾斜Al組成のn型AlGaN中間層の出発Al組成は75%であり、終端Al組成は20%である。傾斜Al組成n型AlGaN中間層の厚さは、50nmである。下地n型AlGaNのAl組成は75%である。コンタクト層及び傾斜Al組成の中間層を用いるコンタクト構造は、n-電極から下地n型AlGaNまでの抵抗が低い。「Reference」と「Novel」とを比較すると、100A/cmにおいて、約4Vの動作電圧が低減される。
(実施例5)
コンタクト構造に係る技術背景について説明する。深紫外発光ダイオードの下地n型AlGaNのAl組成には、以下の技術的事項が求められる。
第1に、活性層からの深紫外光が下地のn型AlGaNを透過可能であること。
具体的には、発光波長が285nmであれば、下地n型AlGaNが40%以上のAl組成を有することが求められる。発光波長が265nmであれば、下地n型AlGaNは、60%以上のAl組成を有することが求められる。発光波長が220nmであれば、下地n型AlGaNは、90%以上Al組成を有することが求められる。
第2に、下地n型AlGaNは下地の半導体に対してコヒーレントに成長されること。
下地n型AlGaNが格子緩和してミスフィット転位が発生すると、活性層の結晶品質を低下させ、発光効率が低下する。下地n型AlGaNの格子緩和を抑制するために、下地n型AlGaNを下地のAlNテンプレート又はAlN基板に対してコヒーレントに成長させる。このためには、典型的には、下地n型AlGaNのAl組成は50%以上であることが望ましく、60%以上であることがさらに望ましい。AlNへのコヒーレント成長の観点では、下地n型AlGaNは、より大きなAl組成を有することがよい。AlNテンプレートが圧縮歪みを内包している場合は、AlNテンプレートが無歪みあるいは引っ張り歪みを内包している場合よりも、AlNテンプレートへコヒーレントに成長できる下地n型AlGaNのAl組成の範囲が狭い範囲、すなわち、高いAl組成に限定される。
第3に、下地n型AlGaNにおいてその面内方向に電子をドリフトさせて広げられること。
下地n型AlGaNには、電極からの電子を面内にわたって広げるために、高い導電性が求められる。下地n型AlGaNのAl組成が80%を超えると、その導電性が急激に低下する。下地n型AlGaNのAl組成は80%以下であることが望ましい。電子を面内に広げるという観点からは、下地n-AlGaNのAl組成は低いことが良い。
第4に、下地n型AlGaNとn-電極との接合はオーミック性を示す低い接触抵抗であること。
下地n型AlGaNとn-電極との接触が高い接触抵抗を示す場合、又は該接触がショットキー特性を示す場合、この接触における電圧降下が大きくなり、ウォールプラグ効率の低下及び発熱の増大を引き起こす。下地n型AlGaNのAl組成が高いと、接触抵抗が高くなり、またオーミック接触を形成することが困難になる。このため、下地n型AlGaNのAl組成は60%以下が望ましい。良好なコンタクト特性の観点からは、下地n型AlGaNのAl組成は低いことが良い。
上記の第2項目と第4項目を同時に満足する下地n型AlGaNのAl組成はごく狭い範囲に限られる。従って、活性層の結晶品質の低下に伴う発光効率の低下を抑制しつつ、低いn-電極との接触抵抗を実現できる下地n型AlGaNを形成することは困難である。加えて、短い発光波長のデバイスでは、下地n型AlGaNのAl組成に対して、第1項目が第2項目よりも厳しい要求を課す。この場合、第1項目がコンタクト特性に関連するようになる。
図27に示した深紫外発光ダイオードは、AlNから構成されるテンプレート層120とAlGaNから構成されるn型半導体層125を含む。X線回折測定により評価したAlNからなるテンプレート層120の(0002)ロッキングカーブ半値全幅(XRC-FWHM)は29arcsecであり、同じく(10-12)XRC-FWHMは262arcsecである。AlGaNからなるn型半導体層125の(0002)XRC-FWHMは49arcsecであり、同じく(10-12)XRC-FWHMは251arcsecである。
本実施の形態における典型的な形態を以下に示す。
実施例に係る第一形態は、半導体発光デバイスであって、該半導体発光デバイスは、III族構成元素としてアルミニウムを含むIII族窒化物半導体を備えるn型半導体層と、前記n型半導体層上に設けられたp型半導体層と、前記n型半導体層上に設けられたIII族窒化物半導体を含み深紫外光を発生可能な活性層と、前記n型半導体層上に設けられIII族構成元素としてガリウムを含むIII族窒化物半導体のn型コンタクト層と、前記n型半導体層上に設けられIII族構成元素としてガリウム及びアルミニウムを含むIII族窒化物半導体のn型中間領域と、金属を含むn-電極と、を備え、前記n型中間領域は、前記n型コンタクト層と前記n型半導体層との間に設けられ、前記n型コンタクト層は、前記n型中間領域と前記n-電極との間に設けられ、前記n型中間領域のAl組成Xは、前記n型コンタクト層のAl組成Y以上であり、前記n型コンタクト層の前記Al組成Yは、ゼロ以上であり、前記n型中間領域の前記Al組成Xは、前記n型半導体層のAl組成Z以下であり、前記n型中間領域の前記Al組成Xは、前記n型半導体層から前記n型コンタクト層への方向に単調に変化し、前記n型中間領域は、前記n型中間領域の前記Al組成Xが前記n型中間領域の少なくとも一部分において前記n型半導体層から前記n型コンタクト層への方向に減少する傾斜組成及び階段組成の少なくともいずれか一方を有し、前記n型半導体層、前記活性層、前記p型半導体層は、前記n型中間領域から前記n-電極へ向かう軸の方向に順に配列される。
半導体発光デバイスによれば、n型半導体層からn型コンタクト層への方向に単調に変化するAl組成Xを有するn型中間領域が、n型半導体層を介して活性層にキャリアを提供するためのコンタクト構造に良好な電気的特性を与える。
n型コンタクト層のAl組成Yは、n型中間領域のいずれのエリアのAl組成X以下である。また、n型半導体層のAl組成Zは、n型中間領域のいずれのエリアのAl組成X以上である。
第一形態に係る半導体発光デバイスでは、前記n型中間領域は、前記n型中間領域の前記Al組成Xが前記n型中間領域の少なくとも一部分において前記n型半導体層から前記n型コンタクト層への方向に減少する傾斜組成及び階段組成の少なくともいずれか一方を有する。
半導体発光デバイスによれば、n型中間領域において単調に変化するAl組成は、傾斜組成及び階段組成によって提供される。
第一形態に係る半導体発光デバイスでは、前記n型中間領域は、AlGa1-XNを含み、前記n型中間領域の前記Al組成Xは、前記n型中間領域の全体にわたって前記n型半導体層から前記n型コンタクト層への方向に減少する。
半導体発光デバイスによれば、n型中間領域は、n型半導体層に関連する界面及びn型コンタクト層に関連する界面を有しており、一方の界面から他方の界面に向けてAl組成Xが減少する。
第一形態に係る半導体発光デバイスでは、前記n型コンタクト層は、n型GaN、n型AlGaN、又はn型InAlGaNのいずれか1つを含む。
半導体発光デバイスによれば、n型コンタクト層には、窒化ガリウム系半導体のn型GaN、n型AlGaN、又はn型InAlGaNが提供されることができる。
第一形態に係る半導体発光デバイスでは、前記n型コンタクト層の面内方向の格子定数は、前記n型中間領域の面内方向の格子定数に等しい又は前記n型中間領域の面内方向の格子定数よりも大きい。
半導体発光デバイスによれば、n型コンタクト層には、n型中間領域に対して格子緩和しているIII族窒化物が提供される。n型中間領域に対して格子緩和しているn型コンタクト層は、該n型コンタクト層とn型中間領域との界面における電気抵抗を低下させることができる。
第一形態に係る半導体発光デバイスでは、前記n型コンタクト層は、前記n型半導体層に対して0.5以上の格子緩和率を有する。
半導体発光デバイスによれば、n型コンタクト層には、n型半導体層に対して0.5以上の格子緩和率を有するIII族窒化物が提供されることができる。
第一形態に係る半導体発光デバイスでは、n型半導体層の前記III族窒化物半導体は、AlN及びAlGaNのいずれか一方を含む。
半導体発光デバイスによれば、n型コンタクト層及びn型中間領域の下地として、AlN又はAlGaNを用いることができる。
第一形態に係る半導体発光デバイスでは、深紫外光の波長は285nm以下の範囲にある。
半導体発光デバイスによれば、285nm以下の波長の深紫外光では、高いAl組成の活性層が必要であり、活性層への電流経路も高いAl組成のIII族窒化物により形成される。高いAl組成のIII族窒化物への良好なn側コンタクト構造は、n型中間領域、n型コンタクト層及びn-電極の組み合わせにより提供される。
第一形態に係る半導体発光デバイスは、III族構成元素としてアルミニウムを含むIII族窒化物主面を提供する基板を更に備え、前記基板は、前記n型半導体層、前記活性層、前記p型半導体層、前記n型コンタクト層、前記n型中間領域を搭載し、前記基板は、III族構成元素としてアルミニウムを含むIII族窒化物を含む基板、又はIII族窒化物と異なる材料からなる支持体と、該支持体の主面上に設けられたAlNテンプレート層又はAlGaNテンプレート層とを含む基板を備える。
半導体発光デバイスによれば、上記のような基板上に活性層が提供される。
第一形態に係る半導体発光デバイスでは、前記n型コンタクト層の前記Al組成Yと前記n型中間領域の前記Al組成Xの差は、前記n型コンタクト層と前記n型中間領域との界面において0.3以下であり、前記n型中間領域の前記Al組成Xと前記n型半導体層の前記Al組成Zの差は、前記n型中間領域と前記n型半導体層との界面において0.3以下であることができる。
半導体発光デバイスによれば、上記のようなAl組成差は、半導体発光デバイスに良好な電気的特性を提供できる。
実施例に係る第二形態は、半導体発光デバイスを作製する方法であって、前記半導体発光デバイスは、n型半導体層、活性層、及びp型半導体層を含み、前記活性層は、深紫外光を発生可能なIII族窒化物半導体を含み、前記方法は、基板上に、III族構成元素としてガリウム及びアルミニウムを含むn型中間領域のための第1III族窒化物半導体層を成長することと、前記第1III族窒化物半導体層を成長した後に、前記基板上に、III族構成元素としてガリウムを含むn型コンタクト層のための第2III族窒化物半導体層を成長することと、前記第2III族窒化物半導体層を成長した後に、前記基板上に、金属を含むn-電極を形成することと、を備え、前記n型半導体層は、III族構成元素としてアルミニウムを含み、前記n型中間領域は、前記n型コンタクト層と前記n型半導体層との間に設けられ、前記n型コンタクト層は、前記n型中間領域と前記n-電極との間に設けられ、前記n型中間領域のAl組成Xは、前記n型コンタクト層のAl組成Y以上であり、前記n型コンタクト層の前記Al組成Yは、ゼロ以上であり、前記n型中間領域の前記Al組成Xは、前記n型半導体層のAl組成Z以下であり、前記n型中間領域の前記Al組成Xは、前記n型半導体層から前記n型コンタクト層への方向に単調に変化し、前記n型中間領域は、前記n型中間領域の前記Al組成Xが前記n型中間領域の少なくとも一部分において前記n型半導体層から前記n型コンタクト層への方向に減少する傾斜組成及び階段組成の少なくともいずれか一方を有し、前記n型半導体層、前記活性層、前記p型半導体層は、前記n型中間領域から前記n-電極へ向かう軸の方向に前記基板上において順に配列される。
この作製方法によれば、n型半導体層からn型コンタクト層への方向に単調に変化するAl組成Xを有するn型中間領域が、n型半導体層を介して活性層にキャリアを提供するためのコンタクト構造に良好な電気的特性をもたらす。n型コンタクト層のAl組成Yは、n型中間領域のいずれのエリアのAl組成X以下である。また、n型半導体層のAl組成Zは、n型中間領域のいずれのエリアのAl組成X以上である。
第二形態に係る半導体発光デバイスを作製する方法では、前記n型中間領域は、AlGa1-XNを含み、前記n型中間領域の前記Al組成Xは、前記n型中間領域の全体にわたって前記n型半導体層から前記n型コンタクト層への方向に減少する。
この作製方法によれば、n型中間領域は、n型半導体層に関連する界面及びn型コンタクト層に関連する界面を有しており、これらの界面のうち一方の界面から他方の界面に向けてAl組成Xが減少する。
第二形態に係る半導体発光デバイスを作製する方法では、前記n型コンタクト層の面内方向の格子定数は、前記n型中間領域の面内方向の格子定数に等しい又は前記n型中間領域の面内方向の格子定数よりも大きい。
この作製方法によれば、n型コンタクト層には、n型中間領域に対して格子緩和しているIII族窒化物が提供されることができる。
第二形態に係る半導体発光デバイスを作製する方法では、前記n型コンタクト層は、前記n型半導体層に対して0.5以上の格子緩和率を有する。
この作製方法によれば、n型コンタクト層には、n型半導体層に対して0.5以上の格子緩和率を有するIII族窒化物が提供されることができる。
第二形態に係る半導体発光デバイスを作製する方法では、前記n型コンタクト層は、n型GaN、n型AlGaN、又はn型InAlGaNのいずれか1つを含む。
この作製方法によれば、n型コンタクト層には、窒化ガリウム系半導体のn型GaN、n型AlGaN、又はn型InAlGaNが提供されることができる。
第二形態に係る半導体発光デバイスを作製する方法では、前記n型中間領域は、前記n型中間領域の前記Al組成Xが前記n型中間領域の少なくとも一部分において前記n型半導体層から前記n型コンタクト層への方向に減少する傾斜組成及び階段構造を有する。
製造方法によれば、n型中間領域において単調に変化するAl組成は、傾斜組成及び階段構造によって提供される。
第二形態に係る半導体発光デバイスを作製する方法では、前記深紫外光の波長は285nm以下の範囲にある。
製造方法によれば、285nm以下の波長の深紫外光では、高いAl組成の活性層が必要であり、活性層への電流経路も高いAl組成のIII族窒化物により形成される。高いAl組成のIII族窒化物への良好なn側コンタクト構造は、n型中間領域、n型コンタクト層及びn-電極の組み合わせにより提供される。
第二形態に係る半導体発光デバイスを作製する方法では、前記基板は、III族構成元素としてアルミニウムを含むIII族窒化物主面を提供し、前記基板は、前記n型半導体層、前記活性層、前記p型半導体層、前記n型コンタクト層、前記n型中間領域を搭載し、前記基板は、III族構成元素としてアルミニウムを含むIII族窒化物を含む基板、又はIII族窒化物と異なる材料からなる支持体と、該支持体の主面上に設けられたAlNのテンプレート層又はAlGaNのテンプレート層とを含む基板を備える。
製造方法によれば、上記のような基板上に活性層が提供される。
実施例に係る第三形態は、コンタクト構造であって、該コンタクト構造は、III族窒化物半導体デバイスのためのコンタクト構造であって、III族構成元素としてアルミニウムを含むIII族窒化物主面を提供する基板と、前記III族窒化物主面に接触を成し一又は複数のIII族窒化物半導体層を含む半導体領域と、前記半導体領域に接触を成すIII族窒化物半導体のn型半導体層と、前記n型半導体層上に設けられIII族構成元素としてガリウムを含むIII族窒化物半導体のn型コンタクト層と、前記n型半導体層上に設けられIII族構成元素としてガリウム及びアルミニウムを含むIII族窒化物半導体のn型中間領域と、金属を含むn-電極と、を備え、前記n型半導体層の前記III族窒化物半導体は、III族構成元素としてアルミニウムを含み、前記n型半導体層は、前記基板と前記n型中間領域との間に設けられ、前記n型中間領域は、前記n型コンタクト層と前記n型半導体層との間に設けられ、前記n型コンタクト層は、前記n型中間領域と前記n-電極との間に設けられ、前記n型中間領域のAl組成Xは、前記n型コンタクト層のAl組成Y以上であり、前記n型コンタクト層の前記Al組成Yは、ゼロ以上であり、前記n型中間領域の前記Al組成Xは、前記n型半導体層のAl組成Z以下であり、前記n型中間領域の前記Al組成Xは、前記n型半導体層から前記n型コンタクト層への方向に単調に変化し、前記n型中間領域は、前記n型中間領域の前記Al組成Xが前記n型中間領域の少なくとも一部分において前記n型半導体層から前記n型コンタクト層への方向に減少する傾斜組成及び階段組成の少なくともいずれか一方を有する。
コンタクト構造によれば、n型半導体層からn-電極への方向に単調に変化するAl組成Xを有するn型中間領域が、n型半導体層にキャリアを提供するためのコンタクト構造に良好な電気的特性を与える。コンタクト構造では、n型中間領域、n型コンタクト層及びn-電極の順に配列される。n型コンタクト層のAl組成Yは、n型中間領域のいずれのエリアのAl組成X以下である。また、n型半導体層のAl組成Zは、n型中間領域のいずれのエリアのAl組成X以上である。
第三形態に係るコンタクト構造は、前記基板上に設けられたp型半導体層と、前記基板上に設けられたIII族窒化物半導体を含み深紫外光を発生可能な活性層と、を更に備え、前記基板、前記n型半導体層、前記活性層及び前記p型半導体層は、前記n型コンタクト層から前記n-電極への方向に延在する軸の方向に順に配列される。
コンタクト構造によれば、p型半導体層より基板に近いn型半導体層を有する半導体デバイスに良好な電気的特性を与える。コンタクト構造では、n型中間領域、n型コンタクト層及びn-電極の順に配列される。
第三形態に係るコンタクト構造では、前記n型半導体層は、前記基板から前記n型コンタクト層への方向に単調に変化する傾斜組成及び階段構造の少なくともいずれか一方を有する。
コンタクト構造によれば、n型半導体層は、単調に変化するAl組成を有することができ、単調に変化するAl組成は、Al組成Xの最大値以下のAl組成を有する傾斜組成及び階段構造によって提供される。
第三形態に係るコンタクト構造では、前記n型半導体層は、単一Al組成を有する。
コンタクト構造によれば、n型半導体層は、単一Al組成を有すことができる。「単一Al組成」の技術的意味は、Al組成の測定のばらつきを考慮して決定される。
本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することが可能である。そして、それらはすべて、本発明の技術思想に含まれるものである。
110・・・窒化物デバイス、111・・・コンタクト構造、113・・・下側III族窒化物積層体、114・・・活性層、114a・・・量子井戸構造、114b・・・井戸層、114c・・・障壁層、115・・・上側III族窒化物積層体、116・・・窒化物半導体領域、118・・・支持体、118a・・・主面、119a、119b、119c、119d・・・接合、120・・・テンプレート層、121・・・p型半導体層、122・・・第1n型半導体層、124・・・第2n型半導体層、125・・・n型半導体層、125a・・・第1領域、125b・・・第2領域、127・・・n型コンタクト層、129・・・n型中間領域、130・・・AlGa1-UN層、131・・・n-電極、132・・・AlGa1-VN層、133・・・基板、133a・・・III族窒化物主面、134・・・電子ブロック層、135・・・半導体領域、135a・・・主面、136・・・p型傾斜組成層、138、138a、138b・・・p型コンタクト層、142・・・エッチングによる加工領域、144・・・パッシベーション膜、144a、144b・・・開口、146・・・p-電極、150・・・基板、155a、155b・・・MOVPE反応炉、162・・・エピタキシャルウエハ、163・・・III族窒化物半導体層、164・・・III族窒化物積層体、165・・・第1n型半導体層、166・・・窒化物半導体領域、167・・・第2n型半導体層、168・・・活性層、168a・・・量子井戸構造、168b・・・井戸層、168c・・・障壁層、169・・・n型中間領域、170・・・AlGa1-UN層、171・・・n型コンタクト層、172・・・AlGa1-VN層、173・・・ハードマスク、173a・・・開口、174・・・電子ブロック層、175・・・コンタクト積層、176・・・p型傾斜組成層、178・・・p型コンタクト層、180a、180b・・・溝、182・・・エッチングによる加工領域、184・・・パッシベーション膜、184a、184b・・・開口、186・・・p-電極、188・・・n-電極、ρc・・・特性接触抵抗。

Claims (16)

  1. 半導体発光デバイスであって、
    III族構成元素としてアルミニウムを含むIII族窒化物半導体を備えるn型半導体層と、
    前記n型半導体層の上に設けられたp型半導体層と、
    前記n型半導体層の上に設けられたIII族窒化物半導体を含み深紫外光を発生可能な活性層と、
    前記n型半導体層の上に設けられIII族構成元素としてガリウムを含むIII族窒化物半導体のn型コンタクト層と、
    前記n型半導体層の上に設けられIII族構成元素としてガリウム及びアルミニウムを含むIII族窒化物半導体のn型中間領域と、
    金属を含むn-電極と、
    を備え、
    前記n型中間領域は、前記n型コンタクト層と前記n型半導体層との間に設けられ、
    前記n型コンタクト層は、前記n型中間領域と前記n-電極との間に設けられ、
    前記n型中間領域のAl組成Xは、前記n型コンタクト層のAl組成Yに等しい又はYより大きく、前記n型コンタクト層の前記Al組成Yは、ゼロに等しい又はゼロより大きく、
    前記n型中間領域の前記Al組成Xは、前記n型半導体層のAl組成Zに等しい又はZより小さく、
    前記n型中間領域の前記Al組成Xは、前記n型半導体層から前記n型コンタクト層への方向に単調に変化し、
    前記n型中間領域は、前記n型中間領域の前記Al組成Xが前記n型中間領域の少なくとも一部分において前記n型半導体層から前記n型コンタクト層への方向に減少する傾斜組成及び階段組成の少なくともいずれか一方を有し、
    前記n型半導体層、前記活性層、前記p型半導体層は、前記n型中間領域から前記n-電極へ向かう軸の方向に順に配列される、
    半導体発光デバイス。
  2. 前記n型中間領域は、AlGa1-XNを含み、
    前記n型中間領域の前記Al組成Xは、前記n型中間領域の全体にわたって前記n型半導体層から前記n型コンタクト層への方向に減少する、
    請求項1に記載された半導体発光デバイス。
  3. 前記n型コンタクト層は、n型GaN、n型AlGaN又はn型InAlGaNのいずれか1つを含む、
    請求項1又は請求項2に記載された半導体発光デバイス。
  4. 前記n型コンタクト層の面内方向の格子定数は、前記n型中間領域の面内方向の格子定数に等しい又は前記n型中間領域の面内方向の格子定数よりも大きい、
    請求項1から請求項3のいずれか一項に記載された半導体発光デバイス。
  5. 前記n型コンタクト層は、前記n型半導体層に対して0.5以上の格子緩和率を有する、
    請求項1から請求項4のいずれか一項に記載された半導体発光デバイス。
  6. 前記深紫外光の波長は285nm以下の範囲にある、
    請求項1から請求項5のいずれか一項に記載された半導体発光デバイス。
  7. III族構成元素としてアルミニウムを含むIII族窒化物主面を提供する基板を更に備え、
    前記基板は、前記n型半導体層、前記活性層、前記p型半導体層、前記n型コンタクト層、前記n型中間領域を搭載し、
    前記基板は、III族構成元素としてアルミニウムを有するIII族窒化物を含む基板、又はIII族窒化物と異なる材料からなる支持体と、該支持体の主面上に設けられたAlNテンプレート層若しくはAlGaNのテンプレート層とを含む基板である、
    請求項1から請求項6のいずれか一項に記載された半導体発光デバイス。
  8. 前記n型コンタクト層の前記Al組成Yと前記n型中間領域の前記Al組成Xの差は、前記n型コンタクト層と前記n型中間領域との界面において0.3以下であり、
    前記n型中間領域の前記Al組成Xと前記n型半導体層の前記Al組成Zの差は、前記n型中間領域と前記n型半導体層との界面において0.3以下である、
    請求項1から請求項7のいずれか一項に記載された半導体発光デバイス。
  9. 半導体発光デバイスを作製する方法であって、前記半導体発光デバイスは、n型半導体層、活性層、及びp型半導体層を含み、前記活性層は、深紫外光を発生可能なIII族窒化物半導体を含み、前記方法は、
    基板の上に、III族構成元素としてガリウム及びアルミニウムを含みn型中間領域のための第1III族窒化物半導体層を成長することと、
    前記第1III族窒化物半導体層を成長した後に、前記基板の上に、III族構成元素としてガリウムを含みn型コンタクト層のための第2III族窒化物半導体層を成長することと、
    前記第2III族窒化物半導体層を成長した後に、前記基板の上に、金属を含むn-電極を形成することと、
    を備え、
    前記n型半導体層は、III族構成元素としてアルミニウムを含み、
    前記n型中間領域は、前記n型コンタクト層と前記n型半導体層との間に設けられ、
    前記n型コンタクト層は、前記n型中間領域と前記n-電極との間に設けられ、
    前記n型中間領域のAl組成Xは、前記n型コンタクト層のAl組成Yに等しい又はYより大きく、前記n型コンタクト層の前記Al組成Yは、ゼロに等しい又はゼロより大きく、
    前記n型中間領域の前記Al組成Xは、前記n型半導体層のAl組成Zに等しい又はZより小さく、
    前記n型中間領域の前記Al組成Xは、前記n型半導体層から前記n型コンタクト層への方向に単調に変化し、
    前記n型中間領域は、前記n型中間領域の前記Al組成Xが前記n型中間領域の少なくとも一部分において前記n型半導体層から前記n型コンタクト層への方向に減少する傾斜組成及び階段組成の少なくともいずれか一方を有し、
    前記n型半導体層、前記活性層、前記p型半導体層は、前記n型中間領域から前記n-電極へ向かう軸の方向に前記基板の上において順に配列される、
    半導体発光デバイスを作製する方法。
  10. 前記n型中間領域は、AlGa1-XNを含み、
    前記n型中間領域の前記Al組成Xは、前記n型中間領域の全体にわたって前記n型半導体層から前記n型コンタクト層への方向に減少する、
    請求項9に記載された半導体発光デバイスを作製する方法。
  11. 前記n型コンタクト層の面内方向の格子定数は、前記n型中間領域の面内方向の格子定数に等しい又は前記n型中間領域の面内方向の格子定数よりも大きい、請求項9又は請求項10に記載された半導体発光デバイスを作製する方法。
  12. 前記n型コンタクト層は、前記n型半導体層に対して0.5以上の格子緩和率を有する、
    請求項9から請求項11のいずれか一項に記載された半導体発光デバイスを作製する方法。
  13. 前記n型コンタクト層は、n型GaN、n型AlGaN、又はn型InAlGaNのいずれか1つを含む、
    請求項9から請求項12のいずれか一項に記載された半導体発光デバイスを作製する方法。
  14. 前記深紫外光の波長は285nm以下の範囲にある、
    請求項9から請求項13のいずれか一項に記載された半導体発光デバイスを作製する方法。
  15. 前記基板は、III族構成元素としてアルミニウムを含むIII族窒化物主面を提供し、
    前記基板は、前記n型半導体層、前記活性層、前記p型半導体層、前記n型コンタクト層、前記n型中間領域を搭載し、
    前記基板は、III族構成元素としてアルミニウムを含むIII族窒化物を含む基板、又はIII族窒化物と異なる材料からなる支持体と、該支持体の主面上に設けられたAlNテンプレート層若しくはAlGaNのテンプレート層とを含む基板を備える、
    請求項9から請求項14のいずれか一項に記載された半導体発光デバイスを作製する方法。
  16. III族窒化物半導体デバイスのためのコンタクト構造であって、
    III族構成元素としてアルミニウムを含むIII族窒化物主面を提供する基板と、
    前記III族窒化物主面に接触を成し一又は複数のIII族窒化物半導体層を含む半導体領域と、
    前記半導体領域に接触を成すIII族窒化物半導体のn型半導体層と、
    前記n型半導体層の上に設けられIII族構成元素としてガリウムを含むIII族窒化物半導体のn型コンタクト層と、
    前記n型半導体層の上に設けられIII族構成元素としてガリウム及びアルミニウムを含むIII族窒化物半導体のn型中間領域と、
    金属を含むn-電極と、
    を備え、
    前記n型半導体層の前記III族窒化物半導体は、III族構成元素としてアルミニウムを含み、
    前記n型半導体層は、前記基板と前記n型中間領域との間に設けられ、
    前記n型中間領域は、前記n型コンタクト層と前記n型半導体層との間に設けられ、
    前記n型コンタクト層は、前記n型中間領域と前記n-電極との間に設けられ、
    前記n型中間領域のAl組成Xは、前記n型コンタクト層のAl組成Yに等しい又はYより大きく、前記n型コンタクト層の前記Al組成Yは、ゼロに等しい又はゼロより大きく、
    前記n型中間領域の前記Al組成Xは、前記n型半導体層のAl組成Zに等しい又はZより小さく、
    前記n型中間領域の前記Al組成Xは、前記n型半導体層から前記n型コンタクト層への方向に単調に変化し、
    前記n型中間領域は、前記n型中間領域の前記Al組成Xが前記n型中間領域の少なくとも一部分において前記n型半導体層から前記n型コンタクト層への方向に減少する傾斜組成及び階段組成の少なくともいずれか一方を有する、
    コンタクト構造。
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