JP2023038773A - 機械部品 - Google Patents

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Abstract

【課題】表面の硬さの向上を図ることなく許容荷重が向上され得る機械部品を提供する。【解決手段】機械部品は、焼入れおよび焼戻しが施された鋼で構成されている機械部品である。機械部品は、表面を有し、表面における残留オーステナイト量A(単位:%)と、表面における旧オーステナイト結晶粒の平均粒径B(単位:μm)とが、以下の関係式(1)を満足する。【数1】TIFF2023038773000013.tif6114【選択図】図1

Description

本発明は、機械部品に関する。
工作機械、建設機械、ロボット、自動車等の機械装置は、他の部品と接触あるいは摺動する表面を有する機械部品を備えている。機械部品の表面が静止時に比較的大きな負荷を受けると、当該表面に圧痕が生じ、機械装置が適切にかつ円滑に動作し得なくなるおそれがある。そのため、機械部品には、機械装置の静止時に上記表面に作用することが許容される荷重(以下、許容荷重)が存在する。機械部品は、機械装置において許容荷重以上の荷重が上記表面に作用しないように使用される。近年、機械装置の高性能化に伴い、機械装置の許容荷重の向上が求められている。
なお、軸受では、許容荷重が静的定格荷重として定められている。静的定格荷重は表面の硬さと正の相関を示すことが知られている(例えば、特開2004-301149号公報参照)。
特開2004-301149号公報
しかしながら、表面の硬さを高めることによって機械部品の許容荷重を高める技術では、機械部品の靭性の低下を抑制することなく該機械部品の許容荷重を向上することは困難である。
本発明の主たる目的は、表面の硬さの向上を図ることなく許容荷重が向上され得る機械部品を提供することにある。
本発明の一態様に係る機械部品は、焼入れおよび焼戻しが施された鋼で構成されている機械部品であって、表面を有し、表面における残留オーステナイト量A(単位:%)と、表面における旧オーステナイト結晶粒の平均粒径B(単位:μm)とが、以下の関係式(1)を満足する。
Figure 2023038773000002
上記一態様に係る機械部品では、表面における残留オーステナイト量A(単位:%)と、表面における未固溶の炭化物量C(単位:%)とが、以下の関係式(2)を満足してもよい。
Figure 2023038773000003
本発明の他の一態様に係る機械部品は、焼入れおよび焼戻しが施された鋼で構成されている機械部品であって、表面を有し、表面における残留オーステナイト量A(単位:%)と、表面における未固溶の炭化物量C(単位:%)とが、上記関係式(2)を満足する。
上記他の一態様に係る機械部品では、表面における残留オーステナイト量A(単位:%)と、表面における旧オーステナイト結晶粒の平均粒径B(単位:μm)とが、上記関係式(1)を満足してもよい。
上記機械部品は、複数のマルテンサイト結晶粒を含んでいてもよい。複数のマルテンサイト結晶粒は、第1群と、第2群とに区分され得る。第1群に属するマルテンサイト結晶粒の結晶粒径の最小値は、第2群に属するマルテンサイト結晶粒の最大値よりも大きい。第1群に属するマルテンサイト結晶粒の総面積をマルテンサイト結晶粒の総面積で除した値は0.3以上である。第1群に属する結晶粒径が最も小さいマルテンサイト結晶粒を除いた第1群に属するマルテンサイト結晶粒の総面積をマルテンサイト結晶粒の総面積で除した値は0.3未満である。第1群に属するマルテンサイト結晶粒の平均粒径は1.8μm以下であってもよい。複数のマルテンサイト結晶粒は、第3群と、第4群とに区分され得る。第3群に属するマルテンサイト結晶粒の結晶粒径の最小値は、第4群に属するマルテンサイト結晶粒の最大値よりも大きい。第3群に属するマルテンサイト結晶粒の総面積をマルテンサイト結晶粒の総面積で除した値は0.5以上である。第3群に属する結晶粒径が最も小さいマルテンサイト結晶粒を除いた第3群に属するマルテンサイト結晶粒の総面積をマルテンサイト結晶粒の総面積で除した値は0.5未満である。第3群に属するマルテンサイト結晶粒の平均粒径は1.5μm以下であってもよい。
上記機械部品において、第1群に属するマルテンサイト結晶粒の平均アスペクト比は3.5以下であってもよい。第3群に属するマルテンサイト結晶粒の平均アスペクト比は3.1以下であってもよい。
上記機械部品において、表面からの距離が20μmまでの領域である表層部の硬さは650HV以上780HV以下であってもよい。
上記機械部品では、高炭素鋼中の炭素の含有率が0.8質量%以上であり、高炭素鋼中のクロムの含有率が4質量%以下であり、高炭素鋼中のシリコンの含有率が0.1質量%以上0.7質量%以下であり、高炭素鋼中のモリブデンの含有率が0.25質量%以下であってもよい。
上記機械部品では、上記表面が他の部品と摺動する摺動面として構成されていてもよい。
本発明によれば、表面の硬さの向上を図ることなく許容荷重が向上され得る機械部品を提供できる。
本実施の形態に係る機械部品の一例を示す断面図である。 本実施の形態に係る機械部品の製造方法の一例を示すフローチャートである。 試験片A~Jの表面に対する圧痕形成試験の結果から求められた、残留圧痕の深さ(単位:mm)の2倍の値をセラミック球の直径(単位:mm)で除した値と、各残留圧痕が形成されたときの最大接触面圧(単位:GPa)との相関関係を示すグラフである。 試験片A~Jについて、表面の残留オーステナイト量および旧オーステナイト結晶粒の平均粒径の実測値と、図3のグラフに基づいて算出された許容負荷面圧との相関関係を示すグラフである。 試験片A~Jについて、図3のグラフに基づいて算出された許容負荷面圧の算出値と、図4のグラフから導かれた推測式に基づいて算出された許容負荷面圧の推測値との相関関係を示すグラフである。 試験片A~Jについて、表面の残留オーステナイト量および未固溶炭化物量の実測値と、図3のグラフに基づいて算出された許容負荷面圧との相関関係を示すグラフである。 試験片A~Jについて、図3のグラフに基づいて算出された許容負荷面圧の算出値と、図6のグラフから導かれた推測式に基づいて算出された許容負荷面圧の推測値との相関関係を示すグラフである。 試験片Bの表面近傍におけるEBSD画像である。 試験片Jの表面近傍におけるEBSD画像である。 試験片A~Jについて、第1群のマルテンサイト結晶粒の平均粒径および平均アスペクト比の実測値と、図3のグラフに基づいて算出された許容負荷面圧との相関関係を示すグラフである。 試験片A~Jについて、第3群のマルテンサイト結晶粒の平均粒径および平均アスペクト比の実測値と、図3のグラフに基づいて算出された許容負荷面圧との相関関係を示すグラフである。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の図面においては、同一または相当する部分に同一の参照符号を付し、重複する説明は繰り返さない。
本実施の形態に係る機械部品10は、例えば転がり軸受の内輪10である。以下では、内輪10を実施形態に係る機械部品の一例として説明する。
(内輪10の構成)
図1は、内輪10の断面図である。図1に示されるように、内輪10は、リング状である。内輪10の中心軸を、中心軸Aとする。内輪10は、幅面10aと、幅面10bと、内周面10cと、外周面10dとを有している。幅面10a、幅面10b、内周面10cおよび外周面10dは、内輪10の表面を構成している。
以下においては、中心軸Aの方向を、軸方向とする。また、以下においては、軸方向に沿って見た際に中心軸Aを中心とする円周に沿う方向を、周方向とする。さらに、以下においては、軸方向に直交する方向を、径方向とする。
幅面10aおよび幅面10bは、軸方向における内輪10の端面である。幅面10bは、軸方向における幅面10aの反対面である。
内周面10cは、周方向に延在している。内周面10cは、中心軸A側を向いている。内周面10cは、軸方向における一方端で幅面10aに連なっており、軸方向における他方端で幅面10bに連なっている。内輪10は、内周面10cにおいて、軸(図示せず)に嵌め合わされる。
外周面10dは、周方向に延在している。外周面10dは、中心軸Aとは反対側を向いている。すなわち、外周面10dは、径方向における内周面10cの反対面である。外周面10dは、軸方向における一方端で幅面10aに連なっており、軸方向における他方端で幅面10bに連なっている。
外周面10dは、軌道面10daを有している。軌道面10daは、周方向に延在している。外周面10dは、軌道面10daにおいて、内周面10c側に窪んでいる。断面視において、軌道面10daは、部分円形状である。軌道面10daは、軸方向において外周面10dの中央にある。軌道面10daは、外周面10dの一部である。軌道面10daは、転動体(図1中において図示せず)の転動面に接触する。
内輪10は、例えば焼入れおよび焼戻しが行われている高炭素鋼により構成されている。好ましくは、内輪10を構成している鋼中の炭素の含有率は、0.80質量パーセント以上1.20質量パーセント以下である。
鋼中の炭素の含有率が0.80質量パーセント以上であれば、内輪10の製造方法において加工対象部材に対して浸炭処理が実施されることなく、鋼中の固溶炭素量が0.5質量パーセント以上となり得る。鋼中の固溶炭素量が0.5質量パーセント以上であれば、固溶強化によって鋼の強度が上昇するため、高い許容負荷面圧が得られる。また、鋼中の炭素の含有率が0.80質量パーセント以上であれば、旧オーステナイト結晶粒の粗大化や残留オーステナイト量の増大を抑制する観点で十分な未固溶炭化物量が容易に確保され得る。
鋼中の炭素の含有率が1.20質量パーセントを超えると加工性の低下などが懸念されるため、炭素の含有率は1.20質量パーセント以下であるのが好ましい。
なお、内輪10を構成している鋼中の炭素の含有率は、0.01質量パーセント以上0.8質量パーセント未満であってもよい。内輪10を構成している鋼は、低炭素鋼または浸炭鋼であってもよい。この場合、内輪10は浸炭処理が施された表層部を有していればよい。好ましくは、該表層部の固溶炭素量は、0.5質量パーセント以上である。このようにすれば、十分な許容負荷面圧が得られる。
好ましくは、内輪10を構成している鋼中のクロムの含有率は、0.00質量パーセント以上4.00質量パーセント以下である。言い換えると、内輪10を構成している鋼は、クロムを含んでいなくてもよいが、最大で4.00質量パーセントのクロムを含んでいてもよい。鋼中のクロムの含有量が増えるほど、強度、耐摩耗性、転動疲労寿命などが向上する。一方、クロムの含有量が4.00質量パーセントを超えると、焼入れ時の加熱時間及び焼戻し時の加熱時間を比較的長く設定する必要があり、生産性が低下する。また、クロムの含有量が高すぎると、加工性(塑性加工性)が低下し、また製造コストが高くなる。
好ましくは、内輪10を構成している鋼中のシリコンの含有率は、0.10質量パーセント以上0.75質量パーセント以下である。鋼中のシリコンの含有量が増えるほど、焼戻し軟化抵抗が向上する。なお、シリコンの含有率が高すぎると、低炭素鋼または浸炭鋼の浸炭処理による炭素の侵入を阻害し、生産性が低下する。
好ましくは、内輪10を構成している鋼中のマンガンの含有率は、0.0質量パーセント以上1.5質量パーセント以下である。言い換えると、内輪10を構成している鋼は、マンガンを含んでいなくてもよいが、最大で1.5質量パーセントのマンガンを含んでいてもよい。鋼中のマンガンの含有量が増えるほど、焼入れ性が向上する。なお、マンガンの含有率が高すぎると、加工性(被削性)が低下する。
好ましくは、内輪10を構成している鋼中のモリブデンの含有率は、0.00質量パーセント以上0.25質量パーセント以下である。言い換えると、内輪10を構成している鋼は、モリブデンを含んでいなくてもよいが、最大で0.25質量パーセントのモリブデンを含んでいてもよい。鋼中のモリブデンの含有量が増えるほど、焼戻し軟化抵抗が向上する。また、鋼中のモリブデンの含有量が増えるほど、クロムと同様に、強度、耐摩耗性、転動疲労寿命などが向上する。なお、モリブデンの含有量が高すぎると、加工性(塑性加工性)が低下し、また製造コストが高くなる。
好ましくは、内輪10を構成している鋼中のニッケルの含有率は、0.00質量パーセント以上5質量パーセント以下である。言い換えると、内輪10を構成している鋼は、ニッケルを含んでいなくてもよいが、最大で5質量パーセントのニッケルを含んでいてもよい。鋼中のニッケルの含有量が増えるほど、焼入焼戻し後の靭性が向上する。
好ましくは、内輪10を構成している鋼中のバナジウムの含有率は、0.00質量パーセント以上1.0質量パーセント以下である。言い換えると、内輪10を構成している鋼は、バナジウムを含んでいなくてもよいが、最大で1.0質量パーセントのバナジウムを含んでいてもよい。鋼中のバナジウムの含有量が増えるほど、焼戻し軟化抵抗が向上する。また、鋼中のバナジウムの含有量が増えるほど、クロムやモリブデンと同様に、強度、耐摩耗性、転動疲労寿命などが向上する。なお、バナジウムの含有量が高すぎると、加工性(塑性加工性)の低下や価格が高くなる。
なお、内輪10を構成している鋼の残部は、鉄および不可避不純物である。
内輪10を構成している鋼は、例えば、JIS規格に定められているSUJ2、SUJ3、SUJ4、SUJ5、SK85、ASTM規格に定められている50100、51100、52100、A485Grade1、およびISO規格に定められている100Cr6、100C4MnSi4-4からなる群から選択され得る。
また、内輪10を構成している鋼は、例えば、JIS規格に定められているSNCM815、SUP13、S55C、S53C、S50C、S45C、SCM445、SCM440、SCM435、SCr435、SCM430、S25C、SCM420、SCr420、SNCM420、SCM418、SCM415、SCr415、S15C、ASTM規格に定められているW1-8、4161、1050、1045、4145、4140、5140、4135、5135、4130、5130、1025、4320、5120、1015、およびISO規格に定められている60CrMo32、C50、42CrMo4、37Cr4、C25、34CrMo4、34Cr4、22CrMoS35、20Cr4、18CrMo4、C15からなる群から選択され得る。
内輪10の表面(外周面10d)を構成する鋼は、複数のマルテンサイト結晶粒と、複数の旧オーステナイト結晶粒とを含んでいる。異なる観点から言えば、表面からの距離が20μmまでの領域である表層部11中の鋼は、複数のマルテンサイト結晶粒と、複数の旧オーステナイト結晶粒とを含んでいる。
内輪10の表面(外周面10d)における残留オーステナイト量A(単位:%)と、当該表面における旧オーステナイト結晶粒の平均粒径B(単位:μm)とは、以下の関係式(1)を満足する。
Figure 2023038773000004
好ましくは、内輪10の表面(外周面10d)における残留オーステナイト量A(単位:%)と、当該表面における未固溶の炭化物量C(単位:%)とは、以下の関係式(2)を満足する。
Figure 2023038773000005
表面(外周面10d)の残留オーステナイト量Aおよび未固溶炭化物量Cは、当該表面に対するX線回折法により測定される。具体的には、第1に、内輪10の上記表面を構成する鋼中の残留オーステナイトがマルテンサイトに加工誘起変態しないように当該表面が電界研磨される。第2に、当該表面に対してX線回折測定を行い、回折角2θが35°~130°の範囲で回折X線の強度を測定することにより、X線プロファイルを得る。第3に、得られたX線プロファイルに対してリーベルト解析を行うことにより、残留オーステナイト量Aおよび未固溶炭化物量Cが算出される。
表面(外周面10d)における旧オーステナイト結晶粒の平均粒径Bは、JIS規格(JIS G 0551:2005)に規定されている方法にしたがって測定される。具体的には、第1に、上記表面を研磨した後、腐食液を用いて当該表面上に旧オーステナイト結晶粒界を現出させる。第2に、当該表面に対して光学顕微鏡撮影が行われる(以下においては、光学顕微鏡撮影によって得られた画像を、「光学顕微鏡画像」という)。なお、光学顕微鏡画像は、十分な数(20個以上)の旧オーステナイト粒が含まれるように撮影される。第3に、得られた光学顕微鏡画像に対して画像処理を行うことにより、当該光学顕微鏡画像中における各々の旧オーステナイト粒の面積が算出される。第4に、算出された各々の旧オーステナイト粒の面積を4/πで除した値の平方根を計算することにより、各々の旧オーステナイト粒の円相当径が算出される。算出された各々の旧オーステナイト粒の円相当径の合計を光学顕微鏡画像中の旧オーステナイト粒の数で除した値が、表面における旧オーステナイト粒の平均粒径とされる。
表層部11に含まれる複数のマルテンサイト結晶粒は、第1群と、第2群とに区分され得る。第1群に属するマルテンサイト結晶粒の結晶粒径の最小値は、第2群に属するマルテンサイト結晶粒の最大値よりも大きい。
第1群に属するマルテンサイト結晶粒の総面積をマルテンサイト結晶粒の総面積(第1群に属するマルテンサイト結晶粒の総面積と第2群に属するマルテンサイト結晶粒の総面積との和)で除した値は、0.3以上である。
結晶粒径が最も小さい第1群に属するマルテンサイト結晶粒を除いた第1群に属するマルテンサイト結晶粒の総面積をマルテンサイト結晶粒の総面積で除した値は、0.3未満である。
このことを別の観点からいえば、マルテンサイト結晶粒は、結晶粒径が大きいものから順に第1群に割り当てられる。第1群への割り当ては、それまでに第1群に割り当てられたマルテンサイト結晶粒の総面積がマルテンサイト結晶粒の総面積の0.3倍以上となった時点で終了する。そして、残余のマルテンサイト結晶粒は、第2群に割り当てられる。
第1群に属するマルテンサイト結晶粒の平均粒径は、1.8μm以下である。好ましくは、第1群に属するマルテンサイト結晶粒の平均粒径は、1.5μm以下である。さらに好ましくは、第1群に属するマルテンサイト結晶粒の平均粒径は、1.3μm以下である。
好ましくは、第1群に属するマルテンサイト結晶粒の平均アスペクト比は、3.5以下である。より好ましくは、第1群に属するマルテンサイト結晶粒の平均アスペクト比は、3.3以下である。さらに好ましくは、第1群に属するマルテンサイト結晶粒の平均アスペクト比は、3.2以下である。
表層部11に含まれる複数のマルテンサイト結晶粒は、第3群と、第4群とに区分され得る。第3群に属するマルテンサイト結晶粒の結晶粒径の最小値は、第4群に属するマルテンサイト結晶粒の最大値よりも大きい。
第3群に属するマルテンサイト結晶粒の総面積をマルテンサイト結晶粒の総面積(第3群に属するマルテンサイト結晶粒の総面積と第4群に属するマルテンサイト結晶粒の総面積との和)で除した値は、0.5以上である。
結晶粒径が最も小さい第3群に属するマルテンサイト結晶粒を除いた第3群に属するマルテンサイト結晶粒の総面積をマルテンサイト結晶粒の総面積で除した値は、0.5未満である。
このことを別の観点からいえば、マルテンサイト結晶粒は、結晶粒径が大きいものから順に第3群に割り当てられる。第3群への割り当ては、それまでに第3群に割り当てられたマルテンサイト結晶粒の総面積がマルテンサイト結晶粒の総面積の0.5倍以上となった時点で終了する。そして、残余のマルテンサイト結晶粒は、第4群に割り当てられる。
第3群に属するマルテンサイト結晶粒の平均粒径は、1.5μm以下である。好ましくは、第3群に属するマルテンサイト結晶粒の平均粒径は、1.2μm以下である。さらに好ましくは、第3群に属するマルテンサイト結晶粒の平均粒径は、1.0μm以下である。
好ましくは、第3群に属するマルテンサイト結晶粒の平均アスペクト比は、3.1以下である。より好ましくは、第3群に属するマルテンサイト結晶粒の平均アスペクト比は、3.0以下である。さらに好ましくは、第3群に属するマルテンサイト結晶粒の平均アスペクト比は、2.9以下である。
第1群に属するマルテンサイト結晶粒の結晶粒径、平均粒径、および平均アスペクト比は、以下のように測定される。
第1に、電界放出形走査電子顕微鏡(Field Emission- Scanning Electron Microscope FE-SEM)を用いた電子線後方散乱回折法(Electron Backscattered Diffraction、EBSD)法に基づいて、内輪10の表面近傍で回折された電子線の回折パターンが撮像される(以下においては、「EBSD画像」という)。EBSD画像は、十分な数(20個以上)のマルテンサイト結晶粒が含まれるように撮影される。
第2に、EBSD画像に表された各結晶粒の結晶方位に基づいて、隣接するマルテンサイト結晶粒の境界が特定される。
第3に、特定されたマルテンサイト結晶粒の境界に基づいて、EBSD画像に表示されている各々のマルテンサイト結晶粒の面積および形状が算出される。さらに、マルテンサイト結晶粒の結晶粒径が、マルテンサイト結晶粒の面積をπ/4で除した値の平方根、すなわち円相当径として算出される。
第4に、上記のように算出された各々のマルテンサイト結晶粒の結晶粒径(円相当径)に基づいて、EBSD画像に表示されているマルテンサイト結晶粒のうち、第1群に属するマルテンサイト結晶粒が決定される。EBSD画像に表示されているマルテンサイト結晶粒のうち第1群に属するマルテンサイト結晶粒の総面積を、EBSD画像に表示されているマルテンサイト結晶粒の総面積で除した値は、第1群に属するマルテンサイト結晶粒の総面積をマルテンサイト結晶粒の総面積により除した値とされる。
第5に、上記のように分類された第1群のマルテンサイト結晶粒の結晶粒径(円相当径)から、第1群に属するマルテンサイト結晶粒の平均粒径が算出される。第1群に分類されたEBSD画像に表示されているマルテンサイト結晶粒の円相当径の合計を第1群に分類されたEBSD画像に表示されているマルテンサイト結晶粒の個数で除した値が、第1群に属するマルテンサイト結晶粒の平均粒径とされる。
第6に、上記のように分類された第1群のマルテンサイト結晶粒の形状から、第1群に属するマルテンサイト結晶粒の平均アスペクト比が算出される。具体的には、EBSD画像に表示されている各々のマルテンサイト結晶粒の形状から、EBSD画像に表示されている各々のマルテンサイト結晶粒の形状を最小二乗法により楕円近似する。この最小二乗法による楕円近似は、S. Biggin and D. J. Dingley, Journal of Applied Crystallography, (1977)10, 376-378に記載の方法にしたがって行われる。この楕円形状において、長軸の寸法を短軸の寸法で除することにより、EBSD画像に表示されている各々のマルテンサイト結晶粒のアスペクト比が算出される。第1群に分類されたEBSD画像に表示されているマルテンサイト結晶粒のアスペクト比の合計を、第1群に分類されたEBSD画像に表示されているマルテンサイト結晶粒の個数で除した値が、第1群に属するマルテンサイト結晶粒の平均アスペクト比とされる。
第3群に属するマルテンサイト結晶粒の結晶粒径、平均粒径、およびアスペクト比も、第1群に属するマルテンサイト結晶粒の結晶粒径、平均粒径、およびアスペクト比と同様に測定される。
表層部11の硬さは、650Hv以上810HV未満である。上記硬さは、650Hv以上780HV以下であってもよい。上記硬さは、650Hv以上760HV以下であってもよい。なお、表層部11の硬さは、ビッカース硬さ試験機を用いて表層部11の断面硬さとして測定される。具体的には、負荷荷重を300g、n数を3以上として測定された断面硬さの平均値が、表層部11の硬さとされる。
(内輪10の製造方法)
図2は、内輪10の製造方法を示す工程図である。図2に示されるように、内輪10の製造方法は、準備工程S1と、焼入れ工程S2と、焼戻し工程S3と、後処理工程S4とを有している。焼入れ工程S2は、準備工程S1の後に行われる。焼戻し工程S3は、焼入れ工程S2の後に行われる。後処理工程S4は、焼戻し工程S3の後に行われる。
準備工程S1では、加工対象部材が準備される。加工対象部材は、内輪10と同じ鋼で形成されているリング状の部材である。
焼入れ工程S2では、加工対象部材に対して、焼入れが行われる。焼入れは、加工対象部材を、無酸化(例えば、アルゴン、窒素など、または真空中)雰囲気中において、加工対象部材を構成している鋼のA変態点以上の温度で保持し、その後に加工対象部材を構成している鋼のM変態点以下の温度まで急冷することにより行われる。なお、焼入れは、大気雰囲気中において行われてもよい。この場合には、脱炭を防ぐために、焼入れ工程S2前に、加工対象部材の表面に対して脱炭防止剤を塗布する処理あるいは銅めっき処理が施される。焼入れ工程S2は、2回行われてもよい。2回目の焼入れ工程S2における加熱保持温度は、1回目の焼入れ工程S2における加熱保持温度よりも低いことが好ましい。
焼戻し工程S3では、加工対象部材に対する焼戻しが行われる。焼戻しは、加工対象部材を、加工対象部材を構成している鋼のA変態点未満の温度で保持することにより行われる。後処理工程S4では、加工対象部材の表面に対する機械加工(研削、研磨)および洗浄等が行われる。以上により、図1に示される内輪10が形成される。
なお、上記工程S2~S3での熱処理条件は、上記関係式(1)および関係式(2)の少なくともいずれか一方が成立するように、設定される。具体的には、第1に、熱処理条件のみが互いに異なる複数種の試験片を準備される。各試験片は、上記加工対象部材と同じ構造を有している。第2に、各試験片について関係式(1)および関係式(2)の少なくともいずれか一方が成立するか否を評価する。第3に、関係式(1)および関係式(2)の少なくともいずれか一方が成立していた試験片の熱処理条件が内輪10の製造方法での熱処理条件として設定される。
(内輪10の効果)
内輪10では、内輪10の表面(外周面10d)における残留オーステナイト量A(単位:%)と、当該表面における旧オーステナイト結晶粒の平均粒径B(単位:μm)とが上記関係式(1)を満足する。
本発明者らは、機械部品の表面を構成する鋼のミクロ組織に着目し、施された熱処理条件が互いに異なることにより表面のミクロ組織のみが互いに異なる種々の機械部品の許容荷重(具体的には、許容荷重とおおよそ同義となるように定義した許容負荷面圧)を実験的に調べた。その結果、関係式(1)が成立する機械部品では、耐圧痕形成性が高く、許容荷重が確保されることを見出した。さらに、本発明者らは、関係式(1)が成立する機械部品の表層部の硬さが650Hv以上810Hv未満の範囲に収まり得ることを見出した。詳細は、実施例に記載する。
好ましくは、内輪10の表面(外周面10d)における残留オーステナイト量A(単位:%)と、当該表面における未固溶の炭化物量C(単位:%)とが上記関係式(2)を満足する。
本発明者らは、関係式(1)および関係式(2)が成立する機械部品では、許容荷重が確保されること、表層部の硬さが650Hv以上810Hv未満の範囲に収まり得ることを見出した。
第1群のマルテンサイト結晶粒の平均粒径が1.8μm以下であり、第3群のマルテンサイト結晶粒の平均粒径が1.5μm以下であれば、表面を構成する鋼に含まれる複数のマルテンサイト結晶粒のうち微細なマルテンサイト結晶粒径の比率が相対的に高くなる。この場合、内輪10の許容荷重がさらに改善され得る。
第1群に属するマルテンサイト結晶粒の平均アスペクト比が3.5以下であり、第3群に属するマルテンサイト結晶粒の平均アスペクト比が3.1以下であれば、各平均アスペクト比が上記値よりも高い場合と比べて、相対的に大きいマルテンサイト結晶粒が応力集中源になりにくい。この場合、内輪10の許容荷重がさらに改善され得る。
表層部11の硬さが650HV以上810HV未満であれば、硬さが810HV以上である場合と比べて、靭性が向上するため、耐衝撃性能が向上する。上記硬さが650HV以上780HV以下であれば、硬さが810HV以上である場合と比べて、靭性がさらに向上するため、耐衝撃性能がさらに向上する。
(変形例)
内輪10では、関係式(1)および関係式(2)のうち少なくとも関係式(2)が成立してもよい。本発明者らは、関係式(2)が成立する機械部品についても、許容荷重が確保されること、表層部11の硬さが650Hv以上810Hv未満の範囲に収まり得ることを見出した。
本実施形態に係る機械部品は、内輪に限られるものではなく、他の部品と接触もしくは摺動する表面を有する任意の機械部品であってもよい。本実施の形態に係る機械部品は、例えば、転がり軸受の外輪もしくは転動体、ボールねじ、シャフト、またはハウジング等であってもよい。このような機械部品では、他の部品と接触もしくは摺動する表面について、上記関係式(1)および関係式(2)の少なくともいずれかが成立していればよい。
(本実施の形態に係る機械部品の他の具体例)
本実施の形態に係る機械部品は、工作機スピンドル装置の主軸用の玉軸受の内輪、外輪、および玉の少なくともいずれかであってもよい。上述のように、本実施の形態に係る玉軸受は、高い耐衝撃性能を有するため、工作機スピンドル装置の性能向上に寄与し得る。
本実施の形態に係る機械部品は、鉄鋼設備の連続鋳造装置または圧延装置用の自動調心ころ軸受の内輪、外輪、およびころの少なくともいずれかであってもよい。上記用途の自動調心ころ軸受には、高い許容荷重と、クリープ抑制のために高い寸法安定精度とが求められる。高い寸法安定精度を実現するための方策として、焼戻温度を高めることが有効であるが、焼戻温度を高めると表面の硬さが低下する。そのため、表面の硬さを高めることによって静的定格荷重(許容荷重)を高める上記技術では、高い静的定格荷重と、高い寸法安定精度とを同時に実現することは困難であった。これに対し、本実施の形態に係る自動調心ころ軸受では、表層部の硬さが780HV以下でありながらも許容荷重が高められているため、高い許容荷重と、高い寸法安定精度とが同時に実現され得る。本実施の形態に係る自動調心ころ軸受は、鉄鋼設備の連続鋳造装置または圧延装置の性能向上に寄与し得る。
本実施の形態に係る機械部品は、建設機械の減速機用の円錐ころ軸受の内輪、外輪、およびころの少なくともいずれか、あるいはアンギュラ玉軸受の内輪、外輪、および玉の少なくともいずれかであってもよい。上記用途の円錐ころ軸受には、高い許容荷重と、割損防止のために高い耐衝撃性能とが求められる。割損防止の観点から、円錐ころ軸受を浸炭鋼で構成することも考えられるが、この場合にはガス浸炭を行う必要があり、その製造プロセスにおいて多量の二酸化炭素が排出される。これに対し、本実施の形態に係る円錐ころ軸受は、高炭素鋼で構成されながらも上記のように高い耐衝撃性能を有しているため、浸炭鋼で構成された円錐ころ軸受と比べて、製造プロセスの環境負荷が低減されていながらも、高い許容荷重と、割損を防止し得る高い耐衝撃性能とを同時に有している。本実施の形態に係る円錐ころ軸受は、鉄鋼設備の連続鋳造装置または圧延装置の性能向上に寄与し得る。
本実施の形態に係る機械部品は、ロボット用の深溝玉軸受の内輪、外輪、および玉の少なくともいずれかであってもよい。上記用途の深溝玉軸受には、高い許容荷重と、精密な動きを実現するために高い寸法安定精度とが求められる。そのため、本実施の形態に係る深溝玉軸受では、上述した本実施の形態に係る自動調心ころ軸受と同様に、高い許容荷重と、高い寸法安定精度とが同時に実現され得る。本実施の形態に係る深溝玉軸受は、ロボットの性能向上に寄与し得る。
本実施の形態に係る機械部品は、電気自動車(EV)、燃料電池自動車(FCV)、ブラグインハイブリッド(PHV)、ハイブリッド自動車(HV)などに用いられる摺動部材であってもよい。摺動部材の一例として、トランスミッション用のボールベアリング、ニードル軸受、円錐ころ軸受、円筒ころ軸受やピニオンシャフトが挙げられる。上記用途の摺動部材には、高い許容荷重と、摺動時の静音性とが求められる。本実施の形態に係る摺動部材は、上記の通り高い耐圧痕形成性を有しているため、摺動部材の性能向上に寄与し得る。
上述のように、本発明者らは、機械部品の表面を構成する鋼のミクロ組織に着目し、施された熱処理条件が互いに異なることにより表面のミクロ組織のみが互いに異なる種々の機械部品の許容荷重(具体的には、許容荷重とおよそ同義となるように定義した許容負荷面圧)を実験的に調べた。以下に、この実験結果を示す。
(試験片)
試験片A~Jが用いられた。試験片A~Jは、玉軸受の内輪とした。試験片A~Jは、SUJ2により構成された加工対象部材に互いに異なる条件の熱処理を施すことにより、準備された。つまり、試験片A~Jは、施された熱処理条件のみが互いに異なるものとして準備された。
(ミクロ組織の評価)
試験片A~Jの各々の表面(軌道面)のミクロ組織の評価パラメータは、表面の残留オーステナイト量、未固溶炭化物量、旧オーステナイト結晶粒の平均粒径、第1群のマルテンサイト結晶粒の平均粒径および平均アスペクト比、第3群のマルテンサイト結晶粒の平均粒径および平均アスペクト比、ならびに表層部の断面硬さとした。各評価パラメータは、上述した各測定方法に基づいて測定された。測定条件は以下の通りである。
1.残留オーステナイト量および未固溶炭化物量
測定には、X線回折装置が用いられた。測定条件は、X線管に加えられる電圧を40kV、電流を500mA、X線のスポット径をφ1mm、回折角2θを35°~130°とした。
2.旧オーステナイト結晶粒の平均粒径
腐食液としてピクラールが用いられた。上記光学顕微鏡画像の観察視野は、横1000μm×縦750μmとした。
3.マルテンサイト結晶粒の平均粒径および平均アスペクト比
上記EBSD画像の観察視野は、横115μm×縦87μmとした。
4.表層部の断面硬さ
上記n数は3とした。
(許容負荷面圧の測定)
試験片A~Jの許容負荷面圧は、機械部品の許容荷重に対応するパラメータとして、以下のように定義された。
試験片A~Jの許容負荷面圧は、圧痕形成試験において各試験片の表面にセラミック球を押しあてることにより形成された残留圧痕深さ(単位:mm)の2倍の値を当該セラミック球の直径(単位:mm)で除した値が、1/10000となる最大接触面圧とした。
試験片A~Jの許容負荷面圧を、以下のように算出した。第1に、試験片A~Jにおいて外周面10dに対応する表面を鏡面研磨した。第2に、研磨された試験片A~Jの表面にセラミック球を押し当て、その後除荷することにより、当該表面にのみ圧痕(残留圧痕)を形成した。試験片とセラミック球との最大接触面圧は3.0GPa以上6.0GPa以下の範囲内とした。なお、内部に非硬化部がある場合、試験時の内部応力が非硬化部に及ばないように荷重条件が調整される。第3に、試験片A~Jの各々の表面に形成された各残留圧痕の深さを測定した。さらに、最大接触面圧を上記範囲内で変更して、本圧痕形成試験を繰り返し行った。第4に、各試験片A~Jに形成された複数の残留圧痕の深さ(単位:mm)の2倍の値をセラミック球の直径(単位:mm)で除した値と、各残留圧痕が形成されたときの最大接触面圧(単位:GPa)との相関関係(図3参照)から、当該値が1/10000となる最大接触面圧を算出した。このように算出された最大接触面圧を、各試験片A~Jの許容負荷面圧と定義した。
なお、本圧痕形成試験で形成された残留圧痕深さを、内輪および転動体の各々が同一の鋼で構成されている軸受での残留圧痕に換算するために、当該軸受では軌道面および転動面の各々の塑性変形量が互いに等しくなることに着目して、本圧痕形成試験での残留圧痕深さの2倍の値に基づいて許容負荷面圧を算出した。このように算出された許容負荷面圧は、軸受の静的定格荷重とおおよそ同義になると考えられる。
(評価結果)
表1は、試験片A~Jの各々の表面のミクロ組織および許容負荷面圧の評価結果を示している。
Figure 2023038773000006
<1.残留オーステナイト量および旧オーステナイト結晶粒の平均粒径>
図4は、残留オーステナイト量(単位:%)、旧オーステナイト結晶粒の平均粒径(単位:μm)、および許容負荷面圧(単位:GPa)の関係を示すグラフである。表1および図4に示されるように、残留オーステナイト量が多いほど、許容負荷面圧は低下した。また、旧オーステナイト結晶粒の平均粒径が大きいほど、許容負荷面圧は低くなった。
さらに、図4に示される残留オーステナイト量、旧オーステナイト結晶粒の平均粒径、および許容負荷面圧の相関関係から、重回帰分析により、残留オーステナイト量A(単位:%)および旧オーステナイト結晶粒の平均粒径B(単位:μm)の測定値に基づいて許容負荷面圧D(単位:GPa)を推定するための以下の推定式(3)を導いた。
Figure 2023038773000007
さらに、上記推定式(3)に基づいて、残留オーステナイト量A(単位:%)および旧オーステナイト結晶粒の平均粒径B(単位:μm)の測定値から、許容負荷面圧の推定値D(単位:GPa)を算出した。図5は、表1に示される許容負荷面圧の算出値と、上記推定式(3)から算出された許容負荷面圧の推定値D(単位:GPa)との関係を示すグラフである。図5に示されるように、試験片A~Jの各々の許容負荷面圧の算出値と推定値とを示すプロットは、両者が等しい状態を示す破線の近傍に分布していた。このことから、推定式(3)を用いることにより試験片A~Jと同等の構造を有する機械部品の許容負荷面圧を高精度に予測できることが確認された。なお、図5中の「R2」は、寄与率を示す。寄与率(R2)は0.942であった。
<2.残留オーステナイト量および未固溶炭化物量>
図6は、残留オーステナイト量(単位:%)、未固溶炭化物量(単位:%)、および許容負荷面圧(単位:GPa)の関係を示すグラフである。表1および図6に示されるように、未固溶炭化物量が低いほど、許容負荷面圧が低くなる傾向が確認された。これは、未固溶炭化物量が少ないほど固溶炭素量が多くなる傾向があるためにレンズマルテンサイトの生成が促進され、レンズマルテンサイトに起因したマイクロクラックの生成が促進され、結果残留圧痕の深さが深くなるためと考えられる。他方、図6に示されるように、未固溶炭化物量が10%以上よりも多くなると、固溶炭素量が不足して残留圧痕の深さが深くなるため、許容負荷面圧は低下する。
さらに、図6に示される残留オーステナイト量、未固溶炭化物量、および許容負荷面圧の相関関係から、重回帰分析により、残留オーステナイト量A(単位:%)および未固溶炭化物量C(単位:%)の測定値に基づいて許容負荷面圧D(単位:GPa)を推定するための以下の推定式(4)を導いた。
Figure 2023038773000008
さらに、上記推定式(4)に基づいて、残留オーステナイト量A(単位:%)および未固溶炭化物量C(単位:%)の測定値から、許容負荷面圧の推定値D(単位:GPa)を算出した。図7は、表1に示される許容負荷面圧の算出値と、上記推定式(4)から算出された許容負荷面圧の推定値D(単位:GPa)との関係を示すグラフである。図7に示されるように、試験片A~Jの各々の許容負荷面圧の算出値と推定値とを示すプロットは、両者が等しい状態を示す破線の近傍に分布していた。このことから、推定式(4)を用いることにより試験片A~Jと同等の構造を有する機械部品の許容負荷面圧を高精度に予測できることが確認された。なお、図7中の「R2」は、寄与率を示す。寄与率(R2)は0.938であった。
推定式(3)を用いて、機械部品に求められる許容荷重を実現するための、機械部品の表面の残留オーステナイト量および旧オーステナイト結晶粒の平均粒径を算出できる。また、推定式(4)を用いて、機械部品に求められる許容荷重を実現するための、機械部品の表面の残留オーステナイト量および未固溶炭化物量を算出できる。上記関係式(1)は、推定式(3)の許容負荷面圧Dが4.2GPa以上であるために、残留オーステナイト量Aおよび旧オーステナイト結晶粒の平均粒径Bが満足すべき関係式である。上記関係式(2)は、推定式(4)の許容負荷面圧Dが4.2GPa以上であるために、残留オーステナイト量Aおよび未固溶炭化物量Cが満足すべき関係式である。試験片A,B,D,F~Hは、関係式(1)および関係式(2)を満足する。試験片C,E,I,Jは、関係式(1)および関係式(2)を満足しない。
なお、推定式(3)および推定式(4)は、本実施例にて確認された軸受の内輪の表面(軌道面)のミクロ組織と許容荷重との関係に基づいて導出されたものであるが、軸受の内輪以外の機械部品にも適用し得る。つまり、軸受の内輪以外の機械部品の表面の許容負荷面圧も、推定式(3)および推定式(4)によって推定され得る。
他方、軸受の内輪以外の機械部品の表面のミクロ組織と許容荷重との関係も、上記試験と同様の試験を行うことにより確認できる。このような場合にも、残留オーステナイト量および旧オーステナイト結晶粒の平均粒径の実測値と、圧痕形成試験の結果に基づいて算出される許容負荷面圧との相関関係から、重回帰分析により、残留オーステナイト量および旧オーステナイト結晶粒の平均粒径の実測値に基づいて許容負荷面圧を推定する推定式が導出され得る。さらに、当該推定式から、機械部品に求められる許容荷重を実現するために当該機械部品の表面の残留オーステナイト量および旧オーステナイト結晶粒の平均粒径が満足すべき関係式が導出され得る。このように導出された推定式および関係式は、上記推定式(3)、推定式(4)、関係式(1)、および関係式(2)とおおよそ同等となると考えられる。
また、要求される許容荷重が4.2GPa未満である場合、当該機械部品は、推定式(3)および推定式(4)の許容負荷面圧Dに許容荷重の要求値が代入されることにより導出される関係式、を満足するように設けられていればよい。
さらに、推定式(3)および推定式(4)は、本実施例にて確認された高炭素鋼からなる内輪の表面(軌道面)のミクロ組織と許容荷重との関係に基づいて導出されたものであるが、炭素含有量が0.01質量パーセント以上0.8質量パーセント未満である低炭素鋼または浸炭鋼からなる機械部品にも適用し得る。つまり、炭素含有量が0.01質量パーセント以上0.8質量パーセント未満である低炭素鋼または浸炭鋼からなる機械部品の表面の許容負荷面圧も、推定式(3)および推定式(4)によって推定され得る。
炭素含有量が0.01質量パーセント以上0.8質量パーセント未満である低炭素鋼または浸炭鋼からなる機械部品の表面のミクロ組織と許容荷重との関係も、上記試験と同様の試験を行うことにより確認できる。このような場合にも、残留オーステナイト量および旧オーステナイト結晶粒の平均粒径の実測値と、圧痕形成試験の結果に基づいて算出される許容負荷面圧との相関関係から、重回帰分析により、残留オーステナイト量および旧オーステナイト結晶粒の平均粒径の実測値に基づいて許容負荷面圧を推定する推定式が導出され得る。さらに、当該推定式から、機械部品に求められる許容荷重を実現するために当該機械部品の表面の残留オーステナイト量および旧オーステナイト結晶粒の平均粒径が満足すべき関係式が導出され得る。このように導出された推定式および関係式は、上記推定式(3)、推定式(4)、関係式(1)、および関係式(2)とおおよそ同等となると考えられる。
<3.第1群のマルテンサイト結晶粒の平均粒径および平均アスペクト比、ならびに第3群のマルテンサイト結晶粒の平均粒径および平均アスペクト比>
表1に示されるように、第1群のマルテンサイト結晶粒の平均粒径が1.8μmよりも小さくかつ第3群のマルテンサイト結晶粒の平均粒径が1.5μmよりも小さい試験片A~Hの許容負荷面圧は、第1群のマルテンサイト結晶粒の平均粒径が1.8μmよりも大きいかつ第3群のマルテンサイト結晶粒の平均粒径が1.5μmよりも大きい試験片I,Jの許容負荷面圧よりも高かった。
表1に示されるように、第1群のマルテンサイト結晶粒の平均アスペクト比が3.5以下でありかつ第3群のマルテンサイト結晶粒の平均アスペクト比が3.1以下である試験片A~Hの許容負荷面圧は、第1群のマルテンサイト結晶粒の平均アスペクト比が3.5よりも高くかつ第3群のマルテンサイト結晶粒の平均アスペクト比が3.1よりも高い試験片I,Jの許容負荷面圧よりも高かった。
<4.断面硬さ>
表1に示されるように、上記関係式(1)および関係式(2)を満足しない試験片C,E,I,Jのうち、試験片C,Eの断面硬さは、770GPaよりも高かった。つまり、試験片C,Eでは、断面硬さは高められているが、許容負荷面圧は十分に高められていなかった。これに対し、上記関係式(1)および関係式(2)を満足する試験片A,B,D,F~Hの断面硬さは、650GPa以上770GPa以下であった。試験片A,B,D,F~Hでは、試験片C,Eと比べて、靭性が高く、耐衝撃性能が高いと考えられる。また、本試験結果から、本実施の形態に係る機械部品の許容荷重は、表面の硬さを高めることなく、表面の硬さがより高い機械部品の許容荷重と同等あるいはそれ以上に高められ得ることが確認された。
(転動疲労寿命試験)
さらに、試験片A~Jの各々をJIS規格に定められている6206型番の深溝玉軸受に組み立てて、各軸受に対して転動疲労寿命試験を行った。各軸受の外輪および転動体(玉)は、SUJ2により構成されており、かつこれらと組み立てられる試験片と同じ条件の熱処理が施されたものとして準備された。転動疲労試験においては、外輪を固定した状態で、内輪を3000rpmの回転速度で回転させた。転動体と内輪との最大接触面圧は3.3GPaとした。VG64の潤滑油が用いられた。
各軸受の内輪の軌道面に剥離が発生するまでの時間を寿命として測定し、測定された寿命の合否を判定した。表1に、試験片A~Jから組み立てられた各軸受の転動疲労寿命の合否の結果を合わせて示す。合否判定は、寿命が計算寿命を超えた軸受を合格(表1に「A」と記す)とし、寿命が計算寿命を超えなかった軸受を不合格(表1に「F」と記す)とした。表1に示されるように、上記関係式(1)および関係式(2)を満足する試験片A,B,D,F~Hの各々から組み立てられた軸受の転動疲労寿命は、上記関係式(1)および関係式(2)を満足しない試験片C,E,I,Jの各々から組み立てられた軸受の転動疲労寿命と比べて、十分に長かった。
本試験結果から、上記関係式(1)および関係式(2)を満足する機械部品によれば、上記関係式(1)および関係式(2)を満足しない機械部品に対して、許容荷重の向上と、転動疲労寿命の向上とを同時に実現し得ることが確認された。
以上のように本発明の実施形態について説明を行ったが、上述の実施形態を様々に変形することも可能である。また、本発明の範囲は、上述の実施形態に限定されるものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更を含むことが意図される。
10 内輪、10a,10b 幅面、10c 内周面、10d 外周面、10da 軌道面、11 表層部。

Claims (9)

  1. 焼入れおよび焼戻しが施された鋼で構成されている機械部品であって、
    表面を有し、
    前記表面における残留オーステナイト量A(単位:%)と、前記表面における旧オーステナイト結晶粒の平均粒径B(単位:μm)とが、以下の関係式(1)を満足する、機械部品。
    Figure 2023038773000009
  2. 前記表面における前記残留オーステナイト量A(単位:%)と、前記表面における未固溶の炭化物量C(単位:%)とが、以下の関係式(2)を満足する、請求項1に記載の機械部品。
    Figure 2023038773000010
  3. 焼入れおよび焼戻しが施された鋼で構成されている機械部品であって、
    表面を有し、
    前記表面における残留オーステナイト量A(単位:%)と、前記表面における未固溶の炭化物量C(単位:%)とが、以下の関係式(2)を満足する、機械部品。
    Figure 2023038773000011
  4. 前記表面における前記残留オーステナイト量A(単位:%)と、前記表面における旧オーステナイト結晶粒の平均粒径B(単位:μm)とが、以下の関係式(1)を満足する、請求項3に記載の機械部品。
    Figure 2023038773000012
  5. 前記表面を有する表層部を含み、
    前記表層部は、複数のマルテンサイト結晶粒を含み、
    前記複数のマルテンサイト結晶粒は、第1群と、第2群とに区分され、
    前記第1群に属する前記マルテンサイト結晶粒の結晶粒径の最小値は、前記第2群に属する前記マルテンサイト結晶粒の最大値よりも大きく、
    前記第1群に属する前記マルテンサイト結晶粒の総面積を前記マルテンサイト結晶粒の総面積で除した値は0.3以上であり、
    前記第1群に属する結晶粒径が最も小さい前記マルテンサイト結晶粒を除いた前記第1群に属する前記マルテンサイト結晶粒の総面積を前記マルテンサイト結晶粒の総面積で除した値は0.3未満であり、
    前記第1群に属する前記マルテンサイト結晶粒の平均粒径は1.8μm以下であり、
    前記複数のマルテンサイト結晶粒は、第3群と、第4群とに区分され、
    前記第3群に属する前記マルテンサイト結晶粒の結晶粒径の最小値は、前記第4群に属する前記マルテンサイト結晶粒の最大値よりも大きく、
    前記第3群に属する前記マルテンサイト結晶粒の総面積を前記マルテンサイト結晶粒の総面積で除した値は0.5以上であり、
    前記第3群に属する結晶粒径が最も小さい前記マルテンサイト結晶粒を除いた前記第3群に属する前記マルテンサイト結晶粒の総面積を前記マルテンサイト結晶粒の総面積で除した値は0.5未満であり、
    前記第3群に属する前記マルテンサイト結晶粒の平均粒径は1.5μm以下である、請求項1~4のいずれか1項に記載の機械部品。
  6. 前記第1群に属する前記マルテンサイト結晶粒の平均アスペクト比は3.5以下であり、
    前記第3群に属する前記マルテンサイト結晶粒の平均アスペクト比は3.1以下である、請求項5に記載の機械部品。
  7. 前記表面からの距離が20μmまでの領域である表層部を含み、
    前記表層部の硬さが650HV以上780HV以下である、請求項1~6のいずれか1項に記載の機械部品。
  8. 前記鋼は高炭素鋼であり、
    前記高炭素鋼中の炭素の含有率は、0.8質量%以上であり、
    前記高炭素鋼中のクロムの含有率は、4質量%以下であり、
    前記高炭素鋼中のシリコンの含有率は、0.1質量%以上0.7質量%以下であり、
    前記高炭素鋼中のモリブデンの含有率は、0.25質量%以下である、請求項1~7のいずれか1項に記載の機械部品。
  9. 前記表面が他の部品と摺動する摺動面として構成されている、請求項1~8のいずれか1項に記載の機械部品。
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