JP2023038657A - 生体情報測定装置、及び生体情報測定プログラム - Google Patents

生体情報測定装置、及び生体情報測定プログラム Download PDF

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一宏 逆井
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学 赤松
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Abstract

【課題】酸素循環時間を複数回測定するのに要する時間を短縮する。【解決手段】生体情報測定装置10は、予め定めた複数回の酸素循環時間の測定を行う場合、直前の測定回における経過観察時間T3が終了する前に、酸素循環時間の被測定者に対して、次の測定回で酸素循環時間の測定を行うための準備行動である呼吸の停止を行うように通知し、直前の酸素循環時間の測定回と次の酸素循環時間の測定回が重複するように酸素循環時間の測定に関する制御を行う。【選択図】図11

Description

本発明は、生体情報測定装置、及び生体情報測定プログラムに関する。
特許文献1には、呼吸の停止期間を規定する規定時間に達した場合、呼吸停止中の被測定者に呼吸を再開するよう再開通知を通知する通知手段と、前記被測定者の呼吸の再開によって前記被測定者の体内に取り込まれた酸素が予め定められた部位に達するまでの時間を表す酸素循環時間を測定する測定手段と、を備えた生体情報測定装置が開示されている。
特開2019-166147号公報
これまで生体情報測定装置を用いて酸素循環時間を複数回測定する場合、予め定めた測定時間が終了するまで血中の酸素飽和度の変化を測定してから、次の測定を行っていた。したがって、酸素循環時間を3回測定するためには、[1回の酸素循環時間の測定に要する時間×3]の時間が必要であった。
本開示の技術は、酸素循環時間を複数回測定する場合において、予め定めた酸素循環時間の測定時間が終了してから、次の酸素循環時間の測定を開始する場合と比較して、酸素循環時間を複数回測定するのに要する時間を短縮することができる生体情報測定装置、及び生体情報測定プログラムを提供することを目的とする。
第1態様に係る生体情報測定装置は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、予め定めた複数回の酸素循環時間の測定を行う場合、直前の測定回における予め定めた酸素循環時間の測定期間が終了する前に、酸素循環時間の被測定者に対して、次の測定回で酸素循環時間の測定を行うための準備行動である呼吸の停止を行うように通知する。
第2態様に係る生体情報測定装置は、第1態様に係る生体情報測定装置において、前記プロセッサは、呼吸を停止していた前記被測定者に呼吸の再開を指示してから、次の測定回で酸素循環時間の測定を行うために呼吸を再度停止するよう指示するまでの期間である呼吸調整時間を、前記被測定者における酸素循環時間の測定状況に応じて変動させる。
第3態様に係る生体情報測定装置は、第2態様に係る生体情報測定装置において、前記プロセッサは、前記被測定者における酸素循環時間の測定回が最終の測定回に近づくほど、前記呼吸調整時間が長くなるように前記呼吸調整時間を制御する。
第4態様に係る生体情報測定装置は、第2態様に係る生体情報測定装置において、前記プロセッサは、呼吸を停止していた前記被測定者に呼吸の再開を指示してから、前記被測定者の呼吸の再開に伴い、前記被測定者の血中の酸素飽和度が減少から増加に転じる変曲点が検出されるまでの期間を前記呼吸調整時間とする制御を行う。
第5態様に係る生体情報測定装置は、第4態様に係る生体情報測定装置において、前記プロセッサは、前記被測定者に対する最終の酸素循環時間の測定回では、前記変曲点が検出されるまで酸素循環時間の測定を終了しないように制御する。
第6態様に係る生体情報測定装置は、第1態様~第5態様の何れかの態様に係る生体情報測定装置において、前記プロセッサは、前記被測定者における酸素循環時間の測定回が最終の測定回に近づくほど、前記被測定者に呼吸を停止するように指示してから呼吸の再開を指示するまでの期間である呼吸停止時間を短くするように前記呼吸停止時間を制御する。
第7態様に係る生体情報測定装置は、第1態様~第5態様の何れかの態様に係る生体情報測定装置において、前記プロセッサは、前記被測定者の血中の酸素飽和度の最低値と、酸素循環時間の測定に必要となる酸素飽和度の最低値を規定した予め定めた酸素飽和度の基準値と、の差分に応じて、前記被測定者に呼吸を停止するように指示してから呼吸の再開を指示するまでの期間である呼吸停止時間を変動させる。
第8態様に係る生体情報測定装置は、第7態様に係る生体情報測定装置において、前記プロセッサは、前記最低値が前記基準値以下である場合、前記差分が大きくなるほど前記呼吸停止時間を短くし、前記最低値が前記基準値を超える場合、前記差分が大きくなるほど前記呼吸停止時間を長くする。
第9態様に係る生体情報測定プログラムは、コンピュータに、予め定めた複数回の酸素循環時間の測定を行う場合、直前の測定回における予め定めた酸素循環時間の測定期間が終了する前に、酸素循環時間の被測定者に対して、次の測定回で酸素循環時間の測定を行うための準備行動である呼吸の停止を行うように通知する処理を実行させるためのプログラムである。
第1態様、及び第9態様によれば、酸素循環時間を複数回測定する場合において、予め定めた酸素循環時間の測定時間が終了してから、次の酸素循環時間の測定を開始する場合と比較して、酸素循環時間を複数回測定するのに要する時間を短縮することができる、という効果を有する。
第2態様によれば、各々の測定回において共通の呼吸調整時間を用いる場合と比較して、酸素循環時間を複数回測定するのに要する時間を短縮することができる、という効果を有する。
第3態様によれば、酸素循環時間の測定に係る被測定者の負担を軽減することができる、という効果を有する。
第4態様によれば、被測定者の酸素飽和度の変化状態とは無関係に設定された呼吸調整時間を用いて酸素循環時間を測定する場合と比較して、被測定者の酸素飽和度の変化特性に応じた呼吸調整時間を被測定者毎に設定することができる、という効果を有する。
第5態様によれば、予め定められた酸素飽和度の経過観察時間の終了に伴い酸素飽和度の測定を終了する場合と比較して、最終の酸素循環時間の測定回における測定精度を高めることができる、という効果を有する。
第6態様によれば、各々の測定回において共通の呼吸停止時間を用いる場合と比較して、酸素循環時間の測定に係る被測定者の負担を軽減することができる、という効果を有する。
第7態様によれば、呼吸停止時間を変動させられる、という効果を有する。
第8態様によれば、呼吸停止時間を予め設定しておく場合と比較して、被測定者の負担を軽減させながら酸素循環時間の測定精度を高めることができる、という効果を有する。
血中の酸素飽和度の測定例を示す模式図である。 生体に吸収される光の吸光量の変化例を示すグラフである。 酸化ヘモグロビン及び還元ヘモグロビンの各波長に対する光の吸光量の一例を示す図である。 生体情報測定装置の構成例を示す図である。 発光素子及び受光素子の配置例を示す図である。 発光素子及び受光素子の他の配置例を示す図である。 血中の酸素飽和度の変化例を示す図である。 生体情報測定装置における電気系統の要部構成例を示す図である。 第1実施形態及び第2実施形態に係る生体情報測定処理の流れの一例を示す前半のフローチャートである。 第1実施形態に係る生体情報測定処理の流れの一例を示す後半のフローチャートである。 第1実施形態に係る生体情報測定処理を実行した場合における、被測定者の酸素飽和度の時間変化例を表すグラフである。 1回目のLFCTの測定と、2回目のLFCTの測定を重複して行わない場合における、被測定者の酸素飽和度の時間変化例を表すグラフである。 第2実施形態に係る生体情報測定処理の流れの一例を示す後半のフローチャートである。 最終のLFCTの測定回において、被測定者の酸素飽和度の変曲点が経過観察時間の経過前に検出された場合における被測定者の酸素飽和度の時間変化例を表すグラフである。 最終のLFCTの測定回において、被測定者の酸素飽和度の変曲点が経過観察時間の経過後に検出された場合における被測定者の酸素飽和度の時間変化例を表すグラフである。 酸素飽和度の変曲点と、酸素飽和度の基準値との関係例を表す図である。
以下、本実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、同じ構成要素及び同じ処理には全図面を通して同じ符号を付与し、重複する説明を省略する。
<第1実施形態>
生体情報測定装置10は生体8に関する情報(生体情報)のうち、特に循環器系に関する生体情報を測定する装置である。循環器系とは、例えば血液のような体液を体内で循環させながら輸送するための器官群を総称するものである。
循環器系に関する生体情報には複数の指標が存在するが、血液を血管に送り出す心臓の状態を示す指標の1つとして、例えば心臓から拍出される血液量を表す心拍出量(CO:Cardiac Output)が挙げられる。
心拍出量が基準値より低下すると例えば左心不全の疑いがあり、心拍出量が基準値より増加すると例えば右心不全の疑いがあることが知られているなど、心拍出量は様々な心臓疾患の検査、又は投薬効果の確認に利用されている。
心拍出量の測定方法には、例えば心拍出量の測定対象者である被測定者の肺動脈に、先端にバルーンが付いたカテーテルを挿入し、バルーンを膨張及び収縮させながら血中の酸素飽和度を測定し、測定した酸素飽和度から心拍出量を算出する方法が用いられる。ここで血中の酸素飽和度とは、血中の酸素濃度を示す指標の一例であり、血液中のヘモグロビンがどの程度酸素と結合しているかを示す指標であり、血中の酸素飽和度が低下するにつれて、例えば貧血等の症状が発生しやすくなることを示すものである。血中の酸素飽和度も心拍出量と同じく生体情報の一例であり、被測定者が酸素を体内に取り込む力を示す指標として用いられる。以降では、血中の酸素飽和度を単に「酸素飽和度」ということにする。
カテーテルを用いた酸素飽和度及び心拍出量の測定では、被測定者の血管にカテーテルを挿入する必要があるため外科的処置が必要となり、他の測定方法に比べて被測定者における侵襲性が高くなる。
したがって、カテーテルを用いた測定方法よりも被測定者の負担が少なくなるように、被測定者の脈波から酸素飽和度及び心拍出量を測定する方法が用いられる。なお、脈波とは、心臓による血液の送り出しに伴う血管の拍動変化を示す指標である。
まず、図1を参照して、生体情報のうち、酸素飽和度の測定方法について説明する。
図1に示すように、酸素飽和度は、被測定者の体(生体8)に向けて発光素子1から光を照射し、受光素子3で受光した、被測定者の体内に張り巡らされている動脈4、静脈5、及び毛細血管6等で反射又は透過した光の強さ、すなわち反射光又は透過光の受光量を用いて測定される。
図2は、例えば生体8に吸収される光量の変化量を示す概念図である。図2に示すように、生体8における吸光量は、時間の経過と共に変動する傾向が見られる。
更に、生体8における吸光量の変動に関する内訳について見てみると、主に動脈4によって吸光量が変動し、静脈5及び静止組織を含むその他の組織では、動脈4に比べて吸光量が変動しないとみなせる程度の変動量であることが知られている。これは、心臓から拍出された動脈血は脈波を伴って血管内を移動するため、動脈4が動脈4の断面方向に沿って経時的に伸縮し、動脈4の厚みが変化するためである。なお、図2において、矢印94で示される範囲が、動脈4の厚みの変化に対応した吸光量の変動量を示す。
図2において、時刻taにおける受光量をIa、時刻tbにおける受光量をIbとすれば、動脈4の厚みの変化による光の吸光量の変化量ΔAは、(1)式で表される。
(数1)
ΔA=ln(Ib/Ia)・・・(1)
これに対して、図3は、動脈4を流れる酸素と結合したヘモグロビン(酸化ヘモグロビン)及び酸素と結合していないヘモグロビン(還元ヘモグロビン)の各波長に対する光の吸光量の一例を示す図である。図3において、吸光量曲線96が酸化ヘモグロビンにおける光の吸光量を表し、吸光量曲線97が還元ヘモグロビンにおける光の吸光量を表す。
図3に示すように、酸化ヘモグロビンは還元ヘモグロビンと比較して、約850nm近辺の波長を有する赤外線(infrared:IR)領域99の光を吸収しやすく、還元ヘモグロビンは酸化ヘモグロビンと比較して、特に約660nm近辺の波長を有する赤色領域98の光を吸収しやすいことが知られている。
更に、酸素飽和度は、異なる波長における吸光量の変化量ΔAの比率と比例関係があることが知られている。
したがって、他の波長の組み合わせに比べて、酸化ヘモグロビンと還元ヘモグロビンとで吸光量の差が現われやすい赤外光(IR光)と赤色光を用いて、IR光を生体8に照射した場合の吸光量の変化量ΔAIRと、赤色光を生体8に照射した場合の吸光量の変化量ΔARedとの比率をそれぞれ算出することで、(2)式によって酸素飽和度Sが算出される。なお、(2)においてkは比例定数である。
(数2)
S=k(ΔARed/ΔAIR)・・・(2)
すなわち、酸素飽和度を算出する場合、それぞれ異なる波長の光を照射する複数の発光素子1を生体8に照射する。具体的には、IR光を照射する発光素子1と赤色光を照射する発光素子1を生体8に用いる。この場合、IR光を照射する発光素子1と赤色光を照射する発光素子1との発光期間は重複してもよいが、望ましくは発光期間が重複しないよう発光させる。そして、各々の発光素子1による反射光又は透過光を受光素子3で受光して、各受光時における受光量から(1)式及び(2)式、又は、これらの式を変形して得られる公知の式を算出することで、酸素飽和度が測定される。
上記(1)式を変形して得られる公知の式として、例えば(1)式を展開して、光の吸光量の変化量ΔAを(3)式のように表してもよい。
(数3)
ΔA=lnIb-lnIa・・・(3)
また、(1)式は(4)式のように変形することができる。
(数4)
ΔA=ln(Ib/Ia)=ln(1+(Ib-Ia)/Ia) ・・・(4)
通常、(Ib-Ia)≪Iaであることから、ln(Ib/Ia)≒(Ib-Ia)/Iaが成り立つため、(1)式の代わりに、光の吸光量の変化量ΔAとして(5)式を用いてもよい。
(数5)
ΔA≒(Ib-Ia)/Ia ・・・(5)
以降では、IR光を照射する発光素子1と赤色光を照射する発光素子1とを区別して説明する必要がある場合、IR光を照射する発光素子1を「発光素子1A」といい、赤色光を照射する発光素子1を「発光素子1B」ということにする。
こうした方法によれば、発光素子1及び受光素子3を被測定者の体表に近づけることで酸素飽和度が測定されるため、血管にカテーテルを挿入して酸素飽和度を測定するよりも被測定者の負担が少なくなる。
被測定者の心拍出量は、測定された酸素飽和度を用いて算出されるが、算出方法の詳細については後ほど説明する。
図4は、生体情報測定装置10の構成例を示す図である。図4に示すように、生体情報測定装置10は、光電センサ11、脈波処理部12、酸素飽和度測定部13、酸素循環時間測定部14、心拍出量測定部15、タイマ部16、及び通知部17を含む。
光電センサ11は、約850nmの波長を中心波長とするIR光を照射する発光素子1A、約660nmの波長を中心波長とする赤色光を照射する発光素子1B、及びIR光及び赤色光を受光する受光素子3を備える。
図5に光電センサ11における発光素子1A、発光素子1B、及び受光素子3の配置例を示す。図5に示すように、発光素子1A、発光素子1B、及び受光素子3は、生体8の一方の面に向かって並べて配置される。この場合、受光素子3は、生体8の毛細血管6等で反射されたIR光及び赤色光を受光する。
しかしながら、発光素子1A、発光素子1B、及び受光素子3の配置は、図5の配置例に限定されない。例えば、図6に示すように、発光素子1A及び発光素子1Bと、受光素子3とをそれぞれ生体8を挟んで対向する位置に配置するようにしてもよい。この場合、受光素子3は、生体8を透過したIR光及び赤色光を受光する。
ここでは一例として、発光素子1A及び発光素子1Bは、例えばVCSEL(Vertical Cavity Surface Emitting Laser)のような面発光レーザ素子として説明するが、これに限らず、端面発光レーザ素子であってもよい。また、発光素子1A及び発光素子1BはLED(Light Emitting Diode)であってもよい。
光電センサ11には、被測定者の体の部位に光電センサ11を取り付けるための図示しないクリップが備えられており、IR光及び赤色光が光電センサ11から外部に漏れないように、光電センサ11は図示しないクリップによって被測定者の体表に接触するように取り付けられる。被測定者の生体8で反射又は透過したIR光及び赤色光を受光素子3によってできるだけ正確に受光するためには、光電センサ11を被測定者の体表に接触するように配置することが好ましいが、被測定者の生体8で反射したIR光及び赤色光、又は被測定者の生体8を透過したIR光及び赤色光が受光素子3で受光される範囲内で、光電センサ11を体表から離した位置に取り付けてもよい。
光電センサ11は、受光素子3で受光したIR光及び赤色光のそれぞれの受光量を例えば電圧値に変換して脈波処理部12に通知する。
発光素子1A及び発光素子1Bからは予め定めた光量が照射されているため、光電センサ11で受光したIR光及び赤色光のそれぞれの受光量から、生体8におけるIR光及び赤色光の吸光量が得られる。
したがって、脈波処理部12は、光電センサ11から受け付けたIR光及び赤色光のそれぞれの受光量を用いて、IR光から得られた被測定者の脈波を表す脈波信号と、赤外光から得られた被測定者の脈波を表す脈波信号をそれぞれ生成する。脈波処理部12は、受け付けたIR光及び赤色光のそれぞれの受光量に対応する電圧値が、脈波信号の生成に適した予め定めた範囲に含まれるように電圧値を増幅する。そして、脈波処理部12は、公知のフィルタ等を用いてノイズ成分を除去したそれぞれの脈波信号を生成する。脈波処理部12は生成したそれぞれの脈波信号を、酸素飽和度測定部13に通知する。
酸素飽和度測定部13は、脈波処理部12から脈波信号を受け付けると、受け付けた脈波信号から被測定者の酸素飽和度を測定する。具体的には、酸素飽和度測定部13は脈波信号を用いて、動脈4の厚みの変化によるIR光の吸光量の変化量ΔAIRと、赤色光の吸光量の変化量ΔARedとをそれぞれ(1)式に従って算出する。その上で、酸素飽和度測定部13は、算出した変化量ΔAIRと変化量ΔARedを用いて、例えば(2)式から被測定者の酸素飽和度を測定し、測定した酸素飽和度を酸素循環時間測定部14に通知する。
以降では一例として、酸素飽和度測定部13が被測定者の酸素飽和度を測定する例について説明するが、酸素飽和度測定部13は、被測定者の酸素飽和度の時間変化を示す値であればどのような値を測定してもよい。例えば、酸素飽和度測定部13は、酸素飽和度の逆数、又は変化量ΔARedと変化量ΔAIRの比率といった、酸素飽和度の時間変化と相関関係を有する値を測定してもよい。
酸素循環時間測定部14は、酸素飽和度測定部13で測定される被測定者の酸素飽和度を参照することによって酸素飽和度の変曲点を検出し、酸素循環時間を測定する。
図7は、被測定者の特定の部位における酸素飽和度の変化例を示すグラフであり、横軸は時間を表し、縦軸は酸素飽和度を表している。
被測定者が時刻t1で呼吸を停止すると、被測定者における酸素飽和度が低下し始める。被測定者が呼吸を停止する呼吸停止期間の終了後(時刻t2)に被測定者が呼吸を再開しても、呼吸の再開により血中に取り込まれた酸素が肺から特定の部位まで到達するのには時間がかかるため、時刻t2の後も被測定者における酸素飽和度は低下する。そのうち、呼吸の再開により血中に取り込まれた酸素が肺から特定の部位まで到達するため、被測定者における酸素飽和度は増加に転じる。酸素飽和度が減少から増加に転じる箇所を「変曲点」といい、変曲点が現れた時刻を時刻t60とすれば、酸素循環時間は時刻t2と時刻t60の差分によって表される。
すなわち、酸素循環時間とは、肺から特定の部位まで酸素が運搬されるのに要する時間を表し、「酸素運搬時間」とも呼ばれる。
酸素飽和度の変化から測定される酸素循環時間は、呼吸停止期間のばらつきによって測定精度もばらつく傾向があるため、生体情報測定装置10では、呼吸停止期間の長さを規定する呼吸停止時間T1が予め設定されている。
具体的には、被測定者の酸素飽和度が低下している途中で呼吸が再開されると、酸素飽和度が酸素循環時間の測定に必要な最低値まで下がり切らずに増加し始めてしまうことがある。酸素循環時間の測定に必要な最低値まで低下しなかった酸素飽和度の変化から酸素循環時間を測定した場合、酸素循環時間の測定に必要な最低値まで低下した酸素飽和度の変化から測定した酸素循環時間に比べて、酸素循環時間の測定精度が低下する。
したがって、呼吸停止時間T1は、できるだけ多くの被測定者において、被測定者が呼吸を停止することによって得られる酸素飽和度の最低値が、酸素循環時間の測定に必要となる酸素飽和度の最低値を下回るように設定される。
そのため、呼吸停止時間T1は、生体情報測定装置10を用いた実機による実験等により予め規定される。
以降では、酸素循環時間の測定に必要となる酸素飽和度の最低値を「酸素飽和度の基準値H」という。酸素飽和度の基準値Hについても、生体情報測定装置10を用いた実機による実験等により予め規定される。
なお、酸素飽和度の最低値が酸素飽和度の基準値Hを下回るとは、酸素飽和度の最低値が酸素飽和度の基準値H以下となることをいう。
酸素循環時間測定部14は、酸素飽和度の変曲点を検出した時刻を時刻t60として記憶し、時刻t2と時刻t60の差分で表される時間を酸素循環時間として測定する。なお、「変曲点を検出」するとは、酸素循環時間の測定に実質的な影響がない範囲で、酸素飽和度の変曲点から時間軸に沿って前後にずれた範囲に含まれる位置を検出する場合を含む。
酸素循環時間測定部14は、測定した酸素循環時間を通知部17及び心拍出量測定部15に通知する。
なお、酸素循環時間の測定部位は、被測定者における光電センサ11の取り付け位置によって決定されるが、本実施形態では一例として、光電センサ11を被測定者の末梢部位に装着する。より具体的には指先に装着し、肺から指先まで酸素が運搬される場合の酸素循環時間を測定する。これは、他の部位に比べて肺からの距離が長くとれることにより酸素循環時間が長くなることから、他の部位に光電センサ11を取り付けた場合と比較して、精度の高い酸素循環時間が得られるためである。なお、「末梢部位」とは、被測定者の体の首、肩、股関節よりも末梢側にある部位をいう。
したがって、肺から指先までの酸素循環時間を、特にLFCT(Lung to Finger Circulation Time)ということがある。本実施の形態においても、光電センサ11を被測定者の指先に取り付け、酸素循環時間測定部14でLFCTを測定する例について説明するが、光電センサ11の取り付け部位は指先に限られない。得られる酸素循環時間の測定誤差が予め定めた範囲内に含まれるような部位であれば、被測定者の何れの部位に光電センサ11を取り付けてもよい。なお、「指先」とは被測定者の手の指先を指すが、足の指先に光電センサ11を取り付けてもよい。
心拍出量測定部15は酸素循環時間測定部14から受け付けたLFCTを用いて、被測定者の心拍出量を測定する。心拍出量は、例えばLFCTと心拍出量の関係を表す予め求められた演算式によって算出される。
なお、心拍出量測定部15は心拍出量の他に、心拍出量に関する情報を測定してもよい。「心拍出量に関する情報」とは、心拍出量と相関関係が認められる情報であり、例えば心係数及び1回拍出量等が含まれる。
「心係数」とは、被測定者の体格差による心拍出量の違いを補正するため、被測定者の心拍出量を被測定者の体表面積で割った値である。また、「1回拍出量」とは、心臓が1回の収縮によって動脈4へ拍出する血液の量を示す値であり、心拍出量を被測定者の1分間の心拍数で割ることで求められる。
心拍出量測定部15は、測定した心拍出量を通知部17に通知する。なお、図4に示した生体情報測定装置10は、心拍出量を測定するために心拍出量測定部15を有しているが、生体情報測定装置10にとって、心拍出量の測定は必須ではない。したがって、生体情報測定装置10は心拍出量測定部15を含まなくてもよい。
通知部17は、呼吸の停止を開始するように被測定者に通知すると共に、タイマ部16と連携して呼吸停止時間T1を計測し、呼吸停止時間T1の経過後、呼吸を再開するように被測定者に通知する。なお、タイマ部16は、時間を計測するタイマを備え、始期及び終期が指定された区間の時間を計測する。
また、通知部17は、同じ被測定者に対して酸素循環時間を複数回測定する場合、被測定者に呼吸の再開を通知してから、次の測定回で酸素循環時間の測定を行うために呼吸の停止を再度開始するように被測定者に通知する。
呼吸を停止していた被測定者に呼吸の再開を指示してから、次の測定回で酸素循環時間の測定を行うために呼吸を再度停止するよう指示するまでの期間は、次の酸素循環時間の測定に向けて被測定者が呼吸を整える期間となる。したがって、以降では、当該期間の長さを「呼吸調整時間T2」ということにする。
更に、通知部17は、酸素循環時間測定部14が測定した酸素循環時間、及び心拍出量測定部15が測定した心拍出量を、被測定者及び被測定者を担当する医療従事者の少なくとも一方に通知する。
本実施形態に係る「通知」とは、生体情報測定装置10による指示や生体情報測定装置10によって得られた情報を、被測定者及び被測定者を担当する医療従事者の少なくとも一方に対して認識可能な状態にすることをいう。したがって、生体情報測定装置10で被測定者に呼吸の再開や停止といった指示を通知する形態には、指示をディスプレイに表示するといった視覚を用いた通知、指示を音声で発するといった聴覚を用いた通知、及び指示を振動で伝達するといった被測定者への接触を用いた通知が含まれる。また、生体情報測定装置10で測定した酸素循環時間及び心拍出量といった生体情報を通知する形態には、測定した生体情報をディスプレイに表示するといった視覚を用いた通知、測定した生体情報を音声で発するといった聴覚を用いた通知、測定した生体情報を被測定者及び被測定者を担当する医療従事者の少なくとも一方に読み取り権限が与えられている記憶装置に記憶するといった記憶装置を用いた通知、測定された生体情報を画像形成装置で用紙等の記録媒体に形成するといった記録媒体を用いた通知、及び測定された生体情報を通信回線経由で外部装置に送信するといった通信回線を用いた通知が含まれる。
上述した生体情報測定装置10は、例えばコンピュータを用いて構成される。図8は、コンピュータ20を用いて構成された生体情報測定装置10における電気系統の要部構成例を示す図である。
コンピュータ20は、本実施形態に係る脈波処理部12、酸素飽和度測定部13、酸素循環時間測定部14、心拍出量測定部15、タイマ部16、及び通知部17の各処理を担うCPU(Central Processing Unit)21、ROM(Read Only Memory)22、RAM(Random Access Memory)23、不揮発性メモリ24、及び入出力インターフェース(I/O)25を備える。そして、CPU21、ROM22、RAM23、不揮発性メモリ24、及びI/O25がバス26を介して各々接続されている。なお、コンピュータ20で用いられるオペレーションシステムに制限はない。
不揮発性メモリ24は、不揮発性メモリ24に供給される電力が遮断されても記憶した情報を維持する記憶装置の一例であり、例えば半導体メモリが用いられるがハードディスクであってもよい。
I/O25には、例えば光電センサ11、入力ユニット27、表示ユニット28、及び通信ユニット29が接続される。
光電センサ11はI/O25と有線又は無線によって接続される。なお、生体情報測定装置10と光電センサ11とが分離されるように、それぞれを別体として構成してもよく、生体情報測定装置10と光電センサ11とが一体化されるように、それぞれを同じ筺体に収容する構成としてもよい。
入力ユニット27は、例えば生体情報測定装置10のユーザの指示を受け付けてCPU21に通知する入力装置である。入力ユニット27には、例えばボタン、タッチパネル、キーボード、及びマウス等が含まれる。生体情報測定装置10のユーザとは、例えば被測定者及び被測定者を担当する医療従事者が含まれる。
表示ユニット28は、例えばCPU21で処理された情報を生体情報測定装置10のユーザに表示する表示装置である。表示ユニット28には、例えば液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)、及びプロジェクタ等の表示装置が用いられる。
なお、表示ユニット28は必ずしも生体情報測定装置10に必須のユニットではなく、ユーザへの指示及び生体情報の通知形態に応じたユニットがI/O25に接続される。
例えば、生体情報測定装置10からの指示及び測定した生体情報を生体情報測定装置10のユーザに音声で通知する場合、スピーカーユニットをI/O25に接続してもよい。また、生体情報測定装置10からの指示を生体情報測定装置10のユーザに体感を通じて通知する場合、振動ユニットをI/O25に接続してもよい。
通信ユニット29は、例えばインターネット等の通信回線と生体情報測定装置10を接続する通信プロトコルを備え、通信回線に接続される他の外部装置と生体情報測定装置10との間でデータ通信を行う。通信ユニット29における通信回線への接続形態は有線であっても無線であってもよい。生体情報測定装置10が通信回線に接続される他の外部装置とデータ通信を行う必要がなければ、I/O25に通信ユニット29を接続しなくてもよい。
なお、I/O25に接続されるユニットは上述した例に限られず、例えば測定した生体情報を記録媒体に印字する印字ユニット等、他のユニットをI/O25に接続してもよい。
次に、図9及び図10を用いて、生体情報測定装置10の動作について説明する。以降では、生体情報測定装置10が入力ユニット27を通じてユーザから測定開始の指示を受け付けた場合、酸素循環時間の一例であるLFCTを複数回に亘って測定する例について説明する。LFCTの測定回数は生体情報測定装置10の不揮発性メモリ24に予め記憶されている。不揮発性メモリ24に記憶されるLFCTの測定回数は、ユーザによって変更可能である。1回の測定開始の指示に対して生体情報測定装置10が測定するLFCTの測定回数は2回以上であればよく、測定回数に制約はない。なお、LFCTの測定回数は、ユーザが測定開始の指示を行う際に指定してもよい。
説明の便宜上、生体情報測定装置10の不揮発性メモリ24には、LFCTの測定回数として“2回”が設定されているものとする。すなわち、生体情報測定装置10は、1回の測定開始の指示に対してLFCTの測定を2回連続して行う。
また、図7を用いて説明したように、呼吸を停止していた被測定者が呼吸を再開してから、酸素飽和度の変曲点が現れるまでの時間は、被測定者毎に異なる。したがって、生体情報測定装置10では、被測定者が呼吸を再開してからいつまで酸素飽和度を測定し続けるのかを規定するための基準時間が設定されている。この基準時間を「経過観察時間T3」という。
経過観察時間T3は、他の被測定者に比べて酸素飽和度の変曲点が遅れて現れるような被測定者であってもLFCTの測定が行われるように、例えば平均的なLFCTよりも長く設定される。具体的には、経過観察時間T3は、生体情報測定装置10を用いた実機による実験等により予め規定される。経過観察時間T3は、本実施形態に係る「酸素循環時間の測定期間」の一例である。
生体情報測定装置10の不揮発性メモリ24には、経過観察時間T3の他、それぞれ予め定められた呼吸停止時間T1及び呼吸調整時間T2が記憶される。
一例として呼吸停止時間T1、呼吸調整時間T2、及び経過観察時間T3の間には次のような関係が存在する。
関係1:呼吸調整時間T2<経過観察時間T3
関係2:(呼吸停止時間T1+呼吸調整時間T2)>経過観察時間T3
図9及び図10は、被測定者の指先に光電センサ11が取り付けられた状態で、ユーザから入力ユニット27を通じて測定開始の指示を受け付けた場合に、CPU21によって実行される生体情報測定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
生体情報測定処理を規定する生体情報測定プログラムは、例えば生体情報測定装置10のROM22に予め記憶されている。生体情報測定装置10のCPU21は、ROM22に記憶される生体情報測定プログラムを読み込み、生体情報測定処理を実行する。
生体情報測定装置10は測定開始の指示を受け付けると酸素飽和度の測定を開始し、測定した酸素飽和度を、例えばRAM23に記憶する。
なお、図11は、生体情報測定処理によって得られる被測定者の酸素飽和度の時間変化例を表すグラフである。以降では、図11のグラフを参照しながら、生体情報測定処理の流れについて説明する。図11のグラフでは、生体情報測定装置10は、時刻t0にユーザから入力ユニット27を通じて測定開始の指示を受け付けている。
まず、図9のステップS10において、CPU21は、1回目のLFCTの測定を行うための準備行動として、被測定者に対して呼吸を停止するように通知する。図11のグラフでは、時刻t1にCPU21が被測定者に対して呼吸を停止するように通知している。すなわち、時刻t1に1回目のLFCTの測定が開始される。
被測定者に呼吸を停止するように通知したことから、ステップS20において、CPU21は、タイマTM1を起動する。タイマTM1は、呼吸停止時間T1を計測するためのタイマである。CPU21は、例えばCPU21に内蔵されるタイマ機能を用いてタイマTM1を起動する。CPU21にタイマ機能が内蔵されていない場合、CPU21は、例えばI/O25に接続されたタイマユニット(図示省略)を用いてタイマTM1の起動を行えばよい。
ステップS30において、CPU21は、タイマTM1が呼吸停止時間T1に達したか否かを判定する。タイマTM1が呼吸停止時間T1に達していない場合、CPU21は、タイマTM1が呼吸停止時間T1に達するまでステップS30の判定処理を繰り返し実行する。被測定者は、タイマTM1が呼吸停止時間T1に達するまで呼吸を停止しているため、図11のグラフに示すように時刻t1以降、被測定者の酸素飽和度が低下する。
なお、肺から指先までは距離があるため、指先に装着した光電センサ11によって、被測定者が呼吸を停止したことによる酸素飽和度の低下を検出するまでは時間がかかる。したがって、時刻t1後も呼吸停止前と同じ酸素飽和度を示すが、その後、時刻t2にかけて酸素飽和度が低下していく。
図9のステップS30の判定処理で、タイマTM1が呼吸停止時間T1に達したと判定された場合にはステップS40に移行する。
ステップS40において、CPU21は、タイマTM1を停止する。タイマTM1を「停止する」とは、タイマTM1による時間の計測を中止し、タイマTM1の値を“0”に設定することをいう。換言すれば、タイマTM1を停止するとは、タイマTM1をリセットすることと同値である。
ステップS50において、CPU21は、被測定者に対して呼吸を再開するように通知する。図11のグラフでは、時刻t1から呼吸停止時間T1が経過した時刻t2に、CPU21が被測定者に対して呼吸を再開するように通知している。これにより、被測定者は停止していた呼吸を再開する。すなわち、被測定者は、呼吸停止時間T1に亘って呼吸を停止することになる。
既に説明したように、肺から指先までは距離があるため、被測定者が時刻t2に呼吸を再開したとしても、指先に装着した光電センサ11によって、被測定者が呼吸を再開したことによる酸素飽和度の増加を検出するまでは時間がかかる。したがって、時刻t2経過後も酸素飽和度が低下する。
被測定者が呼吸を再開したことにより、ステップS60において、CPU21は、1回目の酸素飽和度の経過観察を開始する。「酸素飽和度の経過観察を開始する」とは、CPU21が被測定者の呼吸の再開時刻(この場合、時刻t2)と被測定者が呼吸の再開した時刻t2において測定された酸素飽和度を対応付けた上で、LFCTの測定に用いられる酸素飽和度の変化を検出する状態をいう。
そのため、ステップS70において、CPU21は、タイマTM2及びタイマTM3を起動する。タイマTM2は、呼吸調整時間T2を計測するためのタイマである。タイマTM3は、経過観察時間T3を計測するためのタイマである。すなわち、時刻t2から経過観察時間T3が経過するまでの間、CPU21は、酸素飽和度の測定を継続する。
一方で、呼吸を再開した被測定者は、2回目のLFCTの測定に向けて呼吸を整えることになる。
ステップS80において、CPU21は、ステップS70で起動したタイマTM2が呼吸調整時間T2に達したか否かを判定する。タイマTM2が呼吸調整時間T2に達していない場合、CPU21は、タイマTM2が呼吸調整時間T2に達するまでステップS80の判定処理を繰り返し実行する。
ステップS80の判定処理で、タイマTM2が呼吸調整時間T2に達したと判定された場合にはステップS90に移行し、ステップS90において、CPU21は、タイマTM2を停止する。
ステップS100において、CPU21は、2回目のLFCTの測定を行うための準備行動として、被測定者に対して呼吸を停止するように通知する。図11のグラフでは、時刻t3にCPU21が被測定者に対して呼吸を停止するように通知している。すなわち、時刻t3に2回目のLFCTの測定が開始される。
被測定者に呼吸を停止するように通知したことから、ステップS110において、CPU21は、タイマTM1を起動する。
既に説明したように、「呼吸調整時間T2<経過観察時間T3」の関係があるため、時刻t3以降も1回目のLFCTの測定は継続状態にある。すなわち、CPU21は、2回目のLFCTの測定を行うために被測定者が呼吸を停止した時刻t3以後も、1回目のLFCTの測定を重複して実行する。したがって、2回目のLFCTの測定を開始したとしても、酸素飽和度の変曲点が呼吸調整時間T2経過後に現れるような被測定者のLFCTを測定することができる。
ステップS120において、CPU21は、ステップS70で起動したタイマTM3が経過観察時間T3に達したか否かを判定する。タイマTM3が経過観察時間T3に達していない場合、1回目のLFCTの測定を継続するためステップS160に移行する。
ステップS160において、CPU21は、ステップS110で起動したタイマTM1が呼吸停止時間T1に達したか否かを判定する。タイマTM1が呼吸停止時間T1に達していない場合には、ステップS120に移行する。すなわち、CPU21は、タイマTM3が経過観察時間T3に達するまで、ステップS120の判定処理とステップS160の判定処理を交互に実行する。
ステップS120の判定処理で、タイマTM3が経過観察時間T3に達したと判定された場合にはステップS130に移行する。図11のグラフでは、時刻t4にタイマTM3が経過観察時間T3に達している。
時刻t4に1回目の酸素飽和度の経過観察が終了したことにより、1回目のLFCTの測定も終了する。したがって、ステップS130において、CPU21は、タイマTM3を停止する。
ステップS140において、CPU21は、経過観察時間T3に亘って測定した酸素飽和度を時系列に沿ってRAM23から取得し、酸素飽和度の変曲点を検出する。その上で、CPU21は、被測定者が呼吸を再開した時刻t2から酸素飽和度の変曲点が表された時刻までの時間を測定して、1回目のLFCTの測定結果とする。
ステップS150において、CPU21は、ステップS140で測定した1回目のLFCTの測定結果を、例えば表示ユニット28に表示してユーザに通知する。その後、CPU21は、ステップS160に移行して、タイマTM1が呼吸停止時間T1に達したか否かを判定する。
ステップS160の判定処理で、タイマTM1が呼吸停止時間T1に達したと判定された場合には図10のステップS170に移行する。
呼吸停止時間T1の計測が終了したことから、ステップS170において、CPU21は、タイマTM1を停止する。
ステップS180において、CPU21は、被測定者に対して呼吸を再開するように通知する。図11のグラフでは、時刻t3から呼吸停止時間T1が経過した時刻t5に、CPU21が被測定者に対して呼吸を再開するように通知している。これにより、被測定者は停止していた呼吸を再開する。
被測定者が呼吸を再開したことにより、ステップS190において、CPU21は、2回目の酸素飽和度の経過観察を開始する。そのため、ステップS200において、CPU21は、タイマTM3を起動する。なお、1回目の酸素飽和度の経過観察では、図9のステップS70において、CPU21は、タイマTM3に加えてタイマTM2も起動した。しかしながら、2回目の酸素飽和度の経過観察は、これが最終の酸素飽和度の経過観察となるため、被測定者が次のLFCTの測定に備えて呼吸を整える必要がない。したがって、CPU21は、タイマTM2を起動しなくてよい。
ステップS210において、CPU21は、ステップS200で起動したタイマTM3が経過観察時間T3に達したか否かを判定する。タイマTM3が経過観察時間T3に達していない場合、ステップS210の判定処理を繰り返し実行する。
一方、ステップS210の判定処理で、タイマTM3が経過観察時間T3に達したと判定された場合にはステップS220に移行する。図11のグラフでは、時刻t6にタイマTM3が経過観察時間T3に達している。
時刻t6に2回目の酸素飽和度の経過観察が終了したことにより、2回目のLFCTの測定も終了する。したがって、ステップS220において、CPU21は、タイマTM3を停止する。
ステップS230において、CPU21は、時刻t5から時刻t6までの経過観察時間T3に亘って測定した酸素飽和度を時系列に沿ってRAM23から取得し、酸素飽和度の変曲点を検出する。その上で、CPU21は、被測定者が呼吸を再開した時刻t5から酸素飽和度の変曲点が現れた時刻までの時間を測定して、2回目のLFCTの測定結果とする。
ステップS240において、CPU21は、ステップS230で測定した2回目のLFCTの測定結果を、例えば表示ユニット28に表示してユーザに通知する。
ステップS250において、CPU21は、ステップS140で取得した1回目のLFCT、及びステップS230で測定した2回目のLFCTを、例えばLFCTと心拍出量の関係を表す予め求められた演算式に代入して、各々の測定回における心拍出量を測定する。
なお、CPU21は、被測定者のLFCTを測定したとしても、被測定者の心拍出量も一緒に測定する必要はない。したがって、CPU21は、ステップS250の処理を実行しなくてもよい。
以上により、CPU21は、図9及び図10に示した生体情報測定処理を終了する。
このように、生体情報測定装置10は、1回の測定開始の指示に対して、被測定者のLFCTの測定を複数回行う場合、直前の測定回における酸素飽和度の経過観察時間T3が終了する前に、次のLFCTの測定の準備を行うため、被測定者に対して呼吸の停止を行うように通知する。
一方、図12は、1回目のLFCTの測定における酸素飽和度の経過観察時間T3が終了した後に、2回目のLFCTの測定の準備を行うため、被測定者に対して呼吸の停止を行うように通知した場合における被測定者の酸素飽和度の時間変化例を表すグラフである。
図12に示すグラフでは、時刻t2から時刻t3までの1回目の経過観察時間T3と、時刻t3から時刻t5までの2回目の呼吸停止時間T1とが重複しない。したがって、図12に示した2回目のLFCTの測定終了に対応する時刻t6は、図11に示した2回目のLFCTの測定終了に対応する時刻t6よりも、図11の(t4-t3)の時間だけ長くなる。すなわち、本実施形態に係る生体情報測定装置10は、直前のLFCTの測定が終了してから次のLFCTの測定を開始する場合と比較して、LFCTを複数回測定するのに要する時間を短縮することができる。また、LFCTの測定に要する時間の短縮に伴い、心拍出量といったLFCTから算出される生体情報の測定に要する時間も短縮されることになる。
なお、図9及び図10に示した生体情報測定処理では、LFCTの測定回毎にLFCTを通知する例について説明したが、規定された回数のLFCTの測定が終了してから、各々の測定回において測定したLFCTをまとめて通知してもよい。具体的には、図9のステップS150で1回目の測定に対するLFCTを通知するのではなく、図10のステップS240で1回目の測定に対するLFCTと2回目の測定に対するLFCTをまとめて通知してもよい。
また、生体情報測定装置10は、LFCTの測定回毎にLFCTを測定しなくてもよい。具体的には、生体情報測定装置10は、図9及び図10に示した生体情報測定処理のステップS140、S150、S230、S240、及びS250の各処理を実行することなく、時系列に沿った酸素飽和度の変化のみを不揮発性メモリ24に記憶する。その上で、生体情報測定装置10は、生体情報測定処理が終了した後、ユーザからの指示に応じて不揮発性メモリ24から酸素飽和度を取得し、各々の測定回におけるLFCTを測定すればよい。測定開始後の酸素飽和度を時系列に沿って不揮発性メモリ24に記憶することで、生体情報測定装置10は、後からいつでも測定した酸素飽和度を取得することができるため、ユーザが指示したタイミングで各々の測定回におけるLFCTを測定することができる。こうしたLFCTの測定方法は、例えば被測定者が自宅で酸素飽和度を測定し、医療従事者が後から病院で被測定者の酸素飽和度及びLFCTを確認するような使い方に適用される。
<第2実施形態>
第1実施形態では、経過観察時間T3を固定値とした。しかしながら、被測定者のLFCTを測定するためには、被測定者が呼吸を再開してから酸素飽和度の変曲点が検出されるまで酸素飽和度の測定を行えばよい。
したがって、第2実施形態では、最終のLFCTの測定回における酸素飽和度の変曲点の検出状況に応じて経過観察時間T3を可変する制御を行う生体情報測定装置10について説明する。
図13は、図9に示した第1実施形態に係る生体情報測定処理に引き続いて、CPU21によって実行される生体情報測定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
生体情報測定装置10は測定開始の指示を受け付けると酸素飽和度の測定を開始し、測定した酸素飽和度を、例えばRAM23に記憶する。
なお、第2実施形態に係る生体情報測定装置10も第1実施形態に係る生体情報測定装置10と同じく、1回の測定開始の指示に対してLFCTの測定を2回連続して行うものとする。
図9に示した生体情報測定処理のステップS160において、被測定者の2回目の呼吸の停止と共に起動したタイマTM1が呼吸停止時間T1に達したと判定された場合には図13のステップS300に移行する。
2回目の呼吸停止時間T1の計測が終了したことから、ステップS300において、CPU21は、タイマTM1を停止する。
ステップS310において、CPU21は、被測定者に対して呼吸を再開するように通知する。これにより、被測定者は停止していた呼吸を再開する。
被測定者が呼吸を再開したことにより、ステップS320において、CPU21は、2回目、すなわち、最終のLFCTの測定回における酸素飽和度の経過観察を開始する。
ステップS330において、CPU21は、経過観察中における酸素飽和度の変化を取得し、被測定者における酸素飽和度の変曲点を検出したか否かを判定する。酸素飽和度の変曲点が検出されていない場合には、酸素飽和度の変曲点を検出するまでステップS330の判定処理を繰り返し実行する。一方、酸素飽和度の変曲点を検出した場合にはステップS340に移行する。
ステップS340において、CPU21は、被測定者が呼吸を再開した時刻t5から酸素飽和度の変曲点が現れた時刻t60までの時間を測定して、2回目のLFCTの測定結果とする。
ステップS350において、CPU21は、ステップS340で測定した2回目のLFCTの測定結果を、例えば表示ユニット28に表示してユーザに通知する。
ステップS360において、CPU21は、図9のステップS140で取得した1回目のLFCT、及びステップS340で測定した2回目のLFCTを、例えばLFCTと心拍出量の関係を表す予め求められた演算式に代入して、各々の測定回における心拍出量を測定する。
以上により、CPU21は、図9及び図13に示した第2実施形態に係る生体情報測定処理を終了する。
すなわち、第2実施形態に係る生体情報測定装置10のCPU21は、最終のLFCTの測定回において、被測定者が呼吸を再開してから酸素飽和度の変曲点が検出されるまでの期間を経過観察時間T3とする制御を行う。
図14は、最終のLFCTの測定において、被測定者の酸素飽和度の変曲点が、被測定者が呼吸を再開した時刻t5から予め定められた経過観察時間T3、すなわち、変更前の経過観察時間T3が経過する前までに検出された場合における被測定者の酸素飽和度の時間変化例を表すグラフである。
図14に示すように、酸素飽和度の変曲点が現れた時刻t60が、時刻t5から変更前の経過観察時間T3が経過した時刻t6より前である場合、経過観察時間T3は時刻t5から時刻t60までの期間に短縮される。図14に示す例では、短縮後の経過観察時間T3をハッチングで表している。
すなわち、第2実施形態に係る生体情報測定装置10は、変更前の予め定めた経過観察時間T3が経過してから2回目のLFCTの測定を終了する場合に比べて、ユーザから測定開始の指示を受け付けてから最終のLFCTの測定回が終了するまでに要する時間を短縮することができる。
一方、図15は、2回目のLFCTの測定において、被測定者の酸素飽和度の変曲点が、被測定者が呼吸を再開した時刻t5から変更前の経過観察時間T3が経過した後に検出された場合における被測定者の酸素飽和度の時間変化例を表すグラフである。
図15に示すように、酸素飽和度の変曲点が現れた時刻t60が、時刻t5から変更前の経過観察時間T3が経過した時刻t6より後ろである場合、経過観察時間T3は時刻t5から時刻t60までの期間に延長される。図15に示す例では、延長後の経過観察時間T3をハッチングで表している。
呼吸を繰り返し停止すると、前半のLFCTの測定回よりも後半のLFCTの測定回の方が酸素飽和度の変曲点が遅れて現れることがある。
すなわち、第2実施形態に係る生体情報測定装置10は、最終のLFCTの測定において、酸素飽和度の変曲点が、変更前の経過観察時間T3の経過後に現れたとしても、LFCTの測定を途中で打ち切らなくても済む。したがって、経過観察時間T3の長さを調整しない場合に比べて、被測定者のLFCTを精度よく測定することができる。
なお、第2実施形態では、最終のLFCTの測定回に、被測定者が呼吸を再開してから酸素飽和度の変曲点を検出するまでの期間を経過観察時間T3とする制御例について説明した。生体情報測定装置10のCPU21は、このように経過観察時間T3を酸素飽和度の変曲点の検出にあわせて可変する制御を、最終のLFCTの測定回とは異なる他のLFCTの測定回にも適用してもよい。この場合、ユーザは酸素飽和度の変曲点の検出にあわせて経過観察時間T3を可変する測定回を設定してもよい。
<変形例>
第1実施形態及び第2実施形態に対する各種変形例について説明する。
生体情報測定装置10のCPU21は、呼吸調整時間T2を固定値とするのではなく、被測定者におけるLFCTの測定状況に応じて呼吸調整時間T2を変動させてもよい。
例えば、被測定者が呼吸を繰り返し停止した場合、各々の呼吸停止の時間が同じであったとしても、後になるほど呼吸を停止するのが苦しくなる傾向が見られる。したがって、CPU21は、同じ被測定者に対するLFCTの測定回が最終の測定回に近づくほど、呼吸調整時間T2が長くなるように調整する制御を行ってもよい。
被測定者における呼吸の苦しさが増すほど、固定された呼吸調整時間T2の終了時の酸素飽和度、すなわち、呼吸停止前の酸素飽和度が低下することがある。したがって、CPU21は、LFCTの測定回毎に、直前のLFCTの測定回における呼吸停止前の酸素飽和度の低下率を用いて、呼吸調整時間T2の延長率を設定してもよい。例えばCPU21は、直前のLFCTの測定回における呼吸停止前の酸素飽和度の低下率を、次のLFCTの測定回における呼吸調整時間T2の延長率としてもよい。
なお、CPU21は、LFCTの各測定回における呼吸調整時間T2を直前のLFCTの測定回における呼吸調整時間T2よりも長くする必要はない。例えば、予め定めた途中のLFCTの測定回(「途中測定回」という)に達するまでの各測定回における呼吸調整時間T2は同じにして、途中測定回を超えた後のLFCTの各測定回における呼吸調整時間T2を、途中測定回以前のLFCTの各測定回における呼吸調整時間T2よりも長くするようにしてもよい。
また、CPU21は、呼吸停止時間T1を固定値とするのではなく、被測定者におけるLFCTの測定状況に応じて呼吸停止時間T1を変動させてもよい。
既に説明したように、被測定者は、最終のLFCTの測定回に近づくほど呼吸を停止するのが苦しくなる傾向が見られる。これに対して、上記の例では呼吸調整時間T2の長さを調整したが、CPU21は、同じ被測定者に対するLFCTの測定回が最終の測定回に近づくほど、呼吸停止時間T1を短くするように調整する制御を行ってもよい。
この場合、CPU21は、LFCTの測定回毎に、直前のLFCTの測定回における平時の酸素飽和度の低下率を用いて、呼吸停止時間T1の短縮率を設定してもよい。例えばCPU21は、直前のLFCTの測定回における呼吸停止前の酸素飽和度の低下率を、次のLFCTの測定回における呼吸停止時間T1の短縮率としてもよい。
なお、呼吸を停止していた被測定者が呼吸を再開してから、酸素飽和度の変曲点が現れるまでの時間に個人差があることを既に説明したが、変曲点における酸素飽和度の値にも個人差があり、ばらつきが生じる。したがって、呼吸停止時間T1は、できるだけ多くの被測定者において、酸素飽和度の変曲点における値が酸素飽和度の基準値Hを下回るような長さに設定されている。
しかしながら、被測定者の中には、例えば体調の変化により、酸素飽和度の変曲点における値が酸素飽和度の基準値Hを下回らないような被測定者も存在する。こうした被測定者に対して測定したLFCTの精度は、酸素飽和度の変曲点における値が酸素飽和度の基準値Hを下回った状態で測定したLFCTの精度よりも低下することがある。
一方、被測定者の中には、酸素飽和度の変曲点における値が酸素飽和度の基準値Hを必要以上に下回るような被測定者も存在する。こうした被測定者に対して測定したLFCTの精度は、酸素飽和度の変曲点における値が酸素飽和度の基準値Hと同じになった状態で測定したLFCTの精度と変わらないことがある。
こうした、酸素飽和度の変曲点における値は、呼吸の停止時間の長さによって変動する。したがって、CPU21は、被測定者の酸素飽和度の最低値、すなわち、酸素飽和度の変曲点における値と、酸素飽和度の基準値Hとの差分に応じて、呼吸停止時間T1を変動させる制御を行ってもよい。
図16は、酸素飽和度の変曲点における値と、酸素飽和度の基準値Hとの差分の一例を示す図である。図16における酸素飽和度曲線30は、酸素飽和度の変曲点における値が酸素飽和度の基準値Hを下回っていない例を示しており、酸素飽和度曲線32は、酸素飽和度の変曲点における値が酸素飽和度の基準値Hを下回っている例を示している。また、差分e1は、酸素飽和度曲線30における変曲点と、酸素飽和度の基準値Hとの差分を表し、差分e2は、酸素飽和度曲線32における変曲点と、酸素飽和度の基準値Hとの差分を表している。
CPU21は、酸素飽和度曲線30のように、酸素飽和度の変曲点における値が酸素飽和度の基準値Hを下回らない被測定者に対しては、酸素飽和度の変曲点における値と、酸素飽和度の基準値Hとの差分が大きくなるほど、酸素飽和度の変曲点が酸素飽和度の基準値Hを下回るように、呼吸停止時間T1を予め設定されていた呼吸停止時間T1より長くする。呼吸停止時間T1を予め設定されていた呼吸停止時間T1より長くすることで、呼吸停止時間T1の延長前に比べてLFCTの測定精度が向上する。
また、CPU21は、酸素飽和度曲線32のように、酸素飽和度の変曲点における値が酸素飽和度の基準値Hを必要以上に下回る被測定者に対しては、酸素飽和度の変曲点における値と、酸素飽和度の基準値Hとの差分が大きくなるほど、酸素飽和度の変曲点が酸素飽和度の基準値Hを下回り、かつ、酸素飽和度の変曲点が酸素飽和度の基準値Hに近づくように、呼吸停止時間T1を、予め設定されていた呼吸停止時間T1より短くする。呼吸停止時間T1を予め設定されていた呼吸停止時間T1より短くすることで、LFCTの測定精度を維持したまま、呼吸停止時間T1の短縮前に比べてLFCTの測定に要する時間が短縮されることになる。
以上、実施形態を用いて生体情報測定装置10の一態様について説明したが、開示した生体情報測定装置10の形態は一例であり、生体情報測定装置10の形態は実施形態に記載の範囲に限定されない。本開示の要旨を逸脱しない範囲で実施形態に多様な変更又は改良を加えることができ、当該変更又は改良を加えた形態も開示の技術的範囲に含まれる。例えば、本開示の要旨を逸脱しない範囲で、第1実施形態及び第2実施形態に示した生体情報測定処理の順序を変更してもよい。
また、上記の実施形態では、一例として生体情報測定処理をソフトウエアで実現する形態について説明した。しかしながら、図9及び図10、並びに、図9及び図13に示した生体情報測定処理と同等の処理をハードウエアで処理させるようにしてもよい。この場合、生体情報測定処理をソフトウエアで実現した場合と比較して処理の高速化が図られる。
上記の実施形態において、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU21)や、専用のプロセッサ(例えば GPU:Graphics Processing Unit、ASIC:Application Specific Integrated Circuit、FPGA:Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス、等)を含むものである。
また、上記の実施形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は上記の実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
上記の実施形態では、ROM22に生体情報測定プログラムが記憶されている例について説明したが、生体情報測定プログラムの記憶先はROM22に限定されない。本開示の生体情報測定プログラムは、コンピュータ20で読み取り可能な記憶媒体に記録された形態で提供することも可能である。例えば生体情報測定プログラムをCD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)及びDVD-ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory)のような光ディスクに記録した形態で提供してもよい。また、生体情報測定プログラムを、USB(Universal Serial Bus)メモリ及びメモリカードのような可搬型の半導体メモリに記録した形態で提供してもよい。
ROM22、不揮発性メモリ24、CD-ROM、DVD-ROM、USB、及びメモリカードは非一時的(non-transitory)記憶媒体の一例である。
更に、生体情報測定装置10は、通信ユニット29と通信回線で接続された外部装置から生体情報測定プログラムをダウンロードし、ダウンロードした生体情報測定プログラムを非一時的記憶媒体に記憶してもよい。この場合、生体情報測定装置10のCPU21は、外部装置からダウンロードした生体情報測定プログラムを非一時的記憶媒体から読み込んで生体情報測定処理を実行する。
1、1A、1B 発光素子
3 受光素子
4 動脈
5 静脈
6 毛細血管
8 生体
10 生体情報測定装置
11 光電センサ
12 脈波処理部
13 酸素飽和度測定部
14 酸素循環時間測定部
15 心拍出量測定部
16 タイマ部
17 通知部
20 コンピュータ
21 CPU
22 ROM
23 RAM
24 不揮発性メモリ
25 I/O
26 バス
27 入力ユニット
28 表示ユニット
29 通信ユニット
30、32 酸素飽和度曲線
94 矢印
96、97 吸光量曲線
98 赤色領域
99 赤外線領域
H 基準値
S 酸素飽和度
T1 呼吸停止時間
T2 呼吸調整時間
T3 経過観察時間
TM1、TM2、TM3 タイマ
e1、e2 差分

Claims (9)

  1. プロセッサを備え、
    前記プロセッサは、
    予め定めた複数回の酸素循環時間の測定を行う場合、直前の測定回における予め定めた酸素循環時間の測定期間が終了する前に、酸素循環時間の被測定者に対して、次の測定回で酸素循環時間の測定を行うための準備行動である呼吸の停止を行うように通知する
    生体情報測定装置。
  2. 前記プロセッサは、呼吸を停止していた前記被測定者に呼吸の再開を指示してから、次の測定回で酸素循環時間の測定を行うために呼吸を再度停止するよう指示するまでの期間である呼吸調整時間を、前記被測定者における酸素循環時間の測定状況に応じて変動させる
    請求項1に記載の生体情報測定装置。
  3. 前記プロセッサは、前記被測定者における酸素循環時間の測定回が最終の測定回に近づくほど、前記呼吸調整時間が長くなるように前記呼吸調整時間を制御する
    請求項2に記載の生体情報測定装置。
  4. 前記プロセッサは、呼吸を停止していた前記被測定者に呼吸の再開を指示してから、前記被測定者の呼吸の再開に伴い、前記被測定者の血中の酸素飽和度が減少から増加に転じる変曲点が検出されるまでの期間を前記呼吸調整時間とする制御を行う
    請求項2に記載の生体情報測定装置。
  5. 前記プロセッサは、前記被測定者に対する最終の酸素循環時間の測定回では、前記変曲点が検出されるまで酸素循環時間の測定を終了しないように制御する
    請求項4に記載の生体情報測定装置。
  6. 前記プロセッサは、前記被測定者における酸素循環時間の測定回が最終の測定回に近づくほど、前記被測定者に呼吸を停止するように指示してから呼吸の再開を指示するまでの期間である呼吸停止時間を短くするように前記呼吸停止時間を制御する
    請求項1~請求項5の何れか1項に記載の生体情報測定装置。
  7. 前記プロセッサは、前記被測定者の血中の酸素飽和度の最低値と、酸素循環時間の測定に必要となる酸素飽和度の最低値を規定した予め定めた酸素飽和度の基準値と、の差分に応じて、前記被測定者に呼吸を停止するように指示してから呼吸の再開を指示するまでの期間である呼吸停止時間を変動させる
    請求項1~請求項5の何れか1項に記載の生体情報測定装置。
  8. 前記プロセッサは、前記最低値が前記基準値以下である場合、前記差分が大きくなるほど前記呼吸停止時間を短くし、前記最低値が前記基準値を超える場合、前記差分が大きくなるほど前記呼吸停止時間を長くする
    請求項7に記載の生体情報測定装置。
  9. コンピュータに、
    予め定めた複数回の酸素循環時間の測定を行う場合、直前の測定回における予め定めた酸素循環時間の測定期間が終了する前に、酸素循環時間の被測定者に対して、次の測定回で酸素循環時間の測定を行うための準備行動である呼吸の停止を行うように通知する処理を実行させるための
    生体情報測定プログラム。
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