JP2023037734A - 光照射方法及び光照射装置、並びに画像形成方法及び立体造形物の製造方法 - Google Patents

光照射方法及び光照射装置、並びに画像形成方法及び立体造形物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】被照射材料を担持する担持体の大きさを大幅に小さくすることができ、今までにない2Dプリンティング及び3Dプリンティングを実現できる光照射方法等の提供。【解決手段】光ビームを被照射材料に照射して飛翔させる光照射方法であって、前記被照射材料が担持された担持体に光ビームを照射する照射工程を含み、前記光ビームが前記担持体を透過した後、前記担持体の中空内へ進入して前記担持体の内側から前記被照射材料に飛翔可能なエネルギーを与える光照射方法である。【選択図】図1

Description

本発明は、光照射方法及び光照射装置、並びに画像形成方法及び立体造形物の製造方法に関する。
近年、固体及び液体材料の転写に使用されるレーザー励起前方転写(Laser-Induced Forward Transfer:LIFT)法が注目を集めている。このLIFT法はノズルを使用しないプロセスであるため、高粘度の被照射材料(ドナー)であっても飛翔できるという利点がある。
このようなLIFT法に関して、例えば、造形材料を担持する担持体と、造形物の表面にエネルギーを付与する手段と、エネルギーを付与された造形物の表面に向けて、担持体に担持されている造形材料を飛翔させる手段と、を備えている立体造形物の造形装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
本発明は、被照射材料を担持する担持体の大きさを大幅に小さくすることができ、今までにない2Dプリンティング及び3Dプリンティングを実現できる光照射方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としての本発明の光照射方法は、光ビームを被照射材料に照射して飛翔させる光照射方法であって、前記被照射材料が担持された担持体に光ビームを照射する照射工程を含み、前記光ビームが前記担持体を透過した後、前記担持体の中空内へ進入して前記担持体の内側から前記被照射材料に飛翔可能なエネルギーを与える。
本発明によると、被照射材料を担持する担持体の大きさを大幅に小さくすることができ、今までにない2Dプリンティング及び3Dプリンティングを実現できる光照射方法を提供することができる。
図1は、第1の実施形態に係る光照射装置の一例を示す概略図である。 図2の(a)~(c)は、被照射材料としての高粘度インクを飛翔させる方式のメカニズムについて説明する図である。 図3Aは、ビームプロファイルを変換するビーム変換手段を示す概略図であり、1枚のアキシコンレンズを動かすことで円環ビームの大きさを変更することを示している。 図3Bは、ビームプロファイルを変換するビーム変換手段を示す概略図であり、回折光学素子を用いた場合である。 図3Cは、ビームプロファイルを変換するビーム変換手段を示す概略図であり、液晶位相変調素子を用いた場合である。 図3Dは、ビームプロファイルを変換するビーム変換手段を用いて変換した、円環ビームの光強度分布を示す図である。 図4Aは、被照射材料の供給手段の一例を示す概略図である。 図4Bは、被照射材料の供給手段の他の一例を示す概略図である。 図5Aは、円筒状担持体の回転時に被照射材料が付与される付与領域を示す図である。 図5Bは、円筒状担持体の回転時に被照射材料が常に付与されない非付与領域を示す図である。 図6の(a)は円筒状担持体を透過時の透過波面の収差を示す模式図であり、(b)は図6の(a)中のY部分の拡大図である。 図7は、ダブルシリンドリカルレンズを使用した波面収差補正装置の一例を示す図である。 図8は、スキャナ後にテレセントリックfθレンズを有するテレセントリック光学系の一例を示す概略図である。 図9は、1つの光ビームに対して、第1の円筒状担持体(D1)と第2の円筒状担持体(D2)の2つの円筒状担持体を有する光照射装置の一例を示す概略図である。 図10は、第1の実施形態の変形例1に係る光照射装置の一例を示す概略図である。 図11は、第2の実施形態に係る光照射装置の一例を示す概略図である。 図12は、第3の実施形態に係る光照射装置の一例を示す概略図である。 図13は、立体造形物の製造装置の一例を示す概略図である。 図14は、1回ごとに被照射材料(ドナー)を担持した透明基板をセットする従来の光照射装置の一例を示す概略図である。 図15は、従来のロール材供給方式の光照射装置の一例を示す概略図である。 図16は、従来の担持体としての回転ドラム又は周回する透明シートの中心に光源、ミラー、及び偏向手段を配置した光照射装置の一例を示す概略図である。
(光照射方法及び光照射装置)
本発明の光照射方法は、光ビームを被照射材料に照射して飛翔させる光照射方法であって、前記被照射材料が担持された担持体に光ビームを照射する照射工程を含み、前記光ビームが前記担持体を透過した後、前記担持体の中空内へ進入して前記担持体の内側から前記被照射材料に飛翔可能なエネルギーを与え、更に必要に応じてその他の工程を含む。
本発明の光照射装置は、光ビームを被照射材料に照射して飛翔させる光照射装置であって、前記被照射材料が担持された担持体に光ビームを照射する照射手段を有し、前記光ビームが前記担持体を透過した後、前記担持体の中空内へ進入して前記担持体の内側から前記被照射材料に飛翔可能なエネルギーを与え、更に必要に応じてその他の手段を有する。
本発明の光照射方法は、本発明の光照射装置により好適に実施することができ、前記照射工程は前記照射手段により行うことができ、前記その他の工程は前記その他の手段により行うことができる。
従来技術では、被照射材料を連続的に供給する構成とするため、担持体としての回転ドラム又は周回する透明シートの中心に光源、ミラー、及び偏向手段を配置しなければならない。その場合、図16に示すように装置の大型化が避けられない。具体的には、ガルバノスキャナで2次元描画するためには、直径200mm以上の大きさの回転ドラムが必要となり、装置が大型となってしまうという問題がある。
本発明においては、被照射材料が担持された担持体に光ビームを照射し、光ビームが担持体を透過した後、担持体の中空内へ進入して担持体の内側から被照射材料に飛翔可能なエネルギーを与えることによって、被照射材料を担持する担持体の大きさを大幅に小さくすることができ、装置の小型化を実現できる。
ここで、光ビームが担持体を透過するとは、光ビームが担持体を通り抜けることを意味し、担持体の内部に光ビームが侵入しただけではない。
<照射工程及び照射手段>
照射工程は、被照射材料が担持された担持体に光ビームを照射する工程であり、照射手段により実施される。
<<被照射材料>>
被照射材料とは、光ビームの照射によって飛翔、又は被転写物への付着等の所望の処理を施すことができる材料を意味する。
被照射材料としては、その形態、大きさ、材質などについては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
被照射材料の形態としては、例えば、液体、固体、粉体などが挙げられる。特に、高粘性体又は固体を飛翔可能としたことは、従来のインクジェット記録方式には成し得ない長所となっている。
被照射材料が固体又は粉体であれば、被照射材料の形態としては、光ビームを照射する際に被照射材料が粘性を有する状態であることが好ましい。具体的には、固体又は粉体を飛翔させたい場合には、例えば、光ビームを照射する前に加熱して溶融状態にして粘性を有する形態にすることが好ましい。
液体の被照射材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、顔料及び溶剤を含むインク、導電体及び溶剤を含む導電性ペーストなどが挙げられる。なお、溶剤を含むインクに光ビームが照射されると、溶剤が光を吸収しない場合には、溶剤以外の光を吸収する含有物に光ビームのエネルギーが付与され、その含有物とともに溶剤が飛翔する。
液体の被照射材料の粘度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50,000mPa・s以下が好ましく、5,000mPa・s以下がより好ましい。粘度が高すぎると表面張力による効果が得られにくい。これらの点から、UV硬化系のインクが好適である。
なお、粘度は、例えば、回転粘度計(東機産業株式会社製、VISCOMATE VM-150III)などを用いて25℃の環境下で測定することができる。
導電性ペーストは、導電体を含むインクであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、回路基板の製造方法において公知乃至慣用の導電性ペーストなどが挙げられる。
導電体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、銀、金、銅、ニッケル、ITO、カーボン、カーボンナノチューブ等の導電性を有する無機粒子;ポリアニリン、ポリチオフェン(例えば、ポリ(エチレンジオキシチオフェン)等)、ポリアセチレン、ポリピロール等の導電性の有機高分子からなる粒子などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
導電性ペーストの体積抵抗率としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、通常の電極用途として使用できる点から10Ω・cm以下が好ましい。
粉体の被照射材料としては、例えば、顔料及び結着樹脂を含むトナー又は半田ボールのような金属微粒子などが挙げられる。
この場合、光ビームが照射されると、顔料に光ビームのエネルギーが付与され、顔料とともに結着樹脂がトナーとして飛翔する。なお、粉体の被照射材料としては、顔料のみとしてもよい。
固体の被照射材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スパッタ又は蒸着により製膜された金属薄膜、分散体などの粉体を押し固めたものなどが挙げられる。
金属薄膜としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。金属としては、例えば、銀、金、アルミニウム、白金、銅などの蒸着やスパッタ加工が可能な一般的な金属が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
金属薄膜を飛翔させて画像パターンを形成する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、予めガラスフィルムなどの基材上に金属薄膜を作製し、金属薄膜に光ビームを照射して飛翔させることで画像パターンを形成させる方法が挙げられる。また、他の方法としては、非画像部を飛翔させることで画像パターンを形成させる方法などが挙げられる。
粉体を押し固めたものとしては、所定の平均厚みである膜(層)状であることが好ましく、基材の表面に膜(層)状の固体を担持されるようにしてもよい。
被照射材料の大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
被照射材料の平均厚み(膜厚)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、3μm以上が好ましく、5μm以上がより好ましく、5μm以上35μm以下が更に好ましい。被照射材料の平均厚みを上記の好ましい範囲とすることにより、光ビームを照射した時の被照射材料の飛散を抑制することができる。
本発明の一態様において、担持体は円筒形状及び周回可能なシート形状のいずれかであることが好ましい。
担持体が円筒形状であると、円筒状担持体が回転することによって、被照射材料を繰り返し連続付与可能である。
円筒形状とは、内部が空洞(中空)である場合に限らず、中心まで材料が充填されている円柱形状も含まれる。
円筒状担持体の材質としては、レーザー光に対して透明であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、波長532nm等の光ビームの場合には、BK7、合成石英等のガラス材料が好ましく、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)等のプラスチック材料であってもよい。
担持体がシート形状であると、帯状のシートの片方の端と、他方の端に貼り合わせたシームレスな形状となっており、周回可能な構成とすることができ、ローラを回転させることにより、被照射材料を連続供給することができる。
シートの材質としては、レーザー光に対して透明であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム等のポリマー、又はガラスフィルムなどが挙げられる。
本発明の一態様において、担持体が円筒形状であり、円筒状担持体が回転することにより繰り返し被照射材料を付与し、光ビームを前記被照射材料の背面側から照射することにより、円筒状担持体と被照射材料の界面に外気圧以上の気化領域を有し、この気化領域の圧力により被照射材料に飛翔させるエネルギーを与える。この態様では、レーザーは、回転可能な円筒状担持体を透過して、円筒状担持体の中空内に進入させた後、被照射材料の背面から照射することにより、円筒状担持体内に光学素子を配置する必要が無くなるため、装置を大幅に小型化できる。
ここで、「外気圧以上の気化領域」について説明する。例えば、室温環境から被照射材料が気化し始める上昇温度がTb(K)であるとき、光軸を取り囲む下式(1)を満たすように被照射材料に対して光(光ビーム)を照射すると、被照射材料が外気圧以上となり気化した領域、即ち、外気圧以上の気化領域を発生させることができる。ここで、開放系である場合には、「外気圧」は大気圧を意味する。
Q≧Tb(v・c・ρ)・・・式(1)
ここで、式(1)中、vは体積(kg)、cは比熱(J/(kg・K))、ρは密度(kg/m)である。
このとき、Q(J)は入熱量であり光の照射エネルギー量ではない。前記被照射材料の光エネルギーの吸収率又は吸収係数を考慮することで、外気圧以上の気化領域を発生させるのに必要な光の照射エネルギー量(エネルギー密度)を求めることができる。
本発明の一態様において、円筒状担持体が、周回方向に対して180度以上の非付与領域を有することが好ましい。
この態様によると、円筒状担持体が周方向に対して、半分以上(180度以上)の非付与領域を有することにより、レーザーは非付与領域から透明担持体に進入することができ、照射エネルギーの再現性を高めることができる。
本発明の一態様において、円筒状担持体を通過したときに生じる波面収差を補正する工程を含む。この態様によると、円筒透明担持体を通過したときに生じる波面収差を補正できるので、ダブルシリンダ等の収差補正手段を用いることにより、ビームプロファイルがひずむことなく狙いの光強度分布で、被照射材料に照射させることができる。
本発明の一態様において、複数の円筒状担持体を有し、複数の円筒状担持体に照射する光ビームを選択する工程を含む。この態様によると、複数の円筒状担持体を用いることによってスループットを上げることができる。
本発明の一態様において、スキャナ後の光学系としてテレセントリック光学系を有することが好ましい。この態様により、スキャナ後の光学系にテレセントリック光学系を有することで、担持体のどの位置からでも垂直に入射させることが可能となり、ロバスト性が向上する。
テレセントリック光学系とは、レンズの片側において光軸と主光線が平行とみなせるような光学系を意味する。
本発明の一態様において、被照射材料を担持体に供給する供給手段を有する。この態様によると、被照射材料を担持体に連続的かつ均一な厚みで供給することができる。
本発明の一態様において、光ビーム波面の位相分布を変換することにより、所望のビームプロファイルに変換する手段を有する。この態様によると、非球面レンズ、回折光学素子(Diffractive Optical Element;DOE)、又は液晶変調素子を用いて、円環ビーム、トップハットビーム及び均熱照射ビームを生成することにより、被照射材料に最適な光強度分布のプロファイルを照射することができる。
本発明の一態様において、走査光学系を有し、被照射材料を2次元的又は3次元的に描画する手段を有する。この態様によると、走査光学系を有することにより、2次元的描画装置又は立体造形装置を提供することができる。
<その他の工程及びその他の手段>
その他の工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、供給工程、波面収差補正工程、光ビーム選択工程、ビームプロファイル変換工程、描画工程、制御工程などが挙げられる。
その他の手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、供給手段、波面収差補正手段、光ビーム選択手段、ビームプロファイル変換手段、描画手段、制御手段などが挙げられる。
ここで、本発明の光照射方法及び光照射装置の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。また、下記構成部材の数、位置、形状などは本実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好ましい数、位置、形状などにすることができる。
<第1の実施形態>
図1は、第1の実施形態に係る光照射装置20の一例を示す概略図である。この図1の光照射装置20は、被照射材料1が担持されている円筒状担持体2と、被照射材料1を担持体に付与する付与手段7と、担持体上に残った被照射材料を回収するクリーナー6と、集光レンズ4と、ビーム変換素子5と、光ファイバー9と、レーザー発振器10とを有しいている。なお、図1中3は転写ユニット、8は被転写物(ワーク)である。
円筒状担持体2の材料としては、レーザー光に対して透明であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、波長532nm等の光ビームの場合には、BK7、合成石英等のガラス材料が好ましく、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)等のプラスチック材料であってもよい。
なお、本発明において円筒状の形状とは、内部が空洞(中空)である場合に限らず、中心まで材料が充填されている円柱形状も含まれる。
円筒状担持体2には、被照射材料1を付与することが可能な被照射材料の付与手段7と、被照射材料1を回収するクリーナー6とが配置されている。円筒状担持体2が回転することにより、被照射材料1は繰り返し付与可能な構成となっている。
レーザー発振器10から出射したレーザー光は、光ファイバー9により伝送され、転写ユニット3に到達する。レーザー光は、必要に応じて、ビーム変換素子5により所望のビームに変換され、集光レンズ4を通過する。
集光レンズ4を通過したレーザー光は、円筒状担持体2を透過し、円筒状担持体2の内側へ進入して円筒状担持体2の内側から被照射材料1を飛翔させる。即ち、円筒状担持体2の外側に付与されている被照射材料1を円筒状担持体2越しに背面からレーザー光で照射する。これにより、円筒状担持体2と被照射材料1の界面に外気圧以上の気化領域が生じ、この気化領域の圧力で被照射材料1を飛翔させるエネルギーを受け、被照射材料1を飛翔させ、ワーク(被転写物)8に付着させることができる。
被転写物(ワーク)8としては、被照射材料が接触できれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、従来、画像形成装置で用いられている記録媒体、中間転写ベルト、立体造形物を形成するための造形物支持基板などが挙げられる。なお、本明細書においては、前記被転写物を被転写媒体と称することもある。
前記記録媒体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、コート紙、上質紙、フィルム、布、繊維などが挙げられる。
レーザー発振器10におけるビームプロファイルは、一般的はガウシアンビームを使うことがあるが、被照射材料1の粘度が0.1Pa以上の高粘度材料であれば、円環ビームのプロファイルを照射することが好ましい。また、被照射材料が固体に近い材料であればトップハットビーム等のフラットな光強度分布で均熱照射ビームのプロファイルを用いてもよい。
ビーム変換素子5としては、例えば、特殊レンズ、回折素子DOE、又は位相変調素子などを用いて特性に合わせて所望のビームに適切に変換される。
ここで、被照射材料としての高粘度インクを高品質に飛翔させる方式のメカニズムについて説明する。
図2の(a)に示すように、透明基板41と被照射材料42の境界領域にリング状の蒸気の気泡(以下、「バブルリング」と称する)43が発生する。
このバブルリング43は、図2の(b)に示すように、軸45に向かって内向きの圧力を生成する。バブルリング43は非常に高い圧力で急速に膨張し、被照射材料42を包み込みながら前方に移動する。そして、被照射材料42は、図2の(c)に示すように、押し出されて飛翔し、ワークに着弾する。
以下、バブルリング43の圧力に基づいて被照射材料を飛翔するLIFT法をBubble Ring(BR)-LIFT法と称する。
図3A~図3Dは、ビームプロファイルを変換するビーム変換手段を示す概略図である。
図3Aに示すように、1枚のアキシコンレンズ51を動かすことで円環ビームの大きさを変更することができる。
図3Bは、図3Aのアキシコンレンズの代わりに回折光学素子(diffractive optical element;「DOE」と称する)52を用いた例であり、回折光学素子(DOE)52を用いると、あらかじめ決められた波面を作りこむことが可能である。
なお、1枚の頂角の異なるアキシコンレンズや位相パターンの異なる回折光学素子(DOE)を複数用意しておき、被照射材料の種類に応じて差し替えれば、被照射材料の種類に応じて最適な光強度を照射することができる。
別の方法としては、液晶位相変調素子(SLM)を用いてもよい。
液晶位相変調素子(SLM)を用いると、時間変調可能であるため、円錐波面、Vortex波面、あるいはそれらの複合波面を重畳させた波面を生成してもよい。図3Cは、反射型液晶位相変調素子53とプリズム54を組み合わせた例である。
図3Dは、ビーム変換手段を用いて変換した円環ビームの光強度分布を示す図である。本実施形態の光照射装置は、円筒状担持体の内側に光学部品を必要としない構成であるため、円筒状担持体の円筒径をΦ100mm以下に小さくすることが可能である。また、被照射材料の付与手段を小さくすることにより、円筒状担持体の円筒径をΦ30mmあるいはそれ以下にすることも可能である。更にスキャナ機能を必要としない場合、円筒状担持体の円筒の高さ方向をビーム径サイズまで小さくすることができ、従来に比べて大幅に小型化が実現できる。
このように光照射装置を小型化することにより、図示しないロボットアームに光照射装置を取り付けることも可能となり、ロボットアームが3次元的に動くことで、任意の3次元空間に被照射材料を転写させることが可能となる。
図4Aは、被照射材料の供給手段の一例を示す概略図である。この図4Aの被照射材料の供給手段110は、被照射材料1を貯留する貯留槽101と、供給ローラ102と、規制ブレード103と、円筒状担持体2とを有している。
供給ローラ102は、円筒状担持体2と当接するように配置され、貯留槽101の被照射材料11に一部が浸漬されている。供給ローラ102は、図示を省略する回転駆動部によって、又は円筒状担持体2の回転に従動して、図4A中矢印方向(時計回り方向)に回転しながら被照射材料1を担持体の周面に付着させる。
供給ローラ102の周面に付着した被照射材料1は、規制ブレード103により平均厚みを均一にされる。その後、規制ブレード103が上下することで、被照射材料の通過するギャップが制限されることにより、所望の膜厚で付与され、層として供給される。
図4Bは、被照射材料の供給手段の別の一例を示す概略図である。この図4Bの被照射材料の供給手段111は、図4Aの供給ローラ102と円筒状担持体2の間に付与ローラ104を有する構成である。なお、付与ローラ104以外の構成は、図4Aと同様なのでその説明を省略する。
この図4Bの被照射材料の供給手段111によると、被照射材料1を一旦付与ローラ104に付与し、膜厚制御ブレード105で被照射材料の膜厚を制御することにより、より均一に被照射材料1を円筒状担持体2に付与することができる。
図5Aは、円筒状担持体の回転時に被照射材料が付与される付与領域を示す図である。図5Bは、円筒状担持体の回転時に被照射材料が常に付与されない非付与領域を示す図である。
なお、図5A及び図5B中106はミラー、107はビーム変換手段である。
円筒状担持体2に付与された被照射材料1は、クリーナー6で回収されるものの、僅かながらも円筒状担持体2上に被照射材料が残っている。光ビームが円筒状担持体2を透過して、円筒状担持体2の内側へ進入する光路に残った被照射材料があると、レーザーの波面が乱れてしまい、被照射材料での光強度分布が理想からずれるという懸念がある。そこで、図5Bに示すように、非付与領域を作ることにより、光が入射する側のガラス面には、被照射材料1を付与しない。その結果、残った被照射材料によるレーザー波面の乱れを除去することができ、良好な転写品質を得ることができる。
非付与領域を作製する方法として、円筒状担持体2の回転に同期して、被照射材料の付与手段7が円筒状担持体2から離れることにより、付与を止める方法などが挙げられる。
円筒状担持体を2度通過することにより、光ビームの透過波面は収差を生じる。図6の(a)は円筒状担持体2を透過時の透過波面の収差を示す模式図であり、図6の(b)は図6の(a)中のYの部分拡大図である。円筒方向に対しては、中心よりも周辺の方が、ガラスが厚いため、周辺の光路長が長くなり、凹レンズ効果となる。一方、母線方向に対しては、光路差は生じない。したがって、図6の(b)に示すようなシリンダ波面状の非点収差が生じる。非点収差のような波面収差があると、バブルリングを作るための円環ビームへのビーム変換が正しくできなくなる。非点収差は、BR-LIFT法において排除すべき最も重要な要素の1つといえる。このため、波面収差を相殺するための収差補正を行うことが必要となる。
図7は、ダブルシリンドリカルレンズを使用した波面収差補正手段の一例を示す図である。この図7の波面収差補正手段108は、第1のレンズCYL1と第2のレンズCYL2の両方が凸シリンドリカルレンズである。シリンダレンズとは、x軸方向とy軸方向で焦点が異なることを意味する。ここで、第1のレンズCYL1の主点と第2のレンズCYL2の主点との間の距離は、距離Lとして定義される。
Lがレンズの焦点距離fの2倍(2fx)に等しい場合、x軸とy軸の焦点位置は一致します。
Lが2倍(2fx)より大きい場合、x軸に沿った焦点位置はレーザーに向かってシフトする。一方、Lが2倍(2fx)より小さい場合、x軸に沿った焦点位置はワークに向かってシフトする。どのような条件下でも、y軸に沿った焦点位置は一定である。
したがって、この図7の波面収差補正手段108は、x軸に沿ってのみ焦点位置をシフトすることを可能にする。これにより、x方向に独立したシリンダ波面を作ることができ、収差を補正することができる。
波面収差補正手段としては、ダブルシリンドリカルレンズ方式の他に、回折素子DOEや、位相変調素子SLMを使う方式などがある。
なお、収差量について曲面による変形量ΔLは、円筒半径をrとし、ビーム半径をxとすると、ΔL=x/(2r)となる。
円筒半径r=30mm、ビーム半径x=0.05mmのときには、ΔL=0.05/2×30=4.2e-5mmであり、無視できるほど十分に小さいため、平面と同様に考えて差し支えない。
円筒半径r=3mm、ビーム半径x=0.05mmのときには、ΔL=0.05/2×30=4.2e-4mmであり、無視できるほど十分に小さいため、平面と同様に考えて差し支えない。
図8は、スキャナ後にテレセントリックfθレンズ109を有するテレセントリック光学系の一例を示す概略図である。テレセントリック光学系とは、レンズの片側において光軸と主光線が平行とみなせるような光学系である。これにより、円筒状担持体2の母線方向に走査したときに、光ビームが母線の各点に対して、垂直に入射することができる。その結果、円筒状担持体の位置に関わらず、再現性の高い転写を実現することが可能である。
図9は、1つの光ビームに対して、第1の円筒状担持体D1、第2の円筒状担持体D2の2つの円筒状担持体を有する光照射装置の一例を示す概略図である。第1の円筒状担持体D1は非付与領域が上側、第2の円筒状担持体D2は非付与領域が下側の構成となっている。
円筒状担持体の回転角に連動して偏向スキャナ111の角度を変化させて、光ビームが照射する第1の円筒状担持体D1と第2の円筒状担持体D2を切り替えることができる。非付与領域が上側のときにレーザーが照射できるように連動させることにより、1つの光ビームで1ドラム方式に比べて2倍に生産性を上げることができる。
<第1の実施形態の変形例1>
図10は、第1の実施形態の変形例1に係る光照射装置21を示す概略図である。なお、第1の実施形態の変形例1において、既に説明した第1の実施の形態と同一の構成については、同じ参照符号を付してその説明を省略する。
この第1の実施形態の変形例1では、被照射材料の付与手段として、ディスペンサ12を用いている。被照射材料を吐き出すシリンジ部と被照射材料を随時供給する被照射材料の供給手段13を有している。これにより、被照射材料を大量に使用するアプリケーションにも対応でき、被照射材料の供給手段13側の寸法的制約が無くなるので、転写ユニット3を直径Φ6mm以下という極限まで小型化することができる。
<第2の実施形態>
図11は、第2の実施形態に係る光照射装置22の一例を示す概略図である。なお、第2の実施形態において、既に説明した第1の実施の形態と同一の構成については、同じ参照符号を付してその説明を省略する。
この第2の実施形態に係る光照射装置22は、レーザー光源、ビーム整形手段、ビーム変換手段を有している。
波長1064nmのNd:YAGレーザー光源ユニットから射出したレーザーを、空間アイソレータ、λ/4板、コリメートレンズを通過させた。
音響光学偏向素子(AOM)は、PC及びコントローラからのON/OFF信号をもとに、0次光と1次光に時間的に分離することで、レーザー光源の周波数を制御した。ミラーとレンズを通過する際に0次光はカットされ、1次光のみが非線形光学結晶(SHG素子)を通過し、非線形光学効果により、2次高調波(SHG)が発生し、波長532nmのGreen光を発生させた。ハーモニックセパレータHSにより、基本波と2次高調波を分離させ、Green単色のビームを得た。
得られたGreen光は、収差補正や縦横変倍素子により、位相分布と強度分布を補正され、ズームレンズを通過して、円環ビームなどに変換するビーム変換素子に入射されるようにした。その後、ミラー、ND、その他の光学素子を通過して、ガルバノミラー14などの光偏向器で反射され、fθレンズ15を介して円筒状担持体2を透過して、被照射材料1を照射する構成となっている。
ガルバノミラー14は、円筒状担持体2の母線方向にスキャンする構成となっている。
ワーク8はある大きさの平板でもよいし、ロール材で矢印方向に連続的に供給される構成であってもよい。この構成により、2次元転写を繰り返し描画することが可能となる。
更に、ワーク8下の試料台ステージ16をz軸に沿って、移動させることにより、3次元形状を造形することが可能となる。
図14に示す従来の光照射装置は、1回ごとに被照射材料(ドナー)を担持した透明基板をセットするため、品質は良好であるが、大量生産には不向きである。これに対し、図1に示す第1の実施形態の光照射装置20、図10に示す第1の実施形態の変形例1に係る光照射装置21、及び図11に示す第2の実施形態の光照射装置22は、いずれも円筒状担持体2により被照射材料1が連続的に供給されるので、被照射材料を担持する担持体の大きさを大幅に小さくすることができると共に、大量生産に適している。
<第3の実施形態>
図12は、第3の実施形態に係る光照射装置23の一例を示す概略図である。なお、第3の実施形態において、既に説明した第1の実施の形態と同一の構成については、同じ参照符号を付してその説明を省略する。
この第3の実施形態に係る光照射装置23は、円筒状担持体の代わりに透明シート117を用いている。帯状の透明シートの片方の端と、他方の端に貼り合わせたシームレスな形状となっており、周回可能な構成となっている。
透明シート117としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム等のポリマー、又はガラスフィルムなどが挙げられる。ローラを回転させることにより、透明シート117が周回し被照射材料を連続供給することができる。
被照射材料の供給手段110は、被照射材料1を貯留する貯留槽101と、供給ローラ102と、規制ブレード103と、第1のシートローラ114と、第2シートローラ116を有している。
供給ローラ102は、第1シートローラ114と当接するように配置され、貯留槽101の被照射材料1に一部が浸漬されている。供給ローラ102は、図示を省略する回転駆動部によって、又は第1シートローラ114の回転に従動して、矢印方向(時計回り方向)に回転しながら被照射材料1を周面に付着させる。
供給ローラ102の周面に付着した被照射材料1は、規制ブレード103により平均厚みを均一にされる。その後、第1シートローラ114から送出される透明シート117上に転移することにより層として供給される。
透明シート117は、供給された被照射材料1を、ワーク8に対向する側の面に分子間力によって担持する。なお、エアー吸着や静電吸着によって、透明シート117による被照射材料1の担持力を補強してもよい。
モータ等の駆動部による回転によって、第2シートローラ116により透明シート117は-y方向に走行する。被照射材料1はクリーナー6で回収され、透明シート117は、再び第1シートローラ114に達し、周回する。
光照射部118により飛翔用光ビームは、-y方向に走行する透明シート117を透過し、第1シートローラ114と第2シートローラ116の間に配置された光照射部118に対向する位置で、被照射材料1を担持して走行する透明シート117側から、被照射材料1を照射する。
図15に示す従来のロール材供給方式の光照射装置は、連続駆動させるには非常に長いロールが必要であり、1回使用後にロール材を廃棄するため環境性に劣る。また、ロール材を再利用する場合にも洗浄剤などが必要であるため環境に優しくない。これに対して、図12に示す第3の実施形態の光照射装置23は、連続駆動するシームレスな透明シートを担持体としているため、大量生産が可能であり、環境に優しく極めて省エネルギーであるといえる。
(画像形成方法)
本発明の画像形成方法は、本発明の光照射方法からなる工程を含み、更に必要に応じてその他の工程を含む。
画像形成を行う場合には被照射材料として着色剤が用いられる。着色剤としては、その形状、材質などについては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
液体の着色剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、溶剤としての水に、染料、顔料、着色粒子、着色油滴などの色材を分散させた水性インクが使用可能である。
また、水性インクに限らず、溶剤として、例えば、炭化水素系の有機溶剤や各種アルコールなど、比較的低沸点の液体を含んだ着色剤も使用可能である。これらの中でも、揮発成分の安全性、及び爆発の危険性などの点から、水性インクが好ましい。
また、画像形成装置では、版を用いるオフセット印刷用のプロセスインク、JAPAN COLOR対応インク、特色インクなどでも画像形成が可能であるため、オフセット印刷で用いる色に合わせたデジタル画像を無版で容易に再現することができる。
更に、UV硬化インクでも画像形成が可能であるため、定着工程において紫外線を照射して硬化することにより、重なった記録媒体が貼り付くブロッキングの防止、及び乾燥工程の簡略化ができる。
色材の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、有機顔料、無機顔料、染料などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
有機顔料としては、例えば、ジオキサジンバイオレット、キナクリドンバイオレット、銅フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、サップグリーン、モノアゾイエロー、ジスアゾイエロー、ポリアゾイエロー、ベンズイミダゾロンイエロー、イソインドリノンイエロー、ファーストイエロー、クロモフタルイエロー、ニッケルアゾイエロー、アゾメチンイエロー、ベンズイミダゾロンオレンジ、アリザリンレッド、キナクリドンレッド、ナフトールレッド、モノアゾレッド、ポリアゾレッド、ペリレンレッド、アンスラキノニルレッド、ジケトピロロピロールレッド、ジケトピロロピロールオレンジ、ベンズイミダゾロンブラウン、セピア、アニリンブラックなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
有機顔料のうち金属レーキ顔料としては、例えば、ローダミンレーキ、キノリンイエローレーキ、ブリリアントブルーレーキなどが挙げられる。
無機顔料としては、例えば、コバルトブルー、セルリアンブルー、コバルトバイオレット、コバルトグリーン、ジンクホワイト、チタニウムホワイト、チタンイエロー、クロムチタンイエロー、ライトレッド、クロムオキサイドグリ-ン、マルスブラック、ビリジャン、イエローオーカー、アルミナホワイト、カドミウムイエロー、カドミウムレッド、バーミリオン、リトポン、ウルトラマリーン、タルク、ホワイトカーボン、クレー、ミネラルバイオレット、ローズコバルトバイオレット、シルバーホワイト、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化亜鉛、硫化亜鉛、硫化ストロンチウム、アルミン酸ストロンチウム、黄銅、金粉、ブロンズ粉、アルミニウム粉、真鍮顔料、アイボリーブラック、ピーチブラック、ランプブラック、カーボンブラック、プルシャンブルー、オーレオリン、雲母チタン、イエローオーカー、テールベルト、ローシェンナ、ローアンバー、カッセルアース、白亜、石膏、バーントシェンナ、バーントアンバー、ラピスラズリ、アズライト、マラカイト、オーピメント、辰砂、珊瑚末、胡粉、ベンガラ、群青、紺青、魚燐箔、酸化鉄処理パールなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、ブラック顔料としては、色相、画像保存性の点から、カーボンブラックが好ましい。
シアン顔料としては、色相、画像保存性の点から、銅フタロシアニンブルーであるC.I.ピグメントブルー15:3が好ましい。
マゼンタ顔料としては、キナクリドンレッドであるC.I.ピグメントレッド122、ナフトールレッドであるC.I.ピグメントレッド269、ローダミンレーキであるC.I.ピグメントレッド81:4などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、色相、画像保存性の点から、C.I.ピグメントレッド122及びC.I.ピグメントレッド269の混合物がより好ましく、C.I.ピグメントレッド122(P.R.122)及びC.I.ピグメントレッド269(P.R.269)の混合物としては、P.R.122:P.R.269が5:95以上80:20以下の混合物が特に好ましい。P.R.122:P.R.269が特に好ましい範囲内であると、色相がマゼンタ色として外れない。
イエロー顔料としては、モノアゾイエローであるC.I.ピグメントイエロー74、ジスアゾイエローであるC.I.ピグメントイエロー155、ベンズイミダゾロンイエローであるC.I.ピグメントイエロー180、イソインドリンイエローであるC.I.ピグメントイエロー185などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、色相及び画像保存性の点から、C.I.ピグメントイエロー185が好ましい。
被照射材料を着色剤としてのプロセスカラーインクとして用いる場合、4色のインクセットで用いることが好ましい。
無機顔料は、体積平均粒径が10μmを超える粒子からなるものが多い。体積平均粒径が10μm以上の無機顔料を着色剤として用いる場合、着色剤としては、液体であることが好ましい。着色剤が液体であれば、静電気力など非静電付着力以外の力を用いることなく着色剤を安定した状態で維持できる点で有利である。また、この場合、ノズルつまりやインクの沈降などが顕著となりやすく、安定した連続印刷プロセスは望みにくいインクジェット記録方式と比較すると、本発明の画像形成方法は、非常に有効である。更に、着色剤の粒子の表面積が小さくなると十分な帯電量が得られず、安定した連続印刷プロセスとして成立しない電子写真方式と比較しても、本発明の画像形成方法は、非常に有効である。
染料としては、例えば、モノアゾ染料、ポリアゾ染料、金属錯塩アゾ染料、ピラゾロンアゾ染料、スチルベンアゾ染料、チアゾールアゾ染料、アントラキノン誘導体、アントロン誘導体、インジゴ誘導体、チオインジゴ誘導体、フタロシアニン染料、ジフェニルメタン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料、アクリジン染料、アジン染料、オキサジン染料、チアジン染料、ポリメチン染料、アゾメチン染料、キノリン染料、ニトロ染料、ニトロソ染料、ベンゾキノン染料、ナフトキノン染料、ナフタルイミド染料、ペリノン染料などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
着色剤の粘度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
記録媒体に浸透する液体の着色剤を用いた場合、記録媒体に付与した着色剤がフェザリングやブリーディングを発生することがあるが、本発明の光照射方法で取り扱いが可能である高粘度の着色剤にすると、記録媒体への浸透速度に対して乾きのほうが速いため、特にブリーディングの減少によって発色性の向上とエッジ部分の鮮鋭化が図れ、高画質の画像を形成することができる。また、着色剤を重ねて付与させる重ね打ちによる階調表現を行う場合にも、着色剤の量の増加による滲みも少なくすることができる。
更に、この光照射方法は、液体の着色剤を飛翔させて付与させるものであるため、例えば、フィルム状のドナー基板から熱により着色剤を溶融転写するいわゆる熱転写方式と比較すると、記録媒体に微小な凹凸が存在していても良好に記録を行うことができる。
<その他の工程及びその他の手段>
その他の工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、被転写物搬送工程、定着工程などが挙げられる。
その他の手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、被転写物搬送手段、定着手段などが挙げられる。
被転写物搬送工程としては、被転写物を搬送する工程であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、被転写物搬送手段を用いて好適に行うことができる。
被転写物搬送手段としては、被転写物を搬送することができれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、搬送ローラ対などが挙げられる。
定着手段としては、被転写物に付与させた前記被照射材料に含まれる被照射材料を定着させることができれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、加熱加圧部材を用いた熱圧着方式のものなどが挙げられる。
加熱加圧部材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、加熱ローラ、加圧ローラ、加熱ローラ及び加圧ローラを組み合わせたものなどが挙げられる。他の加熱加圧部材としては、例えば、これらに定着ベルトを組合せたもの、これらのうち加熱ローラを加熱ブロックに代えたものなどが挙げられる。
加圧ローラとしては、被転写物搬送手段により搬送される被転写物と等速度で加圧面が移動するものが、擦れによる画像劣化を抑制する点で、好ましい。この中でも、表面近傍に弾性層を形成したものが、被転写物に対して接触加圧しやすい点で、より好ましい。更に、最表面にシリコーン系の撥水性材料やフッ素化合物などの低表面エネルギーの素材で撥水性表面層を形成した加圧ローラが、表面に前記被照射材料が付与することによる画像の乱れを抑制する点で、特に好ましい。
シリコーン系の撥水性材料からなる撥水性表面層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シリコーン系離型剤の皮膜、シリコーンオイル又は各種変性シリコーンオイルの焼付皮膜、シリコーンワニスの皮膜、シリコーンゴムの皮膜、シリコーンゴムと各種金属、ゴム、プラスチック、セラミック等の複合物からなる皮膜などが挙げられる。
フッ素化合物からなる撥水性表面層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、フッ素樹脂の皮膜、有機フッ素化合物の皮膜、フッ素オイルの焼付皮膜又は吸着膜、フッ素ゴムの皮膜、若しくはフッ素ゴムと各種金属、ゴム、プラスチック、セラミック等の複合物からなる皮膜などが挙げられる。
加熱ローラにおける加熱温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、80℃以上200℃以下が好ましい。
定着ベルトとしては、耐熱性があり、機械的強度が高ければ特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリイミド、PET、PEN等のフィルムなどが挙げられる。また、定着ベルトとしては、表面に被照射材料が付与することによる画像の乱れを抑制する点で、加圧ローラの最表面を形成する材料と同じものを用いることが好ましい。定着ベルトは、肉厚を薄くすることができることにより、ベルト自体を加熱するエネルギーを小さくできるため、電源を入れてすぐに使用することができる。このときの温度及び圧力は定着させる被照射材料の組成により変化するが、温度としては200℃以下が省エネルギーの観点から好ましく、圧力としては1kg/cm以下が装置の剛性の点で好ましい。
本発明の画像形成方法及び画像形成装置においては、飛翔手段、供給手段、及び光走査手段を一体として飛翔ユニットとしてもよい。
例えば、被照射材料として色材を含有する着色剤を用いる場合における例を説明する。前記飛翔ユニットを画像形成装置に4つ設け、プロセスカラーであるイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの着色剤を飛翔させるようにしてもよい。着色剤の色数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、必要に応じて飛翔ユニット(以下、着色剤飛翔ユニットと称することもある)の数を増減させてもよい。また、記録媒体の搬送方向における、プロセスカラーの着色剤を有する飛翔ユニットの上流側に、白色の着色剤を有する前記飛翔ユニットを配置することで、白色隠蔽層を設けることが可能となるため、透明な記録媒体に色再現性に優れた画像を形成できる。ただし、特にイエロー、白色、透明の着色剤においては、光ビームの波長の光の透過率(吸光度)が適正となるように、レーザー光源を、例えば、ブルー光ビーム、紫外線光ビームなどに適宜選択してしなければならない場合がある。
更に、本発明の画像形成方法に係る画像形成装置では、高粘度の着色剤を用いることができるので、記録媒体上に順次異なる色の着色剤を重ねて画像を形成しても、着色剤が滲み出して交じり合うブリーディングの発生を抑制できるため、高画質のカラー画像を得ることができる。
本発明の画像形成方法に係る画像形成装置の小型化などを目的として、飛翔ユニットを1つだけ設け、供給ローラ及びドナー基板に供給する着色剤自体を切り替えて複数色の画像を形成するようにしてもよい。
(立体造形物の製造方法)
本発明の立体造形物の製造方法は、本発明の光照射方法からなる工程を含み、更に必要に応じてその他の工程を含む。
なお、立体造形物の製造方法における光照射方法からなる工程は、被転写物に対して立体造形材としての被照射材料を層として積み重ね、立体的に付与する。
-立体造形材-
立体造形材としては、被照射材料と同様に、その形状、材質などについては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。以下、立体造形物の製造方法における被照射材料としての立体造形材とした際に異なる点を説明する。
被転写物上に付与した立体造形材の一層当たりの平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、求められる精密さなどにより変化するが、5μm以上500μm以下が好ましい。被転写物上に付与した立体造形材の一層当たりの平均厚みが5μm以上500μm以下であると、立体造形物の精度、質感、滑らかさ、製造時間などの点で有利である。また、被転写物上に付与した立体造形材の一層当たりの平均厚みとしては、5μm以上100μm以下がより好ましい。被転写物上に付与した立体造形材の一層当たりの平均厚みがより好ましい範囲内であると、光ビームのエネルギーを低く抑えられ、立体造形材の劣化などを抑制する点で有利である。
立体造形材としては、硬化性材料を少なくとも含有してなり、更に必要に応じて、その他の成分を含有してなる。
--硬化性材料--
硬化性材料としては、活性エネルギー線(紫外線、電子線等)照射、加熱等により重合反応を生起し硬化する化合物であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、活性エネルギー線硬化性化合物、熱硬化性化合物などが挙げられる。これらの中でも、常温で液体の材料が好ましい。
活性エネルギー線硬化性化合物は、分子構造中にラジカル重合可能な不飽和二重結合を有する比較的低粘度のモノマーであり、単官能モノマー、多官能モノマーなどが挙げられる。
--その他の成分--
その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水、有機溶剤、光重合開始剤、界面活性剤、着色剤、安定化剤、水溶性樹脂、低沸点アルコール、表面処理剤、粘度調整剤、接着性付与剤、酸化防止剤、老化防止剤、架橋促進剤、紫外線吸収剤、可塑剤、防腐剤、分散剤などが挙げられる。
<その他の工程及びその他の手段>
その他の工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、供給工程、立体造形ヘッドユニット走査工程、被転写物位置調整工程、制御工程などが挙げられる。
<<硬化工程及び硬化手段>>
硬化工程は、被照射材料としての立体造形材を硬化する工程である。
硬化手段は、被照射材料としての立体造形材を硬化する手段である。
硬化手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、立体造形材が紫外線硬化性材料であれば、紫外線照射器などが挙げられる。
硬化工程としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、立体造形材が紫外線硬化性材料であれば、紫外線照射工程などが挙げられ、紫外線照射手段を用いて好適に行うことができる。
<<立体造形材供給工程及び立体造形材供給手段>>
立体造形材供給工程は、被照射材料が立体造形材であること以外は、本発明の画像形成方法における供給工程と同様であるため、その説明を省略する。
供給手段は、被照射材料が立体造形材であること以外は、本発明の画像形成装置における供給手段と同様であるため、その説明を省略する。
<<立体造形ヘッドユニット走査工程及び立体造形ヘッドユニット走査手段>>
立体造形ヘッドユニット走査工程は、飛翔ユニットと硬化手段とを一体とした立体造形ヘッドユニットを被転写物上の装置の幅(X軸)方向で走査させる工程である。
立体造形ヘッドユニット走査手段は、飛翔ユニットと前記硬化手段とを一体とした立体造形ヘッドユニットを被転写物上の装置の幅(X軸)方向で走査させる手段である。
また、立体造形ヘッドユニットは複数設けるようにしてもよい。
<<被転写物位置調整工程及び被転写物位置調整手段>>
被転写物位置調整工程は、装置の奥行き方向(Y軸)及び高さ方向(Z軸)に被転写物の位置を調整する工程である。
被転写物位置調整手段は、装置の奥行き方向(Y軸)及び高さ方向(Z軸)に被転写物の位置を調整する手段である。
被転写物位置調整手段としては、例えば、装置の奥行き方向(Y軸)及び高さ方向(Z軸)に被転写物の位置を調整可能な基体(ステージ)などが挙げられる。
<<制御工程及び制御手段>>
制御工程は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前述した画像形成装置の制御工程と同様である。
制御手段は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前述した画像形成装置の制御手段と同様である。
ここで、本発明の立体造形物の製造方法の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。また、下記構成部材の数、位置、形状などは本実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好ましい数、位置、形状などにすることができる。
<立体造形物の製造方法の実施形態>
立体造形物の製造方法の実施形態では、非線形光学結晶素子を用いて基準レーザー光の第2次高調波を発生させる。基準レーザー光を飛翔用光ビームとし、透明シートにおける被照射材料の担持面の所定領域に照射して被照射材料を飛翔させる。また、第2次高調波を固定用光ビームとし、他方の光ビームを被転写物上の所定領域に照射して被照射材料を被転写物に固定する。
図13は、立体造形物の製造装置の実施形態の一例を示す概略図である。この図13の立体造形物の製造装置1cにおける光照射部2cは、レーザー光源21cと、温度調整器210とを備えている。
立体造形物の製造装置1cは、造形する立体造形物200(造形過程にある造形物)を支持する被転写物(ワーク)8の下にステージ16を備えている。ステージ16は、矢印Y方向に往復移動可能であり、矢印Z方向に例えば造形厚み0.05mmピッチで上下動可能である。
ステージ16の下側にはステージ加熱ヒータ(不図示)が配置され、ステージ16は立体造形材としての被照射材料1に合わせた温度に制御される。
ステージ16の上方には、粒子状の被照射材料1を担持する回転部材からなる円筒状担持体2が配置されている。円筒状担持体2は、被照射材料1を担持して矢印方向(移送方向)に回転する円筒状担持体で構成され、ステージ16上の立体造形物の上方まで被照射材料1を移送する。円筒状担持体2は、透明な部材であり、円筒形状のガラス部材で構成しているが、これに限るものではない。
被照射材料1は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、樹脂の場合、例えば、PA12(ポリアミド12)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、PSU(ポリスルホン)、PA66(ポリアミド66)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、LCP(液晶ポリマー)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、POM(ポリアセタール)、PSF(ポリサルホン)、PA6(ポリアミド6)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)などが挙げられる。
また、被照射材料1は、結晶性樹脂に限らず、非晶性樹脂であるPC(ポリカーボネート)、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)、PEI(ポリエーテルイミド)、あるいは結晶性と非晶性の混合樹脂であってもよい。
また、被照射材料1は、樹脂の他、金属、セラミック、液体などの種々の材料を用いることができる。
被照射材料1は、1Pa・s以上の粘度を有する材料であってもよい。
円筒状担持体2の周面による被照射材料1の担持は、本実施形態では、分子間力(ファンデルワールス力)によって行っている。また、被照射材料1の抵抗値が高い場合、静電的な付着力だけでも担持できる。
円筒状担持体2の周囲には、円筒状担持体2の周面(表面)に被照射材料1を付与する付与手段7、クリーナー6が配置されている。
円筒状担持体2の内側には、円筒状担持体2の周面から被照射材料1を飛翔させる手段としての光照射部2cが配置されている。
レーザー光源21cは、基準レーザー光である飛翔用光ビーム211cと、基準レーザー光の第2高調波である固定用光ビーム221cとを射出する。一例として、飛翔用光ビーム211cは波長が1064nmの赤外線であり、固定用光ビーム221cは該赤外線の第2次高調波である波長532nmのGreen光である。ここで、飛翔用光ビーム211cの波長は第1の波長の一例であり、固定用光ビーム221cの波長は第2の波長の一例である。
飛翔用光ビーム211c、固定用光ビーム221cのそれぞれは、コリメートレンズ24、アパーチャ25、シリンドリカルレンズ26を通過してポリゴンミラー27に入射される。その後、ポリゴンミラー27で反射され、走査レンズ28によって、円筒状担持体2を透過して被照射材料1に照射される。
光照射部2cは、円筒状担持体2の内側から被照射材料1に対してパルス状の飛翔用光ビーム211c、固定用光ビーム221cを照射する。ここで、固定用光ビーム221cの照射位置が造形位置に対応する。
被照射材料1は、飛翔用光ビーム211cを照射されることで、円筒状担持体2の周面から飛翔用光ビーム211cの照射方向に飛翔する。
また、固定用光ビーム221cの照射により被転写物(ワーク)8上の立体造形物200に着弾した被照射材料1を加熱し、溶融させ、その後、被照射材料1が冷却することで立体造形物200と一体になり、立体造形物200が少なくとも1被照射材料分成長する。
このように、円筒状担持体2の連続回転によって被照射材料1を移送しながら、飛翔用光ビーム211cにより被照射材料1を飛翔させる処理と、固定用光ビーム221cにより着弾した被照射材料1を加熱して溶融させ、立体造形物200の表面に固定する処理を、造形が完了するまで繰り返す。
これによって、立体造形物を所要の形状まで成長させて立体造形物を造形することができる。
なお、本実施形態では、立体造形物200上に着弾させた被照射材料1に、固定用光ビーム221cを照射して溶融させる固定方式の例を示したが、これに限定されるものではない。固定用光ビーム221cを予め立体造形物200の表面に照射することで溶融させた立体造形物200の表面に、飛翔用光ビーム211cの照射で飛翔させた被照射材料1を着弾させ、その後の立体造形物表面の冷却により被照射材料1を固定する方式においても本実施形態を適用できる。固定用光ビーム221cの照射タイミングに対して飛翔用光ビーム211cの照射タイミングを遅延させることにより、このような方式を実行可能である。
以上、本発明の実施形態について記述したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
本発明の態様としては、例えば、以下のとおりである。
<1> 光ビームを被照射材料に照射して飛翔させる光照射方法であって、
前記被照射材料が担持された担持体に光ビームを照射する照射工程を含み、
前記光ビームが前記担持体を透過した後、前記担持体の中空内へ進入して前記担持体の内側から前記被照射材料に飛翔可能なエネルギーを与えることを特徴とする光照射方法である。
<2> 前記担持体が円筒形状及び周回可能なシート形状のいずれかである、前記<1>に記載の光照射方法である。
<3> 前記担持体が円筒形状であり、円筒状担持体が回転することにより繰り返し被照射材料を付与し、
前記光ビームを前記被照射材料の背面側から照射することにより、
前記円筒状担持体と前記被照射材料の界面に外気圧以上の気化領域を有し、該気化領域の圧力により前記被照射材料に飛翔させるエネルギーを与える、前記<1>から<2>のいずれかに記載の光照射方法である。
<4> 前記円筒状担持体が、周回方向に対して180度以上の非付与領域を有する、前記<3>に記載の光照射方法である。
<5> 前記円筒状担持体を通過したときに生じる波面収差を補正する工程を含む、前記<3>から<4>のいずれかに記載の光照射方法である。
<6> 複数の円筒状担持体を有し、前記複数の円筒状担持体に照射する光ビームを選択する工程を含む、前記<3>から<5>のいずれかに記載の光照射方法である。
<7> スキャナ後の光学系としてテレセントリック光学系を有する、前記<1>から<6>のいずれかに記載の光照射方法である。
<8> 光ビームを被照射材料に照射して飛翔させる光照射装置であって、
前記被照射材料が担持された担持体に光ビームを照射する照射手段を有し、
前記光ビームが前記担持体を透過した後、前記担持体の中空内へ進入して前記担持体の内側から前記被照射材料に飛翔可能なエネルギーを与えることを特徴とする光照射装置である。
<9> 前記被照射材料を前記担持体に供給する供給手段を有する、前記<8>に記載の光照射装置である。
<10> 光ビーム波面の位相分布を変換することにより、所望のビームプロファイルに変換する手段を有する、前記<8>から<9>のいずれかに記載の光照射装置である。
<11> 走査光学系を有し、被照射材料を2次元的又は3次元的に描画する手段を有する、前記<8>から<10>のいずれかに記載の光照射装置である。
<12> 前記円筒状担持体を通過したときに生じる波面収差を補正する手段を有する、前記<8>から<11>のいずれかに記載の光照射装置である。
<13> 複数の円筒状担持体を有し、前記複数の円筒状担持体に照射する光ビームを選択する手段を有する、前記<8>から<12>のいずれかに記載の光照射装置である。
<14> 前記<1>から<7>のいずれかに記載の光照射方法からなる工程を含むことを特徴とする画像形成方法である。
<15> 前記<1>から<7>のいずれかに記載の光照射方法からなる工程を含むことを特徴とする立体造形物の製造方法である。
前記<1>から<7>のいずれかに記載の光照射方法、前記<8>から<13>のいずれかに記載の光照射装置、前記<14>に記載の画像形成方法、及び前記<15>に記載の立体造形物の製造方法によると、従来における諸問題を解決し、本発明の目的を達成することができる。
1 被照射材料
2 円筒状担持体
3 転写ユニット
4 集光レンズ
5 ビーム変換素子
6 クリーナー
7 付与手段
8 被転写物(ワーク)
9 光ファイバー
10 レーザー発振器
12 ディスペンサ
13 供給手段
14 ガルバノミラー
15 fθレンズ
16 試料台ステージ
20 光照射装置
21 光照射装置
22 光照射装置
23 光照射装置
24 コリメートレンズ
25 アパーチャ
26 シリンドリカルレンズ
27 ポリゴンミラー
28 走査レンズ
101 貯蔵槽
102 供給ローラ
103 規制ブレード
104 付与ローラ
105 膜厚制御ローラ
107 ビーム変換手段
106 ミラー
108 波面収差補正手段
109 テレセントリックfθレンズ
110 供給手段
114 第1シートローラ
116 第2シートローラ
117 透明シート
118 光照射部
200 立体造形物
特開2021-54042号公報

Claims (13)

  1. 光ビームを被照射材料に照射して飛翔させる光照射方法であって、
    前記被照射材料が担持された担持体に光ビームを照射する照射工程を含み、
    前記光ビームが前記担持体を透過した後、前記担持体の中空内へ進入して前記担持体の内側から前記被照射材料に飛翔可能なエネルギーを与えることを特徴とする光照射方法。
  2. 前記担持体が円筒形状及び周回可能なシート形状のいずれかである、請求項1に記載の光照射方法。
  3. 前記担持体が円筒形状であり、円筒状担持体が回転することにより繰り返し被照射材料を付与し、
    前記光ビームを前記被照射材料の背面側から照射することにより、
    前記円筒状担持体と前記被照射材料の界面に外気圧以上の気化領域を有し、該気化領域の圧力により前記被照射材料に飛翔させるエネルギーを与える、請求項1から2のいずれかに記載の光照射方法。
  4. 前記円筒状担持体が、周回方向に対して180度以上の非付与領域を有する、請求項3に記載の光照射方法。
  5. 前記円筒状担持体を通過したときに生じる波面収差を補正する工程を含む、請求項3から4のいずれかに記載の光照射方法。
  6. 複数の円筒状担持体を有し、前記複数の円筒状担持体に照射する光ビームを選択する工程を含む、請求項3から5のいずれかに記載の光照射方法。
  7. スキャナ後の光学系としてテレセントリック光学系を有する、請求項1から6のいずれかに記載の光照射方法。
  8. 光ビームを被照射材料に照射して飛翔させる光照射装置であって、
    前記被照射材料が担持された担持体に光ビームを照射する照射手段を有し、
    前記光ビームが前記担持体を透過した後、前記担持体の中空内へ進入して前記担持体の内側から前記被照射材料に飛翔可能なエネルギーを与えることを特徴とする光照射装置。
  9. 前記被照射材料を前記担持体に供給する供給手段を有する、請求項8に記載の光照射装置。
  10. 光ビーム波面の位相分布を変換することにより、所望のビームプロファイルに変換する手段を有する、請求項8から9のいずれかに記載の光照射装置。
  11. 走査光学系を有し、被照射材料を2次元的又は3次元的に描画する手段を有する、請求項8から10のいずれかに記載の光照射装置。
  12. 請求項1から7のいずれかに記載の光照射方法からなる工程を含むことを特徴とする画像形成方法。
  13. 請求項1から7のいずれかに記載の光照射方法からなる工程を含むことを特徴とする立体造形物の製造方法。

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