JP2023037346A - 誘導加熱装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 インバータがPWM制御される誘導加熱装置において、カレントトランスやシャント抵抗を用いることなく、加熱コイルに流れる共振電流を検出する。【解決手段】 高周波交流電圧を加熱コイルに供給するインバータ回路と、インバータ回路の上下アームを周波数制御またはPWM制御で制御する制御回路と、加熱コイルと共振コンデンサを直列接続した共振回路と、共振コンデンサに流れる電流によって生じる共振コンデンサの両端電圧を微分する共振コンデンサ電圧微分回路と、共振コンデンサ電圧微分回路の出力を整流する整流回路と、整流回路の出力の包絡線を検波した出力電圧を出力する包絡線検波回路と、を備え、制御回路は、インバータ回路の上下アーム制御がPWM制御である場合は、包絡線検波回路の出力電圧を補正した補正後出力電圧に基づいて、加熱コイルに流れる共振電流値を演算することを特徴とする誘導加熱装置。【選択図】 図13

Description

本発明は、加熱コイル電流を検出する電流検出回路を備えた誘導加熱装置(IHクッキングヒータ)に関するものである。
近年、火を使わずに鍋などの被加熱物を加熱するインバータ方式の誘導加熱装置(IHクッキングヒータ)が広く用いられるようになってきている。IHクッキングヒータは、加熱コイルに高周波電流を流し、コイルに近接して配置された鉄やステンレスなどの材質で作られた鍋に渦電流を発生させ、鍋自体の電気抵抗により発熱させるものである。このように、IHクッキングヒータは、火を使わずに調理でき、安全性や調理環境の快適性が高いため、ガスレンジに代わって普及が急速に高まっている。
IHクッキングヒータでは、ガラス製のトッププレートの下側に加熱コイルが配置され、加熱コイルには高周波電流を供給するインバータが接続されている。加熱コイルには約40Arms、約20k~100kHzの高周波電流が流れる。従来、加熱コイルの電流検出にはカレントトランスやシャント抵抗を用いた方法が採用されていた。
しかしながら、カレントトランスにはコアに一次巻線及び二次巻線を備えた方式のものや、貫通型コアに二次巻線を設けた方式のものがあるが、どちらの方式も部品サイズが大きく、高コストになる問題がある。また、シャント抵抗は大電流が抵抗に流れるためシャント抵抗にジュール損失が発生し温度が上昇する問題がある。
そこで、特許文献1に示す電磁調理器では、共振コンデンサの両端電圧を検出する電圧検出回路と、この電圧検出回路からの出力を微分する微分回路と、この微分回路からの出力を整流し加熱コイルに流れる電流のピーク値に追随する電流情報を出力する包絡線検出回路を備えることで、上記した問題を解決しつつ、加熱コイル電流を検出している。
特開2007-026906号公報
しかしながら、インバータをPWM制御(Pulse Width Modulation制御)した場合、加熱コイルに流れる交流電流は正負でピーク値が異なる。特許文献1は、同文献の図6、図7等から読み取れることができるように、微分回路の出力電圧を半波整流する構成であると共に、ピーク値を検出する構成であるため、特許文献1では、インバータをPWM制御する場合には、加熱コイルに流れる実効電流を正確に検出できない。そのため、鍋の種類を正確に判定することができず、ユーザーに適正な価値を提供できないだけでなく、製品の安全性が保たれないという問題がある。
そこで、本発明は、上記従来の課題を解決するもので、インバータがPWM制御される誘導加熱装置において、共振コンデンサに流れる電流によって生じる共振コンデンサの両端電圧を微分して抵抗に発生する電圧を検出し、その検出値を制御状態に応じた補正をマイコンで行うことにより、加熱コイルに流れる実効電流を正確に検出することができる。
上記課題を解決するため、本発明の誘導加熱装置は、加熱コイルを用いて被加熱物を誘導加熱する誘導加熱装置であって、直流電圧を供給する直流電源と、前記直流電圧を高周波の交流電圧に変換して前記加熱コイルに供給するインバータ回路と、該インバータ回路の上下アームを周波数制御またはPWM制御で制御する制御回路と、前記加熱コイルと共振コンデンサを直列接続した共振回路と、前記共振コンデンサに流れる電流によって生じる共振コンデンサの両端電圧を微分する共振コンデンサ電圧微分回路と、該共振コンデンサ電圧微分回路の出力を整流する整流回路と、該整流回路の出力の包絡線を検波した出力電圧を出力する包絡線検波回路と、を備え、前記制御回路は、前記インバータ回路の上下アーム制御が周波数制御かPWM制御かを判断し、周波数制御である場合は、前記包絡線検波回路の出力電圧に基づいて、前記加熱コイルに流れる共振電流値を演算し、PWM制御である場合は、前記包絡線検波回路の出力電圧を補正した補正後出力電圧に基づいて、前記加熱コイルに流れる共振電流値を演算する誘導加熱装置とした。
本発明の誘導加熱装置によれば、インバータがPWM制御される場合、共振コンデンサに流れる電流によって生じる共振コンデンサの両端電圧を微分し、整流して包絡線を検波する。検波して得られた電流情報をマイコン側でインバータの制御状態に応じて補正することにより、周波数制御だけでなく、PWM制御の時でも加熱コイルに流れる実効電流を正確に検出することができる。
一実施例の誘導加熱装置のブロック図。 一実施例の誘導加熱装置のインバータ回路構成図。 各被加熱物の抵抗値と鉄に対するインダクタンス比率を示す図。 一実施例の誘導加熱装置のインバータ動作波形。 一実施例の誘導加熱装置の入力電力の周波数特性。 一実施例の誘導加熱装置の入力電力のDuty特性。 一実施例の電流検出回路の回路図。 一実施例の誘導加熱装置の電流検出回路の動作波形。 一実施例の誘導加熱装置の電流検出回路と加熱コイル電流の関係を示したグラフ。 第一PWM制御の駆動波形を示した図。 第二PWM制御の駆動波形を示した図。 制御方式毎の出力電圧Voutを示した図。 第一補正処理と第二補正処理の補正方針の説明図。 一実施例の電流検出処理後の補正処理を表したフローチャート。
以下、図面を用いながら本発明の一実施例の誘導加熱装置を説明する。
<誘導加熱装置の構成>
図1は、実施例1の誘導加熱装置のブロック図である。ここに示す誘導加熱装置は、トッププレート上に載置した鍋などの被加熱物を2つ以上同時に加熱できる加熱装置であり、商用電源1からの交流電圧を変換して直流電圧を出力する電源回路10と、入力電流検出器11と、入力電流検出回路12と、2つ以上のインバータ100(100a、100b、100c)と、ドライブ回路21と、包絡線検波回路51と、制御回路60と、入力電力設定部61と、を備えている。そして、各インバータの加熱コイル31により、被加熱物を誘導加熱することができる。なお、各インバータの構成は同等であるので、以下では、第一のインバータ100aを代表して説明する。
インバータ100aは、インバータ回路20と、共振回路30と、微分回路40によって構成されている。インバータ回路20は、電源回路10の正電極p点と負電極n点との間に接続されており、電源回路10から供給される直流電圧を高周波の交流電圧に変換して共振回路30に印加する。共振回路30は、加熱コイル31と共振コンデンサCrの直列回路であり、加熱コイル31にはインバータ回路20から高周波電力が供給される。微分回路40は、共振コンデンサCrに流れる電流により変化する電圧を微分する。
各インバータの微分回路40の出力値は、包絡線検波回路51を経て、制御回路60に送られる。入力電力設定部61は、使用者が入力電力(火力)を設定するインターフェースであり、設定された火力に応じた信号を制御回路60に送る。制御回路60では、包絡線検波回路51からの演算結果と入力電力設定部61からの信号に応じた駆動信号を生成する。ドライブ回路21は制御回路60からの駆動信号に基づいて、各インバータのインバータ回路20を制御するドライブ信号波形を生成する。
次に、インバータ100aの動作を説明する。一般に、IHクッキングヒータでは、共振型インバータを用いる。共振型インバータは、インバータ回路20の駆動周波数fs > 共振回路30の共振周波数frに設定し、共振負荷の特性を誘導性にすることで、共振回路30に流れる電流がインバータ回路20の出力電圧に対し遅れ位相になるように制御するインバータである。これにより、インバータ回路20での損失増加を抑制している。すなわち、図1では、共振回路30に流れる共振電流Iが、インバータ回路20と共振回路30の接続点である出力端子t点の電圧に対して遅れ位相になるように制御することでインバータ回路20の損失を抑制することができる。
しかしながら、インバータ回路20の駆動周波数fsを固定した状態で、インバータ回路20の導通期間を変化させ電力制御(PWM制御)を行うと、インバータ回路20の導通期間に共振電流Iの極性が反転し、共振電流Iがインバータ回路20の出力電圧より進み位相になる進相モードへ移行する場合もある。進相モードはインバータ回路20の損失増加を招くので、共振型のインバータでは避けなければならないモードである。
図2は本実施例の誘導加熱装置のより具体的な回路構成である。これは電源回路10を全波整流パッシブフィルタ型とし、インバータ回路20にハーブブリッジ回路構成を採用した、誘導加熱装置の回路図である。
図2において、電源回路10は、商用電源1からの交流電圧を直流電圧に変換してインバータ100aに供給するものであり、交流電圧を整流するダイオードブリッジ13と、インダクタ14と、フィルタコンデンサCfで構成される。そして、フィルタコンデンサCfの正電極p点と負電極n点との間に、インバータ100aのインバータ回路20が接続される。
インバータ100aのインバータ回路20は、パワー半導体スイッチング素子であるIGBT(以下、スイッチング素子SW(SW、SW)と称する。)が直列に接続されて構成される。各スイッチング素子SWにはそれぞれダイオードD(D、D)が逆方向に並列接続されており、スイッチング素子SWのコレクタ端子にダイオードDのカソード端子、エミッタ端子にアノード端子が接続されている。以下では、スイッチング素子SWとダイオードDで構成される回路を上アームと称し、スイッチング素子SWとダイオードDで構成される回路を下アームと称する。また、スイッチング素子SW、SWにはそれぞれ並列にスナバコンデンサCs(Cs、Cs)が接続されている。スナバコンデンサCs、Csは、スイッチング素子SWまたはスイッチング素子SWのターンオフ時の遮断電流によって充電あるいは放電される。スナバコンデンサCs、Csの容量は、スイッチング素子SW、SWのコレクタとエミッタ間の出力容量より十分に大きいため、ターンオフ時に両スイッチング素子SWに印加される電圧の変化は低減され、ターンオフ損失は抑制される。
スイッチング素子SW、SWの接続点である出力端子t点と電源回路10の正電極p点および負電極n点には共振回路30が接続されている。この共振回路30は、加熱コイル31と共振コンデンサCr、Crで構成される。ここで、出力端子t点から加熱コイル31に向かって流れる方向を共振電流Iの正方向とする。微分回路40は、共振回路30に流れる共振電流Iが共振コンデンサCr、Crに供給されて、電圧が変化する。片方にGNDが接続されている共振コンデンサCr両端の電圧を微分する。
また、入力電流検出器11は、商用電源1から入力される電流を検出する。入力電流検出回路12は入力電流検出器11の出力信号レベルを制御回路60の入力レベルに適した信号に変換する。
制御回路60は、入力電流検出回路12で検出した入力電流と、微分回路40を介して包絡線検波回路51で検出した共振電流Iの関係から、被加熱物の材質や状態を判断し、加熱動作の開始又は停止を行う。被加熱物の判別は、磁性体と非磁性体とに区別する。区別する方法としては、加熱前に低電力(300W程度)で通電を行う。そのときの共振電流Iまたはスイッチング素子SW、SWの電流値(後述するIc、Ic)を検出し、検出した電流値により、被加熱物の材質を判別する。電流値が小さい場合には鉄などの磁性体の被加熱物と判別し、電流値が大きい場合は、非磁性ステンレスやアルミニウム、銅といった非磁性体の被加熱物と判別する。図3に周波数20kHzにおける各被加熱物の抵抗値を示す。ここに示すように、非磁性ステンレスでは鉄の1/3、アルミニウム1/20、銅では約1/25の抵抗値となる。
また、制御回路60は、入力電力設定部61からの信号に応じてインバータ回路20のスイッチング素子SW、SWの導通期間(以下、Dutyと称することもある)を、ドライブ回路21を介して設定し入力電力をPWM制御する。材質の検知は、過電流や過電圧の発生を防ぐために低電力かつ短時間で実施する必要がある。
ここで、図2に示すように、インバータ回路20の上アームに流れる電流をIc、下アームに流れる電流をIc、共振電流をIとする。また、上アームのスイッチング素子SWのコレクタ・エミッタ間の電圧をVc、下アームのスイッチング素子SWのコレクタ・エミッタ間の電圧をVc、インバータの電源電圧をVpとする。
次に動作を説明する。図4に本実施例のインバータのモード1から4までの動作波形を示す。なお、何れのモードにおいても、スイッチング素子SW、SWはデッドタイム期間(両スイッチング素子がオフの期間)を設け、相補に駆動するものとする。
図4に示すように、加熱コイル31には、正弦波状の共振電流Iが流れており、この共振周波数frは、式1に示すように、加熱コイル31のインダクタンス値L31、共振コンデンサCrおよび共振コンデンサCrの合成値から決定される。
Figure 2023037346000002
以下で、モード1~モード4における詳細な動作を説明する。
(モード1)
スイッチング素子SWの電流Icの電流が負から増加し0Aとなるタイミングからモード1が始まるものとする。モード1開始時にはスイッチング素子SWに電流は流れていないが、スイッチング素子SWはすでにオンしているため、モード1開始直後からスイッチング素子SWに電流Icが流れ始める。このときスイッチング素子SWの両端電圧(コレクタ端子、エミッタ端子間電圧Vc)は0Vであるため、スイッチング素子SWには損失が発生しないZVZCSターンオンとなる。
(モード2)
スイッチング素子SWを遮断しモード2になると、共振電流Iは、電源回路10、スナバコンデンサCs、加熱コイル31、共振コンデンサCrの経路と、加熱コイル31、共振コンデンサCr、スナバコンデンサCsの経路と、加熱コイル31、共振コンデンサCr、スナバコンデンサCsの経路に流れる。このとき、スナバコンデンサCsは充電され、スナバコンデンサCsは放電される。これにより、スイッチング素子SWの両端電圧は緩やかに上昇し、ZVSターンオフとなり、スイッチング損失を小さくできる。
スナバコンデンサCsの電圧Vcが電源電圧(p-n間電圧)以上になると、スナバコンデンサCsの電圧Vcは0Vとなり、ダイオードDがオンし、共振電流Iが流れ続ける。ダイオードDに電流が流れている期間にスイッチング素子SWにオン信号を入力する。
(モード3)
スイッチング素子SWの電流Icの電流が負から増加し0Aとなるタイミングからモード3が始まるものとする。モード3開始時にはスイッチング素子SWに電流は流れていないが、スイッチング素子SWはすでにオンしているため、モード3開始直後からスイッチング素子SWに電流Icが流れ始める。このときスイッチング素子SWの両端電圧(コレクタ端子、エミッタ端子間電圧Vc)は0Vであるため、スイッチング素子SWには損失が発生しないZVZCSターンオンとなる。
(モード4)
スイッチング素子SWを遮断しモード4になると、共振電流Iは、加熱コイル31、スナバコンデンサCs、電源回路10、共振コンデンサCrの経路と、加熱コイル31、スナバコンデンサCs、共振コンデンサCrの経路と、加熱コイル31、スナバコンデンサCs、共振コンデンサCrの経路に流れる。このとき、スナバコンデンサCsは充電され、スナバコンデンサCsは放電される。これにより、スイッチング素子SWの両端電圧は緩やかに上昇し、ZVSターンオフとなり、スイッチング損失を小さくできる。
スナバコンデンサCsの電圧Vcが電源電圧(p-n間電圧)以上になると、スナバコンデンサCsの電圧Vcは0Vとなり、ダイオードDがオンし、共振電流Iが流れ続ける。ダイオードDに電流が流れている期間にスイッチング素子SWにオン信号を入力する。
以上のモード1から4までの動作を繰り返し、加熱コイル31に高周波電流を流すことで、加熱コイル31から磁束を発生させる。この磁束により加熱コイル31の上に配置された鍋に渦電流が流れ、鍋自体が誘導加熱によって発熱する。
<誘導加熱装置の電力制御方法>
次に電力制御方法について説明する。図5に周波数と入力電力の関係を示す。IHクッキングヒータは共振現象を利用して加熱コイルに高周波の大電流を流す。このため入力電力の周波数特性は、共振特性を示す。図3に示すように鉄鍋の抵抗は大きいため共振Qが小さくなり、なだらかな共振特性を示す。一方、アルミや銅といった低抵抗の材質では共振Qが大きくなるため、急峻な共振特性を示す。共振Qが小さい鉄鍋などは、ゆるやかな共振特性を利用して、周波数による電力制御が可能である。
また、図6にスイッチング素子SWのDutyと入力電力の関係を示す。共振Qが小さい鉄鍋などではDutyによる電力制御(PWM制御)も可能である。一方、アルミなどの急峻な共振特性の場合は、周波数制御やDuty制御では難しく、電源回路10の出力電圧を制御することで電力を制御することができる。
次に、図2と図7を用いて、共振電流検出回路を構成する、微分回路40と、包絡線検波回路51の詳細を説明する。
微分回路40は、図2に示すように、共振回路30の共振コンデンサCrと並列に接続した、コンデンサC40と抵抗R40の直列回路で構成される。
また、図7に示すように、微分回路40の出力電圧VR_OUTを、整流回路50に相当するダイオードD15を介して、包絡線検波回路51に接続する。そして、包絡線検波回路51のコンデンサC51bの電圧が出力電圧Voutとなる。
次に、図8を用いて、本実施例の電流検出回路の動作について説明する。ここに示す動作波形は、上から順に、(a)共振コンデンサCrの電流ICr1、(b)微分回路40の出力電圧VR_OUT、(c)ダイオードD15の出力電圧Vh、及び、包絡線検波回路51の出力電圧Voutである。
インバータ100aを上記条件で動作すると、図8(a)に示すように、共振回路30の共振コンデンサCrのピーク電流は30A/-23Aとなる。ここで、共振コンデンサCrを1μF、微分回路40のコンデンサC40を470pF、抵抗R40を150Ωとすると、共振コンデンサCrとコンデンサC40の容量比(約1/2000)により、共振コンデンサCrの電流ICr1の約1/2000がコンデンサC40に流れ、図8(b)に示すように、抵抗R40に発生する微分回路40の出力電圧VR_OUTのピークは3.0V/-3.6Vとなる。この出力電圧VR_OUTが包絡線検波回路51に入力される。
そして、図8(c)に示すように、包絡線検波回路51より一定電圧に変換された出力電圧Voutは約2.75Vとなる。加熱コイル31に流れる共振電流Iは共振コンデンサCrとCrの合計電流であるため、共振コンデンサCrとCrが同じコンデンサ容量であれば、共振電流Iは、共振コンデンサCrの電流ICr1の2倍の電流になる。つまり、共振電流Iに比例した値の電圧となる。
図9に共振電流Iと包絡線検波回路51の出力電圧Voutの関係を示す。ここに示すように、材質が異なる鍋において、共振電流Iと出力電圧Voutが略同等の比例関係を示している。スイッチング素子SW、SWの導通期間を同等とし駆動周波数fsを変化させることで火力を制御する周波数制御では、一定で比例関係を示すが、駆動周波数fsを一定にしスイッチング素子SW、SWの導通期間を変化させることで火力を制御するPWM制御では、別の比例関係がある。
ここで、図10Aと図10Bを用いて、PWM制御の詳細を説明する。上記したように、共振Qが小さい鉄鍋などを加熱する場合、PWM制御を利用できるが、その場合、上アームのスイッチング素子SWの導通期間Uを下アームのスイッチング素子SWの導通期間Lより長くする第一PWM制御(図10A)、または、上アームのスイッチング素子SWの導通期間Uを下アームのスイッチング素子SWの導通期間Lより短くする第二PWM制御(図10B)を利用することができる。但し、何れか一方のPWM制御のみを連続利用すると、一方のスイッチング素子SWに損失が偏るため、例えば、3秒間隔で第一PWM制御と第二PWM制御を切り替える反転処理を実行し、スイッチング素子SWの損失を平準化することが望ましい。
<出力電圧VOUTの補正処理>
図10Aの第一PWM制御と図10Bの第二PWM制御では、各スイッチング素子SWの導通期間の大小関係が逆転していることから、各スイッチング素子SWの導通期間が等しい周波数制御を採用する場合に比べ、包絡線検波回路51の出力電圧VOUTの値が上下する。
図11は、駆動周波数fsが38kHzである場合の、制御種毎の出力電圧VOUTの関係を例示したものである。ここに示すように、周波数制御採用時の出力電圧VOUT(実線)に対し、第一PWM制御採用時の出力電圧VOUT(一点鎖線)は大きく、第二PWM制御採用時の出力電圧VOUT(破線)は小さい傾向がある。従って、周波数制御採用時の出力電圧VOUT(実線)が入力されることを前提に共振電流Iを演算する制御回路60に、第一PWM制御採用時の出力電圧VOUT(一点鎖線)や、第二PWM制御採用時の出力電圧VOUT(破線)をそのまま入力すると、制御回路60では適正な共振電流Iを演算することができないことになる。
そこで、本実施例の制御回路60では、図12に示すように、第一PWM制御採用時の出力電圧VOUTが入力された場合は、電圧値を小さくする第一補正処理を施すことで周波数制御採用時の出力電圧VOUTと略同等の補正後出力電圧VOUT’を演算し、第二PWM制御採用時の出力電圧VOUTが入力された場合は、電圧値を大きくする第二補正処理を施すことで周波数制御採用時の出力電圧VOUTと略同等の補正後出力電圧VOUT’を演算する。これにより、火力制御の方式によらず、適切な共振電流Iを演算することができる。
ここで、上記した第一補正処理には、例えば以下の式2を利用することができ、第二補正処理には、例えば以下の式3を利用することができる。
Figure 2023037346000003
Figure 2023037346000004
なお、式2および式3中のKは、PWM制御時の出力電圧VOUTを、周波数制御時の出力電圧VOUTと略同等に補正するための定数であり、上アームのスイッチング素子SWの導通期間Uと、下アームのスイッチング素子SWの導通期間Lの組み合わせ毎に適切な値を実験やシミュレーションで予め求めておき、表1のようなテーブル形式や計算式を制御回路60が保持している。例えば、上アームの導通期間UがU~Uの範囲内であり、下アームの導通期間LがL~Lの範囲内であれば、表1のテーブルに基づいてK1,1を定数Kとして選択し、式2,式3の演算に利用する。
Figure 2023037346000005
<本実施例における共振電流検出のフローチャート>
次に、図13のフローチャートを用いて、制御回路60での共振電流ILの演算処理について説明する。
まず、ステップS1では、制御回路60は、現在の制御方式が周波数制御かPWM制御かを判断する。具体的には、ドライブ回路21が上アームのスイッチング素子SWに設定した導通期間と、下アームのスイッチング素子SWに設定した導通期間を比較し、上下アームの導通期間が同一であれば周波数制御を実行中と判断し、上下アームの導通期間が異なれば、PWM制御を実行中と判断する。そして、PWM制御中であればステップS2に進み、周波数制御中であればステップS5に進む。
次に、ステップS2では、制御回路60は、上アームの導通期間Uが下アームの導通期間Lより長いかを判定する。そして、上アームの導通期間Uが下アームの導通期間Lより長ければステップS3に進み、下アームの導通期間Lが上アームの導通期間Uより長ければステップS4に進む。
ステップS3では、制御回路60は、包絡線検波回路51の出力電圧Voutに対し、第一補正処理を施す。上記したように、上アームの導通期間Uが下アームの導通期間Lより長い第一PWM制御中には(図10A参照)、周波数制御中よりも出力電力VOUTの電圧値が大きくなるため(図11参照)、上記の式2を利用して電圧値を小さくした補正後出力電圧VOUT’を演算する。
同様に、ステップS4では、制御回路60は、包絡線検波回路51の出力電圧Voutに対し、第二補正処理を施す。上記したように、下アームの導通期間Lが上アームの導通期間Uより長い第二PWM制御中には(図10B参照)、周波数制御中よりも出力電力VOUTの電圧値が小さくなるため(図11参照)、上記の式3を利用して電圧値を大きくした補正後出力電圧VOUT’を演算する。
ステップS5では、制御回路60は、共振回路30に流れる共振電流Iを演算する。具体的には、周波数制御中であれば、制御回路60は、包絡線検波回路51の出力電圧Voutをそのまま用いて共振電流Iを演算する(図9参照)。また、PWM制御中であれば、制御回路60は、包絡線検波回路51の出力電圧Voutを式2または式3で補正した補正後出力電圧VOUT’を用いて共振電流Iを演算する。これにより、制御回路60は、周波数制御中もPWM制御中も、適切な共振電流Iを演算することができる。
以上のように共振コンデンサCrに係る電圧を微分し、抵抗で発生する電圧を整流後包絡線検波し、インバータの制御状態に応じてマイコン内部で補正を実施することで、図10A、図10Bに示すようにインバータがPWM制御される誘導加熱装置において、カレントトランスやシャント抵抗を用いることなく、加熱コイルに流れる共振電流を検出することができる。これにより、図11に示すように同じ火力でも制御状態によって検出される出力電圧VOUTが変化するという課題があったPWM制御の時でも正確な共振電流の検出を可能にし、共振電流検出回路の小型化、低コスト化に貢献することができる。
1 商用電源
10 電源回路
11 入力電流検出器
12 入力電流検出回路
13 ダイオードブリッジ
14 インダクタ
20 インバータ回路
21 ドライブ回路
30 共振回路
31 加熱コイル
40 微分回路
50 整流回路
51 包絡線検波回路
60 制御回路
61 入力電力設定部
100a、100b、100c インバータ
Cf フィルタコンデンサ
Cr 共振コンデンサ
Cs スナバコンデンサ
C コンデンサ
D ダイオード
R 抵抗
SW スイッチング素子

Claims (5)

  1. 加熱コイルを用いて被加熱物を誘導加熱する誘導加熱装置であって、
    直流電圧を供給する直流電源と、
    前記直流電圧を高周波の交流電圧に変換して前記加熱コイルに供給するインバータ回路と、
    該インバータ回路の上下アームを周波数制御またはPWM制御で制御する制御回路と、
    前記加熱コイルと共振コンデンサを直列接続した共振回路と、
    前記共振コンデンサに流れる電流によって生じる共振コンデンサの両端電圧を微分する共振コンデンサ電圧微分回路と、
    該共振コンデンサ電圧微分回路の出力を整流する整流回路と、
    該整流回路の出力の包絡線を検波した出力電圧を出力する包絡線検波回路と、を備え、
    前記制御回路は、
    前記インバータ回路の上下アーム制御が周波数制御かPWM制御かを判断し、
    周波数制御である場合は、前記包絡線検波回路の出力電圧に基づいて、前記加熱コイルに流れる共振電流値を演算し、
    PWM制御である場合は、前記包絡線検波回路の出力電圧を補正した補正後出力電圧に基づいて、前記加熱コイルに流れる共振電流値を演算することを特徴とする誘導加熱装置。
  2. 請求項1に記載の誘導加熱装置において、
    前記共振コンデンサ電圧微分回路は、コンデンサと抵抗の直列回路で構成され、
    前記抵抗に発生する電圧を前記共振コンデンサ電圧微分回路の出力とすることを特徴とする誘導加熱装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の誘導加熱装置において、
    前記包絡線検波回路は、
    第一コンデンサと第一抵抗の並列回路と、
    前記第一抵抗の両端に接続した、第二抵抗と第二コンデンサの直列回路と、で構成され、
    前記第二コンデンサの両端電圧を前記包絡線検波回路の出力電圧とすることを特徴とする誘導加熱装置。
  4. 請求項1乃至3の何れか一項に記載の誘導加熱装置において、
    前記制御回路は、
    上アームの導通期間が下アームの導通期間より長い第一PWM制御中は、前記包絡線検波回路の出力電圧を小さくする第一補正処理を施すことで前記補正後出力電圧を生成し、
    下アームの導通期間が上アームの導通期間より長い第二PWM制御中は、前記包絡線検波回路の出力電圧を大きくする第二補正処理を施すことで前記補正後出力電圧を生成することを特徴とする誘導加熱装置。
  5. 請求項4に記載の誘導加熱装置において、
    前記制御回路は、前記第一PWM制御と前記第二PWM制御を交互に実施することを特徴とする誘導加熱装置。
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