JP2023037215A - 駆動輪及び台車 - Google Patents

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Abstract

【課題】低床化を実現すること。【解決手段】駆動輪103は、回転自在に設けられる円環形状の第一入力部材36Aと、第一入力部材と同軸上で軸心O1方向にずれて配置されて第一入力部材と互いに独立して回転自在に設けられる円環形状の第二入力部材36Bと、別軸上に配置される第一出力軸40A及び第二出力軸40Bと、第一入力部材の内周に係合して第一入力部材の回転力を第一出力軸に伝達する第一平歯車39Aと、第二入力部材の内周に係合して第二入力部材の回転力を第二出力軸に伝達する第二平歯車39Bと、車軸37に固定される車輪16と、第一出力軸の回転力を車軸の一端部に伝達する第一傘歯車機構15Aと、第二出力軸の回転力を車軸の他端部に伝達する第二傘歯車機構15Bと、車軸を介して車輪を旋回可能に支持する旋回軸34と、を備える。【選択図】図3

Description

本発明は、駆動輪及び台車に関するものである。
特許文献1に駆動輪及び駆動輪を用いた台車について開示されている。この駆動輪は、同軸上に配置される第一入力軸及び第二入力軸と、別軸上に配置される第一出力軸及び第二出力軸と、第一入力軸の回転力を第一出力軸に伝達する第一平歯車機構と、第二入力軸の回転力を第二出力軸に伝達する第二平歯車機構と、車軸に連結される車輪と、車軸を介して車輪を旋回可能に支持する旋回軸と、第一出力軸の回転力を車軸の一端部に伝達する第一動力変換機構と、第二出力軸の回転力を車軸の他端部に伝達する第二動力変換機構と、を備えるものである。また、駆動輪は、望ましい態様として、車軸の軸心方向に交差する鉛直方向に沿う車輪の回転軸心が、旋回軸の軸心に対して車軸の軸心方向に直交する水平方向にオフセットして配置される。
特開2020-024033号公報
特許文献1に記載の駆動輪は、車輪の向きの変更と車輪の回転のいずれの動作であっても、搭載する2つの駆動装置が同時に動作することを可能としながらも、構造の簡素化を図ると共に十分な最低地上高を確保可能とする。さらに、駆動輪は、オフセットした態様とすることで、車輪を駆動しないとき、車輪は水平方向から作用する外力により受動的に旋回することができる。
ここで、特許文献1に記載の駆動輪は、搭載する2つの駆動装置が同時に動作することを可能とするにあたり、車輪の旋回中心に同軸上に第一入力軸及び第二入力軸があり、各入力軸が貫通する基板の上側に入力部(2軸一体モータ)が配置される。そして、当該駆動輪を台車などに取り付ける場合、入力部を避ける必要がある。このため、台車において従動輪となる旋回キャスタと同じ高さでの取り付けが難しい課題がある。
本開示は、上記の課題に鑑みてなされたものであって、低床化を実現することのできる駆動輪及び台車を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本開示の一態様の駆動輪は、回転自在に設けられる円環形状の第一入力部材と、前記第一入力部材と同軸上で軸心方向にずれて配置されて前記第一入力部材と互いに独立して回転自在に設けられる円環形状の第二入力部材と、別軸上に配置される第一出力軸及び第二出力軸と、前記第一入力部材の内周に係合して前記第一入力部材の回転力を前記第一出力軸に伝達する第一伝達機構と、前記第二入力部材の内周に係合して前記第二入力部材の回転力を前記第二出力軸に伝達する第二伝達機構と、車軸に固定される車輪と、前記第一出力軸の回転力を前記車軸の一端部に伝達する第一動力変換機構と、前記第二出力軸の回転力を前記車軸の他端部に伝達する第二動力変換機構と、前記車軸を介して前記車輪を旋回可能に支持する旋回軸と、を備える。
上記駆動輪の望ましい態様として、前記第一入力部材の円環状の外周に係合して前記第一入力部材に回転力を入力する第一入力部と、前記第二入力部材の円環状の外周に係合して前記第二入力部材に回転力を入力する第二入力部と、を備える。
上記駆動輪の望ましい態様として、前記第一出力軸と前記第二出力軸は、前記車輪に対して前記車軸の軸心方向における両側に配置される。
上記駆動輪の望ましい態様として、前記第一動力変換機構と前記第二動力変換機構は、前記車輪に対して前記車軸の軸心方向における両側に配置される。
上記駆動輪の望ましい態様として、前記第一動力変換機構は、前記第一出力軸の回転力を前記第一出力軸に対して軸心方向の異なる前記車軸の一端部に伝達するもので、傘歯車機構、はすば歯車機構、ウォーム歯車機構、冠歯車機構、または自在継手機構のいずれか1つが適用され、前記第二動力変換機構は、前記第二出力軸の回転力を前記第二出力軸に対して軸心方向の異なる前記車軸の一端部に伝達するもので、傘歯車機構、はすば歯車機構、ウォーム歯車機構、冠歯車機構、または自在継手機構のいずれか1つが適用される。
上記駆動輪の望ましい態様として、前記旋回軸は、前記車軸の軸心に交差して鉛直方向に沿う前記車輪の回転軸心に対して前記車軸の軸心に直交する水平方向に自身の軸心がずれて配置される。
上記の目的を達成するため、本開示の一態様の台車は、上記の駆動輪と、前記駆動輪が取付けられる台車本体と、を備える。
本開示によれば、低床化を実現できる。
図1は、駆動輪の構成例を表す斜視図である。 図2は、駆動輪を表す平面図である。 図3は、駆動輪を表す底面図である。 図4は、図2のA-A断面図である。 図5は、図2のB-B断面図である。 図6は、駆動輪の駆動力伝達経路を表す模式図である。 図7は、駆動輪の他の構成例を表す斜視図である。 図8は、駆動輪の他の構成例を表す平面図である。 図9は、駆動輪の他の構成例を表す底面図である。 図10は、図8のC-C断面図である。 図11は、動力変換機構の構成例を表す斜視図である。 図12は、動力変換機構の構成例を表す斜視図である。 図13は、動力変換機構の構成例を表す正面図である。 図14は、台車の構成例を表す概略図である。
以下、発明を実施するための形態につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、下記の形態により本発明が限定されるものではない。また、下記形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、下記形態で開示した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
[実施形態1]
図14は、の台車の構成例を表す概略図である。
図14に示すように、台車100は、台車本体101と、取手部102と、4個の駆動輪103と、電源部104と、制御装置105と、操作部106とを備えている。
台車本体101は、例えば、平板材であり、平面視が矩形形状をなしている。台車本体101は、長手方向の一方側に取手部102が固定されている。台車本体101は、裏面側に4個の駆動輪103が四隅に装着されている。4個の駆動輪103は、回転自在であると共に操舵可能となっている。また、台車本体101は、前後の駆動輪103の間の裏面に電源部104と制御装置105が装着され、取手部102に操作部106が装着されている。制御装置105は、コンピュータシステムを含む。コンピュータシステムは、CPUのようなプロセッサ、及びROMまたはRAMのようなメモリを含む。
従って、台車100は、操作部106の操作信号を入力した制御装置105が駆動輪103を制御する。これにより、台車100は、自動で走行や旋回できる。なお、操作部106は、台車100(取手部102)に設けられず、台車100から離れたリモートコントロール装置として構成されていてもよく、これにより、台車100は、有線または無線にて遠隔操作が可能である。
台車本体101は、平坦な面を構成することで、当該平坦な面に被運搬物を載せることができる。即ち、台車100は、無人搬送車(AGV:Automatic Guided Vehicle)として構成することができる。また、台車100は、台車本体101の平坦な面に沿って機材を配置することで走行する機器として構成することができる。機器としては、例えば、ハンドリフタや、フォークリフトや、ピッキングロボットや、医療機材など様々なものがある。
なお、台車100及び機器は、駆動輪103の数や配置について上述した構成に限定されるものではない。例えば、台車100及び機器は、上述した4輪の形態において、台車100の前方側に1対の駆動輪103を取り付け、台車100の後方側に従動輪(単軸で旋回しない従動輪)を取り付けてもよい。また、図には明示しないが、台車100及び機器は、3輪以上の形態において、駆動輪103が1つであって他の車輪が全て従動輪であってもよい。また、図には明示しないが、台車100及び機器は、3輪以上の形態において、従動輪を有さず全ての車輪が駆動輪103であってよい。即ち、台車100及び機器は、3輪以上の形態において、駆動輪103が少なくとも1つあればよい。
以下、駆動輪103について詳細に説明する。図1は、駆動輪の構成例を表す斜視図である。図2は、駆動輪を表す平面図である。図3は、駆動輪を表す底面図である。図4は、図2のA-A断面図である。図5は、図2のB-B断面図である。
駆動輪103は、入力部11と、旋回部12と、入力部材13と、伝達機構14と、動力変換機構15と、車輪16とを有する。
入力部11は、上下に板面を向けた板状の本体10の下方に配置されている。本体10は、台車100において台車本体101に固定される。入力部11は、支持部材(図示略)によって本体10に固定される。旋回部12は、入力部11とは別体で本体10の下方に配置される。入力部材13は、入力部11の回転力が入力されるものである。伝達機構14は、入力部材13に入力された回転力を伝達するものである。動力変換機構15は、伝達機構14の回転力を車輪16に伝達するものである。車輪16は、入力部11、入力部材13、伝達機構14、及び動力変換機構15を介して入力された回転力によって回転自在であると共に、旋回部12によって操舵可能となっている。
以下、入力部11、旋回部12、入力部材13、伝達機構14、動力変換機構15、車輪16について詳細に説明する。
入力部11は、第一入力部30Aと第二入力部30Bとを有する。第一入力部30Aは、モータで構成される。第一入力部30Aは、本体10に固定される。第一入力部30Aは、第一入力軸30Aaに第一入力歯車32Aが設けられる。第一入力歯車32Aは、実施形態では、平歯車で構成される。第一入力歯車32Aは、第一入力部30Aの駆動によって第一入力軸30Aaを介して回転することで入力部材13(第一入力部材36A)に回転力を入力する。一方、第一入力部30Aの非駆動時は、第一入力軸30Aaが回転自在であると共に、第一入力歯車32Aが回転自在である。
第二入力部30Bは、モータで構成される。第二入力部30Bは、本体10に固定される。第二入力部30Bは、第二入力軸30Baに第二入力歯車32Bが設けられる。第二入力歯車32Bは、実施形態では、平歯車で構成される。第二入力歯車32Bは、第二入力部30Bの駆動によって第二入力軸30Baを介して回転することで入力部材13(第二入力部材36B)に回転力を入力する。一方、第二入力部30Bの非駆動時は、第二入力軸30Baが回転自在であると共に、第二入力歯車32Bが回転自在である。
旋回部12は、円板状に形成され、本体10に対して軸受33によって円板状の中心に位置する軸心O1を中心として回転自在に支持される。従って、旋回部12は、旋回軸34を構成する。言い換えると、旋回軸34は、軸心O1が延びる軸心O1方向に沿って延出されると共に、軸心O1を中心として回転自在に支持される。なお、旋回軸34の中心である軸心O1は、第一入力部30Aの第一入力軸30Aa、及び第二入力部30Bの第二入力軸30Baの軸心と平行に設けられる。この旋回部12は、入力部材13、伝達機構14、動力変換機構15、車輪16を支持する。また、旋回部12は、伝達機構14、動力変換機構15、車輪16を収容するケーシング35を有する。ケーシング35は、本体10よりも下方に配置される。そして、旋回部12は、入力部材13、伝達機構14、動力変換機構15、及び車輪16を伴って、旋回軸34の軸心O1を中心として回転自在に支持される。
入力部材13は、第一入力部材36Aと第二入力部材36Bとを有する。第一入力部材36Aは、円環状に形成され、軸心O1に沿う同軸上に回転自在に配置される。第一入力部材36Aは、円環状の外周に沿って外歯36Aaが形成される。第一入力部材36Aは、外歯36Aaが、入力部11における第一入力歯車32Aに噛み合って係合する。従って、第一入力部材36Aは、第一入力歯車32Aから回転力が入力される。また、第一入力部材36Aは、円環状の内周に沿って内歯36Abが形成される。第一入力部材36Aは、内歯36Abが、第一支持歯車38Aに噛み合って係合する。第一支持歯車38Aは、図4に示すように、軸心O1と軸心が平行に設けられた支持軸38Cに対して軸受38Aaを介して回転自在に支持される。支持軸38Cは、旋回部12に固定される。第一支持歯車38Aは、第一入力部材36Aの円環状の複数個所に設けられていてもよい。従って、第一入力部材36Aは、旋回部12に対して第一支持歯車38Aを介して軸心O1に沿う同軸上に回転自在に配置され、かつ第一入力部30Aの駆動によって第一入力歯車32Aから回転力が入力される。
第二入力部材36Bは、第一入力部材36Aと同径の円環状に形成され、軸心O1に沿う同軸上に軸心O1方向にずれて配置され、かつ第一入力部材36Aと互いに独立して回転自在に配置される。第二入力部材36Bは、第一入力部材36Aと同じ大きさ及び形状に形成される。第二入力部材36Bは、円環状の外周に沿って外歯36Baが形成される。外歯36Baは、第一入力部材36Aの外歯36Aaと、径、歯形、歯数及びピッチが同じである。第二入力部材36Bは、外歯36Baが、入力部11における第二入力歯車32Bに噛み合って係合する。従って、第二入力部材36Bは、第二入力歯車32Bから回転力が入力される。また、第二入力部材36Bは、円環状の内周に沿って内歯36Bbが形成される。内歯36Bbは、第一入力部材36Aの内歯36Abと、径、歯形、歯数及びピッチが同じである。第二入力部材36Bは、内歯36Bbが、第二支持歯車38Bに噛み合って係合する。第二支持歯車38Bは、図4に示すように、軸心O1と軸心が平行に設けられた支持軸38Cに対して軸受38Baを介して回転自在に支持される。第二支持歯車38Bは、支持軸38Cに対して第一支持歯車38Aと同軸上で配置され、かつ第一支持歯車38Aと同じ大きさ及び形状に形成される。第二支持歯車38Bは、第二入力部材36Bの円環状の複数個所に設けられていてもよい。従って、第二入力部材36Bは、旋回部12に対して第二支持歯車38Bを介して軸心O1に沿う同軸上に回転自在に配置され、かつ第二入力部30Bの駆動によって第二入力歯車32Bから回転力が入力される。
伝達機構14は、第一伝達機構である第一平歯車39Aと第二伝達機構である第二平歯車39Bとを有する。第一平歯車39Aは、入力部材13における第一入力部材36Aの内歯36Abに噛み合う。第一平歯車39Aは、第一出力軸40Aに固定される。第一出力軸40Aは、図5に示すように、上下方向に延びて設けられる。第一出力軸40Aは、上端が旋回部12の円板状の部分に対して軸受40Aaによって回転自在に支持され、下端が旋回部12のケーシング35に対して軸受40Abによって回転自在に支持される。従って、第一平歯車39Aは、第一出力軸40Aを介し、軸心O1と平行な軸心O3を中心として回転自在に支持される。
第二平歯車39Bは、入力部材13における第二入力部材36Bの内歯36Bbに噛み合う。第二平歯車39Bは、第一平歯車39Aと、径、歯形、歯数及びピッチが同じである。第二平歯車39Bは、第二出力軸40Bに固定される。第二出力軸40Bは、図5に示すように、上下方向に延びて設けられる。第二出力軸40Bは、上端が旋回部12の円板状の部分に対して軸受40Baによって回転自在に支持され、下端が旋回部12のケーシング35に対して軸受40Bbによって回転自在に支持される。従って、第二平歯車39Bは、第二出力軸40Bを介し、軸心O1と平行な軸心O4を中心として回転自在に支持される。
なお、実施形態の駆動輪103は、第一入力部材36Aに対し、外歯36Aaに第一入力歯車32Aが噛み合い、内歯36Abに第一支持歯車38A及び第一平歯車39Aが噛み合う。従って、第一入力部材36Aは、周方向の異なる3か所で第一入力歯車32A、第一支持歯車38A及び第一平歯車39Aによって周方向に回転自在に支持される。このため、実施形態の駆動輪103は、第一入力部材36Aに対し、第一支持歯車38Aを1カ所のみで配置できる。また、実施形態の駆動輪103は、第二入力部材36Bに対し、外歯36Baに第二入力歯車32Bが噛み合い、内歯36Bbに第二支持歯車38B及び第二平歯車39Bが噛み合う。従って、第二入力部材36Bは、周方向の異なる3か所で第二入力歯車32B、第二支持歯車38B及び第二平歯車39Bによって周方向に回転自在に支持される。このため、実施形態の駆動輪103は、第二入力部材36Bに対し、第二支持歯車38Bを1カ所のみで配置できる。
動力変換機構15は、傘歯車機構であり、伝達機構14の回転力を車輪16に伝達するものである。動力変換機構15は、第一動力変換機構としての第一傘歯車機構15Aと、第二動力変換機構としての第二傘歯車機構15Bとを有する。第一傘歯車機構15Aは、第一駆動傘歯車41A及び第一従動傘歯車42Aを有する。第一駆動傘歯車41Aは、伝達機構14における第一出力軸40Aに固定される。従って、第一駆動傘歯車41Aは、第一伝達機構である第一平歯車39Aと共に軸心O3を中心として回転自在に支持される。第一従動傘歯車42Aは、車軸37に固定される。車軸37は、軸心O1方向及び軸心O3方向に直交する軸心O2方向に延出され、両端が旋回部12のケーシング35に対して軸受37aによって回転自在に支持される。車軸37は、その中央に車輪16が固定される。第一従動傘歯車42Aは、車軸37の一端側に固定され、車輪16と共に軸心O2を中心に回転自在に支持される。そして、第一駆動傘歯車41Aと第一従動傘歯車42Aとは、相互に噛み合う。
第二傘歯車機構15Bは、第二駆動傘歯車41B及び第二従動傘歯車42Bを有する。第二駆動傘歯車41Bは、第一駆動傘歯車41Aと、径、歯形、歯数及びピッチが同じである。第二駆動傘歯車41Bは、伝達機構14における第二出力軸40Bに固定される。従って、第二駆動傘歯車41Bは、第二伝達機構である第二平歯車39Bと共に軸心O4を中心として回転自在に支持される。第二従動傘歯車42Bは、車軸37の他端側に固定され、車輪16と共に軸心O2を中心に回転自在に支持される。即ち、第二従動傘歯車42Bは、車軸37に対して第一従動傘歯車42Aとの間で車輪16を挟むように配置される。即ち、第一平歯車39A及び第一駆動傘歯車41Aが固定される第一出力軸40Aと、第二平歯車39B及び第二駆動傘歯車41Bが固定される第二出力軸40Bとは、車輪16に対して車軸37の軸心O2方向における両側に配置される。そして、第二駆動傘歯車41Bと第二従動傘歯車42Bとは、相互に噛み合う。
車輪16は、上述したように車軸37に固定される。車輪16は、車軸37の軸心O2方向に交差して自身の鉛直方向に沿う回転軸心O5が、旋回軸34の軸心O1に対して車軸37の軸心O2方向に直交する水平方向にずれて配置される。実施形態の駆動輪103は、図2及び図3に示すような平面視で、第一平歯車39A及び第一駆動傘歯車41Aが固定される第一出力軸40Aと、第二平歯車39B及び第二駆動傘歯車41Bが固定される第二出力軸40Bとが、軸心O2上に配置される。また、実施形態の駆動輪103は、車輪16の回転軸心O5が軸心O2方向に直交する水平方向にずれて配置される。このため、実施形態の駆動輪103は、平面視で、旋回部12の軸心O1と、軸心O3と軸心O4とが二等辺三角形をなすように配置される。そして、車輪16は、図4及び図5に示すように、その下端部がケーシング35の下方に突出して設けられる。従って、車輪16は、回転軸心O5を含む下端部が床面G(図14参照)に接触できる。なお、図には明示しないが、実施形態の駆動輪103及び後述する駆動輪103’において、車輪16は、回転軸心O5が旋回軸34の軸心O1に対して一致する構成としてもよい。
実施形態の駆動輪103は、モータである第一入力部30A及び第二入力部30Bの駆動によって、第一出力軸40Aと第二出力軸40Bとを回転させることで車輪16の回転と操舵を行うことができる。即ち、駆動輪103は、第一入力部30Aの駆動によって、第一入力歯車32A、第一入力部材36A及び第一平歯車39Aを介して第一出力軸40Aを回転させることで、第一駆動傘歯車41A及び第一従動傘歯車42Aを介して車軸37を回転させる。また、駆動輪103は、第二入力部30Bの駆動によって、第二入力歯車32B、第二入力部材36B及び第二平歯車39Bを介して第二出力軸40Bを回転させることで、第二駆動傘歯車41B及び第二従動傘歯車42Bを介して車軸37を回転させる。そして、駆動輪103は、第一出力軸40Aと第二出力軸40Bとを互いに同方向に回転させると共に、第一出力軸40Aと第二出力軸40Bとの回転数(回転速度)を同じにすることで、車輪16を回転させ、前進または後退することができる。また、駆動輪103は、第一出力軸40Aと第二出力軸40Bとを互いに逆方向に回転すると共に、第一出力軸40Aと第二出力軸40Bとの回転数(回転速度)を同じにすることで、車輪16を操舵せずに回転させことができる。このとき、駆動輪103は、第一出力軸40Aと第二出力軸40Bとの回転数(回転速度)を異ならせることで、車輪16を回転または停止した状態で操舵することができる。一方、駆動輪103は、モータである第一入力部30A及び第二入力部30Bを駆動しないことによって、車輪16の回転と操舵を従動させることができる。
ここで、駆動輪103の作動について説明する。図6は、駆動輪の駆動力伝達経路を表す模式図である。
駆動輪103において、図6に示すように、第一入力部材36Aを第一方向A1に回転すると、第一平歯車39Aが同方向の第二方向A2に回転する。第一平歯車39Aが第二方向A2に回転すると、第一平歯車39Aに第一出力軸40Aを介して一体に設けられた第一駆動傘歯車41Aが同方向に回転する。すると、第一駆動傘歯車41Aに噛み合う第一従動傘歯車42Aが第三方向A3に回転し、第一従動傘歯車42Aと一体の車軸37を同方向に回転させる。一方、駆動輪103において、第二入力部材36Bを第一方向A1と逆方向の第一方向B1に回転すると、第二平歯車39Bが同方向の第二方向B2に回転する。第二平歯車39Bが同方向の第二方向B2に回転すると、第二平歯車39Bに第二出力軸40Bを介して一体に設けられた第二駆動傘歯車41Bが同方向に回転する。すると、第二駆動傘歯車41Bに噛み合う第二従動傘歯車42Bが第三方向B3に回転し、第二従動傘歯車42Bと一体の車軸37を同方向に回転させる。ここで、第三方向A3と第三方向B3同じ回転方向であることから、第一入力部材36Aと第二入力部材36Bが同回転数であれば、車輪16が旋回せずに回転し、駆動輪103は前進または後退する。
このとき、第一入力部材36Aの回転数に対して第二入力部材36Bの回転数を低下させると、第二駆動傘歯車41Bから第二従動傘歯車42Bを介して車軸37に入力する回転数が、第一駆動傘歯車41Aから第一従動傘歯車42Aを介して車軸37に入力する回転数より低くなる。すると、その回転数差だけ旋回軸34が回転し、車輪16を旋回して操舵する。また、第二入力部材36Bの回転を停止すると、第二駆動傘歯車41Bから第二従動傘歯車42Bを介して車軸37に入力する回転数が0となり、車輪16が回転せずに旋回して操舵する。
なお、駆動輪103は、図には明示しないが、旋回位置検出部を有する。旋回位置検出部は、本体10に設けられている。旋回位置検出部は、例えば、旋回軸34と共に軸心O1の廻りに回転する第一平歯車と、第一平歯車と噛み合って軸心O1と平行な軸心の廻りに従動回転する第二平歯車と、第二平歯車の回転位置を検出する検出器と、を有する。従って、駆動輪103は、旋回軸34と共に第一平歯車が回転し、この第一平歯車の回転位置を第二平歯車の回転位置として検出器で検出することで、旋回軸34の回転位置、即ち、本体10に対する旋回部12の回転位置を検出できる。検出器の検出信号は、台車(機器)100の制御装置105に入力される。この結果、制御装置105において駆動輪103の旋回を制御できる。
このように、実施形態の駆動輪103は、回転自在に設けられる円環形状の第一入力部材36Aと、第一入力部材36Aと同軸上で軸心O1方向にずれて配置されて第一入力部材36Aと互いに独立して回転自在に設けられる円環形状の第二入力部材36Bと、別軸上に配置される第一出力軸40A及び第二出力軸40Bと、第一入力部材36Aの内周に係合して第一入力部材36Aの回転力を第一出力軸40Aに伝達する第一平歯車(第一伝達機構)39Aと、第二入力部材36Bの内周に係合して第二入力部材36Bの回転力を第二出力軸40Bに伝達する第二平歯車(第二伝達機構)39Bと、車軸37に固定される車輪16と、第一出力軸40Aの回転力を車軸37の一端部に伝達する第一傘歯車機構(第一動力変換機構)15Aと、第二出力軸40Bの回転力を車軸37の他端部に伝達する第二傘歯車機構(第二動力変換機構)15Bと、車軸37を介して車輪16を旋回可能に支持する旋回軸34と、を備える。
そのため、実施形態の駆動輪103は、第一入力部材36A及び第二入力部材36Bの回転力は、第一平歯車39A及び第二平歯車39Bを介して第一出力軸40A及び第二出力軸40Bに伝達され、第一出力軸40A及び第二出力軸40Bから第一傘歯車機構15A及び第二傘歯車機構15Bを介して車軸37の各端部に伝達される。この構成により、駆動輪103は、第一入力部材36A及び第二入力部材36Bの回転数を調整することで、車輪16の回転と操舵を切替えることができる。そのため、駆動輪103は、車軸37の各端部にそれぞれ傘歯車機構15A,15Bを配置することから、車輪16への回転力の伝達系統を簡素化することとなり、構造の簡素化を図ることができると共に、十分な最低地上高を確保することができる。
しかも、実施形態の駆動輪103は、同軸上で軸心O1方向にずれて配置されて互いに独立して回転自在に設けられる円環形状の第一入力部材36A及び第二入力部材36Bを備え、第一入力部材36A及び第二入力部材36Bの回転力が第一平歯車39A及び第二平歯車39Bを介して第一出力軸40A及び第二出力軸40Bに伝達される。そのため、駆動輪103は、第一入力部材36A及び第二入力部材36Bの円環状の外周から回転力を入力できることから、入力部11を、回転の外側に展開して配置できる。この結果、駆動輪103は、入力部11を、回転の軸心方向に沿って配置することと比較して、低床化を実現できる。
実施形態の駆動輪103では、第一入力部材36Aの円環状の外周に係合して第一入力部材36Aに回転力を入力する第一入力部30Aと、第二入力部材36Bの円環状の外周に係合して第二入力部材36Bに回転力を入力する第二入力部30Bと、を備える。そのため、駆動輪103は、第一入力部30A及び第二入力部30Bが第一入力部材36A及び第二入力部材36Bの回転の外側に配置され、低床化を実現できる。
実施形態の駆動輪103では、第一出力軸40Aと第二出力軸40Bは、車輪16に対して車軸37の軸心O2方向における両側に配置される。従って、駆動輪103は、回転力を車軸37における軸心O2方向の両側から入力することとなり、低床化を実現できると共に、車輪16を操舵するための差動機構の簡素化を図ることができる。
実施形態の駆動輪103では、第一傘歯車機構15Aと第二傘歯車機構15Bは、車輪16に対して車軸37の軸心O2方向における両側に配置される。従って、駆動輪103は、回転力を車軸37における軸心O2方向の両側から入力することとなり、低床化を実現できると共に、車輪16を操舵するための差動機構の簡素化を図ることができる。
実施形態の駆動輪103では、車軸37の軸心O2に交差する鉛直方向に沿う車輪16の回転軸心O5が、旋回軸34の軸心O1に対して車軸37の軸心O2に直交する水平方向にずれて配置される。そのため、駆動輪103は、車輪16を駆動しないとき、車輪16が水平方向から作用する外力により受動的に旋回することができる。即ち、駆動輪103は、台車100を自動走行及び自動操舵することができると共に、作業者が手動走行及び手動操舵することができる。
実施形態の台車100は、駆動輪103と、駆動輪103が取付けられる台車本体101とを備える。そのため、台車100は、低床化を実現できる。
図7は、駆動輪の他の構成例を表す斜視図である。図8は、駆動輪の他の構成例を表す平面図である。図9は、駆動輪の他の構成例を表す底面図である。図10は、図8のC-C断面図である。
図7から図10に示す駆動輪103’は、図1から図6に示して説明した駆動輪103に対し、動力変換機構17が異なり、他の構成は同等である。従って、駆動輪103’において、駆動輪103と同等部分には同一の符号を付して説明を省略する。
動力変換機構17は、はすば歯車機構であり、伝達機構14の回転力を車輪16に伝達するものである。動力変換機構17は、第一動力変換機構としての第一はすば歯車機構17Aと、第二動力変換機構としての第二はすば歯車機構17Bを有する。第一はすば歯車機構17Aは、第一出力軸40Aの下部に固定された第一駆動はすば歯車51Aと、車輪16に設けられた車軸37の軸心O2方向の一端部に固定されて第一駆動はすば歯車51Aに噛み合う第一従動はすば歯車52Aと、により構成されている。第二はすば歯車機構17Bは、第二出力軸40Bの下部に固定された第二駆動はすば歯車51Bと、車軸37の軸心O2方向の他端部に固定されて第二駆動はすば歯車51Bに噛み合う第二従動はすば歯車52Bと、により構成されている。
実施形態の駆動輪103’は、第一入力部材36A及び第二入力部材36Bの回転力は、第一平歯車39A及び第二平歯車39Bを介して第一出力軸40A及び第二出力軸40Bに伝達され、第一出力軸40A及び第二出力軸40Bから第一はすば歯車機構17A及び第二はすば歯車機構17Bを介して車軸37の各端部に伝達される。そして、駆動輪103’は、第一入力部材36A及び第二入力部材36Bの回転数を調整することで、車輪16の回転と操舵を切替えることができる。そのため、駆動輪103’は、車軸37の各端部にそれぞれはすば歯車機構17A,17Bを配置することから、車輪16への回転力の伝達系統を簡素化することとなり、構造の簡素化を図ることができ、低床化に寄与できる。
このように、駆動輪103’は、駆動輪103に対して動力変換機構17を替えて構成できる。
また、駆動輪103,103’に対して動力変換機構を替える構成例は、この限りではない。
図11は、動力変換機構の構成例を表す斜視図である。図12は、動力変換機構の構成例を表す斜視図である。図13は、動力変換機構の構成例を表す正面図である。なお、図11から図13で示す動力変換機構18,19,20を備える駆動輪の構成は、上述した駆動輪103と同等であり、同等部分には同一の符号を付して説明を省略する。
図11に示す動力変換機構18は、ウォーム歯車機構であり、伝達機構14の回転力を車輪16に伝達するものである。動力変換機構18は、第一動力変換機構としての第一ウォーム歯車機構18Aと、第二動力変換機構としての第二ウォーム歯車機構18Bを有する。第一ウォーム歯車機構18Aは、第一出力軸40Aの下部に固定された第一ウォーム53Aと、車輪16に設けられた車軸37の軸心O2方向の一端部に固定されて第一ウォーム53Aに噛み合う第一ウォームホイール54Aと、により構成されている。第二ウォーム歯車機構18Bは、第二出力軸40Bの下部に固定された第二ウォーム53Bと、車軸37の軸心O2方向の他端部に固定されて第二ウォーム53Bに噛み合う第二ウォームホイール54Bと、により構成されている。
この動力変換機構18を備える駆動輪は、第一入力部材36A及び第二入力部材36Bの回転力は、第一平歯車39A及び第二平歯車39Bを介して第一出力軸40A及び第二出力軸40Bに伝達され、第一出力軸40A及び第二出力軸40Bから第一ウォーム歯車機構18A及び第二ウォーム歯車機構18Bを介して車軸37の各端部に伝達される。そして、この駆動輪は、第一入力部材36A及び第二入力部材36Bの回転数を調整することで、車輪16の回転と操舵を切替えることができる。そのため、この駆動輪は、車軸37の各端部にそれぞれウォーム歯車機構18A,18Bを配置することから、車輪16への回転力の伝達系統を簡素化することとなり、構造の簡素化を図ることができ、低床化に寄与できる。
なお、第一ウォーム歯車機構18Aは、第一出力軸40Aの下部に第一ウォームホイール54Aが固定され、車軸37の軸心O2方向の一端部に第一ウォーム53Aが固定されて構成されていてもよい。また、第二ウォーム歯車機構18Bは、第二出力軸40Bの下部に第二ウォームホイール54Bが固定され、車軸37の軸心O2方向の他端部に第二ウォーム53Bが固定されて構成されていてもよい。
図12に示す動力変換機構19は、冠歯車機構であり、伝達機構14の回転力を車輪16に伝達するものである。動力変換機構19は、第一動力変換機構としての第一冠歯車機構19Aと第二動力変換機構としての第二冠歯車機構19Bを有する。第一冠歯車機構19Aは、第一出力軸40Aの下部に固定された第一冠歯車55Aと、車輪16に設けられた車軸37の軸心O2方向の一端部に固定されて第一冠歯車55Aに噛み合う第一平歯車56Aと、により構成されている。第二冠歯車機構19Bは、第二出力軸40Bの下部に固定された第二冠歯車55Bと、車軸37の軸心O2方向の他端部に固定されて第二冠歯車55Bに噛み合う第二平歯車56Bと、により構成されている。
この動力変換機構19を備える駆動輪は、第一入力部材36A及び第二入力部材36Bの回転力は、第一平歯車39A及び第二平歯車39Bを介して第一出力軸40A及び第二出力軸40Bに伝達され、第一出力軸40A及び第二出力軸40Bから第一冠歯車機構19A及び第二冠歯車機構19Bを介して車軸37の各端部に伝達される。そして、この駆動輪は、第一入力部材36A及び第二入力部材36Bの回転数を調整することで、車輪16の回転と操舵を切替えることができる。そのため、この駆動輪は、車軸37の各端部にそれぞれ冠歯車機構19A,19Bを配置することから、車輪16への回転力の伝達系統を簡素化することとなり、構造の簡素化を図ることができ、低床化に寄与できる。
なお、第一冠歯車機構19Aは、第一出力軸40Aの下部に第一平歯車56Aが固定され、車軸37の軸心O2方向の一端部に第一冠歯車55Aが固定されて構成されていてもよい。また、第二冠歯車機構19Bは、第二出力軸40Bの下部に第二平歯車56Bが固定され、車軸37の軸心O2方向の他端部に第二冠歯車55Bが固定されて構成されていてもよい。
図13に示す動力変換機構20は、自在継手機構(ユニバーサルジョイント機構)であり、伝達機構14の回転力を車輪16に伝達するものである。動力変換機構20は、第一動力変換機構としての第一自在継手機構20Aと第二動力変換機構としての第二自在継手機構20Bを有する。第一自在継手機構20Aは、第一出力軸40Aの下端に固定された第一駆動継手57Aと、車輪16に設けられた車軸37の軸心O2方向の一端に固定された第一従動継手58Aと、第一駆動継手57A及び第一従動継手58Aを連結する第一連結部59Aと、により構成されている。第二自在継手機構20Bは、第二出力軸40Bの下端に固定された第二駆動継手57Bと、車軸37の軸心O2方向の他端に固定された第二従動継手58Bと、第二駆動継手57B及び第二従動継手58Bを連結する第二連結部59Bと、により構成されている。なお、図には明示しないが、第一自在継手機構20Aは、第一連結部59Aの一端が第一出力軸40Aの下端に固定され、第一連結部59Aの他端が車軸37の軸心O2方向の一端に固定され、中間部に第一駆動継手57A及び第一従動継手58Aに相当する単一または複数の継手が設けられた構成であってもよい。同様に、図には明示しないが、第二自在継手機構20Bは、第二連結部59Bの一端が第二出力軸40Bの下端に固定され、第二連結部59Bの他端が車軸37の軸心O2方向の他端に固定され、中間部に第二駆動継手57B及び第二従動継手58Bに相当する単一または複数の継手が設けられた構成であってもよい。
この動力変換機構20を備える駆動輪は、第一入力部材36A及び第二入力部材36Bの回転力は、第一平歯車39A及び第二平歯車39Bを介して第一出力軸40A及び第二出力軸40Bに伝達され、第一出力軸40A及び第二出力軸40Bから第一自在継手機構20A及び第二自在継手機構20Bを介して車軸37の各端部に伝達される。そして、この駆動輪は、第一入力部材36A及び第二入力部材36Bの回転数を調整することで、車輪16の回転と操舵を切替えることができる。そのため、車軸37の各端部にそれぞれ自在継手機構20A,20Bを配置することから、車輪16への回転力の伝達系統を簡素化することとなり、構造の簡素化を図ることができ、低床化に寄与できる。
ところで、上述した実施形態の駆動輪103,103’にあっては、第一出力軸40Aと車軸37とは、相互の軸心方向が90度異なる。このため、駆動輪103,103’は、第一出力軸40Aの回転力を車軸37の一端部に伝達する第一動力変換機構(第一傘歯車機構15A、第一はすば歯車機構17A、第一ウォーム歯車機構18A、第一冠歯車機構19A、第一自在継手機構20A)は、第一出力軸40Aの回転力を第一出力軸40Aに対して軸心方向の異なる車軸37の一端部に伝達する。また、上述した実施形態の駆動輪103,103’にあっては、第二出力軸40Bと車軸37とは、相互の軸心方向が90度異なる。このため、駆動輪103,103’は、第二出力軸40Bの回転力を車軸37の一端部に伝達する第二動力変換機構(第二傘歯車機構15B、第二はすば歯車機構17B、第二ウォーム歯車機構18B、第二冠歯車機構19B、第二自在継手機構20B)は、第二出力軸40Bの回転力を第二出力軸40Bに対して軸心方向の異なる車軸37の一端部に伝達する。なお、動力変換機構は、上述した構成に限らず、出力軸40A,40Bの回転力を、出力軸40A,40Bに対して軸心方向の異なる車軸37に伝達する構成であればよい。
15 動力変換機構(傘歯車機構)
15A 第一傘歯車機構(第一動力変換機構)
15B 第二傘歯車機構(第二動力変換機構)
16 車輪
17 動力変換機構(はすば歯車機構)
17A 第一はすば歯車機構(第一動力変換機構)
17B 第二はすば歯車機構(第二動力変換機構)
18 動力変換機構(ウォーム歯車機構)
18A 第一ウォーム歯車機構(第一動力変換機構)
18B 第二ウォーム歯車機構(第二動力変換機構)
19 動力変換機構(冠歯車機構)
19A 第一冠歯車機構(第一動力変換機構)
19B 第二冠歯車機構(第二動力変換機構)
20 動力変換機構(自在継手機構)
20A 第一自在継手機構(第一動力変換機構)
20B 第二自在継手機構(第二動力変換機構)
30A 第一入力部
30B 第二入力部
34 旋回軸
36A 第一入力部材
36B 第二入力部材
37 車軸
39A 第一平歯車(第一伝達機構)
39B 第二平歯車(第二伝達機構)
40A 第一出力軸
40B 第二出力軸
100 台車
101 台車本体
103,103’ 駆動輪

Claims (7)

  1. 回転自在に設けられる円環形状の第一入力部材と、
    前記第一入力部材と同軸上で軸心方向にずれて配置されて前記第一入力部材と互いに独立して回転自在に設けられる円環形状の第二入力部材と、
    別軸上に配置される第一出力軸及び第二出力軸と、
    前記第一入力部材の内周に係合して前記第一入力部材の回転力を前記第一出力軸に伝達する第一伝達機構と、
    前記第二入力部材の内周に係合して前記第二入力部材の回転力を前記第二出力軸に伝達する第二伝達機構と、
    車軸に固定される車輪と、
    前記第一出力軸の回転力を前記車軸の一端部に伝達する第一動力変換機構と、
    前記第二出力軸の回転力を前記車軸の他端部に伝達する第二動力変換機構と、
    前記車軸を介して前記車輪を旋回可能に支持する旋回軸と、
    を備える、駆動輪。
  2. 前記第一入力部材の円環状の外周に係合して前記第一入力部材に回転力を入力する第一入力部と、
    前記第二入力部材の円環状の外周に係合して前記第二入力部材に回転力を入力する第二入力部と、
    を備える、請求項1に記載の駆動輪。
  3. 前記第一出力軸と前記第二出力軸は、前記車輪に対して前記車軸の軸心方向における両側に配置される、請求項1または2に記載の駆動輪。
  4. 前記第一動力変換機構と前記第二動力変換機構は、前記車輪に対して前記車軸の軸心方向における両側に配置される、請求項1から3のいずれか1項に記載の駆動輪。
  5. 前記第一動力変換機構は、前記第一出力軸の回転力を前記第一出力軸に対して軸心方向の異なる前記車軸の一端部に伝達するもので、傘歯車機構、はすば歯車機構、ウォーム歯車機構、冠歯車機構、または自在継手機構のいずれか1つが適用され、前記第二動力変換機構は、前記第二出力軸の回転力を前記第二出力軸に対して軸心方向の異なる前記車軸の一端部に伝達するもので、傘歯車機構、はすば歯車機構、ウォーム歯車機構、冠歯車機構、または自在継手機構のいずれか1つが適用される、請求項1から4のいずれか1項に記載の駆動輪。
  6. 前記旋回軸は、前記車軸の軸心に交差して鉛直方向に沿う前記車輪の回転軸心に対して前記車軸の軸心に直交する水平方向に自身の軸心がずれて配置される、請求項1から5のいずれか1項に記載の駆動輪。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載の駆動輪と、
    前記駆動輪が取付けられる台車本体と、
    を備える、台車。
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