JP2023035884A - 磁気軸受装置及び真空ポンプ - Google Patents

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Abstract

【課題】磁気軸受を用いた浮上系において、運転効率良く、かつ、安全に、発振等の異常状態から復帰が出来、異常の誤検知が少なく信頼性の高い磁気軸受装置及び真空ポンプを提供する。【解決手段】回転体を磁力で空中に浮上支持する磁気軸受と、磁気軸受を制御する磁気軸受制御器とを備え、磁気軸受制御器による制御の異常を所定の第1の異常条件に基づき検知する第1の異常検知手段と、第1の異常検知手段で制御の異常が検知されたとき、磁気軸受装置の運転を継続しつつ磁気軸受制御器の制御パラメータを修正する制御パラメータ修正手段と、磁気軸受制御器による制御の異常を第1の異常条件よりも異常の度合いの大きい所定の第2の異常条件に基づき検知する第2の異常検知手段と、第2の異常検知手段で制御の異常が検知されたとき磁気軸受装置の運転を停止する停止手段を備えた。【選択図】図2

Description

本発明は磁気軸受装置及び真空ポンプに係わり、特に磁気軸受を用いた浮上系において、運転効率良く、かつ、安全に、発振等の異常状態から復帰が出来、異常の誤検知が少なく信頼性の高い磁気軸受装置及び真空ポンプに関する。
近年のエレクトロニクスの発展に伴い、メモリや集積回路といった半導体の需要が急激に増大している。
これらの半導体は、極めて純度の高い半導体基板に不純物をドープして電気的性質を与えたり、エッチングにより半導体基板上に微細な回路を形成したりなどして製造される。
そして、これらの作業は空気中の塵等による影響を避けるため高真空状態のチャンバ内で行われる必要がある。このチャンバの排気には、一般に真空ポンプが用いられているが、特に残留ガスが少なく、保守が容易等の点から真空ポンプの中の一つであるターボ分子ポンプが多用されている。
また、半導体の製造工程では、様々なプロセスガスを半導体の基板に作用させる工程が数多くあり、ターボ分子ポンプはチャンバ内を真空にするのみならず、これらのプロセスガスをチャンバ内から排気するのにも使用される。
更に、ターボ分子ポンプは、電子顕微鏡等の設備において、粉塵等の存在による電子ビームの屈折等を防止するため、電子顕微鏡等のチャンバ内の環境を高度の真空状態にするのにも用いられている。
このターボ分子ポンプは回転体を磁気浮上制御するため磁気軸受装置を備えている。そして、この磁気軸受装置では、回転体の加速運転中に共振点を通過する際や定速運転中にノイズが発生した際等に、高速かつ強い力での回転体の位置制御をする必要がある。
この回転体の位置制御はフィードバック制御で行われている。フィードバック制御では、回転体に振動が発生すると、振動に同期した磁力によって振動を抑制しようとする。このため、フィードバック制御の設計が不適切なときに、発振現象が起こることがある。また、この発振現象以外にも、ターボ分子ポンプに対しては、ノイズや振動、停電等、環境如何によっては様々な異常が発生することがある。
この異常の発生に対し特許文献1では、自動リセット可の設定がされている場合に、磁気軸受装置に対し再起動によるリセットを行って運転を継続することで正常復帰させ、一方、自動リセット不可の設定がされている場合には磁気軸受装置を運転停止させる例が開示されている。
また、磁気軸受装置を工具交換が必要とされる工作機械に適用した場合には、工具の種類、工具の有無によりロータの固有振動数が変化する。特許文献2及び特許文献3では、その変化が発生しても安定に制御可能なフィルタの設定方法が開示されている。
更に、ロータの曲げ固有振動数はロータの回転数に応じて変化する。その変化が発生しても安定に制御可能なフィルタの設定方法が特許文献4では開示されている。
しかしながら、上記した特許文献1のようにリセットのみでは、例えば、回転数、温度、時間など系の状態が変化したような場合には正常に復帰が出来ないおそれがある。これらによる異常から復帰するためには、制御パラメータを再調整する必要がある。
また、特許文献2及び特許文献3では、ポンプの運転中の固有振動の変化が想定されていないので、この調整は工具交換直後、即ちポンプの運転の停止中に行われることを前提としている。
更に、特許文献4では、事前に指定された固有振動モードに対して、回転数による固有振動の変化を考慮したフィルタの設定方法が言及されている。
しかし、ポンプの運転中に、想定外の固有振動モードに起因する発振等の異常が発生した場合や、事前に設定したノッチフィルタの減衰や線幅が不適切な場合、温度変化や経時変化による固有振動数の変化などには、対応できないおそれがある。
また、ポンプの運転中には、瞬間的なノイズが予期せずに出現することがある。このようなノイズの場合に、必ずしも警報等を行う必要はなく、運転を継続しても問題の無いことも多くある。このため、ノイズが検出された場合であっても、誤動作とならないようにするために、2秒程度異常信号が続くか否かを判断し、続いた場合に警報を鳴動若しくは表示させるようにした例が開示されている(特許文献5)。
特開2006-145006号公報 特開2001-293637号公報 特開2002-188630号公報 特開平9-236122号公報 特開2000-110777号公報
ところで、通常、磁気軸受装置の制御パラメータの再調整は異常検知によるポンプの運転の停止後に行われる。従って、再調整にはポンプの運転停止及びポンプの再起動に時間が必要なため、運転効率が悪化する。
仮にポンプの運転中に制御パラメータの再調整を行った場合には、誤った再調整などにより異常が悪化してタッチダウンし、機器の破損などが発生する可能性がある。このため、不安全かつ修理の時間・コストが必要となる。
また、磁気軸受装置の制御パラメータの設定不良などにより、安定限界に極めて近い状態で運転されている場合には、わずかな環境変化に対して発振等の異常が発生しやすい。このような状態では、製造ばらつきや設置環境の影響を受けやすい。
更に、磁気軸受装置の制御パラメータを修正する際には、修正に伴うノイズが発生することがある。そして、このノイズは磁気軸受装置によって異常状態と判断される可能性がある。しかし、これは一時的なものであり、対応の必要なく自然に解消する。従って、異常と判断されるべきではない。
特許文献5に記載の方法では、制御パラメータ修正に伴うノイズによる異常誤検知を減らすことができる一方で、制御パラメータ修正時以外には異常検知が遅れてしまう。特に回転体の発振時には、直ちに異常検知して対応しなければ、回転体がタッチダウンベアリングに接触し、タッチダウンベアリングの寿命を縮める恐れがある。
本発明はこのような従来の課題に鑑みてなされたもので、磁気軸受を用いた浮上系において、運転効率良く、かつ、安全に、発振等の異常状態から復帰が出来、異常の誤検知が少なく信頼性の高い磁気軸受装置及び真空ポンプを提供することを目的とする。
このため本発明(請求項1)は、回転体と、該回転体を磁力で空中に浮上支持する磁気軸受と、該磁気軸受を制御する磁気軸受制御器とを備えた磁気軸受装置であって、前記磁気軸受制御器による制御の異常を所定の第1の異常条件に基づき検知する第1の異常検知手段と、該第1の異常検知手段で前記制御の異常が検知されたとき、前記磁気軸受装置の運転を継続しつつ前記磁気軸受制御器の制御パラメータを修正する制御パラメータ修正手段と、前記磁気軸受制御器による前記制御の異常を前記第1の異常条件よりも異常の度合いの大きい所定の第2の異常条件に基づき検知する第2の異常検知手段と、該第2の異常検知手段で前記制御の異常が検知されたとき前記磁気軸受装置の運転を停止する停止手段とを備えて構成した。
制御パラメータの再調整により系の状態変化による異常に対応できる。従って、磁気軸受制御のロバスト性が増加し、運転効率が向上する。また、運転を止めることなく制御パラメータを再調整できる。このため、復帰までの時間短縮により運転効率が向上する。更に、複数の異常基準を設け、必要な場合には運転を停止させるので安全性を確保できる。
また、本発明(請求項2)は磁気軸受装置の発明であって、前記制御パラメータ修正手段が、前記制御パラメータを1ステップ前の制御パラメータから変更する変更工程と、該変更工程で変更された制御パラメータをもって前記磁気軸受制御器による制御を行う制御工程と、該制御工程で制御を行った結果、該制御工程の前記1ステップ前に行われた制御の結果と比べて前記制御の異常の状態に改善があったか否かを判断し、前記制御の異常の状態に改善があったと判断したときに、前記制御パラメータとして変更後の値を保持し、一方、前記制御の異常の状態に改善が無かったと判断したときに、前記制御パラメータを前記1ステップ前の制御パラメータに戻す状態改善判断工程とを備えて構成した。
このことにより、制御パラメータの再調整によって状態が却って悪化した場合に、悪化を防ぐことが出来る。誤った再調整から直ちに復帰できるため、安全性を向上させることが出来、また、再調整の時間短縮による運転効率が向上する。
更に、本発明(請求項3)は磁気軸受装置の発明であって、前記制御パラメータ修正手段には、前記状態改善判断工程にて前記制御の異常の状態に改善があったと判断した場合の後段に、前記第1の異常条件に基づき前記制御の異常の状態が解消したか否かを判断し、前記第1の異常条件で判断される前記制御の異常の状態が解消していないと判断したとき前記変更工程に戻り、一方、前記第1の異常条件で判断される前記制御の異常の状態が解消したと判断したときその時点の前記制御パラメータを保持する、第1の異常解消判断工程を備えて構成した。
このことにより、制御パラメータの再調整による第1の異常の解消までの時間が短縮され、運転効率が向上する。
更に、本発明(請求項4)は磁気軸受装置の発明であって、前記制御パラメータ修正手段には、前記第1の異常解消判断工程にて前記第1の異常条件で判断される前記制御の異常の状態が解消したと判断した場合の後段に、前記第1の異常解消判断工程にて保存された前記制御パラメータを適用した前記磁気軸受装置の運転が、前記磁気軸受制御器による前記制御の異常が生じない所定の安定性を有するものになっているか否かを評価する安定性評価工程を更に備え、該安定性評価工程で前記安定性が十分でないと評価されるとき、前記磁気軸受制御器の前記制御パラメータの修正をやり直すことを特徴とする。
このことにより、安定性を考慮した再調整が可能となる。第1の異常を解消したが、また異常が発生するような状態を防ぐことが出来る。このため、運転効率が向上し、安全性が向上する。
更に、本発明(請求項5)は磁気軸受装置の発明であって、前記安定性評価工程が、加振信号の印加、前記磁気軸受制御器の制御ゲインの増加、及び、前記磁気軸受制御器の制御ゲインの減少の少なくともいずれか一つを用いて評価されることを特徴とする。
このことにより、安定性評価工程を容易に実現できる。
更に、本発明(請求項6)は磁気軸受装置の発明であって、前記制御パラメータ修正手段による前記制御パラメータの修正の過程において、前記第2の異常条件に基づき判断される前記制御の異常が検知されたとき、前記制御パラメータ修正手段が過去に設定された前記制御パラメータを適用した上で前記磁気軸受装置の運転を停止することを特徴とする。
このことにより、その時点での最良な制御パラメータにて運転停止状態に移行できる。制御パラメータの修正の過程において、再調整によって状態が却って悪化し、直ちに運転停止が必要な場合にも、比較的安全な状態にて運転停止できる。
更に、本発明(請求項7)は磁気軸受装置の発明であって、前記制御パラメータ修正手段では、前記第1の異常検知手段で前記制御の異常が検知されたとき、前記回転体の減速運転をしつつ前記磁気軸受制御器の前記制御パラメータを修正することを特徴とする。
回転体の減速運転中に磁気軸受制御器の制御パラメータの再調整を行うようにしたので、回転数ゼロとして運転を停止させた後に再調整する場合と比べて、より早く定格回転数に到達できる。このため、運転効率が向上する。
また、回転体の減速運転中に再調整を行うようにしたので、再調整時の回転数は異常検知時よりも小さい。タッチダウン時のダメージは回転数が小さいほど小さく、特に所定の回転数以下でならば、無視することができる。従って、再調整中に異常が増大し、タッチダウンが発生した場合のダメージを小さくすることが出来る。このため、安全性が向上する。
更に、本発明(請求項8)は磁気軸受装置の発明であって、前記制御パラメータ修正手段では、前記第1の異常検知手段で前記制御の異常が検知されたとき、前記回転体の回転数制御を停止し、該回転体がフリーランの状態で前記磁気軸受制御器の前記制御パラメータを修正することを特徴とする。
回転数制御を停止し、回転体をフリーランとすることで、回転体にかかるトルクの絶対値が小さくなる。このことにより、回転体の振動が低減する。このため、磁気軸受制御器への入力信号のS/N比がよくなり再調整の精度がよくなる。従って、高速で再調整が出来る。
また、回転体を減速又は運転停止後に再調整する場合と比べて、より早く定格回転数に到達できるため、運転効率が向上する。
更に、本発明(請求項9)は磁気軸受装置の発明であって、前記制御パラメータ修正手段では、前記第1の異常検知手段で前記制御の異常が検知されたとき、前記回転体の回転数制御を該異常が検知されたときの回転数にて定速制御を行いつつ前記磁気軸受制御器の前記制御パラメータを修正することを特徴とする。
回転体を定速制御とすることで異常の起こったときの状態を維持できる。このため、その原因を効率よく探ることが出来る。
回転体を減速又は運転停止後に再調整する場合と比べて、より早く定格回転数に到達できるため、運転効率が向上する。
更に、本発明(請求項10)は磁気軸受装置の発明であって、前記制御パラメータ修正手段では、前記第1の異常検知手段で前記制御の異常が検知されたとき、前記回転体の加速運転をしつつ前記磁気軸受制御器の前記制御パラメータを修正することを特徴とする。
回転体の加速中に再調整を行い、第1の異常が解消した後にも直ぐに継続して加速を行うので、一番早く定格回転数にまで達することが出来る。このため、運転効率が向上する。
更に、本発明(請求項11)は磁気軸受装置の発明であって、前記磁気軸受制御器の前記制御パラメータを修正後に、前記第1の異常条件での異常状態が解消されたとき前記回転体の加速が行われる。
第1の異常が解消した後にも直ぐに継続して加速を行うので、早く定格回転数にまで達することが出来る。このため、運転効率が向上する。
更に、本発明(請求項12)は真空ポンプの発明であって、請求項1~11のいずれか一項に記載の磁気軸受装置を搭載したことを特徴とする。
真空ポンプでは回転体を備える等固有振動モードの数が多く、その固有振動による発振が発生するおそれがあるが、制御パラメータの再調整により系の状態変化による異常に対応できる。復帰までの時間短縮により真空ポンプの運転効率が向上する。
更に、本発明(請求項13)は、回転体と、該回転体を磁力で空中に浮上支持する磁気軸受と、該磁気軸受を制御する磁気軸受制御器とを備えた磁気軸受装置であって、前記磁気軸受制御器による制御の異常を所定の異常条件に基づき検知する異常検知手段と、前記磁気軸受制御器の制御パラメータを修正する制御パラメータ修正手段と、該制御パラメータ修正手段が前記制御パラメータの修正を行なう、時間軸上、回転数軸上、周波数軸上のいずれかの地点を含み設定された所定範囲の領域と、該所定範囲の領域において前記所定の異常条件を緩和する緩和手段とを備えて構成した。
磁気軸受制御器による制御の異常を所定の異常条件に基づき検知する。制御パラメータの修正を行なうときには、制御系にノイズが生じ易い。しかし、このノイズは異常によるものではないので、誤検知しないようにする。このため、所定範囲の領域において所定の異常条件を緩和する。その一方で、制御パラメータの修正を行わないときには、緩和されていない異常条件で判断されるので異常を素早く検知できる。
更に、本発明(請求項14)は磁気軸受装置の発明であって、前記所定の異常条件は複数種類で構成され、前記緩和手段で緩和される異常条件には、変位信号に基づく異常条件が含まれることを特徴とする。
異常条件の種類は、変位や電流の異常や、タッチダウンベアリングとの接触、時間の異常な経過、DCリンク電圧の異常な変化等である。ここで、制御パラメータ修正時に緩和される異常条件としては例えば変位のみを設定し、そのほかの異常条件を緩和しないようにする。
制御パラメータ修正時には、変位信号に大きなノイズが現れやすい一方で、その他の信号のノイズは小さい。そのため、制御パラメータの修正を行なう際のノイズを誤検知せず、かつ、制御パラメータの修正と同時にたまたま発生した、例えば停電等の異常状態を高速に検知することが可能となり、信頼性が向上する。
更に、本発明(請求項15)は磁気軸受装置の発明であって、前記所定範囲の領域が前記地点よりも前方の前方領域と、前記地点よりも後方の後方領域とで構成され、該後方領域が前記前方領域よりも大きいことを特徴とする。
制御パラメータの修正前には制御パラメータの修正に伴うノイズは生じず、修正直後は1~2秒程度ノイズが生ずるおそれがある。このため、制御パラメータの修正を行なう時間軸上、回転数軸上、周波数軸上のいずれかの地点よりも後方の領域を前方の領域よりも時間的、回転数的、あるいは、周波数的に大きく設定する。
更に、本発明(請求項16)は磁気軸受装置の発明であって、前記所定範囲の領域が前記地点よりも後方の後方領域のみで構成されたことを特徴とする。
制御パラメータを修正する地点よりも前にはノイズは生じないので、緩和領域を備えない構成も可能である。
更に、本発明(請求項17)は真空ポンプの発明であって、請求項13又は請求項14に記載の磁気軸受装置を搭載したことを特徴とする。
以上説明したように本発明によれば、磁気軸受制御には、第1の異常検知手段で制御の異常が検知されたとき、磁気軸受装置の運転を継続しつつ磁気軸受制御器の制御パラメータを修正する制御パラメータ修正手段と、第2の異常検知手段で制御の異常が検知されたとき磁気軸受装置の運転を停止する停止手段を備えて構成したので、制御パラメータの再調整により系の状態変化による異常に対応できる。従って、磁気軸受制御のロバスト性が増加し、運転効率が向上する。また、運転を止めることなく制御パラメータを再調整できる。このため、復帰までの時間短縮により運転効率が向上する。更に、複数の異常基準を設け、必要な場合には運転を停止させるので安全性を確保できる。
本発明の実施形態で使用するターボ分子ポンプの構成図 制御パラメータを再調整する方法の概念フローチャート 具体的に制御パラメータを再調整する方法を示すフローチャート 調整ステップ毎の調整手順を仮想事例を基に図式化したもの 第2の異常が検知されたときの処理方法 第2の異常が検知されたときの別処理方法 安定性を考慮した再調整処理方法についての説明図 第1の異常を検知した際の再調整とポンプの運転との関係についての具体的な運用例(その1) 具体的な運用例(その2) 具体的な運用例(その3) 具体的な運用例(その4) 具体的な運用例(その5) 具体的な運用例(その6) 具体的な運用例(その7) 具体的な運用例(その8) 具体的な運用例(その9) 具体的な運用例(その10) 具体的な運用例(その11) 制御パラメータ修正フローチャート 制御パラメータ修正タイミングチャート 制御パラメータを修正する場合の動作例(その1) 制御パラメータを修正する場合の動作例(その2) 制御パラメータを修正する場合の動作例(その3)
以下、本発明の実施形態について説明する。図1に本発明の実施形態で使用するターボ分子ポンプの構成図を示す。図1において、ターボ分子ポンプ100は、円筒状の外筒127の上端に吸気口101が形成されている。そして、外筒127の内方には、ガスを吸引排気するためのタービンブレードである複数の回転翼102(102a、102b、102c・・・)を周部に放射状かつ多段に形成した回転体103が備えられている。この回転体103の中心にはロータ軸113が取り付けられており、このロータ軸113は、例えば5軸制御の磁気軸受により空中に浮上支持かつ位置制御されている。回転体103は、一般的に、アルミニウム又はアルミニウム合金などの金属によって構成されている。
上側径方向電磁石104は、4個の電磁石がX軸とY軸とに対をなして配置されている。この上側径方向電磁石104に近接して、かつ上側径方向電磁石104のそれぞれに対応して4個の上側径方向センサ107が備えられている。上側径方向センサ107は、例えば伝導巻線を有するインダクタンスセンサや渦電流センサなどが用いられ、ロータ軸113の位置に応じて変化するこの伝導巻線のインダクタンスの変化に基づいてロータ軸113の位置を検出する。この上側径方向センサ107はロータ軸113、即ちそれに固定された回転体103の径方向変位を検出し、図示しない制御装置の中央演算処理装置(CPU)に送るように構成されている。
この中央演算処理装置においては、磁気軸受制御器の機能が搭載されており、例えばPID調節機能を有する補償回路が、上側径方向センサ107によって検出された位置信号に基づいて、上側径方向電磁石104の励磁制御指令信号を生成し、図示しない磁気軸受用インバータが、この励磁制御指令信号に基づいて、上側径方向電磁石104を励磁制御することで、ロータ軸113の上側の径方向位置が調整される。
そして、このロータ軸113は、高透磁率材(鉄、ステンレスなど)などにより形成され、上側径方向電磁石104の磁力により吸引されるようになっている。かかる調整は、X軸方向とY軸方向とにそれぞれ独立して行われる。また、下側径方向電磁石105及び下側径方向センサ108が、上側径方向電磁石104及び上側径方向センサ107と同様に配置され、ロータ軸113の下側の径方向位置を上側の径方向位置と同様に調整している。
更に、軸方向電磁石106A、106Bが、ロータ軸113の下部に備えた円板状の金属ディスク111を上下に挟んで配置されている。金属ディスク111は、鉄などの高透磁率材で構成されている。ロータ軸113の軸方向変位を検出するために軸方向センサ109が備えられ、その軸方向位置信号が図示しない制御装置の中央演算処理装置(CPU)に送られるように構成されている。
そして、中央演算処理装置に搭載された磁気軸受制御器において、例えばPID調節機能を有する補償回路が、軸方向センサ109によって検出された軸方向位置信号に基づいて、軸方向電磁石106Aと軸方向電磁石106Bのそれぞれの励磁制御指令信号を生成し、図示しない磁気軸受用インバータが、これらの励磁制御指令信号に基づいて、軸方向電磁石106Aと軸方向電磁石106Bをそれぞれ励磁制御することで、軸方向電磁石106Aが磁力により金属ディスク111を上方に吸引し、軸方向電磁石106Bが金属ディスク111を下方に吸引し、ロータ軸113の軸方向位置が調整される。
このように、制御装置は、この軸方向電磁石106A、106Bが金属ディスク111に及ぼす磁力を適当に調節し、ロータ軸113を軸方向に磁気浮上させ、空間に非接触で保持するようになっている。
一方、モータ121は、ロータ軸113を取り囲むように周状に配置された複数の磁極を備えている。各磁極は、ロータ軸113との間に作用する電磁力を介してロータ軸113を回転駆動するように、制御装置によって制御されている。また、モータ121には図示しない例えばホール素子、レゾルバ、エンコーダなどの回転速度センサが組み込まれており、この回転速度センサの検出信号によりロータ軸113の回転速度が検出されるようになっている。
更に、例えば下側径方向センサ108近傍に、図示しない位相センサが取り付けてあり、ロータ軸113の回転の位相を検出するようになっている。制御装置では、この位相センサと回転速度センサの検出信号を共に用いて磁極の位置を検出するようになっている。
回転翼102(102a、102b、102c・・・)とわずかの空隙を隔てて複数枚の固定翼123(123a、123b、123c・・・)が配設されている。回転翼102(102a、102b、102c・・・)は、それぞれ排気ガスの分子を衝突により下方向に移送するため、ロータ軸113の軸線に垂直な平面から所定の角度だけ傾斜して形成されている。固定翼123(123a、123b、123c・・・)は、例えばアルミニウム、鉄、ステンレス、銅などの金属、又はこれらの金属を成分として含む合金などの金属によって構成されている。
また、固定翼123も、同様にロータ軸113の軸線に垂直な平面から所定の角度だけ傾斜して形成され、かつ外筒127の内方に向けて回転翼102の段と互い違いに配設されている。そして、固定翼123の外周端は、複数の段積みされた固定翼スペーサ125(125a、125b、125c・・・)の間に嵌挿された状態で支持されている。
固定翼スペーサ125はリング状の部材であり、例えばアルミニウム、鉄、ステンレス、銅などの金属、又はこれらの金属を成分として含む合金などの金属によって構成されている。固定翼スペーサ125の外周には、わずかの空隙を隔てて外筒127が固定されている。外筒127の底部にはベース部129が配設されている。ベース部129には排気口133が形成され、外部に連通されている。チャンバ(真空チャンバ)側から吸気口101に入ってベース部129に移送されてきた排気ガスは、排気口133へと送られる。
更に、ターボ分子ポンプ100の用途によって、固定翼スペーサ125の下部とベース部129の間には、ネジ付スペーサ131が配設される。ネジ付スペーサ131は、アルミニウム、銅、ステンレス、鉄、又はこれらの金属を成分とする合金などの金属によって構成された円筒状の部材であり、その内周面に螺旋状のネジ溝131aが複数条刻設されている。ネジ溝131aの螺旋の方向は、回転体103の回転方向に排気ガスの分子が移動したときに、この分子が排気口133の方へ移送される方向である。回転体103の回転翼102(102a、102b、102c・・・)に続く最下部には円筒部102dが垂下されている。この円筒部102dの外周面は、円筒状で、かつネジ付スペーサ131の内周面に向かって張り出されており、このネジ付スペーサ131の内周面と所定の隙間を隔てて近接されている。回転翼102及び固定翼123によってネジ溝131aに移送されてきた排気ガスは、ネジ溝131aに案内されつつベース部129へと送られる。
ベース部129は、ターボ分子ポンプ100の基底部を構成する円盤状の部材であり、一般には鉄、アルミニウム、ステンレスなどの金属によって構成されている。ベース部129はターボ分子ポンプ100を物理的に保持すると共に、熱の伝導路の機能も兼ね備えているので、鉄、アルミニウムや銅などの剛性があり、熱伝導率も高い金属が使用されるのが望ましい。
また、上側径方向センサ107と回転体103の間のステータコラム122の上端部には、タッチダウンベアリング141が配設されている。一方、下側径方向センサ108の下方には、タッチダウンベアリング143が配設されている。
タッチダウンベアリング141及びタッチダウンベアリング143とも玉軸受で構成されている。タッチダウンベアリング141及びタッチダウンベアリング143は回転体103の回転異常時又は停電時等のように回転体103が何らかの要因で磁気浮上が出来なくなったきに、回転体103が安全に非浮上状態に移行できるよう設けられている。
かかる構成において、回転翼102がロータ軸113と共にモータ121により回転駆動されると、回転翼102と固定翼123の作用により、吸気口101を通じて図示しないチャンバから排気ガスが吸気される。回転翼102の回転速度は通常20,000rpm~90,000rpmであり、回転翼102の先端での周速度は200m/s~400m/sに達する。吸気口101から吸気された排気ガスは、回転翼102と固定翼123の間を通り、ベース部129へ移送される。
ここに、回転体103に発振等の不測の異常が生じた場合には、磁気軸受制御器における制御パラメータを再調整して運転を継続することが望ましい。この制御パラメータの再調整方法について以下説明する。
図2に制御パラメータ修正手段による修正により、制御パラメータを再調整する方法の概念フローチャートを示す。ステップ1(図中S1と略す。以下同旨)で、制御装置の中央演算処理装置(CPU)が第1の異常を所定の判断基準に基づき検知する。
この第1の異常の判断基準は、異常が起こった場合でも磁気軸受制御パラメータを再調整することで、ポンプの運転を継続することが望ましい場合である。この第1の異常の所定の判断基準は例えば、発振を想定したときには、変位スペクトルの振幅が例えば0.5μmに至ったとき、あるいは、電流スペクトル振幅が例えば0.2Aに至ったときである。
また、この第1の異常の判断基準としては、変位時間波形のpeak to peak値が例えば20μmに至ったときを設定してもよい。この値は時間波形なのでフーリエ変換は不要であり、中央演算処理装置(CPU)の演算量を軽減できる。
更に、この第1の異常の判断基準としては、電流時間波形のpeak to peak値が例えば1Aに至ったときを設定してもよい。
この第1の異常の判断基準は、スペクトルの周波数成分ごとに異なる値を設定してもよい。例えば、磁気軸受の回転周波数成分とその高調波成分については、スペクトルの振幅が大きいので、基準を大きくする。
また、この第1の異常の判断基準は、運転状態によって変更してもよい。例えば、モータ121の非通電時には上記の通り変位スペクトル振幅0.5μmを判断基準値とするが、モータ121の通電時には変位スペクトル振幅1μmを判断基準値とする。これは非通電時の方が変位信号のS/N比がよいためである。
ステップ3では、中央演算処理装置(CPU)が磁気軸受制御パラメータを修正する。このときの修正は、例えば、新しくノッチフィルタ、位相進みフィルタ、ローパスフィルタ、バンドパスフィルタ等のフィルタを設定したり、既存のフィルタを削除することで行う。また、この修正は、既存のフィルタの中心周波数、線幅、大きさ等のパラメータを変更することで行っても良い。更に、この修正は、ゲインスケジュール等の場合、回転体103の回転数、温度等の情報との相関を取り、フィルタの制御パラメータをそれらに合わせて変更することで行っても良い。
更に、この修正は、中央演算処理装置(CPU)が、制御パラメータの比例ゲインや積分ゲインや微分ゲインを変更することで行っても良い。
この間の修正は、回転体103の浮上時で、かつ、回転体103の回転時に行っても良いし、あるいは、回転体103の浮上時で、かつ、回転体103の静止時に行っても良い。
そして、ステップ9では、中央演算処理装置(CPU)は第2の異常を所定の判断基準に基づき検知する。この第2の異常は、磁気軸受制御パラメータの再調整では対応できない異常であったり、状況的に直ちに運転を停止すべき異常である。即ち、第1の異常の発振よりも振幅が大きい発振のときであったり、回転体103がタッチダウンベアリング141及びタッチダウンベアリング143に対し接触したり、この接触状態で設定された時間をタイムアウトしたり、DCリンク電圧が異常に上昇、あるいは低下したり、その他異常の生じた場合等である。
第2の異常の所定の判断基準は、具体的には、第1の異常の所定の判断基準よりも大きい値である。例えば、第1の異常の条件を、変位スペクトルの振幅が0.5μmに至ったとき、あるいは、電流スペクトル振幅が0.2Aに至ったときと設定した場合、第2の異常の条件を、変位スペクトルの振幅が5μmに至ったとき、あるいは、電流スペクトル振幅が0.5Aに至ったときと設定する。
また、例えば、第1の異常の条件を、変位時間波形のpeak to peak値が20μmに至ったとき、あるいは、電流時間波形のpeak to peak値が1Aに至ったときとした場合、第2の異常の判断基準を、変位時間波形のpeak to peak値が50μmに至ったとき、あるいは、電流時間波形のpeak to peak値が2Aに至ったときと設定する。この値は時間波形なのでフーリエ変換は不要であり、中央演算処理装置(CPU)の演算量を軽減できる。
この第2の異常の判断基準は、スペクトルの周波数成分ごとに異なる値を設定してもよい。例えば、磁気軸受の回転周波数成分とその高調波成分については、スペクトルの振幅が大きいので、基準を大きくする。
また、この第2の異常の判断基準は、運転状態によって変更してもよい。例えば、モータ121の非通電時には上記の通り変位スペクトル振幅5μmを判断基準値とするが、モータ121の通電時には変位スペクトル振幅10μmを判断基準値とする。これは非通電時の方が変位信号のS/N比がよいためである。
更に、この第2の異常の判断基準としては、上側径方向センサ107、下側径方向センサ108、軸方向センサ109で検出された変位が所定の値を超えたことで、回転体103がタッチダウンベアリング141及びタッチダウンベアリング143に対し接触したと推定されたときや、図示しない接触検知センサにより回転体103がタッチダウンベアリング141及びタッチダウンベアリング143に対し接触したことを確認したときに設定してもよい。接触は1回若しくは規定回数が設定されてもよい。
また、この第2の異常の判断基準は、制御パラメータの再調整を所定の回数行っても第1の異常が解消しなかったときに設定されてもよい。あるいは、所定の時間を経過しても第1の異常が解消しなかったときに設定されてもよい。
更に、この第2の異常の判断基準としては、停電、断線、その他故障検知等、制御パラメータでは対応できない異常を検知したときに設定されてもよい。
なお、この第2の異常の判断基準は運転状態によって変更してもよい。例えば、回転体103の回転数がゼロのときには、上記したタッチダウンベアリング141及びタッチダウンベアリング143への接触を第2の異常の判断基準から除外してポンプの運転を継続する。これは、回転体103の回転数がゼロのときには、回転体103がタッチダウンベアリング141及びタッチダウンベアリング143に接触しても安全なためである。一方、回転体103が回転中のときにはタッチダウンベアリング141及びタッチダウンベアリング143への接触が判断されたときにはポンプの運転を停止する。
また、固有振動数を検出するために、中央演算処理装置(CPU)が一時的にゲインを増大させる場合には、第2の異常の判断基準を変更してもよい。例えば、第2の異常の判断基準として変位スペクトル振幅30μmとし、通常運転の場合には、変位スペクトル振幅15μmとする。ゲインの増大は一時的なものであり、危険な状態が直ちに解除されることが事前に分かっているためである。
そして、ステップ9で中央演算処理装置(CPU)が第2の異常を検知したときには、ステップ11で中央演算処理装置(CPU)はポンプの運転を停止する。このときの運転の停止方法は、回転数指令値をゼロに設定し減速することで行う。そして、このときには、回転体103の浮上を継続する。
あるいは、磁気軸受の通電を停止し回転体103の浮上を止めることで行う。但し、通電の停止は上側径方向電磁石104、下側径方向電磁石105、軸方向電磁石106A、106Bのいずれかの通電を停止することで行っても良い。
この運転停止は、回転体103の回転中には、回転数指令値をゼロに設定し減速することで行う方法と、磁気軸受の通電を停止する方法のいずれかを選択可能である。一方、静止浮上時においては、磁気軸受の通電を停止する方法のみが可能である。
図2で示す制御パラメータの再調整方法は、上述の通り中央演算処理装置(CPU)の演算で行うことが可能である。しかしながら、外部設定された装置で行うようにしてもよい。
なお、制御パラメータの再調整が行えるか否かを許可、不許可として設定できるようにしてもよい。例えば許可への遷移は、出荷直後の初期設定時、電源投入直後、一定時間経過時、ポンプの取り付け/取り外し、ケーブルを交換したとき、温度変化のあったとき等の状態変化検出時、あるいは、ユーザ指定時に行える。一方、不許可への遷移は、許可状態にて定格回転数に到達したとき、許可状態にて定格回転数に到達した後に運転停止するとき、あるいは、ユーザ指定時に行える。
なお、回転体103の回転駆動装置としては、モータ121に限らず、発電機、ガスタービン、蒸気タービン、衝動水車、反動水車等にも適用可能である。
以上のように、制御パラメータの再調整により系の状態変化による異常に対応できる。従って、磁気軸受制御のロバスト性が増加し、運転効率が向上する。また、運転を止めることなく制御パラメータを再調整できる。このため、復帰までの時間短縮により運転効率が向上する。更に、複数の異常基準を設け、必要な場合には運転を停止させるので安全性を確保できる。
次に、図3及び図4に基づき、より具体的に制御パラメータ修正手段による修正によって制御パラメータを再調整する方法について説明する。図4は調整ステップ毎の調整手順を仮想事例を基に図式化したものである。図3において、ステップ21で中央演算処理装置(CPU)は、第1の異常を前述した所定の判断基準に基づき検知する。また、図3のステップ41で、中央演算処理装置(CPU)は第2の異常を前述した所定の判断基準に基づき検知する。
このとき、中央演算処理装置(CPU)により、第1の異常が検知され、かつ、第2の異常が検知されていない状況を仮想する。図4の時系列番号0は初期状態、つまり、第1の異常検知直前の状態である。時系列番号1は、第1の異常が検知された直後の調整ステップを表す。第1の異常が検知されたので、ステップ23に進み、初期状態である時系列番号0の制御パラメータを中央演算処理装置(CPU)に記憶する。そして、ステップ25で、中央演算処理装置(CPU)は制御パラメータを変更し(変更工程)、その制御パラメータをもって磁気軸受制御を行う(制御工程)。即ち、図4の時系列番号1で示すように、このときフィルタaを中央演算処理装置(CPU)に追加した形で中央演算処理装置(CPU)は磁気軸受制御を行う。なお、以下では簡単のため制御パラメータ修正をフィルタの追加として説明するが、その他の手法でも良い。
その制御の結果、ステップ27で第1の異常の状態が改善したか否かを中央演算処理装置(CPU)は判断する(状態改善判断工程)。即ち、具体的には図4の時系列番号1で、中央演算処理装置(CPU)により、第1の異常状態が1ステップ前と比べて改善されたか否かが判断される。ここでの改善とは、1ステップ前との状態の比較の結果であり、必ずしも第1の異常が解消されたことを意味しない。改善された場合には、その時点の制御パラメータを保持し、ステップ29に進み、第1の異常が解消されたか否かが判断される(第1の異常解消判断工程)。図4の時系列番号1では、第1の異常状態の改善はしたものの、第1の異常が解消されてはいないので、ステップ23に戻る。従って、図4の時系列番号1が終了した時点で設定されているフィルタはフィルタaとなる。
このステップ23に戻ったときの処理は2巡目の処理となるので、図4において時系列番号2で示す。まず、ステップ23で、時系列番号1で設定した制御パラメータであるフィルタaを中央演算処理装置(CPU)に記憶する。ステップ25で、中央演算処理装置(CPU)はフィルタaに加えて、フィルタbを追加し(変更工程)、その制御パラメータをもって磁気軸受制御を行う(制御工程)。そして、ステップ27で第1の異常の状態が改善したか否かを中央演算処理装置(CPU)は判断する(状態改善判断工程)。即ち、時系列番号2で、第1の異常状態が1ステップ前と比べて改善されたか否かが判断される。図4の時系列番号2では、異常状態の改善はしたので、その時点の制御パラメータを保持し、ステップ29へ進み、第1の異常が解消されたか否かが判断される(第1の異常解消判断工程)。第1の異常が解消されてはいないので、再びステップ23に戻る。従って、図4の時系列番号2が終了した時点で設定されているフィルタはフィルタaとフィルタbになる。
次のステップ23での処理は3巡目の処理となるので、図4において時系列番号3で示す。まず、ステップ23で、時系列番号2で設定した制御パラメータであるフィルタaとフィルタbを中央演算処理装置(CPU)に記憶する。ステップ25で、中央演算処理装置(CPU)はフィルタaとフィルタbに加えて、フィルタcを追加し(変更工程)、その制御パラメータをもって磁気軸受制御を行う(制御工程)。
そして、ステップ27で第1の異常の状態が改善したか否かを中央演算処理装置(CPU)は判断する(状態改善判断工程)。即ち、時系列番号3で、第1の異常状態が1ステップ前と比べて改善されたか否かが判断される。図4の時系列番号3では、中央演算処理装置(CPU)が第1の異常状態の改善はしていないと判断した。このときステップ31に進み、中央演算処理装置(CPU)はフィルタの設定を1ステップ前の時系列番号2の値であるフィルタaとフィルタbに戻す。その後、再びステップ23に戻る。従って、図4の時系列番号3が終了した時点で設定されているフィルタはフィルタaとフィルタbのままである。
次のステップ23での処理は4巡目の処理となるので、図4において時系列番号4で示す。まず、ステップ23で、時系列番号3で設定した制御パラメータであるフィルタaとフィルタbを中央演算処理装置(CPU)に記憶する。ステップ25で、中央演算処理装置(CPU)はフィルタaとフィルタbに加えて、フィルタdを追加し(変更工程)、その制御パラメータをもって磁気軸受制御を行う(制御工程)。そして、ステップ27で第1の異常の状態が改善したか否かを中央演算処理装置(CPU)は判断する(状態改善判断工程)。即ち、時系列番号4で、第1の異常状態が1ステップ前と比べて改善されたか否かが判断される。図4の時系列番号4では、第1の異常状態の改善はしたので、その時点の制御パラメータを保持し、ステップ29へ進み、第1の異常が解消されたか否かが判断される(第1の異常解消判断工程)。第1の異常が解消されてはいないので、再びステップ23に戻る。従って、図4の時系列番号4が終了した時点で設定されているフィルタはフィルタaとフィルタbとフィルタdになる。
次のステップ23での処理は5巡目の処理となるので、図4において時系列番号5で示す。まず、ステップ23で、時系列番号4で設定した制御パラメータであるフィルタaとフィルタbとフィルタdを中央演算処理装置(CPU)に記憶する。ステップ25で、中央演算処理装置(CPU)はフィルタaとフィルタbとフィルタdに加えて、フィルタeを追加し(変更工程)、その制御パラメータをもって磁気軸受制御を行う(制御工程)。
そして、ステップ27で第1の異常の状態が改善したか否かを中央演算処理装置(CPU)は判断する(状態改善判断工程)。即ち、時系列番号5で、第1の異常状態が1ステップ前と比べて改善されたか否かが判断される。図4の時系列番号5では、ステップ27で第1の異常状態が改善したと判断されたので、その時点の制御パラメータを保持し、ステップ29へ進み、第1の異常が解消されたか否かが判断される(第1の異常解消判断工程)。ステップ29で第1の異常が解消されたと判断されたので、その時点の制御パラメータを保持し、ステップ35に進む。ステップ35では、この時点で設定されているフィルタaとフィルタbとフィルタdとフィルタeが保存され、再調整が完了する。従って、図4の時系列番号5が終了した時点で設定されているフィルタはフィルタaとフィルタbとフィルタdとフィルタeになる。以降の運転は、ステップ35で保存された制御パラメータによって行われる。
なお、図4の時系列番号0-5では、簡単のためにステップ41での第2の異常は検知されなかったと仮想した。
次に、図5に基づき第2の異常が検知されたときの処理方法について説明する。
図5において、時系列番号0から時系列番号3までは図4と同じなので説明は省略する。図5の時系列番号4では、まず、ステップ23で、時系列番号3で設定した制御パラメータであるフィルタaとフィルタbを中央演算処理装置(CPU)に記憶する。ステップ25で、中央演算処理装置(CPU)はフィルタaとフィルタbに加えて、フィルタdを追加し(変更工程)、その制御パラメータをもって磁気軸受制御を行う(制御工程)。
そして、ステップ27で第1の異常の状態が改善したか否かを中央演算処理装置(CPU)は判断する(状態改善判断工程)。即ち、時系列番号4で、第1の異常状態が1ステップ前と比べて改善されたか否かが判断される。図5の時系列番号4では、中央演算処理装置(CPU)が第1の異常状態の改善はしていないと判断した。このときステップ31に進み、中央演算処理装置(CPU)は制御パラメータを1ステップ前の値であるフィルタaとフィルタbに戻す。その後、再びステップ23に戻る。従って、図5の時系列番号4が終了した時点で設定されているフィルタはフィルタaとフィルタbのままである。
次のステップ23での処理は5巡目の処理となるので、図5において時系列番号5で示す。まず、ステップ23で、時系列番号4で設定した制御パラメータであるフィルタaとフィルタbを中央演算処理装置(CPU)に記憶する。ステップ25で、中央演算処理装置(CPU)はフィルタaとフィルタbに加えて、フィルタeを追加し(変更工程)、その制御パラメータをもって磁気軸受制御を行う(制御工程)。
ここで、フィルタeの設定が不適切であり、却って磁気軸受制御の異常を悪化させ、第2の異常が発生した場合を想定する。
この際には同時並行して処理の行われていたステップ41で、中央演算処理装置(CPU)により第2の異常が検知される。このため、強制的にステップ43に進み中央演算処理装置(CPU)により制御パラメータが過去の値に戻される。即ち、図5の場合には、その時点での最良なパラメータとしてフィルタaとフィルタbを設定してステップ45に進み、運転停止状態に移行する。
以上のように、再調整によって状態が却って悪化し直ちに運転停止が必要な場合にも、制御パラメータを過去の値に戻すことで、比較的安全な状態にて運転停止できる。
また、安全を確保するためには、第2の異常は発生時に直ちに検知され、運転が停止されることが重要である。従って、第1の異常検知後の再調整のステップとは独立に、なるべく高頻度にステップ41を実行することが望ましい。
次に、図6に基づき第2の異常が検知されたときの別処理方法について説明する。図6において、時系列番号0から時系列番号4までは図5と同じなので説明は省略する。
図6の時系列番号5では、図5と同様にステップ41で、中央演算処理装置(CPU)により第2の異常が検知された。このため、強制的にステップ43に進み制御パラメータが過去の値に戻される。即ち、図6の場合には、制御パラメータが中央演算処理装置(CPU)により初期値に戻される。フィルタは初期値のままでステップ45に進み、ポンプの運転停止状態に移行する。
次に、安定性を考慮した再調整処理方法について説明する。
図7において、ステップ51で中央演算処理装置(CPU)が第1の異常を前述した所定の判断基準に基づき検知する。また、図7のステップ71で、中央演算処理装置(CPU)が第2の異常を前述した所定の判断基準に基づき検知する。
ステップ51で中央演算処理装置(CPU)が第1の異常を検知し、かつ、ステップ71で第2の異常が検知されない場合には、まず、ステップ52で、制御パラメータを中央演算処理装置(CPU)に記憶する。その後、ステップ53で、中央演算処理装置(CPU)は制御パラメータを変更(変更工程)し、その制御パラメータをもって磁気軸受制御を行う(制御工程)。
そして、ステップ54で第1の異常の状態が改善したか否かを中央演算処理装置(CPU)は判断する(状態改善判断工程)。改善されていない場合には、ステップ56で制御パラメータを元に戻した後、ステップ52に戻る。一方改善された場合には、その時点の制御パラメータを保持し、ステップ55に進み、中央演算処理装置(CPU)により第1の異常が解消されたか否かが判断される(状態改善判断工程)。第1の異常が解消されていない場合にはステップ52に戻る。一方、ステップ55で第1の異常が解消されたと判断された場合には、ステップ57に進み、中央演算処理装置(CPU)により安定性評価が行われる(安定性評価工程)。これは第1の異常が解消されたことの確認だけではなく、その解消が一時的なものではなく安定的なのかどうかを判断するものである。この安定性評価は、例えば中央演算処理装置(CPU)が加振信号を発生させて磁気軸受装置に与え、中央演算処理装置(CPU)がその伝達関数を測定することで行う。あるいは、中央演算処理装置(CPU)が加振信号を発生させて磁気軸受装置に与え、中央演算処理装置(CPU)がステップ応答を測定したり、インパルス応答を測定する。
ここに、加振信号は例えば、ステップ信号、インパルス信号、ホワイトノイズ、単一周波数の正弦波、周波数スイープした正弦波、スウェプトサイン等である。また、中央演算処理装置(CPU)が磁気軸受制御ゲインを増加させたり、減少させることで、第1の異常若しくは第2の異常が発生する否かで安定性を判断してもよい。更に、伝達関数の測定、ステップ応答の測定、インパルス応答の測定は、磁気軸受制御ゲインの増加、減少と組み合わせてもよい。なお、加振信号は中央演算処理装置(CPU)により発生させてもよいが、外部装置より入力されてもよい。
これにより、安定性を考慮した再調整が可能となる。第1の異常を解消したが、また異常が発生するような状態を防ぐことが出来る。このため、運転効率が向上し、安全性が向上する。
なお、ステップ71で中央演算処理装置(CPU)が第2の異常を検知した場合には、ステップ73でポンプの運転を停止する。
次に、第1の異常を検知した際の上述した再調整とポンプの運転との関係について具体的な運用例を基に説明する。
まず、図8の運用例では、ポンプの起動の際に、図中「X1」で示す地点で中央演算処理装置(CPU)が第1の異常を検知したとき、中央演算処理装置(CPU)は回転体103の減速制御をしつつ再調整を行う。ここに減速制御とは、モータを回生運転する、発電機を出力させる、等のように回転数を低下させるトルクを与える制御を意味する。そして、「X2」で示す地点で、中央演算処理装置(CPU)が第1の異常の解消を確認後には、中央演算処理装置(CPU)は回転体103を加速させる。
これにより、第1の異常が生じた場合でも、「X3」で示す地点で定格回転数に至るまでの時間を節約できる。即ち、回転体103の減速動作中に再調整を行うようにしたので、回転数ゼロとして運転を停止させた後に再調整する場合と比べて、より早く定格回転数に到達できる。このため、運転効率が向上する。
また、回転体103の減速動作中に中央演算処理装置(CPU)が再調整を行うようにしたので、再調整時の回転数は異常検知時よりも小さい。タッチダウン時のダメージは回転数が小さいほど小さく、特に所定の回転数以下でならば、無視することができる。従って、再調整中に異常が増大し、タッチダウンが発生した場合のダメージを小さくすることが出来る。このため、安全性が向上する。
次に、図9の運用例では、ポンプの起動の際に、図中「X1」で示す地点で中央演算処理装置(CPU)が第1の異常を検知したとき、図8の運用例と同様に中央演算処理装置(CPU)は回転体103の減速をしつつ再調整を行う。そして、「X4」で示す地点で中央演算処理装置(CPU)が第2の異常を検知した際には、中央演算処理装置(CPU)は回転体103を停止させる。これにより、ポンプの安全性を確保できる。
次に、図10の運用例では、ポンプの起動の際に、図中「X1」で示す地点で中央演算処理装置(CPU)が第1の異常を検知したとき、中央演算処理装置(CPU)は回転体103を減速又はフリーランさせる。ここにフリーランとは、モータ又は発電機の場合には通電を停止することを意味する。フリーラン時には、通電が停止されることにより回転体に働く外乱力やセンサ信号へのノイズが減少し、磁気軸受制御器への入力信号である回転体の変位信号や磁気軸受の電流信号のS/N比が向上する。そして、図中「X5」で示す地点まで回転数が下がったら、中央演算処理装置(CPU)は定速制御を行う。ここに、「X5」で示す地点はタッチダウン時のダメージが少ないことが想定される地点である。この場合、再調整は中央演算処理装置(CPU)が減速中に開始してもよいし、定速になるのを待って実施をしてもよい。
その後、「X6」で示す地点で中央演算処理装置(CPU)が第1の異常が解消したことを確認したときには、中央演算処理装置(CPU)は回転体103を加速させる。これにより、第1の異常が生じた場合でも、「X7」で示す地点で定格回転数に至るまでの時間を節約できる。即ち、回転体103の減速動作中、若しくは、定速動作中に中央演算処理装置(CPU)が再調整を行うようにしたので、回転数ゼロとして運転を停止させた後に再調整する場合と比べて、より早く定格回転数に到達できる。このため、運転効率が向上する。
次に、図11の運用例では、定格回転数で運転中において、図中「X8」で示す地点で中央演算処理装置(CPU)が第1の異常を検知した場合、仮に減速若しくはフリーランさせるとしても、回転数ゼロになる前に中央演算処理装置(CPU)が再調整を始める。このとき、「X9」で示す地点で中央演算処理装置(CPU)が第1の異常が解消したことを確認したときには、中央演算処理装置(CPU)が回転体103を加速させる。これにより、第1の異常が生じた場合でも、「X10」で示す地点で定格回転数に至るまでの時間を節約できるため、定格回転数への復帰が早くなる。
次に、図12の運用例は、図8の運用例とほぼ同じであるが、異なるのは、図中「X1」で示す地点で中央演算処理装置(CPU)が第1の異常を検知したとき、中央演算処理装置(CPU)が回転体103をフリーランとしつつ再調整を行う点である。モータ121への通電を停止してフリーランとすることで電流が流れなくなる。このことにより、モータ121の振動が低減し、ノイズが低減する。このため、磁気軸受制御器への入力信号である回転体の変位信号や磁気軸受の電流信号のS/N比がよくなり再調整の精度がよくなる。従って、高速で再調整が出来る。
次に、図13の運用例は、図9の運用例とほぼ同じであるが、異なるのは、図中「X1」で示す地点で中央演算処理装置(CPU)が第1の異常を検知したとき、図12と同様に中央演算処理装置(CPU)が回転体103をフリーランとしつつ再調整を行う点である。そして、「X12」で示す地点で、中央演算処理装置(CPU)が第2の異常を検知した際には、中央演算処理装置(CPU)が回転体103を停止させる。これにより、ポンプの安全性を確保できる。
次に、図14の運用例は、図中「X1」で示す地点で中央演算処理装置(CPU)が第1の異常を検知したとき、図中「X13」で示す地点まで中央演算処理装置(CPU)は定速制御をしつつ再調整を行う。定速制御とすることで異常の起こったときの状態を維持できる。このため、その原因を効率よく探ることが出来る。
その後、「X13」で示す地点で、中央演算処理装置(CPU)が第1の異常が解消したことを確認したときには、中央演算処理装置(CPU)は回転体103を加速させる。このことにより、「X14」で示す地点で定格回転数に至るまでの時間を節約できるため、定格回転数への復帰が早くなる。
次に、図15の運用例は、図中「X1」で示す地点で中央演算処理装置(CPU)が第1の異常を検知したとき、中央演算処理装置(CPU)は定速制御をしつつ再調整を行う。しかし、その後、図中「X15」で示す地点で、中央演算処理装置(CPU)が第2の異常を検知した際には、中央演算処理装置(CPU)は回転体103を停止させる。これにより、ポンプの安全性を確保できる。
次に、図16は、図14の運用例にて、ジャイロ効果による回転体103の固有振動数の変化の特性を示したものである。ジャイロ効果によって、回転体103の固有振動数が回転数に応じて変化する。図14のように回転数を変化させた場合は、回転体103の固有振動数は、図16中の時刻と固有振動数の関係のようになる。ターボ分子ポンプ100は回転翼102を備えており、その固有振動による発振等の異常が発生しやすい。かかる場合に、中央演算処理装置(CPU)は、図中「X16」で示す地点より「X17」で示す地点まで定速制御をしつつ再調整を行う。即ち、再調整中は固有振動数が一定なので再調整の精度が向上する。このため、ポンプの運転効率を向上させることが出来る。
次に、図17の運用例は、図中「X1」で示す地点で、中央演算処理装置(CPU)が第1の異常を検知したとき、中央演算処理装置(CPU)は加速制御をしつつ再調整を行う。その後、「X18」で示す地点で、中央演算処理装置(CPU)が第1の異常が解消したことを確認したときには、中央演算処理装置(CPU)は引き続き回転体103を加速させる。加速中に再調整を行い、異常が解消した後にも直ぐに継続して加速を行うので、一番早く定格回転数にまで達することが出来る。
次に、図18の運用例は、図中「X1」で示す地点で中央演算処理装置(CPU)が第1の異常を検知したとき、中央演算処理装置(CPU)は加速制御をしつつ再調整を行う。しかし、その後、図中「X20」で示す地点で、中央演算処理装置(CPU)が第2の異常を検知した際には、中央演算処理装置(CPU)は回転体103を停止させる。これにより、ポンプの安全性を確保できる。
上記の各運用例で述べた処理方法は、第1の異常の検知直前の運転状態によって使い分けするのが望ましい。例えば、直前の運転状態が加速中の場合には、定格まで早く到達させるために加速するのがよいので、中央演算処理装置(CPU)は加速運転中の再調整を選択する。また、直前の運転状態が減速中ならば、加速しても意味がないので、中央演算処理装置(CPU)はそのまま減速させつつ再調整することを選択する。更に、直前の運転状態が定格回転中に温度が変わってしまって発振しているような状況ならば、ノイズを減らしたいから、中央演算処理装置(CPU)はモータ121への通電を停止してフリーランとすることを選択する。
このことにより、制御パラメータが不適切であったために、発振等の異常を生じた場合であっても、ポンプの運転を停止することなく復帰できる。
次に、ポンプの異常を素早く検知することができ、かつ、制御パラメータ修正より生ずるノイズを異常と誤検知しない方法について説明する。
例えば、比例ゲイン、微分ゲイン、位相進みフィルタ、ノッチフィルタ、ABS(Auto Balance System)などの制御パラメータを修正する場合には、制御パラメータの変更が行われる。この制御パラメータの変更時には、制御系にノイズが生じ易い。しかし、このノイズは異常によるものではないので、中央演算処理装置(CPU)が誤検知しないようにする。その一方で、制御パラメータの変更以外により生じたノイズは、中央演算処理装置(CPU)が異常として素早く検知できるようにする。
以下、図19の制御パラメータ修正フローチャート、図20のパラメータ修正タイミングチャートに基づき動作を説明する。
図19のステップ81では、通常状態の異常検知条件にて運転がされている。図20のタイミングチャートでは、時刻0から時刻t1までの間で、この通常状態の異常検知条件での運転がされている。通常状態の異常検知条件とは、例えば先述した実施例の場合には、第1の異常状態、第2の異常状態を検知できるように設定された条件である。ステップ83では、中央演算処理装置(CPU)が、所定の制御パラメータの変更を行なうための条件が満たされたと判断する。このときの判断は、例えば、図4の時系列番号1で示すようにフィルタaを中央演算処理装置(CPU)に追加するというような制御パラメータの変更を行なうための準備が整ったことを中央演算処理装置(CPU)が判断したという意味である。そして、ステップ85では、図20の時刻t1において異常検知条件を緩和状態に切り替える。このように異常検知条件を緩和状態に切り替えるのは、制御パラメータを変更する処理を行ったことに伴い生じたノイズにより、中央演算処理装置(CPU)で異常が検知されないように異常検知条件を緩和するためである。
緩和の例として、先述した第1の異常状態、第2の異常状態を検出する場合には、例えば、中央演算処理装置(CPU)の異常検知手段による異常の検知を停止させる。
また、中央演算処理装置(CPU)において、異常検知条件の基準値を大きくしてもよい。例えば、第1の異常の判断基準として、緩和時には変位スペクトル振幅1μmとし、通常運転の場合には、変位スペクトル振幅0.5μmとする。
更に、特定の周波数成分を無視するようにしてもよい。例えば、緩和時には100Hz以下の振動成分を無視し、通常運転の場合には、100Hz以下を含めた全周波数成分で異常を検知する。制御パラメータの変更に伴うノイズによる変位信号の応答は、回転翼の固有振動と比べて遅いため、制御パラメータの変更に伴うノイズの影響を低減しながら、回転翼の固有振動による異常を直ちに検知することができる。
次に、ステップ87では、図20の時刻t0において制御パラメータを変更する。このとき、図4の例では、時系列番号1においてフィルタaを中央演算処理装置(CPU)に追加する。その後、ステップ89では、図20の時刻t0から時刻t2までの所定時間の待機を行う。そして、ステップ91では図20の時刻t2において異常検知条件を通常状態に切り替え、ステップ93で運転が継続される。
この間の運転を図20を基に詳述すると、制御パラメータ変更の時刻をt0として、変更前の時刻t1から変更後の時刻t2までの時間のみ、第1の異常検知条件と第2の異常検知条件の内のいずれか少なくとも一つを緩和する。即ち、図20の塗りつぶし部で、異常検知条件を緩和する。
Δt1=t0-t1、Δt2=t2-t0とすると、Δt1とΔt2の関係は、0<=Δt1<Δt2となるのが望ましい。これは、制御パラメータ変更前には変位信号が乱れず、変更直後は1~2秒程度変位信号が乱れるためである。従って、例えば、制御周期0.005秒のコントローラに対しては、Δt1=0.005秒、Δt2=2秒とする。即ち、制御パラメータの変更前には、制御周期の最小単位分以上の待機時間を設定する。但し、Δt1=0秒でもよい。この場合には、異常検知手段の停止と制御パラメータ変更が同時に行われる。
なお、ポンプを加速中または減速中で、図20に示すように、時刻と回転数の関係が線形に変化すると見なせる場合には、時刻t0、t1、t2の代わりに、回転数ω0、ω1、ω2を用いて同様の設定をすることができる。
制御パラメータを修正する場合の例としては、例えば、(1)所定の回転数に応じてフィルタを変更する場合であったり、(2)第1の異常が検知され、中央演算処理装置(CPU)の制御パラメータ修正手段が制御パラメータを修正する場合であったり、(3)外部通信による制御パラメータ修正指令が磁気軸受制御器に入力される場合である。
このことにより、制御パラメータを修正するという限られたタイミングでのみ中央演算処理装置(CPU)が計画的に緩和時間を設定する。
制御パラメータ修正時には修正に伴うノイズを異常であると誤検知せず、制御パラメータ
修正時以外には、従来のように緩和時間を設定しないために、常に異常検出後の一定の緩和時間を設定している場合に比べて、異常検出の速度を速くでき、磁気軸受装置の信頼性が向上する。
即ち、中央演算処理装置(CPU)が緩和時間を設定している例えば2秒の間には制御パラメータ修正によるノイズを誤検知しないと共に、それ以外の時間帯では、瞬時に異常の生じたことを検出できる。
次に、異常検知条件の緩和についての具体的な動作例について説明する。
まず、上記(1)の所定の回転数に応じてフィルタを変更する場合についての動作例を説明する。
所定の回転数以上で、変位信号から回転数同期成分を取り除くフィルタABS(Auto Balance System)に対し、例えば、定格回転数27,000rpmの真空ポンプにおいて、回転数12,000rpm以上でABSをONとし、回転数12,000rpm未満でABSをOFFとする。この場合には、加速中、回転数11,940rpmに到達したら異常検知条件を緩和し、回転数12,000rpmに到達したらABSをOFFからONに切り替え、12,240rpmに到達したら異常検知条件を通常状態に戻す。
また、ある回転数領域で回転体の共振モードを抑制するために導入した位相を進めるフィルタに対して、例えば、定格回転数27,000rpmの真空ポンプにおいて、回転数18,000rpm以上24,000rpm未満でこのフィルタをONとし、その他の回転数でこのフィルタをOFFとする。この場合には、加速中、回転数17,940rpmに到達したら異常検知条件を緩和し、回転数18,000rpmに到達したらこのフィルタをOFFからONに切り替え、18,240rpmに到達したら異常検知条件を通常状態に戻す。その後、回転数23,940rpmに到達したら再び異常検知条件を緩和し、回転数24,000rpmに到達したらこのフィルタをONからOFFに切り替え、24,240rpmに到達したら異常検知条件を通常状態に戻す。
次に、上記(2)の第1の異常が検知され、制御パラメータ修正手段が制御パラメータを修正する場合についての動作例を説明する。
この場合、例えば、定格回転数27,000rpmで回転中、中央演算処理装置(CPU)の制御パラメータ修正手段が中心周波数の800Hzのノッチフィルタを新たに設定する。図21に示すように、時刻t1で、まず異常検知条件を緩和し、その0.005秒後の時刻t0で制御パラメータを変更し、さらに2秒経過後の時刻t2において異常検知条件を通常状態に戻す。あるいは、まず異常検知条件の緩和と制御パラメータの変更を同時に行い、2秒経過後に異常検知条件を通常状態に戻すようにしてもよい。
また、図4の時系列番号3においてフィルタcを追加したり1ステップ前の値に戻す場合については、図22に示すように、フィルタcを追加する際に時刻t1において、まず異常検知条件を緩和し、その0.005秒後の時刻t0でフィルタcを追加し、さらに2秒経過後の時刻t2において異常検知条件を通常状態に戻す。一方、フィルタcを削除し1ステップ前の値に戻す場合については、フィルタcを削除する際に時刻t11において、まず異常検知条件を緩和し、その0.005秒後の時刻t10でフィルタcを削除し、さらに2秒経過後の時刻t12において異常検知条件を通常状態に戻す。
次に、上記(3)の外部通信による制御パラメータ修正指令が磁気軸受制御器に入力される場合についての動作例を説明する。
ポンプの運転中、図23に示すように、時刻t3において、ユーザー操作によって外部通信による制御パラメータの修正指令が磁気軸受制御器に入力された場合である。ユーザー操作が行なわれるのは、例えば、定格回転数27,000rpmで回転中、中心周波数の800Hzノッチフィルタが新たに設定される場合や、ノッチフィルタの中心周波数が800Hzから900Hzに変更される場合、比例ゲインが直前と比較して0.9倍に変更される場合などである。この場合、時刻t1で、制御装置の中央演算処理装置(CPU)が指令を送信する。中央演算処理装置(CPU)は、まず異常検知条件を緩和し、その0.005秒後の時刻t0に制御パラメータを変更する。そして、更に2秒経過後の時刻t2に異常検知条件を通常状態に戻す。
しかしながら、時刻t0において、まず異常検知条件の緩和と制御パラメータの変更を同時に行い、2秒経過後の時刻t2に異常検知条件を通常状態に戻すとしてもよい。
なお、中央演算処理装置(CPU)に実装される異常検知条件は先述した通り、発振による過大な変位や電流、変位スペクトルや電流スペクトルの変動等、タッチダウンベアリング141、143の接触、DCリンク電圧であるが、一時的に緩和する異常検知条件は、これらの実装された異常検知条件の一部でもよいし、全部でもよい。好適には、変位信号に基づく異常検知条件のみを緩和し、そのほかの異常検知条件を緩和しない。制御パラメータ修正時には、変位信号に大きなノイズが現れやすい一方で、その他の信号のノイズは小さい。これにより、制御パラメータ修正によるノイズを誤検知せず、かつ、制御パラメータ修正によるノイズと同時にたまたま発生した、例えば停電などのノイズ以外の異常状態を高速に検知することが可能となり、信頼性が向上する。
なお、時刻t0及び時刻t10や回転数ω0は、制御パラメータの修正を行なう、時間軸上、回転数軸上、周波数軸上の地点に相当し、時刻t1からt2の範囲、回転数ω1からω2の範囲は所定範囲の領域に相当する。また、時刻t1からt0の範囲、回転数ω1からω0の範囲は前方領域に相当し、時刻t0からt2の範囲、回転数ω0からω2の範囲は後方領域に相当する。
本発明は、本発明の精神を逸脱しない限り種々の改変をなすことが出来、そして、本発明が当該改変されたものにも及ぶことは当然である。また、上述した各実施形態は種々組み合わせても良い。
100 ターボ分子ポンプ
102 回転翼
103 回転体
104 上側径方向電磁石
105 下側径方向電磁石
106A、106B 軸方向電磁石
107 上側径方向センサ
108 下側径方向センサ
109 軸方向センサ
111 金属ディスク
113 ロータ軸
121 モータ
141、143 タッチダウンベアリング

Claims (17)

  1. 回転体と、
    該回転体を磁力で空中に浮上支持する磁気軸受と、
    該磁気軸受を制御する磁気軸受制御器とを備えた磁気軸受装置であって、
    前記磁気軸受制御器による制御の異常を所定の第1の異常条件に基づき検知する第1の異常検知手段と、
    該第1の異常検知手段で前記制御の異常が検知されたとき、前記磁気軸受装置の運転を継続しつつ前記磁気軸受制御器の制御パラメータを修正する制御パラメータ修正手段と、
    前記磁気軸受制御器による前記制御の異常を前記第1の異常条件よりも異常の度合いの大きい所定の第2の異常条件に基づき検知する第2の異常検知手段と、
    該第2の異常検知手段で前記制御の異常が検知されたとき前記磁気軸受装置の運転を停止する停止手段とを備えたことを特徴とする磁気軸受装置。
  2. 前記制御パラメータ修正手段が、
    前記制御パラメータを1ステップ前の制御パラメータから変更する変更工程と、
    該変更工程で変更された制御パラメータをもって前記磁気軸受制御器による制御を行う制御工程と、
    該制御工程で制御を行った結果、該制御工程の前記1ステップ前に行われた制御の結果と比べて前記制御の異常の状態に改善があったか否かを判断し、前記制御の異常の状態に改善があったと判断したときに、前記制御パラメータとして変更後の値を保持し、一方、前記制御の異常の状態に改善が無かったと判断したときに、前記制御パラメータを前記1ステップ前の制御パラメータに戻す状態改善判断工程とを備えたことを特徴とする請求項1記載の磁気軸受装置。
  3. 前記制御パラメータ修正手段には、前記状態改善判断工程にて前記制御の異常の状態に改善があったと判断した場合の後段に、前記第1の異常条件に基づき前記制御の異常の状態が解消したか否かを判断し、前記第1の異常条件で判断される前記制御の異常の状態が解消していないと判断したとき前記変更工程に戻り、一方、前記第1の異常条件で判断される前記制御の異常の状態が解消したと判断したときその時点の前記制御パラメータを保持する、第1の異常解消判断工程を備えたことを特徴とする請求項2記載の磁気軸受装置。
  4. 前記制御パラメータ修正手段には、前記第1の異常解消判断工程にて前記第1の異常条件で判断される前記制御の異常の状態が解消したと判断した場合の後段に、前記第1の異常解消判断工程にて保存された前記制御パラメータを適用した前記磁気軸受装置の運転が、前記磁気軸受制御器による前記制御の異常が生じない所定の安定性を有するものになっているか否かを評価する安定性評価工程を更に備え、
    該安定性評価工程で前記安定性が十分でないと評価されるとき、前記磁気軸受制御器の前記制御パラメータの修正をやり直すことを特徴とする請求項3に記載の磁気軸受装置。
  5. 前記安定性評価工程が、加振信号の印加、前記磁気軸受制御器の制御ゲインの増加、及び、前記磁気軸受制御器の制御ゲインの減少の少なくともいずれか一つを用いて評価されることを特徴とする請求項4に記載の磁気軸受装置。
  6. 前記制御パラメータ修正手段による前記制御パラメータの修正の過程において、前記第2の異常条件に基づき判断される前記制御の異常が検知されたとき、前記制御パラメータ修正手段が過去に設定された前記制御パラメータを適用した上で前記磁気軸受装置の運転を停止することを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の磁気軸受装置。
  7. 前記制御パラメータ修正手段では、前記第1の異常検知手段で前記制御の異常が検知されたとき、前記回転体の減速運転をしつつ前記磁気軸受制御器の前記制御パラメータを修正することを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の磁気軸受装置。
  8. 前記制御パラメータ修正手段では、前記第1の異常検知手段で前記制御の異常が検知されたとき、前記回転体の回転数制御を停止し、該回転体がフリーランの状態で前記磁気軸受制御器の前記制御パラメータを修正することを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の磁気軸受装置。
  9. 前記制御パラメータ修正手段では、前記第1の異常検知手段で前記制御の異常が検知されたとき、前記回転体の回転数制御を該異常が検知されたときの回転数にて定速制御を行いつつ前記磁気軸受制御器の前記制御パラメータを修正することを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の磁気軸受装置。
  10. 前記制御パラメータ修正手段では、前記第1の異常検知手段で前記制御の異常が検知されたとき、前記回転体の加速運転をしつつ前記磁気軸受制御器の前記制御パラメータを修正することを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の磁気軸受装置。
  11. 前記磁気軸受制御器の前記制御パラメータを修正後に、前記第1の異常条件での異常状態が解消されたとき前記回転体の加速が行われる請求項7に記載の磁気軸受装置。
  12. 請求項1~5のいずれか一項に記載の磁気軸受装置を搭載した真空ポンプ。
  13. 回転体と、
    該回転体を磁力で空中に浮上支持する磁気軸受と、
    該磁気軸受を制御する磁気軸受制御器とを備えた磁気軸受装置であって、
    前記磁気軸受制御器による制御の異常を所定の異常条件に基づき検知する異常検知手段と、
    前記磁気軸受制御器の制御パラメータを修正する制御パラメータ修正手段と、
    該制御パラメータ修正手段が前記制御パラメータの修正を行なう、時間軸上、回転数軸上、周波数軸上のいずれかの地点を含み設定された所定範囲の領域と、
    該所定範囲の領域において前記所定の異常条件を緩和する緩和手段とを備えたことを特徴とする磁気軸受装置。
  14. 前記所定の異常条件は複数種類で構成され、
    前記緩和手段で緩和される異常条件には、変位信号に基づく異常条件が含まれることを特徴とする請求項13に記載の磁気軸受装置。
  15. 前記所定範囲の領域が前記地点よりも前方の前方領域と、前記地点よりも後方の後方領域とで構成され、該後方領域が前記前方領域よりも大きいことを特徴とする請求項13又は請求項14に記載の磁気軸受装置。
  16. 前記所定範囲の領域が前記地点よりも後方の後方領域のみで構成されたことを特徴とする請求項13又は請求項14に記載の磁気軸受装置。
  17. 請求項13又は請求項14に記載の磁気軸受装置を搭載した真空ポンプ。
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