JP2023035357A - 車両用窓ガラス - Google Patents

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Kota Imaizumi
芳男 小坂
Yoshio Kosaka
雅則 榊原
Masanori Sakakibara
康裕 楠木
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Abstract

【課題】合わせガラスの間に配置可能な受電コイルを含む車両用窓ガラスを提供する。【解決手段】車両用窓ガラスは、車体の室外側に設けられる第1ガラス板と、前記車体の室内側に設けられる第2ガラス板と、前記第1ガラス板及び前記第2ガラス板の間に設けられる中間膜とを有する合わせガラスと、前記第2ガラスの前記室内側に設けられる送電コイルから受電する受電コイルを有し、前記第1ガラス板及び前記第2ガラス板の間に設けられるフレキシブル基板と、前記第1ガラス板及び前記第2ガラス板の間に設けられ、前記受電コイルで受電された電力が供給される機能性部材とを含む。【選択図】図2

Description

本開示は、車両用窓ガラスに関する。
従来より、透明な窓ガラス材料の第1プライ及び第2プライと、第1プライ及び第2プライの間に延在する中間層材料のプライと、電気回路とを備える自動車用窓ガラスがある。該電気回路は、前記中間層材料のプライに隣接して位置した第1コネクタ部であって、結合領域を形成して回路中の電気信号を該結合領域と窓ガラス上に設置した電気装置との間で結合し得るように構成された第1コネクタ部と、前記中間層材料から離れて位置し、電気装置への接続が可能な第2窓ガラス材料プライの表面上にある第2コネクタ部とを備える。該第2コネクタ部は軟磁性材料のコアを持つように構成される。前記第1コネクタ部は誘導子の1次巻線を形成し、前記第2コネクタ部は誘導子の2次巻線を形成する。1次巻線を形成する第1コネクタ部は、第1プライと第2プライの間で中間層材料とともに設けられ、ワイヤやスクリーン印刷導体線で作製される(例えば、特許文献1参照)。
特表2010-509133号公報
ところで、従来の自動車用窓ガラスについては、第1プライと第2プライの間に中間層材料とともに位置する1次巻線の交差する構造等をどのようにして実現するかが具体的に開示されていない。
そこで、合わせガラスの間に配置可能な受電コイルを含む車両用窓ガラスを提供することを目的とする。
本開示の実施形態の車両用窓ガラスは、車体の室外側に設けられる第1ガラス板と、前記車体の室内側に設けられる第2ガラス板と、前記第1ガラス板及び前記第2ガラス板の間に設けられる中間膜とを有する合わせガラスと、前記第2ガラスの前記室内側に設けられる送電コイルから受電する受電コイルを有し、前記第1ガラス板及び前記第2ガラス板の間に設けられるフレキシブル基板と、前記第1ガラス板及び前記第2ガラス板の間に設けられ、前記受電コイルで受電された電力が供給される機能性部材とを含む。
合わせガラスの間に配置可能な受電コイルを含む車両用窓ガラスを提供できる。
実施形態の車両用窓ガラス100を搭載した車両10の前方側の構成の一例を示す図である。 車両用窓ガラス100の構成の一例を平面視で示す図である。 図2における車両用窓ガラス100のA-A矢視断面の構成の一例を示す図である。 FPC120の構成の一例を示す図である。 車両用窓ガラス100の回路構成の一例を示す図である。 FPC130の構成の一例を示す図である。
<実施形態>
以下、本開示の車両用窓ガラスを適用した実施形態について説明する。理解の容易のため、図面における各部の縮尺は、実際とは異なる場合がある。平行、直角、直交、上下、左右等の方向には、実施形態の効果を損なわない程度のずれが許容される。角部の形状は、直角に限られず、弓状に丸みを帯びてもよい。
本実施形態における車両用窓ガラスの例として、車両の前部に取り付けられるウィンドシールド(フロントガラス)、車両の側部に取り付けられる固定式のサイドガラス、車両の天井部に取り付けられるルーフガラス、車両の後部に取り付けられるリアガラス等がある。車両用窓ガラスは、これらの例に限られない。
<車両用窓ガラス100を搭載した車両10>
図1は、実施形態の車両用窓ガラス100を搭載した車両10の前方側の構成の一例を示す図である。車両用窓ガラス100は、一例としてウィンドシールドとして車両10の車体11に取り付けられる。車両10は、車両用窓ガラス100の上部の室内側に取り付けられるカメラ20を含む。カメラ20は、車両10の前方を撮像する撮像部の一例である。カメラ20で取得される画像は、一例として、車両10の自動ブレーキシステムやドライバアシストシステム等のADAS(Advanced Driver-Assistance Systems)や、自動運転システム等に利用可能である。また、車両10は、ルーフガラス11Rを有していてもよい。ルーフガラス11Rが固定式の場合には、ルーフガラス11Rとして車両用窓ガラス100を用いてもよい。
ここで、車両10は、例えば、EV(Electric Vehicle)車、PHEV(Plug-in Hybrid Electric Vehicle)車、HV(Hybrid Vehicle)車、ガソリン車、又はディーゼル車等の自動車である。また、車両10は、電車や汽車であってもよい。車両10は、乗員を運んで移動する移動体の一例である。
図2以下では直交座標系であるXYZ座標系を用いる。X軸方向、Y軸方向、Z軸方向は、それぞれ、X軸に平行な方向、Y軸に平行な方向、Z軸に平行な方向を表す。X軸方向とY軸方向とZ軸方向は、互いに直交する。XY平面、YZ平面、ZX平面は、それぞれ、X軸方向及びY軸方向に平行な仮想平面、Y軸方向及びZ軸方向に平行な仮想平面、Z軸方向及びX軸方向に平行な仮想平面を表す。平面視とはXY面視することである。
本実施形態では、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向は、それぞれ、車両用窓ガラス100の左右方向(横方向)、車両用窓ガラス100の上下方向(縦方向)、車両用窓ガラス100の表面に垂直な方向(法線方向)を表す。X軸方向とY軸方向とZ軸方向は、互いに直交する。
<車両用窓ガラス100の全体構成>
図2は、車両用窓ガラス100の構成の一例を平面視で示す図である。図2には、車両用窓ガラス100を車体11の室外側から見た状態を示す。また、図2には、車両用窓ガラス100に加えて、車両用窓ガラス100の上部の室内側に取り付けられるカメラ20を示す。カメラ20は、平面視で車両用窓ガラス100の上部領域の左右方向における中央部に設けられる。上部領域は、一例として車両10を運転する運転者の視界に入る運転視界領域よりも上側に位置し、車両10の運転者が意図的に視野を上方に向けることで視認できる領域である。
図3は、図2における車両用窓ガラス100のA-A矢視断面の構成の一例を示す図である。図3には、車両用窓ガラス100及びカメラ20に加えて、車体11の窓枠12を示す。窓枠12は、車両用窓ガラス100の外縁に沿ってフランジ状に形成されている。車両用窓ガラス100の外縁とは、平面視における車両用窓ガラス100の外側の縁である。車両用窓ガラス100の外縁は、合わせガラス110の外縁である。
図2及び図3において、X軸方向は車両10の左右方向であり、Y軸方向は、車両用窓ガラス100の上下方向である。車体11に形成される窓枠12に車両用窓ガラス100が取り付けられた状態において、車両用窓ガラス100の+Z軸方向側は車体11の室外側であり、車両用窓ガラス100の-Z軸方向側は車体11の室内側である。
車両用窓ガラス100は、例えば、ガラス板112の室内側の表面112Bの周縁部と窓枠12とをウレタン樹脂等の接着剤30で接着することより、窓枠12に取り付けられる。表面112Bの周縁部とは、表面112Bのうち、車両用窓ガラス100の外縁よりも少し内側で外縁に沿った周状の部分である。窓枠12は、Z軸方向から窓枠12に嵌め込まれる車両用窓ガラス100のガラス板112の室内側の表面112Bの平面視における周縁部の少なくとも一部に対向する金属部12Aを有する。金属部12Aの内縁12A1は、車両用窓ガラス100によって覆われる開口部を形成する。
車両用窓ガラス100は、合わせガラス110、FPC(Flexible Printed Circuit)120、FPC130、及び電熱線140を含む。FPC120は受電コイル120Aを有し、FPC130は送電コイル130Aを有する。電熱線140は、機能性部材の一例であるとともに電熱部材の一例である。電熱線140は、合わせガラス110を加熱し、曇りや結露等の発生を抑制する。
FPC120は、図2に示すように、平面視で合わせガラス110の上端部(+Y軸方向側の端部)で左右方向(X軸方向)における中央部に設けられており、電熱線140は、平面視でFPC120の下方(-Y軸方向側)に設けられている。電熱線140は、平面視でセラミック層114の開口部114A1と重なる位置に設けられている。
ここでは、機能性部材の一例が電熱線140である形態について説明するが、機能性部材は、電熱線140に限られるものではない。機能性部材は、車両10から供給される電力によって動作し、所定の機能を発揮する部材であればよく、電熱線140以外には、例えば、調光パネル、LCD(Liquid Crystal Display:液晶ディスプレイ)、OLED(Organic Light-Emitting Diode)ディスプレイ等が挙げられる。調光パネルは、電圧が印加されると光の透過率が変化するパネルである。機能性部材が合わせガラス110に配置される位置は、図2に示す電熱線140の位置に限られず、機能性部材の平面視におけるサイズは、図2に示す電熱線140のサイズよりも大きくてもよい。
<合わせガラス110>
合わせガラス110は、図3に示すように、車体の室外側に設けられるガラス板111と、車体の室内側に設けられるガラス板112と、ガラス板111及び112の間に設けられる中間膜113と、セラミック層114とを有する。ガラス板111及び112は、中間膜113によって張り合わされている。セラミック層114は、遮蔽層の一例である。
また、合わせガラス110のガラス板111及び112の間には、受電コイル120Aを有するFPC120と電熱線140とが設けられる。FPC120及び電熱線140は、一例としてガラス板112の表面112Aに接着剤等によって貼り付けられた状態で、中間膜113に覆われてガラス板111及び112の間に挟まれている。
ガラス板111は第1ガラス板の一例であり、ガラス板112は第2ガラス板の一例である。ガラス板111及び112は、透明な板状のガラス板である。ガラス板111は、室外側の表面111Aと、室内側の表面111Bとを有する。ガラス板112は、室外側の表面112Aと、室内側の表面112Bとを有する。
ガラス板111及び112は、無機ガラスでもよいし、有機ガラスでもよい。無機ガラスとしては、例えば、ソーダライムガラス、アルミノシリケートガラス、ホウ珪酸ガラス、無アルカリガラス、石英ガラスなどが特に制限なく用いられる。これらのなかでも、製造コスト、及び成形性の観点からソーダライムガラスが特に好ましい。ガラス板111及び112の成形法は特に限定されない。例えば、無機ガラスの場合、フロート法などにより成形されたガラス板が好ましい。
ガラス板111及び112が無機ガラスである場合、ガラス板111及び112は、未強化ガラス又は強化ガラスの何れでもよい。未強化ガラスは、溶融ガラスを板状に成形して徐冷したものである。強化ガラスは、未強化ガラスの表面に圧縮応力層を形成したものであり、風冷強化ガラス、化学強化ガラスのいずれでもよい。
強化ガラスが物理強化ガラス(例えば、風冷強化ガラス)である場合、曲げ成形において均一に加熱したガラス板を軟化点付近の温度から急冷させるなど、徐冷以外の操作により、ガラス表面とガラス内部との温度差によってガラス表面に圧縮応力層を生じさせることで、ガラス表面を強化してもよい。強化ガラスが化学強化ガラスである場合、曲げ成形の後、イオン交換法などによってガラス表面に圧縮応力を生じさせることでガラス表面を強化してもよい。また、ガラス板111及び112としては、紫外線又は赤外線を吸収するガラスを用いてもよい。ガラス板111及び112は、透明であることが好ましいが、透明性を損なわない程度に着色されたガラス板であってもよい。
合わせガラス110は、車両10に取り付けられたときに、室外側が凸となるような湾曲形状であってよい。合わせガラス110は、1方向にのみ曲げ成形された単曲曲げ形状を有していてもよいし、2方向(例えば、合わせガラス110が車両10に取り付けられた際の、上下方向と、当該上下方向と直交する左右方向)に曲げ成形された複曲曲げ形状を有していてもよい。合わせガラス110の曲げ成形には、重力成形、プレス成形又はローラー成形などが用いられる。合わせガラス110が所定の曲率に曲げ成形されている場合、合わせガラス110の曲率半径は、1000mm以上100000mm以下であってよい。
また、合わせガラス110を車両10に取り付けた場合に、室外側に位置するガラス板111の厚みと、室内側に位置するガラス板112の厚みとは同じであってもよいし、異なっていてもよい。ガラス板111の厚みは1.0mm以上3.0mm以下であることが好ましい。ガラス板111の厚みが1.0mm以上であると、耐飛び石性能等の強度が十分であり、3.0mm以下であると、合わせガラス110の質量が大きくなり過ぎず、車両10の燃費の点で好ましい。ガラス板112の厚みは、0.3mm以上2.3mm以下であることが好ましい。ガラス板112の板厚が0.3mm以上であることによりハンドリング性がよく、2.3mm以下であることにより質量が大きくなり過ぎない。ガラス板111及び112の厚みは、それぞれ1.8mm以下であれば合わせガラス110の軽量化と遮音性を両立でき、好ましい。なお、ガラス板112の厚みが1.0mm以下の場合、ガラス板112は化学強化ガラスであってもよい。ガラス板112が化学強化ガラスである場合、ガラス表面の圧縮応力値は300MPa以上、圧縮応力層の深さは2μm以上であることが好ましい。
ガラス板111、112が有機ガラスである場合、有機ガラスの材料としては、ポリカーボネート又はアクリル樹脂(例えば、ポリメチルメタクリレート)などの透明樹脂が挙げられる。
中間膜113は、誘電性を有し、図3に示すようにガラス板111及び112の間に介在する透明又は半透明な誘電体である。ガラス板111及び112は、中間膜113によって接合される。中間膜113の材料としては、例えば、熱可塑性のポリビニルブチラール(PVB)、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)等が挙げられる。中間膜113は、透明であってもよいし、着色されていてもよい。また、中間膜113は2層以上の膜から構成されてもよい。
中間膜113は、平面視でセラミック層114及び電熱線140が存在しない部分では、一例として、ガラス板111及び112の間に配置される。また、中間膜113は、平面視でセラミック層114が存在し、FPC120が存在しない部分では、ガラス板111のセラミック層114とガラス板112との間に配置される。
また、中間膜113は、平面視でセラミック層114及びFPC120が存在する部分では、一例として、ガラス板111のセラミック層114とFPC120との間に配置されていて、FPC120とガラス板112との間には配置されていない。なお、FPC120に受電コイル120Aが実装されている部分では、中間膜113は、ガラス板111のセラミック層114と受電コイル120Aとの間に配置される。ただし、中間膜113は、このような構成に限られず、ガラス板111のセラミック層114とFPC120との間と、FPC120とガラス板112との間とに配置されていてもよい。また、中間膜113は、FPC120とガラス板112との間とに配置されていて、ガラス板111のセラミック層114とFPC120との間には配置されていなくてもよい。
また、中間膜113は、平面視で電熱線140が存在する部分では、一例として、ガラス板111と電熱線140との間に配置されていて、電熱線140とガラス板112との間には配置されていない。ただし、中間膜113は、このような構成に限られず、ガラス板111と電熱線140との間と、電熱線140とガラス板112との間とに配置されていてもよい。また、中間膜113は、電熱線140とガラス板112との間に配置されていて、ガラス板111と電熱線140との間に配置されていなくてもよい。
セラミック層114は、一例として、暗色セラミックペーストの焼成体であり、黒色顔料を含有する溶融性ガラスフリットを含むセラミックカラーペーストを塗布し、焼成することによって形成される。セラミック層114は、車両用窓ガラス100が車両10に接着された状態で接着剤30が紫外線により劣化するのを防止するとともに、車両10の外側から車両用窓ガラス100と車体11との接続部分が見えないよう見栄えを良くするために形成されている。セラミック層114は、平面視で合わせガラス110の周縁部に設けられている。合わせガラス110の周縁部とは、合わせガラス110のうち、平面視で合わせガラス110の外縁よりも少し内側で外縁に沿った周状の部分である。合わせガラス110の周縁部は、ガラス板111及び112の周縁部であり、合わせガラス110の外縁は、ガラス板111及び112の外縁111E及び112Eである。
セラミック層114は、ガラス板111及び112の室内側の表面111B及び112Bの周縁部に一層ずつ設けられている。一例として、ガラス板111に設けられるセラミック層114と、ガラス板112に設けられるセラミック層114との平面視での形状は等しく、平面視における位置も等しい。なお、セラミック層114は、ガラス板111の室内側の表面111Bのみに設けられていてもよく、ガラス板112の室内側の表面112Bのみに設けられていてもよい。
また、セラミック層114は、合わせガラス110の上部における左右方向の中央部に凸部114Aを有する。凸部114Aは、合わせガラス110の周縁部から車両用窓ガラス100の下方向に突出しており、平面視でカメラ20の周りを囲む部分に設けられている。凸部114Aには、カメラ20の正面に位置する開口部114A1が設けられている。開口部114A1は、セラミック層114が形成されない部分であり、カメラ20の撮像視野に含まれる部分である。カメラ20の撮像視野は、カメラ20が画像を取得可能な範囲である。
カメラ20は、一例として図3に示すようにガラス板112に取り付けられる。一例としてガラス板112の表面112Bに設けられたセラミック層114に、ブラケット22を介して筐体21が取り付けられている。ブラケット22は、一例として平面視で矩形環状であり、開口部114A1を囲むようにセラミック層114に取り付けられる。ブラケット22は、例えば接着剤等でセラミック層114に貼り付ければよく、筐体21はブラケット22に係合している。
筐体21及びブラケット22の左右方向の幅はセラミック層114の凸部114Aの左右方向の幅よりも狭く、凸部114Aに収まるようにガラス板112に取り付けられている。筐体21は、一例として、水平面に平行な壁部21Aと、壁部21Aに対して垂直な壁部21Bとを有する。カメラ20は、レンズ20Aが開口部114A1を通じて車体11の前方を向くように、一例として筐体21の壁部21Bに取り付けられている。筐体21は、さらに左右の端にも壁部を有していてもよい。また、筐体21は、通気用の孔部等を有していて、室内空間と繋がっていてもよい。
<FPC120と受電コイル120A>
FPC120は、一例としてポリイミド製の柔軟性のある基板(絶縁層)に銅箔等が形成されたフレキシブル配線基板であり、銅箔の一部をパターニングして形成された受電コイル120Aを有する。FPC120としては、一例としてFR4(Flame Retardant type4)規格のフレキシブル基板を用いることができる。
受電コイル120Aを有するFPC120は、図3に示すようにガラス板111及び112の間に挟まれている。また、図2に示すように、FPC120の左右方向の幅は、セラミック層114の凸部114Aの左右方向の幅よりも狭く、電熱線140の左右方向の幅と同程度である。ここでは、図1乃至図3に加えて図4を用いて説明する。
図4は、FPC120の構成の一例を示す図である。図4(B)は、図4(A)のB-B矢視断面を示す。FPC120は、図4(B)に示すように、絶縁層122A、122Bを有する積層型のフレキシブル基板である。絶縁層122Aは、FPC120の-Z軸方向側に位置し、絶縁層122Aの+Z軸方向側の表面には、受電コイル120Aの配線部120A5及び絶縁層122Bが積層されている。また、配線部120A5の+Z軸方向側にも絶縁層122Bが積層されている。配線部120A5は、絶縁層122Aと絶縁層122Bとに挟まれた内層に位置する。受電コイル120Aは、絶縁層122Bの表面と、絶縁層122A及び122Bの間に形成されている。このような受電コイル120Aの構成については、以下で説明する。
受電コイル120Aは、図3に示すようにFPC120の+Z軸方向側の表面側に実装され、送電コイル130Aと対向する。受電コイル120AのXY平面における位置は、送電コイル130Aと合わせられている。送電コイル130Aは、受電コイル120Aの-Z軸方向側に配置される。受電コイル120Aと送電コイル130Aの平面視でのコイル形状は、一例として等しい。このような受電コイル120Aは、一例としてZ軸方向に約1mm~約3mmの間隔を隔てて送電コイル130Aと対向する。
受電コイル120Aは、図4(A)及び図4(B)に示すように、端子120A1、配線部120A2、接続点120A3、ビア120A4、配線部120A5、ビア120A6、接続部120A7、配線部120A8、及び端子120A9を有する。これらのうち、端子120A1、配線部120A2、接続点120A3、接続部120A7、配線部120A8、及び端子120A9は、絶縁層122Bの+Z軸方向側の表面上に位置する配線層に含まれる。また、配線部120A5は、絶縁層122A及び122Bの内層に位置する配線層に含まれる。
なお、端子120A1、配線部120A2、接続点120A3、接続部120A7、配線部120A8、及び端子120A9と、絶縁層122Bとの+Z軸方向側の表面には、絶縁層122A及び122Bと同様の絶縁層がさらに設けられていてもよく、また、絶縁層122A及び122Bとは異なる保護層が設けられていてもよいし、絶縁層122Aはなくてもよい。
端子120A1は、電熱線140の2つの入力端子のうちの一方に接続される。配線部120A2は、端子120A1と接続点120A3との間において平面視で渦巻き状にパターニングされている巻回部の一例である。配線部120A2の巻数は複数であり、配線部120A2を含むことで、巻数が複数の受電コイル120Aが得られる。接続点120A3と配線部120A5との間は、図4(B)に示すように絶縁層122BをZ軸方向に貫通するビア120A4によって接続される。配線部120A5は、平面視で配線部120A2と交差する交差部の一例である。配線部120A5と接続部120A7との間は、図4(B)に示すように絶縁層122BをZ軸方向に貫通するビア120A6によって接続される。図4(A)に示すように、接続部120A7と端子120A9との間は配線部120A8によって接続される。端子120A9は、電熱線140の2つの入力端子のうちの他方に接続される。
このようにして、受電コイル120Aは、端子120A1と端子120A9との間でコイルとして巻回されている。
受電コイル120Aは、送電コイル130Aと離間して対向した状態で、送電コイル130Aと電磁界的に結合する。このため、受電コイル120Aは、送電コイル130Aと非接触の状態で電磁誘導方式によって、送電コイル130Aからワイヤレスで給電される。受電コイル120Aと送電コイル130Aとが非接触の状態であることとは、受電コイル120Aと送電コイル130Aとが物理的に接触しておらず、離間している状態である。送電コイル130Aから受電コイル120Aへの電力の供給は、電磁誘導方式によるワイヤレス給電である。すなわち、送電コイル130Aは、室内側に位置するガラス板112、中間膜113、遮蔽層114のうち、少なくとも一つ以上を介して、受電コイル120Aに電力を供給する。なお、送電コイル130Aと受電コイル120Aとの間には、ガラス板112、中間膜113、遮蔽層114以外の絶縁性の部材、例えばカメラ20の筐体21を取り付ける樹脂製のブラケット22や、ブラケット22を室内側に位置するガラス板112の遮蔽層114に取り付けるための接着剤等が介在していてもよい。
受電コイル120Aが送電コイル130Aから受電した交流電力は、電熱線140に供給される。このため、電熱線140は、受電コイル120Aが送電コイル130Aからワイヤレス給電によって受電する電力で発熱し、ガラス板111及び112を加熱できる。
ここで、受電コイル120Aが送電コイル130Aと電磁界的に結合するとは、受電コイル120Aが送電コイル130Aと物理的に結合していないが、電熱線140が発熱可能な程度の電力を受電コイル120Aが送電コイル130Aから受電可能な状態であることをいう。
FPC120の厚さは、受電コイル120Aが設けられている部分の最大の厚さで、一例として0.3mm以下であり、より好ましくは0.1mm~0.25mmである。例えば、スクリーン印刷等で金属ペーストをフレキシブル基板ではないリジッド基板に形成してコイルを作製すると、厚さを0.3mm以下にすることは困難である。
車両用窓ガラス100では、FPC120に受電コイル120Aが設けられている部分の最大の厚さを0.3mm以下にできるため、ガラス板111及び112の間に挟むことが容易になり、ガラス板111及び112の位置合わせが比較的容易であり、中間膜113で封止することが可能になる。例えば、厚さが0.5mmのように厚い場合には、ガラス板111及び112の位置合わせが困難になり、また、ガラス板111及び112の間に挟むことが容易ではなくなる。FPC120で受電コイル120Aを実現することにより、受電コイル120Aをガラス板111及び112の間に挟んだ構造を実現できる。
また、FPC120の周囲では、ガラス板111及び112の間は中間膜113によって封止されている。より具体的には、ガラス板111の表面111Bに形成されたセラミック層114と、ガラス板112の表面112Aとの間は中間膜113によって封止されている。すなわち、中間膜113は、ガラス板111側のセラミック層114の周縁部の平坦面と、ガラス板112の表面112Aの周縁部の平坦面とを接着することで、合わせガラス110の端面(外縁111E及び112Eの部分)を封止している。このため、中間膜113でガラス板111及び112の間を確実に封止でき、合わせガラス110内に水分等が浸入することを抑制できる。すなわち、外縁111E及び112Eの部分において、十分に高い止水性が得られる車両用窓ガラス100を提供できる。
ここで、比較用の構成を用いて検討する。例えば、平面視における外縁111E及び112Eの一部分からFPCが突出している比較用の構成では、平面視における中間膜113の最も外側の部分において、FPC及びセラミック層114の段差と、FPC及びガラス板112の段差とが生じ、中間膜113による封止が不十分になり、合わせガラス内に水分等が浸入するおそれがある。これに対して実施形態の車両用窓ガラス100では、FPC120は外縁111E及び112Eから突出していないため、平面視における中間膜113の最も外側の部分に比較用の構成のような段差は存在せず、合わせガラス110内に水分等が浸入することを抑制できる。特に、車両用窓ガラス100の上端側は、下端側に比べて雨天時等により多くの水分等に晒されるため、合わせガラス110内への水分等の浸入に対する対策がより重要になる部分である。FPC120をガラス板111及び112の上端部で間に挟んでも、FPC120の周囲を中間膜113で確実に封止できるため、合わせガラス110内に水分等が浸入することを効果的に抑制でき、十分に高い止水性が得られる。
また、FPC120は、平面視において、ガラス板111の表面111Bの周縁部に設けられるセラミック層114と、ガラス板112の表面112Bの周縁部に設けられるセラミック層114と重なっており、車両用窓ガラス100の室外側及び室内側からは見えない。このため、車両用窓ガラス100は、車体11に取り付けた状態で、FPC120が外部から見えることなく見栄えが良好である。
また、FPC120は、平面視でガラス板111及び112の外縁111E及び112Eよりも内側に収容されており、ガラス板111及び112の外縁111E及び112Eから突出していない。このため、車両用窓ガラス100は、外縁111E及び112Eの見栄えも良好である。
<車両用窓ガラス100の回路構成>
図5は、車両用窓ガラス100の回路構成の一例を示す図である。図5に示すように、車両10の電源50Aは、送電回路50Bを介して送電コイル130Aに接続されている。電源50Aは、例えば、直流電力を出力するバッテリであってよい。また、電源50Aは、発電機又は電動機と、発電機又は電動機で発電された交流電力を直流電力に整流する整流回路とを含む電源であってもよい。
送電回路50Bは、電源50Aから出力される直流電力から送電コイル130Aと受電コイル120Aとの間で送電するための交流電力を生成する回路であり、例えばインバータを用いることができる。
送電コイル130Aから送電される交流電力は、電磁誘導方式で受電コイル120Aによって受電され、受電コイル120Aの出力側に電熱線140を接続することで電熱線140を発熱させる。
<電熱線140>
電熱線140は、図2に示すように平面視でセラミック層114の開口部114A1と重なる位置において、図3に示すようにガラス板111及び112の間で、ガラス板112の表面112Aに設けられている。電熱線140は、一例として、平面視で開口部114A1よりも少し大きく、開口部114A1の全体を含むようにガラス板112に設けられている。電熱線140は、FPC120と同様に、ガラス板111及び112の外縁111E及び112Eよりも内側に収容されている。また、平面視において電熱線140の周囲は中間膜113によって封止されている。
電熱線140は、受電コイル120Aで受電された交流電力によって駆動されて発熱し、ガラス板111及び112のうちのカメラ20の前方に位置する部分を加熱する。これにより、カメラ20の前方における合わせガラス110の曇りや結露等の発生が抑制される。
電熱線140は、一例として、ガラス板112の表面112Aに塗布した銀ペーストを焼結させた銀製の導線である。また、電熱線140は、タングステン製やその他の金属製の導線であってもよい。電熱線140は、平面視でセラミック層114の開口部114A1と重なる範囲の全体にわたって設けられている。電熱線140が設けられる範囲は、電熱線140によって加熱される加熱領域である。なお、電熱線140は1本で形成されていてもよいし、2本以上であってもよい。また、電熱部材としての電熱線140の代わりに電熱膜を用いてもよい。電熱膜は、一例としてITO(Indium Tin Oxide)膜であり、受電コイル120Aの端子120A1、及び端子120A9(図4参照)を電熱膜の給電電極に接続すればよい。また、電熱線140は、PET(Polyethylene Terephthalate)フィルムなどの透明な樹脂フィルム上に1本以上の電熱線140を形成したフィルムをガラス板111及び112の間に配置してもよい。樹脂フィルム上の電熱線140は、樹脂フィルム上に金、銀、銅、アルミニウム、タングステン等の金属を用いて公知の方法で形成できる。この場合も、受電コイルの端子120A1、及び端子120A9を樹脂フィルム上の電熱線140の給電電極に接続すればよい。
上述のように電熱線140はガラス板111及び112の外縁111E及び112Eよりも内側に収容され、周囲は中間膜113によって封止されているため、FPC120とともに、車両用窓ガラス100の止水性の向上と、見栄えの向上とを実現できる。
<送電コイル130AとFPC130>
図6は、FPC130の構成の一例を示す図である。FPC130は、FPC120と同様に、一例としてポリイミド製の柔軟性のある基板(絶縁層)に銅箔等が形成されたフレキシブル配線基板であり、銅箔の一部をパターニングして形成された送電コイル130Aを有する。FPC130としては、一例としてFR4規格のフレキシブル基板を用いることができる。また、FPC130には、電力ケーブル131が接続されている。電力ケーブル131は、FPC130の-Z軸方向側の表面から離れるように延在している。
FPC130は、図3に示すようにガラス板112の表面112Bに取り付けられる。一例として、接着剤等を用いてFPC130をガラス板112の表面112Bに貼り付ければよい。FPC130は、接着剤30よりも平面視におけるガラス板112の内側に位置する。接着剤30よりも平面視における内側であれば車体11の室内に位置し、水分等の浸入がないからである。
図6に示すように、送電コイル130Aは、一例として平面視で図4(A)に示す受電コイル120Aと同様の構成を有し、送電コイル130Aの断面構成は、一例として図4(B)に示す受電コイル120Aの断面構成と同様である。すなわち、一例として、送電コイル130Aは、FPC130の2枚の絶縁層の内層と、-Z軸方向側の絶縁層の表面(-Z軸方向側の表面)とにわたって形成されている。送電コイル130Aは、受電コイル120Aの端子120A1、120A9に対応する2つの端子130A1、130A2を有する。
端子130A1、130A2は、FPC130の配線を介して図3に示す電力ケーブル131に接続されている。電力ケーブル131は2本あり、端子130A1、130A2に1本ずつ接続されている。2本の電力ケーブル131は、送電回路50B(図5参照)の2つの出力端子にそれぞれ接続される。
送電コイル130Aの平面視での位置は受電コイル120Aと合わせられているため、図3に示すように、送電コイル130Aは、FPC120、ガラス板112、及びセラミック層114を介して、受電コイル120Aと対向する。送電コイル130Aは、送電回路50Bを介して電源50Aから電力供給を受け、電磁誘導方式によって電力をワイヤレスで受電コイル120Aに送電する。
なお、ここでは、送電コイル130AがFPC130に設けられている形態について説明したが、送電コイル130Aは合わせガラス110の外側に位置するため、FPC130で構成しなくてもよい。例えば、ガラス板112の表面112Bにリジッド基板を設け、リジッド基板の-Z軸方向側の表面に送電コイル130Aを設けてもよいし、絶縁性被膜付きの導線をループ状(例えば、ソレノイド巻き、α巻きなど)とすることで送電コイル130Aとしてもよい。また、送電コイル130Aは、車両用窓ガラス100から分離されていてもよい。例えば、車体11側に取り付けた固定部材に送電コイル130Aを設けて、受電コイル120Aと対向させてもよい。このように、送電コイル130Aが車両用窓ガラス100から分離されている場合には、車両用窓ガラス100は、構成要素として送電コイル130Aを含まなくてよい。
以上のように、車両用窓ガラス100は、受電コイル120Aを有するFPC120と電熱線140とを合わせガラス110のガラス板111及び112の間に設け、合わせガラス110の外側に設けた送電コイル130Aから受電した電力で電熱線140を発熱させる。
したがって、合わせガラス110の間に配置可能な受電コイル120Aを含む車両用窓ガラス100を提供できる。FPC120を用いない場合には、受電コイル120Aまで含めた最大の厚さが厚くなり、ガラス板111及び112の間に受電コイル120Aを挟むことが困難である。FPC120に受電コイル120Aを設けることにより、ガラス板111及び112の間に容易に挟むことができる。
受電コイル120Aは、FPC120の絶縁層122Bの表面の配線層(端子120A1、配線部120A2、接続点120A3、接続部120A7、配線部120A8、及び端子120A9)と、絶縁層122A及び122Bの間の配線層(配線部120A5)とにわたって設けられる。このため、薄型の受電コイル120Aを容易に実現でき、特に、薄型で巻数が複数の受電コイル120Aを容易に実現できる。ワイヤレス給電で送電コイル130Aから受電コイル120Aで受電した電力で電熱線140を発熱させるには、十分な大きさの磁束密度を得るために受電コイル120Aを巻数が複数のコイルにすることが好ましく、FPC120の複数の配線層を用いることで、薄型で巻数が複数の受電コイル120Aを容易に実現できる。
また、受電コイル120Aは、平面視で渦状に巻回される配線部120A2と、配線部120A2と平面視で交差する配線部120A5とを有し、配線部120A2及び配線部120A5は、FPC120の複数の配線層のうちの互いに異なる配線層に設けられる。また、FPC120は、配線部120A2と配線部120A5とを絶縁する絶縁層122Bを有する。このため、渦状に巻回される配線部120A2と立体的に交差する配線部120A5とによって容易に受電コイル120Aを実現できるとともに、配線部120A2と配線部120A5とを絶縁層122Bで確実に絶縁した構成を実現できる。このような構成は、巻数が複数の受電コイル120Aを容易に実現できる。
また、FPC120及び電熱線140は、平面視でガラス板111及び112の外縁よりも内側に収容されている。このため、FPC120及び電熱線140がガラス板111及び112の外縁111E及び112Eから突出しておらず、水分等の浸入を抑制できる車両用窓ガラス100を提供できる。また、外縁111E及び112Eでガラス板111又は112と中間膜113との間に挟まるフラットハーネスのような部材も存在しないため、このことによっても水分等の浸入を抑制できる車両用窓ガラス100を提供できる。また、FPC120及び電熱線140がガラス板111及び112の外縁111E及び112Eから突出していないため、外縁111E及び112Eの見栄えが良好な車両用窓ガラス100を提供できる。
また、平面視において、FPC120及び電熱線140の周囲では、ガラス板111及び112は中間膜113によって封止されている。このため、中間膜113による封止によって、ガラス板111及び112の間への水分等の浸入を効果的に抑制でき、止水性の高い車両用窓ガラス100を提供できる。
また、電熱線140は、平面視において合わせガラス110のうちの上部領域に設けられる。合わせガラス110の上端側は、下端側に比べて雨天時等により多くの水分等に晒されるため、止水性の対策がより重要になる部分であるが、FPC120及び電熱線140の周囲を中間膜113で確実に封止できるため、水分等の浸入を効果的に抑制でき、十分に高い止水性が得られる。
また、合わせガラス110の平面視における上部領域には、車体11の前方を撮像するカメラ20が設けられており、電熱線140は、合わせガラス110のうちのカメラ20の撮像視野に含まれる部分において、ガラス板111及び112の間に設けられる。このため、合わせガラス110のうち、カメラ20の撮像視野に含まれる部分における曇りや結露等の発生を抑制でき、カメラ20で車体11の前方の鮮明な画像を撮像できる。
合わせガラス110は、ガラス板111の室内側の表面111B、又は、ガラス板112の室内側の表面112Bに形成されるセラミック層114を有し、受電コイル120Aは、平面視でセラミック層114と重なる部分に設けられる。このため、合わせガラス110の外側から受電コイル120Aが見え難くなり、見栄えの良好な車両用窓ガラス100を提供できる。
また、FPC120の受電コイル120Aを含む部分の厚さは、0.3mm以下であるので、ガラス板111及び112の間に容易に挟み込むことができ、ガラス板111及び112の位置合わせが容易な車両用窓ガラス100を提供できる。
また、送電コイル130Aをさらに含み、送電コイル130Aは、ガラス板112の室内側の表面112Bに設けられる、又は、ガラス板112の室内側の表面112Bに固定された固定部材に設けられる。このため、受電コイル120Aと送電コイル130Aとを対向させるための位置合わせが容易で、強力な電磁界結合を確実に得ることができ、送電コイル130Aからより効率的に受電コイル120Aに送電可能な車両用窓ガラス100を提供できる。また、送電コイル130Aを含む構成の車両用窓ガラス100を提供できる。
以上、本開示の例示的な実施形態の車両用窓ガラスについて説明したが、本開示は、具体的に開示された実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。
10 車両
11 車体
20 カメラ (撮像部の一例)
100、100R 車両用窓ガラス
110 合わせガラス
111 ガラス板 (第1ガラス板の一例)
111B 表面 (第1ガラス板の室内側の表面の一例)
111E 外縁
112 ガラス板 (第2ガラス板の一例)
112B 表面 (第2ガラス板の室内側の表面の一例)
112E 外縁
113 中間膜
114 セラミック層 (遮蔽層の一例)
120 FPC (フレキシブル基板の一例)
120A 受電コイル
120A2 配線部 (巻回部の一例)
120A5 配線部 (交差部の一例)
122A、122B 絶縁層
130 FPC
130A 送電コイル
140 電熱線 (機能性部材の一例、電熱部材の一例)
140A 調光パネル (機能性部材の一例)

Claims (10)

  1. 車体の室外側に設けられる第1ガラス板と、前記車体の室内側に設けられる第2ガラス板と、前記第1ガラス板及び前記第2ガラス板の間に設けられる中間膜とを有する合わせガラスと、
    前記第2ガラス板の前記室内側に設けられる送電コイルから受電する受電コイルを有し、前記第1ガラス板及び前記第2ガラス板の間に設けられるフレキシブル基板と、
    前記第1ガラス板及び前記第2ガラス板の間に設けられ、前記受電コイルで受電された電力が供給される機能性部材と
    を含む、車両用窓ガラス。
  2. 前記受電コイルは、前記フレキシブル基板の複数の配線層にわたって設けられる、請求項1に記載の車両用窓ガラス。
  3. 前記受電コイルは、平面視で渦状に巻回される巻回部と、前記巻回部と平面視で交差する交差部とを有し、前記巻回部及び前記交差部は、前記複数の配線層のうちの互いに異なる配線層に設けられ、
    前記フレキシブル基板は、前記巻回部と前記交差部とを絶縁する絶縁層を有する、請求項2に記載の車両用窓ガラス。
  4. 前記フレキシブル基板及び前記機能性部材は、平面視で前記第1ガラス板及び前記第2ガラス板の外縁よりも内側に収容されている、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の車両用窓ガラス。
  5. 平面視において、前記フレキシブル基板及び前記機能性部材の周囲では、前記第1ガラス板及び前記第2ガラス板は前記中間膜によって封止されている、請求項4に記載の車両用窓ガラス。
  6. 前記機能性部材は、平面視において前記合わせガラスのうちの上部領域に設けられる、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の車両用窓ガラス。
  7. 前記合わせガラスの平面視における前記上部領域には、前記車体の前方を撮像する撮像部が設けられており、
    前記機能性部材は、前記合わせガラスのうちの前記撮像部の撮像視野に含まれる部分において、前記第1ガラス板及び前記第2ガラス板の間に設けられる電熱部材である、請求項6に記載の車両用窓ガラス。
  8. 前記合わせガラスは、前記第1ガラス板の前記室内側の表面、又は、前記第2ガラス板の前記室内側の表面に形成される遮蔽層を有し、
    前記受電コイルは、平面視で前記遮蔽層と重なる部分に設けられる、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の車両用窓ガラス。
  9. 前記フレキシブル基板の前記受電コイルを含む部分の厚さは、0.3mm以下である、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の車両用窓ガラス。
  10. 前記送電コイルをさらに含み、
    前記送電コイルは、前記第2ガラス板の前記室内側の表面に設けられる、又は、前記第2ガラス板の前記室内側の表面に固定された固定部材に設けられる、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の車両用窓ガラス。
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