JP2023034404A - 歩行情報提供システム - Google Patents

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Abstract

【課題】歩行者に提供する情報の適正化を図ることができる歩行情報提供システムを実現する。【解決手段】視覚障碍者が使用する白杖に内蔵されたカメラ20、Gセンサ30、GPSモジュール35が取得した情報に基づいて視覚障碍者に通知すべき歩行に関する情報が有ると判断された場合(通知判断部85で判断された場合)、当該通知すべき歩行に関する情報の属性を求め(属性設定部86により属性を求め)、その属性に基づき、白杖に内蔵された振動発生機50の振動パターンを決定する(情報通知状態決定部87によって決定する)。これにより、視覚障碍者に提供する情報の適正化を図ることができる。【選択図】図3

Description

本発明は歩行者に対して歩行に関する情報を提供するための歩行情報提供システムに係る。特に、本発明は、歩行者に提供する情報の適正化を図るための改良に関する。
特許文献1には、歩行者が携帯するデバイスによって当該歩行者の歩行を支援するシステムが開示されている。具体的に、この特許文献1のものは、視覚を用いずに行動する者(視覚障碍者)が歩く方向を決定する方向決定部と、決定した方向へ視覚障碍者が歩くためのガイド情報を生成するガイド情報生成部とを備え、視覚障碍者が携帯するカメラからの画像と、予め記憶されている参照画像とのマッチングによって視覚障碍者の歩行方向を決定し、音声等によって視覚障碍者に対して歩行方向を案内する構成となっている。
再公表特許WO2018/025531号公報
ところで、この種のシステムにあっては、歩行者の歩行状況を把握した上で、その歩行に関する情報を、歩行者が容易に理解できるように適切に提供することが求められている。例えば、視覚障碍者が把持している白杖を振動させることで歩行に関する情報を視覚障碍者に提供する場合、歩行に対するリスクに遭遇(例えば障害物に接触)するまでの切迫度や、そのリスクに遭遇した際における歩行に対する影響度(重要度)を認識し、これら切迫度や重要度に適した振動パターンで白杖を振動させ、視覚障碍者が、その振動から切迫度(歩行に対するリスクに遭遇するまでの時間等)や重要度(リスクに遭遇した際における歩行に対する影響度等)を容易に理解できるようにしておくことが求められている。尚、この要求は、視覚障碍者が把持している白杖を振動させることで歩行に関する情報を視覚障碍者に提供する場合に限られるものではない。
本発明の発明者らは、歩行に関する情報を歩行者に提供するに際し、その情報を、歩行者が容易に理解できるように提供可能とする歩行情報提供システムについて考察した。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、歩行者に提供する情報の適正化を図ることができる歩行情報提供システムを実現することにある。
前記の目的を達成するための本発明の解決手段は、歩行者に対して歩行に関する情報を提供するための歩行情報提供システムを前提とする。そして、この歩行情報提供システムは、少なくとも前記歩行者の周辺状況の情報を取得可能な情報取得手段と、前記情報取得手段が取得した情報に基づいて前記歩行者に通知すべき歩行に関する情報の有無を判断する通知判断部と、前記通知判断部によって、前記歩行者に通知すべき歩行に関する情報が有ると判断された場合に、当該通知すべき歩行に関する情報の属性を求める属性設定部と、前記属性設定部によって求められた前記通知すべき歩行に関する情報の属性に基づき、前記歩行者に対する当該通知すべき歩行に関する情報の通知状態を決定する情報通知状態決定部とを備えていることを特徴とする。
この特定事項により、歩行者の歩行中にあっては、情報取得手段によって少なくとも当該歩行者の周辺状況の情報が取得される。例えば、歩行者の前方における障害物等の存在の有無等の情報が取得される。そして、この取得した情報に基づいて歩行者に通知すべき歩行に関する情報が有ると通知判断部によって判断された場合、属性設定部が、当該通知すべき歩行に関する情報の属性を求める。そして、このようにして求められた属性に基づき、情報通知状態決定部は、歩行者に対する当該通知すべき歩行に関する情報の通知状態を決定する。ここでいう通知状態とは、複数の属性それぞれに割り当てられた通知の状態であって、例えば、歩行者が携帯するデバイスを振動させて情報を通知するものに適用した場合には、その振動のパターン等が挙げられる。
このように歩行者に通知すべき歩行に関する情報の属性に基づいて通知状態を決定することで当該歩行者に対して歩行に関する情報を提供するようにしたことにより、この歩行者に提供する情報の適正化を図ることができる。
また、前記通知すべき歩行に関する情報の属性は、前記歩行者が歩行のリスクに遭遇するまでの物理的時間に基づく切迫度に応じて求められる。
これによれば、歩行に関する情報の通知を受けた歩行者は、歩行のリスクに遭遇するまでの物理的時間(例えば障害物に接触するまでの時間)を容易に把握することができ、リスクに遭遇することに対する回避行動や準備行動(身構える行動等)を適切に行うことが可能になる。
この場合、前記切迫度は、前記歩行者が歩行のリスクに遭遇するまでの物理的時間に対応する基準切迫度に対して、前記歩行者の歩行時における切迫度補正パラメータに応じて補正されて求められるようになっていてもよい。
これによれば、歩行者の歩行時における様々な状況(歩行者の状態や周辺環境等)に応じた切迫度を適切に求めることが可能となり、歩行者に対して提供する情報のいっそうの適正化を図ることができる。
具体的に、前記切迫度補正パラメータは、前記歩行のリスクに遭遇することに対する前記歩行者の回避行動の機敏さ、前記歩行のリスクに遭遇することに対する周辺環境に起因する前記歩行者の回避行動のし易さ、前記歩行のリスクの種類のうち少なくとも一つである。
歩行者が歩行のリスクに遭遇するまでの物理的時間(基準切迫度を決定する物理的時間)が同じであったとしても、リスクに遭遇することに対する回避行動が機敏な歩行者よりも回避行動が機敏でない歩行者の方がリスクに遭遇してしまう可能性は高くなる。このため、この回避行動が機敏でない歩行者の場合には、前記物理的時間が同じであったとしても切迫度を高いものとして扱うことが好ましい。また、リスクに遭遇することに対する回避行動のし易い周辺環境である場合よりも回避行動のし難い周辺環境である場合の方がリスクに遭遇してしまう可能性は高くなる。このため、回避行動のし難い周辺環境である場合にも、切迫度を高いものとして扱うことが好ましい。また、歩行者が遭遇するリスクの種類によっては、接近が許容できない範囲が異なる。例えば、歩行者が人に接近する場合には、物に接近する場合に比べて、接近が許容できない範囲は広いことが想定される。つまり、遭遇するリスクが物の場合には、遭遇するまでの物理的時間を考慮するのみでよいが、遭遇するリスクが人の場合には、遭遇するまでの物理的時間に加えて心理的なパーソナルスペースを確保するための余裕時間(心理的余裕時間)を考慮することが必要であるため、この場合にも切迫度を高いものとして扱うことが好ましい。
これらを考慮し、本解決手段では、歩行のリスクに遭遇することに対する歩行者の回避行動の機敏さ、歩行のリスクに遭遇することに対する周辺環境に起因する歩行者の回避行動のし易さ、歩行のリスクの種類のうち少なくとも一つに基づいて、基準切迫度(リスクに遭遇するまでの物理的時間に対応する切迫度)に対する補正によって切迫度を決定するようにしている。これにより、歩行者に対して提供する情報のいっそうの適正化を図ることができる。
また、前記通知すべき歩行に関する情報の属性は、前記歩行者が歩行のリスクに遭遇した際の結果がもたらす影響度合いである重要度に応じて求められる。
これによれば、歩行に関する情報の通知を受けた歩行者は、歩行のリスクに遭遇したと仮定した場合の影響度合い(例えば歩行に対して支障を来す影響の度合い)を容易に把握することができ、リスクに遭遇することに対する回避行動や準備行動の必要性を適切に認識することが可能になる。
また、前記情報通知状態決定部は、前記歩行者が携帯しているデバイスの振動物理特性を決定する構成となっている。
これにより、デバイスの振動物理特性(振動パターン)の種類によって歩行者に対して歩行に関する情報を正確に提供することが可能になる。
また、前記情報通知状態決定部は、前記デバイスの振動物理特性として、振動ON期間と振動OFF期間とが繰り返される場合に、1回の振動ON期間と1回の振動OFF期間との和、および、1回の振動ON期間と1回の振動OFF期間との和に対する1回の振動ON期間の比率のうち少なくとも一方を前記情報の属性に基づいて決定するようになっている。
これにより、歩行に関する情報の通知状態の明確な差別化ができることになり、歩行者は、歩行に関する情報を正確に認識することが可能になる。
また、前記デバイスは、前記歩行者としての視覚障碍者が使用する白杖であって、振動によって、前記白杖を使用している前記視覚障碍者に向けて歩行に関する情報の通知を行う構成となっている。
これにより、白杖を持ちながら歩行する視覚障碍者に提供する情報の適正化を図ることができる。
本発明では、情報取得手段が取得した情報に基づいて歩行者に通知すべき歩行に関する情報が有ると判断された場合、当該通知すべき歩行に関する情報の属性を求め、その属性に基づき、歩行者に対する当該通知すべき歩行に関する情報の通知状態を決定するようにしている。これにより、歩行者に提供する情報の適正化を図ることができる。
実施形態に係る歩行情報提供システムを内蔵した白杖を示す図である。 白杖のグリップ部の内部を示す概略図である。 歩行情報提供システムの制御系の概略構成を示すブロック図である。 情報属性テーブルを示す図である。 切迫度および重要度、切迫感および重要感、情報属性ゾーンの関係を表す図である。 振動特性決定マップを示す図である。 情報属性に割り当てられた振動パターンの例を示す波形図である。 歩行者が信号機のある横断歩道を横断する場合における各タイミングでの情報属性に対応する情報属性ゾーンを説明するための図である。 変形例における歩行情報提供システムの制御系の概略構成を示すブロック図である。 変形例における切迫度補正テーブルを示す図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施形態では、本発明に係る歩行情報提供システムを、視覚障碍者が使用する白杖に内蔵した場合について説明する。尚、本発明における歩行者としては視覚障碍者に限定されるものではない。
-白杖の概略構成-
図1は、本実施形態に係る歩行情報提供システム10を内蔵した白杖1を示す図である。この図1に示すように、白杖1は、シャフト部2、グリップ部3、チップ部(石突き)4を備えている。
シャフト部2は、中空の略円形断面を有するロッド状であって、アルミニウム合金やガラス繊維強化樹脂、炭素繊維強化樹脂等で形成されている。
グリップ部3は、シャフト部2の基端部(上端部)に設けられ、ゴム等の弾性体で成るカバー31が装着されて構成されている。また、本実施形態における白杖1のグリップ部3は、視覚障碍者(歩行者)が把持する際の持ち易さと滑り難さを考慮し、先端側(図1における上側)が僅かに湾曲した形状となっている。尚、グリップ部3の構成としてはこれに限定されるものではない。
チップ部4は、硬質の合成樹脂などで形成された略有底筒状の部材であって、シャフト部2の先端部に外挿されて接着やねじ止めなどの手段で固定されている。尚、チップ部4は、先端側の端面が半球状となっている。
本実施形態に係る白杖1は、折り畳み不能な直杖であるが、シャフト部2の中間の一箇所または複数箇所で折り畳み可能或いは伸縮可能とされたものであってもよい。
-歩行情報提供システムの構成-
本実施形態の特徴は、前記白杖1に内蔵された歩行情報提供システム10にある。以下、この歩行情報提供システム10について説明する。
図2は、白杖1のグリップ部3の内部を示す概略図である。この図2に示すように、本実施形態に係る歩行情報提供システム10は、白杖1に内蔵されている。また、図3は、歩行情報提供システム10の制御系の概略構成を示すブロック図である。
これらの図に示すように、歩行情報提供システム10は、カメラ20、Gセンサ30、GPS(Global Positioning System)モジュール35、近距離無線通信機40、振動発生機50、バッテリ60、充電ソケット70、制御装置80等を備えている。
カメラ20は、グリップ部3の根元部における当該グリップ部3の前面(視覚障碍者の進行方向に向く面)に埋め込まれ、視覚障碍者の進行方向前側(歩行方向前方)を撮影する。このカメラ20は、例えばCCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等で成る。また、カメラ20の構成や配設位置は前述したものには限定されず、例えば、シャフト部2の前面(視覚障碍者の進行方向に向く面)に埋め込まれたものであってもよい。
このカメラ20の特徴としては、歩行する視覚障碍者の進行方向の前方の画像であって、当該視覚障碍者が横断歩道に達した際における、当該横断歩道の白線のうち視覚障碍者に最も近い位置にある白線、および、視覚障碍者の前方に位置する信号機(例えば歩行者用信号機)の両方を含む画像を取得可能な広角のカメラとして構成されている。つまり、視覚障碍者が横断歩道の手前まで達した時点で、視覚障碍者の足元付近(足元から少し前方の位置)に存在する横断歩道における最も手前側にある白線と、横断先の地点に設置された信号機との両方を撮影可能な構成となっている。
Gセンサ30は、グリップ部3に内蔵されており、視覚障碍者の歩行に伴って発生する加速度を検出する。これにより、視覚障碍者の歩行方向および歩行速度を検出することが可能となっている。
GPSモジュール35は、上空の3以上(好ましくは4以上)の衛星から送信されるGPS信号を受信し、白杖1の位置(視覚障碍者の位置)を測位する。
近距離無線通信機40は、カメラ20、Gセンサ30、および、GPSモジュール35と、制御装置80との間で近距離無線通信を行うための無線通信装置である。例えば、周知のBluetooth(登録商標)等の通信手段によって、カメラ20、Gセンサ30、および、GPSモジュール35と、制御装置80との間で近距離無線通信を行い、カメラ20が撮影した画像の情報、視覚障碍者の歩行に伴って発生する加速度の情報、視覚障碍者の位置の情報を制御装置80に向けて無線送信する構成となっている。
振動発生機50は、グリップ部3の根元部における前記カメラ20の上側に配設されている。この振動発生機50は、内蔵されたモータの作動に伴って振動し、その振動をグリップ部3に伝達することによって、当該グリップ部3を把持している視覚障碍者に向けて種々の通知が行えるようになっている。この振動発生機50の振動による視覚障碍者に向けての通知の具体例については後述する。
バッテリ60は、前記カメラ20、Gセンサ30、GPSモジュール35、近距離無線通信機40、振動発生機50、制御装置80のための電力を蓄電する二次電池で構成されている。
充電ソケット70は、バッテリ60に電力を蓄える際に充電ケーブルが接続される部分である。例えば、視覚障碍者が在宅中に家庭用電源からバッテリ60を充電する際に充電ケーブルが接続される。
制御装置80は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ、制御プログラムを記憶するROM(Read-Only Memory)、データを一時的に記憶するRAM(Random-Access Memory)、および、入出力ポート等を備えている。
そして、この制御装置80は、前記制御プログラムによって実現される機能部として、情報受信部81、横断歩道検出部82、信号機判断部83、切り替わり認識部84、通知判断部85、属性設定部86、情報通知状態決定部87、情報送信部88を備えている。以下、これら各部の機能の概略について説明する。
情報受信部81は、カメラ20が撮影した画像の情報、Gセンサ30からの加速度の情報、および、GPSモジュール35からの視覚障碍者の位置の情報を近距離無線通信機40を介して所定時間間隔をもって受信する。このようにして情報受信部81に各種の情報が送信されるようになっているため、カメラ20、Gセンサ30、および、GPSモジュール35が本発明でいう情報取得手段を構成していることになる。
横断歩道検出部82は、情報受信部81が受信した画像の情報(カメラ20によって撮影された画像の情報)における当該画像中における、横断歩道を認識したり、横断歩道における各白線の位置を検出する。特に、横断歩道における各白線のうち、最も歩行者寄りの端縁位置(手前の位置)を検出する。この横断歩道の認識や白線の最も歩行者寄りの端縁位置の検出は周知の画像マッチング処理や深層学習等によって行われる。
信号機判断部83は、情報受信部81が受信した画像の情報から信号機(例えば歩行者用信号機)の状態が、赤信号(停止指示状態)および青信号(横断許可状態)の何れであるかを判断する。情報受信部81が受信した画像上における信号機の存在領域を推定するに当たっては、一般的な信号機の設置位置を考慮し、画像上において認識された横断歩道の上方に四角形状の信号機存在領域をCrop範囲として設定し、該Crop範囲内での信号機の存在を推定するようになっている。また、この信号機判断部83によって行われる信号機の状態の判断(色の検出)は、一般的な物体検出アルゴリズムまたはルールベースアルゴリズム等が用いられる。
切り替わり認識部84は、前記信号機判断部83によって判断された信号機の状態が、赤信号から青信号に切り替わったことを認識する。この信号機の切り替わりを認識した際、この切り替わり認識部84は、切り替わり信号を情報送信部88に送信する。この切り替わり信号は、情報送信部88から振動発生機50に送信される。振動発生機50は、この切り替わり信号を受けたことに連動して、所定のパターンで振動し、視覚障碍者に、信号機が赤信号から青信号に切り替わったことに起因して横断歩道の横断を許可する通知(横断開始通知)を行うことになる。
通知判断部85は、情報受信部81が受信した情報(カメラ20が撮影した画像の情報、Gセンサ30からの加速度の情報、および、GPSモジュール35からの視覚障碍者の位置の情報)を受け、これら情報に基づいて視覚障碍者に通知すべき歩行に関する情報の有無を判断する。
この視覚障碍者に通知すべき歩行に関する情報の例としては、横断歩道が接近した旨の情報、信号機が赤信号から青信号に切り替わった旨の情報、横断歩道の横断が完了した旨の情報、歩行に支障を来す障害物が近付いている旨の情報、歩行を緊急に停止する必要がある旨の情報、横断歩道の横断中に当該横断歩道の左側または右側に逸脱する可能性が生じている旨の情報等が挙げられる。視覚障碍者に通知すべき歩行に関する情報としてはこれらに限定されるものではない。
横断歩道の存在の認識や、横断歩道の横断が完了したことの認識や、横断歩道の横断中に当該横断歩道の左側または右側に逸脱する可能性が生じていることの認識は、カメラ20が撮影した画像の情報に基づいて行われる。また、GPSモジュール35からの視覚障碍者の位置の情報と予め記憶された地図情報とを参照することによってこれらを認識するようになっていてもよい。また、信号機の認識は、前述したように、カメラ20が撮影した画像の情報に基づき信号機判断部83および切り替わり認識部84によって行われる。また、歩行に支障を来す障害物が近付いていることの認識は、カメラ20が撮影した画像の情報に基づいて行われる。また、障害物が固定物(移動しない物体)であった場合には、GPSモジュール35からの視覚障碍者の位置の情報と予め記憶された地図情報とを参照することによって障害物が相対的に近付いていることを認識するようになっていてもよい。
通知判断部85は、このような視覚障碍者に通知すべき歩行に関する情報が存在すると判定した場合、その情報を属性設定部86に出力する。
属性設定部86は、通知判断部85から視覚障碍者に通知すべき歩行に関する情報が存在する旨の情報を受信した場合、その通知すべき歩行に関する情報の属性を求める。この情報の属性とは、視覚障碍者の歩行のリスクに対する切迫度および重要度に応じて決定されるものである。ここで、切迫度とは、歩行している視覚障碍者が前記リスクに遭遇するまでの物理的時間に基づく度合いである。ここでいうリスクに遭遇するとは、歩行している視覚障碍者が障害物に接触する状況(例えば自動車に接触する状況)や、視覚障碍者の歩行状態が危険な状況(例えば信号機の状態が赤信号となっている横断歩道を横断しようとして車道に出てしまう状況等)をいう。つまり、この切迫度は、歩行している視覚障碍者がリスク(歩行のリスク)に遭遇するまでの物理的時間が短いほど大きくなる。つまり、この切迫度は、リスクに遭遇するに際し、該リスク回避の余裕時間の逆数として求めることができる。以下では、リスクに遭遇する場合の例として視覚障碍者が障害物に接触する状況について主に説明することとする。例えば、歩行している視覚障碍者が障害物に近付いていく場合には、この障害物までの距離が短くなるほど(障害物に接触するまでの時間が短くなるほど)切迫度は大きくなる。この切迫度を求めるに当たり、リスクに遭遇するまでの物理的時間は、当該リスクまでの距離と視覚障碍者の歩行速度とによって算出される。リスクまでの距離は、カメラ20が撮影した画像の情報に基づいて算出される。視覚障碍者の歩行速度は、Gセンサ30からの情報に基づいて算出される。
また、重要度とは、歩行している視覚障碍者が前記リスク(歩行のリスク)に遭遇した際の結果がもたらす影響度合いである。つまり、この重要度は、歩行している視覚障碍者が遭遇するリスクとなる物体の大きさが大きいほど、また、その物体の表面が硬いほど、更には、その物体に対する相対的な接近速度が高いほど大きくなる。例えば、歩行している視覚障碍者が自動車に近付いていく場合(または自動車が視覚障碍者に近付いてくる場合)には、人に近付いていく場合よりも重要度は大きくなる。
図4は、情報属性テーブルを示す図である。この情報属性テーブルは、制御装置80のROMに予め記憶されている。図4に示すように、本実施形態では、視覚障碍者の歩行のリスクに対する切迫度および重要度に応じて情報属性(INFO.1~INFO.N)が設定されている。切迫度としては「小」「中」「大」の3パターンに区分けされており、重要度としては「中」「大」の2パターンに区分けされており、これら切迫度と重要度に応じて複数(例えば6個)の情報属性(INFO.1~INFO.N)が割り当てられている。
切迫度としては、歩行している視覚障碍者が、自動車や壁等に近付いていく場合において、衝突するまでの時間が短いほど切迫度は大きくなる。つまり、衝突するまでの時間が短くなっていくに従って経時的に切迫度は「小」「中」「大」の順で遷移していくことになる。一例として、衝突するまでの時間が10sec~6secの場合に切迫度は「小」とされ、衝突するまでの時間が6sec~3secの場合に切迫度は「中」とされ、衝突するまでの時間が3sec未満の場合に切迫度は「大」とされる。これらの値はこれに限定されるものではなく任意に設定可能である。
また、衝突するまでの時間が同じであっても、視覚障碍者自身の特性によって切迫度は異なる。例えば、障害物に接触する可能性を認知した時点で、その障害物への接触を回避する行動の機敏さが高い視覚障碍者は切迫度が小さくされるのに対し、障害物への接触を回避する行動の機敏さが低い視覚障碍者(例えば高齢者等)は切迫度が大きくされる。例えば、回避する行動の機敏さが高い視覚障碍者の場合、衝突するまでの時間が短くなっていくに従って経時的に切迫度は「小」「中」「大」の順で遷移していくことになる(例えば前述したように衝突するまでの時間が10sec~6secの場合に切迫度は「小」とされ、衝突するまでの時間が6sec~3secの場合に切迫度は「中」とされ、衝突するまでの時間が3sec未満の場合に切迫度は「大」とされる)のに対し、同じ状況であったとしても、回避する行動の機敏さが低い視覚障碍者の場合、衝突するまでの時間が短くなっていくに従って経時的に切迫度は「中」「大」の順で遷移していく(切迫度が「小」の状態は存在しない)ことになる。この場合の例として、衝突するまでの時間が10sec~5secの場合に切迫度は「中」とされ、衝突するまでの時間が5sec未満の場合に切迫度は「大」とされる。これらの値もこれに限定されるものではなく任意に設定可能である。また、回避する行動の機敏さが低い視覚障碍者の場合においても切迫度が「小」「中」「大」の順で遷移していくこととした場合にあっては、切迫度が「小」とされるタイミング、「小」から「中」に切り替わるタイミングおよび「中」から「大」に切り替わるタイミングそれぞれは、回避する行動の機敏さが高い視覚障碍者の場合に比べて早いタイミングとなる。例えば衝突するまでの時間が15sec~10secの場合に切迫度は「小」とされ、衝突するまでの時間が10sec~5secの場合に切迫度は「中」とされ、衝突するまでの時間が5sec未満の場合に切迫度は「大」とされる。これらの値もこれに限定されるものではなく任意に設定可能である。
重要度としては、視覚障碍者が接触した場合の歩行に対する影響度の指標である。例えば、視覚障碍者が自動車や壁等の障害物に近付いていく場合にあっては、接触した場合の歩行に対する影響度が高いため、重要度は大となる。一方、視覚障碍者が他の人に近付いていく場合にあっては、接触した場合の歩行に対する影響度は比較的小さい(自動車や壁に接触する場合に比べて小さい)ため、重要度は中となる。この障害物の認識は、周知の画像マッチング処理や深層学習等によって行われる。
以上の切迫度および重要度の設定は、当該歩行情報提供システム10の設計者または各情報の設定者によって白杖1の使用前に予め設定(プリセット)されるものとなっている。つまり、視覚障碍者がリスクに遭遇するまでの物理的時間と切迫度との関係、白杖1を使用する視覚障碍者がリスクに遭遇することを回避する行動の機敏さと切迫度との関係、歩行のリスクと重要度との関係それぞれは当該歩行情報提供システム10にプリセットされた情報である。
図5は、前述した切迫度および重要度、切迫感および重要感、情報属性ゾーンの関係を表す図である。切迫感とは、切迫度に対応した人の心理的な感覚(障害物等に接触することに対する危機感の大きさに相当)を表している。重要感とは、重要度に対応した人の心理的な感覚(障害物等に接触したと仮定した場合の恐怖感の大きさに相当)を表している。図5からも明らかなように切迫度が大きいほど切迫感も大きく、重要度が大きいほど重要感も大きくなる。このため、本実施形態では、前記情報属性(INFO.1~INFO.N)の割り当て領域(情報属性ゾーン)として、切迫感および重要感が共に比較的小さい領域をアドバイザリゾーンとし、切迫感および重要感が共に比較的大きい領域を警報ゾーンとし、それ以外の領域(切迫感および重要感が共に中間的な領域)を注意喚起ゾーンとして区画し、それぞれに情報属性(INFO.1~INFO.N)を割り当てるようにしている。図5に示すものでは、例示として、情報属性INFO.1(切迫感が小で且つ重要感が中)をアドバイザリゾーンに割り当て、情報属性INFO.4(切迫感が中で且つ重要感が大)を注意喚起ゾーンに割り当て、情報属性INFO.N(切迫感が大で且つ重要感が大)を警報ゾーンに割り当てている。
尚、前述した説明では、視覚障碍者自身の特性によって切迫度を異なるものとしていたが、この視覚障碍者自身の特性を考慮することなく、単純に、視覚障碍者がリスクに遭遇するまでの物理的時間のみによって切迫度を決定するものとしてもよい。
情報通知状態決定部87は、属性設定部86によって求められた通知すべき歩行に関する情報の属性(情報属性)に基づき、視覚障碍者に対する当該通知すべき歩行に関する情報の通知状態を決定する。具体的には、振動発生機50の振動物理特性(振動パターン)を情報属性に応じて決定する。
図6は、この振動発生機50の振動物理特性を決定する際に使用される振動特性決定マップを示す図である。この振動特性決定マップは、制御装置80のROMに予め記憶されている。
具体的に、振動発生機50の振動としては、振動ON期間と振動OFF期間とが繰り返されるようになっており、振動特性決定マップは、情報属性(INFO.1~INFO.N)に応じて、振動発生機50の振動物理特性として、1回の振動ON期間と1回の振動OFF期間との和、および、1回の振動ON期間と1回の振動OFF期間との和に対する1回の振動ON期間の比率を決定するものとして使用される。以下の説明では、1回の振動ON期間と1回の振動OFF期間との和を、振動の「断続時間」と呼び、1回の振動ON期間と1回の振動OFF期間との和に対する1回の振動ON期間の比率を、振動の「Duty比」と呼ぶこととする。
前述で例示したように、情報属性INFO.1(切迫度が小で且つ重要度が中であってアドバイザリゾーンに割り当てられた情報属性INFO.1)に対しては、断続時間が比較的長く且つDuty比は中間的な大きさとして設定される。図7(a)は、この場合における振動発生機50の振動パターンを示す波形図である。また、情報属性INFO.4(切迫度が中で且つ重要度が大であって注意喚起ゾーンに割り当てられた情報属性INFO.4)に対しては、断続時間が中間的な長さで且つDuty比が大きく設定される。図7(b)は、この場合における振動発生機50の振動パターンを示す波形図である。また、情報属性INFO.N(切迫度が大で且つ重要度が大であって警報ゾーンに割り当てられた情報属性INFO.N)に対しては、断続時間が短く且つDuty比が大きく設定される。図7(c)は、この場合における振動発生機50の振動パターンを示す波形図である。ここでは、3種類の情報属性INFO.1、INFO.4、INFO.Nについて説明したが、その他の情報属性においてもそれぞれ個別に断続時間およびDuty比が設定されている。
これら各情報属性それぞれに対応して設定される断続時間およびDuty比の傾向としては、切迫度が大きいほど断続時間が短くなるように設定され、重要度が大きいほどDuty比が大きくなるように設定される。これは、切迫度が大きい状況では断続時間を短くして単位時間当たりの振動ON期間と振動OFF期間との繰返し回数を多くすることにより(図7(c)を参照)、視覚障碍者が直感的に緊急性が高い通知であることを認識しやすくすることに鑑みられたものである。また、重要度が大きい状況では振動OFF期間に比べて振動ON期間を大幅に長くすることにより(図7(b)を参照)、視覚障碍者が直感的に障害物に接触した際の影響が大きい(被害が大きい)通知であることを認識しやすくすることに鑑みられたものである。
このようにして、カメラ20等によって取得した情報に基づいて視覚障碍者に通知すべき歩行に関する情報が有ると判断された場合には、当該通知すべき歩行に関する情報の属性(情報属性)を求め、その属性に基づき、視覚障碍者に対する当該通知すべき歩行に関する情報の通知状態(振動発生機50の振動パターン)を決定するようにしている。これにより、視覚障碍者に提供する情報の適正化を図ることができる。
以下、歩行情報提供システム10の実際の使用例について説明する。図8は、歩行情報提供システム10が内蔵された白杖1を把持した視覚障碍者が信号機のある横断歩道を横断する場合における各タイミングでの情報属性に対応する情報属性ゾーンを説明するための図である。この図8における情報属性INFO.A(Advisory)はアドバイザリゾーンに割り当てられた情報属性であって、切迫度が小で且つ重要度が中の場合の情報属性INFO.1および切迫度が小で且つ重要度が大の場合の情報属性INFO.2を包含するものである。つまり、この情報属性INFO.Aの場合には、状況に応じて情報属性INFO.1または情報属性INFO.2が選択され、その選択された情報属性に応じて図6の振動特性決定マップにより抽出された断続時間およびDuty比で振動発生機50が振動するものとなっている。また、図8における情報属性INFO.C(Caution)は注意喚起ゾーンに割り当てられた情報属性であって、切迫度が中で且つ重要度が中の場合の情報属性INFO.3および切迫度が中で且つ重要度が大の場合の情報属性INFO.4を包含するものである。つまり、この情報属性INFO.Cの場合には、状況に応じて情報属性INFO.3または情報属性INFO.4が選択され、その選択された情報属性に応じて振動特性決定マップにより抽出された断続時間およびDuty比で振動発生機50が振動するものとなっている。また、図8における情報属性INFO.W(Warning)は警報ゾーンに割り当てられた情報属性であって、切迫度が大で且つ重要度が中の場合の情報属性INFO.5および切迫度が大で且つ重要度が大の場合の情報属性INFO.6(前述したINFO.N)を包含するものである。つまり、この情報属性INFO.Wの場合には、状況に応じて情報属性INFO.5または情報属性INFO.6が選択され、その選択された情報属性に応じて振動特性決定マップにより抽出された断続時間およびDuty比で振動発生機50が振動するものとなっている。
具体的に、視覚障碍者が横断歩道を横断する状況としては、先ず、視覚障碍者が横断歩道に接近しておらず、歩行情報提供システム10の電源がONされている状態(ST1の状態)では、情報属性INFO.Aとされる。
視覚障碍者の歩行が開始されて、当該視覚障碍者が横断歩道に接近した(横断歩道に達するまでの時間が所定時間を下回った)場合(ST2の状態)では、情報属性INFO.Cとされ、視覚障碍者に注意喚起を行う。この情報属性INFO.Cに応じた振動発生機50の振動によって視覚障碍者が横断歩道の手前で停止した状態でカメラ20が撮影した画像の情報に基づいて信号機の状態を認識している状態(ST3の状態)に移行すると、情報属性INFO.Aに戻ることになる。
信号機の状態が、赤信号から青信号に切り替わったことを認識すると(ST4の状態)、横断歩道の横断を許可する通知が行われる。この場合も情報属性INFO.Aは維持される。
そして、視覚障碍者が、横断歩道の左側または右側に逸脱することなく、横断歩道の横断が完了する状況(ST5の状態)であれば、情報属性INFO.Aは維持されることになる。
これに対し、横断歩道の横断中に視覚障碍者が横断歩道の左側または右側に逸脱する状況(ST6の状態)になった場合には、情報属性INFO.Cとされ、視覚障碍者に注意喚起を行う。この注意喚起を意図する振動発生機50の振動を認識した視覚障碍者は、横断歩道を逸脱する状況であることを把握し、横断歩道の中央部を歩行するように歩行方向を変更することになる。例えば、交差点に設置された視覚障碍者用の音声発生装置からの音に従って歩行方向を変更することになる。
また、前述した信号機の状態を認識している状態(ST3の状態)において、視覚障碍者が横断歩道の横断を開始した場合(例えば、信号機の状態が赤信号であるにも拘わらず横断を開始した場合;ST7の状態)となった場合には、情報属性INFO.Wとされ、視覚障碍者に警報を行う(横断の停止を指示するための警報となる振動パターンでの振動を行う)。この警報を意図する振動発生機50の振動を認識した視覚障碍者は、直ちに歩行を停止することになる。
また、信号機の状態を認識している状態(ST3の状態)において、信号機の状態を正確に認識できない状況となる等して歩行情報提供システム10にエラーが生じた場合(ST8の状態)には、情報属性INFO.Cとされ、視覚障碍者に注意喚起を行う。
以上の動作により、視覚障碍者の状態に応じて選択された情報属性に応じた断続時間およびDuty比で振動発生機50が振動するようになっている。
以上の動作が繰り返される。
-実施形態の効果-
以上説明したように、本実施形態では、カメラ20、Gセンサ30、GPSモジュール35等の手段によって取得された情報に基づいて視覚障碍者に通知すべき歩行に関する情報が有ると判断された場合、当該通知すべき歩行に関する情報の属性を切迫度および重要度に基づいて求め、その属性に基づき、視覚障碍者に対する当該通知すべき歩行に関する情報の通知状態(白杖1の振動発生機50の振動パターン)を決定するようにしている。これにより、視覚障碍者に提供する情報の適正化を図ることができる。
また、本実施形態では、視覚障碍者に通知すべき歩行に関する情報の属性を切迫度に応じて求めている。このため、歩行に関する情報の通知を受けた視覚障碍者は、歩行のリスクに遭遇するまでの物理的時間(例えば障害物に接触するまでの時間)を容易に把握することができ、リスクに遭遇することに対する回避行動や準備行動(身構える行動等)を適切に行うことが可能である。
また、本実施形態では、視覚障碍者に通知すべき歩行に関する情報の属性を重要度に応じて求めている。このため、歩行に関する情報の通知を受けた視覚障碍者は、歩行のリスクに遭遇したと仮定した場合の影響度合い(例えば歩行に対して支障を来す影響の度合い)を容易に把握することができ、リスクに遭遇することに対する回避行動や準備行動の必要性を適切に認識することが可能である。
また、本実施形態では、振動発生機50の振動物理特性(振動パターン)として、振動の断続時間およびDuty比を情報属性に基づいて決定している。このため、歩行に関する情報の通知状態の明確な差別化ができることになり、視覚障碍者は、歩行に関する情報を正確に認識することが可能である。
-変形例-
次に変形例について説明する。本変形例は、切迫度の決定手法が前述した実施形態のものと異なっている。その他の構成および動作は前述した実施形態の場合と同様である。従って、ここでは切迫度の決定手法について主に説明する。
視覚障碍者が歩行のリスクに遭遇するまでの物理的時間が同じであったとしても、視覚障碍者の特性や周辺環境によっては切迫度は異なることがある。つまり、前述したようにリスクに遭遇することに対する回避行動が機敏な視覚障碍者よりも回避行動が機敏でない視覚障碍者の方がリスクに遭遇してしまう可能性は高くなる。このため、この回避行動が機敏でない視覚障碍者の場合には、前記物理的時間が同じであったとしても切迫度を高いものとして扱うことが好ましい。また、リスクに遭遇することに対する回避行動のし易い周辺環境である場合よりも回避行動のし難い周辺環境である場合の方がリスクに遭遇してしまう可能性は高くなる。例えば、道幅の狭い歩道や路側帯を歩行している場合や他の歩行者が多い場合には回避行動のし難い周辺環境であると言える。このため、回避行動のし難い周辺環境である場合にも、切迫度を高いものとして扱うことが好ましい。また、視覚障碍者が遭遇するリスクの種類によっては、接近が許容できない範囲が異なる。例えば、視覚障碍者が人に接近する場合には、物に接近する場合に比べて、接近が許容できない範囲は広いことが想定される。つまり、遭遇するリスクが物の場合には、遭遇するまでの物理的時間を考慮するのみでよいが、遭遇するリスクが人の場合には、遭遇するまでの物理的時間に加えて心理的なパーソナルスペースを確保するための余裕時間(心理的余裕時間)を考慮することが必要であるため、この場合にも切迫度を高いものとして扱うことが好ましい。
これらを考慮し、本変形例では、歩行のリスクに遭遇することに対する視覚障碍者の回避行動の機敏さ、歩行のリスクに遭遇することに対する周辺環境に起因する視覚障碍者の回避行動のし易さ、歩行のリスクの種類に基づいて、視覚障碍者がリスクに遭遇するまでの物理的時間のみによって決定される切迫度(基準切迫度)に対する補正によって切迫度を決定し、この決定した切迫度に応じた情報属性(INFO.1~INFO.N)を求めるようにしている。
図9は、本変形例における歩行情報提供システム10の制御系の概略構成を示すブロック図である。この図9に示すように、本変形例では、制御装置80に補正情報作成部89が備えられている。この補正情報作成部89は、前述した歩行のリスクに遭遇することに対する視覚障碍者の回避行動の機敏さ、歩行のリスクに遭遇することに対する周辺環境に起因する視覚障碍者の回避行動のし易さ、歩行のリスクの種類に基づいて、基準切迫度に対する補正の程度を設定するものである。
図10は、この補正情報作成部89によって基準切迫度に対する補正の程度を設定する際に参照される切迫度補正テーブルを示す図である。この図10に示すように、切迫度補正テーブルでは、前記補正のパラメータである切迫度補正パラメータとして「回避行動の機敏さ」、「環境での回避のし易さ」「対象リスク特性」とった各項目が設定されている。
「回避行動の機敏さ」として、歩行のリスクに遭遇することに対する視覚障碍者の回避行動の機敏さが高いほど切迫度の補正項としては小さな値として求められ、歩行のリスクに遭遇することに対する視覚障碍者の回避行動の機敏さが低い(回避行動が緩慢である)ほど切迫度の補正項としては大きな値として求められる。そして、この補正項が所定の値よりも大きな値として求められた場合には基準切迫度が補正されて最終的な切迫度(情報属性を求めるための切迫度)が決定されることになる。つまり、補正項が所定の値よりも大きな値として求められた場合、基準切迫度が「小」であった場合には「中」に補正され、また、基準切迫度が「中」であった場合には「大」に補正され、図4に示した情報属性テーブルに当て嵌められることになる。
また、「環境での回避のし易さ」として、歩行のリスクに遭遇することに対する回避行動のし易い(動きに制約がない)周辺環境であるほど切迫度の補正項としては小さな値として求められ、歩行のリスクに遭遇することに対する回避行動のし難い(動きに制約がある)周辺環境であるほど切迫度の補正項としては大きな値として求められる。そして、この補正項が所定の値よりも大きな値として求められた場合には基準切迫度が補正されて最終的な切迫度(情報属性を求めるための切迫度)が決定されることになる。つまり、この場合にも、補正項が所定の値よりも大きな値として求められた場合、基準切迫度が「小」であった場合には「中」に補正され、また、基準切迫度が「中」であった場合には「大」に補正され、図4に示した情報属性テーブルに当て嵌められることになる。
また、本変形例では、地図情報として3D詳細地図データを格納したマップデータベースMDが備えられており、このマップデータベースMDから3D詳細地図データを読み出すことが可能となっている。この3D詳細地図データは2次元の地図データだけでなく、路面の段差や凹凸や溝の深さ等の情報も備えたものであり、2次元の地図データだけでは把握することができない歩行に支障を来す可能性のある情報が記憶されている。そして、この3D詳細地図データから「環境での回避のし易さ」を判断し、その判断結果も切迫度の補正項に反映させるようになっている。
また、「対象リスク特性」として、視覚障碍者が遭遇するリスクの種類が物である場合には補正項としては小さな値として求められ、視覚障碍者が遭遇するリスクの種類が人である場合には補正項としては大きな値として求められる。そして、この補正項が所定の値よりも大きな値として求められた場合には基準切迫度が補正されて最終的な切迫度(情報属性を求めるための切迫度)が決定されることになる。つまり、この場合にも、補正項が所定の値よりも大きな値として求められた場合、基準切迫度が「小」であった場合には「中」に補正され、また、基準切迫度が「中」であった場合には「大」に補正され、図4に示した情報属性テーブルに当て嵌められることになる。
このようにして基準切迫度を補正して切迫度を決定することにより、プリセットすることのできない条件の変化に対応して情報属性を求め、当該情報属性に従って振動発生機50の振動物理特性(振動パターン)を決定することができる。このため、視覚障碍者に対して提供する情報のいっそうの適正化を図ることができる。
-他の実施形態-
尚、本発明は、前記実施形態および前記変形例に限定されるものではなく、特許請求の範囲および該範囲と均等の範囲で包含される全ての変形や応用が可能である。
例えば、前記実施形態および前記変形例では、歩行情報提供システム10を、視覚障碍者が使用する白杖1に内蔵した場合について説明した。本発明はこれに限らず、歩行者が高齢者である場合の杖や手押し車等であってもよい。また、歩行者が携帯する携帯端末(スマートフォン)や懐中電灯等を使用したものであってもよい。
また、前記実施形態および前記変形例では、振動発生機50の振動パターンとして情報属性に応じて断続時間およびDuty比を異ならせるようにしていたが、断続時間およびDuty比のうち一方のみを情報属性に応じて異ならせるようにしてもよい。
また、前記実施形態および前記変形例では、振動発生機50の振動パターンによって通知の種類を分けるようにしていた。本発明はこれに限らず、音声によって各種の通知を行うようにしてもよい。この場合、音声によって直接的に視覚障碍者に通知を行う(例えば「障害物に接近中です」や「赤信号です」といった音声を発する)ようにしてもよいし、音声の高さや大きさや出力パターンを通知の種類に応じて異ならせるようにしてもよい。この音声による通知を行う場合、白杖1にスピーカを備えさせ、該スピーカから音声を発するようにしてもよいし、視覚障碍者にイヤホン(例えば白杖1との間で無線通信を行うワイヤレスイヤホン等)を装着させ、該イヤホンから音声を発するようにしてもよい。
また、前記実施形態および前記変形例では、歩行情報提供システム10全体を白杖1に内蔵した場合について説明したが、歩行情報提供システム10の構成要素の一部を白杖1以外の部分に設けるようにしてもよい。例えば、カメラ20、Gセンサ30、GPSモジュール35の全てまたは一部を視覚障碍者が掛ける眼鏡に備えさせるようにしてもよい。
また、前記実施形態および前記変形例では、情報属性ゾーンとして、アドバイザリゾーン、注意喚起ゾーン、および、警報ゾーンの3つのゾーンを設けるようにしていた。本発明はこれに限らず、情報属性ゾーンとして2つのゾーンを設けるようにしてもよいし、4つ以上のゾーンを設けるようにしてもよい。
また、前記変形例では、切迫度補正パラメータとして「回避行動の機敏さ」、「環境での回避のし易さ」、「対象リスク特性」とった各項目を設定していた。本発明はこれに限らず、これらのうちの1つまたは2つを切迫度補正パラメータとして設定するようにしてもよい。
本発明は、歩行者に対して歩行に関する情報を提供するための歩行情報提供システムに適用可能である。
1 白杖(デバイス)
10 歩行情報提供システム
20 カメラ(情報取得手段)
30 Gセンサ(情報取得手段)
35 GPSモジュール(情報取得手段)
50 振動発生機
80 制御装置
85 通知判断部
86 属性設定部
87 情報通知状態決定部

Claims (8)

  1. 歩行者に対して歩行に関する情報を提供するための歩行情報提供システムであって、
    少なくとも前記歩行者の周辺状況の情報を取得可能な情報取得手段と、
    前記情報取得手段が取得した情報に基づいて前記歩行者に通知すべき歩行に関する情報の有無を判断する通知判断部と、
    前記通知判断部によって、前記歩行者に通知すべき歩行に関する情報が有ると判断された場合に、当該通知すべき歩行に関する情報の属性を求める属性設定部と、
    前記属性設定部によって求められた前記通知すべき歩行に関する情報の属性に基づき、前記歩行者に対する当該通知すべき歩行に関する情報の通知状態を決定する情報通知状態決定部と、を備えていることを特徴とする歩行情報提供システム。
  2. 請求項1記載の歩行情報提供システムにおいて、
    前記通知すべき歩行に関する情報の属性は、前記歩行者が歩行のリスクに遭遇するまでの物理的時間に基づく切迫度に応じて求められることを特徴とする歩行情報提供システム。
  3. 請求項2記載の歩行情報提供システムにおいて、
    前記切迫度は、前記歩行者が歩行のリスクに遭遇するまでの物理的時間に対応する基準切迫度に対して、前記歩行者の歩行時における切迫度補正パラメータに応じて補正されて求められることを特徴とする歩行情報提供システム。
  4. 請求項3記載の歩行情報提供システムにおいて、
    前記切迫度補正パラメータは、前記歩行のリスクに遭遇することに対する前記歩行者の回避行動の機敏さ、前記歩行のリスクに遭遇することに対する周辺環境に起因する前記歩行者の回避行動のし易さ、前記歩行のリスクの種類のうち少なくとも一つであることを特徴とする歩行情報提供システム。
  5. 請求項1~4のうち何れか一つに記載の歩行情報提供システムにおいて、
    前記通知すべき歩行に関する情報の属性は、前記歩行者が歩行のリスクに遭遇した際の結果がもたらす影響度合いである重要度に応じて求められることを特徴とする歩行情報提供システム。
  6. 請求項1~5のうち何れか一つに記載の歩行情報提供システムにおいて、
    前記情報通知状態決定部は、前記歩行者が携帯しているデバイスの振動物理特性を決定する構成となっていることを特徴とする歩行情報提供システム。
  7. 請求項6記載の歩行情報提供システムにおいて、
    前記情報通知状態決定部は、前記デバイスの振動物理特性として、振動ON期間と振動OFF期間とが繰り返される場合に、1回の振動ON期間と1回の振動OFF期間との和、および、1回の振動ON期間と1回の振動OFF期間との和に対する1回の振動ON期間の比率のうち少なくとも一方を前記情報の属性に基づいて決定することを特徴とする歩行情報提供システム。
  8. 請求項6または7記載の歩行情報提供システムにおいて、
    前記デバイスは、前記歩行者としての視覚障碍者が使用する白杖であって、振動によって、前記白杖を使用している前記視覚障碍者に向けて歩行に関する情報の通知を行う構成となっていることを特徴とする歩行情報提供システム。
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