JP2023033959A - タイヤの製造方法およびタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】加硫されたタイヤを非インフレーション状態で長期間保管した場合でも、トレッドに形成されている溝の底部にオゾンクラックが発生することを防止できるタイヤの製造方法およびタイヤを提供する。【解決手段】加硫されたタイヤ1のトレッド2に形成されている周方向溝3aの底部4aに対して、スプレーノズル12aからシリコーン液Fを供給し、このシリコーン液Fによって、底部4aに膜厚が150nm以上のシリコーン被膜Sを形成する。【選択図】図6

Description

本発明は、タイヤの製造方法およびタイヤに関し、さらに詳しくは、加硫されたタイヤを非インフレート状態で長期間保管しても、トレッドの溝の底部にオゾンクラックが発生することを抑制できるタイヤの製造方法およびタイヤに関するものである。
タイヤには大気中のオゾンによって、いわゆるオゾンクラックが発生する。そこで、タイヤを形成している加硫ゴムには、オゾンクラックの発生を抑制する成分(ワックスや老化防止剤など)を含有されている。この成分がタイヤの表面にブルームして保護層を形成する。この保護層が、タイヤ表面のゴムにオゾンが直接接触することを防止するためオゾンクラックの発生が抑制される。しかしながら、この保護層によって耐オゾン性を十分に維持できないことがある。
従来、オゾンクラックの発生を抑制してタイヤの外観品質を向上させるために、タイヤの表面にシリコーンオイルなどを塗布することが提案されている(特許文献1、2参照)。これらの提案では、タイヤ外観として目立ち易い部分(主にサイド部)がシリコーンオイルなどを塗布する対象領域になっている。
特開昭60-38205号公報 特開2006-289912号公報
本願発明者の種々の分析、検討の結果、加硫されたタイヤを例えば、非インフレート状態(タイヤ内部に充填した空気などで膨張させていない状態)で長期間保管した場合に、トレッドの溝の底部では局所的に大きな応力が発生し易く、ワックスや老化防止剤などがタイヤ表面にブルームして形成された保護層がこの応力に起因して損傷することが判明した。そのため、この溝の底部では、オゾンクラックの発生を十分に抑制することができないことがある。
本発明の目的は、加硫されたタイヤを非インフレート状態で長期間保管しても、トレッドの溝の底部にオゾンクラックが発生することを抑制できるタイヤの製造方法およびタイヤを提供することにある。
上記目的を達成するため本発明のタイヤの製造方法は、加硫されたタイヤのトレッド溝の底部の表面にシリコーンを供給し、このシリコーンにより前記底部に膜厚が150nm以上のシリコーン被膜を形成することを特徴とする。
本発明のタイヤは、加硫されたトレッドの溝の底部に、膜厚が150nm以上のシリコーン被膜が形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、加硫されたタイヤのトレッドの溝の底部に形成されたシリコーン被膜の膜厚を150nm以上にすることにより、シリコーン被膜による良好な耐オゾン性を確保することができ、かつ、シリコーン被膜が損傷し難くなる。これに伴って、この溝の底部の表面ゴムをシリコーン被膜によってオゾンから長期に渡って保護するには有利になる。それ故、タイヤを非インフレート状態で長期間保管した場合でも、この溝の底部にオゾンクラックが発生することを抑制することが可能になる。
本発明の実施形態のタイヤのトレッドを平面視で例示する説明図である。 図1のタイヤの右半分を横断面視で例示する説明図である。 図2の一部拡大図である。 被膜形成装置を平面視で例示する説明図である。 図4の被膜形成装置の一部を拡大して側面視で例示する説明図である。 シリコーン被膜を形成する工程をタイヤの横断面視で例示する説明図である。 図6のシリコーン液の供給先端部の変形例を示す説明図である。 図6のシリコーン液の供給先端部の別の変形例を示す説明図である。
本発明のタイヤの製造方法およびタイヤを、図に示した実施形態に基づいて説明する。
図1~図3に例示するタイヤ1の実施形態は、加硫された空気入りタイヤであり、最外周に配置されているトレッド2に様々な溝3(3a、3b)を有している。例えば、タイヤ周方向に延在する周方向溝3a、タイヤ幅方向に延在する横溝3bがトレッド2に形成されている。尚、タイヤ周方向に対して傾斜して延在する傾斜溝も横溝3bとして、周方向溝3a、横溝3bを総称して溝3という。溝3は、両側の側部4bと、側部4bどうしの間の底部4aと、で形成されている。尚、図中の一点鎖線CLはタイヤ幅方向中心を示していて、矢印W、R、Cの方向はそれぞれタイヤ幅方向、半径方向、周方向を示している。
このタイヤ1のトレッド2には多数の溝3によって多数のブロック5が形成されている。それぞれのブロック5にはサイプ5aが形成されていて、したがって、このタイヤ1は所謂スタッドレスタイヤである。尚、本発明はスタッドレスタイヤに限らず、サマータイヤなど種々のタイヤに適用できる。
このタイヤ1の構造を詳述すると、図2に例示するように、最内周にインナーライナ10が配置されていて、その外周側にカーカス9bが積層されている。カーカス9bは、左右一対のビード部8の間に架装されている。カーカス9bの左右両端部はそれぞれのビード部8のビードコアの周りでタイヤ内側から外側に折り返されている。カーカス9bのタイヤ幅方向中央部の外周側にはベルト層9aが埋設されていて、その外周側にトレッド2が積層されている。ベルト層9aの層数は適宜設定される。カーカス9bのタイヤ幅方向両側の外側にはサイド部7が積層されている。トレッド2とそれぞれのサイド部7の間のカーカス9bの外側にはショルダ部6が積層されている。タイヤ1は、この構造に限定されることはなく、例えば上述した部材の他に、ベルト層9aの外周側に積層されてベルト層9aの両端部を覆うベルトカバー層などが備わることもある。
所定の溝3の底部4aには150nm以上のシリコーン被膜Sが形成されている。この実施形態では所定の溝3が周方向溝3aになっている。シリコーン被膜Sは、すべての溝3の底部4aに形成することもできるが、シリコーン被膜Sを形成する領域が広くなると、シリコーン被膜Sを形成するために要するコストや時間が過剰になる。そのため、すべての溝3のうち、底部4aにオゾンクラックが発生し易い所定の溝3を特定して、その所定の溝3の底部4aを対象にしてシリコーン被膜Sを形成することが望ましい。尚、図面ではシリコーン被膜Sは誇張して厚く記載されている。
底部4aに作用する引張力が大きくなると、底部4aにはオゾンクラックが発生し易くなる(オゾンクラックがより早期に発生する)。そこで、すべての溝3のうち、底部4aに作用する引張力がより大きい所定の溝3を特定して、その所定の溝3の底部4aを対象にしてシリコーン被膜Sを形成するとよい。
例えば、タイヤ1を非インフレート状態で、そのまま横倒し状態で保管する場合は、周方向溝3aの底部4aには、より大きな引張力が作用して局部的に大きな応力が生じ易くなる。横倒し状態で複数本のタイヤ1を積み上げて保管する場合は、より下側に位置するタイヤ1には上側に積み上げられたタイヤ1の質量が作用してトレッド2がより大きく変形して、周方向溝3aの底部4aには、一段と大きな引張力が作用する(応力集中が生じる)。それ故、周方向溝3aの底部4aにシリコーン被膜Sを形成するとよい。
尚、保管されているタイヤ1では、通常は、底部4aに比して側部4bに作用する引張力は小さいため、側部4bにはオゾンクラックが発生し難い(オゾンクラックがより遅く発生する)。したがって、底部4aに加えて側部4bにもシリコーン被膜Sを形成することもできるが、少なくとも底部4aにシリコーン被膜Sに形成する。即ち、側部4bには任意でシリコーン被膜Sを形成することができる。トレッド2の表面の溝部3以外の部分(即ち、タイヤ接地面)には、シリコーン被膜Sを極力形成しない。
また、底部4aの面積が広くなるとオゾンとの接触面積も広くなるのでオゾンクラックが生じ易くなる。そこで、底部4aにシリコーン被膜Sを形成する溝3は、例えば少なくとも主溝にすることもできる。主溝とは、JATMAに規定されているウェアインジケータの表示義務を有する溝であり、一般に溝幅5.0mm以上で溝深さ6.5mm以上である。主溝は、タイヤ周方向に延在する周方向溝3aに限らず、タイヤ幅方向に延在する場合もタイヤ幅方向に対して傾斜する方向に延在することもあるので横溝3bの場合もある。
トレッド2を形成している加硫ゴムのゴム種(含有成分)に起因して、底部4aでのオゾンクラックの発生し易さも異なる。したがって、耐オゾン性に劣るゴム種(含有成分)によってトレッド2の表面が形成されている場合には、溝3の底部4aにシリコーン被膜Sを形成することが特に好ましい。
この実施形態では、図3に例示するように、トレッド2が異なる種類の加硫ゴムの積層構造になっていて、トレッド2の表面を形成している加硫ゴムのゴム種には吸水剤または発泡剤の少なくとも一方が含まれている。即ち、トレッド2の表面側を形成している加硫ゴムと、トレッド2の内部側を形成している加硫ゴムとではゴム種(含有成分)が異なっている。吸収剤としては具体的には吸水性樹脂やその架橋体などを例示できる。発泡剤としては具体的には膨張性マイクロカプセルなどを例示できる。
この吸水成分や発泡成分が含まれていると、タイヤ1の雪上・氷上性能が向上するので、スタッドレスタイヤのトレッド2の表面を形成する加硫ゴムにはこれらの成分が含まれていることがある。一方で、これらの成分が含まれていると耐オゾン性が低下するので、オゾンクラックが発生し易くなる(オゾンクラックがより早期に発生する)。そのため、吸水剤または発泡剤の少なくとも一方の成分を含む加硫ゴムによって形成されている底部4aには、シリコーン被膜Sを形成するとよい。
シリコーン被膜Sの膜厚は150nm未満であると、オゾンクラックの発生を長期間十分に抑制することが難しいので、150nm以上に設定されている。シリコーン被膜Sの膜厚が小さいと、底部4aが変形した場合に損傷し易くなり、十分な耐久性を確保できないのでその膜厚は350nm以上であることがより好ましい。一方、シリコーン被膜Sの膜厚が過大になると、シリコーン被膜Sを形成するために要するコストや時間が過剰になる。したがって、この膜厚は例えば20μm以下にするとよく、10μm以下がより好ましい。
以下、本発明のタイヤの製造方法により、このタイヤ1を製造する手順の一例を説明する。
このタイヤ1を製造するには図4~図5に例示する被膜形成装置11を用いる。公知の方法で加硫された加硫済みタイヤ1に対して、被膜形成装置11を用いて所定の溝3の底部4aにシリコーン被膜Sを形成する。シリコーン被膜Sの原料として使用するシリコーンは、液体(シリコーン液F)でも半固体状(グリース状のシリコーン)でもよい。以下では主にシリコーン液Fを使用する場合を例にして説明するが、グリース状のシリコーンを使用する場合もシリコーン被膜Sを形成する手順は実質的に同じである。シリコーン液Fは、狭い底部4aや複雑に入り組んだ形状の溝3の底部4aにより供給し易いという利点があり、グリース状のシリコーンは底部4aにより定着させ易いという利点がある。
被膜形成装置11は、シリコーン液Fの供給手段12と、タイヤ回転機17とを備えている。供給手段12は、スプレーノズル12aとアーム13と貯留タンク15と制御部16とを有している。
アーム13はベース14に回転自在に取り付けられていて、複数のアーム部13a、13bを回転自在に接続して構成されている。アーム13としては例えば3次元に自在に動くロボットアームを使用するとよい。アーム13の先端部にはスプレーノズル12aが供給先端部として着脱自在に装着されている。貯留タンク15にはシリコーン液Fが貯留されていて、貯留タンク15とスプレーノズル12aとはホースを介して接続されている。
制御部16は、アーム13やスプレーノズル12aの動作を制御し、また、貯留タンク15に貯留されているシリコーン液Fをスプレーノズル12aに送るポンプを制御する。制御部16としてはコンピュータが使用される。
タイヤ回転機17は、モータ等によって回転する回転軸17aと、回転軸17aに取り付けられているタイヤ保持部17bとを備えている。タイヤ保持部17bは、ホイールのようにそれぞれのビード部8が係合されてタイヤ1を保持する。回転軸17aの回転動作は制御部16によって制御される。この実施形態では、タイヤ1はタイヤ保持部17bに横倒し状態で保持されているが、立てた状態で保持されてもよい。尚、タイヤ回転機17は任意で設けることができ、タイヤ1を回転させずに保持する構成にすることもできる。
アーム13の動きを制御することにより、スプレーノズル12aを三次元の所望の位置に移動させることができる。そのため、貯留タンク15からスプレーノズル12aに送られたシリコーン液Fを所望の位置に供給することができる。
シリコーン液Fは、シリコーン被膜Sを形成するための原料である。シリコーン液Fは主成分がシリコーンオイルであり、タイヤ表面の艶出し、タイヤモールドの離型助剤などに使用されている公知の種々の仕様(市販品)を使用することができる。シリコーンオイルの具体例としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチル水素シリコーンオイルなどが挙げられる。トレッド2を形成する加硫ゴムの試験サンプルにシリコーン液Fを塗布して耐オゾン性試験を予め行って、その加硫ゴムを損傷させることがなく、実用上十分な耐オゾン性を発揮するシリコーン液Fを採用すればよい。例えば、シロキサンのみを重合して製造されているシリコーンオイルを含有する公知のシリコーン液Fを使用する。
シリコーン液Fの粘度が低すぎると、十分な膜厚のシリコーン被膜Sを形成することが難しくなる。そして、シリコーン液Fの流動性が高過ぎても低過ぎても、膜厚を均一化して効率的にシリコーン被膜Sを形成することが難しくなる。それ故、シリコーン液Fの25℃における動粘度は、10cSt以上20000cSt以下が好ましく、100cSt以上1000cSt以下がより好ましい。この動粘度は、JIS Z 8803に準拠して測定される。シリコーン液Lではなくグリース状のシリコーンを使用する場合は、そのグリース状のシリコーンのちょう度(混和ちょう度)は100以上500以下が好ましい。このちょう度はJIS K 2220に準拠して測定される。
タイヤ加硫用モールドから脱型された加硫済みタイヤ1を、タイヤ保持部17bにより保持してタイヤ回転機17に設置する。設置したタイヤ1のタイヤ軸芯は、回転軸17aと同軸上に設定される。次いで、回転軸17aを回転させることで、回転軸17aを中心にしてタイヤ1を回転させる。
制御部16は、アーム13の動きを制御してスプレーノズル12aの先端を、周方向溝3aの開口付近に位置決めする。詳述すると、タイヤ保持部17bによって保持されているタイヤ1での溝3の底部4aの三次元の位置データが予め把握されていて、制御部16に記憶されている。制御部16は記憶されている底部4aの位置データに基づいてスプレーノズル12aを、シリコーン被膜Sを形成する底部4aに近接移動させてその先端を位置決めする。
位置決めされたスプレーノズル12aからシリコーン液Fを周方向溝3aの底部4aに向かって噴射する。これにより、底部4aは供給されたシリコーン液Fに被覆される。1本の周方向溝3aの底部4aのタイヤ周方向全周に渡ってシリコーン液Fを供給した後は、スプレーノズル12aを別の周方向溝3aの開口付近に移動させて同様にその周方向溝3aの底部4aにシリコーン液Fを供給する。このようにスプレーノズル12aを適宜移動させて、対象にする所定の溝3の底部4aにシリコーン液Fを供給する。
トレッド2の表面の溝部3以外の部分はタイヤ接地面になるので、シリコーン液Fが付着していると、タイヤ1と路面との間の摩擦が低減する。これにより、タイヤ1の走行性能に影響が生じるため、タイヤ接地面にはシリコーン被膜Sを極力形成しないことが望ましい。したがって、別の溝3にスプレーノズル12aを移動させる際には、トレッド2のタイヤ接地面にシリコーン液Fが付着することを防止するために、スプレーノズル12aからのシリコーン液Fの噴射を一時的に中断するとよい。
底部4aに供給されたシリコーン液Fが乾燥することで底部4aの表面に定着してシリコーン被膜Sが形成される。底部4aに供給したシリコーン液Fは自然乾燥させればよい。
この実施形態ではタイヤ1を周方向に回転させつつ、周方向溝3aの底部4aにシリコーン液Fを供給するので、より迅速にこの底部4aのタイヤ周方向全周に渡ってシリコーン被膜Sを形成するには有利になっている。また、スプレーノズル12aは底部4aと接触することがなく、比較的広い範囲に均等な膜厚のシリコーン被膜Sを形成し易い。
横溝3bの底部4aにシリコーン被膜Sを形成する場合は、回転軸17aを回転させずにタイヤ1を非回転状態に維持する。このタイヤ1に対して、制御部16は記憶されている位置データに基づいてスプレーノズル12aを、シリコーン被膜Sを形成する底部4aに近接移動させてその先端を位置決めする。位置決めされたスプレーノズル12aからシリコーン液Fを対象となる横溝3bの底部4aに向かって噴射することで、その底部4aにシリコーン被膜Sを形成する。
底部4aにシリコーン液Fを供給するには、スプレーノズル12aに限らず、様々な供給先端部を用いることができる。図7に例示する被膜形成装置11では、供給先端部として、多数の繊維を束ねて構成されたブラシ状体12bがアーム13の先端部に装着されている。このブラシ状体12bに貯留タンク15に貯留されているシリコーン液Fが送られる。制御部16は記憶されている底部4aの位置データに基づいてブラシ状体12bを、シリコーン被膜Sを形成する底部4aに近接移動させて位置決めして、ブラシ状体12bの先端をその底部4aに当接させる。
このブラシ状体12bからシリコーン液Fが対象になる溝3の底部4aに塗布されて、その底部4aにシリコーン被膜Sが形成される。ブラシ状体12bを用いると、シリコーン液Fが周囲に浮遊して拡散する不具合を防止するには有利になる。
図8に例示する被膜形成装置11では、供給先端部として、吸水性材料(例えばスポンジなどの多孔質材料)で形成された円盤状体12cが、アーム13の先端部に回転可能に装着されている。この円盤状体12cに貯留タンク15に貯留されているシリコーン液Fが送られる。制御部16は記憶されている底部4aの位置データに基づいて円盤状体12cを、シリコーン被膜Sを形成する周方向溝3aの底部4aに近接移動させて位置決めして、円盤状体12cの外周端をその底部4aに当接させる。
円盤状体12cは回転するタイヤ1によって回転駆動されて、この円盤状体12cからシリコーン液Fが対象になる周方向溝3aの底部4aに塗布されて、その底部4aにシリコーン被膜Sが形成される。円盤状体12cを用いると、シリコーン液Fが周囲に浮遊して拡散する不具合を防止しつつ、周方向溝3aの底部4aに対して効率的にシリコーン液Fを供給するには有利になる。
この被膜形成装置11は、アーム13の先端部に、異なるタイプの供給先端部12a~12cが着脱可能になっている。そのため、シリコーン被膜Sを形成する溝3に応じた適切な供給先端部12a~12cを選択して用いることで、対象になる底部4aにシリコーン液Fをより円滑に供給することができる。
本発明によれば、溝3の底部4aに形成されたシリコーン被膜Sの膜厚を150nm以上にしているので、シリコーン被膜Sによる良好な耐オゾン性を確保することができ、また、トレッド2が変形して大きな引張力が作用して局部的に大きな応力が生じてもシリコーン被膜Sが損傷し難くなる。これに伴って、この溝3の底部4aの表面ゴムを、シリコーン被膜Sによって大気中のオゾンから長期に渡って保護するには有利になる。それ故、タイヤ1を非インフレート状態で長期間保管した場合でも、シリコーン被膜Sが形成されている溝3の底部4aにオゾンクラックが発生することを抑制することができる。
タイヤ回転機17は、タイヤ1のユニフォミティを測定する検査工程に設けられている。そこで、この検査工程において、上述したシリコーン被膜Sを形成する工程を同時に行うと、シリコーン被膜Sを形成することに起因するタイヤ1の生産効率の低下を回避するには有利になる。
底部4aにシリコーン被膜Sを形成する工程は、タイヤ1を加硫してからタイヤ1の検査工程の間に行うだけでなく、検査工程を終えて未使用の状態で保管されているタイヤ1に対して行うこともできる。したがって、タイヤ生産工場に限らず、加硫されたタイヤ1が未使用の状態で保管されている保管倉庫などにおいて、保管されているタイヤ1の底部4aにシリコーン被膜Sを形成する工程を行うことができる。
本発明は、空気入りタイヤに限らず、トレッド2に溝3を有している種々のタイプのタイヤに対して適用できる。
1 加硫されたタイヤ
2 トレッド
3 溝
3a 周方向溝
3b 横溝(傾斜溝)
4a 底部
4b 側部
5 ブロック
5a サイプ
6 ショルダ部
7 サイド部
8 ビード部
9a ベルト層
9b カーカス
10 インナーライナ
11 被膜形成装置
12 供給手段
12a スプレーノズル(供給先端部)
12b ブラシ状体(供給先端部)
12c 円盤状体(供給先端部)
13 アーム
13a、13b アーム部
14 ベース
15 貯留タンク
16 制御部
17 タイヤ回転機
17a 回転軸
17b タイヤ保持部
C シリコーン被膜
F シリコーン液

Claims (6)

  1. 加硫されたタイヤのトレッドの溝の底部の表面にシリコーンを供給し、このシリコーンにより前記底部に膜厚が150nm以上のシリコーン被膜を形成するタイヤの製造方法。
  2. 前記底部が、吸水成分または発泡成分の少なくとも一方を含む加硫ゴムにより形成されている請求項1に記載のタイヤの製造方法。
  3. 前記溝が、タイヤ周方向に延在する周方向溝である請求項1または2に記載のタイヤの製造方法。
  4. 前記シリコーンとしてシリコーン液を使用する場合はそのシリコーン液の25℃における動粘度が10cSt以上20000cSt以下であり、前記シリコーンとしてグリース状のシリコーンを使用する場合はそのグリース状のシリコーンの25℃におけるちょう度が100以上500以下である請求項1~3のいずれかに記載のタイヤの製造方法。
  5. 前記タイヤでの前記底部の位置データを予め把握しておき、制御部により前記位置データに基づいて移動させた供給手段から前記シリコーンを前記底部の表面に供給する請求項1~4のいずれかに記載のタイヤの製造方法。
  6. 加硫されたトレッドの溝の底部に、膜厚が150nm以上のシリコーン被膜が形成されているタイヤ。
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