JP2023033681A - 全館空調システム及びその点検方法 - Google Patents

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Abstract

Figure 2023033681000001
【課題】 ダクトに不具合が発生している可能性を判定することが可能な空調システム及びその点検方法を提供する。
【解決手段】 複数の居室を備えた住宅の全館空調システム1である。この全館空調システム1は、空気調和機6と、空気調和機6で空調された空気Acを複数の居室5に搬送するための複数のダクト7と、空気調和機6で空調された空気Acを、複数のダクト7を介して複数の居室5に圧送するための少なくとも一つのファン8と、ファン8の運転を制御するための制御部9と、ファン8の運転中の回転数又はこれに対応する情報である第1情報を取得する検出部10と、取得された第1情報を表示するための表示部11とを含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、全館空調システム及びその点検方法に関する。
近年、住宅の全館空調システムが種々提案されている。例えば、下記特許文献1は、空気調和機の室内機が配された空調室と、空調室に少なくとも建物内の空気を供給する第1流路と、一端が空調室に連通し、かつ、他端が建物内の居室に連通する第2流路と、空調室の空気を、第2流路を介して居室に供給するための第1ファンと、制御装置とを含む空調システムが記載されている。
特開2021-085533号公報
ところで、全館空調システムでは、空気調和機で空調された空気が、複数のダクトを介して、複数の居室に圧送されることから、これらのダクトに不具合のない状態が維持されることが重要である。しかしながら、全館空調システムの施工後では、ダクトは、通常、建物の天井空間や床下等のユーザが確認しづらいスペースに格納されることから、ダクトの状態を常時確認するのは困難である。
本発明は、以上のような実状に鑑み案出されたもので、ダクトに不具合が発生している可能性を判定することが可能な空調システムを提供することを主たる目的としている。
本発明は、複数の居室を備えた住宅の全館空調システムであって、空気調和機と、前記空気調和機で空調された空気を前記複数の居室に搬送するための複数のダクトと、前記空気調和機で空調された空気を、前記複数のダクトを介して前記複数の居室に圧送するための少なくとも一つのファンと、前記ファンの運転を制御するための制御部と、前記ファンの運転中の回転数又はこれに対応する情報である第1情報を取得する検出部と、取得された前記第1情報を表示するための表示部とを含むことを特徴とする。
本発明に係る前記全館空調システムにおいて、前記ファンの運転状況に応じた適正回転数又はこれに対応する情報である第2情報を記憶した記憶部をさらに含み、前記表示部は、前記第1情報と前記第2情報とを合わせて表示してもよい。
本発明に係る前記全館空調システムにおいて、前記第2情報は、前記全館空調システムの正規動作状態において測定された情報であってもよい。
本発明に係る前記全館空調システムにおいて、前記第2情報は、前記全館空調システムの施工完了直後において測定された情報であってもよい。
本発明に係る前記全館空調システムにおいて、前記第2情報は、前記ファンの回転数-静圧曲線と、前記全館空調システムの正規動作状態での前記複数のダクトの圧力損失とから計算された情報であってもよい。
本発明に係る前記全館空調システムにおいて、前記制御部は、前記第1情報と前記第2情報との差が予め定めた閾値を超える場合、前記表示部に点検推奨表示を表示させる点検推奨判断部をさらに含んでもよい。
本発明に係る前記全館空調システムにおいて、前記ファンは、複数のノッチを有し、前記第2情報は、前記複数のノッチ毎に記憶されていてもよい。
本発明に係る前記全館空調システムにおいて、前記制御部は、予め定められたスケジュールで前記第1情報を取得して記憶部に記憶させるファン運転履歴取得部をさらに含んでもよい。
本発明は、空気調和機と、前記空気調和機で空調された空気を複数の居室に搬送するための複数のダクトと、前記空気調和機で空調された空気を、前記複数のダクトを介して前記複数の居室に圧送するための少なくとも一つのファンと、前記ファンの運転を制御するための制御部とを含む、住宅の全館空調システムの点検方法であって、前記制御部が、前記ファンの運転中の回転数又はこれに対応する情報である第1情報を取得する取得ステップと、前記制御部が、取得された前記第1情報を表示する表示ステップとを含むことを特徴とする。
本発明は、空気調和機と、前記空気調和機で空調された空気を複数の居室に搬送するための複数のダクトと、前記空気調和機で空調された空気を、前記複数のダクトを介して前記複数の居室に圧送するための少なくとも一つのファンと、前記ファンの運転を制御するためのコンピュータとを含む住宅の全館空調システムの点検方法を実行するためのプログラムであって、前記コンピュータを、前記ファンの運転中の回転数又はこれに対応する情報である第1情報を取得する手段と、取得された前記第1情報を表示する手段として機能させることを特徴とする。
本発明の全館空調システムは、上記の構成を採用することにより、ダクトに不具合が発生している可能性を判定することが可能となる。
本実施形態の全館空調システムが設置された住宅を概念的に示す断面図である。 本実施形態の制御部の構成を示す概念図である。 本実施形態の表示部の一部を示す図である。 本実施形態の全館空調システムの点検方法の処理手順を示すフローチャートである。 ファンの回転数-静圧曲線を示すグラフである。 本発明の他の実施形態の全館空調システムの点検方法の処理手順を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態が図面に基づき説明される。図面は、発明の内容の理解を助けるために、誇張表現や、実際の構造の寸法比とは異なる表現が含まれることが理解されなければならない。また、各実施形態を通して、同一又は共通する要素については同一の符号が付されており、重複する説明が省略される。さらに、実施形態及び図面に表された具体的な構成は、本発明の内容理解のためのものであって、本発明は、図示されている具体的な構成に限定されるものではない。
[住宅]
図1は、本実施形態の全館空調システム1が設置された住宅2を概念的に示す断面図である。本実施形態の住宅2は、床下空間3と、床上空間4とを含んで構成されている。床上空間4には、複数の居室5が設けられている。本実施形態の複数の居室5は、1階の居室5Aと、2階の居室5Bとを含んでいる。なお、複数の居室5は、例えば、1階の居室5Aのみで構成されてもよいし、3階以上の居室(図示省略)等が含まれてもよい。
[全館空調システム]
本実施形態の全館空調システム1は、空気調和機6と、複数のダクト7と、少なくとも一つのファン8と、制御部9と、検出部10(図2に示す)と、表示部11とを含んで構成されている。
[空気調和機]
本実施形態の空気調和機6は、例えば、一般的な家庭用のセパレート型エアコンで構成されている。空気調和機6は、室内機6Aと、住宅2の外部に設置された室外機(図示省略)とをセットとして含んでいる。
室内機6Aは、吸込み口6iと吹出し口6oとを有している。吸込み口6iは、室内機6Aの内部に設けられた熱交換器(図示省略)に、空気(本例では、循環した空気Aiと外気Aoとの混合気)を取り込むためのものである。一方、吹出し口6oは、熱交換器で空調された空気(以下、単に「空調空気」という場合がある。)Acを吐出するためのものである。空気調和機6の設定温度や風量(吹出し風量)は、例えば、制御部9によって制御される。
本実施形態の室内機6Aは、例えば、チャンバーボックス12の内部に収容されている。チャンバーボックス12は、その内部にスペース(空間)を有する箱状に形成されている。本実施形態のチャンバーボックス12には、複数の居室5を循環した空気Aiを内部に供給するための給気口(図示省略)、及び、外気(床下空気)Aoを内部に供給するための外気取込口(図示省略)が設けられている。本実施形態の外気Aoは、例えば、外気供給ダクト13と外気供給ファン14とを介して、床下空間3から取り込まれている。なお、外気Aoは、屋外から直接取り込まれてもよい。
[ダクト]
本実施形態の複数のダクト7は、空気調和機6で空調された空気(以下、単に「空調空気」ということがある。)Acを、複数の居室5に搬送するためのものである。本実施形態の複数のダクト7は、第1ダクト7Aと、第2ダクト7Bとを含んで構成されている。
第1ダクト7Aは、空調空気Acを、1階の居室5Aに搬送するためのものである。第1ダクト7Aの一端は、空気調和機6側(本例では、チャンバーボックス12内の吹出し口6o側)に接続されている。第1ダクト7Aの他端は、1階の居室5Aに接続されている。これにより、第1ダクト7Aは、空気調和機6(チャンバーボックス12)と、1階の居室5Aとの間を連通させることができる。
第2ダクト7Bは、空調空気Acを、2階の居室5Bに搬送するためのものである。第2ダクト7Bの一端は、空気調和機6側(本例では、チャンバーボックス12内の吹出し口6o側)に接続されている。第2ダクト7Bの他端は、2階の居室5に接続されている。これにより、第2ダクト7Bは、空気調和機6(チャンバーボックス12)と、2階の居室5との間を連通させることができる。
本実施形態の複数のダクト7は、第1ダクト7A及び第2ダクト7Bで構成されたが、このような態様に限定されない。例えば、住宅2に、3階以上の居室5が設けられている場合には、これらの居室5に連通させたダクト7(図示省略)がさらに追加されてもよい。
[ファン]
本実施形態のファン8は、空調空気Acを、複数のダクト7を介して、複数の居室5に圧送するためのものである。本実施形態のファン8は、チャンバーボックス12内に収容されているが、特に限定されない。
本実施形態のファン8は、複数のノッチ(風量ノッチ)を有している。本実施形態のノッチは、弱ノッチ、中ノッチ、及び、強ノッチを含んでいる。各ノッチの風量は、例えば、弱ノッチが480m3/h、中ノッチが640m3/h、強ノッチが800m3/hに設定されている。なお、ノッチの数や、各ノッチに設定される風量は、このような態様に限定されない。ノッチの切り替えは、制御部9によって制御される。これにより、ファン8は、例えば、各居室5の設定温度や実温度に応じて、各ノッチに設定された定風量で運転制御される。なお、ファン8は、複数のノッチを有するものに限定されるわけではなく、単ノッチで制御されるものでもよい。
本実施形態のファン8は、第1ファン8Aと、第2ファン8Bとを含んで構成されている。第1ファン8Aは、空調空気Acを、第1ダクト7Aを介して、1階の居室5Aに圧送するためのものである。第2ファンは、空調空気Acを、第2ダクト7Bを介して、2階の居室5Bに圧送するためのものである。
本実施形態のファン8は、第1ファン8A及び第2ファン8Bで構成されたが、このような態様に限定されない。ファン8は、例えば、第1ダクト7A及び第2ダクト7Bの双方に接続された1つのファン8(図示省略)のみで構成されてもよい。また、第1ダクト7A及び第2ダクト7B以外のダクト(図示省略)が設けられている場合には、そのダクトに接続されたファン(図示省略)がさらに追加されてもよい。
[検出部]
検出部10(図2に示す)は、ファン8の運転中の回転数又はこれに対応する情報である第1情報を取得するためのものである。本実施形態の検出部10は、ファン8に接続されたセンサー(例えば、パルスセンサ等)で構成されている。なお、検出部10は、第1情報を取得できれば、このような態様に限定されない。
回転数に対応する情報は、ファン8の運転中の回転数に関連するもの(例えば、回転数を特定可能なもの)であれば、特に限定されない。回転数に対応する情報は、例えば、ファン8の運転中の回転数を指数(例えば、定格回転数を100又は1とする指数)で表したものでもよいし、ファン8の回転数に対応するファン電圧でもよい。
本実施形態の検出部10は、第1ファン8Aの第1情報を取得するための第1検出部10A(図2に示す)と、第2ファン8Bの第1情報を取得するための第2検出部10B(図2に示す)とを含んで構成されている。なお、検出部10は、第1ファン8A及び第2ファン8B以外のファン(図示省略)がさらに設けられる場合、そのファンに設けられるのが望ましい。
[制御部]
制御部9は、ファン8の運転を制御するためのものである。本実施形態の制御部9は、コンピュータ9Aによって構成され、例えば、居室5の間仕切り壁等に設置されている。
図2は、本実施形態の制御部9の構成を示す概念図である。制御部9は、例えば、演算装置18と、処理手順等を記憶するための記憶装置19と、記憶装置19から処理手順等を読み込むための作業用メモリ20とを含んで構成されている。制御部9(演算装置18)には、表示部11及び入力部21が接続されている。
[演算装置]
本実施形態の演算装置18(制御部9)は、例えば、CPU(中央演算装置)で構成される。本実施形態の演算装置18は、ファン8(本例では、第1ファン8A及び第2ファン8B)に通信可能に接続されている。これにより、演算装置18は、ファン8に信号を伝達することにより、ファン8の運転(例えば、ファンの開始及び停止、並びに、ノッチ(風量)の切り替えなど)を制御することができる。
本実施形態の演算装置18は、空気調和機6及び外気供給ファン14に通信可能に接続されている。これにより、演算装置18は、空気調和機6や外気供給ファン14に信号を伝達することで、それらの運転を制御することができる。
本実施形態の演算装置18は、検出部10(本例では、第1検出部10A及び第2検出部10B)に通信可能に接続されている。これにより、演算装置18は、検出部10に信号を伝達することで、検出部10に第1情報を取得させ、かつ、取得された第1情報を、演算装置18に伝達させることができる。
[記憶装置]
本実施形態の記憶装置19は、例えば、不揮発性の情報記憶装置である。記憶装置19には、データ部23及びプログラム部24が含まれる。
[データ部]
本実施形態のデータ部23は、演算装置18による計算結果等を記憶するためのものである。本実施形態のデータ部23には、記憶部23Aが含まれている。なお、データ部23は、このような態様に限定されるわけではなく、必要に応じて、他の情報を記憶するための入力部等が追加されてもよい。
本実施形態の記憶部23Aには、第2情報が記憶されている。第2情報は、ファン8(本例では、第1ファン8A及び第2ファン8B)の運転状況に応じた適正回転数又はこれに対応する情報である。本実施形態の第2情報は、後述の全館空調システム1の点検方法の実行に先立って、記憶部23Aに記憶されている。第2情報の詳細は、点検方法において説明される。
[プログラム部]
プログラム部24は、コンピュータ9A(制御部9)に、本実施形態の点検方法を実行させるためのプログラム(コンピュータプログラム)である。プログラム部(プログラム)24は、演算装置18によって実行されることにより、制御部9(コンピュータ9A)を、特定の手段として機能させることができる。
本実施形態のプログラム部24には、例えば、ファン運転履歴取得部24A、情報表示部24B、点検部24C、及び、点検推奨判断部24Dが含まれる。なお、プログラム部24は、このような態様に限定されるわけではなく、他のプログラムが含まれてもよいし、これらの一部が省略されてもよい。
ファン運転履歴取得部24Aは、第1情報(ファン8の運転中の回転数又はこれに対応する情報)を取得して、記憶部23Aに記憶させるためのものである。情報表示部24Bは、第1情報を、表示部11に表示するためのものである。点検部24Cは、複数のダクト7に不具合が発生している可能性を判定するためのものである。点検推奨判断部24Dは、表示部11に点検推奨表示を表示させるためのものである。これらのプログラム部24の機能は、後述の点検方法の各ステップにおいて説明される。
[表示部]
図3は、本実施形態の表示部の一部を示す図である。なお、図3では、数値が「○」や「△」などに置き換えて表示されている。本実施形態の表示部11は、取得された第1情報(本例では、第2情報を含む)を表示するためのものである。表示部11は、例えば、制御部9の筐体(図1に示す)に設けられたディスプレイとして構成されている。本実施形態の表示部11は、制御部9(演算装置18)から信号が伝達されることにより、第1情報や、全館空調システム1(図1に示す)の運転状態等を表示させることができる。
[入力部]
本実施形態の入力部21は、ユーザー(居住者)等によって入力された情報を、制御部9(演算装置18)に伝達するためのものである。入力される情報は、例えば、空調運転の開始及び停止等の指示情報や、各居室5(図1に示す)の目標温度が含まれる。本実施形態の入力部21は、例えば、制御部9の筐体(図1に示す)に設けられた操作ボタンやタッチパネル等によって構成されうる。
図1に示されるように、本実施形態の全館空調システム1では、制御部9からの指示(信号)に基づいて、空気調和機6、外気供給ファン14及びファン8の運転が制御される。空気調和機6は、複数の居室5を循環した空気Aiと外気Aoとの混合気を吸込み口6iから取り込み、空調空気Acを吹出し口6oから吐出する。空調空気Acは、ダクト7及びファン8を介して、複数の居室5に供給される。複数の居室5を循環した空気Aiは、空気調和機6の吸込み口6iに再度供給される。
このように、全館空調システム1では、空調空気Acが、複数のダクト7を介して、複数の居室5に圧送されることから、これらのダクト7に不具合のない状態が維持されることが重要である。しかしながら、全館空調システム1の施工後では、ダクト7が、通常、建物の天井空間や床下等のユーザが確認しづらいスペースに格納されることから、ダクト7の状態を常時確認するのは困難である。
発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、ファン8の運転中の回転数(本例では、第1情報)と、複数のダクト7の圧力損失の大きさ(ダクト7の不具合の有無)との間に相関があることを知見した。例えば、経年劣化や損傷等の不具合(例えば、ダクト7の潰れやダクト7内の汚れの堆積等)によって、ダクト7の圧力損失が大きくなると、経年劣化等の不具合がない場合に比べて、ファン8の回転数が大きくなる。逆に、ダクト7が外れるといった不具合が存在する場合には、ダクト7の圧力損失が小さくなるため、ダクト外れの不具合がない場合に比べて、ファン8の回転数が小さくなる。このように、上記のような不具合がダクト7に存在する場合には、不具合がない場合に比べて、ファン8の回転数が変化(増減)する。
[全館空調システムの点検方法(第1実施形態)]
本実施形態の全館空調システム1の点検方法(以下、単に「点検方法」ということがある。)では、ファンの運転中の回転数又はこれに対応する情報である第1情報に基づいて、ダクト7に不具合が発生している可能性が判定される。図4は、本実施形態の全館空調システム1の点検方法の処理手順を示すフローチャートである。
本実施形態では、点検方法の実行開始の指示を、制御部9が受けることによって、点検方法が実行されている。本実施形態の制御部9への指示は、例えば、全館空調システム1の修理を行うサービスマン(技術者)等によって行われているが、住宅2の居住者等によって行われてもよい。さらに、制御部9への指示は、制御部9の入力部21(図2に示す)から直接行われてもよいが、例えば、WAN(インターネット)を介して制御部9に接続された別のコンピュータ(例えば、クラウドサーバ等)から行われてもよい。
[取得ステップ]
本実施形態の点検方法では、先ず、制御部9が、ファン8の運転中の回転数又はこれに対応する情報である第1情報を取得する(取得ステップS1)。本実施形態の取得ステップS1では、先ず、図2に示したファン運転履歴取得部24Aが、作業用メモリ20に読み込まれる。そして、ファン運転履歴取得部24Aが、演算装置18によって実行されることにより、制御部9(コンピュータ9A)を、第1情報を取得するための手段として機能させることができる。
本実施形態の取得ステップS1では、ファン運転履歴取得部24A(制御部9)が、検出部10に信号を伝達する。これより、ファン運転履歴取得部24A(制御部9)は、第1情報(ファン8の運転中の回転数又はこれに対応する情報)を取得することができる。
上述したように、本実施形態のファン8は、複数のノッチ(本例では、弱ノッチ、中ノッチ及び強ノッチ)を有している。このため、本実施形態の取得ステップS1では、複数のノッチ毎に、第1情報が取得されるのが望ましい。
本実施形態の取得ステップS1では、先ず、ファン運転履歴取得部24A(制御部9)が、ファン8に信号伝達することにより、ファン8を弱ノッチで運転させる。そして、ファン運転履歴取得部24Aは、検出部10に信号を伝達することによって、弱ノッチで運転中のファン8の第1情報が取得される。
次に、本実施形態の取得ステップS1では、ファン運転履歴取得部24A(制御部9)が、ファン8を中ノッチで運転させ、かつ、中ノッチでの第1情報が取得される。そして、本実施形態の取得ステップS1では、ファン運転履歴取得部24A(制御部9)が、ファン8を強ノッチで運転させ、かつ、強ノッチでの第1情報が取得される。これにより、取得ステップS1では、複数のノッチごとに、第1情報が取得される。なお、第1情報が取得されるノッチの順序は、このような態様に限定されない。
一般に、ファン8は、ノッチが切り替えられてから、そのノッチの風量で安定して圧送できるようになるまでに時間を要する。このため、取得ステップS1では、各ノッチにおいて、ノッチが切り替えられてから予め定められた時間(例えば、1~20分)が経過した後に、第1情報が取得されるのが望ましい。これにより、本実施形態の点検方法では、取得される第1情報にバラツキが生じるのを防ぐことができ、ダクト7の不具合を精度よく判定することが可能となる。
本実施形態の第1情報は、第1ファン8A及び第2ファン8B毎にそれぞれ取得される。これらの第1情報は、記憶部23Aに記憶される。
[表示ステップ]
次に、本実施形態の点検方法では、制御部9が、取得された第1情報を表示する(表示ステップS2)。第1情報(ファンの運転中の回転数又はこれに対応する情報)は、表示部11(図3に示す)に表示される。本実施形態の表示ステップS2では、第1情報と第2情報とが合わせて表示される。
本実施形態の第2情報は、ファン8の運転状況に応じた適正回転数又はこれに対応する情報である。上述したように、ダクト7に不具合(例えば、経年劣化や損傷等)が存在する場合、ダクト7に不具合が無い状態に比べて、ファン8の回転数が変化(増減)する。このような観点から、本実施形態では、複数のダクト7に上記のような不具合の無い状態でのファン8の回転数が、適正回転数として取得される。なお、適正回転数に対応する情報には、第1情報の回転数に対応する情報と同様のもの(例えば、適正回転数の指数や、ファン電圧など)が採用される。
第2情報は、適宜取得することができる。一般に、全館空調システム1の施工完了直後のダクト7は、経年劣化や損傷等といった不具合を有していない。したがって、このような施工完了直後のダクト7において、ファン8の回転数等が測定されることにより、適正回転数(不具合を有しないダクト7でのファン8の回転数)等を取得することができる。したがって、本実施形態の第2情報には、全館空調システム1の施工完了直後において測定された情報(適正回転数又はこれに対応する情報)が用いられる。
適正回転数や適正回転数に対応する情報(第2情報)は、ファン8の運転状況(ノッチの風量)に応じて異なる。このため、本実施形態の第2情報は、複数のノッチ毎に取得(記憶)されるのが望ましい。
本実施形態の第2情報は、例えば、第1情報と同様の手順に基づいて、検出部10によって取得される。また、第2情報は、第1ファン8A及び第2ファン8B毎に取得される。上述したように、第2情報は、点検方法の実行に先立ち、記憶部23A(図2に示す)に記憶されている。
本実施形態の表示ステップS2では、先ず、図2に示した記憶部23Aに記憶されている第1情報及び第2情報が、作業用メモリ20に読み込まれる。次に、表示ステップS2では、図2に示した情報表示部24Bが、作業用メモリ20に読み込まれる。そして、情報表示部24Bが、演算装置18によって実行されることにより、制御部9(コンピュータ9A)を、第1情報(第2情報)を表示部11に表示させるための手段として機能させることができる。
本実施形態の表示ステップS2では、情報表示部24B(制御部9)が、表示部11に、第1情報及び第2情報を伝達する。これにより、表示部11には、第1情報(ファン8の運転中(点検方法の実行時)の回転数等)と、第2情報(本例では、全館空調システム1の施工完了直後に測定された適正回転数等)とが表示される。図3では、第1情報が「ファンの回転数」として表示されており、第2情報が「ファンの適正回転数」として表示されている。
本実施形態の第1情報は、複数のノッチ(本例では、弱ノッチ、中ノッチ及び強ノッチ)毎に取得されている。このため、本実施形態の表示ステップS2では、複数のノッチ毎に、第1情報が表示される。
本実施形態の第2情報は、第1情報と同様に、複数のノッチ(本例では、弱ノッチ、中ノッチ及び強ノッチ)毎に取得されている。このため、本実施形態の表示ステップS2では、複数のノッチ毎に、第2情報が表示される。
上述のとおり、適正回転数や適正回転数に対応する情報(第2情報)は、ファン8の運転状況(ノッチの風量)に応じて異なる。このため、表示ステップS2では、第1情報のファン8の運転状況に応じた第2情報が表示されるのが望ましい。
本実施形態では、ノッチ毎(弱ノッチ、中ノッチ及び強ノッチ毎)に、第1情報及び第2情報がそれぞれ表示される。これにより、本実施形態の点検方法では、ファン8の運転状況(ノッチ)毎に、第1情報及び第2情報を容易に比較することが可能となる。
本実施形態の表示ステップS2では、複数のファン8毎(本例では、第1ファン8A及び第2ファン8B)に、第1情報(第2情報)がそれぞれ表示される。なお、表示ステップS2では、第1情報と第2情報との差(回転数の差)や、全てのファン8の第1情報(第2情報)の合計値や平均値等が表示されてもよい。
本実施形態の表示ステップS2では、表示部11(図1に示した制御部9の筐体に設けられたディスプレイ)のみに、第1情報(第2情報)が表示されたが、このような態様に限定されない。例えば、クラウドサーバー等の出力装置(例えば、ディスプレイやプリンタ等)にも、第1情報等が表示されてもよい。これにより、ダクト7に不具合が発生している可能性を、遠隔監視することが可能となる。
[点検ステップ]
次に、本実施形態の点検方法では、複数のダクト7に不具合が発生している可能性の有無が判定される(点検ステップS3)。複数のダクト7の点検は、表示ステップS2で表示された第1情報(第2情報)に基づいて、サービスマンによって行われてもよいし、制御部9によって自動的に行われてもよい。本実施形態では、制御部9によって、複数のダクト7の点検が行われる。
本実施形態の点検ステップS3では、先ず、図2に示されるように、プログラム部24の点検部24Cが、作業用メモリ20に読み込まれる。そして、点検部24Cが、演算装置18によって実行されることにより、制御部9(コンピュータ9A)を、複数のダクト7を点検するための手段として機能させることができる。
例えば、第1情報が第2情報よりも大きい場合、ダクト7に不具合が無い状態(施工完了時)に比べて、複数のダクト7の圧力損失が大きくなっている。この場合、複数のダクト7の少なくとも1つには、ダクト7の潰れやダクト7内の汚れの堆積等が発生している可能性が高いと推測することができる。
一方、第1情報が第2情報よりも小さい場合、ダクト7に不具合が無い状態(施工完了時)に比べて、ダクト7の圧力損失が小さくなっている。この場合、複数のダクト7の少なくとも1つには、ダクト7が外れている可能性高いと推測することができる。
上記の観点から、本実施形態の点検ステップS3では、第1情報と第2情報との差(絶対値)が、予め定められた閾値を超えたか否かが判断される。閾値は、複数のダクト7に不具合が発生している可能性を判定できれば、適宜設定されうる。例えば、第1情報及び第2情報がファンの回転数である場合、本実施形態の閾値は、100(rpm)以上に設定される。このような閾値を超えた場合には、ダクト7の圧力損失が、ダクト7に不具合がない場合に比べて、10%以上の変動がある状態(何らかの不具合がある状態)に概ね相当する。したがって、このような閾値が設定されることにより、ダクト7に不具合が発生している可能性を、精度よく判定することが可能となる。
点検ステップS3において、少なくとも一つのファン8の第1情報と第2情報との差(絶対値)が閾値を超える場合、ダクト7の少なくとも1つに、不具合が発生している可能性が高いと判定される(点検ステップS3で「Yes」)。この場合、ダクト7を修理する(メンテナンスする)ステップS4が実行される。なお、ステップS4の実行に先立ち、点検部24C(制御部9)が、WAN(インターネット)を介して、サービスセンター(図示省略)に、サービスマンの派遣が要請されてもよい。
一方、点検ステップS3において、全てのファン8の第1情報と第2情報との差(絶対値)が閾値以下である場合、全てのダクト7において、不具合が発生している可能性は低いと判定される(点検ステップS3で「No」)。この場合、本実施形態の点検方法の一連の処理が終了する。
なお、全てのダクト7に不具合が発生している可能性が低いにも関わらず、居室5が適切に空調されていない場合には、例えば、サービスマン等によって、全館空調システム1の不具合の原因が詳細に解析されてもよい。本実施形態の点検方法では、ダクト7に不具合が発生している可能性が低いと判定された場合、ダクト7以外(例えば、空気調和機6など)の不具合を重点的に点検することができる。このように、本実施形態の点検方法では、全館空調システム1の問題の切り分けが可能となるため、全館空調システム1の不具合の原因を早期に特定でき、迅速な修理が可能となる。
[ダクトの修理(メンテナンス)]
本実施形態のステップS4では、例えば、サービスマン(技術者)が、ダクト7の不具合(例えば、ダクト7の潰れや、ダクト7内の汚れの堆積等)を特定し、特定されたダクト7の不具合の修理が行われる。
本実施形態では、表示ステップS2において、第1情報(第2情報)が表示されている。このため、本実施形態のサービスマンは、表示部11に表示された第1情報(第2情報)に基づいて、ダクト7の不具合を容易に特定することができる。
本実施形態では、第1ダクト7Aに第1ファン8Aが接続されており、かつ、第2ダクト7Bに第2ファン8Bが接続されている。このため、サービスマンが、第1情報と第2情報との差(絶対値)が閾値を超えたファン8を特定することで、その特定されたファン8に接続されたダクト7に不具合が発生していることを容易に判断できる。
上述のとおり、第1情報が第2情報よりも大きい場合(第1情報から第2情報を減じた値が正となる場合)、ダクト7の潰れ等が発生している可能性が高い。一方、第1情報が第2情報よりも小さい場合(第1情報から第2情報を減じた値が負となる場合)、ダクト7が外れている可能性高い。このため、サービスマンは、第1情報から第2情報を減じた値が、正又は負となるかを特定することで、ダクト7の不具合の内容を具体的に判定することができる。
このように、本実施形態のステップS4では、サービスマンが、不具合が発生しているダクト7や、ダクト7の不具合の内容を具体的に判定することができるため、ダクト7を迅速に修理することができる。
[全館空調システムの点検方法(全館空調システム及びプログラム)の作用]
本実施形態の点検方法(全館空調システム1及びプログラム)では、ファンの運転中の回転数又はこれに対応する情報である第1情報が取得され、取得された第1情報(図3に示した「ファンの回転数」)が表示される。これにより、本実施形態の点検方法等は、第1情報に基づいて、ダクト7に不具合が発生している可能性を判定することが可能となる。
本実施形態の点検方法では、図3に示されるように、第1情報と、ファン8の運転状況(本例では、第1情報が取得されたノッチ)に応じた適正回転数又はこれに対応する情報である第2情報が表示される。これにより、本実施形態の点検方法では、ファン8の運転中(点検方法の実行時)の回転数等と、適正回転数等とを比較することができるため、ダクト7に不具合が発生している可能性を、容易かつ精度よく判定することが可能となる。また、サービスマン(技術者)は、第2情報を事前に把握しておく必要がないため、ダクト7に不具合が発生している可能性を、迅速に判定することが可能となる。
さらに、本実施形態の第1情報及び第2情報は、複数のノッチ毎に表示されるため、ノッチ毎に、第1情報及び第2情報を比較することができる。これにより、本実施形態の点検方法では、ダクト7に不具合が発生している可能性を、より精度よく判定することができる。
また、本実施形態では、第2情報として、全館空調システム1の施工完了直後に測定された情報が取得されるため、例えば、ファン8の特性等を考慮して、適正回転数等を予測する必要がない。このため、第2情報を容易に取得することができる。
[全館空調システムの点検方法(第2実施形態)]
これまでの実施形態では、第2情報が、全館空調システム1の施工完了直後において測定された情報である場合が例示されたが、このような態様に限定されない。例えば、第2情報は、全館空調システム1の正規動作状態において測定された情報であってもよい。
正規動作状態とは、ダクト7、ファン8及び空気調和機6に不具合がない状態である。このような正規動作状態は、施工完了直後と同様に、ダクト7に経年劣化や損傷等といった不具合を有していない。したがって、正規動作状態のダクト7において、ファン8の回転数等が測定されることにより、適正回転数(不具合を有しないダクト7でのファン8の回転数)等を取得することができる。
この実施形態では、全館空調システム1の施工完了直後に第2情報を取得する必要がない。このため、この実施形態では、点検方法の実行が予定されていなかった既存の全館空調システム1において、点検方法を実行することが可能となる。
この実施形態では、第2情報の取得に先立ち、例えば、サービスマン等によって、全館空調システム1が正規動作状態にあるか否かが点検される。そして、正規動作状態にあると判定された場合には、これまでの実施形態と同様の手順に基づいて、第2情報が取得される。一方、正規動作状態にないと判定された場合には、正規動作状態となるように、全館空調システム1の修理が行われる。そして、修理が行われた後に、第2情報が取得される。これにより、この実施形態では、既存の全館空調システム1において、点検方法の実行が可能となる。
[全館空調システムの点検方法(第3実施形態)]
これまでの実施形態では、第2情報が、全館空調システム1の施工完了直後において測定された情報である場合や、全館空調システム1の正規動作状態において測定された情報である場合が例示されたが、このような態様に限定されない。例えば、第2情報は、ファン8の回転数-静圧曲線と、全館空調システム1の正規動作状態での複数のダクト7の圧力損失とから計算された情報であってもよい。
図5は、ファン8の回転数-静圧曲線を示すグラフである。この回転数-静圧曲線には、例えば、ファン8のメーカー等が公表しているものが用いられる。回転数-静圧曲線は、ノッチ毎に取得される。図5は、強ノッチでの回転数-静圧曲線が示されている。
ダクト7の圧力損失は、例えば、各ダクト7の設計因子(例えば、ダクト7の分岐数や直径等)が、ダクトの圧力損失計算の詳細法(A式)の変数に代入されることによって求めることができる。このような圧力損失は、各ダクト7の設計因子に基づいて計算されるため、経年劣化や損傷等といった不具合を有していないダクト7の圧力損失が計算される。詳細法(A式)の詳細は、例えば、文献(国土交通省住宅局等著、「改正建築基準法に対応した建築物のシックハウス対策マニュアル」、工学図書、2003年11月、p.248-249)に記載のとおりである。
この実施形態では、図5に示されるように、回転数-静圧曲線(強ノッチ)において、各ダクト7の圧力損失P1が特定されることで、そのダクト7において、強ノッチの風量で空調空気Acを供給するのに必要なファン8の回転数R1が特定される。この回転数R1は、不具合を有していないダクト7の圧力損失P1に基づいて特定されたものであるため、強ノッチでの適正回転数(第2情報)として取得されうる。
この実施形態では、中ノッチでの回転数-静圧曲線(図示省略)、及び、小ノッチでの回転数-静圧曲線(図示省略)において、各ダクト7の圧力損失P1に基づいて、中ノッチでの適正回転数、及び、小ノッチでの適正回転数が求められる。
このように、この実施形態では、これまでの実施形態のように、施工完了直後や、全館空調システムの正規動作状態でのダクト7において、第2情報を測定する必要がない。このため、この実施形態では、例えば、測定者の熟練度等に起因する測定誤差等が生じるのを防ぐことができるため、第2情報を正確に取得することが可能となる。なお、第2情報は、これまでの実施形態と同様に、第1ファン8A及び第2ファン8B毎に取得される。
[全館空調システムの点検方法(第4実施形態)]
これまでの実施形態の点検方法では、点検方法の実行開始の指示を、制御部9が受けることによって、点検方法が実行されたが、このような態様に限定されない。例えば、全館空調システム1の運転開始と同時に、点検方法の実行が開始されてもよい。
この実施形態の取得ステップS1では、ファン運転履歴取得部24Aが、予め定められたスケジュールで第1情報を取得して、記憶部23Aに記憶させている。スケジュール情報は、例えば、制御部9が保有しているカレンダー情報(日付及び時刻に関する情報)に基づいて、点検時刻又は点検期間が設定されたものである。本実施形態の取得ステップS1では、設定された点検時刻又は点検期間に、第1情報が取得される。
スケジュール情報は、任意に設定することができる。スケジュール情報は、例えば、点検方法の実行を開始してから、予め定められた時間(例えば、1~10年)が経過後の時刻又は期間に設定されてもよい。これにより、サービスマン(技術者)等が住宅2に派遣されなくても、点検方法が定期的に実行されるため、ダクト7に不具合が発生している可能性を確実にすることが可能となる。
[全館空調システムの点検方法(第5実施形態)]
図6は、本発明の他の実施形態の点検方法の処理手順を示すフローチャートである。この実施形態では、第1情報と第2情報との差が閾値を超える場合(点検ステップS3で、「Yes」)、表示部11に点検推奨表示を表示させる点検推奨判断ステップS5が含まれている。
本実施形態の点検推奨判断ステップS5は、先ず、図2に示されるように、プログラム部24の点検推奨判断部24Dが、作業用メモリ20に読み込まれる。そして、点検推奨判断部24Dが、演算装置18によって実行されることにより、制御部9(コンピュータ9A)を、表示部11に点検推奨表示を表示させるための手段として機能させることができる。
点検推奨表示は、ダクト7に不具合が発生している可能性があると判定された場合(本例では、第1情報と前記第2情報との差(本例では、絶対値)が閾値を超える場合)に、ダクト7の点検を、居住者に推奨するためのものである。点検推奨表示は、表示部11を介して、居住者に点検を推奨できれば、特に限定されない。点検推奨表示には、例えば、点検を推奨するメッセージ、音声、及び/又は、画像等が採用される。点検を推奨するメッセージは、図3に示されるように、例えば、「第1ダクトに潰れの可能性があります」といったように、ダクト7に発生している可能性がある不具合が、具体的に表示されてもよい。
このように、この実施形態の点検方法では、表示部11に、点検推奨表示を表示することができるため、複数のダクト7に不具合が発生している可能性があること、及び、ダクト7の点検を依頼する必要があることを、居住者に知らせることができる。これにより、この実施形態の点検方法では、例えば、WAN(インターネット)を介して、サービスセンター(図示省略)に連絡可能な制御部9が用いられなくても、居住者が、サービスマン等に、ダクト7の点検を早期に依頼することができる。これにより、ダクト7の迅速な修理が可能となる。
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
1 全館空調システム
5 居室
6 空気調和機
7 ダクト
8 ファン
9 制御部
10 検出部
11 表示部

Claims (10)

  1. 複数の居室を備えた住宅の全館空調システムであって、
    空気調和機と、
    前記空気調和機で空調された空気を前記複数の居室に搬送するための複数のダクトと、
    前記空気調和機で空調された空気を、前記複数のダクトを介して前記複数の居室に圧送するための少なくとも一つのファンと、
    前記ファンの運転を制御するための制御部と、
    前記ファンの運転中の回転数又はこれに対応する情報である第1情報を取得する検出部と、
    取得された前記第1情報を表示するための表示部と、
    を含む、
    全館空調システム。
  2. 前記ファンの運転状況に応じた適正回転数又はこれに対応する情報である第2情報を記憶した記憶部をさらに含み、
    前記表示部は、前記第1情報と前記第2情報とを合わせて表示する、請求項1に記載の全館空調システム。
  3. 前記第2情報は、前記全館空調システムの正規動作状態において測定された情報である、請求項2に記載の全館空調システム。
  4. 前記第2情報は、前記全館空調システムの施工完了直後において測定された情報である、請求項2に記載の全館空調システム。
  5. 前記第2情報は、前記ファンの回転数-静圧曲線と、前記全館空調システムの正規動作状態での前記複数のダクトの圧力損失とから計算された情報である、請求項2に記載の全館空調システム。
  6. 前記制御部は、前記第1情報と前記第2情報との差が予め定めた閾値を超える場合、前記表示部に点検推奨表示を表示させる点検推奨判断部をさらに含む請求項2ないし5のいずれか1項に記載の全館空調システム。
  7. 前記ファンは、複数のノッチを有し、前記第2情報は、前記複数のノッチ毎に記憶されている、請求項2ないし6のいずれか1項に記載の全館空調システム。
  8. 前記制御部は、予め定められたスケジュールで前記第1情報を取得して記憶部に記憶させるファン運転履歴取得部をさらに含む、請求項1ないし7のいずれか1項に記載の全館空調システム。
  9. 空気調和機と、前記空気調和機で空調された空気を複数の居室に搬送するための複数のダクトと、前記空気調和機で空調された空気を、前記複数のダクトを介して前記複数の居室に圧送するための少なくとも一つのファンと、前記ファンの運転を制御するための制御部とを含む、住宅の全館空調システムの点検方法であって、
    前記制御部が、前記ファンの運転中の回転数又はこれに対応する情報である第1情報を取得する取得ステップと、
    前記制御部が、取得された前記第1情報を表示する表示ステップと、
    を含む、全館空調システムの点検方法。
  10. 空気調和機と、前記空気調和機で空調された空気を複数の居室に搬送するための複数のダクトと、前記空気調和機で空調された空気を、前記複数のダクトを介して前記複数の居室に圧送するための少なくとも一つのファンと、前記ファンの運転を制御するためのコンピュータとを含む住宅の全館空調システムの点検方法を実行するためのプログラムであって、
    前記コンピュータを、
    前記ファンの運転中の回転数又はこれに対応する情報である第1情報を取得する手段と、
    取得された前記第1情報を表示する手段として機能させる、
    プログラム。
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