JP2023032715A - エンジン装置 - Google Patents

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誠治 廣渡
Seiji Hirowatari
宏典 伊藤
Hironori Ito
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Abstract

【課題】筒内噴射弁から燃料噴射してエンジンを高回転高トルクの領域で運転する際にも、より適正に燃料噴射を行なう。【解決手段】筒内噴射弁から燃料噴射してエンジンを高回転高トルクの領域で運転する際、噴射終了時期を噴射遅角限界として定められた遅角ガードでガードしたことによって定まる噴射開始時期がエンジン回転数と負荷率と大気圧とに基づく進角ガードより進角側になるときには、燃料噴射期間のうち進角ガードから遅角ガードまでの期間より長い期間に相当する燃料噴射量をポート噴射弁から燃料噴射する。【選択図】図3

Description

本発明は、エンジン装置に関し、詳しくは、ポート噴射弁と筒内噴射弁とを有するエンジンを備えるエンジン装置に関する。
従来、この種のエンジン装置としては、吸気ポートに燃料を噴射するポート噴射弁と、燃焼室に燃料を噴射する筒内噴射弁と、を備えるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この装置では、筒内噴射の噴射期間が、予め設定された所定の最小噴射期間よりも短いと判定された場合、その噴射期間分の筒内噴射を禁止し、この筒内噴射の禁止により不足する分の燃料噴射量を補うように、ポート噴射の分担率を増加させる。これにより、何らかの理由により筒内噴射の噴射期間が最小噴射期間よりも短い場合であっても、安定した機関運転を行なえるようにしている。
特開2014-231742号公報
しかしながら、上述のエンジン装置では、筒内噴射弁から燃料噴射してエンジンを高回転高トルクの領域で運転する際には、燃料噴射期間が長くなることから、最適な噴射開始時期を選択すると噴射終了時期が噴射遅角限界を超えてしまう場合が生じる。この場合、噴射終了時期を噴射遅角限界でガードし、噴射開始時期を進角するとも考えられるが、噴射開始時期を進角すると、燃焼限界やスカベンジによる燃料の吹き抜けによる触媒の温度上昇による限界を超えて進角してしまうことが生じる。
本発明のエンジン装置は、筒内噴射弁から燃料噴射してエンジンを高回転高トルクの領域で運転する際にも、より適正に燃料噴射を行なうことを主目的とする。
本発明のエンジン装置は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明のエンジン装置は、
吸気ポートに燃料を噴射するポート噴射弁と筒内に燃料を噴射する筒内噴射弁とを有するエンジンと、
前記エンジンを制御する制御装置と、
を備えるエンジン装置であって、
前記制御装置は、前記筒内噴射弁から燃料噴射して前記エンジンを高回転高トルクの領域で運転する際、噴射終了時期を噴射遅角限界として定められた遅角ガードでガードしたことによって定まる噴射開始時期がエンジン回転数と負荷率と大気圧とに基づく進角ガードより進角側になるときには、燃料噴射期間のうち前記進角ガードから前記遅角ガードまでの期間より長い期間に相当する燃料噴射量を前記ポート噴射弁から燃料噴射する、
ことを特徴とする。
本発明のエンジン装置では、筒内噴射弁から燃料噴射してエンジンを高回転高トルクの領域で運転する際、噴射終了時期を噴射遅角限界として定められた遅角ガードでガードしたことによって定まる噴射開始時期がエンジン回転数と負荷率と大気圧とに基づく進角ガードより進角側になるときには、燃料噴射期間のうち進角ガードから遅角ガードまでの期間より長い期間に相当する燃料噴射量をポート噴射弁から燃料噴射する。即ち、進角ガードから遅角ガードまでの燃料噴射期間では足りない燃料噴射量をポート噴射弁から噴射するのである。これにより、筒内噴射弁から燃料噴射してエンジンを高回転高トルクの領域で運転する際にも、より適正に燃料噴射を行なうことができる。
進角ガードがエンジン回転数と負荷率と大気圧とに基づくのは次の理由による。進角ガードは噴射開始時期がスカベンジ領域内にならないように設定する必要がある。スカベンジ領域は、エンジンの吸気バルブや排気バルブの開閉タイミングに基づくオーバーラップ量が大きい適合領域である。バルブの開閉タイミングはエンジン回転数と負荷率との2次元マップで決定することが多いため、進角ガードについてもエンジン回転数と負荷率との2次元マップを用いるのが好ましい。また、スカベンジによる燃料の吹き抜けは大気圧が低いほど生じやすいため、大気圧が低いほど遅角側となる傾向に設定するのが好ましい。これらの結果、進角ガードは、エンジン回転数と負荷率と大気圧とに基づいて定めるのが好ましく、エンジン回転数と負荷率と大気圧との3元マップにより設定するのがより好ましい。
本発明の一実施例としてのエンジン装置10の構成の概略を示す構成図である。 電子制御ユニット70により実行される筒内噴射制御の一例を示すフローチャートである。 筒内噴射制御により噴射開始時期θstと噴射終了時期θendとが設定される様子のケース例を示す説明図である。
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例としてのエンジン装置10の構成の概略を示す構成図である。実施例のエンジン装置10は、図示するように、エンジン12と、燃料供給装置50と、電子制御ユニット70とを備える。このエンジン装置10は、エンジン12からの動力を用いて走行する一般的な車両や、エンジン12に加えてモータを備える各種のハイブリッド車両、エンジン12からの動力を用いて作動する移動しない設備(例えば、建設設備など)などに搭載される。
エンジン12は、例えばガソリンやガソリンとアルコールとの混合燃料などを燃料として吸気・圧縮・膨張・排気の4行程により動力を出力する内燃機関として構成されている。このエンジン12は、吸気ポートに燃料を噴射するポート噴射弁25と、筒内に燃料を噴射する筒内噴射弁26とを備える。エンジン12は、ポート噴射弁25と筒内噴射弁26とを備えることにより、ポート噴射モードと筒内噴射モードと共用噴射モードとのうちの何れかで運転が可能となっている。
ポート噴射モードでは、エアクリーナ22により清浄された空気を吸気管23に吸入してスロットルバルブ24を通過させると共にポート噴射弁25から燃料を噴射し、空気と燃料とを混合する。そして、この混合気を吸気バルブ28を介して燃焼室29に吸入し、点火プラグ30による電気火花により爆発燃焼させる。そして、爆発燃焼によるエネルギにより押し下げられるピストン32の往復運動をクランクシャフト14の回転運動に変換する。筒内噴射モードでは、ポート噴射モードと同様に空気を燃焼室29に吸入し、吸気行程の途中および/または圧縮行程に至ってから筒内噴射弁26から燃料を噴射し、点火プラグ30による電気火花により爆発燃焼させてクランクシャフト14の回転運動を得る。共用噴射モードでは、空気を燃焼室29に吸入する際にポート噴射弁25から燃料を噴射すると共に吸気行程や圧縮行程で筒内噴射弁26から燃料を噴射し、点火プラグ30による電気火花により爆発燃焼させてクランクシャフト14の回転運動を得る。これらの噴射モードは、エンジン12の運転状態に応じて切り替えられる。燃焼室29から排気バルブ31を介して排気管33に排出される排気は、一酸化炭素(CO)や炭化水素(HC)、窒素酸化物(NOx)の有害成分を浄化する浄化触媒(三元触媒)34aを有する浄化装置34を介して外気に排出される。
燃料供給装置50は、燃料タンク51内の燃料をエンジン12のポート噴射弁25や筒内噴射弁26に供給する装置として構成されている。燃料供給装置50は、燃料タンク51と、フィードポンプ(第1ポンプ)52と、低圧供給管(第1供給管)53と、逆止弁54と、リリーフ流路55と、リリーフバルブ56と、高圧ポンプ(第2ポンプ)57と、高圧供給管(第2供給管)58とを備える。
フィードポンプ52は、図示しないバッテリからの電力の供給を受けて作動する電動ポンプとして構成されており、燃料タンク51内に配置されている。このフィードポンプ52は、燃料タンク51内の燃料を低圧供給管53に供給する。低圧供給管53は、ポート噴射弁25に接続されている。逆止弁54は、低圧供給管53に設けられており、フィードポンプ52側からポート噴射弁25側の方向の燃料の流れを許容すると共に逆方向の燃料の流れを規制する。
リリーフ流路55は、低圧供給管53と燃料タンク51とに接続されている。リリーフバルブ56は、リリーフ流路55に設けられ、低圧供給管53内の燃圧が閾値Pflolim未満のときには閉弁すると共に低圧供給管53内の燃圧が閾値Pflolim以上のときには開弁する。リリーフバルブ56が開弁すると、低圧供給管53内の燃料の一部がリリーフ流路55を介して燃料タンク51に戻される。このようにして、低圧供給管53内の燃圧が過剰になるのを抑制する。
高圧ポンプ57は、エンジン12からの動力(実施例では、吸気バルブ28を開閉するインテークカムシャフトの回転)により駆動されると共に低圧供給管53の燃料を加圧して高圧供給管58に供給するポンプとして構成されている。高圧ポンプ57は、その吸入口に接続されて燃料を加圧する際に開閉する電磁バルブ57aと、その吐出口に接続されて燃料の逆流を規制すると共に高圧供給管58内の燃圧を保持するチェックバルブ57bと、エンジン12の回転(インテークカムシャフトの回転)により作動する(図1における上下方向に移動する)プランジャ57cとを有する。この高圧ポンプ57は、エンジン12の運転中に、電磁バルブ57aが開弁されたときに、低圧供給管53の燃料を吸入し、電磁バルブ57aが閉弁されたときに、プランジャ57cによって圧縮した燃料をチェックバルブ57bを介して高圧供給管58に断続的に送り込むことにより、高圧供給管58に供給する燃料を加圧する。なお、高圧ポンプ57の駆動時には、低圧供給管53内の燃圧や高圧供給管58内の燃圧(燃料の圧力)は、エンジン12の回転(インテークカムシャフトの回転)に応じて脈動する。高圧供給管58は、筒内噴射弁26に接続されている。
電子制御ユニット70は、CPU71やROM72、RAM73、フラッシュメモリ74、入出力ポートを有するマイクロコンピュータを備える。電子制御ユニット70には、各種センサからの信号が入力ポートを介して入力される。電子制御ユニット70に入力される信号としては、例えば、エンジン12のクランクシャフト14の回転位置を検出するクランクポジションセンサ14aからのクランク角θcrや、エンジン12の冷却水の温度を検出する水温センサ40からの冷却水温Tw、大気圧Paを検出する大気圧センサ41からの大気圧Pa、エンジン12の潤滑油の温度を検出する油温センサ42からの油温Toilを挙げることができる。吸気バルブ28を開閉するインテークカムシャフトの回転位置や排気バルブ31を開閉するエキゾーストカムシャフトの回転位置を検出するカムポジションセンサ44からのカム角θci,θcoも挙げることができる。スロットルバルブ24のポジションを検出するスロットルポジションセンサ24aからのスロットル開度THや、吸気管23のスロットルバルブ24よりも上流側に取り付けられたエアフローメータ23aからの吸入空気量Qa、吸気管23のスロットルバルブ24よりも上流側に取り付けられた温度センサ23tからの吸気温Taも挙げることができる。排気管33の浄化装置34よりも上流側に取り付けられた空燃比センサ35からの空燃比AFや、排気管33の浄化装置34よりも下流側に取り付けられた酸素センサ36からの酸素信号O2も挙げることができる。燃料タンク51に取り付けられた燃温センサ51tからの燃温Tftnkや、フィードポンプ52に取り付けられた回転数センサ52aからのフィードポンプ52の回転数Nlp、低圧供給管53のポート噴射弁25付近(例えば、低圧デリバリパイプ)に取り付けられた燃圧センサ53pからの低圧燃圧(ポート噴射弁25に供給する燃料の圧力)Pflo、高圧供給管58の筒内噴射弁26付近(例えば、高圧デリバリパイプ)に取り付けられた燃圧センサ58pからの高圧燃圧(筒内噴射弁26に供給する燃料の圧力)Pfhiも挙げることができる。
電子制御ユニット70からは、各種制御信号が出力ポートを介して出力される。電子制御ユニット70から出力される信号としては、例えば、エンジン12のスロットルバルブ24への制御信号や、ポート噴射弁25への制御信号、筒内噴射弁26への制御信号、点火プラグ30への制御信号を挙げることができる。燃料供給装置50のフィードポンプ52への制御信号や、高圧ポンプ57の電磁バルブ57aへの制御信号も挙げることができる。
電子制御ユニット70は、クランクポジションセンサ14aからのクランク角θcrに基づいてエンジン12の回転数Neを演算する。また、電子制御ユニット70は、エアフローメータ23aからの吸入空気量Qaとエンジン12の回転数Neとに基づいて、負荷率(エンジン12の1サイクルあたりの行程容積に対する1サイクルで実際に吸入される空気の容積の比)KLを演算する。さらに、電子制御ユニット70は、水温センサ40からの冷却水温Twやエンジン12の回転数Neおよび負荷率KLに基づいて、浄化装置34の触媒34aの温度Tcを推定する。加えて、電子制御ユニット70は、冷却水温Twや油温センサ42からの油温Toil、温度センサ23tからの吸気温Taに基づいて高圧ポンプ57内の燃温Tfhpを推定する。
こうして構成された実施例のエンジン装置10では、電子制御ユニット70のCPU71は、エンジン12の運転制御としてのエンジン12の吸入空気量制御や燃料噴射制御、点火制御を行なうと共に、燃料供給装置50のフィードポンプ52や高圧ポンプ57(電磁バルブ57a)の制御を行なう。
エンジン12の吸入空気量制御としては、例えば、アクセル開度やエンジン12の回転数Neに基づいて要求空気量Qa*を設定し、吸入空気量Qaが要求空気量Qa*となるようにスロットルバルブ24の目標開度TH*を設定し、目標開度TH*を用いてスロットルバルブ24を制御する。エンジン12の燃料噴射制御としては、基本的には、要求空気量Qa*と目標空燃比AF*とに基づいて要求噴射量Qf*を設定し、要求噴射量Qf*と高圧燃圧Pfhiとに基づいて燃料噴射期間Tfを設定し、噴射終了限界としての遅角ガードθendlimまでに燃料噴射が終了するように噴射開始時期θstを設定し、噴射開始時期θstから燃料噴射期間Tfだけ燃料噴射するように筒内噴射弁26を制御する。エンジン12の点火制御は、エンジン12の回転数Neや要求空気量Qa*などに基づいて点火プラグ30の目標点火時期Ti*を設定し、設定した目標点火時期Ti*を用いて点火プラグ30を制御する。
次に、こうして構成された実施例のエンジン装置10の動作、特に、筒内噴射弁26から燃料噴射してエンジン12を高出力(高回転高トルク)で運転する際の動作について説明する。図2は、電子制御ユニット70により実行される筒内噴射制御の一例を示すフローチャートである。この処理は各気筒毎に吸気行程を開始する前の所定タイミングで実行される。
筒内噴射制御では、電子制御ユニット70は、まず、要求空気量Qa*と目標空燃比AF*とに基づいて要求噴射量Qf*を設定し(ステップS100)、要求噴射量Qf*と高圧燃圧Pfhiとエンジン12の回転数Neとに基づいて燃料噴射期間Tfを設定する(ステップS110)。燃料噴射期間Tfは、要求噴射量Qf*を高圧燃圧Pfhiのときに筒内噴射弁26により噴射するのに必要な時間にクランクシャフト14が単位時間当たりに回転するクランク角を乗じることにより計算することができる。このため、燃料噴射期間Tfは筒内噴射弁26を開弁しているクランク角の変化量(角度)となる。なお、エンジン12を高出力(高回転高トルク)で運転しているときの変速時には、触媒が過熱しないように燃料の遅角増量が行なわれるため、要求噴射量Qf*は、要求空気量Qa*と目標空燃比AF*とに基づいて計算されるものに遅角増量分が上乗せされる。
次に、噴射開始時期θstを最適開始時期θoptに設定し(ステップS120)、噴射開始時期θstから燃料噴射期間Tfだけ至った時期を噴射終了時期θendとして設定する(ステップS130)。最適開始時期θoptは、筒内噴射弁26からの燃料噴射の開始時期として最適な時期であり、実験などにより予め定められる。いま、最適時期θoptがBTDCXXX(Before TDC XXX度)で燃料噴射期間Tfが90度のときには噴射終了時期θendはBTDC(XXX-90)(Before TDC (XXX-90)度)として計算することができる。
続いて、噴射終了時期θendが遅角ガードθendlimより遅角しているか否かを判定する(ステップS140)。遅角ガードθendlimは、噴射終了限界として定められるものであり、例えば下死点(BTDC180)などを用いることができる。上述したように、エンジン12を高出力(高回転高トルク)で運転しているときの変速時には燃料の遅角増量が行なわれるため、噴射終了時期θendが遅角ガードθendlimより遅角する場合が生じる。噴射終了時期θendが遅角ガードθendlimより遅角していないと判定したときには、最適開始時期θoptが設定された噴射開始時期θstとステップS130で設定された噴射終了時期θendとを用いて筒内噴射弁26から燃料噴射を行なって(ステップS220)、本制御を終了する。
ステップS140で噴射終了時期θendが遅角ガードθendlimより遅角していると判定したときには、遅角ガードθendlimを噴射終了時期θendとして設定すると共に(ステップS150)、噴射終了時期θendから燃料噴射期間Tfだけ遡った時期を噴射開始時期θstとして設定する(ステップS160)。そして、エンジン12の回転数Neと負荷率KLと大気圧Paとに基づいて進角ガードθstlimを設定する(ステップS170)。進角ガードθstlimは噴射開始時期θstがスカベンジ領域内にならないように設定する必要がある。スカベンジ領域は、エンジン12の吸気バルブ28や排気バルブ31の開閉タイミングに基づくオーバーラップ量が大きい適合領域であるから、バルブの開閉タイミングを決定するエンジン12の回転数Neと負荷率KLとの2次元マップに基づいて定めるのがよい。また、スカベンジによる燃料の吹き抜けは大気圧Paが低いほど生じやすいため、進角ガードθstlimは大気圧Paが低いほど遅角側となる傾向に設定するのが好ましい。これらの結果、進角ガードθstlimは、エンジン12の回転数Neと負荷率KLと大気圧Paとに基づいて定めるのが好ましい。実施例では、エンジン12の回転数Neと負荷率KLと大気圧Paと進角ガードθstlimとの関係を実験などにより予め定めて進角ガード設定用マップとして記憶しておき、エンジン12の回転数Neと負荷率KLと大気圧Paとが与えられると,これらを進角ガード設定用マップに適用して得られる進角ガードθstlimを設定すべき進角ガードθstlimとして導出することにより設定するものとした。
進角ガードθstlimを設定すると、噴射開始時期θstが進角ガードθstlimより進角しているか否かを判定する(ステップS180)。上述したように、エンジン12を高出力(高回転高トルク)で運転しているときの変速時には燃料の遅角増量が行なわれるため、噴射開始時期θstが進角ガードθstlimより進角する場合が生じる。噴射開始時期θstが進角ガードθstlimより進角していないと判定したときには、ステップS160で設定した噴射開始時期θstとステップS150で遅角ガードθendlimとして設定された噴射終了時期θendとを用いて筒内噴射弁26から燃料噴射を行なって(ステップS220)、本制御を終了する。
ステップS180で噴射開始時期θstが進角ガードθstlimより進角していると判定したときには、進角ガードθstlimを噴射開始時期θstとして設定し(ステップS190)、噴射開始時期θstから噴射終了時期θendまでの角度を燃料噴射期間Tfから減じて得られる不足燃料噴射期間に基づいてる筒内噴射では不足する不足燃料噴射量Pshを計算する(ステップS200)。不足燃料噴射量Pshは、不足燃料噴射期間をクランクシャフト14が単位時間当たりに回転するクランク角で割ったものに高圧燃圧Pfhiのときに筒内噴射弁26により単位時間当たりに噴射する燃料量を乗じることにより計算することができる。そして、不足燃料噴射量Pshをポート噴射弁25から噴射すると共に(ステップS210)、ステップS190で進角ガードθstlimを設定した噴射開始時期θstとステップS150で遅角ガードθendlimを設定した噴射終了時期θendとを用いて筒内噴射弁26から燃料噴射を行なって(ステップS220)、本制御を終了する。不足燃料噴射量Pshのポート噴射弁25からの噴射は、不足燃料噴射量Pshを低圧燃圧Pfloのときにポート噴射弁25により噴射するのに必要な時間をクランクシャフト14が単位時間当たりに回転するクランク角を乗じることにより燃料噴射期間Tpを計算し、吸気行程の最中の適当な時期に燃料噴射期間Tpだけポート噴射弁25を開弁することにより行なうことができる。
図3は、筒内噴射制御により噴射開始時期θstと噴射終了時期θendとが設定される様子のケース例を示す説明図である。ケース(a)では、噴射開始時期θstを最適開始時期θoptに設定し、噴射開始時期θstから燃料噴射期間Tfだけ至った時期を噴射終了時期θendとしたところ、噴射終了時期θendが遅角ガードθendlimより遅角していない状態である。この場合、最適開始時期θoptが設定された噴射開始時期θstと、この噴射開始時期θstから燃料噴射期間Tfだけ至った時期として設定された噴射終了時期θendとを用いて筒内噴射弁26から燃料噴射が行なわれる。
ケース(b)では、噴射開始時期θstを最適開始時期θoptに設定し、噴射開始時期θstから燃料噴射期間Tfだけ至った時期を噴射終了時期θendとしたところ、噴射終了時期θendが遅角ガードθendlimより遅角している状態である。このため、遅角ガードθendlimを噴射終了時期θendとして設定し、噴射終了時期θendから燃料噴射期間Tfだけ遡った時期を噴射開始時期θstとしたところ、噴射開始時期θstが進角ガードθstlimより進角していない状態となる。この場合、遅角ガードθendlimが設定された噴射終了時期θendと、この噴射終了時期θendから燃料噴射期間Tfだけ遡った時期として設定された噴射開始時期θstとを用いて筒内噴射弁26から燃料噴射が行なわれる。
ケース(c)では、ケース(b)と同様に、噴射開始時期θstを最適開始時期θoptに設定し、噴射開始時期θstから燃料噴射期間Tfだけ至った時期を噴射終了時期θendとしたところ、噴射終了時期θendが遅角ガードθendlimより遅角している状態である。このため、遅角ガードθendlimを噴射終了時期θendとして設定し、噴射終了時期θendから燃料噴射期間Tfだけ遡った時期を噴射開始時期θstとしたところ、噴射開始時期θstが進角ガードθstlimより進角している状態となる。この場合、遅角ガードθendlimが設定された噴射終了時期θendと、進角ガードθstlimが設定された噴射開始時期θstとを用いて筒内噴射弁26から燃料噴射が行なわれ、不足分の不足燃料噴射量Pshがポート噴射弁25から噴射される。
以上説明した実施例のエンジン装置10では、筒内噴射弁26から燃料噴射してエンジン12を高出力(高回転高トルク)で運転する際に、変速時などに燃料の遅角増量が行なわれるなどにより、噴射開始時期θstを最適開始時期θoptに設定し、噴射開始時期θstから燃料噴射期間Tfだけ至った時期を噴射終了時期θendとしたところ、噴射終了時期θendが遅角ガードθendlimより遅角しているときには、遅角ガードθendlimを噴射終了時期θendとして設定し、噴射終了時期θendから燃料噴射期間Tfだけ遡った時期を噴射開始時期θstとする。このとき、噴射開始時期θstが進角ガードθstlimより進角しているときには、遅角ガードθendlimを噴射終了時期θendとし、進角ガードθstlimを噴射開始時期θstとして用いて筒内噴射弁26から燃料噴射が行ない、筒内噴射弁26からの燃料噴射量では不足する不足燃料噴射量Pshについてはポート噴射弁25から燃料噴射する。これにより、筒内噴射弁26から燃料噴射してエンジン12を高出力(高回転高トルク)の領域で運転する際にも、より適正に燃料噴射を行なうことができる。
実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、ポート噴射弁25が「ポート噴射弁」に相当し、筒内噴射弁26が「筒内噴射弁」に相当し、エンジン12が「エンジン」に相当し、電子制御ユニット70が「制御装置」に相当する。
なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明を実施するための形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、エンジン装置の製造産業などに利用可能である。
10 エンジン装置、12 エンジン、14 クランクシャフト、14a クランクポジションセンサ、15 クランクポジションセンサ、22 エアクリーナ、23 吸気管、23a エアフローメータ、23t 温度センサ、24 スロットルバルブ、24a スロットルポジションセンサ、25 ポート噴射弁、26 筒内噴射弁、28 吸気バルブ、29 燃焼室、30 点火プラグ、31 排気バルブ、32 ピストン、33 排気管、34 浄化装置、34a 触媒、35 空燃比センサ、36 酸素センサ、40 水温センサ、41 大気圧センサ、42 油温センサ、44 カムポジションセンサ、50 燃料供給装置、51 、料タンク、51t 燃温センサ、52 フィードポンプ、52a 回転数センサ、53 低圧供給管、53p 燃圧センサ、54 逆止弁、55 リリーフ流路、56 リリーフバルブ、57 高圧ポンプ、57a 電磁バルブ、57b チェックバルブ、57c プランジャ、58 高圧供給管、58p 燃圧センサ、70 電子制御ユニット、71 CPU、72 ROM、73 RAM、74 フラッシュメモリ。

Claims (1)

  1. 吸気ポートに燃料を噴射するポート噴射弁と筒内に燃料を噴射する筒内噴射弁とを有するエンジンと、
    前記エンジンを制御する制御装置と、
    を備えるエンジン装置であって、
    前記制御装置は、前記筒内噴射弁から燃料噴射して前記エンジンを高回転高トルクの領域で運転する際、噴射終了時期を噴射遅角限界として定められた遅角ガードでガードしたことによって定まる噴射開始時期がエンジン回転数と負荷率と大気圧とに基づく進角ガードより進角側になるときには、燃料噴射期間のうち前記進角ガードから前記遅角ガードまでの期間より長い期間に相当する燃料噴射量を前記ポート噴射弁から燃料噴射する、
    ことを特徴とするエンジン装置。
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