JP2023032634A - 電動車両、電力授受システム、および、電力授受制御方法 - Google Patents

電動車両、電力授受システム、および、電力授受制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】有線で電力の授受ができない場合に無線で電力を授受すること。【解決手段】車両は、無線で電力を供給する無線電力伝送方式と、無線で電力を供給せず有線で電力を供給する有線電力伝送方式とで外部の電気システムと電力の授受が可能な電動車両である。車両は、無線電力伝送方式で送受電する送受電コイルと、有線電力伝送方式でのインレットと、バッテリと、ECUとを備える。ECUは、バッテリと電力系統との間のインレットを経由した電力の授受が不能であるか否かを判断し(ステップS512)、インレットを経由した電力の授受が不能であると判断した場合、バッテリと電力系統との間で送受電コイルを経由して電力を授受するよう制御する(ステップS516)。【選択図】図4

Description

この開示は、電動車両、電力授受システム、および、電力授受制御方法に関し、特に、無線で電力を供給する無線電力伝送方式と、無線で電力を供給せず有線で電力を供給する有線電力伝送方式とで外部の電気システムと電力の授受が可能な電動車両、複数の電動車両と電気システムとを含む電力授受システム、および、電動車両における電力授受制御方法に関する。
従来、系統電源から供給された電力を道路上で非接触で車両に給電するシステムがあった(たとえば、特許文献1参照)。
特開2010-193657号公報
特許文献1のシステムにおいて、車両から系統電源に電力を供給するためには、非接触では無く、ケーブル等の有線で電力を供給することが想定される。しかし、ユーザが、ケーブルのコネクタを車両のインレットに接続し忘れた場合には、系統電源へ電力を供給することができない。
この開示は、上述した課題を解決するためになされたものであって、その目的は、有線で電力の授受ができない場合に無線で電力を授受することが可能な電動車両を提供することである。
この開示に係る電動車両は、無線で電力を供給する無線電力伝送方式と、無線で電力を供給せず有線で電力を供給する有線電力伝送方式とで外部の電気システムと電力の授受が可能な電動車両であって、無線電力伝送方式で送受電する送受電装置と、有線電力伝送方式での送受電口と、蓄電装置と、制御装置とを備える。制御装置は、蓄電装置と電気システムとの間の送受電口を経由した電力の授受が不能であるか否かを判断し、送受電口を経由した電力の授受が不能であると判断した場合、蓄電装置と電気システムとの間で送受電装置を経由して電力を授受するよう制御する。
このような構成によれば、電動車両の蓄電装置と外部の電気システムとの間で、送受電口を経由した有線電力伝送方式での電力の授受が不能である場合、送受電装置を経由して無線電力伝送方式で電力が授受される。その結果、有線で電力の授受ができない場合に無線で電力を授受することが可能な電動車両を提供することができる。
制御装置は、送受電装置を経由して所定基準以上の電力を授受可能である場合に、送受電装置を経由して電力を授受するよう制御するようにしてもよい。
このような構成によれば、所定基準以上の電力を授受できるような無駄な電力が生じない場合に、送受電装置を経由して無線電力伝送方式で電力を授受することができる。
制御装置は、上げDRまたは下げDRの要請がある場合に、送受電口または送受電装置を経由して電力を授受するよう制御するようにしてもよい。
このような構成によれば、上げDRまたは下げDRの要請があるような、電気が大量に余っている、または、不足しているときには、有線電力伝送方式と比較して伝送効率の良くない無線電力伝送方式での電力の授受でも意義を持たせることができる。
制御装置は、送受電口にコネクタが接続されていない場合、または、送受電口にコネクタが接続されているが電力の授受ができない場合に、送受電口を経由した電力の授受が不能であると判断するようにしてもよい。
このような構成によれば、送受電口を経由した電力の授受が不能であることを確実に判断することができる。
この開示の他の局面によれば、電力授受システムは、無線で電力を供給する無線電力伝送方式と、無線で電力を供給せず有線で電力を供給する有線電力伝送方式とで外部の電気システムと電力の授受が可能な複数の電動車両と、電気システムとを含む電力授受システムである。電動車両は、無線電力伝送方式で送受電する送受電装置と、有線電力伝送方式での送受電口と、蓄電装置と、制御装置とを備える。制御装置は、蓄電装置と電気システムとの間の送受電口を経由した電力の授受が不能であるか否かを判断し、送受電口を経由した電力の授受が不能であると判断した場合、蓄電装置と電気システムとの間で送受電装置を経由して電力を授受するよう制御する。
このような構成によれば、有線で電力の授受ができない場合に無線で電力を授受することが可能な電力授受システムを提供することができる。
この開示のさらに他の局面によれば、電力授受制御方法は、無線で電力を供給する無線電力伝送方式と、無線で電力を供給せず有線で電力を供給する有線電力伝送方式とで外部の電気システムと電力の授受が可能な電動車両における電力授受制御方法である。電動車両は、無線電力伝送方式で送受電する送受電装置と、有線電力伝送方式での送受電口と、
蓄電装置と、制御装置とを備える。電力授受制御方法は、制御装置が、蓄電装置と電気システムとの間の送受電口を経由した電力の授受が不能であるか否かを判断するステップと、制御装置が、送受電口を経由した電力の授受が不能であると判断した場合、蓄電装置と電気システムとの間で送受電装置を経由して電力を授受するよう制御するステップとを含む。
このような構成によれば、有線で電力の授受ができない場合に無線で電力を授受することが可能な電力授受制御方法を提供することができる。
この開示によれば、有線で電力の授受ができない場合に無線で電力を授受することが可能な電動車両、電力授受システム、および、電力授受制御方法を提供することができる。
この実施の形態に係る車両の構成を示す図である。 第1実施形態に係るサーバの通信態様を示す図である。 この実施の形態に係る電力管理システムの概略的な構成を示す図である。 この実施の形態における車両からの電力の供給のための処理の流れを示すフローチャートである。 この実施の形態における車両への電力の供給のための処理の流れを示すフローチャートである。 第2実施形態に係るサーバの通信態様を示す図である。 第3実施形態に係るサーバの通信態様を示す図である。
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。図中、同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。以下では、エネルギマネジメントシステム(Energy Management System)を、「EMS」と表記する。また、車両に搭載された電子制御ユニット(Electronic Control Unit)を、「ECU」と表記する。
[第1実施形態]
図1は、この実施の形態に係る車両50の構成を示す図である。図1を参照して、車両50は、走行用の電力を蓄電するバッテリ130を備える。車両50は、バッテリ130に蓄えられた電力を用いて走行可能に構成される。この実施の形態に係る車両50は、エンジン(内燃機関)を備えない電気自動車(BEV(Battery Electric Vehicle))である。
バッテリ130は、たとえばリチウムイオン電池またはニッケル水素電池のような二次電池を含んで構成される。この実施の形態では、二次電池として、複数のリチウムイオン電池を含む組電池を採用する。組電池は、複数の二次電池(一般に「セル」とも称される)が互いに電気的に接続されて構成される。
車両50は、ECU150を備える。ECU150は、バッテリ130の充電制御および放電制御を行なうように構成される。また、ECU150は、車両50の外部との通信を制御するように構成される。
車両50は、バッテリ130の状態を監視する監視モジュール131をさらに備える。監視モジュール131は、バッテリ130の状態(たとえば、電圧、電流、および温度)を検出する各種センサを含み、検出結果をECU150へ出力する。監視モジュール131は、上記センサ機能に加えて、SOC(State Of Charge)推定機能、SOH(State of Health)推定機能、セル電圧の均等化機能、診断機能、および通信機能をさらに有するBMS(Battery Management System)であってもよい。ECU150は、監視モジュール131の出力に基づいてバッテリ130の状態(たとえば、温度、電流、電圧、SOC、および内部抵抗)を取得することができる。
EVSE(Electric Vehicle Supply Equipment)40は、制御部41と電源回路44と充電ケーブル42と送受電コイル45とを備える。制御部41および電源回路44は、EVSE40の本体に内蔵される。充電ケーブル42は、EVSE40の本体の電源回路44に接続される。充電ケーブル42は、常にEVSE40の本体に接続されていてもよいし、EVSE40の本体に対して着脱可能であってもよい。充電ケーブル42は、先端にコネクタ43を有し、内部に電力線を含む。送受電コイル45は、車両50が通行する道路に埋設され、EVSE40の本体の電源回路44に接続される。送受電コイル45は、車両50の送受電コイル122が電力の授受が可能な距離以内に近接している状態において、車両50の送受電コイル122との間で無線(非接触)での電力の授受が可能なように構成される。制御部41は、電源回路44を制御する。
車両50は、EVSE40と有線(接触)での送受電のためのインレット110、EVSE40との無線(非接触)での送受電のための送受電コイル122、および、充放電器120を備える。インレット110および送受電コイル122は、車両50の外部から供給される電力を受電し、かつ、車両50の外部へ供給される電力を送電するように構成される。インレット110は、充電ケーブル42のコネクタ43が接続可能に構成される。EVSE40の本体につながる充電ケーブル42のコネクタ43が車両50のインレット110に接続(プラグイン)されることによって、車両50が充電可能状態(すなわち、EVSE40から給電を受けられる状態)および放電可能状態(すなわち、EVSE40に給電をすることが可能な状態)になる。送受電コイル122は、道路に埋設等された外部の送受電コイル45との間で送受電可能に構成される。送受電コイル122は、外部の送受電コイル45が電力の授受が可能な距離以内に近接している状態において、送受電コイル45との間で無線(非接触)での電力の授受が可能なように構成される。ECU150のプロセッサ151は、充放電器120を制御することで、インレット110および送受電コイル122を経由したバッテリ130と外部との送受電を制御する。なお、図1には、EVSE40の給電方式に対応するインレット110、送受電コイル122および充放電器120のみを示しているが、車両50は、複数種の給電方式(たとえば、AC方式およびDC方式)に対応できるように複数のインレットおよび送受電コイルを備えてもよい。
充放電器120は、インレット110および送受電コイル122とバッテリ130との間に位置する。充放電器120は、インレット110および送受電コイル122からバッテリ130までの電力経路の接続/遮断を切り替えるリレーと、電力変換回路と(いずれも図示せず)を含んで構成される。電力変換回路は、双方向コンバータを含んでもよい。充放電器120に含まれるリレーおよび電力変換回路の各々は、ECU150によって制御される。車両50は、充放電器120の状態を監視する監視モジュール121をさらに備える。監視モジュール121は、充放電器120の状態を検出する各種センサを含み、検出結果をECU150へ出力する。この実施の形態では、監視モジュール121が、上記電力変換回路に入力される電圧および電流と、上記電力変換回路から出力される電圧および電流とを検出するように構成される。監視モジュール121は、バッテリ130の充電電力を検出可能に構成される。
充電可能状態の車両50では、外部充電(すなわち、EVSE40から供給される電力によってバッテリ130を充電すること)と外部給電(すなわち、車両50からEVSE40へ給電を行なうこと)とが可能になる。外部充電のための電力は、たとえばEVSE40から充電ケーブル42を通じてインレット110に供給されたり、EVSE40に接続された送受電コイル45から車両50の送受電コイル122に供給されたりする。充放電器120は、インレット110および送受電コイル45が受電した電力をバッテリ130の充電に適した電力に変換し、変換された電力をバッテリ130へ出力するように構成される。外部給電のための電力は、バッテリ130から充放電器120に供給される。充放電器120は、バッテリ130から供給される電力を外部給電に適した電力に変換し、変換された電力を、インレット110または送受電コイル122へ出力するように構成される。外部充電および外部給電のいずれかが実行されるときには充放電器120のリレーが閉状態(接続状態)にされ、外部充電および外部給電のいずれも実行されないときには充放電器120のリレーが開状態(遮断状態)にされる。外部給電のための電力は、インレット110から充電ケーブル42を通じてEVSE40に供給されたり、車両50の送受電コイル122からEVSE40の送受電コイル45からEVSE40に供給されたりする。
ECU150は、プロセッサ151、RAM(Random Access Memory)152、記憶装置153、およびタイマ154を含んで構成される。ECU150はコンピュータであってもよい。プロセッサ151はCPU(Central Processing Unit)であってもよい。RAM152は、プロセッサ151によって処理されるデータを一時的に記憶する作業用メモリとして機能する。記憶装置153は、格納された情報を保存可能に構成される。記憶装置153は、たとえばROM(Read Only Memory)および書き換え可能な不揮発性メモリを含む。記憶装置153には、プログラムのほか、プログラムで使用される情報(たとえば、マップ、数式、および各種パラメータ)が記憶されている。この実施の形態では、記憶装置153に記憶されているプログラムをプロセッサ151が実行することで、ECU150における各種制御が実行される。ただし、ECU150における各種制御は、ソフトウェアによる実行に限られず、専用のハードウェア(電子回路)で実行することも可能である。なお、ECU150が備えるプロセッサの数は任意であり、所定の制御ごとにプロセッサが用意されてもよい。
タイマ154は、設定時刻の到来をプロセッサ151に知らせるように構成される。タイマ154に設定された時刻になると、タイマ154からプロセッサ151へその旨を知らせる信号が送信される。この実施の形態では、タイマ154としてタイマ回路を採用する。ただし、タイマ154は、ハードウェア(タイマ回路)ではなく、ソフトウェアによって実現されてもよい。また、ECU150は、ECU150に内蔵されるリアルタイムクロック(RTC)回路(図示せず)を利用して現在時刻を取得できる。
車両50は、走行駆動部140と、入力装置161と、メータパネル162と、ナビゲーションシステム(以下、「NAVI」と称する)170と、通信機器180と、駆動輪Wとをさらに備える。なお、車両50の駆動方式は、図1に示される前輪駆動に限られず、後輪駆動または4輪駆動であってもよい。
走行駆動部140は、図示しないPCU(Power Control Unit)とMG(Motor Generator)とを含み、バッテリ130に蓄えられた電力を用いて車両50を走行させるように構成される。PCUは、たとえば、インバータと、コンバータと、リレー(以下、「SMR(System Main Relay)」と称する)と(いずれも図示せず)を含んで構成される。PCUは、ECU150によって制御される。MGは、たとえば三相交流モータジェネレータである。MGは、PCUによって駆動され、駆動輪Wを回転させるように構成される。PCUは、バッテリ130から供給される電力を用いてMGを駆動する。また、MGは、回生発電を行ない、発電した電力をバッテリ130に供給するように構成される。SMRは、バッテリ130からMGまでの電力経路の接続/遮断を切り替えるように構成される。SMRは、車両50の走行時に閉状態(接続状態)にされる。
入力装置161は、ユーザからの入力を受け付ける装置である。入力装置161は、ユーザによって操作され、ユーザの操作に対応する信号をECU150へ出力する。入力装置161の例としては、各種スイッチ、各種ポインティングデバイス、キーボード、タッチパネルが挙げられる。入力装置161は、音声入力を受け付けるスマートスピーカを含んでもよい。
メータパネル162は、車両50に関する情報を表示するように構成される。メータパネル162は、たとえば車両50に搭載された各種センサによって計測された車両50に関する各種情報を表示する。メータパネル162に表示される情報は、外気温、車両50の走行速度、バッテリ130のSOC、平均電費、および車両50の走行距離の少なくとも1つを含んでもよい。メータパネル162は、ECU150によって制御される。ECU150は、所定の条件が成立する場合に、ユーザに対するメッセージまたは警告灯をメータパネル162に表示させてもよい。
NAVI170は、プロセッサと、記憶装置と、タッチパネルディスプレイと、GPS(Global Positioning System)モジュールと(いずれも図示せず)を含んで構成される。記憶装置は、地図情報を記憶している。タッチパネルディスプレイは、ユーザからの入力を受け付けたり、地図およびその他の情報を表示したりする。GPSモジュールは、GPS衛星からの信号(以下、「GPS信号」と称する)を受信するように構成される。NAVI170は、GPS信号を用いて車両50の位置を特定することができる。NAVI170は、ユーザからの入力に基づき、車両50の現在位置から目的地までの走行ルート(たとえば、最短ルート)を見つけるための経路探索を行ない、経路探索により見つかった走行ルートを地図上に表示するように構成される。
通信機器180は、各種通信I/F(インターフェース)を含んで構成される。ECU150は、通信機器180を通じて、外部と通信を行なうように構成される。
図2は、第1実施形態に係るサーバ30の通信態様を示す図である。図2を参照して、電力管理システム1は、電力系統PGと、サーバ30と、EVSE40と、車両50と、携帯端末80とを含む。
車両50は、図1に示した構成を有する。この実施の形態では、EVSE40として、交流電力を提供するAC給電設備を採用する。充放電器120は、AC給電設備に対応する回路を有する。ただし、こうした形態に限られず、EVSE40は、直流電力を提供するDC給電設備であってもよい。充放電器120は、DC給電設備に対応する回路を有してもよい。
携帯端末80は、車両50のユーザが携帯する端末に相当する。この実施の形態では、携帯端末80として、タッチパネルディスプレイを具備するスマートフォンを採用する。ただしこれに限られず、携帯端末80としては、任意の携帯端末を採用可能であり、タブレット端末、ウェアラブルデバイス(たとえば、スマートウォッチ)、電子キー、またはサービスツールなども採用可能である。
電力系統PGは、電気事業者(たとえば、電力会社)によって提供される電力網である。電力系統PGは、複数のEVSE(EVSE40を含む)と電気的に接続されており、各EVSEに交流電力を供給する。EVSE40に内蔵される電源回路44は、制御部41に制御されて、電力系統PGから供給される電力を外部充電に適した電力に変換する。電源回路44は、充電電力を検出するためのセンサを含んでもよい。
充電可能状態の車両50において、充放電器120のリレーが閉状態になることで、バッテリ130が電力系統PGと電気的に接続される。電力系統PGから電源回路44、充電ケーブル42、インレット110および充放電器120を経由してバッテリ130へ電力が供給されることで、バッテリ130の外部充電が行なわれる。バッテリ130から充放電器120、インレット110、充電ケーブル42、および、電源回路44を経由して電力系統PGへ電力が供給されることで、バッテリ130からの外部放電が行なわれる。または、電力系統PGから電源回路44、EVSE40の側の送受電コイル45、車両50の側の送受電コイル122、および充放電器120を経由してバッテリ130へ電力が供給されることで、バッテリ130の外部充電が行なわれる。バッテリ130から充放電器120、車両50の側の送受電コイル122、EVSE40の側の送受電コイル45、および電源回路44を経由して電力系統PGへ電力が供給されることで、バッテリ130からの外部放電が行なわれる。
サーバ30は、無線通信で直接的に車両50と通信するように構成される。サーバ30は、車両50と無線通信するための通信装置33を備える。また、車両50の通信機器180は、サーバ30と通信するための通信I/Fを含む。通信機器180は、DCM(Data Communication Module)を含んでもよい。
この実施の形態では、通信機器180と携帯端末80とが相互に無線通信するように構成される。通信機器180と携帯端末80との通信は、Bluetooth(登録商標)のような近距離通信(たとえば、車内および車両周辺の範囲での直接通信)であってもよい。
サーバ30は、携帯端末80と通信可能に構成される。携帯端末80には所定のアプリケーションソフトウェア(以下、単に「アプリ」と称する)がインストールされている。携帯端末80は、車両50のユーザによって携帯され、上記アプリを通じてサーバ30と情報のやり取りを行なうことができる。ユーザは、たとえば携帯端末80のタッチパネルディスプレイを通じて、上記アプリを操作できる。ユーザは、上記アプリを操作することにより、たとえば車両50の出発予定時刻をサーバ30へ送信することができる。
サーバ30は、制御装置31と記憶装置32と通信装置33と入力装置34とを含んで構成される。制御装置31は、プロセッサおよび記憶装置を含み、所定の情報処理を行なうとともに通信装置33を制御するように構成される。記憶装置32は、各種情報を保存可能に構成される。通信装置33は各種通信I/Fを含む。制御装置31は、通信装置33を通じて外部と通信するように構成される。入力装置34は、ユーザからの入力を受け付ける装置である。入力装置34は、ユーザからの入力を制御装置31へ出力する。
図3は、この実施の形態に係る電力管理システム1の概略的な構成を示す図である。この実施の形態では、電力管理システム1がVPP(仮想発電所)として機能する。VPPは、IoT(モノのインターネット)を利用した高度なエネルギマネジメント技術により多数の分散型エネルギリソース(以下、「DER(Distributed Energy Resources)」とも称する)を束ね、これらDERを遠隔・統合制御することによってあたかも1つの発電所のように機能させる仕組みである。電力管理システム1では、電動車両(たとえば、図1に示した車両50)を利用したエネルギマネジメントによってVPPが実現される。
電力管理システム1は、VGI(Vehicle Grid Integration)システムである。電力管理システム1には複数の電動車両である車両50と複数のEVSE40とが含まれる(図3には、各々1つのみ図示)。電力管理システム1に含まれる車両50およびEVSE40の数は、各々独立して任意であり、10個以上であってもよいし、100個以上であってもよい。電力管理システム1は、POVとMaaS車両との少なくとも一方を含んでもよい。POVは、個人が所有する車両である。MaaS車両は、MaaS(Mobility as a Service)事業者が管理する車両である。電力管理システム1は、特定のユーザのみが使用可能な非公共のEVSE40(たとえば、家庭用のEVSE)と、不特定多数のユーザが使用可能な公共のEVSE40との少なくとも一方を含んでもよい。図2に示した携帯端末80は、車両50のユーザごとに携帯される。
図2とともに図3を参照して、電力管理システム1は、電力会社E1と、電力会社E1に連絡する上位アグリゲータE2と、需要家に連絡する下位アグリゲータE3とを含む。
電力会社E1は、発電事業者および送配電事業者を兼ねる。電力会社E1は、発電所11および送配電設備12によって電力網(すなわち、図2に示した電力系統PG)を構築するとともに、サーバ10によって電力系統PGを保守および管理する。発電所11は、電気を発生させるための発電装置を備え、発電装置によって生成された電力を送配電設備12に供給するように構成される。発電所11の発電方式は任意である。発電所11の発電方式は、火力発電、水力発電、風力発電、原子力発電、および太陽光発電のいずれであってもよい。送配電設備12は、送電線、変電所、および配電線を含み、発電所11から供給される電力の送電および配電を行なうように構成される。
スマートメータ13は、所定時間経過ごと(たとえば、30分経過ごと)に電力使用量を計測し、計測した電力使用量を記憶するとともにサーバ10へ送信するように構成される。スマートメータ13は、電力を使用する需要家(たとえば、個人または会社)ごとに付与される。サーバ10は、各需要家のスマートメータ13から需要家ごとの電力使用量を取得する。電力会社E1は、電力使用量に応じた電気料金を各需要家から受け取ってもよい。この実施の形態では、電力会社が、電力系統PGの管理者に相当する。
DERを束ねてエネルギマネジメントサービスを提供する電気事業者は、「アグリゲータ」と称される。電力会社E1は、たとえばアグリゲータと連携することにより、電力系統PGの電力調整を行なうことができる。上位アグリゲータE2は、複数のサーバ(たとえば、サーバ20A,20B)を含む。上位アグリゲータE2に含まれる各サーバは、異なる事業者に帰属する。下位アグリゲータE3は、複数のサーバ(たとえば、サーバ30A,30B)を含む。下位アグリゲータE3に含まれる各サーバは、異なる事業者に帰属する。以下、区別して説明する場合を除いて、上位アグリゲータE2に含まれる各サーバを「サーバ20」と称し、下位アグリゲータE3に含まれる各サーバを「サーバ30」と称する。サーバ20,30の数は、各々独立して任意であり、5個以上であってもよいし、30個以上であってもよい。
この実施の形態では、1つのサーバ10が複数のサーバ20へエネルギマネジメントを要請し、サーバ10から要請を受けた各サーバ20が複数のサーバ30へエネルギマネジメントを要請する。さらに、サーバ20から要請を受けた各サーバ30が複数のDERユーザへエネルギマネジメントを要請する。電力会社E1は、こうした階層構造(ツリー構造)を利用して、多くの需要家(たとえば、車両50のユーザ)にエネルギマネジメントを要請することができる。要請は、DR(ディマンドリスポンス)によって行なわれてもよい。
サーバ30は、サーバ20からエネルギマネジメントの要請を受けたときに、サーバ30に登録されたDERの中から、その要請に応えるためのDERを選定する。このように選定されたDERを、以下では「EMDER」とも称する。
サーバ30は、管轄エリアのエネルギマネジメントを行なう。サーバ30が管轄するエリアは、1つの街(たとえば、スマートシティ)であってもよいし、工場であってもよいし、大学キャンパスであってもよい。アグリゲータは、サーバ30の管轄エリアに存在するDERのユーザと、エネルギマネジメントに関する契約を結ぶ。この契約を結んだユーザは、アグリゲータからの要請に従ってDERにエネルギマネジメントを行なわせることによって所定のインセンティブを受け取ることができる。また、要請に従うことを承認したにもかかわらず、要請に従わなかったユーザには、上記契約によって所定のペナルティが科される。契約でエネルギマネジメントが義務付けられたDERおよびそのユーザは、サーバ30に登録される。
サーバ30は、上記EMDERの選定後、各EMDERへ指令を送信する。この指令により、サーバ20からの要請に従うエネルギマネジメント(たとえば、電力系統PGの需給調整)が行なわれる。
サーバ30は、所定の電力量計によってEMDERごとの電力調整量(たとえば、所定期間における充電電力量および/または放電電力量)を計測する。電力調整量は、インセンティブの算定に用いられてもよい。所定の電力量計は、スマートメータ13であってもよいし、車両に搭載された電力量計(たとえば、図1に示した監視モジュール121)であってもよい。電力量計の設置場所は任意である。EVSE40に電力量計が内蔵されてもよい。持運び可能な充電ケーブルに電力量計を付けてもよい。
この実施の形態では、サーバ30が、サーバ10からスマートメータ13の検出値を受信するように構成される。ただしこれに限られず、サーバ30は、スマートメータ13の検出値を直接的に(サーバ10を介さずに)取得するように構成されてもよい。
スマートメータ13は、図2に示した電力系統PG(すなわち、発電所11および送配電設備12が構築する電力網)からEVSE40に供給される電力量を計測するように構成される。この実施の形態では、EVSE40およびEMS60が1つの住宅または事業所(たとえば、工場または商業施設)に設置される。EMS60は、たとえばHEMS(Home Energy Management System)、FEMS(Factory Energy Management System)またはBEMS(Building Energy Management System)である。スマートメータ13は、電力系統PGからその住宅または事業所に供給される電力量(すなわち、家庭または事業所で使用される電力量)を計測する。
サーバ30Aは、サーバ20からエネルギマネジメントの要請を受けたときに、EMS60およびEVSE40を経由して車両50へ充電開始指令を送信することにより、バッテリ130の充電を通じてエネルギマネジメントを行なう。また、サーバ30Aは、車両50と無線通信を行なうように構成される。
車両50から電力系統PGに電力を供給するためには、非接触では無く、充電ケーブル42等の有線で電力を供給することが想定される。しかし、ユーザが、充電ケーブル42のコネクタ43を車両のインレット110に接続し忘れた場合には、電力系統PGへ電力を供給することができない。
そこで、車両50のECU150は、バッテリ130と電力系統PGとの間のインレット110を経由した電力の授受が不能であるか否かを判断し、インレット110を経由した電力の授受が不能であると判断した場合、バッテリ130と電力系統PGとの間で送受電コイル122を経由して電力を授受するよう制御する。
これにより、車両50のバッテリ130と外部の電力系統PGとの間で、インレット110を経由した有線電力伝送方式での電力の授受が不能である場合、送受電コイル122を経由して無線電力伝送方式で電力が授受される。その結果、有線で電力の授受ができない場合に無線で電力を授受することができる。
図4は、この実施の形態における車両50からの電力の供給のための処理の流れを示すフローチャートである。サーバ側処理は、サーバ30の制御装置31によって実行される上位の処理から所定周期ごとに呼出されて実行される。車両側処理は、車両50のECU150によって実行される上位の処理から所定の制御周期ごとに呼出されて実行される。
図4を参照して、サーバ側処理において、サーバ30の制御装置31は、下げDRを要請する条件、たとえば、電力系統PGにおける電力の需要量から供給量を減算した電力が所定値を超えるとの条件が成立しているか否かを判断する(ステップS311)。
需要量から供給量を減算した電力が所定値を超える(ステップS311でYES)と判断した場合、制御装置31は、受領量と供給量との差を埋め合わせるのに必要な電力の供給を依頼する車両50を決定する(ステップS312)。そして、制御装置31は、電力系統PGへの電力の放電を指示する情報を、決定された車両50に送信する(ステップS313)。
需要量から供給量を減算した電力が所定値を超えない(ステップS311でNO)と判断した場合、または、ステップS313の後、制御装置31は、実行する処理をステップS314に進める。
車両側処理において、車両50のECU150は、サーバ30から放電を指示する情報を受信したか否かを判断する(ステップS511)。放電を指示する情報を受信した(ステップS511でYES)と判断した場合、ECU150は、インレット110から放電可能であるか否かを判断する(ステップS512)。インレット110にコネクタ43が接続されており、かつ、電力の回路に異常(たとえば、リレーの故障、断線、発熱)がないと判断した場合に、ECU150は、インレット110から放電可能であると判断する。一方、インレット110にコネクタ43が接続されていないと判断した場合、または、コネクタ43は接続されているが、電力の回路に異常があると判断した場合は、ECU150は、インレット110から放電不能であると判断する。
インレット110から放電可能である(ステップS512でYES)と判断した場合、ECU150は、インレット110から電力系統PGへの接触放電を開始するよう、充放電器120を制御する(ステップS513)。ステップS513の後、ECU150は、実行する処理をこの処理の呼出元の上位の処理に戻す。
一方、インレット110から放電不能である(ステップS512でNO)と判断した場合、ECU150は、送受電コイル122からの非接触での放電が可能であるか否かを判断する(ステップS514)。送受電コイル122等の電力の回路に異常がなく、かつ、相手方のEVSE40の送受電コイル45と送受電が可能な距離以内となる位置に車両50が停車されていると判断した場合に、ECU150は、送受電コイル122からの放電が可能であると判断する。一方、送受電コイル122等の電力の回路に異常があると判断した場合、または、電力の回路には異常はないが、車両50の送受電コイル122とEVSE40の送受電コイル45との距離が送受電可能な距離以内となる位置に車両50が停車されていないと判断した場合、ECU150は、送受電コイル122からの放電が不能であると判断する。
非接触での放電が可能である(ステップS514でYES)と判断した場合、ECU150は、実際に放電するように充放電器120および送受電コイル122を制御するとともに、EVSE40の制御部41に、車両50から送受電コイル45で受電した電力を電力系統PGに放電するよう指示して、サーバ30から要求された電力を放電可能であるか否かを判断する(ステップS515)。送受電コイル122からの非接触での放電の場合、インレット110からの接触放電と比較して、放電の効率は悪くなる。送受電コイル122内のコンデンサなどの素子電圧が所定値以上に上昇することなどの放電により発生する電圧変化で、実際に放電可能であるかを判断することができる。放電電力は、バッテリ130の状態から決まる放電可能電力から各損失等の減衰分を控除した電力である。各損失は、バッテリ130の効率(内部抵抗、配線抵抗)、電力の回路の抵抗、リレーの抵抗、直流交流変換効率、非接触での放電の効率などから特定できる。要求電力を放電可能である(ステップS515でYES)と判断した場合、ECU150は、送受電コイル122から電力系統PGへの非接触放電を開始するよう、充放電器120および送受電コイル122を制御するするとともに、EVSE40の制御部41に、車両50から送受電コイル45で受電した電力を電力系統PGに放電するよう指示する(ステップS516)。ステップS516の後、ECU150は、実行する処理をこの処理の呼出元の上位の処理に戻す。
一方、非接触での放電が不能である(ステップS514でNO)と判断した場合、または、要求電力を放電可能でない(ステップS515でNO)と判断した場合、ECU150は、放電が不能であることを示す情報をサーバ30に送信する(ステップS517)。
サーバ側処理において、ステップS314に処理が進められた場合、サーバ30の制御装置31は、車両50から放電不能であることを示す情報を受信したか否かを判断する(ステップS314)。放電不能であることを示す情報を受信した(ステップS314でYES)と判断した場合、制御装置31は、必要な電力に対して不足する電力の供給を依頼する車両50を決定する(ステップS315)。そして、制御装置31は電力系統PGへの電力の放電を指示する情報を、決定された車両50に送信する(ステップS316)。ここで、放電が指示された車両50での処理は、前述したステップS511からステップS517の処理と同じである。
放電が不能であることを示す情報を受信していない(ステップS314でNO)と判断した場合、および、ステップS316の後、制御装置31は、実行する処理をこの処理の呼出元の上位の処理に戻す。
図5は、この実施の形態における車両50への電力の供給のための処理の流れを示すフローチャートである。サーバ側処理は、サーバ30の制御装置31によって実行される上位の処理から所定周期ごとに呼出されて実行される。車両側処理は、車両50のECU150によって実行される上位の処理から所定の制御周期ごとに呼出されて実行される。
図5を参照して、サーバ側処理において、サーバ30の制御装置31は、上げDRを要請する条件、たとえば、電力系統PGにおける電力の供給量から需要量を減算した電力が所定値を超えるとの条件が成立しているか否かを判断する(ステップS321)。
供給量から需要量を減算した電力が所定値を超える(ステップS321でYES)と判断した場合、制御装置31は、供給量と需要量との差を埋め合わせるのに必要な電力の需要を依頼する車両50を決定する(ステップS322)。そして、制御装置31は、電力系統PGへの電力の受電を指示する情報を、決定された車両50に送信する(ステップS323)。
供給量から需要量を減算した電力が所定値を超えない(ステップS321でNO)と判断した場合、または、ステップS323の後、制御装置31は、実行する処理をステップS324に進める。
車両側処理において、車両50のECU150は、サーバ30から受電を指示する情報を受信したか否かを判断する(ステップS521)。受電を指示する情報を受信した(ステップS521でYES)と判断した場合、ECU150は、インレット110から受電可能であるか否かを判断する(ステップS522)。インレット110にコネクタ43が接続されており、かつ、電力の回路に異常がないと判断した場合に、ECU150は、インレット110から受電可能であると判断する。一方、インレット110にコネクタ43が接続されていないと判断した場合、または、コネクタ43は接続されているが、電力の回路に異常があると判断した場合は、ECU150は、インレット110から受電不能であると判断する。
インレット110から受電可能である(ステップS522でYES)と判断した場合、ECU150は、電力系統PGからインレット110への接触受電を開始するよう、充放電器120を制御する(ステップS523)。ステップS523の後、ECU150は、実行する処理をこの処理の呼出元の上位の処理に戻す。
一方、インレット110から受電不能である(ステップS522でNO)と判断した場合、ECU150は、送受電コイル122からの非接触での受電が可能であるか否かを判断する(ステップS524)。送受電コイル122等の電力の回路に異常がなく、かつ、相手方のEVSE40の送受電コイル45と送受電が可能な距離以内となる位置に車両50が停車されていると判断した場合に、ECU150は、送受電コイル122からの受電が可能であると判断する。一方、送受電コイル122等の電力の回路に異常があると判断した場合、または、電力の回路には異常はないが、車両50の送受電コイル122とEVSE40の送受電コイル45との距離が送受電可能な距離以内となる位置に車両50が停車されていないと判断した場合、ECU150は、送受電コイル122からの受電が不能であると判断する。
非接触での受電が可能である(ステップS524でYES)と判断した場合、ECU150は、実際に受電するように充放電器120および送受電コイル122を制御するとともに、EVSE40の制御部41に、電力系統PGから受電した電力を送受電コイル45で車両50に放電するよう指示して、サーバ30から要求された電力を受電可能であるか否かを判断する(ステップS525)。送受電コイル122からの非接触での受電の場合、インレット110からの接触受電と比較して、受電の効率は悪くなる。送受電コイル122内のコンデンサなどの素子電圧が所定値以上に上昇することなどの受電により発生する電圧変化で、実際に受電可能であるかを判断することができる。受電電力は、バッテリ130の状態から決まる受電可能電力から各損失等の減衰分を控除した電力である。各損失は、バッテリ130の効率(内部抵抗、配線抵抗)、電力の回路の抵抗、リレーの抵抗、直流交流変換効率、非接触での受電の効率などから特定できる。要求電力を受電可能である(ステップS525でYES)と判断した場合、ECU150は、電力系統PGから送受電コイル122への非接触受電を開始するよう、充放電器120および送受電コイル122を制御するとともに、EVSE40の制御部41に、電力系統PGから受電した電力を送受電コイル45で車両50に放電するよう指示する(ステップS526)。ステップS526の後、ECU150は、実行する処理をこの処理の呼出元の上位の処理に戻す。
一方、非接触での受電が不能である(ステップS524でNO)と判断した場合、または、要求電力を受電可能でない(ステップS525でNO)と判断した場合、ECU150は、受電が不能であることを示す情報をサーバ30に送信する(ステップS527)。
サーバ側処理において、ステップS324に処理が進められた場合、サーバ30の制御装置31は、車両50から受電不能であることを示す情報を受信したか否かを判断する(ステップS324)。受電不能であることを示す情報を受信した(ステップS324でYES)と判断した場合、制御装置31は、必要な電力に対して不足する電力の需要を依頼する車両50を決定する(ステップS325)。そして、制御装置31は電力系統PGからの電力の受電を指示する情報を、決定された車両50に送信する(ステップS326)。ここで、受電が指示された車両50での処理は、前述したステップS521からステップS527の処理と同じである。
受電が不能であることを示す情報を受信していない(ステップS324でNO)と判断した場合、および、ステップS326の後、制御装置31は、実行する処理をこの処理の呼出元の上位の処理に戻す。
[第2実施形態]
第1実施形態では、図2で示したように、サーバ30は、EMS60またはEVSE40を介さずに、直接的に、車両50と通信するようにした。第2実施形態においては、サーバ30は、EVSE40を管理するEMS60と通信し、そのEMS60がEVSE40と通信し、EVSE40が車両50と通信するようにする。つまり、サーバ30は、EMS60およびEVSE40を経由して車両50と通信する。
第1実施形態においては、図4のステップS511および図5のステップS521で示したように、サーバ30は、放電指示/受電指示を車両50に直接送信し、車両50が主体的にEVSE40に指示を出して、車両50と電力系統PGとの間で送受電するようにした。
図6は、第2実施形態に係るサーバ30の通信態様を示す図である。図6を参照して、第2実施形態においては、サーバ30は、EMS60を経由してEVSE40に放電指示/受電指示を送信し、EVSE40と車両50とが協調して、車両50と電力系統PGとの間で送受電するようにする。
[第3実施形態]
第3実施形態においては、サーバ30は、EVSE40と通信し、EVSE40が車両50と通信するようにする。つまり、サーバ30は、EVSE40を経由して車両50と通信する。
図7は、第3実施形態に係るサーバ30の通信態様を示す図である。図7を参照して、第3実施形態においては、サーバ30は、EVSE40に放電指示/受電指示を送信し、EVSE40と車両50とが協調して、車両50と電力系統PGとの間で送受電するようにする。
[その他の変形例]
(1) 前述した実施の形態においては、電力管理システム1の電力の取引先が、図3で示したように、電力会社E1であることとした。しかし、これに限定されず、電力の取引先は、一般送配電事業者および小売電気事業者などの電力会社に限定されず、再生可能エネルギ発電事業者であってもよいし、工場、ビルまたは家庭などの需要家であってもよい。
(2) 前述した実施の形態においては、電力の取引先の電気システムが、図2および図3で示したように、発電所11および送配電設備12によって構築される電力網である電力系統PGであることとした。しかし、これに限定されず、電力の取引先の電気システムは、風力発電機、太陽電池またはバイオマス発電所のような再生可能エネルギの発電システム、送電網、蓄電設備、または、送受電設備であってもよいし、工場、ビルまたは家庭などの電気機器、蓄電設備、または、送受電設備などの電気設備であってもよいし、定置式電池であってもよい。
(3) 前述した実施の形態においては、複数の車両50のそれぞれのバッテリ130と電気システムとの間の電力の遣り取りを管理するサーバが、下位アグリゲータE3のサーバ30であることとしたが、これに限定されず、上位アグリゲータE2のサーバであってもよいし、電力会社E1のサーバ10であってもよいし、これらのサーバ10,20,30が、適宜、組合わせられて構成されてもよい。
(4) 前述した実施の形態においては、サーバ10,20,30を備える主体が、電力会社E1、上位アグリゲータE2および下位アグリゲータE3であり、3者が別々の主体であることとした。しかし、これに限定されず、サーバ10,20,30のいずれかを同じ主体が備えるようにしてもよい。
(5) 前述した実施の形態においては、蓄電装置を搭載し移動可能な機械が車両50であることとしたが、これに限定されず、ドローンなどの飛行可能な機械などの他の機械であってもよい。
(6) 前述した実施の形態においては、車両50は、電気自動車(BEV(Battery Electric Vehicle))であることとした。しかし、これに限定されず、車両50は、外部との電力の遣り取りのためのインレット110と、バッテリ130のような蓄電装置とを備える車両であればよく、たとえば、プラグインハイブリッド車(PHEV(Plug-in Hybrid Electric Vehicle))であってもよい。
(7) 前述した実施の形態においては、充放電設備がEVSE40であることとした。しかし、これに限定されず、充放電設備は、車両50等の充電または放電が可能な設備であれば、他の設備であってもよく、充電スタンドに設置されるような急速充電設備または普通充電設備であってもよいし、家庭に設置される充電設備であってもよいし、家庭用コンセントなどのコンセントに接続可能な充電ケーブルであってもよい。
(8) 前述した実施の形態においては、図4のステップS311および図5のステップS321で示したように、下げDRまたは上げDRを要請する条件が、需要量と供給量との差または供給量と需要量との差が所定値を超えるとの条件であることとした。しかし、これに限定されず、下げDRまたは上げDRを要請する条件は、他の条件であってもよく、需要量と供給量との差の予測値または供給量と需要量との差の予測値が所定値を超えるとの条件であってもよい。
(9) 前述した実施の形態においては、図4で示したように、車両50から電力系統PGへの電力の供給を依頼するようにした。しかし、これに限定されず、電力系統PGから充電中である車両50の場合は、受電している電力の停止を依頼するようにしてもよい。これによっても、車両50は、下げDRの要請に応じることができる。
(10) 前述した実施の形態において、図4および図5のサーバ側処理が実行される前に、各車両50の蓄電状態/蓄電余力を取得しておき、図4ステップS312および図5のステップS322で、取得した蓄電状態/蓄電余力を用いて車両50を決定するようにしてもよい。
(11) 前述した実施の形態において、図4および図5の車両側処理のステップS511とステップS512との間、および、ステップS521とステップS522との間に、当該車両50のユーザが電力の放電/受電を許諾するか拒否するかを確認する処理を実行し、ステップS512およびステップS522以降の処理を、電力の放電/受電を拒否する場合は実行しないようにし、電力の放電/受電を許諾する場合は実行するようにしてもよい。これにより、車両50を使用する予定があるなど、ユーザが希望しない場合に、電力の放電/受電をしないようにすることができる。
(12) 前述した実施形態を電力管理システム1のような電力授受システムの開示と捉えることができるし、電力の遣り取りを管理するサーバ10,20,30のような電力授受サーバの開示と捉えることができるし、電力管理システム1に含まれる車両50のような電動車両の開示と捉えることができるし、電力管理システム1における電力授受方法または電力授受プログラムの開示と捉えることができるし、車両50のような電動車両における電力授受制御方法の開示と捉えることができる。
[まとめ]
(1) 図1で示したように、車両50は、無線で電力を供給する無線電力伝送方式と、無線で電力を供給せず有線で電力を供給する有線電力伝送方式とで外部の電気システムと電力の授受が可能な電動車両である。図1で示したように、車両50は、無線電力伝送方式で送受電する送受電コイル122と、有線電力伝送方式でのインレット110と、バッテリ130と、ECU150とを備える。図4および図5で示したように、ECU150は、バッテリ130と電力系統PGとの間のインレット110を経由した電力の授受が不能であるか否かを判断し(たとえば、図4のステップS512、図5のステップS522)、インレット110を経由した電力の授受が不能であると判断した場合、バッテリ130と電力系統PGとの間で送受電コイル122を経由して電力を授受するよう制御する(たとえば、図4のステップS516、図5のステップS526)。
これにより、車両50のバッテリ130と外部の電力系統PGとの間で、インレット110を経由した有線電力伝送方式での電力の授受が不能である場合、送受電コイル122を経由して無線電力伝送方式で電力が授受される。その結果、有線で電力の授受ができない場合に無線で電力を授受することができる。
(2) 図4のステップS515,ステップS516、および、図5のステップS525,ステップS526で示したように、ECU150は、送受電コイル122を経由して所定基準以上の電力(たとえば、サーバ30から要求された放電電力または受電電力であってもよいし、サーバ30から要求された放電電力または受電電力の所定割合の電力であってもよい。)を授受可能である場合に、送受電コイル122を経由して電力を授受するよう制御する。
これにより、所定基準以上の電力を授受できるような無駄な電力が生じない場合に、送受電コイル122を経由して無線電力伝送方式で電力を授受することができる。
(3) 図4および図5で示したように、ECU150は、上げDRまたは下げDRの要請がある場合に、インレット110または送受電コイル122を経由して電力を授受する。
これにより、上げDRまたは下げDRの要請があるような、電気が大量に余っている、または、不足しているときには、有線電力伝送方式と比較して伝送効率の良くない無線電力伝送方式での電力の授受でも意義を持たせることができる。
(4) 図4のステップS512および図5のステップS522で示したように、ECU150は、インレット110にコネクタ43が接続されていない場合、または、インレット110にコネクタ43が接続されているが電力の授受ができない場合に、インレット110を経由した電力の授受が不能であると判断する。
これにより、インレット110を経由した電力の授受が不能であることを確実に判断することができる。
今回開示された各実施の形態は、適宜組合わせて実施することも予定されている。そして、今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 電力管理システム、10,20,20A,20B,30,30A,30B サーバ、11 発電所、12 送配電設備、13 スマートメータ、31 制御装置、32,153 記憶装置、33 通信装置、34,161 入力装置、40 EVSE、41 制御部、42 充電ケーブル、43 コネクタ、44 電源回路、45,122 送受電コイル、50 車両、60 EMS、80 携帯端末、110 インレット、120 充放電器、121,131 監視モジュール、130 バッテリ、140 走行駆動部、150 ECU、151 プロセッサ、152 RAM、154 タイマ、162 メータパネル、170 NAVI、180 通信機器、E1 電力会社、E2 上位アグリゲータ、E3 下位アグリゲータ、PG 電力系統、W 駆動輪。

Claims (6)

  1. 無線で電力を供給する無線電力伝送方式と、無線で電力を供給せず有線で電力を供給する有線電力伝送方式とで外部の電気システムと電力の授受が可能な電動車両であって、
    前記無線電力伝送方式で送受電する送受電装置と、
    前記有線電力伝送方式での送受電口と、
    蓄電装置と、
    制御装置とを備え、
    前記制御装置は、
    前記蓄電装置と前記電気システムとの間の前記送受電口を経由した電力の授受が不能であるか否かを判断し、
    前記送受電口を経由した電力の授受が不能であると判断した場合、前記蓄電装置と前記電気システムとの間で前記送受電装置を経由して電力を授受するよう制御する、電動車両。
  2. 前記制御装置は、前記送受電装置を経由して所定基準以上の電力を授受可能である場合に、前記送受電装置を経由して電力を授受するよう制御する、請求項1に記載の電動車両。
  3. 前記制御装置は、上げDRまたは下げDRの要請がある場合に、前記送受電口または前記送受電装置を経由して電力を授受するよう制御する、請求項1または請求項2に記載の電動車両。
  4. 前記制御装置は、前記送受電口にコネクタが接続されていない場合、または、前記送受電口に前記コネクタが接続されているが電力の授受ができない場合に、前記送受電口を経由した電力の授受が不能であると判断する、請求項1から請求項3のいずれかに記載の電動車両。
  5. 無線で電力を供給する無線電力伝送方式と、無線で電力を供給せず有線で電力を供給する有線電力伝送方式とで外部の電気システムと電力の授受が可能な複数の電動車両と、前記電気システムとを含む電力授受システムであって、
    前記電動車両は、
    前記無線電力伝送方式で送受電する送受電装置と、
    前記有線電力伝送方式での送受電口と、
    蓄電装置と、
    制御装置とを備え、
    前記制御装置は、
    前記蓄電装置と前記電気システムとの間の前記送受電口を経由した電力の授受が不能であるか否かを判断し、
    前記送受電口を経由した電力の授受が不能であると判断した場合、前記蓄電装置と前記電気システムとの間で前記送受電装置を経由して電力を授受するよう制御する、電力授受システム。
  6. 無線で電力を供給する無線電力伝送方式と、無線で電力を供給せず有線で電力を供給する有線電力伝送方式とで外部の電気システムと電力の授受が可能な電動車両における電力授受制御方法であって、
    前記電動車両は、
    前記無線電力伝送方式で送受電する送受電装置と、
    前記有線電力伝送方式での送受電口と、
    蓄電装置と、
    制御装置とを備え、
    前記電力授受制御方法は、
    前記制御装置が、前記蓄電装置と前記電気システムとの間の前記送受電口を経由した電力の授受が不能であるか否かを判断するステップと、
    前記制御装置が、前記送受電口を経由した電力の授受が不能であると判断した場合、前記蓄電装置と前記電気システムとの間で前記送受電装置を経由して電力を授受するよう制御するステップとを含む、電力授受制御方法。
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