JP2023032530A - 搬送システム - Google Patents
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Abstract
【課題】ボビンに関する詳細な情報を検出可能な搬送システムを提供する。【解決手段】搬送システムは、搬送路5と、ラインセンサユニット20と、CPUと、を備える。搬送路5は、糸を巻き取ってパッケージを形成する自動ワインダにボビン11を搬送する、又は、自動ワインダから排出されたボビン11を搬送する。ラインセンサユニット20は、光源22と、ラインセンサ23と、を備える。ラインセンサ23は、検出方向がボビン11の軸方向と一致するように配置されており、搬送路5により搬送されるボビンを検出する。CPUは、ラインセンサユニット20を制御する。【選択図】図2
Description
本発明は、主として、自動ワインダにボビンを搬送する搬送システムに関する。
特許文献1は、トレイに載せて搬送されるボビンの残糸を検出して処理する残糸処理システムを開示する。残糸処理システムは、精紡機と自動ワインダを接続するボビン搬送経路に設けられている。残糸処理システムは、第1糸量検出装置と、第2糸量検出装置と、第3糸量検出装置と、を備える。
第1糸量検出装置は、ボビンの外周面に沿うように縦方向にブラシを接触させ、ブラシに糸が引っ掛かった場合、ボビンに残糸があると判定する。第2糸量検出装置は、上下方向を回転軸として回転するフィーラにボビンを接触させ、ボビンによってフィーラが押されると残糸があると判定する。第3糸量検出装置は、受光器及び投光器を有する光電センサを備える。投光器と受光器を結ぶ光軸は、ボビンの表面から僅かな距離だけ離れた部分を通過するように、その位置が予め調整されている。従って、ボビンに残糸がある場合、その糸が光を遮ることになる。従って、受光器が検出した光に基づいて、残糸の位置を検出できる。
特許文献1の第3糸量検出装置では、投光器及び受光器が配置されている位置でしか残糸を検出できない。また、特許文献1の第3糸量検出装置では、ボビンに異常が発生していた場合でもその異常を検出できない可能性がある。
本発明は以上の事情に鑑みてされたものであり、その主要な目的は、ボビンに関する詳細な情報を検出可能な搬送システムを提供することにある。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
本発明の観点によれば、以下の構成の搬送システムが提供される。即ち、搬送システムは、搬送路と、ラインセンサユニットと、制御部と、を備える。前記搬送路は、糸を巻き取ってパッケージを形成する自動ワインダにボビンを搬送する、又は、前記自動ワインダから排出された前記ボビンを搬送する。前記ラインセンサユニットは、光源及びラインセンサユニットを含む。前記ラインセンサユニットは、検出方向が前記ボビンの軸方向と一致するように配置されており、前記搬送路により搬送されるボビンを検出する。前記制御部は、前記ラインセンサを制御する。
これにより、検出方向がボビンの軸方向と一致するので、ボビンの軸方向の広い範囲をラインセンサで検出することができる。そのため、ボビンに関する詳細な情報を検出することができる。
前記の搬送システムにおいては、前記ラインセンサの検出結果は、前記検出方向に並ぶ複数点の検出値で構成され、前記検出方向に垂直な方向の検出値が1点であることが好ましい。
これにより、シンプルな構成のラインセンサを用いてボビンを検出できる。
前記の搬送システムにおいては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、搬送システムは、前記ラインセンサの検出結果の基準となる基準情報を記憶する基準情報記憶部を備える。前記制御部は、前記搬送路により搬送される前記ボビンが前記ラインセンサの検出範囲から外れているときに当該ラインセンサが検出した検出結果と、前記基準情報と、を比較して比較結果を算出する。
これにより、ラインセンサの検出結果の正確さを把握できる。
前記の搬送システムにおいては、前記検出方向に並べて、少なくとも2つの前記ラインセンサが配置されることが好ましい。
これにより、ラインセンサをボビンに近づけることができるので、高い分解能を実現できる。
前記の搬送システムにおいては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、光源は、前記ボビンに可視光を照射するLEDで構成される。前記ラインセンサは、前記光源が可視光を照射した前記ボビンを検出する。
光源をLEDで構成することにより、省電力化が実現できるとともに、基板への組み込みが容易となる。
前記の搬送システムにおいては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、搬送システムは、前記光源及び前記ラインセンサを覆うカバーを備える。前記ボビンの搬送方向に対して水平面内で直交する方向を第1直交方向とする。前記搬送路によって搬送される前記ボビンを前記第1直交方向で挟むように、前記カバーが配置される。
これにより、外部からの光の影響を軽減できるので、ラインセンサの検出精度を高くできる。
前記の搬送システムにおいては、前記制御部は、前記搬送路により搬送されて移動中の前記ボビンを前記ラインセンサが検出するように前記ラインセンサユニットを制御することが好ましい。
これにより、ラインセンサによる検出処理のためにボビンを停止させる構成と比較して、残糸の検出に掛かる時間を短くできる。
前記の搬送システムにおいては、前記制御部は、前記ラインセンサによる前記ボビンの検出結果に基づいて、前記ボビンの残糸の有無を判定し、前記ボビンに残糸がある場合は残糸の位置を算出することが好ましい。
これにより、ラインセンサを用いることにより、ボビンの全体を検出できるので、残糸の検出精度を高くできる。
前記の搬送システムにおいては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、搬送システムは、前記ボビンの搬送方向において前記ラインセンサの下流に設けられており、前記ボビンの残糸を除去する除去装置を備える。前記制御部は、前記ボビンにおける残糸の位置情報を前記除去装置へ送信する。
これにより、除去装置は残糸の除去をより確実に行うことができる。
前記の搬送システムにおいては、前記光源は、前記ボビンに異なる色の可視光を照射可能である。
これにより、ボビンの色又は糸の色等に応じた適切な色の光を照射することにより、残糸の検出精度を高くできる。
前記の搬送システムにおいては、前記制御部は、前記ボビンに第1色の可視光を照射して前記ラインセンサで検出する第1検出と、前記ボビンに第2色の可視光を照射して前記ラインセンサで検出する第2検出と、を行うように前記ラインセンサユニットを制御することが好ましい。
これにより、仮にボビンの色又は糸の色が第1色に近い場合であっても、第2色の可視光を照射して得られた検出結果を用いることで、残糸の検出精度を高くできる。
前記の搬送システムにおいては、前記制御部は、前記第1検出と前記第2検出を連続して行うことが好ましい。
これにより、異なる色の光を照射したときの検出結果を連続して取得できる。
前記の搬送システムにおいては、前記制御部は、前記ボビンの外周面の色と、当該ボビンの外周面に巻かれた糸の色と、を比較することにより、前記ボビンの残糸の有無、及び、前記ボビンに残糸がある場合の残糸の位置を算出することが好ましい。
これにより、ボビンに関する情報を取得できる。
前記の搬送システムにおいては、前記制御部は、前記ボビンの軸方向の端部の色を前記ボビンの外周面の色として用いることが好ましい。
これにより、ボビンの外周面の色を略確実に取得できる。
前記の搬送システムにおいては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、搬送システムは、前記ボビンに関する情報であるボビン情報を記憶するボビン情報記憶部を備える。前記制御部は、前記ラインセンサの検出結果から算出される前記ボビン情報と、前記ボビン情報記憶部に記憶される前記ボビン情報と、を比較する。
これにより、搬送されるボビンに関する情報を取得できる。
前記の搬送システムにおいては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、前記ボビン情報は、前記ボビンの色、又は、前記ボビンの高さに関する情報である。前記制御部は、比較結果に基づいて異常の有無を判定する。
これにより、搬送されるボビンの異常を検出できる。
前記の搬送システムにおいては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、前記ボビン情報は、前記ボビンの色、及び、前記ボビンに巻かれた糸の色に関する情報を含む。前記制御部は、比較結果に基づいて前記ボビン及び前記ボビンに巻かれた糸が適切か否かを判定する。
これにより、搬送されるボビンと糸の組合せが適切か否かを判定できる。
前記の搬送システムにおいては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、前記自動ワインダとして第1自動ワインダと第2自動ワインダが設けられている。前記搬送路は、第1自動ワインダに前記ボビンを搬送する第1搬送経路と、前記第1搬送経路とは異なる搬送経路であって前記第2自動ワインダに前記ボビンを搬送する第2搬送経路と、に前記ボビンを搬送する。前記制御部は、前記ラインセンサの検出結果から算出される前記ボビン情報が第1基準条件を満たす前記ボビンのみを前記第1搬送経路に送る。
これにより、ボビンを分類して適切な搬送経路に搬送できる。
次に、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1に示すように、精紡ワインダ1は、精紡機2と、自動ワインダ3と、搬送システム4と、を備える。
搬送システム4は、ボビン11をセットしたトレイ12を搬送するための搬送路5を備える。搬送路5は、精紡機2と、自動ワインダ3と、を接続するとともに、ループ状に構成されており、トレイ12はボビン11を載せた状態で搬送路5内を循環するように構成されている。なお、以下の説明では、搬送路5におけるボビン11の流れに注目して、ボビン11の搬送方向上流側を単に「上流側」と、搬送方向下流側を単に「下流側」と、それぞれ称することがある。
以下の説明では、図1に示すように糸が全く巻かれていない給糸ボビンを空ボビン11aと呼び、糸が十分に巻かれた給糸ボビンを実ボビン11bと呼び、実ボビン11bから糸が解舒されて残っている状態の給糸ボビンを残糸ボビン11cと呼ぶ。
次に、図1等を参照して、精紡ワインダ1を構成する精紡機2及び自動ワインダ3について説明する。
精紡機2は、並べて配置された複数の精紡ユニット(図略)を備える。それぞれの精紡ユニットは、紡績を行って糸を生成し、供給される空ボビン11aに糸を巻き付けて実ボビン11bとし、この実ボビン11bを排出する。精紡機2は、搬送システム4から空ボビン11aを受け取り、搬送システム4へ実ボビン11bを送り出す。なお、搬送システム4へ実ボビン11bを送り出す装置としては、精紡機2に限られずパーツフィーダなどであってもよい。
自動ワインダ3は、並べて配置された複数のワインダユニット(図略)を備える。それぞれのワインダユニットは、搬送システム4から供給されたボビン11から糸を解舒して欠陥を監視し、欠陥が検出された場合には除去しながら、当該糸を巻き取って所定長のパッケージを形成する。自動ワインダ3によって糸が解舒されたボビン11は、搬送システム4へ排出される。
以上のように構成された精紡ワインダ1において、精紡機2によって糸を巻き付けられた実ボビン11bが自動ワインダ3に供給され、自動ワインダ3によって糸が解舒された空ボビン11aが精紡機2に供給される。これにより、精紡機2と自動ワインダ3の間でボビン11を循環させながら、糸の紡績からパッケージの形成までの一連の工程を精紡ワインダ1で完結させることができる。
次に、搬送システム4の構成について説明する。
搬送システム4は、ボビン11を搬送するための搬送路5を備える。搬送システム4は、図略のコンベア機構を備えており、トレイ12に載せたボビン11を、搬送路5に沿って搬送することができる。
搬送路5は、第1搬送路51と、第2搬送路52と、再処理用搬送路53と、処理済搬送路54と、戻し搬送路55と、残糸搬送路56と、滞留搬送路57と、を備える。
第1搬送路51の上流端は精紡機2に接続され、下流端は自動ワインダ3に接続されている。また、第1搬送路51の下流部分には、再処理用搬送路53の上流端が接続されている。
第1搬送路51から再処理用搬送路53が分岐する箇所のやや上流側には、ボビン11の糸端を解舒して当該糸端をボビン管の内部に配置する動作(以下、口出し)を行う第1糸端準備装置61が配置されている。
第1切換装置63は、第1搬送路51から再処理用搬送路53が分岐する箇所に配置されている。第1切換装置63は、上記の口出しが成功したか否かによって、ボビン11の搬送先を切り換える。即ち、口出しに成功したボビン11は自動ワインダ3に搬送され、口出しできなかったボビン11は再処理用搬送路53へ搬送される。
再処理用搬送路53の下流端は、処理済搬送路54及び戻し搬送路55に接続されている。処理済搬送路54は、自動ワインダ3に接続されている。再処理用搬送路53が処理済搬送路54と戻し搬送路55とに分岐する箇所のやや上流側には、第2糸端準備装置62と、第2切換装置66と、が配置されている。
なお、搬送路5は、第1搬送路51と再処理用搬送路53とを繋ぐように配置された滞留搬送路57を備える。第1搬送路51から滞留搬送路57が分岐する箇所には滞留切換装置68が配置されている。滞留切換装置68は口出しに関する処理が何らかの理由で滞っているためにボビン11が所定量以上滞留していることを図略のセンサで検知すると、ボビン11の搬送先を滞留搬送路57に切り換えて、第2糸端準備装置62によって口出しさせる。
第2切換装置66は、口出しに成功したボビン11を処理済搬送路54を経由して自動ワインダ3に搬送し、口出しできなかったボビン11を戻し搬送路55へ搬送する。第2搬送路52の上流端は自動ワインダ3に接続され、下流端は精紡機2に接続されている。また、第2搬送路52には、戻し搬送路55の下流端が接続される。
第2搬送路52は、主に、自動ワインダ3によって糸が全て解舒されて空ボビン11aとなったボビン11が搬送される。しかし、第2搬送路52には、空ボビン11aだけではなく、自動ワインダ3において糸の引出しに失敗したボビン11や、自動ワインダ3での巻取り中に何らかの理由で糸の解舒が不可能になったボビン11や、口出しに失敗して戻し搬送路55を経由して戻されたボビン11等も搬送される。
残糸ボビン11cには糸が残っているため、精紡機2によって糸を巻き付けることができない。このため、第2搬送路52の下流部分には、残糸ボビン11cを検出して処理するための残糸搬送路56が接続されている。第2搬送路52から残糸搬送路56が分岐する箇所のやや上流側には、ラインセンサユニット20と、第3切換装置67と、が配置されている。
ラインセンサユニット20は、ラインセンサを用いてボビン11を検出して、残糸の有無及び残糸の位置を算出する。図2に示すように、ラインセンサユニット20は、カバー21と、光源22と、2台のラインセンサ23と、基準プレート30と、を備える。
カバー21は、搬送路5を覆うトンネル状の部材である。カバー21は、ラインセンサ23がボビン11を検出する際の外部光の影響を軽減する。そのため、カバー21は遮光性を有する材料で構成されている。カバー21は、水平面内で搬送方向に直交する方向(第1直交方向)で搬送路5を挟むようにして配置された2つの壁部と、2つの壁部を上部で接続する天井部と、を備える。一方の壁部の内側の面には、光源22及び2つのラインセンサ23が設けられており、他方の壁部の内側の面には基準プレート30が設けられている。なお、カバー21の形状は一例であり、例えば搬送方向に垂直な面の一部を覆う壁部が更に設けられていてもよい。
光源22は、1又は複数のLEDが設けられたLED基板と、拡散板と、を備える。拡散板は例えばアクリル板であり、LEDが照射した光を高さ方向に拡散する。これにより、光源22は、高さ方向に広がる光を照射できる。また、光源22は、赤色、緑色、青色のLEDをそれぞれ備える。従って、光源22は、カバー21を通過するボビン11の全体に対して、赤色、緑色、青色、又はそれらを混合した色の高さ方向に広がる光を照射することができる。なお、複数色のLEDを設ける構成に代えて、白色光源と色フィルタを用いて複数色を照射可能な構成としてもよい。また、LEDに代えて、蛍光ランプ等の別の方式の光源を用いてもよい。また、光源22は後述するラインセンサ23と別構成となっているが、ラインセンサ23に組み込まれていてもよい。
ラインセンサ23は、線状の検出領域を有する。ラインセンサ23の検出方向は、高さ方向であり、言い換えればボビン11の軸方向である。ラインセンサ23の検出方向は、後述のイメージセンサ25の受光素子が並べられる方向である。ラインセンサ23の検出方向とボビン11の軸方向は理想的には一致しているが、ガタツキ又は寸法の精度等によって厳密に一致していないこともある。本明細書では、ラインセンサ23の検出方向とボビン11の軸方向が僅かに(数度程度)異なっていても、ラインセンサ23の検出方向とボビン11の軸方向が一致するとみなす。
ラインセンサ23は、検出方向に並べて配置されている。これにより、ラインセンサ23を1つ配置する構成と比較して、ラインセンサ23をボビン11に近づけることができる。その結果、ラインセンサ23を1つ配置する構成と比較して分解能を向上できるとともに、カバー21の大きさを低減できる。ラインセンサ23の配置としては、ラインセンサ23のそれぞれの検出領域の端部のみが重なるように配置してもよい。またラインセンサ23のそれぞれの検出領域の端部側が一部重複するように配置してもよい。
図3に示すように、ラインセンサユニット20は、2つのラインセンサ23と、CPU(制御部)26と、画像メモリ27と、通信部28と、記憶部(基準情報記憶部、ボビン情報記憶部)29と、を備える。ラインセンサ23は、光源22と、イメージセンサ25と、をそれぞれ備える。レンズ24を介して入射された光はイメージセンサ25によって検出されて電気信号に変更される。イメージセンサ25は、検出方向に一列に受光素子が並べられた構成である。本実施形態では、検出方向に直交する方向(幅方向)には受光素子は並べられていない。従って、ラインセンサ23の検出結果は、検出方向に並ぶ複数点の検出値で構成され、幅方向の検出値の数は1つである。ただし、実質的に線状の検出領域を有するのであれば、幅方向に複数の受光素子が並べられ、幅方向の検出値の数が複数であってもよい(この構成でもラインセンサに該当する)。なお、ラインセンサユニット20は、1つのラインセンサ23を備える構成であってもよいし、3つ以上のラインセンサ23を備える構成であってもよい。
CPU26は、それぞれのイメージセンサ25が出力した電気信号を画像データとして画像メモリ27に展開して、画像処理を行う。CPU26は、画像処理の結果を通信部28を介して、外部(例えば精紡ワインダ1を制御する制御装置)へ出力する。通信部28は、有線通信を行うためのコネクタ又は無線通信を行うためのアンテナ等である。記憶部29は、フラッシュメモリ又はSSD等であり、ラインセンサユニット20が行う制御に関する情報を記憶する。
CPU26は、図5に示す処理を行って、ボビン11の残糸の有無及び残糸の位置を算出する。初めに、CPU26は、ボビン11及び糸に関する設定を読み出して光源パターンを決定する(S101)。具体的には、CPU26は、精紡ワインダ1を制御する制御装置と通信して、ボビン11の情報(ボビン情報)を読み出す。ボビン情報は、具体的には、ボビン11の色及び高さである。更に、CPU26は、精紡ワインダ1を制御する制御装置と通信して、別のボビン情報(具体的にはボビンに巻かれた糸の情報)を受信して記憶する。糸の情報は、具体的には、糸の色である。
更に、CPU26は、ボビン11の色及び糸の色に基づいて、光源パターンを決定する。光源パターンとは、ボビン11の検出時に照らす光の色のパターンである。ボビン11に対して1回の検出を行う場合は、その際に用いる光源の色が光源パターンであり、ボビン11に対して複数回の検出を行う場合は、複数回の検出で用いる光源の色及び順序が光源パターンである。ボビン11の色と糸の色の組合せに応じて、最適な光源の色は異なる。例えば、予めボビン11の色と糸の色の組合せに応じて適切な光源の色を求めて記憶しておき、その情報に基づいて光源パターンを決定する方法が考えられる。本実施形態では、光源パターンは初めに照射する第1色の光と次に照射する第2色の光で構成されている。
なお、光の照射回数は1回であってもよいし、3回以上であってもよい。光を複数回照射する場合、同じ色の光が含まれていてもよい。また、色彩に代えて又は加えて光の強度を変化させてもよい。光源パターンを構成する色は2種類に限られず、1種類又は3種類以上であってもよい。また、ボビンの色及び糸の色に応じて光源パターンを設定する方法に代えて、常に同じ光源パターンを用いてもよい。あるいは、第1色の光を照射して残糸の有無及び/又は残糸の位置が算出できたか否かを判定し、算出できなかった場合に第2色の色を照射して残糸の有無及び/又は残糸の位置を算出してもよい。これにより、予め光源パターンを設定することなく適切な色を用いて残糸の有無及び残糸の位置を算出できる。本実施形態の光源22は、光の3原色のLEDを備えているため、それぞれの色の光の強度を異ならせることにより、様々な色を実現できる。
次に、CPU26は、ボビン検出タイミングが到来したか否かを判定する(S102)。カバー21のうち搬送方向の上流側の端部、又は、ラインセンサユニット20よりも搬送方向の上流側には、図略のボビン検出センサが設けられている。ボビン検出センサは、例えば光学式のセンサである。CPU26は、ボビン検出センサの検出結果に基づいて、ボビン11がラインセンサ23に到着するタイミング(即ち、ボビン検出タイミング)を算出する。
CPU26は、ボビン検出タイミングが到来したと判定した場合、光源22を制御して第1色の光を照射して、ラインセンサ23を制御してボビン11を検出する(S103、第1検出)。次に、CPU26は、光源22を制御して第2色の光を照射して、ラインセンサ23を制御してボビン11を検出する(S104、第2検出)。本実施形態では、搬送路5によりボビン11を搬送しながらラインセンサ23によりボビン11の検出を行うことで、ボビン11を停止させることなくボビン11を検出できる(即ち、移動中のボビン11を検出する)。ただし、ラインセンサ23の前でボビン11を停止させてから、ボビン11を検出してもよい。
次に、CPU26は、ステップS103,S104で検出して得られた検出結果に画像解析を行って、残糸の有無と残糸の位置を算出する(S105)。ラインセンサ23はモノクロのセンサであり、グレースケールの検出結果を生成する。その後、CPU26は、γ補正等の公知の処理を用いて画像処理を行うことにより、ボビン11の軸方向の位置と、それぞれの位置での検出値(例えば輝度)を対応付けたデータが得られる。例えば、ボビン11の外周面の色が暗色であり、糸が明色の場合は、図4に示すように、糸が存在する部分の検出値がボビンの外周面の輝度と比較して高くなる。従って、例えば閾値を設定し、検出値が閾値以上の部分に糸が存在すると判定することができる。
糸の位置を判定するための閾値は、予め定めた値であってもよいし、ボビン11の外周面の検出値に応じて変更してもよい。ボビン11の軸方向の両端には糸が巻かれることはない。従って、ボビン11の軸方向の両端の検出値は、ボビン11の外周面の検出値と推測できる。従って、ボビン11の外周面の検出値に所定値を加えた値を閾値としてもよい。
なお、ボビン11の外周面の色が明色であり、糸が暗色の場合は、検出値が閾値以下の部分に糸が存在すると判定することができる。このように、ボビン11の外周面の色と糸の色の明度に差異があれば、モノクロセンサの検出値に基づいて、両者を区別することができる。なお、モノクロセンサに代えてカラーセンサを用いてもよい。
以上により、ラインセンサユニット20は、ボビン11の残糸の有無及び残糸の位置を算出する。CPU26は、ボビン11に残糸が存在しなかった場合は、第3切換装置67を制御して、ボビン11を精紡機2へ搬送する(S107)。一方、CPU26は、ボビン11に残糸が存在していた場合は、第3切換装置67を制御して、ボビン11を残糸搬送路56へ搬送し(S108)、残糸の位置を除去装置73へ送信する(S109)。
残糸搬送路56の下流端は、第1搬送路51の上流部分に接続される。このため、残糸搬送路56に搬送された残糸ボビン11cには、上述のように口出し作業が行われる。
ここで、残糸搬送路56に搬送される残糸ボビン11cには、自動ワインダ3で巻取りができない程のごく僅かな量の残糸を有するものが含まれる。このような巻取不可能な残糸ボビン11cが第1搬送路51を経由して自動ワインダ3に供給されると、自動ワインダ3におけるパッケージの生産効率が低下してしまう。これを防止するために、残糸搬送路56には、残糸ボビン11cの糸量を検出する糸量検出装置72と、残糸を取り除くための除去装置73と、が設けられている。なお、糸量検出装置72を省略し、ラインセンサユニット20を用いて以下の方法で残糸ボビン11cの糸量を検出してもよい。即ち、ラインセンサユニット20を用いて残糸ボビン11cを短時間で連続して検出することにより、ボビン11に残糸が存在する場合は、ボビン11の外周面が検出されずに糸のみを検出することができる。例えば、検出領域にボビン11が存在しない状態からボビン11の外周面が検出されるまでラインセンサユニット20による検出を行う。これにより、ボビン11に残糸が存在する場合は、残糸が検出されてからボビン11の外周面が検出されるまでに時間差が生じる。糸量が多くなるほど、糸のみが検出される時間が長くなる。具体的な糸量は、ボビン11の搬送速度と、糸のみが検出され始めてから糸が検出されなくなるまでの時間と、に基づいて算出できる。
糸量検出装置72は、回転軸72aと、アーム72bと、接触部72cと、を備える。
回転軸72aは、上下方向に配置された丸棒状の部材であり、回転可能に支持されている。アーム72bは、回転軸72aから突出するように当該回転軸72aに取り付けられた棒状部材であり、残糸ボビン11cの長手方向に沿うように上方に曲げられた接触部72cを有している。接触部72cは、上下方向に一定の長さで形成されている。回転軸72aには図示しないバネが取り付けられており、このバネは、アーム72bの接触部72cを残糸ボビン11cに接近させる方向に付勢する。また、回転軸72aには図略のストッパが取り付けられている。このストッパは、除去装置73に搬送されてくる残糸ボビン11cのボビン管の表面に対して接触部72cが僅かな隙間を形成する位置で当該接触部72cが止まるように、バネの付勢力による回転軸72aの回転を規制することができる。
糸量検出装置72は、回転軸72aの回転を検出可能な図略のセンサを備えている。この構成で、残糸ボビン11cに巻き付けられている残糸の量が所定量以上である場合は、残糸ボビン11cが搬送される途中で当該残糸の糸層によって接触部72cが押されるので、回転軸72aがバネの付勢力に抗する向きに回転し、この回転が前記センサによって検出される。
除去装置73は、図6に示すように、ボビン把持装置91と、ボビン固定装置94と、を備える。除去装置73は、ラインセンサユニット20によって検知された残糸ボビン11cについて、当該残糸を取り除くことができる。
ボビン把持装置91は、図略のシリンダによって昇降可能に支持された抜取ヘッド92を備える。抜取ヘッド92には、残糸ボビン11cを差し込むことが可能な凹部92aが形成されている。
この抜取ヘッド92は、中心側(即ち、凹部92aに差し込まれた残糸ボビン11c側)に向けて突出可能な3つの把持爪93を備える。抜取ヘッド92にはシリンダ95が備えられており、このシリンダ95は、3つの把持爪93を内向きに突出させた状態と、突出を解除した状態と、に切り換えることができる。抜取ヘッド92下方に移動した後に3つの把持爪93を内向きに突出させ、その後に抜取ヘッド92を上方に移動させることにより、残糸ボビン11cを3方向から把持して残糸をボビン管から抜き取ることができる。
ボビン固定装置94は、シリンダ96と、固定部材97と、を備える。ボビン固定装置94は、シリンダ96を駆動することで、固定部材97によって残糸ボビン11cの上端を上側から押さえて固定することができる。
搬送システム4は、残糸を取り除く対象の残糸ボビン11cを除去装置73の下方の停止位置101で停止させる。除去装置73は、停止位置101にある残糸ボビン11cの残糸を取り除く場合、ステップS109でCPU26が送信した残糸位置に応じた高さまで抜取ヘッド92を下降させる。このとき、ボビン固定装置94は固定部材97を下降させて、ボビン11の先端部を上側から押さえて固定する。
そして、除去装置73は、ボビン把持装置91のシリンダ95を作動させることにより、把持爪93を内向きに突出させる。ここで、残糸位置に応じた高さまで抜取ヘッド92を下降させているため、残糸ボビン11cのうち残糸が存在する箇所の下側を把持爪93によって把持できる。特に、ボビン11の径は高さに応じて異なるため、残糸の除去に適した高さまで抜取ヘッド92を下降させることで、残糸を的確に除去できる。除去装置73は、固定部材97によって残糸ボビン11cの先端部を押さえたまま、抜取ヘッド92を上昇させる。これにより、残糸ボビン11cの残糸が除去される。
なお、ラインセンサユニット20が残糸の位置を除去装置73に送信する処理を省略してもよい。この場合、除去装置73は、把持爪93を残糸ボビン11cの下端部に位置させた後に、抜取ヘッド92を上昇させて残糸を除去する。あるいは、ラインセンサユニット20は、残糸の位置に加えて、残糸の引抜きを行う回数を除去装置73に送信してもよい。例えば、残糸が2箇所に離れて存在している場合は残糸の引抜きに失敗し易い。そのため、CPU26は、残糸の引抜きを2回行うように除去装置73に送信する。なお、例えば残糸がボビン11の全体に広がっている場合は残糸の引抜きが困難となり易い。この場合、CPU26は、残糸の引抜きを省略し、処理不能なボビン11として所定の位置に搬送するように制御を行ってもよい。
次に、ラインセンサユニット20を検査する方法について図8を参照して説明する。
CPU26は、検査タイミングが到来するか否かを判定しており(S201)、検査タイミングが到来したと判定した場合、上述のボビン検出タイミングか否かを判定する(S202)。ボビン検出時はラインセンサユニット20の検査ができない。
CPU26は、ボビン検出タイミングでない場合、所定の光を照射しつつ、基準プレート30を検出する(S203)。次に、CPU26は、基準プレート30の検出結果と基準情報とを比較して比較結果を算出する(S204)。基準情報とは、正常状態のラインセンサユニット20が基準プレート30の検出を行ったときの検出結果であり、予め作成されて記憶部29に記憶されている。基準プレート30は白色のプレートであるため、基準情報は、略一定の輝度で構成されるデータである。CPU26が算出する比較結果は、基準プレート30の検出結果と基準情報との差異である。この差異が大きい場合(例えば、何れかの画素において輝度の値が基準情報と閾値以上に異なる場合)、異常があると判定する(S205)。例えば、ラインセンサ23のレンズに汚れ又は風綿等が付着していたり、光源22が点灯しない等の異常を検出できる。CPU26は、異常があると判定した場合、異常があることを通知する。以上の通知方法は、例えば、音の発生、ランプの点灯、作業者端末への通知、管理者端末への通知等である。また、CPU26は、基準プレート30の検出結果と基準情報の差異が小さい場合(異常がないと判定した場合)、検出結果と基準情報の差異が小さくなるようにラインセンサユニット20の設定を補正する(ゼロ点補正を行う)。なお、本実施形態では、基準プレート30の検出結果と基準情報の比較結果は、異常判定と補正の両方に用いられるが、何れか一方のみに用いられてもよい。
本実施形態では、ラインセンサユニット20を用いてボビン11の残糸の有無と残糸の位置を検出するが、それに代えて又は加えて、以下の情報を検出してもよい。例えば、ラインセンサユニット20が取得する情報に基づいて、ボビン11の長さ、色、傾斜角度、及び上下向きを算出できる。ラインセンサユニット20による検出結果には、ボビン11とカバー21が含まれ、ボビン11とカバー21の色は異なるため、この検出結果に基づいてボビン11の長さを検出できる。更に、この検出結果に基づいて、ボビン11の色を検出できる。ラインセンサ23がモノクロセンサである場合は、詳細な色を特定することはできないが、他のボビン11の検出結果と比較することにより、他のボビン11と同じ色か異なる色かの判断を行うことができる。ボビン11の傾斜している場合、ラインセンサ23が連続的に検出するボビン11の長さが徐々に変化することとなる。この情報に基づいてボビン11の傾斜角度を検出できる。ボビン11は、下端に近づくにつれて径が大きくなる。従って、ボビン11の上下向きが正しい場合は、ラインセンサ23が連続的に検出するとボビン11の下部が検出され、ボビン11の上部が検出されないタイミングが存在するはずである。これが存在しない場合は、ボビン11の上下向きが誤っていると推測できる。またラインセンサ23が連続的に検出することにより、ボビン11の下部と上部の搬送方向の長さを検出することができる。この検出結果に基づいてボビン11の上下向きを推測できる。
以上の処理を行うことにより、ボビン11の異常を判定してもよい。つまり、予め、ボビン11の長さ及び色を設定して記憶部29にボビン情報として記憶しておき、ボビン情報とは異なるボビン11が検出された場合、そのボビン11を異常なボビン11として処理してもよい。ボビン11の異常に変えて又は加えて、ボビン11に巻かれた糸の異常を判定してもよい。上述したように、ラインセンサユニット20は、ボビン11に巻かれた糸の色を記憶している。そして、ラインセンサユニット20は、ボビン11のうち糸が存在する箇所(上端と下端以外の部分、例えば中央部)のラインセンサ23の検出結果と、記憶した糸の色と、を比較する。これにより、予め設定された糸が巻き付いているか否かを判定できる。更に、ラインセンサユニット20は、ボビン11のうち糸が存在しない箇所(上端又は下端)のラインセンサ23の検出結果と、予め設定されたボビン11の色と、を比較する。これにより、予め設定されたボビン11が用いられているか否かを判定できる。また、ボビン11の傾斜角度が閾値を超える場合も、そのボビン11を異常なボビン11として処理してもよい。
次に、ラインセンサユニット20を用いた別の例について図9を参照して説明する。
図9に示す搬送路5は、第1自動ワインダ3aと第2自動ワインダ3bとにボビン11を搬送する。第1自動ワインダ3aと第2自動ワインダ3bでは、異なる種類のパッケージが生成される。そのため、第1自動ワインダ3aに供給されるボビン11と、第2自動ワインダ3bに供給されるボビン11とは異なる(具体的には、ボビン11の長さ、ボビン11の色、ボビン11に巻かれた糸の色等が異なる)。
ラインセンサユニット20は、ボビン11を第1自動ワインダ3aに供給する第1搬送経路58と、ボビン11を第2自動ワインダ3bに供給する第2搬送経路59と、の分岐箇所の近傍かつ上流側に設けられている。ラインセンサユニット20は上記実施形態の処理を行うことにより、ボビン11に関する情報(ボビン11の長さ、ボビン11の色、ボビン11に巻かれた糸の色等)を検出することができる。また、第1自動ワインダ3aに供給されるボビン11の情報と、第2自動ワインダ3bに供給されるボビン11の情報と、は予め設定されて記憶部29等に記憶されている。ここでは、第1自動ワインダ3aに供給されるボビン11か否かを判定するための条件を第1基準条件と称する。
ラインセンサユニット20は、ボビン11の検出結果に基づいて切換装置69を制御することにより、第1基準条件を満たすボビン11を第1搬送経路58に搬送し、第1基準条件を満たさないボビン11(即ち、第2自動ワインダ3bで用いられるボビン11)を第2搬送経路59に搬送する。これにより複数種類のボビン11が搬送路5で搬送されていても、自動ワインダにあったボビン11を搬送できる。
以上に説明したように、搬送システム4は、搬送路5と、ラインセンサユニット20と、CPU26と、を備える。搬送路5は、糸を巻き取ってパッケージを形成する自動ワインダ3にボビン11を搬送する、又は、自動ワインダ3から排出されたボビン11を搬送する。ラインセンサユニットは、光源22と、ラインセンサ23と、を含む。ラインセンサ23は、検出方向がボビン11の軸方向と一致するように配置されており、搬送路5により搬送されるボビンを検出する。CPU26は、ラインセンサ23を制御する。
これにより、検出方向がボビン11の軸方向と一致するので、ボビン11の軸方向の広い範囲をラインセンサ23で検出することができる。そのため、ボビン11に関する詳細な情報を検出することができる。
また、上記実施形態の搬送システム4において、ラインセンサ23の検出結果は、検出方向に並ぶ複数点の検出値で構成され、検出方向に垂直な方向の検出値が1点である。
これにより、シンプルな構成のラインセンサ23を用いてボビン11を検出できる。
また、上記実施形態の搬送システム4は、ラインセンサ23の検出結果の基準となる基準情報を記憶する記憶部29を備える。CPU26は、搬送路5により搬送されるボビン11がラインセンサ23の検出範囲から外れているときに当該ラインセンサ23が検出した検出結果と、基準情報と、を比較して比較結果を算出する。
これにより、ラインセンサ23の検出結果の正確さを把握できる。
また、上記実施形態の搬送システム4は、検出方向に並べて、少なくとも2つのラインセンサ23が配置される。
これにより、ラインセンサ23をボビン11に近づけることができるので、高い分解能を実現できる。
また、上記実施形態の光源22は、ボビン11に可視光を照射するLEDで構成される。ラインセンサ23は、光源22が可視光を照射したボビン11を検出する。
光源22をLEDで構成することにより、省電力化が実現できるとともに、基板への組み込みが容易となる。
また、上記実施形態の搬送システム4は、光源22及びラインセンサ23を覆うカバー21を備える。ボビン11の搬送方向に対して水平面内で直交する方向を第1直交方向とする。搬送路5によって搬送されるボビン11を第1直交方向で挟むように、カバー21が配置される。
これにより、外部からの光の影響を軽減できるので、ラインセンサ23の検出精度を高くできる。
また、上記実施形態の搬送システム4において、CPU26は、搬送路5により搬送されて移動中のボビン11をラインセンサ23が検出するようにラインセンサユニット20を制御する。
これにより、ラインセンサ23の検出のためにボビン11を停止させる構成と比較して、残糸の検出に掛かる時間を短くできる。
また、上記実施形態の搬送システム4は、CPU26は、ラインセンサ23によるボビン11の検出結果に基づいて、ボビン11の残糸の有無を判定し、ボビン11に残糸がある場合は残糸の位置を算出する。
これにより、ラインセンサ23を用いることにより、ボビン11の全体を検出できるので、残糸の検出精度を高くできる。
また、上記実施形態の搬送システム4は、ボビン11の搬送方向においてラインセンサ23の下流に設けられており、ボビン11の残糸を除去する除去装置73を備える。CPU26は、ボビン11における残糸の位置情報を除去装置73へ送信する。
これにより、除去装置73は残糸の除去をより確実に行うことができる。
また、上記実施形態の光源22は、ボビン11に異なる色の可視光を照射可能である。
これにより、ボビン11の色又は糸の色等に応じた適切な色の光を照射することにより、残糸の検出精度を高くできる。
また、上記実施形態の搬送システム4において、CPU26は、ボビン11に第1色の可視光を照射してラインセンサ23で検出する第1検出と、ボビン11に第2色の可視光を照射してラインセンサ23で検出する第2検出と、を行うようにラインセンサユニット20を制御する。
これにより、仮にボビン11の色又は糸の色が第1色に近い場合であっても、第2色の可視光を照射して得られた検出結果を用いることで、残糸の検出精度を高くできる。
また、上記実施形態の搬送システム4は、CPU26は、第1検出と第2検出を連続して行う。
これにより、異なる色の光を照射したときの検出結果を連続して取得できる。
また、上記実施形態の搬送システム4において、CPU26は、ボビン11の外周面の色と、当該ボビン11の外周面に巻かれた糸の色と、を比較することにより、ボビン11の残糸の有無、及び、ボビン11に残糸がある場合の残糸の位置を算出する。
これにより、ボビンに関する情報を取得できる。
また、上記実施形態の搬送システム4において、CPU26は、ボビン11の軸方向の端部の色をボビン11の外周面の色として用いる。
これにより、ボビン11の外周面の色を略確実に取得できる。
また、上記実施形態の搬送システム4は、ボビン11に関する情報であるボビン情報を記憶する記憶部29を備える。CPU26は、ラインセンサ23の検出結果から算出されるボビン情報と、記憶部29に記憶されるボビン情報と、を比較する。
これにより、搬送されるボビン11に関する情報を取得できる。
また、上記実施形態の搬送システム4において、ボビン情報は、ボビン11の色、又は、ボビン11の高さに関する情報である。CPU26は、比較結果に基づいて異常の有無を判定する。
これにより、搬送されるボビン11の異常を検出できる。
また、上記実施形態の搬送システム4において、ボビン情報は、ボビン11の色、及び、ボビン11に巻かれた糸の色に関する情報を含む。CPU26は、比較結果に基づいてボビン11及びボビン11に巻かれた糸が適切か否かを判定する。
これにより、搬送されるボビン11と糸の組合せが適切か否かを判定できる。
また、図9に示す搬送システム4は、第1自動ワインダ3aと第2自動ワインダ3bにボビン11を搬送する。搬送路5は、第1自動ワインダ3aにボビン11を搬送する第1搬送経路58と、第1搬送経路58とは異なる搬送経路であって第2自動ワインダ3bにボビン11を搬送する第2搬送経路59と、にボビン11を搬送する。CPU26は、ラインセンサ23の検出結果から算出されるボビン情報が第1基準条件を満たすボビン11のみを第1搬送経路58に送る。
これにより、ボビン11を分類して適切な搬送経路に搬送できる。
以上に本発明の好適な実施の形態を説明したが、上記の構成は例えば以下のように変更することができる。
上記実施形態で示したフローチャートは一例であり、一部の処理を省略したり、一部の処理の内容を変更したり、新たな処理を追加したりしてもよい。例えば、図5に示すフローチャートにおいて、ボビン検出タイミングか否かの判定を省略してもよい。この場合、ラインセンサ23は所定間隔で検出を行い、ボビン11を検出した場合はステップS105以降の処理を行う。
上記実施形態のラインセンサユニット20は、ボビン11の残糸の有無と残糸の位置を検出することに加えて、ボビン11の異常を検出する。これに代えて、ラインセンサユニット20は、ボビン11の異常のみを検出する構成であってもよい。この場合、ラインセンサユニット20は、精紡機2又は自動ワインダ3の領域に設けられてもよい。
1 精紡ワインダ
3 自動ワインダ
4 搬送システム
5 搬送路
20 ラインセンサユニット
21 カバー
22 光源
23 ラインセンサ
3 自動ワインダ
4 搬送システム
5 搬送路
20 ラインセンサユニット
21 カバー
22 光源
23 ラインセンサ
Claims (18)
- 糸を巻き取ってパッケージを形成する自動ワインダにボビンを搬送する、又は、前記自動ワインダから排出された前記ボビンを搬送する搬送路と、
光源、及び、検出方向が前記ボビンの軸方向と一致するように配置されており、前記搬送路により搬送されるボビンを検出するラインセンサを含むラインセンサユニットと、
前記ラインセンサユニットを制御する制御部と、
を備えることを特徴とする搬送システム。 - 請求項1に記載の搬送システムであって、
前記ラインセンサの検出結果は前記検出方向に並ぶ複数点の検出値で構成され、前記検出方向に垂直な方向の検出値が1点であることを特徴とする搬送システム。 - 請求項1又は2に記載の搬送システムであって、
前記ラインセンサの検出結果の基準となる基準情報を記憶する基準情報記憶部を備え、
前記制御部は、前記搬送路により搬送される前記ボビンが前記ラインセンサの検出範囲から外れているときに当該ラインセンサが検出した検出結果と、前記基準情報と、を比較して比較結果を算出することを特徴とする搬送システム。 - 請求項1から3までの何れか一項に記載の搬送システムであって、
前記検出方向に並べて、少なくとも2つの前記ラインセンサが配置されることを特徴とする搬送システム。 - 請求項1から4までの何れか一項に記載の搬送システムであって、
前記光源は、前記ボビンに可視光を照射するLEDで構成され、
前記ラインセンサは、前記光源が可視光を照射した前記ボビンを検出することを特徴とする搬送システム。 - 請求項5に記載の搬送システムであって、
前記光源及び前記ラインセンサを覆うカバーを備え、
前記ボビンの搬送方向に対して水平面内で直交する方向を第1直交方向とし、
前記搬送路によって搬送される前記ボビンを前記第1直交方向で挟むように、前記カバーが配置されることを特徴とする搬送システム。 - 請求項1から6までの何れか一項に記載の搬送システムであって、
前記制御部は、前記搬送路により搬送されて移動中の前記ボビンを前記ラインセンサが検出するように前記ラインセンサユニットを制御することを特徴とする搬送システム。 - 請求項1から7までの何れか一項に記載の搬送システムであって、
前記制御部は、前記ラインセンサによる前記ボビンの検出結果に基づいて、前記ボビンの残糸の有無を判定し、前記ボビンに残糸がある場合は残糸の位置を算出することを特徴とする搬送システム。 - 請求項8に記載の搬送システムであって、
前記ボビンの搬送方向において前記ラインセンサの下流に設けられており、前記ボビンの残糸を除去する除去装置を備え、
前記制御部は、前記ボビンにおける残糸の位置情報を前記除去装置へ送信することを特徴とする搬送システム。 - 請求項8又は9に記載の搬送システムであって、
前記光源は、前記ボビンに異なる色の可視光を照射可能であることを特徴とする搬送システム。 - 請求項8から10までの何れか一項に記載の搬送システムであって、
前記制御部は、前記ボビンに第1色の可視光を照射して前記ラインセンサで検出する第1検出と、前記ボビンに第2色の可視光を照射して前記ラインセンサで検出する第2検出と、を行うように前記ラインセンサユニットを制御することを特徴とする搬送システム。 - 請求項11に記載の搬送システムであって、
前記制御部は、前記第1検出と前記第2検出を連続して行うことを特徴とする搬送システム。 - 請求項8から12までの何れか一項に記載の搬送システムであって、
前記制御部は、前記ボビンの外周面の色と、当該ボビンの外周面に巻かれた糸の色と、を比較することにより、前記ボビンの残糸の有無、及び、前記ボビンに残糸がある場合の残糸の位置を算出することを特徴とする搬送システム。 - 請求項13に記載の搬送システムであって、
前記制御部は、前記ボビンの軸方向の端部の色を前記ボビンの外周面の色として用いることを特徴とする搬送システム。 - 請求項1から14までの何れか一項に記載の搬送システムであって、
前記ボビンに関する情報であるボビン情報を記憶するボビン情報記憶部を備え、
前記制御部は、前記ラインセンサの検出結果から算出される前記ボビン情報と、前記ボビン情報記憶部に記憶される前記ボビン情報と、を比較することを特徴とする搬送システム。 - 請求項15に記載の搬送システムであって、
前記ボビン情報は、前記ボビンの色、又は、前記ボビンの高さに関する情報を含み、
前記制御部は、比較結果に基づいて異常の有無を判定することを特徴とする搬送システム。 - 請求項15又は16に記載の搬送システムであって、
前記ボビン情報は、前記ボビンの色、及び、前記ボビンに巻かれた糸の色に関する情報を含み、
前記制御部は、比較結果に基づいて前記ボビン及び前記ボビンに巻かれた糸が適切か否かを判定することを特徴とする搬送システム。 - 請求項15から17までの何れか一項に記載の搬送システムであって、
前記自動ワインダとして第1自動ワインダと第2自動ワインダが設けられており、
前記搬送路は、前記第1自動ワインダに前記ボビンを搬送する第1搬送経路と、前記第1搬送経路とは異なる搬送経路であって前記第2自動ワインダに前記ボビンを搬送する第2搬送経路と、に前記ボビンを搬送し、
前記制御部は、前記ラインセンサの検出結果から算出される前記ボビン情報が第1基準条件を満たす前記ボビンのみを前記第1搬送経路に送ることを特徴とする搬送システム。
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