JP2023031471A - 空間浄化システム - Google Patents

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Abstract

【課題】空気中に放出される次亜塩素酸の量を調節しやすくできる技術を提供する。【解決手段】空間浄化システム100は、混合槽92に次亜塩素酸水を供給する次亜塩素酸水供給部36と、混合槽92に水を供給する水供給部50と、混合槽92の水位を検知する水位センサ90と、混合槽92に貯められた次亜塩素酸水と水との混合水を微細化して空気中に放出する空気浄化部11と、供給処理、並びに、混合水の排水処理を制御する空気浄化制御部41とを備える。空気浄化制御部41は、次亜塩素酸水供給部36による次亜塩素酸水の供給を所定時間ごとに行う第一制御と、水位センサ90からの混合槽92の水位に関する情報に基づいて水供給部50による水の供給を行う第二制御とをそれぞれ実行させ、排水処理として、空気浄化部11における積算加湿量に基づいて、混合槽92が貯留する混合水を排水する第三制御を実行させる。【選択図】図1

Description

本発明は、水を微細化し、吸い込んだ空気にその微細化した水を含ませて吹き出すとともに、微細化した水に浄化成分を含ませて放出する空間浄化装置に関するものである。
従来、この種の空間浄化装置として、屋内に供給する空気を浄化成分が含まれた気液接触部材部に接触させて放出することで空間を除菌する空気調和システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
そして、こうした従来の空間浄化装置では、一般的に、微細化された水の放出に加えて、装置内に貯水された水(浄化成分を含ませた水)は、微細化動作に伴って一部の浄化成分を含ませた水及び浄化成分が気化され、空間に放出される。
特開2009-133521号公報
しかしながら、従来の空間浄化システムでは、屋内空間に要求される加湿量の少ない状況、例えば日本の夏場(特に梅雨時期)に、空調機等で除湿された相対湿度の高い空気(例えば12℃95%)が通風される場合においては、微細化された浄化成分を含む水(次亜塩素酸水)が気化されにくいために、浄化成分(次亜塩素酸)が気化されず、屋内空間に浄化成分が放出されなくにくくなる。一方、要求される加湿量の多い状況、例えば日本の冬場に、温められた相対湿度の低い空気(例えば20℃30%)が通風される場合においては、微細化された浄化成分を含む水が気化されやすいために、屋内空間に浄化成分が多量に放出されてしまう。つまり、従来の空間浄化装置では、屋内空間(空気中)に放出される浄化成分の量を調節することが容易ではないという課題があった。
そこで本発明は、上記従来の課題を解決するものであり、空気中に放出される浄化成分の量を調節しやすくできる技術を提供することを目的とする。
そして、この目的を達成するために、本発明に係る空間浄化システムは、次亜塩素酸水を生成する次亜塩素酸水生成部と、次亜塩素酸水生成部から混合槽に次亜塩素酸水を供給する次亜塩素酸水供給部と、混合槽に水を供給する水供給部と、混合槽の水位を検知するための水位センサと、混合槽に貯められた次亜塩素酸水と水との混合水を微細化して空気中に放出する加湿浄化部と、次亜塩素酸水供給部及び水供給部における供給処理、並びに、混合槽に貯留される混合水の排水処理を制御する制御部とを備える。制御部は、供給処理として、次亜塩素酸水供給部による次亜塩素酸水の供給を所定時間ごとに行う第一制御と、水位センサからの混合槽の水位に関する情報に基づいて水供給部による水の供給を行う第二制御とをそれぞれ実行させ、排水処理として、加湿浄化部における積算加湿量に基づいて、混合槽が貯留する混合水を排水する第三制御を実行させるものであり、これにより所期の目的を達成するものである。
本発明に係る空間浄化システムによれば、空気中に放出される浄化成分の量を調節しやすくできる。
図1は、本発明の実施の形態1に係る空間浄化システムの構成を示す図である。 図2は、制御部の構成を示すブロック図である。 図3は、空間浄化システムにおける水量、次亜塩素酸水濃度、及び次亜塩素酸濃度の経時変化(冬場:第一例)を示す概略図である。 図4は、空間浄化システムにおける水量、次亜塩素酸水濃度、及び次亜塩素酸濃度の経時変化(夏場:第二例)を示す概略図である。 図5は、空間浄化システムにおける水量、次亜塩素酸水濃度、及び次亜塩素酸濃度の経時変化(夏場:第三例)を示す概略図である。
本発明に係る空間浄化システムは、次亜塩素酸水を生成する次亜塩素酸水生成部と、次亜塩素酸水生成部から混合槽に次亜塩素酸水を供給する次亜塩素酸水供給部と、混合槽に水を供給する水供給部と、混合槽の水位を検知するための水位センサと、混合槽に貯められた次亜塩素酸水と水との混合水を微細化して空気中に放出する加湿浄化部と、次亜塩素酸水供給部及び水供給部における供給処理、並びに、混合槽に貯留される混合水の排水処理を制御する制御部とを備える。制御部は、供給処理として、次亜塩素酸水供給部による次亜塩素酸水の供給を所定時間ごとに行う第一制御と、水位センサからの混合槽の水位に関する情報に基づいて水供給部による水の供給を行う第二制御とをそれぞれ実行させ、排水処理として、加湿浄化部における積算加湿量に基づいて、混合槽が貯留する混合水を排水する第三制御を実行させる。
このようにすることで、日本の夏場のように、相対湿度の高い空気が通風される場合においては、混合槽に溜められた混合水の消費量が少ないため、混合槽への次亜塩素酸水の供給頻度(第一制御を行う回数)が多くなり、混合槽内における混合水の次亜塩素酸濃度が高い状態で、混合水を微細化して空気中に放出される。また、混合槽に溜められた混合水の消費量が少ないため、混合水の排水の頻度(第三制御を行う回数)が少なくなり、混合槽内における混合水の次亜塩素酸濃度が高い状態に維持される。この結果、微細化された次亜塩素酸水が気化されにくい状況であっても、所定濃度に高めた次亜塩素酸を空気に含ませて屋内空間に放出させることができる。一方、日本の冬場のように、相対湿度の低い空気が通風される場合においては、混合槽に溜められた混合水の消費量が多いため、混合槽への水の供給頻度(第二制御を行う回数)が多くなり、混合槽内における混合水の次亜塩素酸濃度が低い状態で、混合水を微細化して空気中に放出される。また、混合槽に溜められた混合水の消費量が多いため、混合槽内の混合水の排水の頻度(第三制御を行う回数)が多くなり、混合水の次亜塩素酸濃度が高まりすぎるのを抑制することができる。この結果、微細化された次亜塩素酸水が気化されやすい状況であっても、所定濃度に薄まった次亜塩素酸を空気に含ませて屋内空間に放出させることができる。つまり、空間浄化システムでは、空気中に放出される次亜塩素酸の量を調節しやすくすることができる。
また、本発明に係る空間浄化システムでは、制御部は、積算加湿量が基準量以上となった場合に、第三制御を実行させることが好ましい。これにより、空間浄化システムは、加湿浄化部における加湿量に基づいて混合槽に貯留する次亜塩素酸水の濃度を容易に調整することができる。
また、本発明に係る空間浄化システムでは、積算加湿量は、第一制御及び第二制御の実行回数に基づいて算出されることが好ましい。これにより、空間浄化システムは、積算加湿量を簡易的に算出することができ、第三制御の制御性を向上させることができる。
また、本発明に係る空間浄化システムでは、制御部は、第一制御を行った回数が基準回数となった場合に、第三制御を実行させることが好ましい。これにより、空間浄化システムでは、長時間運転(例えば24時間)する場合にも、混合槽内の次亜塩素酸水濃度が高まりすぎる前に、混合槽が貯留する混合水を排水する第三制御を実行させることで、混合槽内の状態を運転初期の状態に戻すことができる。つまり、空間浄化システムは、空気中に放出される次亜塩素酸の量を調節しやすくすることができる。
また、本発明に係る空間浄化システムでは、制御部は、第三制御を、第一制御または第二制御を実行する直前に実行させることが好ましい。これにより、空間浄化システムでは、第一制御によって混合槽に次亜塩素酸が供給された直後、あるいは、第二制御によって水が供給された直後に第三制御による排水が行われることがなくなるので、第一制御によって供給された次亜塩素酸水あるいは第二制御によって供給された水を最大限長く使い続け、第三制御での排水による無駄を減らすことができる。
また、本発明に係る空間浄化システムでは、制御部は、供給処理において、加湿浄化部に要求される加湿要求量が第一基準値以上である場合、第一制御を行う回数が第二制御を行う回数よりも少なくなるように制御し、加湿要求量が第一基準値未満である場合、第一制御を行う回数が第二制御を行う回数よりも多くなるようになるように制御することが好ましい。これにより、空間浄化システムでは、供給処理において、加湿要求量が第一基準値未満である場合に、混合槽内の次亜塩素酸濃度が高い状態で、混合水を微細化して空気中に放出させることができる。一方、加湿要求量が第一基準値以上である場合に、混合槽内の次亜塩素酸濃度が低い状態で、混合水を微細化して空気中に放出させることができる。つまり、空間浄化装置では、加湿要求量に基づいて、屋内空間の環境に好適な条件で、加湿浄化部から放出される空気に次亜塩素酸を付与することができる。
以下、本発明を実施するための形態について添付図面を参照して説明する。なお、以下の実施の形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。また、全図面を通して、同一の部位については同一の符号を付して説明を省略している。さらに、本発明に直接には関係しない各部の詳細については重複を避けるために、図面ごとの説明は省略している。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る空間浄化システム100の構成を示す図である。空間浄化システム100は、屋内空間18の空気を循環させる際に、屋内空間18からの空気8(RA)に対して必要に応じて冷却処理(除湿処理)または加熱処理を行うとともに、内部を流通する空気8に対して微細化された水とともに空気浄化を行う成分(以下、単に「空気浄化成分」という)を含ませる装置である。空間浄化システム100は、内部を流通した空気9(SA)を屋内空間18に供給することで、屋内空間18の殺菌と消臭を行う。ここでは、空気浄化成分として次亜塩素酸が用いられ、空気浄化成分を含む水は次亜塩素酸水である。
空間浄化システム100は、図1に示すように、主として、空間浄化装置10、空気調和装置15、及び次亜塩素酸水生成部30を有して構成される。
空間浄化装置10は、吹出口3、空気浄化部11、及び空気浄化制御部41を含む。空気調和装置15は、吸込口2、送風機13、冷媒コイル14、及び空気調和制御部42を含む。空間浄化装置10と空気調和装置15のそれぞれは、装置の外枠を構成する筐体を有し、空間浄化装置10と空気調和装置15とは、ダクト24により接続される。また、空気調和装置15の側面に吸込口2が形成され、空間浄化装置10の側面に吹出口3が形成される。
吸込口2は、屋内空間18からの空気8を空気調和装置15に取り入れる取入口である。吸込口2は、屋内空間18の天井等に設けられた屋内吸込口16aとの間でダクト16を介して連通されている。これにより、吸込口2は、屋内吸込口16aから空気調和装置15内に屋内空間18の空気を吸い込むことができる。
吹出口3は、空間浄化装置10内を流通した空気9(SA)を屋内空間18に吐き出す吐出口である。吹出口3は、屋内空間18の天井等に設けられた屋内吹出口17aとの間でダクト17を介して連通されている。これにより、吹出口3は、屋内吹出口17aから屋内空間18に向けて、空間浄化装置10内を流通した空気9を吹き出すことができる。
また、空気調和装置15と空間浄化装置10の内部には、ダクト24を介して吸込口2と吹出口3とを連通する風路(前段風路4、中段風路5、後段風路6)が構成されている。前段風路4は、吸込口2に隣接する風路である。前段風路4には、送風機13及び冷媒コイル14が設けられている。
中段風路5は、前段風路4(ダクト24)に隣接した位置において、前段風路4を流通した空気8が流通する風路である。中段風路5には、その風路内に空気浄化部11が設けられている。
後段風路6は、吹出口3に隣接する風路であり、後段風路6では、中段風路5を流通した空気8が空気浄化部11を流通し微細化された水とともに次亜塩素酸を含んだ空気9となる。
空気調和装置15と空間浄化装置10では、吸込口2から吸い込まれた空気8は、前段風路4を流通し、中段風路5及び後段風路6を流通し、空気9として吹出口3から吹き出される。
空気調和装置15の送風機13は、屋内空間18の空気8(RA)を吸込口2から空気調和装置15内に搬送するための装置である。送風機13は、前段風路4内において、冷媒コイル14の上流側に設置されている。送風機13では、空気調和制御部42からの送風出力情報に応じて運転動作のオン/オフが制御される。送風機13が運転動作することにより、屋内空間18の空気8は、空気調和装置15に取り込まれて冷媒コイル14に向かう。
冷媒コイル14は、前段風路4内において、送風機13の下流側に配置され、導入される空気8を冷却または加熱するための部材である。冷媒コイル14は、空気調和制御部42からの出力信号に応じて出力状態(冷却、加熱またはオフ)を変化させ、導入される空気8に対する冷却能力(冷却量)または加熱能力(加熱量)を調整する。冷媒コイル14では、導入される空気8を冷却すると、導入された空気8の除湿がなされることになるので、空気8に対する冷却能力(冷却量)は、空気8に対する除湿能力(除湿量)ともいえる。
冷媒コイル14は、圧縮機と放熱器と膨張器と吸熱器とを含んで構成される冷凍サイクルにおいて、吸熱器または放熱器として機能し、室外機20から導入される冷媒が内部を流通する際に吸熱(冷却)または放熱(加熱)するように構成されている。より詳細には、冷媒コイル14は、冷媒が流れる冷媒回路21を介して室外機20と接続されている。室外機20は、屋外空間19に設置される室外ユニットであり、圧縮機20aと、膨張器20bと、屋外熱交換器20cと、送風ファン20dと、四方弁20eとを有する。室外機20には、一般的な構成のものを用いるので、各機器(圧縮機20a、膨張器20b、屋外熱交換器20c、送風ファン20d、及び四方弁20e)の詳細な説明は省略する。
冷媒コイル14を含む冷凍サイクルには、四方弁20eが接続されているので、空気調和装置15では、四方弁20eによって第一方向に冷媒が流通して空気(空気8)を冷却して除湿する冷却モード(除湿モード)の状態と、四方弁20eによって第二方向に冷媒が流通して空気(空気8)に対して加熱を行う加熱モードの状態とを切り替え可能である。
ここで、第一方向は、圧縮機20aと屋外熱交換器20cと膨張器20bと冷媒コイル14とをこの順序で冷媒が流通する方向である。また、第二方向は、圧縮機20aと冷媒コイル14と膨張器20bと屋外熱交換器20cとをこの順序で冷媒が流通する方向である。冷媒コイル14では、導入される空気(空気8)に対して冷却または加熱することが可能である。
空間浄化装置10の空気浄化部11は、内部に取り入れた空気8を加湿するためのユニットであり、加湿の際に、空気に対して微細化された水とともに次亜塩素酸を含ませる。より詳細には、空気浄化部11は、混合槽92、水位センサ90、加湿モータ11a、及び加湿ノズル11bを有している。空気浄化部11は、加湿モータ11aを用いて加湿ノズル11bを回転させ、空気浄化部11の混合槽92に貯留されている次亜塩素酸水を遠心力で吸い上げて周囲(遠心方向)に飛散・衝突・破砕させ、通過する空気に水分を含ませる遠心破砕式の構成をとる。空気浄化部11は、空気浄化制御部41からの出力信号に応じて加湿モータ11aの回転数(以下、回転出力値)を変化させ、加湿能力(加湿量)を調整する。加湿量は、空気に対して次亜塩素酸を付加する付加量ともいえる。なお、空気浄化部11は、請求項の「加湿浄化部」に相当する。
水位センサ90は、混合槽92に貯留される次亜塩素酸水の水位を計測し、計測値を空気浄化制御部41に出力する。より詳細には、水位センサ90は、混合槽92に貯留される次亜塩素酸水の水位として、混合槽92が渇水状態となる水位、混合槽92が満水状態となる水位、及び混合槽92が基準水量となる水位をそれぞれ計測し、計測値を水位情報として空気浄化制御部41に出力する。なお、基準水量は、混合槽92の容量の約5/6の状態での水量である。 混合槽92は、空気浄化部11において次亜塩素酸水を貯留する槽であり、貯水部とも言える。混合槽92では、後述する次亜塩素酸水供給部36から供給される所定濃度の次亜塩素酸水と、後述する水供給部50から供給される水とを槽内で混合し、希釈された次亜塩素酸水からなる混合水として貯留する。なお、混合槽92内に貯留される次亜塩素酸水(混合水)は、空気浄化制御部41からの出力信号に応じて動作する排水部60によって、混合槽92から外部に排出可能になっている。
次亜塩素酸水生成部30は、電解槽31、電極32、電磁弁33、塩水タンク34、塩水搬送ポンプ35、水位センサ39、及び次亜塩素酸水供給部36を含む。
塩水タンク34は、塩水を貯めており、空気浄化制御部41からの出力信号に応じて、塩水搬送ポンプ35を介して電解槽31に塩水を供給する。電解槽31は、塩水タンク34から供給された電気分解対象である塩水を貯める。電解槽31には、空気浄化制御部41からの出力信号に応じて、水道等の給水管から電磁弁33を介して水道水も供給され、供給された水道水と塩水とが混合され、予め定められた濃度の塩水が貯められる。電極32は、電解槽31内に配置され、空気浄化制御部41からの出力信号に応じて通電により塩水の電気分解を所定時間行い、予め定められた濃度の次亜塩素酸水を生成する。つまり、電解槽31は、一対の電極間で、電解質として塩化物水溶液(例えば、塩化ナトリウム水溶液)を電気分解することで次亜塩素酸水を生成する。電解槽31には、一般的な装置が使用されるので、詳細な説明は省略する。ここで、電解質は、次亜塩素酸水を生成可能な電解質であり、少量でも塩化物イオンを含んで入れば特に制限はなく、例えば、溶質として塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム等を溶解した水溶液が挙げられる。また、塩酸でも問題ない。本実施の形態では、電解質として、水に対して塩化ナトリウムを加えた塩化ナトリウム水溶液(塩水)を使用している。
水位センサ39は、電解槽31内の水位を計測し、計測値を空気浄化制御部41に出力する。
次亜塩素酸水供給部36は、空気浄化制御部41からの出力信号に応じて、電解槽31から空気浄化部11の混合槽92に次亜塩素酸水を供給する。次亜塩素酸水供給部36は、次亜塩素酸水搬送ポンプ37と送水管38とを有する。次亜塩素酸水搬送ポンプ37は、空気浄化制御部41からの出力信号に応じて、電解槽31の次亜塩素酸水を送水管38に送り出す。送水管38は、次亜塩素酸水搬送ポンプ37と混合槽92との間に接続され、次亜塩素酸水を混合槽92に向けて送水する。
水供給部50は、空気浄化制御部41からの出力信号に応じて、混合槽92に水を供給する。水供給部50は、電磁弁51と送水管52とを有する。電磁弁51は、空気浄化制御部41からの出力信号に応じて、空間浄化装置10の外部の水道管から供給される水を送水管52に流すか否か制御する。送水管52は、電磁弁51と混合槽92との間に接続され、水を混合槽92に向けて送水する。
排水部60は、混合槽92の底部に接続され、空気浄化制御部41からの出力信号に応じて、混合槽92に貯留される混合水を外部に排出する。排水部60は、電磁弁61と送水管62とを有する。電磁弁61は、空気浄化制御部41からの出力信号に応じて、混合槽92に貯留される混合水を外部の排水管に流すか否か制御する。送水管62は、混合槽92と電磁弁61との間に接続され、混合水を外部の排水管に送水する。
空気浄化部11では、次亜塩素酸水供給部36からの次亜塩素酸水と、水供給部50からの水とが混合槽92にそれぞれ供給される。そして、空気浄化部11の混合槽92で次亜塩素酸水と水とが混合される。次亜塩素酸水と水との混合水も次亜塩素酸水と呼べる。より詳細には、空気浄化部11の混合槽92では、混合槽92内に残存する次亜塩素酸水に対して、次亜塩素酸水供給部36からの次亜塩素酸水または水供給部50からの水がそれぞれ供給されて混合される。空気浄化部11は、混合槽92に貯められた次亜塩素酸水と水との混合水を遠心破砕することによって、次亜塩素酸水を屋内空間18に対して放出する。微細化された次亜塩素酸水は、液体成分が蒸発した状態で屋内空間18へ放出される。
屋内空間18の壁面には、操作装置43が設置される。操作装置43は、ユーザが操作可能なユーザインターフェースを備え、ユーザから温度設定値と湿度設定値を受けつける。操作装置43には、温湿度センサ44が含まれており、温湿度センサ44は、屋内空間18の空気の温度及び湿度を計測する。温湿度センサ44における温度及び湿度の計測には公知の技術が使用されればよいので、ここでは説明を省略する。
操作装置43は、空気浄化制御部41及び空気調和制御部42に対して有線あるいは無線で接続されており、温度設定値、湿度設定値、温度計測値、及び湿度計測値を空気浄化制御部41及び空気調和制御部42に送信する。これらの情報は、すべてまとめて送信されてもよく、任意の2つ以上をまとめて送信されてもよく、それぞれを送信されてもよい。また、操作装置43が空気浄化制御部41に情報を送信し、空気浄化制御部41が空気調和制御部42に情報を転送してもよい。
空気調和装置15の空気調和制御部42は、温度設定値と温度計測値とを受けつけ、温度計測値が温度設定値に近づくように、冷媒コイル14及び室外機20を制御する。空気調和制御部42は、加熱モードにおいて、温度計測値が温度設定値よりも低い場合に、温度計測値と温度設定値との差異が大きくなるほど、加熱の程度を増加させる。
次に、空間浄化装置10の空気浄化制御部41について説明する。
空気浄化制御部41は、次亜塩素酸水生成部30及び空間浄化装置10の処理動作として、電解槽31における電気分解処理に関する動作、空気浄化部11への次亜塩素酸水の供給処理に関する動作、空気浄化部11への水の供給処理に関する動作、空気浄化部11における加湿浄化処理に関する動作、及び空気浄化部11における混合水の排水処理に関する動作をそれぞれ制御する。なお、空気浄化制御部41は、プロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムを有している。そして、プロセッサがメモリに格納されているプログラムを実行することにより、コンピュータシステムが制御部として機能する。プロセッサが実行するプログラムは、ここではコンピュータシステムのメモリに予め記録されているとしたが、メモリカード等の非一時的な記録媒体に記録されて提供されてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通じて提供されてもよい。また、空気浄化制御部41は、請求項の「制御部」に相当する。
具体的には、空気浄化制御部41は、図2に示すように、入力部41a、記憶部41b、計時部41c、処理部41d、及び出力部41eを備える。
<電解槽における電気分解処理に関する動作>
空気浄化制御部41は、電解槽31における電気分解処理に関する動作として、以下の処理を実行させる。
空気浄化制御部41は、電解槽31の電気分解処理のトリガーとして、水位センサ39からの水位情報(渇水信号)及び計時部41cからの時間に関する情報(時刻情報)を受け付け、処理部41dへ出力する。
処理部41dは、水位センサ39からの水位情報と、計時部41cからの時刻情報と、記憶部41bからの設定情報とに基づいて制御情報を特定し、出力部41eに出力する。ここで、設定情報には、次亜塩素酸水生成の開始時刻または終了時刻に関する情報、電解槽31に導入する水道水の供給量に関する情報、塩水搬送ポンプ35における塩化物イオンを含む液体の投入量に関する情報、電極32における電気分解条件(時間、電流値、電圧など)に関する情報、電磁弁33の開閉タイミングに関する情報、及び次亜塩素酸水搬送ポンプ37のオン/オフ動作に関する情報が含まれる。
ここで、電極32における電気分解条件は、電解槽31内の水道水の水量、塩化物イオン濃度、電気分解時間、及び電極32の劣化度合いから決定でき、アルゴリズムを作成して設定され、記憶部41bに記憶される。
そして、出力部41eは、受け付けた制御情報に基づいて、各機器(塩水搬送ポンプ35、電磁弁33、及び次亜塩素酸水搬送ポンプ37)に信号(制御信号)を出力する。
より詳細には、まず、塩水搬送ポンプ35は、出力部41eからの信号に基づいて停止した状態を維持し、次亜塩素酸水搬送ポンプ37は、出力部41eからの信号に基づいて停止した状態を維持する。
そして、電磁弁33は、出力部41eからの信号に基づいて開放される。これにより、電解槽31には、水道管からの水道水の供給が開始される。その後、電磁弁33は、水位センサ39からの水位情報(満水)を受けた出力部41eからの信号に基づいて閉止される。これにより、電解槽31は、水道水が設定された供給量にて給水された状態となる。
次に、塩水搬送ポンプ35は、出力部41eからの信号に基づいて動作を開始し、所定量の塩化物イオンを含む液体を電解槽31へ搬送して停止する。これにより、水道水に塩化物イオンが溶解し、電解槽31は、所定量の塩化物イオンを含む水溶液(塩化物水溶液)が生成された状態となる。
そして、電極32は、出力部41eからの信号に基づいて、塩化物水溶液の電解を開始し、設定された条件の次亜塩素酸水を生成して停止する。電極32により生成される次亜塩素酸水は、例えば、次亜塩素酸濃度が100ppm~150ppm(例えば、120ppm)であり、pHが7~8.5(例えば、8.0)の状態となる。
以上のようにして、空気浄化制御部41は、電解槽31において電気分解処理を実行し、予め定められた濃度と量の次亜塩素酸水が生成される。
<空気浄化部への次亜塩素酸水の供給処理に関する動作>
空気浄化制御部41は、空気浄化部11への次亜塩素酸水の供給処理に関する動作として、以下の処理を実行させる。
空気浄化制御部41は、空気浄化部11への次亜塩素酸水の供給処理のトリガーとして、加湿モータ11aの稼働時間を計時部41cが測定し、稼働時間が所定時間経過(例えば60分)するごとに次亜塩素酸水生成部30(次亜塩素酸水供給部36)に次亜塩素酸水供給要求を出力する。ここで、所定時間は、次亜塩素酸水中の次亜塩素酸が気化して経時的に減少することを踏まえ、予め実験評価によって見積られた時間である。
具体的には、処理部41dは、計時部41cから時間に関する情報(時刻情報)と、記憶部41bから設定情報とに基づいて制御情報を特定し、出力部41eに出力する。ここで、設定情報には、次亜塩素酸水の供給間隔(例えば60分)に関する情報及び次亜塩素酸水搬送ポンプ37のオン/オフ動作に関する情報が含まれる。
そして、出力部41eは、受け付けた制御情報に基づいて、次亜塩素酸水供給部36の次亜塩素酸水搬送ポンプ37に信号(制御信号)を出力する。
次亜塩素酸水搬送ポンプ37は、出力部41eからの信号に基づいて作動する。この際、次亜塩素酸水搬送ポンプ37は、混合槽92の水量が基準水量以上であれば、混合槽92の水量が基準水量未満になるまで待機し、混合槽92に貯留される次亜塩素酸水が消費され、混合槽92の水量が基準水量未満となったタイミングで作動を開始する。本実施の形態では、基準水量を混合槽92の容量の約5/6としている。これにより、次亜塩素酸水生成部30では、電解槽31から空気浄化部11(混合槽92)への次亜塩素酸水の供給が開始される。なお、電解槽31に貯留される次亜塩素酸水の濃度を担保するため、次亜塩素酸水生成部30から混合槽92に次亜塩素酸水が供給される際、電解槽31で生成された次亜塩素酸水は全量供給される。そのため、次亜塩素酸水を供給した後は、電解槽31は空の状態であり、次亜塩素酸水が電解槽31内に残留した状態から次亜塩素酸水を作成し始めることはない。水位センサ39は、電解槽31内の次亜塩素酸水が全量供給された状態になると、水位情報として渇水信号を出力する。
その後、次亜塩素酸水搬送ポンプ37は、計時部41cからの時間に関する情報(規定量を供給するための所要時間)を受けた出力部41eからの信号に基づいて停止する。これにより、次亜塩素酸水生成部30は、電解槽31から空気浄化部11(混合槽92)に対して次亜塩素酸水が設定された供給量にて供給する。
以上のようにして、空気浄化制御部41は、次亜塩素酸水生成部30(電解槽31)から空気浄化部11への次亜塩素酸水の供給処理を実行させる。なお、空気浄化制御部41が次亜塩素酸水供給部36による次亜塩素酸水の供給を所定時間ごとに行う制御を「第一制御」とする。
<空気浄化部への水の供給処理に関する動作>
空気浄化制御部41は、空気浄化部11への水の供給処理に関する動作として、以下の処理を実行させる。
空気浄化制御部41は、空気浄化部11への水の供給処理のトリガーとして、空間浄化装置10の水位センサ90からの水位情報(渇水信号)を受け付け、水供給部50に水供給要求を出力する。
具体的には、入力部41aは、空間浄化装置10の水位センサ90からの水位情報(渇水信号)を受け付け、処理部41dに出力する。
処理部41dは、入力部41aからの水位情報(渇水信号)と、計時部41cから時間に関する情報(時刻情報)と、記憶部41bから設定情報とに基づいて制御情報を特定し、出力部41eに出力する。ここで、設定情報には、水供給部50の電磁弁51のオン/オフ動作に関する情報が含まれる。
そして、出力部41eは、受け付けた制御情報に基づいて、電磁弁51に信号(制御信号)を出力する。
電磁弁51は、出力部41eからの信号に基づいて作動する。これにより、水供給部50では、送水管52を介して、外部の給水管から空気浄化部11(混合槽92)への水の供給が開始される。
その後、電磁弁51は、空間浄化装置10の水位センサ90からの水位情報(満水信号)を受け付けた出力部41eからの信号に基づいて停止する。これにより、水供給部50は、外部の給水管から空気浄化部11(混合槽92)に対して水が設定された量になるまで供給する。
以上のようにして、空気浄化制御部41は、水供給部50から空気浄化部11への水の供給処理を実行させる。なお、空気浄化制御部41が水位センサ90からの混合槽92の水位に関する情報(渇水情報)に基づいて水供給部50による水の供給を行う制御を「第二制御」とする。
<空気浄化部における加湿浄化処理に関する動作>
次に、空気浄化制御部41の空気浄化部11における加湿浄化処理に関する動作について説明する。
入力部41aは、操作装置43からのユーザ入力情報と、温湿度センサ44からの屋内空間18の空気の温湿度情報と、水位センサ90からの混合槽92内の次亜塩素酸水(混合水)の水位情報とを受け付ける。入力部41aは、受け付けた各情報を処理部41dに出力する。
ここで、操作装置43は、空間浄化装置10に関するユーザ入力情報(例えば、風量、目標温度、目標湿度、次亜塩素酸の添加の有無、次亜塩素酸の目標供給量レベル、等)を入力する端末であり、無線または有線により空気浄化制御部41と通信可能に接続されている。
また、温湿度センサ44は、屋内空間18内に設けられ、屋内空間18の空気の温湿度を感知するセンサである。
記憶部41bは、入力部41aが受け付けたユーザ入力情報と、装置内を流通する空気に対する次亜塩素酸の供給動作における供給設定情報とを記憶する。記憶部41bは、記憶した供給設定情報を処理部41dに出力する。なお、次亜塩素酸の供給動作における供給設定情報は、空気浄化部11の加湿浄化動作における加湿設定情報とも言える。
計時部41cは、現在時刻に関する時刻情報を処理部41dに出力する。
処理部41dは、入力部41aからの各種情報(ユーザ入力情報、温湿度情報、水位情報)と、計時部41cからの時刻情報と、記憶部41bからの供給設定情報とを受け付ける。処理部41dは、受け付けたユーザ入力情報、時刻情報、及び供給設定情報を用いて、加湿浄化運転動作に関する制御情報を特定する。
具体的には、処理部41dは、計時部41cからの時刻情報によって一定時間ごとに、記憶部41bに記憶された目標湿度と、温湿度センサ44からの屋内空間18の空気の温湿度情報の間の湿度差に基づいて、屋内空間18に必要とされる加湿要求量を特定する。そして、処理部41dは、特定した加湿要求量と、記憶部41bに記憶された供給設定情報とに基づいて加湿浄化運転動作に関する制御情報を特定する。そして、処理部41dは、特定した制御情報を出力部41eに出力する。
また、処理部41dは、水位センサ90からの水位情報に、混合槽92内の次亜塩素酸水(混合水)の渇水を示す水位に関する情報(渇水信号)が含まれる場合には、出力部41eは、水供給部50に対する水供給要求の信号を出力部41eに出力する。さらに、処理部41dは、計時部41cからの時刻情報に基づいて、空気浄化部11(加湿モータ11a)の稼働時間が所定時間(例えば60分)となった場合には、出力部41eは、次亜塩素酸水生成部30に対する次亜塩素酸水供給要求の信号を出力部41eに出力する。なお、本実施の形態では、混合槽92内の次亜塩素酸水(混合水)が渇水を示す水位は、混合槽92内に次亜塩素酸水(混合水)が満水の状態から約1/3まで次亜塩素酸水量が減少した状態での水位に設定されている。
そして、出力部41eは、受け付けた各信号を空気浄化部11、次亜塩素酸水生成部30(次亜塩素酸水供給部36)、及び水供給部50にそれぞれ出力する。
そして、空気浄化部11は、出力部41eからの信号を受け付け、受け付けた信号に基づいて運転動作の制御を実行する。この際、次亜塩素酸水生成部30(次亜塩素酸水供給部36)は、出力部41eからの信号(次亜塩素酸水供給要求の信号)を受け付け、受け付けた信号に基づいて、上述した空気浄化部11への次亜塩素酸水の供給処理に関する動作(第一制御)を実行する。また、水供給部50は、出力部41eからの信号(水供給要求の信号)を受け付け、受け付けた信号に基づいて、上述した空気浄化部11への水の供給処理に関する動作(第二制御)を実行する。
以上のようにして、空気浄化制御部41は、供給処理として、次亜塩素酸水生成部30(次亜塩素酸水供給部36)による次亜塩素酸水の供給を所定時間ごとに行う第一制御と、水位センサ90からの混合槽92の水位に関する情報(渇水情報)に基づいて水供給部50による水の供給を行う第二制御とをそれぞれ実行させ、混合槽92に混合水を貯留する。そして、空気浄化制御部41は、混合槽92に次亜塩素酸水と水とを供給して混合水を貯留する際に、次亜塩素酸水の供給サイクル(所定時間ごと)と、水の供給サイクル(渇水検知ごと)とを異ならせ、空間浄化装置10(空気浄化部11)を流通する空気への加湿浄化処理を実行させる。
<空気浄化部の混合水の排水処理に関する動作>
空気浄化制御部41は、空気浄化部11の混合槽92に貯留される混合水の排水処理に関する動作として、以下の処理を実行させる。
空気浄化制御部41は、混合槽92に貯留される混合水の排水処理のトリガーとして、空気浄化部11における加湿量の積算値(積算加湿量)に関する情報、または、次亜塩素酸水供給部36における第一制御の実行回数に関する情報に基づいて排水処理の実施の有無を判定する。
具体的には、記憶部41bは、次亜塩素酸水供給部36における第一制御の実行回数及び水供給部50による第二制御の実行回数を記憶する。ここで、実行回数は、混合槽92の初期状態(例えば、排水処理後に実行される水の供給及び次亜塩素酸水の供給によって混合槽92が満水となった状態)を起点として、加湿浄化処理動作の開始後(以下、「運転開始後」ともいう)に実行された各制御の回数である。
処理部41dは、記憶部41bからの次亜塩素酸水供給部36における第一制御の実行回数に関する情報及び水供給部50による第二制御の実行回数に関する情報に基づいて、空気浄化部11における加湿量の積算値(積算加湿量)を特定する。
ここで、積算加湿量は、運転開始後における混合槽92への給水量の合計(第一制御による次亜塩素酸水の供給量と第二制御による水の供給量との合計)であり、運転開始後から空気浄化部11によって消費・減少した混合水の水量に相当する。なお、積算加湿量は、累計加湿量ともいう。
そして、処理部41dは、特定した積算加湿量が基準量以上であるか否か、及び、第一制御の実行回数が基準回数であるか否かの判定を行う。
ここで、第一制御による次亜塩素酸水の供給量が混合槽92の容量の約1/6、第二制御による水の供給量が混合槽92の容量の約2/3、基準量は、混合槽92の容量の約2倍の量に設定している。また、基準回数は、第一制御による次亜塩素酸水の供給のみによって基準量に達する直前となる11回に設定している。
判定の結果、処理部41dは、特定した積算加湿量が基準量以上である場合、あるいは、第一制御の実行回数が基準回数である場合には、計時部41cから時間に関する情報(時刻情報)と、記憶部41bから設定情報とに基づいて制御情報を特定し、出力部41eに出力する。ここで、設定情報には、排水部60の電磁弁61のオン/オフ動作に関する情報が含まれる。
そして、出力部41eは、受け付けた制御情報に基づいて、電磁弁61に信号(制御信号)を出力する。
電磁弁61は、出力部41eからの信号に基づいて作動する。これにより、排水部60では、送水管62を介して、混合槽92から外部の排水管への混合水の排出が開始される。
その後、電磁弁61は、計時部41cからの時刻情報を受け付けた出力部41eからの信号に基づいて所定時間(例えば、1分)の経過後に停止する。これにより、混合槽92は、貯留していた混合水のすべてが排出されて空の状態となる。
以上のようにして、空気浄化制御部41は、混合槽92から外部への混合水の排水処理を実行させる。なお、空気浄化制御部41が空気浄化部11における積算加湿量に関する情報、または、次亜塩素酸水供給部36における第一制御の実行回数に関する情報に基づいて排水部60による混合水の排水を行う制御を「第三制御」とする。
ここで、第三制御は、次亜塩素酸水供給部36による第一制御の実行の直前、または、水供給部50による第二制御の実行の直前に行うことが好ましい。これにより、例えば、第一制御によって混合槽92に新たな次亜塩素酸水が供給された直後、あるいは、第二制御によって新たな水が供給された直後において、第三制御による排水が行われることがなくなるので、混合槽92に貯留される混合水を最大限長く使い続け、第三制御での排水による無駄を減らすことができる。なお、以下の実施例においては、除菌の有効成分である次亜塩素酸水の無駄を減らすという観点から第一制御実行の直前に行うものとする。
次に、図3~図5を参照して、空間浄化システム100において、空間浄化装置10(空気浄化部11)の混合槽92内における混合水(第一制御または第二制御がなされて混合される混合水)について説明する。図3は、空間浄化システム100における水量、次亜塩素酸水濃度、及び次亜塩素酸濃度の経時変化(冬場:第一例)を示す概略図である。より詳細には、図3の(a)は、混合槽92内の次亜塩素酸水(混合水)の水量の経時変化を示す。図3の(b)は、混合槽92内の次亜塩素酸水(混合水)の濃度の経緯変化を示す。図3の(c)は、吹出口3の空気に含まれる次亜塩素酸の濃度の経時変化を示す。また、図4は、空間浄化システム100における水量、次亜塩素酸水濃度、及び次亜塩素酸濃度の経時変化(夏場:第二例)を示す概略図である。より詳細には、図4の(a)は、混合槽92内の次亜塩素酸水(混合水)の水量の経時変化を示す。図4の(b)は、混合槽92内の次亜塩素酸水(混合水)の濃度の経緯変化を示す。図4の(c)は、吹出口3の空気に含まれる次亜塩素酸の濃度の経時変化を示す。図5は、空間浄化システム100における水量、次亜塩素酸水濃度、及び次亜塩素酸濃度の経時変化(夏場:第三例)を示す概略図である。より詳細には、図5の(a)は、混合槽92内の次亜塩素酸水(混合水)の水量の経時変化を示す。図5の(b)は、混合槽92内の次亜塩素酸水(混合水)の濃度の経緯変化を示す。図5の(c)は、吹出口3の空気に含まれる次亜塩素酸の濃度の経時変化を示す。
ここで、混合槽92への次亜塩素酸水の供給は、所定時間(1時間)ごとに実行され、混合槽92への水の供給は、水位センサ90によって混合槽92が渇水となる水位を検知するごとに実行される。また、排水処理は、第一制御の実行の直前になされる、積算加湿量あるいは第一制御の実行回数による判定結果に基づいて実行される。より詳細には、排水処理は、積算加湿量が基準量(混合槽92の容量の約2倍)以上となった場合、あるいは、第一制御の実行回数が基準回数(11回)となった場合に実行される。なお、排水処理は、第一制御の実行の直前だけでなく、第二制御の実行の直前にも行なうようにしてもよい。
なお、上述した通り、混合槽92の次亜塩素酸水(混合水)が渇水となる水位となっても、混合槽92内には、次亜塩素酸水(混合水)が満水時に対して約1/3残存している。また、説明を簡略化するために、空気浄化部11は、加湿浄化運転時間中、一定の加湿要求量で動作しているとする。また、以下では、混合槽92へ供給する所定量の次亜塩素酸水のことを「次亜塩素酸水原液」ともいう。
まず、日本の冬場での動作状況について説明する。なお、日本の冬場では、外気が乾燥しているため空気浄化部11に対する加湿要求量が多く、水の供給は、次亜塩素酸水の供給よりも短い間隔で行われる。つまり、次亜塩素酸水の供給タイミングよりも先に混合槽92内の水位が渇水となる。
そこで、以下では、第一例として、空気浄化部11の運転開始後の稼働時間2時間までの期間に、水の供給(第二制御)が3回実行され、次亜塩素酸水原液の供給(第一制御)が1回実行される加湿浄化条件での排水処理(第三制御)について説明する。
なお、上記した加湿浄化条件は、空気浄化部11に対する加湿要求量が第一基準値以上である場合に、第一制御を行う回数が第二制御を行う回数よりも少なくなるように空気浄化部11を制御することに基づいて設定される条件である。ここで、第一基準値は、日本の冬場において空気の湿度が低く乾燥している状況と、日本の夏場において空気の湿度が高く湿っている状況とを区分するために設定される値である。
第一例では、図3の(a)に示すように、混合槽92への次亜塩素酸水原液の供給(第一制御)は、運転開始を0時間とすると、1時間、2時間、3時間・・・のタイミングで実行される。一方、混合槽92への水の供給(第二制御)は、a時間、b時間、c時間・・・のタイミングで実行される。なお、運転開始となる0時間の時点では、混合槽92に対して次亜塩素酸水の供給と水の供給がそれぞれ実行され、混合槽92は、所定濃度の次亜塩素酸水(混合水)によって満水となった状態(初期状態)となっている。
そして、混合槽92に貯留する混合水の排水判定は、1時間、2時間、3時間・・・のタイミングにおいて第一制御の実行の直前に行われる。
具体的には、運転開始後の稼働時間が1時間までの期間(稼働時間が0時間以上1時間未満までの期間)となる1時間のタイミングでは、積算加湿量は、第二制御1回に基づく供給量(混合槽92の容量の約0.67倍)となり、積算加湿量が基準量(混合槽92の容量の2倍)未満であると判定される。また、第一制御の実行回数は、0回であり、基準回数(11回)に達していないと判定される。そして、判定結果を受けて、第一制御が実行され、混合槽92に次亜塩素酸水原液が供給される。
続いて、運転開始後の稼働時間が2時間までの期間(稼働時間が0時間以上2時間未満までの期間)となる2時間のタイミングでは、積算加湿量は、第一制御1回及び第二制御3回に基づく供給量(混合槽92の容量の約2.1倍)となり、積算加湿量が基準量(混合槽92の容量の2倍)以上であると判定される。また、第一制御の実行回数は、1回であり、基準回数(11回)に達していないと判定される。そして、判定結果を受けて、第三制御が実行され、混合槽92の混合水が排水される。さらに、第三制御の実行後、混合槽92に対して新たに次亜塩素酸水原液の供給と水の供給がそれぞれ実行され、混合槽92は、初期状態と同じ、所定濃度の次亜塩素酸水(混合水)によって満水となった状態となる。
その後は、2時間のタイミングを初期状態(0時間)と見なして、2時間の期間ごとに同じ供給動作及び排水動作が繰り返されることになる。
より詳細に説明する。
まず、図3の(a)を参照して、混合槽92内の次亜塩素酸水(混合水)の水位の経時変化に着目して説明する。
運転初期(0時間)には、混合槽92内は、満水まで次亜塩素酸原液と水の混合水(これも次亜塩素酸水)で満たされている。そして、加湿浄化運転によって一定の速度で混合水の水量が減少し、運転開始からa時間になったタイミングで渇水を検知し、水供給部50から混合槽92が満水になるまで水が供給される。その後、加湿浄化運転により一定の速度で混合水の水位が減少しながら、次亜塩素散水原液の供給タイミングである1時間を迎え、この1時間のタイミングで混合水の排水判定が実行される。ここまでの加湿浄化運転で、第二制御による水の供給回数が1回、第一制御による次亜塩素酸水原液の供給回数が0回であるので、積算加湿量は、混合槽92の容量の約0.67倍(≒約2/3倍=約2/3×1回)となり、積算加湿量が基準量(混合槽92の容量の2倍)未満であると判定される。さらに、第一制御による次亜塩素酸水原液の供給回数が0回であり、第一制御の実行回数が基準回数(11回)に達していないと判定される。
そして、判定結果を受けて、混合槽92に貯留される混合水の排水を実行することなく第一制御が実行され、次亜塩素酸水原液が次亜塩素酸水生成部30(次亜塩素酸水供給部36)から混合槽92に供給される。これにより、混合槽92内の水位がわずかに上昇する。その後も加湿浄化運転によって混合水の水位が減少していき、運転開始からb時間及びc時間のタイミングで再び渇水となり、水供給部50から混合槽92が満水になるまで水がそれぞれ供給される。
その後、運転開始後の稼働時間が2時間となるタイミングで、排水判定がなされる。ここまでの加湿浄化運転で、第二制御による水の供給回数が3回、第一制御による次亜塩素酸水原液の供給回数が1回であるので、積算加湿量は、混合槽92の容量の約2.1倍(≒約13/6倍=約2/3×3回+約1/6×1回)となり、基準量(混合槽92の容量の2倍)以上であると判定される。さらに、第一制御による次亜塩素酸水原液の供給回数が1回であり、第一制御の実行回数が基準回数(11回)に達していないと判定される。そして、判定結果を受けて、第三制御が実行され、混合槽92の混合水が排水される。さらに、第三制御による混合水の排水の実行後、混合槽92に対して新たに次亜塩素酸水原液の供給と水の供給がそれぞれ実行され、混合槽92は、初期状態(0時間)と同じ、所定濃度の次亜塩素酸水(混合水)によって満水となった状態となる。ここで、積算加湿量(第一制御及び第二制御の実行回数)はリセットされ、再び積算加湿量の記憶が開始される。
その後は、2時間のタイミングを初期状態(0時間)と見なして、2時間の期間ごとに同じ供給動作及び排水動作が繰り返されることになる。より詳細には、これまでと同じように、渇水となるタイミングにおいて第二制御によって水が供給され、次亜塩素酸水の供給タイミングにおいて第一制御によって次亜塩素酸水原液が供給されることを繰り返す。そして、第一制御の実行の直前において第三制御による混合水の排水判定を行い、条件を満たす場合に第三制御を実行する。
次に、図3の(b)を参照して、混合槽92内の次亜塩素酸水(混合水)の濃度の経時変化に着目して説明する。
運転初期(0時間)には、混合槽92内に次亜塩素酸水原液と水の混合水が所定の濃度(初期濃度)となるように混合されている。そして、加湿浄化運転が開始されると、混合槽92内の次亜塩素酸水(混合水)の濃度は、運転開始からa時間まで時間の経過とともに減少する。これは、次亜塩素酸が水よりも蒸気圧が高いことに起因して、次亜塩素酸水の濃度に対して一定の割合で次亜塩素酸が気化して空気に付与されるためである。なお、次亜塩素酸が気化しなければ、空気浄化部11によって微細化された水とともに、水に含まれる次亜塩素酸が消費されるだけなので、次亜塩素酸水は、加湿量に応じて一定の速度で減少するものの、混合槽92内の次亜塩素酸水の濃度としては変化しない。また、水位センサ90が渇水を検知したタイミングであるa時間でも次亜塩素酸水の濃度がゼロでないのは、上述した通り、渇水が検知される状態となっても混合槽92内に次亜塩素酸水(混合水)が残存しているためである。
そして、運転開始からa時間(渇水検知)になると、水供給部50からの水の供給に伴って混合槽92内の次亜塩素酸水が水で希釈されるため、混合槽92内の次亜塩素酸水の濃度は減少する。その後、次亜塩素散水の供給タイミングである1時間を迎えるまで、次亜塩素酸の気化によって次亜塩素酸水(混合水)の濃度はわずかに減少する。
そして、運転開始から次亜塩素散水の供給タイミングである1時間を迎えると、次亜塩素酸水生成部30(次亜塩素酸水供給部36)からの次亜塩素酸水原液の供給に伴って混合槽92内の次亜塩素酸水の濃度が初期濃度以上にまで上昇する。これは、運転初期(0時間)において供給した水よりも少ない水量である混合水(次亜塩素酸を含んでいる状態の水)に対して、運転初期において供給した所定量の次亜塩素酸水(次亜塩素酸水原液)を供給しているためである。その後、運転開始からb時間(渇水検知)になるまで、次亜塩素酸の気化によって次亜塩素酸水(混合水)の濃度は減少する。なお、次亜塩素酸の減少速度が、運転初期よりも速いのは、混合水に含まれる次亜塩素酸の含有量が多い分、次亜塩素酸の気化量も多くなるためである。
そして、運転開始からb時間(渇水検知)になると、水供給部50からの水の供給に伴って混合槽92内の次亜塩素酸水が水で希釈されるため、混合槽92内の次亜塩素酸水の濃度は減少する。その後、同様にb時間(渇水検知)~c時間(渇水検知)の間も揮発によって濃度が減少し、c時間(渇水検知)になると、水供給部50からの水の供給に伴って混合槽92内の次亜塩素酸水が水で希釈されるため、混合槽92内の次亜塩素酸水の濃度は減少する。
その後、次亜塩素散水の供給タイミングである2時間を迎えるまで、次亜塩素酸の気化によって次亜塩素酸水(混合水)の濃度はわずかに減少する。
そして、運転開始から次亜塩素散水の供給タイミングである2時間を迎えると、排水判定に基づいて排水タイミングとなるので、混合槽92内の次亜塩素酸水(混合水)がすべて排水された後、混合槽92内に水及び次亜塩素酸水原液がそれぞれ供給され、混合槽92内における次亜塩素酸水の濃度は、運転初期(0時間)と同様の状態となる。その後は、これまでと同様に次亜塩素酸水(混合水)の濃度変化を繰り返す。
次に、図3の(c)を参照して、吹出口3の空気9に含まれる次亜塩素酸の濃度の経時変化に着目して説明する。
吹出口3から放出される空気9に含まれる次亜塩素酸の濃度は、空気浄化部11における加湿量及び混合槽92内の次亜塩素酸水の濃度によって決定されるが、第一例では、加湿量を一定としているので、混合槽92内の次亜塩素酸水の濃度が反映される。そのため、図3の(c)に示すように、吹出口3の空気9に含まれる次亜塩素酸の濃度は、図3の(b)に示した混合槽92の次亜塩素酸水の濃度の増減に対応して増減する。
ここで、従来のように、水位センサ90が渇水を検知するごとに次亜塩素酸水原液及び水を供給して満水にする場合には、運転開始(0時間)からa時間までの状態を2時間のタイミングまで繰り返すことになる。この場合には、吹出口3の空気9に含まれる次亜塩素酸の平均濃度は、例えば、従来平均濃度のようになる。これに対して、第一例では、運転開始(0時間)からa時間までは従来と同じ状態であるものの、a時間から2時間までの期間は従来と状態が異なる。
より詳細には、a時間から2時間までの期間では、図3の(b)に示すように、次亜塩素酸水の濃度が初期濃度よりも高い期間(1時間からb時間までの期間)が、初期濃度よりも小さい期間(a時間から1時間までの期間、b時間から2時間までの期間)よりも短くなっている。このため、運転開始(0時間)から2時間までの期間では、吹出口3の空気9に含まれる次亜塩素酸の平均濃度は従来平均濃度よりも低い平均濃度となる。また、2時間以降についても、0時間から2時間までの濃度変化を繰り返すことになるので、濃度が上昇し続けることなく、従来よりも低い平均濃度を維持し続けることが可能となる。
以上、第一例のように、混合槽92に次亜塩素酸水原液と水とを供給して混合水を貯留する際に、次亜塩素酸水原水の供給サイクル(所定時間ごと)と、水の供給サイクル(渇水検知ごと)とを異ならせるとともに、積算加湿量に応じて混合水の排水処理を行うことで、従来の方法で次亜塩散水及び水を混合槽92に供給する場合と比較して、吹出口3の空気9、つまり屋内空間18に吹き出される空気に含まれる次亜塩素酸の濃度を減少させることができる。
次に、日本の夏場での動作状況について説明する。なお、日本の夏場では、外気が湿潤しているため空気浄化部11に対する加湿要求量が少なく、水の供給は、次亜塩素酸水の供給よりも長い間隔で行われる。つまり、次亜塩素酸水の供給タイミングよりも後に混合槽92内の水位が渇水となる。
そこで、以下では、第二例として、空気浄化部11の運転開始後の稼働時間が9時間までの期間に、水の供給(第二制御)が1回実行され、次亜塩素酸水原液の供給(第一制御)が8回実行される加湿浄化条件での排水処理(第三制御)について説明する。
なお、上記した加湿浄化条件は、空気浄化部11に対する加湿要求量が第一基準値未満である場合に、第一制御を行う回数が第二制御を行う回数よりも多くなるように空気浄化部11を制御することに基づいて設定される条件である。
第二例では、図4の(a)に示すように、混合槽92への次亜塩素酸水原液の供給(第一制御)は、運転開始を0時間とすると、1時間、2時間、3時間・・・のタイミングで実行される。一方、混合槽92への水の供給(第二制御)は、a時間・・・のタイミングで実行される。なお、運転開始となる0時間の時点では、混合槽92に対して次亜塩素酸水の供給と水の供給がそれぞれ実行され、混合槽92は、所定濃度の次亜塩素酸水(混合水)によって満水となった状態(初期状態)となっている。
そして、混合槽92に貯留する混合水の排水判定は、1時間、2時間、3時間・・・のタイミングにおいて第一制御の実行の直前に行われる。
具体的には、運転開始後の稼働時間が1時間までの期間(稼働時間が0時間以上1時間未満までの期間)となる1時間のタイミングでは、混合槽92に水あるいは次亜塩素酸水原液のいずれも供給されていないので、積算加湿量が基準量(混合槽92の容量の2倍)未満であると判定される。さらに、第一制御による次亜塩素酸水原液の供給回数が0回であり、第一制御の実行回数が基準回数(11回)に達していないと判定される。そして、判定結果を受けて、第一制御が実行され、混合槽92に次亜塩素酸水原液が供給される。
次に、運転開始後の稼働時間が2時間までの期間(稼働時間が0時間以上2時間未満までの期間)となる2時間のタイミングで混合水の排水判定が実行される。ここまでの加湿浄化運転で、積算加湿量は、第一制御1回に基づく供給量(混合槽92の容量の約0.16倍)となり、積算加湿量が基準量(混合槽92の容量の2倍)未満であると判定される。さらに、第一制御による次亜塩素酸水原液の供給回数が1回であり、第一制御の実行回数が基準回数(11回)に達していないと判定される。そして、判定結果を受けて、第一制御が実行され、混合槽92に次亜塩素酸水原液が供給される。
その後、運転開始後の稼働時間が8時間までの期間(稼働時間が0時間以上8時間未満までの期間)となる8時間のタイミングまで同様の制御が実行される。
続いて、運転開始後の稼働時間が9時間までの期間(稼働時間が0時間以上9時間未満までの期間)となる9時間のタイミングで混合水の排水判定が実行される。ここまでの加湿浄化運転で、積算加湿量は、第一制御8回及び第二制御1回に基づく供給量(混合槽92の容量の約2倍)となり、積算加湿量が基準量(混合槽92の容量の2倍)以上であると判定される。そして、判定結果を受けて、第三制御が実行され、混合槽92の混合水が排水される。さらに、第三制御の実行後、混合槽92に対して新たに次亜塩素酸水原液の供給と水の供給がそれぞれ実行され、混合槽92は、初期状態と同じ、所定濃度の次亜塩素酸水(混合水)によって満水となった状態となる。
その後は、9時間のタイミングを初期状態(0時間)と見なして、9時間の期間ごとに同じ供給動作及び排水動作が繰り返されることになる。
より詳細に説明する。
まず、図4の(a)を参照して、混合槽92内の次亜塩素酸水(混合水)の水位の経時変化に着目して説明する。
運転初期(0時間)には、混合槽92内は、満水まで次亜塩素酸原液と水の混合水(これも次亜塩素酸水)で満たされている。そして、加湿浄化運転によって一定の速度で混合水の水量が減少し、次亜塩素散水の供給タイミングである1時間を迎える。そして、この1時間のタイミングで混合水の排水判定が実行される。
ここまでの加湿浄化運転で、第二制御による水の供給及び第一制御による次亜塩素酸水原液の供給のいずれも実行していないので、積算加湿量は、基準量(混合槽92の容量の2倍)未満であると判定される。さらに、第一制御による次亜塩素酸水原液の供給回数が0回であり、第一制御の実行回数が基準回数(11回)に達していないと判定される。そして、判定結果を受けて、混合槽92に貯留される混合水の排水を実行することなく第一制御が実行され、次亜塩素酸水原液が次亜塩素酸水生成部30(次亜塩素酸水供給部36)から混合槽92に供給される。これにより、混合槽92内の水位がわずかに上昇する。その後も加湿浄化運転によって混合水の水位が減少していき、次亜塩素散水の供給タイミングである2時間を迎える。そして、この2時間のタイミングで混合水の排水判定が実行される。
ここまでの加湿浄化運転で、第一制御による次亜塩素酸水原液の供給回数が1回であるので、積算加湿量は、混合槽92の容量の約0.17倍(≒約1/6倍=約1/6×1回)となり、積算加湿量が基準量(混合槽92の容量の2倍)未満であると判定される。さらに、第一制御による次亜塩素酸水原液の供給回数が1回であり、第一制御の実行回数が基準回数(11回)に達していないと判定される。そして、判定結果を受けて、混合槽92に貯留される混合水の排水を実行することなく第一制御が実行され、次亜塩素酸水原液が次亜塩素酸水生成部30(次亜塩素酸水供給部36)から混合槽92に供給される。これにより、混合槽92内の水位がわずかに上昇する。そして、加湿浄化運転によって一定の速度で混合水の水量が減少していく。2時間以降も、これを繰り返していくと、全体として混合水の水量が徐々に減少していく。
その後、運転開始から8時間が経過し、運転開始からa時間になったタイミングで渇水を検知し、水供給部50から混合槽92が満水になるまで水が供給される。
そして、加湿浄化運転により一定の速度で混合水の水位が減少しながら、次亜塩素散水原液の供給タイミングである9時間を迎える。そして、この9時間のタイミングで混合水の排水判定が実行される。
ここまでの加湿浄化運転で、第二制御による水の供給回数が1回、第一制御による次亜塩素酸水原液の供給回数が8回であるので、積算加湿量は、混合槽92の容量の約2倍(=約2/3×1回+約1/6×8回)となり、積算加湿量が基準量(混合槽92の容量の2倍)以上であると判定される。さらに、第一制御による次亜塩素酸水原液の供給回数が8回であり、第一制御の実行回数が基準回数(11回)に達していないと判定される。そして、判定結果を受けて、第三制御が実行され、混合槽92の混合水が排水される。さらに、第三制御による混合水の排水の実行後、混合槽92に対して新たに次亜塩素酸水原液の供給と水の供給がそれぞれ実行され、混合槽92は、初期状態(0時間)と同じ、所定濃度の次亜塩素酸水(混合水)によって満水となった状態となる。ここで、積算加湿量(第一制御及び第二制御の実行回数)はリセットされ、再び積算加湿量の記憶が開始される。
その後は、9時間のタイミングを初期状態(0時間)と見なして、9時間の期間ごとに同じ供給動作及び排水動作が繰り返されることになる。より詳細には、これまでと同じように、渇水となるタイミングにおいて第二制御によって水が供給され、次亜塩素酸水の供給タイミングにおいて第一制御によって次亜塩素酸水原液が供給されることを繰り返す。そして、第一制御の実行の直前において第三制御による混合水の排水判定を行い、条件を満たす場合に第三制御を実行する。
次に、図4の(b)を参照して、混合槽92内の次亜塩素酸水(混合水)の濃度の経時変化に着目して説明する。
運転初期(0時間)には、混合槽92内に次亜塩素酸水原液と水の混合水が所定の濃度(初期濃度)となるように混合されている。そして、加湿浄化運転が開始されると、混合槽92内の次亜塩素酸水(混合水)の濃度は、運転開始から1時間まで時間の経過とともに減少する。これは、上述した通り、次亜塩素酸が水よりも蒸気圧が高いことに起因して、次亜塩素酸水の濃度に対して一定の割合で次亜塩素酸が気化して空気に付与されるためである。
そして、運転開始から次亜塩素散水の供給タイミングである1時間を迎えると、次亜塩素酸水生成部30(次亜塩素酸水供給部36)からの次亜塩素酸水原液の供給に伴って混合槽92内の次亜塩素酸水の濃度が初期濃度以上にまで上昇する。これは、上述した通り、運転初期(0時間)において貯留する混合水の水量よりも少ない水量である混合水(次亜塩素酸を含んでいる状態の水)に対して、運転初期において供給した所定量の次亜塩素酸水(次亜塩素酸水原液)を供給しているためである。その後、運転開始から2時間になるまで、次亜塩素酸の気化によって次亜塩素酸水(混合水)の濃度は減少する。
そして、運転開始から次亜塩素散水の供給タイミングである2時間を迎えると、次亜塩素酸水生成部30(次亜塩素酸水供給部36)からの次亜塩素酸水原液の供給に伴って混合槽92内の次亜塩素酸水の濃度が初期濃度以上にまでさらに上昇する。その後、運転開始から3時間になるまで、次亜塩素酸の気化によって次亜塩素酸水(混合水)の濃度は減少していく。これ以降の8時間のタイミングまで同様に、次亜塩素酸水(混合水)の濃度変化を繰り返し、徐々に次亜塩素酸水(混合水)の濃度が上昇していく。
そして、運転開始からa時間(渇水検知)になると、水供給部50からの水の供給に伴って混合槽92内の次亜塩素酸水が水で希釈されるため、混合槽92内の次亜塩素酸水の濃度は減少する。しかしながら、混合槽92内の次亜塩素酸水の濃度は、初期濃度以上のままである。その後、次亜塩素散水の供給タイミングである9時間を迎えるまで、次亜塩素酸の気化によって次亜塩素酸水(混合水)の濃度はわずかに減少する。
そして、運転開始から次亜塩素散水原液の供給タイミングである9時間を迎えると、排水判定に基づいて排水タイミングとなるので、混合槽92内の次亜塩素酸水(混合水)がすべて排水された後、混合槽92内に水及び次亜塩素酸水原液がそれぞれ供給され、混合槽92内における次亜塩素酸水の濃度は、運転初期(0時間)と同様の状態となる。その後は、これまでと同様に次亜塩素酸水(混合水)の濃度変化を繰り返す。
次に、図4の(c)を参照して、吹出口3の空気9に含まれる次亜塩素酸の濃度の経時変化に着目して説明する。
吹出口3から放出される空気9に含まれる次亜塩素酸の濃度は、日本の冬場と同じく、空気浄化部11における加湿量及び混合槽92内の次亜塩素酸水の濃度によって決定されるので、図4の(c)に示すように、吹出口3の空気9に含まれる次亜塩素酸の濃度は、図4の(b)に示した混合槽92の次亜塩素酸水の濃度の増減に対応して増減する。
ここで、従来のように、水位センサ90が渇水を検知するごとに次亜塩素酸水原液及び水を供給して満水にする場合には、運転開始(0時間)から9時間まで次亜塩素酸水の濃度は減少し続けることになる。この場合には、吹出口3の空気9に含まれる次亜塩素酸の平均濃度は、例えば、従来平均濃度のようになる。
これに対して、第二例では、運転開始(0時間)から1時間までは従来と同じ状態であるものの、1時間から9時間までの期間は従来と状態が異なる。より詳細には、1時間から9時間までの期間では、図4の(b)に示すように、次亜塩素酸水の濃度が初期濃度よりも高い期間が、初期濃度よりも小さい期間よりもはるかに長くなっている。このため、運転開始(0時間)から9時間までの期間では、吹出口3の空気9に含まれる次亜塩素酸の平均濃度は、従来平均濃度よりも高い平均濃度となる。
次に、日本の夏場での動作状況において、第二例よりも加湿要求量が少ない加湿浄化条件での排水処理(第三制御)について説明する。
そこで、以下では、第三例として、空気浄化部11の運転開始後の稼働時間が12時間までの期間に、1回も水の供給(第二制御)が実行されない加湿浄化条件での排水処理(第三制御)について説明する。つまり、第三例では、次亜塩素酸水原液の供給(第一制御)のみが所定時間ごとに実行される。
第三例では、図5の(a)に示すように、混合槽92への次亜塩素酸水原液の供給(第一制御)は、運転開始を0時間とすると、1時間、2時間、3時間・・・のタイミングから遅延してA時間、B時間、C時間・・・のタイミングで実行される。一方、混合槽92への水の供給(第二制御)は、少なくとも12時間までの期間では実行されない。なお、運転開始となる0時間の時点では、混合槽92に対して次亜塩素酸水の供給と水の供給がそれぞれ実行され、混合槽92は、所定濃度の次亜塩素酸水(混合水)によって満水となった状態(初期状態)となっている。
ここで、混合槽92への次亜塩素酸水原液の供給(第一制御)に遅延が発生するのは、空気浄化部11による加湿量が少なく、混合槽92に貯留される混合水が消費される時間が1時間よりも長くなっており、混合水が加湿浄化処理によって消費され、混合槽92の水量が基準水量(混合槽92の容量の約5/6)未満となるまで供給を待機するためである。基準水量は、次亜塩素酸水原液の供給量(混合槽92の容量の約1/6)に基づいて設定されている。なお、第三例での次亜塩素酸水原液の供給は、1時間、2時間、3時間・・・のタイミングから遅延したA時間、B時間、C時間・・・のタイミングで実行されるが、請求項の「次亜塩素酸水の供給を所定時間ごとに行う第一制御」に含まれるものとする。
そして、混合槽92に貯留する混合水の排水判定は、A時間、B時間、C時間・・・のタイミングにおいて第一制御の実行の直前に行われる。
具体的には、運転開始後の稼働時間が1時間に対応するA時間までの期間(稼働時間が0時間以上A時間未満までの期間)となるA時間のタイミングでは、混合槽92に水あるいは次亜塩素酸水原液のいずれも供給されていないので、積算加湿量が基準量(混合槽92の容量の2倍)未満であると判定される。さらに、第一制御による次亜塩素酸水原液の供給回数が0回であり、第一制御の実行回数が基準回数(11回)に達してないと判定される。そして、判定結果を受けて、第一制御が実行され、混合槽92に次亜塩素酸水原液が供給される。なお、実質的に基準水量となった状態で次亜塩素酸水原液が供給されるので、混合槽92は、第一制御による次亜塩素酸水原液の供給によって満水となった状態となる。
次に、運転開始後の稼働時間が2時間に対応するB時間までの期間(稼働時間が0時間以上B時間未満までの期間)となるB時間のタイミングで混合水の排水判定が実行される。ここまでの加湿浄化運転で、積算加湿量は、第一制御1回に基づく供給量(混合槽92の容量の約0.16倍)となり、積算加湿量が基準量(混合槽92の容量の2倍)未満であると判定される。さらに、第一制御による次亜塩素酸水原液の供給回数が1回であり、第一制御の実行回数が基準回数(11回)に達していないと判定される。そして、判定結果を受けて、第一制御が実行され、混合槽92に次亜塩素酸水原液が供給される。
その後、運転開始後の稼働時間が11時間に対応するK時間までの期間(稼働時間が0時間以上K時間未満までの期間)となるK時間のタイミングまで同様の制御が実行される。
続いて、運転開始後の稼働時間が12時間に対応するL時間までの期間(稼働時間が0時間以上L時間未満までの期間)となるL時間のタイミングで混合水の排水判定が実行される。ここまでの加湿浄化運転で、積算加湿量は、第一制御11回に基づく供給量(混合槽92の容量の約1.8倍)となり、積算加湿量が基準量(混合槽92の容量の2倍)未満であると判定される。さらにまた、第一制御による次亜塩素酸水原液の供給回数が11回であり、第一制御の実行回数が基準回数(11回)であると判定される。そして、判定結果を受けて、第三制御が実行され、混合槽92の混合水が排水される。さらに、第三制御の実行後、混合槽92に対して新たに次亜塩素酸水原液の供給と水の供給がそれぞれ実行され、混合槽92は、初期状態と同じ、所定濃度の次亜塩素酸水(混合水)によって満水となった状態となる。
その後は、L時間のタイミングを初期状態(0時間)と見なして、L時間の期間ごとに同じ供給動作及び排水動作が繰り返されることになる。
より詳細に説明する。
まず、図5の(a)を参照して、混合槽92内の次亜塩素酸水(混合水)の水位の経時変化に着目して説明する。
運転初期(0時間)には、混合槽92内は、満水まで次亜塩素酸原液と水の混合水(これも次亜塩素酸水)で満たされている。そして、加湿浄化運転によって一定の速度で混合水の水量が減少し、次亜塩素散水の供給タイミングであるA時間を迎える。そして、このA時間のタイミングで混合水の排水判定が実行される。
ここまでの加湿浄化運転で、第二制御による水の供給及び第一制御による次亜塩素酸水原液の供給のいずれも実行していないので、積算加湿量は、基準量(混合槽92の容量の2倍)未満であると判定される。さらに、第一制御による次亜塩素酸水原液の供給回数が0回であり、第一制御の実行回数が基準回数(11回)に達していないと判定される。そして、判定結果を受けて、混合槽92に貯留される混合水の排水を実行することなく第一制御が実行され、次亜塩素酸水原液が次亜塩素酸水生成部30(次亜塩素酸水供給部36)から混合槽92に供給される。これにより、混合槽92内の水位は、満水状態にまで上昇する。その後も加湿浄化運転によって混合水の水位が減少していき、次亜塩素散水の供給タイミングであるB時間を迎える。そして、このB時間のタイミングで混合水の排水判定が実行される。
ここまでの加湿浄化運転で、第一制御による次亜塩素酸水原液の供給回数が1回であるので、積算加湿量は、混合槽92の容量の約0.17倍(≒約1/6倍=約1/6×1回)となり、積算加湿量が基準量(混合槽92の容量の2倍)未満であると判定される。さらに、第一制御による次亜塩素酸水原液の供給回数が1回であり、第一制御の実行回数が基準回数(11回)に達してないと判定される。そして、判定結果を受けて、混合槽92に貯留される混合水の排水を実行することなく第一制御が実行され、次亜塩素酸水原液が次亜塩素酸水生成部30(次亜塩素酸水供給部36)から混合槽92に供給される。これにより、混合槽92内の水位は、満水状態にまで上昇する。このように、第三例では、加湿浄化運転によって一定の速度で混合水の水量が減少していくものの、満水状態と基準水量との間で混合水の水量が増減するだけである。
その後、次亜塩素散水原液の供給タイミングであるL時間を迎え、このL時間のタイミングで混合水の排水判定が実行される。
ここまでの加湿浄化運転で、第一制御による次亜塩素酸水原液の供給回数が11回であるので、積算加湿量は、混合槽92の容量の約1.8倍(≒約1/6×11回)となり、積算加湿量が基準量(混合槽92の容量の2倍)未満であると判定される。さらに、第一制御による次亜塩素酸水原液の供給回数が11回であり、第一制御の実行回数が基準回数(11回)に達していると判定される。そして、判定結果を受けて、第三制御が実行され、混合槽92の混合水が排水される。さらに、第三制御による混合水の排水の実行後、混合槽92に対して新たに次亜塩素酸水原液の供給と水の供給がそれぞれ実行され、混合槽92は、初期状態(0時間)と同じ、所定濃度の次亜塩素酸水(混合水)によって満水となった状態となる。ここで、積算加湿量(第一制御の実行回数)はリセットされ、再び積算加湿量の記憶が開始される。
その後は、L時間のタイミングを初期状態(0時間)と見なして、L時間の期間ごとに同じ供給動作及び排水動作が繰り返されることになる。より詳細には、これまでと同じように、次亜塩素酸水の供給タイミングにおいて第一制御によって次亜塩素酸水原液が供給されることを繰り返す。そして、第一制御の実行の直前において第三制御による混合水の排水判定を行い、条件を満たす場合に第三制御を実行する。そして、各動作に対応して混合槽92内の次亜塩素酸水(混合水)の水位が増減する。
次に、図5の(b)を参照して、混合槽92内の次亜塩素酸水(混合水)の濃度の経時変化に着目して説明する。
運転初期(0時間)には、混合槽92内に次亜塩素酸水原液と水の混合水が所定の濃度(初期濃度)となるように混合されている。そして、加湿浄化運転が開始されると、混合槽92内の次亜塩素酸水(混合水)の濃度は、運転開始からA時間まで時間の経過とともに減少する。これは、上述した通り、次亜塩素酸が水よりも蒸気圧が高いことに起因して、次亜塩素酸水の濃度に対して一定の割合で次亜塩素酸が気化して空気に付与されるためである。
そして、運転開始から次亜塩素散水の供給タイミングであるA時間を迎えると、次亜塩素酸水生成部30(次亜塩素酸水供給部36)からの次亜塩素酸水原液の供給に伴って混合槽92内の次亜塩素酸水の濃度が初期濃度以上にまで上昇する。これは、上述した通り、運転初期(0時間)において貯留する混合水の水量よりも少ない水量である混合水(次亜塩素酸を含んでいる状態の水)に対して、運転初期において供給した所定量の次亜塩素酸水(次亜塩素酸水原液)を供給しているためである。その後、運転開始からB時間になるまで、次亜塩素酸の気化によって次亜塩素酸水(混合水)の濃度は減少する。
そして、運転開始から次亜塩素散水の供給タイミングであるB時間を迎えると、次亜塩素酸水生成部30(次亜塩素酸水供給部36)からの次亜塩素酸水原液の供給に伴って混合槽92内の次亜塩素酸水の濃度が初期濃度以上にまでさらに上昇する。その後、運転開始からC時間になるまで、次亜塩素酸の気化によって次亜塩素酸水(混合水)の濃度は減少していく。これ以降のK時間のタイミングまで同様に、次亜塩素酸水(混合水)の濃度変化を繰り返し、徐々に次亜塩素酸水(混合水)の濃度が上昇していく。
そして、運転開始から次亜塩素散水原液の供給タイミングであるL時間を迎えると、排水判定に基づいて排水タイミングとなるので、混合槽92内の次亜塩素酸水(混合水)がすべて排水された後、混合槽92内に水及び次亜塩素酸水原液がそれぞれ供給され、混合槽92内における次亜塩素酸水の濃度は、運転初期(0時間)と同様の状態となる。その後は、これまでと同様に次亜塩素酸水(混合水)の濃度変化を繰り返す。
次に、図5の(c)を参照して、吹出口3の空気9に含まれる次亜塩素酸の濃度の経時変化に着目して説明する。
吹出口3から放出される空気9に含まれる次亜塩素酸の濃度は、日本の冬場と同じく、空気浄化部11における加湿量及び混合槽92内の次亜塩素酸水の濃度によって決定されるので、図5の(c)に示すように、吹出口3の空気9に含まれる次亜塩素酸の濃度は、図5の(b)に示した混合槽92の次亜塩素酸水の濃度の増減に対応して増減する。
ここで、従来のように、水位センサ90が渇水を検知するごとに次亜塩素酸水原液及び水を供給して満水にする場合には、運転開始(0時間)からL時間まで次亜塩素酸水の濃度は減少し続けることになる。この場合には、吹出口3の空気9に含まれる次亜塩素酸の平均濃度は、例えば、従来平均濃度のようになる。
これに対して、第三例では、運転開始(0時間)からA時間までは従来と同じ状態であるものの、A時間からL時間までの期間は従来と状態が異なる。より詳細には、A時間からL時間までの期間では、図5の(b)に示すように、次亜塩素酸水の濃度が初期濃度よりも高い期間が、初期濃度よりも小さい期間よりもはるかに長くなっている。このため、運転開始(0時間)から12時間までの期間では、吹出口3の空気9に含まれる次亜塩素酸の平均濃度は、従来平均濃度よりも高い平均濃度となる。
そして、L時間以降についても、L時間を1サイクルとして、L時間ごとに混合水の濃度変化を繰り返すことになるので、次亜塩素酸水の濃度が上昇し続けることなく、ある一定濃度以下の範囲で次亜塩素酸水の濃度を調整し続けることが可能である。つまり、加湿浄化運転を続けると混合槽92内の次亜塩素酸水の濃度が上昇しすぎる可能性があるが、第一制御による次亜塩素酸水原液の供給回数に合わせた排水判定制御を設けることで、一定間隔で混合槽92内の次亜塩素酸水の濃度、ひいては吹出口3の空気9に含まれる次亜塩素酸の量をリセットすることができ、屋内空間18への次亜塩素酸ガスの供給量をコントロールすることができる。
以上のように、空間浄化システム100では、第一制御として予め設定した時間(例えば、1時間)ごとに混合槽92内に次亜塩素酸水を供給し、第二制御として水位センサ90からの水位情報(渇水信号)に基づいて水を給水する処理を実行するとともに、第三制御として、積算加湿量または第一制御の実行回数に基づいて、混合槽92の混合水を排水するようにしている。さらに、空間浄化システム100の空気浄化制御部41は、空気浄化部11に要求される加湿要求量(日本の冬場に相当する加湿要求量または日本の夏場に相当する加湿要求量)に基づいて、所定期間内における第一制御を行う回数と、所定期間内における第二制御を行う回数とを異ならせている。これにより、日本の冬場のように加湿要求量が高い状態では、従来の方法と比べて、次亜塩素酸量の含有量が少ない状態の空気9を屋内空間18に放出することができ、日本の夏場のように加湿要求量が低い状態では、従来の方法と比べて、次亜塩素酸量の含有量が多い状態の空気9で屋内空間18に放出することができる。さらに、加湿浄化運転を長時間続けた場合に、屋内空間18に放出する次亜塩素酸濃度の過上昇を抑えることができる。
つまり、次亜塩素酸水の供給、水の供給、及び混合水の排水をそれぞれ別々のトリガーで作動させることで、簡単な制御(第一制御、第二制御、第三制御)によって混合槽92内の次亜塩素酸水の濃度(屋内空間18に吹き出す空気9に含まれる次亜塩素酸の濃度)を調節することができる。
以上、本実施の形態1に係る空間浄化システム100によれば、以下の効果を享受することができる。
(1)空間浄化システム100は、次亜塩素酸水を生成する次亜塩素酸水生成部30と、次亜塩素酸水生成部30から混合槽92に次亜塩素酸水を供給する次亜塩素酸水供給部36と、混合槽92に水を供給する水供給部50と、混合槽92の水位を検知するための水位センサ90と、混合槽92に貯められた次亜塩素酸水と水との混合水を微細化して空気中に放出する空気浄化部11と、次亜塩素酸水供給部36及び水供給部50における供給処理、並びに、混合槽92に貯留される混合水の排水処理を制御する空気浄化制御部41とを備える。そして、空気浄化制御部41は、供給処理として、次亜塩素酸水供給部36による次亜塩素酸水の供給を所定時間(例えば60分)ごとに行う第一制御と、水位センサ90からの混合槽92の水位に関する情報(渇水情報)に基づいて水供給部50による水の供給を行う第二制御とをそれぞれ実行させ、排水処理として、空気浄化部11における積算加湿量に基づいて、混合槽92が貯留する混合水を排水する第三制御を実行させるようにした。
これにより、日本の夏場のように、相対湿度の高い空気が通風される場合においては、混合槽92に溜められた混合水の消費量が少ないため、混合槽92への次亜塩素酸水の供給頻度(第一制御を行う回数)が多くなり、混合槽92内における混合水の次亜塩素酸濃度が高い状態で、混合水を微細化して空気中に放出される。また、混合槽92に溜められた混合水の消費量が少ないため、混合水の排水の頻度(第三制御を行う回数)が少なくなり、混合槽92内における混合水の次亜塩素酸濃度が高い状態に維持される。この結果、微細化された次亜塩素酸水が気化されにくい状況であっても、所定濃度に高めた次亜塩素酸を空気に含ませて屋内空間18に放出させることができる。
一方、日本の冬場のように、相対湿度の低い空気が通風される場合においては、混合槽92に溜められた混合水の消費量が多いため、混合槽92への水の供給頻度(第二制御を行う回数)が多くなり、混合槽92内における混合水の次亜塩素酸濃度が低い状態で、混合水を微細化して空気中に放出される。また、混合槽92に溜められた混合水の消費量が多いため、混合槽92内の混合水の排水の頻度(第三制御を行う回数)が多くなり、混合水の次亜塩素酸濃度が高まりすぎるのを抑制することができる。この結果、微細化された次亜塩素酸水が気化されやすい状況であっても、所定濃度に薄まった次亜塩素酸を空気に含ませて屋内空間18に放出させることができる。
つまり、空間浄化システム100では、空気中に放出される次亜塩素酸の量を調節しやすくすることができる。
(2)空間浄化システム100では、空気浄化制御部41は、積算加湿量が基準量以上となった場合に、第三制御を実行させるようにした。これにより、空間浄化システム100は、空気浄化部11における加湿量に基づいて混合槽92に貯留する次亜塩素酸水の濃度を容易に調整することができる。
(3)空間浄化システム100では、積算加湿量は、第一制御及び第二制御の実行回数に基づいて算出されるようにした。これにより、空間浄化システム100は、積算加湿量を簡易的かつ正確に算出することができ、第三制御の制御性を向上させることができる。
(4)空間浄化システム100では、空気浄化制御部41は、第一制御を行った回数が基準回数となった場合に、第三制御を実行させるようにした。これにより、空間浄化システム100では、長時間運転(例えば24時間)する場合にも、混合槽92内の次亜塩素酸水濃度が高まりすぎる前に、混合槽92が貯留する混合水を排水する第三制御を実行させることで、混合槽92内の状態を運転初期の状態に戻すことができる。つまり、空間浄化システム100は、空気中に放出される次亜塩素酸の量を調節しやすくすることができる。
(5)空間浄化システム100では、空気浄化制御部41は、第三制御を、第一制御を実行する直前に実行させるようにした。これにより、空間浄化システム100では、第一制御によって混合槽92に次亜塩素酸が供給された直後に第三制御による排水が行われることがなくなるので、第一制御によって供給された次亜塩素酸水を最大限長く使い続け、第三制御での排水による無駄を減らすことができる。
ここで、空気浄化制御部41は、第三制御を、第一制御に加え第二制御を実行する直前に実行させるようにしてもよいし、第二制御を実行する直前のみに実行させるようにしてもよい。このようにしても、空間浄化システム100では、第一制御によって混合槽92に次亜塩素酸が供給された直後、あるいは、第二制御によって水が供給された直後に第三制御による排水が行われることがなくなるので、第一制御によって供給された次亜塩素酸水あるいは第二制御によって供給された水を最大限長く使い続け、第三制御での排水による無駄を減らすことができる。
(6)空間浄化システム100では、空気浄化制御部41は、供給処理において、空気浄化部11に要求される加湿要求量が第一基準値以上である場合、第一制御を行う回数が第二制御を行う回数よりも少なくなるように制御し、加湿要求量が第一基準値未満である場合、第一制御を行う回数が第二制御を行う回数よりも多くなるようになるように制御するようにした。これにより、空間浄化システム100では、供給処理において、加湿要求量が第一基準値未満である場合に、混合槽92内の次亜塩素酸濃度が高い状態で、混合水を微細化して空気中に放出させることができる。一方、加湿要求量が第一基準値以上である場合に、混合槽92内の次亜塩素酸濃度が低い状態で、混合水を微細化して空気中に放出させることができる。つまり、空間浄化システム100では、加湿要求量に基づいて、屋内空間18の環境に好適な条件で、空気浄化部11から放出される空気9に次亜塩素酸を付与することができる。
以上、本発明に関して実施の形態をもとに説明した。これらの実施の形態は例示であり、それらの各構成要素あるいは各処理プロセスの組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されているところである。
本実施の形態1に係る空間浄化システム100における第一例、第二例、及び第三例では、空気浄化部11は、加湿浄化運転時間中、一定の加湿要求量で動作しているとして説明したが、実際には、一定時間ごとに、目標湿度と屋内空間18の空気の湿度との間の湿度差に基づいて特定される加湿要求量で動作するようにしている。
また、本実施の形態に係る空間浄化システム100では、第一制御の実行回数及び第二制御の実行回数に基づいて積算加湿量を算出したが、これに限られない。例えば、空間浄化装置10の風路前後に温湿度センサを設けることで、温湿度センサから得られる温湿度の変化量から積算加湿量を算出するようにしてもよい。
また、本実施の形態に係る空間浄化システム100では、基準回数を、第一制御による次亜塩素酸水の供給のみによって基準量に達する直前となる11回に設定したが、これに限られない。例えば、基準回数を、第一制御によって供給される次亜塩素酸水の濃度、つまり次亜塩素酸水生成部30において生成される次亜塩素酸水の濃度に基づいて設定するようにしてもよい。これにより、混合槽92内の次亜塩素酸水濃度が高まりすぎる前に、混合槽92が貯留する混合水を排水することできる。
本発明に係る空間浄化システムは、次亜塩素酸水を微細化して次亜塩素酸を空気中に放出する際に、空気中に放出される次亜塩素酸の量を調節しやすくできるものであり、対象空間の空気を殺菌または消臭するシステムとして有用である。
2 吸込口
3 吹出口
4 前段風路
5 中段風路
6 後段風路
8 空気
9 空気
10 空間浄化装置
11 空気浄化部
11a 加湿モータ
11b 加湿ノズル
13 送風機
14 冷媒コイル
15 空気調和装置
16 ダクト
16a 屋内吸込口
17 ダクト
17a 屋内吹出口
18 屋内空間
20 室外機
20a 圧縮機
20b 膨張器
20c 屋外熱交換器
20d 送風ファン
20e 四方弁
21 冷媒回路
24 ダクト
30 次亜塩素酸水生成部
31 電解槽
32 電極
33 電磁弁
34 塩水タンク
35 塩水搬送ポンプ
36 次亜塩素酸水供給部
37 次亜塩素酸水搬送ポンプ
38 送水管
39 水位センサ
41 空気浄化制御部
41a 入力部
41b 記憶部
41c 計時部
41d 処理部
41e 出力部
42 空気調和制御部
43 操作装置
44 温湿度センサ
50 水供給部
51 電磁弁
52 送水管
60 排水部
61 電磁弁
62 送水管
90 水位センサ
92 混合槽
100 空間浄化システム

Claims (6)

  1. 次亜塩素酸水を生成する次亜塩素酸水生成部と、
    前記次亜塩素酸水生成部から混合槽に前記次亜塩素酸水を供給する次亜塩素酸水供給部と、
    前記混合槽に水を供給する水供給部と、
    前記混合槽の水位を検知するための水位センサと、
    前記混合槽に貯められた前記次亜塩素酸水と前記水との混合水を微細化して空気中に放出する加湿浄化部と、
    前記次亜塩素酸水供給部及び前記水供給部における供給処理、並びに、前記混合槽に貯留される前記混合水の排水処理を制御する制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、前記供給処理として、前記次亜塩素酸水供給部による前記次亜塩素酸水の供給を所定時間ごとに行う第一制御と、前記水位センサからの前記混合槽の水位に関する情報に基づいて前記水供給部による水の供給を行う第二制御とをそれぞれ実行させ、前記排水処理として、前記加湿浄化部における積算加湿量に基づいて、前記混合槽が貯留する前記混合水を排水する第三制御を実行させることを特徴とする空間浄化システム。
  2. 前記制御部は、前記積算加湿量が基準量以上となった場合に、前記第三制御を実行させることを特徴とする請求項1に記載の空間浄化システム。
  3. 前記積算加湿量は、前記第一制御及び前記第二制御の実行回数に基づいて算出されることを特徴とする請求項2に記載の空間浄化システム。
  4. 前記制御部は、前記第一制御を行った回数が基準回数となった場合に、前記第三制御を実行させることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の空間浄化システム。
  5. 前記制御部は、前記第三制御を、前記第一制御または前記第二制御を実行する直前に実行させることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の空間浄化システム。
  6. 前記制御部は、前記供給処理において、前記加湿浄化部に要求される加湿要求量が第一基準値以上である場合、前記第一制御を行う回数が前記第二制御を行う回数よりも少なくなるように制御し、前記加湿要求量が前記第一基準値未満である場合、前記第一制御を行う回数が前記第二制御を行う回数よりも多くなるようになるように制御することを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の空間浄化システム。
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