JP2023031049A - 排荷量の測定方法、測定システムおよび運搬車 - Google Patents
排荷量の測定方法、測定システムおよび運搬車 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】排荷量を好適に把握し得る排荷量の測定方法、測定システムおよび運搬車を提供する。【解決手段】荷台の上げ動作時における積載量の関係値と、上げ動作に続く荷台の下げ動作時における積載量の関係値を把握し、上げ動作時における積載量の関係値から荷台が積載状態にあると判定され、且つ、下げ動作時における積載量の関係値から荷台が排荷状態にあると判定された場合に、荷台の上げ動作時における積載量を排荷量として積算する。【選択図】図3
Description
本発明は、荷台を備えた運搬車における積荷の排荷量を測定するための方法とシステム、および該システムを備えた運搬車に関する。
工事現場等においては、運搬車によって土砂等の運搬が行われるが、その際、運搬車の稼働状況を把握するための技術として、例えば下記特許文献1、2等に記載の技術が提案されている。特許文献1には、不整地運搬車において荷台の積載量を測定する技術が記載されている。特許文献2には、運搬車の荷台の動作回数をカウントする技術が記載されている。
ここで、例えばある期間におけるある運搬車の積荷の運搬量の総計(累積運搬量)を把握することができれば、運搬車の管理や、工事に係る作業の管理にとって有効である。累積運搬量は、例えば排荷(尚、ダンプカーのような運搬車に関し、荷台を傾斜させて積載した土砂を排出する動作は一般に「排土」と呼ばれるが、本明細書では運搬車の積荷が必ずしも土砂とは限らないことに鑑み、積荷を排出する動作を「排荷」と称することとする)を行う際に特許文献1に記載の如き技術を利用して排荷前の積載量を記録し、これを積算するといった作業によって把握することが可能である。しかしながら、このような作業を排荷の度に行うのは運搬車のオペレータにとって非常に煩雑であり、運搬作業そのものの効率へも影響しかねない。
そこで、例えば上記特許文献1、2に記載の技術を組み合わせ、荷台の上げ動作をカウントしつつ、その度にその直前における積載量を自動的に積算するといった方法も考えられる。ところが、運搬車の運転においては、荷台の上げ動作を行った時に必ずしも排荷が行われるとは限らない。単なる荷台の上げ動作を排荷と単純に結びつけてしまうような方法では、空荷の状態で荷台を上げ下げした場合や、上げ角度が浅く排荷量がゼロまたは少量であった場合でも排荷量が積算されてしまう可能性があり、累積運搬量を精度良く把握することは困難である。
本発明は、斯かる実情に鑑み、排荷量を好適に把握し得る排荷量の測定方法、測定システムおよび運搬車を提供しようとするものである。
本発明は、荷台の上げ動作時における積載量の関係値と、前記上げ動作に続く前記荷台の下げ動作時における積載量の関係値を把握し、前記上げ動作時における前記積載量の関係値から前記荷台が積載状態にあると判定され、且つ、前記下げ動作時における前記積載量の関係値から前記荷台が排荷状態にあると判定された場合に、前記荷台の上げ動作時における積載量を排荷量として積算することを特徴とする排荷量の測定方法にかかるものである。
本発明の排荷量の測定方法においては、前記荷台が下りた状態からの前記荷台の上げ操作の入力に応じ、前記荷台を起伏させる起伏装置に対し一定の制御量で伸長制御を行い、前記一定の制御量による起伏装置の伸長制御によって前記荷台が浮いた段階における前記起伏装置の圧力値に基づき、積載量の算出を行うことができる。
また、本発明は、運搬車に取り付けられた荷台と、該荷台を起伏させる起伏装置と、該起伏装置に生じる圧力を測定する圧力センサと、前記荷台と、前記運搬車の車体をなすフレームとの接触を検出する接触センサとを備え、前記荷台の上げ動作および下げ動作を前記接触センサにより把握すると共に、前記荷台における積載量の関係値を前記圧力センサの測定値により把握し、前記上げ動作時における前記積載量の関係値から前記荷台が積載状態にあると判定され、且つ、前記上げ動作に続く前記荷台の下げ動作時における前記積載量の関係値から前記荷台が排荷状態にあると判定された場合に、前記荷台の上げ動作時における前記圧力センサの測定値に基づき算出された積載量を排荷量として積算するよう構成されていることを特徴とする排荷量の測定システムにかかるものである。
本発明の排荷量の測定システムにおいて、前記荷台の上げ動作時における前記荷台の積載状態の判定は、前記接触センサによって前記荷台が前記フレームから浮いたことを検知した時点で取得された前記圧力センサの測定値に基づいて行われ、前記荷台の下げ動作時における前記荷台の積載状態の判定は、前記接触センサによって前記荷台が前記フレームに接触したことを検知した時点で取得された前記圧力センサの測定値に基づいて行われるようにすることができる。
本発明の排荷量の測定システムにおいて、前記荷台の上げ動作時における積載量の算出は、前記接触センサによって前記荷台が前記フレームから浮いたことを検知した時点で取得された前記圧力センサの測定値に基づいて行われるようにすることができる。
本発明の排荷量の測定システムは、前記フレームに対し前記荷台が下りた状態からの前記荷台の上げ操作の入力に応じ、前記起伏装置に対し一定の制御量で伸長制御を行い、前記接触センサにより前記荷台が前記フレームに対して浮いたことを検知した時点で取得した前記圧力センサの測定値に基づき、積載量の算出を行うよう構成することができる。
また、本発明は、上述の排荷量の測定システムを備えたことを特徴とする運搬車にかかるものである。
本発明の排荷量の測定方法、測定システムおよび運搬車によれば、排荷量を好適に把握するという優れた効果を奏し得る。
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
図1は本発明の実施による排荷量の測定システムを備えた運搬車の一例を示しており、図2は測定システムの構成の一例を示している。運搬車1は、図1に示す如く、車体2の後部に取り付けられ、土砂等の積荷Cを積載するよう構成された荷台3と、左右両側に取り付けられた走行装置としてのクローラ4を備えている。
車体2をなすフレーム5の上面と、荷台3の下面との間には、荷台3の起伏を行う起伏装置としての流体圧シリンダ6が備えられている。流体圧シリンダ6は、基端部をフレーム5の上面に、先端部を荷台3の下面にそれぞれ回転可能に取り付けられており、フレーム5と荷台3の間で伸縮しつつ起伏することで、荷台3を車体2に対し起伏させるようになっている。
また、フレーム5の上面と荷台3との間には、荷台3とフレーム5の接触を検出する接触センサ7が取り付けられている。本実施例の場合、接触センサ7の取付位置は、フレーム5の上面における流体圧シリンダ6の設置位置よりも前方である。尚、ここでは接触センサ7として物理接触式のスイッチを想定した場合を例示しているが、接触センサ7の構成はこれに限定されず、フレーム5と荷台3の接触を検出できるセンサであればどのような装置であってもよい。例えば、光学式のセンサ等を用いることもできる。
流体圧シリンダ6の伸縮は、流体圧装置8を介して制御装置9により制御される(図2参照)。制御装置9は、運搬車1(図1参照)を構成する各部の機器類の作動状態を監視し、制御する情報処理装置である。流体圧装置8は、制御装置9から入力される指令信号に応じ、流体圧シリンダ6の伸び側(ボトム側)に対して流体圧を入力するようになっている。流体圧シリンダ6は、この流体圧によって伸縮し、また荷台3の重量を支持するようになっている。
流体圧装置8から流体圧シリンダ6へ流体圧を入力する回路の途中には圧力センサ10が取り付けられており、荷台3の重量を支持し、起伏動作を行うにあたって流体圧シリンダ6に生じる圧力を測定するようになっている。
また、制御装置9には各種のデータを格納する記憶部14が接続されており、各装置に対する制御の入力量や、圧力センサ10等の計器類の測定値など、システムの運転に関わるデータを必要に応じ適宜の形式で記録するようになっている。尚、記憶部14は、例えば制御装置9の機能の一部として備えてもよいし、図示しない情報端末装置等を接続し、記憶部14として使用してもよい。
運搬車1(図1参照)の運転席には、表示装置11が備えられている(図2参照;図1には図示せず)。表示装置11は、制御装置9から入力される画像信号に応じ、各種の視覚情報を表示するディスプレイであり、例えば荷台3の作動状態や、圧力センサ10によって検出される圧力の値、それに基づいて算出される積荷Cの積載量等を表示することができるようになっている。
また、運搬車1の運転席には、制御装置9に対して操作指令を入力する操作装置13が備えられている。操作装置13は、運搬車1の運転を人が操作するための装置であり、例えばクローラ4による走行や、流体圧シリンダ6による荷台3の上げ下げといった動作に関する操作を入力できるようになっている。
次に、上記した本実施例による排荷量の測定方法について、図3のフローチャートを参照しながら説明する。
本実施例では、荷台3の上げ下げを行う際、接触センサ7への入力の有無によって荷台3の状態(荷台3がフレーム5に対し浮いているか否か)を確認すると共に、圧力センサ10の測定値をもあわせて参照し、これらに基づいて排荷の有無を判定するようになっている。そしてその際、特定のタイミング(具体的には、接触センサ7への入力の有無によって把握される、荷台3がフレーム5から浮いたタイミング)における圧力センサ10の測定値に基づいて排荷前の積載量を算出し、上記した排荷の有無の判定によって排荷がなされたと判断された場合に、算出された積載量を排荷量として積算する。
以下に具体的な手順を説明する。荷台3が下げられた状態から、操作装置13に荷台3の上げ操作が入力されると、制御装置9は流体圧シリンダ6内の圧力を増大させ、荷台3の上げ動作を開始する(ステップS1)。このとき、制御装置9から流体圧シリンダ6へ入力される制御量は一定(例えば、最大値の50%)とするとよい(理由は後述する)。
制御量一定で流体圧シリンダ6内の圧力を増大させつつ、接触センサ7への入力の有無を判定する(ステップS2)。接触センサ7への入力がオンである場合は再びステップS3の判定を行い、これは荷台3が接触センサ7から離れるまで繰り返される。
接触センサ7への入力がオフになったらステップS3に進み、圧力センサ10の測定値を取得し、これに基づいて積載量を算出する。ここで、圧力センサ10の測定値の取得が済んだら、制御装置9では一定の制御量による流体圧シリンダ6の制御を終了し、操作装置13への操作入力量に従った制御を行う。例えば、この時点でオペレータによる荷台3の上げ動作に関する操作装置13への操作入力量が100%であった場合は、流体圧シリンダ6への制御の入力量を、先程までの50%から100%まで増大させる。
続いて、荷台3が積載状態にあるか否かに関する判定を行う。判定は、圧力センサ10の測定値を参照し、該測定値によって把握される積載量に関係する値(積載量の関係値)が、予め基準として設定された閾値以上であるか否かによって行う(ステップS4)。
ここで、圧力センサ10の測定値により把握される「積載量の関係値」とは、例えば圧力センサ10の測定値(圧力値)そのものであり、あるいは圧力値の代わりに、該圧力値に基づいて算出された流体圧シリンダ6における荷重値や、先のステップS3で算出した積荷Cの積載量を用いることもできる。判定の基準とする閾値としては、積載量の関係値として用いる値の種類(圧力値、荷重値、積載量など)に応じ、荷台3が積載状態か否かを判定するのに適した値(それ以上であれば荷台3は積載状態であり、未満であれば排荷状態であると、便宜的に見なすことができる基準値。尚、「排荷状態」とは、積荷が排出され、積載量がゼロあるいは十分に少なくなった状態を指すものとする)を予め設定しておく。
ステップS4において、積載量の関係値が閾値未満であれば、荷台3が上げ動作時において既に排荷状態であると判断できるので、排荷量の加算はせず、工程を終了する。圧力センサ10の測定値が閾値以上であった場合には、荷台3が積載状態であると判断できるので、ここで先のステップS3にて算出した積載量を保持する(ステップS5)。
その後、荷台3の上げ動作が終了すると、続いて下げ動作が開始される(ステップS6)。荷台3の下げ動作が開始すると、接触センサ7に荷台3の接触が入力されているか否かの判定を行いながら待機する(ステップS7)。ステップS7では、接触センサ7がオフの場合はそのまま判定を繰り返し、接触センサ7への入力がオンになった時点で次のステップS8へ進む。すなわち、荷台3の下げ動作が行われ、荷台3がフレーム5に下りて接触センサ7と接触した時に、ステップS3でそのことを検知し、ステップS8へ進む。
ステップS8では、荷台3が排荷状態にあるか否かを判定する。判定は、この時点における積載量の関係値と、予め基準として設定された閾値とを比較することで実行する。ここで使用する閾値は、荷台3が積載状態にあるか否かを判定する基準として予め設定された値であり、ステップS4で用いた閾値とは同じ値を用いてもよいし、異なる値を設定することもできる。
ステップS8において、積載量の関係値が閾値以上であれば、荷台3が積載状態にあり、すなわち先の上げ動作時に排荷が実質的に行われていないと判断できるので、排荷量の積算はせず、工程を終了する。積載量の関係値が閾値未満であった場合は、荷台3が排荷状態にあり、上げ動作によって排荷が行われたと判断できるので、ステップS9に進み、先のステップS5で保持した積載量を、排荷量として積算する。こうして積算された排荷量は、記憶部14に記録され、また必要に応じて表示装置11に表示される。
以上のようなシステムを用いた測定手順によれば、荷台3の動作に伴う実質的な排荷の有無をより確実に判定し、排荷が実質的に行われた場合に限って排荷量を積算するので、排荷量を実態に即して精度良く測定することが可能である。例えば、排荷の有無について、接触センサ7のオンオフのみに基づいて排荷回数を測定しようとすると、空荷の状態で荷台3を上げ下げした場合や、荷台3を少し上げたものの大きく傾斜させることはせず、積荷を排出することなく(あるいは少量の積荷を排出しただけで)下ろしたような場合に、実際の排荷量はゼロまたはそれに近い量であるにもかかわらず一回の排荷を行ったと判定されてしまう。本実施例では、接触センサ7のオンオフに加え、圧力センサ10の測定値を排荷の有無の判定条件として使用するので、実際に排荷が行われたか否かを精度良く把握することができる。
ここで、荷台3の上げ下げに伴って排荷が実質的に行われたか否かを判定するには、例えば上げ動作時と下げ動作時における積載量の関係値を比較し、下げ動作時の関係値が上げ動作時の関係値より小さければ排荷が行われたものと判定することも可能であるが、特に流体圧シリンダ6の圧力値によって積載量の関係値を把握する場合には、そういった方式では必ずしも正確に排荷の有無を判断することはできない虞がある。流体圧シリンダ6における圧力値は、積荷Cの積載量のほか、荷台3や流体圧シリンダ6の姿勢、荷台3における積荷Cの重心Pの位置、流体圧シリンダ6の動作速度等によっても変動するため、圧力センサ10の測定値やそれに基づき算出された積載量は、上げ動作時と下げ動作時で実際の積載量を同じように反映しているとは限らないからである。すなわち、例えば排荷が行われず、上げ動作時と下げ動作時とで実際の積載量に変化がなかったとしても、下げ動作時に取得された積載量の関係値が上げ動作時よりも小さくなるとか、逆に排荷が行われたにもかかわらず下げ動作時と上げ動作時における積載量の関係値に大きな差が見られないといった場合が考えられ、そのような場合、排荷が行われていないにもかかわらず排荷回数がカウントされたり、排荷が行われたにもかかわらず排荷回数がカウントされないことになる。本実施例のように、上げ動作時と下げ動作時にそれぞれ積載量の関係値を閾値と比較し、荷台3が積載状態にあるか否かを判定するようにすれば、より精度の高い排荷の有無の判定が可能である。
尚、荷台3の上げ動作時における積載量の関係値を取得するタイミングとしては、接触センサ7によって荷台3がフレーム5から浮いたことを検知した時点が特に適している。この段階において、荷台3はフレーム5に対しわずかな角度で浮いた状態であり、荷台3はフレーム5に対し、流体圧シリンダ6とその後方の支点でのみ支持され、姿勢もほぼ水平である。この状態では、荷台3の荷重がフレーム5に分散せず、しかも荷台3がほぼ水平であるために積載された積荷Cが自重で移動するようなこともなく、さらに積荷Cの重心Pの位置が(積み方によって前後左右にずれることは当然あるとしても)想定した位置から大きく外れてはいないことが期待できるため、積載量を正しく反映した関係値を取得しやすい。本実施例では、荷台3が接触センサ7から離れた時点における圧力センサ10の測定値を取得し、これを積載状態に関する判定に用いることで、より正確な判定を可能としている(ステップS2,S4)。
同様に、荷台3の下げ動作時における積載量の関係値を取得するタイミングとしては、接触センサ7によって荷台3がフレーム5に接触したことを検知した時点が特に適している。流体圧シリンダ6内の流体圧を低下させて流体圧シリンダ6を収縮させ、荷台3をフレーム5に下ろしていく過程において、荷台3がフレーム5や接触センサ7に接触してから、流体圧シリンダ6に加わる荷台3からの荷重がフレーム5に分散されていくまでにはタイムラグがあるので、接触センサ7への入力がオンになった時点で圧力センサ10の測定値を参照すれば、荷台3が積載状態か否かを判定するには十分な圧力値を得ることができる。そして、この時点であれば、荷台3はフレーム5に対し水平に近いわずかな角度で浮き、荷台3はフレーム5に対し、流体圧シリンダ6とその後方の支点でのみ支持された状態であり、積載量を正しく反映した関係値を取得しやすい。本実施例では、荷台3が接触センサ7に接触した時点における圧力センサ10の測定値を取得し、これを積載状態の判定に用いることで、荷台3の下げ動作時においても、より正確な積載状態の判定を可能としている(ステップS7~S8)。
また、上記のようなタイミングで取得された圧力値に基づき積載量を算出すること(ステップS2~S3)は、なるべく正確な積載量の算出という観点からも有利である。まず、積載量の根拠とする圧力値の取得のタイミングを限定することそれ自体によって、荷台3と流体圧シリンダ6の姿勢について常に同じ条件で圧力を計測することができる。荷台3における積荷Cの積載量と、流体圧シリンダ6内の圧力との関係は、むろん正に相関するものの、その係数は荷台3や流体圧シリンダ6の角度によって変わる。そこで、積載量の算出のために参照する圧力値を荷台3と流体圧シリンダ6が特定の姿勢である時点の圧力値に限定すれば、積載量と圧力値との関係は概ね一定であると見なすことができ、適切な計算によって積載量を算出することができる。
さらに、その参照する圧力値の取得のタイミングを「接触センサ7により荷台3がフレーム5に対して浮いたことを把握した時点」すなわち「接触センサ7への入力がオフになった時点」(ステップS2)に限定すると、積載量の算出にとって特に好適である。上に述べたように、この段階において荷台3はフレーム5に対し水平に近い角度で浮いた状態であり、積載量を正しく反映した圧力値を取得しやすいためである。
尚、このような状態において、流体圧シリンダ6内の圧力値と荷台3における積載量の関係は、積荷Cの重量のみでなく、積荷Cの重心Pの位置によっても変動するが、流体圧シリンダ6における圧力値から積載量を算出するにあたっては、重心Pが適当な位置にあると想定して計算すれば、実用上十分な精度で積載量を算出することができる。特に、上に述べたような特定のタイミングで取得された圧力値を根拠とすれば、荷台3がほぼ水平であるため、積荷Cの重心Pの位置が想定した位置から大きく外れてはいないことが期待でき、より精度の高い計算が可能である。
ここで、圧力値と積載量の関係には、その時点における荷台3と流体圧シリンダ6の姿勢だけでなく、流体圧シリンダ6の作動速度も影響する。本実施例の場合、荷台の上げ動作の開始時から、接触センサ7への入力がオフになるまでの間(ステップS1~S2)、操作装置13への操作の入力量にかかわらず一定の制御量で流体圧シリンダ6内の圧力を上昇させるようにしている。そして、接触センサ7への入力がオフになった時点における圧力値を取得し、これを積載量の算出に使用する(ステップS2~S3)。つまり、流体圧シリンダ6の作動速度が一定の範囲内にある状態での圧力値を積載量の算出に使用することになる。こうして、積載量の算出の根拠とする圧力値の取得条件を揃えることにより、積載量の算出のための計算をより適切に行うことができる。
尚、このように一定の制御量による制御を行う場合、オペレータが上げ操作の入力を開始した後、しばらくはオペレータからの操作の入力量と制御装置9による流体圧シリンダ6の制御量が一致しないことになるが、荷台3の上げ動作自体が行われないわけではないので、オペレータは制御遅れを感じることはないか、感じるとしても僅かである。
また、測定にあたっては、オペレータが特段の操作をせずとも、荷台3の上げ操作の度に接触センサ7への接触入力のオフを条件として自動的に積載量の測定と排荷量の積算が行われるので、積載量や排荷量の測定漏れがなく、オペレータにとっても毎回の操作の必要がないため便利である。
尚、上に説明した排荷量の測定手順はあくまで一例であって、積載量を好適に測定し、積算し得る限りにおいて適宜変更を加えてもよい。例えば、圧力センサ10における圧力値は接触センサ7のオンオフにかかわらず時々刻々取得し、接触センサ7への入力がオフになった時点の圧力値を抽出して積載量の算出に使用するようにしてもよい。また、上に説明した各ステップを実行する順序を入れ替えたり、別の工程を追加してもよい。
こうして把握された排荷量のデータは、運搬車1の稼働履歴として利用したり、積荷の運搬に関わる作業の状況を監視するといった用途に使用することができる。
以上のように、本実施例の排荷量の測定方法においては、荷台3の上げ動作時における積載量の関係値と、前記上げ動作に続く荷台3の下げ動作時における積載量の関係値を把握し、前記上げ動作時における前記積載量の関係値から荷台3が積載状態にあると判定され、且つ、前記下げ動作時における前記積載量の関係値から荷台3が排荷状態にあると判定された場合に、前記荷台3の上げ動作時における積載量を排荷量として積算するようにしている。このようにすれば、荷台3の動作に伴う実質的な排荷の有無をより確実に判定し、排荷が実質的に行われた場合に限って排荷量を積算することにより、排荷量を実態に即して精度良く測定することができる。
また、本実施例の排荷量の測定方法においては、荷台3が下りた状態からの荷台3の上げ操作の入力に応じ、荷台3を起伏させる起伏装置(流体圧シリンダ)6に対し一定の制御量で伸長制御を行い、前記一定の制御量による起伏装置6の伸長制御によって荷台3が浮いた段階における起伏装置6の圧力値に基づき、積載量の算出を行うようにしている。このようにすれば、荷台3と起伏装置6が一定の姿勢にあり、且つ起伏装置6の作動速度が一定の範囲内にある状態での圧力値を常に積載量の算出に使用することで、適切な計算によって積載量を算出することができる。
また、本実施例の排荷量の測定システムは、運搬車1に取り付けられた荷台3と、荷台3を起伏させる起伏装置6と、起伏装置6に生じる圧力を測定する圧力センサ10と、荷台3と、運搬車1の車体2をなすフレーム5との接触を検出する接触センサ7とを備え、荷台3の上げ動作および下げ動作を接触センサ7により把握すると共に、荷台3における積載量の関係値を圧力センサ10の測定値により把握し、前記上げ動作時における前記積載量の関係値から荷台3が積載状態にあると判定され、且つ、前記上げ動作に続く荷台3の下げ動作時における前記積載量の関係値から荷台3が排荷状態にあると判定された場合に、荷台3の上げ動作時における圧力センサ10の測定値に基づき算出された積載量を排荷量として積算するよう構成されている。このようにすれば、荷台3の動作に伴う実質的な排荷の有無をより確実に判定し、排荷が実質的に行われた場合に限って排荷量を積算することにより、排荷量を実態に即して精度良く測定することができる。
また、本実施例の排荷量の測定システムにおいて、荷台3の上げ動作時における荷台3の積載状態の判定は、接触センサ7によって荷台3がフレーム5から浮いたことを検知した時点で取得された圧力センサ10の測定値に基づいて行われ、荷台3の下げ動作時における荷台3の積載状態の判定は、接触センサ7によって荷台3がフレーム5に接触したことを検知した時点で取得された圧力センサ10の測定値に基づいて行われるようにしている。このようにすれば、荷台3と起伏装置6が一定の姿勢にあり、且つ起伏装置6の作動速度が一定の範囲内にある状態での圧力値を常に積載量の算出に使用することで、積載状態の判定をより正確に行うことができる。
また、本実施例の排荷量の測定システムにおいて、荷台3の上げ動作時における積載量の算出は、接触センサ7によって荷台3がフレーム5から浮いたことを検知した時点で取得された圧力センサ10の測定値に基づいて行われるようにしている。このようにすれば、荷台3と起伏装置6が一定の姿勢にあり、且つ起伏装置6の作動速度が一定の範囲内にある状態での圧力値を常に積載量の算出に使用することで、適切な計算によって積載量を算出することができる。
また、本実施例の排荷量の測定システムにおいて、フレーム5に対し荷台3が下りた状態からの荷台3の上げ操作の入力に応じ、起伏装置6に対し一定の制御量で伸長制御を行い、接触センサ7により荷台3がフレーム5に対して浮いたことを検知した時点で取得した圧力センサ10の測定値に基づき、積載量の算出を行うようにしている。このようにすれば、荷台3と起伏装置6が一定の姿勢にあり、且つ起伏装置6の作動速度が一定の範囲内にある状態での圧力値を常に積載量の算出に使用することで、適切な計算によって積載量を算出することができる。
また、本実施例の運搬車1は、上述の排荷量の測定システムを備えているので、同様の作用効果を奏することができる。
したがって、上記本実施例によれば、排荷量を好適に把握し得る。
尚、本発明の排荷量の測定方法、測定システムおよび運搬車は、上述の実施例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
1 運搬車
2 車体
3 荷台
5 フレーム
6 起伏装置(流体圧シリンダ)
7 接触センサ
10 圧力センサ
2 車体
3 荷台
5 フレーム
6 起伏装置(流体圧シリンダ)
7 接触センサ
10 圧力センサ
Claims (7)
- 荷台の上げ動作時における積載量の関係値と、
前記上げ動作に続く前記荷台の下げ動作時における積載量の関係値を把握し、
前記上げ動作時における前記積載量の関係値から前記荷台が積載状態にあると判定され、且つ、
前記下げ動作時における前記積載量の関係値から前記荷台が排荷状態にあると判定された場合に、
前記荷台の上げ動作時における積載量を排荷量として積算すること
を特徴とする排荷量の測定方法。 - 前記荷台が下りた状態からの前記荷台の上げ操作の入力に応じ、前記荷台を起伏させる起伏装置に対し一定の制御量で伸長制御を行い、
前記一定の制御量による起伏装置の伸長制御によって前記荷台が浮いた段階における前記起伏装置の圧力値に基づき、積載量の算出を行うこと
を特徴とする請求項1に記載の排荷量の測定方法。 - 運搬車に取り付けられた荷台と、
該荷台を起伏させる起伏装置と、
該起伏装置に生じる圧力を測定する圧力センサと、
前記荷台と、前記運搬車の車体をなすフレームとの接触を検出する接触センサとを備え、
前記荷台の上げ動作および下げ動作を前記接触センサにより把握すると共に、
前記荷台における積載量の関係値を前記圧力センサの測定値により把握し、
前記上げ動作時における前記積載量の関係値から前記荷台が積載状態にあると判定され、且つ、
前記上げ動作に続く前記荷台の下げ動作時における前記積載量の関係値から前記荷台が排荷状態にあると判定された場合に、
前記荷台の上げ動作時における前記圧力センサの測定値に基づき算出された積載量を排荷量として積算するよう構成されていること
を特徴とする排荷量の測定システム。 - 前記荷台の上げ動作時における前記荷台の積載状態の判定は、前記接触センサによって前記荷台が前記フレームから浮いたことを検知した時点で取得された前記圧力センサの測定値に基づいて行われ、
前記荷台の下げ動作時における前記荷台の積載状態の判定は、前記接触センサによって前記荷台が前記フレームに接触したことを検知した時点で取得された前記圧力センサの測定値に基づいて行われるよう構成されていること
を特徴とする請求項3に記載の排荷量の測定システム。 - 前記荷台の上げ動作時における積載量の算出は、前記接触センサによって前記荷台が前記フレームから浮いたことを検知した時点で取得された前記圧力センサの測定値に基づいて行われるよう構成されていること
を特徴とする請求項3または4に記載の排荷量の測定システム。 - 前記フレームに対し前記荷台が下りた状態からの前記荷台の上げ操作の入力に応じ、前記起伏装置に対し一定の制御量で伸長制御を行い、
前記接触センサにより前記荷台が前記フレームに対して浮いたことを検知した時点で取得した前記圧力センサの測定値に基づき、積載量の算出を行うよう構成されていること
を特徴とする請求項5に記載の排荷量の測定システム。 - 請求項3~6のいずれか一項に記載の排荷量の測定システムを備えたことを特徴とする運搬車。
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JP2021136518A JP2023031049A (ja) | 2021-08-24 | 2021-08-24 | 排荷量の測定方法、測定システムおよび運搬車 |
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