JP2023030984A - インクジェットインクおよびプリント物 - Google Patents

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Takumi Sawazaki
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Abstract

【課題】低粘度であり、皮膚刺激性が低減されており、基材に対する密着性が優れ、得られるインクジェット画像にスジ感が表れにくく、よりコストの抑えられたインクジェットインクおよびプリント物を提供する。【解決手段】ウレタンジアクリレートオリゴマーまたはアミンアクリレートのうち少なくともいずれか一方である成分(i)と、特定量の式(I)で示される成分(ii)と、直鎖脂肪族系(メタ)アクリレートモノマーである成分(iii)と、特定量の酸素原子を含む脂肪族複素環を分子内に持つ(メタ)アクリレートモノマーである成分(iv)と、光ラジカル重合開始剤とを含む、インクジェットインク。JPEG2023030984000006.jpg43112【選択図】なし

Description

本発明は、インクジェットインクおよびプリント物に関する。より詳細には、本発明は、低粘度であり、皮膚刺激性が低減されており、基材に対する密着性が優れ、得られるインクジェット画像にスジ感が表れにくく、よりコストの抑えられたインクジェットインクおよびプリント物に関する。
従来、インクジェット方式によってインクジェットインクを基材に付与してプリント物を作製する技術が開発されている(たとえば、特許文献1)。特許文献1に記載のインクジェットインクは、低粘度であり、保存安定性が優れ、かつ、成形性と耐溶剤性とが両立されたプリント物を作製し得る。ところで、インクジェット方式によりプリント物を作製する場合、得られるプリント物は、インクジェット画像にスジが現れる現象が起こりやすい。
特開2018-162415号公報
特許文献1に記載のインクジェットインクは、基材に対する密着性および皮膚刺激性に関して改善の余地がある。また、特許文献1に記載のインクジェットインクは、2-(アリルオキシメチル)アクリル酸メチル等の特定の成分を多く含んでおり、高コストであった。
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、低粘度であり、皮膚刺激性が低減されており、基材に対する密着性が優れ、得られるインクジェット画像にスジ感が表れにくく、よりコストの抑えられたインクジェットインクおよびプリント物を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明のインクジェットインクおよびプリント物には、以下の構成が主に含まれる。
(1)以下の成分(i)と、成分(ii)と、成分(iii)と、成分(iv)と、光ラジカル重合開始剤とを含み、前記成分(ii)の含有量は、インクジェットインク中、5~20質量%であり、前記成分(iv)の含有量は、インクジェットインク中、20~60質量%である、インクジェットインク。
<成分(i)>
ウレタンジアクリレートオリゴマーまたはアミンアクリレートのうち少なくともいずれか一方。
<成分(ii)>
以下の式(I)で示される化合物。
Figure 2023030984000001
(式(I)中、R1は、水素原子または1価の有機基を表す。有機基は、炭化水素で構成され、エーテル基を有していてもよい。炭化水素の水素原子は、ハロゲン原子で置換されていてもよい。)
<成分(iii)>
直鎖脂肪族系(メタ)アクリレートモノマー。
<成分(iv)>
酸素原子を含む脂肪族複素環を分子内に持つ(メタ)アクリレートモノマー。
このような構成によれば、インクジェットインクは、低粘度であり、皮膚刺激性が低減されており、基材に対する密着性が優れる。また、インクジェットインクは、高コストな成分(ii)の含有量が少ないため、よりコストが抑えられやすい。さらに、インクジェットインクを付与して得られるインクジェット画像は、スジ感が表れにくい。
(2)前記成分(i)が前記ウレタンジアクリレートオリゴマーを含む場合において、前記ウレタンジアクリレートオリゴマーは、ポリエステル系ウレタンジアクリレートオリゴマーまたはポリカーボネート系ウレタンジアクリレートオリゴマーのうち少なくともいずれか一方を含む、(1)記載のインクジェットインク。
このような構成によれば、得られるインクジェットインクは、より低粘度化されやすく、かつ、保存安定性が優れる。
(3)前記成分(i)のポリエステル系ウレタンジアクリレートオリゴマーまたはポリカーボネート系ウレタンジアクリレートオリゴマーの数平均分子量(Mn)は、1000~10000である、(2)記載のインクジェットインク。
このような構成によれば、得られるインクジェットインクは、より低粘度化されやすく、また、インクジェットインクを用いて得られるプリント物は、より優れた成形性を得られる。
(4)前記式(I)で示される化合物は、2-(アリルオキシメチル)アクリル酸メチルである、(1)~(3)のいずれかに記載のインクジェットインク。
このような構成によれば、インクジェットインクは、より低粘度化されやすい。また、インクジェットインクを用いて得られるプリント物は、より優れた基材密着性と成形性とが両立される。
(5)前記成分(iv)の複素環骨格は、モルホリン骨格、テトラヒドロフラン骨格、ジオキサン骨格、ジオキソラン環のうち、少なくともいずれかを含む、(1)~(4)のいずれかに記載のインクジェットインク。
このような構成によれば、インクジェットインクを用いて得られるプリント物は、基材への密着性が優れる。
(6)表面調整剤をさらに含む、(1)~(5)のいずれかに記載のインクジェットインク。
このような構成によれば、インクジェットインクを用いて得られるプリント物の印刷画像は、スジ感が現れにくい。
(7)30℃における粘度は、5~50mPa・sである、(1)~(6)のいずれかに記載のインクジェットインク。
このような構成によれば、インクジェットインクは、充分に低粘度化されており、取り扱い易く、かつ、インクジェットプリント時における吐出安定性がより優れる。
(8)表面張力は、35dyne/cm以下である、(1)~(7)のいずれかに記載のインクジェットインク。
このような構成によれば、インクジェットインクは、インクジェットプリント時における吐出安定性がより優れる。また、インクジェットインクは、鮮明なインクジェット画像を形成しやすい。
(9)(1)~(8)のいずれかに記載のインクジェットインクを用いて印刷されたインクジェット画像が形成された、インクジェットプリント物。
このような構成によれば、得られるプリント物は、基材に対するインクジェット画像(インクジェット層)の密着性が優れている。また、インクジェット画像は、スジ感が表れにくい。
本発明によれば、低粘度であり、皮膚刺激性が低減されており、基材に対する密着性が優れ、得られるインクジェット画像にスジ感が表れにくく、よりコストの抑えられたインクジェットインクおよびプリント物を提供することができる。
<インクジェットインク>
本発明の一実施形態のインクジェットインクは、以下の成分(i)と、成分(ii)と、成分(iii)と、成分(iv)と、光ラジカル重合開始剤とを含む。成分(ii)の含有量は、インクジェットインク中、5~20質量%である。成分(iv)の含有量は、インクジェットインク中、20~60質量%である。以下、それぞれについて説明する。
<成分(i)>
ウレタンジアクリレートオリゴマーまたはアミンアクリレートのうち少なくともいずれか一方。
<成分(ii)>
以下の式(I)で示される化合物。
Figure 2023030984000002
(式(I)中、R1は、水素原子または1価の有機基を表す。有機基は、炭化水素で構成され、エーテル基を有していてもよい。炭化水素の水素原子は、ハロゲン原子で置換されていてもよい。)
<成分(iii)>
直鎖脂肪族系(メタ)アクリレートモノマー。
<成分(iv)>
酸素原子を含む脂肪族複素環を分子内に持つ(メタ)アクリレートモノマー。
(成分(i))
成分(i)は、ウレタンジアクリレートオリゴマーまたはアミンアクリレートのうち少なくともいずれか一方を含む。成分(i)が含まれていることにより、インクジェットインクは、得られるインクジェット画像に適度な柔軟性を付与し得る。これにより、プリント物が成形される場合において、インクジェット画像が変形に追従しやすく、割れ等を生じにくい。また、インクジェットインクは、UV硬化性が優れる。
・ウレタンジアクリレートオリゴマー
ウレタンジアクリレートオリゴマーは特に限定されない。一例を挙げると、ウレタンジアクリレートオリゴマーは、ポリエステル系ウレタンジアクリレートオリゴマー、ポリカーボネート系ウレタンジアクリレートオリゴマー、ポリエーテル系ウレタンジアクリレートオリゴマー等である。これらの中でも、得られるインクジェットインクが、より低粘度となり、かつ、保存安定性が優れる点から、ウレタンジアクリレートオリゴマーは、ポリエステル系ウレタンジアクリレートオリゴマーまたはポリカーボネート系ウレタンジアクリレートオリゴマーのうち少なくともいずれか一方を含むことが好ましい。
ポリエステル系ウレタンジアクリレートオリゴマーは、たとえば、ポリエステルジオールと、ポリエステルジオールと反応し得る官能基を有する(メタ)アクリレートモノマーとを反応させることにより製造されるオリゴマーである。
ポリエステルジオールは特に限定されない。一例を挙げると、ポリエステルジオールは、ポリエチレンアジペートジオール、ポリブチレンアジペートジオール、ポリエチレンブチレンアジペートジオール、ポリへキサメチレンイソフタレートアジペートジオール、ポリエチレンサクシネートジオール、ポリブチレンサクシネートジオール、ポリエチレンセバケートジオール、ポリブチレンセバケートジオール、ポリ-ε-カプロラクトンジオール、ポリ(3-メチル-1,5-ペンチレンアジペート)ジオール、1,6-へキサンジオールとダイマー酸の重縮合物等である。
ポリエステルジオールの数平均分子量(Mn)は、500以上であることが好ましく、900以上であることがより好ましく、1200以上であることがさらに好ましい。また、Mnは、9000以下であることが好ましく、8000以下であることがより好ましい。Mnが上記範囲内であることにより、インクジェットインクを用いて得られるプリント物は、より優れた成形性と耐溶剤性とが両立され得る。なお、本実施形態において、Mn(および後述する重量平均分子量(Mw))は、たとえば、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算値として算出され得る。
ポリエステルジオールの粘度は特に限定されない。一例を挙げると、ポリエステルジオールの粘度(25℃条件下)は、100000mPa・s以下であることが好ましく、50000mPa・s以下であることがより好ましい。
ポリエステルジオールと反応し得る官能基を有する(メタ)アクリレートモノマーは特に限定されない。一例を挙げると、上記官能基は、ブロックイソシアネート系官能基、イソシアネート系官能基である。これらの中でも、(メタ)アクリレートモノマーは、得られるインクジェットインクの保存安定性がより向上する点から、ポリエステルジオールと反応し得る官能基としてブロックイソシアネート系官能基を含んでいることが好ましい。
ブロックイソシアネート系官能基は、イソシアネート基(-NCO)が熱脱離可能な保護基により保護された官能基であり、イソシアネート基にブロック剤を反応させることにより形成された官能基である。
ブロック剤は特に限定されない。一例を挙げると、ブロック剤は、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n-ブタノール、1-メトキシ-2-プロパノール、2-エトキシヘキサノール、2-N,N-ジメチルアミノエタノール、2-エトキシエタノール、シクロヘキサノール等のアルコール類、フェノール、o-ニトロフェノール、p-クロロフェノール、o-クレゾール、m-クレゾール、p-クレゾール等のフェノール類、ε-カプロラクタム、γ-カプロラクタム等のラクタム類、アセトンオキシム、メチルエチルケトンオキシム、メチルイソブチルケトンオキシム、シクロヘキサノンオキシム、アセトフェノンオキシム、ベンゾフェノンオキシム等のオキシム類、ピラゾール、3,5-ジメチルピラゾール、3-メチルピラゾール等のピラゾール類、ドデカンチオール、ベンゼンチオール等のチオール類、マロン酸ジエステル、アセト酢酸エステル、マロン酸ジニトリル、アセチルアセトン、メチレンジスルホン、ジベンゾイルメタン、ジピバロイルメタン、アセトンジカルボン酸ジエステル等の活性メチレン系化合物類である。ブロック剤は併用されてもよい。これらの中でも、ブロック剤は、得られるプリント物の熱処理による反応性とインクの保存安定性とを両立しやすい点から、マロン酸ジエチル、ジメチルピラゾール、または、メチルエチルケトンオキシムを含むことが好ましい。
上記官能基を有する(メタ)アクリレートモノマーは特に限定されない。一例を挙げると、(メタ)アクリレートモノマーは、2-イソシアネートエチルメタクリレート、2-イソシアネートエチルアクリレート等のイソシアネート含有(メタ)アクリレートである。
ポリエステル系ウレタンジアクリレートオリゴマーの数平均分子量(Mn)は、1000以上であることが好ましく、1200以上であることがより好ましい。また、Mnは、10000以下であることが好ましく、8000以下であることがより好ましい。Mnが上記範囲内であることにより、インクジェットインクを用いて得られるプリント物は、より優れた成形性が得られる。
ポリカーボネート系ウレタンジアクリレートオリゴマーは、たとえば、ポリカーボネートジオールと、ポリカーボネートジオールと反応し得る官能基を有する(メタ)アクリレートモノマーとを反応させることにより製造し得る。
ポリカーボネートジオールは特に限定されない。一例を挙げると、ポリカーボネートジオールは、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール、1,9-ノナンジオール、2-メチル-1,8-オクタンジオールなどのジオールを原料にしたポリカーボネートジオールである。
ポリカーボネートジオールの数平均分子量(Mn)は、500以上であることが好ましく、900以上であることがより好ましく、1200以上であることがさらに好ましい。また、Mnは、9000以下であることが好ましく、8000以下であることがより好ましい。Mnが上記範囲内であることにより、インクジェットインクを用いて得られるプリント物は、より優れた成形性が得られる。
ポリカーボネートジオールの粘度は特に限定されない。一例を挙げると、ポリエステルジオールの粘度(25℃条件下)は、100000mPa・s以下であることが好ましく、50000mPa・s以下であることがより好ましい。
ポリカーボネートジオールと反応し得る官能基を有する(メタ)アクリレートモノマーは特に限定されない。一例を挙げると、ポリカーボネートジオールと反応し得る官能基を有する(メタ)アクリレートモノマーは、ポリエステル系ウレタンジアクリレートオリゴマーに関連して上記したものと同様のものが用いられ得る。
ポリカーボネート系ウレタンジアクリレートオリゴマーの数平均分子量(Mn)は、1000以上であることが好ましく、1500以上であることがより好ましい。また、Mnは、10000以下であることが好ましく、9000以下であることがより好ましい。Mnが上記範囲内であることにより、インクジェットインクを用いて得られるプリント物は、より優れた成形性と耐溶剤性とが両立され得る。
・アミンアクリレート
アミンアクリレートは、少なくとも1つのアミノ基、および、少なくとも1つの(メタ)アクリロイル基を有する化合物である。アミンアクリレートは、1分子当たり少なくとも1つのアミノ基を有し、1~6のアミノ基を有することが好ましく、1~3のアミノ基を有することがより好ましく、1または2のアミノ基を有することがさらに好ましい。アミンアクリレートの1分子当たりのアミノ基の数が上記範囲内であることにより、得られるインクジェットインクは、より低粘度化されやすい。
アミンアクリレートは、1分子当たり少なくとも1つの(メタ)アクリロイル基を有し、1~6の(メタ)アクリロイル基を有することが好ましく、1~4の(メタ)アクリロイル基を有することがより好ましく、1または2の(メタ)アクリロイル基を有することがさらに好ましい。アミンアクリレートの1分子当たりの(メタ)アクリロイル基の数が上記範囲内であることにより、インクジェットインクは、反応性が優れる。
アミンアクリレートの25℃における粘度は、1mPa・s以上であることが好ましく、3mPa・s以上であることがより好ましく、5mPa・s以上であることがさらに好ましい。また、アミンアクリレートの25℃における粘度は、2000mPa・s以下であることが好ましく、1500mPa・s以下であることがより好ましく、1000mPa・s以下であることがさらに好ましい。アミンアクリレートの25℃における粘度が上記範囲内であることにより、インク組成物は、吐出安定性が優れる。
アミンアクリレートは、以下の商品が例示される。
RAHN社:GENOMER5161、GENOMER5275
サートマー社:CN371、CN373、CN383、CN384、CN386、CN501、CN550、CN551
ダイセルサイテック社:EBECRYL7100、EBECRYL80、EBECRYL81、EBECRYL83、EBECRYL84、EBECRYLP115
BASF社:Laromer PO77F(LR8946)、Laromer LR8956、Laromer LR8996、Laromer PO94F(LR8894)
コグニス社:Photomer4771、Photomer4775、Photomer4967、Photomer5096、Photomer5662、Photomer5930
DoubleBondChemicals社:DoublecureEPD、DoublecureOPD、Doublecure115、Doublecure225、Doublecure645、PolyQ222、PolyQ226、PolyQ224、PolyQ101
成分(i)全体の説明に戻り、成分(i)の含有量は特に限定されない。一例を挙げると、成分(i)の含有量は、インク組成物中、1質量%以上であることが好ましく、3質量%以上であることがより好ましい。また、成分(i)の含有量は、インク組成物中、25質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましい。成分(i)の含有量が上記範囲内であることにより、インクジェットインクは、基材に対する密着性がより優れる。
(成分(ii))
成分(ii)は、以下の式(I)で示される化合物である。成分(ii)は、インクジェットインクを低粘度化するとともに、得られるプリント物の成形性および耐溶剤性を共に向上させるために配合される。また、成分(ii)は、基材にインクジェットインクが付与されると、基材に浸透する。これにより、得られるインクジェット画像(インクジェット層)は、基材との密着性が向上しやすい。
Figure 2023030984000003
式(I)において、R1は、水素原子または1価の有機基を表す。有機基は、炭化水素で構成され、エーテル基を有していてもよい。炭化水素の水素原子は、ハロゲン原子で置換されていてもよい。
有機基は、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよく、環状構造を含んでいてもよい。炭化水素基は特に限定されない。一例を挙げると、炭化水素基は、炭素数1以上の鎖状飽和炭化水素基、炭素数3以上の鎖状不飽和炭化水素基、炭素数3以上の脂環式炭化水素基、炭素数6以上の芳香族炭化水素基等である。これらの中でも、炭化水素基は、炭素数1~30の鎖状飽和炭化水素基、炭素数3~30の鎖状不飽和炭化水素基、炭素数4~30の脂環式炭化水素基および炭素数6~30の芳香族炭化水素基であることが好ましい。置換基は特に限定されない。一例を挙げると、置換基は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、シアノ基、トリメチルシリル基等である。
鎖状飽和炭化水素基は特に限定されない。一例を挙げると、鎖状飽和炭化水素基は、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-アミル基、sec-アミル基、tert-アミル基、ネオペンチル基、n-ヘキシル基、sec-ヘキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基、sec-オクチル基、tert-オクチル基、2-エチルヘキシル基、カプリル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ラウリル基、トリデシル基、ミリスチル基、ペンタデシル基、セチル基、ヘプタデシル基、ステアリル基、ノナデシル基、エイコシル基、セリル基、メリシル基等である。
鎖状不飽和炭化水素基は特に限定されない。一例を挙げると、鎖状不飽和炭化水素基は、クロチル基、1,1-ジメチル-2-プロペニル基、2-メチル-ブテニル基、3-メチル-2-ブテニル基、3-メチル-3-ブテニル基、2-メチル-3-ブテニル基、オレイル基、リノール基、リノレン基等である。
脂環式炭化水素基は特に限定されない。一例を挙げると、脂環式炭化水素基は、シクロペンチル基、シクロペンチルメチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、4-メチルシクロヘキシル基、4-tert-ブチルシクロヘキシル基、トリシクロデカニル基、イソボルニル基、アダマンチル基、ジシクロペンタニル基、ジシクロペンテニル基等である。
芳香族炭化水素基は特に限定されない。一例を挙げると、芳香族炭化水素基は、フェニル基、メチルフェニル基、ジメチルフェニル基、トリメチルフェニル基、4-tert-ブチルフェニル基、ベンジル基、ジフェニルメチル基、ジフェニルエチル基、トリフェニルメチル基、シンナミル基、ナフチル基、アントラニル基等である。
エーテル結合を有する炭化水素基は特に限定されない。一例を挙げると、エーテル結合を有する炭化水素基は、メトキシエチル基、メトキシエトキシエチル基、メトキシエトシキエトキシエチル基、3-メトキシブチル基、エトキシエチル基、エトキシエトキシエチル基などの鎖状エーテル基;シクロペントキシエチル基、シクロヘキシルオキシエチル基、シクロペントキシエトキシエチル基、シクロヘキシルオキシエトキシエチル基、ジシクロペンテニルオキシエチル基などの脂環式炭化水素基と鎖状エーテル基を併せ持つ基;フェノキシエチル基、フェノキシエトキシエチル基などの芳香族炭化水素基と鎖状エーテル基を併せ持つ基;グリシジル基、β-メチルグリシジル基、β-エチルグリシジル基、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル基、2-オキセタンメチル基、3-メチル-3-オキセタンメチル基、3-エチル-3-オキセタンメチル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロフルフリル基、テトラヒドロピラニル基、ジオキサゾラニル基、ジオキサニル基などの環状エーテル基等である。
本実施形態において、式(I)中のR1は、水素原子であるか、炭素数が1~6である炭化水素基であることが好ましく、メチル基であることがより好ましい。成分(ii)が、式(I)で示される化合物のR1がメチル基である化合物(2-(アリルオキシメチル)アクリル酸メチル)である場合、インクジェットインクは、より低粘度化されやすい。また、得られるプリント物は、より優れた基材密着性と成形性とが両立され得る。
成分(ii)の含有量は、インクジェットインク中、5質量%以上であればよく、7質量%以上であることが好ましい。また、成分(ii)の含有量は、インクジェットインク中、20質量%以下であればよく、15質量%以下であることが好ましい。成分(ii)の含有量が5質量%未満である場合、インクジェットインクは、低粘度化されにくい。また、インクジェットインクは、成形性および耐溶剤性が両立されにくい。一方、成分(ii)の含有量が20質量%を超える場合、インクジェットインクは、高コストとなりやすい。また、インクジェットインクは、基材に対する密着性が劣りやすい。さらに、インクジェットインクは、皮膚刺激性が現れやすい。
(成分(iii))
成分(iii)は、直鎖脂肪族系(メタ)アクリレートモノマーを含む。成分(iii)は、インクジェットインクが、より幅広い種類の溶剤に対して優れた耐溶剤性を発揮し得るように配合される。また、成分(iii)は、得られるインクジェット画像(インクジェット層)に柔軟性を付与し得る。これにより、プリント物が成形される場合において、インクジェット画像が変形に追従しやすく、割れ等を生じにくい。
直鎖脂肪族系(メタ)アクリレートモノマーは特に限定されない。一例を挙げると、直鎖脂肪族系(メタ)アクリレートモノマーは、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート等である。これらの中でも、直鎖脂肪族系(メタ)アクリレートモノマーは、粘度が比較的低いという点から、イソオクチル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレートであることが好ましい。直鎖脂肪族系(メタ)アクリレートモノマーは、併用されてもよい。
成分(iii)の含有量は特に限定されない。一例を挙げると、成分(iii)の含有量は、インクジェットインク中、5質量%以上であることが好ましく、8質量%以上であることがより好ましい。また、成分(iii)の含有量は、インクジェットインク中、25質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましい。成分(iii)の含有量が上記範囲内であることにより、インクジェットインクは、より幅広い種類の溶剤に対して優れた耐溶剤性を発揮し得る。
(成分(iv))
成分(iv)は、酸素原子を含む脂肪族複素環を分子内に持つ(メタ)アクリレートモノマーである。成分(iv)は、基材と、インクジェットインクを付与して得られるインクジェット画像(インクジェット層)との密着性を向上させ得る。また、成分(iv)が配合されることにより、優れた密着性を維持しつつ、相対的に成分(ii)の配合量を減らすことができる。これにより、インクジェットインクは、皮膚刺激性を低減させることができ、かつ、低コスト化を図ることができる。
成分(iv)は特に限定されない。一例を挙げると、成分(iv)は、モルホリン骨格、テトラヒドロフラン骨格、ジオキサン骨格またはジオキソラン環のうち、少なくともいずれかの複素環骨格を含む(メタ)アクリレートモノマーであることがより好ましい。これにより、インクジェットインクは、基材に対する密着性が得られやすい。
モルホリン骨格を分子内に持つ(メタ)アクリレートモノマーは、アクリロイルモルホリン等である。
テトラヒドロフラン骨格を分子内に持つ(メタ)アクリレートモノマーは、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、アルコキシ化テトラヒドロフルフリルアクリレート等である。
ジオキソラン骨格を分子内に持つ(メタ)アクリレートモノマーは、(2-メチル-2-エチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)メチルアクリレート等である。
ジオキサン骨格を分子内に持つ(メタ)アクリレートモノマーは、環状トリメチロールプロパンフォルマルアクリレート、ジオキサングリコールジアクリレート、ジオキサングリコールジアクリレート等である。
成分(iv)の含有量は、インクジェットインク中、20質量%以上であればよく、30質量%以上であることが好ましい。また、成分(iv)の含有量は、インクジェットインク中、60質量%以下であればよく、55質量%以下であることが好ましい。成分(iv)の含有量が20質量%未満である場合、インクジェットインクは、基材に対する密着性が劣りやすい。また、インクジェットインクは、皮膚刺激性が現れやすい。一方、成分(iv)の含有量が60質量%を超える場合、インクジェットインクは、他の成分の添加比率が小さくなるため、所望の性能が得られにくい。
(光ラジカル重合開始剤)
光ラジカル重合開始剤は、インクジェットインクを紫外線により適度に硬化させるために配合される。
光ラジカル重合開始剤は特に限定されない。一例を挙げると、光ラジカル重合開始剤は、アルキルフェノン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾイン系化合物、チオキサントン系化合物、ハロメチル化トリアジン系化合物、ハロメチル化オキサジアゾール系化合物、ビイミダゾール系化合物、オキシムエステル系化合物、チタノセン系化合物、安息香酸エステル系化合物、アクリジン系化合物等である。光ラジカル重合開始剤は、併用されてもよい。
アルキルフェノン系化合物は特に限定されない。一例を挙げると、アルキルフェノン系化合物は、2,2-ジエトキシアセトフェノン、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、1-〔4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル〕-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン、2-ヒドロキシ-1-{4-〔4-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオニル)ベンジル〕フェニル}-2-メチルプロパン-1-オン、2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルフォリノプロパン-1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-1-ブタノン、2-(ジメチルアミノ)-2-〔(4-メチルフェニル)メチル〕-1-〔4-(4-モルホリニル)フェニル〕-1-ブタノン等である。
ベンゾフェノン系化合物は特に限定されない。一例を挙げると、ベンゾフェノン系化合物は、ベンゾフェノン、4,4’-ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、2-カルボキシベンゾフェノン等である。
ベンゾイン系化合物は特に限定されない。一例を挙げると、ベンゾイン系化合物は、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等である。
チオキサントン系化合物は特に限定されない。一例を挙げると、チオキサントン系化合物は、チオキサントン、2-エチルチオキサントン、2-イソプロピルチオキサントン、2-クロロチオキサントン、2,4-ジメチルチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン等である。
ハロメチル化トリアジン系化合物は特に限定されない。一例を挙げると、ハロメチル化トリアジン系化合物は、2-(4-メトキシフェニル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-sec-トリアジン、2-(4-メトキシナフチル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-sec-トリアジン、2-(4-エトキシナフチル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-sec-トリアジン、2-(4-エトキシカルボキニルナフチル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-sec-トリアジン等である。
ハロメチル化オキサジアゾール系化合物は特に限定されない。一例を挙げると、ハロメチル化オキサジアゾール系化合物は、2-トリクロロメチル-5-〔β-(2’-ベンゾフリル)ビニル〕-1,3,4-オキサジアゾール、2-トリクロロメチル-5-〔β-(2’-(6”-ベンゾフリル)ビニル)〕-1,3,4-オキサジアゾール、2-トリクロロメチル-5-フリル-1,3,4-オキサジアゾール等である。
ビイミダゾール系化合物は特に限定されない。一例を挙げると、ビイミダゾール系化合物は、2,2’-ビス(2-クロロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラフェニル-1,2’-ビイミダゾール、2,2’-ビス(2,4-ジクロロフェニル)-4,4’,5,5’ -テトラフェニル-1,2’-ビイミダゾール、2,2’-ビス(2,4,6-トリクロロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラフェニル-1,2’-ビイミダゾール等である。
オキシムエステル系化合物は特に限定されない。一例を挙げると、オキシムエステル系化合物は、1-〔4-(フェニルチオ)-,2-(O-ベンゾイルオキシム)〕-1,2-オクタンジオン、1-〔9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル〕-,1-(O-アセチルオキシム)エタノン等である。
チタノセン系化合物は特に限定されない。一例を挙げると、チタノセン化合物は、ビス(η5-2,4-シクロペンタジエン-1-イル)-ビス(2,6-ジフルオロ-3-(1H-ピロール-1-イル)-フェニル)チタニウム等である。
安息香酸エステル系化合物は特に限定されない。一例を挙げると、安息香酸エステル系化合物は、p-ジメチルアミノ安息香酸、p-ジエチルアミノ安息香酸等である。
アクリジン系化合物は特に限定されない。一例を挙げると、アクリジン系化合物は、9-フェニルアクリジン等である。
光ラジカル重合開始剤の含有量は特に限定されない。一例を挙げると、光ラジカル重合体の含有量は、インクジェットインク中、0.1質量%以上であることが好ましく、0.5質量%以上であることがより好ましい。また、光ラジカル重合体の含有量は、インクジェットインク中、15質量%以下であることが好ましく、12質量%以下であることがより好ましい。光ラジカル重合体の含有量が上記範囲内であることにより、インクジェットインクは、紫外線により適度に硬化され得る。
(任意成分)
本実施形態のインクジェットインクは、上記した成分(i)~(iv)および光ラジカル重合開始剤以外にも、インクジェットインクの分野において周知な任意成分を含有することができる。一例を挙げると、任意成分は、上記以外の他のモノマー、表面調整剤、バインダー樹脂、溶剤、硬化触媒、スリップ剤(レベリング剤)、分散剤、重合促進剤、重合禁止剤、浸透促進剤、湿潤剤(保湿剤)、定着剤、防黴剤、防腐剤、酸化防止剤、キレート剤、増粘剤等である。
・他のモノマー
インクジェットインクは、紫外線の照射により重合して硬化被膜を形成し得る他のモノマーが含有されてもよい。このような他のモノマーとしては、各種単官能モノマー、多官能モノマーが例示される。
単官能モノマーは特に限定されない。一例を挙げると、単官能モノマーは、ジメチルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミドおよびジイソプロピルアクリルアミド等のアクリルアミド誘導体、イソボルニルアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチルアクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート等のイソアルキル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシルカルビトール(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、2-アクリロイルオキシエチルコハク酸、イソプロピル(メタ)アクリレート、アミル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、ジアセトンアクリルアミド、イソブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N-ビニルピロリドン、N-ビニルカプロラクタム、t-オクチル(メタ)アクリルアミド等である。
多官能モノマーは特に限定されない。一例を挙げると、多官能モノマーは、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリオキシエチル(メタ)アクリレート、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのジグリシジルエーテルに(メタ)アクリレートを付加させたエポキシ(メタ)アクリレート等である。
他のモノマーが含有される場合、他のモノマーの含有量は特に限定されない。一例を挙げると、他のモノマーは、インクジェットインク中、1質量%以上であることが好ましく、5質量%以上であることがより好ましい。また、他のモノマーは、インクジェットインク中、50質量%以下であることが好ましく、40質量%以下であることがより好ましい。他のモノマーの含有量が1質量%未満である場合、他のモノマーを含有させることによる効果が奏されにくい傾向がある。一方、他のモノマーの含有量が50質量%を超える場合、(i)、(ii)、(iii)、(iv)の成分の含有量が少なくなり、本実施形態の効果が得られにくい傾向がある。
・表面調整剤
本実施形態のインクジェットインクは、表面調整剤をさらに含むことが好ましい。表面調整剤は特に限定されない。一例を挙げると、表面調整剤は、アクリル系表面調整剤、シリコーン系表面調整剤、フッ素系表面調整剤等である。表面調整剤が含まれることにより、インクジェットインクは、皮膚刺激性がさらに低減され得る。また、インクジェットインクは、インクジェットプリント時における吐出安定性がより優れる。さらに、インクジェットインクは、鮮明なインクジェット画像を形成しやすい。
・バインダー樹脂
バインダー樹脂は、たとえば、インクジェットインクの粘度を調整したり、得られるプリント物の硬度の調整や形状を制御するために含有され得る。
バインダー樹脂の種類は特に限定されない。一例を挙げると、バインダー樹脂は、エポキシ樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アイオノマー樹脂、エチレンエチルアクリレート樹脂、アクリロニトリルアクリレートスチレン共重合樹脂、アクリロニトリルスチレン樹脂、アクリロニトリル塩素化ポリエチレンスチレン共重合樹脂、エチレン酢ビ樹脂、エチレンビニルアルコール共重合樹脂、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合樹脂、塩化ビニル樹脂、塩素化ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、酢酸セルロース樹脂、ポリオキシメチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアリレート樹脂、熱可塑性ポリウレタンエラストマー、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン、ポリスチレンマレイン酸共重合樹脂、ポリスチレンアクリル酸共重合樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、メチルペンテン樹脂、ポリ乳酸、ポリブチレンサクシネート樹脂、ブチラール樹脂、ホルマール樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、およびこれらの共重合樹脂等である。バインダー樹脂は、耐溶剤性、膜強度、粘度、熱安定性、非着色性、耐水性、耐薬品性等を考慮し、適宜選択され得る。バインダー樹脂は、併用されてもよい。
バインダー樹脂が含有される場合、バインダー樹脂の含有量は特に限定されない。一例を挙げると、バインダー樹脂は、固形分換算で、インクジェットインク中、5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましい。また、バインダー樹脂は、インクジェットインク中、20質量%以下であることが好ましく、15質量%以下であることがより好ましい。バインダー樹脂の含有量が5質量%未満である場合、バインダーとしての所望の性能が得られにくい傾向がある。一方、バインダー樹脂の含有量が20質量%を超える場合、インクジェットインクの粘度が高くなり、インクジェットプリント時における吐出安定性が低下する傾向がある。
・溶剤
溶剤は、本実施形態のインクジェットインクにおいて、インクの粘度を低下させるために添加してもよい。溶剤の種類は特に限定されない。一例を挙げると、溶剤は、水、グリコールエーテル系溶剤、アセテート系溶剤、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、炭化水素系溶剤、脂肪酸エステル系溶剤、芳香族系溶剤等である。溶剤は、併用されてもよい。
溶剤が含有される場合、溶剤の含有量は特に限定されない。一例を挙げると、溶剤は、インクジェットインク中、5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましい。また、溶剤は、インクジェットインク中、50質量%以下であることが好ましく、30質量%以下であることがより好ましい。溶剤の含有量が5質量%未満である場合、インクジェットインクの粘度を低下させる効果があまり得られないおそれがある。一方、溶剤の含有量が50質量%を超える場合、インクジェットインク中に添加できる紫外線硬化型樹脂の割合が低くなり、インクジェット加工時に熱乾燥工程が必要になったり、インクの乾燥不良になるおそれがあり、所望の性能が得られにくい傾向がある。
・硬化触媒
硬化触媒は特に限定されない。一例を挙げると、硬化触媒は、スズ、チタン、ジルコニウム、鉄、アンチモン、ビスマス、マンガン、亜鉛、アルミニウム等の金属の有機酸塩、アルコラートおよびキレート化合物;ヘキシルアミン、ドデシルアミンのようなアミン;酢酸ヘキシルアミン、リン酸ドデシルアミンのようなアミン塩;ベンジルトリメチルアンモニウムアセテートのような第4級アンモニウム塩;酢酸カリウムのようなアルカリ金属の塩等である。より具体的には、硬化触媒は、オクチル酸ビスマス、ネオデカン酸ビスマスなどの有機ビスマス化合物、ジラウリル酸ジブチルスズ、ジオクチル酸ジブチルスズ、ジネオデカン酸ジメチルスズ、スタナスオクトエートなどの有機スズ化合物、テトラブチルチタネート、テトライソプロピルチタネート、ジイソプロポキシビス(アセチルアセトン)チタン、ジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)チタンなどの有機チタン化合物等である。硬化触媒は、併用されてもよい。
・重合禁止剤
重合禁止剤は、硬化前におけるインクジェットインクの重合反応を防止するために好適に配合され得る。
重合禁止剤は特に限定されない。一例を挙げると、重合禁止剤は、メチルヒドロキノン、t-ブチルヒドロキノン、4-メトキシナフトール、1,4-ベンゾキノン、メトキノン、ジブチルヒドロキシトルエン、N-ニトロソフェニルヒドロシキルアミンアルミニウム塩、1,4-ナフトキノン、4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン1-オキシル(4-ヒドロキシTEMPO)等である。
インクジェットインク全体の説明に戻り、インクジェットインクの粘度は特に限定されない。一例を挙げると、インクジェットインクの粘度は、30℃において、5mPa・s以上であることが好ましく、6mPa・s以上であることがより好ましい。また、インクジェットインクの粘度は、30℃において、50mPa・s以下であることが好ましく、40mPa・s以下であることがより好ましい。粘度が上記範囲内である場合、インクジェットインクは、充分に低粘度化されており、取り扱い易く、かつ、インクジェットプリント時における吐出安定性がより優れる。なお、本実施形態において、粘度は、B型粘度計(TVB-20LT、東機産業(株)製)を用いて測定することができる。
なお、粘度を上記範囲内に調整する方法は特に限定されない。一例を挙げると、粘度は、使用する各成分の添加量や種類によって調整され得る。粘度は、必要に応じて増粘剤等の粘度調整剤を使用して調整されてもよい。
インクジェットインクの表面張力は特に限定されない。インクジェットインクの表面張力は、25℃において、20dyne/cm以上であることが好ましく、25dyne/cm以上であることがより好ましい。また、インクジェットインクの表面張力は、25℃において、35dyne/cm以下であることが好ましく、30dyne/cm以下であることがより好ましい。表面張力が上記範囲内である場合、インクジェットインクは、吐出安定性が優れる。また、インクジェットインクは、インクジェットプリント時における吐出安定性がより優れる。また、インクジェットインクは、鮮明なインクジェット画像を形成しやすい。なお、本実施形態において、表面張力は、静的表面張力計(プレート法)(CBVP-A3、協和界面科学(株)製)を用いて測定することができる。
本実施形態のインクジェットインクを調製する方法は特に限定されない。一例を挙げると、インクジェットインクは、使用する材料を混合し、さらにその混合物をロールミル、ボールミル、コロイドミル、ジェットミルまたはビーズミルなどの分散機を使って分散させ、その後、濾過を行うことで調製し得る。
以上、本実施形態のインクジェットインクは、低粘度であり、皮膚刺激性が低減されており、基材に対する密着性が優れる。また、インクジェットインクは、高コストな成分(ii)の含有量が少ないため、よりコストが抑えられやすい。さらに、インクジェットインクを付与して得られるインクジェット画像は、スジ感が表れにくい。
<プリント物の製造方法>
本発明の一実施形態のプリント物の製造方法は、基材上に、上記したインクジェットインクを付与するインクジェット工程と、付与されたインクジェットインクに紫外線を照射する紫外線照射工程とを含む。本実施形態によれば、上記インクジェットインクを用いて印刷されたインクジェット画像が形成されたインクジェットプリント物が作製される。得られるプリント物は、基材に対するインクジェット画像(インクジェット層)の密着性が優れ、インクジェット画像にスジ感が表れにくい。以下、それぞれについて説明する。
(インクジェット工程)
インクジェット工程は、基材上に、上記したインクジェットインクを付与する工程である。基材は特に限定されない。一例を挙げると、基材は、鋼板、アルミ、ステンレス等の金属板、アクリル、ポリカーボネート、ABS、ポリプロピレン、ポリエステル、塩化ビニル等のプラスチック板またはフィルム、窯業板、コンクリート、木材、ガラス等である。また、基材は、カチオン可染ポリエステル(CDP)繊維、ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維、ポリブチレンテレフタレート(PBT)繊維、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)繊維、全芳香族ポリエステル繊維、ポリ乳酸繊維等のポリエステル系繊維やアセテート繊維、トリアセテート繊維、ポリウレタン繊維、ナイロン繊維等またはこれらの複合繊維からなる布帛等であってもよい。これらは、用途に応じて適宜選定され得る。基材が布帛である場合、布帛は、プリント前に、前処理剤により処理されることが好ましい。前処理剤としては、水溶性ポリマー、非水溶性不活性有機化合物、難燃剤、紫外線吸収剤、還元防止剤、酸化防止剤、pH調整剤、ヒドロトロープ剤、消泡剤、浸透剤、ミクロポーラス形成剤等が例示される。これら前処理剤を布帛に付与する方法としては、パッド法、スプレー法、浸漬法、コーティング法、ラミネート法、グラビア法、インクジェット法等が例示される。
インクジェット工程において、インクジェット記録方式によりインクジェットインクを基材に付与する方式は特に限定されない。このような方式としては、荷電変調方式、マイクロドット方式、帯電噴射制御方式、インクミスト方式等の連続方式、ピエゾ方式、パルスジェット方式、バブルジェット(登録商標)方式、静電吸引方式等のオン・デマンド方式等が例示される。
インク付与量は特に限定されない。一例を挙げると、インク付与量は、基材に対して1g/m2以上であることが好ましく、2g/m2以上であることがより好ましい。また、インク付与量は、150g/m2以下であることが好ましく、50g/m2以下であることがより好ましい。インク付与量が上記範囲内であることにより、プリント物は、優れた成形性が維持されつつ、充分な表現がされやすい。
(紫外線照射工程)
紫外線照射工程は、付与されたインクジェットインクに紫外線を照射する工程である。
インクジェットインクの硬化条件は特に限定されない。一例を挙げると、UV照射強度は50mW/cm2以上であることが好ましく、100mW/cm2以上であることがより好ましい。また、UV照射強度は2000mW/cm2以下であることが好ましく、1000mW/cm2以下であることがより好ましい。UV照射強度が上記範囲内であることにより、得られるプリント物は、適度に硬化され、かつ、黄変等を生じにくい。
UV照射エネルギー(積算光量)は特に限定されない。一例を挙げると、積算光量は、50mJ/cm2以上であることが好ましく、100mJ/cm2以上であることがより好ましい。また、積算光量は、1500mJ/cm2以下であることが好ましく、1200mJ/cm2以下であることがより好ましい。積算光量が上記範囲内であることにより、得られるプリント物は、適度に硬化され、かつ、黄変等を生じにくい。
(任意工程)
本実施形態のプリント物の製造方法は、上記インクジェット工程および紫外線照射工程に加え、任意の他の工程が採用されてもよい。本実施形態のプリント物の製造方法は、以下の賦形工程を好適に含む。
(賦形工程)
賦形工程は、上記した紫外線照射工程の後に、基材を賦形する工程である。賦形工程が採用されることにより、得られるプリント物は、種々の形状に成形され得る。
より具体的には、賦形工程において、紫外線照射工程を経た基材(プリント物)は、たとえば成形樹脂層と一体化され、成形体が形成される。成形樹脂層を形成する樹脂は特に限定されない。一例を挙げると、成形樹脂層を形成する樹脂は、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリレート系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂、ポリイミド系樹脂等の公知の熱可塑性樹脂等である。樹脂は併用されてもよい。
成形体を作製する方法は特に限定されない。一例を挙げると、成形体は、射出成形等により作製され得る。射出成形は、一般の射出成形のほか、射出圧縮成形、射出プレス成形等であってもよい。より具体的には、成形体は、たとえば以下の第1工程および第2工程とを行うインサート成形法によって成形され得る。
第1工程は、プリント物を予備賦形する工程である。第1工程では、プリント物は、真空成形や圧空成形等の熱成形法によって、所望の意匠形状に賦形された賦形体が作製される。
第2工程は、予備賦形したプリント物を用いて射出成形する工程である。第2工程では、金型キャビティ内に上記賦形体を配置して溶融樹脂を注入することにより、賦形体と成形樹脂層とを一体化する。これにより、上記成形体が得られる。なお、射出成形時における溶融樹脂の温度は特に限定されない。一例を挙げると、溶融温度は、180℃以上であることが好ましく、200℃以上であることがより好ましい。また、溶融温度は、320℃以下であることが好ましく、300℃以下であることがより好ましい。本実施形態で用いられるインクジェットインクにより形成される塗膜は、上記のとおり、優れた密着性を示す。そのため、塗膜は、インサート成形時に図柄が破損や剥離を起こしにくく、熱成型性が優れる。
すなわち、得られるプリント物は、優れた密着性を示す。そのため、上記した賦形工程等が施される際に、塗膜が損傷しにくいため、成形性が優れる。さらに、インクジェット画像は、スジ感が表れにくい。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明する。本発明は、これら実施例に何ら限定されない。
使用した原料または調製方法を以下に示す。
(着色顔料)
着色顔料1:Yマスターバッチ、15質量部の黄色顔料(CROMOPHTAL YELLOW D1085、BASF社製)と、10質量部の分散剤(solsperse33000、日本ルーブリゾール(株)製)と、75質量部のIBXA(イソボニルアクリレート、共栄社化学(株)製)をミキサーにて混合、濾過することにより、Yマスターバッチを調製した。
着色顔料2:Mマスターバッチ、15質量部の赤色顔料(Ink Jet Red E5B 02、クラリアントジャパン(株)製)と、10質量部の分散剤(solsperse32000、日本ルーブリゾール(株)製)と、75質量部のIBXA(イソボニルアクリレート、共栄社化学(株)製)をミキサーにて混合、濾過することにより、Mマスターバッチを調製した。
着色顔料3:Cマスターバッチ、15質量部の青色顔料(Hostaperm Blue BT617D、クラリアントジャパン(株)製)と、10質量部の分散剤(solsperse33000、日本ルーブリゾール(株)製)と、75質量部のIBXA(イソボニルアクリレート、共栄社化学(株)製)をミキサーにて混合、濾過することにより、Cマスターバッチを調製した。
着色顔料4:Kマスターバッチ、15質量部の黒色顔料(NIPEX35、オリオンエンジニアドカーボンズ(株)製)と、10質量部の分散剤(solsperse33000、日本ルーブリゾール(株)製)と、75質量部のIBXA(イソボニルアクリレート、共栄社化学(株)製)をミキサーにて混合、濾過することにより、Kマスターバッチを調製した。
(成分(i)および比較例用の代替品)
紫外線硬化性オリゴマー1:CN991、ポリエステルウレタンアクリレート、Mn:3000、アルケマ(株)製
紫外線硬化性オリゴマー2:EBECRYL7100、アミンアクリレート、Mn:1000、ダイセル・オルネクス(株)製
紫外線硬化性オリゴマー3:EBECRYL4513、ウレタントリアクリレート、Mn:2000、ダイセル・オルネクス(株)製
(成分(ii))
紫外線硬化性モノマー1:FX-AO-MA、2-(アリルオキシメチル)アクリル酸メチル、(株)日本触媒製
紫外線硬化性モノマー2:FX-AO-CHA、2-(アリルオキシメチル)アクリル酸シクロヘキシル、(株)日本触媒製
(成分(iii))
紫外線硬化性モノマー3:SR489、直鎖脂肪族系(メタ)アクリレートモノマー、サートマー社製
(成分(iv))
紫外線硬化性モノマー4:ACMO、アクリロイルモルフォリン、脂肪族複素環アクリルモノマー(モルホリン骨格)、KJケミカルズ(株)製
紫外線硬化性モノマー5:SR531、環状トリメチロールプロパンフォルマルアクリレート、脂肪族複素環アクリルモノマー(ジオキサン骨格)、サートマー社製
紫外線硬化性モノマー6:SR217、4-tert-ブチルシクロヘキサノールアクリレート、脂肪族環状アクリルモノマー、アルケマ(株)製
(表面調整剤)
表面調整剤:メガファックF-556、DIC(株)製
(光ラジカル重合開始剤)
光重合開始剤1:Omnirad184、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、IGM Resins B.V.社製
光重合開始剤2:Omnirad819、ビス(2,4,6,-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイド、IGM Resins B.V.社製
(重合禁止剤)
重合禁止剤1:4-hydroxy Tempo、4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン1-オキシル、シャンハイSABOバイオケミカルテクノロジー社製
(実施例1~10、比較例1~4)
以下の表1に示される処方(単位:質量部)に従って、インクジェットインクを調製した。以下の評価方法にて、それぞれのインクジェットインクの粘度を評価した。また、得られたインクジェットインクを用いて、基板(ABSフィルムに白スクリーンインクにてベタ印刷を施したもの、スクリーンインキ:MRX-HF、帝国インキ製造(株)製)に対して、膜厚が250μmとなるようにインクジェットプリンタにて下記記録条件にて付与し(インクジェット工程)、紫外線(条件は下記)を照射し(紫外線照射工程)、評価サンプルを作製した。以下の評価方法にて、それぞれの評価サンプルのインクジェット画像(インクジェット層)の印刷画像意匠性(スジ感)、密着性(初期密着)、密着性(熱成型後)、皮膚刺激性を評価した。結果を表1に示す。
<インクジェットプリンタの記録条件>
ノズル径 40μm
電圧 70V
パスル幅 10μs
駆動周波数 10kHz
解像度 400×800dpi
塗布量 15g/m2
<紫外線照射条件>
ランプ種類 メタルハライドランプ、インテグレーション社製
照射強度(測定波長365nm) 240mW/cm2
積算光量(測定波長365nm) 720mJ/cm2
照射高さ 45cm
<熱処理条件>
装置 定温乾燥器DY300、ヤマト科学(株)製
熱処理温度 80℃
熱処理時間 180分
<評価方法>
(インク粘度)
B型粘度計(TVB-20LT、東機産業(株)製)を用いて30℃条件下にて測定した。
(印刷画像意匠性(スジ感))
得られた評価サンプルを目視で観察し、以下の評価基準に従って、スジ感の有無を評価した。
○:印刷した画像は、スジがなくきれいであった。
△:印刷した画像は、スジが入っていた。
×:印刷した画像は、スジが多く、白けて見えた。
(密着性(初期密着))
インクジェット印刷後のプリント物に対して、JIS K 5600に準じ、クロスカット法(2mm幅25マス)にて、基材とインク層の相関密着性を評価し、以下の評価基準に従って、密着性(初期密着)を評価した。
○:インクジェット画像は、剥がれなかった。
×:インクジェット画像は、剥がれた。
(密着性(熱成型後))
熱成型後のプリント物に対してインクジェット印刷後のプリント物に対して、JIS K 5600に準じ、クロスカット法(2mm幅25マス)にて、基材とインク層の相関密着性を評価し、以下の評価基準に従って、密着性(熱成型後)を評価した。
○:インクジェット画像は、剥がれなかった。
△:インクジェット画像は、剥がれた。
×:インクジェット画像は、基材から浮いたか、または、割れていた。
(皮膚刺激性)
ゴム手袋(材質:天然ゴム、ラテックス手袋 ノンパウダー クロリネーション、リーテック(株)製)を装着してインクジェットインクをゴム手袋上に付着させた後、5分後に拭き取りをした際の皮膚刺激性を、以下の評価基準に従って評価した。
○:ほとんど皮膚に刺激が感じられなかった。
△:わずかに皮膚に違和感が感じられた。
×:皮膚に強い刺激が感じられた。
Figure 2023030984000004
表1に示されるように、実施例1~10のインクジェットインクは、いずれも低粘度であった。また、得られたプリント物は、スジ感がなかったか、スジ感が少なく、インクジェット画像(インクジェット層)と基材との密着性が優れていた。さらに、インクジェットインクは、皮膚刺激性がないか、少なかった。

Claims (9)

  1. 以下の成分(i)と、成分(ii)と、成分(iii)と、成分(iv)と、光ラジカル重合開始剤とを含み、
    前記成分(ii)の含有量は、インクジェットインク中、5~20質量%であり、
    前記成分(iv)の含有量は、インクジェットインク中、20~60質量%である、インクジェットインク。
    <成分(i)>
    ウレタンジアクリレートオリゴマーまたはアミンアクリレートのうち少なくともいずれか一方。
    <成分(ii)>
    以下の式(I)で示される化合物。
    Figure 2023030984000005
    (式(I)中、R1は、水素原子または1価の有機基を表す。有機基は、炭化水素で構成され、エーテル基を有していてもよい。炭化水素の水素原子は、ハロゲン原子で置換されていてもよい。)
    <成分(iii)>
    直鎖脂肪族系(メタ)アクリレートモノマー。
    <成分(iv)>
    酸素原子を含む脂肪族複素環を分子内に持つ(メタ)アクリレートモノマー。
  2. 前記成分(i)が前記ウレタンジアクリレートオリゴマーを含む場合において、前記ウレタンジアクリレートオリゴマーは、ポリエステル系ウレタンジアクリレートオリゴマーまたはポリカーボネート系ウレタンジアクリレートオリゴマーのうち少なくともいずれか一方を含む、請求項1記載のインクジェットインク。
  3. 前記成分(i)のポリエステル系ウレタンジアクリレートオリゴマーまたはポリカーボネート系ウレタンジアクリレートオリゴマーの数平均分子量(Mn)は、1000~10000である、請求項2記載のインクジェットインク。
  4. 前記式(I)で示される化合物は、2-(アリルオキシメチル)アクリル酸メチルである、請求項1~3のいずれか1項に記載のインクジェットインク。
  5. 前記成分(iv)の複素環骨格は、モルホリン骨格、テトラヒドロフラン骨格、ジオキサン骨格、ジオキソラン環のうち、少なくともいずれかを含む、請求項1~4のいずれか1項に記載のインクジェットインク。
  6. 表面調整剤をさらに含む、請求項1~5のいずれか1項に記載のインクジェットインク。
  7. 30℃における粘度は、5~50mPa・sである、請求項1~6のいずれか1項に記載のインクジェットインク。
  8. 表面張力は、35dyne/cm以下である、請求項1~7のいずれか1項に記載のインクジェットインク。
  9. 請求項1~8のいずれか1項に記載のインクジェットインクを用いて印刷されたインクジェット画像が形成された、インクジェットプリント物。
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