JP2023030807A - 電池、組電池及び組電池の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】1対の電池を接続するバスバーを外部端子に対して容易に接合する。【解決手段】電極体を収容するケース4と、ケース4の外側に設けられ、複数の電極体を電気的に接続するバスバー3が接合される外部端子13と、ケース4内に位置する一方の端部が電極体に電気的に接続し、ケース4外に位置する他方の端部が外部端子13に電気的に接続する集電端子14と、を備える電池2であって、外部端子13に接合するバスバー3は、変形可能な先端部3Cと先端部3Cに対して異なる方向に延出する延出部3Bを有し、外部端子13は、第1面13Bと、第1面13Bに対して傾斜し且つ第1面13B側の端部とは反対側の端部に頂点13Eを含む第2面13Cとを有し、外部端子13は、バスバー3の先端部3Cのうち延出部3B寄りの位置と第2面13Cの頂点13Eとを当接させた状態でバスバー3と接合している。【選択図】図2
Description
本発明は、集電構造を備える電池、組電池及び組電池の製造方法に関する。
リチウムイオン二次電池やアルカリ二次電池等の電池は、電極体からの電流を外部に取り出すとともに、外部からの電流を電極体に供給するための集電構造を備えている(例えば、特許文献1参照)。集電構造は、電極体に電気的に接続される金属材からなる集電端子と、二次電池のケースの外側に設けられた外部端子とを備えている。集電端子の一方の端部は、電極体に接続されている。集電端子の他方の端部は、外部端子に対して接合される。これにより、電極体、集電端子及び外部端子及びバスバーからなる電流経路が形成される。
また、所望の電力を得るために複数の電池が組み合わされた組電池が用いられることがある。組電池を構成する電池は、隣接する電池の集電構造が金属材からなるバスバーで接続されている。集電構造とバスバーとを接合する際は、外部端子に、板状のバスバーを、治具を用いて押し付けた後、外部端子とバスバーとを溶接する。
しかし、組電池を構成する複数の電池の間で姿勢のばらつきが生じることがある。例えば図8に示すように、電池20は、外部端子130のうち集電端子140が設けられた一方の端部が他方の端部よりも上側に位置するように傾斜している。このような電池20の外部端子130にバスバー3を接合する場合、まずバスバー3を外部端子130に当接させる。このときバスバー3の先端と外部端子130とが接触する。そして、治具によりバスバー3の先端付近の位置とそれ以外の位置を押圧して、バスバー3を外部端子130の表面に沿って変形させる。外部端子130とバスバー3との間の隙間の高さは一定ではなく、バスバー3の先端から離れるに伴い隙間の高さは大きくなる。このため、バスバー3の先端付近の位置を押圧する治具と、それ以外の位置を押圧する治具とは、異なる動作でバスバー3を押圧することとなる。このように、姿勢が傾斜した電池20にバスバー3を接合させるため、治具にバスバー3の複数の箇所において異なる動作を行わせる場合、治具の構成又は制御が複雑化する等の問題があった。
上記課題を解決する電池は、電極体を収容するケースと、前記ケースの外側に設けられ、複数の前記電極体を電気的に接続するバスバーが接合される外部端子と、前記ケース内に位置する一方の端部が電極体に電気的に接続し、前記ケース外に位置する他方の端部が外部端子に電気的に接続する集電端子と、を備える電池であって、前記外部端子に接合する前記バスバーは、変形可能な先端部と前記先端部に対して異なる方向に延出する延出部を有し、前記外部端子は、第1面と、前記第1面に対して傾斜し且つ前記第1面側の端部とは反対側の端部に頂点を有する第2面とを有し、前記外部端子は、前記バスバーの前記先端部のうち前記延出部寄りの位置と前記第2面の前記頂点とを当接させた状態で前記バスバーと接合している。
上記課題を解決する組電池は、電極体を収容するケース、前記ケースの外側に設けられた外部端子、及び、前記ケース内に位置する一方の端部が電極体に電気的に接続し、前記ケース外に位置する他方の端部が前記外部端子に電気的に接続する集電端子と、を有する複数の電池と、変形可能な先端部及び前記先端部に対して異なる方向に延出する延出部を有し、複数の前記電極体を電気的に接続するバスバーと、を備える組電池であって、前記外部端子は、第1面と、前記第1面に対して傾斜し且つ前記第1面側の端部とは反対側の端部に頂点を含む第2面とを有し、前記外部端子は、前記バスバーの前記先端部のうち前記延出部寄りの位置と前記第2面の前記頂点とを当接させた状態で前記バスバーと接合している。
上記構成によれば、バスバーを外部端子に接合する際に、バスバーの先端部のうち延出部に近い部分と外部端子の頂点とを当接させ、先端部を押圧して変形させる。このとき、外部端子の頂点を支点として、バスバーの先端部を変形させるので、バスバーの姿勢を安定させながら、バスバーを外部端子に容易に押し付けることができる。よって、バスバーを外部端子に接合させる治具の複雑化を抑制することができる。
上記電池について、前記ケースの外側であって前記集電端子と前記外部端子との間に位置し樹脂からなる絶縁部材をさらに備え、前記外部端子は、塑性変形可能な金属材からなり、前記絶縁部材は、前記外部端子の前記第2面を含む傾斜部を支持する傾斜面を有することが好ましい。
上記構成によれば、絶縁部材の傾斜面に沿って外部端子を変形させることで、外部端子の一部を傾斜させ、傾斜面である第2面を形成することができる。絶縁部材は樹脂により成形されるため、傾斜面を容易に形成することができる。
上記電池について、前記外部端子は、前記バスバーとの接合面に対向する位置からみて細長い形状を有し、前記外部端子の長手方向の一方の端部に前記第2面の頂点が位置することが好ましい。
上記構成によれば、外部端子の長手方向の一方の端部に第2面の頂点が位置するため、バスバーと外部端子の接触領域を長手方向に延出させた細長状の形状とすることができる。このため、接触領域を外部端子の短手方向に延出させる場合に比べ、接触領域を大きくすることができる。
上記電池について、前記外部端子のうち一方の端部には、前記外部端子を前記集電端子に接合する接合部が位置し、他方の端部には前記第2面の頂点が位置することが好ましい。
上記構成によれば、外部端子のうち頂点に対して反対側となる端部には集電端子の接合部が位置する。このため、バスバーを外部端子に押し付ける際に、その反動で、バスバーに押し上げられる力が加わっても接合部によって外部端子の浮き上がりを抑制することができる。
上記電池について、前記外部端子は、前記第1面を含み厚さが一定の第1部と、前記第2面を含み前記頂点に向かって厚さが大きくなる第2部とを備えることが好ましい。
上記構成によれば、外部端子の第2部によって第2面を形成することができる。
上記構成によれば、外部端子の第2部によって第2面を形成することができる。
上記課題を解決する製造方法は、複数の電池と、複数の電池を電気的に接続するバスバーとを備える組電池の製造方法であって、前記電池は、電極体を収容するケース、前記ケースの外側に設けられ、第1面と、前記第1面に対して傾斜し且つ前記第1面側の端部とは反対側の端部に頂点を含む第2面とを有する外部端子、及び、前記ケース内に位置する一方の端部が電極体に電気的に接続し、前記ケース外に位置する他方の端部が前記外部端子に電気的に接続される集電端子とを備え、前記バスバーは、変形可能な先端部と前記先端部に対して異なる方向に延出する延出部を有し、前記外部端子と前記バスバーとを接合する工程では、前記バスバーの前記先端部のうち前記延出部寄りの位置と前記第2面の前記頂点とを当接させた状態で、前記頂点を支点とし前記バスバーの前記先端部を変形させて前記第2面に接触させる。
上記方法によれば、第2面の頂点を支点としてバスバーの先端部を変形させるので、バスバーの姿勢を安定させながら、外部端子に容易に押し付けることができる。よって、バスバーを外部端子に接合させる治具の複雑化を抑制することができる。また、バスバーと外部端子との接合工程における手間の軽減を図ることができる。
上記方法について、前記電池は、前記ケースと前記外部端子との間に位置し、前記外部端子を支持する傾斜面を有する絶縁部材をさらに備え、前記外部端子は、塑性変形可能な金属材からなり、前記外部端子を押圧し、前記外部端子の一部を前記絶縁部材の前記傾斜面に沿って変形させることにより前記第2面を形成する工程をさらに有することが好ましい。
上記方法によれば、金属材を絶縁部材に沿って変形させることで、傾斜した第2面を容易に形成することができる。
本発明によれば、1対の電池を接続するバスバーを外部端子に対して容易に接合することで、バスバーを外部端子に接合させる治具の複雑化を抑制することができる。
図1~図5に従って、電池の一実施形態を説明する。本実施形態では、電池は、組電池を構成するものとして説明する。組電池は、電気自動車又はハイブリッド自動車等の車両に搭載される。電池は、リチウム含有複合酸化物を含む正極合材と、炭素材料を含む負極合材とを備えるリチウムイオン二次電池や、ニッケル酸化化合物を含む正極合材と、水素吸蔵合金を含む負極合材とを備えるニッケル水素二次電池等である。
(組電池の構成)
図1に示すように、組電池1は、複数の電池2が組み合わされて構成される。電池2は、ケース4と、ケース4に収容される電極体6及び電解質と、電極体6に接続された正極端子10及び負極端子11を備えている。電極体6は、図示しない正極シートと、負極シートとをセパレータを介して捲回した捲回体である。又は、電極体6は、正極シートと負極シートとをセパレータを介して積層される積層体である。ケース4の上方には正極端子10及び負極端子11が位置する。ケース4は、正面からみて長方形の形状を有している。以下、電池2の正面の長手方向を電池2の幅方向といい、短手方向を電池2の高さ方向という。
図1に示すように、組電池1は、複数の電池2が組み合わされて構成される。電池2は、ケース4と、ケース4に収容される電極体6及び電解質と、電極体6に接続された正極端子10及び負極端子11を備えている。電極体6は、図示しない正極シートと、負極シートとをセパレータを介して捲回した捲回体である。又は、電極体6は、正極シートと負極シートとをセパレータを介して積層される積層体である。ケース4の上方には正極端子10及び負極端子11が位置する。ケース4は、正面からみて長方形の形状を有している。以下、電池2の正面の長手方向を電池2の幅方向といい、短手方向を電池2の高さ方向という。
組電池1を構成する所定数の電池2は、正面と背面とを向かい合わせにして組み合わされる。また、電池2は、正極端子10及び負極端子11が互いに隣接するように配置され、正極端子10及び負極端子11はバスバー3により接続されている。以下、電池2が積層される方向を「積層方向Z」とする。また、積層方向Zに直交する方向のうち、電池2の幅方向に延びる方向を組電池1の「幅方向X」とし、電池2の高さ方向に延びる方向を組電池1の「高さ方向Y」という。
バスバー3は、連結部3A、延出部3B、及び先端部3Cを備えている。連結部3Aは、正極端子10及び負極端子11を接続した状態において、電池2の積層方向Zに延びている。連結部3Aの一端部の両端からは、延出部3Bが高さ方向Yに延出している。延出部3Bのうち、連結部3Aに連結する端部に対して反対側となる端部からは先端部3Cが延出している。先端部3Cは、幅方向Xに延出している。延出部3B及び先端部3Cは、側面からみて略L字状の形状をなす。また、先端部3Cと延出部3Bとの間には第1屈曲部3Dが設けられている。第1屈曲部3Dの外側の面は、丸みを帯びたR形状を有している。また、延出部3Bと連結部3Aとの間には、第2屈曲部3Eが設けられている。第2屈曲部3EもR形状を有している。なお、第1屈曲部3D及び第2屈曲部3Eは、R形状でなくてもよく、直線状の隅部を有していてもよい。
図2を参照して、正極端子10の集電構造について説明する。負極端子11は、正極端子10と同様な構造であるため説明を省略する。
ケース4は、ケース本体4Aと蓋部4Bとを備えている。ケース本体4A及び蓋部4Bは、金属材から形成されている。ケース4は開口部を有し、蓋部4Bは開口部を封止する。正極シートは、シート状の正極集電体と正極集電体に塗工された正極合剤層とを備えている。正極集電体は電極体6(図1参照)の一方の端部で露出している。負極シートは、シート状の負極集電体と負極集電体に塗工された負極合剤層とを備えている。集電体は電極体6の他方の端部で露出している。
ケース4は、ケース本体4Aと蓋部4Bとを備えている。ケース本体4A及び蓋部4Bは、金属材から形成されている。ケース4は開口部を有し、蓋部4Bは開口部を封止する。正極シートは、シート状の正極集電体と正極集電体に塗工された正極合剤層とを備えている。正極集電体は電極体6(図1参照)の一方の端部で露出している。負極シートは、シート状の負極集電体と負極集電体に塗工された負極合剤層とを備えている。集電体は電極体6の他方の端部で露出している。
正極端子10は、絶縁部材12、外部端子13及び集電端子14を備えている。
絶縁部材12は、樹脂などの絶縁材料から形成される。絶縁部材12は、金属材からなる外部端子13と蓋部4Bとの間に介在し、外部端子13と蓋部4Bとを絶縁する。絶縁部材12は、厚さが一定の第1絶縁部12Aと、厚さが連続的に変化する第2絶縁部12Bとを備える。第1絶縁部12Aには、貫通孔12Cが形成されている。第2絶縁部12Bは、第1絶縁部12Aの隣に位置し、第1絶縁部12Aから離れるに伴い厚くなる。第2絶縁部12Bのうち、蓋部4Bに接する面に対して反対側に位置する面は、傾斜面12Dである。
絶縁部材12は、樹脂などの絶縁材料から形成される。絶縁部材12は、金属材からなる外部端子13と蓋部4Bとの間に介在し、外部端子13と蓋部4Bとを絶縁する。絶縁部材12は、厚さが一定の第1絶縁部12Aと、厚さが連続的に変化する第2絶縁部12Bとを備える。第1絶縁部12Aには、貫通孔12Cが形成されている。第2絶縁部12Bは、第1絶縁部12Aの隣に位置し、第1絶縁部12Aから離れるに伴い厚くなる。第2絶縁部12Bのうち、蓋部4Bに接する面に対して反対側に位置する面は、傾斜面12Dである。
外部端子13は、平面からみて細長い形状を有する板状の部材であって、絶縁部材12に支持されている。外部端子13は、絶縁部材12に押し付けられることにより、傾斜面12Dに沿って塑性変形した傾斜部13Aを有している。外部端子13のうち、絶縁部材12に支持される面に対して反対側となる表面には、第1面13Bと、第1面13Bに対して傾斜した第2面13Cが設けられている。第2面13Cは、その端部に傾斜面の頂点13Eを有している。傾斜部13Aは、傾斜部13Aを除く部分であって第1面13Bを有する部分に対して傾斜角度θで傾斜している。
また、外部端子13は、集電端子14を貫挿するための貫通孔13Dを有している。貫通孔13Dは、絶縁部材12に重ねられたときに絶縁部材12の貫通孔12Cに連通する。貫通孔13Dは第1面13Bで開口する。
集電端子14は、蓋部4Bに形成された貫通孔4C、絶縁部材12の貫通孔12C、及び外部端子13の貫通孔13Dに貫挿されている。集電端子14の一方の端部は、ケース4の内部空間に位置し、電極体6の端部で露出する正極集電体に接続されている。集電端子14の他方の端部は、蓋部4Bの上方に位置し、接合部14Aを有している。接合部14Aは、集電端子14の端部を圧着すること等により形成され、外部端子13に電気的に接続されている。
また、蓋部4Bの貫通孔4Cには、ガスケット16が設けられている。ガスケット16は、蓋部4Bと集電端子14とを絶縁する。
外部端子13の第2面13Cには、バスバー3の先端部3Cが接合されている。バスバー3の先端部3Cは、第2面13Cに沿って塑性変形し、溶接により外部端子13に接合されている。バスバー3は、バスバー3を外部端子13に向かって押圧する力に対して、先端部3Cの剛性が相対的に小さく、延出部3B及び連結部3Aの剛性が相対的に大きい。特に延出部3Bは、第2面13Cの法線方向に対して略平行であるため、第2面13Cの法線方向と略平行な方向に加わる押圧力に対する剛性が大きくなっている。
外部端子13の第2面13Cには、バスバー3の先端部3Cが接合されている。バスバー3の先端部3Cは、第2面13Cに沿って塑性変形し、溶接により外部端子13に接合されている。バスバー3は、バスバー3を外部端子13に向かって押圧する力に対して、先端部3Cの剛性が相対的に小さく、延出部3B及び連結部3Aの剛性が相対的に大きい。特に延出部3Bは、第2面13Cの法線方向に対して略平行であるため、第2面13Cの法線方向と略平行な方向に加わる押圧力に対する剛性が大きくなっている。
また、外部端子13の第2面13Cの頂点13Eは、外部端子13の長手方向の端部に設けられている。このため、頂点13Eを外部端子13の短手方向の端部に設ける場合に比べ、バスバー3と外部端子13との接触領域を長手方向に延出させた細長状の形状とし、接触領域の面積を大きくすることができる。
(製造方法)
次に図3~図5を参照して、電池2の製造方法について説明する。
図3は、正極端子10の製造方法に含まれる一工程を示す図である。負極端子11の製造方法は正極端子10の製造方法と同様であるため説明を省略する。図3は、電極体6に接続された集電端子14の端部を貫通孔4C,12C,13Dに貫挿した状態を示す。外部端子13を押圧する前の段階では、外部端子13の両端部が絶縁部材12の両端部に支持され、外部端子13と絶縁部材12との間には隙間が生じている。
次に図3~図5を参照して、電池2の製造方法について説明する。
図3は、正極端子10の製造方法に含まれる一工程を示す図である。負極端子11の製造方法は正極端子10の製造方法と同様であるため説明を省略する。図3は、電極体6に接続された集電端子14の端部を貫通孔4C,12C,13Dに貫挿した状態を示す。外部端子13を押圧する前の段階では、外部端子13の両端部が絶縁部材12の両端部に支持され、外部端子13と絶縁部材12との間には隙間が生じている。
次に図4に示すように、治具30によって外部端子13を押圧し、外部端子13の一部を傾斜面12Dに沿って変形させる。例えば治具30は、図示しない駆動部により制御されるものであり、所定のストローク量だけ下降した後、初期位置に上昇する。図4では1対の治具30によって外部端子13のうちそれぞれ異なる位置を押圧したが、1つの治具30により外部端子13の複数箇所を押圧するようにしてもよい。そして、集電端子14の端部を圧着用の治具で圧着すること等により接合部14Aを形成する。さらに接合部14Aの縁を溶接することにより、集電端子14及び外部端子13を電気的に接続する経路が形成される。
図5を参照して、外部端子13にバスバー3を接合する工程について説明する。組電池1を構成する電池2の大多数は、電池2の幅方向が組電池1の幅方向Xと平行となる姿勢で積層されている。ここでは、組電池1を構成する電池2の一つが積層方向Zを中心とする回転方向に角度αで傾いている場合について説明する。なお、電池2は、集電端子140が設けられた一方の端部が他方の端部よりも上側に位置するように傾いている。つまり、電池2は、図5中、積層方向Zを中心軸として時計回り方向に傾いており、角度αは電池2がこの姿勢であるときの角度である。
先ず治具によってバスバー3を外部端子13に向かって下降させる。このとき、電池2が傾いている場合であっても、バスバー3の先端部3Cのうち延出部3B寄りの位置が外部端子13の頂点13Eに最初に当接する。先端部3Cのうち延出部3B寄りの位置とは、先端部3Cを先端から第1屈曲部3D側の端部との中間で半分の領域に分割したとき、第1屈曲部3D側の領域に含まれる位置(部分)である。そして、先端部3Cのうち延出部3B寄りの位置を頂点13Eに当接させながら、先端部3Cを外部端子13向かって押圧する。これにより、頂点13Eを支点として、バスバー3の先端部3Cが第2面13Cに沿って変形する。バスバー3の先端部3Cのうち延出部3B寄りの部分は剛性が高いため、先端部3Cのうち延出部3B寄りの位置を頂点13Eに当接させることで、バスバー3を安定させながら先端部3Cを変形させることができる。バスバー3の先端部3Cは、第1屈曲部3Dに近いほど剛性が高いため、先端部3Cのうち頂点13Eと当接する位置は、第1屈曲部3Dに近いことが好ましい。
電池2の姿勢の傾き角度が「α」であるとき、外部端子13の第2面13Cの傾斜角度θは、姿勢の傾き角度αよりも大きい(θ>α)ことが好ましい。傾斜角度θがこの条件を満たすことにより、電池2の姿勢の傾きαを外部端子13の傾斜によって相殺することができる。
また、バスバー3の延出部3B及び先端部3Cがなす角度は、電池2の姿勢の傾き角度を「α」、及び外部端子13の傾斜角度を「θ」とするとき、90°以上「90°+θ-α」以下であることが好ましい(θ>α)。バスバー3の延出部3B及び先端部3Cがなす角度がこの条件を満たすことにより、バスバー3の先端部3Cと外部端子13との間に、頂点13Eを支点として先端部3Cを第2面13Cに沿って変形させるのに適した大きさの隙間が形成される。このため、バスバー3の先端部3Cが外部端子13の第2面13Cに着座しやすくなる。なお、角度αは、電池2が図5中積層方向Zを中心軸とした時計回り方向に傾いた姿勢であるときの角度であって、正の値である。
また、外部端子13の頂点13Eに押圧力が加わることによって、外部端子13のうち頂点13Eと反対側の端部には、その反動で上方に押し上げられる力が加わる。しかし、この端部には集電端子14の接合部14Aが位置するため、接合部14Aにより外部端子13の浮き上がりが抑制される。
外部端子13とバスバー3とを密着させると、レーザー光の照射等により外部端子13とバスバー3とを溶接する。
上記実施形態の効果について説明する。
上記実施形態の効果について説明する。
(1)バスバー3を外部端子13に接合する際に、バスバー3の先端部3Cのうち延出部3B寄りの位置と外部端子13の頂点13Eとを当接させ、先端部3Cを押圧して変形させる。先端部3Cのうち延出部3B寄りの位置の位置は剛性が高いため、バスバー3の姿勢を安定させながら、先端部3Cを外部端子13に沿って容易に変形することができる。よって、治具をバスバー3の異なる箇所に対し異なる動作を行う構成としなくてもよいため、治具の複雑化を抑制することができる。また、バスバー3と外部端子13とを接合する工程においてその少なくとも一部又は全部を手作業で行う場合であっても手間を軽減することができる。
(2)絶縁部材12の傾斜面12Dに沿って外部端子13を変形させることで、外部端子13の一部を傾斜させ、傾斜面12Dである第2面13Cを形成することができる。絶縁部材12は樹脂により成形されるため、傾斜面12Dを容易に形成することができる。
(3)外部端子13の長手方向の一方の端部に第2面13Cの頂点13Eが位置するため、バスバー3と外部端子13の接触領域を長手方向に延出させた細長状の形状とすることができる。このため、接触領域を外部端子13の短手方向に延出させる場合に比べ、接触領域の面積を大きくすることができる。
(4)外部端子13のうち頂点13Eに対して反対側となる端部には集電端子14の接合部14Aが位置する。このため、バスバー3を外部端子13に押し付ける際に、その反動でバスバー3に押し上げられる力が加わっても、接合部14Aによって外部端子13の浮き上がりを抑制することができる。
上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・上記実施形態では、絶縁部材12の厚さを部分的に異ならせ、外部端子13を絶縁部材12に沿って変形させることで、外部端子13に傾斜面である第2面13Cを設けた。これに代えて、図6に示すように、絶縁部材12の厚さを一定とし、外部端子13の厚さを異ならせることで、外部端子13に傾斜面である第2面13Cを設けるようにしてもよい。外部端子13は、第1面13Bを含み厚さが一定の第1部13Fと、第2面13Cを含み厚さが変化する第2部13Gとを備える。第1部13Fは貫通孔13Dを有している。第2部13Gは、第1部13Fから離れるに伴い厚くなる。第2部13Gのうち、絶縁部材12に支持される面に対して反対側には、傾斜面である第2面13Cが設けられる。図6に示すように、バスバー3を外部端子13に接合する工程では、上記実施形態と同様に、バスバー3の先端部3Cのうち延出部3B寄りの位置を頂点13Eに当接させながら、先端部3Cを押圧する。なお、外部端子13は、金属材を積層した多層構造であってもよく、第2部13Gにおける金属層を第1部13Fよりも大きくすることで、第2部13Gの厚さを変化させるようにしてもよい。また、傾斜角度θ1の傾斜部を有する絶縁部材12及び傾斜角度θ2の傾斜部を有する外部端子13を重ねることで、外部端子13に所望の傾斜角度θ(θ=θ1+θ2)を有する第2面13Cを形成するようにしてもよい。
・上記実施形態では、絶縁部材12の厚さを部分的に異ならせ、外部端子13を絶縁部材12に沿って変形させることで、外部端子13に傾斜面である第2面13Cを設けた。これに代えて、図6に示すように、絶縁部材12の厚さを一定とし、外部端子13の厚さを異ならせることで、外部端子13に傾斜面である第2面13Cを設けるようにしてもよい。外部端子13は、第1面13Bを含み厚さが一定の第1部13Fと、第2面13Cを含み厚さが変化する第2部13Gとを備える。第1部13Fは貫通孔13Dを有している。第2部13Gは、第1部13Fから離れるに伴い厚くなる。第2部13Gのうち、絶縁部材12に支持される面に対して反対側には、傾斜面である第2面13Cが設けられる。図6に示すように、バスバー3を外部端子13に接合する工程では、上記実施形態と同様に、バスバー3の先端部3Cのうち延出部3B寄りの位置を頂点13Eに当接させながら、先端部3Cを押圧する。なお、外部端子13は、金属材を積層した多層構造であってもよく、第2部13Gにおける金属層を第1部13Fよりも大きくすることで、第2部13Gの厚さを変化させるようにしてもよい。また、傾斜角度θ1の傾斜部を有する絶縁部材12及び傾斜角度θ2の傾斜部を有する外部端子13を重ねることで、外部端子13に所望の傾斜角度θ(θ=θ1+θ2)を有する第2面13Cを形成するようにしてもよい。
・上記実施形態では、外部端子13の長手方向の一方の端部に第2面13Cの頂点13Eが位置するようにした。これに代えて、外部端子13の短手方向の端部に第2面13Cの頂点13Eを配置し、短手方向に沿って傾斜する傾斜面を設けるようにしてもよい。この場合、外部端子13の短手方向の長さを、バスバー3の先端部3Cが接合可能な長さとする。
・バスバー3は、外部端子13に接合される先端部3C、先端部3Cと異なる方向に延出する延出部3B、先端部3C及び延出部3Bの間に設けられた第1屈曲部3Dを有していればよく、上記実施形態の形状に限定されない。例えば図7に示すように、バスバー50は、正極端子10及び負極端子11を、電池2の幅方向の同じ位置に揃えて配置した組電池に適用されるバスバー50であってもよい。バスバー50は、長尺状であって、電池2の正極端子10と、この電池2に隣接する他の電池2の負極端子11とを架橋するように設けられる。バスバー50は、架橋部50Aを備え、架橋部50Aの両端に延出部50B及び先端部50Cを備える。この場合であっても上記実施形態と同様な効果を得ることができる。
・上記実施形態では、電池2を、角型の電池として説明したが、角型に限らず円筒型であってもよい。また、電池2は、組電池1を構成するものに限らず、単独で使用されるものであってもよい。
・組電池1又は電池2は、電気自動車、ハイブリッド自動車、ガソリン自動車やディーゼル自動車等の車両やその他の移動体に用いられてもよい。又は、家庭定置用、産業定置用の二次電池であってもよい。
1…組電池
2…電池
3…バスバー
12…絶縁部材
13…外部端子
14…集電端子
2…電池
3…バスバー
12…絶縁部材
13…外部端子
14…集電端子
Claims (8)
- 電極体を収容するケースと、
前記ケースの外側に設けられ、複数の前記電極体を電気的に接続するバスバーが接合される外部端子と、
前記ケース内に位置する一方の端部が電極体に電気的に接続し、前記ケース外に位置する他方の端部が前記外部端子に電気的に接続する集電端子と、を備える電池であって、
前記外部端子に接合する前記バスバーは、変形可能な先端部及び前記先端部に対して異なる方向に延出する延出部を有し、
前記外部端子は、第1面と、前記第1面に対して傾斜し且つ前記第1面側の端部とは反対側の端部に頂点を含む第2面とを有し、
前記外部端子は、前記バスバーの前記先端部のうち前記延出部寄りの位置と前記第2面の前記頂点とを当接させた状態で前記バスバーと接合している
電池。 - 前記ケースの外側であって前記集電端子と前記外部端子との間に位置し樹脂からなる絶縁部材をさらに備え、
前記外部端子は、塑性変形可能な金属材からなり、
前記絶縁部材は、前記外部端子の前記第2面を含む傾斜部を支持する傾斜面を有する
請求項1に記載の電池。 - 前記外部端子は、前記バスバーとの接合面に対向する位置からみて細長い形状を有し、前記外部端子の長手方向の一方の端部に前記第2面の頂点が位置する
請求項1又は2に記載の電池。 - 前記外部端子のうち一方の端部には、前記外部端子を前記集電端子に接合する接合部が位置し、他方の端部には前記第2面の頂点が位置する
請求項1~3のいずれか1項に記載の電池。 - 前記外部端子は、前記第1面を含み厚さが一定の第1部と、前記第2面を含み前記頂点に向かって厚さが大きくなる第2部とを備える
請求項1に記載の電池。 - 電極体を収容するケース、
前記ケースの外側に設けられた外部端子、
及び、
前記ケース内に位置する一方の端部が電極体に電気的に接続し、前記ケース外に位置する他方の端部が前記外部端子に電気的に接続する集電端子と、を有する複数の電池と、
変形可能な先端部及び前記先端部に対して異なる方向に延出する延出部を有し、複数の前記電極体を電気的に接続するバスバーと、を備える組電池であって、
前記外部端子は、第1面と、前記第1面に対して傾斜し且つ前記第1面側の端部とは反対側の端部に頂点を含む第2面とを有し、
前記外部端子は、前記バスバーの前記先端部のうち前記延出部寄りの位置と前記第2面の前記頂点とを当接させた状態で前記バスバーと接合している
組電池。 - 複数の電池と、複数の電池を電気的に接続するバスバーとを備える組電池の製造方法であって、
前記電池は、
電極体を収容するケース、
前記ケースの外側に設けられ、第1面と、前記第1面に対して傾斜し且つ前記第1面側の端部とは反対側の端部に頂点を含む第2面とを有する外部端子、
及び、
前記ケース内に位置する一方の端部が電極体に電気的に接続し、前記ケース外に位置する他方の端部が前記外部端子に電気的に接続する集電端子を備え、
前記バスバーは、
変形可能な先端部及び前記先端部に対して異なる方向に延出する延出部を有し、
前記外部端子と前記バスバーとを接合する工程では、前記バスバーの前記先端部のうち前記延出部寄りの位置と前記第2面の前記頂点とを当接させた状態で、前記頂点を支点とし前記バスバーの前記先端部を変形させて前記第2面に接触させる
組電池の製造方法。 - 前記電池は、前記ケースと前記外部端子との間に位置し、前記外部端子を支持する傾斜面を有する絶縁部材をさらに備え、
前記外部端子は、塑性変形可能な金属材からなり、
前記外部端子を押圧し、前記外部端子の一部を前記絶縁部材の前記傾斜面に沿って変形させることにより前記第2面を形成する工程をさらに有する
請求項7に記載の組電池の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021136145A JP2023030807A (ja) | 2021-08-24 | 2021-08-24 | 電池、組電池及び組電池の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
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ID=85413876
Family Applications (1)
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JP2021136145A Pending JP2023030807A (ja) | 2021-08-24 | 2021-08-24 | 電池、組電池及び組電池の製造方法 |
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Country | Link |
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-
2021
- 2021-08-24 JP JP2021136145A patent/JP2023030807A/ja active Pending
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