JP2023030676A - 構造物の補強方法及び補強構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】例えば、幅が広く厚みが薄い構造物において、その厚み方向におけるせん断力等が加えられた場合であっても、構造物の損壊を十分に抑制することができる補強方法を提供する。【解決手段】構造物の表面に繊維シートを巻き付ける巻き付け工程と、構造物の表面から内部に向けて少なくとも2つの孔を形成する穿孔工程と、前記構造物に巻き付けられた繊維シート上に繊維バンドを固定する固定工程とを備え、前記固定工程において、前記繊維バンドが、前記2つの孔を介して、前記構造物に対して固定されることを特徴とする構造物の補強方法。【選択図】図1
Description
本発明は、構造物の補強方法及び補強構造に関するものである。
高速道路の橋脚などのコンクリート構造物を補強する方法としては、非特許文献1に示すように、繊維シートを巻き付けることによって構造物を拘束して補強する方法が知られている。
"ボンド連続繊維シート補強工法"、コニシ株式会社、製品カタログ(1997)
この補強方法によれば、構造物を簡単かつ強力に補強することができるが、例えば、幅が広く厚みが小さい構造物に繊維シートを巻き付けた場合には、繊維シートを撓みなく巻き付けた場合であっても、幅が広い面の中心部分においては繊維シートを構造物に固定する支点からの距離が離れてしまうために、繊維シートによる拘束力が弱まってしまう場合があることに本発明者は気が付いた。
本発明は、上述したような問題に鑑みてなされたものであり、前述したような幅が広い面の中心部分においても繊維シートによる拘束力を十分に維持し、例えば、厚み方向におけるせん断力等が加えられた場合であっても構造物の損壊を十分に抑制することができる補強方法を提供することをその主たる課題とするものである。
すなわち、本発明に係る補強方法は、構造物の表面に繊維シートを巻き付ける巻き付け工程と、構造物の表面から内部に向けて少なくとも2つの孔を形成する穿孔工程と、前記構造物に巻き付けられた繊維シート上に繊維バンドを固定する固定工程とを備え、前記固定工程において、前記繊維バンドが、前記2つの孔を介して、前記構造物に対して繊維シートの上で固定されることを特徴とするものである。
このような補強方法であれば、前記繊維バンドを前記構造物の表面から内部に向けて形成された2つの孔を介して前記構造物に対して固定するので、例えば、構造物に巻き付けられて構造物を周囲から補強する繊維シートを、構造物の中央部分においても、繊維バンドによってその厚み方向から挟み込んで拘束することができる。その結果、例えば、幅が広く厚みが薄い構造物を補強する場合であっても、繊維シートを構造物に固定する支点を適切な間隔で設けることができ、構造物に厚み方向への負荷がかかった場合であっても構造物の厚み方向への損壊を抑制することができる。
前記2つの孔が、前記繊維シートの巻き付け方向とは異なる方向に並ぶように配置されているものとすることによって、前記繊維シートを巻き付け方向とは異なる方向から繊維バンドによって拘束することができる。前記繊維シートは、その幅方向よりも巻き付け方向に沿っての強度の方が高い場合が多いので、繊維バンドをその巻き付け方向に沿って拘束するよりも、繊維バンドを巻き付け方向とは異なる方向に沿って配置して繊維シートを拘束する方がより繊維シートによる補強の強度を向上することが可能である。
前記2つの孔が貫通孔であり、前記繊維バンドが前記2つの孔を介して輪になるように配置されるものとすれば、前記繊維バンドを前記構造物に対してできるだけ引き締めた状態で固定しやすい。
前記孔の開口縁に面取りが施されているものとすれば、前記繊維バンドを孔の開口縁に押し付けるように固定した場合であっても、繊維バンドが擦り切れてしまうことを抑えることができる。
前記構造物の幅と厚みの比(幅/厚み)が5以上である場合には、本発明の効果をより顕著に発揮することができる。
前記繊維バンドがアラミド繊維で形成されているものであれば、繊維バンドの強度が高く、2つの孔の間に繊維バンドを、より強く張り詰めて配置することが可能であるので、構造物をより強力に補強することができる。
本発明によれば、構造物の形状に関わらず繊維シートによって構造物を十分に補強することができる。
以下に、本発明の一実施形態について、図面を用いて説明する。
<本実施形態に係る補強構造の説明>
本実施形態に係る補強方法によって形成される補強構造100は、例えば、図1に示すように、構造物Sの表面に巻き付けられた繊維シート1と、構造物Sに形成された孔2と、この孔2を用いて前記繊維シート1上に配置された繊維バンド3とを備えるものである。
<本実施形態に係る補強構造の説明>
本実施形態に係る補強方法によって形成される補強構造100は、例えば、図1に示すように、構造物Sの表面に巻き付けられた繊維シート1と、構造物Sに形成された孔2と、この孔2を用いて前記繊維シート1上に配置された繊維バンド3とを備えるものである。
構造物Sは、例えば、新しく構築された構造物Sであっても、既に使用されている構造物Sであっても良く、またどのような素材で形成されたものであっても良い。構造物Sの例としては、例えば、主にコンクリートから形成されている建築・土木用のコンクリート構造物であり、内部に鉄筋が設けられた鉄筋コンクリート構造物等を挙げることができる。このような構造物Sの具体例としては、例えば、梁、柱、スラブ、壁、橋脚、桁、床版、高欄、トンネル、U字溝、ヒューム管、架台、機械基礎、煙突、電柱等を挙げることができる。
本実施形態では、構造物Sの一例として、図1に示すような扁平な形状の高速道路等の脚部であり、例えば、幅と厚みの比(幅/厚み)が5以上あるいは10以上の四角柱状のものを挙げて、この構造物Sを補強する補強構造100及び補強方法について説明する。
前記繊維シート1は、構造物Sの表面に巻き付けることによって構造物Sをその表面から拘束して補強する役割を果たすものである。繊維シート1は、連続繊維を一方向又は多方向に織って形成されたものであり、例えば、その厚みが0.1mm以上2mm以下、幅が10cm以上50cm以下等の長尺な帯状のものである。繊維シート1の材質は、特に限定されず、例えば、炭素繊維などの無機系繊維やアラミド繊維、ポリエチレン繊維、ポリアレート繊維、PBO繊維などの有機系繊維等のうち1種以上を含有する連続繊維を挙げることができる。この繊維シート1の巻き付け方は、どのようなものであっても良いが、構造物Sが、本実施形態で説明するような高速道路等の脚部などの場合には、例えば、構造物Sの側面を周回するように巻き付けられる。
孔2は、構造物Sの表面から内部に向けて形成されたものであり、その内部に繊維バンド3を挿入することができる開口を有するものである。孔2は、例えば、構造物Sの厚み方向に向けて形成されており、例えば、図2又は図3に示すように、構造物Sを厚み方向に貫通する貫通孔である。これらの孔は繊維シート1を構成する繊維を傷つけないように、繊維シート1が巻き付けられる部分を避けて形成されている。なお、図2~図6は、補強構造をより分かりやすく説明するために、各部の構造を図1よりも簡略化した模式図としている。
構造物Sに形成される孔2の開口縁2aは、例えば図4に示すように、構造物Sの外表面と孔2の側面とによって形成される角の部分が、丸く又は斜めに面取りされている。孔2の開口縁2aに面取りを施しておくことによって、この孔2に挿入される繊維バンド3が開口縁2aに押し付けられた時に、繊維バンド3を形成している繊維が損傷を受けることをできるだけ抑えることができるからである。
繊維バンド3は、構造物Sに巻き付けられた繊維シート1を外側から拘束することができるように、構造物Sに形成された2つの孔2を用いて構造物Sに対して固定されているものである。より具体的には、繊維バンド3は2つの孔2の間にかけ渡されるように配置されて構造物Sに対して固定されている。すなわち、繊維バンド3は、図5に示すように、構造物Sの長尺方向(幅方向)に対して垂直な方向である短尺方向(厚み方向)に沿って巻きまわされている。言い換えると、構造物Sの幅が広い面における繊維シートが巻き付けられている方向(長尺方向)とは異なる方向(短尺方向)から繊維バンド3が繊維シート1及び構造物Sを拘束するように配置されている。なお、図5は、構造物Sを繊維シートが巻かれている方向に切った断面図である。
繊維バンド3は、例えば、連続繊維を一方向又は多方向に織って形成されたものであり、例えば、厚みが0.1mm以上2mm以下であり、幅が2cm以上15cm以下等の長尺の帯状のものである。繊維バンド3を構成する素材は特に限定されず、例えば、炭素繊維などの無機系繊維やアラミド繊維、ポリエチレン繊維、ポリアレート繊維、PBO繊維などの有機系繊維等のうち1種以上を含有する連続繊維を挙げることができる。
繊維バンド3は、例えば、連続繊維を一方向又は多方向に織って形成されたものであり、例えば、厚みが0.1mm以上2mm以下であり、幅が2cm以上15cm以下等の長尺の帯状のものである。繊維バンド3を構成する素材は特に限定されず、例えば、炭素繊維などの無機系繊維やアラミド繊維、ポリエチレン繊維、ポリアレート繊維、PBO繊維などの有機系繊維等のうち1種以上を含有する連続繊維を挙げることができる。
繊維バンド3を固定するために使用される2つの孔2は、構造物Sに形成された複数の孔2のうちの何れか2つであれば良いが、いずれかの方向に沿って隣り合った2つの孔2を使用する。本実施形態においては、繊維バンド3を繊維シート1の巻き付けられている方向とは異なる方向に配置することができる位置関係の2つの孔2を使用し、複数の繊維バンド3が互いに重ならないように配置する。
本実施形態では、繊維シート1の巻き付け方向に対してほぼ垂直な方向に沿って繊維バンド3を配置することが出来る位置に孔2を形成しており、孔2は構造物Sに対して取り付けられる繊維バンド3の本数に応じて形成されている。
本実施形態では、構造物Sの側面を横切る繊維シート1の列1列に対して、例えば、複数本の繊維バンド3を配置しており、これら繊維バンド3同士の間隔は、例えば、構造物Sの厚みと同じ距離になるようにしてある。本実施形態で説明しているような幅と厚みの比(幅/厚み)が5以上あるいは10以上の構造物Sにおいては、同じ列の繊維シート1上に配置された隣り合う繊維バンド3間の距離と構造物Sの厚みとの比(距離/厚み)が5より小さくなるようにする。
また、繊維シート1の隣り合う列同士において繊維バンド3が配置される位置をずらすことによって、構造物Sに巻き付けられる繊維シート1の全体(全長)をできるだけ偏りなく繊維バンド3で支えることが出来る。
また、繊維シート1の隣り合う列同士において繊維バンド3が配置される位置をずらすことによって、構造物Sに巻き付けられる繊維シート1の全体(全長)をできるだけ偏りなく繊維バンド3で支えることが出来る。
前述した繊維シート1及び繊維バンド3は、樹脂等からなる接着剤を含浸させることによって構造物Sの表面又は繊維シート1の表面に固定されている。この接着剤は、繊維シート1又は繊維バンド3を構造物S又は繊維シート1の表面に固定できるものであれば特に限定されないが、例えば、樹脂を含有するものを挙げることができる。接着剤に含有される樹脂は、例えば、エポキシ樹脂やアクリル樹脂、ビニルエステル樹脂、ポリウレタン樹脂などを挙げることができる。
<本実施形態に係る補強方法の説明>
本実施形態に係る構造物Sの補強方法は、例えば、以下のような手順又は工程を含むものである。
まず、構造物Sである高速道路の脚部の表面のコンクリートを洗浄し、研磨処理を行う。また、ひび割れや欠損、段差がある場合にはモルタル等によって修復を行い、繊維シート1を構造物Sの表面に密着させることができるように、できるだけ脚部の表面に段差がない状態にする。
本実施形態に係る構造物Sの補強方法は、例えば、以下のような手順又は工程を含むものである。
まず、構造物Sである高速道路の脚部の表面のコンクリートを洗浄し、研磨処理を行う。また、ひび割れや欠損、段差がある場合にはモルタル等によって修復を行い、繊維シート1を構造物Sの表面に密着させることができるように、できるだけ脚部の表面に段差がない状態にする。
次に、繊維バンド3を取り付けるための孔2を、例えば、ドリル等によって形成する(穿孔工程)。孔2は前述したように、繊維シート1が巻き付けられる部分を避けて形成されていることが好ましく、例えば、図1に示すように、幅が広く厚みが小さい構造物Sを補強する場合には、構造物Sの幅の広い面の中央部分に、構造物Sの厚み方向に沿って形成されている。孔2をあけた後には孔2を形成する際に発生した粉塵などを除去する工程を必要に応じて設ける。
孔2を形成した後、従来の連続繊維シート接着工法に従って繊維シート1を補強したい構造物Sの表面に全体的に巻き付ける(巻き付け工程)。具体的には、構造物Sの表面に接着剤を塗布(下塗り)し、その上から繊維シート1を巻き付けた後ローラーをかける等して繊維シート1に接着剤を含浸させる。繊維シート1の上からさらに接着剤を塗布(上塗り)し、接着剤を繊維シート1に含浸させる。
一般的には、前述した下塗りの前に構造物Sの表面と接着剤との密着性を向上させるプライマーをローラーなどで塗布することも有効である。また、構造物Sの表面に小さな穴や凹凸などがある場合には、下塗り前にパテ材などによる不陸修正を行うようにしても良い。ただし、繊維バンドがかかる部位に使用するパテ材の選定については、繊維バンドの持続的補強軸力に伴うクリープ変形を生じないものとすることが望ましい。
次に、繊維バンド3を取り付ける(固定工程)。
まず、繊維バンド3に接着剤を含浸させておく。次に、構造物Sに形成しておいた孔2内に接着剤をグラウトガン等によって注入する。繊維バンド3を取り付ける構造物Sの表面及び繊維シート1の表面に接着剤を塗布した後、繊維バンド3の端を前記孔2に挿入し繊維バンド3が2つの孔2の間に緩みなく巻きまわされた状態で該繊維バンド3の両端同士を互いに固結する。その後、繊維バンド3の上からローラーをかける等して、繊維バンド3に接着剤を含浸させて繊維バンド3を繊維シートに接着する。
まず、繊維バンド3に接着剤を含浸させておく。次に、構造物Sに形成しておいた孔2内に接着剤をグラウトガン等によって注入する。繊維バンド3を取り付ける構造物Sの表面及び繊維シート1の表面に接着剤を塗布した後、繊維バンド3の端を前記孔2に挿入し繊維バンド3が2つの孔2の間に緩みなく巻きまわされた状態で該繊維バンド3の両端同士を互いに固結する。その後、繊維バンド3の上からローラーをかける等して、繊維バンド3に接着剤を含浸させて繊維バンド3を繊維シートに接着する。
このようにして繊維バンド3を取り付けた後、必要に応じて繊維シート1及び繊維バンド3の表面全体に仕上げ材を塗布する。
<本実施形態に係る補強構造及び補強方法による効果>
このような補強構造100及び補強方法によれば、以下のような効果を奏することができる。
本実施形態で説明したような、幅と厚みの比(幅/厚み)が5以上や10以上等の扁平な構造物Sであっても、構造物Sの厚み方向に形成された孔2を利用して繊維バンドを構造物Sに対して固定することによって、構造物Sの表面を押さえつける力が弱まりやすい部分の繊維シート1を繊維バンド3によって構造物Sの表面に押し付ける支点を設けることができる。そのため、扁平な構造物Sの厚み方向に力が掛かってしまうような場合であっても、構造物Sを繊維シート1及び繊維バンド3によってしっかりと拘束することができる。
このような補強構造100及び補強方法によれば、以下のような効果を奏することができる。
本実施形態で説明したような、幅と厚みの比(幅/厚み)が5以上や10以上等の扁平な構造物Sであっても、構造物Sの厚み方向に形成された孔2を利用して繊維バンドを構造物Sに対して固定することによって、構造物Sの表面を押さえつける力が弱まりやすい部分の繊維シート1を繊維バンド3によって構造物Sの表面に押し付ける支点を設けることができる。そのため、扁平な構造物Sの厚み方向に力が掛かってしまうような場合であっても、構造物Sを繊維シート1及び繊維バンド3によってしっかりと拘束することができる。
繊維シート1が炭素繊維やアラミド繊維などからなるものであるので、繊維シート1自体の強度が十分に高く、構造物Sをより強力に補強することができる。
繊維バンド3が炭素繊維やアラミド繊維などからなるものであるので、繊維シート自体の強度が十分に高く、構造物Sをより強力に補強することができる。
繊維バンド3は、繊維シート1の巻き付け方向に対してほぼ垂直な方向に沿って配置されているので、繊維バンド3によって、繊維シート1に対してコンクリートなど構造物(断面構成材)への厚み方向における拘束力を担保することができる。
<本発明に係る他の実施形態>
本発明は前述した実施形態に限られるものではない。
例えば、鉛直荷重作用を受ける梁のように、過大にせん断力が作用する構造物を補強する場合には、鉛直方向に配置した繊維バンド3を強く引っ張って張り詰めた状態で構造物Sに固定することで、繊維バンド3が構造物Sにかかるせん断力を受け持つため、構造物Sに対してせん断補強の効果をもたらすことができる。
本発明は前述した実施形態に限られるものではない。
例えば、鉛直荷重作用を受ける梁のように、過大にせん断力が作用する構造物を補強する場合には、鉛直方向に配置した繊維バンド3を強く引っ張って張り詰めた状態で構造物Sに固定することで、繊維バンド3が構造物Sにかかるせん断力を受け持つため、構造物Sに対してせん断補強の効果をもたらすことができる。
繊維バンド3は、繊維シート1の巻き付け方向に対してほぼ断面内直角に配置されるものに限らず、例えば図6に記載したように斜めに配置されるものや、繊維シート1の巻き付け方向に沿って配置されるものであっても良い。
アラミド繊維からなる繊維バンド3を使用する場合等、繊維バンドの強度が十分に高い場合には、孔2の開口縁2aに面取りを施さなくてもよい。また、孔2の開口縁2aの全周に亘って面取りを施しても良いし、開口縁2aのうち繊維バンド3が触れる部分にのみ面取りが施されるようにしても良い。
前述した実施形態は、最も本願発明の効果を顕著に奏する例として幅と厚みの比(幅/厚み)が5以上あるいは10以上の構造物Sを補強する場合について説明したが、構造物の幅と厚みの比(幅/厚み)が5より小さい場合であっても、本発明の効果は十分に得られる。
また、同様の理由から、同じ列の繊維シート1上に配置された隣り合う繊維バンド3間の距離と構造物の厚みとの比(距離/厚み)が5以上の場合であっても本発明の効果は十分に奏される。
また、同様の理由から、同じ列の繊維シート1上に配置された隣り合う繊維バンド3間の距離と構造物の厚みとの比(距離/厚み)が5以上の場合であっても本発明の効果は十分に奏される。
孔2を穿孔するタイミングは、構造物Sに繊維シート1を巻き付ける前であることを基本とする。新しく構造物Sを構築して補強する場合には、構造物Sを構築する際に予め孔2を形成しておくようにしてもよい。繊維シート1を巻き付けた後に行う場合は繊維シート1を傷付けないように、十分な保護・養生策を確保しなければならない。
孔2は、前述したように各繊維バンド3に対して2つずつ形成されていても良いし、1つの孔2に複数本の繊維バンド3を挿入するようにして、形成する孔2の数を減らすようにしても良い。
また、前述した実施形態では、繊維バンド3を孔2に挿入する前に孔2内に接着剤を注入しておくようにしたが、繊維バンド3を挿入した後に孔2に接着剤を注入するものとしても良い。ただし、接着剤の完全充填状況など十分な試験施工を行って定着確実性の確認を行うことが必要である。
また、前述した実施形態では、繊維バンド3を孔2に挿入する前に孔2内に接着剤を注入しておくようにしたが、繊維バンド3を挿入した後に孔2に接着剤を注入するものとしても良い。ただし、接着剤の完全充填状況など十分な試験施工を行って定着確実性の確認を行うことが必要である。
また、繊維バンド3は、前述したように2つの孔を介して1周巻きまわされているものに限らず、同じ2つの孔の間に2重や3重など複数回巻きまわされたものとしてもよい。
その他、本発明の趣旨に反しない限りにおいて、種々の変形や実施形態の組合せを行ってもかまわない。
100・・・補強構造
S ・・・構造物
1 ・・・繊維シート
2 ・・・孔
2a ・・・開口縁
3 ・・・繊維バンド
S ・・・構造物
1 ・・・繊維シート
2 ・・・孔
2a ・・・開口縁
3 ・・・繊維バンド
Claims (7)
- 構造物の表面に繊維シートを巻き付ける巻き付け工程と、
前記構造物の表面から内部に向けて少なくとも2つの孔を形成する穿孔工程と、
前記構造物に巻き付けられた前記繊維シート上に繊維バンドを固定する固定工程とを備え、
前記固定工程において、前記繊維バンドが、前記2つの孔を介して、前記構造物に対して固定されることを特徴とする構造物の補強方法。 - 前記穿孔工程において、前記2つの孔を前記繊維シートの巻き付け方向とは異なる方向に並ぶ位置に形成することを特徴とする請求項1記載の補強方法。
- 前記穿孔工程において、前記2つの孔が前記構造物を貫通するように形成し、
前記固定工程において、前記繊維バンドを前記2つの孔を介して輪になるように固定することを特徴とする請求項1又は2に記載の補強方法。 - 前記孔の開口縁に面取りが施されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の補強方法。
- 幅と厚みの比(幅/厚み)が5以上である前記構造物に対して適用されることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の補強方法。
- 前記繊維バンドがアラミド繊維で形成されていることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の補強方法。
- 構造物の表面に巻き付けられた繊維シートと、
前記繊維シート上に配置された繊維バンドとを備え、
前記繊維バンドが、前記構造物の表面から内部に向けて形成された2つの孔を介して、前記構造物に対して固定されていることを特徴とする補強構造。
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