JP2023028976A - 燃料電池システムの制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】冷却システムのラジエータに対して、より簡単に防錆被膜を成膜することができる燃料電池システムの制御装置を提供する。【解決手段】燃料電池システム1の制御装置10は、多方弁69によるイオン交換器64への冷却液の通液を禁止する通液禁止部12と、ラジエータ61のみに冷却液を流しながら、試運転の開始時点から、ラジエータ61に導入される冷却液の温度が、防錆被膜の成膜温度以上となった時間を積算する積算時間算出部14と、積算した時間が成膜時間となったときに、防錆被膜の成膜が完了したと判定する成膜完了判定部15と、防錆被膜の成膜が完了したと判定したときに、多方弁69によるイオン交換器64への通液の禁止を解除する禁止解除部16と、を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、燃料電池システムの制御装置に関する。
たとえば、この種の技術として、燃料電池スタックにより発電する燃料電池システムが開示されている。燃料電池システムは、燃料電池スタックが発電時に発熱するため、燃料電池スタックに冷却液を供給する冷却システムを備えることが一般的である。冷却システムは、ラジエータを備えている。このようなラジエータは、高温環境下において、冷却液とラジエータの材料であるアルミニウムが反応することで、アルミニウムが腐食してしまい、その際に生じたイオンによって冷却液の導電率が上昇してしまい、燃料電池スタックの発電部において短絡することがある。
このような点を鑑みて、たとえば、特許文献1には、ラジエータに高温水を流すことにより、ラジエータの流路に防錆被膜を成膜する方法が開示されている。
特開2003-181628号公報
しかしながら、特許文献1に示す方法では、ラジエータを燃料電池システムの冷却システムに取り付ける前に、ラジエータに高温水を流さねばならず、防錆処理用の設備を準備し、1つ1つのラジエータに対して、防錆処理を行わなければならなかった。
本発明は、このような点を鑑みてなされたものであり、冷却システムのラジエータに対して、より簡単に防錆被膜を成膜することができる燃料電池システムの制御装置を提供する。
前記課題を鑑みて、本発明に係る燃料電池システムの制御装置は、燃料電池スタックに冷却液を循環させることにより、前記燃料電池スタックを冷却する冷却システムを備えた燃料電池システムの制御装置であり、前記冷却システムは、前記燃料電池スタックから排出された冷却液が導入されるラジエータと、前記燃料電池スタックと前記ラジエータとの間の循環経路において、冷却液を循環させる循環ポンプと、前記循環経路から分岐したバイパス経路において、前記冷却液に含まれる不純物イオンを取り除くイオン交換器と、前記循環経路から前記バイパス経路に分岐した分岐点において、前記ラジエータおよび前記イオン交換器に導入される前記冷却液の流量を調整する多方弁と、前記燃料電池システムを制御する制御装置と、を備えており、前記制御装置は、前記燃料電池スタックの試運転の際に、前記ラジエータの冷却流路に、前記冷却液により防錆被膜が成膜されるように、前記燃料電池システムを制御するものであり、前記制御装置は、前記多方弁による前記イオン交換器への前記冷却液の通液を禁止する通液禁止部と、前記ラジエータのみに前記冷却液を流しながら、前記試運転の開始時点から、前記ラジエータに導入される前記冷却液の温度が、前記防錆被膜の成膜温度以上となった時間を積算する積算時間算出部と、積算した時間が成膜時間となったときに、前記防錆被膜の成膜が完了したと判定する成膜完了判定部と、前記防錆被膜の成膜が完了したと判定したときに、前記多方弁による前記イオン交換器への前記通液の禁止を解除する禁止解除部と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、防錆被膜を成膜する前のラジエータに対して、冷却液を、成膜温度以上で、成膜時間、通液することにより、ラジエータの冷却流路に防錆被膜を成膜することができる。ここで、成膜温度は、冷却液を冷却流路に流したときに、冷却流路の壁面に防錆被膜の成膜が開始される温度であり、成膜時間は、その成膜温度で冷却液を冷却流路に流し続けたときに、冷却流路の壁面に防錆被膜が所望の厚みで成膜される時間である。
ここで、制御装置は、燃料電池システムの試運転の開始時点から、燃料電池スタックに冷却液を流し、燃料電池スタックを冷却するので、燃料電池スタックから排出された冷却液は、昇温されている。この昇温された冷却液は、通液禁止部により、イオン交換器への通液が禁止され、ラジエータのみに通液される。ここで、温度計で測定した冷却液の温度が、成膜温度以上である場合には、ラジエータの冷却流路の壁面に防錆被膜が形成されることになる。なお、この成膜温度は、燃料電池の通常運転時の冷却液の温度よりも高いため、イオン交換器に、この成膜温度の冷却液を流すことを禁止するので、イオン交換器(具体的にはイオン交換フィルタ)の熱による損傷を回避することができる。
そこで、本発明では、制御装置は、積算時間算出部により、このような温度条件の冷却液が、ラジエータを通液された時間をカウントし、この時間を積算した積算時間を算出する。この算出した積算時間が、成膜時間となったタイミングで、成膜完了判定部で、防錆被膜の成膜が完了したと判定することができる。本発明では、ラジエータのみに冷却液を通液した状態(一定の流量で冷却液を連続して流した状態)において、積算時間算出部で積算時間を算出するので、成膜完了判定部で、防錆被膜の成膜の完了をより正確に判定することができる。
防錆被膜の成膜が完了したと判定した後には、通液禁止部で、禁止されていた多方弁によるイオン交換器への通液の禁止を、禁止解除部で解除するので、イオン交換器に冷却液を流すことができる。たとえば、イオン交換器が防錆剤を捕獲したとしても、すでに防錆被膜の成膜は完了しているので、冷却液から防錆剤が取り除かれても、特に問題が生じない。
このようにして、本発明によれば、新たな防錆処理のための設備を設けることなく、燃料電池システムに、ラジエータを搭載した状態で、ラジエータの冷却流路の壁面に防錆被膜を簡単に成膜することができる。
本実施形態に係る燃料電池システムの全体構成図である。 図1に示す制御装置の制御ブロック図である。 図2に示す成膜完了判定部における積算時間と防錆被膜の膜厚との関係を示したグラフである。 図2に示す燃料電池システムにおける防錆被膜の成膜方法を説明するためのフロー図である。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。各実施形態において同一の符号を付された構成については、特に言及しない限り、各実施形態において同様の機能を有し、その説明を省略する。
図2に示すように、燃料電池システム1は、膜電極接合体(MEA)等を含む燃料電池セルを複数積層することによって構成された燃料電池スタック1Aを備えている。燃料電池スタック1Aには、二次バッテリ90に接続されており、燃料電池システム1で発電した電力は、二次バッテリ90に蓄えられる。図1に示す制御装置10は、燃料電池システム1を制御装置であり、制御装置10には、燃料電池システム1で発電した電力が直接的に供給されていてもよく、二次バッテリ90からの電力が供給されてもよい。
燃料電池システム1は、燃料電池スタック1Aにエアを供給するエア供給システム20と、燃料電池スタック1Aに燃料ガスである水素ガスを供給する水素ガス供給システム40と、燃料電池スタック1Aを冷却する冷却システム60と、を備えている。
エア供給システム20は、燃料電池スタック1Aに酸化剤ガスとしてエアを供給すると共に、燃料電池スタック1Aでの電気化学反応(発電)に用いられなかったエアを含むオフガスを燃料電池スタック1Aから排出する。
エア供給システム20は、燃料電池スタック1Aにエアを供給するエア供給経路20Aと、燃料電池スタック1Aから排出されたエアを含むオフガスを大気に排出するエア排出経路20Bと、を備えている。エア供給経路20Aには、大気から導入されたエアに含まれる塵埃等を除去するエアクリーナ23と、エアクリーナ23を通過したエアを燃料電池スタック1Aに圧送するエアコンプレッサ22と、が設けられている。エアコンプレッサ22は、燃料電池スタック1Aの発電電力によって駆動するモータによって駆動し、吸引したエアを圧縮する。エア供給システム20は、エアコンプレッサ22から圧送されたエアを冷却するインタークーラ28を備えている。
エア供給システム20は、エア供給経路20Aから分岐してエア排出経路20Bに合流するエアバイパス経路20Cを備えてもよい。エアバイパス経路20Cは、エアコンプレッサ22により圧送されたエアの一部をエア排出経路20Bに迂回させる。
水素ガス供給システム40は、燃料電池スタック1Aに燃料ガスとして水素ガスを供給すると共に、燃料電池スタック1Aでの電気化学反応に用いられなかった水素ガスを含むオフガスを燃料電池スタック1Aから排出する。
水素ガス供給システム40は、高圧タンク70からの水素ガスを、燃料電池スタック1Aに供給する水素ガス供給経路40Aと、燃料電池スタック1Aから排出されたオフガスを、エア排出経路20Bに排出する水素ガス排出経路40Bと、を備えている。水素ガス供給システム40は、高圧タンク70に充填された水素ガスの水素ガス供給経路40Aへの導入と導入停止とを切り替える主止弁43と、高圧タンク70から導入された水素ガスの圧力を調整するレギュレータ44と、を備えている。水素ガス供給システム40は、レギュレータ44により圧力が調整された水素ガスを燃料電池スタック1Aに放射するエジェクタ45と、水素ガス供給経路40Aにおいて発生し得る過大圧力を開放するリリーフ弁46、47と、をさらに備えている。
水素ガス供給システム40は、水素ガス排出経路40Bに設けられ、燃料電池スタック1Aから排出されたオフガスから生成水を分離する気液分離器49を備えている。水素ガス供給システム40は、気液分離器49を通過したオフガスに含まれる水素ガスをエジェクタ45に循環させる水素ガス循環経路50Cを備えている。なお、水素ガス循環経路50Cには、気液分離器49を通過した水素ガスをエジェクタ45に圧送する水素ガスポンプが設けられてもよい。水素ガス供給システム40は、気液分離器49を通過した生成水の水素ガス排出経路40Bへの排出と排出停止とを切り替える排水弁51を備えている。水素ガス供給システム40は、水素ガスの圧力を計測する圧力センサ52を備えてもよい。
冷却システム60は、水素ガスとエアとの化学反応により発熱した燃料電池スタック1Aを、冷却液を循環させることにより冷却するシステムである。冷却システム60は、冷却液が循環する循環経路60Aと、循環経路60Aから分岐したバイパス経路60Bとを備えている。循環経路60Aは、後述する空調機器80に流れる熱媒体経路80Aにも接続されている。
本実施形態では、冷却システム60は、循環経路60Aに、燃料電池スタック1Aから排出された冷却液が導入されるラジエータ61と、燃料電池スタック1Aとラジエータ61との間の循環経路60Aにおいて、冷却液を循環させる循環ポンプ62と、を備えている。
ラジエータ61には、循環ポンプ62で圧送された冷却液が通過する冷却流路61aが形成されており、ラジエータ61と対向する位置には、ラジエータ61を冷却するファン65が設けられている。ここで、本実施形態では、燃料電池システム1の試運転前には、ラジエータ61の冷却流路61aの壁面には、防錆被膜は形成されていない。本実施形態では、後述する、冷却液を、成膜温度以上、かつ、所定の成膜時間の条件で、ラジエータ61に通液(通過)することにより、冷却流路61aの壁面に防錆被膜を成膜することができる。
たとえば、冷却液は、水とグリコール類とを含み、たとえば未使用の状態で、防錆剤などの添加剤がさらに添加されていてもよい。グリコール類は、冷却液に対して、たとえば30~70質量%程度添加されており、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、グリセリンは、不凍性に優れ、かつ、低粘性に優れる。
たとえば、ラジエータ61がアルミニウムからなる場合には、冷却液(に含まれる水)を、成膜温度以上に加熱し、成膜温度以上に加熱した高温の冷却液を所定の成膜時間、ラジエータ61に通液することにより、ラジエータ61の冷却流路を形成する壁面に、ベーマイトの酸化被膜(防錆被膜)を成膜することができる。
たとえば、冷却液に、アンモニアまたはトリエタノールアイミンなどの添加剤が添加されることにより、ベーマイトからなる防錆被膜が、より成膜され易くなる。なお、防錆被膜を成膜する際には、後述するように、制御装置10で多方弁69を制御し、イオン交換器64に、冷却液が通液されることが禁止されるので、イオン交換器64に、アンモニアまたはトリエタノールアイミンなどの添加剤が捕獲されない。成膜後には、イオン交換器64に、冷却液が通液されることが制御装置10により許可されるため、イオン交換器64に、アンモニアまたはトリエタノールアイミンなどの添加剤を捕獲することができる。
この他にも、たとえば、冷却液に、冷却流路61aの壁面を酸化させる酸化促進剤等の添加剤が、添加さていてもよい。また、無電解めっき法などを利用して、冷却流路61aの壁面に、金属を析出されることにより、防錆被膜を成膜する場合には、防錆被膜を成膜する金属イオン、触媒等が添加剤として添加されていてもよい。この他にも、冷却流路61aの壁面の表面に吸着され易い無機材料または有機材料を添加剤として添加し、防錆被膜を成膜してもよい。このような添加剤を冷却液に添加する場合であっても、防錆被膜を成膜するに適した成膜温度(加熱温度)および成膜時間が存在し、このような成膜温度および成膜時間を満たせば、冷却流路61aの壁面に防錆被膜を成膜することができる。
冷却システム60は、循環経路60Aから分岐したバイパス経路60Bにおいて、冷却液に含まれる不純物イオンを取り除くイオン交換器64をさらに備えている。イオン交換器64は、循環経路60Aなどから冷却液中に溶出する不純物イオンを除去するものであり、イオン交換器64は、イオン交換フィルタを備えている。イオン交換器64では、イオン交換フィルタによる圧力損失が大きいため、バイパス経路60Bを流れる冷却液の一部のみがイオン交換フィルタを通過する。イオン交換器64を用いて冷却液中の不純物イオンを除去することによって、冷却液の導電率を低下させることができる。
冷却システム60は、循環経路60Aからバイパス経路60Bに分岐した分岐点において、ラジエータ61およびイオン交換器に導入される冷却液の流量を調整する多方弁69をさらに備えている。
多方弁69は、燃料電池スタック1Aを通過した冷却液が、循環経路60Aからバイパス経路60Bに分流する分岐点に設けられた電磁弁である。制御装置10によって多方弁69を制御することにより、ラジエータ61に流す冷却液と、バイパス経路60B(すなわちイオン交換器64)に流す冷却液との比率を変更することができる。
この他にも、冷却システム60には、燃料電池スタック1Aから排出された冷却液の温度を測定する温度計67と、ラジエータ61に導入される冷却液の温度を測定する温度計68とを備えている。冷却システム60は、冷却液を収容するリザーバタンク66をさらに備えており、ラジエータ61を流れた冷却液、イオン交換器64を流れた冷却液が、リザーバタンク66に回収される。さらにリザーバタンク66に収容された冷却液は、循環ポンプ62により、燃料電池スタック1Aに圧送される。
循環経路60Aは、切換弁81を介して、後述する空調機器80に流れる熱媒体経路80Aに接続されている。後述する制御装置10により、切換弁81を制御することにより、燃料電池スタック1Aから排出された冷却液を、空調機器80に選択的に流すことができる。熱媒体経路80Aには、冷却液を圧送する圧送ポンプ82と、圧送ポンプ82で圧送された冷却液を加熱するヒータ84と、ヒータ84で加熱された冷却液の熱を放熱するヒータコア86と、が設けられている。ヒータ84の上流および下流の熱媒体経路80Aには、温度計83、85が配置されている。
制御装置10は、燃料電池スタック1Aの試運転の際に、ラジエータ61の冷却流路61aに、冷却液により防錆被膜が成膜されるように、燃料電池システム1を制御するものである。具体的には、制御装置10は、燃料電池スタック1Aによる発電、燃料電池スタック1Aの冷却等を制御する。より具体的には、入力装置(図示せず)等を介して、エアコンプレッサ22、エジェクタ45、循環ポンプ62、多方弁69、および切換弁81等を制御する。以下に、制御装置10における、燃料電池システム1の試運転用のソフトウエアについて、図2を参照しながら説明する。ここでいう「試運転」とは、燃料電池システム1を実運転する前の運転のことであり、燃料電池システム1の動作の確認試験を含むものであり、本実施形態では、この試運転において、ラジエータ61の冷却流路61aの壁面に防錆被膜の成膜を行う。
図2は、図1に示す制御装置10の制御ブロック図である。制御装置10は、試運転実行部11、通液禁止部12、温度判定部13、積算時間算出部14、成膜完了判定部15、および、禁止解除部16を備えている。
試運転実行部11は、燃料電池システム1の試運転を実行する部分である。本実施形態では、入力装置(図示せず)の入力により、試運転実行部11は、エアコンプレッサ22、エジェクタ45を起動する。これにより、燃料電池スタック1Aに水素ガスとエアが供給され、燃料電池スタック1Aが電力を発電することができる。さらに、試運転実行部11は、循環ポンプ62を駆動し、発電により発熱する燃料電池スタック1Aを冷却する。なお、この際、ラジエータ61に流れる冷却液を昇温するために、ラジエータ61を冷却するファン65を停止してもよい。
通液禁止部12は、試運転実行部11からの信号を受けて、多方弁69によるイオン交換器64への冷却液の通液を禁止する。本実施形態では、試運転前の初期状態で、多方弁69は、ラジエータ61のみに冷却液が流れる弁状態になっている。後述する禁止解除部16により、通液の禁止が解除されるまでは、ラジエータ61のみに冷却液が流れる弁状態が維持される。なお、多方弁69が、イオン交換器64にも冷却液が流れるような弁状態である場合には、ラジエータ61のみに冷却液が流れる弁状態となるように、多方弁69を制御する。
温度判定部13は、温度計68で測定した冷却液の温度が成膜温度以上となったかを判定する。たとえば、ラジエータ61の冷却流路61aがアルミニウム系の金属材料である場合には、冷却液の温度が、60℃(成膜温度)以上であるかを判定する。本実施形態では、ラジエータ61に導入される冷却液の温度を、温度計68により測定したが、たとえば、温度判定部13が、燃料電池スタック1Aから排出される冷却液の温度から、ラジエータ61に導入される冷却液の温度を推定してもよい。この他にも、ラジエータ61に導入される冷却液の温度を、直接計測しなくても、燃料電池スタック1Aの発電状況(酸素、水素供給量)から推定してもよい。
積算時間算出部14は、温度判定部13の判定結果から、温度計68で測定した冷却液の温度が成膜温度以上となった時間を積算する。具体的には、ラジエータ61のみに冷却液を流しながら、積算時間算出部14は、試運転の開始時点から、成膜温度以上となった時間を積算する。
図3に示すように、試運転の開始時点から、ラジエータ61のみに、成膜温度で冷却液を流しながら、積算時間がTa以上となったとしても、防錆被膜の膜厚をこれ以上厚くすることが難しい。そこで、制御装置10には、このような時間Taを成膜時間として、予め設定されている。
そこで、成膜完了判定部15は、積算時間算出部14により積算した積算時間が所定の成膜時間Taとなったときに、冷却流路61aの壁面に防錆被膜の成膜が完了したと判定する。なお、ここでは、積算時間における成膜時間として、図3に示す時間Taを設定しているが、燃料電池システムの通常運転において、ラジエータ61の冷却流路61aの防食性を確保することができる膜厚の防錆被膜を確保することができるのであれば、図3に示す時間Taに限定されるものではない。
たとえば、冷却液にエチレングリコールなどが含まれる場合には、冷却液に含まれる水の割合から、この冷却液を同じ冷却システムに循環したときに、防錆被膜が所望の厚さtaに到達するまでの成膜時間Taを予め設定する。たとえば、冷却液にエチレングリコール(冷却液全体に対して50質量%の濃度)を含み、ラジエータ61の冷却流路61aがアルミニウム系の金属材料であり、ベーマイト被膜を反応する冷却液の温度が、60℃以上である場合には、成膜時間は、6時間以上に設定すればよい。
禁止解除部16は、成膜完了判定部15により、防錆被膜の成膜が完了したと判定したときに、多方弁69によるイオン交換器64への冷却液の通液の禁止を解除する。これにより、多方弁69により、イオン交換器64へ冷却液を通液することができる。
以下に、図4に示すフロー図を参照しながら、本実施形態に係る制御装置10の作用を説明する。まず、ステップS301において、リザーバタンク66に、冷却液を注入する。次に、試運転実行部11により、試運転を実行する。具体的には、ステップS302で循環ポンプ62を起動し、ステップS303で、燃料電池システム(エアコンプレッサ22、エジェクタ45)を起動する。
この状態で、ステップS304に進み、通液禁止部12により、試運転実行部11からの信号を受けて、多方弁69によるイオン交換器64への冷却液の通液を禁止する。このようにして、燃料電池システム1の試運転の開始時点から、燃料電池スタック1Aに冷却液を流し、燃料電池スタック1Aを冷却し、燃料電池スタック1Aから排出された冷却液は、燃料電池スタック1Aの発電時の熱により昇温される。この昇温された冷却液は、通液禁止部12により、イオン交換器64への通液が禁止され、ラジエータのみに通液される。なお、ステップS302からステップS304までの各ステップは、その順序が入れ替わってもよい。
ここで、温度計68で測定した冷却液の温度が、成膜温度以上である場合には、冷却液によりラジエータ61の冷却流路61aの壁面に防錆被膜が形成されることになる。したがって、ステップS305では、ラジエータ61に導入される冷却液の温度を温度計68で測定し、ステップS306では、温度判定部13で、測定した冷却液の温度が、成膜温度以上であるかの判定を行う。
ステップS306で、冷却液の温度が成膜温度未満である場合には、ステップS305に戻り、冷却液の温度を継続して測定する。一方、ステップS306で、冷却液の温度が成膜温度以上である場合には、ステップS307に進み、積算時間算出部14により、カウンタの値を加算し、時間を積算し、(積算時間を算出し、)ステップS308に進む。
ステップS308では、成膜完了判定部15により、積算時間算出部14で積算した積算時間が所定の成膜時間以上であるか判定をする。ステップS308で、積算時間が成膜時間未満である場合には、ステップS305に戻り、冷却液の温度を継続して測定する。一方、ステップS308で、積算時間が成膜時間以上である場合には、ステップS309に進む。
ステップS309では、成膜完了判定部15により、冷却流路61aの壁面に防錆被膜の成膜が完了したと判定し、ステップS310に進む。ステップS310では、禁止解除部16により、多方弁69によるイオン交換器64への冷却液の通液の禁止を解除する。これにより、多方弁69により、イオン交換器64へ冷却液を通液することができる。
このように、実施形態によれば、積算時間算出部14により、算出した積算時間が、成膜時間となったタイミングで、成膜完了判定部15で、防錆被膜の成膜が完了したと判定することができる。ここで、ラジエータ61のみに冷却液を一定の流量で連続して流した状態で、積算時間算出部14で積算時間を算出するので、成膜完了判定部15で、防錆被膜の成膜の完了をより正確に判定することができる。
さらに、防錆被膜の成膜が完了したと判定した後には、通液禁止部12で禁止されていた多方弁69によるイオン交換器64への通液を、禁止解除部16で解除するので、イオン交換器64に、冷却液を流すことができる。したがって、防錆被膜の成膜後に、たとえば、イオン交換器64が防錆剤を捕獲し、冷却液から防錆剤が取り除かれても、特に問題は生じない。
このようにして、本実施形態によれば、新たな防錆処理のための設備を設けることなく、燃料電池システム1に、ラジエータ61を搭載した状態で、ラジエータ61の冷却流路61aの壁面に防錆被膜を簡単に成膜することができる。
以上、本発明の一実施形態について詳述したが、本発明は、前記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の設計変更を行うことができるものである。
なお、たとえば、図4のステップS306において、冷却液が成膜温度未満である判定が、繰り返しされて、試運転の開始時点から予め設定された時間を経過したときに、冷却液が熱媒体経路80Aに流れるように、切換弁81により冷却液の流れを切り換えて、冷却液を空調機器80のヒータ84で、成膜温度以上に加熱してもよい。
1:燃料電池システム、1A:燃料電池スタック、10:制御装置、12:通液禁止部
14:積算時間算出部、15:成膜完了判定部、16:禁止解除部、60:冷却システム、60A:循環経路、60B:バイパス経路、61:ラジエータ、61a:冷却流路、64:イオン交換器、68:温度計、69:多方弁、1A:燃料電池スタック。

Claims (1)

  1. 燃料電池スタックに冷却液を循環させることにより、前記燃料電池スタックを冷却する冷却システムを備えた燃料電池システムの制御装置であり、
    前記冷却システムは、
    前記燃料電池スタックから排出された冷却液が導入されるラジエータと、
    前記燃料電池スタックと前記ラジエータとの間の循環経路において、冷却液を循環させる循環ポンプと、
    前記循環経路から分岐したバイパス経路において、前記冷却液に含まれる不純物イオンを取り除くイオン交換器と、
    前記循環経路から前記バイパス経路に分岐した分岐点において、前記ラジエータおよび前記イオン交換器に導入される前記冷却液の流量を調整する多方弁と、
    前記燃料電池システムを制御する制御装置と、を備えており、
    前記制御装置は、前記燃料電池スタックの試運転の際に、前記ラジエータの冷却流路に、前記冷却液により防錆被膜が成膜されるように、前記燃料電池システムを制御するものであり、
    前記制御装置は、
    前記多方弁による前記イオン交換器への前記冷却液の通液を禁止する通液禁止部と、
    前記ラジエータのみに前記冷却液を流しながら、前記試運転の開始時点から、前記ラジエータに導入される前記冷却液の温度が、前記防錆被膜の成膜温度以上となった時間を積算する積算時間算出部と、
    積算した時間が成膜時間となったときに、前記防錆被膜の成膜が完了したと判定する成膜完了判定部と、
    前記防錆被膜の成膜が完了したと判定したときに、前記多方弁による前記イオン交換器への前記通液の禁止を解除する禁止解除部と、を備えることを特徴とする燃料電池システムの制御装置。
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