JP2023028721A - 送信装置、通信システム、送信方法及びプログラム - Google Patents

送信装置、通信システム、送信方法及びプログラム Download PDF

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Ryosuke Isoya
宜史 吉田
Yoshifumi Yoshida
幹雄 長谷川
Mikio Hasegawa
諒真 北川
Ryoma KITAGAWA
裕之 安田
Hiroyuki Yasuda
傲寒 李
Aohan Li
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Abstract

【課題】信頼性を維持したまま消費電力を抑止することができる通信技術を提供することができる。【解決手段】送信装置は、一以上の受信装置との間で情報通信を行う送信装置であって、前記情報通信を行うための通信パラメータと、前記受信装置に情報を送信する際に前記通信パラメータを用いて送信された電波と前記受信装置から受信した電波とに基づく値である劣化率とが対応づけられた通信履歴情報を記憶する通信履歴情報記憶部と、記憶された前記通信履歴情報に基づき、前記受信装置との通信を行う際の前記通信パラメータを演算する演算部と、演算された前記通信パラメータを出力する出力部とを備える。【選択図】図3

Description

本発明は、送信装置、通信システム、送信方法及びプログラムに関する。
従来、送信装置と受信装置とを備える無線通信システムにおいて、送信装置から受信装置へ情報を送信する際、周波数が異なる複数のチャネルを使用して無線通信する方法があった。このような無線通信システムにおいて、無線通信の干渉が検出された場合、検出されたチャネルを使用しないことにより、不要な電力消費を防ぐ技術があった(例えば、特許文献1を参照)。
特開2018-157429号公報
上述したような従来技術は、無線通信の干渉が検出されたチャネルを使用しないことにより信頼性を犠牲にする。すなわち、従来技術によれば、信頼性とのトレードオフの結果、消費電力を抑止することはできるかもしれない。しかしながら、このような技術によれば、信頼性を維持したまま消費電力を抑止することは容易ではなかった。
そこで、本発明は、信頼性を維持したまま消費電力を抑止することができる通信技術を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る送信装置は、一以上の受信装置との間で情報通信を行う送信装置であって、前記情報通信を行うための通信パラメータと、前記受信装置に情報を送信する際に前記通信パラメータを用いて送信された電波と前記受信装置から受信した電波とに基づく値である劣化率とが対応づけられた通信履歴情報を記憶する通信履歴情報記憶部と、記憶された前記通信履歴情報に基づき、前記受信装置との通信を行う際の前記通信パラメータを演算する演算部と、演算された前記通信パラメータを出力する出力部とを備える。
また、本発明の一態様に係る送信装置において、前記演算部は、機械学習アルゴリズムを用いて、前記出力部により出力された前記通信パラメータを用いて前記情報通信した結果得られる前記劣化率に基づき学習される。
また、本発明の一態様に係る送信装置において、前記演算部は、多腕バンディットアルゴリズムを用いて学習される。
また、本発明の一態様に係る送信装置において、前記演算部は、前記通信履歴情報に含まれる前記通信パラメータを用いて電波を送信することにより生じる消費電力と、対応する前記劣化率とに基づいて前記通信パラメータを演算する。
また、本発明の一態様に係る送信装置において、前記演算部は、前記消費電力を低減させる前記通信パラメータを演算する。
また、本発明の一態様に係る送信装置において、前記演算部は、UCB1アルゴリズムを用いて学習される。
また、本発明の一態様に係る送信装置において、前記演算部は、TOWアルゴリズムを用いて学習される。
また、本発明の一態様に係る送信装置において、前記演算部は、複数の前記受信装置と通信した結果得られる複数の前記通信履歴情報に基づき、前記通信パラメータを演算する。
また、本発明の一態様に係る送信装置において、前記劣化率は、二値である。
また、本発明の一態様に係る送信装置において、前記劣化率とは、前記受信装置との通信が成功したか否かを示す。
また、本発明の一態様に係る送信装置において、前記劣化率とは、前記受信装置から受信した電波に含まれる電波の強度に関する情報に基づく。
また、本発明の一態様に係る送信装置において、出力された前記通信パラメータに基づいて前記受信装置に送信される信号は誤り検出機能を持つ符号化方式で符号化されており、前記劣化率は、前記受信装置から受信した信号を復号した際の誤り率に基づく。
また、本発明の一態様に係る送信装置において、前記通信履歴情報記憶部は、複数の前記通信履歴情報を記憶し、前記演算部は、複数の前記通信履歴情報のうち、新しい情報ほど強く重みづけして演算する。
また、本発明の一態様に係る送信装置において、前記通信履歴情報は、前記通信パラメータを識別するパラメータ識別子に対応づけられ、前記演算部は、累積された前記通信パラメータと、前記通信パラメータを用いて前記情報通信を行った結果とに基づいて、前記通信パラメータを決定する。
また、本発明の一態様に係る送信装置において、前記通信パラメータは、複数の構成要素を含み、前記演算部は、前記通信パラメータに含まれる複数の構成要素の組み合わせのうち、一つの組み合わせを選択することにより、前記通信パラメータを演算する。
また、本発明の一態様に係る送信装置において、前記情報通信とは、所定の周波数帯域の中で複数の通信チャネルが定義された通信方法であって、前記通信パラメータは、前記通信チャネルに含まれる一または複数のチャネルであって、前記受信装置との間で行われる前記情報通信に用いられないチャネルを特定するチャネルマスクを含む。
また、本発明の一態様に係る送信装置において、前記劣化率は、小さいほど、前記受信装置に送信した電波が劣化していないことを示し、前記演算部は、演算した前記通信パラメータに含まれる前記チャネルマスクを介して特定の相手方に通信を行った際に、前記劣化率が減少するように前記通信パラメータを決定する。
また、本発明の一態様に係る送信装置において、前記情報通信は、BLE(Bluetooth Low Energy)規格に準拠する無線通信である。
また、本発明の一態様に係る送信装置において、前記通信方法は、BLE規格で定義されるアドバタイジングであって、前記通信チャネルとは、BLE規格で定義されるアドバタイジングチャネルである。
また、本発明の一態様に係る送信装置において、前記アドバタイジングとは、コネクション可能なアドバタイジングであって、前記劣化率とは、コネクション要求が返答されたかどうかに基づいて算出される値である。
また、本発明の一態様に係る送信装置において、前記アドバタイジングとは、スキャン要求を受け入れるアドバタイジングであって、前記劣化率とは、スキャン要求が返答されたかどうかに基づいて算出される。
また、本発明の一態様に係る送信装置において、前記劣化率とは、特定の一又は複数の前記受信装置がアドバタイジングパケットを受信した数に基づいて算出される。
また、本発明の一態様に係る送信装置において、前記出力部により出力された前記通信パラメータに基づいて前記受信装置との間で前記情報通信を行う無線通信部を更に備え、前記通信パラメータは、前記第一の送出間隔を含み、無線通信部は、第一の送出間隔に基づいて前記受信装置に信号を送出する。
また、本発明の一態様に係る送信装置において、前記無線通信部は、信号を生成し始めてから送出し終えるまでの時間である送出時間の間に前記受信装置への情報送出処理を完了し、前記演算部は、前記無線通信部により送出された情報を前記受信装置が連続して安定的に受信した場合に、前記送出時間を減少させるように前記通信パラメータを調整する。
また、本発明の一態様に係る送信装置において、前記無線通信部は、システムの起動時から想定動作寿命までの間に繰り返し送出処理を行い、前記演算部は、前記無線通信部により送出された情報を前記受信装置が連続して安定的に受信した場合に、前記情報送出処理に必要な合計時間を減少させるように前記通信パラメータを調整する。
また、本発明の一態様に係る送信装置において、前記通信パラメータは、前記第二の送出間隔と、前記送信回数を含み、前記無線通信部は、同一データを符号化した第1のデータを前記第一の送出間隔に基づいて特定の送信回数に達するまで送出した後、前記第1のデータとは異なる第2のデータを第二の送出間隔に基づいて送出する。
また、本発明の一態様に係る送信装置において、前記演算部は、前記無線通信部により送出された情報を前記受信装置が連続して安定的に受信した場合に、前記送信回数を減少させるように前記通信パラメータを調整する。
また、本発明の一態様に係る送信装置において、前記演算部は、前記無線通信部により送出された情報を前記受信装置が連続して安定的に受信した場合に、前記第二の送出間隔を増加させるように前記通信パラメータを調整する。
また、本発明の一態様に係る送信装置において、前記演算部は、前記無線通信部により送出された情報が前記受信装置により連続して受信されなかった場合に、前記第二の送出間隔を増加させるように前記通信パラメータを調整する。
また、本発明の一態様に係る送信装置において、前記演算部は、前記無線通信部により送出された情報を前記受信装置が連続して安定的に受信した場合に、前記第一の送出間隔を減少させるように前記通信パラメータを調整する。
また、本発明の一態様に係る送信装置において、前記第二の送出間隔は、ランダム値に基づいた時間間隔である。
また、本発明の一態様に係る送信装置において、前記第一の送出間隔は、ランダム値に基づいた時間間隔である。
また、本発明の一態様に係る送信装置において、前記通信パラメータは、前記受信装置との間で行われる前記情報通信における無線信号の強度を含む。
また、本発明の一態様に係る送信装置において、前記演算部は、前記無線通信部により送出された情報を前記受信装置が連続して安定的に受信した場合に、前記強度を減少させるように前記通信パラメータを調整する。
また、本発明の一態様に係る通信システムは、上述したいずれか一の前記送信装置と、前記送信装置との間で前記情報通信を行う前記受信装置とを備え、前記受信装置は、前記通信履歴情報を記憶する受信側通信履歴情報記憶部を備え、前記受信装置と前記送信装置とは、前記通信履歴情報を共有する。
また、本発明の一態様に係る送信方法は、一以上の受信装置との間で情報通信を行う送信方法であって、前記情報通信を行うための通信パラメータと、前記受信装置に情報を送信する際に前記通信パラメータを用いて送信された電波と前記受信装置から受信した電波とに基づく値である劣化率とが対応づけられた通信履歴情報を記憶する通信履歴情報記憶工程と、記憶された前記通信履歴情報に基づき、前記受信装置との通信を行う際の前記通信パラメータを演算する演算工程と、演算された前記通信パラメータを出力する出力工程とを有する。
また、本発明の一態様に係るプログラムは、一以上の受信装置との間で情報通信を行うコンピュータに、前記情報通信を行うための通信パラメータと、前記受信装置に情報を送信する際に前記通信パラメータを用いて送信された電波と前記受信装置から受信した電波とに基づく値である劣化率とが対応づけられた通信履歴情報を記憶する通信履歴情報記憶ステップと、記憶された前記通信履歴情報に基づき、前記受信装置との通信を行う際の前記通信パラメータを演算する演算ステップと、演算された前記通信パラメータを出力する出力ステップとを実行させる。
本発明によれば、信頼性を維持したまま消費電力を抑止することができる通信技術を提供することができる。
実施形態に係る通信システムの装置構成の一例について説明するための図である。 実施形態に係る通信システムの情報通信の一例について説明するための図である。 実施形態に係る送信装置の機能構成の一例を示すブロック図である。 実施形態に係る通信履歴情報の一例を示す図である。 実施形態に係る送信装置の一連の動作について説明するための図である。 実施形態に係る通信パラメータの探索と活用について説明するための図である。 実施形態に係る送信装置が送出するデータのタイミングの一例を示すタイミングチャートである。 実施形態に係る通信履歴情報の変形例を示す図である。 実施形態に係るパラメータ識別子を用いる場合の一例について説明するための図である。 実施形態に係る通信履歴情報に重み付けをする場合の一例について説明するための図である。 実施形態に係る指針情報を1台の送信装置が専有する場合の一例について説明するための図である。 実施形態に係る指針情報を複数台の送信装置が共有する場合の一例について説明するための図である。
[通信システム]
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。以下において説明する実施形態は一例に過ぎず、本発明が適用される実施形態は、以下の実施形態に限定されない。
図1は、実施形態に係る通信システムの装置構成の一例について説明するための図である。同図を参照しながら、通信システム1について説明する。
通信システム1は、送信装置20と、受信装置30とを備える。送信装置20と受信装置30とは、互いに情報通信を行う。通信システム1は、複数の送信装置20と、複数の受信装置30とを備えていてもよい。この場合、それぞれの送信装置20は、一以上の受信装置30との間で情報通信を行う。同図を参照しながら、通信システム1の一例として、一の送信装置20と、複数の受信装置30とを備える場合について説明する。具体的には、受信装置30の一例として、受信装置30-1と、受信装置30-2と、受信装置30-3とを備える場合について説明する。
送信装置20と受信装置30とは、互いにNFC(Near Field Communication)を用いた近距離無線通信により情報通信を行う。以降の説明において、送信装置20と受信装置30とは、近距離無線通信の一例として、ブルートゥース(登録商標)(Bluetooth)の規格に準拠する無線通信、特にBLE(Bluetooth Low Energy)の規格に準拠する無線通信により情報通信を行う場合の一例について説明する。
本実施形態における近距離無線通信は、BLEの一例に限定されず、種々の通信方式を採用可能である。例えば、近距離無線通信とは、Wi-Fi(登録商標)、IrDA(Infrared Data Association)、TransferJet(登録商標)、ZigBee(登録商標)等であってもよい。あるいは、無線通信は近距離に限定されず、LPWA(Low Power Wide Area)などであってもよい。
通信システム1がBLEの規格に準拠する無線通信により情報通信を行う場合、送信装置20はペリフェラルであり、受信装置30は、セントラルであってもよい。
ペリフェラルである送信装置20は、受信装置30を特定せずに送信情報ISを送信する。送信装置20の付近に存在する受信装置30は、送信情報ISを受信した場合に、受信情報IRを送信する。
送信装置20及び受信装置30の間で行われる情報通信とは、所定の周波数帯域の中で複数の通信チャネルが定義された通信方法であってもよい。例えば、送信装置20と受信装置30とは、BLEの規格に準拠する無線通信におけるアドバタイズパケットを用いて情報のやり取りを行ってもよい。
図2は、実施形態に係る通信システムの情報通信の一例について説明するための図である。同図を参照しながら、通信システム1が備える送信装置20と受信装置30との間で行われる情報通信の一例について説明する。
送信装置20は、アルゴリズム231により算出された通信パラメータに基づき、送信情報ISを送信する。通信パラメータとは、例えば、通信に使用する周波数帯、信号の送信間隔や送信回数、又は送信電力等であってよい。
送信装置20は、制御部21と、無線通信部22とを備える。
無線通信部22は、制御部21から取得した通信パラメータに基づき、アンテナ221から送信する電波を制御する。また、無線通信部22は、アンテナ221により受信した電波に基づく情報を制御部21に出力する。
制御部21は、アルゴリズム231を備え、通信パラメータを演算する。制御部21は、アルゴリズム231を備えることにより、通信履歴情報233に基づき通信パラメータを演算する。制御部21は、演算した通信パラメータを指針情報232として随時更新する。制御部21は、演算した通信パラメータを、無線通信部22に出力する。
また、制御部21は、無線通信部22から、アンテナ221により受信した電波の情報を取得する。制御部21は、取得した電波の情報に含まれる劣化率に基づいて、指針情報232を更新する。
劣化率とは、通信品質の劣化の程度を示す値であり、例えば、送信装置20が送信した送信情報ISがいずれかの受信装置30に到達したか否かに基づいて算出されてもよい。すなわち、劣化率とは、送信装置20と受信装置30との間で通信が成功したか否かを示す値であってもよい。この場合、劣化率は、2値であってもよい。劣化率が2値である場合、制御部21は、受信装置30が正しく送信情報ISを受け取った場合に返送する制御信号(例えば、ACK信号)等によって算出される。
制御信号の他の実施形態として、BLEのアドバタイズパケットに対するスキャンレスポンス要求の有無を劣化率として用いてもよい、また、セントラル(すなわち、受信装置30)からのコネクション要求の有無を劣化率として用いてもよい。受信装置30が無線通信を介さず、異なる通信手段を用いて、正しく送信情報ISを受け取ったか否かを伝えてもよい。制御部21は、受信装置30が正しく送信情報ISを受け取った場合、劣化率を低く設定する。制御部21は、受信装置30が正しく送信情報ISを受け取った場合、劣化率を0(ゼロ)に設定してもよい。
また、他の実施形態として、劣化率とは、アンテナ221が受信装置30から受信した電波に含まれる電波の強度に関する情報に基づいていてもよい。電波の強度に関する情報とは、例えば、RSSI(Received Signal Strength Indicator)等であってもよい。この場合、受信装置30は、不図示の電波強度測定部を備え、送信情報ISを受信した時の電波強度を測定する。受信装置30は、測定した電波強度を送信装置20に受信情報IRとして送信する。制御部21は、受信した受信情報IRに含まれる電波強度が低いほど、劣化率を高く設定する。すなわち、劣化率は、小さいほど、受信装置30に送信した電波が劣化していないことを示す。
さらに、他の実施形態として、劣化率は、誤り検出符号あるいは誤り訂正符号により符号化された情報を受信装置30が受け取った際に、その誤り率から算出されたものであってもよい。この場合、受信装置30が備える制御部31は、送信装置20から取得した送信情報ISの誤り率を算出する。受信装置30は、算出した誤り率を受信情報IRとして送信装置20に送信する。送信装置20が備える制御部21は、受信した受信情報IRに含まれる誤り率が高いほど、劣化率を高く設定する。
換言すれば、出力された通信パラメータに基づいて受信装置30に送信される信号は誤り検出機能を持つ符号化方式で符号化されており、劣化率は、受信装置30から受信した信号を復号した際の誤り率に基づく。
受信装置30は、制御部31と、無線通信部32とを備える。
無線通信部32は、アンテナ321を介して送信装置20から電波を受信する。制御部31は、無線通信部32から入力された、受信した電波の情報に基づいて、受信した電波の電波強度(RSSI)や、誤り率等を算出する。無線通信部32は、制御部31により算出された電波強度や、誤り率等を受信情報IRとして出力する。
ここで、送信装置20と受信装置30とは、同様の装置構成を有していてもよい。すなわち、通信システム1において、ある時点で送信側のふるまいを行う装置を送信装置20と呼称し、送信装置20により送信された電波を受信する装置を受信装置30と呼称する。以降の説明において、送信装置20と受信装置30とを区別しない場合は、通信装置10とも記載する。
[送信装置の機能構成]
図3は、実施形態に係る送信装置の機能構成の一例を示すブロック図である。同図を参照しながら、送信装置20の機能構成について説明する。通信システム1の説明において既に説明した構成については、同様の符号を付すことにより、説明を省略する場合がある。送信装置20は、制御部21と、無線通信部22とを備える。送信装置20は、バスで接続された不図示のCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read only memory)又はRAM(Random access memory)等の記憶装置等を備え、送信プログラムを実行することによって制御部21と、無線通信部22とを備える装置として機能する。
制御部21は、通信履歴情報記憶部211と、演算部212と、出力部213と、記憶制御部215とを備える。
なお、送信装置20の各機能の全てまたは一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)又はFPGA(Field-Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されてもよい。送信プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置である。送信プログラムは、電気通信回線を介して送信されてもよい。
通信履歴情報記憶部211は、通信履歴情報IHを記憶する。
通信履歴情報IHとは、情報通信を行うための通信パラメータPMと、当該通信パラメータPMを用いて情報通信を行った際の劣化率Dとが対応付けられた情報である。劣化率Dとは、受信装置30に情報を送信する際に通信パラメータPMを用いて送信された電波と、受信装置30から受信した電波とに基づく値である。例えば、劣化率Dは、劣化率D=(受信した電波の電波強度/送信した電波の電波強度)により定義されてもよい。通信履歴情報記憶部211は、揮発性のRAM(Random Access Memory)を含んでいてもよいし、不揮発性のROM(Read Only Memory)を含んでいてもよい。
ここで、図を参照しながら、通信履歴情報記憶部211に記憶される通信履歴情報IHについて説明する。
図4は、実施形態に係る通信履歴情報の一例を示す図である。同図を参照しながら、通信履歴情報IHについて説明する。同図に示すように、通信履歴情報記憶部211には、通信パラメータPMと劣化率Dとが対応付けられて、通信履歴情報IHとして記憶される。同図に示す一例において、具体的には、通信パラメータPM1と、劣化率D1とが対応づけられて通信履歴情報IH-1として記憶され、通信パラメータPM2と、劣化率D2とが対応づけられて通信履歴情報IH-2として記憶されている。
演算部212は、累積された通信パラメータPMと、通信パラメータPMを用いて情報通信を行った結果とに基づいて通信パラメータを決定する。情報通信を行った結果とは、例えば、劣化率Dである。
図3に戻り、演算部212は、通信履歴情報記憶部211に記憶された通信履歴情報IHに基づき、受信装置30との通信を行う際に用いられる通信パラメータPMを演算する。具体的には、演算部212は、機械学習アルゴリズムを用いて、通信パラメータPMを演算する。機械学習アルゴリズムは、たとえばQ学習、深層強化学習などの状態情報を用いる強化学習アルゴリズムであってよい。機械学習アルゴリズムが強化学習アルゴリズムである場合、機械学習アルゴリズムは劣化率Dを報酬として、報酬が最大化するための通信パラメータPMを学習する。
ここで、機械学習アルゴリズムは、予め学習された学習済モデルであってもよい。初回動作時は、機械学習アルゴリズムが未学習である場合があり、機械学習アルゴリズムは未学習の場合、乱数によって結果が決められてもよい。
機械学習アルゴリズムは、通信履歴情報IHに基づき、学習される。通信履歴情報IHとは、出力部213により出力された通信パラメータPMと、当該通信パラメータPMを用いて情報通信した結果得られる劣化率Dとが対応付けられた情報である。すなわち、演算部212は、出力部213により出力された通信パラメータPMを用いて情報通信した結果得られる劣化率Dに基づき学習される。
演算部212は、演算した通信パラメータPMが含まれるパラメータ情報IPを、出力部213に出力する。
出力部213は、演算部212により演算された通信パラメータPMが含まれるパラメータ情報IPを、無線通信部22に出力する。
無線通信部22は、出力部213により出力されたパラメータ情報IPに含まれる通信パラメータPMに基づいて、受信装置30との間で情報通信を行う。
記憶制御部215は、無線通信部22から、劣化率Dが含まれる劣化情報IDを取得する。記憶制御部215は、取得した劣化情報IDを、通信パラメータPMと対応づけて、通信履歴情報IHとして通信履歴情報記憶部211に記憶させる。記憶制御部215は、出力部213又は無線通信部22のうち少なくともいずれか一方からパラメータ情報IPを取得し、取得したパラメータ情報IPに含まれる通信パラメータPMと劣化率Dとを対応付けることにより通信履歴情報IHを生成し、生成した通信履歴情報IHを通信履歴情報記憶部211に記憶させる。
[送信装置の一連の動作]
図5は、実施形態に係る送信装置の一連の動作について説明するための図である。同図を参照しながら、送信装置20の動作の一例について説明する。アルゴリズム231は、送信装置20に備えられる。通信履歴情報233とは、通信履歴情報記憶部211に記憶された通信履歴情報IHの一例である。
アルゴリズム231は、送信装置20が通信に用いた通信パラメータPMに基づき、通信履歴情報233を蓄積する。通信履歴情報233には、通信パラメータPMを識別する通信パラメータ識別子(パラメータ識別子)PMIDと、劣化率Dと、時刻とが対応づけられる。時刻とは、当該パラメータ識別子PMIDにより識別される通信パラメータPMを用いて情報通信を行った時刻、又は情報通信を行った結果として劣化率Dを得た時刻である。
アルゴリズム231は、消費電力を抑制しつつ、効率的に情報を送信することができる通信パラメータPMを探索する。具体的には、アルゴリズム231は、好適な通信パラメータを学習する動作である「探索」と、探索において決定した通信パラメータPMを使用し、通信を行う動作である「活用」を繰り返しながら、情報通信を行う時点において最適な通信パラメータを導く。
図6は、実施形態に係る通信パラメータの探索と活用について説明するための図である。同図を参照しながら、アルゴリズム231の「探索」と「活用」について説明する。
“パラメータA”及び“パラメータB”は、通信パラメータPMの一例である。すなわち、同図を参照しながら説明する一例において、通信パラメータPMは、2つのパラメータを有する。それぞれのパラメータの時間変化を、横軸を時間として示す。“通信”は、アルゴリズム231が「探索」又は「活用」のいずれを行っているかについて、横軸を時間として示す。「探索」は黒塗りの矩形にて、「活用」は白抜きの矩形にて示す。
時刻t11において、アルゴリズム231は、「探索」を行う。アルゴリズム231は、パラメータAの値を“A1”に、パラメータBの値を“B1”に決定する。時刻t11から時刻t12にかけて、送信装置20は、決定された通信パラメータPMを用いて情報通信を行う。すなわち、時刻t11から時刻t12にかけて、「活用」を行う。
時刻t12において、アルゴリズム231は、時刻t11から時刻t12にかけて「活用」された結果、蓄積された通信履歴情報IHに基づき、より好適な通信パラメータPMを「探索」する。探索の結果、アルゴリズム231は、パラメータAの値を“A1”から“A2”に、パラメータBの値を“B1”から“B2”に決定する。時刻t12から時刻t13にかけて、送信装置20は、決定された通信パラメータPMを用いて情報通信を行う。
時刻t13において、アルゴリズム231は、時刻t11から時刻t12、及び時刻t12から時刻t13にかけて「活用」された結果、蓄積された通信履歴情報IHに基づき、より好適な通信パラメータPMを「探索」する。探索の結果、アルゴリズム231は、パラメータAの値を“A2”から“A3”に、パラメータBの値を“B2”から“B3”に決定する。時刻t13から時刻t14にかけて、送信装置20は、決定された通信パラメータPMを用いて情報通信を行う。
上述したように、アルゴリズム231は、「探索」と「活用」とを繰り返しながら、好適な通信パラメータPMを導き、導いた通信パラメータPMに基づき情報通信を行う。
なお、図6に示した一例では、「探索」を行うタイミングである時刻t11、時刻t12、時刻t13、及び時刻t14、はアルゴリズム231により決定された所定のタイミングである。「探索」を行うタイミングは、この一例のように、不定期であってもよいし、定期的なタイミングであってもよい。
図5に戻り、アルゴリズム231について説明する。アルゴリズム231は、具体的には機械学習アルゴリズムである。より具体的には、アルゴリズム231はMAB(Multi Armed Bandit、多腕バンディット)アルゴリズム等であってもよい。すなわち、演算部212は、MABアルゴリズム(多腕バンディットアルゴリズム)を用いて学習されてもよい。
MABアルゴリズムを用いることにより、送信装置20は、少ない消費電力で、確実に受信装置30に向けて情報を発信することができる。
[MABアルゴリズム]
以下、MABアルゴリズムについて説明する。MABアルゴリズムは、報酬を得られる確率が明らかでないスロットマシンが複数台ある場合に、限られた試行回数の中で報酬を最大化する問題を解くために使用されるアルゴリズムである。このMABアルゴリズムを用いて好適な通信パラメータPMを決定するためには、送信に必要な電力消費と、受信装置30が正しく情報を受信したか否かのトレードオフを考慮して報酬量を設定しなければならない。
送信装置20は、所定の方法により、通信に要した電力量を取得する。送信装置20は、例えば不図示の電力測定器を備えることにより、実際に消費される電力量を測定してもよい。また、送信装置20は、通信パラメータPMと、電力消費推定量とが対応づけられた不図示の電力消費量対応表を記憶し、電力消費量対応表を参照することにより電力量を取得してもよい。
電力消費は少ない方がより好ましいため、電力消費が増えるにしたがって報酬量を減少することが望ましい。電力消費が増えるにしたがって報酬量を減少することにより、MABアルゴリズムであるアルゴリズム231は、電力消費を低減させるように通信パラメータPMを決定することとなり、送信に要する電力量を抑止することができる。劣化率Dは低いほど高品質に(すなわち、確実に)情報を送信できたことを意味するため、劣化率Dが低いほど報酬量を増加させることが望ましい。
アルゴリズム231は、算出された劣化率Dを用いて、通信履歴情報IHを構成する。例えば、通信履歴情報IHは、劣化率Dの時系列データであってよい。アルゴリズム231は、劣化率Dの時系列データである通信履歴情報IHに基づき、好適な通信パラメータPMを決定する。
なお、通信履歴情報IHは過去に蓄積された劣化率Dに基づき算出された単一の値であってもよい。
他の一例として、通信履歴情報IHを送信装置20に保持する一例に代えて、他の装置から通信履歴情報IHを取得してもよい。他の装置とは、例えば、受信装置30であってもよい。すなわち、他の一例において、受信装置30は、送信装置20に代えて通信履歴情報IHを保持する。この場合、受信装置30は、送信装置20から取りこぼさずに情報を受信できた回数をカウントし、カウントした回数に基づいて劣化率を推定してもよい。この場合、受信装置30は、所定のタイミングにおいて送信装置20に通信履歴情報IHを送信する。
図5に示す通信履歴情報IHにおいて、時刻とは、値が大きくなるほど直近の情報である。すなわち、時刻1、時刻2、時刻3、…、時刻Nと値が大きくなるほど直近の情報である。同図に示す一例の場合、時刻1、及び時刻2において、劣化率Dが十分小さかったため、アルゴリズム231は時刻3において通信パラメータPMを変更して試行する(すなわち、探索を行う。)。通信履歴情報IHは、新たな通信パラメータPMを適用するごとに追加・更新される(すなわち、蓄積される。)。アルゴリズム231は、蓄積された通信履歴情報233に基づいて、指針情報232を更新する。
指針情報232は、通信パラメータPMをどのように設定するかを判断するために要する情報を含む。アルゴリズム231は、更新された指針情報232に基づいて通信パラメータPMを決定し、決定された通信パラメータPMを活用して通信を行う。
アルゴリズム231は、通信履歴情報IHに基づき、送信装置20の通信履歴を学習し、通信パラメータPMを決定するための指針情報232を更新する。「学習」と「指針の更新」には、上述したMABアルゴリズム等を用いる。「指針の更新」は、送信装置20が情報を送信するたびに、すなわち通信履歴情報IHが更新されるたびに行ってもよいし、所定の量の通信履歴情報IHが蓄積された後に行ってもよい。
また、通信パラメータPMが、その構成要素として複数のパラメータを有し、さらに各パラメータが離散値により構成されている場合、アルゴリズム231は通信パラメータPMが取り得る全ての組み合わせから一つを選ぶことができる。すなわち、アルゴリズム231は、通信パラメータPMに含まれる複数の構成要素の組み合わせのうち、一つの組み合わせを選択することにより、通信パラメータPMを演算する。
具体的には、通信パラメータPMが、構成要素x、構成要素y及び構成要素zを有する場合について説明する。例えば、構成要素xがx1、x2及びx3の三値であり、構成要素yがy1及びy2の二値であり、構成要素zがz1、z2及びz3の三値であった場合、アルゴリズムは18(3×2×3)の組み合わせから一つを選ぶことにより通信パラメータPMを決定できる。このように構成することにより、アルゴリズム231は、容易に複数要素からなる通信パラメータPMを最適に選択することができる。
ここで、アルゴリズム231は、ある程度複雑な通信パラメータPMの組み合わせである場合には、UCB(Upper Confidence Bound)1アルゴリズムを用いることができる。この場合、演算部212は、UCB1アルゴリズムを用いて学習される。
また、アルゴリズム231は、スペックが低いマイコンで動作させる必要がある場合には、より軽量なTOW(Tug Of War)アルゴリズムを用いることができる。この場合、演算部212は、TOWアルゴリズムを用いて学習される。
なお、ここでいうUCB1アルゴリズムは、UCB1アルゴリズムと、UCB1-tunedアルゴリズムとを含む。
[通信パラメータ]
図7は、実施形態に係る送信装置が送出するデータのタイミングの一例を示すタイミングチャートである。同図を参照しながら、通信パラメータPMの具体的な構成要素について説明する。この一例において、通信パラメータPMは、その構成要素として、「通信チャネル」、「第1の送出間隔SI1」、「第2の送出間隔SI2」、「送信回数ST」、及び「送信電力」を有する。同図に示す一例においては、「通信チャネル」として、BLEのアドバタイズに用いられるアドバタイズチャネルである37ch(2402MHz)、38ch(2426MHz)、39ch(2480MHz)の3チャンネルを用いる。同図には、それぞれのチャネルに送信されるデータの時間変化について、横軸を時間軸として示す。
時刻t21から時刻t22において、無線通信部22は、37ch、38ch及び39chのそれぞれに順次データAを出力する。期間T21は、データAの送出に要する期間を示す。
具体的には、無線通信部22は、時刻t21において37chにデータAを出力し、その後、38chにデータAを出力し、その後、39chにデータAを出力する。無線通信部22は、それぞれのチャネルにデータAを出力した後、第1の送出間隔SI1を空けて、再度、それぞれのチャネルにデータAを出力する。これを、所定の送信回数STになるまで繰り返す。図7に示す一例によれば、送信回数STは4であるため、各チャネルにつき、4回ずつ同一のデータを出力する。
すなわち、通信パラメータPMは、第一の送出間隔SI1を含み、無線通信部22は、第一の送出間隔SI1に基づいて、受信装置30に信号を送出する。
ここで、第1の送出間隔SI1とは、それぞれのチャネルに同一のデータを送る間隔である。BLEによれば、アドバタイズメント処理は、複数存在するアドバタイズチャネルのそれぞれに対して実行される処理であり、例えば、37、38、39チャネルの3つのアドバタイズチャネルに対して別個に実行される。ここで、各チャネルは、空間中に存在する他の電波と干渉する場合がある。3チャネルともに干渉が発生した場合、又は受信装置30の受信準備が整っていない場合、送信装置20により送信された情報が、受信装置30に到達しない事態が発生する。このような事態に備え、同一のデータを符号化したパケットを複数回にわたって定期的に送信する。
なお、受信装置の受信準備が整っていない場合とは、BLEの受信側(セントラル)において、消費電力を抑えるために断続的に受信動作を行う場合等である。
無線通信部22は、時刻t21においてデータAを出力し始めてから第2の送出間隔SI2経過後、データAとは異なるデータBを出力し始める。すなわち、時刻t23から時刻t24において、無線通信部22は、37ch、38ch及び39chにデータBを出力する。第2の送出間隔SI2とは、データが更新され、新たに送信するまでの間隔である。
ここで、無線通信部22は、信号を生成し始めてから送出し終えるまでの時間である送出時間の間に受信装置30への情報送出処理を完了する。
演算部212は、無線通信部22により送出された情報を受信装置30が連続して安定的に受信した場合に、送出時間を減少させるように通信パラメータPMを調整してもよい。この場合、演算部212は、受信装置30から受信した受信情報IRに含まれる情報に基づいて、送出時間を減少させるように通信パラメータPMを調整してもよい。
なお、無線通信部22により送出された情報を受信装置30が連続して安定的に受信した場合とは、受信装置30により判定されてもよいし、送信装置20により判定されてもよい。送信装置20により判定される場合、送信情報ISに対する応答である受信情報IRがあったか否かに基づいて判定されてもよい。
また、無線通信部22は、システムの起動時から想定動作寿命までの間に繰り返し送出処理を行う。システムとは、例えば送信装置20を動作させるシステムであって、システムの起動時とは、送信装置20に電源が投入されたときであってもよい。送信装置20に電源が投入されたときとは、工場出荷前に初めて電源投入されたときであってもよいし、工場出荷後に初めて電源投入されたときであってもよい。
この場合、演算部212は、無線通信部22により送出された情報を受信装置30が連続して安定的に受信した場合に、情報送出処理に必要な合計時間を減少させるように通信パラメータPMを調整する。演算部212は、受信装置30から受信した受信情報IRに含まれる情報に基づいて、情報送出処理に必要な合計時間を減少させるように通信パラメータPMを調整してもよい。
また、無線通信部22は、同一データを符号化した第1のデータ(データA)を第一の送出間隔SI1に基づいて特定の送信回数STに達するまで送出した後、第1のデータとは異なる第2のデータ(データB)を第二の送出間隔SI2に基づいて送出する。さらに、継続して第二の送出間隔SI2に基づいて、第3、第4、…、第n(nは1以上の自然数)の異なるデータを送出してもよい。
この場合、通信パラメータPMは、第二の送出間隔SI2と、送信回数STを含む。
また、演算部212は、無線通信部22により送出された情報を受信装置30が連続して安定的に受信した場合に、送信回数STを減少させるように通信パラメータPMを調整する。演算部212は、受信装置30から受信した受信情報IRに含まれる情報に基づいて、送信回数STを減少させるように通信パラメータPMを調整してもよい。
通信パラメータPMに第二の送出間隔SI2が含まれる場合、無線通信部22により送出された情報を受信装置30が連続して安定的に受信した場合に、第二の送出間隔SI2を増加させるように通信パラメータPMを調整してもよい。また、演算部212は、無線通信部22により送出された情報が受信装置30により連続して受信されなかった場合に、第二の送出間隔SI2を増加させるように通信パラメータPMを調整してもよい。また、通信環境が改善し、データが安定的に受信できるようになった場合、第二の送出間隔SI2を減少させる、あるいは元の値に戻してもよい。第二の送出間隔SI2を減少させる、あるいは元の値に戻すことにより、受信装置30と接続されるまでの時間を短くすることができ、安定して接続することができる。
また、第二の送出間隔SI2は、緊急性の高いデータを送信する場合には減少させてもよい。これにより、通常のデータを送信する場合には消費電力を抑制しつつ、緊急性の高いデータを送信する場合には遅延なく受信装置30に送信することができる。
[チャネルマスク]
次に、通信パラメータPMの一例であるチャネルマスクについて説明する。チャネルマスクとは、使用帯域の中で複数のチャネルが定義された通信方法を用いる場合、使用するチャネルを決めるための通信パラメータである。使用帯域の中で複数のチャネルが定義された通信方法を用いる場合、通信パラメータPMとして、使用するチャネルを決めるためのチャネルマスクを含んでもよい。
換言すれば、チャネルマスクにより指定されるチャネルは通信に使用されないチャネルであってもよい。具体的には、本実施形態における通信方法が、BLE規格で定義されるアドバタイジングである場合、通信チャネルとは、BLE規格で定義されるアドバタイジングチャネルであってもよい。アドバタイジングとは、コネクション可能なアドバタイジングであってもよい。劣化率Dとは、コネクション要求が返答されたかどうかに基づいて算出される値であってもよい。
演算部212は、演算した通信パラメータPMに含まれるチャネルマスクを介して特定の相手方の受信装置30に通信を行った際に、劣化率Dが減少するように通信パラメータPMを決定する。
例えば、BLEのアドバタイズ処理は、37、38、39チャネルの3つのアドバタイズチャネルに対して別個に実行される。このとき、38チャネルをマスクすれば37チャネル及び39チャネルによりアドバタイズ処理が行われ、38チャネル及び39チャネルがマスクされれば37チャネルによりアドバタイズ処理が行われる。このとき、当然使用チャネルが少ないほど送信に必要な電力が削減できるが、一方で干渉によって情報が伝達できない確率が増加するといったトレードオフの関係が生じる。
送信装置20の置かれた環境が干渉の少ない通信環境であれば、チャネルマスクによって使用するチャネル数を最小限に抑え、かつ最も干渉の確率の少ないチャネルに限定するべきである。また、送信装置20の置かれた環境が干渉の多い通信環境であれば消費電力を犠牲にしてでも使用するチャネルを多く使用するべきである。送信装置20は前もって通信環境の状況を知ることはできないが、チャネルマスクの「活用」と「探索」によって、置かれている通信環境に適応し、小さい電力消費で情報を送信するような好適なチャネルマスクを選択することができる。
ここで、単純化された手続きとしては、劣化率Dが増加したときには情報通信に使用するチャネルが増えるようにチャネルマスクを調整するのが好適である。また、劣化率Dが十分に小さいとみなせるときは、通信に使用するチャネルを減少させて電力消費を抑えることが好適である。これらは相反するものであって、アルゴリズム231は情報の確実な伝送と消費電力のトレードオフを考慮して、適切にチャネルマスクを更新することが好適である。
一例として、アドバタイジングはスキャン要求を受け入れてもよい。この場合、アドバタイジングパケットを受信したセントラルはスキャン要求を発送でき、劣化率Dは、スキャン要求が返答されたかどうかに基づいて算出される。また、送信装置20が、複数の受信装置30と通信する場合、劣化率Dは、特定の一又は複数の受信装置30がアドバタイジングパケットを受信した数に基づいて算出されてもよい。
[送信の時間間隔と回数]
次に、通信パラメータPMの一例である第1の送出間隔SI1、送信回数ST及び第2の送出間隔SI2について、より具体的に説明する。
第1の送出間隔SI1は、同一のデータを送信するための時間間隔である。これは情報の送信を時間的に分散(冗長化)することで干渉の確率を低減させるものである。ただし、単に劣化率に対して手続きを定義するのは現実的ではなく、たとえば、比較的長期間にわたって連続した干渉が発生するような場合には時間間隔を長くすることが望ましい。一方で、バースト的に(短時間に凝縮する形で)干渉が頻発する場合には時間間隔を短くすることが望ましい。こうした通信環境の時間に依存した干渉度合いは、事前に推測することは困難であるため、送信装置20は、「活用」と「探索」を用いて、好適な通信パラメータPMを導き出す。
送信回数STは、劣化率Dが増加したときには増加させ、また劣化率Dが十分に小さいとみなせるときは、減少させることが望ましい。これは、送信回数STを減らすことにより所要電力を削減するためである。
第1の送出間隔SI1と、送信回数STとを合わせて考慮すると、同一データを送信完了するまでに必要な時間(必要送出時間、たとえば第1の送出間隔SI1×送信回数ST)を短縮することが電力削減において望ましい。これは、必要送出時間の間は次の送信処理のために不図示の制御部(マイクロコントローラや集積回路、その他の電子回路)が動作を継続する必要があり、必要送出時間が増加するにつれて電力を消費するためである。
したがって、必要送出時間は、劣化率Dが増加したときには増加させ、また劣化率Dが十分に小さいとみなせるときは、減少させることが望ましい。必要送出時間は第1の送出間隔SI1と、送信回数STとによって規定されるものであるため、アルゴリズム231は、これらの値を独立して調整する。
演算部212は、無線通信部22により送出された情報を受信装置30が連続して安定的に受信した場合に、第一の送出間隔SI1を減少させるように、通信パラメータPMを調整してもよい。
第2の送出間隔SI2は、更新された情報を新たに送信する間隔である。たとえば情報の更新の頻度が高くない場合においては、劣化率Dが十分に小さいとみなせるとき、第2の送出間隔SI2を増加させることが望ましい。第2の送出間隔SI2も、装置の稼働開始から稼働終了までの期間における電力消費に影響する。
情報を送信する対象の装置である受信装置30が、送信装置20の通信可能範囲内に存在しないと推測される場合においては、無用な情報送出を頻繁に行うことを抑止するために、第2の送出間隔SI2を増加させることが望ましい。これは、例えば、すべてのチャネルを使用し、かつ送信電力を十分に大きくした場合であっても不通であったときなどである。通信の相手方となる受信装置30が復帰したときの場合のためにチャネル数や送信電力はそのまま維持すべきであるが、存在確認の頻度は落とすべきである。
上述したような時間的要素(第1の送出間隔SI1、送信回数ST及び第2の送出間隔SI2)は、アルゴリズム231によって決定された数値と必ずしも完全に一致した値で使用する必要はない。例えば、アルゴリズム231により決定された数値に、ある程度の幅を持たせて通信間隔として使用してもよい。すなわち、第1の送出間隔SI1、送信回数ST及び第2の送出間隔SI2は、ランダム値に基づいた時間間隔であってもよい。例えば、決定された数値にランダムな値を加減算して使用すること等により、ランダム値に基づいた時間間隔を実現してもよい。
ランダム値に基づいた時間間隔を用いる方法は、複数機器が通信システム1の手法を利用したときに、互いに間隔が一致することで干渉しあうことを防ぐのに有用である。例えば、装置Aの送信間隔が400[ms(ミリ秒)]であり、装置Bの送信間隔も400[ms]である場合に、タイミングが一致しているため干渉し続ける場合がある。このような場合であっても、ランダム値に基づいて時間間隔を決定すれば、干渉を避けることができる。
[送信電力]
送信電力が通信パラメータPMに含まれる場合において、劣化率Dが増加したときには電波の強度を増加させ、劣化率Dが十分に小さいとみなせるときは、電波の強度を減少させることが望ましい。通信環境に適応して電波の強度を加減することにより、所要電力を削減するためである。
なお、通信パラメータPMとして、送信装置20が有する構成要素について説明してきたが、受信装置30が有する構成要素を通信パラメータとしてもよい。受信装置30が有する構成要素とは、例えば、受信装置30の通信部のONデューティー比、多段増幅器の段数、受信パケットに対する返答の応答速度等であってもよい。
[通信履歴情報の変形例]
図8は、実施形態に係る通信履歴情報の変形例を示す図である。同図を参照しながら、通信履歴情報IHAについて説明する。通信履歴情報IHAは、通信履歴情報IHの変形例である。通信履歴情報IHと同様の構成については、同様の符号を付すことにより説明を省略する場合がある。通信履歴情報IHAは、パラメータ識別子PMIDを更に有し、通信パラメータPMとして、チャネルマスクCMと、第1の送出間隔SI1と、送信回数STと、第2の送出間隔SI2と、消費電力PCとを有する点において、通信履歴情報IHと異なる。
通信履歴情報IHAは、通信履歴情報記憶部211に記憶され、演算部212は、通信履歴情報記憶部211に記憶された通信履歴情報IHAに基づき、通信パラメータPMを演算する。消費電力PCとは、通信履歴情報IHAに含まれる通信パラメータPMを用いて電波を送信することにより生じる消費電力である。通信履歴情報IHAには、当該通信パラメータPMを用いた際の劣化率Dが対応付けられる。すなわち、演算部212は、通信履歴情報IHAに含まれる通信パラメータPMを用いて電波を送信することにより生じる消費電力PCと、対応する劣化率Dとに基づいて通信パラメータPMを演算する。より具体的には、演算部212は、消費電力PCを低減させるよう通信パラメータPMを演算する。
通信履歴情報IHAは、通信パラメータPMとして、チャネルマスクCMと、第1の送出間隔SI1と、送信回数STと、第2の送出間隔SI2と、消費電力PCとを有するため、送信装置20は、より精度よく、通信の信頼性と消費電力とのトレードオフを考慮して、好適な通信パラメータPMを用いて通信することができる。
ここで、通信履歴情報IHAは、パラメータ識別子PMIDを有するため、それぞれの通信パラメータPMが取りうる値の全ての組み合わせについて、漏れなく検討することができる。また、通信履歴情報IHAは、パラメータ識別子PMIDを有するため、アルゴリズム231は、好適なパラメータを容易に探し出すことができる。
[パラメータ識別子を用いる場合の一例]
図9は、実施形態に係るパラメータ識別子を用いる場合の一例について説明するための図である。同図を参照しながら、パラメータ識別子PMIDについて説明する。同図における説明では、通信パラメータPMとして、通信パラメータPM1と、通信パラメータPM2とを有する場合の一例について説明する。
通信パラメータPM1は、離散値として、“PM1-1”と、“PM1-2”と、“PM1-3”とを取りうる。通信パラメータPM2は、離散値として、“PM2-1”と、“PM2-2”と、“PM2-3”とを取りうる。この場合、通信パラメータPMの取りうる組み合わせは9通りであるので、パラメータ識別子PMIDは、“#11”、“#12”、…、“#33”の9通りとなる。アルゴリズム231は、通信パラメータPMをパラメータ識別子PMIDにより識別することで、送信装置20と受信装置30とは、互いに、使用する通信パラメータPMを容易に伝達し合うことができる。
また、他の一例として、通信パラメータPMは、受信装置30との間で行われる情報通信における無線信号の強度を含んでいてもよい。無線信号の強度とは、例えばRSSIであってもよい。
この場合、演算部212は、無線通信部22により送出された情報を受信装置30が連続して安定的に受信した場合に、強度を減少させるように通信パラメータPMを調整してもよい。
[通信履歴情報に重み付けをする場合の一例]
図10は、実施形態に係る通信履歴情報に重み付けをする場合の一例について説明するための図である。同図を参照しながら、通信履歴情報IHBについて説明する。通信履歴情報IHBは、通信履歴情報IHAの変形例である。通信履歴情報IHAと同様の構成については、同様の符号を付すことにより説明を省略する場合がある。通信履歴情報IHBは、重みと、送出時刻とが更に対応づけられる点において、通信履歴情報IHAとは異なる。
通信履歴情報IHBは、通信履歴情報記憶部211に記憶され、演算部212は、通信履歴情報記憶部211に記憶された通信履歴情報IHBに基づき、通信パラメータPMを演算する。
送出時刻とは、当該通信パラメータPMを用いて通信を行った時刻、又は通信を行った結果として劣化率Dを得た時刻である。すなわち、通信履歴情報記憶部211は、送出時刻が異なる複数の通信履歴情報IHを記憶する。
重みとは、アルゴリズム231が演算に用いる際の重みを百分率で示した値である。例えば、最近の通信環境を示す、新しい情報ほど強く重みづけされることが望ましい。すなわち、演算部212は、複数の通信履歴情報IHのうち、新しい情報ほど強く重みづけして演算する。
なお、極端な例として、最新の通信履歴情報IHが100%の重みづけをされている場合には、アルゴリズム231が演算に用いる値は、最新の通信履歴情報IHの劣化率Dと等しくなる。
[指針情報及び通信履歴情報]
次に、図11及び図12を参照しながら、指針情報232及び通信履歴情報233と、送信装置20との関係について説明する。
図11は、実施形態に係る指針情報を1台の送信装置が専有する場合の一例について説明するための図である。同図を参照しながら、送信装置20と受信装置30とが、一対一で情報通信する場合の一例について説明する。
送信装置20と受信装置30とが一対一で情報通信する場合、複数の送信装置20は、それぞれ自身が有する指針情報232に基づき、情報通信を行う。指針情報232は、それぞれの送信装置20が情報通信を行った結果蓄えられた通信履歴情報233に基づいて、アルゴリズム231により導き出される。すなわち、送信装置20と受信装置30とが、一対一で情報通信する場合、送信装置20は、それぞれ固有の指針情報232及び通信履歴情報233を有する。
図12は、実施形態に係る指針情報を複数台の送信装置が共有する場合の一例について説明するための図である。同図を参照しながら、送信装置20と受信装置30とが、多対多で情報通信する場合の一例について説明する。多対多で情報通信する場合とは、例えば、マルチホップ通信装置であってもよい。また、複数の送信装置20と、一の受信装置30とによって情報通信を行う多対一の通信システムであってもよい。
図12を参照しながら、複数の送信装置20と、一の受信装置30とが情報通信する場合について説明する。具体的には、送信装置20-1、送信装置20-2及び送信装置20-3が、受信装置30と情報通信する場合の一例について説明する。送信装置20-1、送信装置20-2及び送信装置20-3は、指針情報232Sに基づき、情報通信を行う。指針情報232Sは、送信装置20-1、送信装置20-2及び送信装置20-3が情報通信を行った結果蓄えられた通信履歴情報233に基づいて、アルゴリズム231により導き出される。すなわち、複数の送信装置20と受信装置30とが、多対一で情報通信する場合、又は多対多で通信する場合、複数の送信装置20は、1つの指針情報232に基づき、情報通信を行う。
それぞれの送信装置20又は複数の送信装置20は、複数の受信装置30と通信する場合、送信装置20が備える演算部212は、複数の受信装置30と通信した結果得られる、複数の通信履歴情報IHに基づき、通信パラメータPMを演算する。
また、他の一例として、送信装置20と、受信装置30とは、通信履歴情報IHを共有してもよい。この場合、受信装置30は、送信装置20が備える通信履歴情報記憶部211に代えて、又は加えて、通信履歴情報IHを記憶する受信側通信履歴情報記憶部を備得ることにより、通信システム1に含まれる送信装置20と受信装置30とは、通信履歴情報IHを共有する。
以上、送信装置20と受信装置30とが、無線通信により情報通信を行う場合の一例について説明したが、本実施形態は無線通信の一例に限定されない。送信装置20と受信装置30とは、有線通信により情報通信を行ってもよい。送信装置20と受信装置30とが有線通信により情報通信を行う場合、通信間隔、送信電力、通信が多重化されている場合はそのチャネルが通信パラメータとして含まれうる。
この場合、同一線路で接続される他の装置からの干渉を避けながら最小の電力消費で情報を送信することができる。有線通信の一例としては、バス接続、スター接続、メッシュ接続などの一体多、多対多の有線通信方式であってもよい。具体的には、インターネット、I2C(Inter-Integrated Circuit)、SPI(Serial Peripheral Interface)、CAN(Controller Area Network)等の通信方式であってもよい。
[実施形態のまとめ]
以上説明した実施形態によれば、送信装置20は、通信履歴情報記憶部211を備えることにより通信パラメータPMと劣化率Dとを対応付けて通信履歴情報IHとして記憶し、演算部212を備えることにより、記憶された通信履歴情報IHに基づいて、受信装置30との通信を行う際の通信パラメータPMを演算し、出力部213を備えることにより、演算された通信パラメータPMに基づいて受信装置30と情報通信を行う。したがって、送信装置20によれば、蓄積した通信履歴情報IHに基づいて演算された好適な通信パラメータPMに基づいて情報通信を行うことができるため、信頼性を維持したまま消費電力を抑止することができる。
また、以上説明した実施形態によれば、演算部212は、機械学習アルゴリズムを用いて、出力部213により出力された通信パラメータPMを用いて情報通信した結果得られる劣化率Dに基づき学習される。したがって、送信装置20は、演算部212を備えることにより、単なる通信パラメータの選択ではなく、活用と探索を繰り返す。したがって、送信装置20によれば、活用と探索を繰り返すことによって、送信装置20が置かれた周囲の環境が変化した場合であっても、信頼性を維持し、消費電力を抑止したまま、情報通信することができる。
また、以上説明した実施形態によれば、演算部212は、MABアルゴリズム(多腕バンディットアルゴリズム)を用いて学習される。したがって、送信装置20には、装置の軽量化、小型化、長寿命化をすることができる。
また、以上説明した実施形態によれば、演算部212は、通信パラメータPMを用いて電波を送信することにより生じる消費電力PCと、対応する劣化率Dに基づいて通信パラメータPMを演算する。演算部212は、劣化率Dに基づいて、好適な通信パラメータPMを演算する。したがって、演算部212は、過大な余裕度をもった通信パラメータPMを選択することがない。よって、送信装置20によれば、情報伝達の信頼性と消費電力PCのトレードオフを成立することができる。
また、以上説明した実施形態によれば、演算部212は、消費電力PCを低減させる通信パラメータPMを演算する。したがって、送信装置20によれば、情報通信に要する電力消費を抑止することができ、情報を伝達させるために好適なパラメータを決定することができる。
また、以上説明した実施形態によれば、演算部212は、UCB1アルゴリズムを用いて学習される。したがって、送信装置20によれば、ある程度複雑な通信パラメータPMの組み合わせであっても、学習を進めることができる。
また、以上説明した実施形態によれば、演算部212は、軽量なTOWアルゴリズムを用いて学習される。したがって、送信装置20によれば、スペックが低いマイコン等であっても、アルゴリズム231を動作させることができる。
また、以上説明した実施形態によれば、演算部212は、複数の受信装置30と通信した結果得られる複数の通信履歴情報IHに基づき、通信パラメータPMを演算する。複数の受信装置30との間で通信された劣化率Dを考慮することにより、送信装置20は、通信相手である受信装置30に、安定して情報が届くような通信パラメータPMを用いて情報通信することができる。
また、以上説明した実施形態によれば、劣化率Dは、二値である。したがって、送信装置20は、劣化率Dの算出や通信パラメータPM決定のためのプロセスを簡単化することができる。
また、以上説明した実施形態によれば、劣化率Dとは、送信装置20と受信装置30との間で行われる情報通信が成功したか否かを示す。したがって、送信装置20は、単純な計算で通信パラメータを決定することができる。
また、以上説明した実施形態によれば、劣化率Dとは、受信装置30から受信した電波に含まれる電波の強度に関する情報に基づく。電波の強度に関する情報とは、例えば、RSSIである。したがって、送信装置20によれば、劣化率Dを多値として扱うことができる。送信装置20は、劣化率Dを多値として扱うことができるため、より多くの判断材料に基づいて、通信パラメータPMを決定することができる。例えば、送信装置20は、電波強度がやや弱いため通信が確立していない可能性がある場合、通信強度をやや強くするような通信パラメータPMとすることにより、安定して情報が届くようにする等の「程度」を伴う処理をすることができる。
また、以上説明した実施形態によれば、送信装置20は、誤り検出機能を持つ符号化方式で符号化された信号を、通信パラメータPMに基づいて受信装置30に送信する。また、劣化率Dは、受信装置30から受信した信号を復号した際の誤り率に基づく。換言すれば、送信装置20によれば、受信信号の誤り率を劣化率Dに用いる。よって、送信装置20によれば、パケットの破損状態を判断材料にすることができる。なお、パケットの破損状態とは、破損しているか否かの2値であってもよいし、破損の程度を示す多値であってもよい。
また、以上説明した実施形態によれば、通信履歴情報記憶部211は、複数の通信履歴情報IHを記憶し、演算部212は、複数の通信履歴情報IHのうち、新しい情報ほど強く重みづけして演算する。したがって、送信装置20によれば、環境が変化した際であっても、素早く、新たな環境に応じて、好適な通信パラメータPMを用いた通信をすることができる。よって、送信装置20によれば、信頼性が維持された情報通信をすることができる。
また、以上説明した実施形態によれば、通信履歴情報IHは、通信パラメータPMを識別するパラメータ識別子PMIDに対応づけられる。演算部212は、累積された通信パラメータPMと、通信パラメータPMを用いて情報通信を行った結果とに基づいて、通信パラメータPMを決定する。本実施形態によれば、通信履歴情報IHをパラメータ識別子PMIDに対応づけて管理するため、容易に通信パラメータPMを特定することができる。例えば、送信装置20は、パラメータ識別子PMIDを受信装置30に送信することによって、受信装置30側においても、情報通信に用いられた通信パラメータPMを特定することができる。したがって、送信装置20以外の装置においても探索の経過を把握することができ、送信装置20以外の装置において指針情報を更新することができる。
また、以上説明した実施形態によれば、通信パラメータPMは、複数の構成要素を含む。この場合、演算部212は、通信パラメータPMに含まれる複数の構成要素の組み合わせのうち、一つの組み合わせを選択することにより、通信パラメータPMを演算する。したがって、送信装置20によれば、通信パラメータPMが複数の要素を含む場合であっても、複数の組み合わせのうちから1つを選ぶようなアルゴリズムに単純化することができ、アルゴリズム231を軽量化することができる。
また、以上説明した実施形態によれば、送信装置20と受信装置30との間で行われる情報通信とは、所定の周波数帯域の中で複数の通信チャネルが定義された通信方法である。また、通信パラメータPMは、チャネルマスクCMを含む。チャネルマスクCMとは、通信チャネルに含まれる一または複数のチャネルであって、送信装置20と受信装置30との間で行われる情報通信に用いられないチャネルを特定する。したがって、送信装置20によれば、通信パラメータPMとして通信チャネルを含むため、情報伝送に不要なチャネルを使わないことができる。例えば、常に特定のチャネルに干渉が生じるような場合は、当該チャネルをマスクすることにより、通信の信頼性を維持したまま、不要な消費電力を抑止することができる。
ここで、送信装置20と受信装置30との間で行われる情報通信がBLE規格に準拠する無線通信である場合、アドバタイズチャネルである3チャネルを介して無線信号を送信することがある。このとき、(1)受信装置30が伝送可能範囲外に存在しないような場合に無駄な無線送信を行う(2)送信装置20付近の機器との干渉により一部チャネルで頻繁に干渉が起き、そのチャネルを介した通信が無駄となる(3)確実に情報が到達するにも関わらず、通信装置10間の距離が近い等の理由により、必要以上の回数又は時間の送信を行う、といった情報伝送に寄与しない無線送信が発生し、そのための電力が消費される場合がある。送信装置20が電池によって駆動されている場合、不要な電力の消費は、電池寿命を短くすることに直結する。したがって、不要な電力消費を抑止することについての要望がある。
本実施形態によれば、不要なチャネルをマスクすることにより、不要な消費電力を抑止することができるため、電池寿命を長くすることができる。
また、以上説明した実施形態によれば、劣化率Dは、小さいほど受信装置30に送信した電波が劣化していないことを示す。演算部212は、演算した通信パラメータPMに含まれるチャネルマスクCMを介して、特定の相手方である受信装置30に通信を行った際に、劣化率Dが減少するように通信パラメータPMを決定する。したがって、送信装置20は、劣化率Dを減らすようにチャネルマスクCMを選択することにより、相手に情報を伝達することができる好適な通信パラメータPMを導くことができる。
また、以上説明した実施形態によれば、送信装置20と受信装置30との間で行われる情報通信は、BLE規格に準拠する無線通信である。BLEは、消費電力が小さいため、送信装置20は、BLEに準拠した無線通信を行うことにより、消費電力を抑止することができる。また、送信装置20は、BLEに準拠した無線通信を行うことにより、BLEに準拠した受信装置30と情報通信を行うことができる。
また、以上説明した実施形態によれば、送信装置20と受信装置30との間で行われる情報通信は、BLE規格で定義されるアドバタイジングである。また、通信チャネルとは、BLE規格で定義されるアドバタイジングチャネルである。送信装置20によれば、アドバタイジングチャネルをマスクすることにより、BLEアドバタイズパケットを必要最小限の消費電力により、周囲に存在する受信装置30(セントラル)に送信することができる。
また、以上説明した実施形態によれば、アドバタイジングとは、コネクション可能なアドバタイジングである。また、劣化率Dとは、コネクション要求が返答されたかどうかに基づいて算出される値である。すなわち、送信装置20は、受信装置30からコネクション要求が返答されたときに、パケットが到達したと判定する。したがって、送信装置20によれば、容易に劣化率Dを算出することができる。
また、以上説明した実施形態によれば、アドバタイジングとは、スキャン要求を受け入れるアドバタイジングである。この場合、劣化率Dとは、スキャン要求が返答されたかどうかに基づいて算出される。すなわち、送信装置20は、受信装置30からスキャン要求が返答されたときに、パケットが到達したと判定する。したがって、送信装置20によれば、容易に劣化率Dを算出することができる。
また、以上説明した実施形態によれば、劣化率Dとは、特定の一又は複数の受信装置30がアドバタイジングパケットを受信した数に基づいて算出される。具体的には、受信装置30は、送信装置20から受信したパケットの数をカウントしておき、カウントしたパケットの数を、送信装置20にフィードバックする。送信装置20は、フィードバックされたパケットの数に基づいて、指針情報を一括更新する。したがって、劣化率Dの算出処理の一部を受信装置30が担うことにより、送信装置20の規模を縮小することができる。よって、本実施形態によれば、送信装置20を小型化することができる。また、本実施形態によれば、劣化率Dの算出処理の一部を受信装置30が担うことになるため、送信装置20の消費電力を抑止することができる、すなわち、送信装置20を長寿命化することができる。
また、以上説明した実施形態によれば、送信装置20は、無線通信部22を備えることにより、通信パラメータPMに基づいて受信装置30との間で情報通信を行う。ここで、通信パラメータPMは、第1の送出間隔SI1を含む。無線通信部22は、第一の送出間隔SI1に基づいて、受信装置30に信号を送出する。したがって、送信装置20は、第1の送出間隔SI1を制御することにより、送信信号の粗密を制御する。送信装置20は、送信信号の粗密を制御することにより。他の通信装置10により送信された電波との干渉を避けることができる。
また、以上説明した実施形態によれば、無線通信部22は、送出時間の間に受信装置への情報送出処理を完了する。送出時間とは、信号を生成し始めてから送出し終えるまでの時間である。また、演算部212は、無線通信部22により送出された情報を受信装置30が連続して安定的に受信した場合に、送出時間を減少させるように通信パラメータPMを調整する。本実施形態によれば、情報が受信装置30に安定して到達した場合に送出時間を減少させることにより、余分な電力を消費しないようにすることができる。
また、以上説明した実施形態によれば、無線通信部22は、システムの起動時から想定動作寿命までの間に繰り返し送出処理を行う。演算部212は、無線通信部22により送出された情報を受信装置30が連続して安定的に受信した場合に、情報送出処理に必要な合計時間を減少させるように通信パラメータPMを調整する。したがって、本実施形態によれば、情報が安定して到達したときは、送出時間を減少させることができ、不要な電力を消費しないようにすることができる。
また、以上説明した実施形態によれば、通信パラメータPMは、第二の送出間隔SI2と、送信回数STを含む。無線通信部22は、同一データを符号化した第1のデータを第一の送出間隔SI1に基づいて特定の送信回数STに達するまで送出する。無線通信部22は、第1のデータを送出した後、第1のデータとは異なる第2のデータを第二の送出間隔SI2に基づいて送出する。すなわち、送信装置20は、通信に要する各時間要素を通信パラメータPMに含む。送信装置20は、各時間要素を含む通信パラメータPMを用いることにより、送信の粗密を制御して干渉を避けることができる。さらに、送信装置20は、消費電力を抑止することができる。
また、以上説明した実施形態によれば、演算部212は、無線通信部22により送出された情報を受信装置30が連続して安定的に受信した場合に、送信回数STを減少させるように通信パラメータPMを調整する。したがって、送信装置20は、送出回数STを減少させることにより、不要な信号送出を抑制することができる。
また、以上説明した実施形態によれば、演算部212は、無線通信部22により送出された情報を受信装置30が連続して安定的に受信した場合に、第二の送出間隔SI2を増加させるように通信パラメータPMを調整する。第二の送出間隔SI2を増加させることにより、信号送出間隔が長くなるため、余分な信号送出を抑制することができる。すなわち、消費電力を抑止することができる。
また、以上説明した実施形態によれば、演算部212は、無線通信部22により送出された情報が受信装置30により連続して受信されなかった場合に、第二の送出間隔SI2を増加させるように通信パラメータPMを調整する。ここで、送信装置20により送出された信号が連続して受信装置30により受信されなかった場合(すなわち、不通だった場合)相手の受信装置30が存在しない可能性がある。したがって、送信装置20は、相手側が存在しない可能性がある場合には、第2の送出間隔SI2を増加させることにより、第二の送出間隔SI2を増加させ、不要な信号送出を抑制することができる。すなわち、本実施形態によれば、送信装置20は、不要な消費電力を抑止することができる。
また、以上説明した実施形態によれば、演算部212は、無線通信部22により送出された情報を受信装置30が連続して安定的に受信した場合に、第一の送出間隔SI1を減少させるように通信パラメータPMを調整する。したがって、本実施形態によれば、送信装置20は、不要な消費電力を抑止することができる。
また、以上説明した実施形態によれば、第二の送出間隔SI2は、ランダム値に基づいた時間間隔である。換言すれば、無線通信部22は、アルゴリズム231により決定された第2の送出間隔SI2に、ランダム時間だけゆらぎを持たせた値を使用する。無線通信部22は、ランダム時間だけゆらぎを持たせた第2の送出間隔SI2を用いることにより、複数の送信装置20の送出間隔が完全に一致してしまい、干渉が長期間続くことを避けることができる。
また、以上説明した実施形態によれば、第一の送出間隔SI1は、ランダム値に基づいた時間間隔である。換言すれば、無線通信部22は、アルゴリズム231により決定された第1の送出間隔SI1に、ランダム時間だけゆらぎを持たせた値を使用する。無線通信部22は、ランダム時間だけゆらぎを持たせた第1の送出間隔SI1を用いることにより、複数の送信装置20の送出間隔が完全に一致してしまい、干渉が長期間続くことを避けることができる。
また、以上説明した実施形態によれば、通信パラメータPMは、送信装置20と受信装置30との間で行われる情報通信における無線信号の強度を含む。送信装置20は、通信パラメータPMに無線信号の強度を含むため、伝送距離に応じた適切な電力消費により情報を送信することができる。
また、以上説明した実施形態によれば、演算部212は、無線通信部22により送出された情報を受信装置30が連続して安定的に受信した場合に、無線信号の強度を減少させるように通信パラメータPMを調整する。送信装置20は、無線信号の強度を減少させるように通信パラメータPMを調整することにより、不要な電力を消費しないようにすることができる。
また、以上説明した実施形態によれば、通信システム1は、送信装置20と、送信装置20との間で情報通信を行う受信装置30とを備える。受信装置30は、通信履歴情報IHを記憶する受信側通信履歴情報記憶部を備え、受信装置30と送信装置20とは、通信履歴情報IHを共有する。この場合、受信装置30が指針情報を更新し、適切なタイミングで受信装置30にフィードバックする。したがって、通信システム1によれば、送信装置20は通信環境履歴IHを記憶することを要せず、送信装置20をさらに小型化・長寿命化することができる。
なお、上述した実施形態における通信システム1が備える各装置、及び各装置が備える各部の機能全体あるいはその一部は、これらの機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現しても良い。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶部のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでも良い。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
1…通信システム、10…通信装置、20…送信装置、30…受信装置、21…制御部、211…通信履歴情報記憶部、212…演算部、213…出力部、215…記憶制御部、22…無線通信部、221…アンテナ、231…アルゴリズム、232…指針情報、233…通信履歴情報、31…制御部、32…無線通信部、321…アンテナ、IS…送信情報、IR…受信情報、IH…通信履歴情報、IP…パラメータ情報、ID…劣化情報、PM…通信パラメータ、D…劣化率、SI1…第1の送出間隔、SI2…第2の送出間隔、ST…送信回数

Claims (38)

  1. 一以上の受信装置との間で情報通信を行う送信装置であって、
    前記情報通信を行うための通信パラメータと、前記受信装置に情報を送信する際に前記通信パラメータを用いて送信された電波と前記受信装置から受信した電波とに基づく値である劣化率とが対応づけられた通信履歴情報を記憶する通信履歴情報記憶部と、
    記憶された前記通信履歴情報に基づき、前記受信装置との通信を行う際の前記通信パラメータを演算する演算部と、
    演算された前記通信パラメータを出力する出力部と
    を備える送信装置。
  2. 前記演算部は、機械学習アルゴリズムを用いて、前記出力部により出力された前記通信パラメータを用いて前記情報通信した結果得られる前記劣化率に基づき学習される
    請求項1記載の送信装置。
  3. 前記機械学習アルゴリズムは、強化学習アルゴリズムである
    請求項2に記載の送信装置。
  4. 前記演算部は、多腕バンディットアルゴリズムを用いて学習される
    請求項3記載の送信装置。
  5. 前記演算部は、前記通信履歴情報に含まれる前記通信パラメータを用いて電波を送信することにより生じる消費電力と、対応する前記劣化率とに基づいて前記通信パラメータを演算する
    請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の送信装置。
  6. 前記演算部は、前記消費電力を低減させる前記通信パラメータを演算する
    請求項5記載の送信装置。
  7. 前記演算部は、UCB1アルゴリズムを用いて学習される
    請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の送信装置。
  8. 前記演算部は、TOWアルゴリズムを用いて学習される
    請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の送信装置。
  9. 前記演算部は、複数の前記受信装置と通信した結果得られる複数の前記通信履歴情報に基づき、前記通信パラメータを演算する
    請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の送信装置。
  10. 前記劣化率は、二値である
    請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の送信装置。
  11. 前記劣化率とは、前記受信装置との通信が成功したか否かを示す
    請求項10に記載の送信装置。
  12. 前記劣化率とは、前記受信装置から受信した電波に含まれる電波の強度に関する情報に基づく
    請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の送信装置。
  13. 出力された前記通信パラメータに基づいて前記受信装置に送信される信号は誤り検出機能を持つ符号化方式で符号化されており、
    前記劣化率は、前記受信装置から受信した信号を復号した際の誤り率に基づく
    請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の送信装置。
  14. 前記通信履歴情報記憶部は、複数の前記通信履歴情報を記憶し、
    前記演算部は、複数の前記通信履歴情報のうち、新しい情報ほど強く重みづけして演算する
    請求項1から請求項13のいずれか一項に記載の送信装置。
  15. 前記通信履歴情報は、前記通信パラメータを識別するパラメータ識別子に対応づけられ、
    前記演算部は、累積された前記通信パラメータと、前記通信パラメータを用いて前記情報通信を行った結果とに基づいて、前記通信パラメータを決定する
    請求項1から請求項14のいずれか一項に記載の送信装置。
  16. 前記通信パラメータは、複数の構成要素を含み、
    前記演算部は、前記通信パラメータに含まれる複数の構成要素の組み合わせのうち、一つの組み合わせを選択することにより、前記通信パラメータを演算する
    請求項1から請求項15のいずれか一項に記載の送信装置。
  17. 前記情報通信とは、所定の周波数帯域の中で複数の通信チャネルが定義された通信方法であって、
    前記通信パラメータは、前記通信チャネルに含まれる一または複数のチャネルであって、前記受信装置との間で行われる前記情報通信に用いられないチャネルを特定するチャネルマスクを含む
    請求項1から請求項16のいずれか一項に記載の送信装置。
  18. 前記劣化率は、小さいほど、前記受信装置に送信した電波が劣化していないことを示し、
    前記演算部は、演算した前記通信パラメータに含まれる前記チャネルマスクを介して特定の相手方に通信を行った際に、前記劣化率が減少するように前記通信パラメータを決定する
    請求項17に記載の送信装置。
  19. 前記情報通信は、BLE(Bluetooth Low Energy)規格に準拠する無線通信である
    請求項1から請求項18のいずれか一項に記載の送信装置。
  20. 前記通信方法は、BLE規格で定義されるアドバタイジングであって、
    前記通信チャネルとは、BLE規格で定義されるアドバタイジングチャネルである
    請求項17又は請求項18に従属する請求項19に記載の送信装置。
  21. 前記アドバタイジングとは、コネクション可能なアドバタイジングであって、
    前記劣化率とは、コネクション要求が返答されたかどうかに基づいて算出される値である
    請求項20に記載の送信装置。
  22. 前記アドバタイジングとは、スキャン要求を受け入れるアドバタイジングであって、
    前記劣化率とは、スキャン要求が返答されたかどうかに基づいて算出される
    請求項21に記載の送信装置。
  23. 前記劣化率とは、特定の一又は複数の前記受信装置がアドバタイジングパケットを受信した数に基づいて算出される
    請求項22に記載の送信装置。
  24. 前記出力部により出力された前記通信パラメータに基づいて前記受信装置との間で前記情報通信を行う無線通信部を更に備え、
    前記通信パラメータは、第一の送出間隔を含み、
    前記無線通信部は、前記第一の送出間隔に基づいて前記受信装置に信号を送出する
    請求項1から請求項23のいずれか一項に記載の送信装置。
  25. 前記無線通信部は、信号を生成し始めてから送出し終えるまでの時間である送出時間の間に前記受信装置への情報送出処理を完了し、
    前記演算部は、前記無線通信部により送出された情報を前記受信装置が連続して安定的に受信した場合に、前記送出時間を減少させるように前記通信パラメータを調整する
    請求項24に記載の送信装置。
  26. 前記無線通信部は、システムの起動時から想定動作寿命までの間に繰り返し送出処理を行い、
    前記演算部は、前記無線通信部により送出された情報を前記受信装置が連続して安定的に受信した場合に、前記情報送出処理に必要な合計時間を減少させるように前記通信パラメータを調整する
    請求項25に記載の送信装置。
  27. 前記通信パラメータは、第二の送出間隔と、送信回数を含み、
    前記無線通信部は、同一データを符号化した第1のデータを前記第一の送出間隔に基づいて特定の送信回数に達するまで送出した後、前記第1のデータとは異なる第2のデータを前記第二の送出間隔に基づいて送出する
    請求項24から請求項26のいずれか一項に記載の送信装置。
  28. 前記演算部は、前記無線通信部により送出された情報を前記受信装置が連続して安定的に受信した場合に、前記送信回数を減少させるように前記通信パラメータを調整する
    請求項27に記載の送信装置。
  29. 前記演算部は、前記無線通信部により送出された情報を前記受信装置が連続して安定的に受信した場合に、前記第二の送出間隔を増加させるように前記通信パラメータを調整する
    請求項27又は請求項28に記載の送信装置。
  30. 前記演算部は、前記無線通信部により送出された情報が前記受信装置により連続して受信されなかった場合に、前記第二の送出間隔を増加させるように前記通信パラメータを調整する
    請求項27から請求項29のいずれか一項に記載の送信装置。
  31. 前記演算部は、前記無線通信部により送出された情報を前記受信装置が連続して安定的に受信した場合に、前記第一の送出間隔を減少させるように前記通信パラメータを調整する
    請求項24から請求項30のいずれか一項に記載の送信装置。
  32. 前記第二の送出間隔は、ランダム値に基づいた時間間隔である
    請求項27から請求項30のいずれか一項に記載の送信装置。
  33. 前記第一の送出間隔は、ランダム値に基づいた時間間隔である
    請求項24から請求項31のいずれか一項に記載の送信装置。
  34. 前記通信パラメータは、前記受信装置との間で行われる前記情報通信における無線信号の強度を含む
    請求項1から請求項33のいずれか一項に記載の送信装置。
  35. 前記演算部は、前記無線通信部により送出された情報を前記受信装置が連続して安定的に受信した場合に、前記強度を減少させるように前記通信パラメータを調整する
    請求項24に従属する請求項34に記載の送信装置。
  36. 請求項1から請求項35のいずれか一項に記載の前記送信装置と、
    前記送信装置との間で前記情報通信を行う前記受信装置とを備え、
    前記受信装置は、前記通信履歴情報を記憶する受信側通信履歴情報記憶部を備え、
    前記受信装置と前記送信装置とは、前記通信履歴情報を共有する
    通信システム。
  37. 一以上の受信装置との間で情報通信を行う送信方法であって、
    前記情報通信を行うための通信パラメータと、前記受信装置に情報を送信する際に前記通信パラメータを用いて送信された電波と前記受信装置から受信した電波とに基づく値である劣化率とが対応づけられた通信履歴情報を記憶する通信履歴情報記憶工程と、
    記憶された前記通信履歴情報に基づき、前記受信装置との通信を行う際の前記通信パラメータを演算する演算工程と、
    演算された前記通信パラメータを出力する出力工程と
    を有する送信方法。
  38. 一以上の受信装置との間で情報通信を行うコンピュータに、
    前記情報通信を行うための通信パラメータと、前記受信装置に情報を送信する際に前記通信パラメータを用いて送信された電波と前記受信装置から受信した電波とに基づく値である劣化率とが対応づけられた通信履歴情報を記憶する通信履歴情報記憶ステップと、
    記憶された前記通信履歴情報に基づき、前記受信装置との通信を行う際の前記通信パラメータを演算する演算ステップと、
    演算された前記通信パラメータを出力する出力ステップと
    を実行させるプログラム。
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