JP2023025597A - 輸液カートリッジ、輸液ポンプ、及び、輸液カートリッジの製造方法 - Google Patents

輸液カートリッジ、輸液ポンプ、及び、輸液カートリッジの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】収容空間を区画するケース部材及び膜体における相互に固定されている部分での膜体の固定性を高めることができる、輸液カートリッジ、輸液ポンプ、及び、輸液カートリッジの製造方法、を提供する。【解決手段】本開示に係る輸液カートリッジは、輸液を収容可能な収容空間を区画する輸液カートリッジであって、凹部が形成されているケース部材と、可撓性を有し、前記凹部の開口を覆い前記凹部との間で前記収容空間を区画する膜体と、前記ケース部材の前記凹部の縁部に沿って延在し、前記凹部の前記縁部との間で前記膜体を挟んだ状態で前記ケース部材に固定されている押さえ部材と、を備える。【選択図】図8

Description

本開示は、輸液カートリッジ、輸液ポンプ、及び、輸液カートリッジの製造方法、に関する。
従来から、薬液等の輸液を送液可能な輸液ポンプが知られている。特許文献1には、この種の輸液ポンプの一例が記載されている。特許文献1には、液体を貯留する貯留部と、チューブを圧搾して貯留部の液体を生体に輸送するポンプ部と、このポンプ部によって輸送された液体を生体に注入する注入部と、を備える液体輸送装置が記載されている。
特許文献1には、貯留部としてのリザーバーが、カートリッジに設けられている例が開示されている。特許文献1のカートリッジ本体には凹部が形成されており、この凹部の周囲にフィルムが融着されている。貯留部としてのリザーバーは、上述の凹部及びフィルムから構成されている。凹部とフィルムとの間に液体が貯留される。
特開2015-167709号公報
特許文献1では、凹部の周囲に、膜体としてのフィルムが融着されることによりリザーバーが構成されているが、融着されている部分の固定性の観点では、依然として改善の余地がある。
本開示は、収容空間を区画するケース部材及び膜体における相互に固定されている部分での膜体の固定性を高めることができる、輸液カートリッジ、輸液ポンプ、及び、輸液カートリッジの製造方法、を提供することを目的とする。
本開示の第1の態様としての輸液カートリッジは、輸液を収容可能な収容空間を区画する輸液カートリッジであって、凹部が形成されているケース部材と、可撓性を有し、前記凹部の開口を覆い前記凹部との間で前記収容空間を区画する膜体と、前記ケース部材の前記凹部の縁部に沿って延在し、前記凹部の前記縁部との間で前記膜体を挟んだ状態で前記ケース部材に固定されている押さえ部材と、を備える。
本開示の1つの実施形態として、前記縁部は、前記凹部内に面する縁内面と、前記縁内面と連なり、前記凹部外に面する縁天面と、を備え、前記押さえ部材は、前記縁部の前記縁天面との間に前記膜体を挟んだ状態で、前記縁天面に固定されている。
本開示の1つの実施形態として、前記押さえ部材は、前記縁天面との間に前記膜体を挟んだ状態で、前記縁天面に固着されている。
本開示の1つの実施形態として、前記ケース部材の前記縁天面、前記膜体、及び、前記押さえ部材は溶着により一体化している。
本開示の1つの実施形態として、前記押さえ部材は、前記縁部の前記縁天面を覆う天面カバー部を備え、前記天面カバー部は、前記縁天面との間に前記膜体を挟んだ状態で、前記縁天面及び前記膜体と溶着により一体化している固着部と、前記固着部より前記凹部側に位置し、前記縁天面との間に前記膜体を挟んだ状態で、前記縁天面及び前記膜体と溶着により一体化していない非固着部と、を備える。
本開示の1つの実施形態として、前記縁天面は、前記天面カバー部の前記固着部との間に前記膜体を挟んだ状態で、前記固着部及び前記膜体と溶着により一体化している固着面と、前記天面カバー部の前記非固着部との間に前記膜体を挟んだ状態で、前記非固着部及び前記膜体と溶着により一体化していない非固着面と、を備え、前記非固着面は、前記非固着部との間に前記膜体を挟み込む挟み込み部と、前記固着面と前記挟み込み部との間に位置し、前記非固着部との間に前記膜体を挟み込まずに前記膜体から離間する退避部と、を備える。
本開示の1つの実施形態として、前記押さえ部材は、前記天面カバー部と連なり、前記膜体を間に挟んだ状態で前記縁部の前記縁内面を覆う内面カバー部を備える。
本開示の1つの実施形態として、前記内面カバー部は、前記縁内面との間に前記膜体を挟み込んでいる。
本開示の1つの実施形態として、前記ケース部材は、前記縁部の前記縁天面に連なり、前記縁内面の裏側に位置する側面を備え、前記押さえ部材は、前記天面カバー部と連なり、前記内面カバー部と対向して配置されており、前記ケース部材の前記側面を覆う側面カバー部を備え、前記内面カバー部は、前記側面カバー部との間で、前記ケース部材及び前記膜体を挟み込むことで、前記ケース部材の前記縁部における前記縁内面との間に、前記膜体を挟み込んでいる。
本開示の1つの実施形態として、前記ケース部材、前記膜体、及び、前記押さえ部材の少なくとも1つは、突起部を備え、前記ケース部材、前記膜体、及び、前記押さえ部材の前記少なくとも1つ以外には、前記突起部に嵌合する窪み又は貫通孔からなる受け部が形成されている。
本開示の第2の態様としての輸液ポンプは、上記輸液カートリッジと、前記輸液カートリッジに取り付けられるポンプ本体と、を備える。
本開示の第3の態様としての、輸液カートリッジの製造方法は、輸液を収容可能な収容空間を区画する輸液カートリッジの製造方法であって、ケース部材の凹部の開口を、可撓性を有する膜体で覆い、前記ケース部材の前記凹部の縁部に沿って、前記凹部の前記縁部との間に前記膜体を挟む押さえ部材を配置することで前記膜体を位置決めした状態で、前記押さえ部材を前記ケース部材に固定し、前記収容空間を形成する。
本開示によれば、収容空間を区画するケース部材及び膜体における相互に固定されている部分での膜体の固定性を高めることができる、輸液カートリッジ、輸液ポンプ、及び、輸液カートリッジの製造方法、を提供することができる。
本開示の一実施形態としての輸液カートリッジを含む、本開示の一実施形態としての輸液ポンプの正面図である。 図1に示す輸液カートリッジ単体の斜視図である。 図2に示す輸液カートリッジの蓋部がケース本体に対して開けられている状態を示す斜視図であり、輸液が充填されていない状態を示す図である。 図2に示す輸液カートリッジの蓋部がケース本体に対して開けられている状態を示す斜視図であり、輸液が充填されている状態を示す図である。 図1に示すI-I線での輸液カートリッジの断面図であり、輸液が充填されていない状態を示す図である。 図1に示すII-II線での輸液カートリッジの断面図であり、輸液が充填されていない状態を示す図である。 図5と同位置での輸液カートリッジの断面図であり、輸液が充填されている状態を示す図である。 図5の一部を拡大した拡大図である。 図8に示すケース部材の一変形例を示す図である。 図8に示す押さえ部材の一変形例を示す図である。 図8に示すケース部材、膜体及び押さえ部材の一変形例を示す図である。 ケース部材に膜体及び押さえ部材を固定する前の状態を示す斜視図である。 ケース部材に膜体及び押さえ部材を固定する固定作業の様子を示す図である。
以下、本開示に係る輸液カートリッジ、輸液ポンプ、及び、輸液カートリッジの製造方法、について図面を参照して例示説明する。各図において共通する構成には同一の符号を付している。
図1は、本開示に係る輸液ポンプの一実施形態としての輸液ポンプ100を示す正面図である。図1に示すように、輸液ポンプ100は、ポンプ本体1と、本開示に係る輸液カートリッジの一実施形態としての輸液カートリッジ2と、を備える。図1に示す輸液ポンプ100は、例えば、PCA(Patient Controlled Analgesia)ポンプとして、使用することができるが、使用用途については特に限定されない。本実施形態の輸液ポンプ100では、使い捨ての輸液カートリッジ2を取り替えることで、ポンプ本体1を再使用することができる。
<ポンプ本体1>
図1に示すように、ポンプ本体1の正面には、各種情報が表示される表示部120と、操作スイッチ類が配列された操作部130と、が配置されている。表示部120には、例えば、送液速度、積算投与量などが表示される。また、表示部120は送液速度等を設定するタッチパネル付きの液晶画面であってもよい。図1に示す操作部130の操作スイッチは、早送りスイッチ131と、開始スイッチ132と、停止スイッチ133と、電源スイッチ134と、により構成されている。早送りスイッチ131が押圧されている間、設定された送液速度(mL/h)よりも速い送液速度での送液が可能となる。開始スイッチ132が押圧されることで、送液を開始させることができる。停止スイッチ133が押圧されることで、送液を強制停止させることができる。電源スイッチ134が押圧されることで、ポンプ本体1の電源のON/OFFを切り替えることができる。但し、操作部130は、他の操作スイッチを備えてもよい。表示部120及び操作部130により、送液量を制御しながら患者等の生体内に輸液を送液することが可能となる。
また、ポンプ本体1は、装着される輸液カートリッジ2の後述の管受け部30(図2参照)との間で、輸液カートリッジ2の管部14を挟み込み、管部14内の輸液を流路上流側から流路下流側に送液する送液部140を備える。本実施形態の送液部140は、複数のフィンガと、これらフィンガを駆動する駆動部と、を備える。複数のフィンガは、輸液カートリッジ2の側面に位置する後述の管受け部30(図2参照)と対向する、ポンプ本体1の側面に配置されている。複数のフィンガは、管部14の延在方向に沿って配列されている。各フィンガは、輸液カートリッジ2の後述の管受け部30(図2参照)との対向方向に往復移動するように、駆動部により駆動される。各フィンガが輸液カートリッジ2に近接するように移動することで、管部14は、各フィンガと管受け部30との間に挟み込まれる。これにより、管部14は圧閉される。駆動部は、管部14の延在方向で、流路上流側から流路下流側に向かってフィンガを順次駆動する。駆動部は、例えば、電動モータ等により構成されてよい。これにより、管部14は、流路上流側から流路下流側に向かって順次圧閉され、蠕動運動する。そのため、管部14内の輸液を流路上流側から流路下流側に向かって送液することができる。
ポンプ本体1は、本実施形態の構成に限定されない。ポンプ本体1は、例えば、気泡検出センサ部、閉塞センサ部等の報知部など、上述した部位とは別の部位を備えてよい。また、上述したように、本実施形態のポンプ本体1の送液部140は、複数のフィンガにより管部14を押圧する構成であるが、管部14内の輸液を送液可能な構成であれば、フィンガとは異なる押圧部を備えてもよい。
<輸液カートリッジ2>
図2は、輸液カートリッジ2単体の斜視図である。図3、図4は、図2に示す輸液カートリッジ2の蓋部13がケース本体11に対して開けられている状態を示す斜視図である。図3は、輸液カートリッジ2に輸液Xが充填されていない状態を示す。図4は、輸液カートリッジ2に輸液Xが充填されている状態を示す。図5、図6は、輸液カートリッジの異なる位置での断面図である。具体的に、図5は、図1のI-I線の位置での断面図である。また、図6は、図1のII-II線の位置での断面図である。図5、図6は、輸液カートリッジ2に輸液Xが充填されていない状態を示す。図7は、図5と同位置での断面図であり、輸液カートリッジ2に輸液Xが充填されている状態を示す。また、図5及び図7は、蓋部13がケース本体11に対して開けられている状態を示す。図5では、ケース本体11に対して閉じられた状態の蓋部13の位置を二点鎖線により示している。図6は、蓋部13がケース本体11に対して閉じられている状態を示す。図8は、図5の一部を拡大した拡大図である。
図3~図7に示すように、輸液カートリッジ2は、薬液等の輸液Xを収容可能な収容空間2aを区画している。また、図3、図4に示すように、輸液カートリッジ2は、ケース部材10と、膜体12と、押さえ部材16と、を備える。
図5~図7に示すように、ケース部材10には、凹部21が形成されている。図5~図7に示すように、本実施形態の凹部21は、平面状の底面21aと、この底面21aの外縁から連続して立ち上がる側面21bと、で構成されている。本実施形態の凹部21は、上述の形状を有するが、凹部21の形状は特に限定されない。したがって、凹部21の底面21a及び側面21bは、平面状であっても曲面状であってもよい。但し、気泡の滞留を抑制する観点で、底面21a及び側面21bは、曲面により滑らかに連続することが好ましい。
膜体12は、可撓性を有している。図3~図7に示すように、膜体12は、ケース部材10の凹部21の開口を覆い凹部21との間で収容空間2aを区画している。
押さえ部材16は、ケース部材10の凹部21の縁部40に沿って延在している。また、押さえ部材16は、ケース部材10の縁部40との間で膜体12を挟んだ状態で、ケース部材10に固定されている。更に、本実施形態の押さえ部材16は、ケース部材10と共に、膜体12を保持している。詳細は後述するが、本実施形態では、一例として、膜体12が、ケース部材10の縁部40と押さえ部材16との間に挟まれた状態で、ケース部材10の縁部40、膜体12、及び、押さえ部材16が溶着により一体化されている。つまり、本実施形態の押さえ部材16は、溶着により、ケース部材10に固定されている。
輸液カートリッジ2が押さえ部材16を備えることで、押さえ部材16を備えない構成と比較して、収容空間2aを区画するケース部材10及び膜体12における相互に固定されている部分に加わる外力を抑制でき、ケース部材10及び膜体12における相互に固定されている部分での膜体12の固定性を高めることができる。
ケース部材10は、収容空間2aに収容される輸液Xの内圧によっても変形しない定形性を有している。特に、ケース部材10のうち、膜体12と共に収容空間2aを区画する部分は、膜体12より変形し難い構成とされている。つまり、ケース部材10のうち、膜体12と共に収容空間2aを区画する部分の曲げ剛性は、膜体12の曲げ剛性より大きい。ケース部材10の材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン共重合体等のポリオレフィン;エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA);ポリ塩化ビニル;ポリ塩化ビニリデン;ポリスチレン;ポリアミド;ポリイミド;ポリアミドイミド;ポリカーボネート;ポリ-(4-メチルペンテン-1);アイオノマー;アクリル樹脂;ポリメチルメタクリレート;アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS樹脂);アクリロニトリル-スチレン共重合体(AS樹脂);ブタジエン-スチレン共重合体;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリシクロヘキサンテレフタレート(PCT)等のポリエステル;ポリエーテル;ポリエーテルケトン(PEK);ポリエーテルエーテルケトン(PEEK);ポリエーテルイミド;ポリアセタール(POM);ポリフェニレンオキシド;変性ポリフェニレンオキシド;ポリサルフォン;ポリエーテルサルフォン;ポリフェニレンサルファイド;ポリアリレート;芳香族ポリエステル(液晶ポリマー);ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、その他フッ素系樹脂;などの各種樹脂材料が挙げられる。ケース部材10は、例えば、上述の樹脂材料により型成形される。
膜体12は、収容空間2aに収容される輸液Xの内圧によって変形する。膜体12の厚みは、上述したケース部材10の、収容空間2aを区画する部分の任意の位置での厚みよりも小さい。収容空間2aの容積は、膜体12が変形することで変動する。膜体12の材料としては、例えば、ケース部材10を形成する材料に加えて、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン-ブタジエンゴム、ニトリルゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、アクリルゴム、エチレン-プロピレンゴム、ヒドリンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴムのような各種ゴム材料や、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、トランスポリイソプレン系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマーが挙げられ、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン共重合体等のポリオレフィンが好ましい。また、膜体12の膜厚は、例えば、0.2mm~0.5mmとすることができる。
押さえ部材16は、収容空間2aに収容される輸液Xの内圧によっても変形しない定形性を有している。押さえ部材16の曲げ剛性は、膜体12の曲げ剛性より大きい。押さえ部材16の材料としては、例えば、ケース部材10の材料として例示した上述の材料が挙げられる。
上述したように、本実施形態の輸液カートリッジ2では、一例として、ケース部材10の縁部40、膜体12、及び、押さえ部材16が溶着により一体化している。このように、ケース部材10、膜体12、及び、押さえ部材16が溶着により接合される場合は、ケース部材10、膜体12、及び、押さえ部材16を、例えばポリプロピレンなど、同一の樹脂材料により構成することが好ましい。
図3、図6に示すように、収容空間2aを区画する内壁には、充填口3と、通気口4と、が形成されている。充填口3を通じて、外部から収容空間2aに輸液Xを充填可能である。通気口4を通じて、収容空間2aの気体を外部に排出可能である。
上述したように、輸液カートリッジ2の収容空間2aは、ケース部材10の凹部21と、この凹部21の開口を覆う膜体12と、により区画されている。このような構成とすることで、収容空間2aを区画する、ケース部材10の凹部21の内壁は、収容空間2a内の輸液Xの内圧により変形しない。これにより、収容空間2aを区画する内壁の変形を抑制し、その結果、気泡の溜まり易い皺などが形成されることを抑制できる。そのため、収容空間2a内に気泡が溜まり難くなる。そして、本実施形態の収容空間2aを区画する内壁には、上述の充填口3及び通気口4が形成されている。充填口3とは別に通気口4を設けることで、充填口3から収容空間2aへ輸液Xを充填しながら、通気口4を通じて収容空間2a内の気体を排出できる。そのため、充填口3以外に通気口4を備えない構成と比較して、気体を収容空間2aから外部へと容易に排出することができる。
図6に示すように、本実施形態の通気口4は、通気フィルタ5により構成されている。更に、通気フィルタ5としては、表面が疎水化処理されたもの、または疎水性膜(疎水膜)であるものを用いることが好ましい。疎水性膜の構成材料としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンの共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレンとパーフルオロアルキルビニルエーテルの共重合体(PFA)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等を用いることができる。通気フィルタ5は、これらの材料を、延伸法、ミクロ相分離法、電子線エッチング法、焼結法、アルゴンプラズマ粒子等の方法で多孔質としたものが好適に用いられる。また、疎水化処理の方法は、特に限定されず、例えば、通気フィルタ5の表面に疎水性を有する構成材料をコーティングする方法等を用いてもよい。さらに、通気フィルタ5としては、気体を透過させ、且つ液体を透過させない機能を有していれば上記構成のものに限られず、例えば親水性のものなど他の材質のものを用いることもできる。このような疎水性の通気フィルタ5とすれば、収容空間2a内の気体を外部に排出できると共に、収容空間2a内の輸液Xが外部に漏出することを抑制できる。
本実施形態の充填口3は、外部から収容空間2a内への輸液Xの充填に加えて、収容空間2a内から生体内への輸液Xの供給においても、使用される。つまり、本実施形態の充填口3は、輸液Xを生体に供給する際の供給口を兼ねている。但し、収容空間2aを区画する内壁に、充填口3とは別の供給口が設けられている構成としてもよい。
以下、本実施形態の輸液カートリッジ2の更なる詳細について説明する。
図3~図7に示すように、本実施形態の輸液カートリッジ2は、上述したケース部材10、膜体12及び押さえ部材16に加えて、管部14を備える。また、本実施形態のケース部材10は、ケース本体11と、蓋部13と、を備える。以下、本実施形態の輸液カートリッジ2の各部の更なる詳細について説明する。
ケース部材10のケース本体11には、凹部21が形成されている。本実施形態のケース本体11は、収容空間2aの輸液Xの内圧によっても変形しない定形性を有している。具体的には、上述したように、ケース部材10のケース本体11のうち凹部21の内面を構成する部分の曲げ剛性は、膜体12の曲げ剛性より大きい。これにより、収容空間2aに収容される輸液Xの内圧により、ケース本体11より優先的に膜体12を変形させることができる。本実施形態のケース本体11は、平板状の底板部11aと、この底板部11aの外縁部から底板部11aの厚み方向に向かって立ち上がる側板部11bと、により構成されている。底板部11aは、厚み方向で見た平面視で略四角形の外形を有している。側板部11bは、底板部11aの略直線状に延在する4つの外縁部から立ち上がっている。本実施形態のケース本体11の凹部21は、上述した底板部11a及び側板部11bにより区画されている。より具体的に、本実施形態の凹部21の底面21aは、底板部11aの内面により構成されている。また、本実施形態の凹部21の側面21bは、側板部11bの内面により構成されている。
本実施形態において、充填口3は、膜体12ではなく、ケース部材10の凹部21に形成されている。そのため、収容空間2a内の輸液Xの有無、輸液Xの量に応じて充填口3の位置が変動しない。そのため、充填口3に流体連通する後述の管部14の位置安定性を高めることができる。
また、本実施形態において、通気口4は、ケース部材10の凹部21に形成されている。仮に通気口4が膜体12に形成されている場合、膜体12の変形により通気口4が閉塞されるおそれがある。これに対して、通気口4をケース部材10の凹部21に形成することで、通気口4が閉塞され難く、気体の排出を促進できる。
ここで、本実施形態のケース部材10のケース本体11の側板部11bは、通気口4が設けられている第1板部11b1を備える。また、本実施形態のケース本体11の側板部11bは、第1板部11b1と対向して配置されている第2板部11b2を備える。更に、本実施形態のケース本体11の側板部11bは、第1板部11b1及び第2板部11b2の一端同士と連続する第3板部11b3を備える。また更に、本実施形態のケース本体11の側板部11bは、第1板部11b1及び第2板部11b2の他端同士と連続し、第3板部11b3と対向する第4板部11b4を備える。充填口3は、側板部11bのうち第3板部11b3に設けられている。
本実施形態の第1板部11b1及び第2板部11b2には、後述の蓋部13が閉じられた際に、蓋部13の係止爪部41が引っ掛かる留め部42が設けられている。
本実施形態の第3板部11b3の内面側の一部分は、第1板部11b1、第2板部11b2及び第4板部11b4の天端面と同高さまで立ち上がっている。これに対して、本実施形態の第3板部11b3の外面側の残りの部分は、第1板部11b1、第2板部11b2及び第4板部11b4の天端面よりも更に延設されている。この延設されている部分を、以下、「延設部20」と記載する。したがって、本実施形態のケース部材10の縁部40は、ケース本体11における、第1板部11b1、第2板部11b2及び第4板部11b4の天端部と、第3板部11b3の内面側の一部分の天端部と、により構成されている。
また、図8に示すように、本実施形態のケース部材10の縁部40は、縁内面31と、縁側面32と、縁天面33と、を備える。縁内面31は、凹部21の開口近傍で、凹部21内に面している。縁天面33は、縁内面31と連なり、凹部21外に面している。より具体的に、本実施形態の縁天面33は、全体として、図5~図8に示す凹部21の深さ方向Dで底面21a側から凹部21の開口側に向かう方向に向いている面である。縁側面32は、縁天面33に連なり、縁内面31の裏側に位置する。本実施形態の縁側面32は、ケース部材10の側面により構成されている。より具体的に、本実施形態の縁側面32は、ケース部材10のケース本体11における側面により構成されている。更に、本実施形態の縁側面32は、ケース部材10の側面のうち、縁天面33に連なり、縁内面31の裏側に位置する部分である。つまり、本実施形態の縁側面32は、縁内面31の裏側で、縁内面31とは反対側を向く面である。
本実施形態の縁天面33は、縁内面31及び縁側面32を連ねている。縁天面33は、無端状に延在している。つまり、縁天面33の凹部21側の内縁が、縁内面31に連なっている。また、縁天面33の凹部21側とは反対側の外縁が、ケース部材10の側面の一部である縁側面32に連なっている。このようなケース部材10の縁部40と、膜体12及び押さえ部材16と、の固定構造の詳細は後述する。
また、第3板部11b3の外面には、管部14を受けて、ポンプ本体1との間で管部14を挟み込む管受け部30が形成されている。
第4板部11b4には、ヒンジ部15により、後述する蓋部13が回動可能に取り付けられている。
また、図3に示すように、凹部21の内面には、収容空間2aに向かって突出する筒部22が形成されている。本実施形態の充填口3は、この筒部22の先端開口により構成されている。より具体的に、本実施形態では、第3板部11b3の内面に筒部22が形成されている。このように、充填口3を筒部22の先端開口により構成することで、このような筒部22が無い構成と比較して、収容空間2aを区画する内壁に付着する気泡が充填口3に入り込み難い。つまり、収容空間2a内に気泡があっても、筒部22の先端開口には到達し難く、充填口3から気泡が排出されることを抑制できる。
筒部22の基端側は、収容空間2aの外側まで延在している。筒部22の基端側には、図2に示すL字型の接続管部23を介して、後述の管部14が接続されている。これにより、管部14の中空部は、充填口3を通じて、収容空間2aに連通している。但し、管部14と充填口3との接続構成は、本実施形態の構成に限られない。
上述したように、本実施形態の通気口4は、通気フィルタ5により構成されている。より具体的には、図3、図4に示すように、ケース本体11の側板部11bの第1板部11b1の外面には、外方に突出する筒部18が形成されている。この筒部18は、外部と収容空間2aとを連通する連通孔を区画している。通気フィルタ5は、この連通孔に配置されている。図1、図2に示すように、収容空間2aに輸液Xが充填された後は、キャップ部材19が筒部18に装着される。キャップ部材19は、筒部18の連通孔を閉塞することができる。これにより、通気フィルタ5を保護すると同時に、通気口4を通じて外部から収容空間2aに気体が流入することを防ぐことができる。キャップ部材19は、筒部18に装着することで筒部18を閉塞できる構成であれば、その構成は特に限定されない。但し、収容空間2aが一度輸液Xで満たされた後に通気フィルタ5の破損や、通気口4を通じた気体の流入が無いように、キャップ部材19は、筒部18に対して一度装着したら取り外し不能となる嵌め殺し構造とすることが好ましい。
本実施形態の膜体12は、膜本体部51と、周縁部52と、を備える。膜本体部51は、ケース部材10のケース本体11の凹部21の開口を覆い、凹部21と共に収容空間2aを区画する。周縁部52は、膜本体部51の周囲を取り囲む部分である。本実施形態の周縁部52は、膜体12の外縁部分であるが、膜体12の膜本体部51の周囲を取り囲む部分であればよく、膜体12の外縁部分でなくてもよい。本実施形態の周縁部52は、押さえ部材16と共に、ケース部材10の縁部40に固定されている。膜体12の固定構造の詳細は後述する。
図3~図8に示すように、膜本体部51は変形可能である。図3、図5、図6に示すように、本実施形態の膜本体部51は、収容空間2aに輸液Xが収容されていない状態で、凹部21の開口から底面21a側に入り込んでいる。換言すれば、本実施形態の膜本体部51は、収容空間2aに輸液Xが収容されていない状態で、凹部21の内面に沿うように凹んでいる。これに対して、図4、図7に示すように、収容空間2aに輸液Xが充填されると、膜本体部51は、充填された輸液Xにより押圧されて膨らみ、凹部21の開口から突出するように変形して張り出す。より具体的に、本実施形態の膜本体部51は、無端状の押さえ部材16の中央開口を通じて、凹部21の開口から突出するように変形して張り出す。つまり、図7に示すように、凹部21の開口から突出するように変形する膜本体部51は、押さえ部材16の中央開口を通じて、深さ方向Dの押さえ部材16の位置を超えて突出する。充填された輸液X内に気泡が残っている場合、管部14の他端側を閉塞した上で、張り出した膜本体部51を外部から押し込むことによって、通気口4から気泡を排出することが可能である。収容空間2aに収容された輸液Xを、充填口3から後述の管部14を通じて生体内に投与する場合に、収容空間2aの輸液Xが減少していく。そうすると、膜本体部51は、輸液Xの自重又は膜本体部51自体の復元力により、図7に示す状態から図5、図6に示す状態まで戻る。つまり、収容空間2aに輸液Xが収容されていない状態で、凹部21の開口から底面21a側に入り込んでいる膜本体部51とすることで、収容空間2aに充填された輸液Xが減少するのに伴って、収容空間2aの容積を減少させることができる。その結果、収容空間2aに収容される輸液Xの大部分を、充填口3を通じて容易に送液することができる。
また、本実施形態の膜本体部51は、収容空間2aに輸液Xが収容されていない状態で、凹部21の開口から底面21a側に入り込んでいるが、底面21aに接触していない。このようにすることで、膜本体部51と底面21aとが密着して張り付くことを抑制できる。そのため、収容空間2a内への輸液Xの充填抵抗が大きくなることを抑制できる。
図8に示すように、本実施形態の周縁部52は、ケース部材10の縁部40の縁天面33を覆い、縁天面33に固定されている。より具体的に、本実施形態の周縁部52は、後述する押さえ部材16と縁天面33との間に挟まれている状態で、縁天面33に固着されている。膜体12の固定構造の詳細は後述する。上述した膜本体部51は、この周縁部52に対して凹部21側に位置している。より具体的に、本実施形態の膜本体部51は、周縁部52の凹部21側に連なっている。
図1~図7に示すように、蓋部13は、膜体12を覆わない状態と膜体12を覆う状態との間で、ケース本体11に対して開閉することができる。以下、説明の便宜上、蓋部13が膜体12を覆わない状態(図3等参照)を単に「開状態」と記載する。また、蓋部13が膜体12を覆う状態(図2等参照)を単に「閉状態」と記載する。
蓋部13は、収容空間2aに輸液Xを充填する際は開状態とされる。そのため、収容空間2aに輸液Xが充填される際に、収容空間2aに気泡が入り込んでも、外部から膜体12を押し込んで容易に変形させることができる。そのため、収容空間2aがケース本体11のような膜体12より硬質の部材で完全に囲まれている構成と比較して、収容空間2aに輸液Xを充填する際に、収容空間2a内の気泡を容易に移動させることができる。
更に、上述したように、本実施形態の収容空間2aは、ケース部材10のケース本体11の凹部21の開口を膜体12で覆うことにより形成されている。そのため、収容空間2aを区画する内壁が可撓性を有する袋体のみで構成されている場合と比較して、収容空間2aの内壁の変形を膜体12により構成されている一部分のみに限定できる。つまり、収容空間2aの内壁の変形態様を所望の態様に規制できる。これにより、気泡を移動させるために与えた押し込み力で、収容空間2aの意図しない位置に局所的な大変形が生じ、気泡が滞留してしまうことを抑制できる。つまり、収容空間2a内の気泡を、より容易に移動させることができる。
また、収容空間2aに輸液Xが充填された後は、蓋部13を閉状態とすることで、膜体12を保護して穿孔等による輸液Xの液漏れを抑制すると共に、輸液ポンプ100を使用する患者が収容空間2a内の薬液等の輸液Xを取り出すことを抑制することができる。
本実施形態の蓋部13は、ヒンジ部15により、ケース本体11に対して回動可能に取り付けられている。そのため、蓋部13は、ケース本体11に対してヒンジ部15により回動することで、上述の開状態と閉状態との間で、状態を変化させ、ケース本体11を開閉可能である。
より具体的に、本実施形態の蓋部13は、閉状態で膜体12を覆う天板部13aと、この天板部13aの外縁部から天板部13aの厚み方向に立ち上がる側板部13bと、を備える。天板部13aは、蓋部13が閉状態で、ケース本体11の底板部11aと対向する。したがって、膜体12は、蓋部13が閉状態で、ケース本体11の底板部11aと蓋部13の天板部13aの間に介在する。また、蓋部13が閉状態で、蓋部13の側板部13bは、ケース本体11の側板部11bと共に、収容空間2aに対して底板部11a及び天板部13aの厚み方向と直交する方向の周囲を覆っている。つまり、蓋部13を閉状態とすることで、収容空間2aは、ケース本体11及び蓋部13により周囲が囲まれた状態となる。
より具体的に、本実施形態の蓋部13の側板部13bは、ケース本体11の第1板部11b1と一連の側壁を構成する第1板部13b1を備える。また、本実施形態の蓋部13の側板部13bは、ケース本体11の第2板部11b2と一連の側壁を構成する第2板部13b2を備える。更に、本実施形態の蓋部13の側板部13bは、ケース本体11の第4板部11b4と一連の側壁を構成する第3板部13b3を備える。蓋部13の第1板部13b1及び第2板部13b2には、蓋部13が閉状態で、ケース本体11の第1板部11b1及び第2板部11b2の留め部42に引っ掛かる係止爪部41が設けられている。蓋部13の第3板部13b3は、ケース本体11の第4板部11b4に対して、ヒンジ部15を介して連なっている。
本実施形態の蓋部13は、上述したケース本体11と同様の材料により形成可能である。また、蓋部13の厚みについても、任意の位置で、膜体12の厚みよりも厚いことが好ましい。また、蓋部13の曲げ剛性についても、膜体12の曲げ剛性より大きいことが好ましい。このようにすることで、蓋部13が膜体12を覆う閉状態で、膜体12が蓋部13を介して押圧されることにより変形することを、抑制できる。
管部14は、充填口3を通じて輸液Xを充填可能にケース本体11に接続されている。上述したように、本実施形態の管部14の一端側は、L字型の接続管部23(図2参照)を介して、筒部22(図3参照)の基端側に接続されている。管部14の他端側に例えばシリンジ等を接続することで、管部14を通じて、収容空間2aに輸液Xを充填することができる。
また、輸液ポンプ100の使用時において、管部14は、収容空間2aに充填された輸液Xを生体内に投与する輸液チューブの一部として利用される。つまり、図1に示す輸液ポンプ100は、充填口3を通じて収容空間2aから管部14に排出された輸液Xを、管部14に蠕動運動を引き起こすことで、流路下流側に送液することができる。管部14の流路下流側には、例えば生体内に留置されている留置針があり、この留置針を通じて輸液Xを生体内に投与することができる。
図3~図8に示すように、押さえ部材16は、ケース部材10の凹部21の縁部40に沿って延在している。より具体的に、本実施形態の押さえ部材16は、無端状の縁部40の全域に亘り、縁部40に沿って延在している無端状部材である。また、押さえ部材16は、凹部21の縁部40との間で膜体12を挟んだ状態でケース部材10に固定されている。より具体的に、本実施形態の押さえ部材16は、縁部40の縁天面33との間に膜体12を挟んだ状態で、縁天面33に固定されている。
より具体的に、本実施形態の押さえ部材16は、天面カバー部61と、内面カバー部62と、を備える。
天面カバー部61は、縁部40の縁天面33を覆っている。本実施形態の天面カバー部61は、縁部40の縁天面33の全面を覆っているが、全面でなくてもよい。本実施形態の天面カバー部61は、縁天面33との間に膜体12を挟んだ状態で、縁天面33に固着されている。このように、本実施形態の押さえ部材16は、天面カバー部61が膜体12を縁天面33との間に挟んだ状態で、天面カバー部61が縁天面33に固着されることで、ケース部材10に固定されている。詳細は後述するが、本実施形態の押さえ部材16の天面カバー部61は、ケース部材10の縁部40の縁天面33のみならず、膜体12とも固着されている。
本実施形態の天面カバー部61は、固着部61aと、非固着部61bと、を備える。詳細は後述するが、このような非固着部61bを設けることで、溶着作業に際して溶融することで形成され、固化後に遊離し易い遊離片が、収容空間2a内に飛散することを抑制できる。
更に、非固着部61bは、縁天面33との間に、隙間なく膜体12を挟み込んだ状態とされることが好ましい。詳細は後述するが、このようにすることで、上述の遊離片が、収容空間2a内に飛散することを、より抑制できる(図9参照)。
図3~図8に示すように、本実施形態の天面カバー部61は、無端状の縁天面33を覆うように無端状に延在している。また、本実施形態の天面カバー部61は、縁天面33の延在方向と直交する方向(本実施形態では側板部11bの厚み方向)が幅方向となる帯状部により構成されている。天面カバー部61としての帯状部の長手方向は、無端状の縁天面33に沿う方向である。
図8に示すように、本実施形態の内面カバー部62は、上述の天面カバー部61と連なっている。また、内面カバー部62は、縁部40の縁内面31を覆っている。つまり、内面カバー部62は、天面カバー部61の凹部21側に連なっている。図8に示すように、内面カバー部62は、縁内面31との間に膜体12を挟み込んでいる。この詳細は後述する。
図3~図8に示すように、本実施形態の内面カバー部62は、無端状の縁内面31を覆うように無端状に延在している。また、本実施形態の内面カバー部62は、凹部21の深さ方向Dに沿う方向が幅方向となる帯状部により構成されている。内面カバー部62としての帯状部の長手方向は、無端状の縁内面31に沿う方向である。
詳細は後述するが、押さえ部材16は、天面カバー部61と連なり、内面カバー部62と対向して配置されており、ケース部材10の側面を覆う側面カバー部63(図10参照)を、更に備えてもよい。
[ケース部材10、膜体12及び押さえ部材16の固定構造]
次に、図8を参照して、ケース部材10、膜体12及び押さえ部材16の固定構造について説明する。図8は、図5の破線丸枠内を拡大して示している。つまり、図8は、図5における、ケース部材10の縁部40及びその近傍を拡大して示している。
上述したように、押さえ部材16は、ケース部材10の縁部40に沿って延在し、縁部40との間で膜体12を挟んだ状態でケース部材10に固定されている。より具体的に、本実施形態の押さえ部材16は、縁部40の縁天面33との間に膜体12を挟んだ状態で、縁天面33に固定されている。このようにすることで、押さえ部材が縁天面33との間に膜体12を挟んだ状態で縁天面33以外に固定される構成と比較して、押さえ部材16と縁天面33との間での膜体12の位置が維持され易い。そのため、ケース部材10に対する膜体12の固定性を、より高めることができる。なお、本実施形態では、膜体12の周縁部52が、押さえ部材16と縁天面33との間に挟まれている。
ここで、ケース部材10の縁部40に対する押さえ部材16の固定構造は、特に限定されない。膜体12を相互間に挟む位置関係で、相互に固定されていればよい。したがって、例えば、ケース部材10と押さえ部材16との間に、膜体12に加えて別部材が介在するような固定構造であってもよく、本実施形態のように、ケース部材10と押さえ部材16との間に膜体12のみが介在する固定構造であってもよい。但し、ケース部材10の縁部40に対する押さえ部材16の固定方法としては、例えば超音波融着などの溶着や、接着などの、固着による固定が好ましい。固着により固定することで、例えばネジ等の締結部材を用いた締結による固定と比較して、縁部40全域に亘って途切れずに連続する固定箇所を形成可能である。このようにすることで、縁部40全域に亘って、ケース部材10に対する膜体12の固定性を高めることができる。
より具体的に、本実施形態では、ケース部材10の縁天面33、膜体12、及び、押さえ部材16、の任意の2つが固着している。すなわち、縁天面33と膜体12とは固着している。また、縁天面33と押さえ部材16とは固着している。更に、膜体12と押さえ部材16とは固着している。このようにすることで、ケース部材10の縁天面33、押さえ部材16、及び、膜体12の相互の位置ずれが発生し難く、膜体12の位置安定性を高めることができる。換言すれば、このような押さえ部材16とすることで、ケース部材10に対する膜体12の固定性を、より高めることができる。
更に、本実施形態では、ケース部材10の縁天面33、膜体12、及び、押さえ部材16は、固着の一態様である溶着により一体化されている。このような構成とすることで、縁天面33と押さえ部材16との間の膜体12の位置安定性を、より高めることができる。換言すれば、縁天面33及び膜体12と溶着で一体化する押さえ部材16とすることで、ケース部材10に対する膜体12との固定性を、より一層高めることができる。
更に、本実施形態の押さえ部材16は、上述したように、天面カバー部61を備える。本実施形態の天面カバー部61は、固着部61aと、非固着部61bと、を備える。本実施形態の固着部61aは、縁天面33との間に膜体12を挟んだ状態で、縁天面33及び膜体12と溶着により一体化している。本実施形態の非固着部61bは、固着部61aより凹部21側に位置する。また、本実施形態の非固着部61bは、縁天面33との間に膜体12を挟んだ状態で、縁天面33及び膜体12と溶着により一体化していない。つまり、非固着部61bは、縁天面33との間に膜体12を挟んでいるが、非固着部61bと膜体12との間、及び、膜体12と縁天面33との間、はそれぞれ固着されていない。このような非固着部61bを設けることで、収容空間2aに輸液Xが充填されて膜体12が凹部21の開口から突出するように変形しても、膜体12のうち非固着部61bに覆われる部分の変形を抑制できる。そのため、膜体12が上述のように変形しても、膜体12及び縁天面33のうち固着部61aと溶着により一体化されている部分の収容空間2a側が、収容空間2aに向かって広く露出することを抑制できる。これにより、溶着作業に際して溶融することで形成され、固化後に遊離し易い遊離片が、収容空間2a内に飛散することを抑制できる。
また、図8に示すように、本実施形態のケース部材10の縁部40の縁天面33は、ベース面33aと、このベース面33aから突出するリブ状の凸面33bと、を備える。本実施形態では、縁天面33の凸面33bが、膜体12の周縁部52と溶着により一体化している。より具体的に、本実施形態では、縁天面33の凸面33b、膜体12の周縁部52、及び、押さえ部材16の天面カバー部61の固着部61aが、溶着により一体化している。本実施形態の凸面33bは、縁天面33の幅方向Bの中央部に設けられている。縁天面33の幅方向Bとは、無端状に延在する縁天面33の延在方向と直交する方向であり、本実施形態では、側板部11b(図3~図7参照)の厚み方向である。また、本実施形態の縁天面33の幅方向Bは、押さえ部材16の天面カバー部61の幅方向と同じ方向である。したがって、本実施形態の縁天面33の内縁では、ベース面33aが縁内面31と連なっている。また、本実施形態の縁天面33の外縁では、ベース面33aが、縁側面32と連なっている。
図8に示すように、本実施形態では、膜体12の周縁部52は、縁天面33の凸面33bの頂部のみで、ケース部材10の縁部40に固着されている。換言すれば、本実施形態の周縁部52は、ベース面33aとは固着されていない。このような凸面33bを設け、凸面33bの頂部と周縁部52とを固着することで、ケース部材10の縁天面33と膜体12の周縁部52とのシール位置(シーリングライン)が明確化され、シール性の評価が容易になる。凸面33bのベース面33aから突出高さHは、例えば、0.1mm~0.3mmとすることができる。また、周縁部52とベース面33aとの間には、間隙が形成されていてもよい。この間隙は、例えば0.05mm~0.1mmとされてよい。
なお、上述した本実施形態の押さえ部材16の天面カバー部61の非固着部61bは、膜体12の周縁部52を間に挟み、縁天面33のベース面33aと対向する部分である。
更に、本実施形態の押さえ部材16は、上述したように、内面カバー部62を備える。内面カバー部62は、天面カバー部61と連なっている。また、内面カバー部62は、膜体12を挟んだ状態で縁部40の縁内面31を覆っている。このような内面カバー部62を備えることで、収容空間2aに輸液Xが充填されて膜体12が凹部21の開口から突出するように変形しても、膜体12のうち内面カバー部62に覆われる部分の変形を抑制できる。そのため、膜体12が上述のように変形しても、膜体12及び縁天面33のうち、押さえ部材16の天面カバー部61の固着部61aと溶着により一体化している部分の収容空間2a側が、収容空間2aに向かって広く露出することを、より抑制できる。
また更に、本実施形態の内面カバー部62は、縁内面31との間に膜体12を挟み込んでいる。つまり、本実施形態の内面カバー部62は、膜体12と当接している。このようにすることで、収容空間2aに輸液Xが充填されて膜体12が凹部21の開口から突出するように変形しても、膜体12のうち内面カバー部62に覆われる部分は、より変形し難くなる。そのため、上述の遊離片が、収容空間2a内に飛散することを、より抑制できる。
上述したように、本実施形態の天面カバー部61は、固着部61aに対して凹部21側に非固着部61bを備える。つまり、本実施形態の内面カバー部62は、天面カバー部61の非固着部61bと連なっている。但し、天面カバー部61の固着部61aに対して凹部21側に非固着部61bが設けられていない場合は、内面カバー部62は、天面カバー部61の固着部61aに連なっていてもよい。
また、縁天面33の構成は、本実施形態の構成に限られない。上述したように、本実施形態のケース部材10の縁天面33は、天面カバー部61の非固着部61bとの間に膜体12を挟んだ状態で、非固着部61b及び膜体12と溶着により一体化されていない非固着面としてのベース面33aを備える。更に、上述したように、本実施形態のケース部材10の縁天面33は、天面カバー部61の固着部61aとの間に膜体12を挟んだ状態で、固着部61a及び膜体12と溶着により一体化している固着面としての凸面33bを備える。但し、縁天面33の非固着面及び固着面は、本実施形態のベース面33a及び凸面33bの構成に限られない。図9は、縁天面33の変形例を示す図である。
図9に示す縁天面33は、無端状の溝33cと、この溝33cに対して内縁側に位置する無端状の内側天面33dと、溝33cに対して外縁側に位置する無端状の外側天面33eと、を備える。図9に示す例では、溝33c及び内側天面33dが、上述の非固着面を構成している。また、図9に示す例では、外側天面33eが、上述の固着面を構成している。
更に、図9に示す例では、内側天面33dは、天面カバー部61の非固着部61bとの間に膜体12を挟み込む挟み込み部を構成している。つまり、図9に示す内側天面33dは、膜体12と接触し、非固着部61bとの間に膜体12を挟持している。これに対して、溝33cは、非固着部61bとの間に膜体12を挟み込んでいない。つまり、溝33cは、非固着部61bとの間に膜体12を挟んで対向する位置にあるが膜体12とは接触しておらず、膜体12から離間する退避部を構成している。また、溝33cは、固着面としての外側天面33eと、非固着面の挟み込み部としての内側天面33dと、の間に位置している。
図9に示すように、非固着部61bは、縁天面33との間に、隙間なく膜体12を挟み込んだ状態とされることが好ましい。換言すれば、縁天面33は、非固着部61bとの間に膜体12を挟み込む上述の挟み込み部(図9の例では内側天面33d)を備えることが好ましい。このようにすることで、収容空間2aに輸液Xが充填されて膜体12が凹部21の開口から突出するように変形しても、膜体12のうち非固着部61bに覆われる部分は、より変形し難くなる。そのため、上述の遊離片が、収容空間2a内に飛散することを、より抑制できる。
また更に、図9に示すように、縁天面33の非固着面は、非固着部61bとの間に膜体12を挟み込む挟み込み部(図9の例では内側天面33d)のみならず、固着面(図9の例では外側天面33e)と、非固着面の挟み込み部(図9の例では内側天面33d)と、の間に位置し、膜体12から離間する退避部(図9の例では溝33c)を備えることが好ましい。このような退避部を備えることで、上述の遊離片が、膜体12と退避部との間の空隙に止まり易くなり、収容空間2a内に飛散することを、より一層抑制できる。
図9に示す縁天面33の固着面及び非固着面の形状は、特に限定されない。例えば、縁天面33が、平坦状のベース面と、このベース面上の間隔を隔てた位置から別々に突出し、互いに略平行して延在する無端状の第1凸面及び第2凸面と、を備える構成であってもよい。かかる場合には、第1凸面及び第2凸面のうち外縁側の凸面が、固着面を構成してよい。また、第1凸面及び第2凸面のうち内縁側の凸面が、非固着面の挟み込み部を構成してよい。更に、第1凸面と第2凸面との溝が、非固着面の退避部を構成してよい。
更に、図10は、上述した押さえ部材16の変形例を示す図である。図10に示すように、押さえ部材16は、ケース部材10の側面の縁側面32を覆う側面カバー部63を備えてよい。換言すれば、図8に示す押さえ部材16は、断面L形状の部材であるのに対して、図10に示す押さえ部材16は、断面U形状の部材である。側面カバー部63は、天面カバー部61と連なり、内面カバー部62と対向して配置されている。より具体的に、図10に示す側面カバー部63は、縁部40の無端状の縁側面32を覆うように無端状に延在している。また、図10に示す側面カバー部63は、凹部21の深さ方向Dに沿う方向が幅方向となる帯状部により構成されている。側面カバー部63としての帯状部の長手方向は、無端状の縁側面32に沿う方向である。
また、図10に示すように、側面カバー部63は、内面カバー部62との間で、ケース部材10の縁部40及び膜体12を挟み込む。このようにすることで、内面カバー部62は、ケース部材10の縁部40における縁内面31との間に、膜体12を挟み込み易くなる。より具体的に、図10に示す例では、内面カバー部62が、縁内面31との間に、膜体12の膜本体部51の周縁部52側の近傍を挟み込み易くなる。上述したように、内面カバー部62が縁内面31との間に膜体12を挟み込むことで、収容空間2aに輸液Xが充填されて膜体12が凹部21の開口から突出するように変形しても、膜体12のうち内面カバー部62に覆われる部分は、より変形し難くなる。そのため、上述の遊離片が、収容空間2a内に飛散することを、より抑制できる。
更に、内面カバー部62及び側面カバー部63を、縁天面33に固定される前の膜体12の位置決め部として利用してもよい。つまり、内面カバー部62と側面カバー部63とでケース部材10の縁部40及び膜体12を挟み込むことで、縁天面33に固定される前の膜体12の周縁部52を、縁天面33を覆う状態で位置決めし易くなる。このように位置決めした状態で、ケース部材10の縁天面33、膜体12の周縁部52、及び、押さえ部材16の天面カバー部61を、例えば超音波融着により溶着し、一体化すればよい。この固定方法の詳細は後述する(図12、図13参照)
更に、縁天面33に固定される前の膜体12の位置決め部としては、図10に示す押さえ部材16の内面カバー部62及び側面カバー部63を利用する構成に限られない。図11は、縁天面33に固定される前の膜体12の位置決め部の別例を示す図である。図11に示す位置決め部は、突起部71と、受け部72と、を備える。図11に示す例では、ケース部材10の縁天面33が、突起部71を備えている。また、図11に示す例では、膜体12の周縁部52、及び、押さえ部材16の天面カバー部61には、突起部71に嵌合する受け部72としての貫通孔が形成されている。膜体12の周縁部52が縁天面33に固定される前の状態で、縁天面33の突起部71を、膜体12の周縁部52、及び、押さえ部材16の天面カバー部61それぞれに形成されている受け部72としての貫通孔に嵌合させる。これにより、縁天面33に固定される前の膜体12の周縁部52の、ケース部材10に対する位置決めを行うことができる。更に、図11に示す例では、縁天面33に固定される前の押さえ部材16の天面カバー部61の、ケース部材10に対する位置決めを行うことができる。このように、縁天面33に固定される前の膜体12の位置決め部として、突起部71及び受け部72を用いてもよい。
図11に示す突起部71は、ケース部材10に設けられているが、この構成に限られない。つまり、突起部71は、ケース部材10、膜体12、及び、押さえ部材16の少なくとも1つに備えられてよい。また、図11に示す受け部72は、膜体12及び押さえ部材16に設けられているが、この構成に限られない。つまり、受け部72は、ケース部材10、膜体12、及び、押さえ部材16のうち突起部71を備える上述の少なくとも1つ以外に、形成されてよい。このようにすることで、ケース部材10、膜体12、及び、押さえ部材16を容易に位置決めすることができる。但し、膜体12の周縁部52及び押さえ部材16の天面カバー部61を、縁天面33に重ねるように配置した上で、膜体12の周縁部52及び押さえ部材16の天面カバー部61を、縁天面33に溶着等により一体化する場合には、図11に示す構成が好ましい。つまり、図11に示すように、ケース部材10の縁天面33に突起部71を設け、膜体12の周縁部52及び押さえ部材16の天面カバー部61に受け部72を設けることが好ましい。このようにすることで、膜体12及び押さえ部材16をケース部材10に固定する固定作業の作業効率を高めることができる。
図11に示す突起部71及び受け部72は、縁天面33の延在方向に沿って、所定の間隔を隔てて複数設けられていることが好ましい。このようにすることで、ケース部材10、膜体12及び押さえ部材16の固定前の位置決め精度を、より高めることができる。また、図11では、受け部72として貫通孔を例示しているが、この構成に限られない。受け部72は、貫通しない窪みであってもよい。
最後に、図12、図13を参照して、輸液カートリッジ2の製造方法のうち、膜体12及び押さえ部材16をケース部材10に固定する固定方法について説明する。図12、図13では、図1~図8に示すケース部材10、膜体12及び押さえ部材16を用いて固定方法を説明するが、図9~図11に示すケース部材10、膜体12及び押さえ部材16についても同様の固定方法で固定することが可能であるため、ここでは説明を省略する。但し、図10及び図11に示す例については、上述した位置決め部を用いることで、以下に説明する位置決め精度を、より高めることができる。
図12は、ケース部材10に膜体12及び押さえ部材16を固定する前の状態を示す。図13は、ケース部材10に膜体12及び押さえ部材16を固定する固定作業の様子を示す図である。図13に示す固定作業が完了すると、図8に示す固定された状態となる。図12に示すケース部材10、膜体12及び押さえ部材16の外形は、図1~図7に示すケース部材10、膜体12及び押さえ部材16の外形と細部の形状が異なるが、ケース部材10、膜体12及び押さえ部材16との固定構造については同様である。
図12に示すように、まず、ケース部材10のケース本体11の凹部21の開口を、可撓性を有する膜体12で覆う。より具体的に、図12に示す例では、膜体12を、ケース部材10のケース本体11の凹部21内に配置する。このようにすることで、凹部21の開口を膜体12で覆うことができる。
その後、ケース部材10の凹部21の縁部40に沿って、この縁部40との間に膜体12を挟み込む押さえ部材16を配置する。これにより、膜体12を位置決めする。つまり、ケース部材10及び押さえ部材16に対する膜体12の位置を、位置決めすることができる。この状態で、押さえ部材16を、ケース部材10に固定し、ケース部材10と膜体12との間に、液密かつ機密な収容空間2a(図5等参照)を形成する。
より具体的に、図12に示す例では、ケース部材10の凹部21に膜体12が配置された状態で、押さえ部材16を、ケース部材10との間に膜体12を挟み込むように、ケース部材10に位置決めする。図12に示す押さえ部材16は、長手方向と直交する断面の外形がL形状の無端状の部材である。より具体的に、図12に示す押さえ部材16は、内面カバー部62を構成する無端筒部81aと、この無端筒部の一端から突出する、天面カバー部61を構成するフランジ部81bと、を備えている。そのため、図12に示す例では、押さえ部材16の無端筒部81aが、膜体12をケース部材10の縁内面31に押し付けるように、ケース部材10の凹部21内に内嵌めされる。これにより、押さえ部材16及び膜体12を、ケース部材10に位置決めすることができる。また、これにより、ケース部材10の縁天面33と、膜体12の周縁部52となる部分と、押さえ部材16の天面カバー部61となるフランジ部81bと、を固定前に位置合わせすることができる。
位置合わせした後は、図13に示すように、不図示の発振器からホーン90を介して超音波振動と圧力とを同時に加える。これにより、ケース部材10の縁天面33の凸面33b、膜体12の周縁部52となる部分、及び、押さえ部材16の天面カバー部61となるフランジ部81b、を溶融させ、これらを溶着により一体化する。これにより、ケース部材10と膜体12との間に、液密かつ気密な収容空間2aが形成される。このようにして、ケース部材10に、膜体12及び押さえ部材16を、容易に固定することができる。
本開示に係る輸液カートリッジ、輸液ポンプ及び輸液カートリッジの製造方法は、上述した実施形態に示す具体的な構成及びステップに限定されず、特許請求の範囲の記載を逸脱しない限り、種々の変形・変更・組み合わせが可能である。
例えば、輸液カートリッジ2のケース本体11は、単一の部材から構成されていてもよく、複数の部材から構成されていてもよい。ケース本体11は、例えば、凹部21を区画する箱体と、この箱体の側面に取り付けれ、管受け部30(図2参照)を構成する板体と、により構成されてよい。図12に示すケース本体11は、上述の板体の図示が省略されている。つまり、図12では、上述の箱体及び板体から構成されるケース本体11のうち箱体のみが示されている。また、ケース本体11は、上述の箱体及び板体の部分が単一部材で一体形成されている構成であってもよい。
また、上述した実施形態のケース部材10の縁部40の縁内面31及び縁側面32は、相互に平行する面であったが、この構成に限られない。縁内面31及び縁側面32は、例えば、縁天面33に近づくにつれて相互間の距離が漸減するように傾斜する傾斜面であってもよい。また、縁内面31及び縁側面32は、上記傾斜面に限られず、相互に平行しない別の面で構成されていてもよい。
本開示は、輸液カートリッジ、輸液ポンプ、及び、輸液カートリッジの製造方法、に関する。
1:ポンプ本体
2:輸液カートリッジ
2a:収容空間
3:充填口
4:通気口
5:通気フィルタ
10:ケース部材
11:ケース本体
11a:底板部
11b:側板部
11b1:第1板部
11b2:第2板部
11b3:第3板部
11b4:第4板部
12:膜体
13:蓋部
13a:天板部
13b:側板部
13b1:第1板部
13b2:第2板部
13b3:第3板部
14:管部
15:ヒンジ部
16:押さえ部材
18:筒部
19:キャップ部材
20:延設部
21:凹部
21a:底面
21b:側面
22:筒部
23:接続管部
30:管受け部
31:縁内面
32:縁側面
33:縁天面
33a:ベース面(非固着面の一例)
33b:凸面(固着面の一例)
33c:溝(非固着面の退避部の一例)
33d:内側天面(非固着面の挟み込み部の一例)
33e:外側天面(固着面の一例)
40:縁部
41:係止爪部
42:留め部
51:膜本体部
52:周縁部
61:天面カバー部
61a:固着部
61b:非固着部
62:内面カバー部
63:側面カバー部
71:突起部
72:受け部
81a:無端筒部
81b:フランジ部
90:ホーン
100:輸液ポンプ
120:表示部
130:操作部
131:早送りスイッチ
132:開始スイッチ
133:停止スイッチ
134:電源スイッチ
140:送液部
B:縁天面の幅方向
D:凹部の深さ方向
H:凸面のベース面からの突出高さ
X:輸液

Claims (12)

  1. 輸液を収容可能な収容空間を区画する輸液カートリッジであって、
    凹部が形成されているケース部材と、
    可撓性を有し、前記凹部の開口を覆い前記凹部との間で前記収容空間を区画する膜体と、
    前記ケース部材の前記凹部の縁部に沿って延在し、前記凹部の前記縁部との間で前記膜体を挟んだ状態で前記ケース部材に固定されている押さえ部材と、を備える、輸液カートリッジ。
  2. 前記縁部は、
    前記凹部内に面する縁内面と、
    前記縁内面と連なり、前記凹部外に面する縁天面と、を備え、
    前記押さえ部材は、前記縁部の前記縁天面との間に前記膜体を挟んだ状態で、前記縁天面に固定されている、請求項1に記載の輸液カートリッジ。
  3. 前記押さえ部材は、前記縁天面との間に前記膜体を挟んだ状態で、前記縁天面に固着されている、請求項2に記載の輸液カートリッジ。
  4. 前記ケース部材の前記縁天面、前記膜体、及び、前記押さえ部材は溶着により一体化している、請求項3に記載の輸液カートリッジ。
  5. 前記押さえ部材は、前記縁部の前記縁天面を覆う天面カバー部を備え、
    前記天面カバー部は、
    前記縁天面との間に前記膜体を挟んだ状態で、前記縁天面及び前記膜体と溶着により一体化している固着部と、
    前記固着部より前記凹部側に位置し、前記縁天面との間に前記膜体を挟んだ状態で、前記縁天面及び前記膜体と溶着により一体化していない非固着部と、を備える、請求項4に記載の輸液カートリッジ。
  6. 前記縁天面は、
    前記天面カバー部の前記固着部との間に前記膜体を挟んだ状態で、前記固着部及び前記膜体と溶着により一体化している固着面と、
    前記天面カバー部の前記非固着部との間に前記膜体を挟んだ状態で、前記非固着部及び前記膜体と溶着により一体化していない非固着面と、を備え、
    前記非固着面は、
    前記非固着部との間に前記膜体を挟み込む挟み込み部と、
    前記固着面と前記挟み込み部との間に位置し、前記非固着部との間に前記膜体を挟み込まずに前記膜体から離間する退避部と、を備える、請求項5に記載の輸液カートリッジ。
  7. 前記押さえ部材は、前記天面カバー部と連なり、前記膜体を間に挟んだ状態で前記縁部の前記縁内面を覆う内面カバー部を備える、請求項5又は6に記載の輸液カートリッジ。
  8. 前記内面カバー部は、前記縁内面との間に前記膜体を挟み込んでいる、請求項7に記載の輸液カートリッジ。
  9. 前記ケース部材は、前記縁部の前記縁天面に連なり、前記縁内面の裏側に位置する側面を備え、
    前記押さえ部材は、前記天面カバー部と連なり、前記内面カバー部と対向して配置されており、前記ケース部材の前記側面を覆う側面カバー部を備え、
    前記内面カバー部は、前記側面カバー部との間で、前記ケース部材及び前記膜体を挟み込むことで、前記ケース部材の前記縁部における前記縁内面との間に、前記膜体を挟み込んでいる、請求項8に記載の輸液カートリッジ。
  10. 前記ケース部材、前記膜体、及び、前記押さえ部材の少なくとも1つは、突起部を備え、
    前記ケース部材、前記膜体、及び、前記押さえ部材の前記少なくとも1つ以外には、前記突起部に嵌合する窪み又は貫通孔からなる受け部が形成されている、請求項1から9のいずれか1つに記載の輸液カートリッジ。
  11. 請求項1から10のいずれか1つに記載の輸液カートリッジと、
    前記輸液カートリッジに取り付けられるポンプ本体と、を備える輸液ポンプ。
  12. 輸液を収容可能な収容空間を区画する輸液カートリッジの製造方法であって、
    ケース部材の凹部の開口を、可撓性を有する膜体で覆い、
    前記ケース部材の前記凹部の縁部に沿って、前記凹部の前記縁部との間に前記膜体を挟む押さえ部材を配置することで前記膜体を位置決めした状態で、前記押さえ部材を前記ケース部材に固定し、前記収容空間を形成する、輸液カートリッジの製造方法。
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