JP2023025511A - 積層膜 - Google Patents

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Abstract

【課題】剛性と加工性とに優れる積層膜を提供する。【解決手段】積層膜は、ポリオレフィン微多孔膜と多孔質支持層とを有し、ポリオレフィン微多孔膜と多孔質支持層とが、熱可塑性樹脂を含む散在する接着部で接着されており、多孔質支持層の目付が50g/m2~150g/m2である。【選択図】図1

Description

本開示は、積層膜に関する。
特許文献1には、濾過メディアに使用可能な多孔質ポリエチレン製メンブレンが開示されている。
特許文献2には、医療用滅菌包装材料に用いる、ポリオレフィン系多孔フィルムとポリオレフィン系繊維層とを有する多孔性積層体が開示されている。
特許文献3には、工業用液体濾過フィルターとして有用な、ポリオレフィン不織布とポリオレフィン微多孔膜とを熱カレンダーにより一体化したポリオレフィン樹脂製積層フィルターが開示されている。
特許文献4には、オレフィン系多孔質フィルムと通気性補強材をホットメルト接着剤で接合する複合シートの製造方法が開示されている。
特表2011-512252号公報 特開2015-163465号公報 特開平11-179120号公報 特開2008-114530号公報
従来、ポリオレフィン微多孔膜と多孔質支持層とを積層した積層膜に剛性と加工性とを両立させることは難しかった。
本開示は、剛性と加工性とに優れる積層膜を提供することを課題とする。
前記課題を解決するための具体的手段には、以下の態様が含まれる。
<1> ポリオレフィンを含む微多孔膜と、ポリエステル繊維構造体である多孔質支持層と、を有し、前記微多孔膜と前記多孔質支持層とが、熱可塑性樹脂を含む散在する接着部で接着されており、前記多孔質支持層の目付が50g/m~150g/mである、積層膜。
<2> 前記微多孔膜がポリエチレンを含む、<1>に記載の積層膜。
<3> 前記微多孔膜の平均厚さが10μm~110μmである、<1>又は<2>に記載の積層膜。
<4> 前記多孔質支持層の嵩密度が0.2g/cm~0.5g/cmである、<1>~<3>のいずれか1つに記載の積層膜。
<5> 三次元立体形状を有するエアフィルタに用いるための、<1>~<4>のいずれか1つに記載の積層膜。
本開示によれば、剛性と加工性とに優れる積層膜が提供される。
積層膜の実施形態の一例を示す断面図である。 積層膜の実施形態の別の一例を示す断面図である。
以下に、本開示の実施形態について説明する。これらの説明及び実施例は実施形態を例示するものであり、実施形態の範囲を制限するものではない。
本開示において「~」を用いて示された数値範囲は、「~」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。
本開示中に段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本開示中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本開示において「工程」との語は、独立した工程だけでなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
本開示において組成物中の各成分の量について言及する場合、組成物中に各成分に該当する物質が複数種存在する場合には、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の物質の合計量を意味する。
本開示において、MD(Machine Direction)とは、長尺状に製造される膜及び積層膜において長尺方向を意味し、TD(transverse direction)とは、膜及び積層膜の面方向においてMDに直交する方向を意味する。本開示において、TDを「幅方向」ともいう。
本開示において、積層膜に対して、気体又は液体が流入する側を「上流」といい、気体又は液体が流出する側を「下流」という。
本開示において、ポリオレフィンを含む微多孔膜を「ポリオレフィン微多孔膜」という。
本開示において「多孔質支持層」は「ポリオレフィン微多孔膜」を含まない。「多孔質支持層」は「ポリオレフィン微多孔膜」以外のシート状の物体である。
<積層膜>
本開示の積層膜は、ポリオレフィン微多孔膜と、ポリエステル繊維構造体である多孔質支持層とを有し、ポリオレフィン微多孔膜と多孔質支持層とが、熱可塑性樹脂を含む散在する接着部で接着されており、多孔質支持層の目付が50g/m~150g/mである。
本開示の積層膜は、ポリオレフィン微多孔膜と多孔質支持層とが熱可塑性樹脂を含む接着部で接着されている。熱可塑性樹脂は熱印加によって溶融してポリオレフィン微多孔膜と多孔質支持層とを接着するので、熱カレンダー処理を行ってポリオレフィン微多孔膜と多孔質支持層を直接接着する場合に比べて、ポリオレフィン微多孔膜及び多孔質支持層の多孔質構造を閉塞させにくい。
そして、本開示の積層膜は、ポリオレフィン微多孔膜と多孔質支持層とが散在する接着部で接着されていることにより、積層膜の通気性が良好である。
本開示の積層膜は、多孔質支持層の目付が150g/m以下である。多孔質支持層の目付が150g/m超である積層膜は、単位面積当たりに含まれる材料が多いため、十分な加工性(折り曲げ、熱溶着等)が得られない。本開示の積層膜は、加工性に優れる観点から、多孔質支持層の目付が150g/m以下であり、120g/m以下が好ましく、100g/m以下がより好ましい。
本開示の積層膜は、多孔質支持層の目付が50g/m以上である。多孔質支持層の目付が50g/m未満である積層膜は、単位面積当たりに含まれる材料が少ないため、十分な剛性が得られない。本開示の積層膜は、多孔質支持層の剛性が高い観点から、多孔質支持層の目付が50g/m以上であり、55g/m以上が好ましく、60g/m以上がより好ましい。
[積層膜の用途]
本開示の積層膜は、気体又は液体を流通させて粒子を分離する用途に好適であり、粒子の中でも特に生物学的粒子を分離する用途に好適である。
本開示でいう生物学的粒子(biological particle)には、生物が有する粒子、生物が放出する粒子、生物に寄生する粒子、微小な生物、脂質を膜とする小胞、これらの断片が含まれる。本開示でいう生物学的粒子には、ウイルス、ウイルスの一部(例えば、エンベロープを有するウイルスからエンベロープを除去した粒子)、バクテリオファージ、バクテリア、芽胞、胞子、菌類、カビ、酵母、シスト、原生動物、単細胞性藻類、植物細胞、動物細胞、培養細胞、ハイブリドーマ、腫瘍細胞、赤血球、白血球(例えば、リンパ球、単球、顆粒球)、血小板、細胞小器官(例えば、細胞核、ミトコンドリア、小胞)、エクソソーム、アポトーシス小体、脂質二重層の粒子、脂質一重層の粒子、リポソーム、酵素、酵素の凝集体、タンパク質、タンパク質の凝集体、及びこれらの断片が含まれる。本開示でいう生物学的粒子には、人工物も含まれる。
本開示の積層膜が分離対象とする粒子の大きさに制限はない。粒子の直径又は長軸長は、例えば、1nm以上であり、5nm以上であり、10nm以上であり、20nm以上であり、例えば、100μm以下であり、50μm以下であり、10μm以下であり、5μm以下である。
本開示の積層膜が分離対象とする粒子としては、ナノオーダーの大きさの粒子が好適である。この場合、粒子の直径又は長軸長は、100nm以上が好適であり、200nm以上がより好適であり、300nm以上が更に好適であり、5μm以下が好適であり、4μm以下がより好適であり、3μm以下が更に好適である。
上記の大きさを有する粒子としては、例えば、バクテリアが挙げられる。
本開示の積層膜は、エアフィルタ用の濾材として好適である。エアフィルタは、例えば、防塵マスク、医療用マスク、粗塵エアフィルタ、中性能エアフィルタ、高性能エアフィルタ、又は超高性能エアフィルタである。
本開示の積層膜の用途は、エアフィルタ用の濾材に限定されない。本開示の積層膜の用途として、機能性粒子を捕捉するための袋状体が挙げられる。捕捉対象の機能性粒子として、例えば、生物学的粒子、樹脂粒子、金属粒子、鉱物粒子、セラミックス粒子;医薬品、食品、酵素、触媒、微生物、ガス吸収剤、除湿剤、消臭剤、発熱剤;などが挙げられる。
袋状体は、例えば、所定の形状及び寸法に裁断された積層膜を折り曲げたり重ね合わせたりした後、重なった積層膜の外周縁の一部または全部を接着して製造する。
本開示の積層体は、種々の形状のエアフィルタに用いることができ、例えば、三次元立体形状(例えば、プリーツ状、袋状等)を有するエアフィルタに好適に用いることができる。
[積層膜の層構成]
本開示の積層膜は、少なくとも1層のポリオレフィン微多孔膜と、少なくとも1層の多孔質支持層とを有している。本開示の積層膜は、ポリオレフィン微多孔膜を複数層有していてもよく、多孔質支持層を複数層有していてもよい。本開示の積層膜は、好ましくは1層のポリオレフィン微多孔膜の片面に多孔質支持層が積層された層構成からなる積層膜である。本開示の積層膜は、ポリオレフィン微多孔膜及び多孔質支持層とは異なる他の層を有していてもよい。
本開示の積層膜の層構成を、図面を参照しながら説明する。各図面において同一の符号を用いて示される構成要素は、同一又は類似の構成要素であることを意味する。各図における部材の大きさは概念的なものであり、部材間の大きさの相対的な関係はこれに限定されない。本開示の積層膜の構成は図面に示された構成に限定されない。
図1は、積層膜の実施形態の一例を示す断面図である。図1に示す積層膜10Aは、ポリオレフィン微多孔膜20と、多孔質支持層30とを有する。ポリオレフィン微多孔膜20の一方の面上に多孔質支持層30が配置されている。
積層膜10Aにおいて、ポリオレフィン微多孔膜20と多孔質支持層30とは、接着部40によって接着されている。接着部40は、ポリオレフィン微多孔膜20と多孔質支持層30の境界面に散在している。境界面を平面視したとき、接着部40は、例えば、点状、線状、格子状、網状に散在している。接着部40は、熱可塑性樹脂を含む。接着部40は、熱可塑性樹脂のみを含むことが好ましい。
積層膜10Aは、流体中の分離対象を分離するための使用時に、ポリオレフィン微多孔膜20が上流側であり、多孔質支持層30が下流側であることが好ましい。
積層膜10Aは、一方又は両方の露出面の辺縁に、補強層、接着層、保護層などを有していてもよい。
積層膜10Aを1ユニットとし、このユニットが複数個重なって多重積層膜を構成していてもよく、この多重積層膜は本開示の積層膜の実施形態の一例である。
図2は、積層膜の実施形態の別の一例を示す断面図である。図2に示す積層膜10Bは、ポリオレフィン微多孔膜20と、多孔質支持層30aと、多孔質支持層30bとを有する。ポリオレフィン微多孔膜20の一方の面上に多孔質支持層30aが配置され、ポリオレフィン微多孔膜20のもう一方の面上に多孔質支持層30bが配置されている。多孔質支持層30aと多孔質支持層30bとは、素材、厚さ、空孔率、目付などにおいて、同じ種類の多孔質支持層でもよく、別の種類の多孔質支持層でもよい。
積層膜10Bにおいて、ポリオレフィン微多孔膜20と多孔質支持層30aとは、接着部40aによって接着されており、ポリオレフィン微多孔膜20と多孔質支持層30bとは、接着部40bによって接着されている。接着部40aは、ポリオレフィン微多孔膜20と多孔質支持層30aの境界面に散在している。接着部40bは、ポリオレフィン微多孔膜20と多孔質支持層30bの境界面に散在している。境界面を平面視したとき、接着部40a及び接着部40bはそれぞれ、例えば、点状、線状、格子状、網状に散在している。接着部40a及び接着部40bは、熱可塑性樹脂を含む。接着部40a及び接着部40bは、熱可塑性樹脂のみを含むことが好ましい。接着部40aと接着部40bとは、熱可塑性樹脂の種類において、同じ種類の接着部でもよく、別の種類の接着部でもよい。接着部40aと接着部40bとは、散在する形態において、同じ種類の接着部でもよく、別の種類の接着部でもよい。
積層膜10Bは、一方又は両方の露出面の辺縁に、補強層、接着層、保護層などを有していてもよい。
積層膜10Bを1ユニットとし、このユニットが複数個重なって多重積層膜を構成していてもよく、この多重積層膜は本開示の積層膜の実施形態の一例である。
以下、本開示の積層膜が有する各層の詳細を説明する。
[ポリオレフィン微多孔膜]
本開示において微多孔膜とは、内部に多数の微細孔を有し且つ微細孔が連結された構造を有し、一方の面から他方の面へと気体又は液体が通過可能である膜を意味する。
ポリオレフィン微多孔膜は、ポリオレフィンのフィブリルからなる三次元網目構造を有することが好ましい。
ポリオレフィン微多孔膜に含まれるポリオレフィンとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリメチルペンテン、ポリプロピレンとポリエチレンとの共重合体等が挙げられる。これらの中でも、ポリエチレンが好ましく、高密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンと超高分子量ポリエチレンの混合物等が好適である。
ポリオレフィン微多孔膜の実施形態の一例として、含まれるポリオレフィンがポリエチレンのみであるポリエチレン微多孔膜が挙げられる。
ポリオレフィン微多孔膜の実施形態の一例として、高温に曝されたときに容易に破膜しない耐熱性を備える観点から、ポリプロピレンを含む微多孔膜が挙げられる。
ポリオレフィン微多孔膜の実施形態の一例として、少なくともポリエチレンとポリプロピレンとが混合して含まれているポリオレフィン微多孔膜が挙げられる。
ポリオレフィン微多孔膜の実施形態の一例として、2層以上の積層構造を備え、少なくとも1層はポリエチレンを含有し、少なくとも1層はポリプロピレンを含有するポリオレフィン微多孔膜が挙げられる。
ポリオレフィン微多孔膜の平均厚さは、ポリオレフィン微多孔膜の強度を向上させる観点から、10μm以上が好ましく、12μm以上がより好ましく、14μm以上が更に好ましい。
ポリオレフィン微多孔膜の厚さは、加工性を高める観点から、110μm以下が好ましく、105μm以下がより好ましく、100μm以下が更に好ましく、90μm以下が更により好ましい。
ポリオレフィン微多孔膜の厚さは、接触式の膜厚計にて20点を測定し、これを平均することで求める。
ポリオレフィン微多孔膜の実施形態の一例として、親水化処理されたポリオレフィン微多孔膜が挙げられる。親水化処理されたポリオレフィン微多孔膜としては、例えば、表面が親水性化合物(例えば、エチレン-ビニルアルコール共重合体)で被覆されたポリオレフィン微多孔膜;親水性基を有するモノマーを表面に重合させたポリオレフィン微多孔膜;プラズマ処理又はコロナ処理を施したポリオレフィン微多孔膜;などが挙げられる。積層後に積層膜全体に親水化処理が施されていてもよい。
[ポリオレフィン微多孔膜の製造方法]
ポリオレフィン微多孔膜は、例えば、下記の工程(I)~(IV)を含む製造方法で製造することができる。
工程(I):ポリオレフィン組成物と大気圧における沸点が210℃未満の揮発性の溶剤とを含む溶液を調製する工程。
工程(II):前記溶液を溶融混練し、得られた溶融混練物をダイから押し出し、冷却固化して第一のゲル状成形物を得る工程。
工程(III):前記第一のゲル状成形物を少なくとも一方向に延伸(一次延伸)し且つ溶剤の乾燥を行い第二のゲル状成形物を得る工程。
工程(IV):前記第二のゲル状成形物を少なくとも一方向に延伸(二次延伸)する工程。
工程(I)は、ポリオレフィン組成物と大気圧における沸点が210℃未満の揮発性の溶剤とを含む溶液を調製する工程である。前記溶液は、好ましくは熱可逆的ゾルゲル溶液であり、ポリオレフィン組成物を溶剤に加熱溶解させることによりゾル化させ、熱可逆的ゾルゲル溶液を調製する。大気圧における沸点が210℃未満の揮発性の溶剤としてはポリオレフィンを十分に溶解できる溶剤であれば特に限定されない。前記揮発性の溶剤としては、例えば、テトラリン(206℃~208℃)、エチレングリコール(197.3℃)、デカリン(デカヒドロナフタレン、187℃~196℃)、トルエン(110.6℃)、キシレン(138℃~144℃)、ジエチルトリアミン(107℃)、エチレンジアミン(116℃)、ジメチルスルホキシド(189℃)、ヘキサン(69℃)等が挙げられ、デカリン又はキシレンが好ましい(括弧内の温度は、大気圧における沸点である。)。前記揮発性の溶剤は、単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
工程(I)に使用するポリオレフィン組成物(本開示において、2種以上のポリオレフィンを含むポリオレフィンの混合物を意味し、含まれるポリオレフィンがポリエチレンのみである場合はポリエチレン組成物という。)は、ポリエチレンを含むことが好ましく、ポリエチレン組成物であることがより好ましい。
工程(I)において調製する溶液は、ポリオレフィン微多孔膜の多孔質構造を制御する観点から、ポリオレフィン組成物の濃度が10質量%~40質量%であることが好ましく、15質量%~35質量%であることがより好ましい。ポリオレフィン組成物の濃度が10質量%以上であると、ポリオレフィン微多孔膜の製膜工程において切断の発生を抑制することができ、また、ポリオレフィン微多孔膜の力学強度が高まりハンドリング性が向上する。ポリオレフィン組成物の濃度が40質量%以下であると、ポリオレフィン微多孔膜の空孔が形成されやすい。
工程(II)は、工程(I)で調製した溶液を溶融混練し、得られた溶融混練物をダイから押し出し、冷却固化して第一のゲル状成形物を得る工程である。工程(II)は、例えば、ポリオレフィン組成物の融点~融点+65℃の温度範囲においてダイから押し出して押出物を得、次いで前記押出物を冷却して第一のゲル状成形物を得る。第一のゲル状成形物はシート状に賦形することが好ましい。冷却は、水又は有機溶媒への浸漬によって行ってもよいし、冷却された金属ロールへの接触によって行ってもよく、一般的には工程(I)に使用した揮発性の溶剤への浸漬によって行われる。
工程(III)は、第一のゲル状成形物を少なくとも一方向に延伸(一次延伸)し且つ溶剤の乾燥を行い第二のゲル状成形物を得る工程である。工程(III)の延伸工程は、二軸延伸が好ましく、縦延伸と横延伸とを別々に実施する逐次二軸延伸でもよく、縦延伸と横延伸とを同時に実施する同時二軸延伸でもよい。一次延伸の延伸倍率(縦延伸倍率と横延伸倍率の積)は、ポリオレフィン微多孔膜の多孔質構造を制御する観点から、1.1倍~3倍が好ましく、1.1倍~2倍がより好ましい。一次延伸の延伸時の温度は75℃以下が好ましい。工程(III)の乾燥工程は第二のゲル状成形物が変形しない温度であれば特に制限なく実施されるが、60℃以下で行われることが好ましい。
工程(III)の延伸工程と乾燥工程とは、同時に行ってもよく、段階的に行ってもよい。例えば、予備乾燥しながら一次延伸し、次いで本乾燥を行ってもよいし、予備乾燥と本乾燥との間に一次延伸を行ってもよい。一次延伸は、乾燥を制御し、溶剤を好適な状態に残存させた状態でも行うことができる。
工程(IV)は、第二のゲル状成形物を少なくとも一方向に延伸(二次延伸)する工程である。工程(IV)の延伸工程は、二軸延伸が好ましい。工程(IV)の延伸工程は、縦延伸と横延伸とを別々に実施する逐次二軸延伸;縦延伸と横延伸とを同時に実施する同時二軸延伸;縦方向に複数回延伸した後に横方向に延伸する工程;縦方向に延伸し横方向に複数回延伸する工程;逐次二軸延伸した後にさらに縦方向及び/又は横方向に1回又は複数回延伸する工程;のいずれでもよい。
二次延伸の延伸倍率(縦延伸倍率と横延伸倍率の積)は、ポリオレフィン微多孔膜の多孔質構造を制御する観点から、好ましくは5倍~90倍であり、より好ましくは10倍~60倍である。二次延伸の延伸温度は、ポリオレフィン微多孔膜の多孔質構造を制御する観点から、90℃~135℃が好ましく、90℃~130℃がより好ましい。
工程(IV)に次いで熱固定処理を行ってもよい。熱固定温度は、ポリオレフィン微多孔膜の多孔質構造を制御する観点から、110℃~160℃が好ましく、120℃~150℃がより好ましい。
熱固定処理の後にさらに、ポリオレフィン微多孔膜に残存している溶媒の抽出処理とアニール処理とを行ってもよい。残存溶媒の抽出処理は、例えば、熱固定処理後のシートを塩化メチレン浴に浸漬させて、塩化メチレンに残存溶媒を溶出させることにより行う。塩化メチレン浴に浸漬したポリオレフィン微多孔膜は、塩化メチレン浴から引き揚げた後、塩化メチレンを乾燥によって除去することが好ましい。アニール処理は、残存溶媒の抽出処理の後に、ポリオレフィン微多孔膜を例えば100℃~140℃に加熱したローラー上を搬送することで行う。
工程(I)~(IV)の各条件を制御することにより、ポリオレフィン微多孔膜のガーレ値及び空孔率を調整する。
[多孔質支持層]
多孔質支持層は、積層膜の強度を担保するための層であり、ポリエステル繊維構造体である。多孔質支持層は、内部に空孔又は空隙を有し、一方の面から他方の面へと気体又は液体が通過可能な層である。
多孔質支持層の嵩密度は、多孔質支持層の剛性を向上させて、積層膜の剛性を高める観点から、0.2g/cm以上が好ましく、0.25g/cm以上がより好ましく、0.3g/cm以上が更に好ましい。
多孔質支持層の嵩密度は、多孔質支持層の加工性を向上させて、積層膜の加工性を高めるに優れる観点から、0.5g/cm以下が好ましく、0.48g/cm以下がより好ましく、0.45g/cm以下が更に好ましい。
多孔質支持層1層の厚さは、多孔質支持層の剛性を向上させて、積層膜の剛性を高める観点から、100μm以上が好ましく、120μm以上がより好ましく、140μm以上が更に好ましい。
多孔質支持層1層の厚さは、多孔質支持層の加工性を向上させて、積層膜の加工性を高める観点から、240μm以下が好ましく、220μm以下がより好ましく、200μm以下が更に好ましい。
多孔質支持層の厚さは、膜厚計にて20点を測定し、これを平均することで求める。
不織布の製造方法として、繊維ウェブを形成し、繊維ウェブ内の繊維を結合させて不織布を得る製造方法が挙げられる。繊維ウェブの製造方法としては、例えば、カード法、エアレイ法、スパンボンド法、メルトブロー法等の乾式法;湿式抄紙法等の湿式法;静電紡糸法;などが挙げられる。湿式法は、繊維を水中に分散して均一な抄紙スラリーとし、この抄紙スラリーを材料にして、円網式、長網式、傾斜式等の抄紙方式の少なくとも1つを有する抄紙機を用いて繊維ウェブを得る方法である。繊維ウェブから不織布を製造する方法では、接着、融着及び絡合からなる群から選ばれる繊維結合方法によって、繊維を結合させる。不織布を加熱された金属ロールと弾性ロールとの間を通過させて、加熱加圧処理(熱カレンダー処理)を施すことも好ましい。
織編物の製造方法としては、一般的な熱可塑性繊維で実施されているように、フィラメント又は紡績糸から一般的な手法にて織編を行う。
[接着部]
ポリオレフィン微多孔膜と多孔質支持層とは、熱可塑性樹脂を含む接着部で接着されている。熱可塑性樹脂を含む接着部は、ポリオレフィン微多孔膜と多孔質支持層の境界面に散在している。ポリオレフィン微多孔膜と多孔質支持層の境界面に接着部が散在していることにより、積層膜の通気性が担保される。また、ポリオレフィン微多孔膜と多孔質支持層の境界面に接着部が散在していることにより、境界面において粒子が目詰まりを起こすことが抑制される。
本開示において、「散在する」とは、接着部を構成する熱可塑性樹脂が、微多孔膜と多孔質支持層との間において、微多孔膜の全面を覆わない状態で、連続的又は非連続的に分散して存在している状態である。例えば、熱可塑性樹脂が点状、線状、繊維状、帯状、格子状、網状、又は3次元ネットワーク状等の形態で存在し、これらが熱融着及び/又は加圧により変形した形態をも含むものである。
接着部は、熱可塑性樹脂を含み、熱可塑性樹脂のみを含むことが好ましい。すなわち、接着部は熱可塑性樹脂からなることが好ましい。
接着部に含まれる熱可塑性樹脂の融点は、ポリオレフィン微多孔膜に含まれるポリオレフィンの融点より低いことが好ましい。多孔質支持層が樹脂を含む場合は、接着部に含まれる熱可塑性樹脂の融点は、多孔質支持層に含まれる樹脂の融点より低いことが好ましい。
接着部に含まれる熱可塑性樹脂の融点は、流通させる気体又は液体の温度によって接着部が変形したり、接着部に含まれる成分が溶出したりすることを抑制する観点から、50℃以上が好ましく、60℃以上がより好ましく、70℃以上が更に好ましい。
接着部に含まれる熱可塑性樹脂の融点は、ポリオレフィン微多孔膜と多孔質支持層とを接着するために印加する熱の温度を抑え、ポリオレフィン微多孔膜及び多孔質支持層の変形を抑制する観点から、130℃以下が好ましく、125℃以下がより好ましく、120℃以下が更に好ましい。
熱可塑性樹脂の融点は、JIS K7121:1987「プラスチックの転移温度測定方法」に従って得たDSC(Differential Scanning Calorimetry)曲線の「融解ピーク温度」である。
接着部に含まれる熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン、ポリエステル、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール等の樹脂が挙げられる。中でも、少なくともポリオレフィン微多孔膜と良好な接合状態を形成する観点から、ポリオレフィンが好ましい。ポリオレフィンとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリメチルペンテン、ポリプロピレンとポリエチレンとの共重合体等が挙げられる。接着部に含まれる熱可塑性樹脂は、ポリオレフィン微多孔膜に含まれるポリオレフィンと同じ種類のポリオレフィンであることが好ましい。例えば、ポリオレフィン微多孔膜がポリエチレン微多孔膜である場合、接着部に含まれる熱可塑性樹脂はポリエチレンであることが好ましい。
ポリオレフィン微多孔膜と多孔質支持層の境界面を平面視したとき、接着部は、例えば、点状、線状、格子状、網状に散在している。接着部は、目視で確認できてもできなくてもよい。
接着部が点状であるとき、接着部の個数は、10cm四方当たり3,000個~15,000個であることが好ましい。
ポリオレフィン微多孔膜と多孔質支持層の境界面を平面視したとき、接着部の総面積は、境界面の面積に対して、5%~80%であることが好ましい。
接着部は、後述のように、例えば、粒子状、線状又は繊維状の熱可塑性樹脂を溶融させることにより形成することができる。溶着部は、例えば、熱可塑性樹脂の粉体(パウダー)、棒状物又は棒状物を複数結合したシート(例えば、格子状、網状等の孔を有する多孔シート)、ウェブ状又メッシュ状のシート等をポリオレフィン微多孔膜と多孔質支持層との間に配置溶融させることにより形成することができる。
[積層膜の製造方法]
本開示の積層膜は、例えば、下記の工程(a)~(c)を含む製造方法によって製造される。
工程(a):積層膜に含まれる第一の層の一方の面上に、熱可塑性樹脂を散在させて配置する工程。
工程(b):第一の層の面上に散在した熱可塑性樹脂の上に、積層膜に含まれる第二の層を重ね、積層体を作る工程。
工程(c):加熱装置に積層体を通過させ、熱可塑性樹脂を溶かし、第一の層と第二の層とを接着する工程。
第一の層は、ポリオレフィン微多孔膜及び多孔質支持層のいずれかである。第一の層がポリオレフィン微多孔膜である場合、第二の層は多孔質支持層であり、第一の層が多孔質支持層である場合、第二の層はポリオレフィン微多孔膜である。
工程(a)及び工程(b)は、積層膜の層数に応じて1回又は複数回行う。例えば、積層膜が3層からなる場合、1回目の工程(b)における第二の層が、2回目の工程(a)における第一の層である。
工程(a)において用いる熱可塑性樹脂は、第一の層と第二の層とを接着する接着剤として機能する。工程(a)において用いる熱可塑性樹脂は、粒子状、線状又は繊維状であることが好ましい。
熱可塑性樹脂の使用量は、第一の層の表面に対して、1g/m~20g/mであることが好ましい。
熱可塑性樹脂が第一の層の表面を覆う被覆率は、5%~80%であることが好ましい。
工程(c)における加熱装置は、例えば、加熱加圧ロール;加熱ロールと加圧ロール;加圧ロールを備えた加熱炉;である。
加熱装置の温度は、接着剤として機能する熱可塑性樹脂の融点-10℃より高く、且つ、ポリオレフィン微多孔膜に含まれるポリオレフィンの融点+10℃より低いことが好ましい。多孔質支持層が樹脂を含む場合は、加熱装置の温度は、多孔質支持層に含まれる樹脂の融点より低いことが好ましい。加熱装置の温度は、50℃~140℃が好ましく、60℃~135℃がより好ましく、70℃~130℃が更に好ましい。加熱装置による熱印加の時間は、接着剤として機能する熱可塑性樹脂が十分に溶融する時間とする。
加熱装置がロール部材を備える場合は、ロール部材が印加する圧力を、ポリオレフィン微多孔膜の多孔質構造を閉塞させない範囲に設定する。
以下に実施例を挙げて、本開示の積層膜をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理手順等は、本開示の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本開示の積層膜の範囲は、以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきではない。
以下の説明において、合成、処理、製造などは、特に断りのない限り、室温(25℃±3℃)で行った。
<測定方法、評価方法>
実施例及び比較例に適用した測定方法及び評価方法は、以下のとおりである。
[ポリオレフィン微多孔膜の平均厚さ]
ポリオレフィン微多孔膜の平均厚さは、接触式の膜厚計(株式会社ミツトヨ)にて20点測定し、これを平均することで求めた。接触端子は底面が直径0.5cmの円柱状の端子を用いた。測定圧は0.1Nとした。
[多孔質支持層の目付]
多孔質支持層の目付は、積層前の多孔質支持層を10cm×10cmの正方形に切り出した試料の質量を測定し、試料の質量を面積(100cm)で割ることで求めた。
[多孔質支持層の嵩密度]
多孔質支持層の嵩密度は、積層前の多孔質支持層を10cm×10cmの正方形に切り出した試料の質量及び厚さを測定し、試料の質量を厚さ及び面積(100cm)で割ることで求めた。厚さは、Digimatic Micrometer(株式会社ミツトヨ、型番:MDC-25MJ)にて20点測定し、これを平均することで求めた。
[融点]
JIS K7121:1987「プラスチックの転移温度測定方法」に従って得たDSC(Differential Scanning Calorimetry)曲線の「融解ピーク温度」を融点とした。
[重量平均分子量]
ポリオレフィン微多孔膜を構成するポリオレフィン及びポリエチレンの重量平均分子量は、ポリオレフィン微多孔膜をo-ジクロロベンゼン中に加熱溶解し、ゲル浸透クロマトグラフィー(システム:Waters社製 Alliance GPC 2000型、カラム:GMH6-HT及びGMH6-HTL)により、カラム温度140℃、流速1.0mL/分の条件にて測定を行うことで得た。分子量の校正には分子量単分散ポリスチレン(東ソー社製)を用いた。
[剛性]
積層膜から10cm×10cmの試験片を切り出した。試験片から一辺を選択し、上記一辺の端から2cmの間の領域(寸法:10cm×2cmの寸法)を水平な台の上面に固定して、重りで押さえた。台に固定されていない積層膜の領域(寸法:10cm×8cm)を、台の上面に平行な方向から観察した。台の上面を通る面から、上記一辺の対辺までの垂直距離(すなわち、台からはみ出た積層膜の垂れ下がりに相当)を測定した。
評価基準は以下の通りである。実用レベルはA及びBであり、剛性に優れると判定した。
-評価基準-
A:上記垂直距離が20mm以下である。
B:上記垂直距離が20mm超50mm以下である。
C:上記垂直距離が50mm超である。
[加工性]
積層膜から6cm×6.5cmの試験片を切り出した。多孔質支持層が上面になるように置いて試験片の6.5cmの辺を、6.0cmの辺の一つの端から3cmの位置で谷折りにし、多孔質支持層同士が接するようにした。折り曲げられて重なった3cmの辺の一つの端から0.5cmの位置をポリオレフィン微多孔膜の上から150℃のはんだごてで押さえ、離した時の積層膜の状態を観察した。
評価基準は以下の通りである。実用レベルはA及びBであり、加工性に優れると判定した。
-評価基準-
A:3秒間押さえた時、積層膜同士が溶着されている。
B:3秒間~4秒間押さえた時、積層膜同士が離れるが、5秒間押さえた時、積層膜同士が溶着されている。
C:5秒間押さえた時、積層膜同士が離れる。
<積層膜の製造>
[実施例1]
-ポリエチレン微多孔膜の作製-
重量平均分子量460万の超高分子量ポリエチレン(以下「UHMWPE」という。)12.5質量部と、重量平均分子量56万且つ密度950kg/mの高密度ポリエチレン(以下「HDPE」という。)12.5質量部とを混合したポリエチレン組成物を用意した。ポリマー濃度が25質量%となるようにポリエチレン組成物とデカリンとを混合しポリエチレン溶液を調製した。
上記のポリエチレン溶液を温度150℃でダイからシート状に押出し、次いで押出物を水温20℃の水浴中で冷却し、第一のゲル状シートを得た。
第一のゲル状シートを70℃の温度雰囲気下にて10分間予備乾燥し、次いで、MD方向に1.4倍で一次延伸をし、次いで、本乾燥を57℃の温度雰囲気下にて5分間行って、第二のゲル状シート(ベーステープ)を得た(第二のゲル状シート中の溶剤の残留量は1質量%未満とした。)。次いで二次延伸として、第二のゲル状シート(ベーステープ)をMD方向に温度90℃にて倍率2.5倍で延伸し、続いてTD方向に温度110℃にて倍率10倍で延伸し、その後直ちに140℃で熱処理(熱固定)を行った。
熱固定後のシートを、2槽に分かれた塩化メチレン浴にそれぞれ30秒間ずつ連続して浸漬させながら、シート中のデカリンを抽出した。シートを塩化メチレン浴から搬出した後、40℃の温度雰囲気下で塩化メチレンを乾燥除去した。こうして、ポリエチレン微多孔膜を得た。ポリエチレンの重量平均分子量は216万であった。
-ポリエチレン微多孔膜とポリエステル不織布の積層-
多孔質支持層として、表1に記載の目付及び嵩密度を有するポリエステル不織布(PET不織布)を用意した。ポリエチレン微多孔膜の一方の面上(片面)に融点105℃のポリエチレンパウダー(粒径:30μm~600μm)を1m当たり5g散布し、ポリエステル不織布を重ね、加熱加圧ロールにて温度100℃を印加し、ポリエチレン微多孔膜とポリエステル不織布とを接着した。
ポリエチレン微多孔膜とポリエステル不織布の接着後、ポリエステル不織布側から光を当ててポリエチレン微多孔膜側から観察すると接着部を確認することができ、散在した点状の接着部により微多孔膜と不織布とが接着されていた。このように、ポリオレフィン微多孔膜と多孔質支持層とが、熱可塑性樹脂を含む散在する接着部で接着されていることが確認された。
また、以下に説明する実施例2~実施例8についても同様に散在する接着部が確認された。
[実施例2~8、比較例1~2]
-ポリオレフィン微多孔膜の作製-
実施例2~実施例5、比較例1及び比較例2では、実施例1と同様にしてポリエチレン多孔膜を製造した。実施例6では、ポリエチレンの重量平均分子量が184万になるようにUHMWPEとHDPEの混合比を変え、製造工程の各条件を制御することにより、ポリエチレン微多孔膜を製造した。実施例7では、ポリエチレンの重量平均分子量が102万になるようにUHMWPEとHDPEの混合比を変え、製造工程の各条件を制御することにより、ポリエチレン微多孔膜を製造した。実施例8においては、ポリエチレンに代えてポリプロピレンを用いてポリプロピレン微多孔膜を製造した。
-ポリオレフィン微多孔膜とポリエステル不織布の積層-
表1に記載の仕様のとおり、ポリエチレン微多孔膜又はポリプロピレン微多孔膜と、ポリエステル不織布とを、ポリエチレンパウダー又はポリエチレンウェブを用いて接着した。ポリエチレンパウダーの融点は105℃、ポリエチレンウェブの融点は96℃である。ポリエチレンウェブとして、目付が12g/mのウェブ状(不織布状)のポリエチレンを用いた。
Figure 2023025511000002
表1中の略号は下記の意味である。
・Mw:重量平均分子量
・PE:ポリエチレン
・PP:ポリプロピレン
・PET:ポリエチレンテレフタレート
10A,10B 積層膜
20 ポリオレフィン微多孔膜
30,30a,30b 多孔質支持層
40,40a,40b 接着部

Claims (5)

  1. ポリオレフィンを含む微多孔膜と、ポリエステル繊維構造体である多孔質支持層と、を有し、
    前記微多孔膜と前記多孔質支持層とが、熱可塑性樹脂を含む散在する接着部で接着されており、
    前記多孔質支持層の目付が50g/m~150g/mである、
    積層膜。
  2. 前記微多孔膜がポリエチレンを含む、請求項1に記載の積層膜。
  3. 前記微多孔膜の平均厚さが10μm~110μmである、請求項1又は請求項2に記載の積層膜。
  4. 前記多孔質支持層の嵩密度が0.2g/cm~0.5g/cmである、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の積層膜。
  5. 三次元立体形状を有するエアフィルタに用いるための、請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の積層膜。
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