JP2023023915A - タービンおよび過給機 - Google Patents
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Abstract
【課題】タービン翼車の翼振動を低減させる。【解決手段】タービンは、タービン翼車17に対して径方向外側に巻き回され、収容部29と連通する第1タービンスクロール流路31と、タービン翼車17に対して径方向外側に巻き回され、収容部29と連通し、第1タービンスクロール流路31に対して排出流路側に並ぶ第2タービンスクロール流路33と、第1タービンスクロール流路31と第2タービンスクロール流路33とを軸方向に区画する仕切板35と、第1タービンスクロール流路31の下流端に面する位置に設けられる第1舌部43と、第2タービンスクロール流路33の下流端に面する位置に設けられ、仕切板35側の端部51aとタービン翼車17との径方向の距離が第1舌部43の仕切板35側の端部43aとタービン翼車17との径方向の距離と異なる第2舌部51と、を備える。【選択図】図4
Description
本開示は、タービンおよび過給機に関する。
例えば、特許文献1に開示されているように、過給機等に設けられるタービンとして、タービン翼車に対して径方向外側に巻き回される2つのタービンスクロール流路がタービン翼車の軸方向に並ぶタービンがある。各タービンスクロール流路の下流端に面する位置に舌部が設けられる。このようなタービンは、ツインスクロール式のタービンとも呼ばれる。
ツインスクロール式のタービンのように舌部を有するタービンでは、舌部とタービン翼車との距離が短いほど、空力性能が高くなる。一方、舌部とタービン翼車との距離が短いほど、タービン翼車に働く励振力が大きくなり、翼振動が増大しやすくなる。ゆえに、空力性能の向上のためにタービン翼車の翼振動を低減させることが望まれる。
本開示の目的は、タービン翼車の翼振動を低減させることが可能なタービンおよび過給機を提供することである。
上記課題を解決するために、本開示のタービンは、タービン翼車を収容する収容部と、収容部に対してタービン翼車の軸方向に連続する排出流路と、タービン翼車に対して径方向外側に巻き回され、収容部と連通する第1タービンスクロール流路と、タービン翼車に対して径方向外側に巻き回され、収容部と連通し、第1タービンスクロール流路に対して排出流路側に並ぶ第2タービンスクロール流路と、第1タービンスクロール流路と第2タービンスクロール流路とを軸方向に区画する仕切板と、第1タービンスクロール流路の下流端に面する位置に設けられる第1舌部と、第2タービンスクロール流路の下流端に面する位置に設けられ、仕切板側の端部とタービン翼車との径方向の距離が第1舌部の仕切板側の端部とタービン翼車との径方向の距離と異なる第2舌部と、を備える。
第2舌部の仕切板側の端部とタービン翼車との径方向の距離は、第1舌部の仕切板側の端部とタービン翼車との径方向の距離よりも長くてもよい。
第2舌部とタービン翼車との径方向の距離の軸方向における平均値は、第1舌部とタービン翼車との径方向の距離の軸方向における平均値よりも大きくてもよい。
第1舌部および第2舌部の少なくとも一方とタービン翼車との径方向の距離は、軸方向の排出流路側に進むにつれて長くなってもよい。
第1舌部および第2舌部の少なくとも一方とタービン翼車との径方向の距離は、タービン翼車の回転方向に進むにつれて長くなってもよい。
上記課題を解決するために、本開示の過給機は、上記のタービンを備える。
本開示によれば、タービン翼車の翼振動を低減させることができる。
以下に添付図面を参照しながら、本開示の実施形態について説明する。実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本開示を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本開示に直接関係のない要素は図示を省略する。
図1は、本開示の実施形態に係る過給機TCを示す概略断面図である。以下では、図1に示す矢印L方向を過給機TCの左側として説明する。図1に示す矢印R方向を過給機TCの右側として説明する。図1に示すように、過給機TCは、過給機本体1を備える。過給機本体1は、ベアリングハウジング3と、タービンハウジング5と、コンプレッサハウジング7とを備える。
タービンハウジング5は、ベアリングハウジング3の左側に締結機構9によって連結される。締結機構9は、例えば、Gカップリングである。コンプレッサハウジング7は、ベアリングハウジング3の右側に締結ボルト11によって連結される。過給機TCは、タービンTおよび遠心圧縮機Cを備える。タービンTは、ベアリングハウジング3およびタービンハウジング5を含む。タービンTは、ツインスクロール式のタービンである。遠心圧縮機Cは、ベアリングハウジング3およびコンプレッサハウジング7を含む。
ベアリングハウジング3には、軸受孔3aが形成される。軸受孔3aは、過給機TCの左右方向に貫通する。軸受孔3aには、軸受13が設けられる。図1では、軸受13の一例としてフルフローティング軸受が示されている。ただし、軸受13は、セミフローティング軸受または転がり軸受などの他の軸受であってもよい。軸受13は、シャフト15を回転自在に軸支する。シャフト15の左端部には、タービン翼車17が設けられる。タービン翼車17は、タービンハウジング5に回転自在に収容されている。シャフト15の右端部には、コンプレッサインペラ19が設けられる。コンプレッサインペラ19は、コンプレッサハウジング7に回転自在に収容されている。
以下、過給機TCの軸方向、径方向および周方向を、それぞれ単に軸方向、径方向および周方向とも呼ぶ。過給機TCの軸方向は、シャフト15の軸方向、タービン翼車17の軸方向、および、コンプレッサインペラ19の軸方向と一致する。過給機TCの径方向は、シャフト15の径方向、タービン翼車17の径方向、および、コンプレッサインペラ19の径方向と一致する。過給機TCの周方向は、シャフト15の周方向、タービン翼車17の周方向、および、コンプレッサインペラ19の周方向と一致する。
コンプレッサハウジング7には、吸気口21が形成される。吸気口21は、過給機TCの右側に開口する。吸気口21は、不図示のエアクリーナに接続される。ベアリングハウジング3とコンプレッサハウジング7の対向面によって、ディフューザ流路23が形成される。ディフューザ流路23は、空気を昇圧する。ディフューザ流路23は、環状に形成される。ディフューザ流路23は、径方向内側において、コンプレッサインペラ19を介して吸気口21に連通している。
また、コンプレッサハウジング7には、コンプレッサスクロール流路25が形成される。コンプレッサスクロール流路25は、環状に形成される。コンプレッサスクロール流路25は、例えば、ディフューザ流路23よりも径方向外側に位置する。コンプレッサスクロール流路25は、不図示のエンジンの吸気口と、ディフューザ流路23とに連通している。コンプレッサインペラ19が回転すると、吸気口21からコンプレッサハウジング7内に空気が吸気される。吸気された空気は、コンプレッサインペラ19の翼間を流通する過程において加圧加速される。加圧加速された空気は、ディフューザ流路23およびコンプレッサスクロール流路25で昇圧される。昇圧された空気は、エンジンの吸気口に導かれる。
タービンハウジング5には、排出流路27と、収容部29と、第1タービンスクロール流路31と、第2タービンスクロール流路33とが形成される。排出流路27は、過給機TCの左側に開口する。排出流路27は、不図示の排気ガス浄化装置に接続される。排出流路27は、収容部29と連通する。排出流路27は、収容部29に対して軸方向に連続する。収容部29は、タービン翼車17を収容する。第1タービンスクロール流路31および第2タービンスクロール流路33は、収容部29の径方向外側に設けられる。
第1タービンスクロール流路31および第2タービンスクロール流路33は、タービン翼車17に対して径方向外側に巻き回される。第1タービンスクロール流路31および第2タービンスクロール流路33は、収容部29と連通する。第2タービンスクロール流路33は、第1タービンスクロール流路31に対して軸方向の排出流路27側に並ぶ。第1タービンスクロール流路31と第2タービンスクロール流路33との間には、仕切板35が形成される。仕切板35は、第1タービンスクロール流路31と第2タービンスクロール流路33とを軸方向に区画する。第1タービンスクロール流路31および第2タービンスクロール流路33は、不図示のエンジンの排気マニホールドと連通する。不図示のエンジンの排気マニホールドから排出された排気ガスは、第1タービンスクロール流路31および第2タービンスクロール流路33を介して収容部29に送られた後、排出流路27に導かれる。排出流路27に導かれる排気ガスは、流通過程においてタービン翼車17を回転させる。
タービン翼車17の回転力は、シャフト15を介してコンプレッサインペラ19に伝達される。コンプレッサインペラ19が回転すると、上記のとおりに空気が昇圧される。こうして、空気がエンジンの吸気口に導かれる。
図2は、図1のA-A断面図である。A-A断面は、シャフト15の軸方向に垂直、かつ、第1タービンスクロール流路31を通る断面である。図2では、タービン翼車17について、外周のみが円で示されている。
図2に示すように、タービンハウジング5には、第1排気導入口37が形成される。第1排気導入口37は、タービンハウジング5の外部に開口する。第1排気導入口37には、不図示のエンジンの排気マニホールドから排出される排気ガスが導入される。
第1排気導入口37と第1タービンスクロール流路31との間には、第1排気導入路39が形成される。第1排気導入路39は、第1排気導入口37と第1タービンスクロール流路31とを接続する。第1排気導入路39は、例えば、直線状に形成される。第1排気導入路39は、第1排気導入口37から導入された排気ガスを第1タービンスクロール流路31に導く。
第1タービンスクロール流路31は、第1連通部41を介して収容部29と連通する。第1連通部41は、収容部29の全周に亘って環状に形成される。第1タービンスクロール流路31は、第1排気導入路39から導入された排気ガスを、第1連通部41を介して収容部29に導く。第1タービンスクロール流路31は、タービン翼車17の回転方向RDに進むにつれてタービン翼車17に近づくように、巻き回される。第1タービンスクロール流路31の径方向の幅は、上流側から下流側に向かうにつれて小さくなる。
第1タービンスクロール流路31の下流端に面する位置には、第1舌部43が設けられる。第1舌部43は、第1タービンスクロール流路31の下流側の部分と上流側の部分とを仕切る。
図3は、図1のB-B断面図である。B-B断面は、シャフト15の軸方向に垂直、かつ、第2タービンスクロール流路33を通る断面である。図3では、図2と同様に、タービン翼車17について、外周のみが円で示されている。
図3に示すように、タービンハウジング5には、第2排気導入口45が形成される。第2排気導入口45は、タービンハウジング5の外部に開口する。第2排気導入口45は、第1排気導入口37に対して軸方向の排出流路27側に並ぶ。第1排気導入口37と第2排気導入口45とは、仕切板35によって軸方向に区画される。第2排気導入口45には、不図示のエンジンの排気マニホールドから排出される排気ガスが導入される。
第2排気導入口45と第2タービンスクロール流路33との間には、第2排気導入路47が形成される。第2排気導入路47は、第2排気導入口45と第2タービンスクロール流路33とを接続する。第2排気導入路47は、例えば、直線状に形成される。第2排気導入路47は、第1排気導入路39に対して軸方向の排出流路27側に並ぶ。第1排気導入路39と第2排気導入路47とは、仕切板35によって軸方向に区画される。第2排気導入路47は、第2排気導入口45から導入された排気ガスを第2タービンスクロール流路33に導く。
第2タービンスクロール流路33は、第2連通部49を介して収容部29と連通する。第2連通部49は、収容部29の全周に亘って環状に形成される。第2連通部49は、第1連通部41に対して軸方向の排出流路27側に並ぶ。第1連通部41と第2連通部49とは、仕切板35によって軸方向に区画される。第2タービンスクロール流路33は、第2排気導入路47から導入された排気ガスを、第2連通部49を介して収容部29に導く。第2タービンスクロール流路33は、タービン翼車17の回転方向RDに進むにつれてタービン翼車17に近づくように、巻き回される。第2タービンスクロール流路33の径方向の幅は、上流側から下流側に向かうにつれて小さくなる。
第2タービンスクロール流路33の下流端に面する位置には、第2舌部51が設けられる。第2舌部51は、第2タービンスクロール流路33の下流側の部分と上流側の部分とを仕切る。第1舌部43の周方向位置と、第2舌部51の周方向位置とは、互いに一致する。ただし、第1舌部43の周方向位置と、第2舌部51の周方向位置とは、互いに異なっていてもよい。
図4は、図2および図3のC-C断面図である。C-C断面は、第1舌部43および第2舌部51を通りタービン翼車17の回転軸を含む断面である。
図4に示すように、タービン翼車17は、複数の翼体17aを有する。複数の翼体17aは、周方向に間隔を空けて設けられる。各翼体17aは、タービン翼車17の回転軸上に延在するハブの外周面から径方向外側に延びて形成される。図4の例では、翼体17aのリーディングエッジLEは、タービン翼車17の回転軸と平行に延びている。ただし、リーディングエッジLEは、軸方向の排出流路27側に進むにつれて径方向外側に傾斜していてもよい。リーディングエッジLEは、翼体17aの外周縁のうち、第1タービンスクロール流路31および第2タービンスクロール流路33と対向する部分である。リーディングエッジLEには、第1タービンスクロール流路31および第2タービンスクロール流路33からの排気ガスが流入する。
第1舌部43および第2舌部51は、タービン翼車17の翼体17aのリーディングエッジLEの径方向外側に配置されている。図4の例では、第1舌部43および第2舌部51のうちタービン翼車17に面する部分は、タービン翼車17の回転軸と平行に延びている。つまり、第1舌部43および第2舌部51のうちタービン翼車17に面する部分は、リーディングエッジLEと平行に延びている。以下、第1舌部43と第2舌部51とを特に区別しない場合、単に舌部と呼ぶ。
ここで、舌部とタービン翼車17との径方向の距離は、タービン翼車17の中心軸から舌部までの距離と、タービン翼車17の最大半径との差である。つまり、舌部とタービン翼車17との径方向の距離は、翼体17aが各舌部に最も接近したときの舌部とリーディングエッジLEとの距離である。図4の例では、第1舌部43および第2舌部51の双方において、舌部とタービン翼車17との径方向の距離は、軸方向位置によらず一定である。ただし、第1舌部43および第2舌部51の少なくとも一方において、舌部とタービン翼車17との径方向の距離が、軸方向位置によって異なっていてもよい。図4には、第1舌部43とタービン翼車17との径方向の距離D1と、第2舌部51とタービン翼車17との径方向の距離D2とがそれぞれ示されている。
図4に示すように、第1舌部43の仕切板35側の端部43aとタービン翼車17との径方向の距離と、第2舌部51の仕切板35側の端部51aとタービン翼車17との径方向の距離とは、互いに異なる。図4の例では、第2舌部51の仕切板35側の端部51aとタービン翼車17との径方向の距離は、第1舌部43の仕切板35側の端部43aとタービン翼車17との径方向の距離よりも長い。それにより、第2舌部51とタービン翼車17との径方向の距離D2が、第1舌部43とタービン翼車17との径方向の距離D1よりも長くなっている。つまり、第2舌部51とタービン翼車17との径方向の距離の軸方向における平均値が、第1舌部43とタービン翼車17との径方向の距離の軸方向における平均値よりも大きくなっている。
ここで、舌部とタービン翼車17との径方向の距離の軸方向における平均値が小さいほど、空力性能が高くなる一方で、タービン翼車17に働く励振力が大きくなり、翼振動が増大しやすくなる。本実施形態では、上記のように、第1舌部43の仕切板35側の端部43aとタービン翼車17との径方向の距離と、第2舌部51の仕切板35側の端部51aとタービン翼車17との径方向の距離とは、互いに異なる。それにより、第1舌部43全体の径方向位置と、第2舌部51全体の径方向位置とを、個別に設定できる。ゆえに、第1舌部43と第2舌部51との間で、舌部とタービン翼車17との径方向の距離の軸方向における平均値を異ならせやすくすることができる。
よって、第1舌部43および第2舌部51の一方について、舌部とタービン翼車17との径方向の距離の軸方向における平均値を小さくしつつ、第1舌部43および第2舌部51の他方について、舌部とタービン翼車17との径方向の距離の軸方向における平均値を大きくすることができる。ゆえに、第1舌部43および第2舌部51の双方について、舌部とタービン翼車17との径方向の距離の軸方向における平均値を一律に小さくする、または、大きくする場合と比較して、タービン翼車17に働く励振力の低減が可能となる。また、励振力の低減に応じて、舌部とタービン翼車17との径方向の距離を近づけ、空力性能を高めることも可能である。
また、舌部とタービン翼車17との径方向の距離が短くなると、タービン翼車17の翼体17aが舌部の近傍を通過する際に、翼体17aと舌部とによって形成される流路面積が瞬間的に狭くなることでガスの流れは縮流となる。それにより、舌部の近傍においてガスの流速の周方向成分が大きくなり、リーディングエッジLEで剥離渦が生じやすくなる。このような剥離渦の発生は、タービン翼車17の流路内部で流れのブロッケージとして作用し、翼体17aの排出流路27側で局所的な高い圧力場を生む。それが励振力の源泉となる。これが翼振動を増大させる要因となる。特に、リーディングエッジLEのうち排出流路27側では、リーディングエッジLEのうち排出流路27側と逆側と比べて励振力の影響を受けやすく振動が生じやすい。ゆえに、リーディングエッジLEのうち排出流路27側において、ガスの流れが圧縮されると、翼振動が特に増大しやすくなる。
本実施形態では、上記のように、第2舌部51の仕切板35側の端部51aとタービン翼車17との径方向の距離は、第1舌部43の仕切板35側の端部43aとタービン翼車17との径方向の距離よりも長い。それにより、第2舌部51とタービン翼車17との径方向の距離の軸方向における平均値を、第1舌部43とタービン翼車17との径方向の距離の軸方向における平均値よりも大きくすることができる。これにより、翼体17aと舌部とによって瞬間的に形成される流路面積を拡大することができる。ゆえに、リーディングエッジLEのうち排出流路27側において、ガスの流れが圧縮される程度を低くすることができるので、タービン翼車17の翼振動の増大を適切に抑制できる。
上記では、第2舌部51の仕切板35側の端部51aとタービン翼車17との径方向の距離が、第1舌部43の仕切板35側の端部43aとタービン翼車17との径方向の距離よりも長い例を説明した。ただし、第2舌部51の仕切板35側の端部51aとタービン翼車17との径方向の距離が、第1舌部43の仕切板35側の端部43aとタービン翼車17との径方向の距離よりも短くてもよい。また、第2舌部51とタービン翼車17との径方向の距離の軸方向における平均値が、第1舌部43とタービン翼車17との径方向の距離の軸方向における平均値よりも小さくてもよい。
また、上記では、第2舌部51の端部51aとタービン翼車17との径方向の距離が、第1舌部43の端部43aとタービン翼車17との径方向の距離よりも長く、かつ、第2舌部51とタービン翼車17との径方向の距離の軸方向における平均値が、第1舌部43とタービン翼車17との径方向の距離の軸方向における平均値よりも大きい例を説明した。ただし、第2舌部51の端部51aとタービン翼車17との径方向の距離が、第1舌部43の端部43aとタービン翼車17との径方向の距離よりも短く、かつ、第2舌部51とタービン翼車17との径方向の距離の軸方向における平均値が、第1舌部43とタービン翼車17との径方向の距離の軸方向における平均値よりも大きくてもよい。また、第2舌部51の端部51aとタービン翼車17との径方向の距離が、第1舌部43の端部43aとタービン翼車17との径方向の距離よりも長く、かつ、第2舌部51とタービン翼車17との径方向の距離の軸方向における平均値が、第1舌部43とタービン翼車17との径方向の距離の軸方向における平均値よりも小さくてもよい。
図5は、第1変形例における舌部の形状を示す断面図である。図5は、第1舌部43および第2舌部51を通りタービン翼車17の回転軸を含む断面における断面図である。第1変形例では、図1から図4を参照して上述した実施形態と比較して、第1舌部43および第2舌部51の形状が異なる。
図5に示すように、第1変形例では、第1舌部43および第2舌部51の双方において、舌部とタービン翼車17との径方向の距離は、軸方向の排出流路27側に進むにつれて長くなる。図5の例では、第1舌部43および第2舌部51は、軸方向の排出流路27側に進むにつれて径方向外側に傾斜している。第1舌部43および第2舌部51のうちタービン翼車17に面する部分は、周方向に見た場合に直線状になっている。ただし、第1舌部43および第2舌部51のうちタービン翼車17に面する部分は、周方向に見た場合に湾曲していてもよい。
第1変形例では、上記のように、第1舌部43および第2舌部51の双方において、舌部とタービン翼車17との径方向の距離は、軸方向の排出流路27側に進むにつれて長くなる。それにより、リーディングエッジLEにおいて、軸方向の排出流路27側に進むにつれてガスの流れが圧縮される程度を低くすることができる。ゆえに、タービン翼車17の翼振動の増大を適切に抑制できる。
上記では、第1舌部43および第2舌部51の双方において、舌部とタービン翼車17との径方向の距離が、軸方向の排出流路27側に進むにつれて長くなる例を説明した。ただし、第1舌部43および第2舌部51のうちの一方のみにおいて、舌部とタービン翼車17との径方向の距離が、軸方向の排出流路27側に進むにつれて長くなっていてもよい。第1舌部43および第2舌部51の少なくとも一方とタービン翼車17との径方向の距離が、軸方向の排出流路27側に進むにつれて長くなっていれば、上記の例と同様の効果が奏される。
なお、第1舌部43および第2舌部51の少なくとも一方とタービン翼車17との径方向の距離が、軸方向の排出流路27側に進むにつれて短くなっていてもよい。
図5の例では、第2舌部51の仕切板35側の端部51aとタービン翼車17との径方向の距離が、第1舌部43の仕切板35側の端部43aとタービン翼車17との径方向の距離よりも長い。ただし、第1の変形例において、第2舌部51の仕切板35側の端部51aとタービン翼車17との径方向の距離が、第1舌部43の仕切板35側の端部43aとタービン翼車17との径方向の距離よりも短くてもよい。
図6は、第2変形例における舌部の形状を示す断面図である。図6は、シャフト15の軸方向に垂直、かつ、第1タービンスクロール流路31を通る断面における断面図である。第2変形例では、図1から図4を参照して上述した実施形態と比較して、第1舌部43の形状が異なる。
図6に示すように、第2変形例では、第1舌部43とタービン翼車17との径方向の距離は、タービン翼車17の回転方向RDに進むにつれて長くなる。図6の例では、第1舌部43のうちタービン翼車17と対向する対向面43bの径方向位置が、回転方向RDに進むにつれて径方向外側に位置している。対向面43bの回転方向RD側の端部43cは、対向面43bの回転方向RD側と逆側の端部43dよりも径方向外側に位置している。対向面43bは、軸方向に見た場合に湾曲している。ただし、対向面43bは、軸方向に見た場合に直線状になっていてもよい。
第2変形例では、上記のように、第1舌部43とタービン翼車17との径方向の距離が、タービン翼車17の回転方向RDに進むにつれて長くなる。それにより、タービン翼車17の翼体17aが第1舌部43の近傍を通過する際に、翼体17aと第1舌部43とによってガスの流れが圧縮される程度を低くすることができる。ゆえに、第1舌部43の近傍における剥離渦の発生が抑制され、タービン翼車17の翼振動がより効果的に低減される。
上記では、第1舌部43とタービン翼車17との径方向の距離が、タービン翼車17の回転方向RDに進むにつれて長くなる例を説明した。ただし、第1舌部43および第2舌部51の双方において、舌部とタービン翼車17との径方向の距離が、タービン翼車17の回転方向RDに進むにつれて長くなっていてもよい。第1舌部43および第2舌部51のうちの一方のみにおいて、舌部とタービン翼車17との径方向の距離が、タービン翼車17の回転方向RDに進むにつれて長くなっていてもよい。第1舌部43および第2舌部51の少なくとも一方とタービン翼車17との径方向の距離が、タービン翼車17の回転方向RDに進むにつれて長くなっていれば、上記の例と同様の効果が奏される。
なお、第1舌部43および第2舌部51の少なくとも一方とタービン翼車17との径方向の距離が、周方向位置によらず一定であってもよい。第1舌部43および第2舌部51の少なくとも一方とタービン翼車17との径方向の距離が、タービン翼車17の回転方向RDに進むにつれて短くなっていてもよい。
以上、添付図面を参照しながら本開示の実施形態について説明したが、本開示はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
上記では、タービンTが過給機TCに搭載される例を説明したが、タービンTは、過給機TC以外の装置(例えば、発電機等)に搭載されてもよい。
本開示は、空力性能の向上とタービン翼車の翼振動の低減との両立を促進するので、例えば、持続可能な開発目標(SDGs)の目標7「手ごろで信頼でき、持続可能かつ近代的なエネルギーへのアクセスを確保する」および目標9「レジリエントなインフラを整備し、持続可能な産業化を推進するとともに、イノベーションの拡大を図る」に貢献することができる。
17 タービン翼車
27 排出流路
29 収容部
31 第1タービンスクロール流路
33 第2タービンスクロール流路
35 仕切板
43 第1舌部
43a 端部
51 第2舌部
51a 端部
RD 回転方向
T タービン
TC 過給機
27 排出流路
29 収容部
31 第1タービンスクロール流路
33 第2タービンスクロール流路
35 仕切板
43 第1舌部
43a 端部
51 第2舌部
51a 端部
RD 回転方向
T タービン
TC 過給機
Claims (6)
- タービン翼車を収容する収容部と、
前記収容部に対して前記タービン翼車の軸方向に連続する排出流路と、
前記タービン翼車に対して径方向外側に巻き回され、前記収容部と連通する第1タービンスクロール流路と、
前記タービン翼車に対して径方向外側に巻き回され、前記収容部と連通し、前記第1タービンスクロール流路に対して前記排出流路側に並ぶ第2タービンスクロール流路と、
前記第1タービンスクロール流路と前記第2タービンスクロール流路とを前記軸方向に区画する仕切板と、
前記第1タービンスクロール流路の下流端に面する位置に設けられる第1舌部と、
前記第2タービンスクロール流路の下流端に面する位置に設けられ、前記仕切板側の端部と前記タービン翼車との前記径方向の距離が前記第1舌部の前記仕切板側の端部と前記タービン翼車との前記径方向の距離と異なる第2舌部と、
を備える、
タービン。 - 前記第2舌部の前記仕切板側の端部と前記タービン翼車との前記径方向の距離は、前記第1舌部の前記仕切板側の端部と前記タービン翼車との前記径方向の距離よりも長い、
請求項1に記載のタービン。 - 前記第2舌部と前記タービン翼車との前記径方向の距離の前記軸方向における平均値は、前記第1舌部と前記タービン翼車との前記径方向の距離の前記軸方向における平均値よりも大きい、
請求項1または2に記載のタービン。 - 前記第1舌部および前記第2舌部の少なくとも一方と前記タービン翼車との前記径方向の距離は、前記軸方向の前記排出流路側に進むにつれて長くなる、
請求項1から3のいずれか一項に記載のタービン。 - 前記第1舌部および前記第2舌部の少なくとも一方と前記タービン翼車との前記径方向の距離は、前記タービン翼車の回転方向に進むにつれて長くなる、
請求項1から4のいずれか一項に記載のタービン。 - 請求項1から5のいずれか一項に記載のタービンを備える、
過給機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021129874A JP2023023915A (ja) | 2021-08-06 | 2021-08-06 | タービンおよび過給機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2021129874A JP2023023915A (ja) | 2021-08-06 | 2021-08-06 | タービンおよび過給機 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2023023915A true JP2023023915A (ja) | 2023-02-16 |
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ID=85203923
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2021129874A Pending JP2023023915A (ja) | 2021-08-06 | 2021-08-06 | タービンおよび過給機 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2023023915A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2023108016A (ja) * | 2019-06-27 | 2023-08-03 | サミー株式会社 | 遊技機 |
-
2021
- 2021-08-06 JP JP2021129874A patent/JP2023023915A/ja active Pending
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JP2023108016A (ja) * | 2019-06-27 | 2023-08-03 | サミー株式会社 | 遊技機 |
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