JP2023023905A - 滑り支承、滑り支承の交換方法及び滑り支承交換用治具 - Google Patents

滑り支承、滑り支承の交換方法及び滑り支承交換用治具 Download PDF

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直以 野呂
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Abstract

【課題】滑り支承の交換に要する工費を低減できる滑り支承、滑り支承の交換方法及び滑り支承交換用治具を提供する。【解決手段】滑り支承100は、下部構造と上部構造との間に設置される。滑り支承100は、下部構造に支持される下部ベースプレート11を有する下沓10と、上部構造に支持される上部ベースプレート21を有する上沓20と、を備えている。下部ベースプレート11は、ジャッキJの反力を受ける下部支圧面11Sを含んでいる。上部ベースプレート21は、下部支圧面11Sに対向し、ジャッキJの反力を受ける上部支圧面21Sを含んでいる。滑り支承100は、下部支圧面11Sと上部支圧面21Sとの間に、ジャッキJを設置可能な設置スペースJSを有する。【選択図】図1

Description

本発明は、滑り支承、滑り支承の交換方法及び滑り支承交換用治具に関する。
従来、支持体に載置され、構造物を支持する滑り支承を交換する方法があった。
しかしながら、従来の滑り支承を交換する方法は、支持体と構造物との間にジャッキを挟んでジャッキアップした後、支持体と構造物との間を鉛直方向に拡げた状態で、滑り支承を交換するものであった。そのため、支持体及び構造物におけるジャッキを設置する部分の強度を確保し、ジャッキを設置する空間を確保するため、大掛かりな工事及び特殊な治具を要し、交換に係るコストが嵩む場合があった。
特開2019-124029号公報
本発明は、上記背景技術の問題点に鑑み、滑り支承の交換に要するコストを低減できる滑り支承、滑り支承の交換方法及び滑り支承交換用治具を提供することを課題とする。
本発明の要旨は以下の通りである。
(1)本発明の一態様に係る滑り支承は、下部構造と上部構造との間に設置される滑り支承であって、前記下部構造に支持される下部ベースプレートを有する下沓と、前記上部構造に支持される上部ベースプレートを有する上沓と、を備え、前記下部ベースプレートは、ジャッキの反力を受ける下部支圧面を含み、前記上部ベースプレートは、前記下部支圧面に対向し、前記ジャッキの反力を受ける上部支圧面を含み、前記下部支圧面と前記上部支圧面との間に、前記ジャッキを設置可能な設置スペースを有する。
(2)上記(1)において、前記下沓又は前記上沓に対して摺動自在なスライダを備えてよい。
(3)上記(2)において、前記スライダに作用する面圧は、20MPa以上であってよい。
(4)上記(1)から(3)のいずれかにおいて、前記下部ベースプレートは、複数の前記下沓を支持してよい。
(5)上記(1)から(4)のいずれかにおいて、前記下沓と前記下部ベースプレートとは、着脱自在な下部連結具で連結されており、前記上沓と前記上部ベースプレートとは、着脱自在な上部連結具で連結されていてよい。
(6)上記(5)において、前記下部連結具及び前記上部連結具は、平面視において互いに重ならない位置に配置されていてよい。
(7)本発明の一態様に係る滑り支承の交換方法は、上記(1)から(6)のいずれかの滑り支承の交換方法であって、前記設置スペースに前記ジャッキを設置するジャッキ設置工程と、前記ジャッキで前記上部構造に取り付けられた前記上部ベースプレートを支圧して持ち上げるジャッキアップ工程と、前記滑り支承を構成する交換部品を交換する交換工程と、を含む。
(8)上記(7)において、前記交換部品は、摩擦材であってよい。
(9)上記(7)又は(8)において、前記滑り支承は、前記下沓又は前記上沓に対して摺動自在なスライダを備え、前記交換部品は、前記スライダであってよい。
(10)上記(7)から(9)のいずれかにおいて、前記上沓と前記下沓とを連結する滑り支承交換用治具を、前記上沓及び前記下沓に取り付ける第1治具取付工程を含んでよい。
(11)上記(10)において、前記第1治具取付工程は、前記上沓及び前記下沓の姿勢関係及び位置関係に合わせて前記滑り支承交換用治具の形状を調整する治具形状調整工程を含んでよい。
(12)上記(7)から(11)のいずれかにおいて、前記交換工程は、前記滑り支承交換用治具を前記滑り支承から取り外す治具取外工程と、前記交換部品が交換された交換滑り支承に前記滑り支承交換用治具を取り付ける第2治具取付工程と、前記下部ベースプレートと前記上部ベースプレートとの間に、前記交換滑り支承を据え付ける据付工程と、を含んでよい。
(13)本発明の一態様に係る滑り支承交換用治具は、滑り支承の下沓に対して着脱自在な下沓固定部を下端部に有し、前記滑り支承の上沓に対して着脱自在な上沓固定部を上端部に有し、前記下沓と前記上沓とを連結する。
(14)上記(13)において、前記滑り支承交換用治具は、形状を調整するための調整部を有してよい。
(15)上記(14)において、前記調整部は、第1方向に沿って前記形状を調整するための第1調整部と、前記第1方向に垂直な第2方向に沿って前記形状を調整するための第2調整部と、前記第1方向及び前記第2方向に垂直な第3方向に沿って前記形状を調整するための第3調整部と、を有してよい。
本発明によれば、滑り支承の交換に要する工費を低減できる滑り支承、滑り支承の交換方法及び滑り支承交換用治具を提供できる。
第1実施形態に係る滑り支承の斜視図である。 第1実施形態に係る滑り支承の正面図である。 ジャッキ設置工程における第1実施形態に係る滑り支承の斜視図である。 ジャッキ設置工程における第1実施形態に係る滑り支承の正面図である。 ジャッキアップ工程における第1実施形態に係る滑り支承の正面図である。 交換工程における第1実施形態に係る滑り支承の斜視図である。 下沓と上沓とを連結する滑り支承交換用治具を取り付けた状態を示す斜視図である。 下沓と上沓とを連結する滑り支承交換用治具を取り付けた状態を示す正面図である。 滑り支承交換用治具の詳細図である。 下沓と上沓とを連結する変形例に係る滑り支承交換用治具を取り付けた状態を示す斜視図である。 下沓と上沓とを連結する変形例に係る滑り支承交換用治具を取り付けた状態を示す正面図である。 変形例に係る滑り支承交換用治具の詳細図である。 ジャッキ設置工程における第2実施形態に係る滑り支承の斜視図である。 図13におけるA矢視断面図である。 ジャッキ設置工程における第2実施形態に係る滑り支承の正面図である。 交換工程における第2実施形態に係る滑り支承の斜視図である。
(第1実施形態)
図1から図6を用いて、第1実施形態に係る滑り支承100について説明する。
図1は、第1実施形態に係る滑り支承100の斜視図である。図2は、第1実施形態に係る滑り支承100の正面図である。図3は、ジャッキ設置工程における第1実施形態に係る滑り支承100の斜視図である。図4は、ジャッキ設置工程における第1実施形態に係る滑り支承100の正面図である。図5は、ジャッキアップ工程における第1実施形態に係る滑り支承100の正面図である。図6は、交換工程における第1実施形態に係る滑り支承100の斜視図である。
第1実施形態に係る滑り支承100は、図1及び図2に示すように、例えば、建築物、橋梁等において、下部構造DSと上部構造USとの間に設置される。滑り支承100は、下沓10と、上沓20と、を備えている。
滑り支承100は、下部構造DSに支持される下部ベースプレート11を有する下沓10と、下沓10の下沓摺動面10Fに対して摺動自在に載置され、上部構造USに支持される上部ベースプレート21を有する上沓20と、を備えている。
下沓10と上沓20との間には、適宜、スライダ30を備えている。なお、スライダ30は、下沓10と上沓20のいずれかに一体に形成されていてよい。
下沓10と上沓20とは、分離している。
下沓10は、下沓摺動面10Fとなる下方に凹む球面を上面に有している。また、上沓20は、上沓摺動面20Fとなる上方に凹む球面を下面に有している。スライダ30は、下沓摺動面10Fに対して摺動する下方に凸のスライダ下摺動面31Fを下面に有し、上沓摺動面20Fに対して摺動する上方に凸のスライダ上摺動面32Fを上面に有している。
スライダ30に作用する面圧は、20MPa以上であってよい。特に、スライダ30のスライダ上摺動面32Fに作用する面圧は、30MPa以上であってよい。なお、上沓摺動面20Fに作用する面圧を、30MPa以上としてもよい。このような大きさの面圧が作用した状態で、設計外力となる上部構造USと下部構造DSとの間に水平方向のせん断力が作用した場合において、下沓摺動面10Fに沿って上沓20(又はスライダ30)を摺動させるように、又は、上沓摺動面20Fに沿って下沓10(又はスライダ30)を摺動させるように、滑り支承100を設計することで、滑り支承100の寸法を小さくできる。
なお、第1実施形態に係る滑り支承100は、スライダ上摺動面32Fと上沓摺動面20Fとの間で摺動し、スライダ上摺動面32Fと上沓摺動面20Fとの間の1箇所で水平方向に相対移動可能な、いわゆるシングルタイプであるが、交換の対象となる滑り支承100は、これに限られない。例えば、滑り支承100は、スライダ下摺動面31Fと下沓摺動面10Fとの間と、スライダ上摺動面32Fと上沓摺動面20Fとの間の2箇所で摺動し、その2箇所で水平方向に相対移動可能な、いわゆるダブルタイプであってもよい。
また、例えば、滑り支承100は、スライダ30を有さず、下沓摺動面10Fと上沓摺動面20Fとの間の1箇所で摺動するものであってもよい。
また、第1実施形態に係る滑り支承100は、スライダ下摺動面31F及び下沓摺動面10Fの組と、スライダ上摺動面32F及び上沓摺動面20Fの組とは、いずれも、球面であるが、これに限られず、いずれか又は両方が平坦面であってもよい。
下沓摺動面10Fとスライダ下摺動面31Fとは、適宜、摩擦材(不図示)を介して、互いに摺動自在に接している。
上沓摺動面20Fとスライダ上摺動面32Fとは、適宜、摩擦材を介して、互いに摺動自在に接している。
(摩擦材)
摩擦材は、例えば、繊維補強されたポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等の樹脂製のシートであってよい。
摩擦材は、スライダ30と上沓20又は下沓10との間に設けられる。摩擦材は、スライダ上摺動面32F又はスライダ下摺動面31Fを覆っている。摩擦材は、下沓摺動面10F又は上沓摺動面20Fを覆ってよい。摩擦材は、対向する摺動面同士の間に介在していればよく、スライダ上摺動面32F又はスライダ下摺動面31F下沓のいずれかに接着剤等によって張り付けられたり、機械的に固定されていたりしてよく、下沓摺動面10F又は上沓摺動面20Fのいずれかに接着剤等によって張り付けられたり、機械的に固定されていたりしてもよい。
摩擦材は二重織物により形成されてよい。二重織物は、ポリテトラフルオロエチレン製の繊維(PTFE繊維)と、PTFE繊維よりも引張強度の高い繊維(高強度繊維)とにより形成されてよい。ここで、PTFE繊維よりも引張強度の高い繊維としては、ナイロン6・6、ナイロン6若しくはナイロン4・6等のポリアミド、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート若しくはポリエチレンナフタレート等のポリエステル、又は、パラアラミド等の繊維を挙げることができる。また、メタアラミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ガラス、カーボン、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、LCP、ポリイミド、又は、PEEK等の繊維を挙げることができる。また、さらに、熱融着繊維、綿、ウール等の繊維を適用してもよい。その中でも、耐薬品性、耐加水分解性に優れ、引張強度の極めて高いPPS繊維が望ましい。
下沓10は、滑り支承100の下部、すなわち、上沓20の下方に位置している。下沓10は、下方に、下部ベースプレート11を有している。
下部ベースプレート11は、下部構造DSの上面に面接触した状態で設けられる。これにより、下沓10から作用する支圧力を、下部構造DSに分散させて伝達させることができる。よって、下部構造DSの下面に作用する面圧を低減できる。
下部ベースプレート11は、例えば、鋼製の板状体である。
下部ベースプレート11には、常時において、下沓10からの支圧力と下部構造DSからの反力と曲げモーメントとが作用し、滑り支承100の交換時において、ジャッキJからの支圧力と下部構造DSからの反力と曲げモーメントとが作用するため、それらの外力による変形により下部構造DSを破損させない程度の剛性を有している。
下部ベースプレート11は、平面視において、上部ベースプレート21と同形状であってよい。下部ベースプレート11は、例えば、アンカーボルトとナットを組み合わせた締結具、溶接等の適宜の固定手段により、下部構造DSに固定されている。
下沓10と下部ベースプレート11とは、着脱自在な下部連結具12で連結されている。下部連結具12は、下沓10の上方から着脱できるように、下沓10に係止されている。下部連結具12は、例えば、ボルトであってよい。下部連結具12がボルトである場合、下部ベースプレート11は、ボルトを螺合可能な、上面に開口する雌ねじ穴を有している。下沓10は、ボルトを挿通又は螺合可能な、貫通穴を有している。そして、下沓10と下部ベースプレート11とが連結された状態において、ボルトの頭部は、下沓10の上面に係止され、ボルトの雄ねじ部は、下沓10の貫通穴を通り、下部ベースプレート11の雌ねじ穴に螺合されている。
これにより、下沓10の上方から下部連結具12をアプローチさせて、下部連結具12で下部ベースプレート11に下沓10を係止できる。そして、下部連結具12により、下沓10と下部ベースプレート11とを連結したり、分離したりできる。
下部ベースプレート11は、複数の下沓10を支持してよい。これにより、複数の下沓10から受ける支圧力を、単一の下部ベースプレート11で分散させて、下部構造DSに伝達させることができる。
上沓20は、滑り支承100の上部、すなわち、下沓10の上方に位置している。上沓20は、上方に、上部ベースプレート21を有している。
上部ベースプレート21は、上部構造USの下面に面接触した状態で設けられる。これにより、上沓20から作用する支圧力を、上部構造USに分散させて伝達させることができる。よって、上部構造USの下面に作用する面圧を低減できる。
上部ベースプレート21は、例えば、鋼製の板状体である。
上部ベースプレート21には、常時において、上沓20からの支圧力と上部構造USからの反力と曲げモーメントとが作用し、滑り支承100の交換時において、ジャッキJからの支圧力と上部構造USからの反力と曲げモーメントとが作用するため、それらの外力による変形により上部構造USを破損させない程度の剛性を有している。
上部ベースプレート21は、平面視において、下部ベースプレート11と同形状であってよい。上部ベースプレート21は、例えば、アンカーボルトとナットを組み合わせた締結具、溶接等の適宜の固定手段により、上部構造USに固定されている。
上沓20と上部ベースプレート21とは、着脱自在な上部連結具22で連結されている。上部連結具22は、上沓20の下方から着脱できるように、上沓20に係止されている。上部連結具22は、例えば、ボルトであってよい。上部連結具22がボルトである場合、上部ベースプレート21は、ボルトを螺合可能な、下面に開口する雌ねじ穴を有している。上沓20は、ボルトを挿通又は螺合可能な、貫通穴を有している。そして、上沓20と上部ベースプレート21とが連結された状態において、ボルトの頭部は、上沓20の下面に係止され、ボルトの雄ねじ部は、上沓20の貫通穴を通り、上部ベースプレート21の雌ねじ穴に螺合されている。
これにより、上沓20の下方から上部連結具22をアプローチさせて、上部連結具22で上部ベースプレート21に上沓20を係止できる。そして、上部連結具22により、上沓20と上部ベースプレート21とを連結したり、分離したりできる。
ここで、下部ベースプレート11は、ジャッキJの反力を受ける下部支圧面11Sを含んでいる。また、上部ベースプレート21は、下部支圧面11Sに対向し、ジャッキJの反力を受ける上部支圧面21Sを含んでいる。そして、下部支圧面11Sと上部支圧面21Sとの間に、ジャッキJを設置可能な設置スペースJSを有している。平面視において、下部支圧面11Sと上部支圧面21Sとは、重なっている。
下部支圧面11Sは、下部ベースプレート11の上面において、上方の設置スペースJSに露出する部分である。言い換えると、下部ベースプレート11の上面は、下沓10に接して下沓10の面圧を受ける領域と、下沓10に接することなく下沓10の面圧を受けず、上方が開放された領域である下部支圧面11Sと、を有している。つまり、下部支圧面11Sの上方には、下沓10が配置されていない。
同様に、上部支圧面21Sは、上部ベースプレート21の下面において、下方の設置スペースJSに露出する部分である。言い換えると、上部ベースプレート21の下面は、上沓20に接して上沓20の面圧を受ける領域と、上沓20に接することなく上沓20の面圧を受けず、下方が開放された領域である上部支圧面21Sと、を有している。つまり、上部支圧面21Sの下方には、上沓20が配置されていない。
設置スペースJSは、下部ベースプレート11の下部支圧面11Sと、上部ベースプレート21の下面にある上部支圧面21Sとの間に形成された空間である。設置スペースJSは、例えば、シリンダとラムで構成された円柱状の通常のジャッキJを用いることを想定し、ジャッキJの形状に合わせて、円柱状である。なお、設置スペースJSは、少なくとも、ジャッキJが収まる形状であればよく、ジャッキJの形状より大きい形状であってよい。
これにより、下部構造DSと上部構造USとの間に設置された既設の滑り支承100の構成部品の一部又は全部である交換部品を交換する際に、下部ベースプレート11と上部ベースプレート21との間に、ジャッキJを設置するための設置スペースJSを確保できる。そして、ジャッキJで上部構造USをジャッキアップする際の反力を、下部ベースプレート11と上部ベースプレート21とに受けさせることができる。ジャッキJで上部構造USをジャッキアップする際の反力は、下部ベースプレート11により分散されて下部構造DSに伝達され、上部ベースプレート21により分散されて上部構造USに伝達されるので、下部構造DS及び上部構造USに作用する面圧を低減できる。このため、既設の滑り支承100の構成部品の一部又は全部である交換部品を交換する際に、ジャッキJによるジャッキアップの反力で破損しないように下部構造DS又は上部構造USを補強したり、ジャッキJを設置するための空間を特別に確保したりすることを要することなく、上部構造USをジャッキアップでき、滑り支承100の交換部品を簡単に交換できる。したがって、下部構造DSがジャッキを設置する場所を確保できないほど小さい場合や、下部構造DSにジャッキを設置する場所があってもその場所における下部構造DSの強度が低くてジャッキ反力に耐えられないような場合は、従来、ジャッキを設置する場所を増設するために下部構造DSの補強工事を要していたのに対し、本実施形態に係る滑り支承100によれば、そのような補強工事を要することなく、下部支圧面と前記上部支圧面との間のジャッキを設置可能な設置スペースを利用して、滑り支承100を交換できる。よって、滑り支承100の交換に要するコストを低減できる。
以下、第1実施形態に係る滑り支承100について、滑り支承100の交換方法を時系列に沿って説明しながら説明する。
図3は、ジャッキ設置工程における第1実施形態に係る滑り支承100の斜視図である。図4は、ジャッキ設置工程における第1実施形態に係る滑り支承100の正面図である。図5は、ジャッキアップ工程における第1実施形態に係る滑り支承100の正面図である。図6は、交換工程における第1実施形態に係る滑り支承100の斜視図である。
滑り支承100の交換方法は、設置スペースJSにジャッキJを設置するジャッキ設置工程と、ジャッキJで上部構造USに取り付けられた上部ベースプレート21を支圧して持ち上げるジャッキアップ工程と、滑り支承100を構成する交換部品を交換する交換工程と、を含んでいる。
以下、滑り支承100の交換方法を詳細に説明する。
図1及び図2に示すように、前提として、上部構造USと下部構造DSとの間に、交換対象となる滑り支承100が設置されている。滑り支承100は、下部構造DSに支持される下部ベースプレート11を有する下沓10と、下沓10の下沓摺動面10Fに対して摺動自在に載置され上部構造USに支持される上部ベースプレート21を有する上沓20と、を備えている。そして、下部ベースプレート11は、ジャッキJの反力を受ける下部支圧面11Sを含んでいる。上部ベースプレート21は、ジャッキJの反力を受ける上部支圧面21Sを含んでいる。そして、下部支圧面11Sと上部支圧面21Sとの間に、ジャッキJを設置可能な設置スペースJSを有している。
上部ベースプレート21は、アンカーボルト等の適宜の固定手段により上部構造USに固定されている。上部ベースプレート21には、上沓20がボルト等の上部連結具22により着脱自在に取り付けられている。下部ベースプレート11は、アンカーボルト等の適宜の固定手段により下部構造DSに固定されている。下部ベースプレート11には、下沓10がボルト等の下部連結具12により着脱自在に取り付けられている。
(ジャッキ設置工程)
(1)まず、図1及び図2に示す設置スペースJSに、図3及び図4に示すように、ジャッキJを設置する(ジャッキ設置工程)。
詳細には、図2に示すように、ジャッキJの下面を下部支圧面11Sに載せ、ジャッキJの上面を、上部支圧面21Sに対向させる。第1実施形態に係る滑り支承100は、図1及び図2に示すように、ジャッキJの設置スペースJSを2箇所有しているので、それぞれの設置スペースJSに、ジャッキJを設置する。このように、滑り支承100の下部ベースプレート11は、下部支圧面11Sを含んでいるので、滑り支承100を交換する際に、ジャッキJを載せることができる。
なお、ジャッキJは、例えば、電動油圧ポンプにより圧力油をシリンダに送ることでラムを進退させる油圧ジャッキであってよい。
なお、この時点においては、ジャッキJは、上部ベースプレート21の上部支圧面21Sに対向しているが、上部構造USからの荷重を受けていない。
(第1治具取付工程)
(2)次に、適宜、図7及び図8に示すように、上沓20と下沓10とを連結する滑り支承交換用治具500を、上沓20及び下沓10に取り付ける(第1治具取付工程)。なお、第1治具取付工程は、後述のジャッキアップ工程の後であってもよい。
具体的には、図7及び図8に示すように、滑り支承交換用治具500を、下沓10と上沓20との間に跨るようにして、下沓10と上沓20とに取り付ける。これにより、下沓10と上沓20との姿勢関係及び位置関係を維持した状態にできる。よって、交換の対象が、小さい摩擦の摺動面を有する滑り支承の交換部品であり、小さな外力によって下沓10と上沓20との姿勢関係又は位置関係がずれやすくなっているとしても、後の交換工程における、滑り支承100の移動を伴う作業を、安全にできる。
なお、滑り支承交換用治具500の更なる詳細については後述する。
(治具形状調整工程)
(2-1)ここで、適宜、上沓20及び下沓10の姿勢関係及び位置関係に合わせて滑り支承交換用治具500の形状を調整する(治具形状調整工程)。
これにより、下沓10と上沓20との姿勢関係及び位置関係に合わせて形状を調整された滑り支承交換用治具500は、下沓10と上沓20との姿勢関係及び位置関係を表しているので、下部ベースプレート11及び上部ベースプレート21から取り外された下沓10及び上沓20を元の位置に戻す際に、形状を調整された滑り支承交換用治具500に合わせて、下沓10と上沓20とを取り付けることで、取り外す前の下沓10と上沓20との姿勢関係及び位置関係と、取り外した後の下沓10と上沓20との姿勢関係及び位置関係とを、同じにできる。したがって、取り外した後の下沓10と上沓20との姿勢関係及び位置関係を、下部構造DSと上部構造USとの姿勢関係及び位置関係に合わせて、調整できる。
(3)次に、第1治具取付工程に続いて、上部連結具22を取り外し、上部ベースプレート21から上沓20を分離する。また、下部連結具12を取り外し、下部ベースプレート11から下沓10を分離する。
(ジャッキアップ工程)
(4)次に、図5に示すように、ジャッキJで上部構造USに取り付けられた上部ベースプレート21を支圧して持ち上げる(ジャッキアップ工程)。これにより、上部ベースプレート21と上沓20とが離れる。
(交換工程)
(5)次に、滑り支承100を構成する交換部品を交換する(交換工程)。
詳細には、図5及び図6に示すように、ジャッキJで上部ベースプレート21を支持した状態で、例えば、既存の滑り支承100を構成する下沓10及び上沓20を、不図示のジャッキ等を用いて、水平方向(白抜き矢印で示す方向)に押し出し又は引き出して、隣接するジャッキJの相互の間隙を通して取り出す。このため、隣接するジャッキJの相互の最短水平距離は、滑り支承100を構成する交換部品(例えば、下沓10及び上沓20)の最小水平寸法より大きくなっている。
なお、この際、下沓10と上沓20とが前述の滑り支承交換用治具500で連結されていると、下沓10と上沓20とが摺動する力に抵抗するので、下沓10と上沓20との姿勢関係及び位置関係を維持したまま移動させやすい。
ここで、交換部品は、摩擦材(不図示)であってよい。摩擦材は、例えば、スライダ30の上面であるスライダ上摺動面32Fに設けられ、上沓摺動面20Fを覆う、シート状体であってよい。摩擦材は、例えば、下沓摺動面10Fを覆う繊維補強された樹脂製のシート状体であってよい。また、摩擦材と併用して用いられる潤滑用グリースを交換の際に補充あるいは再塗布してもよい。
なお、交換の対象となる既設の滑り支承100の交換部品である摩擦材(例えば、スライダ30の上面であるスライダ上摺動面32Fに設けられる、シート状体等)に換えて、上述の摩擦材に交換してもよい。なお、上部構造USと下部構造DSとの間から既設の滑り支承100を取り出して、取り出した既設の滑り支承100に上述の摩擦材を新たに付加し、摩擦材が付加された交換滑り支承を、上部構造USと下部構造DSとの間の既設の滑り支承100があった元の位置に戻してもよい。なお、交換部品である摩擦材は、下沓10の下沓摺動面10Fに焼き付けられたPTFE等の皮膜であってもよい。
なお、滑り支承100を構成する部品の内の一部のみを交換部品として交換し、滑り支承100を構成する部品の内の他部は交換せずに再利用してもよい。
なお、滑り支承100を構成する部品の内の全部を交換部品として交換してもよい。
ここで、交換する対象となる既存の滑り支承100が、上沓20に形成された球面である上沓摺動面20Fと、下沓10に形成された球面である下沓摺動面10Fとの間に、摺動自在に設けられるスライダ30を備える場合、交換部品は、スライダ30であってよい。これにより、必要に応じて、下沓10及び上沓20は交換せずに、スライダ30のみを交換できる。
なお、交換部品は、例えば、下沓10及び上沓20のみであってよい。
なお、交換部品は、例えば、スライダ30に設置された摩擦材のみであってよい。
(5-1)ここで、交換工程は、滑り支承交換用治具500を滑り支承100から取り外す治具取外工程と、滑り支承100を構成する交換部品を交換する部品交換工程と、交換部品が交換された交換滑り支承(不図示)に滑り支承交換用治具500を取り付ける第2治具取付工程と、下部ベースプレート11と上部ベースプレート21との間に、交換滑り支承を据え付ける据付工程と、を含んでもよい。
詳細には、治具取外工程において、滑り支承交換用治具500の上端部520を上沓20から取り外し、下端部510を下沓10から取り外す。
部品交換工程において、滑り支承100を構成する交換部品を、代替部品に交換する。例えば、交換する対象である既存の滑り支承100の交換部品が、スライダ30の上面であるスライダ上摺動面32Fに設けられ、上沓20の上沓摺動面20Fを覆う摩擦材である場合、スライダ30のスライダ上摺動面32Fから交換部品である摩擦材を取り除き、代わりに、代替部品である摩擦材をスライダ30のスライダ上摺動面32Fに取り付ける。
続いて、交換部品に換えて代替部品に交換された交換滑り支承(不図示)を組み立てる。
第2治具取付工程において、交換部品に換えて代替部品に交換された交換滑り支承の下沓10及び上沓20に、滑り支承交換用治具500を取り付けて、下沓10と上沓20とを連結する。
据付工程において、交換部品に換えて代替部品に交換された交換滑り支承を、上部ベースプレート21と下部ベースプレート11との間における既設の滑り支承100があった元の位置に戻して、据え付ける。
(6)そして、ジャッキJの圧力を抜き、上部構造の荷重を、ジャッキJから交換滑り支承に移す。
この後、交換滑り支承から滑り支承交換用治具500を取り外す。また、適宜、ジャッキJを取り除く。
このように、実施形態に係る滑り支承100の交換方法は、少なくとも、上述のジャッキ設置工程と、ジャッキアップ工程と、交換工程と、を含んでいる。これにより、大掛かりな工事及び特殊な治具を要することなく、下部構造DS及び上部構造USを破損させることなく、滑り支承100を構成する交換部品を交換できる。
(滑り支承交換用治具)
ここで、滑り支承交換用治具500について説明する。
図7は、下沓10と上沓20とを連結する滑り支承交換用治具500を取り付けた状態を示す斜視図である。図8は、下沓10と上沓20と連結する滑り支承交換用治具500を取り付けた状態を示す正面図である。図9は、滑り支承交換用治具500の詳細図である。
図7及び図8に示すように、滑り支承交換用治具500は、下沓10と上沓20とに対して取り付けられ、下沓10と上沓20とを連結している。
滑り支承交換用治具500は、滑り支承100の下沓10に対して着脱自在な下沓固定部511を下端部510に有している。また、滑り支承交換用治具500は、滑り支承100の上沓20に対して着脱自在な上沓固定部521を上端部520に有している。
これにより、滑り支承100の交換部品を交換する際に、移動に伴い作用する外力によって下沓10と上沓20とが摺動してずれないように、下沓10と上沓20との姿勢関係及び位置関係を維持できる。
下端部510は、下沓10の表面に対向し、例えば、下沓10の表面形状に応じた円錐面を有していてよい。
下沓固定部511は、例えば、下端部510に設けられた水平方向に延びる長穴に通されたボルト(不図示)により、下沓10に形成されたねじ穴に固定する構造であってよい。または、下沓固定部511は、例えば、下端部510と下沓10の表面とを、適宜の接着剤で一時的に接着する構造であってもよい。
上端部520は、上沓20の表面に対向し、例えば、上沓20の表面形状に応じた平坦面を有していてよい。
上沓固定部521は、例えば、上端部520に設けられた水平方向に延びる長穴に通されたボルト(不図示)により、上沓20に形成されたねじ穴に固定する構造であってよい。または、下沓固定部511は、例えば、下端部510と下沓10の表面とを、適宜の接着剤で一時的に接着する構造であってもよい。
また、図9に示すように、滑り支承交換用治具500は、形状を調整するための調整部530を有してよい。なお、調整部530は、複数あってよい。
滑り支承交換用治具500は、上沓20に取り付けられる上部治具500Uと下沓10に取り付けられる下部治具500Dとを有していてよい。
下部治具500Dは、下沓10に取り付けられる下沓固定部511を有する下端部510と、下端部510から水平方向における下沓10から離れる方向に延びる下部第1水平部512と、下部第1水平部512の外端から上方に延びる下部鉛直部513と、下部鉛直部513の上端から水平方向における下沓10に向かう方向に延びる下部第2水平部514を備えている。下部第2水平部514は、調整部530を有しており、調整部530を介して上部治具500Uの上部水平部523に調整自在に連結されている。
上部治具500Uは、上沓20に取り付けられる上沓固定部521を有する上端部520と、上端部520から下方に延びる上部鉛直部522と、上部鉛直部522の下端から水平方向における上沓20から離れる方向に延びる上部水平部523と、を備えている。上部水平部523は、調整部530を有しており、調整部530を介して下部治具500Dの下部第2水平部514に調整自在に連結されている。
滑り支承交換用治具500は、第1方向Zに沿って形状を調整するための第1調整部531と、第1方向Zに垂直な第2方向Xに沿って形状を調整するための第2調整部532と、第1方向Z及び第2方向Xに垂直な第3方向Yに沿って形状を調整するための第3調整部533と、を有する調整部530を備えていてよい。第1調整部531は、下沓10に対する滑り支承交換用治具500の取り付け位置を、鉛直方向である第1方向Zに調整できるようになっている。第2調整部532は、上沓20に対する滑り支承交換用治具500の取り付け位置を、水平方向である第2方向Xに調整できるようになっている。第3調整部533は、上部治具500Uに対する下部治具500Dの位置を、水平方向であり第2方向Xと直角な第3方向Yに調整できるようになっている。第3調整部533は、上部治具500Uと下部治具500Dとを連結してよい。
このように、滑り支承交換用治具500は、形状を調整するための調整部530を有しているので、下沓10及び上沓20を移動する前における、下部構造DSと上部構造USとの姿勢関係及び位置関係に合わせて、滑り支承交換用治具500の形状を所望の自由度で調節できる。
(滑り支承交換用治具の変形例)
次に、上述の滑り支承交換用治具500の変形例となる滑り支承交換用治具600を説明する。なお、以下、前述の滑り支承交換用治具500と共通する部分の説明を省略する場合がある。
図10は、下沓10と上沓20とを連結する変形例に係る滑り支承交換用治具600を取り付けた状態を示す斜視図である。図11は、下沓10と上沓20とを連結する変形例に係る滑り支承交換用治具600を取り付けた状態を示す正面図である。図12は、変形例に係る滑り支承交換用治具600の詳細図である。
図10から図12に示すように、変形例となる滑り支承交換用治具600は、前述の滑り支承交換用治具500と同様に、下沓10と上沓20とに対して取り付けられ、下沓10と上沓20とを連結している。滑り支承交換用治具600は、滑り支承100の下沓10に対して着脱自在な下沓固定部611を下端部610に有している。また、滑り支承交換用治具600は、滑り支承100の上沓20に対して着脱自在な上沓固定部621を上端部620に有している。
ここで、変形例となる滑り支承交換用治具600の下端部610は、下沓10の平坦な鉛直面に対向し、その鉛直面に応じた平坦面を有している。これにより、図10及び図11に示すような、下沓10の平坦な鉛直面に対して、確実に取り付けることができる。
下端部610は、下沓10の表面に対向し、例えば、下沓10の表面形状に応じた円錐面を有していてよい。
下沓固定部611は、例えば、下端部610に設けられた水平方向に延びる長穴に通されたボルト(不図示)により、下沓10に形成されたねじ穴に固定する構造であってよい。または、下沓固定部611は、例えば、下端部610と下沓10の表面とを、適宜の接着剤で一時的に接着する構造であってもよい。
上端部620は、上沓20の表面に対向し、例えば、上沓20の表面形状に応じた平坦面を有していてよい。
上沓固定部621は、例えば、上端部620に設けられた水平方向に延びる長穴に通されたボルト(不図示)により、上沓20に形成されたねじ穴に固定する構造であってよい。または、下沓固定部611は、例えば、下端部610と下沓10の表面とを、適宜の接着剤で一時的に接着する構造であってもよい。
また、図12に示すように、滑り支承交換用治具600は、形状を調整するための調整部630を有してよい。なお、調整部630は、複数あってよい。
滑り支承交換用治具600は、上沓20に取り付けられる上部治具600Uと下沓10に取り付けられる下部治具600Dとを有していてよい。
下部治具600Dは、下沓10に取り付けられる下沓固定部611を有する下端部610と、下端部610から水平方向における下沓10から離れる方向に延びる下部第1水平部612と、下部第1水平部612の外端から上方に延びる下部鉛直部613と、下部鉛直部613の上端から水平方向における下沓10に向かう方向に延びる下部第2水平部614を備えている。下部第2水平部614は、調整部630を有しており、調整部630を介して上部治具600Uの上部水平部623に調整自在に連結されている。
上部治具600Uは、上沓20に取り付けられる上沓固定部621を有する上端部620と、上端部620から下方に延びる上部鉛直部622と、上部鉛直部622の下端から水平方向における上沓20から離れる方向に延びる上部水平部623と、を備えている。上部水平部623は、調整部630を有しており、調整部630を介して下部治具600Dの下部第2水平部614に調整自在に連結されている。
滑り支承交換用治具600は、第1調整部631、第2調整部632及び第3調整部633を有していてよい。第1調整部631は、下沓10に対する滑り支承交換用治具600の取り付け位置を、鉛直方向である第1方向Zに調整できるようになっている。第2調整部632は、上沓20に対する滑り支承交換用治具600の取り付け位置を、水平方向である第2方向Xに調整できるようになっている。第3調整部633は、上部治具600Uに対する下部治具600Dの位置を、水平方向であり第2方向Xと直角な第3方向Yに調整できるようになっている。第3調整部633は、上部治具600Uと下部治具600Dとを連結してよい。
このように、滑り支承交換用治具600は、形状を調整するための調整部630を有しているので、下沓10及び上沓20を移動する前における、下部構造DSと上部構造USとの姿勢関係及び位置関係に合わせて、滑り支承交換用治具600の形状を所望の自由度で調節できる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係る滑り支承200について説明する。
図13は、ジャッキ設置工程における第2実施形態に係る滑り支承200の斜視図である。図14は、図13におけるA矢視断面図である。図15は、ジャッキ設置工程における第2実施形態に係る滑り支承200の正面図である。図16は、交換工程における第2実施形態に係る滑り支承200の斜視図である。なお、第1実施形態の滑り支承100と共通する事項については、説明を省略する場合がある。
図13から図15に示すように、第2実施形態に係る滑り支承200は、第1実施形態に係る滑り支承100と同様に、下部構造DSと上部構造USとの間に設置される滑り支承200である。滑り支承200は、下部構造DSに支持される下部ベースプレート11を有する下沓10と、上部構造USに支持される上部ベースプレート21を有する上沓20と、を備えている。下部ベースプレート11は、ジャッキJの反力を受ける下部支圧面11Sを含んでいる。上部ベースプレート21は、下部支圧面11Sに対向し、ジャッキのJ反力を受ける上部支圧面21Sを含んでいる。そして、下部支圧面11Sと上部支圧面21Sとの間に、ジャッキJを設置可能な設置スペースJSを有している。
滑り支承200は、球面である下沓摺動面10Fを有する下沓10と、球面である上沓摺動面20Fを有する上沓20と、下沓10と上沓20との間に配置され、下沓摺動面10F及び上沓摺動面20Fに対して水平方向に相対的に摺動するスライダ30と、を備えている。なお、第2実施形態に係る滑り支承200は、いわゆる、ダブルタイプである。
滑り支承200は、ジャッキJの設置スペースJSを4箇所有している。これにより、上部構造USから受ける荷重をジャッキJの個数で分担できるので、一つのジャッキJにかかる荷重を低減でき、より少ないジャッキJで分担する場合と比べて、ジャッキJを小型にできる。また、下部ベースプレート11又は上部ベースプレート21に作用する曲げモーメントを低減できるので、より少ないジャッキJで分担する場合と比べて、下部ベースプレート11及び上部ベースプレート21の剛性を低減できる。
ここで、図13又は図15に示すように、下部連結具12及び上部連結具22は、平面視において互いに重ならない位置に配置されていることが好ましい。下部連結具12と上部連結具22とは、平面視において、例えば、位相を45度ずらして配置されている。これにより、下部連結具12の上方及び上部連結具22の下方のそれぞれに、十分なスペースを確保できるので、下部連結具12又は上部連結具22を取り付ける際に、下部連結具12と上部連結具22とが互いに干渉しないようにできる。
また、滑り支承200を交換する際は、図16に示すように、ジャッキJで上部ベースプレート21を支持した状態で、例えば、既存の滑り支承200を構成する下沓10及び上沓20を、不図示のジャッキ等を用いて、水平方向に押し出し又は引き出して、隣接するジャッキJの相互の間隙を通して取り出す。このため、隣接するジャッキJの相互の最短水平距離は、滑り支承200を構成する交換部品(例えば、下沓10及び上沓20)の最小水平寸法より大きくなっている。
また、滑り支承200を交換する際は、図16に示すような滑り支承交換用治具700を用いてよい。滑り支承交換用治具700は、下沓10の表面に接する下部接触面を有する下端部710と、上沓20の表面に接する上部接触面を有する上端部720と、下端部710と上端部720とを繋いで鉛直方向に延びる鉛直部730を備えている。ここで、下端部710及び上端部720は、鉛直部730に対して、下沓10の表面と下部接触面とが対応し、上沓20の表面と上部接触面とが対応する姿勢で配置されている。これにより、滑り支承100の交換時において、下沓10と上沓20との姿勢関係及び位置関係を維持した状態で、移動できる。
(その他の実施形態)
以上、図面を参照して実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、様々な設計変更等をすることが可能である。
また、上述の実施形態の要素を自由に組み合わせてもよい。
例えば、第1実施形態に係る滑り支承100において、ジャッキJの設置スペースJSを4箇所設けてもよい。第1実施形態に係る滑り支承100を、平坦な下沓摺動面10F及び平坦な上沓摺動面20Fを有する滑り支承100としてもよい。第1実施形態に係る滑り支承100において、第2実施形態に係る滑り支承200の下沓10に係止された下部連結具12と上沓20に係止される上部連結具22との位置関係のように、平面視において、位相をずらして配置してよい。第2実施形態に係る滑り支承100において、ジャッキJの設置スペースJSを2箇所としてもよい。第2実施形態に係る滑り支承200を、球面の下沓摺動面10F及び球面の上沓摺動面20Fを有する滑り支承100としてもよい。第1実施形態に係る滑り支承100又は第2実施形態に係る滑り支承200は、摺動面を1箇所有する滑り支承であってもよい。
本実施形態の滑り支承100,200は、下部構造DSと上部構造USとの間に設置される。滑り支承100,200は、下部構造DSに支持される下部ベースプレート11を有する下沓10と、下沓10の下沓摺動面10Fに対して摺動自在に載置され、上部構造USに支持される上部ベースプレート21を有する上沓20と、を備えている。下部ベースプレート11は、ジャッキJの反力を受ける下部支圧面11Sを含んでいる。上部ベースプレート21は、下部支圧面11Sに対向し、ジャッキJの反力を受ける上部支圧面21Sを含んでいる。滑り支承100,200は、下部支圧面11Sと上部支圧面21Sとの間に、ジャッキJを設置可能な設置スペースJSを有している。これにより、既設の滑り支承100の構成部品の一部又は全部である交換部品を交換する際に、ジャッキJによるジャッキアップの反力で破損しないように下部構造DS又は上部構造USを補強したり、ジャッキJを設置するための空間を特別に確保したりすることを要することなく、上部構造USをジャッキアップでき、滑り支承100,200の交換部品を簡単に交換できる。よって、滑り支承100,200の交換に要するコストを低減できる。
本実施形態の滑り支承100,200の交換方法は、設置スペースJSにジャッキJを設置するジャッキ設置工程と、ジャッキJで上部構造USに取り付けられた上部ベースプレート21を支圧して持ち上げるジャッキアップ工程と、滑り支承100,200を構成する交換部品を交換する交換工程と、を含んでいる。これにより、既設の滑り支承100の構成部品の一部又は全部である交換部品を交換する際に、ジャッキJによるジャッキアップの反力で破損しないように下部構造DS又は上部構造USを補強したり、ジャッキJを設置するための空間を特別に確保したりすることを要することなく、上部構造USをジャッキアップでき、滑り支承100,200の交換部品を簡単に交換できる。よって、滑り支承100,200の交換に要するコストを低減できる。
本実施形態の滑り支承交換用治具500,600,700は、滑り支承100,200の下沓10に対して着脱自在な下沓固定部511を下端部510に有し、滑り支承100,200の上沓20に対して着脱自在な上沓固定部521を上端部520に有し、下沓10と上沓20とを連結する。これにより、滑り支承100の交換部品を交換する際に、移動に伴い作用する外力によって下沓10と上沓20とが摺動してずれないように、下沓10と上沓20との姿勢関係及び位置関係を維持できる。
10 下沓
10F 下沓摺動面
11 下部ベースプレート
11S 下部支圧面
12 下部連結具
20 上沓
20F 上沓摺動面
21 上部ベースプレート
21S 上部支圧面
22 上部連結具
30 スライダ
31F スライダ下摺動面
32F スライダ上摺動面
100,200 支承
500,600,700 滑り支承交換用治具
500D,600D 下部治具
500U,600U 上部治具
510,610,710 下端部
511,611 下沓固定部
512,612 下部第1水平部
513,613 下部鉛直部
514,614 下部第2水平部
520,620,720 上端部
521,621 上沓固定部
522,622 上部鉛直部
523,623 上部水平部
530,630 調整部
531,631 第1調整部
532,632 第2調整部
533,633 第3調整部
730 鉛直部
DS 下部構造
J ジャッキ
JS 設置スペース
US 上部構造
X 第2方向
Y 第3方向
Z 第1方向

Claims (15)

  1. 下部構造と上部構造との間に設置される滑り支承であって、
    前記下部構造に支持される下部ベースプレートを有する下沓と、
    前記上部構造に支持される上部ベースプレートを有する上沓と、を備え、
    前記下部ベースプレートは、ジャッキの反力を受ける下部支圧面を含み、
    前記上部ベースプレートは、前記下部支圧面に対向し、前記ジャッキの反力を受ける上部支圧面を含み、
    前記下部支圧面と前記上部支圧面との間に、前記ジャッキを設置可能な設置スペースを有する
    ことを特徴とする滑り支承。
  2. 前記下沓又は前記上沓に対して摺動自在なスライダを備える
    請求項1に記載の滑り支承。
  3. 前記スライダに作用する面圧は、20MPa以上である
    ことを特徴とする請求項2に記載の滑り支承。
  4. 前記下部ベースプレートは、複数の前記下沓を支持する
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の滑り支承。
  5. 前記下沓と前記下部ベースプレートとは、着脱自在な下部連結具で連結されており、
    前記上沓と前記上部ベースプレートとは、着脱自在な上部連結具で連結されている
    ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の滑り支承。
  6. 前記下部連結具及び前記上部連結具は、平面視において互いに重ならない位置に配置されている
    ことを特徴とする請求項5に記載の滑り支承。
  7. 前記設置スペースに前記ジャッキを設置するジャッキ設置工程と、
    前記ジャッキで前記上部構造に取り付けられた前記上部ベースプレートを支圧して持ち上げるジャッキアップ工程と、
    前記滑り支承を構成する交換部品を交換する交換工程と、を含む
    ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の前記滑り支承の交換方法。
  8. 前記交換部品は、摩擦材である
    ことを特徴とする請求項7に記載の滑り支承の交換方法。
  9. 前記滑り支承は、前記下沓又は前記上沓に対して摺動自在なスライダを備え、
    前記交換部品は、前記スライダである
    ことを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の前記滑り支承の交換方法。
  10. 前記上沓と前記下沓とを連結する滑り支承交換用治具を、前記上沓及び前記下沓に取り付ける第1治具取付工程を含む
    ことを特徴とする請求項7から請求項9のいずれか1項に記載の前記滑り支承の交換方法。
  11. 前記第1治具取付工程は、前記上沓及び前記下沓の姿勢関係及び位置関係に合わせて前記滑り支承交換用治具の形状を調整する治具形状調整工程を含む
    ことを特徴とする請求項10に記載の前記滑り支承の交換方法。
  12. 前記交換工程は、
    前記滑り支承交換用治具を前記滑り支承から取り外す治具取外工程と、
    前記交換部品が交換された交換滑り支承に前記滑り支承交換用治具を取り付ける第2治具取付工程と、
    前記下部ベースプレートと前記上部ベースプレートとの間に、前記交換滑り支承を据え付ける据付工程と、を含む
    ことを特徴とする請求項7から請求項11のいずれか1項に記載の滑り支承の交換方法。
  13. 滑り支承の下沓に対して着脱自在な下沓固定部を下端部に有し、
    前記滑り支承の上沓に対して着脱自在な上沓固定部を上端部に有し、
    前記下沓と前記上沓とを連結する
    ことを特徴とする滑り支承交換用治具。
  14. 前記滑り支承交換用治具は、形状を調整するための調整部を有する
    ことを特徴とする請求項13に記載の滑り支承交換用治具。
  15. 前記調整部は、第1方向に沿って前記形状を調整するための第1調整部と、前記第1方向に垂直な第2方向に沿って前記形状を調整するための第2調整部と、前記第1方向及び前記第2方向に垂直な第3方向に沿って前記形状を調整するための第3調整部と、を有する
    ことを特徴とする請求項14に記載の滑り支承交換用治具。
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