JP2023023098A - タイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】低空気抵抗と良好なコーナリングパワー特性を両立する。【解決手段】実施形態の一例であるタイヤは、溝が形成されたトレッドと、トレッドの幅方向外側に隣接するショルダーとを備え、車両に対する装着方向が指定されている。タイヤが車両に装着された状態で車両の外側に位置する第1ショルダーの外周面の曲率半径(Rso)は、車両の内側に位置する第2ショルダーの外周面の曲率半径(Rsi)より大きい。トレッドにおいて、タイヤ赤道と第1ショルダーの間に位置する領域を第1領域、タイヤ赤道と第2ショルダーの間に位置する領域を第2領域と定義した場合に、第1領域の面積に対する溝面積の比率(Vo)は、第2領域の面積に対する溝面積の比率(Vi)より小さい。【選択図】図1
Description
本発明は、タイヤに関し、より詳しくは、車両に対する装着方向が指定されたタイヤに関する。
従来、左右のショルダー部分の曲率半径がタイヤ赤道に対して非対称であり、車両に対する装着方向が指定されたタイヤが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1のタイヤは、車両に装着された状態で車両の外側に位置するショルダーの曲率半径が、車両の内側に位置するショルダーの曲率半径より大きく、かつトレッドの接地端近傍における溝面積比および溝深さが所定の条件を満たすものである。特許文献1には、操縦安定性やハンドル流れ性を維持しつつ、車両の内側に位置するショルダーの摩耗を効果的に抑制できる、との効果が記載されている。
ところで、車両の空気抵抗は燃費性能に大きく影響するため、車両の一部を構成するタイヤについても空気抵抗の低減が求められている。しかし、タイヤの基本性能を損なうことなく、空気抵抗を低減することは容易ではない。本発明者の検討の結果、空気抵抗の低減を考慮した構造を採用した場合に、特にコーナリングパワー特性に大きく影響することが判明した。特許文献1のタイヤを含む従来のタイヤは、低空気抵抗と良好なコーナリングパワー特性の両立について未だ改良の余地がある。
本発明の目的は、低空気抵抗と良好なコーナリングパワー特性を両立することが可能なタイヤを提供することである。
本発明に係るタイヤは、溝が形成されたトレッドと、トレッドの幅方向外側に隣接するショルダーとを備え、車両に対する装着方向が指定されたタイヤであって、タイヤが車両に装着された状態で、車両の外側に位置する第1ショルダーの外周面の曲率半径(Rso)が、車両の内側に位置する第2ショルダーの外周面の曲率半径(Rsi)より大きく、トレッドにおいて、タイヤ赤道と第1ショルダーの間に位置する領域を第1領域、タイヤ赤道と第2ショルダーの間に位置する領域を第2領域と定義した場合に、第1領域の面積に対する溝面積の比率(Vo)が、第2領域の面積に対する溝面積の比率(Vi)より小さいことを特徴とする。
本発明に係るタイヤによれば、低空気抵抗と良好なコーナリングパワー特性を両立することができる。
以下、図面を参照しながら、本発明に係るタイヤの実施形態の一例について詳細に説明する。以下で説明する実施形態はあくまでも一例であって、本発明は以下の実施形態に限定されない。また、以下で説明する複数の実施形態および変形例の各構成要素を選択的に組み合わせてなる構成は本発明に含まれている。
図1(a)は、実施形態の一例であるタイヤ1の幅方向断面の一部を模式的に示す図である。図1(b)は、図1(a)の断面図からタイヤ1の外周面の輪郭を抜き出して示す図である。
図1に示すように、タイヤ1は、路面に接地する部分であるトレッド10と、トレッド10の幅方向外側に隣接する一対のショルダー11とを備える。また、タイヤ1は、各ショルダー11からタイヤ径方向内側に延びる一対のサイドウォール12と、ホイールのリムに固定される一対のビード13とを備える。トレッド10、ショルダー11、サイドウォール12、およびビード13は、タイヤ周方向に沿って環状に形成されている。ショルダー11、サイドウォール12、およびビード13は、タイヤ1の左右の側面を形成している。
タイヤ1は、所定圧の空気が充填される空気入りタイヤである。タイヤ1は、一般的に、カーカス14、ベルト15、およびインナーライナー16を備える。カーカス14は、ゴムで被覆されたコード層であり、荷重、衝撃、空気圧等に耐えるタイヤ1の骨格を形成する。ベルト15は、トレッド10を構成するトレッドゴムとカーカス14の間に配置される補強帯であり、カーカス14を強く締めつけてタイヤ1の剛性を高める。インナーライナー16は、カーカス14の内周面に設けられたゴム層であって、タイヤ1の空気圧を保持する。また、ビード13は、ビードコア17とビードフィラー18を有する。
タイヤ1は、左右のショルダー11の表面における曲率半径が互いに異なったタイヤであって、車両に対する装着方向が指定されている。詳しくは後述するが、タイヤ1が車両に装着された状態で、車両の外側に位置する第1ショルダー11Aの外表面の曲率半径が、車両の内側に位置する第2ショルダーの外表面の曲率半径より大きくなっている。言い換えると、タイヤ1は、第1ショルダー11Aが車両の外側に向き、第2ショルダー11Bが車両の内側に向くように、車両に装着される。この場合、タイヤ1の空気抵抗を効果的に低減できる。
タイヤ1には、車両に対する装着方向を示すための表示が設けられていることが好ましい。タイヤ1の側面には、一般的に、セリアルと呼ばれる記号が設けられている。セリアルには、例えばサイズコード、製造時期(製造年週)、製造場所(製造工場コード)などの情報が含まれている。タイヤ1の第1ショルダー11A側の側面のみにセリアルを設ける、或いは第1ショルダー11A側の側面と第2ショルダー11B側の側面とで異なるセリアルを設けることで、車両に対するタイヤ1の装着方向が特定される。具体例としては、タイヤ1の両側面に製造工場コードおよびサイズコードを設け、第1ショルダー11A側の側面のみに製造年週を設けることが挙げられる。
トレッド10には、接地端Eが存在する。本明細書において、接地端Eとは、未使用のタイヤ1を正規リムに装着して正規内圧となるように空気を充填した状態で、正規内圧における正規荷重(最大負荷能力)の70%の負荷を加えたときに、平坦な路面に接地する領域のタイヤ幅方向両端を意味する。また、本明細書では、接地端Eをトレッド10とショルダー11の境界とする。ショルダー11は、通常走行時に平坦な路面と接触しない部分であって、バットレス領域とも呼ばれる。
ここで、「正規リム」とは、タイヤ規格により定められたリムであって、JATMAであれば「標準リム」、TRAであれば「Design Rim」、ETRTOであれば「Measuring Rim」である。「正規内圧」は、JATMAであれば「最高空気圧」、TRAであれば表「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に記載の最大値、ETRTOであれば「INFLATION PRESSURE」である。「正規荷重」は、JATMAであれば「最大負荷能力」、TRAであれば表「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に記載の最大値、ETRTOであれば「LOAD CAPACITY」である。
トレッド10は、タイヤ周方向に延びる複数の主溝20と、主溝20により区画された複数の陸部とを有する。主溝20は、トレッド10と路面の間に存在する雨水等を除去する排水路として機能する。本実施形態では、トレッド10に4本の主溝20が形成されている。4本の主溝20は、例えば、互いに略同じ深さ、略同じ幅を有する。陸部は、トレッド10の基準面からタイヤ径方向外側に向かって突出した突出部である。基準面とは、主溝20の底面に沿った仮想面であって、陸部が存在しない場合のトレッド10の外周面を意味する。
トレッド10は、上記陸部として、センター陸部21、メディエイト陸部22、およびショルダー陸部23を有する。センター陸部21がトレッド10の幅方向中央部に配置され、ショルダー陸部23がトレッド10の幅方向両端部に配置されている。メディエイト陸部22は、センター陸部21と各ショルダー陸部23の間に配置されている。本実施形態では、各陸部を幅方向に横断する横溝が形成され、各陸部は主溝20と横溝により区画されてブロック状に形成されている。
センター陸部21は、タイヤ周方向に沿ってタイヤ赤道CL上に形成されている。タイヤ赤道CLとは、タイヤ幅方向中央を通るタイヤ周方向に沿った線を意味する。本明細書では、トレッド10において、タイヤ赤道CLと第1ショルダー11Aの間に位置する領域を第1領域R1、タイヤ赤道CLと第2ショルダー11Bの間に位置する領域を第2領域R2と定義する。即ち、タイヤ赤道CLから車両の外側の接地端Eまでの領域が第1領域R1、タイヤ赤道CLから車両の内側の接地端Eまでの領域が第2領域R2である。
トレッド10の第1領域R1には、第1メディエイト陸部22Aと第1ショルダー陸部23Aが形成され、第2領域R2には、第2メディエイト陸部22Bと第2ショルダー陸部23Bが形成されている(後述の図2参照)。詳しくは後述するが、第1メディエイト陸部22Aと第2メディエイト陸部22Bのブロック形状は互いに異なり、また第1ショルダー陸部23Aと第2ショルダー陸部23Bのブロック形状は互いに異なっている。そして、第1領域R1の面積に対する溝面積の比率が、第2領域R2の面積に対する溝面積の比率よりも小さくなっている。この場合、良好なコーナリングパワー(CP)特性を確保できる。
本発明の構成上、ショルダー11とサイドウォール12の境界は明確である必要はないが、本実施形態では、トレッド10からタイヤ1の側面まで延びるショルダー陸部23のタイヤ幅方向外側端が、ショルダー11とサイドウォール12の境界となっている。一般的に、ショルダー11とサイドウォール12は異なるゴムで構成されている。トレッド10とショルダー11は、同じゴムで構成されていてもよく、異なるゴムで構成されていてもよい。
以下、図1および図2を参照しながら、トレッド10およびショルダー11の構成について更に詳説する。図2は、トレッド10の一部を模式的に示す平面図である。図2では、各陸部の上面にドットハッチングを付している。陸部の上面とは、タイヤ径方向外側に向いた面であり、路面に接するトレッド10の接地面となる。
図1に示すように、タイヤ1は、互いに曲率半径が異なる第1ショルダー11Aと第2ショルダー11Bを備える。そして、上述のように、第1ショルダー11Aの外周面の曲率半径(Rso)が、第2ショルダー11Bの外周面の曲率半径(Rsi)より大きくなっている(Rso>Rsi)。図1(b)に、RsoおよびRsiを示している。図1(b)に示すように、Rsoは、タイヤ1の幅方向断面における、第1ショルダー11Aの外周面の曲率半径であり、Rsiは、タイヤ1の幅方向断面における、第2ショルダー11Bの外周面の曲率半径である。
各ショルダー11の外周面は、タイヤ1の外側に向かって湾曲しているが、第1ショルダー11Aは第2ショルダー11Bと比べて湾曲の程度が緩やかである。図1に示す例では、第2ショルダー11Bの外周面が、第1ショルダー11Aの外周面と比べて角ばっている。なお、各ショルダー11の内周面の曲率半径は特に限定されず、例えば、互いに同じである。
各ショルダー11の外周面は、全域にわたって一定の曲率半径を有し、1つの円弧により形成されていてもよいが、図1に示す例では、各ショルダー11において外周面の曲率半径は変化している。即ち、第1ショルダー11Aの外周面は、湾曲の程度が異なる複数の円弧により形成されている。同様に、第2ショルダー11Bの外周面は、湾曲の程度が異なる複数の円弧により形成されている。
各ショルダー11の外周面が複数の円弧により形成される場合、第1ショルダー11Aの外周面の曲率半径(Rso)の最小値を、第2ショルダー11Bの外周面の曲率半径(Rsi)の最小値よりも大きくする(Rsoの最小値>Rsiの最小値)。即ち、各ショルダー11において最も湾曲の程度が大きい部分(曲率が最大となる部分)で曲率半径を比較した場合に、Rso>Rsiの条件が満たされる。曲率半径が最小となる部分は、サイドウォール12との境界よりも接地端Eに近接することが好ましい。各ショルダー11の少なくとも一方の曲率半径は、接地端Eにおいて最小であってもよい。
第1ショルダー11Aの曲率半径(Rso)の好適な一例は、6mm以上45mm以下であり、より好ましくは20mm以上40mm以下、又は30mm以上40mm以下である。第1ショルダー11Aの外周面が複数の円弧により形成される場合、少なくとも最も湾曲の程度が大きな円弧に対応する曲率半径、即ち曲率半径の最小値が当該範囲内であることが好ましく、全ての円弧に対応する曲率半径が当該範囲内であってもよい。曲率半径(Rso)が当該範囲内であれば、良好なCP特性を維持しつつ、空気抵抗を効果的に低減できる。
第2ショルダー11Bの曲率半径(Rsi)の好適な一例は、1mm以上40mm以下であり、より好ましくは2mm以上20mm未満、又は2mm以上10mm以下である。第2ショルダー11Bの外周面が複数の円弧により形成される場合、少なくとも曲率半径の最小値が当該範囲内であることが好ましい。詳しくは後述するが、曲率半径(Rsi)が当該範囲内であれば、車両の走行時にタイヤ1の前方から受ける空気の流れを効果的に、タイヤ1を車両進行方向に押し出す推進力に変えることができる。
各ショルダー11の曲率半径について、5mm≦Rso-Rsiの条件を満たすことが好ましい。この場合、タイヤ1の空気抵抗の低減効果がより顕著になる。各ショルダー11の曲率半径の差(Rso-Rsi)は、より好ましくは10mm以上であり、特に好ましくは20mm以上、又は25mm以上である。空気抵抗の低減だけを考慮すると、曲率半径の差(Rso-Rsi)の上限は特に限定されないが、差が大きくなり過ぎると、例えば、タイヤ1の摩耗に影響がでて耐久性が低下するため、50mm以下が好ましい。より好ましくは40mm以下、特に好ましくは35mm以下である。曲率半径の差(Rso-Rsi)の好適な範囲の一例は、5mm≦Rso-Rsi≦50mmである。
タイヤ1は、上述の通り、各ショルダー11の曲率半径がRso>Rsiであるから、車両の外側に位置するトレッド10の第1領域R1の接地幅が、車両の内側に位置するトレッド10の第2領域R2の接地幅と比べて狭くなる。即ち、タイヤ赤道CLから車両の外側に位置する接地端Eまでの長さは、タイヤ赤道CLから車両の内側に位置する接地端Eまでの長さよりやや短くなっている。
図2に示すように、トレッド10は、タイヤ赤道CLに対して左右非対称のトレッドパターンを有する。上述のように、トレッド10の第1領域R1と、トレッド10の第2領域R2とで、陸部のブロック形状が異なり、各領域の面積に対する溝の面積の比率が異なっている。各領域の面積とは、トレッド10の平面視において、溝を含む各領域の総面積を意味する。溝の面積とは、トレッド10の平面視における溝の面積を意味する。
本実施形態では、4本の主溝20が互いに同じ幅、同じ深さで、第1領域R1と第2領域R2に2本ずつ形成されている。また、センター陸部21は、タイヤ赤道CLに対して左右対称の形状を有する。センター陸部21には、一定の幅を有する横溝24が陸部の全幅にわたって形成されている。一方、各メディエイト陸部22と各ショルダー陸部23に形成される横溝の面積は、第1領域R1と第2領域R2とで異なっている。
図2に示す例では、第1領域R1の第1メディエイト陸部22Aに形成される横溝25Aの本数が、第2領域R2の第2メディエイト陸部22Bに形成される横溝25Bの本数よりも少ない。また、第1領域R1の第1ショルダー陸部23Aに形成される横溝26Aの幅が、第2領域R2の第2ショルダー陸部23Bに形成される横溝26Bの幅よりも小さい。そして、第1領域R1の面積に対する溝面積の比率(Vo)が、第2領域R2の面積に対する溝面積の比率(Vi)よりも小さくなっている(Vo<Vi)。
タイヤ1は、上述の通り、第1領域R1の接地幅が、第2領域R2の接地幅と比べて狭くなっている。接地幅が狭くなると、一般的にはCP特性は低下するが、タイヤ1によれば、第1領域R1の溝面積比(Vo)を小さくすることで接地面積を拡大し、良好なCP特性を確保している。また、横溝は空気抵抗にも影響するため、第1領域R1の溝面積比(Vo)を小さくすることは、横溝に起因して発生する乱流が抑制され、空気抵抗の低減にも寄与する。
トレッド10の溝面積比について、Vi-Vo≦15%の条件を満たすことが好ましい。溝面積比の差(Vi-Vo)を大きくし過ぎると、例えば、タイヤの左右の剛性バランスが崩れ、CP特性を含むタイヤの基本性能が低下する場合がある。このため、溝面積比の差(Vi-Vo)は、15%以下が好ましく、14%以下がより好ましく、13%以下が特に好ましい。
第1領域R1の溝面積比(Vo)の一例は、15%以上35%以下である。Voが当該範囲内であれば、排水特性、制動特性等の性能を損なうことなく、良好なCP特性を確保できる。第2領域R2の溝面積比(Vi)の一例は、20%以上40%以下である。溝面積比の差(Vi-Vo)の好適な範囲の一例は、5%≦Vi-Vo≦15%である。
第1メディエイト陸部22Aに形成される横溝25Aの本数は、例えば、第2メディエイト陸部22Bに形成される横溝25Bの本数の2倍以上5倍以下である。横溝25A,25Bは、例えば、タイヤ周方向に等間隔でそれぞれ配置されている。横溝25A,25Bの各々の幅は同じであってもよく、横溝25Aの幅>横溝25Bの幅であってもよいが、トレッド10の平面視において、横溝25Aの総面積は、横溝25Bの総面積よりも小さいことが好ましい。
第1ショルダー陸部23Aに形成される横溝26Aの幅は、例えば、第2ショルダー陸部23Bに形成される横溝26Bの幅の0.5倍以上1.0倍未満、又は0.5倍以上0.8倍以下である。横溝26A,26Bは、例えば、タイヤ周方向に等間隔でそれぞれ配置されている。横溝26A,26Bの本数は同じであってもよく、横溝26Aの本数>横溝26Bの本数であってもよいが、トレッド10の平面視において、横溝26Aの総面積は、横溝26Bの総面積よりも小さいことが好ましい。
上述の構成を備えたタイヤ1によれば、低空気抵抗と良好なCP特性を両立することができる。以下、図3を参照しながら、かかるタイヤ1の作用効果について詳説する。図3は、タイヤ1が装着された車両100の一部を模式的に示す図である。比較として、図4に従来のタイヤ2を示す。
図3および図4に示すように、車両100の走行時にはタイヤ1,2にも空気があたり、タイヤ1,2による空気抵抗が発生する。他方、タイヤ1,2に空気があたると、タイヤ1,2の側方で空気の流れが乱れ、渦巻き状の乱流が発生する。この乱流は車両の進行方向に流れるため、タイヤ1,2を進行方向に押し出す推進力を発生させる。車両100の内側に位置するタイヤ1,2の側面は車体に広く覆われているため、車両の内側ではタイヤ1,2の回転を促進する渦巻き状の乱流が発生しやすく、効果的に推進力が得られる。一方、本発明者の検討の結果、車両100の外側では、発生する渦巻きが小さく効果的な推進力が得られないことが分かった。
そこで、タイヤ1では、車両100の内側に位置する第2ショルダー11Bの曲率半径(Rsi)を小さくして乱流を受け易くすると共に、車両100の外側に位置する第1ショルダー11Aの曲率半径(Rso)を大きくして空気の流れをスムーズにしている。曲率半径(Rsi)を小さくして第2ショルダー11Bを角ばらせることで、渦巻き状の乱流が発生しやすくなり、かつ当該乱流を受けやすくなる。他方、車両100の外側では乱流の効果が小さいため、曲率半径(Rso)を大きくして第1ショルダー11Aを緩やかに湾曲させることで、空気を前方から後方にスムーズに流し、空気抵抗を低減している。
つまり、タイヤ1によれば、車両の内側では渦巻き状の乱流を積極的に利用し、車両の外側では乱流の発生を抑制して空気の流れをスムーズにすることにより、全体として空気抵抗を大きく低減することが可能になる。なお、従来のタイヤ2では、車両の外側において乱流による効果的な推進力は得られず、大きな空気抵抗が発生する。一方、タイヤ1は、各ショルダー11の曲率半径がRso>Rsiであるため、タイヤ赤道CLよりも車両の内側に位置するトレッド10の第2領域R2よりも、車両の外側に位置するトレッド10の第1領域R1において接地幅が狭くなっている。
そこで、タイヤ1では、各領域の溝面積比をVo<Viとすることにより、良好なCP特性を確保している。特に、横溝は空気抵抗にも影響するため、第1領域R1の横溝の面積を小さくすることは空気抵抗の低減にも寄与する。なお、遠心力が発生するような速度域では遠心力と釣り合うだけのコーナリングフォース(CF)が接地面に働かなければ車両は曲がることができない。コーナリングパワー(CP)は、スリップアングルがゼロ付近のCFの勾配を表す。ハンドルを切った際に、進行方向とタイヤの向いている方向は一致しないが、この角度がスリップアングルと呼ばれる。一般的に、接地幅が狭くなると、CP特性が低下してスリップしやすくなるが、タイヤ1によれば、高いCP値が得られる。
なお、上述の実施形態は本発明の目的を損なわない範囲で適宜設計変更できる。例えば、トレッドにおける溝面積比がVo<Viの条件を満たせば、左右のメディエイト陸部が同じ形状を有していてもよく、又は左右のショルダー陸部が同じ形状を有していてもよい。但し、タイヤが車両に装着された状態で車両の外側に位置するショルダー陸部の横溝の総面積は、車両の内側に位置するショルダー陸部の横溝の総面積よりも小さいことが好ましい。
また、上述の実施形態では、主溝と横溝により区画されたブロック状の陸部を有するトレッドパターンを例示したが、各陸部はタイヤ周方向に連続してリブ状に形成されていてもよい。図2に示すトレッドパターンは、好適なパターンの一例であるが、トレッドパターンはこれに限定されない。
1 タイヤ、10 トレッド、11 ショルダー、11A 第1ショルダー、11B 第2ショルダー、12 サイドウォール、13 ビード、14 カーカス、15 ベルト、16 インナーライナー、17 ビードコア、18 ビードフィラー、20 主溝、21 センター陸部、22 メディエイト陸部、22A 第1メディエイト陸部、22B 第2メディエイト陸部、23 ショルダー陸部、23A 第1ショルダー陸部、23B 第2ショルダー陸部、24,25A,25B,26A,26B 横溝、E 接地端、R1 第1領域、R2 第2領域
Claims (3)
- 溝が形成されたトレッドと、前記トレッドの幅方向外側に隣接するショルダーとを備え、車両に対する装着方向が指定されたタイヤであって、
タイヤが車両に装着された状態で車両の外側に位置する第1ショルダーの外周面の曲率半径(Rso)が、車両の内側に位置する第2ショルダーの外周面の曲率半径(Rsi)より大きく、
前記トレッドにおいて、タイヤ赤道と前記第1ショルダーの間に位置する領域を第1領域、タイヤ赤道と前記第2ショルダーの間に位置する領域を第2領域と定義した場合に、前記第1領域の面積に対する溝面積の比率(Vo)が、前記第2領域の面積に対する溝面積の比率(Vi)より小さい、タイヤ。 - 前記ショルダーの曲率半径について、5mm≦Rso-Rsiの条件を満たす、請求項1に記載のタイヤ。
- 前記トレッドの溝面積比について、Vi-Vo≦15%の条件を満たす、請求項1又は2に記載のタイヤ。
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