JP2023022939A - エネルギー管理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】エリア内に複数点在する多拠点型の店舗群について、各電気機器の作動原理に基づいた物理要素を主に用いて、各店舗の消費電力と発電量を高精度に解析予測し、各店舗の解析予測に関する情報を遠隔監視し、エリア内総受電量の低減に向けた省エネ化管理を支援することが可能な、多拠点型店舗のエネルギー管理システムを提供する【解決手段】各機器の機種特有の機器特性情報と、その機器特性の変数に直結する各店舗の局所的精緻な物理要素情報を用いて、各店舗の消費電力と発電量を高精度に解析予測する。局所的精緻な物理要素は、3次元熱流体解析を用いて出力する。各店舗の解析予測に関する入力・出力情報をインターネットを介して統合し、遠隔監視できるように可視化し、エリア内総受電量を最小化するように該当店舗に制御信号を送信する。【選択図】 図3
Description
本発明は、エリア内に点在する多拠点型の施設群で利用ないし消費されるエネルギーの管理に関する。このエネルギーには、例えば、電気エネルギーおよび熱エネルギーが含まれる。なお、施設には、店舗、テナント、支店などのオフィス、教室などが含まれる。
現在、小売業の多店舗展開などで、複数の施設(施設群)を管理することが行われている。特に、各施設で消費されるエネルギーの管理の必要性が増加している。この必要性に対応するために、特許文献1や2が提案されている。
まず、特許文献1には、店舗などテナントのエネルギー消費量の削減を目的とするエネルギー管理の手法が記載されている。なお、特許文献1や2では、エネルギーの例として、消費電力が用いられている。
具体的には、特許文献1には、「設備コントローラは、テナントの各設備の消費電力の予測結果から、消費電力がピークとなる時間帯を算出し、算出した時間帯に蓄電ユニットに蓄電された電力が放電されるように、蓄電ユニットを制御する」と記載されている。
また、特許文献2には、「指定された節電期間における節電の要請に応じる第1実行計画による電気機器の消費電力量の第1予測値と、要請に応じない第2実行計画による電気機器の消費電力量の第2予測値とをユーザに提示する」ことが記載されている。
特許文献1や2で例示されるエネルギー管理手法は、消費電力量と発電量を過去履歴データと公開気象情報から統計処理して予測することを前提としている。一方、消費電力量は気象以外にも店舗内の空調機などの位置と温湿度分布条件に影響されることや、消費電力量と気象との相関が過去と未来の間で変化することが懸念される。
また、公開気象情報は公開機関側が定めた代表地点での上空における情報であり、店舗局所の外気情報とは差異が生じることが懸念される。このため、消費電力と発電量の厳密な予測のためには、物理現象の挙動と各電気機器・発電装置の原理・特性を考慮した解析が必要となる。すなわち、予測を高精度化するためには、電気機器や発電機器の機種特有の機器特性に直結する物理要素について、より正確な情報を使用する必要がある。
例えば、機器の一例である空調機について、店舗内での空調機吸込口位置の局所的な空気温湿度や、店舗内の精緻な熱流束分布、大気内店舗位置での局所的な外気温湿度情報が必要であり、物理現象を基にして高解像度に解析評価することが望ましい。そして、機種特有の機械特性(外気温湿度と吸込風温湿度を変数とする、定格冷暖房能力と定格消費電力それぞれの特性曲線)の情報が必要となる。一方、電気機器の稼働状況や人流によっても消費電力が変化することが予想され、より高精度な予測のためには、これら影響要因も個別に予測モデルに組み込むことが必要となる。
また、多拠点型店舗のエネルギー管理においては、多数の店舗の個別情報を対象とする必要があるため、インターネットを介して入力・出力情報を統合(集積・整理・展開)し、遠隔監視や制御指令などの管理を効率化するITシステムが必要となる。
本発明は、上述した種々の課題を解決するためのもので、施設ごとに、各施設で消費されるエネルギーの消費量に影響を与える局所的な特性を示す複数の特性情報を用いて、施設群のエネルギーの需給量を予測する。
より具体的には、コンピュータシステムであるエネルギー管理システムを用いて、複数の施設である施設群における機器の稼働に応じたエネルギーを管理するエネルギー管理方法において、前記施設ごとのエネルギーの需給量に影響を与える、周辺環境内での分布を考慮した施設群および機器群の個別の局所的な特性を示す複数の特性情報の入力を受け付け、前記複数の特性情報それぞれを用いて、前記施設ごとのエネルギーの需給量を算出し、算出された施設ごとのエネルギーの需給量を統合することで、前記施設群のエネルギーの需給量を解析および可視化し、前記施設群のエネルギーの需給量に基づいて、前記施設の機器の稼働を制御する制御信号を通信するエネルギー管理方法である。
なお、本発明には、エネルギー管理システムやこれを構成する各種装置、プログラムやプログラムを格納する媒体も含まれる。
本発明によれば、施設群のエネルギー管理をより正確に実現できる。
以下、各実施例について、図面を用いて説明する。なお、各実施例では、施設として小売業などの多拠点型店舗を例に説明する。そして、各実施例では、管理するエネルギーとして、電気エネルギー(電力量)を例に説明するが、熱エネルギーを対象とすることも可能である。さらに、各実施例では、電気エネルギーおよび熱エネルギーの双方を管理することも可能である。このように、電気エネルギーおよび熱エネルギーを管理することで、各実施例では、温熱環境を快適にしつつ、省エネルギー化を図ることが可能となる。また、各実施例の店舗の管理単位として、おおよそ市区町村単位のエリアを一例に説明するが、これに限定されない。
まず、実施例1を図1、図2を用いて、説明する。図1は、本実施例の多拠点型店舗のエネルギー管理システムの構成概略図である。エリア内に複数の店舗が点在しており、各店舗1は発電機器2と空調機・冷熱機器・換気機器を含む電気機器群3とクライアント端末4を備えている。ここで、電気機器群3は、店舗の温度調整を行う温度調整機器と表現できる。
各店舗はインターネット5を介して、コンピュータシステムとして構成されるエネルギー管理システムと接続されており、エネルギー管理システムは、エリア内電力管理システム11と計算機7とクラウドシステム6で構成されている。エリア内電力管理システム11は情報統合システム12と店舗制御システム13で構成されている。これら各装置は、コンピュータで実現でき、その機能は、コンピュータで読取可能な記憶媒体に記憶可能なプログラムに従って実現される。
計算機7には、店舗内熱流体解析システム15と店舗電力解析システム16が備わっている。クラウドシステム6には、各店舗特有の情報として、局所外気情報21と機器特性情報22と機器稼働計画情報23と人流情報24と店舗電力解析システムの出力情報31が格納されるようになっている。また、エリア全体の情報として、情報統合システム12の出力情報32が格納されるようになっている。
本実施例では、上述したような店舗の電力量の特性を示す特性情報が用いられる。特性情報は、局所外気情報21、機器特性情報22、機器稼働計画情報23、人流情報24、局所物理要素情報26、店舗内熱流束分布情報27が用いられる、これらは、エネルギー管理システムが利用可能な記憶装置に記憶されることになる。これらは、予め記憶されていてもよいし、下記のように管理処理において作成されてもよい。これら、特性情報を図10に示す。
本実施例では、特性情報を、図10(a)~(c)のようにグループ化して管理しているが、各情報に分けて管理してもよいし、まとめて1つの情報として管理してもよい。また、特性情報は、店舗ごとに1レコードとして作成される。
まず、図10(a)は、店舗の状況を示す情報であって、局所外気情報21、局所物理要素情報26および店舗内熱流束分布情報27を示す。局所外気情報21は、店舗における外気の状況を示し、湿度や温度が含まれる。局所物理要素情報26は、機器の配置などの物理状況を示す。店舗内熱流束分布情報27は、店舗内の熱流束分布を示し、例えば店舗内を区切るメッシュごとのメッシュ情報で示すことが可能である。
また、図10(b)は、機器に関する情報であって、電気機器群3ごとに、機器特性情報22および機器稼働計画情報23である。機器特性情報22は、電気機器群3の特性を示し、例えば、消費電力を含む。また、機器稼働計画情報23は、電気機器群3の稼働計画を示す。
また、図10(c)は、人流情報24を示す。この人流情報24は、店舗内の人流の状況であって、メッシュごとのメッシュ情報で示すことが可能である。
なお、機器特性情報22は、使用機器もしくは類似品の試験結果から算出した、標準的な情報ではない、機種特有の情報であることが望ましい。店舗1は複数あるため、店舗毎の局所外気情報21と機器特性情報22と機器稼働計画情報23と人流情報24と店舗電力解析システムの出力情報31も複数ある。そして、これらのそれぞれがネットワークの一種であるインターネット5を介してエリア内電力管理システム11と接続されている。機器稼働計画などは店舗毎にしばしば変更されるが、クラウドシステム6上で共有することで、各店舗で情報更新することができ、作業効率向上が可能となる。
以上のように、本実施例の特性情報とは、店舗等の施設の周辺や施設そのものを含む周辺の環境内での分布を考慮した施設群および機器群の個別の局所的な特性を示す。
図2は、本実施例の処理フローを示すフローチャートである。まず、ステップS2において、店舗内熱流体解析システム15が、局所外気情報21の入力を受け付け、各店舗内の数値熱流体解析を実行する。この結果、店舗内熱流体解析システム15が、局所物理要素情報26と店舗内熱流束分布情報27を出力する。
なお、ステップS2では、以下のとおり処理してもよい。店舗内熱流体解析システム15が、施設の一種である店舗の周辺(施設の周辺)の構造情報および気象情報基づいて、3次元数値熱流体解析を行い、所外気情報21を算出してもよい。また、さらに、店舗内熱流体解析システム15が、局所外気情報21、施設である店舗の構造情報および店舗内の機器群の運転制御情報を受け付ける。そして、店舗内熱流体解析システム15は、3次元数値熱流体解析を行い、店舗内の温熱環境分布を示す情報である店舗内温熱環境分布を算出してもよい。
次に、ステップS3において、店舗電力解析システム16が、局所外気情報21、局所物理要素情報26、店舗内熱流束分布情報27、機器特性情報22、機器稼働計画情報23、人流情報24の入力を受け付け、各店舗の電力解析を実行する。この結果、店舗電力解析システム16は、出力情報31として、消費電力と発電量の予測情報を出力する。なお、これら消費電力と発電量が、電力の需給量である。
次に、ステップS4において、情報統合システム12が、エリア内の複数の各店舗に係る複数の情報(21~24)と店舗電力解析システム16の出力情報31を情報統合する。この情報統合には、出力情報31の集積・整理・可視化などが含まれる。そして、情報統合システム12が、各店舗の外部からの受電量やエリア内の総受電量などを出力情報32として、出力する。この結果、インターネットなどのネットワークを介してエリア管理者や各店舗のクライアント端末4で、共有が可能となる。
次に、ステップS5において、店舗制御システム13が、出力情報32に基づき、店舗制御の判断を行う。例えば、発電量が所定の基準から不足している店舗や所定の温度を維持できない店舗があれば、店舗制御が必要と判断する。また逆に、発電量が過剰である店舗がある場合に、店舗制御が必要であると判断する。
この結果、店舗制御が必要と判断した場合には、店舗制御システム13が、該当の店舗に対する店舗制御信号を作成する。この際、店舗制御システム13が、受電量に基づき、通常は当該受電量が最小になるように、店舗制御信号を作成することが望ましく、さらにネットワーク通信量が最小になるようにすることが、より望ましい。そして、店舗制御システム13は、対象の店舗ないし機器に、店舗制御信号を出力する。なお、制御信号の作成や出力は、クライアント端末4に対する利用者からの入力に応じて行ってもよいし、エネルギー管理システムにより自動で実行してもよい。
ここで、店舗内局所物理要素は、各機器の機械特性の使用変数に基づいて決定される。例えば空調機については、空調機吸込風の温湿度、店舗外気の温湿度および店舗内熱流束分布を用いて算出した空調機熱負荷となる。空調機吸込風の温湿度と店舗外気温度を変数とする特性曲線から定格消費電力と定格冷却能力をそれぞれ計算し、この2つと空調機熱負荷から、空調機の冷房時の理論的な消費電力を計算する。さらに、空調機の稼働状態や人流による変化分などを計算して、最終的な消費電力の解析予測値を出力する。また例えば、発電機器が太陽光発電である場合は、店舗内局所物理要素は店舗外気屋根部の温度と日射量となる。以上で、実施例1の説明を終了する。
次に、図3および図4を用いて、実施例2を説明する。尚、図3および図4において、図1および図2と同一符号は同一要素を示し、再度の説明は省略し、第1の実施例と異なる箇所についてのみ説明する。
図3は、実施例2の多拠点型店舗のエネルギー管理システムの構成概略図である。本実施例の計算機7には、さらに、エリア熱流体解析システム14が備わっている。また、エリア全体向けのクラウドシステム6’には、土地や建築物などの3次元形状が含まれるエリア構造情報25と、温湿度など物理要素のエリア内空間での3次元分布情報である、エリア熱流体解析システムの出力情報33が格納されるようになっている。
次に、図4は、実施例2の処理フローを示すフローチャートである。本実施例では、実施例1のフローチャートと比較して、ステップS1が追加されている。ここでは、ステップS1について、説明する。ステップS1において、エリア熱流体解析システム14は、エリア構造情報25の入力を受け付ける。そして、エリア熱流体解析システム14は、エリア内空間を対象とした数値熱流体解析を実行する。この結果、エリア熱流体解析システム14は、例えば、地上付近の構造を考慮した、エリア空間内での温湿度など物理要素の3次元分布情報などを特定する。この結果、エリア熱流体解析システム14は、特定された結果を出力情報として出力する。例えば、このエリア内3次元分布情報の中から、各店舗位置の値が抽出され、各店舗の局所外気情報21が出力される。以上で、実施例2の説明を終了する。
次に、実施例3について、説明する。本実施例では、実施例1や2と比較して、店舗での物理量を計測する各種センサを用いる。この結果、本実施例では、センサでの計測結果である計測情報との実施例1、2での解析結果である解析情報を比較して、より実態に即した解析を行うことになる。以下、図5を参照して、実施例3を説明する。尚、図5において、図1および図3と同一符号は同一要素を示すので、再度の説明は省略し、第1および第2の実施例と異なる箇所についてのみ説明する。
図5は、実施例3の多拠点型店舗のエネルギー管理システムの構成概略図である。図5において、店舗1は、IoTセンサ群8を備えている。また、クラウドシステム6には、計測情報41が格納されるようになっており、計算機7には解析係数補正システム17を備えている。解析係数補正システム17は解析情報と計測情報を比較し、統計的処理を実行して誤差特徴を学習し、物性値や換算係数などの解析係数を実効的な値に補正する。IoTセンサ群8と計測情報41は、電気機器の消費電力・発電機器の発電量・店舗外温湿度・店舗内温湿度・日照・人流に関するものを含む。季節性の解析誤差が生じるため、計測情報41は1年以上計測されたものであることが望ましい。IoTセンサ群8を備えた店舗1は複数であってもよく、この場合、サンプル数を増やすことでより高精度に学習・補正することが可能となる。以上で、実施例3の説明を終了するが、実施例4では、実施例1や2の処理フローを実行することになる。
次に、図6~図8を用いて、実施例4について説明する。本実施例では、他の実施例と比較して、各店舗に蓄電装置9が追加されている。尚、図6において、図1、図3および図5の図と同一符号は同一要素を示すので、再度の説明は省略し、第1~第3の実施例と異なる箇所のみ説明する。
図6は、実施例4の多拠点型店舗のエネルギー管理システムの構成概略図である。図6において、店舗1には、蓄電装置9が備わっており、発電した電気を蓄電することができる。エリア内の複数の店舗1の間には電力供給システム10が備わっている。店舗1Aは図7(早朝から一日先までの消費電力と発電量の予測情報)に示す様に、消費電力が発電量よりも大きく、店舗1Bは図8に示す様に消費電力が発電量よりも小さい。このように、蓄電装置からの供給電力量が消費電力量を上回る店舗の蓄電装置から下回る店舗の蓄電装置に電力を供給させることになる。もしくは、下回る店舗の蓄電装置へ発電機器から優先的に電力を供給する。
また、店舗制御システム13は、図8の余剰電力を店舗1Bから店舗1Aに提供するように計画し、店舗1Aと店舗1Bに制御信号を事前に送信する。このとき、余裕を持越した所定時間(例えば1時間)以上前に送信することで、店舗の個別の事情で計画変更の必要が発生した場合に、手動で対応する余裕を設けられる。提供する店舗と提供を受ける店舗は1対1でなくともよく、複数対複数であってもよい。以上で、実施例4の説明を終了する。以上で、実施例4の説明を終了する。
次に、実施例5について説明する。本実施例では、消費電力の標準波形図を作成する。他の処理は、実施例1や2の処理フローと同様である。
図9は、本実施例の店舗電力解析システムの出力情報31を基に、情報統合システム12が作成・出力する、消費電力の標準波形図である。尚、再度の説明は省略し、実施例1~4と異なる箇所のみ説明する。さらに、情報統合システム12は消費電力の実績値をほぼリアルタイムで重ねて表示し、標準波形からのズレの傾向を可視化する。このために、本実施例では、これらの情報をエネルギー管理システムで作成し、クライアント端末4などで表示可能とする。つまり、店舗制御システム13は、この標準波形を目標にして、制御信号を店舗に送信する。
ここで、目標とのズレが所定の値を超過したときは、警告信号を店舗に送信する。各店舗の店員は標準波形と実績値のズレを随時で目視確認する。こうすることで、ズレが増大する傾向である場合、異常状態であることを迅速に認識でき、問題性の大きさを判断することが容易となる。以上で、実施例1~5の説明を終了する。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。例えば、以下の構成も含まれる。
本発明には、空調機と冷熱機器と換気機器を含む電気機器と、発電機器と、クライアント端末と、インターネットなどに接続する通信ネットワークを備えた、所定エリア内の複数の店舗と、インターネットと、エリア内電力管理システムと、店舗電力解析システムと、から構成された多拠点型店舗のエネルギー管理システムにおいて、前記所定エリア内複数店舗の局所外気情報と、前記電気機器および前記発電機器の機器特性情報と、前記電気機器の稼働計画情報と、前記所定エリア内複数店舗の人流情報と、店舗内の3次元数値熱流体解析システムと、クラウドシステムと、を具備し、前記エリア内電力管理システムは情報統合システムと店舗制御システムから構成され、前記店舗内熱流体解析システムは前記機器特性情報の変数に直結する店舗内局所物理要素情報と店舗内熱流束分布情報を出力し、前記店舗電力解析システムは前記局所外気情報と前記店舗内局所物理要素情報と前記店舗内熱流束分布情報と前記機器稼働計画情報と前記人流情報を用いて消費電力と発電量の予測情報を出力し、前記情報統合システムは前記所定エリア内複数店舗についての前記店舗電力解析システムの入出力情報を集積・整理・可視化し、前記クラウドシステムは前記機器特性情報および前記機器稼働計画情報および前記店舗電力解析システム出力情報と前記統合システムの出力情報を前記インターネットを介して共有可能とし、前記店舗制御システムは前記情報統合システムの出力情報に基づきエリア内受電量が最小化されるように前記所定エリア内複数店舗に制御信号を送信する。
この構成によれば、各機器の機種特有の機器特性の変数となる物理要素(空調機の場合、吸込風の温湿度など)と店舗内空間の熱流束分布を、3次元熱流体解析を用いて精緻に予測し、それらと各機器の機器特性、各機器の稼働/停止状態、人流、が含まれる情報を用いて各店舗の消費電力と発電量を高精度に予測できる。この予測を基にして、効率的に機器や店員作業の制御をすることで、外部からの受電量を抑制することができる。さらに、管理者はエリア内店舗群の情報を統合することで、特異な点や問題がある店舗の発見と他店舗での補助対応が容易となり、エリア内の総受電量を抑制することができる。また、インターネットを介して情報を共有することで、入力情報の更新など必要作業を各店舗で分担することができ、作業効率を向上することができる。
また、本発明では、エリア空間の3次元数値熱流体解析システムとエリア内構造情報を具備し、エリア内大気における各店舗位置での局所的な店舗外気情報を出力する。この構成によれば、3次元数値熱流体解析を用いてエリア内の地上付近の空間を精緻に解析することで、各店舗の局所外気情報の予測精度を向上することができる。さらにエリア内を一括して解析することで、エリア内店舗群で解析結果を共有することができ、解析コストを抑制することができる。
この構成によれば、3次元数値熱流体解析を用いてエリア内の地上付近の空間を精緻に解析することで、各店舗の局所外気情報の予測精度を向上することができる。さらにエリア内を一括して解析することで、エリア内店舗群で解析結果を共有することができ、解析コストを抑制することができる。
また、本発明では、前記所定エリア内複数店舗の少なくとも1店舗が前記電気機器の消費電力・前記発電機器の発電量・店舗外温湿度・日照・店舗内温湿度・人流に関するIoTセンサを具備し、前記IoTセンサを用いて1年以上計測情報収集を続け、前記計測情報と前記店舗電力解析システム・前記熱流体解析システム・前記エリア熱流体解析システムの入出力情報を比較し、誤差特徴を学習し、解析係数を補正する。この構成によれば、物性値など解析係数の実効値や季節別の補正係数を算出することができ、解析精度を向上することができる。
また、本発明では、前記所定エリア内複数店舗が蓄電装置を備え、前記店舗制御手段の出力に従い、消費電力に対して発電量が余剰となる店舗から不足となる店舗に蓄電電力を供給する。この構成によれば、受電量を他店の余剰発電電力で補填することができ、エリア内の総受電量を低減することができる。
またさらに、本発明では、前記統合システムが前記所定エリア内複数店舗の消費電力の標準波形を作成し、前記店舗制御システムは前記標準波形を目標として前記所定エリア内複数店舗の該当店舗に制御信号を送信し、さらに前記統合システムは実績値との差分を可視化するとともに、その差分が所定の値を超過した時に警告信号を前記所定エリア内複数店舗の該当店舗に送信する。この構成によれば、消費電力の標準波形と実測値の過大な差分を警告することで、異常に気付く速度を向上することができ、さらに標準波形と差分変化の傾向を視認することで、問題重大性の判断を容易にすることができる。
1…店舗、2…発電機器、3…電気機器群、4…クライアント端末、5…インターネット、6…クラウドシステム、7…計算機、8…IoTセンサ群、11…エリア内電力管理システム、12…情報統合システム、13…店舗制御システム、14…エリア熱流体解析システム、15…店舗内熱流体解析システム、16…店舗電力解析システム、17…解析係数補正システム、21…局所外気情報、22…機器特性情報、23…機器稼働計画情報、24…人流情報、25…エリア構造情報、26…局所物理要素情報、27…店舗内熱流束分布情報、31…店舗電力解析システムの出力情報、32…情報統合システムの出力情報、33…エリア熱流体解析システムの出力情報、41…計測情報
Claims (8)
- コンピュータシステムであるエネルギー管理システムを用いて、複数の施設である施設群における機器の稼働に応じたエネルギーを管理するエネルギー管理方法において、
前記施設ごとのエネルギーの需給量に影響を与える、周辺環境内での分布を考慮した施設群および機器群の個別の局所的な特性を示す複数の特性情報の入力を受け付け、
前記複数の特性情報それぞれを用いて、前記施設ごとのエネルギーの需給量を算出し、
算出された施設ごとのエネルギーの需給量を統合することで、前記施設群のエネルギーの需給量を解析および可視化し、
前記施設群のエネルギーの需給量に基づいて、前記施設の機器の稼働を制御する制御信号を通信するエネルギー管理方法。 - 請求項1に記載のエネルギー管理方法において、
前記エネルギーは、電気エネルギーおよび熱エネルギーであり、前記エネルギーの需給量は電力の需給量であり、
前記機器は、温度調整を行う温度調整機器および発電機であり、
前記特性情報は、前記施設における局所外気情報、前記機器の局所物理要素情報、前記機器の機器特性情報、前記施設内の施設内熱流束分布情報、前記機器の機器稼働計画情報および前記施設内の人流情報であり、
前記特性情報を用いて、前記施設の電力量を解析することで、前記需給量である消費電力および発電量を算出するエネルギー管理方法。 - 請求項2に記載のエネルギー管理方法において、
前記局所外気情報、前記施設の構造情報および機器群の運転制御情報に基づいて、施設内での3次元数値熱流体解析を行い、前記施設内の温熱環境分布を示す温熱環境分布情報を算出するエネルギー管理方法。 - 請求項3に記載のエネルギー管理方法において、
前記施設の周辺の構造情報および気象情報に基づいて、3次元数値熱流体解析を行い、前記局所外気情報を算出するエネルギー管理方法。 - 請求項3または4のいずれかに記載のエネルギー管理方法において、
前記特性情報に基づき、前記施設群のエネルギーの需給量に関する解析情報を算出し、
前記施設に設けられたセンサを用いて、計測情報を計測し、
前記解析情報と前記計測情報を比較して、当該比較の結果を、前記施設ごとのエネルギーの需給量の解析モデルに反映するエネルギー管理方法。 - 請求項5に記載のエネルギー管理方法において、
前記センサにより、前記施設の消費電力、発電量、温湿度、日照量および人流量の少なくとも1つを計測するエネルギー管理方法。 - 請求項3に記載のエネルギー管理方法において、
前記施設には蓄電装置が設けられ、複数の施設ごとに前記発電機が設けられ、
前記機器稼働計画情報を用いて、前記蓄電装置からの供給電力量が消費電力量を上回る施設の蓄電装置から下回る施設の蓄電装置に電力を供給させるエネルギー管理方法。 - 請求項7の何れかに記載のエネルギー管理方法において、
前記消費電力および予め定められた標準波形を重ねて可視化し、
前記前記制御信号として、前記標準波形を目標とする制御信号を通信するエネルギー管理方法。
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