JP2023022810A - 運転者状態誘導装置及び運転者状態誘導方法 - Google Patents

運転者状態誘導装置及び運転者状態誘導方法 Download PDF

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Abstract

【課題】運転者状態を好ましい状態に誘導する刺激として、車両の経路上での状況の変化により応じた種類の刺激を行わせることを可能にする。【解決手段】自車の運転者の状態を特定する状態特定部201と、運転者の目指す目標状態を推定する目標推定部202と、自車の経路を予測する経路予測部203と、経路予測部203で予測した予測経路の道中状況を予測する状況予測部206と、状態特定部201で特定した運転者の状態、及び目標推定部で推定した目標状態に加え、状況予測部206で予測した予測経路上の道中状況に応じて、運転者の状態をその目標状態に誘導するための、その予測経路の道中において用いる運転者への刺激計画を決定する計画決定部207と、予測経路の道中において、計画決定部207で決定した刺激計画に沿って、運転者への刺激を行わせる刺激制御部209とを備える。【選択図】図2

Description

本開示は、運転者状態誘導装置及び運転者状態誘導方法に関するものである。
特許文献1には、運転者の活動履歴から算出した心身負荷レベルに応じた複数種類の刺激を提示する技術が開示されている。特許文献1には、心身負荷レベルが高くなるのに応じて、運転を開始した時点等の車両の機器操作開始直後に開始する、刺激の継続時間を増やすことが記載されている。
特開2006-247255号公報
しかしながら、特許文献1に開示の技術では、運転者が乗車してから目的地に到着するまでの経路上での状況の変化は考慮されていない。よって、この経路上での状況の変化によっては、適切な種類の刺激を行うことができない可能性が高くなる。
この開示の1つの目的は、運転者状態を好ましい状態に誘導する刺激として、車両の経路上での状況の変化により応じた種類の刺激を行わせることを可能にする運転者状態誘導装置及び運転者状態誘導方法を提供することにある。
上記目的は独立請求項に記載の特徴の組み合わせにより達成され、また、下位請求項は、開示の更なる有利な具体例を規定する。特許請求の範囲に記載した括弧内の符号は、1つの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、本開示の技術的範囲を限定するものではない。
上記目的を達成するために、本開示の運転者状態誘導装置は、車両で用いることが可能な運転者状態誘導装置であって、車両の運転者の状態を特定する状態特定部(201)と、運転者の目指す状態である目標状態を推定する目標推定部(202)と、車両の経路を予測する経路予測部(203)と、経路予測部で予測した予測経路の道中における状況を予測する状況予測部(206)と、状態特定部で特定した運転者の状態、及び目標推定部で推定した目標状態に加え、状況予測部で予測した予測経路上の状況に応じて、運転者の状態をその目標状態に誘導するための、その予測経路の道中において用いる運転者への刺激の計画を決定する計画決定部(207,207a)と、予測経路の道中において、計画決定部で決定した計画に沿って、運転者への刺激を行わせる刺激制御部(209)とを備える。
上記目的を達成するために、本開示の運転者状態誘導方法は、車両で用いることが可能な運転者状態誘導方法であって、少なくとも1つのプロセッサにより実行される、車両の運転者の状態を特定する状態特定工程と、運転者の目指す状態である目標状態を推定する目標推定工程と、車両の経路を予測する経路予測工程と、経路予測工程で予測した予測経路の道中における状況を予測する状況予測工程と、状態特定工程で特定した運転者の状態、及び目標推定工程で推定した目標状態に加え、状況予測工程で予測した予測経路上の状況に応じて、運転者の状態をその目標状態に誘導するための、その予測経路の道中において用いる運転者への刺激の計画を決定する計画決定工程と、予測経路の道中において、計画決定工程で決定した計画に沿って、運転者への刺激を行わせる刺激制御工程とを含む。
これによれば、特定した運転者の状態及び運転者の目指す状態である目標状態に加え、予測した予測経路の道中における状況に応じて、運転者の状態をその目標状態に誘導するための、車両の予測経路の道中において用いる運転者への刺激の計画を決定するので、車両の経路上での状況の変化に、より応じた種類の刺激を、計画することが可能になる。そして、予測経路の道中において、決定したその計画に沿って、運転者への刺激を行わせるので、運転者状態を好ましい状態に誘導する刺激として、車両の経路上での状況の変化により応じた種類の刺激を行わせることが可能になる。
車両用システム1の概略的な構成の一例を示す図である。 HCU20の概略的な構成の一例を示す図である。 心理状態を表す感情円環モデルの一例を説明するための図である。 刺激計画の決定について説明するための図である。 計画関連情報の表示の一例について説明するための図である。 心理状態を示すアイコンの一例を説明するための図である。 現運転者状態及び現アクチ種類の情報と、理想状態及び予定アクチ種類の情報との表示の一例について説明するための図である。 現運転者状態及び現アクチ種類の情報と、理想状態及び予定アクチ種類の情報との表示の一例について説明するための図である。 予告情報の表示の一例について説明するための図である。 HCU20での運転者状態誘導関連処理の流れの一例を示すフローチャートである。 HCU20での計画関連処理の流れの一例を示すフローチャートである。 HCU20aの概略的な構成の一例を示す図である。 履歴情報の表示の一例について説明するための図である。 現運転者状態及び現アクチ種類の情報と、過去運転者状態及び過去アクチ種類の情報との表示の一例について説明するための図である。 現運転者状態及び現アクチ種類の情報と、過去運転者状態及び過去アクチ種類の情報との表示の一例について説明するための図である。 現状態予測部213で予測した結果の表示の一例について説明するための図である。 刺激の評価について説明するための図で、刺激のレーティングに関するものである。 刺激の評価について説明するための図で、好ましい刺激の回答方法に関するものである。
図面を参照しながら、開示のための複数の実施形態を説明する。なお、説明の便宜上、複数の実施形態の間において、それまでの説明に用いた図に示した部分と同一の機能を有する部分については、同一の符号を付し、その説明を省略する場合がある。同一の符号を付した部分については、他の実施形態における説明を参照することができる。
(実施形態1)
<車両用システム1の概略構成>
以下、本実施形態について図面を用いて説明する。図1に示す車両用システム1は、自動車(以下、単に車両)で用いられるものであり、HMI(Human Machine Interface)システム2、空調システム3、近距離通信モジュール(以下、NFCM)4、広域通信モジュール(以下、WACM)5、ロケータ6、地図データベース(以下、DB)7、車両状態センサ8、及びデータ収集装置9を含んでいる。HMIシステム2、空調システム3、NFCM4、WACM5、ロケータ6、地図DB7、車両状態センサ8、及びデータ収集装置9は、例えば車内LANに接続されているものとする。車両用システム1を搭載している車両を以降では自車と呼ぶ。
空調システム3は、車両用の冷暖房システムである。空調システム3は、自車の乗員によって設定された空調関連の設定値等を含む空調要求情報を、後述するHCU20から取得する。そして、取得した空調要求情報に従い、自車の車室内の温度、気流、及び香り等を調整する。空調システム3は、空調制御ECU30、エアコンユニット31、及びアロマユニット32を備えている。
エアコンユニット31は、温風及び冷風(以下、空調風)を生成する。空調風は、自車の例えばインストルメントパネルに設けられた吹出口から車室内に供給される。アロマユニット32は、芳香成分を含むエッセンシャルオイル等のアロマオイルを含侵させたビーズ等(以下、含侵物)を有する。そして、エアコンユニット31によって生成された気流を、この含侵物の周りに通過させることで、芳香を車室内に供給する。他にも、アロマユニット32は、アロマオイルを霧状にするものであってもよい。この場合、アロマユニット32によって霧状にされた芳香成分は、エアコンユニット31によって生成された気流と混ぜられて車室内へと供給される構成とすればよい。エアコンユニット31は、自車の乗員に風による刺激を与える。また、エアコンユニット31は、空調風の温度の違いによって、自車の乗員に温冷刺激を与える。つまり、エアコンユニット31は、触覚刺激を与える。アロマユニット32は、自車の乗員に芳香による刺激を与える。つまり、アロマユニット32は、嗅覚刺激を与える。エアコンユニット31及びアロマユニット32のいずれも、刺激を提示する提示装置である。空調制御ECU30は、エアコンユニット31及びアロマユニット32の作動を制御する電子制御装置である。空調制御ECU30は、エアコンユニット31及びアロマユニット32と接続されている。
NFCM4は、近距離無線通信を行うための通信モジュールである。NFCM4は、自車の乗員の携帯端末との間で通信接続が確立した場合に、その携帯端末との間で近距離無線通信を行う。近距離無線通信とは、例えば通信範囲が最大でも数十メートル程度におさまる無線通信とする。近距離無線通信としては、例えばBluetooth(登録商標) Low Energyに準拠した無線通信を用いればよい。携帯端末としては、例えば多機能携帯電話機,ウェアラブルデバイス等が挙げられる。WACM5は、自車の外部のセンタとの間で、無線通信を介して情報の送受信を行う。つまり、広域通信を行う。
ロケータ6は、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信機及び慣性センサを備えている。GNSS受信機は、複数の人工衛星からの測位信号を受信する。慣性センサは、例えばジャイロセンサ及び加速度センサを備える。ロケータ6は、GNSS受信機で受信する測位信号と、慣性センサの計測結果とを組み合わせることにより、自車の現在の車両位置を逐次測位する。車両位置は、例えば緯度経度の座標で表されるものとすればよい。なお、車両位置の測位には、自車に搭載された車速センサから逐次出力される信号から求めた走行距離を用いる構成としてもよい。
地図DB7は、不揮発性メモリであって、地図データを格納している。地図データは、例えばリンクデータ、ノードデータ、及び道路属性等のデータとする。リンクデータは、リンクを特定する固有番号、リンクの長さを示すリンク長、リンク方向、リンク旅行時間、リンクの形状情報、リンクの始端と終端とのノード座標、及び道路属性の各データから構成される。道路属性としては、道路名称、道路種別、道路幅員、車線数、及び速度規制値等がある。一方、ノードデータは、地図上のノード毎に固有の番号を付したノードID、ノード座標、ノード名称、ノード種別、ノードに接続するリンクのリンクIDが記述される接続リンクID、交差点種別等の各データから構成される。なお、地図データは、WACM5を用いて自車の外部から取得する構成としてもよい。
車両状態センサ8は、自車の走行状態,操作状態等の自車の状態を検出するためのセンサ群である。車両状態センサ8としては、車速センサ,舵角センサ,加減速センサ,アクセルポジションセンサ,ブレーキスイッチ,ウインカースイッチ等がある。車速センサは、自車の車速を検出する。操舵角は、自車のステアリングの操舵角を検出する。加減速センサは、自車の加減速度を検出する。アクセルポジションセンサは、自車のアクセルペダルの開度を検出する。ブレーキスイッチは、自車のブレーキペダルの踏み込みの有無に応じた信号を出力する。ウインカースイッチは、自車の方向指示器のランプ点灯操作を検出する。車両状態センサ8は、検出結果を車内LANへ出力する。なお、車両状態センサ8での検出結果は、自車に搭載されるECUを介して車内LANへ出力される構成であってもよい。
データ収集装置9は、自車の走行履歴に関する情報(以下、走行履歴関連情報)を収集する。走行履歴の情報としては、走行経路の情報,混雑度の情報,運転負荷の情報が挙げられる。走行経路の情報は、自車の走行中にロケータ6で逐次測位した車両位置の時系列データとすればよい。つまり、車両位置とその車両位置が得られた時刻とが紐付いたデータ群とすればよい。よって、走行経路の情報には、走行時間の情報も含まれる。走行経路の情報には、収集した曜日の情報も紐付けることが好ましい。
混雑度の情報については、データ収集装置9が、自車の走行中に、例えば自車の車速をもとに混雑度を逐次特定して収集する構成とすればよい。自車の車速は、車両状態センサ8のうちの車速センサでの検出結果を用いればよい。一例としては、自車の車速が渋滞時の低速を区分するための閾値以下で一定時間以上走行している状態を混雑ありとすればよい。混雑度は、混雑ありか否かの2段階としてもよい。また、この混雑ありの継続時間に応じて3段階以上の混雑度を特定する構成としてもよい。混雑度の情報は、その混雑度が得られた車両位置,時刻,曜日等と紐付ければよい。
運転負荷の情報については、データ収集装置9が、自車の走行中に、例えば自車のアクセル操作,ブレーキ操作,操舵操作,方向指示器のランプ点灯操作といった運転操作の頻度をもとに運転負荷を逐次特定して収集する構成とすればよい。運転負荷は、運転者の運転タスクが忙しいほど高くなるものとする。運転タスクは、例えば操舵、加減速、及び周辺監視とする。運転負荷は、運転操作の頻度が高いほど高く特定すればよい。運転負荷は、負荷が高いか否かの2段階としてもよい。運転操作の頻度については、舵角センサ,加速度センサ,アクセルポジションセンサ,ブレーキ踏力センサ等での検出結果の変化の度合いをもとに特定すればよい。運転負荷は、後述する室内カメラ21で検出する運転者の顔向きの変化の頻度が高いほど高くなるものとしてもよい。これは、周辺監視のための顔向きの変化が激しい場合には、運転負荷も高いと考えられるためである。運転負荷は、周辺監視センサで自車の前方車両との車間距離を特定できる場合には、自車の走行中に逐次特定する車間距離が短いほど高く特定する構成としてもよい。運転負荷の情報も、その運転負荷が得られた車両位置,時刻,曜日等と紐付ければよい。
データ収集装置9で収集する走行履歴関連情報には、個々の運転者を識別するための識別情報も紐付ければよい。データ収集装置9で収集した走行履歴関連情報は、WACM5を介してセンタにアップロードすればよい。これにより、運転者の個人履歴データとして、時刻,曜日と紐付いた走行経路の情報,混雑度の情報,運転負荷の情報がセンタに蓄積される。
HMIシステム2は、自車の運転者の情報を取得する。HMIシステム2は、自車の運転者からの入力を受け付ける。HMIシステム2は、自車の運転者に向けて刺激を提示する。ここでの刺激には、情報の提供も含まれる。HMIシステム2の詳細については、以下で述べる。
<HMIシステム2の概略構成>
HMIシステム2は、HCU(Human Machine Interface Control Unit)20、室内カメラ21、生体センサ22、照明装置23、表示装置24、音声出力装置25、及びユーザ入力装置26を備えている。HCUとは、視覚及び/又は音声等の刺激による情報の提示内容を制御するユニットである。
室内カメラ21は、自車の車室内の所定範囲を撮像する。室内カメラ21は、少なくとも自車の運転席を含む範囲を撮像するものとする。室内カメラ21は、例えば近赤外光源及び近赤外カメラと、これらを制御する制御ユニット等とによって構成される。室内カメラ21は、近赤外光源によって近赤外光を照射された運転者を、近赤外カメラによって撮影する。近赤外カメラによる撮像画像は、制御ユニットによって画像解析される。制御ユニットは、撮像画像を画像解析して運転者の顔の特徴量を検出する。制御ユニットは、検出した運転者の顔の特徴量をもとに、運転者の顔向き,覚醒度等を検出してもよい。覚醒度の検出は、例えば瞼の開閉の度合いによって検出すればよい。
生体センサ22は、運転者の生体情報を計測する。生体センサ22は、計測した生体情報をHCU20へ逐次出力する。生体センサ22は、自車に設ける構成としてもよい。生体センサ22は、運転者が装着するウェアラブルデバイスに設けられる構成としてもよい。生体センサ22を自車に設ける場合には、例えばステアリングホイール,シート等に設ければよい。生体センサ22がウェアラブルデバイスに設けられている場合には、例えばNFCM4を介して、生体センサ22での計測結果をHCU20が取得する構成とすればよい。生体センサ22で計測する生体情報の一例としては、呼吸,脈拍,心拍等が挙げられる。なお、生体センサ22として、呼吸,脈拍,心拍以外の生体情報を計測するものを用いる構成としてもよい。例えば、生体センサ22は、脳波,心拍ゆらぎ,発汗,体温,血圧,皮膚コンダクタンス等を計測してもよい。
照明装置23は、運転者が視認可能な位置に設けられて、運転者に発光による刺激を与える。つまり、視覚による刺激を与える。照明装置23は、刺激を提示する提示装置である。照明装置23としては、LED等の発光装置を用いればよい。照明装置23は、発光の色を切り替えることが可能であることが好ましい。照明装置23は、HCU20によって、点消灯のタイミング,発光の色が制御される。
表示装置24は、情報を表示する。表示装置24は、運転者が視認可能な位置に設けられて、運転者に表示による刺激を与える。つまり、視覚による刺激を与える。表示装置24は、刺激を提示する提示装置である。表示装置24は、少なくとも画像を表示する。表示装置24は、画像の他にテキスト等を表示してもよい。表示装置24は、HCU20によって、表示が制御される。
表示装置24としては、例えばメータMID(Multi Information Display),CID(Center Information Display),ナビゲーション装置のディスプレイ,HUD(Head-Up Display)を用いることができる。メータMIDは、車室内のうちの運転席の正面に設けられる表示装置である。一例として、メータMIDは、メータパネルに設けられる構成とすればよい。CIDは、自車のインストルメントパネルの中央に配置される表示装置である。HUDは、車室内のうちの例えばインストルメントパネルに設けられる。HUDは、プロジェクタによって形成される表示像を、投影部材としてのフロントウインドシールドに既定された投影領域に投影する。フロントウインドシールドによって車室内側に反射された画像の光は、運転席に着座する運転者によって知覚される。これにより、運転者は、フロントウインドシールドの前方にて結像される表示像の虚像を、前景の一部と重ねて視認可能となる。HUDは、フロントウインドシールドの代わりに、運転席の正面に設けられるコンバイナに表示像を投影する構成としてもよい。
音声出力装置25は、運転者に音による刺激を与える。つまり、聴覚による刺激を与える。音声出力装置25は、刺激を提示する提示装置である。音声出力装置25から出力する音としては、音楽,環境音等が挙げられる。音楽には、BGMを含んでもよい。環境音とは、特定の環境を再現する音とすればよい。音声出力装置25としては、例えば音声を出力するオーディオスピーカ等を用いればよい。
ユーザ入力装置26は、運転者からの入力を受け付ける。ユーザ入力装置26は、運転者からの操作入力を受け付ける操作デバイスとすればよい。操作デバイスとしては、メカニカルなスイッチであってもよいし、表示装置24と一体となったタッチパネルであってもよい。なお、ユーザ入力装置26は、ユーザからの入力を受け付ける装置であれば、操作入力を受け付ける操作デバイスに限らない。例えば、ユーザからの音声によるコマンドの入力を受け付ける音声入力装置であってもよい。
HCU20は、プロセッサ、メモリ、I/O、これらを接続するバスを備えるマイクロコンピュータを主体として構成される。HCU20は、メモリに記憶された制御プログラムを実行することで運転者の状態の誘導に関する処理(以下、運転者状態誘導関連処理)等の各種の処理を実行する。このHCU20が運転者状態誘導装置に相当する。ここで言うところのメモリは、コンピュータによって読み取り可能なプログラム及びデータを非一時的に格納する非遷移的実体的記憶媒体(non- transitory tangible storage medium)である。また、非遷移的実体的記憶媒体は、半導体メモリ又は磁気ディスクなどによって実現される。なお、HCU20での運転者状態誘導関連処理の詳細については以下で述べる。
<HCU20の概略構成>
続いて、図2を用いて、HCU20の概略構成について説明を行う。HCU20は、運転者状態誘導関連処理に関して、図2に示すように、状態特定部201、目標推定部202、経路予測部203、提示制御部204、経路選択部205、状況予測部206、計画決定部207、計画選択部208、及び刺激制御部209を機能ブロックとして備える。また、コンピュータによってこれらの機能ブロックの処理が実行されることが、運転者状態誘導方法が実行されることに相当する。なお、HCU20が実行する機能の一部又は全部を、1つ或いは複数のIC等によりハードウェア的に構成してもよい。また、HCU20が備える機能ブロックの一部又は全部は、プロセッサによるソフトウェアの実行とハードウェア部材の組み合わせによって実現されてもよい。
状態特定部201は、自車の運転者の状態を特定する。この状態特定部201での処理が状態特定工程に相当する。本実施形態で扱う状態は、図3に示すように、快不快の軸と活性不活性の軸との2軸で心理状態を表す円環モデルで分類されるものとする。つまり、心理状態であるものとする。この円環モデルは、いわゆるラッセルの感情円環モデルである。活性不活性の軸は、覚醒鎮静の軸と言い換えてもよい。なお、ラッセルの感情円環モデルでは、疲労,眠気も心理状態に含まれる。以下では、この円環モデルで分類される心理状態として、図3に示す「イライラ」,「退屈」,「疲労」,「眠気」,「ワクワク」,「しあわせ」,「リラックス」を例に挙げて説明を行う。
「イライラ」は、不快及び活性のいずれも高めの心理状態である。本実施形態では、例えば「イライラ」はストレス状態に含まれるものとする。「退屈」,「疲労」,「眠気」は、不快が高めだが活性が低めの心理状態である。「退屈」,「疲労」,「眠気」のうちでは、「退屈」>「疲労」>「眠気」の順に活性が低くなっている。本実施形態では、例えば「退屈」は漫然状態に含まれるものとする。なお、「疲労」も漫然状態に含まれるものとしてもよい。本実施形態では、「疲労」も漫然状態に含むものとする。「ワクワク」は、快及び活性のいずれも高めの心理状態である。「しあわせ」は、快は高めで活性が高めでも低めでもない心理状態である。「リラックス」は、快は高めだが活性が低めの心理状態である。「イライラ」,「退屈」,「疲労」,「眠気」は不快な方向の心理状態である。「ワクワク」,「しあわせ」,「リラックス」は快適な方向の心理状態である。
本実施形態では、「イライラ」,「ションボリ」,「ワクワク」,「しあわせ」,「リラックス」を心理状態の一例として挙げて説明を行うが、必ずしもこれに限らない。例えば、「恐怖」,「嫌気」,「驚き」といった他の心理状態を扱う構成としてもよい。「恐怖」は、不快及び活性のいずれも高めであって、「イライラ」よりも活性が高めの心理状態である。「嫌気」は、不快及び活性のいずれも高めであって、「イライラ」よりも不快が高めの心理状態である。本実施形態の例では、「イライラ」,「退屈」,「疲労」,「眠気」が特定状態に相当する。「恐怖」,「嫌気」が特定状態以外の不快状態に相当する。「イライラ」,「退屈」,「疲労」,「眠気」も不快状態にあたる。「ワクワク」、「幸せ」、「リラックス」が快適状態に相当する。
状態特定部201は、室内カメラ21での検出結果から、運転者の状態を特定すればよい。例えば、覚醒度から「眠気」を特定すればよい。他にも、運転者の状態に応じた顔の特徴量が認められるかによって、運転者の状態を特定すればよい。状態特定部201は、生体センサ22で計測する運転者の生体情報から、運転者の状態を特定してもよい。例えば、運転者の状態に応じた生体情報の特徴量が認められるかによって、運転者の状態を特定すればよい。状態特定部201は、車両状態センサ8での検出結果から、運転者の状態を特定してもよい。例えば、運転者の状態に応じた特徴的な運転行動が認められるかによって、運転者の状態を特定すればよい。運転者の携帯端末によって運転者の生体情報を予め計測できている場合には、状態特定部201は、NFCM4を介してその携帯端末から取得する生体情報から、運転者の状態を特定してもよい。なお、状態特定部201は、携帯端末で生体情報から運転者の状態までを推定できる場合には、その推定結果を、NFCM4を介して取得することで、運転者の状態を特定してもよい。
目標推定部202は、運転者の目指す状態(以下、目標状態)を推定する。この目標推定部202での処理が目標推定工程に相当する。目標推定部202は、状態特定部201で特定した運転者の状態が不快状態であった場合に、快適状態に誘導するように目標状態を推定すればよい。目標推定部202は、状態特定部201で特定した運転者の状態が不快状態でも快適状態でもない場合にも、快適状態に誘導するように目標状態を推定すればよい。目標推定部202は、状態特定部201で特定した運転者の状態が快適状態であった場合には、快適状態を維持するように目標状態を推定すればよい。
目標推定部202は、快適状態のうちのどの状態を目標状態と推定するかは、例えば運転者の予定,目的地等から推定すればよい。運転者の予定は、NFCM4を介して、運転者の携帯端末のスケジュールアプリケーションから取得すればよい。目的地は、ナビゲーション装置に入力された目的地がある場合には、その目的地を取得すればよい。目的地は、後述する経路予測部203で目的地の予測まで行われる場合には、その予測された目的地を取得すればよい。運転者の直後の予定として家族の誕生日の予定がある場合には、例えば「ワクワク」を目標状態と推定すればよい。運転者の直後のスケジュールが会議の場合には、例えば「リラックス」を目標状態と推定すればよい。運転者の予定がなく、目的地が自宅の場合には、例えば「しあわせ」を目標状態と推定すればよい。目的地が会社の場合には、例えば「ワクワク」を目標状態と推定すればよい。
経路予測部203は、自車の経路を予測する。この経路予測部203での処理が経路予測工程に相当する。経路予測部203は、経路となる位置座標群と、経路の走行時間とを予測すればよい。経路予測部203は、ナビゲーション装置に入力された目的地がある場合には、ロケータ6で測位する現在の車両位置からその目的地までを結ぶ経路を自車の経路と予測すればよい。この場合、時間優先、距離優先といった条件で複数の経路の候補を予測してもよい。経路の走行時間については、地図DB7に格納されているリンク旅行時間から予測すればよい。
経路予測部203は、センタからWACM5を介して取得する、運転者の個人履歴データをもとに、目的地及び経路を予測してもよい。この場合、ロケータ6で測位する現在の車両位置、現在の時刻、現在の曜日に対して、個人履歴データにおいて走行頻度の高い目的地及び走行経路を特定することで、経路を予測すればよい。この場合、経路の候補を複数予測してもよい。経路の走行時間については、運転者の個人履歴データのうちの走行経路の情報に紐付けられている車両位置別の時刻から予測すればよい。
経路予測部203は、自車が実際に走行する経路が予測経路から外れた場合に、自車の経路を予測し直すことが好ましい。予測経路から外れるとは、例えば、予測経路のリンクとは異なるリンクに進入した場合等とすればよい。また、経路予測部203は、自車の経路として、複数の候補経路を予測することが好ましい。これは、運転者が望む経路を選択可能とするためである。
提示制御部204は、表示装置24若しくは音声出力装置25から情報を提示させる。本実施形態では、表示装置24から情報を提示させる場合を例に挙げて説明を続ける。提示制御部204は、後述する計画決定部207で決定する運転者への刺激の計画に関する情報(以下、計画関連情報)を提示させる。
提示制御部204は、少なくとも計画関連情報として、経路予測部203で予測した複数の候補経路の情報を提示させることが好ましい。一例としては、ナビゲーション装置のディスプレイ,CID等の画面に、複数の候補経路の情報を表示させればよい。表示の態様としては、地図上に候補経路を表示させたり、候補経路のリストを表示させたりすればよい。提示制御部204によって複数の候補経路の情報が提示されると、運転者は、提示された候補経路の情報をもとに、複数の候補経路のうちから1つの経路を選択する選択入力を行う。提示制御部204は、この選択入力を促す提示を行わせてもよい。
経路選択部205は、運転者から受け付ける選択入力に従って、経路予測部203で予測した複数の候補経路のうちから1つの経路を選択する。選択入力については、例えばナビゲーション装置のディスプレイ,CID等と一体となったタッチパネルの画面上へのタッチ操作によって行われる構成とすればよい。
状況予測部206は、経路予測部203で予測した予測経路の道中における状況(以下、道中状況)を予測する。この状況予測部206での処理が状況予測工程に相当する。状況予測部206は、経路選択部205で複数の候補経路のうちから1つの予測経路が選択された場合には、その予測経路の道中における状況を予測する。状況予測部206は、道中状況として、運転者の運転負荷の高くなる状況、渋滞度合い、及び運転の単調さの少なくともいずれかを予測する。状況予測部206は、例えば予測経路における領域別に状況を予測する。ここで言うところの領域とは、例えばリンク,ノードといった区分で分けられる領域とすればよい。
状況予測部206は、道中状況として、運転者の運転負荷の高くなる状況を、予測経路の道中における道路種別から予測すればよい。予測経路の道中における道路種別は、地図DB7に格納されている地図データと予測経路とを照合することによって特定すればよい。状況予測部206は、細街路,住宅街の道路といった道路種別の領域について、運転者の運転負荷の高くなる状況を予測すればよい。これは、細街路,住宅街の道路では周辺監視の手間が大きく、運転負荷が高くなると推定されるためである。状況予測部206は、運転者の運転負荷の高くなる状況を、センタからWACM5を介して取得する運転者の個人履歴データから特定してもよい。状況予測部206は、個人履歴データにおいて運転負荷の高かった領域について、運転者の運転負荷の高くなる状況を予測すればよい。個人履歴データを用いることで、個々の運転者ごとに異なる道中状況を、より精度良く予測することが可能になる。
状況予測部206は、道中状況として、渋滞度合いを、センタからWACM5を介して取得する渋滞情報から予測すればよい。状況予測部206は、例えばリンク別の渋滞情報と予測経路とを照合することによって、予測経路の道中におけるリンクごとの渋滞度合いを特定すればよい。状況予測部206は、渋滞度合いが規定値以上の領域について、渋滞を予測すればよい。状況予測部206は、渋滞度合いを、センタからWACM5を介して取得する運転者の個人履歴データから特定してもよい。状況予測部206は、個人履歴データにおいて混雑度の高かった領域について、渋滞を予測すればよい。個人履歴データを用いることで、個々の運転者ごとに異なる道中状況を、より精度良く予測することが可能になる。道中状況として予測される渋滞は、運転者の状態を悪化させる状況に相当する。これは、渋滞は運転者を「イライラ」の状態に誘導すると推定されるためである。
状況予測部206は、道中状況として、運転の単調さを、予測経路の地図データから予測すればよい。状況予測部206は、運転の単調さを、予測経路の道中における道路種別から予測すればよい。状況予測部206は、高速道路,自動車専用道路といった道路種別の領域について、運転単調と予測すればよい。また、状況予測部206は、直線路が規定距離以上続く領域について、運転単調と予測してもよい。状況予測部206は、運転の単調さを、センタからWACM5を介して取得する運転者の個人履歴データから特定してもよい。状況予測部206は、個人履歴データにおいて運転負荷が低い状態が規定距離以上続いた領域について、運転単調と予測すればよい。個人履歴データを用いることで、個々の運転者ごとに異なる道中状況を、より精度良く予測することが可能になる。道中状況として予測される運転単調は、運転者の状態を悪化させる状況に相当する。これは、運転単調は運転者を「退屈」,「眠気」の状態に誘導すると推定されるためである。
なお、状況予測部206は、個人履歴データを利用する場合に、場所、曜日、及び時刻別の運転負荷,混雑度のマップを作成してもよい。そして、このマップを参照して、予測経路の道中における運転負荷,混雑度を特定してもよい。個人履歴データには、曜日,時刻が紐付けられているので、場所別だけでなく、曜日,時間別にも、運転負荷,混雑度を特定することが可能になる。よって、状況予測部206で、場所別だけでなく、曜日,時間別にも、運転負荷の高くなる状況,渋滞,運転単調を予測することが可能になる。
状況予測部206は、道中状況として、運転者の状態を悪化させる以外の、運転者の状態を変化させる状況を予測してもよい。例えば、状況予測部206は、予測経路中の、海岸に面した領域について、運転者の状態を「リラックス」に変化させる状況を予測すればよい。
状況予測部206は、経路予測部203で自車の経路を予測し直した場合には、予測し直した予測経路の道中状況を予測すればよい。状況予測部206は、経路予測部203で複数の候補経路を予測した場合には、候補経路のうちの、経路選択部205で選択した経路を予測経路として、その予測経路の道中状況を予測する。
計画決定部207は、状態特定部201で特定した運転者の状態、及び目標推定部202で推定した目標状態に加え、状況予測部206で予測した予測経路上の状況に応じて、運転者の状態をその目標状態に誘導するための、その予測経路の道中において用いる運転者への刺激の計画(以下、刺激計画)を決定する。この計画決定部207での処理が計画決定工程に相当する。状態特定部201で特定した運転者の状態を、以下では現在状態と呼ぶ。刺激計画は、提供する刺激の種類,刺激の提供のタイミング,刺激の提供の時間配分等のスケジューリングとすればよい。
以下では、刺激計画の決定について、図4を用いて説明する。図4は、刺激計画の一例を説明するための図である。図4では、現在状態が「疲労」と特定され、目標状態が「ワクワク」と推定された場合の一例を示す。図4の例では、道中状況として、渋滞、高負荷、及び運転単調が予測されているものとする。
計画決定部207は、状態特定部201で特定した現在状態、及び目標推定部202で推定した目標状態から、予測経路の道中における運転者の理想の状態(以下、理想状態)を決定すればよい。計画決定部207は、予め対応付けられている現在状態及び目標状態の組み合わせと理想状態との対応関係を参照し、理想状態を決定すればよい。理想状態は、現在状態から目標状態に移行させる際に経由させることが望ましい状態(以下、経由状態)と、目標状態とが配分されたものとすればよい。図4の例では、理想状態は、前半が「リラックス」、後半が「ワクワク」と決定されている。図4では、「リラックス」をDで表し、「ワクワク」をEで表している。理想状態における経由状態と目標状態との時間配分の比率は任意に設定可能とすればよい。また、理想状態として目標状態をそのまま用いる構成としてもよい。
計画決定部207は、状況予測部206で予測した予測経路上の状況から、予測経路の道中における運転者の状態の変化を予想する。一例としては、道中状況が渋滞と予測された領域については、「イライラ」への状態変化を予想すればよい(図4のA)。道中状況が高負荷と予測された領域については、刺激の受容性が低い状態(以下、低受容状態)への状態変化を予想すればよい(図4のB)。道中状況が運転単調と予測された領域については、「退屈」若しくは「眠気」への状態変化を予想すればよい(図4のC)。
計画決定部207は、予測経路のうちの、状態変化が予想されなかった区間については、決定された理想状態に誘導すると推定される刺激を提供する仮計画を決定すればよい。例えば、図4のFのように、状態変化が予想されず、「リラックス」が理想状態と決定された区間については、「リラックス」に誘導すると推定される刺激を提供する仮計画を決定すればよい。「リラックス」に誘導する刺激の一例としては、以下が挙げられる。照明装置23の照明を揺らがせる周期を、例えば8秒周期以上といったゆっくりとした周期で提供させればよい。照明装置23を、リラックス効果があると推定される発光色で発光させてもよい。空調制御ECU30を介してアロマユニット32から、リラックス効果があると推定される芳香を発生させてもよい。音声出力装置25からスローテンポな音楽を出力させてもよい。
また、図4のIのように、状態変化が予想されず、「ワクワク」が理想状態と決定された区間については、「ワクワク」に誘導すると推定される刺激を提供する仮計画を決定すればよい。「ワクワク」に誘導する刺激の一例としては、以下が挙げられる。音声出力装置25からアップテンポな音楽を出力させてもよい。
計画決定部207は、予測経路の道中のうちの、状態変化が予想された区間については、予想された状態変化に応じた刺激を提供する仮計画を決定すればよい。計画決定部207は、運転者の状態を悪化させる状態変化が予想された区間については、その悪化を改善すると推定される刺激を提供する仮計画を決定する。例えば、図4のGのように、渋滞による「イライラ」が予想された区間であれば、「イライラ」を改善すると推定される刺激を提供する仮計画を決定する。「イライラ」を改善すると推定される刺激の一例としては、以下が挙げられる。空調制御ECU30を介してアロマユニット32から、鎮静効果があると推定される芳香を発生させればよい。照明装置23の照明を揺らがせる周期を、例えば6秒周期以上といったゆっくりとした周期で提供させてもよい。
また、図4のJのように、運転単調による「退屈」,「眠気」が予想された区間であれば、漫然状態,眠気を改善すると推定される刺激を提供する仮計画を決定する。漫然状態,眠気を改善すると推定される刺激の一例としては、以下が挙げられる。空調制御ECU30を介してアロマユニット32から、清涼感のある芳香を発生させればよい。空調制御ECU30を介してエアコンユニット31から、冷風を発生させてもよい。音声出力装置25からアップテンポな音楽を出力させてもよい。
計画決定部207は、予測経路の道中のうちの、状況予測部206で運転者の運転負荷の高くなる状況が予測される区間については、刺激を抑制するように刺激の仮計画を決定することが好ましい。つまり、図4のHのように、高負荷による低受容状態が予想された区間では、刺激を提供しない仮計画を決定すればよい。これは、低受容状態では刺激を提供することは無駄なためである。なお、運転負荷の高くなる状況が予測される区間については、運転への影響を小さくする観点で、刺激を抑制するように刺激の仮計画を決定してもよい。この場合、刺激の抑制は、刺激を行わせない構成以外に、刺激の強度を弱める構成によって実現してもよい。
計画決定部207は、状況予測部206で予測経路の道中状況を予測できることを利用して、運転者にとってより快適な刺激の態様となるように、仮計画から刺激計画を決定することが好ましい。
計画決定部207は、継続時間が閾値未満となる予定の刺激については、その刺激を省略してその刺激の前後の刺激に置き換え、刺激計画を決定することが好ましい。ここで言うところの閾値は、運転者が刺激の切り替わりを頻繁に感じると推定される値とすればよい。これによれば、刺激が頻繁に切り替わらずに済み、運転者に煩わしさを感じさせずに済むようになる。図4の例では、GとHとの刺激の間のFの刺激の継続時間が短いため、このFの刺激をGとHとの刺激にそれぞれ置き換えて刺激計画を決定している(図4のEX参照)。継続時間が閾値未満となる予定の刺激を省略してその刺激の前後の刺激に置き換える場合には、前の刺激についてはフェードアウトさせ、後の刺激についてはフェードインさせるように刺激計画を決定すればよい。
計画決定部207は、予測経路の道中のうち、状況予測部206で運転者の状態を悪化させる状況が予測される区間については、その区間に入る前から先駆けて、その悪化を改善すると推定される刺激を開始させるように刺激計画を決定することが好ましい。これによれば、状態が悪化してから改善を開始させるのに比べ、運転者の状態を快方向に誘導しやすくなる。図4の例では、Cの「退屈」,「眠気」の予想される区間への進入に先駆けて、その悪化を改善すると推定される刺激Jを開始させるように刺激計画を決定している(図4のFI参照)。
本実施形態では、計画決定部207が仮計画を決定した後に、仮計画をもとに刺激計画を決定する構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、計画決定部207が、仮計画を刺激計画として決定する構成としてもよい。
計画決定部207は、刺激計画として、1つの予測経路に対して複数の候補計画を決定することが好ましい。これによれば、運転者が好みの刺激計画を選択することが可能になる。提示制御部204は、少なくとも計画関連情報として、計画決定部207で決定した複数の候補計画の情報を提示させることが好ましい。一例としては、ナビゲーション装置のディスプレイ,CID等の画面に、複数の候補計画の情報を表示させればよい。表示の態様としては、図4に示したような刺激の種類、タイミング、時間配分を表すグラフを候補計画別に表示させたりすればよい。提示制御部204によって複数の候補計画の情報が提示されると、運転者は、提示された候補計画の情報をもとに、複数の候補計画のうちから1つの刺激計画を選択する選択入力を行う。提示制御部204は、この選択入力を促す提示を行わせてもよい。
提示制御部204は、計画関連情報として、予測経路と、計画決定部207で決定した計画に沿って予測経路の道中において運転者へ行わせる刺激の種類(以下、アクチ種類)と、その刺激によって誘導したい運転者の理想の状態(以下、理想状態)との情報を、地図上に重畳して表示させてもよい。これによれば、運転者が、予測経路の道中において計画されるアクチ種類と理想状態とを、より直感的に認識することが可能になる。
ここで、図5を用いて、計画関連情報の表示の一例について説明する。計画関連情報は、スケジューリング情報と言い換えることもできる。図5では、スケジューリング情報を、表示装置24の画面の電子地図上に重畳して表示させる例を示す。図5のIMIcで示すアイコンが、理想状態の情報にあたる。図5のSRが、選択中の予測経路を示す。図5のNSRが、非選択中の予測経路を示す。なお、予測経路の選択は、後述の計画選択部208で受け付ければよい。図5の予測経路上の、線種の異なる線が、アクチ種類の情報を示す。具体的には、FAで示す線種が、「イライラ」を改善すると推定される刺激を行わせることを表す。RAで示す線種が、「リラックス」に誘導すると推定される刺激を行わせることを表す。EAで示す線種が、「ワクワク」に誘導すると推定される刺激を行わせることを表す。AAで示す線種が、漫然状態,眠気を改善すると推定される刺激を行わせることを表す。ARで示す線種が、刺激を抑制させることを表す。なお、以降の図面の同じ記号についても、同様とする。
図5に示すように、選択中の予測経路について、予測経路の道中におけるアクチ種類を、その予測経路に重畳させる線種の違いによって表す。なお、アクチ種類は、色分けによって表現してもよい。また、選択中の予測経路について、予測経路の道中における理想状態を、アイコンによって表す。理想状態の種類としては、例えば「中立」,「幸せ」,「ワクワク」,「リラックス」,「ションボリ」,「イライラ」に区分すればよい。「中立」は、「中立」以外の種類に分類されない、中立の状態である。それぞれの理想状態の種類は、図6に示すように、異なる表情を模したアイコンによって表現すればよい。図6において理想状態の種類の候補として、不快な状態であるションボリ及びイライラも列挙している理由は、運転を安全にする効果も考えられるからである。例えば、強いイライラ状態により生じる荒い運転は、ションボリ状態に誘導することで減少すると考えられる。また、強いションボリ状態を原因とする運転操作の機敏さの減少は、イライラ状態に誘導することで改善すると考えられる。しかしながら、不快への誘導は運転者に受容されにくいため、実運用上は理想状態の対象外としても構わない。
計画選択部208は、運転者から受け付ける選択入力に従って、複数の候補計画のうちから1つの候補計画を選択する。そして、計画決定部207は、選択した候補計画を刺激計画と決定する。選択入力については、例えばナビゲーション装置のディスプレイ,CID等と一体となったタッチパネルの画面上へのタッチ操作によって行われる構成とすればよい。
計画決定部207で刺激計画が決定された後、提示制御部204は、例えば以下のような計画関連情報を提示させればよい。計画関連情報としては、経路予測部203で予測した予測経路及び走行時間を提示させればよい。予測経路には、目的地も含ませればよい。計画関連情報としては、状況予測部206で予測した道中状況を提示させればよい。例えば、地図上に渋滞、高負荷、単調運転にあたる区間を表示させればよい。計画関連情報としては、状態特定部201で特定した現在状態を提示させればよい。計画関連情報としては、提供中若しくは提供予定の刺激の種類,その刺激の内容,その刺激の提供時間を提示させればよい。
なお、この計画関連情報は、表示装置24に表示させる構成に限らない。この計画関連情報は、音声出力装置25から音声出力させてもよい。他にも、この計画関連情報は、NFCM4を介して運転者の携帯端末に送信され、携帯端末の画面に表示させる構成としてもよい。例えば、計画関連情報の提示は、ユーザ入力装置26,運転者の携帯端末で計画関連情報の提示を要求する入力を受け付けた場合に行わせる構成とすればよい。
計画決定部207は、経路予測部203で自車の経路を予測し直した場合には、予測し直した予測経路の道中状況に応じて、刺激計画を決定し直すものとすればよい。提示制御部204は、計画決定部207で刺激計画を決定し直した場合に、少なくとも計画関連情報として、刺激計画を決定し直したことによる刺激計画の変更内容を提示させることが好ましい。一例としては、どの刺激をどのように変更したか、表示装置24に表示させたり、音声出力装置25から音声出力させたりすればよい。
計画決定部207は、状況予測部206で運転者の状態を変化させる状況を予測した区間において、その状態と異なる運転者の状態が状態特定部201で実際には特定された場合に、その区間については、状態特定部201で実際に特定した運転者の状態に応じた刺激を用いるように運転者への刺激の計画を決定し直すことが好ましい。これによれば、実際の運転者の状態に応じた刺激を行わせて、運転者の状態をより精度良く、好ましい状態に誘導することが可能になる。例えば、渋滞と予測した区間において運転者の状態が「イライラ」でなかった場合に、「イライラ」を改善すると推定される刺激でなく、「リラックス」に誘導すると推定される刺激を提供するように計画を決定し直せばよい。
刺激制御部209は、刺激計画の決定に用いた予測経路の道中において、計画決定部207で決定した刺激計画に沿って、運転者への刺激を行わせる。この刺激制御部209での処理が刺激制御工程に相当する。予測経路の道中とは、自車が予測経路を進んでいる道中を指す。刺激制御部209は、刺激計画に沿って、刺激の種類を選定し、刺激を提供したり、刺激を抑制したりする。刺激制御部209は、計画決定部207で複数の候補計画が決定される場合には、予測経路の道中において、その候補計画のうちの、計画選択部208で選択した計画に沿って、運転者への刺激を行わせる。
刺激制御部209は、刺激計画の決定に用いた予測経路の道中において、状態特定部201で特定状態を特定したことをもとに、計画決定部207で決定した刺激計画にかかわらず、状態特定部201で特定したその特定状態を改善すると推定される刺激を、運転者への刺激として行わせることが好ましい。特定状態は、前述したように、「イライラ」,「退屈」,「疲労」,「眠気」といった不快状態である。これによれば、運転への悪影響がより強いと考えられる特定状態を優先して改善可能とすることで、運転への悪影響をより抑えることが可能になる。状態特定部201で特定状態を特定した場合には、特定状態の改善に対して短時間で効果のあると推定される刺激を行わせることで、特定状態を即時改善することが好ましい。
刺激制御部209は、特定状態を改善すると推定される刺激を行わせて、状態特定部201で特定される状態がその特定状態から改善した後は、予測経路の道中において、その特定状態に再度誘導しないと推定される刺激(以下、非誘導刺激)と、計画決定部207で決定した刺激計画に沿った刺激とが一致しないことをもとに、計画決定部207で決定した刺激計画にかかわらず、非誘導刺激を優先的に行わせることが好ましい。これによれば、特定状態を改善したにもかかわらず特定状態にすぐ戻ってしまうことを防ぐことが可能になる。非誘導刺激は、特定状態の種類に応じた刺激とすればよい。例えば、「眠気」であれば、特定状態の改善は清涼感のある芳香によって行う一方、非誘導刺激はアップテンポな音楽の出力によって行う等すればよい。なお、非誘導刺激を優先的に行わせる処理は、特定状態から改善した後の一定期間内に限る構成としてもよい。ここで言うところの一定期間は任意に設定可能とすればよい。
刺激制御部209は、刺激計画の決定に用いた予測経路の道中において、計画決定部207で決定した刺激計画に沿った刺激と一致しない刺激を行わせる要求が生じた場合に、所定の優先順に従って、計画決定部207で決定した刺激計画に沿った刺激とその刺激と一致しない刺激のうちの、優先度の高い方の刺激を行わせることが好ましい。所定の優先順位は、優先度の高いものから眠気に対応する刺激、漫然状態に対応する刺激、ストレス状態に対応する刺激、特定状態以外の不快状態に対応する刺激、快適状態に対応する刺激とする。これによれば、優先順位の高い刺激を優先して提供可能とすることで、優先度の高い対応を優先して行わせることが可能になる。例えば、同じ特定状態であっても、漫然状態に対応する刺激に優先して、眠気に対応する刺激を行わせることになる。
提示制御部204は、車両が予測経路を走行中に、状態特定部201で特定した運転者の状態(以下、現運転者状態)と、その運転者の状態を特定している時点(つまり、現時点)で運転者へ行わせている刺激の種類(以下、現アクチ種類)との情報を表示装置24に表示させることが好ましい。これによれば、運転者が、現時点の自分の状態と、現時点の自分に与えられている刺激とを、認識しやすくなる。また、現運転者状態及び現刺激種類の情報に加え、計画関連情報として、計画決定部207で決定していた刺激計画において現時点で運転者へ行わせることになっていた刺激の種類(以下、予定アクチ種類)と、その刺激によって誘導したかった運転者の理想の状態(つまり、理想状態)との情報も、表示装置24に表示させることが好ましい。これによれば、計画と実際とでの、運転者の状態とアクチ種類との違いを、運転者が認識しやすくなる。提示制御部204は、現運転者状態及び現アクチ種類の情報と、理想状態及び予定アクチ種類の情報とを、比較可能に、表示装置24の同じ画面上に表示させればよい。なお、車両が予測経路を走行中とは、後述するパワースイッチがオンの状態で車両が一時停止している場合も含むものとする。
ここで、図7及び図8を用いて、現運転者状態及び現アクチ種類の情報と、理想状態及び予定アクチ種類の情報との表示の一例について説明する。まず、図7を用いて、電子地図上に重畳して表示させる場合の例を説明する。図7のCPが自車の現在位置を示す。図7のPUが、現運転者状態と現アクチ種類との情報を示す。図7のPMIcが現運転者状態の情報を示す。図7のCTSが現アクチ種類の情報を示す。現運転者状態及び現アクチ種類の情報の表示は、図7に示すように、現在位置を起点とするポップアップ表示で行えばよい。現運転者状態については、図7のPMICに示すように、アイコンで表現すればよい。現アクチ種類については、図7のCTSに示すように、現アクチ種類の名称とその現アクチ種類の表示例とを表示すればよい。理想状態については、図7のIMIcで示すように、予測経路に沿って、電子地図上に重畳表示させればよい。予定アクチ種類については、図7に示すように、予測経路に重畳させる線種の違いによって表現すればよい。アクチ種類別の線種の使い分けは、図5の例と同様とすればよい。
続いて、図8を用いて、現運転者状態及び現アクチ種類の情報と、理想状態及び予定アクチ種類の情報とを、電子地図上に重畳せずに表示させる場合の例を説明する。この場合、現運転者状態及び現アクチ種類の情報と、理想状態及び予定アクチ種類の情報とは、例えばHUDで運転者の前方に表示させればよい。図8のPrが、現運転者状態及び現アクチ種類の情報の表示の例である。図8のScが、理想状態及び予定アクチ種類の情報の表示の例である。現運転者状態及び理想状態のいずれについても、図8に示すように、アイコンで表現すればよい。現アクチ種類については、図8のPrに示すように、現アクチ種類の名称とその現アクチ種類の表示例とを表示すればよい。予定アクチ種類については、図8のScに示すように、予定アクチ種類の名称とその予定アクチ種類の表示例とを表示すればよい。
提示制御部204は、刺激制御部209で刺激を行わせている途中から、計画決定部207で決定していた刺激計画においてその刺激の次に行わせることが予定されている刺激を予告する情報(以下、予告情報)を提示させることが好ましい。計画決定部207で決定していた計画において、ある刺激の次に行わせることが予定されている刺激とは、当然、そのある刺激とは異なる種類の刺激となる。これによれば、運転者にとって好ましくない刺激が次の刺激として予定されている場合に、運転者が次の刺激を変更させることが可能になる。予告情報を提示させるタイミングは、前の刺激の終盤とすればよい。例えば、予告情報を提示させるタイミングは、刺激の切り替わりの10秒前等とすればよい。予告情報は、表示装置24での表示によって提示させればよい。予告情報は、音声出力装置25からの音声出力によって提示させてもよい。提示制御部204は、次に行わせる刺激を、計画決定部207で決定した刺激計画と、ロケータ6で測位した現在の車両位置とから特定すればよい。
以下では、図9を用いて、予告情報の表示の一例について説明する。予告情報の表示は、HUDで行ってもよいし、ナビゲーション装置のディスプレイ,CID等で行ってもよい。予告情報としては、図9に示すように、次の刺激のイメージを表す画像を表示すればよい。予告情報としては、図9に示すように、次の刺激への切り替えまでの残り時間も表示すればよい。予告情報としては、次の刺激の種類を示す情報も表示すればよい。一例として、図9のNTSに示すように、次の刺激の種類の名称とその刺激の種類の表示例とを表示すればよい。
<HCU20での運転者状態誘導関連処理>
続いて、図10のフローチャートを用いて、HCU20での運転者状態誘導関連処理の流れの一例について説明を行う。図10のフローチャートは、例えば、自車の内燃機関又はモータジェネレータを始動させるためのスイッチ(以下、パワースイッチ)がオンになった場合にHCU20の電源もオンになり開始する構成とすればよい。他にも、ユーザ入力装置26を介して運転者状態誘導関連処理を実行する機能のオンオフの設定を切り替えることができる構成の場合には、運転者状態誘導関連処理を実行する機能がオンであることも条件に加える構成とすればよい。
まず、ステップS1では、状態特定部201が、自車の運転者の現在状態を特定する。ステップS2では、計画関連処理を行って、ステップS3に移る。ここで、図11のフローチャートを用いて、計画関連処理の流れの一例について説明を行う。
ステップS201では、目標推定部202が、運転者の目標状態を推定する。ステップS202では、経路予測部203が、自車の経路を予測する。図5の例では、経路予測部203が複数の候補経路を予測するものとして説明する。ステップS203では、提示制御部204が、S202で予測した複数の候補経路の情報を提示させる。ステップS204では、経路選択部205が、運転者から受け付ける選択入力に従って、S202で予測した複数の候補経路のうちから1つの経路を選択する。なお、S202で経路予測部203が1つの経路に絞って予測する構成としてもよい。この場合には、S203~S204の処理は省略すればよい。
ステップS205では、状況予測部206が、S204で選択した予測経路の道中状況を予測する。なお、S202で経路予測部203が1つの経路に絞って予測する構成であった場合には、S203で予測した予測経路の道中状況を予測すればよい。ステップS206では、計画決定部207が、S1で特定した運転者の状態、及びS201で推定した目標状態に加え、S205で予測した予測経路上の道中状況に応じて、刺激計画を決定する。図5の例では、1つの予測経路に対して複数の候補計画を決定するものとして説明する。
ステップS207では、提示制御部204が、S206で決定した複数の候補計画の情報を提示させる。ステップS208では、計画選択部208が、運転者から受け付ける選択入力に従って、S206で決定した複数の候補計画のうちから1つの候補計画を選択する。ステップS209では、計画決定部207が、S208で選択した候補計画を刺激計画として決定し、ステップS3に移る。なお、S206で計画決定部207が1つの刺激計画に絞って決定する構成としてもよい。この場合には、S207~S208の処理は省略し、S209では、S206で決定した刺激計画をそのまま刺激計画として決定すればよい。
図10に戻って、ステップS3では、刺激制御部209が、S209で決定した刺激計画に沿った運転者への刺激を開始させる。運転者の刺激は、予測経路の道中において、S209で決定した刺激計画に沿って行われることになる。例えば、渋滞の区間では、「イライラ」を改善すると推定される刺激が行われる。運転単調の区間では、漫然状態,眠気を改善すると推定される刺激が行われる。高負荷の区間では、刺激を抑制させる。状態変化が予測されない区間については、その区間における理想状態に誘導する刺激が行われる。
ステップS4では、状態特定部201が、自車の運転者の現在状態を特定する。ステップS5では、S209で決定した刺激計画に沿った刺激と、S4で特定した現在状態に応じた刺激とが相違する場合(S5でYES)には、ステップS6に移る。一方、相違しない場合(S5でNO)には、ステップS8に移る。つまり、刺激計画に沿った刺激を継続させることになる。現在状態に応じた刺激は、予め対応付けられている運転者の状態と刺激との対応関係を参照して、刺激制御部209が決定すればよい。例えば、不快状態に対しては、その不快状態を解消する刺激を決定すればよい。快適状態に対しては、その快適状態を維持する刺激を決定すればよい。
ステップS6では、S209で決定した刺激計画に沿った刺激よりも、S4で特定した現在状態に応じた刺激が優先すべき刺激であった場合(S6でYES)には、ステップS7に移る。一方、優先すべき刺激でなかった場合(S6でNO)には、ステップS8に移る。つまり、刺激計画に沿った刺激を継続させることになる。優先の判断については、前述した優先順位に従って刺激制御部209が判断すればよい。ステップS7では、刺激制御部209が、S4で特定した現在状態に応じた刺激を、S209で決定した刺激計画に沿った刺激に優先して行わせる。
ステップS8では、自車の走行経路がS209で決定した刺激計画に用いた予測経路から外れた場合(S8でYES)には、ステップS9に移る。一方、自車の走行経路がその予測経路から外れていない場合(S8でNO)には、ステップS12に移る。つまり、刺激計画に沿った刺激を継続させることになる。自車の走行経路がその予測経路から外れたか否かについては、ロケータ6で測位する車両位置を用いて、例えば経路予測部203で判断すればよい。
ステップS9では、再計画関連処理を行う。再計画関連処理は、前述した計画関連処理と同様とすればよい。なお、再計画関連処理では、目標状態として、計画関連処理で推定した目標状態を用いる構成としてもよいし、新たに推定し直す構成としてもよい。
ステップS10では、提示制御部204が、刺激計画を決定し直したことによる刺激計画の変更内容を提示させる。ステップS11では、刺激制御部209が、S9の再計画関連処理で決定し直した刺激計画に沿った運転者への刺激を開始させる。
ステップS12では、運転者状態誘導関連処理の終了タイミングであった場合(S12でYES)には、運転者状態誘導関連処理を終了する。一方、運転者状態誘導関連処理の終了タイミングでなかった場合(S12でNO)には、S4に戻って処理を繰り返す。運転者状態誘導関連処理の終了タイミングの一例としては、自車のパワースイッチがオフになったこと,目的地に到達したこと,運転者状態誘導関連処理を実行する機能がオフの設定に切り替わったこと等がある。
<実施形態1のまとめ>
実施形態1の構成によれば、特定した運転者の現在状態及び運転者の目標状態に加え、予測した予測経路の道中状況に応じて、運転者の状態をその目標状態に誘導するための、自車の予測経路の道中において用いる運転者への刺激の計画を決定する。よって、自車の経路上での状況の変化に、より応じた種類の刺激を、計画することが可能になる。そして、予測経路の道中において、決定したその計画に沿って、運転者への刺激を行わせるので、運転者状態を好ましい状態に誘導する刺激として、車両の経路上での状況の変化により応じた種類の刺激を行わせることが可能になる。
実施形態1の構成によれば、運転者の五感についての刺激を、運転を妨げずに、状況に合わせたスケジュールで起動若しくは抑制することが可能になる。また、状況が変化した場合には、刺激を再度スケジューリングし直すので、さらに車両の経路上での状況の変化に応じた種類の刺激を行わせることが可能になる。
(実施形態2)
実施形態1の構成に限らず、以下の実施形態2の構成としてもよい。以下では、実施形態2の構成の一例について図を用いて説明する。実施形態2の車両用システム1は、HCU20の代わりにHCU20aを含む点を除けば、実施形態1の車両用システム1と同様である。
<HCU20aの概略構成>
続いて、図12を用いて、HCU20aの概略構成について説明を行う。HCU20aは、運転者状態誘導関連処理に関して、図12に示すように、状態特定部201、提示制御部204a、計画決定部207a、刺激制御部209、記録処理部210、履歴記憶部211、モード切替部212、状態予測部213、及び評価部214を機能ブロックとして備える。図12では、実施形態1と異なる処理に関連しない機能ブロックの図示を省略している。つまり、HCU20aは、実施形態1と同様の処理を行う目標推定部202、経路予測部203、経路選択部205、状況予測部206、及び計画選択部208も機能ブロックとして備える。HCU20aは、提示制御部204及び計画決定部207の代わりに提示制御部204a及び計画決定部207aを備える点と、記録処理部210、履歴記憶部211、モード切替部212、状態予測部213、及び評価部214を備える点とを除けば、実施形態1のHCU20と同様である。このHCU20aも運転者状態誘導装置に相当する。また、コンピュータによってHCU20aの各機能ブロックの処理が実行されることも、運転者状態誘導方法が実行されることに相当する。
記録処理部210は、車両が過去に走行した地点(以下、地点履歴)と、その地点における刺激(以下、刺激履歴)と、その地点における運転者の状態(以下、運転者状態履歴)との履歴を、履歴記憶部211に記憶する。ここで言うところの刺激とは、計画決定部207で決定された刺激計画に沿って、刺激制御部209で運転者に対して行われた刺激である。記録処理部210は、ロケータ6で測位した現在の車両位置から、車両が走行した地点を特定すればよい。そして、特定した地点を地点履歴とすればよい。記録処理部210は、その地点において刺激制御部209で行わせた刺激を、その地点における刺激履歴とすればよい。記録処理部210は、その地点において状態特定部201で特定した運転者の状態を、その地点における運転者状態履歴とすればよい。そして、記録処理部210は、これら履歴を紐付けて履歴記憶部211に記憶すればよい。記録処理部210は、履歴をトリップ別に区分して記憶すればよい。トリップとは、車両のパワースイッチがオンになってからオフになるまでとする。履歴記憶部211としては、不揮発性メモリを用いればよい。
モード切替部212は、ユーザ入力装置26で運転者から受け付けた入力に応じて、表示モードを切り替える。この入力は、表示モードを選択する入力とすればよい。表示モードとしては、例えば通常モード,履歴モード,予定比較モード,過去比較モード,予測モードが挙げられる。通常モードは、デフォルトの表示モードである。通常モードでは、例えば図7に示したような、走行中における現状の計画関連情報の表示を行う。履歴モードは、過去の履歴の提示を行う表示モードである。予定比較モードは、図7及び図8に示すように、現運転者状態及び現アクチ種類の情報と、理想状態及び予定アクチ種類の情報との表示(以下、予定比較表示)を行う表示モードである。予定比較表示は、通常モードで行う構成としてもよいが、ここでは、予定比較モードが選択された場合に行う構成とする。過去比較モードは、現運転者状態及び現アクチ種類の情報と、過去の履歴における運転者状態及びアクチ種類の情報との表示を行う表示モードである。予測モードは、刺激を提供する場合としない場合との運転者の状態の変化の予測の表示を行う表示モードである。なお、モード切替部212で切り替え可能な表示モードは、上述した表示モードの一部であってもよい。
状態予測部213は、計画決定部207で決定していた刺激計画に沿った刺激を行わせた場合と行わせなかった場合とでの運転者の状態の変化を予測する。状態予測部213は、現時点での運転者の状態からの変化を予測すればよい。現時点での運転者の状態は、状態特定部201で特定すればよい。状態予測部213は、計画決定部207で決定した理想状態を、刺激計画に沿った刺激を行わせた場合の運転者の状態の変化として予測すればよい。理想状態には、前述したように、経由状態と目標状態とが配分されているものとする。状態予測部213は、刺激計画に沿った刺激を行わせなかった場合の運転者の状態の変化を、状況予測部206で予測した道中状況をもとに、予測すればよい。例えば、道中状況として運転単調が予測されるタイミングにおいては、運転者の「退屈」,「眠気」の状態への変化を予測すればよい。他にも、道中状況として渋滞が予測されるタイミングにおいては、運転者の「イライラ」の状態への変化を予測すればよい。
提示制御部204aは、ユーザ入力装置26で運転者から受け付ける入力に応じて、履歴記憶部211に記憶してあった履歴の情報(以下、履歴情報)を、地図上に重畳して表示させることが好ましい。これによれば、運転者が過去の履歴について確認したり評価したりすることが可能になる。提示制御部204aは、履歴モードが選択された場合に、履歴情報を表示させる。ユーザ入力装置26が入力受付部に相当する。
ここで、図13を用いて、履歴情報の表示の一例について説明する。履歴情報は、表示装置24の画面の電子地図上に重畳して表示させる。図13のHMIcで示すアイコンが、運転者状態履歴の情報にあたる。図13の会社から自宅までの経路が、1トリップについての地点履歴の情報にあたる。1トリップについての地点履歴の群が、過去に走行した1トリップ分の経路にあたる。図13の線種別に分けて表現されている表示が、刺激履歴の情報にあたる。図13に示すように、1トリップ分の経路について、過去の運転者の状態と、過去に行わせた刺激とを対応付けて表示させる。提示制御部204aは、履歴情報を、トリップ別に複数表示させてもよい。例えば、図13に示すように、履歴情報を、スタック表示形式でトリップ別に複数表示させればよい。この場合、最前面に表示させる履歴情報は、ユーザ入力装置26で運転者から受け付ける入力に応じて切り替え可能とすればよい。
提示制御部204aは、車両が予測経路を走行中に状態特定部201で特定した運転者の状態(つまり、現運転者状態)と、その運転者の状態を特定している時点で運転者へ行わせている刺激の種類(つまり、現アクチ種類)との情報を表示させるのに加え、履歴記憶部211に記憶してあった履歴をもとに、過去の同地点における刺激の種類及び運転者の状態の情報も、表示装置24に表示させることが好ましい。これによれば、同地点における現在と過去とでの、運転者の状態とアクチ種類との違いを、運転者が認識しやすくなる。以下では、この過去の同地点における刺激の種類を過去アクチ種類と呼ぶ。また、この過去の同地点における運転者の状態を過去運転者状態と呼ぶ。提示制御部204aは、過去比較モードが選択された場合に、現運転者状態及び現アクチ種類の情報に加え、過去運転者状態及び過去アクチ種類の情報を表示させる。提示制御部204aは、現運転者状態及び現アクチ種類の情報と、過去運転者状態及び過去アクチ種類の情報とを、比較可能に、表示装置24の同じ画面上に表示させればよい。
提示制御部204aは、前述の過去の同地点として、履歴記憶部211に記憶されている履歴のうち、今回の走行と出発地が同じトリップにおける過去の同地点に絞り込むことが好ましい。これによれば、似たような経路中の同地点における現在と過去とでの、運転者の状態とアクチ種類との違いを、運転者が認識しやすくなる。よって、より似た状況における現在と過去とでの、運転者の状態とアクチ種類との違いを、運転者が比較しやすくなる。また、提示制御部204aは、前述の過去の同地点として、履歴記憶部211に記憶されている履歴のうち、今回の走行の予測経路と出発地から目的地までの経路が同じトリップにおける過去の同地点に絞り込むことが好ましい。これによれば、同じ経路中の同地点における現在と過去とでの、運転者の状態とアクチ種類との違いを、運転者が認識しやすくなる。よって、特に似た状況における現在と過去とでの、運転者の状態とアクチ種類との違いを、運転者が比較しやすくなる。
ここで、図14及び図15を用いて、現運転者状態及び現アクチ種類の情報と、過去運転者状態及び過去アクチ種類の情報との表示の一例について説明する。まず、図14を用いて、電子地図上に重畳して表示させる場合の例を説明する。図14のCPが自車の現在位置を示す。図14のPUが、現運転者状態と現アクチ種類との情報を示す。図14のPMIcが現運転者状態の情報を示す。図14のCTSが現アクチ種類の情報を示す。現運転者状態及び現アクチ種類の情報の表示は、図14に示すように、現在位置を起点とするポップアップ表示で行えばよい。現運転者状態については、図14のPMICに示すように、アイコンで表現すればよい。現アクチ種類については、図14のCTSに示すように、現アクチ種類の名称とその現アクチ種類の表示例とを表示すればよい。過去運転者状態については、図14のHMIcで示すように、地点履歴の群としての経路に沿って、電子地図上に重畳表示させればよい。過去アクチ種類については、図14に示すように、地点履歴の群としての経路に重畳させる線種の違いによって表現すればよい。アクチ種類別の線種の使い分けは、図5の例と同様とすればよい。
続いて、図15を用いて、現運転者状態及び現アクチ種類の情報と、過去運転者状態及び過去アクチ種類の情報とを、電子地図上に重畳せずに表示させる場合の例を説明する。この場合、現運転者状態及び現アクチ種類の情報と、過去運転者状態及び過去アクチ種類の情報とは、例えばHUDで運転者の前方に表示させればよい。図15のPrが、現運転者状態及び現アクチ種類の情報の表示の例である。図15のHiが、過去運転者状態及び過去アクチ種類の情報の表示の例である。現運転者状態及び過去運転者状態のいずれについても、図15に示すように、アイコンで表現すればよい。現アクチ種類については、図15のPrに示すように、現アクチ種類の名称とその現アクチ種類の表示例とを表示すればよい。過去アクチ種類については、図15のHiに示すように、過去アクチ種類の名称とその過去アクチ種類の表示例とを表示すればよい。
提示制御部204aは、状態予測部213で予測した結果を、表示装置24に表示させることが好ましい。これによれば、刺激計画に沿った刺激を行わせた場合と行わせなかった場合とでの運転者の状態の変化を、運転者が予測可能になる。よって、この変化を考慮して運転者が刺激の有無を選択することが可能になる。提示制御部204aは、予測モードが選択された場合に、状態予測部213で予測した結果を表示させる。
ここで、図16を用いて、現状態予測部213で予測した結果の表示の一例について説明する。提示制御部204aは、現運転者状態を起点とし、予測される運転者の状態の遷移を、刺激の有無別に表した表示を行わせればよい。具体例として、図16に示すように、運転者の状態は、表情を模したアイコンで表現すればよい。そして、刺激の有無別に、運転差者の状態の遷移の予測に合わせた並び順に、このアイコンを配列して表示すればよい。
評価部214は、ユーザ入力装置26で運転者から受け付ける入力に応じて、運転者へ行わせている刺激、運転者へ行わせる予定の刺激、及び運転者へ行わせた過去の刺激の少なくともいずれかを評価する。評価に関する入力としては、評価する刺激を選択する入力(以下、刺激選択入力)と、その刺激を評価する入力(以下、刺激評価入力)とすればよい。刺激選択入力を行うためのユーザ入力装置26としては、タッチパネルを用いればよい。これにより、表示装置24の画面に表示されるアクチ種類の情報に対するタッチ操作を、刺激選択入力として受け付ければよい。例えば、図7,図8,図14,図15に示すような現アクチ種類の情報に対するタッチ操作が、運転者へ行わせている刺激を選択する入力となる。例えば、図5に示すような予定アクチ種類の情報に対するタッチ操作が、運転者へ行わせる予定の刺激を選択する入力となる。図7に示すような予定アクチ種類の情報のうちの、車両が通過済みでない区間の情報に対するタッチ操作も、運転者へ行わせる予定の刺激を選択する入力となる。図9に示すような次の刺激の種類を示す情報に対するタッチ操作も、運転者へ行わせる予定の刺激を選択する入力となる。例えば、図13,図14に示すような過去アクチ種類の情報に対するタッチ操作が、運転者へ行わせた過去の刺激を選択する入力となる。図7に示すような予定アクチ種類の情報のうちの、車両が通過済みの区間の情報に対するタッチ操作も、運転者へ行わせた過去の刺激を選択する入力となる。
刺激評価入力は、図17に示すようなレーティングによるものとすればよい。この場合、評価部214は、レーティングの数値が高かった刺激ほど評価を高く決定すればよい。評価部214は、刺激計画においてその刺激を行うと決定された道中状況と同じ道中状況下を対象とした刺激の評価を行えばよい。また、刺激評価入力は、図18に示すような選択肢からユーザにとって好ましい刺激を選択して刺激を変更するものとしてもよい。この場合、評価部214は、変更されてしまった刺激の評価は下げる一方、選択された刺激の評価は上げればよい。
計画決定部207aは、評価部214での評価が高い刺激ほど刺激計画に選ばれやすく変更する一方、評価部214での評価が低い刺激ほど刺激計画に選ばれにくく変更することが好ましい。これによれば、より運転者の好みに応じた刺激を行わせるように改善していくことが可能になる。
(実施形態3)
なお、運転者の状態を誘導する刺激としては、前述の実施形態に記載した刺激に限らない。例えば、振動子による振動など、他の種類の刺激によって、運転者の状態を誘導する構成としてもよい。
(実施形態4)
前述の実施形態では、運転者状態誘導関連処理をHCU20,20aが担う構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、運転者状態誘導関連処理をHCU20,20aと他のECUとで担う構成としてもよいし、運転者状態誘導関連処理を他のECUが担う構成としてもよい。
なお、本開示は、上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本開示の技術的範囲に含まれる。また、本開示に記載の制御部及びその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された1つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサを構成する専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、本開示に記載の装置及びその手法は、専用ハードウェア論理回路により、実現されてもよい。もしくは、本開示に記載の装置及びその手法は、コンピュータプログラムを実行するプロセッサと1つ以上のハードウェア論理回路との組み合わせにより構成された1つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていてもよい。
(開示されている技術的思想)
この明細書は、以下に列挙された複数の項に記載された複数の技術的思想を開示している。いくつかの項は、後続の項において先行する項を択一的に引用する多項従属形式(a multiple dependent form)により記載されている場合がある。さらに、いくつかの項は、他の多項従属形式の項を引用する多項従属形式(a multiple dependent form referring to another multiple dependent form)により記載されている場合がある。これらの多項従属形式で記載された項は、複数の技術的思想を定義している。
技術的思想1
車両で用いることが可能な運転者状態誘導装置であって、
前記車両の運転者の状態を特定する状態特定部(201)と、
前記運転者の目指す状態である目標状態を推定する目標推定部(202)と、
前記車両の経路を予測する経路予測部(203)と、
前記経路予測部で予測した予測経路の道中における状況を予測する状況予測部(206)と、
前記状態特定部で特定した前記運転者の状態、及び前記目標推定部で推定した前記目標状態に加え、前記状況予測部で予測した前記予測経路上の状況に応じて、前記運転者の状態をその目標状態に誘導するための、その予測経路の道中において用いる前記運転者への刺激の計画を決定する計画決定部(207,207a)と、
前記予測経路の道中において、前記計画決定部で決定した前記計画に沿って、前記運転者への刺激を行わせる刺激制御部(209)とを備える運転者状態誘導装置。
技術的思想2
技術的思想1に記載の運転者状態誘導装置であって、
前記状況予測部は、前記状況として、前記運転者の運転負荷の高くなる状況も予測するものであり、
前記計画決定部は、前記予測経路の道中のうち、前記状況予測部で前記運転者の運転負荷の高くなる状況が予測される区間については、前記刺激を抑制するように前記運転者への刺激の計画を決定する運転者状態誘導装置。
技術的思想3
技術的思想1又は2に記載の運転者状態誘導装置であって、
前記計画決定部は、継続時間が閾値未満となる予定の前記刺激については、その刺激を省略してその刺激の前後の刺激に置き換え、前記運転者への刺激の計画を決定する運転者状態誘導装置。
技術的思想4
技術的思想1~3のいずれか1項に記載の運転者状態誘導装置であって、
前記状況予測部は、前記状況として、前記運転者の状態を悪化させる状況も予測するものであり、
前記計画決定部は、前記予測経路の道中のうち、前記状況予測部で前記運転者の状態を悪化させる状況が予測される区間については、その悪化を改善すると推定される刺激を行わせるように前記運転者への刺激の計画を決定するとともに、その区間に入る前から先駆けて、その悪化を改善すると推定される刺激を開始させるように前記運転者への刺激の計画を決定する運転者状態誘導装置。
技術的思想5
技術的思想1~4のいずれか1項に記載の運転者状態誘導装置であって、
前記状況予測部は、前記状況として、前記運転者の運転負荷の高くなる状況、渋滞度合い、及び運転の単調さの少なくともいずれかを予測する運転者状態誘導装置。
技術的思想6
技術的思想1~5のいずれか1項に記載の運転者状態誘導装置であって、
前記計画決定部で決定する前記運転者への刺激の計画に関する情報である計画関連情報を提示させる提示制御部(204,204a)を備える運転者状態誘導装置。
技術的思想7
技術的思想6に記載の運転者状態誘導装置であって、
前記提示制御部は、少なくとも表示装置(24)での表示によって前記計画関連情報を提示させるものであり、前記計画関連情報として、前記予測経路と、前記計画決定部で決定した前記計画に沿って前記予測経路の道中において前記運転者へ行わせる前記刺激の種類と、その刺激によって誘導したい前記運転者の理想の状態との情報を、地図上に重畳して表示させる運転者状態誘導装置。
技術的思想8
技術的思想6又は7に記載の運転者状態誘導装置であって、
前記提示制御部は、少なくとも表示装置(24)での表示によって前記計画関連情報を提示させるものであり、前記車両が前記予測経路を走行中に、前記状態特定部で特定した前記運転者の状態と、その運転者の状態を特定している時点で前記運転者へ行わせている前記刺激の種類との情報を表示させるのに加え、前記計画関連情報として、前記計画決定部で決定していた前記計画において前記時点で前記運転者へ行わせることになっていた前記刺激の種類と、その刺激によって誘導したかった前記運転者の理想の状態との情報も、表示させる運転者状態誘導装置。
技術的思想9
技術的思想6~8のいずれか1項に記載の運転者状態誘導装置であって、
前記車両が過去に走行した地点と、その地点における前記刺激と、その地点における前記運転者の状態との履歴を記憶する履歴記憶部(211)を備え、
前記提示制御部(204a)は、少なくとも表示装置(24)での表示によって情報を提示させるものであり、前記運転者からの入力を受け付ける入力受付部(26)で受け付ける入力に応じて、前記履歴記憶部に記憶してあった前記履歴の情報を、地図上に重畳して表示させる運転者状態誘導装置。
技術的思想10
技術的思想6~9のいずれか1項に記載の運転者状態誘導装置であって、
前記車両が過去に走行した地点と、その地点における前記刺激と、その地点における前記運転者の状態との履歴を記憶する履歴記憶部(211)を備えるものであり、
前記提示制御部(204a)は、少なくとも表示装置(24)での表示によって情報を提示させるものであり、前記車両が前記予測経路を走行中に前記状態特定部で特定した前記運転者の状態と、その運転者の状態を特定している時点で前記運転者へ行わせている前記刺激の種類との情報を表示させるのに加え、前記履歴記憶部に記憶してあった前記履歴をもとに、過去の同地点における前記刺激の種類及び前記運転者の状態の情報も、表示させる運転者状態誘導装置。
技術的思想11
技術的思想6~10のいずれか1項に記載の運転者状態誘導装置であって、
前記提示制御部は、前記刺激制御部で前記刺激を行わせている途中から、前記計画決定部で決定していた前記計画においてその刺激の次に行わせることが予定されている前記刺激を予告する情報を提示させる運転者状態誘導装置。
技術的思想12
技術的思想6~11のいずれか1項に記載の運転者状態誘導装置であって、
前記運転者からの入力を受け付ける入力受付部(26)で受け付ける入力に応じて、前記運転者へ行わせている前記刺激、前記運転者へ行わせる予定の前記刺激、及び前記運転者へ行わせた過去の前記刺激の少なくともいずれかを評価する評価部(214)を備え、
前記計画決定部(207a)は、前記評価部での評価が高い前記刺激ほど前記計画に選ばれやすく変更する一方、前記評価部での評価が低い前記刺激ほど前記計画に選ばれにくく変更する運転者状態誘導装置。
技術的思想13
技術的思想6~12のいずれか1項に記載の運転者状態誘導装置であって、
前記計画決定部で決定していた前記計画に沿った前記刺激を行わせた場合と行わせなかった場合とでの前記運転者の状態の変化を予測する状態予測部(213)を備え、
前記提示制御部(204a)は、少なくとも表示装置(24)での表示によって情報を提示させるものであり、前記状態予測部で予測した結果を、表示させる運転者状態誘導装置。
技術的思想14
技術的思想6~13のいずれか1項に記載の運転者状態誘導装置であって、
前記経路予測部は、前記車両が実際に走行する経路が前記予測経路から外れた場合に、前記車両の経路を予測し直し、
前記状況予測部は、前記経路予測部で前記車両の経路を予測し直した場合には、予測し直した予測経路の道中における状況を予測し、
前記計画決定部は、前記経路予測部で前記車両の経路を予測し直した場合には、予測し直した前記予測経路上の状況に応じて、前記運転者への刺激の計画を決定し直すものであり、
前記提示制御部は、前記計画決定部で前記運転者への刺激の計画を決定し直した場合に、少なくとも前記計画関連情報として、前記運転者への刺激の計画を決定し直したことによる前記計画の変更内容を提示させる運転者状態誘導装置。
技術的思想15
技術的思想6~14のいずれか1項に記載の運転者状態誘導装置であって、
前記経路予測部は、前記車両の経路として、複数の候補経路を予測し、
前記提示制御部は、少なくとも前記計画関連情報として、前記経路予測部で予測した複数の前記候補経路の情報を提示させるものであり、
前記運転者から受け付ける選択入力に従って、前記経路予測部で予測した複数の前記候補経路のうちから1つの経路を選択する経路選択部(205)を備え、
前記状況予測部は、前記経路予測部で予測した複数の候補経路のうちの、前記経路選択部で選択した経路を前記予測経路として、その予測経路の道中における状況を予測する運転者状態誘導装置。
技術的思想16
技術的思想6~15のいずれか1項に記載の運転者状態誘導装置であって、
前記計画決定部は、前記運転者への刺激の計画として、1つの前記予測経路に対して複数の候補計画を決定し、
前記提示制御部は、少なくとも前記計画関連情報として、前記計画決定部で決定した複数の前記候補計画の情報を提示させるものであり、
前記運転者から受け付ける選択入力に従って、前記計画決定部で決定した複数の前記候補計画のうちから1つの計画を選択する計画選択部(208)を備え、
前記刺激制御部は、前記予測経路の道中において、前記計画決定部で決定した複数の前記候補計画のうちの、前記計画選択部で選択した計画に沿って、前記運転者への刺激を行わせる運転者状態誘導装置。
技術的思想17
技術的思想1~16のいずれか1項に記載の運転者状態誘導装置であって、
前記状況予測部は、前記状況として、前記運転者の状態を変化させる状況も予測するものであり、
前記計画決定部は、前記状況予測部で前記運転者の状態を変化させる状況を予測した区間において、その状態と異なる前記運転者の状態が前記状態特定部で実際には特定された場合に、その区間については、前記状態特定部で実際に特定した前記運転者の状態に応じた刺激を用いるように前記運転者への刺激の計画を決定し直す運転者状態誘導装置。
技術的思想18
技術的思想1~17のいずれか1項に記載の運転者状態誘導装置であって、
前記状態特定部は、前記運転者の状態として、眠気、漫然状態、及びストレス状態の少なくともいずれかの状態である特定状態を含む状態を特定するものであり、
前記刺激制御部は、前記予測経路の道中において、前記状態特定部で前記特定状態を特定したことをもとに、前記計画決定部で決定した前記計画にかかわらず、前記状態特定部で特定したその特定状態を改善すると推定される刺激を、前記運転者への刺激として行わせる運転者状態誘導装置。
技術的思想19
技術的思想18に記載の運転者状態誘導装置であって、
前記刺激制御部は、前記特定状態を改善すると推定される刺激を行わせて、前記状態特定部で特定される状態が前記特定状態から改善した後は、前記予測経路の道中において、その特定状態に再度誘導しないと推定される刺激である非誘導刺激と、前記計画決定部で決定した前記計画に沿った刺激とが一致しないことをもとに、前記計画決定部で決定した前記計画にかかわらず、前記非誘導刺激を優先的に行わせる運転者状態誘導装置。
技術的思想20
技術的思想18に記載の運転者状態誘導装置であって、
前記状態特定部は、前記運転者の状態として、眠気、漫然状態、ストレス状態、前記特定状態以外の不快状態、及び快適状態の少なくともいずれかの状態を特定するものであり、
前記刺激制御部は、前記予測経路の道中において、前記計画決定部で決定した前記計画に沿った刺激と一致しない刺激を行わせる要求が生じた場合に、優先度の高いものから眠気に対応する刺激、漫然状態に対応する刺激、ストレス状態に対応する刺激、前記不快状態に対応する刺激、前記快適状態に対応する刺激の順となった優先順に従って、前記計画決定部で決定した前記計画に沿った刺激とその刺激と一致しない刺激のうちの、優先度の高い方の刺激を行わせる運転者状態誘導装置。
技術的思想21
車両で用いることが可能な運転者状態誘導方法であって、
少なくとも1つのプロセッサにより実行される、
前記車両の運転者の状態を特定する状態特定工程と、
前記運転者の目指す状態である目標状態を推定する目標推定工程と、
前記車両の経路を予測する経路予測工程と、
前記経路予測工程で予測した予測経路の道中における状況を予測する状況予測工程と、
前記状態特定工程で特定した前記運転者の状態、及び前記目標推定工程で推定した前記目標状態に加え、前記状況予測工程で予測した前記予測経路上の状況に応じて、前記運転者の状態をその目標状態に誘導するための、その予測経路の道中において用いる前記運転者への刺激の計画を決定する計画決定工程と、
前記予測経路の道中において、前記計画決定工程で決定した前記計画に沿って、前記運転者への刺激を行わせる刺激制御工程とを含む運転者状態誘導方法。
1 車両用システム、20,20a HCU(運転者状態誘導装置)、24 表示装置、26 ユーザ入力装置(入力受付部)、201 状態特定部、202 目標推定部、203 経路予測部、204,204a 提示制御部、205 経路選択部、206 状況予測部、207,207a 計画決定部、208 計画選択部、209 刺激制御部,210 記録処理部、211 履歴記憶部、212 モード切替部、213 状態予測部、214 評価部214

Claims (21)

  1. 車両で用いることが可能な運転者状態誘導装置であって、
    前記車両の運転者の状態を特定する状態特定部(201)と、
    前記運転者の目指す状態である目標状態を推定する目標推定部(202)と、
    前記車両の経路を予測する経路予測部(203)と、
    前記経路予測部で予測した予測経路の道中における状況を予測する状況予測部(206)と、
    前記状態特定部で特定した前記運転者の状態、及び前記目標推定部で推定した前記目標状態に加え、前記状況予測部で予測した前記予測経路上の状況に応じて、前記運転者の状態をその目標状態に誘導するための、その予測経路の道中において用いる前記運転者への刺激の計画を決定する計画決定部(207,207a)と、
    前記予測経路の道中において、前記計画決定部で決定した前記計画に沿って、前記運転者への刺激を行わせる刺激制御部(209)とを備える運転者状態誘導装置。
  2. 請求項1に記載の運転者状態誘導装置であって、
    前記状況予測部は、前記状況として、前記運転者の運転負荷の高くなる状況も予測するものであり、
    前記計画決定部は、前記予測経路の道中のうち、前記状況予測部で前記運転者の運転負荷の高くなる状況が予測される区間については、前記刺激を抑制するように前記運転者への刺激の計画を決定する運転者状態誘導装置。
  3. 請求項1に記載の運転者状態誘導装置であって、
    前記計画決定部は、継続時間が閾値未満となる予定の前記刺激については、その刺激を省略してその刺激の前後の刺激に置き換え、前記運転者への刺激の計画を決定する運転者状態誘導装置。
  4. 請求項1に記載の運転者状態誘導装置であって、
    前記状況予測部は、前記状況として、前記運転者の状態を悪化させる状況も予測するものであり、
    前記計画決定部は、前記予測経路の道中のうち、前記状況予測部で前記運転者の状態を悪化させる状況が予測される区間については、その悪化を改善すると推定される刺激を行わせるように前記運転者への刺激の計画を決定するとともに、その区間に入る前から先駆けて、その悪化を改善すると推定される刺激を開始させるように前記運転者への刺激の計画を決定する運転者状態誘導装置。
  5. 請求項1に記載の運転者状態誘導装置であって、
    前記状況予測部は、前記状況として、前記運転者の運転負荷の高くなる状況、渋滞度合い、及び運転の単調さの少なくともいずれかを予測する運転者状態誘導装置。
  6. 請求項1に記載の運転者状態誘導装置であって、
    前記計画決定部で決定する前記運転者への刺激の計画に関する情報である計画関連情報を提示させる提示制御部(204,204a)を備える運転者状態誘導装置。
  7. 請求項6に記載の運転者状態誘導装置であって、
    前記提示制御部は、少なくとも表示装置(24)での表示によって前記計画関連情報を提示させるものであり、前記計画関連情報として、前記予測経路と、前記計画決定部で決定した前記計画に沿って前記予測経路の道中において前記運転者へ行わせる前記刺激の種類と、その刺激によって誘導したい前記運転者の理想の状態との情報を、地図上に重畳して表示させる運転者状態誘導装置。
  8. 請求項6に記載の運転者状態誘導装置であって、
    前記提示制御部は、少なくとも表示装置(24)での表示によって前記計画関連情報を提示させるものであり、前記車両が前記予測経路を走行中に、前記状態特定部で特定した前記運転者の状態と、その運転者の状態を特定している時点で前記運転者へ行わせている前記刺激の種類との情報を表示させるのに加え、前記計画関連情報として、前記計画決定部で決定していた前記計画において前記時点で前記運転者へ行わせることになっていた前記刺激の種類と、その刺激によって誘導したかった前記運転者の理想の状態との情報も、表示させる運転者状態誘導装置。
  9. 請求項6に記載の運転者状態誘導装置であって、
    前記車両が過去に走行した地点と、その地点における前記刺激と、その地点における前記運転者の状態との履歴を記憶する履歴記憶部(211)を備え、
    前記提示制御部(204a)は、少なくとも表示装置(24)での表示によって情報を提示させるものであり、前記運転者からの入力を受け付ける入力受付部(26)で受け付ける入力に応じて、前記履歴記憶部に記憶してあった前記履歴の情報を、地図上に重畳して表示させる運転者状態誘導装置。
  10. 請求項6に記載の運転者状態誘導装置であって、
    前記車両が過去に走行した地点と、その地点における前記刺激と、その地点における前記運転者の状態との履歴を記憶する履歴記憶部(211)を備えるものであり、
    前記提示制御部(204a)は、少なくとも表示装置(24)での表示によって情報を提示させるものであり、前記車両が前記予測経路を走行中に前記状態特定部で特定した前記運転者の状態と、その運転者の状態を特定している時点で前記運転者へ行わせている前記刺激の種類との情報を表示させるのに加え、前記履歴記憶部に記憶してあった前記履歴をもとに、過去の同地点における前記刺激の種類及び前記運転者の状態の情報も、表示させる運転者状態誘導装置。
  11. 請求項6に記載の運転者状態誘導装置であって、
    前記提示制御部は、前記刺激制御部で前記刺激を行わせている途中から、前記計画決定部で決定していた前記計画においてその刺激の次に行わせることが予定されている前記刺激を予告する情報を提示させる運転者状態誘導装置。
  12. 請求項6に記載の運転者状態誘導装置であって、
    前記運転者からの入力を受け付ける入力受付部(26)で受け付ける入力に応じて、前記運転者へ行わせている前記刺激、前記運転者へ行わせる予定の前記刺激、及び前記運転者へ行わせた過去の前記刺激の少なくともいずれかを評価する評価部(214)を備え、
    前記計画決定部(207a)は、前記評価部での評価が高い前記刺激ほど前記計画に選ばれやすく変更する一方、前記評価部での評価が低い前記刺激ほど前記計画に選ばれにくく変更する運転者状態誘導装置。
  13. 請求項6に記載の運転者状態誘導装置であって、
    前記計画決定部で決定していた前記計画に沿った前記刺激を行わせた場合と行わせなかった場合とでの前記運転者の状態の変化を予測する状態予測部(213)を備え、
    前記提示制御部(204a)は、少なくとも表示装置(24)での表示によって情報を提示させるものであり、前記状態予測部で予測した結果を、表示させる運転者状態誘導装置。
  14. 請求項6に記載の運転者状態誘導装置であって、
    前記経路予測部は、前記車両が実際に走行する経路が前記予測経路から外れた場合に、前記車両の経路を予測し直し、
    前記状況予測部は、前記経路予測部で前記車両の経路を予測し直した場合には、予測し直した予測経路の道中における状況を予測し、
    前記計画決定部は、前記経路予測部で前記車両の経路を予測し直した場合には、予測し直した前記予測経路上の状況に応じて、前記運転者への刺激の計画を決定し直すものであり、
    前記提示制御部は、前記計画決定部で前記運転者への刺激の計画を決定し直した場合に、少なくとも前記計画関連情報として、前記運転者への刺激の計画を決定し直したことによる前記計画の変更内容を提示させる運転者状態誘導装置。
  15. 請求項6に記載の運転者状態誘導装置であって、
    前記経路予測部は、前記車両の経路として、複数の候補経路を予測し、
    前記提示制御部は、少なくとも前記計画関連情報として、前記経路予測部で予測した複数の前記候補経路の情報を提示させるものであり、
    前記運転者から受け付ける選択入力に従って、前記経路予測部で予測した複数の前記候補経路のうちから1つの経路を選択する経路選択部(205)を備え、
    前記状況予測部は、前記経路予測部で予測した複数の候補経路のうちの、前記経路選択部で選択した経路を前記予測経路として、その予測経路の道中における状況を予測する運転者状態誘導装置。
  16. 請求項6に記載の運転者状態誘導装置であって、
    前記計画決定部は、前記運転者への刺激の計画として、1つの前記予測経路に対して複数の候補計画を決定し、
    前記提示制御部は、少なくとも前記計画関連情報として、前記計画決定部で決定した複数の前記候補計画の情報を提示させるものであり、
    前記運転者から受け付ける選択入力に従って、前記計画決定部で決定した複数の前記候補計画のうちから1つの計画を選択する計画選択部(208)を備え、
    前記刺激制御部は、前記予測経路の道中において、前記計画決定部で決定した複数の前記候補計画のうちの、前記計画選択部で選択した計画に沿って、前記運転者への刺激を行わせる運転者状態誘導装置。
  17. 請求項1に記載の運転者状態誘導装置であって、
    前記状況予測部は、前記状況として、前記運転者の状態を変化させる状況も予測するものであり、
    前記計画決定部は、前記状況予測部で前記運転者の状態を変化させる状況を予測した区間において、その状態と異なる前記運転者の状態が前記状態特定部で実際には特定された場合に、その区間については、前記状態特定部で実際に特定した前記運転者の状態に応じた刺激を用いるように前記運転者への刺激の計画を決定し直す運転者状態誘導装置。
  18. 請求項1に記載の運転者状態誘導装置であって、
    前記状態特定部は、前記運転者の状態として、眠気、漫然状態、及びストレス状態の少なくともいずれかの状態である特定状態を含む状態を特定するものであり、
    前記刺激制御部は、前記予測経路の道中において、前記状態特定部で前記特定状態を特定したことをもとに、前記計画決定部で決定した前記計画にかかわらず、前記状態特定部で特定したその特定状態を改善すると推定される刺激を、前記運転者への刺激として行わせる運転者状態誘導装置。
  19. 請求項18に記載の運転者状態誘導装置であって、
    前記刺激制御部は、前記特定状態を改善すると推定される刺激を行わせて、前記状態特定部で特定される状態が前記特定状態から改善した後は、前記予測経路の道中において、その特定状態に再度誘導しないと推定される刺激である非誘導刺激と、前記計画決定部で決定した前記計画に沿った刺激とが一致しないことをもとに、前記計画決定部で決定した前記計画にかかわらず、前記非誘導刺激を優先的に行わせる運転者状態誘導装置。
  20. 請求項18に記載の運転者状態誘導装置であって、
    前記状態特定部は、前記運転者の状態として、眠気、漫然状態、ストレス状態、前記特定状態以外の不快状態、及び快適状態の少なくともいずれかの状態を特定するものであり、
    前記刺激制御部は、前記予測経路の道中において、前記計画決定部で決定した前記計画に沿った刺激と一致しない刺激を行わせる要求が生じた場合に、優先度の高いものから眠気に対応する刺激、漫然状態に対応する刺激、ストレス状態に対応する刺激、前記不快状態に対応する刺激、前記快適状態に対応する刺激の順となった優先順に従って、前記計画決定部で決定した前記計画に沿った刺激とその刺激と一致しない刺激のうちの、優先度の高い方の刺激を行わせる運転者状態誘導装置。
  21. 車両で用いることが可能な運転者状態誘導方法であって、
    少なくとも1つのプロセッサにより実行される、
    前記車両の運転者の状態を特定する状態特定工程と、
    前記運転者の目指す状態である目標状態を推定する目標推定工程と、
    前記車両の経路を予測する経路予測工程と、
    前記経路予測工程で予測した予測経路の道中における状況を予測する状況予測工程と、
    前記状態特定工程で特定した前記運転者の状態、及び前記目標推定工程で推定した前記目標状態に加え、前記状況予測工程で予測した前記予測経路上の状況に応じて、前記運転者の状態をその目標状態に誘導するための、その予測経路の道中において用いる前記運転者への刺激の計画を決定する計画決定工程と、
    前記予測経路の道中において、前記計画決定工程で決定した前記計画に沿って、前記運転者への刺激を行わせる刺激制御工程とを含む運転者状態誘導方法。
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