JP2023021679A - アルカリ蓄電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】組立作業性を改善するとともに、電池容量の向上及びサイクル寿命の向上を図るアルカリ蓄電池を提供することにある。【解決手段】本発明のアルカリ蓄電池は、正極板(1)と、正極板に対向する負極板(3)と、正極板及び負極板の間に配置されるセパレータ(5)とを含む電極群(8)と、正極板と接触する正極集電体(2)と、負極板と接触する負極集電体(4)と、正極板、負極板、及びセパレータの厚さ方向に延在して、正極集電体及び負極集電体とともに電極群を包囲する一対の封止板と、を備え、正極板は、3次元骨格を有するニッケル由来の正極基材と、正極基材の全面を覆うように塗布された正極合剤と、を含み、正極集電体は、正極板の正極外側面(1a)の全体と接触する正極接触面(2a)を含み、負極板は、3次元骨格を有するニッケル由来の負極基材と、負極基材の全面を覆うように塗布された負極合剤と、を含み、負極集電体は、負極板の負極外側面(3a)の全体と接触する負極接触面(4a)を含む。【選択図】図1

Description

本発明はアルカリ蓄電池、特に平板状積層構造を有するアルカリ蓄電池に関する。
従来から、平板状積層構造のアルカリ蓄電池が知られている。例えば、特許文献1には、ハウジングと、バイプレート積層体と、陰極を有する陰端子と、陽極を有する陽端子とを含んで構成されるバイポーラ電池が記載されている。当該バイポーラ電池において、セパレータは、陰端子とバイプレート積層体の陽極との間に配され、別のセパレータは、バイプレート積層体の陰極と陽端子との間に配されている。そして、当該電池における第1セルは、セパレータと一体の陰端子に属する陰極及びバイプレート積層体に属する陽極によって形成されており、当該電池における第2セルは、セパレータと一体のバイプレート積層体に属する陰極及び陽端子に属する陽極によって形成されている。
特表2004-536430号公報
ところで、アルカリ蓄電池では、集電性を高めるため、負極と負端子を溶接等によって接合し、同様に正極と正端子を溶接等によって接合することが一般的である。具体的には、負極の負極基材に塗布された負極合剤を部分的に剥離し、露出した負極基材と負端子とを溶接等によって接続している。同様に、正極の正極基材に塗布された正極合剤を部分的に剥離し、露出した正極基材と正端子とを溶接等によって接続している。そして、当該電池において、負端子及び正端子を介して充放電が行われる。しかしながら、このように構成されたアルカリ蓄電池では、その組立工程において正極基材及び負極基材を露出させる必要があり、これにより作業工数が増加するため組立作業性が低下するおそれがあった。また、正極基材及び負極基材の露出した部分には合剤が塗布されず、これにより当該電池の充放電反応に寄与する活物質の量が減少し、電池容量が低下するおそれがあった。
また、アルカリ蓄電池では、一般的に、負極基材として帯状の金属材(パンチングメタルシート)が用いられる。そして、アルカリ蓄電池の負極は、このような負極基材と、当該負極基材の貫通孔内に充填されるとともに負極基材の表面に層状に担持される負極合剤とを含んで構成されている。上記負極基材は、帯状の金属板で形成されていることから、正極基材(発泡ニッケルのシート即ちスポンジ状のシート)に比べて表面積が小さく、電池の充放電反応に使用される負極基材と負極合剤との接触面積が小さくなる。このため、電池の充放電反応が続いた場合、負極基材と接触している負極合剤が局所的に劣化(酸化)し、劣化した部分における抵抗が増加する。これにより、電池の充放電反応に寄与し得る負極合剤が残っているにも関わらず、電池としてのサイクル寿命が減少するおそれがあった。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、組立作業性を改善するとともに、電池容量の向上及びサイクル寿命の向上を図るアルカリ蓄電池を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明に係るアルカリ蓄電池は、平板状の正極板と、前記正極板に対向する平板状の負極板と、前記正極板及び前記負極板の間に配置される平板状のセパレータと、を含んで構成される電極群と、前記電極群における前記正極板と接触する平板状の正極集電体と、前記電極群における前記負極板と接触する平板状の負極集電体と、前記電極群における前記正極板、前記負極板、及び前記セパレータの厚さ方向に延在して、前記正極集電体及び前記負極集電体の両端部にそれぞれ接続され、前記正極集電体及び前記負極集電体とともに前記電極群を包囲する一対の封止板と、を備え、前記電極群の前記正極板は、網目状の3次元骨格を有するニッケル由来の導電性の正極基材と、前記正極基材の全面を覆うように塗布された正極合剤と、を含んで構成されており、前記正極集電体は、前記正極板において前記セパレータに対し背向する面である正極外側面の全体と接触する正極接触面を含んでおり、前記電極群の前記負極板は、網目状の3次元骨格を有するニッケル由来の導電性の負極基材と、前記負極基材の全面を覆うように塗布された負極合剤と、を含んで構成されており、前記負極集電体は、前記負極板において前記セパレータに対し背向する面である負極外側面の全体と接触する負極接触面を含んでいる、ことを特徴とする。
本発明に係るアルカリ蓄電池によれば、正極板は、網目状の3次元骨格を有するニッケル由来の導電性の正極基材と、正極基材の全面を覆うように塗布された正極合剤と、を含んで構成されており、正極集電体は、正極板においてセパレータに対し背向する面である正極外側面の全体と接触する正極接触面を含んでいる。また、負極板は、網目状の3次元骨格を有するニッケル由来の導電性の負極基材と、負極基材の全面を覆うように塗布された負極合剤と、を含んで構成されており、負極集電体は、負極板においてセパレータに対し背向する面である負極外側面の全体と接触する負極接触面を含んでいる。このように、上記正極板は、正極基材の全面を覆うように正極合剤が塗布されており、且つ、当該正極合剤を剥離することなく正極外側面の全体で正極集電体と接触している。同様に、上記負極板は、負極基材の全面を覆うように負極合剤が塗布されており、且つ、当該負極合剤を剥離することなく負極外側面の全体で負極集電体と接触している。このため、アルカリ蓄電池の組立工程において正極基材及び負極基材を露出させる必要がなく、作業工数を低減し、組立作業性を改善することができる。また、正極基材及び負極基材の全体に合剤が塗布されるので、当該合剤の一部を剥離して構成された従来の極板に比べて、電池の充放電反応に寄与する活物質の量が増加し、ひいては電池容量を増加させることができる。
更に、上記正極基材及び負極基材はともに、網目状の3次元骨格を有するニッケル由来の導電性材料によって形成されている。このため、上記負極基材は、帯状の金属材(パンチングメタルシート)で形成された従来の負極芯材に比べてその表面積が大きくなり、ひいては電池の充放電反応に使用される負極基材と負極合剤との接触面積が大きくなる。よって、電池の充放電反応が続いた場合であっても、負極基材と接触している負極合剤が局所的に劣化(酸化)する状態を回避し、これにより電池の充放電反応に寄与し得る負極合剤を一様に消費することができ、電池としてのサイクル寿命を向上させることができる。更に、網目状の3次元骨格を有するニッケル由来の導電性の負極基材を用いることで負極合剤の負極基材からの粉落ちも防止され、電池としてのサイクル寿命を向上させることができる。
図1は、一実施形態に係るアルカリ蓄電池を単セルの状態で示す断面図である。 図2は、一実施形態に係るアルカリ蓄電池を構成する正極板及び正極集電体を示す平面図である。 図3は、一実施形態に係るアルカリ蓄電池を構成する負極板及び負極集電体を示す平面図である。 図4は、一実施形態に係るアルカリ蓄電池の単セルが積層して配設された組電池を示す断面図である。 図5は、実施例及び比較例に係るアルカリ蓄電池の寸法値、エージング後内部抵抗、容量検査結果を示す表である。 図6は、図5に示す容量検査結果を示すグラフであり、所定の測定条件による容量検査結果を示すものである。 図7は、実施例及び比較例に係るアルカリ蓄電池の容量検査結果を示すグラフであり、図6に示す容量検査とは異なる測定条件による容量検査結果を示すものである。
以下、本発明を具体化した電池の一例としてニッケル水素二次電池10(以下、単に「電池10」ともいう)、及び当該電池10を含む組電池20の実施形態を説明する。なお、電池10としては、電解液にアルカリ溶液を用いるものであればよく、例えばニッケルカドミウム二次電池等でもよい。
図1は、一実施形態に係るニッケル水素二次電池10を単セルの状態で示す断面図である。図2は、一実施形態に係る電池10を構成する正極板1及び正極集電体2を示す平面図である。図3は、一実施形態に係る電池10を構成する負極板3及び負極集電体4を示す平面図である。図4は、一実施形態に係る電池10の単セルが積層して配設された組電池20を示す断面図である。
説明の便宜上、図1に示す電池10において、正極集電体2が配置される側を「左」、負極集電体4が配置される側を「右」、一対の封止板6が配置される側を「上」、「下」と定義し、上述した左右方向及び上下方向に垂直な方向を前後方向と定義する。以下、各図に示される「前」、「後」、「左」、「右」、「上」、「下」は、全て上記定義に基づくものである。
<ニッケル水素二次電池10>
図1に示すように、本実施形態に係るニッケル水素二次電池10は、電極群8と、平板状の正極集電体2と、平板状の負極集電体4と、一対の封止板6と、を備えている。電池10には、所定量のアルカリ電解液(図示せず)が注入されている。このアルカリ電解液は、電極群8に含浸され、後述する正極板1と負極板3との間での充放電の際の電気化学反応(充放電反応)を進行させる。このアルカリ電解液としては、KOH、NaOH及びLiOHのうちの少なくとも一種を溶質として含む水溶液を用いることが好ましい。電池1は、広くバックアップ電源として利用されるものであり、例えば電力需給制御システム等、種々様々な用途に使用される。
<正極集電体2、負極集電体4>
図1及び図2に示すように、正極集電体2は、上下方向及び前後方向に広がる平板状の部材であり、電極群8における正極板1と接触するように構成されている。具体的には、正極集電体2は、右側に面する正極接触面2aを含んでいる。当該正極接触面2aは、電池10を組み立てた状態で、正極板1においてセパレータ5に対し背向する面である正極外側面1aの全体と接触する。負極集電体4は、上下方向及び前後方向に広がる平板状の部材であり、電極群8における負極板3と接触するように構成されている。具体的には、負極集電体4は、左側に面する負極接触面4aを含んでいる。当該負極接触面4aは、電池10を組み立てた状態で、負極板3においてセパレータ5に対し背向する面である負極外側面3aの全体と接触する。正極集電体2及び負極集電体4は、正極接触面2aと負極接触面4aとが相対するように、左右方向において互いに離間して配置されている。具体的には、正極接触面2aと負極接触面4aは、互いに平行又は略平行に延在している。正極集電体2及び負極集電体4は、導電性を有する金属であればよく、例えばニッケルめっきを施した鋼板で形成されている。
<一対の封止板6>
図1に示すように、一対の封止板6は、電極群8における正極板1、負極板3、及びセパレータ5の厚さ方向(即ち左右方向)に延在する平板状の部材である。ここで、左右方向における一対の封止板6の長さをLと表示する(図1)。また、一対の封止板6は、正極集電体2及び負極集電体4の両端部にそれぞれ接続され、正極集電体2及び負極集電体4とともに電極群8を包囲している。具体的には、一対の封止板6は、正極集電体2及び負極集電体4の上側の内側面によって支持され、且つ、正極集電体2及び負極集電体4の下側の内側面によって支持されている。このようにして、図1に示すように、一対の封止板6、正極集電体2、及び、負極集電体4は、電極群8を収容するための所定の収容空間を形成する。一対の封止板6は、絶縁性を有する材料から形成されている。
<電極群8>
図1に示すように、電極群8は、正極集電体2及び負極集電体4の間に配置されている。具体的には、電極群8は、平板状の正極板1と、正極板1に対向する平板状の負極板3と、正極板1及び負極板3の間に配置される平板状のセパレータ5と、を含んで構成される。なお、ここでは1組の電極群8が設けられている場合、即ち電池10が単セルの状態を説明する。電極群8は、正極板1、負極板3、及びセパレータ5の厚さの和(t1+t3+t5)が、一対の封止板6の延在方向(左右方向)における長さLの90%以上且つ100%未満となるように構成されている。ここで、t1は正極板1の左右方向での厚さを示し、t3は負極板3の左右方向での厚さを示し、t5はセパレータ5の左右方向での厚さを示す。
<正極板1>
電極群8の正極板1は、網目状の3次元骨格を有するニッケル由来の導電性の正極基材(図示せず)と、正極基材の全面を覆うように塗布された正極合剤(図示せず)と、を含んで構成されている。正極基材は多孔質構造を有する導電性の部材であり、正極合剤はこの正極基材に坦持されている。正極基材はいわゆる発泡ニッケルのシート(即ちスポンジ状のシート)であるため、当該正極基材の厚み方向全てに正極合剤が点在する。図1に示すように、正極板1においてセパレータ5に対し背向する面である正極外側面1aの全体が、正極集電体2の正極接触面2aと接触する。正極板1の正極外側面1aは左側に面する部分であり、正極板1においてセパレータ5に対向する面(右側を向く面)と背中合わせの面である。正極外側面1aは、正極集電体2の正極接触面2aと対向している。なお、正極板1は、セパレータ5を超えない大きさであればよく、その大きさは図1及び図2に示されるものに限定されない。
正極基材としては、例えば発泡ニッケルのシートを用いることができる。正極合剤は、正極活物質粒子と、結着剤とを含む。また、正極合剤には、必要に応じて正極添加剤が添加される。電極群8の正極板1は、正極合剤に含まれる正極活物質粒子の密度が2.40g/cm以上且つ2.75g/cm以下となるように構成されている。ここで、正極活物質粒子の密度は、「正極合剤の質量[g]÷(正極板1の高さ[cm]×正極板1の長さ[cm]×正極板1の厚み[cm]-ニッケル発泡体(正極基材)の質量[g]÷ニッケルの比重[g/cm])」で計算される。上記した結着剤は、正極活物質粒子を互いに結着させるとともに、正極活物質粒子を正極基材に結着させる働きをする。ここで、結着剤としては、例えば、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)ディスパージョン、HPC(ヒドロキシプロピルセルロース)ディスパージョンなどを用いることができる。また、正極添加剤としては、酸化亜鉛、水酸化コバルト等が挙げられる。正極活物質粒子としては、ニッケル水素二次電池用として一般的に用いられている水酸化ニッケル粒子が用いられる。この水酸化ニッケル粒子は、高次化されている水酸化ニッケル粒子を採用することが好ましい。上記したような正極活物質粒子は、ニッケル水素二次電池用として一般的に用いられている製造方法により製造される。
正極板1は、例えば、以下のようにして製造することができる。まず、正極活物質粒子、水及び結着剤を含む正極合剤スラリーを調製しておき、調製された正極合剤スラリーを、例えば、正極基材である発泡ニッケルのシートに充填する。その後、乾燥工程を経て、水酸化ニッケル粒子等が充填された発泡ニッケルのシートは、圧延より、正極活物質粒子を所定の密度に調整してから裁断される。
<負極板3>
電極群8の負極板3は、網目状の3次元骨格を有するニッケル由来の導電性の負極基材(図示せず)と、負極基材の全面を覆うように塗布された負極合剤(図示せず)と、を含んで構成されている。負極基材は多孔質構造を有する導電性の部材であり、負極合剤はこの負極基材に坦持されている。負極基材はいわゆる発泡ニッケルのシート(即ちスポンジ状のシート)であるため、当該負極基材の厚み方向全てに負極合剤が点在する。図1に示すように、負極板3においてセパレータ5に対し背向する面である負極外側面3aの全体が、負極集電体4の負極接触面4aと接触する。負極板3の負極外側面3aは右側に面する部分であり、負極板3においてセパレータ5に対向する面(左側を向く面)と背中合わせの面である。負極外側面3aは、負極集電体4の負極接触面4aと対向している。なお、負極板3は、セパレータ5を超えない大きさであればよく、その大きさは図1及び図2に示されるものに限定されない。
負極基材としては、例えば、発泡ニッケルのシートを用いることができる。負極合剤は、負極活物質粒子としての水素を吸蔵及び放出可能な水素吸蔵合金粒子、導電剤、結着剤及び負極補助剤を含む。電極群8の負極板3は、負極合剤に含まれる負極活物質粒子の密度が4.50g/cm以上且つ5.75g/cm以下となるように構成されている。ここで、負極活物質粒子の密度は、「負極合剤の質量[g]÷(負極板3の高さ[cm]×負極板3の長さ[cm]×負極板3の厚み[cm]-ニッケル発泡体(負極基材)の質量[g]÷ニッケルの比重[g/cm])」で計算される。上記した結着剤は水素吸蔵合金粒子、導電剤等を互いに結着させると同時に水素吸蔵合金粒子、導電剤等を負極基材に結着させる働きをする。ここで、結着剤としては、特に限定されるものではなく、例えば、親水性若しくは疎水性のポリマー、カルボキシメチルセルロースなどの、ニッケル水素二次電池用として一般的に用いられている結着剤を用いることができる。また、負極補助剤としては、スチレンブタジエンゴム、ポリアクリル酸ナトリウム等を用いることができる。水素吸蔵合金粒子における水素吸蔵合金としては、特に限定されるものではなく、一般的なニッケル水素二次電池に用いられているものを用いるのが好ましい。導電剤としては、ニッケル水素二次電池の負極に一般的に用いられている導電剤が用いられる。例えば、カーボンブラック等が用いられる。
負極板3は、例えば、以下のようにして製造することができる。まず、上記のような水素吸蔵合金粒子の集合体である水素吸蔵合金粉末と、導電剤と、結着剤と、水とを準備し、これらを混練して負極合剤のペーストを調製する。得られたペーストは負極基材に塗着され、乾燥させられる。その後、全体的に圧延が施される圧延工程により水素吸蔵合金粒子の密度が所定の値になるように調整が行われ、負極板3が製造される。
<セパレータ5>
図1に示すように、セパレータ5は、正極板1及び負極板3の間に配置されている。具体的には、セパレータ5は、正極板1及び負極板3よりも大きな面積を有するように形成された平板状の部材である。つまり、セパレータ5を介して、正極板1及び負極板3が対向する。なお、セパレータ5の材料としては、アルカリ蓄電池用セパレータとして使用可能なものであれば特に限定されず、例えば、ポリアミド繊維製不織布に親水性官能基を付与したもの、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン繊維製不織布に親水性官能基を付与したもの等を用いることができる。
このようにして製造された電極群8は、一対の封止板6、正極集電体2、及び、負極集電体4によって形成された収容空間に収容される。次いで、正極集電体2及び負極集電体4が互いに近接する方向(左右方向)に加圧される。これにより、正極板1が正極集電体2に所定の圧力で押し付けられ、負極板3が負極集電体4に所定の圧力で押し付けられる。この結果、正極板1と正極集電体2との間の導通、負極板3と負極集電体4との間の導通が確保される。引き続き、当該収容空間には所定量のアルカリ電解液が注入され、収容空間が密閉され、電池10が得られる。電池10は、初期活性化処理が施され、使用可能状態とされる。
<組電池20>
次いで、図4を参照しつつ、一実施形態に係る組電池20について説明する。組電池20は、上述の電池10に対して、2つの電極群8の間に後述する共有電極板7が設けられている点で異なる。以下、上述の電池10と同じ又は類似する機能を有する構成については、電池10と同一の符号を付してその説明を省略し、異なる部分について説明する。
図4に示すように、アルカリ蓄電池の組電池20は、少なくとも二つの電極群8と、正極集電体2と、負極集電体4と、共有電極板7と、一対の封止板6と、を含んで構成されている。具体的には、組電池20は、正極集電体2、負極集電体4、及び一対の封止板6によって形成される空間を複数の共有電極板7によって仕切り、これら仕切られた空間の各々に電極群8を収容して構成されている。
図4に示すように、組電池20において、電極群8は少なくとも二つ設けられている。なお、本実施形態では、5つの電極群8が設けられている。電極群8の各々は、正極板1、負極板3、及びセパレータ5の厚さ方向(即ち左右方向)に積層して配設されている。
図4に示すように、正極集電体2は、平板状に形成されており、電極群8における一の(即ち左側の)電極群8の正極板1と接触する。具体的には、正極集電体2は、正極接触面2aにおいて、正極板1においてセパレータ5に対し背向する面である正極外側面1aの全体と接触する。また、負極集電体3は、平板状に形成されており、電極群8における他の(即ち右側の)電極群8の負極板3と接触する。具体的には、負極集電体4は、負極接触面4aにおいて、負極板3においてセパレータ5に対し背向する面である負極外側面3aの全体と接触する。
図4に示すように、共有電極板7は、平板状に形成されており、複数の電極群8における各電極群8の間に配設される。具体的には、共有電極板7は、左右方向に隣接する各電極群8における正極板1及び負極板3の両方と接触するように、各電極群8の間に配設されている。共有電極板7は、ニッケルメッキ層が塗布されており、いわゆるバイポーラプレートと呼ばれる部材である。つまり、共有電極板7は、複数の電極群8を直列接続するものであり、その両面がそれぞれ正極、負極となる。
図4に示すように、一対の封止板6は、各電極群8における正極板1、負極板3、及びセパレータ5の厚さ方向(即ち左右方向)に延在している。また、一対の封止板6は、正極集電体2の上下方向両端部、共有電極板7の上下方向両端部、及び負極集電体4の上下方向両端部にそれぞれ接続されている。そして、一対の封止板6は、正極集電体2、共有電極板7、及び負極集電体4とともに電極群8の各々を包囲する。具体的には、一対の封止板6は、正極集電体2及び共有電極板7とともに、左側に位置する電極群8を包囲する。また、別の一対の封止板6は、負極集電体4及び共有電極板7とともに、右側に位置する電極群8を包囲する。更に、一対の封止板6は、互いに対向する2つの共有電極板7とともに、電極群8の一つを包囲する。このように構成された組電池20は、例えば左右方向に15個の電極群8を直列配置したものであってもよい。
次いで、一実施形態の電池10及び組電池20の作用、効果について説明する。上述したように、一実施形態に係る電池10及び組電池20によれば、正極板1は、発泡ニッケルのシートから成る正極基材と、正極基材の全面を覆うように塗布された正極合剤と、を含んで構成されており、正極集電体2は、正極板1においてセパレータ5に対し背向する面である正極外側面1aの全体と接触する正極接触面2aを含んでいる。また、負極板3は、発泡ニッケルのシートから成る負極基材と、負極基材の全面を覆うように塗布された負極合剤と、を含んで構成されており、負極集電体4は、負極板3においてセパレータ5に対し背向する面である負極外側面3aの全体と接触する負極接触面4aを含んでいる。このように、上記正極板1は、正極基材の全面を覆うように正極合剤が塗布されており、且つ、当該正極合剤を剥離することなく正極外側面1aの全体で正極集電体2と接触している。同様に、上記負極板3は、負極基材の全面を覆うように負極合剤が塗布されており、且つ、当該負極合剤を剥離することなく負極外側面3aの全体で負極集電体4と接触している。このため、電池10及び組電池20の組立工程において正極基材及び負極基材を露出させる必要がなく、作業工数を低減し、組立作業性を改善することができる。また、正極基材及び負極基材の全体に合剤が塗布されるので、当該合剤の一部を剥離して構成された従来の極板に比べて、電池10及び組電池20の充放電反応に寄与する活物質の量が増加し、ひいては電池容量を増加させることができる。
更に、上記正極基材及び負極基材はともに、発泡ニッケルのシートから成る導電性材料によって形成されている。このため、上記負極基材は、帯状の金属材(パンチングメタルシート)で形成された従来の負極基材に比べてその表面積が大きくなり、ひいては電池10及び組電池20の充放電反応に使用される負極基材と負極合剤との接触面積が大きくなる。よって、電池10及び組電池20の充放電反応が続いた場合であっても、負極基材と接触している負極合剤が局所的に劣化(酸化)する状態を回避し、局所的に抵抗が増加する状態が回避される。つまり、電池内の導電性を維持し、内部抵抗を低くすることができる。これにより、電池10及び組電池20の充放電反応に寄与し得る負極合剤を一様に消費することができ、電池10及び組電池20としてのサイクル寿命を向上させることができる。更に、発泡ニッケルのシートから成る導電性の負極基材を用いることで、負極合剤の負極基材からの粉落ちも防止され、電池10及び組電池20としてのサイクル寿命を向上させることができる。
一実施形態に係る電池10及び組電池20によれば、電極群8の正極板1は、正極合剤に含まれる正極活物質粒子の密度が2.40g/cm以上且つ2.75g/cm以下となるように構成されている。また、電極群8の負極板3は、負極合剤に含まれる負極活物質粒子の密度が4.50g/cm以上且つ5.75g/cm以下となるように構成されている。このように、正極板1の活物質粒子の密度を2.40g/cm以上且つ2.75g/cm以下となるように作製することで、柔軟で電解液の浸透性の高い正極板1を得ることができる。これにより、正極板1内へ電解液の浸透が起こりやすく、液回り改善により内部抵抗を下げることができる。また、上記正極板1は空隙を比較的大きく維持できるので、繰り返し充放電時に正極活物質が膨張した場合であっても正極板1内の空隙から先に充填され、正極板1の厚みが厚くなりにくいという利点がある。他方、負極板3の活物質粒子の密度を4.50g/cm以上且つ5.75g/cm以下となるように作製することで、圧延による合金割れにより負極板1の活性度が向上し、内部抵抗が減少し、高出力化を実現できるという利点がある。
このように、正極板1及び負極板3の活物質密度を上記範囲内で作製することで、電池10内の電極群8に電解液が十分に保持され、上記範囲外で製造した正極板1及び負極板3から成る電池10よりも内圧上昇や過電圧が抑制され、集電性能の向上を実現することができる。ここで、電池の内部抵抗を下げるためには極板特に正極板中に一定量の電解液の保持が必要となる。このため、一般的に、正極板に保持される電解液の量を確保するために正極板内に所定の空隙が必要となる。しかしながら、正極板1及び負極板3の各々を剥離することなく、正極集電体2及び負極集電体4に接触させて集電を行う一実施形態の構成においては、正極板1及び負極板3の密度を下げて空隙を大きくすると、正極集電体2及び負極集電体4に対する接触面積が減り、接触不良によって抵抗が増大するおそれがある。また、このように密度を下げることで製造時にバリが起こりやすくなるため、短絡が発生するおそれがある。一方で、上記密度を上げすぎると電極群8内での電解液の液廻りが悪化するため、この場合であっても、抵抗が増加し過電圧が生じるおそれがある。この点、一実施形態のように正極板1及び負極板3の活物質密度を上記範囲内で作製することで、従来の平板状積層構造電池では両立できない極板中の空隙の確保と集電性の両立を実現することができる。
なお、正極板1の活物質粒子の密度が2.75g/cmを超えた場合、電解液の液廻りが悪化し、高抵抗化が生じることが考えられるため、正極板1の活物質粒子の密度の上限は2.75g/cmとする必要がある。また、正極板1の活物質粒子の密度が2.40g/cmを下回った場合、正極板1の厚みが増し、この結果、正極板1、負極板3、セパレータ5の厚さの和が1対の封止板6の延在方向の長さLの寸法を超過するため、正極板1の活物質粒子の密度の下限は、2.40g/cmとする必要がある。また、負極板3の活物質粒子の密度が5.75g/cmを超えた場合、圧延時の伸びが顕著に増大するため、製造上の限界値により負極板3の活物質粒子の密度の上限は5.75g/cm以下とする必要がある。また、負極板3の活物質粒子の密度が4.50g/cmを下回った場合、負極板3の厚みが増し、この結果、正極板1、負極板3、セパレータ5の厚さの和が1対の封止板6の延在方向の長さLの寸法を超過してしまうため、負極板3の活物質粒子の密度の下限は4.50g/cmとする必要がある。さらに好ましくは、正極板1の活物質粒子の密度は2.46~2.65g/cm、負極板3の活物質粒子の密度は4.75~5.48g/cmに設定される。これは、内部抵抗増大の抑制と、放電容量が設計値に近い特性が得られていた後述する実施例1~3の寸法値データに基づき導き出されるものである。
また、電極群8の厚さ(t1+t3+t5)が封止板6の長さLの100%以上となる場合、電池10及び組電池20を密閉することができず、電解液の漏れが生じるおそれがある。また、電極群8の内部でガス消費反応が行われないため、負極板3のリザーブ蓄積により電池10及び組電池20が短寿命となるおそれがある。他方、電極群8の厚さ(t1+t3+t5)が封止板6の長さLの90%より小さくなる場合、正極1及び正極集電体2の間、負極3及び負極集電体4の間に空隙が生じこれにより集電不良が生じ、ひいては内部抵抗の増大や過電圧が生じるおそれがあった。この点、一実施形態に係る電池10及び組電池20によれば、電極群8は、正極板1、負極板3、及びセパレータ5の厚さの和(t1+t3+t5)が、一対の封止板6の延在方向(左右方向)における長さLの90%以上且つ100%未満となるように構成されている。よって、電解液の漏れを抑制し、サイクル寿命を向上した電池10及び組電池20を提供することができる。更に、正極1及び正極集電体2、及び負極3及び負極集電体4を確実に接触させ、これにより集電不良を改善し、ひいては内部抵抗の増大や過電圧を回避することができる。更に、電池10及び組電池20を構成する筐体のサイズが変更になった場合であっても、同じ電極群8を使用できるため、製造コストの低減に寄与することができる。
1.電池の作製
(実施例1)
(1)正極板1の作製
正極板1は、導電性を向上させるため面密度(目付)が575g/mのニッケルフォームに、Ni-MH電池の正極スラリーを充填、これを乾燥させ、図5に示すように活物質密度が2.52g/cm、厚み0.82mm、空隙率37%となるように調整して圧延した後、所定の寸法に切断して作製した。
(2)負極板3の作製
負極板3は、水素吸蔵合金を活物質としたスラリーを面密度(目付)が320g/mのNiフォームに充填、これを乾燥させ、図5に示すように活物質密度が5.07g/cm、厚み0.63mm、空隙率33%となるように調整して圧延した後、所定の寸法に切断して作製した。
(3)電池10の作製
得られた正極板1及び負極板3を、これらの間にセパレータ5を挟んだ状態で電極群8を作製した。セパレータは、厚み0.19mmのPP製不織布セパレータを正負極の極板寸法<セパレータ面積<集電体面積となるように寸法調整したものを利用した。一対の封止板6は、長さLが1.8mmのものを使用した。
(実施例2)
実施例2として、実施例1と同量の正極スラリーを充填した正極板1を活物質密度2.46g/cm3、厚み0.89mm、空隙率41%となるように作製した。また、実施例1と同量の負極スラリーを充填した負極板3を活物質密度5.48g/cm3、厚み0.57mm、空隙率28%となるように作製した。実施例2において、セパレータ、正負極の芯材、活物質のスラリー配合は実施例1と同じものを用いて電池を作製した。
(実施例3)
実施例3として、実施例1と同量の正極スラリーを充填した正極板1を活物質密度2.65g/cm3、厚み0.78mm、空隙率33%となるように作製した。また、実施例1と同量の負極スラリーを充填した負極板3を活物質密度4.75g/cm3、厚み0.67mm、空隙率37%となるように作製した。実施例3において、セパレータ、正負極の芯材、活物質のスラリー配合は実施例1と同じものを用いて電池を作製した。
(比較例1)
比較例1として、実施例1と同量の正極スラリーを充填した正極板1を活物質密度2.90g/cm、厚み0.69mm、空隙率24%となるように作製した。また、実施例1と同量の負極スラリーを充填した負極板3を活物質密度3.91g/cm、厚み0.76mm、空隙率47%となるように作製した。比較例1において、セパレータ、正負極の芯材、活物質のスラリー配合は実施例1と同じものを用いて電池を作製した。
(比較例2)
比較例2として、実施例1と同量の正極スラリーを充填した正極板1を活物質密度2.40g/cm、厚み0.93mm、空隙率41.1%となるように作製した。また、実施例1と同量の負極スラリーを充填した負極板3を活物質密度6.30g/cm、厚み0.52mm、空隙率18%となるように作製した。比較例2において、セパレータ、正負極の芯材、活物質のスラリー配合は実施例1と同じものを用いて電池を作製した。
(比較例3)
比較例3として、実施例1と同量の正極スラリーを充填した正極板1を活物質密度2.90g/cm、厚み0.69mm、空隙率24%となるように作製した。また、実施例1と同量の負極スラリーを充填した負極板3を活物質密度5.10g/cm、厚み0.63mm、空隙率33%となるように作製した。比較例3において、セパレータ、正負極の芯材、活物質のスラリー配合は実施例1と同じものを用いて電池を作製した。
2.電池10の評価
上記1.で作製した電池10について、高温エージング、活性化を経て容量検査を実施した。図5は、実施例1~3及び比較例1~3に係るニッケル水素二次電池の寸法値、エージング後内部抵抗、容量検査結果を示す表である。図6は、図5に示す容量検査結果を示すグラフであり、所定の測定条件による容量検査結果を示すものである。図7は、実施例及び比較例に係るアルカリ蓄電池の容量検査結果を示すグラフであり、図6に示す容量検査とは異なる測定条件による容量検査結果を示すものである。
図5に示すエージングの条件は、40℃環境で72時間である。図5に示すように、実施例1は高温エージング後の内部抵抗が11.1mohm、実施例2は12.5mohm、実施例3は12.7mohmであったのに対して、比較例1は16mohm、比較例2は12.8mohm、比較例3は15mohmであった。このように、実施例1では、比較例1~3に比べてより低い内部抵抗を達成することができた。また、実施例2、3は、実施例1に基づく電池と同等の特性が得られている。
図5及び図6の容量検査の条件は、充電:0.1It×11h、放電:0.5It(E.V=1.0V)である。また、図7の容量検査の条件は、充電1:0.2It×2h、充電2:0.4It×1h15min、充電3:0.2It×1h、放電:0.5It(E.V=1.0V)である。なお、Itは、1時間で完全充電/完全放電させる電流値を意味する。また、E.V=1.0Vとは、電池電圧が1.0Vになるまで放電を行うことを意味する。
図5に示すように、実施例1の電池では、設計容量の約83%に相当する放電容量が得られた。また、実施例2の電池は設計容量の約81.8%の容量が得られ、実施例3の電池は設計容量の約80.4%の容量が得られた。これに対し、図5~図7に示すように、比較例1の電池は設計容量の約49%の容量が得られ、実施例1~3の電池より放電容量が低下した。これは、比較例1の電池は実施例1~3の正極板よりも高密度(即ち低空隙率)に作製されているため、正極板へ電解液が浸透しづらく、液回り不良となった結果高抵抗化したものと考えられる。また、比較例1の電池は実施例1~3の負極板よりも低密度(即ち高空隙率)に作製されているため、圧延時の負極板の合金表面が割れずエージング、活性化において十分な活性度が得られなかったことが要因であると考えられる。
また、図5~図7に示すように、比較例2の電池は設計容量の約69%の容量が得られ、実施例1~3の電池より放電容量が低下した。これは、比較例2の電池は実施例1の正極板よりも低密度(即ち高空隙率)に作製されているため、実施例1、3の電池に比べて活性化制御を十分に行えなかったことが要因であると考えられる。また、比較例2の電池は、実施例1~3の負極板より高密度(即ち低空隙率)に作製されているため、負極の液廻り不良による高抵抗化が原因と考えられる。
さらに、図5~図7に示すように、比較例3の電池は設計容量の72%の容量が得られ、実施例1~3の電池より放電容量が低下した。比較例3の電池は、実施例1~3の電池よりも正極厚み及び負極厚みの和が小さく設定されている。このため、正極及び正極集電体の間、負極及び負極集電体の間に空隙が生じて集電不良が生じ、これにより内部抵抗の増大や過電圧が生じた結果、放電容量が低くなったものと考えられる。
ここで、図6及び図7を参照すると、充電当初、実施例1~3の電池は比較例1~3の電池に対し電圧値が低い側を経過している。これは、実施例1~3の電池の抵抗が、比較例1~3の電値の抵抗よりも低いことを示している。比較例1~3の電池では高抵抗に起因する過電圧が起きていると考えられる。
以上より、正極板1は、実施例1で定めた正極活物質粒子の密度(2.52g/cm)及び厚み(厚み0.82mm)を基準にして、製造条件(圧延条件等)を考慮して、正極活物質粒子の密度を2.40g/cm以上且つ2.75g/cm以下、厚みを0.75mm以上且つ0.90mm以下とすることが好ましいと考えられる。また、負極板3は、実施例1で定めた負極活物質粒子の密度(5.07g/cm)及び厚み(厚み0.63mm)を基準にして、製造条件(圧延条件等)を考慮して、負極活物質密度を4.50g/cm以上且つ5.75g/cm以下、厚みを0.55mm以上且つ0.70mm以下とすることが好ましいと考えられる。また、実施例2,3に基づく電池は、実施例1に基づく電池と同等の特性が得られ、実施例1~3に係るニッケル水素二次電池の寸法値、密度の範囲であれば効果が得られると推測される。具体的には、より効果を得るためには、正極板1は正極活物質粒子の密度を2.46g/cm以上且つ2.65g/cm以下、厚みを0.78mm以上且つ0.89mm以下とすることがより好ましいと考えられる。また、負極板3は、負極活物質密度を4.75g/cm以上且つ5.48g/cm以下、厚みを0.57mm以上且つ0.67mm以下とすることがより好ましいと考えられる。
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に係るニッケル水素二次電池2に限定されるものではなく、本発明の概念及び特許請求の範囲に含まれるあらゆる態様を含み、各構成を適宜選択的に組み合わせても良い。また、上記実施の形態における各構成要素の形状、材料、配置、サイズ等は、本発明の具体的態様によって適宜変更され得る。
1 正極板
1a 正極外側面
2 正極集電体
2a 正極接触面
3 負極板
3a 負極外側面
4 負極集電体
4a 負極接触面
5 セパレータ
6 一対の封止板
7 共有電極板
8 電極群
10 ニッケル水素二次電池(アルカリ蓄電池)
20 組電池

Claims (5)

  1. 平板状の正極板と、前記正極板に対向する平板状の負極板と、前記正極板及び前記負極板の間に配置される平板状のセパレータと、を含んで構成される電極群と、
    前記電極群における前記正極板と接触する平板状の正極集電体と、
    前記電極群における前記負極板と接触する平板状の負極集電体と、
    前記電極群における前記正極板、前記負極板、及び前記セパレータの厚さ方向に延在して、前記正極集電体及び前記負極集電体の両端部にそれぞれ接続され、前記正極集電体及び前記負極集電体とともに前記電極群を包囲する一対の封止板と、を備え、
    前記電極群の前記正極板は、網目状の3次元骨格を有するニッケル由来の導電性の正極基材と、前記正極基材の全面を覆うように塗布された正極合剤と、を含んで構成されており、
    前記正極集電体は、前記正極板において前記セパレータに対し背向する面である正極外側面の全体と接触する正極接触面を含んでおり、
    前記電極群の前記負極板は、網目状の3次元骨格を有するニッケル由来の導電性の負極基材と、前記負極基材の全面を覆うように塗布された負極合剤と、を含んで構成されており、
    前記負極集電体は、前記負極板において前記セパレータに対し背向する面である負極外側面の全体と接触する負極接触面を含んでいる、ことを特徴とするアルカリ蓄電池。
  2. 前記電極群の前記正極板は、前記正極合剤に含まれる正極活物質粒子の密度が2.40g/cm以上且つ2.75g/cm以下となるように構成されており、
    前記電極群の前記負極板は、前記負極合剤に含まれる負極活物質粒子の密度が4.50g/cm以上且つ5.75g/cm以下となるように構成されている、請求項1記載のアルカリ蓄電池。
  3. 前記電極群の前記正極板は、前記正極合剤に含まれる正極活物質粒子の密度が2.46g/cm以上且つ2.65g/cm以下となるように構成されており、
    前記電極群の前記負極板は、前記負極合剤に含まれる負極活物質粒子の密度が4.75g/cm以上且つ5.48g/cm以下となるように構成されている、請求項2記載のアルカリ蓄電池。
  4. 前記電極群は、前記正極板、前記負極板、及び前記セパレータの厚さの和が、前記一対の封止板の延在方向における長さの90%以上且つ100%未満となるように構成されている、請求項1から3までのいずれか一項記載のアルカリ蓄電池。
  5. 請求項1から4までのいずれか一項記載の少なくとも二つの電極群であって、前記正極板、前記負極板、及び前記セパレータの厚さ方向に積層して配設された少なくとも二つの電極群と、
    前記電極群における一の電極群の正極板と接触する平板状の正極集電体であって、当該正極板において前記セパレータに対し背向する面である正極外側面の全体と接触する正極接触面を含む正極集電体と、
    前記電極群における他の電極群の負極板と接触する平板状の負極集電体であって、当該負極板において前記セパレータに対し背向する面である負極外側面の全体と接触する負極接触面を含む負極集電体と、
    前記少なくとも二つの電極群における各電極群の間に配設される共有電極板であって、隣接する前記各電極群における正極板及び負極板の両方と接触する平板状の共有電極板と、
    前記各電極群における前記正極板、前記負極板、及び前記セパレータの厚さ方向に延在して、前記正極集電体の両端部、前記共有電極板の両端部、及び前記負極集電体の両端部にそれぞれ接続され、前記正極集電体、前記共有電極板、及び前記負極集電体とともに前記電極群の各々を包囲する少なくとも二つの一対の封止板と、を備えるアルカリ蓄電池の組電池。
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