JP2023021247A - 分光測定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 エネルギー校正による不確かさの影響を低減した、蛍光体等の発光材料の外部量子効率、吸収率および内部量子効率を分光測定する分光測定方法を提供すること。【解決手段】 本発明の分光測定方法は、光学特性が値付けされている標準物質を光源からの励起光で励起させ、分光手段を用いて、励起光に起因する標準物質からの光の波長スペクトルを取得するステップと、対象とする被験物質を、光源からの励起光で励起させ、分光手段を用いて、励起光に起因する被験物質からの被測定光の波長スペクトルを取得するステップと、標準物質の波長スペクトルと、被験物質の波長スペクトルとを用いて、被験物質の計測値をデータ解析するステップとを包含する。【選択図】 図3

Description

本発明は、蛍光体などの発光材料の外部量子効率、吸収率および内部量子効率を分光測定する分光測定方法に関する。
蛍光体等の発光材料の発光効率を知るために入力したエネルギーに対する出力されるエネルギーの量子効率の評価が広く用いられている。なかでも白色発光ダイオード(白色LED)等の発光デバイスに用いられる粉末状蛍光体の量子効率の値は重要であり、測定法の国際標準化も進められている。発光試料の吸収率や量子効率は、フォトン数の測定値を用いて次式で計算される。
Figure 2023021247000002
吸収率は励起光が発するフォトンのうち、試料に吸収されるフォトンの割合である。通常は、励起光を標準白色板などに照射して測定した励起光のフォトン数と、励起光を試料に照射して測定した散乱光のフォトン数(散乱フォトン数)とを計測して、式(1a)で求める。
内部量子効率は吸収したフォトンの内発光に変換されたフォトンの割合である。通常は、励起光を標準白色板などに照射して測定した励起光のフォトン数と、励起光を試料に照射して測定した散乱光のフォトン数(散乱フォトン数)とを計測して、式(1a)で吸収率を求め、さらに試料が発する蛍光のフォトン数を計測し、式(1b)で内部量子効率を求める。なお、散乱フォトン数の算出では、散乱光強度を標準白色試料の拡散反射率で除される必要がある。
外部量子効率は励起光のフォトンが発光に変換されるフォトンの割合である。式(1a)で吸収率を求め、式(1b)で内部量子効率を求め、式(1c)により吸収率と内部量子効率との積で外部量子効率を求める。
量子効率の測定には積分球を用いる方法(以下積分球法と記す。例えば、非特許文献1を参照)が一般的であり、図1に示すようなスペクトルを取得して計算する。内部量子効率の測定法はこの方法を用いて標準化されている(ISO20351/JIS R1697)。
図1は、例示的な発光・散乱スペクトルを示す図である。
図2は、積分球法を実施する分光測定装置を示す模式図である。
図2に示す分光測定装置200を用いて以下のように内部量子効率を計算する。
(1)積分球210の底面に標準拡散白色板(図示せず)を設置して、光源220からの励起光の標準拡散白板に照射することにより、積分球210内で均一化された励起光のスペクトルを分光手段230で測定する。
(2)積分球210の底面に被測定蛍光体240を設置して、励起光を被測定蛍光体240に照射することにより、励起光の一部は反射され、励起光の一部は蛍光体に吸収されて波長変換される。
(3)反射された励起光(散乱光)と波長変換された蛍光との混合光が積分球210内で均一化されたスペクトルを分光手段230で測定する。
(4)フォトン数の測定値を用いて、式(1b)で内部量子効率を計算する。
別の量子効率の測定方法が開発されている(例えば、非特許文献2を参照)。非特許文献2の図1に示されるように、被測定蛍光体を水平に設置した状態で、単色光の入射に対して、検出器を移動させることにより、被測定蛍光体からの蛍光および散乱光の変角分光測定を行う。種々の角度の蛍光および散乱光のスペクトルおよび発光強度を空間的に積分することにより、量子効率を直接的に測定することができる。量子効率の絶対値を直接測定できる利点はあるが、装置が高価であり、測定に長時間を要する。
量子効率は発光材料の研究開発段階では従来品に比べてどの程度の効率を持つか、または今後どの程度改善の可能性があるかを知るための良い指標となる。また、白色LED用途など実用化段階では、発光材料の商品取引の仕様決めや各製造工程における品質管理に利用されることが多い。特に後者の場合、量子効率の測定値には非常に精度が求められる。量子効率の精度には発光スペクトルの測定精度が最も重要になることは言うまでもないが、特に大きな不確かさの要因は、広い波長範囲に亘るエネルギー校正精度である。蛍光体等の発光材料はエネルギーを入力する励起光の波長と出力する蛍光の波長が大きく異なる。
白色LEDの場合、405nmや450nmの波長で励起し、500~800nmまでの広い波長範囲の蛍光に波長変換することが多い。一般的に用いられる積分球を用いた光学系や分光光度計などでは、多くの光学部品を組み合わせて使用するため、上記のような広い波長範囲でのエネルギー校正は慎重を要し、設置状況の変化や継時変化も測定精度の不確かさとなる可能性が高い。このエネルギー校正による不確かさを低減できれば好ましい。
大久保利明、中川靖夫、照明学会誌 第95完第8A号 (平成23年)p431 高橋向星ら,第78回応用物理学会秋季学術講演会,予稿集7p-A414-7
本発明は、エネルギー校正による不確かさの影響を低減した、蛍光体等の発光材料の外部量子効率、吸収率および内部量子効率を分光測定する分光測定方法を提供することである。
本発明による分光測定方法は、光学特性が値付けされている標準物質を光源からの励起光で励起させ、分光手段を用いて、前記励起光に起因する前記標準物質からの光の波長スペクトルを取得するステップと、対象とする被験物質を、前記光源からの前記励起光で励起させ、前記分光手段を用いて、前記励起光に起因する前記被験物質からの被測定光の波長スペクトルを取得するステップと、前記標準物質の前記波長スペクトルと、前記被験物質の前記波長スペクトルとを用いて、前記被験物質の計測値をデータ解析するステップとを包含し、前記データ解析するステップは、前記被験物質の求めるべき光学特性として、外部量子効率、吸収率および内部量子効率からなる群から少なくとも1つ選択し、かつ、前記標準物質の値付けされた前記光学特性のうち使用する光学特性を選択するステップと、前記標準物質の前記波長スペクトルおよび前記被験物質の前記波長スペクトルのそれぞれからフォトン数を算出するステップであって、前記標準物質および前記被験物質の散乱フォトン数、および/または、前記標準物質および前記被験物質の発光フォトン数を算出する、ステップと、前記選択された前記標準物質の値付けされた光学特性、および、前記算出された発光フォトン数および/または散乱フォトン数を用いて、前記被験物質の前記選択された光学特性を算出するステップとをさらに包含し、これにより上記課題を解決する。
前記選択するステップは、前記被験物質の求めるべき光学特性として外部量子効率(ηext-sam)を選択し、かつ、前記標準物質の値付けされた光学特性として外部量子効率(ηext-ref)、または、吸収率(Aref)または反射率(Rref)と内部量子効率(ηint-ref)との組み合わせを選択し、前記フォトン数を算出するステップは、前記標準物質の前記波長スペクトルから前記標準物質の発光フォトン数(Nref-em)を算出し、前記被験物質の前記波長スペクトルから前記被験物質の発光フォトン数(Nsam-em)を算出し、前記光学特性を算出するステップは、前記標準物質の値付けされた光学特性が外部量子効率である場合には式(1)を、前記標準物質の値付けされた光学特性が吸収率と内部量子効率との組み合わせの場合には式(2)を、前記標準物質の値付けされた光学特性が反射率と内部量子効率との組み合わせの場合には式(3)を実行し、前記被験物質の外部量子効率(ηext-sam)を算出してもよい。
ηext-sam=ηext-ref×(Nsam-em/Nref-em)・・・(1)
ηext-sam=Aref×ηint-ref×(Nsam-em/Nref-em)・・・(2)
ηext-sam=(1-Rref)×ηint-ref×(Nsam-em/Nref-em)・・・(3)
前記選択するステップは、前記被験物質の求めるべき光学特性として吸収率(Asam)を選択し、かつ、前記標準物質の値付けされた光学特性として反射率(Rsam)または吸収率(Aref)を選択し、前記フォトン数を算出するステップは、前記標準物質の前記波長スペクトルから前記標準物質の散乱フォトン数(Nref-scatt)を算出し、前記被験物質の前記波長スペクトルから前記被験物質の散乱フォトン数(Nsam-scatt)を算出し、前記光学特性を算出するステップは、前記標準物質の値付けされた光学特性が反射率である場合には式(4)を、前記標準物質の値付けされた光学特性が吸収率である場合には式(5)を実行し、前記被験物質の反射率(Rsam)を算出し、前記被験物質の反射率を用いて式(6)を実行し、前記被験物質の吸収率(Asam)を算出してもよい。
sam=Rref×(Nsam-scatt/Nref-scatt)・・・(4)
sam=(1-Aref)×(Nsam-scatt/Nref-scatt)・・・(5)
sam=1-Rsam・・・(6)
前記選択するステップは、前記被験物質の求めるべき光学特性として内部量子効率(ηint-sam)を選択し、かつ、標準物質の値付けされた光学特性として外部量子効率(ηext-ref)と吸収率(Aref)または反射率(Rref)との組み合わせ、または、吸収率(Aref)または反射率(Rref)と内部量子効率(ηint-ref)との組み合わせを選択し、前記フォトン数を算出するステップは、前記標準物質の前記波長スペクトルから前記標準物質の発光フォトン数(Nref-em)および散乱フォトン数(Nref-scatt)を算出し、前記被験物質の前記波長スペクトルから前記被験物質の発光フォトン数(Nsam-em)および散乱フォトン数(Nsam-scatt)を算出し、前記光学特性を算出するステップは、前記標準物質の値付けされた光学特性が外部量子効率である場合には式(1)を、前記標準物質の値付けされた光学特性が吸収率と内部量子効率との組み合わせの場合には式(2)を、前記標準物質の値付けされた光学特性が反射率と内部量子効率との組み合わせの場合には式(3)を実行し、前記被験物質の外部量子効率(ηext-sam)を算出し、前記標準物質の値付けされた光学特性が反射率である場合には式(4)を、前記標準物質の値付けされた光学特性が吸収率である場合には式(5)を実行し、前記被験物質の反射率(Rsam)を算出し、前記被験物質の反射率を用いて式(6)を実行し、前記被験物質の吸収率(Asam)を算出し、被験物質の吸収率(Asam)を用いて式(7)を実行し、前記被験物質の内部量子効率(ηint-sam)を算出してもよい。
ηext-sam=ηext-ref×(Nsam-em/Nref-em)・・・(1)
ηext-sam=Aref×ηint-ref×(Nsam-em/Nref-em)・・・(2)
ηext-sam=(1-Rref)×ηint-ref×(Nsam-em/Nref-em)・・・(3)
sam=Rref×(Nsam-scatt/Nref-scatt)・・・(4)
sam=(1-Aref)×(Nsam-scatt/Nref-scatt)・・・(5)
sam=1-Rsam・・・(6)
ηint-sam=ηext-sam/Asam・・・(7)
前記光源は、水銀ランプ、重水素ランプ、キセノンランプおよびハロゲンランプからなる群から1つ選択されたランプと、前記選択されたランプからの光を分光する分光器とを備えてもよい。
前記分光手段は、前記励起光の反射波長および前記標準物質および前記被験物質が波長変換した波長を含む波長域の波長スペクトルを取得してもよい。
前記標準物質および前記被験物質は、粉末状の蛍光体であってもよい。
前記標準物質は、βサイアロン緑色蛍光体、αサイアロン橙色蛍光体およびCASN赤色蛍光体からなる群から選択されてもよい。
積分球をさらに用い、前記積分球内に前記標準物質および前記被験物質が配置されてもよい。
本発明の分光測定方法は、被験物質と標準物質とを同一の分光測定装置においてそれぞれ測定し、それぞれから得られた波長スペクトルを用いて、被験物質の計測値をデータ解析する。これにより、高価な装置を用いることなく、あるいは、エネルギー校正されていない装置を用いる精度よく量子効率等の光学特性を測定できる。詳細には、励起波長域で測定したフォトン数と発光波長域で測定したフォトン数とは独立に計算に寄与するため、二つの離れた波長域間でのエネルギー校正のずれの影響を受けることなく量子効率を得ることができる。また、本発明を採用すれば、励起光の測定が不要なため、白色標準試料に起因する不確かさを低減でき測定時間も短縮できる。
例示的な発光・散乱スペクトルを示す図である。 積分球法を実施する分光測定装置を示す模式図である。 本発明の分光測定方法を示すフローチャートである。 ステップS320のデータ解析の詳細なフローチャートである。 被験物質の外部量子効率を算出するフローチャートである。 被験物質の吸収率を算出するフローチャートである。 被験物質の内部量子効率を算出するフローチャートである。 本発明の分光測定装置を模式的に示す図である。 図8に示す分光測定装置に用いられるデータ解析装置の例示的な構成を示す模式図である。 エネルギー校正された配向蛍光分光測定装置を示す模式図である。 試料Aの散乱および発光スペクトルを示す図である。 試料Bの散乱および発光スペクトルを示す図である。 試料Cの散乱および発光スペクトルを示す図である。 実施例1による標準物質として試料Bおよび試料Cをそれぞれ用いて求めた試料Aの光学特性と比較例1による試料Aの光学特性との比較を示す図である。 実施例2による標準物質として試料Aおよび試料Cをそれぞれ用いて求めた試料Bの光学特性と比較例2による試料Bの光学特性との比較を示す図である。 実施例3による標準物質として試料Aおよび試料Bをそれぞれ用いて求めた試料Cの光学特性と比較例3による試料Cの光学特性との比較を示す図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。なお、同様の要素には同様の番号を付し、その説明を省略する。
(実施の形態1)
実施の形態1では、本発明の分光測定方法を説明する。
本願発明者らは、非特許文献2に示すような高価な装置を用いることなく、あるいは、エネルギー校正されていない装置を用いても、対象とする被験物質の量子効率等の光学特性を精度よく測定できる解析手法を見出した。図3~図7に示すフローチャートを参照しながら説明する。
図3は、本発明の分光測定方法を示すフローチャートである。
ステップS310:光学特性が値付けされている標準物質を光源からの励起光で励起させ、分光手段を用いて、励起光に起因する標準物質からの光の波長スペクトル(単にスペクトルと呼んでもよい)を取得する。
ステップS320:対象とする被験物質を、ステップS310で用いた光源からの励起光で励起させ、ステップS310で用いた分光手段を用いて、励起光に起因する被験物質からの被測定光の波長スペクトルを取得する。
ステップS330:ステップS310で得られた標準物質の波長スペクトルと、ステップS320で得られた被験物質の波長スペクトルを用いて、被験物質の計測値をデータ解析する。本願明細書において「被験物質の計測値のデータ解析」とは、上述の被験物質の波長スペクトルを用いて、被験物質の外部量子効率、内部量子効率、吸収率等の光学特性を算出することを意図する。
本願発明者らは、標準物質と被験物質とを同一の測定装置(同一の光源および同一の分光手段)で測定して得られた波長スペクトルを比較・計算することにより、装置固有の波長による測定感度のバラツキを低減できることを見出した。
詳細に説明する。
まず、標準物質とは、外部量子効率、内部量子効率、吸収率および反射率からなる群から少なくとも1つ選択される光学特性が値付けされていればよい。このような光学特性の値付けは、例えば、非特許文献2に示す装置によって行われる。
標準物質は、好ましくは、βサイアロン緑色蛍光体、αサイアロン橙色蛍光体およびCASN赤色蛍光体からなる群から選択される蛍光体である。βサイアロン蛍光体は、例えば、特開2005-255895号に記載される蛍光体、αサイアロン橙色蛍光体は、例えば、特開2005-8793号に記載される蛍光体、CASN赤色蛍光体は、例えば、特開2006-8721号に記載される蛍光体を参照されたい。これらの蛍光体を用いれば、上述の光学特性が値付けされており、より精度よく測定できる。
測定に用いる標準物質および被験物質は、好ましくは、粉末状の蛍光体であるが、粉末を固めたペレットやシートであってもよい。
ステップS310およびステップS320における、分光手段によって取得される波長スペクトルとは、励起光が試料(標準物質および被験物質)によって波長変換された光の波長、ならびに、励起光が試料で散乱・反射された光の反射波長を含む波長域の波長スペクトルである。ステップS330における比較・計算では、これらの波長スペクトルの散乱・反射された散乱光と、散乱光とは異なる波長域である波長変換された蛍光とのそれぞれに対して行うため、波長による測定感度のバラツキが低減され得る。
図4は、ステップS320のデータ解析の詳細なフローチャートである。
ステップS410:被験物質の求めるべき光学特性として、外部量子効率、吸収率および内部量子効率からなる群から少なくとも1つ選択し、かつ、標準物質の値付けされた光学特性のうち使用する光学特性を選択する。例えば、被験物質の求めるべき光学特性として外部量子効率を選択し、標準物質の値付けされた光学特性のうち外部量子効率、または、吸収率と内部量子効率との組み合わせを選択すればよい。被験物質の求めるべき光学特性として吸収率を選択し、標準物質の値付けされた光学特性のうち反射率または吸収率を選択すればよい。
ステップS420:標準物質の波長スペクトルおよび被験物質の波長スペクトルのそれぞれからフォトン数を算出する。詳細には、標準物質および被験物質の散乱フォトン数、および/または、標準物質および被験物質の発光フォトン数を算出する。フォトン数は以下のようにして算出できる。
i番目(スペクトルを1nm刻みで測定したときの、スペクトルの最初の波長番号を1、途中をi、最後をzとする)の波長λiにおける散乱フォトン数Niは、測定された散乱スペクトルの波長λiにおける散乱強度Wiを用いて、次式で表される。
Ni=Wi×λi/(h×c)
ここで、hはプランク定数であり、cは光速である。波長全体のフォトン数Nは、i全体(1番目からz番目)を合計すればよく、次式で表される。
N=ΣWi×λi/(h×c)
このようなフォトン数の算出を、標準物質および被験物質のそれぞれについて行えばよい。また、発光フォトンを算出する場合には、標準物質および被験物質のそれぞれの発光スペクトルの波長について行えばよい。
なお、散乱フォトン数/発光フォトン数の算出における波長範囲は、手動にてユーザ等が外部の入力装置(図示せず)を介して適宜選択してもよいし、スペクトルの強度等を利用して自動にて設定されるようにしてもよい。
ステップS430:ステップS410で選択された標準物質の値付けされた光学特性、および、ステップS420で算出された発光フォトン数および/または散乱フォトン数を用いて、ステップS410で選択された被験物質の光学特性を算出する。
ステップS410~S430を繰り返してもよい。例えば、1回目のステップS410~S430で被験物質の外部量子効率を求め、2回目のステップS410~S430で被験物質の吸収率を求めてもよい。
図4では、ステップS410を先に行い、次いで、ステップS420を行うよう説明したが、逆であってもよい。この場合、散乱フォトン数および発光フォトン数の両方を算出することが好ましい。
このように、ステップS420において励起波長域で測定した散乱フォトン数と発光波長域で測定した発光フォトン数とは、ステップS430において独立に計算に寄与するため、二つの離れた波長域間でのエネルギー校正のずれの影響を受けることがない。このため、本発明の方法を採用すれば、被験物質の光学特性(外部量子効率、内部量子効率、吸収率等)を精度よく求めることができる。
求めるべき被験物質の光学特性別にさらに詳細に説明する。
(被験物質の外部量子効率)
図5は、被験物質の外部量子効率を算出するフローチャートである。
ここでも、被験物質の外部量子効率の算出は、ステップS330の具体的なフローであり、ステップS320に続いて行われる。
ステップS510:図4のステップS410において、被験物質の求めるべき光学特性として外部量子効率(ηext-sam)を選択し、かつ、標準物質の値付けされた光学特性として外部量子効率(ηext-ref)、または、吸収率(Aref)または反射率(Rref)と内部量子効率(ηint-ref)との組み合わせを選択する。
ステップS520:次いで、図4のステップS420において、標準物質の波長スペクトルから標準物質の発光フォトン数(Nref-em)を算出し、被験物質の波長スペクトルから被験物質の発光フォトン数(Nsam-em)を算出する。発光フォトン数の算出は上述したとおりである。
ステップS530:次いで、図4のステップS430において、標準物質の値付けされた光学特性が外部量子効率である場合には式(1)を、標準物質の値付けされた光学特性が吸収率と内部量子効率との組み合わせの場合には式(2)を、標準物質の値付けされた光学特性が反射率と内部量子効率との組み合わせの場合には式(3)を実行する。これにより、被験物質の外部量子効率(ηext-sam)が算出される。
ηext-sam=ηext-ref×(Nsam-em/Nref-em)・・・(1)
ηext-sam=Aref×ηint-ref×(Nsam-em/Nref-em)・・・(2)
ηext-sam=(1-Rref)×ηint-ref×(Nsam-em/Nref-em)・・・(3)
(被験物質の吸収率)
図6は、被験物質の吸収率を算出するフローチャートである。
ここでも、被験物質の吸収率の算出は、ステップS330の具体的なフローであり、ステップS320に続いて行われる。
ステップS610:図4のステップS410において、被験物質の求めるべき光学特性として吸収率(Asam)を選択し、かつ、標準物質の値付けされた光学特性として反射率(Rsam)または吸収率(Aref)を選択する。
ステップS620:図4のステップS420において、標準物質の波長スペクトルから標準物質の散乱フォトン数(Nref-scatt)を算出し、被験物質の波長スペクトルから被験物質の散乱フォトン数(Nsam-scatt)を算出する。散乱フォトン数の算出は上述したとおりである。
ステップS630:図4のステップS430において、標準物質の値付けされた光学特性が反射率である場合には式(4)を、標準物質の値付けされた光学特性が吸収率である場合には式(5)を実行し、被験物質の反射率(Rsam)を算出する。次いで、その反射率を用いて式(6)を実行する。これにより、被験物質の吸収率(Asam)が算出される。
sam=Rref×(Nsam-scatt/Nref-scatt)・・・(4)
sam=(1-Aref)×(Nsam-scatt/Nref-scatt)・・・(5)
sam=1-Rsam・・・(6)
(被験物質の内部量子効率)
図7は、被験物質の内部量子効率を算出するフローチャートである。
ここでも、被験物質の内部量子効率の算出は、ステップS330の具体的なフローであり、ステップS320に続いて行われる。
ステップ710:図4のステップS410において、被験物質の求めるべき光学特性として内部量子効率(ηint-sam)を選択し、かつ、標準物質の値付けされた光学特性として外部量子効率(ηext-ref)と吸収率(Aref)または反射率(Rref)との組み合わせ、または、吸収率(Aref)または反射率(Rref)と内部量子効率(ηint-ref)との組み合わせを選択する。
ステップS720:図4のステップS420において、標準物質の波長スペクトルから標準物質の発光フォトン数(Nref-em)および散乱フォトン数(Nref-scatt)を算出し、被験物質の波長スペクトルから被験物質の発光フォトン数(Nsam-em)および散乱フォトン数(Nsam-scatt)を算出する。
ステップS730:被験物質の外部量子効率および吸収率を算出し、これらの算出結果から被験物質の内部量子効率を算出する。
詳細には、図4のステップS430において、標準物質の値付けされた光学特性が外部量子効率である場合には式(1)を、標準物質の値付けされた光学特性が吸収率と内部量子効率との組み合わせの場合には式(2)を、標準物質の値付けされた光学特性が反射率と内部量子効率との組み合わせの場合には式(3)を実行する。これにより、被験物質の外部量子効率(ηext-sam)が算出される。
ηext-sam=ηext-ref×(Nsam-em/Nref-em)・・・(1)
ηext-sam=Aref×ηint-ref×(Nsam-em/Nref-em)・・・(2)
ηext-sam=(1-Rref)×ηint-ref×(Nsam-em/Nref-em)・・・(3)
標準物質の値付けされた光学特性が反射率である場合には式(4)を、標準物質の値付けされた光学特性が吸収率である場合には式(5)を実行し、被験物質の反射率(Rsam)を算出する。次いで、その反射率を用いて式(6)を実行する。これにより、被験物質の吸収率(Asam)が算出される。
sam=Rref×(Nsam-scatt/Nref-scatt)・・・(4)
sam=(1-Aref)×(Nsam-scatt/Nref-scatt)・・・(5)
sam=1-Rsam・・・(6)
最後に、被験物質の吸収率(Asam)を用いて式(7)を実行する。このようにして、被験物質の内部量子効率(ηint-sam)が算出される。
ηint-sam=ηext-sam/Asam・・・(7)
なお、ステップS730において、先に、被験物質の吸収率(Asam)を算出し、次いで、被験物質の外部量子効率(ηext-sam)を算出してもよい。
また、図7に示す被験物質の内部量子効率の算出は、被験物質の外部量子効率および吸収率が算出されていれば、式(7)により求めることができるため、図5に示す被験物質の外部量子効率の算出、および、図6に示す被験物質の吸収率の算出をそれぞれ行い、それらの結果を式(7)に適用してもよい。
(実施の形態2)
実施の形態2では、実施の形態1で説明した分光測定方法を実施する分光測定装置を説明する。
図8は、本発明の分光測定装置を模式的に示す図である。
分光測定装置800は、試料810に励起光820を照射する光源830と、照射された励起光820によって試料810が発する光840、850の波長スペクトルを取得する分光装置860と、分光装置860によって取得された波長スペクトルに対してデータ解析を行うデータ解析装置870とを備える。分光測定装置800は、蛍光体などの試料810に対して励起光820を照射し、フォトルミネッセンス法によって試料810の光学特性を測定、評価できる。
光源830は、試料810に照射し、試料810を励起可能なものであれば、特に制限はないが、好ましくは、光源830は、水銀ランプ、重水素ランプ、キセノンランプおよびハロゲンランプからなる群から1つ選択されたランプと、ランプからの光を分光する分光器を備えてもよい。これにより、励起光820は、単一波長を有することができる。
分光装置860は、励起光820の照射によって試料810が発する光840、850の波長スペクトルを取得する分光手段である。分光装置860は、詳細には、励起光820が試料810によって波長変換された光840の波長、ならびに、励起光820が試料810で散乱・反射された光850の反射波長を含む波長域の波長スペクトルを取得する。
光分光装置860は、例えば、試料810が発する光840、850を波長成分に分光し、波長成分を検出するマルチチャンネル分光器(図示せず)と、マルチチャンネル分光器で分光された波長スペクトルのデータを生成する分光データ生成部(図示せず)とを備えてもよい。
生成された波長スペクトルのデータは、データ解析装置870へ出力されるように構成される。
データ解析装置870は、分光装置860によって取得された波長スペクトルに対してデータ解析を行うデータ解析手段である。データ解析装置870は、試料810として光学特性が値付けされている標準物質を光源830からの励起光で励起させた際に、分光装置860で取得した励起光820に起因する標準物質からの光の波長スペクトルと、試料810として被験物質を光源830からの励起光820で励起させた際に、分光装置860で取得した励起光820に起因する被験物質からの被測定光の波長スペクトルとを用いて、被験物質の計測値をデータ解析する。本願発明者らは、このような構成により、高価な装置を用いることなく、あるいは、エネルギー校正されていない装置を用いる精度よく量子効率等の光学特性を測定できる。データ解析装置870における具体的なデータ解析については後述する。
図8では、試料810が積分球880内に配置された分光測定装置800の様態を示すが、これに限らない。積分球880を用いれば、より高精度に光学特性を測定できるが、積分球を用いることなく、試料810が単にセルに配置されていてもよい。本発明では、エネルギー校正されていない装置であっても、精度よく光学特性を測定できるため、励起光820を照射する光源830と、分光装置860と、後述する本発明のデータ解析を実施するデータ解析装置870を備えていればよい。
試料810は、好ましくは、粉末状の蛍光体であるが、粉末を固めたペレットやシートであってもよい。また、試料810としての標準物質とは、外部量子効率、内部量子効率、吸収率および反射率からなる群から少なくとも1つ選択される光学特性が値付けされていればよい。具体的な標準物質は、上述したように、βサイアロン緑色蛍光体、αサイアロン橙色蛍光体およびCASN赤色蛍光体からなる群から選択される蛍光体である。これらの蛍光体を用いれば、上述の光学特性が値付けされており、より精度よく測定できる。
図9は、図8に示す分光測定装置に用いられるデータ解析装置の例示的な構成を示す模式図である。
データ解析装置870は、選択部910と、フォトン数算出部920と、光学特性算出部930とを必須とするが、図9では、さらに、データ入力部940と、データ出力部950とを備える構成を示す。
選択部910は、被験物質の求めるべき光学特性を、外部量子効率、吸収率および内部量子効率からなる群から少なくとも1つ選択し、かつ、標準物質の値付けされた光学特性のうち使用する光学特性を選択する選択手段である。被験物質の求めるべき光学特性は、ユーザ等によって外部の入力装置(図示せず)を介して選択されてもよいし、所定の設定によって、例えば、外部量子効率、吸収率、内部量子効率の順に選択されてもよい。
後述するように、被験物質の求めるべき光学特性が手動または設定等によって選択されると、それに対応する値付けされた光学特性が特定されるので、このような光学特性の選択は、所定の設定アルゴリズムによって自動で行ってもよいし、外部の入力装置(図示せず)によって手動で実行してもよい。また、標準物質の値付けされた光学特性を予めメモリ等に格納しておき、選択部910の設定に応じて読みだされるようにしてもよいし、外部の入力装置によって手動で入力してもよい。
フォトン算出部920は、分光装置860で取得した、標準物質の波長スペクトルおよび被験物質の波長スペクトルのそれぞれからフォトン数を算出するフォトン数算出手段である。詳細には、フォトン数は、標準物質および被験物質それぞれの散乱フォトン数、および/または、標準物質および被験物質それぞれの発光フォトン数を算出する。
フォトン算出部920は、分光装置800で取得した波長スペクトルのデータを入力するデータ入力部940から波長スペクトルのデータを受け取り、フォトン数を算出する。
フォトン算出部920において、例えば、標準物質の散乱フォトン数を算出する場合、以下を実行する。
i番目(スペクトルを1nm刻みで測定したときの、スペクトルの最初の波長番号を1、途中をi、最後をzとする)の波長λiにおける散乱フォトン数Niは、測定された散乱スペクトルの波長λiにおける散乱強度Wiを用いて、次式で表される。
Ni=Wi×λi/(h×c)
ここで、hはプランク定数であり、cは光速である。波長全体のフォトン数Nは、i全体(1番目からz番目)を合計すればよく、次式で表される。
N=ΣWi×λi/(h×c)
このようなフォトン数の算出を、標準物質および被験物質のそれぞれについて行えばよい。また、発光フォトンを算出する場合には、標準物質および被験物質のそれぞれの発光スペクトルの波長について行えばよい。
なお、散乱フォトン数/発光フォトン数の算出における波長範囲は、手動にてユーザ等が外部の入力装置(図示せず)を介して適宜選択してもよいし、フォトン数算出手段が算出すべきフォトン数の種類に応じて自動にて設定されるようにしてもよい。
光学特性算出部930は、選択された標準物質の値付けされた光学特性、および、算出された発光フォトン数および/または散乱フォトン数を用いて、被験物質の選択された光学特性を算出する光学特性算出手段である。
このようにして算出された被験物質の光学特性を示すデータは、データ出力部950を介して、外部の表示装置960に表示したり、印刷装置などで出力したりしてもよい。
データ解析装置870の選択部910、フォトン数算出部920および光学特性算出部930は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等により実現される。
求めるべき被験物質の光学特性別にさらに詳細に説明する。
(被験物質の外部量子効率)
選択部910が、被験物質の求めるべき光学特性として外部量子効率(ηext-sam)を選択し、かつ、標準物質の値付けされた光学特性として外部量子効率(ηext-ref)、または、吸収率(Aref)または反射率(Rref)と内部量子効率(ηint-ref)との組み合わせを選択する。
次いで、フォトン数算出手段920は、分光手段860で取得した標準物質の波長スペクトルから標準物質の発光フォトン数(Nref-em)を算出し、被験物質の波長スペクトルから被験物質の発光フォトン数(Nsam-em)を算出する。発光フォトン数の算出は上述したとおりである。
次いで、光学特性算出手段930は、標準物質の値付けされた光学特性が外部量子効率である場合には式(1)を、標準物質の値付けされた光学特性が吸収率と内部量子効率との組み合わせの場合には式(2)を、標準物質の値付けされた光学特性が反射率と内部量子効率との組み合わせの場合には式(3)を実行する。これにより、被験物質の外部量子効率(ηext-sam)が算出される。
ηext-sam=ηext-ref×(Nsam-em/Nref-em)・・・(1)
ηext-sam=Aref×ηint-ref×(Nsam-em/Nref-em)・・・(2)
ηext-sam=(1-Rref)×ηint-ref×(Nsam-em/Nref-em)・・・(3)
(被験物質の吸収率)
選択部910は、被験物質の求めるべき光学特性として吸収率(Asam)を選択し、かつ、標準物質の値付けされた光学特性として反射率(Rsam)または吸収率(Aref)を選択する。
次いで、フォトン数算出部920は、標準物質の波長スペクトルから標準物質の散乱フォトン数(Nref-scatt)を算出し、被験物質の波長スペクトルから被験物質の散乱フォトン数(Nsam-scatt)を算出する。散乱フォトン数の算出は上述したとおりである。
次いで、光学特性算出部930は、標準物質の値付けされた光学特性が反射率である場合には式(4)を、標準物質の値付けされた光学特性が吸収率である場合には式(5)を実行し、被験物質の反射率(Rsam)を算出する。次いで、その反射率を用いて式(6)を実行する。これにより、被験物質の吸収率(Asam)が算出される。
sam=Rref×(Nsam-scatt/Nref-scatt)・・・(4)
sam=(1-Aref)×(Nsam-scatt/Nref-scatt)・・・(5)
sam=1-Rsam・・・(6)
(被験物質の内部量子効率)
選択部910は、被験物質の求めるべき光学特性として内部量子効率(ηint-sam)を選択し、かつ、標準物質の値付けされた光学特性として外部量子効率(ηext-ref)と吸収率(Aref)または反射率(Rref)との組み合わせ、または、吸収率(Aref)または反射率(Rref)と内部量子効率(ηint-ref)との組み合わせを選択する。
次いで、フォトン数算出部920は、標準物質の波長スペクトルから標準物質の発光フォトン数(Nref-em)および散乱フォトン数(Nref-scatt)を算出し、被験物質の波長スペクトルから被験物質の発光フォトン数(Nsam-em)および散乱フォトン数(Nsam-scatt)を算出する。
次いで、光学特性算出部930は、被験物質の外部量子効率および吸収率を算出し、これらの算出結果から被験物質の内部量子効率を算出する。
詳細には、標準物質の値付けされた光学特性が外部量子効率である場合には式(1)を、標準物質の値付けされた光学特性が吸収率と内部量子効率との組み合わせの場合には式(2)を、標準物質の値付けされた光学特性が反射率と内部量子効率との組み合わせの場合には式(3)を実行する。これにより、被験物質の外部量子効率(ηext-sam)が算出される。
ηext-sam=ηext-ref×(Nsam-em/Nref-em)・・・(1)
ηext-sam=Aref×ηint-ref×(Nsam-em/Nref-em)・・・(2)
ηext-sam=(1-Rref)×ηint-ref×(Nsam-em/Nref-em)・・・(3)
標準物質の値付けされた光学特性が反射率である場合には式(4)を、標準物質の値付けされた光学特性が吸収率である場合には式(5)を実行し、被験物質の反射率(Rsam)を算出する。次いで、その反射率を用いて式(6)を実行する。これにより、被験物質の吸収率(Asam)が算出される。
sam=Rref×(Nsam-scatt/Nref-scatt)・・・(4)
sam=(1-Aref)×(Nsam-scatt/Nref-scatt)・・・(5)
sam=1-Rsam・・・(6)
最後に、被験物質の吸収率(Asam)を用いて式(7)を実行する。このようにして、被験物質の内部量子効率(ηint-sam)が算出される。
ηint-sam=ηext-sam/Asam・・・(7)
ここで、光学特性算出部930は、被験物質の吸収率(Asam)を先に算出し、次いで、被験物質の外部量子効率(ηext-sam)を算出してもよく、順番は問わない。
被験物質の内部量子効率の算出は、被験物質の外部量子効率および吸収率が算出されていれば、式(7)により求めることができるため、データ解析装置870は、選択部910が被験物質の求めるべき光学特性として内部量子効率を選択した場合に、すでに当該被験物質の外部量子効率および/または吸収率を算出しているかどうかを判定する判定部(図示せず)をデータ解析装置870がさらに備えていてもよい。
判定部が、外部量子効率および吸収率を算出済みであると判定した場合には、光学特性算出部930は、メモリ等(図示せず)に保存された被験物質の外部量子効率および吸収率を用いて、式(7)を実行する。
判定部が、外部量子効率を算出済みであると判定した場合には、データ解析装置870の光学特性算出部930が上述した被験物質の吸収率の算出を行い、算出した吸収率およびメモリ等(図示せず)に保存された被験物質の外部量子効率を用いて、式(7)を実行する。
同様に、判定部が、吸収率を算出済みであると判定した場合には、データ解析装置87の光学特性算出部9300が上述した被験物質の外部量子効率の算出を行い、算出した外部量子効率およびメモリ等(図示せず)に保存された被験物質の吸収率を用いて、式(7)を実行する。
図8および図9に示したデータ解析装置870において実行される分光測定方法に対応する処理は、分光手段である分光装置860によって取得された波長スペクトルに対するデータ解析をコンピュータに実行させる分光測定プログラムによって実現できる。すなわち、データ解析装置870に係る選択部910、フォトン数算出部920および光学特性算出部930の各機能を実現する分光測定プログラムを作製し、パーソナルコンピュータ等に実装してもよい。また、分光測定プログラムが格納された、コンピュータで読み取り可能な記録媒体も提供できる。記録媒体には、ハードディスクおよびフレキシブルディスクなどの磁気媒体、CD-ROM及びDVD-ROMなどの光学媒体、フロプティカルディスクなどの磁気光学媒体、あるいは、プログラム命令を実行または格納するように特別に配置された、例えばRAM、ROM、半導体不揮発性メモリなどのハードウェアデバイスなどが含まれる。また、本発明の分光測定プログラムは、記録媒体を用いず、ネットワークを介して配信されてもよい。
次に具体的な実施例を用いて本発明を詳述するが、本発明がこれら実施例に限定されないことに留意されたい。
[値付け]
まず、標準蛍光体(標準物質)の値付けを行った。図10に示す光学系を用いて3つの粉体状蛍光体試料の発光スペクトルを測定する。
図10は、エネルギー校正された配向蛍光分光測定装置を示す模式図である。
標準蛍光体として、特開2005-255895号を参照して製造したβサイアロン緑色蛍光体(試料Aと呼ぶ)、特開2005-8793号を参照して製造したαサイアロン橙色蛍光体(試料Bと呼ぶ)および特開2006-8721号を参照して製造したCaAlSiN(CASN)赤色蛍光体(試料Cと呼ぶ)を用いた。
試料A=βサイアロン緑色蛍光体
試料B=αサイアロン橙色蛍光体
試料C=CASN赤色蛍光体
非特許文献2に示すように、405nmに分光したXeランプで標準蛍光体に照射し、マルチチャンネル分光器を0°~180°まで移動させながら、蛍光および散乱光のスペクトルを測定し、発光強度を空間的に積分し、絶対値を値付けした。値付けされた絶対値を表1に示す。
Figure 2023021247000003
[実施例1]
実施例1では、被験物質として試料Aを用い、標準物質として試料Bおよび試料Cを用い、本発明の方法を用いて、被験物質(ここでは、試料A)の外部量子効率、吸収率および内部量子効率を算出した。
図8に示す光源と分光装置とデータ解析装置とを備えた分光測定装置を用いた。各試料は、エネルギー校正されていない積分球内に配置された。光源からの光は波長405nmに分光され、これを励起光とした。分光測定装置はマルチチャンネル分光器を備えた。なお、励起光は、試料に垂直入射するため、試料上面に設置したガラスカバーのフレネル反射成分が励起光ポートより漏洩するため影響は少ない。データ解析装置には、図3~図7を参照して説明した処理ステップを実施可能な分光測定プログラムが実装されている。
図8に示す分光測定装置を用いて、試料A~試料Cの波長スペクトル(散乱および発光スペクトル)を取得した(図3のステップS310およびS320)。結果を図11~図13に示す。次いで、試料Aの波長スペクトルと、試料Bまたは試料Cの波長スペクトルとを用いて、試料Aの計測値をデータ解析した(図3のステップS330)。
図11は、試料Aの散乱および発光スペクトルを示す図である。
図12は、試料Bの散乱および発光スペクトルを示す図である。
図13は、試料Cの散乱および発光スペクトルを示す図である。
図11~図13において実線が散乱および発光スペクトルを示し、点線は、励起波長に対して反射率が値付けされた標準白板(ラブスフェア社製、スペクトラロングレード)を用いた励起光の散乱スペクトルである。
実施例1では、データ解析(図3のステップS330)において、予め、試料A~試料Cの波長スペクトルの散乱フォトン数および発光フォトン数を算出し(図4のステップS420)、次いで、試料Aの求めるべき光学特性として、外部量子効率、吸収率および内部量子効率を順次選択した(図4のステップS410)。
散乱フォトン数(N)および発光フォトン数(N)は、散乱および発光スペクトルの光強度(W)から次式を用いて算出された。
W=N・h・c/λ
hはプランク定数であり、cは光速であり、λは波長である。散乱フォトン数の算出では、λを385nm~425nmに設定し、発光スペクトルの算出では、λを480nm~800nmに設定した。このようにして得られた試料A~試料Cの散乱フォトン数および発光フォトン数を表2に示す。
Figure 2023021247000004
(外部量子効率の算出)
被験物質である試料Aの求めるべき光学特性として外部量子効率(ηext-sam)を選択し、標準物質である試料Bおよび試料Cの値付けされた光学特性として外部量子効率(ηext-ref)を選択した(図5のステップS510)。先に算出した試料A~試料Cの発光フォトン数(Nsam-em/Nref-em)(図5のステップS520)および表1で示す試料Bおよび試料Cの外部量子効率をそれぞれ式(1)に適用し、試料Aの外部量子効率を算出した(図5のステップS530)。
ηext-sam=ηext-ref×(Nsam-em/Nref-em)・・・(1)
(吸収率の算出)
被験物質である試料Aの求めるべき光学特性として吸収率(Asam)を選択し、標準物質である試料Bおよび試料Cの値付けされた光学特性として反射率(Rref)を選択した(図6のステップS610)。先に算出した試料A~試料Cの散乱フォトン数(Nsam-scatt/Nref-scatt)(図6のステップS620)および表1で示す試料Bおよび試料Cの吸収率をそれぞれ式(5)に適用し、試料Aの反射率(Rref)を算出した。次いで、試料Aの反射率を式(6)に適用し、試料Aの吸収率を算出した(図6のステップS630)。
sam=(1-Aref)×(Nsam-scatt/Nref-scatt)・・・(5)
sam=1-Rsam・・・(6)
(内部量子効率の算出)
被験物質である試料Aの求めるべき光学特性として内部量子効率(ηint-sam)を選択し、標準物質である試料Bおよび試料Cの値付けされた光学特性として外部量子効率(ηext-ref)と吸収率(Aref)との組み合わせを選択した(図7のステップS710)。先に算出した試料A~試料Cの散乱フォトン数(Nsam-scatt/Nref-scatt)および発光フォトン数(Nsam-em/Nref-em)(図7のステップS720)と表1で示す試料Bおよび試料Cの外部量子効率および吸収率とを用いて、式(1)、式(5)および式(6)から試料Aの外部量子効率(ηext-sam)および吸収率(Asam)を算出した。次いで、試料Aの外部量子効率および吸収率を式(7)に適用し、試料Aの内部量子効率を算出した(図7のステップS730)。
ηext-sam=ηext-ref×(Nsam-em/Nref-em)・・・(1)
sam=(1-Aref)×(Nsam-scatt/Nref-scatt)・・・(5)
sam=1-Rsam・・・(6)
ηint-sam=ηext-sam/Asam・・・(7)
このようにして得られた、試料Bおよび試料Cをそれぞれ標準物質として求めた試料Aの外部量子効率、吸収率および内部量子効率の値を表3および図14に示す。
[比較例1]
比較例1では、被験物質として試料Aを用い、従来の方法(式(1a)~(1c))を用いて、試料Aの外部量子効率、吸収率および内部量子効率を算出した。図8に示す分光測定装置を用い、測定条件は実施例1と同様であった。ただし、データ解析装置870を使用せず、従来の方法を用いた。ここでも、励起光の散乱強度は標準白色試料の拡散反射率で除された値を使用した。
式(1a)~(1c)で用いる、試料Aの散乱フォトン数および試料Aの発光フォトン数は、表2と同じであり、励起光のフォトン数は、3.35×10(1/hc)であった。得られた試料Aの外部量子効率、吸収率および内部量子効率の値を表3および図14に示す。
[実施例2]
実施例2では、被験物質として試料Bを用い、標準物質として試料Aおよび試料Cを用い、本発明の方法を用いて、被験物質(ここでは、試料B)の外部量子効率、吸収率および内部量子効率を算出した。被験物質が試料Bとなり、標準物質が試料Aおよび試料Cとなった以外は、実施例1と同様の手順で試料Bの外部量子効率、吸収率および内部量子効率を算出した。算出した結果を表4および図15に示す。
[比較例2]
比較例2では、被験物質として試料Bを用い、従来の方法(式(1a)~(1c))を用いて、比較例1と同様にして、試料Bの外部量子効率、吸収率および内部量子効率を算出した。得られた試料Bの外部量子効率、吸収率および内部量子効率の値を表4および図15に示す。
[実施例3]
実施例3では、被験物質として試料Cを用い、標準物質として試料Aおよび試料Bを用い、本発明の方法を用いて、被験物質(ここでは、試料C)の外部量子効率、吸収率および内部量子効率を算出した。被験物質が試料Cとなり、標準物質が試料Aおよび試料Bとなった以外は、実施例1と同様の手順で試料Bの外部量子効率、吸収率および内部量子効率を算出した。算出した結果を表5および図16に示す。
[比較例3]
比較例3では、被験物質として試料Cを用い、従来の方法(式(1a)~(1c))を用いて、比較例1と同様にして、試料Cの外部量子効率、吸収率および内部量子効率を算出した。得られた試料Cの外部量子効率、吸収率および内部量子効率の値を表5および図16に示す。
実施例1~3および比較例1~3の結果をまとめて説明する。
表3~表5には、実施例および比較例による結果に加えて、表1に示した試料A~試料Cの値付けされた絶対値(絶対測定値)も併せて示す。
Figure 2023021247000005
Figure 2023021247000006
Figure 2023021247000007
図14は、実施例1による標準物質として試料Bおよび試料Cをそれぞれ用いて求めた試料Aの光学特性と比較例1による試料Aの光学特性との比較を示す図である。
図15は、実施例2による標準物質として試料Aおよび試料Cをそれぞれ用いて求めた試料Bの光学特性と比較例2による試料Bの光学特性との比較を示す図である。
図16は、実施例3による標準物質として試料Aおよび試料Bをそれぞれ用いて求めた試料Cの光学特性と比較例3による試料Cの光学特性との比較を示す図である。
図14~図16は、表3~表5を棒グラフにして示したものである。表3~表5および図14~図16から、従来の方法である式(1a)~(1c)を用いて求めた外部量子効率および内部量子効率は、どの試料に対しても、100%を超えていた。これは、用いた分光測定装置のエネルギー校正が不十分であり、励起光を含む波長帯に比べ、蛍光の波長帯のエネルギー感度が高いことが起因しているためである。
これに対して、本発明の分光測定装置を用いて本発明の分光測定方法を実施した実施例1~実施例3は、いずれも、各蛍光体の標準値(すなわち、値付けされた絶対測定値)に近い値が得られた。本発明を採用すれば、エネルギー校正が十分でない測定系を用いても確からしい外部量子効率、内部量子効率および吸収率が得られることが示された。
これは、励起波長域で測定した散乱フォトン数と、発光波長域で測定した発光フォトン数とは独立に計算に寄与するためである。すなわち、式(1b)には、散乱フォトン数と発光フォトン数とが同時に含まれているのに対し、本発明では、式(1)~式(3)に発光フォトン数、式(4)~式(6)に散乱フォトン数と分離されているため、二つの離れた波長域間でのエネルギー校正のずれの影響を低減できる。
本発明の分光測定装置および分光測定方法においては、散乱フォトン数と発光フォトン数とを分離して量子効率等を算出するが、光学特性が値付けされた標準物質を用いることが有効である。測定データを詳細に比較すると被験物質と標準物質との発光波長域が近いほどより絶対測定値との偏差が小さいことが分る。これは発光波長帯の中でのエネルギー校正誤差による影響が大きい。このため被験物質に近い発光波長帯を有する試料を標準物質とすることが望ましい。
本実施例では積分球を用いたスペクトルを用いたが、上述したように本発明はこれに限定されるものではなく、一般的に用いられている分光光度計等を用いたスペクトルからも同様の方法で量子効率を導出することができるのはいうまでもない。
また、本実施例では、内部量子効率を図7のステップにしたがって算出したが、すでに図5のステップにしたがって算出した外部量子効率および図6のステップにしたがって算出した吸収率を用いて、式(7)を実行してもよい。
本発明は、蛍光体等の発光材料の評価に好適に用いられることが可能な分光測定装置、分光方法および分光測定プログラムとして利用可能である。
800 分光測定装置
810 試料
820 励起光
830 光源
840、850 光
860 分光装置
870 データ解析装置
910 選択部
920 フォトン数算出部
930 光学特性算出部
940 データ入力部
950 データ出力部
960 表示装置

Claims (9)

  1. 光学特性が値付けされている標準物質を光源からの励起光で励起させ、分光手段を用いて、前記励起光に起因する前記標準物質からの光の波長スペクトルを取得するステップと、
    対象とする被験物質を、前記光源からの前記励起光で励起させ、前記分光手段を用いて、前記励起光に起因する前記被験物質からの被測定光の波長スペクトルを取得するステップと、
    前記標準物質の前記波長スペクトルと、前記被験物質の前記波長スペクトルとを用いて、前記被験物質の計測値をデータ解析するステップと
    を包含し、
    前記データ解析するステップは、
    前記被験物質の求めるべき光学特性として、外部量子効率、吸収率および内部量子効率からなる群から少なくとも1つ選択し、かつ、前記標準物質の値付けされた前記光学特性のうち使用する光学特性を選択するステップと、
    前記標準物質の前記波長スペクトルおよび前記被験物質の前記波長スペクトルのそれぞれからフォトン数を算出するステップであって、前記標準物質および前記被験物質の散乱フォトン数、および/または、前記標準物質および前記被験物質の発光フォトン数を算出する、ステップと、
    前記選択された前記標準物質の値付けされた光学特性、および、前記算出された発光フォトン数および/または散乱フォトン数を用いて、前記被験物質の前記選択された光学特性を算出するステップと
    をさらに包含する、分光測定方法。
  2. 前記選択するステップは、
    前記被験物質の求めるべき光学特性として外部量子効率(ηext-sam)を選択し、かつ、前記標準物質の値付けされた光学特性として外部量子効率(ηext-ref)、または、吸収率(Aref)または反射率(Rref)と内部量子効率(ηint-ref)との組み合わせを選択し、
    前記フォトン数を算出するステップは、
    前記標準物質の前記波長スペクトルから前記標準物質の発光フォトン数(Nref-em)を算出し、
    前記被験物質の前記波長スペクトルから前記被験物質の発光フォトン数(Nsam-em)を算出し、
    前記光学特性を算出するステップは、
    前記標準物質の値付けされた光学特性が外部量子効率である場合には式(1)を、前記標準物質の値付けされた光学特性が吸収率と内部量子効率との組み合わせの場合には式(2)を、前記標準物質の値付けされた光学特性が反射率と内部量子効率との組み合わせの場合には式(3)を実行し、前記被験物質の外部量子効率(ηext-sam)を算出する、請求項1に記載の分光測定方法。
    ηext-sam=ηext-ref×(Nsam-em/Nref-em)・・・(1)
    ηext-sam=Aref×ηint-ref×(Nsam-em/Nref-em)・・・(2)
    ηext-sam=(1-Rref)×ηint-ref×(Nsam-em/Nref-em)・・・(3)
  3. 前記選択するステップは、
    前記被験物質の求めるべき光学特性として吸収率(Asam)を選択し、かつ、前記標準物質の値付けされた光学特性として反射率(Rsam)または吸収率(Aref)を選択し、
    前記フォトン数を算出するステップは、
    前記標準物質の前記波長スペクトルから前記標準物質の散乱フォトン数(Nref-scatt)を算出し、
    前記被験物質の前記波長スペクトルから前記被験物質の散乱フォトン数(Nsam-scatt)を算出し、
    前記光学特性を算出するステップは、
    前記標準物質の値付けされた光学特性が反射率である場合には式(4)を、前記標準物質の値付けされた光学特性が吸収率である場合には式(5)を実行し、前記被験物質の反射率(Rsam)を算出し、
    前記被験物質の反射率を用いて式(6)を実行し、前記被験物質の吸収率(Asam)を算出する、請求項1に記載の分光測定方法。
    sam=Rref×(Nsam-scatt/Nref-scatt)・・・(4)
    sam=(1-Aref)×(Nsam-scatt/Nref-scatt)・・・(5)
    sam=1-Rsam・・・(6)
  4. 前記選択するステップは、
    前記被験物質の求めるべき光学特性として内部量子効率(ηint-sam)を選択し、かつ、標準物質の値付けされた光学特性として外部量子効率(ηext-ref)と吸収率(Aref)または反射率(Rref)との組み合わせ、または、吸収率(Aref)または反射率(Rref)と内部量子効率(ηint-ref)との組み合わせを選択し、
    前記フォトン数を算出するステップは、
    前記標準物質の前記波長スペクトルから前記標準物質の発光フォトン数(Nref-em)および散乱フォトン数(Nref-scatt)を算出し、
    前記被験物質の前記波長スペクトルから前記被験物質の発光フォトン数(Nsam-em)および散乱フォトン数(Nsam-scatt)を算出し、
    前記光学特性を算出するステップは、
    前記標準物質の値付けされた光学特性が外部量子効率である場合には式(1)を、前記標準物質の値付けされた光学特性が吸収率と内部量子効率との組み合わせの場合には式(2)を、前記標準物質の値付けされた光学特性が反射率と内部量子効率との組み合わせの場合には式(3)を実行し、前記被験物質の外部量子効率(ηext-sam)を算出し、
    前記標準物質の値付けされた光学特性が反射率である場合には式(4)を、前記標準物質の値付けされた光学特性が吸収率である場合には式(5)を実行し、前記被験物質の反射率(Rsam)を算出し、
    前記被験物質の反射率を用いて式(6)を実行し、前記被験物質の吸収率(Asam)を算出し、
    被験物質の吸収率(Asam)を用いて式(7)を実行し、前記被験物質の内部量子効率(ηint-sam)を算出する、請求項1に記載の分光測定方法。
    ηext-sam=ηext-ref×(Nsam-em/Nref-em)・・・(1)
    ηext-sam=Aref×ηint-ref×(Nsam-em/Nref-em)・・・(2)
    ηext-sam=(1-Rref)×ηint-ref×(Nsam-em/Nref-em)・・・(3)
    sam=Rref×(Nsam-scatt/Nref-scatt)・・・(4)
    sam=(1-Aref)×(Nsam-scatt/Nref-scatt)・・・(5)
    sam=1-Rsam・・・(6)
    ηint-sam=ηext-sam/Asam・・・(7)
  5. 前記光源は、水銀ランプ、重水素ランプ、キセノンランプおよびハロゲンランプからなる群から1つ選択されたランプと、前記選択されたランプからの光を分光する分光器とを備える、請求項1~4のいずれかに記載の分光測定方法。
  6. 前記分光手段は、前記励起光の反射波長および前記標準物質および前記被験物質が波長変換した波長を含む波長域の波長スペクトルを取得する、請求項1~5のいずれかに記載の分光測定方法。
  7. 前記標準物質および前記被験物質は、粉末状の蛍光体である、請求項1~6のいずれかに記載の分光測定方法。
  8. 前記標準物質は、βサイアロン緑色蛍光体、αサイアロン橙色蛍光体およびCASN赤色蛍光体からなる群から選択される、請求項1~7のいずれかに記載の分光測定方法。
  9. 積分球をさらに用い、前記積分球内に前記標準物質および前記被験物質が配置される、請求項1~8のいずれかに記載の分光測定方法。
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