JP2023021202A - ワイヤーロープ捲着用パイルの使用方法、およびそれに採用するワイヤーロープ捲着用パイル - Google Patents

ワイヤーロープ捲着用パイルの使用方法、およびそれに採用するワイヤーロープ捲着用パイル Download PDF

Info

Publication number
JP2023021202A
JP2023021202A JP2021126350A JP2021126350A JP2023021202A JP 2023021202 A JP2023021202 A JP 2023021202A JP 2021126350 A JP2021126350 A JP 2021126350A JP 2021126350 A JP2021126350 A JP 2021126350A JP 2023021202 A JP2023021202 A JP 2023021202A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pile
wire rope
pull
wing arm
out resistance
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2021126350A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7166025B1 (ja
Inventor
澤 久 栄 松
Hisae Matsuzawa
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP2021126350A priority Critical patent/JP7166025B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7166025B1 publication Critical patent/JP7166025B1/ja
Publication of JP2023021202A publication Critical patent/JP2023021202A/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Catching Or Destruction (AREA)

Abstract

【課題】市街地、牧場、農耕地、休耕田などの平地でも罠の仕掛けが叶う「ワイヤーロープ捲着用パイル」を提供する。【解決手段】杭本体1は、杭埋入部13、姿勢安定翼片12、ロープ捲着部11から構成され、筒状空間1aを有し、その軸支部13bに操作軸杆14が枢着、軸支され、その操作軸杆14の上端に設けたハンドル嵌着部14aに操作ハンドルHLを嵌着して当該操作軸杆14を水平面内回動操作するようにすると共に、操作軸杆14の下端側で、軸支部13bの直上辺りの外周にピニオン14aが形成され、このピニオン14aに噛合するラック付きの抜け出し抵抗翼腕16が出入り自在に組み合わされ、この操作軸杆14を回動R操作に依り、抜け出し抵抗翼腕16の端部が杭埋入部13側面内に収まった状態から抜け出し抵抗翼腕16が繰り出され、その端部が杭埋入部13側面から突き出すようにしたワイヤーロープ捲着用パイルである。【選択図】図11

Description

この発明は、主に野生鳥獣を捕獲するための罠の仕掛け技術に関連するものであり、罠の中でも、特に、くくり罠の仕掛け、すなわち、ワイヤーロープでくくり罠を繋ぎ止めて、野生鳥獣が罠に掛かって暴れ回ったとしても、そのくくり罠が野生鳥獣を捉えたままで、その場所に確保し続けさせていけるよう、通常行われている立木の根元などに代わって、所望する場所にくくり罠を仕掛け置くことができるようにすることを実現する装置であって、それを製造、提供する分野は勿論のこと、その輸送、保管、組み立ておよび設置に必要となる設備、器具類を提供、販売する分野から、それら資材や機械装置、部品類に必要となる素材、例えば、木材、石材、各種繊維類、プラスチック、各種金属材料等を提供する分野、それらに組み込まれる電子部品やそれらを集積した制御関連機器の分野、各種計測器の分野、当該設備、器具を動かす動力機械の分野、そのエネルギーとなる電力やエネルギー源である電気、オイルなどの分野といった一般的に産業機械と総称されている分野から、更には、それら設備、器具類を試験、研究したり、それらの展示、販売、輸出入に係わる分野、将又、それらの使用の結果やそれを造るための設備、器具類の運転に伴って発生するゴミ屑の回収、運搬等に係わる分野、それらゴミ屑を効率的に再利用するリサイクル分野などの外、現時点で想定できない新たな分野までと、関連しない技術分野はない程である。
(着目点)
近年、各地でニホンジカやイノシシをはじめとした野生鳥獣の分布拡大や個体数の増加によって、農産物や山林での食害による植生の衰退化が深刻化してきており、それら野生鳥獣は、食べ物を求めて山林から市街地へ出没しはじめ、それらによる獣害は、山林よりも、むしろ牧場や休耕田などの草地、将又農耕地や庭園などの方で多くなり、日没後に多くの個体が出没して農作物や住居地の庭木を加害するようになり、農林水産省の発表によると、令和元年度(2020年)の野生鳥獣による農作物被害は、被害金額が約158億円にも上り、前年度と比較してその被害金額は、約2千万円増加(対前年0.2%)した状況で、微増ながら、被害額がピークとなった平成22年度(2010年)の239億円に比較すると、年々減少傾向にはあるとはいえ、依然として獣害による被害は、深刻な状況にあると言える。
こうした状況下にも拘らず、野生鳥獣の退治に欠かせない全国の狩猟者は、減少傾向にあって、平成26年には第1種銃猟免許所持者の人数が9万8千人程度となり、20年前の半分以下となってしまっていることと同時に、高齢化も進んでしまい、銃猟による害獣駆除対策には、大きな期待ができなくなってきている現状がある反面、この現象に対して、わな猟免許取得者は、増加傾向にあり、特に箱罠は、罠初心者でも取り組み易い上に市町村の箱罠導入支援などもあることから普及してきている。
我が国における狩猟用具において、積極的な猟法として用いられた弓矢、槍、吹矢、鉄砲などに対し,罠は、獲物の通り道に設置し、獲物がこれに気付かずに通り過ぎようとする際に捕らえてしまう装置であって、落し穴、くくり罠、箱罠、圧殺罠、とらばさみなどが用いられてきており、獲物の大きさや習性、立地条件などに応じて、それぞれ多様な変化形がみられ、これらを巧みに組み合わせるようにして採用されてきており、通り道に単純に罠を設置するもの、餌やおとりを置いて誘導するもの、柵を作って誘導路を設けるもの、また、落し穴の底に槍を仕込んだもの、くくり罠でも木や竹の弾力を用いて跳ね罠にしたもの、そして、箱罠では、小動物用のネズミ捕り式のものから、大型哺乳類を対象とした柵囲い大掛かりなものまで、と千差万別である中で、箱罠の普及に伴って、取り逃がしにより、箱罠を覚えてしまったニホンシカやイノシシといった野生鳥獣が増加し始めてしまい、箱罠による捕獲も困難になりつつあることから、最近では、これら野生鳥獣の捕獲用の罠に、安価で設置が簡易、且つ持ち運びも楽なくくり罠が普及しつつあり、全国の山間部でも広く採用されて害獣駆除対策として効果を上げ始めている。
このくくり罠は、箱罠と並んでポピュラーな罠猟の道具で、くくり罠に掛かってしまうと、動物の足にワイヤーロープが掛かって逃げられなくなるようにした装置で、手動のくくり罠もあるものの、現在使われている殆どのものは略自動のものであって、しかも構造もシンプルで、かつ小型になっているため、搬送にも負担が無く、しかも設置し易いという大きなメリットが有る上、価格も安いので沢山仕掛けることが可能なものではあるものの、設置に一定の技術が必要である。
通常、くくり罠は、ワイヤーロープを確りした立ち木の株元に絡め、固定して設置することが一般的であり、したがって、通常、山林内の獣道に仕掛けて使用する。しかし、ニホンシカなどといった野生鳥獣の被害は、前述のとおり、昨今、山林よりもむしろ市街地、特に牧場や農耕地、休耕田などの草地で多くなってきているのが実情である。
その理由といえば、野生鳥獣が本来生息してきた山林だけではなくなり、人の住む場所(人里)まで拡がってきたという、生息地の変化がある。それらは、山林開発や天災などで、実のなる木が減少したり、台風で実が落ちたりしてエサがなくなるのが早いため里へ下りてくるといった、山林での餌の減少化が大きく係わっていて、餌が豊富な人里を行動域として認識する環境への適応も原因の一つであり、しかも、地球温暖化等による野性鳥獣の繁殖に好条件が整ってきた上、栄養状態が良く(食物を田畑などから手に入れるため)野生鳥獣の死亡率が低下して行動範囲も広がり、日没後に多くの個体が出没して農作物を加害するようになり、農作物被害の軽減には、これら加害個体を捕獲処分する必要があるものの、これら野生鳥獣の出没が増え始めた市街地で通り道となる、例えば、侵入防止柵の外がわなどには、必ずしもくくり罠を固定するのに適した立ち木があるとは限らない環境である。
くくり罠の設置には、支柱となる木の幹や、場合によっては根株を探さなければならず、このとき重要となるのが、ワイヤーロープが届く範囲であって、掛かってしまった野生鳥獣が死に物狂いで暴れ回っても決して逃してしまうことがない確りとした根付け場所を選ぶ必要があり、折れ易いところを選んでしまい、折角捕獲した野生鳥獣に逃げられてしまうだけではなく、捕獲された状態の野生鳥獣と対峙した際に、絡め、固定していた立ち木が折れてしまうと野生鳥獣の逆襲に遭う虞があったりするため、安易な物を頼りにして、このくくり罠を仕掛けることは禁物となる。
そこで、山林とは違い、くくり罠のワイヤーロープを絡め、固定するための立ち木の無い平地などでも、このくくり罠を確実に仕掛けられるようにする対策が必要となってくるが、そのために有効なものの提供がなされてきていないのが実情である。
(従来の技術)
こうした状況でありながら、実態としては、くくり罠そのものの改良、開発ばかりに目が向き、くくり罠を設置する際には、獲物の掛かった罠をその位置に留め置くよう規制するためのワイヤーロープの、罠とは反対側となる一端を絡め、固定する上で必ず必要となる、絡め、固定先に係わる解決手段の提案については、その具体的な製品などとしても見掛けないだけではなく、それに繋がるようなアイデアさえも見出すことができない。
例えば、下記の特許文献1(1)に提案されているものも、一見すると、中央管21を使って、地面Gに対して金属製の部材(ストレート管)からなる杭45(図3参照)が略垂直に打ち込まれ、この鉛直方向を向いて配置される中央管21に対し、所定の如く傾斜させて溶接、一体化してなる第1傾斜管22及び第2傾斜管23には、地面Gに対して所定の如く斜めに方向となるようにして金属製の部材(ストレート管)からなる杭46、46が通されて地面Gに打ち込まれるようにし、第1傾斜管22及び第2傾斜管23によって地面Gに対して斜めに杭46が打ち込まれ、杭45,46を引き抜き難くすることができ、ロープ固定具10を地面Gに強固に固定できるようにしたものとなし、立木等の固定物がない見通しの良い場所(地面G)にロープ固定具10を固定して、捕獲器40を設置できる(段落0030)、としている。
しかし、それらの構造のものは、恰も園芸における植木や庭木を木立姿勢を支える三本支柱(八つ掛け支柱)のような構造をしており、これら三本支柱の役割は、植木や庭木の傾きを支える、つまり、傾きを受け止める機能を果たすものであり、傾くがわに位置する支柱は、その下端が地面Gの中に刺さり込む際の抵抗力で植木や庭木が傾向かないようにする機能を果たしているだけのものであって、したがって、傾きと反対がわに位置する杭45、46は容易に地面Gから抜け出し易く、それが、獲物の動きで延長ロープ44が何回も周回、逆周回を繰り替えされると、この装置において、延長ロープ44は、第1部材である20、60の連繋部26、66や張出部27、67、それに第2部材30、30の作用で当該延長ロープ44は、それらに自然に巻き取られて全長を短くし、獲物の錯乱範囲を狭くしていくという効果が得られるとしても、その間に、肝心の杭45、46全体がグラグラしてしまって地面Gから外れてしまうものになることは、極めて容易に推測できるもので「地面Gに強固に固定できるようにしたものである」とする段落0029や0030などに記載する効果は、実質期待できるものではないことが判明する構造のものとしなければならず、当該くくり罠を立木などの固定物が無い見通しの良い場所(地面G)へ設置するようにするものとしては、相当の危険が付きまとうものと同定せざるを得ないと言える。
その他の、特許文献1(2)に開示する「獣捕獲用脚括り罠」にあっても、「本発明の獣捕獲用脚括り罠1は、地面掘った縦穴に設置する。設置する縦穴の深さは、罠部分4と、作動部2および作動補助部3が過不足なく収まる深さの穴が好ましい。」(段落0030)、図1、3ないし5からは、括り罠1自体が縦穴で固定、使用し得るもののように見受けられるものの、同段落0030の後段では「なお獣捕獲用脚括り罠の末端は固定することが必要であり、作動部末端部分であるワイヤー25bは地上に出し、図1の拡大図(a)に示すように、ワイヤー25bの端末のリング26を木の枝などに絡めて固定したり、あるいは図1の拡大図(b)に示すようにワイヤー25bを木の枝や木の幹などに括りつけ、末端のリング26に付するUボルト20のボルトを木の根などにとめることで固定する。また、獣の脚を括るワイヤー25aが地表と同じ高さで水平になるように設置することが好ましい。」と明記しており、括り罠そのものの改良に係わってはいるものの、結局、その括り罠を取り付けたワイヤー25aの反対端部は、従来どおりに木の枝や木の幹などに絡め、固定使用するものでしかないものとなっている。
(1)特開2017-55694号公報 (2)特開2007-28964号公報
(問題意識)
上述したとおり、野生鳥獣を捕獲するための罠、その中でも代表的なくくり罠の仕掛け手段は、生息地の変化があったり、環境への適応の問題や地球温暖化等による野性鳥獣の繁殖条件の変化などによって野生鳥獣が本来生息してきた山林だけではなくなり、人の住む場所(人里)まで拡がってきているという実情に瀕していて野生鳥獣の行動範囲も広がり、田畑などにおける農作物被害が全国的なものとなり、それを軽減するために加害個体を捕獲処分しなければならないため、市町村といった行政機関は言うまでもなく、近隣住民の間でも、その対策に躍起となっているにも拘らず、その内容と言えば、現存する仕掛け罠などを前提とした全般的な講習会や実習に止まり、また、民間企業からの提案も、従前からの機械、装置の改良、開発ばかりに終始していることなどに鑑み、田畑など平地における農作物被害を食い止めるようにするために必要となる新たな発想による具体的な提案ができないものかとの認識の下、見逃されてきていたワイヤーロープを繋ぎ止めるための絡め、固定先を、これまでどおりの木の枝や木の幹などを前提とはせず、それら木の枝や木の幹などの無い市街地、特に牧場や農耕地、休耕田などの草地といった平地でも、安全、確実に罠の仕掛けが叶うようにできないものかとの強い願いを抱いたものである。
(発明の目的)
そこで、この発明は、くくり罠などといった野生鳥獣を捕獲するための器具、装置などを絡め、固定する上で欠かせなかった山間地に林立する木々に相当し、木の枝や木の幹などが無い市街地、特に牧場や農耕地、休耕田などの草地といった平地でも、それら木立に代わって安全、確実に罠の仕掛けが可能で、用を足した後では簡単に抜去して他のところで再利用できるようにした器具、装置が実現できないものかとの判断から、逸速くその開発、研究に着手し、長期に渡る試行錯誤と幾多の試作、実験とを繰り返してきた結果、今回、遂に、新たな発想に基づいて新規な構造から成る「ワイヤーロープ捲着用パイル、およびワイヤーロープ捲着用パイルの使用方法」を実現化することに成功したものであって、以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構成を詳述することとする。
(発明の構成)
図面に示すこの発明を代表する実施例からも明確に理解されるように、この発明の「ワイヤーロープ捲着用パイル」は、基本的に次のような構成から成り立っている。
即ち、土中埋入部分が少なくとも略50cm程度とされ、略5ないし20cm程度の範囲内の選択された直径から成り、くくり罠など仕掛け罠など用繋ぎ止めに使用するワイヤーロープを捲着して引き回されても破損しないだけの強度を保有する肉厚とした硬質素材製筒状の杭埋入部と、該杭埋入部の上端、地面相当部位には、その周辺に亘って略水平状配置か外側方向にやや下降傾斜状配置かのどちらかとされた姿勢安定翼片を有し、それより上部が杭埋入部上端がわを上方に所定長さ延長、一体形成されたロープ捲着部とから成り、筒状空間を有するのものとした杭本体に対し、その筒状空間内には、操作軸杆がその軸芯周りの回転が安定操作可能な構造として配設されると共に、該筒状空間内の下方位置には抜け出し抵抗翼腕が組み込まれ、同操作軸杆適所と該抜け出し抵抗翼腕とは、操作軸杆の軸芯周り回動操作に連動して同抜け出し抵抗翼腕を杭本体筒状空間内と杭本体外側とへの出入り自在作動可能とする連動機構で連携されてなるものとした構成を要旨とするワイヤーロープ捲着用パイルである。
この基本的な構成からなる「ワイヤーロープ捲着用パイル」は、その記載表現を変えて示すならば、以下のとおりのものとなる。
土中埋入部分が少なくとも略50cm程度とされ、略5ないし20cm程度の範囲内で、対象地面の質、形成素材強度などから選択された直径から成り、くくり罠など仕掛け罠など用繋ぎ止めに使用するワイヤーロープを捲着して引き回されても破損しないだけの強度を保有する肉厚とした硬質素材製筒状の杭埋入部と、該杭埋入部の上端、地面相当部位には、その周辺に亘って略水平状配置か外側方向にやや下降傾斜状配置かのどちらかとする姿勢安定翼片を有し、それより上部が杭埋入部上端がわを上方に所定長さ延長、一体形成されたロープ捲着部とから成り、筒状空間を有するものと杭本体に対し、その筒状空間内には、操作軸杆がその軸芯周りの回転が安定操作可能な構造として配設されると共に、該筒状空間内の下方位置には抜け出し抵抗翼腕が組み込まれ、同操作軸杆適所と該抜け出し抵抗翼腕とは、操作軸杆の軸芯周り回動操作に連動して同抜け出し抵抗翼腕を杭本体筒状空間内と杭本体外側とへの出入り自在作動可能とする連動機構で連携されてなるものとし、ワイヤーロープ捲着用として地盤埋設、使用する際には、当該操作軸杆の軸芯周り回動操作で該抜け出し抵抗翼腕は、杭本体外側に突出状として抜け留め機能を果たさせ、ワイヤーロープ捲着用としての目的達成後に地盤から抜去する際には、当該操作軸杆の軸芯周り回動操作で該抜け出し抵抗翼腕は、杭本体筒状空間内に格納状として抜け掛け抵抗に係わりの無い状態となるよう、当該連動機構を選択操作可能になるものとした構成から成るワイヤーロープ捲着用パイルである。
上記のとおりの構成を要旨とするこの発明の「ワイヤーロープ捲着用パイル」において、操作軸杆適所と抜け出し抵抗翼腕とを連携し、該抜け出し抵抗翼腕を杭本体筒状空間内と杭本体外側とへの出入り自在作動可能とする連動機構は、具体的なものとして、まず、杭本体に組み込まれた操作軸杆下端辺り周壁にピニオン部を刻設されたものとする一方、該ピニオン部に噛合可能なラック部を有する所定長の抜け出し抵抗翼腕が、操作軸杆に直交状配置であって該ラック部をそのピニオン部に噛合させてなるようにし、操作軸杆の軸回転に伴って該ピニオン部の水平方向作動を促して杭埋入部筒状空間内外に出入りさせるようにして成る、ラック&ピニオン構造としたものが挙げられる。
また、連動機構には、杭本体の筒状空間上下端を軸支部とした構造で杭本体に操作軸杆が組み込まれるようにしたもので、その操作軸杆下端がわをネジ山部に形成されたものにする一方、該ネジ山部にナット部を螺合させ、当該操作軸杆を軸回転操作することによってナット部を上下動させるボルト・ナット構造のものでは、このナット部に設けた枢着部に所定長の抜け出し抵抗翼腕一端がわが枢着されたものと成し、該ナット部の上下動に伴って抜け出し抵抗翼腕他端がわが、杭埋入部に設けた迫り出しスリット部の下端縁に誘導されて筒状空間に出入りするようにした構造のものとするか、あるいはまた、抜け出し抵抗翼腕一端がわが、ナット部ではなく、その上方の杭埋入部筒状空間内に一体形成された操作軸杆中間の軸支部の一部に抜け出し抵抗翼腕一端がわが枢着されるようにし、当該操作軸杆を軸回転操作してナット部を上下動させると、該ナット部に形成された作用膨出部が抜け出し抵抗翼腕他端がわ背面への当接に依り、この抜け出し抵抗翼腕他端がわが、杭埋入部に設けた迫り出しスリット部から筒状空間に出入りするようにしたものも包含されている。
さらに、この連動機構としては、ウオームギア構造のもので、杭本体に組み込まれた操作軸杆上端辺りが円筒ウォーム部に形成されたものにする一方、該円筒ウォーム部に近接する杭本体内壁には、同円筒ウォーム部に螺合するウォームホィール部軸芯に一体化された回転軸部から巻取、巻戻し可能に取り付けて成る操作索条を下降配設され、筒状空間内の軸受け部に一端が軸着された抜け出し抵抗翼腕の他端取付部に取着されてなる所定長の抜け出し抵抗翼腕が、当該操作索条を伸ばした状態では、その他端取付部が当該軸受部の下方であって、筒状空間内底部辺りに位置して収納された姿勢と成す一方、同操作索条を巻上げ、その他端取付部が当該軸受部よりも上位で、抜け出し抵抗翼腕の他端取付部がわが杭本体杭埋入部下方に縦刳形成されている翼腕繰出窓から食み出し、杭本体先端がわに向け矢尻状姿勢として固設状にされるようにした構成から成るものも含まれる。
(関連する発明1)
そして、上記した新規な構成から成るこの発明の「ワイヤーロープ捲着用パイル」に関連し、本願には、以下のとおりの「ワイヤーロープ捲着用パイルの使用方法」も包含している。
それは、適宜長さのワイヤーロープにより、その一端がわを固定物に捲着して仕掛けるようにする野生鳥獣捕獲用罠の仕掛けの際、所望仕掛け場所であって、獲物が掛かった罠の散逸阻止に有効な位置を決定した上、その箇所を、既存の適宜縦穴掘り具その他で所望径と深さとに合わせた縦穴を掘削し、該縦穴の中に、前記請求項1ないし5記載の構成からなるワイヤーロープ捲着用パイルの杭埋入部を落とし込み、該ワイヤーロープ捲着用パイルに組み込まれた操作軸杆上端を水平面内回動操作して連動機構を作動し、杭本体の下方に組み込んである抜け出し抵抗翼腕の先端がわが同杭本体外方に突出状姿勢を実現する一方、この抜け出し抵抗翼腕突出状姿勢実現操作をする前の縦穴に杭埋入部を落とし込んだ直後か、または当該抜け出し抵抗翼腕突出状姿勢実現操作後かの何れの段階に、杭本体の前後左右などへの振れ防止用として杭埋入部と縦穴との隙間に土砂などを装填すると共に、姿勢安定翼片は、縦穴周辺の地表面に安定、当接状とさせてしまい、当該ワイヤーロープ捲着用パイルが野生鳥獣捕獲用罠用のワイヤーロープ捲着用杭を実現するようにする一方、その用を終えて抜去処理を必要とする際には、ワイヤーロープ捲着用パイルに組み込まれた操作軸杆上端を水平面内回動操作して連動機構を逆作動し、先端がわを同杭本体外方に突出状姿勢としてあった抜け出し抵抗翼腕を杭本体内に収納状姿勢と成してしまってから、適宜手段で当該杭本体を縦穴から抜去処理操作するようにして使用するとした構成を要旨とする、上記に展開するこの発明に含まれるワイヤーロープ捲着用パイルの使用方法である。
以上のとおりの構成から成るこの発明の「ワイヤーロープ捲着用パイル、およびワイヤーロープ捲着用パイルの使用方法」に依れば、従前までのものとは違い、上記したとおりの固有の特徴ある構成から、くくり罠などといった野生鳥獣を捕獲するための器具、装置の仕掛けに欠かせないワイヤーロープの絡め、固定先を、所望する場所の何処においてでも、つまりこれまでのように木々が林立する山間地に限定されることなく、それら従前までの木々代わって所望の位置に設定することを実現し得るものになることから、山林開発や天災などで、実のなる木が減少したり、台風で実が落ちたりしてエサがなくなるのが早いため里へ下りてくるといった、山林での餌の減少化が大きく係わってきているという生息地の変化が係わって、餌が豊富な人里を行動域として認識する環境への適応が進化してきていることに加え、地球温暖化等による野性鳥獣の繁殖に好条件が整ってきた上に、栄養状態が良く(食物を田畑などから手に入れるため)野生鳥獣の死亡率が低下して行動範囲も広がってきているため、それら山間地に繋がる木立の無い市街地であって野生鳥獣の通り道と想定されるところで、地面が覗くところであれば何処にでも、くくり罠などの仕掛け罠を確実に絡め、固定して仕掛けることを可能にするという極めて有効な効果が期待できるものとなる。
それは、単に杭を地中に突き刺しただけのものではなく、事前にこの発明のポールサイズに合わせて掘り下げた縦穴に落とし込んだ後、その姿勢安定翼片を地面に当設状としながら、操作軸杆の上端に別途操作ハンドルを嵌めて水平面内回転操作することより、該操作軸杆を軸回転させ、その回転動に連携するようにして設置してある連動機構より、杭本体筒状空間内所定箇所に組み込んである抜け出し抵抗翼腕を、杭本体外に突き出し状態としてしまい、この状態の抜け出し抵抗翼腕と、杭埋入部上端の姿勢安定翼片とで、杭本体周りの地盤を挟圧状とした構造原理となっており、仮令、杭本体上端辺りに絡め、固定してあるワイヤーロープに、仕掛け罠に掛かった獲物から、その個体が、掛かった罠から逃れようとして七転八倒を繰り返して暴れまくり、法外且つ複雑な牽引、緩和力が作用したとしても、その絡め付けてあった仕掛けが外れ、逃してしまうようなことがないように固定状にしてしまう杭本体の地盤に対する姿勢の安定性は、十分に保持し続けられるものとなり、それは、恰も従前までの木々に絡め、固定したものと変わらないほどの安定性を実現し得ることとなる。
その結果、日没後、山間地から木の枝や幹などの無い市街地、特に牧場や農耕地、休耕田などの草地といった平地に頻繁に出没するようになった野生鳥獣に因る農作物への加害阻止に対し、この発明の「ワイヤーロープ捲着用パイル、およびワイヤーロープ捲着用パイルの使用方法」に依れば、木々の有る山間地に限定されることはなく、出没して農作物を物色すると予想されるところで、所定サイズの縦穴形成の可能なところでありさえすれば何処にでも容易に設置でき、これまで頼りにしてきた木々に代わるものとして機能、作用させることができることになって、従前から提供され続け、今後とも改善、改良が進むであろうと予想されるこれら仕掛け罠の活用を大巾に広げ、農作物などへの被害軽減策として大きく貢献し得るものになると言える。
しかも、この発明の「ワイヤーロープ捲着用パイル」は、所望する場所での仕掛け罠の設えを果たし終え、新たな場所での使用に回したいときには、杭本体の操作軸杆上端に別途操作ハンドルを嵌合して水平面内回転操作をして連動機構の作動により、抜け出し抵抗翼腕を杭埋入部筒状空間内所定箇所に格納状としてしまって、杭本体を上方向抜去作業の折に、杭本体外周面は突起物が無くて地中における滑動を阻害することはなく、円滑な抜去作業を可能ならしめ、容易に地上に取り出して新たな所望箇所での使用を可能にすることができるものとなることから、仕掛け罠やワイヤーロープの再使用などが、「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律」の第二種特定鳥獣管理計画や、鳥獣保護法施行規則に基づいて禁止されてはいるものの、この発明の「ワイヤーロープ捲着用パイル」は、そのまま再利用可能となり、この発明の「ワイヤーロープ捲着用パイルの使用方法」を容易に実施可能とする利点が得られる。
そして、この発明の「ワイヤーロープ捲着用パイル」における連動機構を、杭本体に組み込まれた操作軸杆下端辺り周壁にピニオン部を刻設されたものとする一方、該ピニオン部に噛合可能なラック部を有する所定長の抜け出し抵抗翼腕が、操作軸杆に直交状配置であって該ラック部をそのピニオン部に噛合させてなるようにした構成のものとしたものでは、ラック部とピニオン部との噛合による抜け出し抵抗翼腕の水平作動となるため、その構成上から、抜け出し抵抗翼腕自体のサイズが杭本体の杭埋入部における筒状空間直径内のものに制約されてしまうものの、ラック&ピニオン構造という簡潔且つ強力な伝導機構からなり、抜け出し抵抗翼腕先端の地盤への刺さり込みが強力なものとなって固い地盤内にも突入し易く、硬質地盤用向きの「ワイヤーロープ捲着用パイル」の一つとして代表的な連動機構を採用して成るものとなる。
また、この連動機構として、他にボルト・ナット構造の一つを採用して成るものの事例で、操作軸杆の軸回転操作で上下動するナット部自体に枢着部を設け、その枢着部に抜け出し抵抗翼腕の一端がわを枢着させ、ナット部を上下動させることによって抜け出し抵抗翼腕他端がわが、杭埋入部に設けた迫り出しスリット部下端がわに誘導されて筒状空間に出入り自在とした、後述の実施例として取り上げたものに代表されるようなものでは、ボルト・ナット構造という既往からの摺動構造をそのまま採用するものとなることから、製造し易いだけではなく、スリット部下端位置に対するナット部上下動範囲を決めることにより、抜け出し抵抗翼腕の角度、すなわち、地盤に食い込み状となる姿勢角度を最適なものに決定することができ(但し、スリット部下端位置に対してナット部下降位置を下げてしまうほど、操作軸杆の軸回転操作が、地盤の抵抗を受け過ぎて操作性が悪くなる虞がある。)、長めの抜け出し抵抗翼腕とし、全体構成がイカリのような立体形状を実現し得るものになるという利点が得られるようにしたものであり、上記したラック&ピニオン構造のものよりも柔らかめの地盤向けに適したものになるという特徴がある。
さらに、実施例としても取り上げてるような、ボルト・ナット構造を採用した他の事例で、抜け出し抵抗翼腕の一端がわをナット部に枢着させるものとしないで、操作軸杆の中途を軸支するようにした軸装構造のもので、その杭埋入部筒状空間中途の軸着部を枢着部として抜け出し抵抗翼腕一端がわを枢着する形式のものでは、上下動させるナット部の外周に作用膨出部が設けられていて、ナット部を上下動させる際に、この作用膨出部を抜け出し抵抗翼腕背面に当接状として摺動させ、抜け出し抵抗翼腕を迫り出しスリット部から出入りさせるようにしたものでは、後述の実施例からも見て取れるように、杭埋入部の底部を抜いた構造のものとして構成しておき、この解放した杭埋入部の底部から抜け出し抵抗翼腕やナット部などを組み込み、装置することができるという制作上の利点が得られることから、操作軸杆の操作で抜け出し抵抗翼腕を地盤に食い込み状として使用した後、その地盤との絡み具合で抜け出し抵抗翼腕が変形または損傷した場合などにおけるこれら抜け出し抵抗翼腕の補修や交換作業に有利なものとなって繰り返し使用に利便性が有るものとすることができる。
以上のものの連動機構は、操作軸杆と抜け出し抵抗翼腕とが、直接的にギア構成で連携するようにしたものの代表的なものであったが、操作軸杆に設けるギアは、直接抜け出し抵抗翼腕の作動に係わるのではなく、操作軸杆と抜け出し抵抗翼腕との間にステンレスワイヤーなどといった操作索条を介在させ、該操作索条の巻き付け、巻き戻し操作で、抜け出し抵抗翼腕の他端取付部に取着されてなる所定長の抜け出し抵抗翼腕が、当該操作索条を伸ばした状態では、その他端取付部が当該軸受部の下方であって、筒状空間内底部辺りに位置して収納された姿勢と成す一方、同操作索条を巻上げ、その他端取付部が当該軸受部よりも上位で、抜け出し抵抗翼腕の他端取付部がわが杭本体杭埋入部下方に縦刳形成されている翼腕繰出窓から食み出し状となるようにし、全体形状を、杭本体先端がわに向けた矢尻状姿勢となるよう操作するようにした、例えば後述する実施例として取り上げているような構造のものでは、上記した事例のものと同様、やや柔らかめの地盤向け用として機能するものの一例であり、これまでの事例のものに比較し、操作軸杆を極めて短くして装置することでき、軽量化には有利なものと成し得ることから、取扱性を優先するようにしたものの事例として好適と言えるものとなる。
これら各種構成からなるものは、仕掛け罠の絡め、固定先の用途以外にも、地盤に対して強固な固定を必要とする、例えば土手面への防雪柵用筋交止め材や川岸での川船用繋ぎ止め杭など、各種用途への採用が可能であることは言うまでもない。
上記したとおりの構成からなるこの発明の実施に際し、その最良もしくは望ましい形態について説明を加えることにする。
杭本体は、全体として筒状空間を有しており、基本的に杭埋入部と、その上端に位置して地面に当設し、杭本体の姿勢安定化およびその抜け出し阻止機能を、抜け出し抵抗翼腕との組合せに依って実現する姿勢安定翼片と、その上方に伸び、先の杭埋入部の上方延長状のものとなるロープ捲着部とから構成されており、これらは、原則、上下方向一体形成されるようにしたものとして形成されるようにするが、場合に依って、それら各部、別々の部品として形成し、一般に採用される手段、例えば溶接や、連結部を形成しておき、ボルト・ナット止めやビス止めなどに依るものとしても何ら差し支えはなく、全体として、用途となる杭の機能を果たし得るのに十分な構造強度、ならびにその水平断面形状、例えば円形、楕円形、三角形、四角形その他多角形、星形その他形状を実現し得る筒状のものとしなければならず、それらを構成する材質も、各種鋼板製のものから、鋳物製、各種硬質プラスチィックス製、あるいはそれらの組合せなど、その材質に限定は無く、最適素材のものの選択に依って構成されれば良く、また、それらの外表面なども、平滑なものを標準とするが、場合によって凹凸形状としたものなどで、土中における摩擦抵抗などが考慮されてなるものにすることも何ら疎外してはいない。
その中、杭埋入部は、仕掛け罠としてのワイヤーロープ自由端を絡め、固定し、仕掛け罠に掛かった獲物が七転八倒して掛かるワイヤーロープ牽引、弛緩力に抗して、周りの地盤に接したまま、下記する抜け出し抵抗翼腕や姿勢安定翼片との関係を得て、できるだけ姿勢を変えないで十分耐え得るようにする機能を果たし得るものとしなければならず、少なくとも50cm程度の長さのものとし、後述する実施例でも明らかなとおり、内部に連動機構を形成して抜け出し抵抗翼腕と連携作動させる構成を適えるため、筒状空間を有しているものにすると共に、所望箇所の地面に適宜手段で用意、穿設されるようにした所定深さの縦穴に抵抗を少なくして嵌入可能とし得るよう、その先端外形を、半球状や円錐状、角錐状など土中挿入抵抗が少ない形状とされたものが望ましく、内装する抜け出し抵抗翼腕の作動に応じて必要なる翼腕繰出窓などが、所定箇所に形成されるようにすると共に、当該抜け出し抵抗翼腕を作動、操作するための連動機構と操作軸杆とを予め配設、収納し得るようにする直径、例えば5ないし20cm程度の範囲(これらは、あくまで標準的なものであり、対象獲物の種類や設置場所の条件その他に依って変られても差し支えはない。)で、対象獲物や地盤強度、あるいは杭埋入部の長さや強度その他要因に依って適宜選択、決定するようにした径から成る筒状空間構成のものとしなければならず、それらは、抜け出し抵抗翼腕、それを作動、操作させる連動機構、操作軸杆その他の組合せ、配置に応じ、決められたものとして構成されれば良い。
また、姿勢安定翼片は、上記杭埋入部上端において該杭埋入部と最終的に一体化するように配され、その少なくとも底面を地面に当接させることにより、後述する抜け出し抵抗翼腕との組合せに依って杭本体の姿勢を安定化させると共に、その抜け出しをできるだけ阻止し得るようにする機能を全うさせるものであり、杭本体としての全体形において魚の腹ビレのような配置で、複数の片が杭本体の外方に向かい、独立して飛び出したような構造のものとするか、刀のツバのような傘状片として張り出した構造のものとするかしたもので、杭本体に一定の姿勢で一体化されたものとするか、製品としての梱包詰めや持ち運びに支障が無いよう、後述する実施例の一つとして取り上げているような折り畳み自在のものにするものであって、杭本体の姿勢安定化と、抜出し阻止機能との実現のため、後述の抜け出し抵抗翼腕との相関関係を考慮して最適な出っ張り方、形状、形状が爪状のものの場合にはその本数、厚さ、その他、周辺地盤との絡みで有効な要素の検討、形成したものとされればよく、後述する各実施例に取り上げてある姿勢安定翼片の構成に限定されるものではない。
残るロープ捲着部は、上記姿勢安定翼片から上位の、先の杭埋入部上方延長状となるような筒状で所定長さのものとして形成され、杭本体を所望箇所に埋設、固定状とした際に、所定長に形成された該ロープ捲着部全長を、上記姿勢安定翼片下面を当接状としている地表上に突出状とし、それを、ワイヤーロープの、仕掛け罠取付端と反対がわの端部を絡めて捲着する箇所として機能すると共に、その上端には、後述する操作軸杆を筒状空間内に縦設させて同軸芯周りの回転を安定的に維持するようにした構造が付与されるべきであり、筒状空間上端を利用して該筒状空間を隠蔽してしまうキャップを被冠し得るようにする一方、操作軸杆の上端に嵌合して同操作軸杆の軸周り回転作動させるための適宜操作ハンドルを装着する部位を装備する機能を担うものであり、実施例にも示すとおり、姿勢安定翼片寄りと成る下方位には、必要に応じ、ワイヤーロープを絡めて捲着する場合、その絡め箇所を安定させると共に、絡め後に、その箇所から上方に簡単に摺動して抜け出さないよう、位置規制用リブを周囲に突設形成し、捲着安定帯が形成されるようにしたものとするのが望ましい。
こうして構成される杭本体には、その筒状空間の軸芯に併せ、操作軸杆が、その軸芯周りの回転操作が可能な構造として縱設され、その軸心回動操作に連携するようにして配される連動機構の作動により、後述の抜け出し抵抗翼腕をこの杭本体外周面から突出させて地盤との噛合状態を実現したり、あるいはその用を果たして杭本体を縦穴から抜去する際には、それら地盤との間で噛合状態となっていた抜け出し抵抗翼腕を、この杭本体内に格納状とするよう外周面から引っ込ませてしまう操作をする機能を担っており、その縦設姿勢は、当該操作軸杆と共に配設する連動機構の種類によって最適な箇所、例えば、後述する実施例の一つように、筒状空間の底部近傍に設けてある軸支片と前記したキャップとの間で枢着状と成るよう組み合わせる、筒状空間の略全長に亘って縦設したものや、他の実施例として示す、ロープ捲着部の筒状空間適所に設けた軸支片と前記したキャップとの間という上下間隔を短くした構造のものとして、両者間で枢着状と成るよう組み合わせたものとすることもでき、あくまで連動機構をどのようにするかで、それに応じた最適な配設構造を採用するようになる。
連動機構は、操作軸杆との連携性が取れる構造のものであればよく、実施例にも取り上げてあるように、ラック&ピニオン構造やボルト・ナット構造、あるいはウォームギア式のものの外、イモネジ・ラック構造のものなど各種歯車によるものとしたり、歯車同士ではなくベルトと組み合わせたもの、その他公知の各種機械要素で、操作軸杆の回動に依って抜け出し抵抗翼腕を杭本体筒状空間から出し入れ操作に連携できる機能を兼ね備えたものであれば適宜選択、採用することも可能であり、連携作動の確実性や耐久性、それと杭本体内への取付け容易性、単価などが総合勘案されて最適なものの選択、採用がなされるようにすれば良く、決して機構内容を特定するものではないが、操作軸杆の操作によって作動させる抜け出し抵抗翼腕が、目的とする縦穴周囲の地盤に対し、確実に噛合状にできて杭本体の抜去阻止機能が発揮する上で、できるだけ優位なものであるのが望ましいと言える。
この連動機構に連携して作動する抜け出し抵抗翼腕は、杭本体に収納状に格納された状態から、縦穴内に落とし込んだ後、その位置において該抜け出し抵抗翼腕の先端がわを杭本体周壁面から突出状となるよう強制的に操作され、周辺地盤に食い込み状に固定されるものであり、筒状のままに縦穴に埋め込まれただけでは、それに外力が加わって引き抜き作用が及ぼされたとき、簡単に抜去されてしまうことのないよう、木々で言うならば、それらの根のような機能を分担して、杭本体の安易な抜け出しを阻止する機能を発揮させるようにするものであり、錐のように刺さり込ませるようにするか、斜めに割って入るようにする(実施例では、杭埋入部の底部辺りに一端がわを軸着とし、他端がわを下から斜め上方に作動させて地盤に割って入るようにしているが、作動構造は、その反対に上から斜め下方にさせるようにしたものでも良い。)か、一時的に先端を膨出させるようにするかなど、地盤への係わり方に応じて該抜け出し抵抗翼腕の構造も変えなければならず、ネジ棒状のものとしたり、ピッケル状のもの、フォーク状のもの、短刀状のもの、その他、連動機構との連携によってどのような作動をさせて地盤への噛合状態に入るようにさせるかで最適な構造のものの選択、採用が必要となる。
以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構造について詳述することとする。
図面は、この発明の「ワイヤーロープ捲着用パイル」の技術的思想を具現化した代表的な幾つかの実施例を示すものである。
連動機構をラック&ピニオン構造とした「ワイヤーロープ捲着用パイル」で、縦断面を一部に含ませた立面図である。 図1に示す「ワイヤーロープ捲着用パイル」の側面がわから見た、縦断面を一部に含ませた立面図である。 図1に示す「ワイヤーロープ捲着用パイル」の拡大平面図である。 図1における「ワイヤーロープ捲着用パイル」のA-A拡大断面図である。 図2の「ワイヤーロープ捲着用パイル」であって、その連動機構操作完了状態を示す、縦断面を一部に含ませた立面図である。 図5における「ワイヤーロープ捲着用パイル」のB-B拡大断面図である。 所望地面への縦穴形成過程を縦断面的に示す説明図である。 図7で形成した縦穴へ図1ないし6で示す構造の「ワイヤーロープ捲着用パイル」を嵌入操作過程を縦断面的に示す説明図である。 図8で実現した状態の「ワイヤーロープ捲着用パイル」から、操作軸杆操作によって抜け出し抵抗翼腕を地盤に食い込ませる過程を縦断面的に示す説明図である。 上記各図で所望箇所に設置された「ワイヤーロープ捲着用パイル」のロープ捲着部にワイヤーロープの一端がわを絡め、固定した状態で、他端、仕掛け罠などと繋ぐがわを省略した状態で縦断面的に示す説明図である。 連動機構をボルト・ナット構造とした「ワイヤーロープ捲着用パイル」の一例で、縦断面を一部に含ませた立面図である。 図11における「ワイヤーロープ捲着用パイル」のC-C断面図である。 図11において「ワイヤーロープ捲着用パイル」の連動機構操作完了状態を示す、縦断面を一部に含ませた立面図である。 図13における「ワイヤーロープ捲着用パイル」のD-D断面図である。 縦穴に対して図11ないし14で示す構造の「ワイヤーロープ捲着用パイル」を嵌入準備段階を縦断面的に示す説明図である。 図11ないし14で示す構造の「ワイヤーロープ捲着用パイル」が、その抜け出し抵抗翼腕を地盤に食い込ませた状態を縦断面的に示す説明図である。 連動機構をボルト・ナット構造とした「ワイヤーロープ捲着用パイル」の他の例で、縦断面を一部に含ませた立面図である。 図17における「ワイヤーロープ捲着用パイル」のE-E拡大断面図である。 図17の「ワイヤーロープ捲着用パイル」の連動機構操作完了状態を示す、縦断面を一部に含ませた立面図である。 連動機構に間接的なボルト・ナット構造を利用した「ワイヤーロープ捲着用パイル」の例で、縦断面を一部に含ませた立面図である。 くくり罠の一例を示す平面図である。 従来から実施されてきたくくり罠などの仕掛け方を示す斜視図である。 以下では、本願発明に係わる代表的な実施例の幾つかを例示して、本願発明が包含する技術的思想についての理解の一助にするものの、これら実施例により、本願発明の技術的思想に基づいて具現化される本願「ワイヤーロープ捲着用パイル、およびその使用方法」自体を拘束するものではないことは、言うまでもない。
図1の縦断面を一部に含ませた立面図として示す事例は、本願「ワイヤーロープ捲着用パイル」に含まれるもので、その連動機構をラック&ピニオン構造からなるものとして実現されるようにしたものの一例であって、その基本構造を示しており、以下の図2ないし図10によって、その構成を様々な角度から明らかにしている。
この実施例では、その使用方法が明確になるようにするため、近時の仕掛け罠として最もポピュラーな、図21、22に掲げてあるくくり罠Tの仕掛け用に採用する場合を想定したものとしており、わなワイヤーt1、スプリングt2、ワイヤーロープt3、より戻しt4、シャックル付きのワイヤー先端t5などから成るこのくくり罠Tの絡め、固定先を、従前までに使用されてきていた山間地の木々に代わり、それら木々が無いような平地部など所望する場所の何処においてでも、仕掛け罠として採用可能にするようにしたものである。
この実施例でワイヤーロープ捲着用パイル1となる杭本体は、地盤に埋入され、立設状の杭として機能すると共に、その内部に操作軸杆14や連動機構15、抜け出し抵抗翼腕16などを装置するようにするために、全体形状が筒状空間1aを有する筒状体であって、その中(うち)、下方がわに少なくとも略50cm程度の長さ部分に杭埋入部13が確保され、その上端であって地面に当接する位置には姿勢安定翼片12が、当該杭埋入部13の外周壁面から真横方向に突出、形成されると共に、それら姿勢安定翼片12の上方に一体化されるようにしてロープ捲着部11が設けられたものと成し、その筒状空間1aの軸心には、操作軸杆14が、そのハンドル嵌着部14a下端で、ロープ捲着部11上端に被冠させるキャップ11aの軸支部11bと、杭埋入部13下端近傍に設けられた軸支部13bとに、軸芯周りの回動自在にして装着されるようにすると共に、該軸支部11b直上辺りに連動機構15が組み込まれて成るようしたものであり、鋼管のような管体そのものを採用するか、一対の樋体を向かい合わせ、熔着、接着など強度ある適宜手段で一体化するかなどして筒状体とすれば良く、絡め、固定したワイヤーロープに獲物Vからの外力が掛かってしまったときなどでも、変形、破損してしまうことのないよう、各種鋼材製、FRP(繊維強化プラスチック)やGFRP(炭素繊維強化プラスチック)、不飽和ポリエステル製など、各種強度ある素材で、経済性その他を考慮した最適素材に依って形成する。
この実施例における連動機構15は、図4のA-A拡大断面図に示すように、操作軸杆14の下端がわで、軸支部13bの直上辺りの外周にピニオン(円形歯車)14bが形成され、このピニオン14bに噛合するよう歯切りされたラック16a付きの抜け出し抵抗翼腕16が、当該操作軸杆14軸芯に対して直交方向に出入り自在に組み合わされ、この操作軸杆14を回動R操作に依り、図1に示す「ワイヤーロープ捲着用パイル」の側面がわから見た、縦断面を一部に含ませた立面図の図2、および上記した図4の拡大断面図に示す状態のように、抜け出し抵抗翼腕16の端部が杭埋入部13側面内に収まった状態から、図5の一部に縦断面を含ませた立面図や図6に示す拡大断面図に表されているように、抜け出し抵抗翼腕16が繰り出され、その端部が杭埋入部13側面から突き出すようにしたものである。
以上のようにして形成されるこの実施例におけるワイヤーロープ捲着用パイル1は、まず、図7の縦穴形成過程を縦断面的に示す説明図のように、地盤にパイプや杭を突き立てる際に形成する下穴空け用具として従前から多用されてきている縦穴空け具(例えば、通信販売オンラインショップ「あっと解消本店」で販売されている商品「かんたん穴掘り器」など。)PLを使用し、先端を所望する位置の地面に当て、そのハンドルPL1を水平面内回転操作Rし、その掘削部PL2を食い込ませ、土を掘り上げながら、図8の嵌入操作過程を縦断面的に示す説明図のように、ワイヤーロープ捲着用パイル1の杭埋入部13を落とし込み、地面にその姿勢安定翼片12が当接状になって杭埋入部13を落とし込めるだけの深さ(したがって、杭埋入部13のサイズ次第となるが、この実施例では50cm程度。)を実現した上、この縦穴空け具PLを外した後の縦穴Vh内に装着するものである。
その後、操作軸杆14の上端、キャップ11aから露出しているハンドル嵌着部14aに操作ハンドルHLを嵌合して外れないようにした後、この操作ハンドルHLのハンドル部HL1を使って杭本体1を上下左右に操りながら、縦穴Vhとの隙間に、先ほど掘り上げた土を押し込んでは該操作ハンドルHLの操作を繰り返して軸棒HL2を上下動させ、杭本体1の杭埋入部13が縦穴Vh内に密着、固定状となるようにして収めた最終状況が、図8の嵌入操作過程を縦断面的に示す説明図のようになり、こうして地盤GR内にワイヤーロープ捲着用パイル1を定着状にしてから、先に使った操作ハンドルHLを再び使って、今度は水平面内での回転操作Rを実施して操作軸杆14の下端がわに装置してある連動機構15の作動により、杭埋入部13側面内に収まっていた抜け出し抵抗翼腕16の端部を、前記した一部に縦断面を含ませた立面図の図5に示す状態から、図6のB-B拡大断面図に示す、抜け出し抵抗翼腕16の端部が杭埋入部13側面から繰り出され、縦穴の地盤内に突き刺さった状態を実現する。
そして、この後は、従前までに使用されてきていた山間地の木々Wに代わりに、この状態で地盤GRに埋入状とされたワイヤーロープ捲着用パイル1を使って、そのロープ捲着部11に、ワイヤーロープt3のシャックル付きのワイヤー先端t5がわを絡め、固定するようにした、図10に示す状態にしてくくり罠Tなどの仕掛け罠をセットすることができ、この後、獲物Aが掛かり、その獲物Aが暴れ回ってこのくくり罠T伝いにその外力がワイヤーロープ捲着用パイル1に加えられ、ワイヤーロープ捲着用パイル1が抜け出されそうに作用しても、抜け出し抵抗翼腕16の端部が縦穴Vhの地盤GR内に突き刺さった状態でアンカー状に機能することとなり、容易には抜け出ことはなく、従前までの山間地の木々Wに絡め、固定した状態と変わらず、したがって、それら木々Wが生えていないような都市部や農地、牧草地といった平地部など、何処でも所望する場所へ、従来から使用されてきている仕掛け罠の仕掛けを可能にするものとなる。
そして、仕掛け罠の絡め、固定先として1回または繰り返しの使用役目を果たし、別の場所での使用を必要としたときなどには、上記セットしたときと反対の操作で、操作ハンドルHLを再び操作すれば、それまで、獲物Aからの外力が加わっても容易に抜け出すことのない状態としていた抜け出し抵抗翼腕16の端部を、縦穴Vhの地盤GR内に突き刺さった状態でアンカー状に食い込まさせていた状態のワイヤーロープ捲着用パイル1から、この杭埋入部13の筒状空間1a内に格納状にしてしまって、最初、地盤GRへの引っ掛かり部を無くして縦穴Vh内へ落とし込んだときの状態に戻せることから、何回かの軸芯周りでの揺さ振り操作を繰り返すことにより、そのまま引き抜き、縦穴Vhからの抜去をすることが可能になって、ワイヤーロープ捲着用パイル1としての再使用をすることができるものとなる。
この連動機構をラック&ピニオン構造とした実施例に続き、次に、連動機構をボルト・ナット構造とした「ワイヤーロープ捲着用パイル」の一例を示すこととする。
図11の縦断面を一部に含ませた立面図以下、図16の抜け出し抵抗翼腕を地盤に食い込ませた状態を縦断面的に示す説明図までに展開する、この発明のワイヤーロープ捲着用パイルの事例は、前記した実施例と同様、その杭本体1は、杭埋入部13、姿勢安定翼片12、ロープ捲着部11から構成され、筒状空間1aを有した構造のものであって、その上下軸支部13a、13bに操作軸杆14が枢着、軸支され、その操作軸杆14の上端に設けたハンドル嵌着部14aに操作ハンドルHLを嵌着して当該操作軸杆14を水平面内回動操作するようにするところまでは、同様の構成のものとして形成されることとなる。
しかし、この実施例では、その連動機構15が、上記したラック&ピニオン構造に代えてボルト・ナット構造に依るものとされたワイヤーロープ捲着用パイル1とするものである。
図11の一部に縦断面を含ませた立面図、およびそのC-C拡大断面図である図12から判るとおり、ストッパー片14cの設けられた操作軸杆14から下方、下部の軸支部13bまでの間にネジ部14bとしてボルト状とし、このネジ部14bに螺合させ、操作軸杆14の軸芯周りの回転に連鎖して上下動するようにしたナット部16bとの組合せによって連動機構15を実現し、そのナット部16bの周囲4箇所の夫々に設けられた枢着部16b1、16b1、……には、各抜け出し抵抗翼腕16の基端がわが揺動自在に組み込まれていて、このナット部16bが、最も高位となるストッパー片14cの位置にあるとき、各抜け出し抵抗翼腕16の下端は、図12の拡大断面図からも看取されるとおり、先端がわも杭埋入部13内に収納状となるよう予め規制され、図11に示す立面図の姿勢になるようにして組み込まれている。
そして、図15が示しているように、縦穴Vh内に落とし込む段階は、杭埋入部13内に各抜け出し抵抗翼腕16全ての下端を収納状としたままで取り扱われ、この縦穴Vh内に所定の状態に埋め込まれた後では、図13の一部に縦断面を含ませた立面図、図14のD-D断面図、およびその抜け出し抵抗翼腕16を地盤GRに食い込ませた状態を縦断面的に示す説明図である図16に示されているとおり、杭本体1の操作軸杆14のハンドル嵌着部14aに操作ハンドルHL(図15、16中においては省略。)に嵌着して水平面内回動操作され、操作軸杆14の軸芯周りに回動すると、そのネジ部14bに螺合した同ナット部16bが連携作動し、操作軸杆14の最下端、下部の軸支部13b辺りまで下降して止まる姿勢になると、このネジ部14bにその基端がわが揺動自在に組み込まれている各抜け出し抵抗翼腕16夫々の先端がわは、図13、14、および図16に示されているように、完全に突き出し状とされ、地盤GR内に食い込んだ状態を実現し、ロープ捲着部11に、この杭本体1を抜け出し作用する外力が掛かっても、それに抵抗する機能を果たすことになる。
次に示す、連動機構をボルト・ナット構造の他の事例としたもので、図17の縦断面を一部に含ませた立面図や図18のE-E拡大断面図に示す「ワイヤーロープ捲着用パイル」のものは、前記した実施例2と同じように、その杭本体1は、杭埋入部13、姿勢安定翼片12、ロープ捲着部11から構成され、同様に筒状空間1aを有するようにした構造のものでではあるものの、操作軸杆14を枢着、軸支する下方位の軸支部13bは、杭埋入部13の底部近傍ではなく、採用する抜け出し抵抗翼腕16の全長よりもやや大きい寸法だけ上方位に一体形成されるものとし、この軸支部13b下面周りの4箇所の夫々に、これら抜け出し抵抗翼腕16組み込み用の枢着部16b1、16b1、……が配設され、これら4箇所夫々の枢着部16b1、16b1、……に抜け出し抵抗翼腕16の各基端がわが揺動自在に軸着されるようにしたものの一事例である。
それら図面で明確にされているとおり、4箇所の枢着部16b1、16b1、……に軸着されて揺動自在とされた抜け出し抵抗翼腕16夫々は、杭埋入部13の下端から、これら抜け出し抵抗翼腕16の長さ分だけ切り込んで、各抜け出し抵抗翼腕16を個別に対応、嵌合し得るように形成した翼腕繰出窓13cに臨むように配されたものとする一方、操作軸杆14は、その軸支部13bから下方がわがネジ部14bに形成され、このネジ部14bにナット部16bを螺合させると共に、このナット部16bは、当該軸支部13bから垂下され、操作軸杆14の下端に支持、固定されているガイドフレーム16b3、16b3によって水平面内回動が抑制されたまま上下方向摺動が成し得るように組み合わされされており、その結果、操作軸杆14の軸心周りの回動操作されると、このナット部16bは、これらガイドフレーム16b3、16b3に水平面内回動が抑制されることに依りネジ構造に依って上下方向への動きを実現するようにしてある。
こうして操作軸杆14の軸芯周りの回動操作による上下方向に移動、連鎖するようにしたナット部16bには、予めその外周に作用膨出部16b2が形成されていて、垂れ下がり状に組み込まれている抜け出し抵抗翼腕16の裏がわに当接状となることから、ナット部16bを軸支部13b下面近傍まで上昇操作させて、図19のように、この抜け出し抵抗翼腕16の表がわが翼腕繰出窓13cの上端縁に当接状とされた姿勢となるよう、その裏がわに押し当ててしまうと、夫々の抜け出し抵抗翼腕16は、その姿勢に固定されたままで地盤GR内に食い込み状になり、杭本体1の抜け出し抵抗を生み出すようにすることが可能なこの発明のワイヤーロープ捲着用パイル1となる。
なお、この実施例では、姿勢安定翼片12が杭埋入部13上端に軸止め部12aで折り畳み自在に組み込まれて成るものとし、梱包時やパイルとして持ち運び移動時に好適と成るよう配慮したものとしてある。勿論、この実施例に限られる訳ではなく、各実施例への採用は自由である。
そして、最後に、図20の縦断面を一部に含ませた立面図として取り上げてあるものは、連動機構に間接的なボルト・ナット構造を利用した「ワイヤーロープ捲着用パイル」の一例である。
ここに示すこの発明の「ワイヤーロープ捲着用パイル」の場合、上記した三つの実施例のように、連動機構15に依る連携が、ラック&ピニオンやボルト・ナット各部品の連動を直接抜け出し抵抗翼腕16に及ぼして作動させるようにしたものとは違い、操作軸杆11の軸芯周りの回転操作で作動するピニオン相当の部品、あるいはナット相当の部品が抜け出し抵抗翼腕16に連携して、同抜け出し抵抗翼腕16の突き出し作動や拡開作動を直接惹起させるよう作用するのではなく、それらの間に、例えば自転車のブレーキレバーとハブブレーキとを繋ぐブレーキケーブルのような機能を果たすステンレスワイヤーなど強靭な索条製のものから成る操作索条16cを介在させて実現するようにしている。
杭埋入部13とロープ捲着部11とに跨がる杭本体1の筒状空間1a内に、上端がわに軸支部13bが形成され、下端寄りで、採用する抜け出し抵抗翼腕16の長さに略匹敵する下端位置には、その抜け出し抵抗翼腕16を揺動自在に留め置く枢着部16b1を有するものとした装着ケース15aが、抜け出し抵抗翼腕16に合わせた枢着部16b1を実現されるようにして組み込まれ、数カ所のビス止めに依って固定され、同装着ケース15aの上端、軸支部13bとキャップ11a裏面の軸支部13aとに操作軸杆14を軸着すると共に、同操作軸杆14に予め設けてあるネジ部14bに螺合するようにして、ラック部16bが、ロープ捲着部11の筒状空間1a内に組み込まれ、このラック部16bは、操作軸杆14の軸芯周りの回転操作に連携して正転、逆転自在に回動するものとされており、そのラック部16bの真横の軸心位置に突設させた軸杆に、操作索条16cが巻き付け、巻き戻し自在に装着されたものとする。
そして、その操作索条16cの他端は、装着ケース15aの内がわに沿わせて下降させ、抜け出し抵抗翼腕16用の枢着部16b1よりも上位で、この枢着部16b1を支点として抜け出し抵抗翼腕16の他端がわを上下動可能とさせる位置として好適な位置となる装着ケース15a内がわ所定箇所に予め形成してあるロープガイド15b4を経由させてから、その端部を、枢着部16b1に揺動自在に組み込んだ抜け出し抵抗翼腕16の自由端まで誘導して決着させた組み合わせ構造にしてあり、連動機構15の中の操作軸杆14のネジ部14bとラック部16bとの連携によってラック部16bの真横に突設してある軸杆に当該操作索条16cが巻き付け、あるいは巻き戻しされることに依り、この抜け出し抵抗翼腕16は、枢着部16b1を軸とした作動を成し得ることになり、図20の中では、連動機構15を作動させ、操作索条16cを最も緩めた状態として抜け出し抵抗翼腕16を垂れ下がり状とした状態のものとして表示しており、それを、水平よりやや下り勾配状となるまで吊り上げて、抜け出し抵抗翼腕16が杭埋入部13に設けてある翼腕繰出窓13sから食み出し状とした状態のものを、点線表示で示し、そして、この実施例のものが、最も地盤GRに効果的に食い込み状となるよう食み出させた状態のものを、二点鎖線表示に依って示してある。
このように連動機構15を作動させ、全体形状を、杭本体先端がわに向けた矢尻状姿勢となるよう操作するようにしたものとすれば、この抜け出し抵抗翼腕16が地盤GRからの抜け出し抵抗では有効な状態とすることができるものの、対応できる地盤GRとしては、やや柔らかめの地盤向け用のものとして採用されるのが望ましく、上述したこれまでの事例のものに比較し、その操作軸杆14を極めて短くして装置することできるものとなって、杭本体1の軽量化には極めて有利なものと成し得ることから、取扱性を優先するようにしたこの発明の「ワイヤーロープ捲着用パイル」を実現する上では、好適な事例になるものと言える。
(結 び)
叙述の如く、この発明の着座・起立用補助ハンドルは、その新規な構成によって所期の目的を遍く達成可能とするものであり、しかも製造も容易なものとすることができ、比較的安価なものとし、従前からのくくり罠などといった野生鳥獣を捕獲するための器具、装置の仕掛けに欠かせないワイヤーロープの絡め、固定先を、所望する場所の何処においてでも、従前までの木々代わって所望の位置に設定することを可能にしたものであって、仮令、仕掛け罠に掛かった獲物から法外且つ複雑な牽引、緩和力がこの発明の「ワイヤーロープ捲着用パイル」に作用したとしても、その絡め付けてあった仕掛けが外れて獲物を取り逃してしまうことがなくなり、平地に頻繁に出没するようになった野生鳥獣に因る農作物への加害阻止に極めて有効なものとなることから、山間部の環境の変化や野生鳥獣の生息形態の変化などに対応したそれら野生鳥獣対策に苦戦を強いられてきている農園、農場経営者は固よりのこと、地方自治体や地域団体、あるいは隣り組などにおいても高く評価され、広範に渡って利用、普及していくものになると予想される。
1 ワイヤーロープ捲着用パイル(杭本体)
1a 同 筒状空間

11 ロープ捲着部
11a 同 キャップ
11b 同 軸支部
11c 同 位置規制用リブ
11d 同 捲着安定帯

12 姿勢安定翼片
12a 同 軸止め部

13 杭埋入部
13b 同 軸支部

14 操作軸杆
14a 同 ハンドル嵌着部
14b 同 ネジ部
14c 同 ストッパー片

15 連動機構

16 抜け出し抵抗翼腕
16a 同 ラック部
16b 同 ナット部
16b1 同 枢着部
16b2 同 作用膨出部
16b3 同 ガイドフレーム
16c 同 操作索条
16d 同 逆転ストッパー

A 獲 物
GR 地 盤
GR1 同 地面
HL 操作ハンドル
HL1 ハンドル部
HL2 軸棒
PL 縦穴具
PL1 同 ハンドル
PL2 同 掘削部
R 水平面内回転作動
T くくり罠
t1 同 わなワイヤー
t2 同 スプリング
t3 同 ワイヤーロープ
t4 同 より戻し
t5 同 シャックル付きワイヤー
Vh 縦 穴


この発明は、主に野生鳥獣を捕獲するための罠の仕掛け技術に関連するものであり、罠の中でも、特に、くくり罠の仕掛け、すなわち、ワイヤーロープでくくり罠を繋ぎ止めて、野生鳥獣が罠に掛かって暴れ回ったとしても、そのくくり罠が野生鳥獣を捉えたままで、その場所に確保し続けさせていけるよう、通常行われている立木の根元などに代わって、所望する場所にくくり罠を仕掛け置くことができるようにすることを実現する装置であって、それを製造、提供する分野は勿論のこと、その輸送、保管、組み立ておよび設置に必要となる設備、器具類を提供、販売する分野から、それら資材や機械装置、部品類に必要となる素材、例えば、木材、石材、各種繊維類、プラスチック、各種金属材料等を提供する分野、それらに組み込まれる電子部品やそれらを集積した制御関連機器の分野、各種計測器の分野、当該設備、器具を動かす動力機械の分野、そのエネルギーとなる電力やエネルギー源である電気、オイルなどの分野といった一般的に産業機械と総称されている分野から、更には、それら設備、器具類を試験、研究したり、それらの展示、販売、輸出入に係わる分野、将又、それらの使用の結果やそれを造るための設備、器具類の運転に伴って発生するゴミ屑の回収、運搬等に係わる分野、それらゴミ屑を効率的に再利用するリサイクル分野などの外、現時点で想定できない新たな分野までと、関連しない技術分野はない程である。
(着目点)
近年、各地でニホンジカやイノシシをはじめとした野生鳥獣の分布拡大や個体数の増加によって、農産物や山林での食害による植生の衰退化が深刻化してきており、それら野生鳥獣は、食べ物を求めて山林から市街地へ出没しはじめ、それらによる獣害は、山林よりも、むしろ牧場や休耕田などの草地、将又農耕地や庭園などの方で多くなり、日没後に多くの個体が出没して農作物や住居地の庭木を加害するようになり、農林水産省の発表によると、令和元年度(2020年)の野生鳥獣による農作物被害は、被害金額が約158億円にも上り、前年度と比較してその被害金額は、約2千万円増加(対前年0.2%)した状況で、微増ながら、被害額がピークとなった平成22年度(2010年)の239億円に比較すると、年々減少傾向にはあるとはいえ、依然として獣害による被害は、深刻な状況にあると言える。
こうした状況下にも拘らず、野生鳥獣の退治に欠かせない全国の狩猟者は、減少傾向にあって、平成26年には第1種銃猟免許所持者の人数が9万8千人程度となり、20年前の半分以下となってしまっていることと同時に、高齢化も進んでしまい、銃猟による害獣駆除対策には、大きな期待ができなくなってきている現状がある反面、この現象に対して、わな猟免許取得者は、増加傾向にあり、特に箱罠は、罠初心者でも取り組み易い上に市町村の箱罠導入支援などもあることから普及してきている。
我が国における狩猟用具において、積極的な猟法として用いられた弓矢、槍、吹矢、鉄砲などに対し,罠は、獲物の通り道に設置し、獲物がこれに気付かずに通り過ぎようとする際に捕らえてしまう装置であって、落し穴、くくり罠、箱罠、圧殺罠、とらばさみなどが用いられてきており、獲物の大きさや習性、立地条件などに応じて、それぞれ多様な変化形がみられ、これらを巧みに組み合わせるようにして採用されてきており、通り道に単純に罠を設置するもの、餌やおとりを置いて誘導するもの、柵を作って誘導路を設けるもの、また、落し穴の底に槍を仕込んだもの、くくり罠でも木や竹の弾力を用いて跳ね罠にしたもの、そして、箱罠では、小動物用のネズミ捕り式のものから、大型哺乳類を対象とした柵囲い大掛かりなものまで、と千差万別である中で、箱罠の普及に伴って、取り逃がしにより、箱罠を覚えてしまったニホンシカやイノシシといった野生鳥獣が増加し始めてしまい、箱罠による捕獲も困難になりつつあることから、最近では、これら野生鳥獣の捕獲用の罠に、安価で設置が簡易、且つ持ち運びも楽なくくり罠が普及しつつあり、全国の山間部でも広く採用されて害獣駆除対策として効果を上げ始めている。
このくくり罠は、箱罠と並んでポピュラーな罠猟の道具で、くくり罠に掛かってしまうと、動物の足にワイヤーロープが掛かって逃げられなくなるようにした装置で、手動のくくり罠もあるものの、現在使われている殆どのものは略自動のものであって、しかも構造もシンプルで、かつ小型になっているため、搬送にも負担が無く、しかも設置し易いという大きなメリットが有る上、価格も安いので沢山仕掛けることが可能なものではあるものの、設置に一定の技術が必要である。
通常、くくり罠は、ワイヤーロープを確りした立ち木の株元に絡め、固定して設置することが一般的であり、したがって、通常、山林内の獣道に仕掛けて使用する。しかし、ニホンシカなどといった野生鳥獣の被害は、前述のとおり、昨今、山林よりもむしろ市街地、特に牧場や農耕地、休耕田などの草地で多くなってきているのが実情である。
その理由といえば、野生鳥獣が本来生息してきた山林だけではなくなり、人の住む場所(人里)まで拡がってきたという、生息地の変化がある。それらは、山林開発や天災などで、実のなる木が減少したり、台風で実が落ちたりしてエサがなくなるのが早いため里へ下りてくるといった、山林での餌の減少化が大きく係わっていて、餌が豊富な人里を行動域として認識する環境への適応も原因の一つであり、しかも、地球温暖化等による野性鳥獣の繁殖に好条件が整ってきた上、栄養状態が良く(食物を田畑などから手に入れるため)野生鳥獣の死亡率が低下して行動範囲も広がり、日没後に多くの個体が出没して農作物を加害するようになり、農作物被害の軽減には、これら加害個体を捕獲処分する必要があるものの、これら野生鳥獣の出没が増え始めた市街地で通り道となる、例えば、侵入防止柵の外がわなどには、必ずしもくくり罠を固定するのに適した立ち木があるとは限らない環境である。
くくり罠の設置には、支柱となる木の幹や、場合によっては根株を探さなければならず、このとき重要となるのが、ワイヤーロープが届く範囲であって、掛かってしまった野生鳥獣が死に物狂いで暴れ回っても決して逃してしまうことがない確りとした根付け場所を選ぶ必要があり、折れ易いところを選んでしまい、折角捕獲した野生鳥獣に逃げられてしまうだけではなく、捕獲された状態の野生鳥獣と対峙した際に、絡め、固定していた立ち木が折れてしまうと野生鳥獣の逆襲に遭う虞があったりするため、安易な物を頼りにして、このくくり罠を仕掛けることは禁物となる。
そこで、山林とは違い、くくり罠のワイヤーロープを絡め、固定するための立ち木の無い平地などでも、このくくり罠を確実に仕掛けられるようにする対策が必要となってくるが、そのために有効なものの提供がなされてきていないのが実情である。
(従来の技術)
こうした状況でありながら、実態としては、くくり罠そのものの改良、開発ばかりに目が向き、くくり罠を設置する際には、獲物の掛かった罠をその位置に留め置くよう規制するためのワイヤーロープの、罠とは反対側となる一端を絡め、固定する上で必ず必要となる、絡め、固定先に係わる解決手段の提案については、その具体的な製品などとしても見掛けないだけではなく、それに繋がるようなアイデアさえも見出すことができない。
例えば、下記の特許文献1(1)に提案されているものも、一見すると、中央管21を使って、地面Gに対して金属製の部材(ストレート管)からなる杭45(図3参照)が略垂直に打ち込まれ、この鉛直方向を向いて配置される中央管21に対し、所定の如く傾斜させて溶接、一体化してなる第1傾斜管22及び第2傾斜管23には、地面Gに対して所定の如く斜めに方向となるようにして金属製の部材(ストレート管)からなる杭46、46が通されて地面Gに打ち込まれるようにし、第1傾斜管22及び第2傾斜管23によって地面Gに対して斜めに杭46が打ち込まれ、杭45,46を引き抜き難くすることができ、ロープ固定具10を地面Gに強固に固定できるようにしたものとなし、立木等の固定物がない見通しの良い場所(地面G)にロープ固定具10を固定して、捕獲器40を設置できる(段落0030)、としている。
しかし、それらの構造のものは、恰も園芸における植木や庭木を木立姿勢を支える三本支柱(八つ掛け支柱)のような構造をしており、これら三本支柱の役割は、植木や庭木の傾きを支える、つまり、傾きを受け止める機能を果たすものであり、傾くがわに位置する支柱は、その下端が地面Gの中に刺さり込む際の抵抗力で植木や庭木が傾向かないようにする機能を果たしているだけのものであって、したがって、傾きと反対がわに位置する杭45、46は容易に地面Gから抜け出し易く、それが、獲物の動きで延長ロープ44が何回も周回、逆周回を繰り替えされると、この装置において、延長ロープ44は、第1部材である20、60の連繋部26、66や張出部27、67、それに第2部材30、30の作用で当該延長ロープ44は、それらに自然に巻き取られて全長を短くし、獲物の錯乱範囲を狭くしていくという効果が得られるとしても、その間に、肝心の杭45、46全体がグラグラしてしまって地面Gから外れてしまうものになることは、極めて容易に推測できるもので「地面Gに強固に固定できるようにしたものである」とする段落0029や0030などに記載する効果は、実質期待できるものではないことが判明する構造のものとしなければならず、当該くくり罠を立木などの固定物が無い見通しの良い場所(地面G)へ設置するようにするものとしては、相当の危険が付きまとうものと同定せざるを得ないと言える。
その他の、特許文献1(2)に開示する「獣捕獲用脚括り罠」にあっても、「本発明の獣捕獲用脚括り罠1は、地面掘った縦穴に設置する。設置する縦穴の深さは、罠部分4と、作動部2および作動補助部3が過不足なく収まる深さの穴が好ましい。」(段落0030)、図1、3ないし5からは、括り罠1自体が縦穴で固定、使用し得るもののように見受けられるものの、同段落0030の後段では「なお獣捕獲用脚括り罠の末端は固定することが必要であり、作動部末端部分であるワイヤー25bは地上に出し、図1の拡大図(a)に示すように、ワイヤー25bの端末のリング26を木の枝などに絡めて固定したり、あるいは図1の拡大図(b)に示すようにワイヤー25bを木の枝や木の幹などに括りつけ、末端のリング26に付するUボルト20のボルトを木の根などにとめることで固定する。また、獣の脚を括るワイヤー25aが地表と同じ高さで水平になるように設置することが好ましい。」と明記しており、括り罠そのものの改良に係わってはいるものの、結局、その括り罠を取り付けたワイヤー25aの反対端部は、従来どおりに木の枝や木の幹などに絡め、固定使用するものでしかないものとなっている。
(1)特開2017-55694号公報 (2)特開2007-28964号公報
(問題意識)
上述したとおり、野生鳥獣を捕獲するための罠、その中でも代表的なくくり罠の仕掛け手段は、生息地の変化があったり、環境への適応の問題や地球温暖化等による野性鳥獣の繁殖条件の変化などによって野生鳥獣が本来生息してきた山林だけではなくなり、人の住む場所(人里)まで拡がってきているという実情に瀕していて野生鳥獣の行動範囲も広がり、田畑などにおける農作物被害が全国的なものとなり、それを軽減するために加害個体を捕獲処分しなければならないため、市町村といった行政機関は言うまでもなく、近隣住民の間でも、その対策に躍起となっているにも拘らず、その内容と言えば、現存する仕掛け罠などを前提とした全般的な講習会や実習に止まり、また、民間企業からの提案も、従前からの機械、装置の改良、開発ばかりに終始していることなどに鑑み、田畑など平地における農作物被害を食い止めるようにするために必要となる新たな発想による具体的な提案ができないものかとの認識の下、見逃されてきていたワイヤーロープを繋ぎ止めるための絡め、固定先を、これまでどおりの木の枝や木の幹などを前提とはせず、それら木の枝や木の幹などの無い市街地、特に牧場や農耕地、休耕田などの草地といった平地でも、安全、確実に罠の仕掛けが叶うようにできないものかとの強い願いを抱いたものである。
(発明の目的)
そこで、この発明は、くくり罠などといった野生鳥獣を捕獲するための器具、装置などを絡め、固定する上で欠かせなかった山間地に林立する木々に相当し、木の枝や木の幹などが無い市街地、特に牧場や農耕地、休耕田などの草地といった平地でも、それら木立に代わって安全、確実に罠の仕掛けが可能で、用を足した後では簡単に抜去して他のところで再利用できるようにした器具、装置が実現できないものかとの判断から、逸速くその開発、研究に着手し、長期に渡る試行錯誤と幾多の試作、実験とを繰り返してきた結果、今回、遂に、新たな発想に基づいて新規な構造から成る「ワイヤーロープ捲着用パイルの使用方法、およびそれに採用するワイヤーロープ捲着用パイル」を実現化することに成功したものであって、以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構成を詳述することとする。
(発明の構成)
図面に示すこの発明を代表する実施例からも明確に理解されるように、この発明の「ワイヤーロープ捲着用パイルの使用方法」は、適宜長さのワイヤーロープにより、その一端がわを固定物に捲着して仕掛けるようにする野生鳥獣捕獲用罠の仕掛けの際、所望仕掛け場所であって、獲物が掛かった罠の散逸阻止に有効な位置を決定した上、その箇所を、既存の適宜縦穴掘り具その他で所望径と深さとに合わせた縦穴を掘削し、該縦穴の中に、上方から下方に掛けてロープ捲着部、姿勢安定翼片、杭埋入部が形成され、それらに亘って筒状空間を有する構造とした杭本体であり、該筒状空間の上下軸支部に操作軸杆が枢着、軸支され、その操作軸杆の上端に設けたハンドル嵌着部に操作ハンドルを嵌着して当該操作軸杆を水平面内回動操作して杭埋入部に装着してある抜け出し抵抗翼腕が杭本体から出入り可能としたワイヤーロープ捲着用パイルの杭埋入部を落とし込み、該ワイヤーロープ捲着用パイルに組み込まれた操作軸杆上端を水平面内回動操作して連動機構を作動し、杭本体の下方に組み込んである抜け出し抵抗翼腕の先端がわが同杭本体外方に突出状姿勢を実現する一方、この抜け出し抵抗翼腕突出状姿勢実現操作をする前の縦穴に杭埋入部を落とし込んだ直後か、または当該抜け出し抵抗翼腕突出状姿勢実現操作後かの何れの段階に、杭本体の前後左右などへの振れ防止用として杭埋入部と縦穴との隙間に土砂などを装填すると共に、姿勢安定翼片は、縦穴周辺の地表面に安定、当接状とさせてしまい、当該ワイヤーロープ捲着用パイルが野生鳥獣捕獲用罠用のワイヤーロープ捲着用杭を実現するようにする一方、その用を終えて抜去処理を必要とする際には、ワイヤーロープ捲着用パイルに組み込まれた操作軸杆上端を水平面内回動操作して連動機構を逆作動し、先端がわを同杭本体外方に突出状姿勢としてあった抜け出し抵抗翼腕を杭本体内に収納状姿勢と成してしまってから、適宜手段で当該杭本体を縦穴から抜去処理操作するようにした構成を要旨とするワイヤーロープ捲着用パイルの使用方法である。
(関連する発明1)
そして、上記した新規な構成から成るこの発明の「ワイヤーロープ捲着用パイルの使用方法」に関連し、本願には、以下のとおりの「それに採用するワイヤーロープ捲着用パイル」も包含している。
それは、基本的に次のような構成から成り立っている。
即ち、土中埋入部分が少なくとも50cmとされ、5ないし20cmの範囲内の選択された直径とした硬質素材製筒状の杭埋入部と、該杭埋入部の上端、地面相当部位には、その周辺に亘って略水平状配置か外側方向にやや下降傾斜状配置かのどちらかとされた姿勢安定翼片を有し、それより上部が杭埋入部上端がわを上方に所定長さ延長、一体形成されたロープ捲着部とから成り、筒状空間を有するのものとした杭本体に対し、その筒状空間内には、操作軸杆がその軸芯周りの回転が安定操作可能な構造として配設されると共に、該筒状空間内の下方位置には抜け出し抵抗翼腕が組み込まれ、同操作軸杆適所と該抜け出し抵抗翼腕とは、操作軸杆の軸芯周り回動操作に連動して同抜け出し抵抗翼腕を杭本体筒状空間内と杭本体外側とへの出入り自在作動可能とする連動機構で連携されてなるものとした構成を要旨とする、上記したこの発明の使用方法に採用するワイヤーロープ捲着用パイルである。
この基本的な構成からなる「ワイヤーロープ捲着用パイル」は、その記載表現を変えて示すならば、以下のとおりのものとなる。
土中埋入部分が少なくとも50cmとされ、5ないし20cmの範囲内で、対象地面の質、形成素材強度などから選択された直径とした硬質素材製筒状の杭埋入部と、該杭埋入部の上端、地面相当部位には、その周辺に亘って略水平状配置か外側方向にやや下降傾斜状配置かのどちらかとする姿勢安定翼片を有し、それより上部が杭埋入部上端がわを上方に所定長さ延長、一体形成されたロープ捲着部とから成り、筒状空間を有するものと杭本体に対し、その筒状空間内には、操作軸杆がその軸芯周りの回転が安定操作可能な構造として配設されると共に、該筒状空間内の下方位置には抜け出し抵抗翼腕が組み込まれ、同操作軸杆適所と該抜け出し抵抗翼腕とは、操作軸杆の軸芯周り回動操作に連動して同抜け出し抵抗翼腕を杭本体筒状空間内と杭本体外側とへの出入り自在作動可能とする連動機構で連携されてなるものとし、ワイヤーロープ捲着用として地盤埋設、使用する際には、当該操作軸杆の軸芯周り回動操作で該抜け出し抵抗翼腕は、杭本体外側に突出状として抜け留め機能を果たさせ、ワイヤーロープ捲着用としての目的達成後に地盤から抜去する際には、当該操作軸杆の軸芯周り回動操作で該抜け出し抵抗翼腕は、杭本体筒状空間内に格納状として抜け掛け抵抗に係わりの無い状態となるよう、当該連動機構を選択操作可能になるものとした構成から成る、上記したこの発明の使用方法に採用するワイヤーロープ捲着用パイルである。
上記のとおりの構成を要旨とするこの発明の「ワイヤーロープ捲着用パイル」において、操作軸杆適所と抜け出し抵抗翼腕とを連携し、該抜け出し抵抗翼腕を杭本体筒状空間内と杭本体外側とへの出入り自在作動可能とする連動機構は、具体的なものとして、まず、杭本体に組み込まれた操作軸杆下端辺り周壁にピニオン部を刻設されたものとする一方、該ピニオン部に噛合可能なラック部を有する所定長の抜け出し抵抗翼腕が、操作軸杆に直交状配置であって該ラック部をそのピニオン部に噛合させてなるようにし、操作軸杆の軸回転に伴って該ピニオン部の水平方向作動を促して杭埋入部筒状空間内外に出入りさせるようにして成る、ラック&ピニオン構造としたものが挙げられる。
また、連動機構には、杭本体の筒状空間上下端を軸支部とした構造で杭本体に操作軸杆が組み込まれるようにしたもので、その操作軸杆下端がわをネジ山部に形成されたものにする一方、該ネジ山部にナット部を螺合させ、当該操作軸杆を軸回転操作することによってナット部を上下動させるボルト・ナット構造のものでは、このナット部に設けた枢着部に所定長の抜け出し抵抗翼腕一端がわが枢着されたものと成し、該ナット部の上下動に伴って抜け出し抵抗翼腕他端がわが、杭埋入部に設けた迫り出しスリット部の下端縁に誘導されて筒状空間に出入りするようにした構造のものとするか、あるいはまた、抜け出し抵抗翼腕一端がわが、ナット部ではなく、その上方の杭埋入部筒状空間内に一体形成された操作軸杆中間の軸支部の一部に抜け出し抵抗翼腕一端がわが枢着されるようにし、当該操作軸杆を軸回転操作してナット部を上下動させると、該ナット部に形成された作用膨出部が抜け出し抵抗翼腕他端がわ背面への当接に依り、この抜け出し抵抗翼腕他端がわが、杭埋入部に設けた迫り出しスリット部から筒状空間に出入りするようにしたものも包含されている。
さらに、この連動機構としては、ウォームギア構造のもので、杭本体に組み込まれた操作軸杆上端辺りが円筒ウォーム部に形成されたものにする一方、該円筒ウォーム部に近接する杭本体内壁には、同円筒ウォーム部に螺合するウォームホィール部軸芯に一体化された回転軸部から巻取、巻戻し可能に取り付けて成る操作索条を下降配設され、筒状空間内の軸受け部に一端が軸着された抜け出し抵抗翼腕の他端取付部に取着されてなる所定長の抜け出し抵抗翼腕が、当該操作索条を伸ばした状態では、その他端取付部が当該軸受部の下方であって、筒状空間内底部辺りに位置して収納された姿勢と成す一方、同操作索条を巻上げ、その他端取付部が当該軸受部よりも上位で、抜け出し抵抗翼腕の他端取付部がわが杭本体杭埋入部下方に縦刳形成されている翼腕繰出窓から食み出し、杭本体先端がわに向け矢尻状姿勢として固設状にされるようにした構成から成るものも含まれる。
以上のとおりの構成から成るこの発明の「ワイヤーロープ捲着用パイルの使用方法、およびそれに採用するワイヤーロープ捲着用パイル」に依れば、従前までのものとは違い、上記したとおりの固有の特徴ある構成から、くくり罠などといった野生鳥獣を捕獲するための器具、装置の仕掛けに欠かせないワイヤーロープの絡め、固定先を、所望する場所の何処においてでも、つまりこれまでのように木々が林立する山間地に限定されることなく、それら従前までの木々代わって所望の位置に設定することを実現し得るものになることから、山林開発や天災などで、実のなる木が減少したり、台風で実が落ちたりしてエサがなくなるのが早いため里へ下りてくるといった、山林での餌の減少化が大きく係わってきているという生息地の変化が係わって、餌が豊富な人里を行動域として認識する環境への適応が進化してきていることに加え、地球温暖化等による野性鳥獣の繁殖に好条件が整ってきた上に、栄養状態が良く(食物を田畑などから手に入れるため)野生鳥獣の死亡率が低下して行動範囲も広がってきているため、それら山間地に繋がる木立の無い市街地であって野生鳥獣の通り道と想定されるところで、地面が覗くところであれば何処にでも、くくり罠などの仕掛け罠を確実に絡め、固定して仕掛けることを可能にするという極めて有効な効果が期待できるものとなる。
それは、単に杭を地中に突き刺しただけのものではなく、事前にこの発明のポールサイズに合わせて掘り下げた縦穴に落とし込んだ後、その姿勢安定翼片を地面に当設状としながら、操作軸杆の上端に別途操作ハンドルを嵌めて水平面内回転操作することより、該操作軸杆を軸回転させ、その回転動に連携するようにして設置してある連動機構より、杭本体筒状空間内所定箇所に組み込んである抜け出し抵抗翼腕を、杭本体外に突き出し状態としてしまい、この状態の抜け出し抵抗翼腕と、杭埋入部上端の姿勢安定翼片とで、杭本体周りの地盤を挟圧状とした構造原理となっており、仮令、杭本体上端辺りに絡め、固定してあるワイヤーロープに、仕掛け罠に掛かった獲物から、その個体が、掛かった罠から逃れようとして七転八倒を繰り返して暴れまくり、法外且つ複雑な牽引、緩和力が作用したとしても、その絡め付けてあった仕掛けが外れ、逃してしまうようなことがないように固定状にしてしまう杭本体の地盤に対する姿勢の安定性は、十分に保持し続けられるものとなり、それは、恰も従前までの木々に絡め、固定したものと変わらないほどの安定性を実現し得ることとなる。
その結果、日没後、山間地から木の枝や幹などの無い市街地、特に牧場や農耕地、休耕田などの草地といった平地に頻繁に出没するようになった野生鳥獣に因る農作物への加害阻止に対し、この発明の「ワイヤーロープ捲着用パイル、およびワイヤーロープ捲着用パイルの使用方法」に依れば、木々の有る山間地に限定されることはなく、出没して農作物を物色すると予想されるところで、所定サイズの縦穴形成の可能なところでありさえすれば何処にでも容易に設置でき、これまで頼りにしてきた木々に代わるものとして機能、作用させることができることになって、従前から提供され続け、今後とも改善、改良が進むであろうと予想されるこれら仕掛け罠の活用を大巾に広げ、農作物などへの被害軽減策として大きく貢献し得るものになると言える。
しかも、この発明の「ワイヤーロープ捲着用パイル」は、所望する場所での仕掛け罠の設えを果たし終え、新たな場所での使用に回したいときには、杭本体の操作軸杆上端に別途操作ハンドルを嵌合して水平面内回転操作をして連動機構の作動により、抜け出し抵抗翼腕を杭埋入部筒状空間内所定箇所に格納状としてしまって、杭本体を上方向抜去作業の折に、杭本体外周面は突起物が無くて地中における滑動を阻害することはなく、円滑な抜去作業を可能ならしめ、容易に地上に取り出して新たな所望箇所での使用を可能にすることができるものとなることから、仕掛け罠やワイヤーロープの再使用などが、「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律」の第二種特定鳥獣管理計画や、鳥獣保護法施行規則に基づいて禁止されてはいるものの、この発明の「ワイヤーロープ捲着用パイル」は、そのまま再利用可能となり、この発明の「ワイヤーロープ捲着用パイルの使用方法」を容易に実施可能とする利点が得られる。
そして、この発明の「ワイヤーロープ捲着用パイル」における連動機構を、杭本体に組み込まれた操作軸杆下端辺り周壁にピニオン部を刻設されたものとする一方、該ピニオン部に噛合可能なラック部を有する所定長の抜け出し抵抗翼腕が、操作軸杆に直交状配置であって該ラック部をそのピニオン部に噛合させてなるようにした構成のものとしたものでは、ラック部とピニオン部との噛合による抜け出し抵抗翼腕の水平作動となるため、その構成上から、抜け出し抵抗翼腕自体のサイズが杭本体の杭埋入部における筒状空間直径内のものに制約されてしまうものの、ラック&ピニオン構造という簡潔且つ強力な伝導機構からなり、抜け出し抵抗翼腕先端の地盤への刺さり込みが強力なものとなって固い地盤内にも突入し易く、硬質地盤用向きの「ワイヤーロープ捲着用パイル」の一つとして代表的な連動機構を採用して成るものとなる。
また、この連動機構として、他にボルト・ナット構造の一つを採用して成るものの事例で、操作軸杆の軸回転操作で上下動するナット部自体に枢着部を設け、その枢着部に抜け出し抵抗翼腕の一端がわを枢着させ、ナット部を上下動させることによって抜け出し抵抗翼腕他端がわが、杭埋入部に設けた迫り出しスリット部下端がわに誘導されて筒状空間に出入り自在とした、後述の実施例として取り上げたものに代表されるようなものでは、ボルト・ナット構造という既往からの摺動構造をそのまま採用するものとなることから、製造し易いだけではなく、スリット部下端位置に対するナット部上下動範囲を決めることにより、抜け出し抵抗翼腕の角度、すなわち、地盤に食い込み状となる姿勢角度を最適なものに決定することができ(但し、スリット部下端位置に対してナット部下降位置を下げてしまうほど、操作軸杆の軸回転操作が、地盤の抵抗を受け過ぎて操作性が悪くなる虞がある。)、長めの抜け出し抵抗翼腕とし、全体構成がイカリのような立体形状を実現し得るものになるという利点が得られるようにしたものであり、上記したラック&ピニオン構造のものよりも柔らかめの地盤向けに適したものになるという特徴がある。
さらに、実施例としても取り上げてるような、ボルト・ナット構造を採用した他の事例で、抜け出し抵抗翼腕の一端がわをナット部に枢着させるものとしないで、操作軸杆の中途を軸支するようにした軸装構造のもので、その杭埋入部筒状空間中途の軸着部を枢着部として抜け出し抵抗翼腕一端がわを枢着する形式のものでは、上下動させるナット部の外周に作用膨出部が設けられていて、ナット部を上下動させる際に、この作用膨出部を抜け出し抵抗翼腕背面に当接状として摺動させ、抜け出し抵抗翼腕を迫り出しスリット部から出入りさせるようにしたものでは、後述の実施例からも見て取れるように、杭埋入部の底部を抜いた構造のものとして構成しておき、この解放した杭埋入部の底部から抜け出し抵抗翼腕やナット部などを組み込み、装置することができるという制作上の利点が得られることから、操作軸杆の操作で抜け出し抵抗翼腕を地盤に食い込み状として使用した後、その地盤との絡み具合で抜け出し抵抗翼腕が変形または損傷した場合などにおけるこれら抜け出し抵抗翼腕の補修や交換作業に有利なものとなって繰り返し使用に利便性が有るものとすることができる。
以上のものの連動機構は、操作軸杆と抜け出し抵抗翼腕とが、直接的にギア構成で連携するようにしたものの代表的なものであったが、操作軸杆に設けるギアは、直接抜け出し抵抗翼腕の作動に係わるのではなく、操作軸杆と抜け出し抵抗翼腕との間にステンレスワイヤーなどといった操作索条を介在させ、該操作索条の巻き付け、巻き戻し操作で、抜け出し抵抗翼腕の他端取付部に取着されてなる所定長の抜け出し抵抗翼腕が、当該操作索条を伸ばした状態では、その他端取付部が当該軸受部の下方であって、筒状空間内底部辺りに位置して収納された姿勢と成す一方、同操作索条を巻上げ、その他端取付部が当該軸受部よりも上位で、抜け出し抵抗翼腕の他端取付部がわが杭本体杭埋入部下方に縦刳形成されている翼腕繰出窓から食み出し状となるようにし、全体形状を、杭本体先端がわに向けた矢尻状姿勢となるよう操作するようにした、例えば後述する実施例として取り上げているような構造のものでは、上記した事例のものと同様、やや柔らかめの地盤向け用として機能するものの一例であり、これまでの事例のものに比較し、操作軸杆を極めて短くして装置することでき、軽量化には有利なものと成し得ることから、取扱性を優先するようにしたものの事例として好適と言えるものとなる。
これら各種構成からなるものは、仕掛け罠の絡め、固定先の用途以外にも、地盤に対して強固な固定を必要とする、例えば土手面への防雪柵用筋交止め材や川岸での川船用繋ぎ止め杭など、各種用途への採用が可能であることは言うまでもない。
上記したとおりの構成からなるこの発明の実施に際し、その最良もしくは望ましい形態について説明を加えることにする。
杭本体は、全体として筒状空間を有しており、基本的に杭埋入部と、その上端に位置して地面に当設し、杭本体の姿勢安定化およびその抜け出し阻止機能を、抜け出し抵抗翼腕との組合せに依って実現する姿勢安定翼片と、その上方に伸び、先の杭埋入部の上方延長状にのものとなるロープ捲着部とから構成されており、これらは、原則、上下方向一体形成されるようにしたものとして形成されるようにするが、場合に依って、それら各部、別々の部品として形成し、一般に採用される手段、例えば溶接や、連結部を形成しておき、ボルト・ナット止めやビス止めなどに依るものとしても何ら差し支えはなく、全体として、用途となる杭の機能を果たし得るのに十分な構造強度、ならびにその水平断面形状、例えば円形、楕円形、三角形、四角形その他多角形、星形その他形状を実現し得る筒状のものとしなければならず、それらを構成する材質も、各種鋼板製のものから、鋳物製、各種硬質プラスチィックス製、あるいはそれらの組合せなど、その材質に限定は無く、最適素材のものの選択に依って構成されれば良く、また、それらの外表面なども、平滑なものを標準とするが、場合によって凹凸形状としたものなどで、土中における摩擦抵抗などが考慮されてなるものにすることも何ら疎外してはいない。
その中、杭埋入部は、仕掛け罠としてのワイヤーロープ自由端を絡め、固定し、仕掛け罠に掛かった獲物が七転八倒して掛かるワイヤーロープ牽引、弛緩力に抗して、周りの地盤に接したまま、下記する抜け出し抵抗翼腕や姿勢安定翼片との関係を得て、できるだけ姿勢を変えないで十分耐え得るようにする機能を果たし得るものとしなければならず、少なくとも50cm程度の長さのものとし、後述する実施例でも明らかなとおり、内部に連動機構を形成して抜け出し抵抗翼腕と連携作動させる構成を適えるため、筒状空間を有しているものにすると共に、所望箇所の地面に適宜手段で用意、穿設されるようにした所定深さの縦穴に抵抗を少なくして嵌入可能とし得るよう、その先端外形を、半球状や円錐状、角錐状など土中挿入抵抗が少ない形状とされたものが望ましく、内装する抜け出し抵抗翼腕の作動に応じて必要なる翼腕繰出窓などが、所定箇所に形成されるようにすると共に、当該抜け出し抵抗翼腕を作動、操作するための連動機構と操作軸杆とを予め配設、収納し得るようにする直径、例えば5ないし20cm程度の範囲(これらは、あくまで標準的なものであり、対象獲物の種類や設置場所の条件その他に依って変られても差し支えはない。)で、対象獲物や地盤強度、あるいは杭埋入部の長さや強度その他要因に依って適宜選択、決定するようにした径から成る筒状空間構成のものとしなければならず、それらは、抜け出し抵抗翼腕、それを作動、操作させる連動機構、操作軸杆その他の組合せ、配置に応じ、決められたものとして構成されれば良い。
また、姿勢安定翼片は、上記杭埋入部上端において該杭埋入部と最終的に一体化するように配され、その少なくとも底面を地面に当接させることにより、後述する抜け出し抵抗翼腕との組合せに依って杭本体の姿勢を安定化させると共に、その抜け出しをできるだけ阻止し得るようにする機能を全うさせるものであり、杭本体としての全体形において魚の腹ビレのような配置で、複数の片が杭本体の外方に向かい、独立して飛び出したような構造のものとするか、刀のツバのような傘状片として張り出した構造のものとするかしたもので、杭本体に一定の姿勢で一体化されたものとするか、製品としての梱包詰めや持ち運びに支障が無いよう、後述する実施例の一つとして取り上げているような折り畳み自在のものにするものであって、杭本体の姿勢安定化と、抜出し阻止機能との実現のため、後述の抜け出し抵抗翼腕との相関関係を考慮して最適な出っ張り方、形状、形状が爪状のものの場合にはその本数、厚さ、その他、周辺地盤との絡みで有効な要素の検討、形成したものとされればよく、後述する各実施例に取り上げてある姿勢安定翼片の構成に限定されるものではない。
残るロープ捲着部は、上記姿勢安定翼片から上位の、先の杭埋入部上方延長状となるような筒状で所定長さのものとして形成され、杭本体を所望箇所に埋設、固定状とした際に、所定長に形成された該ロープ捲着部全長を、上記姿勢安定翼片下面を当接状としている地表上に突出状とし、それを、ワイヤーロープの、仕掛け罠取付端と反対がわの端部を絡めて捲着する箇所として機能すると共に、その上端には、後述する操作軸杆を筒状空間内に縦設させて同軸芯周りの回転を安定的に維持するようにした構造が付与されるべきであり、筒状空間上端を利用して該筒状空間を隠蔽してしまうキャップを被冠し得るようにする一方、操作軸杆の上端に嵌合して同操作軸杆の軸周り回転作動させるための適宜操作ハンドルを装着する部位を装備する機能を担うものであり、実施例にも示すとおり、姿勢安定翼片寄りと成る下方位には、必要に応じ、ワイヤーロープを絡めて捲着する場合、その絡め箇所を安定させると共に、絡め後に、その箇所から上方に簡単に摺動して抜け出さないよう、位置規制用リブを周囲に突設形成し、捲着安定帯が形成されるようにしたものとするのが望ましい。
こうして構成される杭本体には、その筒状空間の軸芯に併せ、操作軸杆が、その軸芯周りの回転操作が可能な構造として縱設され、その軸心回動操作に連携するようにして配される連動機構の作動により、後述の抜け出し抵抗翼腕をこの杭本体外周面から突出させて地盤との噛合状態を実現したり、あるいはその用を果たして杭本体を縦穴から抜去する際には、それら地盤との間で噛合状態となっていた抜け出し抵抗翼腕を、この杭本体内に格納状とするよう外周面から引っ込ませてしまう操作をする機能を担っており、その縦設姿勢は、当該操作軸杆と共に配設する連動機構の種類によって最適な箇所、例えば、後述する実施例の一つように、筒状空間の底部近傍に設けてある軸支片と前記したキャップとの間で枢着状と成るよう組み合わせる、筒状空間の略全長に亘って縦設したものや、他の実施例として示す、ロープ捲着部の筒状空間適所に設けた軸支片と前記したキャップとの間という上下間隔を短くした構造のものとして、両者間で枢着状と成るよう組み合わせたものとすることもでき、あくまで連動機構をどのようにするかで、それに応じた最適な配設構造を採用するようになる。
連動機構は、操作軸杆との連携性が取れる構造のものであればよく、実施例にも取り上げてあるように、ラック&ピニオン構造やボルト・ナット構造、あるいはウォームギア式のものの外、イモネジ・ラック構造のものなど各種歯車によるものとしたり、歯車同士ではなくベルトと組み合わせたもの、その他公知の各種機械要素で、操作軸杆の回動に依って抜け出し抵抗翼腕を杭本体筒状空間から出し入れ操作に連携できる機能を兼ね備えたものであれば適宜選択、採用することも可能であり、連携作動の確実性や耐久性、それと杭本体内への取付け容易性、単価などが総合勘案されて最適なものの選択、採用がなされるようにすれば良く、決して機構内容を特定するものではないが、操作軸杆の操作によって作動させる抜け出し抵抗翼腕が、目的とする縦穴周囲の地盤に対し、確実に噛合状にできて杭本体の抜去阻止機能が発揮する上で、できるだけ優位なものであるのが望ましいと言える。
この連動機構に連携して作動する抜け出し抵抗翼腕は、杭本体に収納状に格納された状態から、縦穴内に落とし込んだ後、その位置において該抜け出し抵抗翼腕の先端がわを杭本体周壁面から突出状となるよう強制的に操作され、周辺地盤に食い込み状に固定されるものであり、筒状のままに縦穴に埋め込まれただけでは、それに外力が加わって引き抜き作用が及ぼされたとき、簡単に抜去されてしまうことのないよう、木々で言うならば、それらの根のような機能を分担して、杭本体の安易な抜け出しを阻止する機能を発揮させるようにするものであり、錐のように刺さり込ませるようにするか、斜めに割って入るようにする(実施例では、杭埋入部の底部辺りに一端がわを軸着とし、他端がわを下から斜め上方に作動させて地盤に割って入るようにしているが、作動構造は、その反対に上から斜め下方にさせるようにしたものでも良い。)か、一時的に先端を膨出させるようにするかなど、地盤への係わり方に応じて該抜け出し抵抗翼腕の構造も変えなければならず、ネジ棒状のものとしたり、ピッケル状のもの、フォーク状のもの、短刀状のもの、その他、連動機構との連携によってどのような作動をさせて地盤への噛合状態に入るようにさせるかで最適な構造のものの選択、採用が必要となる。
以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構造について詳述することとする。
図面は、この発明の「ワイヤーロープ捲着用パイルの使用方法、およびそれに採用するワイヤーロープ捲着用パイル」の技術的思想を具現化した代表的な幾つかの実施例を示すものである。
連動機構をラック&ピニオン構造とした「ワイヤーロープ捲着用パイル」で、縦断面を一部に含ませた立面図である。 図1に示す「ワイヤーロープ捲着用パイル」の側面がわから見た、縦断面を一部に含ませた立面図である。 図1に示す「ワイヤーロープ捲着用パイル」の拡大平面図である。 図1における「ワイヤーロープ捲着用パイル」のA~A拡大断面図である。 図2の「ワイヤーロープ捲着用パイル」であって、その連動機構操作完了状態を示す、縦断面を一部に含ませた立面図である。 図5における「ワイヤーロープ捲着用パイル」のB~B拡大断面図である。 所望地面への縦穴形成過程を縦断面的に示す説明図である。 図7で形成した縦穴へ図1ないし6で示す構造の「ワイヤーロープ捲着用パイル」を嵌入操作過程を縦断面的に示す説明図である。 図8で実現した状態の「ワイヤーロープ捲着用パイル」から、操作軸杆操作によって抜け出し抵抗翼腕を地盤に食い込ませる過程を縦断面的に示す説明図である。 上記各図で所望箇所に設置された「ワイヤーロープ捲着用パイル」のロープ捲着部にワイヤーロープの一端がわを絡め、固定した状態で、他端、仕掛け罠などと繋ぐがわを省略した状態で縦断面的に示す説明図である。 連動機構をボルト・ナット構造とした「ワイヤーロープ捲着用パイル」の一例で、縦断面を一部に含ませた立面図である。 図11における「ワイヤーロープ捲着用パイル」のC~C断面図である。 図11において「ワイヤーロープ捲着用パイル」の連動機構操作完了状態を示す、縦断面を一部に含ませた立面図である。 図13における「ワイヤーロープ捲着用パイル」のD~D断面図である。 縦穴に対して図11ないし14で示す構造の「ワイヤーロープ捲着用パイル」を嵌入準備段階を縦断面的に示す説明図である。 図11ないし14で示す構造の「ワイヤーロープ捲着用パイル」が、その抜け出し抵抗翼腕を地盤に食い込ませた状態を縦断面的に示す説明図である。 連動機構をボルト・ナット構造とした「ワイヤーロープ捲着用パイル」の他の例で、縦断面を一部に含ませた立面図である。 図17における「ワイヤーロープ捲着用パイル」のE~E拡大断面図である。 図17の「ワイヤーロープ捲着用パイル」の連動機構操作完了状態を示す、縦断面を一部に含ませた立面図である。 連動機構に間接的なボルト・ナット構造を利用した「ワイヤーロープ捲着用パイル」の例で、縦断面を一部に含ませた立面図である。 くくり罠の一例を示す平面図である。 従来から実施されてきたくくり罠などの仕掛け方を示す斜視図である。 以下では、本願発明に係わる代表的な実施例の幾つかを例示して、本願発明が包含する技術的思想についての理解の一助にするものの、これら実施例により、本願発明の技術的思想に基づいて具現化される本願「ワイヤーロープ捲着用パイル、およびその使用方法」自体を拘束するものではないことは、言うまでもない。
図1の縦断面を一部に含ませた立面図として示す事例は、本願「ワイヤーロープ捲着用パイル」に含まれるもので、その連動機構をラック&ピニオン構造からなるものとして実現されるようにしたものの一例であって、その基本構造を示しており、以下の図2ないし図10によって、その構成を様々な角度から明らかにしている。
この実施例では、その使用方法が明確になるようにするため、近時の仕掛け罠として最もポピュラーな、図21、22に掲げてあるくくり罠Tの仕掛け用に採用する場合を想定したものとしており、わなワイヤーt1、スプリングt2、ワイヤーロープt3、より戻しt4、シャックル付きのワイヤー先端t5などから成るこのくくり罠Tの絡め、固定先を、従前までに使用されてきていた山間地の木々に代わり、それら木々が無いような平地部など所望する場所の何処においてでも、仕掛け罠として採用可能にするようにしたものである。
この実施例でワイヤーロープ捲着用パイル1となる杭本体は、地盤に埋入され、立設状の杭として機能すると共に、その内部に操作軸杆14や連動機構15、抜け出し抵抗翼腕16などを装置するようにするために、全体形状が筒状空間1aを有する筒状体であって、その中(うち)、下方がわに少なくとも略50cm程度の長さ部分に杭埋入部13が確保され、その上端であって地面に当接する位置には姿勢安定翼片12が、当該杭埋入部13の外周壁面から真横方向に突出、形成されると共に、それら姿勢安定翼片12の上方に一体化されるようにしてロープ捲着部11が設けられたものと成し、その筒状空間1aの軸心には、操作軸杆14が、そのハンドル嵌着部14a下端で、ロープ捲着部11上端に被冠させるキャップ11aの軸支部11bと、杭埋入部13下端近傍に設けられた軸支部13bとに、軸芯周りの回動自在にして装着されるようにすると共に、該軸支部11b直上辺りに連動機構15が組み込まれて成るようしたものであり、鋼管のような管体そのものを採用するか、一対の樋体を向かい合わせ、熔着、接着など強度ある適宜手段で一体化するかなどして筒状体とすれば良く、絡め、固定したワイヤーロープに獲物Vからの外力が掛かってしまったときなどでも、変形、破損してしまうことのないよう、各種鋼材製、FRP(繊維強化プラスチック)やGFRP(炭素繊維強化プラスチック)、不飽和ポリエステル製など、各種強度ある素材で、経済性その他を考慮した最適素材に依って形成する。
この実施例における連動機構15は、図4のA~A拡大断面図に示すように、操作軸杆14の下端がわで、軸支部13bの直上辺りの外周にピニオン(円形歯車)14bが形成され、このピニオン14bに噛合するよう歯切りされたラック16a付きの抜け出し抵抗翼腕16が、当該操作軸杆14軸芯に対して直交方向に出入り自在に組み合わされ、この操作軸杆14を回動R操作に依り、図1に示す「ワイヤーロープ捲着用パイル」の側面がわから見た、縦断面を一部に含ませた立面図の図2、および上記した図4の拡大断面図に示す状態のように、抜け出し抵抗翼腕16の端部が杭埋入部13側面内に収まった状態から、図5の一部に縦断面を含ませた立面図や図6に示す拡大断面図に表されているように、抜け出し抵抗翼腕16が繰り出され、その端部が杭埋入部13側面から突き出すようにしたものである。
以上のようにして形成されるこの実施例におけるワイヤーロープ捲着用パイル1は、まず、図7の縦穴形成過程を縦断面的に示す説明図のように、地盤にパイプや杭を突き立てる際に形成する下穴空け用具として従前から多用されてきている縦穴空け具(例えば、通信販売オンラインショップ「あっと解消本店」で販売されている商品「かんたん穴掘り器」など。)PLを使用し、先端を所望する位置の地面に当て、そのハンドルPL1を水平面内回転操作Rし、その掘削部PL2を食い込ませ、土を掘り上げながら、図8の嵌入操作過程を縦断面的に示す説明図のように、ワイヤーロープ捲着用パイル1の杭埋入部13を落とし込み、地面にその姿勢安定翼片12が当接状になって杭埋入部13を落とし込めるだけの深さ(したがって、杭埋入部13のサイズ次第となるが、この実施例では50cm程度。)を実現した上、この縦穴空け具PLを外した後の縦穴Vh内に装着するものである。
その後、操作軸杆14の上端、キャップ11aから露出しているハンドル嵌着部14aに操作ハンドルHLを嵌合して外れないようにした後、この操作ハンドルHLのハンドル部HL1を使って杭本体1を上下左右に操りながら、縦穴Vhとの隙間に、先ほど掘り上げた土を押し込んでは該操作ハンドルHLの操作を繰り返して軸棒HL2を上下動させ、杭本体1の杭埋入部13が縦穴Vh内に密着、固定状となるようにして収めた最終状況が、図8の嵌入操作過程を縦断面的に示す説明図のようになり、こうして地盤GR内にワイヤーロープ捲着用パイル1を定着状にしてから、先に使った操作ハンドルHLを再び使って、今度は水平面内での回転操作Rを実施して操作軸杆14の下端がわに装置してある連動機構15の作動により、杭埋入部13側面内に収まっていた抜け出し抵抗翼腕16の端部を、前記した一部に縦断面を含ませた立面図の図5に示す状態から、図6の拡大断面図に示す、抜け出し抵抗翼腕16の端部が杭埋入部13側面から繰り出され、縦穴の地盤内に突き刺さった状態を実現する。
そして、この後は、従前までに使用されてきていた山間地の木々Wに代わりに、この状態で地盤GRに埋入状とされたワイヤーロープ捲着用パイル1を使って、そのロープ捲着部11に、ワイヤーロープt3のシャックル付きのワイヤー先端t5がわを絡め、固定するようにした、図10に示す状態にしてくくり罠Tなどの仕掛け罠をセットすることができ、この後、獲物Aが掛かり、その獲物Aが暴れ回ってこのくくり罠T伝いにその外力がワイヤーロープ捲着用パイル1に加えられ、ワイヤーロープ捲着用パイル1が抜け出されそうに作用しても、抜け出し抵抗翼腕16の端部が縦穴Vhの地盤GR内に突き刺さった状態でアンカー状に機能することとなり、容易には抜け出ことはなく、従前までの山間地の木々Wに絡め、固定した状態と変わらず、したがって、それら木々Wが生えていないような都市部や農地、牧草地といった平地部など、何処でも所望する場所へ、従来から使用されてきている仕掛け罠の仕掛けを可能にするものとなる。
そして、仕掛け罠の絡め、固定先として1回または繰り返しの使用役目を果たし、別の場所での使用を必要としたときなどには、上記セットしたときと反対の操作で、操作ハンドルHLを再び操作すれば、それまで、獲物Aからの外力が加わっても容易に抜け出すことのない状態としていた抜け出し抵抗翼腕16の端部を、縦穴Vhの地盤GR内に突き刺さった状態でアンカー状に食い込まさせていた状態のワイヤーロープ捲着用パイル1から、この杭埋入部13の筒状空間1a内に格納状にしてしまって、最初、地盤GRへの引っ掛かり部を無くして縦穴Vh内へ落とし込んだときの状態に戻せることから、何回かの軸芯周りでの揺さ振り操作を繰り返すことにより、そのまま引き抜き、縦穴Vhからの抜去をすることが可能になって、ワイヤーロープ捲着用パイル1としての再使用をすることができるものとなる。
この連動機構をラック&ピニオン構造とした実施例に続き、次に、連動機構をボルト・ナット構造とした「ワイヤーロープ捲着用パイル」の一例を示すこととする。
図11の縦断面を一部に含ませた立面図以下、図16の抜け出し抵抗翼腕を地盤に食い込ませた状態を縦断面的に示す説明図までに展開する、この発明のワイヤーロープ捲着用パイルの事例は、前記した実施例と同様、その杭本体1は、杭埋入部13、姿勢安定翼片12、ロープ捲着部11から構成され、筒状空間1aを有した構造のものであって、その上下軸支部13a、13bに操作軸杆14が枢着、軸支され、その操作軸杆14の上端に設けたハンドル嵌着部14aに操作ハンドルHLを嵌着して当該操作軸杆14を水平面内回動操作するようにするところまでは、同様の構成のものとして形成されることとなる。
しかし、この実施例では、その連動機構15が、上記したラック&ピニオン構造に代えてボルト・ナット構造に依るものとされたワイヤーロープ捲着用パイル1とするものである。
図11の一部に縦断面を含ませた立面図、およびそのC~C拡大断面図である図12から判るとおり、ストッパー片14cの設けられた操作軸杆14から下方、下部の軸支部13bまでの間にネジ部14bとしてボルト状とし、このネジ部14bに螺合させ、操作軸杆14の軸芯周りの回転に連鎖して上下動するようにしたナット部16bとの組合せによって連動機構15を実現し、そのナット部16bの周囲4箇所の夫々に設けられた枢着部16b1、16b1、……には、各抜け出し抵抗翼腕16の基端がわが揺動自在に組み込まれていて、このナット部16bが、最も高位となるストッパー片14cの位置にあるとき、各抜け出し抵抗翼腕16の下端は、図12の拡大断面図からも看取されるとおり、先端がわも杭埋入部13内に収納状となるよう予め規制され、図11に示す立面図の姿勢になるようにして組み込まれている。
そして、図15が示しているように、縦穴Vh内に落とし込む段階は、杭埋入部13内に各抜け出し抵抗翼腕16全ての下端を収納状としたままで取り扱われ、この縦穴Vh内に所定の状態に埋め込まれた後では、図13の一部に縦断面を含ませた立面図、図14のC~C断面図、およびその抜け出し抵抗翼腕16を地盤GRに食い込ませた状態を縦断面的に示す説明図である図16に示されているとおり、杭本体1の操作軸杆14のハンドル嵌着部14aに操作ハンドルHL(図15、16中においては省略。)に嵌着して水平面内回動操作され、操作軸杆14の軸芯周りに回動すると、そのネジ部14bに螺合した同ナット部16bが連携作動し、操作軸杆14の最下端、下部の軸支部13b辺りまで下降して止まる姿勢になると、このネジ部14bにその基端がわが揺動自在に組み込まれている各抜け出し抵抗翼腕16夫々の先端がわは、図13、14、および図16に示されているように、完全に突き出し状とされ、地盤GR内に食い込んだ状態を実現し、ロープ捲着部11に、この杭本体1を抜け出し作用する外力が掛かっても、それに抵抗する機能を果たすことになる。
次に示す、連動機構をボルト・ナット構造の他の事例としたもので、図17の縦断面を一部に含ませた立面図や図18の拡大断面図に示す「ワイヤーロープ捲着用パイル」のものは、前記した実施例2と同じように、その杭本体1は、杭埋入部13、姿勢安定翼片12、ロープ捲着部11から構成され、同様に筒状空間1aを有するようにした構造のものでではあるものの、操作軸杆14を枢着、軸支する下方位の軸支部13bは、杭埋入部13の底部近傍ではなく、採用する抜け出し抵抗翼腕16の全長よりもやや大きい寸法だけ上方位に一体形成されるものとし、この軸支部13b下面周りの4箇所の夫々に、これら抜け出し抵抗翼腕16組み込み用の枢着部16b1、16b1、……が配設され、これら4箇所夫々の枢着部16b1、16b1、……に抜け出し抵抗翼腕16の各基端がわが揺動自在に軸着されるようにしたものの一事例である。
それら図面で明確にされているとおり、4箇所の枢着部16b1、16b1、……に軸着されて揺動自在とされた抜け出し抵抗翼腕16夫々は、杭埋入部13の下端から、これら抜け出し抵抗翼腕16の長さ分だけ切り込んで、各抜け出し抵抗翼腕16を個別に対応、嵌合し得るように形成した翼腕繰出窓13cに臨むように配されたものとする一方、操作軸杆14は、その軸支部13bから下方がわがネジ部14bに形成され、このネジ部14bにナット部16bを螺合させると共に、このナット部16bは、当該軸支部13bから垂下され、操作軸杆14の下端に支持、固定されているガイドフレーム16b3、16b3によって水平面内回動が抑制されたまま上下方向摺動が成し得るように組み合わされされており、その結果、操作軸杆14の軸心周りの回動操作されると、このナット部16bは、これらガイドフレーム16b3、16b3に水平面内回動が抑制されることに依りネジ構造に依って上下方向への動きを実現するようにしてある。
こうして操作軸杆14の軸芯周りの回動操作による上下方向に移動、連鎖するようにしたナット部16bには、予めその外周に作用膨出部16b2が形成されていて、垂れ下がり状に組み込まれている抜け出し抵抗翼腕16の裏がわに当接状となることから、ナット部16bを軸支部13b下面近傍まで上昇操作させて、図19のように、この抜け出し抵抗翼腕16の表がわが翼腕繰出窓13cの上端縁に当接状とされた姿勢となるよう、その裏がわに押し当ててしまうと、夫々の抜け出し抵抗翼腕16は、その姿勢に固定されたままで地盤GR内に食い込み状になり、杭本体1の抜け出し抵抗を生み出すようにすることが可能なこの発明のワイヤーロープ捲着用パイル1となる。
なお、この実施例では、姿勢安定翼片12が杭埋入部13上端に軸止め部12aで折り畳み自在に組み込まれて成るものとし、梱包時やパイルとして持ち運び移動時に好適と成るよう配慮したものとしてある。勿論、この実施例に限られる訳ではなく、各実施例への採用は自由である。
そして、最後に、図20の縦断面を一部に含ませた立面図として取り上げてあるものは、連動機構に間接的なボルト・ナット構造を利用した「ワイヤーロープ捲着用パイル」の一例である。
ここに示すこの発明の「ワイヤーロープ捲着用パイル」の場合、上記した三つの実施例のように、連動機構15に依る連携が、ラック&ピニオンやボルト・ナット各部品の連動を直接抜け出し抵抗翼腕16に及ぼして作動させるようにしたものとは違い、操作軸杆11の軸芯周りの回転操作で作動するピニオン相当の部品、あるいはナット相当の部品が抜け出し抵抗翼腕16に連携して、同抜け出し抵抗翼腕16の突き出し作動や拡開作動を直接惹起させるよう作用するのではなく、それらの間に、例えば自転車のブレーキレバーとハブブレーキとを繋ぐブレーキケーブルのような機能を果たすステンレスワイヤーなど強靭な索条製のものから成る操作索条16cを介在させて実現するようにしている。
杭埋入部13とロープ捲着部11とに跨がる杭本体1の筒状空間1a内に、上端がわに軸支部13bが形成され、下端寄りで、採用する抜け出し抵抗翼腕16の長さに略匹敵する下端位置には、その抜け出し抵抗翼腕16を揺動自在に留め置く枢着部16b1を有するものとした装着ケース15aが、抜け出し抵抗翼腕16に合わせた枢着部16b1を実現されるようにして組み込まれ、数カ所のビス止めに依って固定され、同装着ケース15aの上端、軸支部13bとキャップ11a裏面の軸支部13aとに操作軸杆14を軸着すると共に、同操作軸杆14に予め設けてあるネジ部14bに螺合するようにして、ラック部16bが、ロープ捲着部11の筒状空間1a内に組み込まれ、このラック部16bは、操作軸杆14の軸芯周りの回転操作に連携して正転、逆転自在に回動するものとされており、そのラック部16bの真横の軸心位置に突設させた軸杆に、操作索条16cが巻き付け、巻き戻し自在に装着されたものとする。
そして、その操作索条16cの他端は、装着ケース15aの内がわに沿わせて下降させ、抜け出し抵抗翼腕16用の枢着部16b1よりも上位で、この枢着部16b1を支点として抜け出し抵抗翼腕16の他端がわを上下動可能とさせる位置として好適な位置となる装着ケース15a内がわ所定箇所に予め形成してあるロープガイド15b4を経由させてから、その端部を、枢着部16b1に揺動自在に組み込んだ抜け出し抵抗翼腕16の自由端まで誘導して決着させた組み合わせ構造にしてあり、連動機構15の中の操作軸杆14のネジ部14bとラック部16bとの連携によってラック部16bの真横に突設してある軸杆に当該操作索条16cが巻き付け、あるいは巻き戻しされることに依り、この抜け出し抵抗翼腕16は、枢着部16b1を軸とした作動を成し得ることになり、図20の中では、連動機構15を作動させ、操作索条16cを最も緩めた状態として抜け出し抵抗翼腕16を垂れ下がり状とした状態のものとして表示しており、それを、水平よりやや下り勾配状となるまで吊り上げて、抜け出し抵抗翼腕16が杭埋入部13に設けてある翼腕繰出窓13sから食み出し状とした状態のものを、点線表示で示し、そして、この実施例のものが、最も地盤GRに効果的に食い込み状となるよう食み出させた状態のものを、二点鎖線表示に依って示してある。
このように連動機構15を作動させ、全体形状を、杭本体先端がわに向けた矢尻状姿勢となるよう操作するようにしたものとすれば、この抜け出し抵抗翼腕16が地盤GRからの抜け出し抵抗では有効な状態とすることができるものの、対応できる地盤GRとしては、やや柔らかめの地盤向け用のものとして採用されるのが望ましく、上述したこれまでの事例のものに比較し、その操作軸杆14を極めて短くして装置することできるものとなって、杭本体1の軽量化には極めて有利なものと成し得ることから、取扱性を優先するようにしたこの発明の「ワイヤーロープ捲着用パイル」を実現する上では、好適な事例になるものと言える。
(結 び)
叙述の如く、この発明の「ワイヤーロープ捲着用パイルの使用方法、およびそれに採用するワイヤーロープ捲着用パイル」は、その新規な構成によって所期の目的を遍く達成可能とするものであり、しかも製造も容易なものとすることができ、比較的安価なものとし、従前からのくくり罠などといった野生鳥獣を捕獲するための器具、装置の仕掛けに欠かせないワイヤーロープの絡め、固定先を、所望する場所の何処においてでも、従前までの木々代わって所望の位置に設定することを可能にしたものであって、仮令、仕掛け罠に掛かった獲物から法外且つ複雑な牽引、緩和力がこの発明の「ワイヤーロープ捲着用パイル」に作用したとしても、その絡め付けてあった仕掛けが外れて獲物を取り逃してしまうことがなくなり、平地に頻繁に出没するようになった野生鳥獣に因る農作物への加害阻止に極めて有効なものとなることから、山間部の環境の変化や野生鳥獣の生息形態の変化などに対応したそれら野生鳥獣対策に苦戦を強いられてきている農園、農場経営者は固よりのこと、地方自治体や地域団体、あるいは隣り組などにおいても高く評価され、広範に渡って利用、普及していくものになると予想される。
1 ワイヤーロープ捲着用パイル(杭本体)
1a 同 筒状空間

11 ロープ捲着部
11a 同 キャップ
11b 同 軸支部
11c 同 位置規制用リブ
11d 同 捲着安定帯

12 姿勢安定翼片
12a 同 軸止め部

13 杭埋入部
13b 同 軸支部

14 操作軸杆
14a 同 ハンドル嵌着部
14b 同 ネジ部
14c 同 ストッパー片

15 連動機構

16 抜け出し抵抗翼腕
16a 同 ラック部
16b 同 ナット部
16b1 同 枢着部
16b2 同 作用膨出部
16b3 同 ガイドフレーム
16c 同 操作索条
16d 同 逆転ストッパー

A 獲 物
GR 地 盤
GR1 同 地面
HL 操作ハンドル
HL1 ハンドル部
HL2 軸棒
PL 縦穴具
PL1 同 ハンドル
PL2 同 掘削部
R 水平面内回転作動
T くくり罠
t1 同 わなワイヤー
t2 同 スプリング
t3 同 ワイヤーロープ
t4 同 より戻し
t5 同 シャックル付きワイヤー
Vh 縦 穴

Claims (7)

  1. 土中埋入部分が少なくとも略50cm程度とされ、略5ないし20cm程度の範囲内の選択された直径から成り、くくり罠など仕掛け罠など用繋ぎ止めに使用するワイヤーロープを捲着して引き回されても破損しないだけの強度を保有する肉厚とした硬質素材製筒状の杭埋入部と、該杭埋入部の上端、地面相当部位には、その周辺に亘って略水平状配置か外側方向にやや下降傾斜状配置かのどちらかとされた姿勢安定翼片を有し、それより上部が杭埋入部上端がわを上方に所定長さ延長、一体形成されたロープ捲着部とから成り、筒状空間を有するのものとした杭本体に対し、その筒状空間内には、操作軸杆がその軸芯周りの回転が安定操作可能な構造として配設されると共に、該筒状空間内の下方位置には抜け出し抵抗翼腕が組み込まれ、同操作軸杆適所と該抜け出し抵抗翼腕とは、操作軸杆の軸芯周り回動操作に連動して同抜け出し抵抗翼腕を杭本体筒状空間内と杭本体外側とへの出入り自在作動可能とする連動機構で連携されてなるものとしたことを特徴とするワイヤーロープ捲着用パイル。
  2. 土中埋入部分が少なくとも略50cm程度とされ、略5ないし20cm程度の範囲内で、対象地面の質、形成素材強度などから選択された直径から成り、くくり罠など仕掛け罠など用繋ぎ止めに使用するワイヤーロープを捲着して引き回されても破損しないだけの強度を保有する肉厚とした硬質素材製筒状の杭埋入部と、該杭埋入部の上端、地面相当部位には、その周辺に亘って略水平状配置か外側方向にやや下降傾斜状配置かのどちらかとする姿勢安定翼片を有し、それより上部が杭埋入部上端がわを上方に所定長さ延長、一体形成されたロープ捲着部とから成り、筒状空間を有するものと杭本体に対し、その筒状空間内には、操作軸杆がその軸芯周りの回転が安定操作可能な構造として配設されると共に、該筒状空間内の下方位置には抜け出し抵抗翼腕が組み込まれ、同操作軸杆適所と該抜け出し抵抗翼腕とは、操作軸杆の軸芯周り回動操作に連動して同抜け出し抵抗翼腕を杭本体筒状空間内と杭本体外側とへの出入り自在作動可能とする連動機構で連携されてなるものとし、ワイヤーロープ捲着用として地盤埋設、使用する際には、当該操作軸杆の軸芯周り回動操作で該抜け出し抵抗翼腕は、杭本体外側に突出状として抜け留め機能を果たさせ、ワイヤーロープ捲着用としての目的達成後に地盤から抜去する際には、当該操作軸杆の軸芯周り回動操作で該抜け出し抵抗翼腕は、杭本体筒状空間内に格納状として抜け掛け抵抗に係わりの無い状態となるよう、当該連動機構を選択操作可能になるものとしたことを特徴とするワイヤーロープ捲着用パイル。
  3. 操作軸杆適所と抜け出し抵抗翼腕とを連携し、該抜け出し抵抗翼腕を杭本体筒状空間内と杭本体外側とへの出入り自在作動可能とする連動機構は、杭本体に組み込まれた操作軸杆下端辺り周壁にピニオン部を刻設されたものとする一方、該ピニオン部に噛合可能なラック部を有する所定長の抜け出し抵抗翼腕が、操作軸杆に直交状配置であって該ラック部をそのピニオン部に噛合させてなるものとされ、た、請求項1または2何れか一記載のワイヤーロープ捲着用パイル。
  4. 操作軸杆適所と抜け出し抵抗翼腕とを連携し、該抜け出し抵抗翼腕を杭本体筒状空間内と杭本体外側とへの出入り自在作動可能とする連動機構は、杭本体の筒状空間上下端辺りを軸支部として操作軸杆が軸装され、該操作軸杆下端がわをネジ山部に形成されたものにする一方、該ネジ山部にナット部が螺合され、当該操作軸杆の軸回転でナット部を上下動されるものにする一方、該ナット部に設けられた枢着部に所定長の抜け出し抵抗翼腕一端がわが枢着され、同ナット部の上下動に伴って抜け出し抵抗翼腕他端がわが、杭埋入部に設けた迫り出しスリット部下端縁に誘導されて筒状空間に出入り自在且つ突出姿勢の仮固定自在にされて成るものとした、請求項1または2何れか一記載のワイヤーロープ捲着用パイル。
  5. 操作軸杆適所と抜け出し抵抗翼腕とを連携し、該抜け出し抵抗翼腕を杭本体筒状空間内と杭本体外側とへの出入り自在作動可能とする連動機構は、抜杭本体の筒状空間上端辺りと杭埋入部筒状空間内中間辺りとを軸支部として操作軸杆が軸装され、この杭埋入部筒状空間内中間辺りの軸支部に形成された枢着部に抜け出し抵抗翼腕一端がわが枢着されると共に、その枢着部より下方に突出する操作軸杆に形成されたネジ山部には、外周に作用膨出部を有するナット部が螺合され、操作軸杆の軸回転で上下動する該ナット部の作用膨出部が抜け出し抵抗翼腕他端がわ背面に当接しながら、同ナット部の上下動に伴って抜け出し抵抗翼腕他端がわを、杭埋入部に設けた迫り出しスリット部から筒状空間に出入り自在且つ突出姿勢の仮固定自在にされて成るものとした、請求項1または2何れか一記載のワイヤーロープ捲着用パイル。
  6. 操作軸杆適所と抜け出し抵抗翼腕とを連携し、該抜け出し抵抗翼腕を杭本体筒状空間内と杭本体外側とへの出入り自在作動可能とする連動機構は、杭本体に組み込まれた操作軸杆上端辺りが円筒ウォーム部に形成されたものにする一方、該円筒ウォーム部に近接する杭本体内壁には、同円筒ウォーム部に螺合するウォームホィール部軸芯に一体化された回転軸部から巻取、巻戻し可能に取り付けて成る操作索条を下降配設され、筒状空間内の軸受け部に一端が軸着された抜け出し抵抗翼腕の他端取付部に取着されてなる所定長の抜け出し抵抗翼腕が、当該操作索条を伸ばした状態では、その他端取付部が当該軸受部の下方であって、筒状空間内底部辺りに位置して収納された姿勢と成す一方、同操作索条を巻上げ、その他端取付部が当該軸受部よりも上位で、抜け出し抵抗翼腕の他端取付部がわが杭本体杭埋入部下方に縦刳形成されている翼腕繰出窓から食み出し、杭本体先端がわに向け矢尻状姿勢として固設状にされて成るものとした、請求項1または2何れか一記載のワイヤーロープ捲着用パイル。
  7. 適宜長さのワイヤーロープにより、その一端がわを固定物に捲着して仕掛けるようにする野生鳥獣捕獲用罠の仕掛けの際、所望仕掛け場所であって、獲物が掛かった罠の散逸阻止に有効な位置を決定した上、その箇所を、既存の適宜縦穴掘り具その他で所望径と深さとに合わせた縦穴を掘削し、該縦穴の中に、前記請求項1ないし5記載の構成からなるワイヤーロープ捲着用パイルの杭埋入部を落とし込み、該ワイヤーロープ捲着用パイルに組み込まれた操作軸杆上端を水平面内回動操作して連動機構を作動し、杭本体の下方に組み込んである抜け出し抵抗翼腕の先端がわが同杭本体外方に突出状姿勢を実現する一方、この抜け出し抵抗翼腕突出状姿勢実現操作をする前の縦穴に杭埋入部を落とし込んだ直後か、または当該抜け出し抵抗翼腕突出状姿勢実現操作後かの何れの段階に、杭本体の前後左右などへの振れ防止用として杭埋入部と縦穴との隙間に土砂などを装填すると共に、姿勢安定翼片は、縦穴周辺の地表面に安定、当接状とさせてしまい、当該ワイヤーロープ捲着用パイルが野生鳥獣捕獲用罠用のワイヤーロープ捲着用杭を実現するようにする一方、その用を終えて抜去処理を必要とする際には、ワイヤーロープ捲着用パイルに組み込まれた操作軸杆上端を水平面内回動操作して連動機構を逆作動し、先端がわを同杭本体外方に突出状姿勢としてあった抜け出し抵抗翼腕を杭本体内に収納状姿勢と成してしまってから、適宜手段で当該杭本体を縦穴から抜去処理操作するようにしたことを特徴とする、請求項1ないし請求項6何れか一記載のワイヤーロープ捲着用パイルの使用方法。

JP2021126350A 2021-07-31 2021-07-31 ワイヤーロープ捲着用パイルの使用方法、およびそれに採用するワイヤーロープ捲着用パイル Active JP7166025B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021126350A JP7166025B1 (ja) 2021-07-31 2021-07-31 ワイヤーロープ捲着用パイルの使用方法、およびそれに採用するワイヤーロープ捲着用パイル

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021126350A JP7166025B1 (ja) 2021-07-31 2021-07-31 ワイヤーロープ捲着用パイルの使用方法、およびそれに採用するワイヤーロープ捲着用パイル

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP7166025B1 JP7166025B1 (ja) 2022-11-07
JP2023021202A true JP2023021202A (ja) 2023-02-10

Family

ID=83931115

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021126350A Active JP7166025B1 (ja) 2021-07-31 2021-07-31 ワイヤーロープ捲着用パイルの使用方法、およびそれに採用するワイヤーロープ捲着用パイル

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7166025B1 (ja)

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000064759A (ja) * 1998-08-24 2000-02-29 Nittoc Constr Co Ltd アンカー工法および地盤改良工法ならびにこれらに用いる拡大掘削装置
JP2005009295A (ja) * 2003-04-11 2005-01-13 Yoshiki Morita
KR101262819B1 (ko) * 2012-09-28 2013-05-13 청우조경건설 주식회사 토사 경사면 보강용 앙카볼트 장치
JP2014152444A (ja) * 2013-02-05 2014-08-25 Japan Comdac Co Ltd アンカー
JP2017008590A (ja) * 2015-06-23 2017-01-12 株式会社三喜工務店 基礎杭
JP2017193909A (ja) * 2016-04-22 2017-10-26 株式会社日本コムダック アンカー
JP2019194421A (ja) * 2018-04-26 2019-11-07 良樹 金高 アンカー杭及びその施工方法

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000064759A (ja) * 1998-08-24 2000-02-29 Nittoc Constr Co Ltd アンカー工法および地盤改良工法ならびにこれらに用いる拡大掘削装置
JP2005009295A (ja) * 2003-04-11 2005-01-13 Yoshiki Morita
KR101262819B1 (ko) * 2012-09-28 2013-05-13 청우조경건설 주식회사 토사 경사면 보강용 앙카볼트 장치
JP2014152444A (ja) * 2013-02-05 2014-08-25 Japan Comdac Co Ltd アンカー
JP2017008590A (ja) * 2015-06-23 2017-01-12 株式会社三喜工務店 基礎杭
JP2017193909A (ja) * 2016-04-22 2017-10-26 株式会社日本コムダック アンカー
JP2019194421A (ja) * 2018-04-26 2019-11-07 良樹 金高 アンカー杭及びその施工方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP7166025B1 (ja) 2022-11-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11647702B2 (en) Protector device comprising a plurality of pairs of multi-pronged elements
Keyes et al. Capturing birds with mist nets: a review
Henderson et al. Arboreal and fossorial reptiles
KR20200022101A (ko) 맷돼지로부터 농작물을 지켜라
JP7166025B1 (ja) ワイヤーロープ捲着用パイルの使用方法、およびそれに採用するワイヤーロープ捲着用パイル
Case et al. Pocket gophers
Fitzwater Barrier fencing in wildlife management
Rigden et al. To net or not to net
US6289639B1 (en) Ground barrier to stymie digging animals
Curtis et al. Preventing deer damage with barrier, electrical, and behavioral fencing systems
DE102018131677B4 (de) Mittel und Verfahren zum Schutz von Buchsbäumen vor dem Buchsbaumzünsler
JP2012125232A (ja) 荷重のバランスで坂落す、連続自動獣類捕獲装置。
DE102018100874B4 (de) Habitat für Reptilien und Amphibien
JP2008283911A (ja) 害獣忌避具及び害獣侵入防止柵と害獣忌避工法
Petrides Snares and deadfalls
US20170290311A1 (en) Fish And Game Device
Bennett et al. A noose trap for catching a large arboreal lizard, Varanus olivaceus
Byford Nonpoisonous Snakes
Carter Illinois trees: selection, planting, and care
US20230337654A1 (en) Nuisance animal trap
Thompson Snares and snaring
JP2009142254A (ja) 防鳥網の支持装置及びその方法
US20210015089A1 (en) A bear foot snare/cable restraint delivery system
DE157849C (ja)
JP2533000Y2 (ja) 防獣ネット

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220516

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20220516

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220628

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220810

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220830

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220927

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20221018

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7166025

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150